Download PDA

Transcript
取扱説明書
コンパクトコントローラ M
(CC-M)
形式 : PDA2
応用マニュアル
INP-TN512878
目
次
1. コンパクトコントローラ(CC−M)の一般注意事項 ······················ 1
1.1
ウエハ使用上の注意事項 ·······················································1
1.2
外部信号と内部信号との対応 ···················································1
1.3
内部の演算内容 ·······························································2
1.4
モードと出力信号 ·····························································3
1.5
操作出力のバンプレス切換回路 ·················································4
2. モード切換時のバランスレスバンプレス回路(AモードからRモードの場合) ·· 5
2.1
R−SVが外部信号の場合(手動によるバンプレス切換) ·························5
2.2
R−SVが内部信号の場合(1次PID制御と2次PID制御を使った場合) ·······5
2.2.1
通常のカスケード制御のバンプレス切換回路·································5
2.2.2
逆演算を施したバンプレス切換回路 ········································6
2.2.3
1次積分回路を用いたバンプレス切換回路···································7
2.2.4
パルス幅積算ウエハ(06)を用いたバンプレス切換回路·····················8
3. 出力値(MV)をホールドする方法 ······································ 9
3.1
外部信号(強制マニュアルSMAN)を入れる方法 ·······························9
3.2
外部信号(EX−MV)を入れる方法 ···········································9
3.3
ΔMV値たし込みを止める方法 ·················································9
4. 各種ウエハ使用による各種機能の実現方法 ······························· 10
4.1
切換ウエハ(67)の使い方 ··················································10
4.1.1
アナログ信号のホールド回路 ·············································10
4.1.2
パルス発生ウエハによるサンプルホールド回路······························10
4.1.3
R・Sフリップフロップ回路(RESET優先)····························11
4.1.4
ディジタル信号の切換 ···················································11
4.2
ワン・ショットマルチ回路の作成(基本周期を利用する方法) ····················12
4.2.1
入力の立ち上りをとらえる方法 ···········································12
4.2.2
入力の立ち下がりをとらる方法 ···········································12
4.2.3
タイマと論理ウエハによる方法 ···········································13
4.3
ランプ出力ウエハの使い方 ····················································14
4.3.1
ランプ出力回路(通常の使い方の場合)····································14
4.3.2
ランプウエハを変化率リミッタとして使う方法······························14
4.4
むだ時間ウエハの使い方 ······················································15
4.4.1
むだ時間ウエハの直列接続 ···············································15
4.5
アナログ信号を積算パルスに変換する方法 ······································16
4.6
アナログ積算ウエハとLNウエハによる時間関数回路の方法 ······················17
4.7
LNウエハによる32折線近似回路の方法 ······································18
4.8
プログラム設定ウエハのシーケンス回路 ········································19
4.9
