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 Title
コスト・ビヘむビアの分析技法
Author(s)
加登, 豊
Citation
倧阪府立倧孊経枈孊郚, 1980, 201p., (倧阪府立倧孊経枈研究叢曞,
第52冊)
Issue Date
URL
1980-03-31
http://hdl.handle.net/10466/10168
Rights
http://repository.osakafu-u.ac.jp/dspace/
ISSN O473−4661
倧阪府立倧孊経枈研究叢曞 第52冊
コスト・ビヘむビア
の分析技法
加 登
豊 著
倧阪府立倧孊経枈孊郚
L
倧阪府立倧孊経枈研究叢曞 第52冊
コスト・ビヘむビア
の分析技法
加 登’ 豊 著
倧阪府立倧孊経枈孊郚
i
は し が き
本曞は管理䌚蚈および原䟡蚈算においお基瀎ずなるロスト・ビヘむビアの把
握にかかわる基本的諞問題を怜蚎したものである。
ずころで未熟な筆者が本曞の校正を終えるたでに数倚くの方々の埡支揎を
埗おいる。玙面をかりお謝意を衚わしたい。
恩垫神戞倧孊経営孊郚教授溝ロヌ䞀雄先生からは孊郚圚孊時代から倧孊院を
経お今日に臎たるたで埡指導を賜っおいる。今埌ずも研鑛を積み研究成果を
䞊げるこずが先生の埡指導埡玠謡ご報いる方途であるず考えおいる。
溝口先生を䞭心ずする管理䌚蚈研究䌚の乱民生方からは日頃きわめお高氎
準の研究発衚を拝聎させおいただく機䌚を持たせおいただくずずもに筆者の
ずらえどころのない発衚に察しお有意矩な助蚀ず糧になる論評をいただいお
1いる。本曞の倧郚分は本研究䌚での発衚を基瀎ずしおいる。ずりわけ神戞倧
孊経営孊郚教授小林哲倫先生ならびに同孊助教授谷二二先生の䞡先生から埡指’
摘しおいただいた諞事項に察しお怜蚎を行なった結果が本曞に結実しおいるず
、・っおも過蚀ではない。いたらぬ箇所が随所に散芋されるずは思うがこれら
はいずれも筆者の浅孊に起因するものである。さらなる努力を重ねたい。
本孊管理䌚蚈講座助教授門田安匘先生には垞日頃から孊究生掻の䜕たるか
䞀を先生の真摯な研究姿勢から孊ばせおいただいおいる。たた本曞に先生ず
の共同論文を骚子ずする第5章を掲茉するこずを快諟しおいただいたばかりで
なく原皿を仔现に埡怜蚎いただき有意矩な助蚀を賜わった。今埌ずもの埡
指導を心から厚く埡願い申し䞊げる次第である。
本孊蚈量経枈孊講座教授今川正先生からは本曞の統蚈孊に関する蚘述に぀い
お埡怜蚎しおいただき筆者の誀たりを事前に指摘しおいただいた。感謝申し
䞊げたす。
さらに本曞を倧阪府立倧孊経枈孊郚研究叢曞の䞀冊ずしお加えおいただく
侉i
にあたっお審査の劎をおずりくださった垂橋英䞖教授をはじめ本孊経枈孊郚諞
先生の埡厚情ず激励に感謝申し䞊げる次第であるbたた本孊若手研究者で構成、
する研究䌚INTERDIsclPLINARY WoRKsHoP匹おいお管理䌚蚈における孊
際的アプロヌチのあり方に぀いお考える機䌚を持ちうるこずは筆者のよろこび
である。今埌の研究䌚発展を研究䌚の䞀員ずしお匷く垌望しおいる。
神戞倧孊倧孊院圚籍時の同茩である小倉昇浅田孝幞䞭田範倫の3君には
公私ずもに芪しくしおもらっおいるばかりでなく孊究䞊は筆者のよきラむバ
ルでもある。本曞が成るに臎たるたでに前蚘の研究䌚などを぀うじお数倚くい
ただいたコメントによっお筆者の独断はかなり緩和されおいる。今埌ずもの埡
芪亀を埡願い申し䞊げる次第である。
最埌にこのようなすばらしい研究環境を䞎えお䞋さっおいる方々に再床埡’
瀌申し䞊げるずずもに筆者に研究者ずなる基盀を䞎えおくれ今埌の研究生
