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原子吸光光度計 の測定条件 の検討
中野恵文 * 前 田信子 ** 吉谷昭彦 **
Shigenori NAKANO,Nobuko WIAETA and Akihiko YosHITANI:
Exanainaions into thc ConditiOns ofヽ 江easurcmcnt with thc Atonic AbsOrption Spcctrophotomctcr
(1974年 4月 10日
Iま
え
が
受理)
き
金属元素 の定量 分析 に ,し ば しば原子 吸光分析法が有効 に用 い られて い る。原 子 吸光分析法
は ,良 好 な感度が え られ る こと,共 存成 分 の影響 が少 ない こ と,迅 速 に分析 が 行 なえ るこ と
,
な どの多 くの利点 を備 え ,多 方面 で用 い られ て きて い る。 しか しなが ら,原 子 吸光分析法 にか
いて は ,分 析 に供す る試 料 の調製段 階 で 化学千渉 を もた らす物質 を除去す る ,あ るい は抑 制す
る方 策 を考慮 しなければ な らない し,ま た ,い くつか の物理 的な可変測定条 件 を吟 味 しなけれ
ば な らな い。 とくに ,可 変 測定条 件 の設定 の如 何 に よっては ,分 析結果 の精度 あ るい は機器 に
よる感度 に影響 をお よぼす こ とにな る。
1971年 8月 に ,鳥 取大 学教育学部 に設 置 された 日立 208型 原子吸光光 度計 を用 いて ,カ ル シ
ウ ム ,マ グネ シウム ,鉄 ,マ ンガ ンの各 元素 につ いて の測定条件 を吟味 し,こ れ を検討 した。
また ,機 器 の特性 に関 して若干 の 資料 をえた。 これ らの測定条件 ,機 器 の特性 につ いての資料
は ,原 子 吸光光度計 を用 い た以後 の定量 分析 の際 の基 本資料 とな ってい る。本報告 にか いて は
物 理 的な可変測定条件 につ いてのみ検討 し,化 学干 渉 ,イ オ ン化干渉 な どの問題 につ いては
別 の機 会 に述 べ ることに した。
,
本 報告 をま とめるにあた って ,い ろいろ と御 助言 いただいた本学教育 学部 化学教 室 の熊埜 御
堂洋 教授 に厚 く感謝す る次 第 で あ る。 また ,マ ンガ ンの吸光光度法 によ る分析 を して いただ い
た笠行恵子氏 に御 ネと申 し上 げ る。
Ⅲ 試 薬 と装 置
H-1
試薬
試薬は和光純薬工業 K.K製 の原子吸光分析用標準液 (1,000 ppm)を 用 いた。
<カ ル シ ウ ム> Factor,1.00 CaC12in lN Hα
<マ グネシウム> Factor,0,995 A/1gC12 in Water
<
鉄 > Factor,1.01 FeC19 in o,lN HCl
<マ ン ガ ン> Factor,1.00 MnC12 in Water
*化 学教室
**地 学教室
,
中野恵文 ,前 田信子,吉 谷昭彦
上 記 の標準液 の Factorは ,い ず れ も 20° Cに か け る値 で あ る。 標準液 を用 いて任意 濃度 の試
料 をつ くり,測 定条件 の吟味 に供 した。
2 装
置
′
日立 208型 原子 吸光光度計 を用 いた。 鉄 3・・よび マ ンガ ン の 光源 には単 元素用 中空 陰極 ラ ン
プ (日 立製)を 用 い,カ ル シウムお よび マ グネ シ ウムの光源 には,2元 素用 中空 陰極 ラ ンプ (日
I卜
立製 お よび ウェス テ ィ ングハ ウス社製 )を 用 いた。 バ ー ナ ー の型 は ,水 冷式 ス リース ロ ッ ト・
バ ー ナ ーで ,バ ー ナ ーヘ ッ ドは 90° 回転 が可能 で あ る。本装 置 の光東 は ,折 り返 し方 式 を採用