バルブ補正回路 ······························································20
−i−
5. 各種アドバンス制御の実現方法 ··········································21
5.1
選択制御(オートセレクタ) ················································· 21
5.1.1
1次積分ウエハと2次積分ウエハの出力で選択する方法 ····················· 22
5.1.2
1次PIDウエハと2次PIDウエハの速度形出力で選択する方法 ··········· 23
5.2
可変ゲイン制御 ····························································· 23
5.2.1
LNウエハによる可変ゲイン ············································· 25
5.2.2
1次PIDブロックと2次PIDブロックによる可変ゲイン ················· 26
5.2.3
偏差自乗形PID制御 ··················································· 26
5.3
フィードフォワード制御 ····················································· 27
5.3.1
静的フィードフォワード ················································· 28
5.3.2
動的フィードフォワード ················································· 29
5.4
むだ時間制御 ······························································· 29
5.4.1
サンプリング制御 ······················································· 29
5.4.2
間欠PID制御(サンプル値形PID制御) ······························· 30
5.4.3
スミスのむだ時間補償制御 ··············································· 31
−ii−
まえがき
本,応用マニュアルは,コンパクトコントローラM(以下略称CC−M)を使って高度な計測
制御システムを実現するためにCC−Mが持っているウエハの使い方を中心に一般的な注意事項,
システムを構成する応用例などを記述してあります。CC−Mを使ってより高度な機能の実現の
為に利用ください。
−iii−
1. コンパクトコントローラ(CC−M)の一般注意事項
1.1
ウエハ使用上の注意事項
(1)
ウエハ結線表のウエハ実装位置に0000と書くと何も行なわれません。ウエハの
命令を実行させるにはウエハNO.を記入します。
(2)
ウエハ入力先のコードを0000とするとアナログ入力なら0%,ディジタル入力
なら0の入力と同じ意味になります。
(3)
ウエハが実装されていない場所(0000と書かれているか,内蔵されていないウ
エハが置れている場所)から信号をとってくると,その信号の内容は保証されませ
ん。
(0%にはなっておりません。)
(4)
1次,2次制御ブロックの各ウエハ(ウエハNO.21∼27,41∼46)むだ
時間の各ウエハは,1回しか実行できません。
(5)
自分より後に実装されているウエハから信号をとってくるとその内容は,1サンプ
リング周期(ex0.2秒)前の値になっています。したがって通常ウエハは,自
分より前に実装されているウエハの出力を使用するようウエハの実行順序を考える
必要があります。逆にこのことを利用して1サンプリング周期(ex0.2秒)前
のデータを利用することができます。
1.2
外部信号と内部信号との対応
(1)
電圧1∼5Vまたは電流4∼20mAがウエハでは0.00%∼100.00%に対
応します。内部の制御ブロックの演算は−327.67%∼327.67%までの範
囲で,最小単位は0.01%です。
又,内部の汎用演算では−21474836.47%∼21474836.47%ま
での範囲で,最小単位は,0.01%です。詳細は,各ウエハ説明を参照してくだ
さい。
(2)
アナログ入力信号(AI信号)は,−12.50%∼112.50%(0.5∼5.5
V)の範囲で入力できます。(AIチェック指定のないとき)
(3)
アナログ入力のチェック指定(AI CHECK SET画面にチェックしたい入力
信号を指定)すると,−12.5%∼112.5%の値でチェックされ,値が超えて
いると警報(FAULT)信号が出ます。
(4)
アナログ出力信号は,−12.50%∼112.50%の範囲で出力されます。
−1−
1.3
内部の演算内容
+
(加算)
−
(減算)
×
(乗算)
50%+50%=100%
50%+(−100%)=−50%
50%−30%=20%
(−200%)−(−50%)=−150%
100%×100%=100%
1%×1%=0.01%
(−200%)×30%=−60%
111.11%×66.66%=74.06%
÷
300%÷100%=300%
(割算)
200%÷200%=100%
60%÷300%=20%
10%÷(−20%)=−50%
√
100% =
100%
(開平)
200% =
