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建主も現場へ行こう
住宅の現場チェックシート
2001
平成13年3月
北海道
自分の目で確認しましょう
・性能に関わること(断熱材の厚さや防湿気密フィルムの施
工状況など)
・維持管理に関わること(電気代など意外に高負担となる)
住宅を取得することは一生に一度の大事業
住宅を取得することは、一生に一度の大事業です。しかし、
・ 傷や汚れ(現場の不注意で製品に傷がつくなど)
など、これから長く住み続ける上で、現場で確認した方が良
いことや、現場でしか確認できないことがたくさんあります。
注文住宅では、まだ実物を確認できない状態で、高額の契約
を結び施工してもらうことになります。だからこそ、設計の
自分の目で確認し記録を残しましょう
打ち合わせや図面内容の確認、工事監理がとても重要となり
ます。
建設現場が、お住まいから遠かったり、仕事の都合で時間が
取れなかったりすると、なかなか全部の項目をチェックする
工事の監理は専門家に見てもらうのが基本です
住宅の工事は専門的ですので、建主にとっては理解すること
が難しいものもあります。
のが難しいかもしれませんが、できる範囲で、自分の住宅が
完成するまでの工程を自分の目で確認し、写真やビデオの記
録として残しておきましょう。
工事監理はできるだけ第三者の建築士に見てもらうことが良
いでしょう。
工事監理とは?
建主にもできるチェックがあります
工事監理とは、工事を設計図書と照合し、それが設計
安心して住宅を建てるには建築士などの専門家に監理をして
図書のとおりに実施されているかどうかを責任をもっ
もらうほか、自分で現場を見ることも重要です。
て確認することをいいます。また、工事監理をする人
この工事監理チェックシート(この冊子ではわかりやすく、
を工事監理者といいます。
「現場チェックシート」と呼びます)は、建主が現場の進行に
建築基準法では、
100m2 を超える住宅を新築する場合
合わせて必要な事項をチェックしたり、設計段階で依頼した
は、建築士である工事監理者を定めなければなりませ
ことが現場できちんと実現しているか確認するのに役立ちま
ん。
す。さらに、
工事監理を第三者にお願いするときは、設計の業務契
・自分たちにしかわからないこと(体格・手持ちの家具など)
約、工事請負契約の他に工事監理業務契約を結んで専
・現場を見てはじめて気がつくこと(車庫と居室の意外な段
門家にお願いすることになります。
差など)
現場チェックシートの使い方
チェック
メモ
◎
図面通りで問題ない。
次のページの『家づくりの流れ』では、施工順序に従って、
○
居間の窓がひとまわり大きいが問題ない。
工事の内容を説明しています。
△
図面通りだが、手持ちのタンスが窓にかかるので
窓を右に移動したい。
×
和室の窓が図面より高くついてる。畳に座ると庭
が見づらくなるので手直しが必要。
?
わからないので、施工者に確認。
『現場チェックシート』には、
『家づくりの流れ』に示した各
工事ごとに、建主にチェックしてほしい項目や参考になる現
場写真例、チェックする際のアドバイスなどを記載していま
す。また、照合する図面の欄は、図面が完備されている場合
の名称を記入していますので、住宅の工事では省略されてい
たり、他の図面で兼ねている場合もあると思います。
建主が記入するのは、チェックとメモの 2 つの欄です。アド
◎:図面通りで問題がない場合です。
バイスを読んで、現場をしっかりチェックしましょう。
○:図面と違っているが、手直しの必要がない場合です。
右記に、「5.外部サッシ工事」の「窓の大きさ・位置」を題材に
記入例を示しますので、参考にしてご利用下さい。この例では、◎
∼?まで5段階のチェック種別を設定しましたが、他のチェック項
目では、○・×・?の3段階のチェックで充分な場合が多いと思い
ます。
記入例にこだわらず、自分なりに工夫して使用することもできます。
△:図面通りであるが、何らかの変更をしたい場合です。この場
合には、手直しに費用がかかるかどうか確認し、別途費用が
かかる場合は見積もりしてもらい、手直しをお願いするかど
うかを決めましょう。
