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(別紙)
平成26年度火薬類危害予防週間実施要領
平成2 6年 5月 16 日
経 済 産 業 省
1.目的
火薬類による災害を防止し、公共の安全を確保することを目的として、各地の実情に即し
た行事を行い、火薬類の危害予防意識の高揚を図る。
2.期間
本年度は、平成26年6月10日(火)から6月16日(月)まで実施する。
3.実施機関
商務流通保安グループ(以下「商流G」という。)及び各産業保安監督部が、各都道府県
及び公益社団法人全国火薬類保安協会、公益社団法人日本煙火協会、一般社団法人日本火薬
銃砲商組合連合会、各都道府県火薬類保安協会等の関係団体と協力して実施する。
4.実施目標
本年度の危害予防実施目標は以下のとおりとする。
(1)産業火薬類の製造中及び消費中における危害予防の実施目標
平成25年は、重量検査工程における発火事故や、くず薬収納容器からの発火事故
といった火薬類の製造所における通常作業時の事故が2件発生した。当該事故を教訓
とし、製造所における定常作業に潜む危険因子を洗い出し、手順書、工程等の再確認
を行うとともに、当該作業を通じて現場関係者の保安意識の向上を図り、産業火薬類
の製造中の事故の防止を図る。
産業火薬類の消費中の事故は、掘削工事現場における不発火薬類の爆発事故が1
件、採石に伴う飛石による事故が2件、道路整備時の養生マットの飛翔事故が1件、
計4件発生した。特に、不発火薬類の爆発事故に関しては、不発火薬類の処置を誤る
と大惨事に発展する危険を有していることから、当該事故の概要、原因等を関係事業
者に周知するとともに、発破後の不発火薬の確認、新たな装薬孔のせん孔手順の遵守
を周知徹底する。また、引き続き、関係事業者に対し発破にかかる作業計画や防護、
待避措置の再確認を行うよう周知徹底し、事業者における保安管理体制の見直し、従
業者への安全教育の徹底を図り、産業火薬類の消費中の事故防止を図る。
(2)煙火の製造中及び消費中における危害予防の実施目標
平成26年、がん具煙火の製造中に、棚に置かれていた火工品が突然落下し、発火
する事故が1件発生した。当該事故を教訓とし、製造所における定常作業に潜む危険
因子を洗い出し、手順書、工程等の再確認を行うとともに、当該作業を通じて現場関
係者の保安意識の向上を図り、がん具煙火の製造中の事故の防止を図る。
また、平成25年は、煙火の消費中の事故が61件発生しており、前年と比較し、
事故件数、負傷者数共に増加している。煙火の消費に関する事故については、過去の
事故事例を踏まえつつ、個々の状況に応じた対策を検討する。また、火災の発生や、
残滓による負傷等が多数発生しており、実施計画の再確認、関係者等への情報共有等
を通じ、一人一人の危害予防に対する意識の向上による更なる事故防止を図る。
手筒煙火については、火薬の装填不良等により異常燃焼する事故等が複数回発生し
ている。手筒煙火製造者、消費者等関係者が作業手順を再確認し、事故防止を図る。
がん具煙火や動物駆逐用煙火の消費については、誤使用による火災や火傷などの事
故が発生している。特に動物駆逐用煙火については、使用中の爆発により指を欠損す
る事故が発生している。このため、がん具煙火等の正しい取扱い、使用法等を周知徹
底し、事故防止を図る。
(3)火薬類の貯蔵、販売、譲受・譲渡、廃棄、その他における危害予防の実施目標
平成25年は、中学生が火薬の材料を乳鉢で混合し、爆発、火傷を負う事故が発生
している。18歳未満の者の火薬類の取扱いの禁止や、学校での火薬類を使用した理
化学実験における実施計画の作成、安全対策の徹底を図る。
また、火薬の廃薬処理に際し、事業者で定めた手順書を逸脱し、予想以上の炎が発
生、顔面等に火傷を負う事故が発生している。火薬類の廃棄にあたっては、危害予防
規定、手順書等を作成するとともに、関係する者への周知、情報共有を行い、事故防
止を図る。
加えて、食肉センターの従業者が、空包保管用金庫の鍵を管理する別の従業者の不
在から、空包を保管することができず、当該空包を自宅に持ち帰る途中に立ち寄った
遊技場で、駐車場に止めていたトラックから空包が盗難される事故が発生している。
火薬類の取扱いに関する規定を整備し、従業者に対する保安教育を定常的に実施する
ことで、事故防止を図る。
(4)火薬類の自然災害対策に関する実施目標
自然災害への対応として、平成24年3月に取りまとめられた総合資源エネルギ