141.42%
300% =
173.20%
1%
=
10%
−5%
=
0%
−2−
1.4
モードと出力信号
図モードと出力信号
調節計本体
MVボタン
ウエハ領域
ハードマニュアル
操作器
M
SCC-MV
HMV
EX-MV
HOLD
MVリードバックチェック
MV変化率
リミットと
アラーム
自動の
MV
MH
出力
DC4∼20mA
ML
EX-M
モードON
MH,MLによる
アラーム
SCC-M
モード
FAULT
M/HM
モード
Mモード
故障
HMモード
・ウォッチドクタイマ
による故障
・FAULTが発生したとき。
・MENU 3/3画面の
SCC:ONとした時
・伝送ラインからSCC Mモード要求があります
これらの切換のうちバンプレス切換のためバランス操作を必要とするものは
・EX−M以外のモード
EX−Mモード
のとき
−3−
1.5
操作出力のバンプレス切換回路
操作出力をEX−MVに切換えるときのバンプレス回路
(1)
ランプ出力ウエハによって徐々に近づける方法
ΔMV
X1
X2
EX-MV
67
X1
X2
X3
Y1
(外部出力設定)
8A
Y1
X1
X2
43
Y1
2ND
X1
X2
44
Y1
2ND
MV
MV
X3
X3
66
EX-M
X1
CON T
Y1
(ランプ定数)
コマンド
ON
EX-M
コマンド
EX-MV値
MV
CONT
EX−M(外部出力設定)コマンドが入るとランプウエハにより決められた傾き
CONTで出力(MV)は変化します。これでバンプ(衝撃)を防止します。
−4−
2. モード切換時のバランスレスバンプレス回路(AモードからRモードの場合)
リモート(R)から(A)の切換は,常にバンプレス切換できます。
オート(A)からリモート(R)の切換は,次の方法によってバンプレスに切換えることがで
きます。
2.1
R−SVが外部信号の場合(手動によるバンプレス切換)
R−SVが外部信号の時は,(ウエハ(41)の×2端子に入力される場合)Aモードの
時,1Loop 画面を表示させ,前面カメレオンキーのRSV押釦によりR−SVの値を確
認できます。
この場合,ローカルSV(2次SV)の値をR−SVに合わせることによりバンプレスに
切換えることができます。
2.2
R−SVが内部信号の場合(1次PID制御と2次PID制御を使った場合)
2.2.1
通常のカスケード制御のバンプレス切換回路
通常のカスケード制御の場合,下記のようにウエハ結線を行ないます。
この場合,オート(A)のモードが選択されているとき,2NDLS信号が“1”に
なっており1次積分ウエハ(23)の入力はEX−MVの値に切換っています。EX−
MVの値は2次PIDのSV値より入力されているために1次積分ウエハ
(23)の出力は2次PIDのSV値と一致しており,この状態でAからRに切換えて
もバンプレスに切換わります。
X1
1次 PV
2NDR
X3
21
1ST
入力処理
Y1
Y3
X1
X2
X3
22
Y1
1ST
PID
X1
X2
X3
2NDLS
(1")
23
Y1
1ST
EX-MV CMD
2ND SV
2次 PV
2NDL
X1
X2
X3
41
2ND
入力処理
Y1
Y2
Y3
X1
X2
X3
42
Y1
2ND
PID
X1
X2
43
Y1
2ND
X1
44
2ND
出力
Y1
出力
(オート(A)モードのとき2次SV値を1次積分にフィードバックすることにより
バンプレスに切換えることができます。)
−5−
2.2.2
逆演算を施したバンプレス切換回路
1次PIDと2次PIDとの間に演算回路が入っている場合,その演算が簡単である
ときは,
PV
X1
2NDR
21
1ST
X3 入力処理
Y1
X1
X2
X3
Y3
22
Y1
X1
X2
X3
1ST
PID
23
演算回路
62
X1
+
Y1
1ST
Y1
+
X2
AI1
逆演算回路
63
X1
+
Y1
X2
41
X1
X2
2ND
X3 入力処理
PV
Y1
Y2
Y3
X1
X2
X3
42
2NDLS
(1")
Y1
2ND
PID
X1
X2
43
Y1
2ND
X1
44
Y1
2ND
出力
2NDL
逆演算回路を介して1次積分回路にフィードバックすることによりバンプレスに切換
えることができます。
−6−
2.2.3
1次積分回路を用いたバンプレス切換回路
PV
X1
21
67
Y1
X1
X2
1ST
X3 入力処理 Y3
Y1
X1
X2
X3
22
Y1
X1
23
Y1
1ST
1ST
PID
X3
2NDR
2NDLS
X1
64
OA
+
X2
AI1
Y1
Y2 X1
X2
+
CON
X1
62
+
Y1
+
(複雑な演算回路)
X3
AI2
41
Y1
X1
X2
2ND
X3 入力処理 Y3
PV
2NDL
X1
X2
X3
42
Y1
2ND
PID
X1
X2
43
Y1
2ND
X1
44
Y1
MV
2ND
出力処理
出力
Y4
(2次入力処理ウエハ(Y4)を1次PIDウエハを介して積分させます。)
1次PIDと2次PID間の演算が複雑になってくるとトラッキングのための逆演算
に多くのウエハを必要とします。このような場合,2次入力処理ウエハの出力(Y4)
にでているR・SV−PVを用いて補償できます。Aモードで定値制御が良好で定常状
態にあるとき,2次のPVとSVは,ほとんど一致しています。このPVと41ウエハ
出力Y4(R・SV−PV)との偏差を小さくすればR・SV値と2次SV値は,ほと
んど一致します。
そのためにAモードのとき1次のPID演算の積分(I)項にR・SV−PVの出力