してい る。折 り返 し後 の光 末 が ,バ ー ナ ーの先端 に接 して通過 す る位 置 を 1と して ,バ ー ナ ー
高 さを 1∼ 4ま での 4段 階 に分 けた。燃料 ガ ス はア セ チ レンを用 い ,助 燃 ガ ス と して空 気 を使
用 した。
III測
定 条
件
原子吸光分析法では,最 も良 い検出限界をうるように測定条件を決定 しなければな らない。
検出限界は ,光 源の安定度 ,バ ーナー効率 ,検 知器 ,増 幅器 の性能など,す べ ての ことに関係
す る (長 谷川・ 保 田,1972)と されている。 したが って ,検 出限界は測定装置の総合性能を表
わす基準の一つとなってぃる。測定装置として完成されている機器の場合は,ほ ほ満足しうる
検出限界がえられるものと考えることができるので,実 際の分析においての感度かよび精度に
影響 を与 え る可変 測定条件 を決定す れば よい。可変 決1定 条 件 と してあげ られ るのは ,ア セ チ レ
ン流量 ,空 気流量 ,バ ー ナ ー高 さ ,バ ー ナ ーヘ ッ ド回転 角 ,ラ ンプ電流 ,波 長合 わせ ,光 学系
にか け るス リッ ト巾の諸条件 で あ る。
日立 208型 原 子吸光光度計 の ス リッ トは 2段 可変 で あ り,鉄 ・ マ ンガ ンの場 合 は En.ス リッ
トお よび Ex,ス リッ トともに No,1を 使用 した。 カル シウ ム・ マ グネ ンウムの場合 は ,En.奉
リッ トを No.1,Ex.ス リッ トを No.2に 設定 した。測定条件 の吟味 は,ス リッ ト巾を除 い た上
記 の各測定条 件 につ いて行 な った。
原子 吸光分析法 にかいて は ,分 析 目的 の金 属元素 の分析線 の選 定が重要 で あ る。本 報告 にか
け る実験 で は ,カ ル シウム ,マ グネ シウ ム ,鉄 ,マ ンガ ン ともに試 料 として標 準液 を用 いたの
で ,共 存物質 の影響 を考慮 しな いで もよい た めに ,各 元素 とも最 も感度 の高 い分析線 を用 いた。
これ らの分析線 は,カ ル シウム 4,227A,マ グネ シウム 2,852A,鉄 2,483A,マ ンガ ン 2,795Aで
あ る。
Ⅳ
実 験 と 考 察
実験 (IV-1∼ IV 6)に 用 いた試 料 は ,標 準液 よ り調製 した もので あ って ,各 試 料 の濃度 は
カル シウ ムか よび鉄 l ppm,マ グネ シウム 0.l ppm,マ ンガ ン 0,5 ppmで あ る。
IV-1
,
アセチ レン流量 と吸収 の 関係
空 気流量 を一 定 (14.0〃 min)と し,ア セ テ レン流量 を 1.5∼ 4.0 7minの 範 囲で ,0.5 7min
きざみで変 化 させ て瀕1定 を行 な った。測定結果 を第 1図 に示 した。
原子吸光光度計 の測定条件 の検討
第 1図 か らも明 らかな よ うに ,最 高感度 (最 高吸収度)を 示す アセチ レン流量は,カ ル シウ
ム,マ グネシウム,マ ンガンではいずれ な 3.5〃 minで ある。鉄 の場合は ,ア セチ レン流量が
増加す るにつれて感度が増大 している。寺島 (1970)に よれば,マ ンガンの感度 もアセチレン流
量の増加に したが って増大す るとのことであるが,筆 者 らの実験結果は これ と一致 しなか った。
第 1図
i/min
アセチ レン流量 と吸光度
8
OOECO﹂0のOC O>一
0に
一∪一
8
00con﹂o∽ねO O>一
0∝
一o一
FIow― ro,o of oce,ylene t
Fiow―
rcte of oirt
第 2図
i/min
空 気流量 と吸光度
IV-2
空気流量 と吸収の関係
アセチレン流量を一定 (2.5 7min)と し,空 気流量 を 11,0∼ 16.0〃 minの 範囲で変化させ
て測定を行なった。測定結果 を第 2図 に示 した。
第 2図 か らも明らかなように ,最 高感度を示す空気流量 は ,カ ル シウム,マ グネ シウム,マ
