Download 高調波電流抑制対策 実施要領 - JEITA 一般社団法人電子情報技術
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24JEITA-知基安第 190 号 平成 25 年 3 月 1 日 一般社団法人 電子情報技術産業協会 EMC 委員会 委員長 高調波電流抑制対策 1. 柳沢 孝雄 実施要領 はじめに JEITA会員各社が製造または販売する製品(電圧300 V 以下の商用電源系統に接続して 用いる電気・電子機器[家電・はん(汎)用品])は、本実施要領に基づき、JIS C 61000-3-2 電磁両立性-第3-2部:限度値-高調波電流発生限度値(1相当たりの入力電流が20A以下の 機器)を満たさなければならない。 2. 用語 本実施要領で用いる用語の意味は、次の通りとする。 尚、その他については、JIS C 61000-3-2 の「3. 定義」による。 1) 定格入力電圧公称値 銘板または取扱説明書等でメーカによって指定される機器の定格電圧(Vnom)。尚、 機器の定格電圧が電圧範囲で示される場合は、使用されることが可能な電力系 統 の す べ て の 公 称 電 圧 を Vnom と 置 き 換 え る 。 2) 定格入力電力値 銘板または取扱説明書等でメーカによって指定される定常動作状態での、 定 格 入 力 電 圧 公 称 値 に お け る 有 効 電 力 (W) 3) 定格入力電流値 定 格 入 力 電 力 状 態 に お け る 入 力 電 流 値 (A) 4) 専 門 家 用 機 器 (professional equipment) 一般に広く販売することを意図していない商業、専門または産業機器で、かつ、 高調波問題に影響しない程度の少量しか生産されない機器。具体的な適用は、会員 各社の判断に委ねる。 3. 適用時期 適用時期は、以下による。 ・2014 年 4 月 1 日以降新製品として出荷される機器:JIS C 61000-3-2:2011 適用。 それまでは JIS C 61000-3-2:2005 を使用してもよい。 ・TV、PC および PC 用モニタ高調波対策状況調査:2012 年度分から廃止する。 4. 機器区分 JIS C 61000-3-2:2011「5. 機器の分類」による。(クラス A および D が対象とな る。クラス D は、TV、PC および PC 用モニタのみ。その他はクラス A) 5. 高調波電流限度値 JIS C 61000-3-2:2011 の「7. 高調波電流限度値」による。 ・従来の暫定限度値であったクラス A の表 1A および表 1C は適用しない。 ・1kw を超える専門家用機器(Professional Equipment)には、限度値を適用しない。 ・75W 以下の機器については、適用を除外する。 6. 測定方法 6.1 測定回路および測定用電源、測定機器 1) 定格電流が 20A/相 以下の機器 JIS C 61000-3-2:2011 の「附属書 A 測定回路及び測定用電源」および「附属書 B 測定器の要求仕様」による。 2) 定格電流が 20A/相を超える機器における測定回路および測定用電源、測定機器 A) 測定回路 JIS C 61000-3-2:2011 の「附属書 A A.1 測定回路」による。 測定系のインピーダンス ZS+ZM の値は以下のようにする。(ただし、測定結果にば らつきが生じる恐れがある場合にのみ下記のインピーダンスを挿入する。) ・単相 100V 機器の場合:(直流抵抗分 0.19Ω± 10%) + (インダクタンス分 0.18mH ± 10%) ・ 単 相 200V機 器 の 場 合 : (直 流 抵 抗 分 0.21Ω± 10%) + (イ ン ダ ク タ ン ス 分 0.25mH ± 10%) ・ 三 相 200V機 器 の 場 合 : (直 流 抵 抗 分 0.06Ω± 10%) + (イ ン ダ ク タ ン ス 分 0.07mH ± 10%) B) 測定用電源 JIS C 61000-3-2:2011の「附属書A A.2 測定用電源」による。 C) 測定機器 JIS C 61000-3-2:2011の「附属書B 測定器の要求仕様」による。 