を用いてR・SV値を調節します。ただし,1次側が正動作のときは,符号を反転した
入力値を1次積分(I)項に入力する必要があります。
また,1次と2次PIDが著るしく非線型とかゲインが大きい場合は,注意が必要で
す。
−7−
2.2.4
パルス幅積算ウエハ(06)を用いたバンプレス切換回路
PV
21
Y1
Y2
1ST
X3 入力処理 Y3
X1
X1
X2
X3
22
Y1
1ST
PID
X1
X2
23
Y1
1ST
X3
2NDR
2NDLS
複雑な
演算補正回路
演算回路
CON
R・SV-2ND・SV
X1
63
+
-
X2
41
Y1
X1
Y2
X2
2ND
X3 入力処理 Y3
PV
X1
X2
X3
X1
42
Y1
Y1
2ND
PID
ゲイン調整
(20∼30%)
64
パルス幅積算
Y1
X1
X2
X2
X1
X2
43
2ND
Y1
06
+
Y1
+
X1
44
Y1
2ND
出力
2NDL
2.2.3項で述べたように1次PIDと2次PID間に複雑な演算が入ってくると逆
演算のために多くのウエハを必要とし,また2.2.3項の積分の利用した方法を用いる
と1次PIDの積分時間によりトラッキング時間がきまってしまい短時間にバンプレス
切換ができない場合があります。このような場合にパルス幅積算ウエハ(06)を用い
てR・SV−2ND・SVの差をパルス幅積算ウエハ(06)で積分し,1次積分ウエ
ハ(23)にフィードバックすることにより短時間バンプレス切換ができるようにする
ことができます。
フィードバックの中の乗算ウエハ(64)はフィードバックのゲインを調整するもの
で通常20∼30%にするとハンチングなく切換えることができます。
−8−
3. 出力値(MV)をホールドする方法
出力値(MV)をホールドしたいとき次の方法によりホールドすることができます。
3.1
外部信号(強制マニュアルSMAN)を入れる方法
外部より“SMV”のDI信号を入力して強制的にMモードにします。
(前面モードランプは,
“M”になりMV操作ボタンが有効になります。)
この場合,OUT CONNECT画面のALARM CONNECT画面を呼び出し,
「SMAN−REQ」にDI端子コードを登録します。
3.2
外部信号(EX−MV)を入れる方法
外部より“EX−MV”規定開度モードのDI信号を入力します。
X1
X3
41
Y1
2ND
入力処理
X1
X2
X3
Y3
42
Y1
2ND
PID
X1
X2
43
Y1
X1
X2
2ND
44
Y1
MV
2ND
出力
2NDL
X3
DI
(EX-MV入力端子)
(出力信号をEX−MVの入力端子を経由して入力するとその時の出力値でホールドしま
す。)
3.3
ΔMV値たし込みを止める方法
∼
ΔMV
X1
41
Y1
2ND
入力処理 Y3
X1
X2
X3
42
Y1
2ND
PID
X1
67
Y1
X2
X1
X2
43
2ND
Y1
X1
44
2ND
出力
Y1
MV
0%
(切換信号)
(ホールドしたいとき)
(2ND・PIDウエハ(42)Y1の速度形の演算値ΔM積分を止めるとその時点の値
でホールドします。)
−9−
4. 各種ウエハ使用による各種機能の実現方法
4.1
切換ウエハ(67)の使い方
4.1.1
アナログ信号のホールド回路
切換ウエハ(67)の出力(Y1)を入力(X1)にもどすことによりホールドする
ことができます。
67
X1
X2
X
Y1
Y
(出力)
(入力)
X3
B
X(入力)
(切換信号)
Y(出力)
B
1
(切換信号)
0
4.1.2
パルス発生ウエハによるサンプルホールド回路
88
(定数) ON
(定数) OFF
T1
T2
X1
X2
C
Y1
パルス発生器
67
X1
X2
Y1
Y
(出力)
X3
X
(入力)
Y(出力)
X(入力)
1
B
0
(切換信号)
T1
T2
パルス発生ウエハ(88)がONのときの値をホールドします。
<注>サンプルホールドウエハ(DO)も用意されています。
−10−
4.1.3
R・Sフリップフロップ回路(RESET優先)
67
セット (S)
67
Y1
X1
X2
X1
X2
Y1
Q (出力)
信号
X3
X3
リセット信号 (R)
<注>
フリップフロップウエハ(A5)も
用意されています。
セット(S)
1
0
1
0
Q (出力)
1
0
リセット(R)
セット信号(S)を“0”→“1”信号に変化させると出力Qは“0”→“1”に変
化し,リセット信号を“0”→“1”に変化させると出力Qは“1”→“0”に変化し
ます。
切換ウエハ(67)を2ケ使用することによりR−Sフリップ・フロップとして使用
できます。
4.1.4
ディジタル信号の切換
ディジタル信号の切換も,切換ウエハで取扱えます。ディジタル信号を定数でセット
したいとき0は0.00とし,1は0.01にしてください。
切換ウエハは,アナログもディジタルも切換えることができます。
−11−
4.2
ワン・ショットマルチ回路の作成(基本周期を利用する方法)
4.2.1
入力の立ち上りをとらえる方法
ON
OFF
1
0
66
X1
X2
入力
入力
Y1
Y2
出力
X3
出力
1
0
0.2SEC
(入力の立ち上りをとらえて基本周期(0.2SEC)だけONさせます。)
4.2.2
入力の立ち下がりをとらる方法
66
66
X1
X2
入力
Y1
Y2
X1
Y1
X3
ON
出力
入力
出力
OFF
1
0
1
0
0.2SEC
(入力の立ち下りをとらえて基本周期(0.2SEC)だけOFFさせます。)