×:図面と違っているので、図面通りに直してもらう場合です。
?:確認する物が見あたらなかったり、確認したがわからない場
合です。この場合には、施工者や工事監理者(設計者)に説
明を求めましょう。
k
k
工事請負契約と工事監理契約
k
k
k
k
k
工事請負契約締結後、施工業者や設計者が工
事監理をしても良いですし、また、第三者と
工事監理契約を結ぶこともできます。工事監
理者は設計図書と現場が一致しているかを確
認し検査を行います。
1
2
現地確認及び仮設工事
敷地を確認し、建物の位置・高さを決
める遣方(やりかた)・足場掛等の工
事です。
根切り(地面を掘る作業)から、鉄筋
組立・型枠組立・コンクリート打設ま
での、基礎をつくる工事です。
4
木工事
土台から屋根まで、構造体である柱・
梁や小屋組を加工し、組立てる大工工
事です。
k
設計業務委託に基づいて設計が完了した後、工事請負契約を締結して工事が始まります。
はじめに施工業者は下のような工程表を作成して説明しますので、ここでも各工事の工程内容を簡単に説明しましょう。
工程表の例
3
基礎工事
5
屋根工事
屋根の漏水防止に重要な黒いシートを
張る工事と、屋根板金をふく工事です。
k
6
外部サッシ工事
窓・玄関扉の取付工事です。
床(基礎)・壁・天井(屋根)に断熱
材を入れ、防湿気密フィルム・透湿防
水シートを張る工事です。
k
k
7
断熱・気密工事
外壁工事
外壁仕上材を張る(塗る)工事です。
目地にコーキング等も必要になります。
k
自7月15日∼至11月10日
月日
工事名
7月
15
1
仮設工事
2
基礎工事
3
木工事
4
屋根工事
5
外部サッシ工事
6
断熱・気密工事
7
外壁工事
8
木製建具工事
9
左官タイル工事
10
塗装工事
11
内装工事
12
家具工事
13
仕上ユニット工事
14
電気工事
15
設備工事
16
外構工事
17
引渡し
20
8月
25
31
遣方
工事請負金額の支払い
*工事名の分類は、施工者によって異なります。
9月
10
15
20
25
足場掛
鉄筋 墨付
5
31
5
10月
10
15
20
25
30
11月
5
10
15
20
25
足場外し
31
5
10
クリーニング
8
コンクリート打設
切込
土台敷・建方
造作
9
木製建具工事
室内の扉・襖・障子の製作・取付工事
です。レバーハンドル・戸当たり等の
金物の取付もあります。
10
左官タイル工事
内・外部のタイル張の工事と、左官仕
上(モルタル・リシン・けいそう土等)
の工事です。
11
塗装工事
仕上材への塗装工事です。内・外壁や
木製建具・床等に、塗料・ワックスを
塗ります。
12
内装工事
室内仕上材の下地(石膏ボード・合板
等)と、仕上材を張る工事です。
家具工事
つくりつけ家具の製作・取付工事です。
板金
サッシ製作
取付
床・壁
検
査
︵
建
築
基
準
法
検
査
・
建
主
検
査
︶
天井
サイディング張り
製作
取付
天端均し・床下換気孔取付
布モルタル
外部
下地モルタル・タイル貼り
内部
養生
けいそう土・下地処理及び下塗り
製作
ユニットバス取付
配線工事
配管工事
k
k
k
k
k
内外装の傷の有無、設備等の使用
方法などを確認し、鍵や必要書類
養生
の引渡しをうけましょう。
上塗り
取付
システムキッチン取付
配線
配管
引渡し前に
器具取付
器具取付
犬走り・鋪装
契約に基づいて代金を支払います
13
仕上ユニット工事
ユニットバス・キッチン・洗面化粧台
等、選んだ既製品を取付ける工事です。
14
電気工事
電気の引込から、照明・スイッチ・コ
ンセント・電話・テレビの配線、器具
取付の工事です。
15
設備工事
給排水の配管・衛生陶器の取付、暖冷
房・換気の機器取付と配管工事です。
16
外構工事
玄関までのアプローチや駐車スペース
の舗装、庭の整備等です。建物の工事
と一緒にどの程度まで施工するかは様
々です。
現場チェックシート
工事名・アドバイス
1
現地確認及び
仮設工事
工事の施工に先立って、施工
者及び工事監理者
(設計者)
に
立会ってもらい、敷地の現地確
認をします。また、工事が始まる
と工事用車両の出入りや騒音