6.2 測定条件 JIS C 61000-3-2:2011の「6.2 高調波電流測定」および「附属書C 形式試験の 条件」による。尚、JIS C 61000-3-2:2011では、 「6. 一般要求事項」で緩和試験条件が 追加規定され、また、附属書C C.2テレビジョン受信機の測定条件、C.3オーディオア ンプの測定条件、C.10情報技術機器(ITE)の測定条件など、大幅に改訂されているので 注意のこと。 レーザプリンタおよび類似機器の測定条件は、JIS C 61000-3-2:2011の「C.10.2A複 写機及び類似の機器の測定条件」による。 尚、供試機器(レーザプリンタおよび類似機器を除く)の入力電力設定値は、その機器 の定格入力電力値の ±10%以 内 に 収 め る こ と が 望 ま し い 。 7. 適合品または準用品の表示及び定格入力電力表示方法 7.1 適合品または準用品の表示方法 機 器 が 全 て の 対 象 高 調 波 次 数 に つ い て 限 度 値 を 満 足 す る 場 合 、取 扱 説 明 書 ま た は そ れ に 準 ず る も の (電 子 媒 体 を 含 む )の 裏 表 紙 等 目 立 つ と こ ろ に 下 記 の よ うな表示を行う。 ・ 定 格 電 流 が 20A/相 以 下 の 機 器 (記 載 例 ) 高調波電流規格 JIS C 61000-3-2 適合品 または、 JIS C 61000-3-2 適合品 本装置は、高調波電流規格 JIS C 61000-3-2 に適合しています。 ・ 定 格 電 流 が 20A/相 を 超 え る 機 器 (記 載 例 ) 高調波電流規格 JIS C 61000-3-2 準用品 または、 JIS C 61000-3-2 準用品 本装置は、高調波電流規格 JIS C 61000-3-2 を準用しています。 7.2 定格入力電力表示方法 定 格 入 力 電 力 値 は ,JIS C 61000-3-2:2011の 限 度 値 適 用 ま た は 適 用 外 の 根 拠 と す る た め 、取 扱 説 明 書 ま た は そ れ に 準 ず る も の の 裏 表 紙 等 目 立 つ と こ ろ に 下 記のように表示することが望ましい。 尚 、こ の 表 示 は 、7.1項 の 適 合 品 ま た は 準 用 品 表 示 と 併 せ て 表 示 し て も よ い 。 ・ 定 格 入 力 電 力 表 示 (記 載 例 ) (一社)電子情報技術産業協会 高調波電流抑制対策実施 要領に基づく定格入力電力値: 8. 高調波対策状況調査の廃止 W (2012年 度 分 か ら 調 査 不 要 と す る ) TV、PC及 び PC用 モ ニ タ に 関 す る 、年 度 毎 の 高 調 波 対 策 実 施 状 況 の 調 査 は 、 2012年 度 分 か ら 廃 止 す る 。 た だ し 、JEITA会 員 各 社 は 本 実 施 要 領 に 基 づ き 、高 調 波 限 度 値 を 遵 守 し な け ればならない。(経産省通達:解説参照) ま た 、配 電 系 統 の 高 調 波 歪 み 率 の 上 昇 な ど の 事 態 が 生 じ 、IEC/SC77A国 内 委 員 会 か ら 、高 調 波 対 策 実 施 状 況 調 査 (適 合 率 や 定 格 入 力 電 力 50W~ 75Wと 75W超 の 機 器 の 出 荷 台 数 及 び 消 費 電 力 比 等 )の 再 開 依 頼 が あ っ た 場 合 は 、会 員 各 社 に お いてはすみやかに対応できるように準備をしておくこと。 高調波電流抑制対策 実施要領 解説 2013年 3月 1日 A.1 適用範囲 JIS C 61000-3-2の 「 1.適 用 範 囲 」 で は 、 「 電 圧 300V以 下 の 商 用 電 源 系 統 に 接 続 し て 用 い る 定 格 電 流 20A/相 以 下 の 電 気 ・ 電 子 機 器 ( 家 電 ・ 汎 用 品 ) に 適 用 する。ただし、この範囲外であっても、これを準用することを妨げない。」と している。 