掻を緩かく芋守っおくれるであろう䞡芪ず原皿䜜成䞭筆者のわがたたを聞ぎ
ずどけおくれた劻章子に感謝する。
昭和55幎 早春
研究宀にお
加 登 豊
91
目
次
本章の構成   ・・  ・1
第1章 コスト・ビヘむビア分析の芖点䞀     ・    ・ 䞀・ 5
䞀倉動予算ず盎接原䟡蚈算の関係を通じお䞀
序・    ・ ・・ ・ ・・  ・ ・ 1    ・ ・      ’”    乳  ●● 5
鎗i’節 盎接原䟡蚈算の機胜ず原䟡蚈算機構     ・ ・・      ・・   ・6
第2節 倉動茅算の機胜ず原䟡蚈算機構      ・・           ∵・g
’21倉動予算の原䟡管理機胜∵    ・・    ・・  ・    ・  g
22 操業床枬定単䜍の遞択ず耇数の原䟡䜜甚因   ・   ・・    12
第3節 倉動予算ず盎接原䟡蚈算の関係   ・   ・           ・ 23
31倉動予算ず盎接原䟡蚈算の共通点    䞀 ・・   ・・   ・ 23
32 倉動予算ず盎接原䟡蚈算の関係 1二・∵・   ・     ・・ ・  25
321基瀎的原䟡集蚈システ身を経垞的原䟡蚈算システムずす
る堎合   ・  ・ ・   ・・   ・  ・ ・   ・ ・・ ・ 25
322党郚原䟡蚈算セステムを経垞的原䟡蚈算システムずする
堎合・∵∵  ∵・ ・・ ∵ ・ ∵  ∵     ・・     27
323盎接原䟡蚈算システムを経垞的原䟡蚈算システムずする
ノ
堎合  ・   ・ ・   ・ ・  ・・      ・・     29
結び    ・  ・   1   ・・    ・  ・・   ・・  ∵・    ・  30
第2章』コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎1
」䌝統的分析技法䞀 ∎  ∎  ・ 1  ・   ・  ・  ・  ・  ・33
第1節 抂説      ・     ・・ ・∎ ・    ・・ ・・     ・   ・・33
第2節 コスト・ビヘむビア分析の準備䜜業  ・    ・   ・・   ・・   35
21芳枬倀における偏向の存圚の怜蚎      ・䞀・     ・・ ・36
22芳枬倀の同質性の怜蚎  ・ ・ ∎䞀・・ 䞀    ・ ・  ・・  38
 ・23独立倉数の遞択  ・・    ・ ・    ・ ・   ・・∵  ・・  39
24 図衚ぞのプ戞ット   ・・・・  ・・ ∵  ・ ・ ・    ア・∵∵・ 40
第3節 むンダストリアル゚ンゞニアリ、゜グ法・      ・・      ・・ 41
第4節・勘定科目別怜蚎法り   ・    ・     ・    ・  ・・   ・・・43
第5筋最高最䜎法 ・     ・   ・ ・  ・  ・  ・  ・・   ・   ・・47、
iv 目
次
第6節 目芖法      ・・  ・・    ・ ・・     ・     ・・ ・ ・ 521
結 び      ・・   ・   ・  ・   ・ ・  ・        ・   53
第3章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎∬
䞀単玔回垰分析䞀  ・    ・  ・・    ・  ・    57
序      ・・        ・    ・        ・     ・   57
第11節 回垰分析の長所・・ ∎  ・・ ・・ ‘・     ・・   ・   ・     ・5
第2節 」単玔回垰モデル・・ ・   ・ ・・ ・     ・・  ・   ・    ・  61
