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日本防犯設備協会技術標準
SES E 1903-1
センサ付防犯灯規格
Standard for Crime Prevention Light with Detector
2009 年(平成 21 年) 2 月 13 日 制定
2009 年(平成 21 年) 4 月 XX 日 改定
JSSA
社団法人
日本防犯設備協会
SES
(社)日本防犯設備協会技術標準
センサ付防犯灯規格
Standard for Crime Prevention Light with Detector
E 1903 - 1
2009 年 2 月 13 日制定
年
月
日改正
年
月
日改正
1 適用範囲
この規格は、生活道路、共同住宅や公共の駐車場の駐車スペースや車路、戸建住宅の玄関などに設置さ
れ、昼間は消灯して周囲が暗くなると調光し、人を検知すると人の顔の概要(目・鼻・口)などが分かる
ように自動的に光源を点灯し照度確保を行い周囲を明るくすることで防犯性を高め、人を検知しなくなる
と一定時間後に光源を調光に復帰するセンサ付きの照明器具で、AC 受電式のものについて規定する。
注記 センサ付防犯灯の光源には、白熱電球、ハロゲン電球、蛍光ランプなどのものがある。
2 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は、SES E 0001-4(防犯に関する用語)によるほか、次による。
2.1 点灯
光源の光出力を定格の 100%で点灯すること。特に調光から点灯するときは 100%点灯、あるいは全点
灯、全光、全光点灯ともいう。
2.2 調光
光源の光出力を定格の 100%で点灯させず、定格より抑えて薄暗く点灯すること。主に省エネルギーを
目的とする。
2.3 点灯照度
周囲の明暗を判別し、光源を点灯させるための照度。
2.4 応答時間
人体などを検知してから光源が点灯するまでの時間。
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SES E 1903-1
3 基本構成
センサ付防犯灯の基本構成は、図 1 による。
人体検知部
注(1)
照度検知部
処理・判断部
(1)
注
調光制御部
設定部
光源部
電源部
実線:必須機能部
商用電源等
破線:任意機能部
注(1) 生活道路や駐車場で使用される大型のセンサ付防犯灯には、人体検知部、照度検知部が本
体から分離型のものもある。
図 1 センサ付防犯灯の基本構成
3.1 人体検知部
人体などを検知し、処理・判断部へ検知信号を送り出す。検知方式には受動赤外線方式が使用されてい
る。また、受動型赤外線方式に集音方式を付加した製品もある。
3.2 照度検知部
周囲の照度を検知し、処理・判断部へ検知信号を送り出す。
3.3 設定部
光源の点灯時間、点灯照度の設定、警報音の設定・調整などを行う。
3.4 処理・判断部
設定部での動作設定を記憶し、人体検知部、照度検知部などからの信号を受け、光源部や警報出力部へ
信号を送り出す。
3.5 電源部
商用電源を機器内部で使用する電源に変換して供給する。
3.6 光源部
処理・判断部からの信号を受け、光源の点灯又は消灯を行う。また、調光制御部からの信号を受け、光
源の調光や点灯を行う。
3.7 調光制御部
処理・判断部からの信号を受け、光源部の調光制御を行う。
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SES E 1903-1
4 要求基準
4.1 性能・機能
4.1.1 人体検知
受動赤外線方式、集音方式などの検知方式により、人体などを検知する。
検知方式が受動赤外線検知方式のものにあっては、4.2.8 項の検知感度、4.2.9 項の耐外乱光性及び 4.2.10
項の耐風性を満足すること。
但し、検知感度は(0.8±0.2)m/s で確認すること。
4.1.2 点灯
4.1.2.1 消灯
周囲が明るい時、人体検知部が人体などを検知しても点灯しないこと。
4.1.2.2 調光
周囲の照度が暗く、且つ人体検知部が人体を検知していないとき、光源を自動的に調光で点灯する。
4.1.2.3 点灯
周囲が暗い時に、人体検知部が人体などを検知したとき、光源を点灯させ、設定した点灯保持時間の間
保持する。
(1) センサ付防犯灯が照射する床面の明るさは、検知エリアの平均床面照度が 3lx 以上であることが望ま