これらの方法は最初の基本周期(0.2SEC)で入力X1,X2,X3を読取り
Y1∼Y4に出力します。Y1が上のようにX3にフィードバックされている場合,
X3が“1”から“0”に変化するのは,0.2SEC遅れて変化します。これを利用し
てワン・ショットを作っています。
0.2SEC
基本周期
(演算周期)
(X1)(X2)
1
0
(立ち上りをとらえる方法)
1
0
(X3)
(Y2)
1
0
(X3が1から0に変化する
1
0
のは1周期遅れます)
(立ち上りをとらえる場合)
−12−
4.2.3
タイマと論理ウエハによる方法
89
66
X1
X2
入力
X1
X2
CON
T
Y4
Y1
出力
E-OR
(分)
ON時間
ON
入力 (X 1 )
出力 (Y 4 )
T
ON時間
タイマとE−OR(EXCLUSIVE−OR)との組合せでワン・ショットマルチ
を作ることができON時間は,タイマの設定時間(T)により任意に設定できます。
E−ORの論理
1
1
= 0
0
0
= 0
1
0
= 1
0
1
= 1
−13−
4.3
ランプ出力ウエハの使い方
4.3.1
ランプ出力回路(通常の使い方の場合)
X1
X2
a
CON
67
b
CON
Y1
8A
X1
X2
Y1
Y2
Y (出力)
ランプウエハに設定した傾き(T)
で出力は変化する。
(一致信号)
(T)
CON
(傾き)
切換信号
Y
b
(傾き) Y
a
(T)
時間 T
傾き
4.3.2
ランプウエハを変化率リミッタとして使う方法
ランプウエハの傾きが時間T(a−c)で設定されているとき,入力がT1時間
(a−b)の傾きで入ってきても,ランプウエハの出力は時間T(a−c)の傾きで制
限されます。
この場合ランプウエハの出力Y2はa点(0%)とc点(100%)の点で一致信号
を出力し,その他は不一致信号を出力します。
Y
同じ状態でランプウエハの入力が時間
の出力は,時間T2(a−d)の傾きで出
(設定された傾き)
入力(1)
(T2)で入力された場合,ランプウエハ
b
100%
c
d
力されます。
入力(2)
この場合,ランプウエハの出力(Y2)
は全区間一致信号を出力します。
0%
a
T1
時間
T
T2
−14−
4.4
むだ時間ウエハの使い方
4.4.1
むだ時間ウエハの直列接続
むだ時間ウエハには,1秒刻みで120秒(2分)までが2個(むだ時間ウエハ1お
よび2),30秒刻みで60分までが1個(むだ時間ウエハ3)あります。むだ時間ウ
エハを2個直列接続して3分までのむだ時間を作る場合次のように行ないます。
入力信号
X1
(1∼5V)
X2
CON
81
e
-LS
Y1
(1)
X1
63
X2
+
-
X1
Y1
X2
82
e
-LS
Y1
出力
(2)
むだ時間 L(180秒)
CON
120秒
注) むだ時間ウエハでは,むだ時間Lの設定が2分の設定範囲を超えても内部で2
分にリミットされます。また設定時間がマイナスに設定されても0分にリミッ
トされます。
上の例では,むだ時間ウエハ(1),(2)を使って3分のむだ時間を作る例です。む
だ時間ウエハ(1)で180秒のLを設定すると120秒に制限され,むだ時間ウエハ
(2)のむだ時間Lを120秒に設定すると63のウエハで60秒に設定されていて3
分のむだ時間になっています。
−15−
4.5
アナログ信号を積算パルスに変換する方法
流量0∼50T/H(0∼100%)を1パルス1Tの重みでパルス出力する方法
0∼50t/H
X1
(0∼100%)
X2
63
X1
+
-
Y1
67
X1
X2
X2
8C
Y1
Σ
X1
O8
X2
H
SUM
X1
L
66
Y1
X3
X3
CON6
CON7
180%=90t/H
100%
CON8
X1
2%=1T/50T
67
Y1
X2
88
X1
X2
X3
X3
CON9
CON10
40秒
0.2秒
Y4
DO
積算パルス
40秒
上の例では,流量0∼50t/Hの値をアナログ積算ウエハ(8C)で積算し,比較ウエ
ハ(08)で1t(すなわち1t/50t=2%)になったら1パルスの重み時間(40
秒)間のパルスをONします。そのONの間1パルス分の流量(1T=90t/H×40
秒)を減算ウエハ(63)のウエハを経由してアナログ積算ウエハ(8C)より差し引きま
す。
定数CON6(90t/H=180%),CON9(40秒)は,これらの積が1パルス
の重み,すなわち1tになるよう任意に決めます。出力パルス幅が40秒で長すぎる時は,
ワン・ショット回路をパルス発生ウエハ(88)の後につけます。それによって任意のパル
ス幅が作成できます。
−16−
4.6
アナログ積算ウエハとLNウエハによる時間関数回路の方法
アナログ積算
8C
X1
X2
X3
入力データ
CON
(10%)
Y1
OA
X1
Y1
(出力)
Σ
リセット信号
出力
(Y)
100%
アナログ積算ウエハ(8C)
(アナログ積算値)Y1
0%
10時間(T)
出力
(Y)
100%
LNウエハによる時間関数
0%
入力(X)
100%
0%
(10時間)
アナログ積算ウエハとリニアライズウエハを組合せて時間関数発生器を作ることができま
す。
上の例では,アナログ積算ウエハ(8C)の定数入力(X2)に10%の値をセットする
とアナログ積算ウエハは,10時間で100%のアナログ量を積算し,リニアライズウエハ
の入力は10時間で0∼100%変化します。リニアライズウエハに関数をセットすること
により10時間の時間関数を作ることができます。
−17−
4.7
LNウエハによる32折線近似回路の方法
入力
X1
87