本 実 施 要 領 で は 上 記 の 規 定 に よ り 定 格 電 流 が 20A以 下 の JEITA会 員 各 社 が 製 造 ま た は 販 売 す る 機 器 は 、 JIS C 61000-3-2:2011を 適 用 し 、 20Aを 超 え る 機 器 に つ い て は 、 JIS C 61000-3-2:2011を 準 用 す る こ と と し た 。 JEITA会 員 各 社 に お か れ て は 、 JIS C 61000-3-2:2011の 高 調 波 限 度 値 を 含 め た 本 実 施 要 領 を 遵 守 し 、高 調 波 抑 制 対 策 を 実 施 し な け れ ば な ら な い 。(経 産 省 通 達による。) なお、そのほかの高調波電流規格により規制されている機器につ いて本実施要領は適用しない。 A.2 適用時期 本実施要領のベースになっていた家電・汎用品高調波抑制対策ガイドライン の 内 容 は , H15年 12月 発 行 の JIS C 61000-3-2:2003に 移 行 し た 。 そ の 後 , 国 際 規 格 で あ る IEC 61000-3-2 Ed2.1に ほ ぼ 整 合 す る JIS C 61000-3-2 2005が 2005年 3月 22日 に 発 行 さ れ た 。そ し て 、2009年 4月 に IEC 61000-3-2 Ed.3.2が 発 行 さ れ 、 そ れ に 対 応 し た JIS C 61000-3-2:2011が 2011年 2月 21日 に 発 行 さ れ た 。 そ こ で JEITAと し て は , JIS C 61000-3-2:2011を 適 用 す る こ と に し た 。 従 来 行 っ て い た 高 調 波 適 合 調 査 は 2012年 度 分 か ら 廃 止 す る こ と に し た 。 A.3 定 格 入 力 電 力 の 定 義 の 解 釈 (ノ ー ト パ ソ コ ン の 場 合 ) 定 格 入 力 電 力 は 、3項 の「 定 義 」で の 用 語 の 定 義 に 従 っ て メ ー カ 自 身 が 判 断 し 設 定 す る こ と が 原 則であるが、最近の電子計算機及び関連機器においては、バッテリ 内蔵型やパワーマネージメント機能搭載のいずれかまたは双方を有し、電力消費削減効 果に寄与しているものが多くなっているので、これを評価し、以下のようにして定格入 力電力を設定することも認めることとする。 その場合の標準的な考え方は、以下による。 ・ ノ ー ト パ ソ コ ン の 事 務 所 等 で の 一 般 的 な 使 用 (複 数 台 設 置 )に お い て は , 平 均 的 な 稼 働 時 の 電 力 は 35W/台 程 度 で あ る 。 (当 協 会 国際エネルギースター対 応専門委員会報告「パソコンと周辺機器の省エネについて」より) ・ そ れ に 対 し 、 従 来 定 格 入 力 電 力 と し て い た 最 大 電 力 (バ ッ テ リ 充 電 時 )は 60W/ 台 程 度 で あ り 、 こ れ は 平 均 的 稼 働 時 電 力 (35W)の 約 2倍 で あ る 。 ・ 更 に パ ワ ー マ ネ ー ジ メ ン ト 機 能 に よ り 1日 に な ら し た 平 均 消 費 電 力 は 18.5W/ 台 程 度 と 最 大 電 力 (60W)の 30%程 度 で あ る 。 ・以上のように,実際の消費電力が従来定格入力電力としていた最大電力値より非常に 小さくなってきたため、フィールドの実態に合わせ、「平均的に稼働している状態の 電力:例では35W」を定格入力電力値と設定することも認めることとする。 尚、ここで定義する定格入力電力値は、機器の銘板や取扱説明書に記載する 「消費電力値」とは異なる場合があり、誤解を招くおそれがあるため、本定格 入 力 電 力 値 を 「 (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 業 協 会 高 調 波 電流 抑 制 対 策 実施要領に 基 づ く 定 格 入 力 電 力 (消 費 電 力:W)」と し て 、別 途 カ タ ロ グ や 取 扱 説 明 書 等 に 記 載することが望ましい。 