ンガンではいずれも 14.0 7minを 示 し,鉄 では 12.0 7minと な っている。
IV-3 バ ーナー高さと吸収 の関係
アセチレン流量 (2.5 7min)と 空気流量 (14,0〃 min)と を一定に保ち , バ ーナー上を通過
す る光束 の高さを 4段 階に分けて変化させ ,測 定を行なった。測定結果を第 3図 に示 した。
第 3図 に示 されているように ,カ ル シウム,マ グネシウム,マ ンガ ンの場合は ,バ ーナー高
さ 2で 最高感度を示 し,鉄 はバ ーナー高さ 1の 位置で最高感度 を示 している。カル シウムの場
合は,バ ーナ ー高さ 1の 位置では感度をさらに低下 させ るよ うに感度調節 つまみを操作す る必
要があった。
中野恵文,前 日信子,苦 谷昭彦
°
°
ゝ
e
1
2
5
4
6 4
00con︼0めつり o>一
ω∝
一0一
0も
D
第
3図
バ ー ナ ー 高 さ と吸光 度
50
60
Burner hegd ong19 t
Heighi of lighi beom GbOVe burner
第 4図
90
e・
バ ー ナ ーヘ ッ ド回転 角 と吸光度
Ⅳ ■4 バ ー ナ ー ヘ ッ ド回転 角 と吸収 の 関係
アセチ レン流量 (2.5 7min),空 気流量 (14.0 7min)を 一 定 と して ,バ ーチ ー高 さ 2の 位 置
で ,バ ーナ ーヘ ッ ドの回転 角 を O° ∼90° まで 変 化 させ て測定 を 行 な った。 測定結果 を第 4図
に示 した。
第 4図 か ら も明 らか な よ うに ,最 高感度 を示す位 置 は ,い ず れ の元 素 の場合 もバ ー ナ ーヘ ッ
ド回転 角が 0° の位 置 で あ る。 回転 角 を増大 させ るにつ れて感度 が減 少 し,回 転 角90° において
感度 が最小 とな る。 この実験か ら,高 濃度試料 の測定 には ,任 意 の角度 を選択す る ことによ っ
て感度 を下 げて分析 を行 な うこ とがで きる といえ よ う。
IV 5
.
ラ ンプ電流 と吸収 の関係
ラ ンプ電流 を高 くす るに ど一 般 には分析感度 が低下す る (中 川 ほか ,1972)。 ラ ンプ電流 を
高 くす る とラ ンプ寿命 が急速 に短か くな るた め ,可 能 な限 り低 い電流 で測定す る方 が有利で あ
る。ア セ チ レン流量 (2.5 7min),空 気流量 (14.0 7min)を 一 定 に し,バ ー ナ ー 高 さ 2で ラ ン
プ電 流 と吸収 の 関係 を検討 した。 ラ ンプ電 流 は , 5∼ 18 mAの 範 囲 で変 化 させ た。測定結果 を
第 5図 に示 した。
第 5図 か らも明 らか な よ うに ,カ ル シ ウム ,マ グネ シウム は ,ラ ンプ電流 の増大 につ れて感
度が減少 してい る。鉄 お よびマ ンガ ンは ,低 い ラ ンプ電流 で感度が良好 で あ るが ,ラ ンプ電流
の増加 につ れて感度 は ドリフ トしてい る。 カル シウム ,マ グネ シ ウム ,マ ンガ ンの各 ラ ンプ電
流 は 10 mA,鉄 の ラ ンプ電流 は 15 mAが 通常使用 の放電電流値 とされてい る (日 立 208型 原子
吸光光度計取扱説 明書)。 したが って , この実験 か らは ,光 源 の安 定 が確保 され る限 り通常使
用値 よ り低 い ラ ンプ電流 で測定 した方 が有利 で あ る とい え る。
47
原子吸光光度計 の測定条件 の検討
0-G\
Cc,4223-・ 4233A
Mg,2847-2857A
F● ・
2481… 2489A
。、 メ0
。
Mn,27955-2803A
6 4
0に
ΦOE︺nゝ0ゅno o>一
一o一
←
・
6
9
12
Lcmp current i
第 5図
IV-6
→
15
mA
ラン プ電流 と吸光度
Wave length.