ー調査会高圧ガス及び火薬類保安分科会火薬部会報告書「火薬類の自然災害対策につ
いて」(以下「部会報告書」という。)を踏まえ、事業者に対し、津波、土砂災害等
を想定した防災対策の実施や理解を促す。さらに、本年3月28日に指定された南海
トラフ地震防災対策推進地域内にある製造所に対し、危害予防規程の必要な変更等措
置を促す。
(実施事項)
1.商流G及び産業保安監督部
(1)商流Gは、危害予防週間の周知用ポスターを作成し、各産業保安監督部、各都道府
県及び関係団体に配布し、危害予防意識の高揚を図る。
(2)商流G及び各産業保安監督部は、関係団体や事業者に対し、実施目標の周知を徹底
する。
(3)各産業保安監督部は関係都道府県との連携体制を強化し、事故原因の調査方法につ
いて検討する。また、管轄地域の事故の傾向を分析し、その対策を検討するとともに、
それら対策について関係都道府県への連絡の徹底を図る。
(4)各産業保安監督部は、火薬類を取り扱う事業者に対し、以下の事項について指導す
る。
・緊急時の連絡体制を改めて確認し、緊急連絡の訓練を定期的に実施すること。
・製造等関係施設や、これまで長年行われてきた製造等の方法、手順を再確認し、係
る安全対策が十分か、危害予防規程やその他関係規程等の内容が適切か等を改めて確
認し、継続的な改善を心掛けるとともに、ヒューマンエラー等の異常状態や万一の事
故等が発生した際に、その問題点を改善する方策が適時適切に危害予防規程や関係規
程等にフィードバックされる仕組みを構築すること。
・事業者と作業従事者の間、ないしは作業従事者間において、情報や認識の共有が定
常的に図られ、それらが継続的に実施される仕組みを構築すること。
・作業従事者のみならず火薬類の取扱いに関係する上層部等に対しても、関係法令や
作業手順等遵守の重要性を再認識させる等、保安に関する定期的な教育の機会を設け
ること。
・事業者が実施する保安教育、定期自主検査等が適切であるかを改めて確認すること。
・施設の健全性が確保されているか、通常の点検箇所に含まれない設備についても改
めて確認すること。
・最悪の事態を想定した保安管理体制が検討されているかを改めて確認すること。
(5)商流G及び各産業保安監督部は、火薬類に関する研修や説明の機会等を活用し、火
薬類の廃棄、その他に関する以下の事項について周知、指導する。
火薬類を取り扱う関係者に対し、18歳未満の者の火薬類の取扱いの禁止や、学校
での火薬類を使用した理化学実験において、必要な実施計画の作成や、安全な距離の
確保等安全対策の徹底を指導する。
火薬類を取り扱う事業者に対し、火薬類の廃棄に関する法令、適切な廃棄の必要性、
廃棄に際しての技術基準等を周知し、さらに、火薬類の適切な保管や、安全管理体制
の構築、従業者等に対する保安教育の徹底を指導する。
(6)各産業保安監督部は、平成24年3月に取りまとめられた部会報告書に鑑み、火薬
類製造所、火薬庫等への自然災害の影響を想定し、必要に応じて、危害予防規程に対
応策を盛り込む検討を進めるよう事業者に理解を促すとともに、本年3月28日に指
定された南海トラフ地震防災対策推進地域内にある製造所等にあっては、危害予防規
程の必要な変更等を促す。
2.都道府県
商流Gは、都道府県に対して、次の事項を実施するよう依頼する。
(1)危害予防週間のポスターを関係事業所等に配布するとともに、保安に功労があった
者の表彰等を実施し、危害予防意識の高揚を図ること。
(2)保安講習の実施及び受講について、関係者に周知を徹底し、自主保安意識の高揚を
図ること。
(3)県内の火薬類保安関係者と連絡を密にし、火薬類の現場の保安に係る情報収集や保
安管理体制に関する意見交換、緊急時の防災連携等の検討を管轄する産業保安監督部
と協力して行い、県内における継続的な火薬類の保安体制の確立を図ること。
(4)火薬類を取り扱う事業者に対し、以下の事項について指導すること。
・緊急時の連絡体制を改めて確認し、緊急連絡の訓練を定期的に実施すること。
・製造等関係施設や、これまで長年行われてきた製造等の方法、手順を再確認し、係
る安全対策が十分か、危害予防規程やその他関係規程等の内容が適切か等を改めて確
認し、継続的な改善を心掛けるとともに、ヒューマンエラー等の異常状態や万一の事
故等が発生した際に、その問題点を改善する方策が適時適切に危害予防規程や関係規
程等にフィードバックされる仕組みを構築すること。
・事業者と作業従事者の間、ないしは作業従事者間において、情報や認識の共有が定