で近所に迷惑をかけることにな
りますので、工事着工前に、建
主本人と施工者の工事責任者
で、近隣に挨拶まわりをしておく
といいでしょう。
対象
実例
工程表
*前ページ参照
敷地及び建物
の位置
2
基礎工事
基礎は建物全体を支える重要
な部分です。特に、鉄筋の配置
やコンクリートの強度は後で確認
したり修正できるものではありま
せん。建主がチェックできるもの
は、できるだけ現地で工事監理
者等専門家に立会ってもらい確
認しましょう。床下の状況も確認
し、床下防湿シートの有無を現
場でチェックしましょう。
照合する図面
アドバイス
工程表
工期全体の日程を把握しましょう。
天候などにより工程表どおりに進まない場合もありますので、進行状
況を確認しながら早め早めのチェックが必要です。
寸法*1
配置図・平面図
境界杭*2
見て確認
地盤高さの基準
(GL)
矩計図(かなばかりず)
敷地の傾斜状況
配置図・見て確認
建物の位置
配置図・平面図
GLから1階の床までの高さ
矩計図
敷地の場所・大きさは土地の登記簿や地積測量図が根拠となります。
敷地の傾斜は、施工者が高さを測定する器具で測定しますので説明を
うけましょう。基礎等ができてから建物の位置をずらすことはできま
せん。道路境界線・敷地境界線か
らの離れを確認しましょう。また、
1 階の床仕上げがどの位の高さか
を確認し、道路からの高さや外階
段の段数等も理解しましょう。
隣地
隣の建物や植栽等がはみ
出していないかどうか
見て確認
はみ出している場合は隣人に、すぐに撤去したいのか、将来的には撤
去したいのか、そのままでよいのか、自分の意志を伝えましょう。
灯油タンク
位置
給排水設備図
水道メーター
位置
給排水設備図
宅地桝
位置
給排水設備図
住んでからのメンテナンス等の時に、これらの位置が分からないと困
ります。設計時には、打合わせていない場合も多く、給排水設備図や
電気設備図がない場合も多いので、現地で施工者や工事監理者(設計
者)から説明をうけ、確認しましょう。
ガスメーター
位置
給排水設備図
電気
メーター・ブレーカーの位置
電気設備図
電話
引込みの位置
電気設備図
対象
チェック
メモ
メモ
基準GL
実際の地盤
*1 寸法
*2 境界杭
工事名・アドバイス
チェックしてほしい項目
敷地の寸法が大きく違う場合は、工事を中断して、専門業者にきちんと確認してもらいましょう。
境界杭のない場合は、本来入っていると思われる位置に、施工者に仮杭を設置してもらい、関係
者(隣人等)の了解を得て工事を進めましょう。正式に境界杭を入れる場合は、関係者全員の立
会が必要で、場合によっては事前に測量が必要です。
実例
基礎
換気口の穴
aを測定
チェックしてほしい項目
照合する図面
アドバイス
チェック
杭の有無
構造図・杭伏図
有・無
ベースの巾
(a)
・厚さ
(b)
矩計図・構造図
基礎の高さ
(c)
矩計図・構造図
下図と違う基礎の場合もありますが、基礎の形状・寸法等を確認しま
しょう。床下換気口や床下防湿シートは後で施工しますので、この時
点では、換気口の位置をチェックし施工方法等について説明をうけま
しょう。
床下換気口
立面図または基礎伏図
床下防湿シート
矩計図
cを測定
a
c
b
捨コン
切込砂利
工事名・アドバイス
3
木工事
建物の構造強度にかかわる重
要な工事です。1 つ 1 つの部材
のチェックは大変ですが、柱や
すじかいの位置等、見やすい部
材は確認しましょう。
対象
実例
土台
チェック
メモ
アドバイス
チェック
メモ
屋根は落雪屋根と無落雪屋根に大別されます。仕上材料が板金でも、
横ぶき・蟻掛けぶき等のふき方があります。雨水の侵入を防ぐ防水下
地となるアスファルトルーフィング(黒いシート状のもの)や、小屋
裏結露を防ぐ小屋裏換気口を確認しましょう。
落雪
無落雪
チェックしてほしい項目
照合する図面
アドバイス
ボルト止め・防腐処理
矩計図・床伏図
基礎の上に乗っている角材です。基礎に打込んだボルトで止められて
いるかどうか確認しましょう。また、必ず防腐処理をされていますの
で、処理方法を現場で聞きましょう。防腐処理は土台だけではなく、
地面から 1 mの高さまでの柱・間柱・すじかいも対象となります。