X2
H
X1
LN1
OA
Y1
X1
LN2
08
Y1
X1
X2
Y1
67
Y1
(出力)
L
X3
CON (50%)
折線1のパターン
(LN1)
折線2のパターン
(LN2)
1∼16折線
17∼32折線
100%
0%
入力(X)
0%
50%
切
換
点
100%
LN1で1∼16折線を作りLN2で17∼32の折線を作ってLNウエハ2ヶで14折
線を実現させる方法です。
上の場合では,入力が50%になるとLN2側の折線に切換える例を示しています。
切換点の50%点では,LN1の終点とLN2始点は同じ値(入力値%)を設定する必要
があります。
−18−
4.8
プログラム設定ウエハのシーケンス回路
1次制御ブロックのプログラム設定ウエハ(26,27)を使うときは,入力(休止,リ
セット,プリセット)の適切なシーケンスを組む必要があります。下の例では,電源が入る
とプログラムウエハに自動的にリセットがかかり,スタート信号によりプログラムスタート
のシーケンス例を示しています。
ON
DI1
OFF
ON
X1
OFF
DI2
26 or 27
66
66
Y1
X2
X3
X1
OR
Y3
TFG
(プログラム設定出力)
Y1
Y2
X2
X3 (%)
Y3
X2
X3
MV
Y3
Y4 (エンド信号)
T
67
X1
Y1
CON
X2
外部プリセット値(時間)
X3
電源が投入されるとプログラム設定ウエハは,自動的にリセット状態(プログラムウエハ
のリセット端子X2が“1”の状態)でホールドされます。外部モーメンタリ信号
(DI2)が“0”―“1”―“0”と変化したとき,プログラムウエハのリセット入力
(X2)が“1”から“0”に変化しプログラムウエハは,スタートを開始します。この時
プログラムウエハのリセット入力(X2)は,
“0”にホールドされています。
プログラムが終了するとプログラムウエハのエンド信号(Y4)は,
“1”になり,切換ウ
エハを経由してプログラムウエハリセット入力(X2)は,“1”(リセット状態)にホール
ドされ,次のスタート信号に備えます。プログラムウエハが,リセットされるとエンド信号
(Y4)も自動的に“0”リセットされます。
−19−
4.9
バルブ補正回路
ΔMV
41
PV
Y1 X1
X1
2ND
X2
X3
入力処理 Y3 X3
42
OA
Y1
2ND
PID
X1
X1
Y1 X2
バルブ補正曲線
43
2ND
Y1
X1
08
Y1 X1
44
2ND
出力
Y1
出力
2NDL
バルブ補正逆曲線
2次積分ウエハ(43)の前に入るLN(リニアライズウエハ)は,バルブ補正用LNの
逆関数となるようにします。
LNの特性は弁特性そのものではなく流量に対する弁開度の変化率となるようにします。
2.0
1.0
弁
開
度
変
化
率
弁
開
度
(MV)
1.0
dMV/dQ
弁特性
1.0
流量Q
LNウエハ特性
−20−
1.0
流量Q
5. 各種アドバンス制御の実現方法
マイクロプロセッサを内蔵したCC−Mは,その豊富なウエハにより簡単に各種アドバンス制
御を実現できます。選択制御(オートセレクト),可変ゲイン制御,フィードフォワード制御,
むだ時間制御の各アドバンスト制御についての概要とウエハの結線について説明します。
5.1
選択制御(オートセレクタ)
タンク流量と液位制御の例
タンク
FIC
流入流量
LIC
(オートセレクタ)
設定液位
液位検出
流出流量
タンクの流出流量制御の場合,流量を一定に保つことが主な目的ですが,一方で液の水位
をある範囲以下にしなければなりません。このようなとき,流量と液位の選択制御(オート
セレクタ)を行ないます。常時は流出量を一定に保つ流量制御が選択され,タンク流入量の
減少で液位が一定範囲を超えると自動的に液位制御がバランスレス,バンプレスで選択され
ます。
−21−
5.1.1
1次積分ウエハと2次積分ウエハの出力で選択する方法
X1
X2
87
H
Y3 (切換信号)
L
CON
21
Y1
X1
1ST
Y2
X2
入力処理
X3
Y3
AI1
X1
X2
22
X3
PV
X1
X2
61
Y1
41
X1
Y1
2ND
X2
X3 入力処理 Y3
X1
X2
Y1
X1
X2
X3
Y1
X1
X2
1ST
PID
23
1ST
Y1
2NDLS
42
2ND
PID
43
2ND
X1
X2
X3
44
67
Y1
X1
2ND
出力
Y1
出力信号
X3
CON
66
Y1
X1
2ND出力ウエハ(44)を共用して1次PIDと2次PIDを切換信号により切換
えて,どちらかの調節計を選択します。この場合出力信号を1次積分ウエハ(23)と
2次積分ウエハ(43)の両方にフィードバックしているため,切換信号によりいつで
もバランスレスバンプレスに切換えることができます。
−22−
5.1.2
1次PIDウエハと2次PIDウエハの速度形出力で選択する方法
AI1
X1
21
Y1
1ST
Y2
X3 入力処理 Y3
X1
X2
22
1ST
PID
ΔMV
Y1
X3
PV
X1
41
Y1
2ND
Y2
X3 入力処理 Y3
X1
X2
X3
42
2ND
PID
Y1
ΔMV
X1
X2
67
Y1
X1
43
2ND
44
Y1
X2
X1
2ND
出力
Y1
X3
DI(切換信号)
この場合のウエハ結線方法は2次PIDの積分ウエハ(43)と出力ウエハ
(44)を共用し,切換は1次PIDウエハ(22)と2次PIDウエハ(42)の出
力で切換えています。
PIDウエハ(22)(42)はいづれも速度形演算(ΔMV)なので切換信号によ