しい。
照度測定は JIS C 7612:1985 (照度測定方法)
に基づき、検知エリア内を一様な升目で分割
したときの交点で照度を計測し、その平均値を
平均床面照度とする。
升目のピッチは測定点が 10~50 点程度と
なるように選択すること。
・測定は暗室で行うこと。
・照度測定時の取付け高さはメーカー
推奨の高さで測定すること。
:測定範囲の格子の交点を示す。
図 2 は検知エリアを 2m ピッチの升目に分割し
照度測定を行う例
図 2 照度測定の例
(2) 光源の応答時間は、検知してから 1 秒以内に実用的な明るさになること。
4.1.2.4 自動復帰
設定した点灯時間を経過したら、光源を自動的に点灯前の状態(調光)に復帰する。
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SES E 1903-1
4.1.3 調整・設定
4.1.3.1 点灯保持時間の調整
点灯時間を調整できるものにあっては、点灯の時間をボリュームでの無段階の切替え、又は切替えスイ
ッチでの段階的な調整ができることが望ましい。
4.1.3.2 昼夜切替の検出照度の調整
点灯照度を調整できるものにあっては、点灯の照度をボリュームでの無段階の切替え、又は切替えスイ
ッチなどでの段階的な調整ができること。
4.1.3.3 検知範囲の調整
検知範囲を調整できるものにあっては、人体検知部を検知させたい方向へ向ける調整ができることが望
ましい。
4.1.3.4 照射範囲の調整
照射範囲を調整できるものにあっては、ライト部を照射させたい方向へ向ける調整ができることが望ま
しい。
4.2 環境性能
4.2.1 供給電源電圧変動
SES E 0004-2(環境試験規格)4.2.1 項の等級 1 において、動作に異常がないこと。
4.2.2 電気スパイク(電源ライン)
SES E 0004-2(環境試験規格)4.2.2 項の等級 5 の試験中及び試験後、破壊がないこと。
4.2.3 静電気
SES E 0004-2(環境試験規格)4.2.4 項の等級 4 の試験中及び試験後、破壊がないこと。
4.2.4 耐電圧変動性(耐瞬時停電性)
SES E 0004-2(環境試験規格)4.2.5 項の等級 3 において、動作に異常がないこと。
4.2.5 耐落下性
SES E 0004-2(環境試験規格)5.3.2 項の等級 2 の試験後、形状・動作に著しい変化がないこと。
ただし、対象は 500g 以下のものに限る。
4.2.6 防水試験
SES E 0004-2(環境試験規格)4.4.1 項の等級 3(防雨形)の試験後、動作に異常がないこと。
ただし、屋外用のものにあっては、等級 4(防まつ形)以上の試験後、動作に異常のないことが望ましい。
4.2.7 放射無線周波数妨害
SES E 0004-2(環境試験規格)4.2.7 項の等級 2 において、試験中および試験後、動作に異常がないこ
と。
4.2.8 検知感度
SES E 0504-2(受動赤外線検知器規格)3.1(2) 項の検知感度を満足すること。
但し、検知感度は(0.8±0.2)m/s で確認すること。
4.2.9 耐外乱光性
SES E 0504-2(受動赤外線検知器規格)3.1(3) 項の耐外乱光性を満足すること。
4.2.10 耐風性
SES E 0504-2(受動赤外線検知器規格)3.1(5) 項の耐風性を満足すること。
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SES E 1903-1
4.2.11 耐高温性/耐低温性
SES E 0501-2(検知器共通基準)3.1(3) 項の耐高温性及び 3.1(4) 項の耐低温性を満足すること。ただし、
蛍光ランプを使用するものにあっては、0~35℃以外の温度において光量の低下を許容する。
4.2.12 耐温湿度変化性
SES E 0501-2(検知器共通基準)3.1(6) 項の耐温湿度変化性を満足すること。
4.2.13 耐振動性
SES E 0501-2(検知器共通基準)3.1(5) 項の耐振動性を満足すること。
4.2.14 電源端子妨害電圧の許容値
電気用品安全法(電気用品の技術上の基準を定める省令)に規定する試験を満足すること。
4.2.15 妨害波電界強度の許容値
電気用品安全法(電気用品の技術上の基準を定める省令)に規定する試験を満足すること。