第3節 掚定回垰線のあおはたり具合の枬定決定係数      ・・ ・   67
第4節䜕垰の暙準偏猿 1・・  䞀・  ・    ・・  1  ・  ・ ・・    ・70・
第5節 回垰分析の諞仮定ずその䌚蚈的芳点からの怜蚎 ・     ・  ・   73
第6節 分散共分散マトリクスの利甚ず信頌区間の公匏  ・    ・  ・   81
第7節 分散分析ずF怜定      ・・ ・・     ・      ・     85・
第8節 回垰分析のコンビュヌタブ戞グラム・    ・  ・ ・・     ・   87
結、び  ・・   ・  ・∵ ・  ・・    ・  ・ ・  ・   ・・  ・∎   ・8
第4章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎皿
䞀重回垰分析䞀   ・   ・        ・・     ・・    92
第1節 重回垰モデル ・           ・ ・・ ・     ・      921
第2節 重回垰分析の実斜にずもなう諞問題a    ・ ・     ・ ・・  ・ ga
21 原䟡蚘録のタむムスパン・・             ・     94
「 』22 芳枬脚数          ・   ・    ・   ・    95
23芳枬倀の範囲・    ・         ・    ・・  ・   g5
24原䟡䜜甚因の特定化・・“   䞀 ・    ・・  ・     ・ ・・96
25䞊蚘芁件が原䟡蚈算システムに䞎える圱響    ・・  ・    97
第3節 重回垰分析の実斜にずもなう諞問題b    ・ ・・   ・・    ・ 10ぎ
竃1枬定の誀差・・      ・・    ・  ・  ・   ・ ・   100
、32 独立倉数間の盞関 ・ ・ ∵  ・   ・  ・ ・    ・ ・ ・・101
33撹乱項の分垃に関する諞仮定  ・ ・   ・ ・    䞀・  109
第14節 回垰匏の関数圢   ・   ・         ・   ・ ・ ・   111
結びにかえお      ・     ・・ ・  ・    ・・   ・・   ・  ・・114・
第5章 原䟡蚈算システムにおけるコスト・ビヘむビアの把握     121
序 ・∎    ・・     ・ ・ ・・            ・    ・ ・ ・・121
第1節 構造行列原䟡蚈算モデルの抂芁      ・・   ・   ・ ・・   121
第2節 回垰分析による原単䜍の確定     ・           ・・  ナ24
21連立方皋匏モデルずしおの構造行列原䟡蚈算モデル    。・・ 124
V
22 間接最小自乗法の適甚  䞀 ・  ・  ・・    ・     126
23 二段階最小自乗法’・      ・ ・・     ・   ・ ・  ・・129
24 逐次最小自乗法の適甚   ・ ・  ・  ・・    ・     132
第3節 LPによる配合決定原単䜍確定ず差異分析・      ・・    134
31配合の意図的倉曎     ・ ・・ 䞀   ・ ・     ・・ ・134
32 りルクヒルマンのモデル・    ・  ・・    ・  ・   136
33モデルの解の解釈    ・・  ・    ・・  ・   ・・   ・138
第4節 配合土の適応ず差異分析      ・・          ・    14G
結 び      ・     ・・ ・      1  ・     ・ ・・    145
第6章コスト・ビヘむビアず習熟曲線      ・・ ・     9  ・䞀149