位置・止め方
床伏図
平面的に出隅となる個所等に火打ち土台・火打ち梁を取付けます。火
打ち土台・火打ち梁は木製の場合と鉄製の場合があり、ボルトで土台
等に固定します。
1階の柱の位置・寸法
平面図・伏図
通し柱*3や他の柱の位置・寸法を数カ所確認しましょう。
2 階の柱の位置・寸法
平面図・伏図
1階のすじかい*4の位置・
寸法
平面図・伏図
2 階のすじかいの位置・寸
法
平面図・伏図
すじかいは、地震や風圧に対抗する大切な部材です。平面図等にすじ
かいの位置・寸法が書かれていますので、現場で照合しましょう。た
だ、現場で仮の斜材を打っていますので、すじかいと見間違わないよ
うに気をつけましょう。
チェックしてほしい項目
照合する図面
屋根の種類
矩計図・立面図
アスファルトルーフィング
矩計図
仕上材の材質
矩計図・仕上表
小屋裏換気口*5
矩計図・立面図
土台
火打ち土台・火
打ち梁
火打ち梁
火打ち土台
柱
柱の寸法
すじかい
すじかい
*3 通し柱 土台から屋根の梁まで切れ目がなく、 1 本で通した柱です。通常、住宅の四隅に設けられます。
*4 すじかい 柱と柱の間に入っている斜材です。
工事名・アドバイス
4
屋根工事
対象
実例
屋根
屋根は雨水の浸入を防ぐために
大切な部分です。足場に登らな
ければならない場合もあります
が、
工事の状態を確認しましょう。
無落雪屋根
落雪屋根
*5 小屋裏換気口 軒裏や壁の上の方に付いている、小屋裏を換気するための穴です。
工事名・アドバイス
5
外部サッシ工事
対象
実例
窓
サッシのガラスは取付後も入替
ができますが、サッシ枠の変更
は難しいので、間違いに気づい
たらすぐに、
施工者に連絡しまし
ょう。取付位置や取付高さは、
完全に固定する前は変更でき 玄関扉
る場合もありますが、壁の仕上
等が終わってからでは大変な手
もどりになります。
樹脂サッシ
アルミ製ドア
木製サッシ
チェックしてほしい項目
照合する図面
アドバイス
材質
建具表・仕上表
樹脂サッシ・木製サッシ・アルミサッシ等の材質を確認しましょう。
開き方
平面図・建具表
片開き・引違い・はめ殺し・回転・ドレーキップ*6 等を確認しましょう。
ガラスの種別
建具表
網戸の有無
建具表
窓の大きさ・位置
平面図・展開図
窓の大きさ・取付位置・高さを確認しましょう。
材質等
平面図・建具表
木製ドア・アルミ製ドア等の材質や色、デザインを確認しましょう。
郵便受・ドアチェーン等の有無のチェックも必要です。
寸法・開き方
平面図・建具表
玄関扉の幅や高さは、大きな荷物が入るかどうかに影響します。雨仕
舞がよいため、ほとんどのドアが外開きですが、開き方を確認しまし
ょう。
チェックしてほしい項目
照合する図面
アドバイス
種類(グラスウール・発泡
ポリスチレン板等)
・厚さ
矩計図・仕上表
場所によって使う断熱材が違います。また、同じように見えても重さ
等が違うと性能が異なります。材料やラベルに厚さや性能(重さ)が
書かれていますので、図面に記載されている内容と同じかどうかを確
認しましょう。
施工状況
見て確認
丁寧に施工されているか、配管周りやユニットバスの陰に入れ忘れが
ないかを確認しましょう。
見て確認
断熱材の室内側に施工します。丁寧に施工されているか、つなぎ目が
10 cm 程度重ねられているか、やぶれていないかなどを確認しましょ
う。
チェックしてほしい項目
照合する図面
アドバイス
厚さ・連続性の確認
矩計図・見て確認
断熱材内部の結露防止に重要な通気層の厚さや、通気層が縦に連続し
ているかどうかを確認しましょう。断熱材がグラスウールの場合、外
壁側に防風シート(透湿防水シート)が施工されていることも大切で
す。
種類
仕上表
外装材が、打合せ通りの種類・模様・色かどうか確認しましょう。ま
た、継目のコーキングが何年くらいで劣化するのか、施工者に聞いて
メンテナンスの参考にしましょう。
チェック
メモ
チェック
メモ
チェック
メモ
ガラスの種別〈シングルか ペアかトリプルか? 高断熱複層ガラス
( Low -E)か? 透明か型板(曇り)ガラスか?〉や網戸の有無も確認
しましょう。
木製ドア
*6 ドレーキップ 内倒し内開き窓。換気時には、窓の上側が内側に10cm程度倒れ、清掃時には内開きとなり