第 6図
Å
波長と吸光度
波長調節 と吸収 の 関係
各元素 の分 析線 の波長 につ いては ,測 定条件 の項 です で に述 べ た。波長 合 わせ は ,波 長 カ ウ
ンタ ーの表示値 で行 な うので はな く,エ ネル ギ ーの ピー ク値で合 わせ なければ な らな い。物理
定数 で あ るエ ネル ギ ーの ピー ク値 が ,機 器 による波長表示値 のいず れに一 致 す るか を確 か める
必要が あ る。
アセチ レン流量 (2.5 7min),空 気流量 (14.0 7min)を 一 定 に し,バ ィナ ー高 さ 2,バ ー ナ ー
ヘ ッ ド回転 0° の位置 で , 波長表示値 と吸収 の 関係 につ いて検討 した。 測定結果 を第 6図 に示
した。
第 6図 に示 されてい るよ うに,各 元素 の最高感度 を示 す時 の波長表示値 が,エ ネル ギ ー の ピー
ク値 に一致す る。以下 に , 各元素 の最高感度 を示す 波長表示値 をあげ ,( )の 中 に 分析線
の波長 値 を示 した。<カ ル シウム>4,230A(4,227A)<マ グネ シウ ム>2,852A(2,852A)
<鉄 >2,482A(2,483A)<マ
ンガ ン>2,796A(2,795→
IV 7
検量線
アセチ レン流量 (2.5〃 min),空 気流量 (14.0 7min)を 一 定 に し,バ ー ナ ー高 さ 2,バ ー ナ ー
ヘ ッ ド回転 角 0° の位置 で ,検 量線 を作製 した。 ラ ンプ電 流 は , カル シウムお よび マ グネ シウ
ム は 7mA,鉄 X・・よびマ ンガ ンは 10 mAで あ る。
マグネンウムかよびマンガンの,0,02∼ 0,l ppmの 範囲での検量線を第 7図 に示 した。カル
シウム,マ グネシウム,鉄 , ヤンガンの O.2ん 1.o pohの 範囲での検量線を第 8図 に示 した。
1.0∼ 10.O ppmの 範囲での鉄およびカルシウムの検量線を第 9図 に示 した。使用 した各元素の
試料は,い ず れも標準液 よ り調製 した。
中野恵文,前 田信子,吉谷昭彦
48
α02 0餌
:3cno9,1中
第 7図
Oi06 000 01
α2
‖On, ,Pロ
0お
0お
CO,備 ntra,1。 nt
第3田 検量線
検量線 CallMれ )
8
8 EEb追 O oテ・
t一
0
筵
一
2
4
.6
cOncen,ration t
9
,p
第 9図 検量線 (Ct Fo
OS
i0
,,ぃ
(CЪ Mき,Fep MlaJ
原子吸光光度計 の測定条件の検討
V他
の 分 析 法 との比 較
カル シウムお よび マ ンガ ンにつ いて ,原 子 吸光分析法 と他 の分 析法 との比較 を行 な った。原
子吸光分析法 の測定条 件 は次 の通 りで ある。 アセチ レン流量 2.5 7min,空 気流量 14,0 7min,
バ ー ナ ー高 さ 2,バ ー ナ ーヘ ッ ド回転 角 O° ,カ ル シウム ラ ンプ電 流 7mA,マ ンガ ンラ ンプ電
流 10 mA,カ ル シウ ム波長表示値 4,230A,マ ンガ ン波長表示値 2,796A.