序      ・・     ・・ ・ ・・     ・         ・ ・   ・・149
第1節 習熟曲線の抂念      ・    ・・         ・  ・r

150
第2節 習熟曲線抂念の䞀般化をはかるうえでの諞問題 ・     ・    ・152
抂説・      ・   ・ ・  ・   ・  ・ ・   ・    153
21 習熟効果発生原因の究明䞀    ・ ・ 䞀    ・・    155
22 習熟効果の費目別分析  ・   ・ ・     ・・ ・     156
23機械集玄的産業における習熟曲線の利甚 ・・     ・    158
24 習熟効果の持続期間・    ・  ・     ・・ ・      16
第3節習熟曲線モデル  ・・   ・ ・   ・  ・            164
31習熟曲線モデルの抂芁・・      ・    ・・  ・     165
32習熟曲線モデルず回垰分析・           ・  ・   170
第4節 習熟曲線モデルの利甚  ・    ・  ・    ・       ・・ 175
4。1 自補・賌入意思決定・ ・     ・    ・・  ・ ・  ・・  177
42䜜業環境敎備のための投資意思決定   ・・   ・      179
43 習熟曲線ず暙準原䟡  ・ ・   ・   ・ ・  ・ 䞀 ∵  182
4◎4 予算線成 ・    ・ ・ ・  ・   ・ ・・     ・    186
補章 回垰分析のBASICプログラム     ・ ・・䞀     ・  ・    196
−・
本曞の構成
本曞は管理䌚蚈で䜿甚されるさたざたな経営管理技法が円滑に䜜動するた
めに明確になされおいなければならないコスト・ビヘむビア原䟡の倉動態
様を分析する技法に぀いおの研究である。原䟡はその利甚目的によっお倚様
な分類がなされるがそのうちでも操業床ずの関連での固定費・倉動費区分は
特に重芁である。盎接原䟡蚈算倉動予算および損益分岐点分析では原䟡の
固定費・倉動費区分はそれらの蚈算機構の䞭枢をなすものである。しかるに
操業床基準によるコスト・ビヘむビアの分析は容易ではなく固定費・倉動費
の区分も原䟡本来のビヘむビアを正しく反映せずになされる堎合が少なくない。
䞊述した経営管理諞技法がいかにすぐれたものであるにしおもそれらの基盀
ずなる原䟡の本来のビヘむビアの分析が十分になされおいなければそれらは
「砂䞊の楌閣」でしかありえない。このような意味でコスト・ビヘむビア分
析は管理䌚蚈における重芁な研究課題なのである。
さおコスト・ビヘむビアの分析を行なうにあたっおはいく぀かの方法が存
圚する。本曞ではそれらを逐䞀怜蚎しそれぞれがコスト・ビヘむビアを明確
に把握するために十分な胜力を具備しおいるかどうかを考察する。考察の過皋
では分析の結果明らかになるコスト・ビヘむビアを認識した䞊でこれらの
知識が埓来ずられおきた䌚蚈手続にどのようなむンパクトを䞎えるかをできう
る限り説明するようこころがけた。コスト・ビヘむビアの把握を皮々の技法に
よっお行なうこずずこれにもずづいた経営技法に察しお怜蚎を行なうこずを
本曞では「コスト・ビヘむビア分析」ず総称するこずにしたい。以䞋では副章
の内容を芁玄的にしめすごずによっお本曞の構成を説明したい。
第1章ではずもに経営掻動の蚈画ず統制のために有効に機胜するずいわれ
る倉動予算ず盎接原䟡蚈算の関係を怜蚎した。経営管理諞技法が盞互にいかに
関連するのかを明らかにするこずにより䌚蚈における蚈画ず統制の機胜がど
のような圢で発揮されるべきなのかずいう呚題を解く手がかりが埗られるず考
えたのである。考察の過皋で䞡者ずも操業床を基準ずした原䟡分解を行なうず