ます。
工事名・アドバイス
6
断熱・気密工事
実例
断熱材
建物の性能にかかわる重要な
工事で、仕上材料が張られると
見えなくなってしまいます。必ず
1度自分の目で確かめましょう。
隙間等が気になる場合は、すぐ
に施工者に確認して、必要な個 防湿気密フィル
所は直してもらいましょう。また防 ム
湿気密フィルムは、隙間なく連
続していることが重要ですが、
チェックには専門的な知識が必
要ですので、施工者や工事監
理者
(設計者)
に説明してもらう
方がいいでしょう。
工事名・アドバイス
7
対象
外壁工事
外装材は、外見を左右する仕
上材料です。価格にも差があり
ますので、材料選びは設計段
階で行ないます。また、コーキン
グも大切です。
対象
施工状況
実例
通気層
防水シート
外装材
コーキング
工事名・アドバイス
8
木製建具工事
実例
敷居
左官タイル工事
タイルは、外壁・玄関の床・外
部のアプローチ・キッチンの壁
等によく使われます。左官工事
には、モルタル塗やリシン等の
吹付け、けいそう土塗などがあ
ります。図面上と実際の建物を
見るのでは印象が違い、工事費
を増減してでも、施工範囲を変
更した方がいい場合もあります。
対象
実例
タイル・目地
左官仕上材
けいそう土
*7 刷毛目
工事名・アドバイス
10 塗装工事
外壁・玄関扉・木製建具(内部
扉)
・つくりつけ家具等、塗装で
仕上げる部分はかなり多いもの
です。使う塗料によっては、にお
いの出るものがあったり、耐久性
が違ったりしますので、見積段
階で、どこにどの塗料を使うのか
を確認するといいでしょう。
対象
塗装
チェックしてほしい項目
照合する図面
アドバイス
段差の有無
建具表・見て確認
室内扉や和室の入り口の段差を確認しましょう。
建具表・平面図
扉・枠の材質・寸法
(幅・高さ)
扉
住宅内部の扉は寸法が小さい
と、家具が入らなかったり、将来
車椅子が通らなかったりと、不自
由を生じます。また、バリアフリー
の観点からは、扉の下部に段差
がないことが重要です。
工事名・アドバイス
9
対象
ガラスの有無・種類(透明
・型板)
・形状
建具表・展開図
鍵・戸当たりの有無
建具表
図面通りの材質・寸法・デザインになっているかどうか確認しましょ
う。また、開戸・引戸等の開き方と、開き勝手も平面図と照らし合わ
せてチェックしましょう。できれば枠がつ
く前に寸法をチェックし、寸法の間違いが
扉
あれば早めに施工者に伝えましょう。換気
経路となる扉については、アンダーカット
床面
やガラリの設置の確認をしましょう。
チェックしてほしい項目
照合する図面
アドバイス
範囲
平面図・立面図・展開
図
どこからどこまでをタイル仕上げにするのか確認しましょう。
種類・色
仕上表
選んだタイルできちんと施工されているかどうか確認しましょう。タ
イルの色に合わせて、目地の色も選べます。
範囲・コテ仕上げの程度
平面図・展開図
モルタル仕上げやけいそう土塗の場合も、どこからどこまでか、現場
で確認しましょう。また、仕上げ方はいろいろあり、平らに仕上げる
場合と、わざと刷毛目*7 をつける場合があります。見本を作ってもら
うと、完成後のイメージがわかりやすいでしょう。
チェックしてほしい項目
照合する図面
アドバイス
種類・有害物質の有無
仕上表・展開図
範囲
仕上表・展開図
塗装をする場所により、塗料の種類が変わります。有害物質を含まず、
好きな色・光沢・仕上がり状況になるよう、
見本を見て選びましょう。
また、どの範囲をどの塗料(種類・色等)で仕上げるかを確認しまし
ょう。
チェック
メモ
チェック
メモ
チェック
メモ
アンダーカット
玄関タイル
下地モルタル
表面を意図的に荒くする仕上げ方。床をこの仕上にするとすべりにくくなります。
実例
工事名・アドバイス
11
内装工事
内装材は、室内の雰囲気を左
右する材料です。種類・色・模
様は様々ですので、打合せ通
りのものがきれいに施工されて
いるかどうか確認しましょう。
対象
実例
チェックしてほしい項目
照合する図面
アドバイス
床
仕上材の種類・厚さ
仕上表
合板のフロアーや無垢材のフローリングは、張る方向も確認しましょ