ま た ,レ ー ザ プ リ ン タ 及 び 類 似 機 器 の 入 力 電 力 値 (有 効 電 力 値 )に つ い て は 、(一 社 )ビ ジ ネ ス 機 械・情 報 シ ス テ ム 産 業 協 会 (JBMIA)発 行 の「 高調波電流抑制対策ガ イドライン」 に よ る 。 A.4 専 門 家 用 機 器 (Professional equipment) IEC 61000-3-2 Ed3.2に お け る 専 門 家 用 機 器 の 定 義 は 、 「 一 般 大 衆 が 使 用 し な い 商 業 (産 業 , 専 門 )用 の 機 器 」 で あ り 、 店 頭 販 売 以 外 の 商 業 用 機 器 全 般 に 適 用される。 ただし、国内では、国内配電系統の高調波歪を抑制する観点から、従来の家 電 ・ 汎 用 品 高 調 波 抑 制 対 策 ガ イ ド ラ イ ン の 対 象 機 器 (20A/相 以 下 の 機 器 )と 同 等 の適用を前提にしており、実施要領では、専門家用機器の定義を「一般に広く 使用されることを意図していない、そして高調波問題に影響しない少量生産機 器 (特 定 ユ ー ザ 向 け に 開 発 さ れ る 機 器 )」に 限 定 し て い る 。尚 、具 体 的 な 専 門 家 、 用機器の適用は、会員各社に委ねるものとした。 A.5 高調波電流限度値 高 調 波 電 流 限 度 値 は , 全 て JIS C 61000-3-2:2011に よ っ た 。 尚 、600Wを 超 え る ク ラ ス A機 器 に お け る 電 子 計 算 機 の 暫 定 限 度 値 に つ い て は 、 2003年 末 に 適 用 を 見 直 す こ と に な っ て い た が 、 JIS化 に よ り 電 子 計 算 機 の 暫 定 限 度 値 が 廃 止 さ れ 、暫 定 限 度 値 表 1A及 び 表 1Cは 電 子 計 算 機 に つ い て は 適 用 さ れ ないため,注意のこと。 JIS C 61000-3-2:2011に お い て は ,ク ラ ス A、Dと も 定 格 入 力 電 力 75W以 下 の 機器は限度値適用対象外で「適合」となる。その他の限度値は、従来と同じ。 A.6 測定回路の測定系インピーダンスの規程 1) 定 格 電 流 20A/相 以 下 の 機 器 JIS C 61000-3-2:2011に て 規 定 さ れ て お り 、 そ の 規 定 を 適 用 す る 。 尚 、 JIS C 61000-3-2:2011で は 、 測 定 用 イ ン ピ ー ダ ン ス Z A は 「 測 定 結 果 に ば らつきが生じる恐れのある場合」に使用することになっているため、本実施要 領もそれに準じる。 2) 定 格 電 流 が 20A/相 を 超 え る 機 器 測 定 用 電 源 及 び 測 定 機 器 に つ い て は 、 JIS C 61000-3-2:2011の 規 定 を 適 用 し た。 定 格 電 流 が 20A/相 を 超 え る 機 器 に お け る 測 定 回 路 の 測 定 系 イ ン ピ - ダ ン ス 値 については、以下のようにして規定した。 尚 、以 下 の イ ン ピ ー ダ ン ス は「 測 定 結 果 に ば ら つ き が 生 じ る 恐 れ の あ る 場 合 」 に 使 用 す る 。 (再 現 性 に 問 題 が な い 場 合 は 、 使 用 し な く て も 良 い ) JIS C 61000-3-2の 測 定 系 イ ン ピ - ダ ン ス 値 Z S + Z M は 、低 圧 配 電 回 路 の イ ン ピ - ダ ン ス の 累 積 百 分 率 90%値 を 採 用 し て お り 、 定 格 電 流 I に お け る 測 定 系 イ ン ピ - ダ ン ス (Z S + Z M = Zと す る ) に よ る 電 圧 降 下 V S は 、 約 8%(100V回 路 )で あ る。 