2
いう共通点があるこずがしめされた。そこでこれを根拠ずしお操業床を基
準ずするコスト・ビヘむビア分析を基瀎ずしお固定費・倉動費に区分された
原䟡数倀を利甚する機構を䞡者は共有するのではないかずいう問題提起を行な
った。この問題提起に基づいお䞡者の関係を3皮類の状況で怜蚎したがコス
ト・ビヘむビア分析自䜓の䞍完党さがネックずなっお䞡者はそれぞれの目的
を達成するこずを目指し別個に機胜する経営管理技法であるずいう結論しか
導き出すこずができなかったのである。ここでわれわれの行なった問題提起は
倉動予算ず盎接原䟡蚈算だけに限らず、コスト・ビヘむビアをいかにしお把握
すべきなのかずいう根本問題から出発しおいるずいう意味で重芁である。した
がっお本章は筆者が本曞における研究を始めるにいたた動機を説明するもの
であるずいえる。
第2章第3章および第4章ではコスト・ビヘむビアの分析技法を詳现に怜
蚎しおいる。この3぀の章での分析に関しお特城ずいえるのは以䞋の2点であ
る。
たず第䞀にコスト・ビヘむビアの分析技法を固定費・倉動費の区分に基瀎を
おくものずそうでないものずに区分しお考察を行なっおいるこずである。第
2章でずりあげる技法のうちむンダストリアル・゚ンゞニアリング法をのぞい
た他のものはコスト・ビヘむビアに関する分析結果に重点を眮かないどちら
かずいえぜ経営管理技法をずりあえず䜜動させるこずに重点をおいお原䟡を区
分する方法なのである。他方第3章および第4章で説明を加える回垰分析は
できうる限り忠実にコスト・ビヘむビアを把握するこずに重点がある。このよ
うな意味からは第2章でずりあげる過去の芳枬デヌタを䜿甚する諞技法はコス
ト・ビヘむビア分析技法ずは呌ばずに原䟡分解技法ず呌称するのが適切であっ
たかもしれない。
第二に類曞にない特城ずしお匷調できる点はコスト・ビヘむビア分析を行
なうにあたっお原䟡ならびに経営掻動量の蚘録がいかになされるべきであるか
に぀いお原䟡蚈算手続ずの関係を十分に留意しお怜蚎したこずである。諏ス
ト・ビヘむビア分析を詳现に行なうこずの意矩はコスト・ビヘむビアが明確
本曞の構成 3
に把握されればそれに基づいお行なう経営意思決定は埓来の蚈算手続からえ
られる数倀をもずにしお実行される意思決定よりもそれらの結果においお誀
たりが少ないだろうずいう仮説が成立する堎合に認められるものである。この
仮説の立蚌は将来の課題であるが少なくずもコスト・ビヘむビア分析が円滑
に実斜できるように分析に䜿甚されるデヌタが具備しおいなければならない
諞芁件を怜蚎しおおくこずは重芁であるず思われる。
さお第2章では䌚蚈においお䌝統的に䜿甚されおきたコスト・ビヘむビア
分析技法第3章では単玔回垰分析そしお第4章では重回垰分析に぀いおそ
れぞれ抂説を行なっおいる。第3章では回垰分析に぀いおその蚈算手続を読図
なほど説明しおいるがこれは回垰分析が䌚蚈においおそれほどなじみのない
分析技法であるこずず回垰分析に関する諞仮定が䌚蚈の芳点からみおいかな
る意味を持぀のかを説明したいずいう意図があるためである。第3章および第
4章では分析されるデヌタの具備すべき芁件を第2章での議論をふたえお怜
蚎しおいる。
第4章でずりあげた重回垰分析に぀いお泚意を芁するのはこれが耇数の倉
数でコスト・ビヘむビアを分析するこずに関するものである。第3章たででは》
操業床を基準ずしおコスト・ビベむビア分析を行なうこず自䜓に関連する問題
に぀いおはこずさら蚀及せずに説明を行なっおきおいる。しかるに重回垰分
析の堎合には操業床をあらわす倉数以倖のものが原䟡の説明倉数に入っおく
るのである。重回垰分析を原䟡蚈算システムず連動させるこずを考えた堎合に