りいつでもバランスレスバンプレスに切換えることができます。
5.2
可変ゲイン制御
プロセスの状態変化に応じて調節計のゲインを変化させることを可変ゲインと云います。
PIDのゲイン演算は,基本的に下記の演算式を用いています。

100 
DT
TD
~
DVK – DVK–1 +
∆MV =
DVK +
(PVK + PVK–2 – 2PVK–1)
T1
DT
P 

比例項
積分項
−23−
微分項
PIDウエハ
PV
X1
42
X2
DV
Y1
X3
ΔMV
X1:微分項
X2:積分項
X3:比例項
DV:偏差
TI:積分時間
TD:微分時間
P :比例帯
K :現在値
上の演算式で判るとおりP(比例帯)を変えるのと同じ効果を得るには,PIDウエハの
出力(ΔMV)にゲインをかけてください。
上式の比例項(DVK−DVK−1)を変えてもゲインを変えることができますが,プロセ
スの変化(DVの変化)と同じ効果を生じ,結果的にP動作が働いてゲインが急変してしま
います。
比例帯Pを変えることと比例項を変えることでは効果が異なるので注意する必要がありま
す。いわゆる可変ゲインは,PIDウエハの出力(ΔMV)を変える方法がよいです。
積分ゲインを変えるには,PIDウエハの積分項(X2)にゲインをかけてください。積
分(I)カット動作を行なうには入力を0%にすれば積分カットとなります。積分項はゲイ
ン変更によるショックはおこりません。微分項の重みを変えることも同様に行なえますが,
演算式でわかるとおり2階の差分をとっているので,よりゲインの変更には敏感であるので
注意を要します。可変ゲインのウエハ結線方法は,何通りもあり,適用については実際のプ
ロセス状態により選択する必要があります。
−24−
5.2.1
LNウエハによる可変ゲイン
PV
X1
41
Y1
2ND
入力処理 Y3
(0V)
X1
X2
X3
42
Y1
2ND
PID
X1
ΔMV
64
X2
Y1
x
X1
43
2ND
44
X1
Y1
X2
2ND
出力
MV
Y1
OA
Y1
X1
K
K・ΔMV
LN
PV値の変化によってPID制御のゲインを変える場合の例です。
PV値によるゲイン変化をLNウエハと乗算ウエハにより変化させる方法です。同じ
ように偏差(DV)によってゲインを変化させるには,点線のように接続すればよく,
この場合,実際のプロセスの値(PV値)または偏差(DV値)によるゲイン曲線を
LNウエハにセットします。
PV値によってプロセスゲインが変化する例。
タンク
(ゲイン)補正曲線
LT
ゲ
イ
ン
LIC
タンク曲線
レベル%
−25−
5.2.2
1次PIDブロックと2次PIDブロックによる可変ゲイン
X1
41
X1
X2
X3
Y1
2ND
X3 入力処理 Y3
PV
22
Y1
1ST
PID
X1
X2
2NDL
67
Y1
X1
43
2ND
44
Y1
X1
X2
X1
X2
X3
42
Y1
Y1
2ND
出力
X3
2ND
PID
切換信号
1次PIDウエハ(22)が使用されていないとき,1次PIDウエハと2次PID
ウエハ(42)の両方にPIDの定数をセットし,切換信号によってPIDのゲインを
可変させる方法です。
5.2.3
偏差自乗形PID制御
X1
PV
41
09
Y1
2ND
X3 入力処理 Y3
X1
X1
64
X1
Y1 X2
X3
x
絶対値
Y1
X2
42
44
43
2ND
PID
Y1 X1
2ND
Y1 X1
X2
2ND
出力
Y1
2NDL
偏差自乗形PIDは偏差の自乗に比例して制御を行なうもので,一般にPH制御等に
使われ通常のPIDの制御とは大幅に異なります。
出
力
100
通常のPID
偏差自乗
75
50
-50%
偏差
50%
25%
−26−
P=100%
( バイアス=50% )
5.3
フィードフォワード制御
プロセスに外乱が生じた場合,事前にその偏差を予測し,プロセスが変化する前に先行し
て修正動作を加えることをフィードフォワード制御と云います。以下にフィードフォワード
の応用例とウエハの結線について述べます。
炉
入口供給流量
TIC
流量検出
供給燃料制御
出口温度制御
FIC
(フィードフォワード)
Σ
(流量)
流量変動補正
(先行補正分)
(空気)
供給燃料
蒸留炉のフィードフォワード応用例
上の例のように供給流体の出口温度をカスケード制御している場合,供給流量の大きな変
動(外乱)は,当然供給燃料の大きな変動をきたします。燃料変動がカスケードループで制
御できても温度変化は当然大きく変動することが予想されます。
供給流量を入口で測定できれば需要変動を先行して検知でき,炉の温度変化を起す前に
供給燃料を前もって補償し制御できます。補正の値が適切であれば温度偏差は生じません。
フィードフォワードには,流量の変化分を単に加算して補償する静的フィードフォワード
と進み,遅れ要素を加味して加算する動的フィードフォワードがあります。静的フィード
フォワードはある限度内の変化のみについて一般的に有効であり,すべての,外乱を補償す
るには,動的フィードフォワードが有効です。
−27−
5.3.1
静的フィードフォワード
静的フィードフォワードは,外乱要素(AI1)に適当なゲインをかけてPID演算
に加算します。このとき積分ウエハ(43)のフィードバック信号に対しては,積分ウ
エハ(43)の後にくる演算の逆演算を施しておく必要があります。
静的フィードフォワードは一般に外乱要素が比較的小さいときに有効です。
AI1
X1
(外乱要素)
61
Y1
X1
X2
X2
CON
64
X
Y1