V S = I・Z = 20×0.42 = 8.4(V) (100V回 路 の Z = √Rs 2 + Xs 2 = 0.42Ω) 8.4/100×100 = 8.4%≒ 8% (低 圧 回 路 の 高 調 波 対 策 の 調 査 研 究 に 関 す る 中 間 報 告 (社 )日 本 電 設 工 業 協 会 技 術 委 員 会 低 圧 回 路 高 調 波 対 策 専 門 委 員 会 昭 和 58年 9月 よ り ) 従 っ て 、 測 定 系 の イ ン ピ - ダ ン ス に よ る 電 圧 降 下 V S が 8%と な る よ う な 20A/ 相 を 超 え る 機 器 の 定 格 電 流 の 累 積 百 分 率 90%値 に お け る イ ン ピ - ダ ン ス 値 を 、 20A/相 を 超 え る 機 器 の 測 定 系 の イ ン ピ - ダ ン ス 値 Zと し て 規 定 す る こ と と し た 。 (機 器 の 定 格 電 流 の 累 積 百 分 率 は 、当 協 会 旧 高 調 波 対 策 専 門 委 員 会 メ ン バ ー 各 社 の調査結果によった。) 尚 、 抵 抗 分 と イ ン ダ ク タ ン ス 分 の 位 相 角 (θ = cos -1 R S / √Rs 2 + Xs 2 )は 、 60Hz の と き の JIS C 61000-3-2の そ れ ぞ れ の イ ン ピ - ダ ン ス の 位 相 角 に 合 わ せ た 。 ① 単 相 100V機 器 の 場 合 機 器 の 定 格 電 流 I の 累 積 百 分 率 90%値 は 、 約 40Aで あ り 、 測 定 系 の イ ン ピ - ダ ン ス に よ る 電 圧 降 下 Vsは 100(V) × 0.08 = 8(V) で あ る 。 従 っ て 、 イ ン ピ - ダ ン ス 値 Zは Z = Vs / I = 8 / 40 = 0.2 (Ω) (θ = cos -1 Rs / Z = 19.3度 ) 位 相 角 は 19.3度 で あ る た め Rs = 0.2・cos19.3 = 0.19(Ω) Xs = 0.2・sin19.3 = 0.07(Ω) Ls = Xs / 2πf = 0.18(mH) (た だ し 、 f = 60Hz時 ) となる。 ② 単 相 200V機 器 の 場 合 機 器 の 定 格 電 流 の 累 積 百 分 率 90%値 は 、 約 70Aで あ り , 測 定 系 の イ ン ピ - ダ ン ス に よ る 電 圧 降 下 Vsは 200(V) × 0.08 = 16(V)で あ る 。 従 っ て 、 イ ン ピ ー ダ ン ス 値 Zは Z = Vs / Ⅰ = 16 / 70 = 0.229(Ω) 位 相 角 は 24度 で あ る た め Rs = 0.229・cos24.1 = 0.21(Ω) Xs = 0.229・sin24.1 = 0.09(Ω) Ls = Xs / 2πf = 0.25(mH) (た だ し 、 f = 60Hz時 ) となる。 ③ 三 相 200V機 器 の 場 合 機 器 の 定 格 電 流 の 累 積 百 分 率 90%値 は 、約 140Aで あ り 、測 定 系 の イ ン ピ - ダ ン ス に よ る 1相 当 た り の 電 圧 降 下 Vs / 3 = 200(V) × 0.08 / 3 = 9.24(V)で あ る 。 従 っ て 、 イ ン ピ ー ダ ン ス 値 Zは Z = Vs / 3 / Ⅰ = 9.24 / 140 = 0.066(Ω) 位 相 角 は 24.53度 で あ る た め Rs = 0.066・cos24.53 = 0.06(Ω) Xs = 0.066・sin24.53 = 0.03(Ω) Ls = Xs / 2πf = 0.07(mH) (た だ し 、 f = 60Hz時 ) となる。 尚 、 測 定 系 の イ ン ピ - ダ ン ス 値 の 精 度 は 、 JIS C 61000-3-2で は 、 ± 8%で あ る が 、イ ン ピ - ダ ン ス 値 が 小 さ く な る と 高 精 度 と す る こ と が 困 難 に な る た め 、20A/相 を 超 え る 機 器 の 測 定 系 イ ン ピ - ダ ン ス 値 の 精 度 は 、± 10%と し た 。 