常的に図られ、それらが継続的に実施される仕組みを構築すること。
・作業従事者のみならず火薬類の取扱いに関係する上層部等に対しても、関係法令や
作業手順等遵守の重要性を再認識させる等、保安に関する定期的な教育の機会を設け
ること。
・事業者が実施する保安教育、定期自主検査等が適切であるかを改めて確認すること。
・関連施設の健全性が確保されているか、通常の点検箇所に含まれない設備について
も改めて確認すること。
・最悪の事態を想定した保安管理体制が検討されているかを改めて確認すること。
(5)産業火薬類の消費者に対し、発破の際の不発火薬類の確認、装薬孔のせん孔手順遵
守の徹底について指導することに加え、対象となる岩盤の状況や抵抗線等を考慮し、
最適な装薬量、穿孔径、穿孔間隔等消費方法に関する綿密な消費計画を作成するとと
もに、防護、待避措置の再確認、従事者への安全教育の実施や情報共有の徹底、更に
は、安全管理体制の継続的な確認を指導する。
(6)花火大会の消費の許可申請は大会主催者が行うことを原則とし、大会主催者が、消
費現場の状況について十分把握し、煙火打揚従事者、会場の警備担当者等大会関係者
間の情報の共有が図られる機会を設けるとともに、保安確保の徹底を図るよう指導す
ること。また、打揚煙火の消費に携わる事業者が保安の重要性を再認識するとともに、
作業従事者に対する保安教育の機会を設け、保安対策や消費の技術基準等の周知が徹
底されるよう指導すること。
特に、過去に事故が発生した花火大会については、大会主催者や関係事業者等が過
去の事故の原因を分析し、必要な対策を講じることにより適切な安全対策を構築する
とともに、関係者に対する保安教育が確実に実施され、個人個人の保安に対する意識
の高揚の徹底が図られるよう指導すること。
また、手筒煙火の製造等については、製造や消費に関する作業手順の再確認、関係
者間での十分な情報共有が図られるよう指導すること。
(7)動物駆逐用煙火の消費者に対し、消費に係る技術基準や取扱説明書等に沿った消費
を遵守するよう指導徹底すること。
(8)火薬類を取り扱う関係者に対し、18歳未満の者の火薬類の取扱いの禁止や、学校
での火薬類を使用した理化学実験において、必要な実施計画の作成や、安全な距離の
確保等安全対策の徹底を指導する。
(9)火薬類を取り扱う事業者に対し、火薬類の廃棄に関する法令、適切な廃棄の必要性、
廃棄に際しての技術基準等を事業者等に周知し、さらに、火薬類の適切な保管や、安
全管理体制の構築、従業者等に対する保安教育の徹底を指導する。
(10)平成24年3月に取りまとめられた部会報告書に鑑み、火薬類製造所、火薬庫等
への自然災害の影響を想定し、必要に応じ危害予防規程へ対応策を盛り込む検討を進
めるよう事業者に理解を促すとともに、本年3月28日に指定された南海トラフ地震
防災対策推進地域内にある製造所等にあっては、危害予防規程の必要な変更等を促
す。
また、津波による被害については、事業者において作成した被害想定等を踏まえ、
地域防災計画の設定等に反映させる。更に台風等による土砂崩れの影響を考慮し、二
級火薬庫の設置者から提供される安全措置に関する情報等を活用して適切な設置許
可を行う。
3.関係団体
商流Gは、関係団体に対して、次の事項を実施するよう依頼する。
(1)傘下会員に対し、危害予防の実施目標の周知を徹底し、各事業所における危害予防
週間実施計画等の作成及びその実施に関する具体的な指導を行うこと。
(2)危害予防週間の実施に際し、関係都道府県等と協力して危害予防に努めるとともに、
更なる保安の質の向上を図るために、火薬類保安体制について関係都道府県等と意見
交換を行うこと。
(3)事故及び災害発生時にその被害を最小限にできるよう、火薬類が関わる事故・災害
を想定した防災訓練を実施し、防災意識の高揚を図るとともに、有事の対応に備える
よう指導すること。
(4)事業者に対し、火薬類が関わる事故や災害に関し、最悪の事態を想定した保安管理
体制となっているかどうかの再確認を指導すること。
(5)自然災害への対応として、平成24年3月に取りまとめられた部会報告書に鑑み、
専門家や自治体の検討の結果等を踏まえ、事業所や火薬庫等について、地震や津波に
関する最悪の状態における事業所、火薬庫、周辺地域等への影響を想定した対策の検
討を事業者に促すとともに、自治体や団体、各企業間で情報を共有するよう努めるこ
と。また、二級火薬庫の立地、構造、運用についての対策を検討し、現場に合わせた
保安対策等の検討を事業者に促すこと。