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Ⅳ
心 肺 蘇 生 と A E D の 組 み 合 わ せ ( ガ イ ド ラ イ ン 2010 に お け る 1 次 救 命 処 置 の 手 順 )
[ JRC(日 本 版 )ガイドライン 2010(ドラフト版 )よ り 作 成 ]
①
反応なし
大声で叫ぶ応援を呼ぶ
119 番 通 報 ・ A E D 依 頼
②
あり
呼吸をみる
気道確保
応援・救急隊を待つ
回復体位を考慮する
③
※ 死 戦 期 呼 吸 (い わ ゆ る 「 あ え ぎ 呼 吸 」)
呼吸なし
は心停止として扱う
④
※回復体位:舌がのど
心肺蘇生
に落ちこんだり、吐
・ただちに胸骨圧迫を開始する
いたものがつまった
強く(成人は少なくとも5㎝、小児は胸の厚さの約1/3)
速く(少なくとも100回/分)
りしないためにとら
せる、横向きで安定
絶え間なく(中断を最小にする)
・人工呼吸ができる場合は、30:2で胸骨圧迫に人工呼吸を加える
した体位をいう
人工呼吸ができないか、ためらわれる場合は胸骨圧迫のみ行う
⑤
AED装着
⑥
※AED:自動対外除
心電図解析
電気ショックは
必要か?
細動器。傷病者に装
着することで心室細
動か否かを自動的に
必要あり
⑦
必要なし
⑧
電気ショック1回
ショック後ただちに胸骨圧迫から心
肺蘇生を再開**
判断し、電気ショッ
クを与えることので
きる機器。
ただちに胸骨圧迫から心肺蘇生を再
開**
**強く、速く絶え間なく胸骨圧迫を行う
救急隊に引き継ぐまで、または傷病者に
呼吸や目的ある仕草が認められるまで心
肺蘇生を続ける
※心肺蘇生:胸骨圧迫
と人工呼吸及を行う
こと。
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AEDの使用の手順
(AEDの指示する手順がこの手順と異なる場合は、AEDの指示に従う)
●AEDの準備
●電極パッドを貼り付ける
●心電図の解析
・傷病者の頭の近くにAEDを置く。
・傷病者の胸から衣服を取り除き、
・AEDが自動的に心電図の解析
・電源を入れる(ケースを開けると自
胸をはだける。
を実施する。
動的に電源が入る機種もある)
・電極パッドを袋から取り出し、パ
・解析をしている時は誰も傷病者
ッドのイラスト通りに、胸の右上と
に触れないようにする。
胸 の 左 下 側 の 肌 に直 接 貼 り 付 け る 。
電気ショックと心肺蘇生の再開
[電気ショックの指示が出たら]
[ショック不要の指示が出たら]
・誰も傷病者に触れていないことを確
認し、ボタンを押して除細動を行う。除
にAE
Dが自
ただちに胸骨圧迫を行い、心肺蘇生を再開する
細動を行うと、傷病者の体が一瞬ビクッ
とつっぱる。
2分後
動的に
心電図
約2分ごとに、心肺蘇生とAEDの手順を繰り返す。 を解析
注:取扱説明書を読み、メンテナンスを定期的に行う
一次救命処置の手順
▼反応のと救急通報
心停止の判断:傷病者に反応がなく、呼吸がないか異常な呼吸が認められる場合
は心停止と判断し、ただちに心肺蘇生を開始する。呼吸の有無を確認する時は、
気 道 確 保 を 行 う 必 要 は な く 、胸 と 胸 部 の 動 き の 観 察 に 集 中 す る 。そ の 際 、確 認 に 10
秒 以 上 か け な い よ う に す る 。「 あ え ぎ 呼 吸 」 な ど の 死 戦 期 呼 吸 は 呼 吸 あ り と 見 な
さない。
▼心肺蘇生の開始と胸骨圧迫
心肺蘇生の開始手順:心停止の傷病者にはまず胸骨圧迫を実施する。
胸骨圧迫の実施
・部位は、胸骨の下半分。目安としては「胸の真ん中」である。
・深さは、成人では少なくとも5㎝沈むように圧迫する。小児・乳児の場合は、
胸 の 厚 み の 約 1/3 を 圧 迫 す る 。
・ テ ン ポ は 、 1 分 間 あ た り 少 な く と も 100 回 の テ ン ポ で 行 う 。
・胸骨圧迫の質の低下を最小とするため、救助者が役割を交代する。
▼気道確保と人工呼吸
胸 骨 圧 迫 と 人 工 呼 吸 の 比 : 胸 骨 圧 迫 30 回 : 人 工 呼 吸 2 回 の 比 で 行 う 。 そ の 際 、
胸骨圧迫の中断時間はできるだけ短くする。
気道確保:人工呼吸の際はあらかじめ気道確保をする。気道確保は「頭部後屈あ
ご先挙上法」を用いる。
胸 骨 圧 迫 の み の 心 肺 蘇 生 : 人 工 呼 吸 の 訓 練 を 受 け て い な か っ た り 、気 道 確 保 を し 、
人工呼吸をする意思・技術をもたない場合は胸骨圧迫のみを行う。
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心肺蘇生法の実際
1
胸骨圧迫の仕方
①救助者は負傷者の胸の脇に膝をつき、負
傷者の胸の真ん中に(あるいは乳頭と乳
頭を結ぶ線の真ん中)に手のひらのつけ
根を置く。
②もう一方の手をその手の上に重ね、重ね
た手の指を組む。
③垂直に体重が加わるように両肘をまっす
ぐに伸ばし、肩が圧迫部位(自分の手の
ひら)の真上になるような姿勢をとり、
胸が4~5㎝沈むまで圧迫する。これを
1分間に約100回のテンポでおこなう。
2
気道確保のしかた
①救助者は傷病者の顔を横から見る位置に
座る。傷病者の頭側の手を額から前頭部
に当てる。
②胸側の手の指先を傷病者の顎の先端に当
てて持ち上げる。その時、もう一方の手
で固定することによって傷病者の顔がの
ぞ け る よ う な 姿 勢 に な り ( 頭 部 後 屈 )、
顎 先 が 持 ち 上 が る ( 顎 先 挙 上 )。
3
呼吸の確認の仕方
①救助者は気道確保の姿勢を保持したまま、
姿勢を低くし、顔を傷病者の口元に近づけ
る。
② そ の 姿 勢 の ま ま 、 (1)胸 の 動 き を 見 、 (2)頬
で 息 を 感 じ 、 (3)耳 で 息 の 音 を 聴 く 。
4
人工呼吸の仕方
①救助者は気道確保の姿勢のまま、額に当て
た手の親指と人差し指で、負傷者の鼻をし
っかりとつまんで鼻孔をふさぐ。
②救助者は、口を大きく開けて負傷者の口に
当て、呼気が漏れないようにしっかりとお
おう。
③およそ1秒かけて負傷者の胸が上がるのが
見える程度に、呼気を吹き込む。あまり大
きく吹き込みすぎない。
④口を離し、鼻をつまんでいた指も解放して、
負傷者の呼気をうながす。
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