A.7 高調波適合表示 取扱説明書またはそれに準ずるものの裏表紙等目立つところに記載すること とした。客先に紙媒体の代わりに届けられる電子媒体での取扱説明書への記載 も可能である。 A.8 高調波規制適合調査について 従来、会員各社の高調波抑制対策の実施状況を把握するために、毎年、各社 に て 高 調 波 適 合 状 況 調 査 を 実 施 し て い た だ き 、IEC/SC77A国 内 委 員 会 に 適 合 率 等の調査結果を提出していた。 し か し 、IEC/SC77A国 内 委 員 会 に て 、各 工 業 会 の 製 品 が こ こ 数 年 適 合 率 が ほ ぼ 100%を 維 持 ・継 続 し て い る こ と が 明 ら か に な っ た た め 、 電 気 用 品 調 査 委 員 会 に対する高調波対策状況報告の必要性の有無が審議されてきた。その結果、 2012年 10月 の IEC/SC77A国 内 委 員 会 に て 、「 IEC/SC77A国内委員会からは各工業 会への調査の指示はしない」 こ と が 確 認 さ れ た 。 従 っ て 、 JEITAと し て は 、 TV、 PC及 び PC用 モ ニ タ の 高 調 波 適 合 等 の 調 査 を 廃 止 す る こ と と す る 。 (2012年 度 <2012年 4月 か ら 2013年 3月 出 荷 >分 か ら 廃 止 ) た だ し 、JEITA会 員 各 位 に お か れ て は JIS C 61000-3-2の 高 調 波 限 度 値 の 遵 守 を 継 続 ・維 持 し な け れ ば な ら な い 。 (平 成 16年 <2004年 >9月 、 経 済 産 業 省 か ら IEC/SC77A国 内 委 員 会 が 所 属 す る (社 )日 本 電 気 協 会 に 対 し て 、 傘 下 の 会 員 各 社 に JIS C 61000-3-2へ の 適 合 を 促 す よ う 通 達 が 出 て い る 。 ) 尚 、配 電 系 統 の 高 調 波 歪 み 率 の 上 昇 な ど の 事 態 が 生 じ 、IEC/SC77A国 内 委 員 会 か ら 、高 調 波 対 策 実 施 状 況 調 査 (適 合 率 や 定 格 入 力 電 力 50W~ 75Wと 75W超 の 機 器 の 出 荷 台 数 及 び 消 費 電 力 比 等 )の 再 開 依 頼 が あ っ た 場 合 は 、会 員 各 社 に お い てはすみやかに対応できるように準備をしておくこと。従って、会員各社は独 自に従来の調査を継続し、データを蓄積しておくことが望ましい。 A.9 JIS C 61000-3-2:2005、 IEC 61000-3-2 Ed3.2、 JIS C 61000-3-2:2011と 本 実施要領の相違点 JIS C 61000-3-2:2005、 IEC 61000-3-2 Ed3.2、 JIS C 61000-3-2:2011と 本 実 施 要 領 の 主 な 相 違 点 を 次 表 (表 A)に 示 す 。 表A 項 目 適用範囲 適用時期 機器の分類 高調波電流 発生限度値 測定回路 JIS C 61000-3-2:2005、 IEC 61000-3-2 Ed3.2 と JIS C 61000-3-2:2011と 本 実 施 要 領 の 相 違 点 JIS C 61000-3-2:2005 2005年 3月 発 行 IEC 61000-3-2 Ed3.2 2009年 4月 発 行 300V以 下 の 商 用 電 源 系 統 に 接 続 し て 商 用 電 源 系 統 に 接 続 し て 使 用 使 用 す る 定 格 電 流 20A/相 以 下 の 電 す る 定 格 電 流 16A/相 以 下 の 電 気・電 子 機 器( 家 電・汎 用 品 )に 適 用 気 ・ 電 子 機 器 に 適 用 (300V以 下 20A/相 を 超 え る 機 器 に も 1kW超 の 専 門 家 用 機 器 に は 適 準用できる) 用しない 1kW超 の 専 門 家 用 機 器 に は 適 用 し な い (IECと は 適 用 範 囲 が 異 な る ) JIS C 61000-3-2:2011 2011年 2月 発 行 本実施要領 300V以 下 の 商 用 電 源 系 統 に 接 続 し て JEITA会 員 各 社 が 製 造 ま た は 販 売 す 使 用 す る 定 格 電 流 20A/相 以 下 の 電 る製品(家電・汎用品)に適用。 