は重回垰分析の結果ずしおえられる回垰方皋匏は耇数の倉数で原䟡の動きを
しめすものであるから操業床ずいう単䞀基準で固定費・倉動費に区分された
原䟡数倀を利甚する既存の経営管理諞技法に重回垰分析が䞎える圱響は倚倧で
あるず思われる。この研究は非垞に興味深く筆者の今埌の課題の1っである。
しかし䞊蚘の点に぀いおは問題を指摘するのみで本曞では重回垰分析もたた
操業床基準にもず぀くコスト・ビヘむビアの分析方法であるずの理解のもずで
論述を行なっおいる、
第5章および第6章では回垰分析の䌚蚈問題ぞの適甚に぀いおコスト・ビ
4
ヘむビアの問題に限定せずやや深化させた議論を展開しおいる。第5章では
回垰分析はどのような圢で原䟡蚈算システムで䜿甚されるのかを構造行列
原䟡蚈算システムの係数行列の確定に回垰分析を適甚する状況に぀いお説明し
おいる。第5章第3節では係数行列の確定にLPを䜿甚する堎合に぀いお怜蚎
した。本節は本曞の党䜓の流れずは盎接的な関連はないが原䟡蚈算システム
ず経営管理技法を連動させる詊みの1぀ずしお第1章での問題意識ず無関連
ではない。
最終章第6章では盎接劎務費を䞻ずする習熟効果のある原䟡費目のビヘむ
ビアに぀いお蚀及した。習熟珟象がコスト・ビヘむビアに䞎える圱響は少なく
ない。しかるに埓来䌚蚈においお積極的に習熟珟象およびそれを枬定する手段
である習熟曲線に぀いおの怜蚎はほずんどなされおこなかった。䌚蚈の分野に
おける習熟曲線に関する論述ずしおは本章がわが囜ではもっずも総合的なも
のであろう。習熟曲線の確定にあたっおは回垰分析が䜿甚される。習熟曲線が
誀甚されたり特定の産業郚門にその利甚が限定されおきおいる理由の1぀に
回垰分析の手続に関しお十分野知識が欠劂しおいたこずが指摘できる。第3ç« 
および第4回目内容は習熟曲線の䞀般化あるいは普及のために助けずなるであ
ろう。なお習熟曲線モデルの利甚の項では他の文献でかなりの皋床怜蚎がな
されおいるものに぀いおはこれらを陀倖し怜蚎が十分眮ないず思われる分野
に぀いお䞻に筆者の芋解を䞭心に論じおいる。
5
第1章コスト・ビヘむビア分析の芖点
䞀倉動予算ず盎接原䟡蚈算の関係を通じお䞀
序
経営管理に有効ずされおいる各皮の技法にはそれぞれの有甚性をもっずも
、よく発揮する適甚領域があり・その目指す目的も倚様である。このこずを各目
、的ご≧に甚》・られる䌚蚈数倀レ特に原䟡数倀に関しおいえば「異なる目的に
遮異なる原䟡を」ずいう蚀薬で衚珟されるように目的に応じた特定の䌚蚈数
倀を導出する蚈算機構が必芁である。したがっおこの䞻匵を極端にすれば
経営目的の数だけそれを達成する蚈算機構が必芁になるずいうこずになる。
䞀方珟圚のずころ存圚する経営管理諞技法は䌁業内でなされる䞀環した
経垞的な蚈算手続䞀原䟡に぀いおは原䟡蚈算手続䞀から獲埗されうる数倀
をその基瀎デヌタずしお䜿甚するものが倚い。たた皮々の新たな技法にしお
も珟圚のずころこれら経垞的蚈算手続からえられるデヌタなしには぀たり
これらから独立しお考えるこずはできないのである。このように各皮の経営
管理目的を達成するために管理䞋技法に共通した蚈算システムを構築するずい
うアプロヌチも興味深い。この意味で原䟡蚈算システムは原䟡情報を甚いた蚈
画および統制掻動を円滑に遂行するこずを意図しお蚭蚈されるべきである。こ
の立堎は情報の経枈性ずいう芳点からみおも望たしいこずはいうたでもない。
そこで本章では䞊蚘の2぀の異なる芳点からの䞻匵に含たれる問題点を特
に埌者のアブβ䞀チがすぐれおいるずいう芳点から倉動予算ず盎接原䟡蚈算で
甚いられる原䟡数倀の性質に特に泚目し䞡者の関係を考察するこずを通じお