う。また、ジュータンやクッションフロアー等、仕上げが変わる場合
には、どこで変わるか、変り目の見切をどのような材料にするかを打
合せましょう。畳の場合は、へりの模様を選びます。
巾木
種類
仕上表
壁の最下部の横木です。ビニール製と木製が
あります。
巾木があることで、掃除機等から壁を守り、
床と壁の継目をキレイに見せます。
チェック
メモ
チェック
メモ
壁
巾木
床
壁
仕上材の種類
仕上表
部屋ごとにクロス張り・合板張り等、壁仕上げを確認しましょう。
和室には付柱・長押(なげし)をつけるかどうかも打合せしましょう。
天井
仕上材の種類
仕上表
部屋ごとにクロス張り・化粧ボード張り等、天井仕上げを確認しまし
ょう。
階段
蹴上(a)
・踏面(b)寸法
平面図・矩計図
仕上げ
仕上表
階段は住宅の中で事故が発生しやすい場所で
す。蹴上(けあげ)
(a)
・踏面(ふみづら)
(b)
の寸法や仕上げ材料の種類(集成材・ジュー
タン等)を確認しましょう。また、階段の手
摺は、どの高さにどの範囲でつけるかを現場
で打合せしましょう。
床面
手摺
工事名・アドバイス
12 家具工事
つくりつけ家具や棚が、打合せ
通りに製作されているかどうか
チェックしましょう。追加で棚等
が欲しくなるケースが多いので、
施工者に金額と引渡し前に完
了するかなどを確認の上、お願
いするといいでしょう。
対象
つくりつけ家具
・棚
実例
b
a
チェックしてほしい項目
照合する図面
アドバイス
形状・材質・寸法
建具表・平面図
つくりつけ家具の寸法や棚の高さを確認し、その家具に入れる予定の
物が入るかどうかを確認しましょう。
工事名・アドバイス
13
仕上ユニット工事
ユニットバス・キッチン・洗面化
粧台等、既製品を選んで設置
するものについては、選んだ通
りのものが搬入されているかど
うか確認しましょう。
工事名・アドバイス
14 電気工事
電気製品が増え続けているの
で、コンセントの位置や数は重要
です。現場で、内装の仕上げ前
に、
コンセント等の位置や数を変
更することは、場所によっては可
能ですので、早めにお願いしま
しょう。
対象
実例
チェックしてほしい項目
照合する図面
アドバイス
フロ
種類・付属品
(手摺等)
仕上表・平面図
ユニットバスは、手摺の後付けが難しい場合が多いので、事前に取付
けた方がいいでしょう。窓や追焚き用の穴は、現場で開けます。リモ
コンスイッチの位置も確認しましょう。
キッチン
種類・付属品
(換気扇等)
仕上表・平面図
コンロ・水洗金具・換気扇・オーブンレンジ・食器洗い機等、打合せ
した機器が間違いなく入っているかどうかチェックしましょう。また、
手元照明やコンセントの位置についても確認しましょう。
洗面化粧台
種類・付属品
(タオル掛け等)
仕上表・平面図
洗面器の色や、水栓の種類を確認しましょう。
トイレ
種類・付属品
(ペーパーホルダー等)
仕上表・平面図
便器の色・種類(洗落し式・サイホン式等)
・ウォシュレットの有無・
リモコンの位置・ペーパーホルダーの位置等を確認しましょう。
手摺
材質・位置・寸法
仕上表・平面図
階段・トイレ・浴室・玄関・廊下等、手摺を設置することになってい
る個所で、設置高さ等を確認しましょう。握りやすい太さで、適した
材質(浴室内は樹脂製、他は木製等)のものを選びましょう。
洗濯物干し
種類・位置
仕上表・平面図
洗濯物を干す部屋に、ハンガーパイプや昇降式の物干し(手動・電動)
を設置する場合にはドアの開閉に支障がないか、洗濯機やボイラーに
ぶつからなくて使いやすい高さ・位置かどうか確認しましょう。
チェックしてほしい項目
照合する図面
アドバイス
位置・個数
電気設備図
一般的には、スイッチは床から1.2 m∼1.3 m、コンセントは床から0.2m
位の高さですが、身長に合わせたり高齢者や車椅子用に設置高さを変
えることもあります。早めに、設置高さの希望を現場に伝えましょう。
設置位置・個数・高さを現場で確認し、家具などのかげにならないよ
うにしましょう。テレビや電話用のジャック・アンテナは、将来の予
定〈コンピューターの接続・BS(衛星放送)の導入等〉も考えに入れ
て計画しましょう。