CON
(加算補償分)
PV
41
Y1
2ND
Y2
(プロセス量) X3
入力処理 Y3
X1
X1
X2
42
2ND
PID
Y1
X1
X2
43
2ND
X1
Y1
X2
X3
2NDL
63
Y1
+
-
X1
X2
(逆演算回路)
−28−
44
62
+
+
Y1
X1
2ND
出力
Y1
5.3.2
動的フィードフォワード
外乱の信号に
K + T2 S
の進み,遅れ要素を施して出力(MV)に加えます。進み要素
1 + T1S
のT2と遅れ要素のT1は設定時間の単位がちがうので注意してください。
(T1=分,T2=秒)
フィードフォワード信号の変化分を使っているので,静的フィードフォワードのよう
に逆演算回路は必要ありません。
遅れ
AI1
X1
X2
(外乱要素)
85
進み
Y1
X1
X2
X2
1
1-T1S
(プロセス量)
41
Y1
2ND
Y2
X3 入力処理 Y3
補償分(ΔF)
CON
X1
X2
42
Y1
2ND
PID
X1
X2
43
2ND
Y1
X1
X2
44
62
+
+
Y1
X1
2ND
出力
Y1
MV
出力信号
X3
2NDL
5.4
T2
CON
X1
K+T2S
K
T1
CON
PV
84
むだ時間制御
むだ時間の大きなプロセスに対して従来のPID制御は必ずしも満足するものではなかっ
たが,CC−Mを使うことにより従来のアナログ調節計ではできなかったスミスのむだ時間
補償制御など高度の制御が可能になりました。CC−Mを使用してのむだ時間制御はサンプ
リング制御,間欠PID制御,スミスの補償方法等があります。
5.4.1
サンプリング制御
サンプリング制御は,CC−Mの標準機能として装備しており,サンプリング時間を
設定するだけで実現できる。
−29−
PID制御では,1次PID演算ウエハ(22)と2次PID演算ウエハ(42)の
PIDパラメータ設定画面のDTパラメータ0.1SEC∼3276.6SEC(0.1
SEC刻み,出荷値0.2SEC)の時間で設定できます。
制御周期(0.2SEC)
制御周期(20SEC)
MV
MV
0.2SEC
20SEC
サンプル時間(T)
サンプリング周期を変えたときの出力変化
5.4.2
間欠PID制御(サンプル値形PID制御)
ある期間は,PID制御を行なわせ,次の期間出力ホールド状態でプロセスのむだ時
間の遅れ分を処理するものでサンプリング制御よりも比較的プロセスノイズが多いプロ
セスに強い。
CC−Mでは,切換ウエハとパルス発生ウエハの組合せで実現でき,パルス発生ウエ
ハのON時間でPIDを実施し,OFF時間でホールド状態として間欠PID制御を行
ないます。ウエハの結線は下記のように42と43ウエハの間に間欠回路を挿入します。
PV
2NDL
X1
42
41
2ND
X3 入力処理 Y3
X2
X3
2ND
PID
ΔMV
X1
X2
67
Y1
X1
X2
43
2ND
Y1
X1
44
Y1
MV 出力
2ND
出力
X3
パルス発生
ON
OFF
X1
88
Y1
*この方式は、通常D動作を殺すのが普通です。
X2
ON
T1
OFF
T2
ON=PID制御
OFF=ホールド
−30−
5.4.3
スミスのむだ時間補償制御
スミス補償の方法は,プロセスにGP・e −LS のむだ時間を持つ系に内部補償回路
G1(1−e−LS)を付加することにより,調節計から見た系が等価的にむだ時間のな
い系を制御する形に変形することにより,むだ時間のないプロセスとして制御を行なわ
せることができます。
プロセス
GP
SV
+
+
-
MV
PID
-
GP・e
-LS
むだ時間補償
PV
G1(1-e
-LS
)
形を変えると
(1次遅れ+むだ時間)
SV
+
-
MV
PID
1+Ts
むだ時間補償
+
+
-LS
K・e
K・(1-e
-LS
)
1+Ts
PV
−31−
スミスのむだ時間補償制御回路ウエハ結線方法
X1
X2
85
Y1
81
X1
1
e -LS
X2
1+Ts
X1
XL
Y1
63
+
-
Y1
CON
CON
むだ時間(L)
X1
PV
X2
62
Y1
+
+
X1
41
Y1
2ND
入力処理 Y3
X1
X2
X3
43
2ND
PID
Y1
X1
X2
43
2ND
Y1
上のウエハ結線表では,プロセス伝達関数がG(S)=
X1
44
2ND
出力
MV
1
とわかっていて,
1+TS
むだ時間(L)が容易に測定できるときの一例を示しています。
−32−
Y1
★
マニュアルコメント用紙
★
お客様へ
マニュアルに関するご意見,ご要望,その他お気付きの点,または内容の不明確な部分がございましたら,この
用紙に具体的にご記入のうえ,担当営業員にお渡しください。
マ ニ ュ ア ル № INP-TN512878
ご 提 出 日
社名
コンパクトコントローラ M
マニュアル名称 (CC-M)
応用マニュアル
ページ
行
年
ご提出者 所属
氏名
内
容
意見,要望,内容不明確(まちがい,説明不足,用語不統一,誤字脱字,その他)
…………いずれかに○印
出版元記入欄
担当
受付
年
月
日
受付番号
月
日
本社 〒141-0032 東京都品川区大崎一丁目11番2号(ゲートシティ大崎イーストタワー)
http://www.fesys.co.jp
技術相談窓口(インフォメーションセンター)
http://www.fic-net.jp
(042)585-2800
FAX (042)585-2810
受付時間 AM9:00∼12:00 PM1:00∼5:00
[月∼金曜日(祝日を除く)、FAXでの受信は常時行っています]