怜蚎しおみたいず思う。なお倉動予算ず盎接原䟡蚈算に぀いおは論者によ
っおその理解の仕方に盞圓異なる点があるがここでは䞀般に理解されおい
るずころのものを基瀎ずしお議論を展開するg
6 第1章 コスト・ビヘむビア分析の芖点
第1節 盎接原䟡蚈算の機胜ず原䟡蚈算機構
倉動予算ず盎接原䟡蚈算の関係を明らかにするためにたず本節および高節
で䞡者の有甚性が発揮される機胜ないし利甚目的をしめしそれぞれの有甚性
を保蚌する原䟡蚈算機構の備えるべき芁件をのべるこずにする。
さお盎接原䟡蚈算は぀ぎのような特城をも぀蚈算システムであるずいえる。
1操業床枬定単䜍に生産量あるいは販売量を遞択した䞊でその倉動
に察しお比䟋的に倉動する原䟡を盎接原䟡direct costsずし定められ
た期間では操業床の倉動にかかわらず䞀定額発生する原䟡を期間原䟡pe・
riod costsずしお完党に区分する。
2盎接原䟡のみで補品原䟡を算定しこれをもっお棚卞資産䟡額ずする。
3期間原䟡はその構成芁玠それぞれに぀いお管理可胜な䜍眮にある責任
䞭心点で管理するずずもにその総額でもっお期間の発生収益に察応せし
めるb
4制床ずしお経垞的に行なう。
このような特城をも぀盎接原䟡蚈算は特に䌚蚈制床ずしお経垞的に行な
うずいう点に泚目しおその財務䌚蚈機胜に぀いお議論を展開する必芁もある
が本章はこのような芳点には盎接的関係をもたないので考察の察象から陀倖
1
するこずにする。ずはいえ制床面ぞの積極的解釈を行なわないずいうだけで
以埌展開する考察においおは原䟡蚈算の制床的枠組みを完党にずりはずすので
、はなくそれを保蚌する範囲で䞀環した蚈算システムの基瀎にある問題぀た
りコスト・ビヘむビアをいかに明確に把握するかずいう点に焊点をあわせお
議論を展開するこずにする。
さお盎接原䟡蚈算思考の起点ずなったのは埓来の原䟡蚈算党郚原䟡蚈
1 盎接原䟡蚈算の財務䌚蚈機胜に関しおはたずえば以䞋の文献を参照されたい。
青朚〔15コ䌊藀17小林19コ溝口22溝口23岡本24桜井25コ
および接曲26コ。
第1節 盎接原䟡蚈算の機胜ず原䟡蚈算機構’7
算が提䟛しえなかったCVP関係原䟡䞀操業床䞀利益め盞互関係を明瞭
にしめそうずした点぀たり䌁業の利益構造を明瞭にし、䌁業の行なう意思
2
決定に有甚な情報を提䟛するこずであったこずを十分に認識する必芁がある。
盎接原䟡蚈算がCVP関係を明確にしめすずいうこずは盎接原䟡蚈算ず総合
的利益蚈画の間に有機的結合関係があるずいうように蚀いかえるこずができる。
たた期間原䟡がさらにセグメントごずに把握されるならセグメント別の利
益蚈画の蚭定を行なう堎合にも有甚な情報を提䟛する。このような点からみお
盎接原䟡蚈算システムに基本的に組蟌たれおいる機胜の1぀は利益管理機胜で
あるずいえる。
䞀方盎接原䟡蚈算は1぀の原䟡蚈算方匏であるずいうこずから暙準原䟡
・蚈算ずしお行なわれる堎合盎接暙準原䟡蚈算あるいは暙準盎接原䟡蚈算をい
3
うには特に原䟡管理機胜を発揮するものずされおいる。盎接暙準原䟡蚈算
・では原䟡芁玠をたず盎接原䟡ず期間原䟡ずに区分したのち盎接原䟡芁玠に぀
いおは䞀定の操業床枬定単䜍mea母re of activity䞀この堎合には生産
量たたは販売量あるいは補品単䜍数䞀にあずづけお暙準額が蚭定されこ
「れず実際原䟡発生額ずの察比を行ない差異分析の手法を甚いお原䟡の発生額
をコントロヌルするのである。しかしながら盎接原䟡蚈算のも぀諞機胜のう
ち原䟡管理機胜にかかわる議論は埓来ではそれほど芋うけられず利益管理機
胜ず比范すれば埓来どちらかずいうず埓属的な取扱いがなされおきたもので
ヒある。1
以䞊のべた盎接原䟡蚈算の諞機胜はそれが䞻導的なものであれ埓属的な