試料は鳥取市郊外 の湖 山池 の湖水 (1973年 7月 5日 採水)を 用 いた。
<カ ル シウム>
採取湖水 を東洋ろ紙 No.5cで ろ過 したろ液を試料 とした。試料 を 2分 し,原 子吸光分析法
と EDTA滴 定法 (上 野 ,1960)と によって分析を行なった。 カル シウムの原子吸光分析 の場
合は,多 くの文献が指摘 (寺 島 ,1970,中 川 ら,1972,長 谷川・ 保 田,1972)し ているよ うに
共存物質 による干渉を受けやすいので , 干渉抑制剤 として ランタ ン (5,000 ppm)を 添加 し
,
標準添加法に よった。
<マ ンガ ン>
採取湖水 をろ過 *し てえた懸濁物を炭酸ナ トリウム溶融 した後 ,水 酸化物 として分離 し,こ
れを試料 とした。試料を 2分 し,原 子吸光分析法 およびホル ドアル ドキンムを用いる吸光光度
法**に よって分析を行な った。
カル シウ ム および マ ンガ ンの分析 結果 を第 1表 に示 した。第 1表 か らも明 らか な よ うに ,原
子吸光分析法 と他の分 析法 とによる分析結果 は ,か な りよ く一致 した。
第 1表
湖水 の分析結果
カル シウム Φpm)
マ ン ガ ン (ppm)
EDTA法
原子 吸光分析法
吸光光度法
20,8
19.7
0,20
0.20
20.8
20.1
0,19
0.19
試料番号
原子吸光分析法
1
2
VI
ま
と
め
原子吸光分析法 にか け る可 変測定条件 につ いて吟味 し,カ ル シウ ム ,マ グネ シウム ,鉄 ,マ
ンガ ンの最適 測定条件 を ,標 準液 を用 いて実験 的 に求 めた。 その結果 は以下 にあげ る通 りで あ
る。
(1)ア セ チ レン流量
空気流量 を一 定 (14.0 7min)と した場合 は ,カ ル シウ ム , マ グネ シウム , マ ンガ ンの最 高
感度 を うるア セ チ レン流量 は ,3.5 7minで ぁ る。
(2)空 気流量
アセチ レン流量 を一 定 (2.5〃 min)と した場合 は ,カ ル シウム ,マ グネ シウム ,マ ンガ ンで
は 14.0〃 min,鉄 で は 12.o7minの 空気流量 が最適 で あ る。
(3)バ ー ナ ー高 さ
*採 取湖水を Millipore
Filter孔 径
**工 業用水試験方法 JIS K 0101
0。
45μ を用いてろ過 した。
,
中野恵文 ,前 田信子,吉 谷昭彦
カル シウム ,マ グネ シ ウム,マ ンガ ンは ,バ ーナ ー高 さ 2の 位 置 で ,鉄 は 1の 位 置 で最高感
度 を うる。 カル シウ ムが 低濃度 の場合 は ,バ ー ナー高 さ 1の 位 置 が よい。
(4)ラ ンプ電流
カル シウムで は 9mA,マ グネ シウ ムで は 5∼ 7mA,鉄 では 10 mA,マ ンガ ンで は 9∼ 10 mA
程度 の低 い放電電流値 で充 分 に測定可能 で あ ることがわか った。
(5)波 長
共存物質 の干渉 が な いか ,あ るいは充 分 に干渉が抑 制 されてい る場 合 は ,原 子吸光光度計 の
波長表示値 ,す なわち カル シウム 4,23o A,マ グネ シウ ム 2,852A,鉄 2,482A,マ ンガ ン 2,796A
は ,そ れぞれの エ ネル ギ ー の ピー ク値 の波長 に一致 し,分 析線 と して選 定 で きる。
さ らに未知試 料 を用 いて ,最 適測定条件 で の原子吸光分析法 と他 の分析法 との比較・ 検 討 を
行 な ったが ,ほ 聡満足 す る結果 をえた。
長谷川敬彦,保 田和雄 (1972),原 子光分析.講 談社出版,123-126頁
中川良三,南 部美樹,大 八木義彦 (1972),原 子吸光分析によるカル シウムか よびマ グネシウムの定量
ならびにその水質分析へ の応用.日 本化学会誌,No.1,6066頁
寺島 滋 (1970),原 子吸光分析法 によるけい 酸塩岩石鉱物 ならびに陸水 中のナ トリウム,カ リウム
マ グネシウム,カ ル シウム,マ ンガ ン,鉄 の定量.地 質調査所月報,第 21巻 ,第 12号 ,1529頁
上野景平 (1960),キ レー ト滴定法 .南 江堂出版
,
.
,
.
.
Abstract
ExaninatiOns into the conditiOns of measurement with the atOnlic absOrptiOn spectrophotometer
(Hitachi 208 type)were experimelltally carried Out,SOme appropriate cOnditiOns were decided
on the determinatiOns Of calciunl,inanganese,rnagnesian and irOn, and they are sho■
vn in Fig.1-6.
FurthermOre,the experimelatal results with calcium and manganese by the atOmic absorption
spectrophotometry、vere in goOd agreelnent、 vith those by the other rnethOds.