気・電 子 機 器( 家 電・汎 用 品 )に 適 用 20A/相 以 上 の 機 器 は 準 用 。 (300V以 下 20A/相 を 超 え る 機 器 に も 1kW超 の 専 門 家 用 機 器 に は 適 用 し な 準用できる い (た だ し IECと は 適 用 範 囲 が 異 な る ) 1kW超 の 専 門 家 用 機 器 に は 適 用 し な い (IECと は 適 用 範 囲 が 異 な る ) ク ラ ス A,B,C,D ク ラ ス A,B,C,D (ク ラ ス D: 600W以 下 の PC、 PC用 (ク ラ ス D: 600W以 下 の PC、 モ ニ タ 、TV、イ ン バ ー タ 、冷 蔵 庫 ) PC用 モ ニ タ 、 TV) JIS C 61000-3-2:2011を 適 用 2014年 4 月 1 日 以 降 新 製 品 と し て 出 荷 さ れ る 機 器 (今 回 の 改 訂 ) ク ラ ス A,B,C,D ク ラ ス A,B,C,D (ク ラ ス D: 600W以 下 の PC、 PC用 (ク ラ ス D: 600W以 下 の TV、 PC、 モ ニ タ 、TV、イ ン バ ー タ 、冷 蔵 庫 ) PC用 モ ニ タ ) ク ラ ス A: 表 1 ク ラ ス B: 表 1の 値 ×1.5 ク ラ ス C: 表 2 ク ラ ス D: 表 3 ク ラ ス A: 表 1 ク ラ ス B: 表 1の 値 ×1.5 ク ラ ス C: 表 2 ク ラ ス D: 表 3 記述なし 記述なし ク ラ ス A: 表 1 ク ラ ス B: 表 1の 値 ×1.5 ク ラ ス C: 表 2 ク ラ ス D: 表 3 ・ 20A/相 以 下 の 機 器 : 従 来 の JISと 同 じインピーダンスを規定 入力インピーダンスの規定な (イ ン ピ ー ダ ン ス の 適 用 は 、 測 定 結 果 し にばらつきが生じる恐れがある場合 にのみ使用) 記述なし ク ラ ス A: 左 欄 の 表 1 ク ラ ス D: 左 欄 の 表 3 ( 600W超 の 旧 暫 定 限 度 値 : 表 1A、 表 1Cは 適 用 不 可 ) 入力インピーダンスを規定 ・20A/相 以 下 の 機 器:左 記 と 同 じ イ ン (イ ン ピ ー ダ ン ス の 適 用 は , 測 定 結 果 ピ ー ダ ン ス を 規 定 に ば ら つ き が 生 じ る 恐 れ が あ る 場 合 ・20A/相 を 超 え る 機 器:独 自 に 規 定 (イ のみ使用) ン ピ ー ダ ン ス の 適 用 は ,測 定 結 果 に ば らつきが生じる恐れがある場合にの み使用) 項 JIS C 61000-3-2:2005 2005年 3月 年 12月 発 行 目 測定用電源 測定条件 表示 適合調査 規定 規定 電気・電子機器全般について規定 (電 子 計 算 機 も 含 む ) 取扱説明書等に表示 規定なし 小 電 力 機 器 75W以 下 の 機 器 は 限 度 値 を 適 用 し な に 対 す る い 。 (適 合 と 判 断 ) 特例 ベースとす る規格類 IEC 61000-3-2 Ed3.2 2009年 4月 発 行 IEC 61000-3-2 Ed2.1 JIS C 61000-3-2:2011 2011年 2月 発 行 規定 同左 (た だ し 、 測 定 方 法 は 異 な る ) (3相 の 場 合 の N相 は 測 定 対 象 外) 同 左記と同等 左 規定なし 取扱説明書等に表示 規定なし 規定なし 同 同 左 ― 本実施要領 左 IEC 61000-3-2 Ed3.2 同 左 同 左 TV、PC及 び PC用 モ ニ タ の 高 調 波 対 策 状 況 調 査・報 告 は 2012年 度 分 か ら 不 要 (今 回 の 改 訂 ) 同 左 JIS C 61000-3-2:2011