インターホンと電話器が一体になったものか、親子電話か、防犯テレ
ビ付かなども検討しておきましょう。
対象
スイッチ・コン
セント・照明器
具・テレビ用ジ
ャック・電話用
ジャック・アン
テナ
実例
チェック
メモ
チェック
メモ
工事名・アドバイス
15
設備工事
設備配管については、異常が
発生した時に備え、おおまかな
経路や、床下点検口の位置等
をチェックしましょう。設備機器
については、打合せ通りの機能
がついているかどうかなどを確
認しましょう。
対象
実例
チェックしてほしい項目
照合する図面
アドバイス
種類・位置
給排水設備図
追い焚き機能やリモコンの有無等、打合せ通りのものが設置されてい
るかどうか確認しましょう。電気温水器の場合も、容量や機能等につ
いてチェックしましょう。
種類・位置・寸法
暖房設備図
暖房ボイラー・暖房パネル・床暖パネル・電気蓄熱暖房器等が、図面
通りの位置に設置されているかどうか確認しましょう。
換気設備
換気方式・換気経路・換気
扇や給気口等の性能や取
付位置
換気設備図
換気方式・換気扇や給気口の種類・位置が図面通りかどうか確認しま
しょう。また、換気経路(新鮮空気がどこから入り、どのように住宅
内を流れ、どこから排出されるか)について、説明をうけましょう。
散水栓
位置
給排水設備図
外部に設置する水道です。洗車や庭の水まきに便利な場所に計画しま
す。図面通りの位置に設置されているかどうか確認しましょう
チェックしてほしい項目
照合する図面
アドバイス
犬走り
幅・仕上材料・施工状況
配置図・仕上表・
見て確認
建物の基礎の外周を犬走りと言います。雨水のはね上げによる外装材
の汚れを避けるために、砂利・レンガ等を敷きます。犬走りの幅や仕
上材料をチェックし、きれいに仕上げられているかを確認しましょう。
アプローチ・ポ
ーチ・外階段
寸法・高さ・仕上材料
配置図・平面図
アプローチ・ポーチ・外階段等が、図面通りの寸法・高さ・仕上材料
でできているかを確認しましょう。
給湯用ボイラー
給湯用灯油ボイラー
チェック
メモ
チェック
メモ
給湯用ボイラー
暖房機器
パネルヒーター
工事名・アドバイス
16 外構工事
工事請負契約の際に、舗装や
塀等の外構工事がどこまで契
約に含まれているかを確認しま
しょう。建物が建ってしまうと工
事用車両が庭側に入れなくなる
ケースもありますので、敷地全体
の計画も設計段階で考えた方
がいいでしょう。外構工事を一
緒に施工するか翌年以降に持
ち越すかは、資金計画とも関係
します。
対象
実例
工事名・アドバイス
17
対象
引渡し前に
引っ越し前には、検査をしましょ
う。施工中にできた傷等につい
てもチェックしておきましょう。工
事でできたものか引っ越しでで
きたものかわからなくなるからで
す。設備機器についても、入居
後に困らない様に使用方法の
説明をうけましょう。
実例
チェックしてほしい項目
照合する図面
アドバイス
チェック
内外装
仕上材料の傷
現場で確認
気になる傷がないかを確認しましょう。
外部サッシ・木
製建具
スムーズな開閉等
現場で確認
窓・玄関ドア・扉等の開閉がスムーズか、閉めた時に気になる隙間が
ないかを確認しましょう。
設備機器の運
転状況・使用
方法の説明
水・お湯が出るかどうか
現場で確認
蛇口をひねって確認しましょう。
電気が通っているかどうか
現場で確認
ドライヤー等で、コンセントの通電を確認しましょう。
暖房器具が作動するかどうか 現場で確認
暖房を入れ、暖房パネル等が熱くなることを確認しましょう。
ガス器具が点火するかどうか
現場で確認
ガス器具を点火させてみましょう。
電話がつながるかどうか
現場で確認
NTTの引込み工事後に確認しましょう。
検査
検査
現場で確認
鍵・必 要 書 類
の引渡し
鍵・必要書類の引渡し
引渡し前に、施工者や工事監理者(設計者)と一緒に、建物が図面通
りにできているかどうか検査しましょう。建築基準法上の検査等、必
要な検査が終わっているかどうかも確認しましょう。
鍵や必要書類(建築確認申請書〈確認済証と検査済証を添付したもの〉
・保証書・取扱説明書等)の引渡しをうけましょう。
メモ
N
前面道路幅員 20.0m
50°
道
路
境
界
線
図面の種類
3.