4.2.16 絶縁耐圧
電気用品安全法(電気用品の技術上の基準を定める省令)に規定する試験を満足すること。
4.2.17 絶縁抵抗
電気用品安全法(電気用品の技術上の基準を定める省令)に規定する試験を満足すること。
4.3 構造・表示
4.3.1 構造
構造は、次の項目を満足すること。
(1) 電源ケーブルを有する場合、電源ケーブルを引っ張った際、本体が落下しないよう十分固定できるこ
と。
(2) 取り付けに方向性を有する機器は、明確に表示があること。
(3) 光源部の電球交換などは特殊な工具を使用せずに容易に交換できること。
4.3.2 本体表示
本体には、次の項目を見やすいところに表示すること。
(1) 製造業者名又は輸入業者名(電気用品安全法の届出事業者名)注(2)
(2) 品名・品番
(3) 製造年月(又は週)又は製造番号
(4) 定格(定格電圧、定格電流又は定格消費電力、定格周波数)注(2)
(5) 光源の種類と本数 注(2)
(6) 屋外用の場合は、その旨 注(2)
(7) PSE マーク 注(2)
(8) 二重絶縁構造のものにあっては、□の記号 注(2)
注(2) 電気用品安全法に規定する表示
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SES E 1903-1
4.3.3 説明書などの記入事項
4.3.3.1 説明書への記載事項
取扱説明書・取付説明書には、次の項目を記載すること。
(1) 品名・品番
(2) 各部名称
(3) 機能、動作仕様
(a) 定格(定格電圧、定格電流又は定格消費電力、定格周波数)
(b) 光源の種類・定格消費電力・本数
(c) 防水性能(IP コード)
(d) 使用温度範囲
(f) 調光機能
(g) 点灯時間の調整範囲(機能がある場合のみ)
(h) 昼夜判別照度の調整範囲(機能がある場合のみ)
(i) 検知範囲
(4) 操作方法・設定方法
(5) 取付方法
(6) 配線方法
(7) 取扱注意事項
(8) 点検方法
(9) 保守方法
(10) 不具合などのトラブルに対する対策法(トラブルシューティングなど)
(11) その他
4.3.3.2 カタログ・ホームページ・パッケージなどへの表示事項
使用者が事前に参照するカタログ・ホームページなどには、次の項目を表示すること。
(1) 品名・品番
(2) 機能、動作仕様
(a) 定格(定格電圧、定格電流又は定格消費電力、定格周波数)
(b) 光源の種類・定格消費電力・本数
(c) 防水性能(IP コード)
(d) 使用温度範囲
(f) 調光機能
(g) 点灯時間の調整範囲(機能がある場合のみ)
(h) 昼夜判別照度の調整範囲(機能がある場合のみ)
(i) 検知範囲
(j) 照射範囲(配光データ)
(3) その他取付方法,配線方法については記載することが望ましい。
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5 適合規格
電気用品安全法(電気用品の技術上の基準を定める省令)に適合すること。
JIS C 8105-1:2005(照明器具-第 1 部:安全性要求事項通則)に適合すること。
6 試験
6.1 標準試験状態
(1) 周囲温度
15~35℃
(2) 設置方法
付属された説明書に従って行うこととする。
6.2 試験方法
特に指定無き場合は、定格入力出力状態にて行うこととする。
関連規格:SES E 0001-4 防犯に関する用語
SES E 0004-2 環境試験規格
SES E 0501-2 検知器共通技術基準
SES E 0504-2 受動赤外線検知器規格
電気用品安全法(電気用品の技術上の基準を定める省令)
JIS C 7612:1985 照度測定方法
JIS C 8105-1:2005 照明器具-第 1 部:安全性要求事項通則
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センサ付防犯灯規格[解説]
(1) 1 適用範囲
センサ付防犯灯の例は、解説図 1 による。
解説図 1 センサ付防犯灯の例
(2) 1 適用範囲
(a) センサ付防犯灯の主目的は生活道路,共同住宅や公共の駐車場における夜間の照度確保による犯
罪の抑止であり、センサ付ライトのような、機器の光源の種類(ハロゲンランプ,LED等)
によらず、夜間の照度変化による威嚇を目的としていない。
(b) センサ付防犯灯の駆動電源には、AC 電源以外に各種電池など、DC 電源などもあるが、市販され