00
0
配置図
900
道路境界線 12.430
10,010
色々な図面があります。図面名を確認しましょう。
申 請 建 物
道路境界線 13.510
450
隣地境界線 15.630
立面図
450
800
破風:カラー鉄板巻き
105
5
屋根:長尺カラー鉄板 0.35蟻掛葺
4,720
600
105
2,900
隣地境界線 14.550
外壁:防火サイディング
500 105
6,615
最高軒高
7,415
最高高さ
2,900
前面道路幅員 8m
900
10,920
2,730
138
屋根:
勾配 1/10
長尺カラー鉄板 #0.35蟻掛葺
野地板 厚12A
野地垂木 45×45 @455
母屋 105×105 @910
小屋束 105×105 @1,820以内
矩形図
800
(かなばかりず)
カスガイ
105
2階軒高
断熱材:
GWブローイング 300A
壁:
天井:
2,400
防火サイディング
アスファルトフェルト 17O
通気層 18A
透湿防水シート
PB 9.5A
ビニールクロス貼
防湿気密フィルム
CH=2,400
2,900
外壁:
1,200
石膏ボード 9.5A
けいそう土塗
ホール
断熱材:
床:
グラスウール 24O 150A
防湿気密フィルム(室内側)
900
フローリング 12A
合板 12A
石膏ボード 12.5A
根太 45×105 @303
7,415
FL±0
2階FL
6,615
662
105
1階軒高
断熱材:
グラスウール 24O 100A
天井:
壁:
PB 9.5A
ビニールクロス貼
3,062
2,400
CH=2,400
2,900
石膏ボード 9.5A
けいそう土塗
1,800
台所
床:
木質フロアー 12A
ラワン合板 12A
防湿気密フィルム
根太 45×60 @303
グラスウール 24O 200A
小巾板(グラスウール受け)
FL±0
1階FL
500
639
モルタル刷毛引き
ヒバ土台:105×105
アンカーボルト:13φ
689
105
基礎:
基礎高
50 150
150
600
400
50
GL
盛土:
ベース下端
下端
火山灰 50A
ポリフィルム 0.1A
120
500
600
2,275
2,275
240
240
270
270
270
270
10,010
240
240
240
180
270
270
180
270
270
180
180
270
270
180
1,365
3,640
3,640
3,185
1,820
3,000
1,180
3,640
1,820
240
2,275
1,365
3,185
3,185
3,640
3,185
10,010
3,185
1,820
土間コン
1,365
2,730
1,365
1,550
土間コン
2,275
3,000
2,730
910
1,180
土間コン
5,460
床伏図
1,820
180
2,275
3,185
2,730
910
1,550
2,730
2,275
5,460
基礎伏図
10,920
防音室 5帖
階段
洋室・食堂 20.375帖
(キッチン含む)
1,137.5
227.5
勝手口
1,820
カウンター
450
キッチン:L=2550
カウンター
寝室 7帖
食卓テーブル
(790×700×215)
(780×640×240)
PS
1,365
3,640
1,137.5
IHヒーター
2,730
2,047.5
2,895
3,640
1,365
3,185
台所
ホール
2,275
2,730
タラップ
1,137.5
建具H=1800
1,137.5
2,275
ユーティリティー
227.5
建具H=1800
(562×700×215)
10,010
水勾配
(760×700×215)
取込車庫 16.38m2
(トイレスペース)
1,500
(562×700×215)
(780×600×240)
3,000
軽量電動シャッターH=2100
浴室
ホール
10,010
1,550
1,820
玄関
シャッターBOX
3,185
910
1,365
1,365
3,185
5,460
1,365
1階平面図
1,200
1,820
10,920
通し柱
910
10,920
910
1,820
910
4,550
クローゼット
1,180
910
洋室B 7.5帖
1,550
1,550
(562×700×215)
2,730
2階平面図
2,730
クローゼット
1,365
1,365
プライベートキッチン
階段
梁型
吹抜
2,730
タラップ
3,185
910
(960×640×240)
洋室A 10帖
10,010
ホール
1,137.5
(595×640×240)
4,365
トイレ
1,137.5
3,185
10,010
PS
トップライト
(780×980×2)
1,075
3,640
1,365
1,820
1,200
1,820
5,915
10,920
通し柱
北海道建設部 建築指導課
〒060-8588 北海道札幌市中央区北3条西6丁目
TEL. 011-231-4111(内線 29-463)