ているセンサ付防犯灯の多くは AC 受電方式のものであり、また、光源の明るさや供給電源の安定性
を確保するため、AC 受電方式についてのみ規定することとし、その他の電源方式については、将来
検討することとした。
(3) 4.1.1 人体検知
人体検知部の検知感度以外の性能は、下記の理由により規定・表示しないことした。
(a) 照明の照射範囲とセンサの検知範囲が概ね一致していることが基本で、範囲外の検知は誤作動であ
るが、現実の運用として厳しい検知精度を要求されることが少ないため。
(環境に応じた調整は検知精度よりも検知範囲(方向)で行われることが多い。
)
(b) 集音方式など、補助的な検知手段は性能を規定しないこととした。
(c) 検知感度を確認する速度について、受動赤外線式検知器規格では 0.3m/s,2m/s で確認すること
となっているが、センサ付防犯灯においては先記速度で確認すると屋外使用商品でもあることから感
度が高すぎるため、誤作動が頻発することが予想され、検知感度は(0.8±0.2)m/s のみで確認するこ
ととした。
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(4) 5 適合規格
センサ付防犯灯は、電気用品安全法における “特定電気用品以外の電気用品”として規制対象となるこ
とから、製造・輸入にあたっては、製品を電気用品安全法の技術基準に適合させ、PSE マークの表示を付
さなければならない。また、販売・設置工事にあたっては、製品に PSE マークの表示が付されているこ
とを確認しなければならない。
電気用品安全法におけるセンサ付防犯灯の区分は、次による。
電気用品の区分 :光源及び光源応用機械器具
電気用品名
:使用光源により異なる
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審議委員会: 技術部会 技術基準委員会
委員長 : 石橋 総太郎 (東洋テック株式会社)
副委員長: 高橋 雅吾
(パナソニック電工株式会社)
委 員 :
(警報システム分科会)
兼主査:高橋 雅吾
加倉井 伸行
天野 博之
住岡 和人
瀬沢 外茂幸
緑川 則和
吉岡 隆士
安田 寛徳
田中 祥造
増田 誠良
堂本 耕造
特別委員:吉原 久雄
(パナソニック電工株式会社)
(NEC インフロンティア株式会社)
(オプテックス株式会社)
(サクサ株式会社)
(高千穂交易株式会社)
(竹中エンジニアリング株式会社)
(竹中エンジニアリング株式会社)
(株式会社日本アレフ)
(富士通テレコムネットワークス株式会社)
(ホーチキ株式会社)
(パナソニック株式会社)
(株式会社パトライト)
(出入管理分科会)
主査:松尾 直樹
平田 成弘
村方 洋二郎
征矢 一浩
河合 秀規
秋葉 浩司
前田 卓志
宮本 敦
(株式会社山武)
(株式会社アート)
(株式会社ゴール)
(セントラル警備保障株式会社)
(株式会社ニッタン)
(ホーチキ株式会社)
(三菱電機株式会社)
(美和ロック株式会社)
(映像監視分科会)
主査:
角谷 浩史
藤井 慶太
小峰 憲
菅谷 卓実
三沢 賢洋
細川 昇
堂本 耕造
宇都宮 孝志
(アイホン株式会社)
(NEC インフロンティア株式会社)
(株式会社セキュリオン)
(ソニー株式会社)
(TOA 株式会社)
(株式会社日立国際電気)
(パナソニック株式会社)
(東芝テリー株式会社)
事務局:境
俊夫
(社)日本防犯設備協会
※ 平成 21 年 1 月 15 日 現在
SES E 1903-1
センサ付防犯灯規格
発
行
2009 年(平成 21 年)2 月
編
集
社団法人 日本防犯設備協会
技術部会
技術基準委員会
この規格は、著作権法で保護対象となっている著作物です。本書に記載の内
容を転載される場合は、事前に(社)日本防犯設備協会の承諾を得てください。
この規格についての意見又は質問は、(社)日本防犯設備協会 技術担当にご連
絡ください。
なお、SES E 規格は、少なくとも 5 年を経過する日までに(社)日本防犯設備
協会 技術部会の審議に付され、速やかに、確認、改正、廃止されます。
発行所
社団法人 日本防犯設備協会
〒105-0013 東京都港区浜松町 1-12-4(第 2 長谷川ビル)
TEL:03-3431-7301
FAX:03-3431-7304
E-mail:[email protected]