ものであれそれぞれが円滑に遂行されるための基本的前提条件ずはいったい
䜕であろうか。それらの芁件のうちもっずも重芁だず思われるものの1぀に
・原䟡を補品単䜍に盎接的に結び぀いお発生する盎接原䟡ず定められた期間補品
2盎接原䟡蚈算属考の起点ずなった蚘述ずされおいるHarris51の論文も利
益管理ぞの有甚性に匷調点をおいおいる。
〈3盎接暙準原䟡蚈算に぀いおは特に以䞋の文献が参考になる。
久保田11コ
8第1章 コスト。ビヘむビア分析の芖点・、
4
単䜍数ずは無関連に発生する期間原䟡に明確に分類するこずがある。぀たり
盎接原䟡のビベむビアをち぀回盲費員ず期間原䟡ずしおのビベむビアをしめす
費目に原䟡が明瞭に区分されるこずである。ずころで盎接原緬蚈算の䞻導的
圹割ず考えられる利益管理機胜に焊点をあわせた堎合にでも䞊蚘のように操
業床ずの関連で原䟡を固定費ず倉動費ずに区分する原䟡分解をふたえお∌さら
に目的に応じた原䟡分解を行なう必芁がある。盎接原䟡蚈算をセグメント別利
益蚈画に結び぀けるためには期間原䟡はさらにセグメントぞの垰属可胜性を
考慮しお现分される必芁がある。目暙䟡栌を算定するのに盎接原䟡蚈算を䜿甚
する堎合にも固定費の段階的回収が意図されおいるので固定費は回収時期
に぀いおの優先順䜍別に区画しなければならない。さらに意思決定問題に察
する盎接原䟡蚈算の圹割を考える堎合にもキャパシティの保有によっお発生
する原䟡芁玠で固定費の別称であるキャパシティ・コストを経営管理者に自
由裁量暩のあるマネゞド・キャパシティ・コストず䌁業方針により決定し長
期的な意思決定にのみ関連するコミッティド・キャパシティ・コストに区分す
る必芁がある。さらに必芁に応じお特殊原䟡抂念をオヌバヌラップさせるこず
も考えねばならない。たた盎接原䟡に泚目した堎合にはそのビヘむビアを
単䞀の操業床枬定単䜍だけで明らかにできるかどうかに぀いおさらに怜蚎する
必芁があるだろう。このように盎接原䟡蚈算は原䟡を操業床より正確には
それを衚わす1぀の指暙ずしおの操業床枬定単䜍ずの関連でみおそのビヘむ
ビアから盎接原䟡ず期間原䟡ずに区分した䞊で特に期間原䟡はセグメントに
察する垰属可胜性や各管理者の裁量暩のおよぶ範囲などさたざたな刀断基準
にもずづいお区分しお把握しそれら区分された数倀を経営管理を行なう䞊で
利甚するこずを意図するものである。぀たり盎接原䟡蚈算をその利甚目的別
に考察しようずするならばたず操業床に察するコスト・ビヘむビアを把握し
た䞊でそれを前提ずしお蚈算目的に応じた原䟡区分を行なう必芁がある。
4 原䟡発生源泉に泚目しお盎接原䟡を補造・販売・䞀般管理など経営掻動自䜓ず
盎接的な関係をも぀原䟡期間原䟡を経営掻動を実行するための経営準備の原䟡ず理
解するこずもできるが本章では䞊蚘本文䞭でのべた抂念を適甚する。
第1節盎接原䟡蚈算の機胜ず原䟡蚈算機構9
響や叢隚现
、、
襲
盎接笠幡蚈算
@胜
①
③
基瀎的原䟡
W蚈システム
基瀎 的原 䟡数倀
利益管理
操業床を衚わす尺床
関連で区分された数
盎接原䟡 期間原
補品別蚈算段階
図1 盎接原䟡蚈算の機胜ず原䟡分解
以䞊でのべたこずを芁玄すれば図1のようになる。この図で①の実線は
利益管理のために盎接原䟡蚈算が非垞に有甚な経営管理技法であるこずをしめ
しおおり②の点線は盎接原䟡蚈算の原䟡管理機胜がその利益管理機胜ず比
范すれば埓属的であるこずを意味しおいる。なおここでいう原䟡管理機胜
ずは盎接原䟡蚈算の基瀎ずなる補品単䜍数量ずの関連における盎接原䟡期
間原䟡の区分が原䟡管理に際しお有甚ずなるこずを意味しおいる。そしお盎
接原䟡蚈算のもずで䜿甚される原䟡数倀は基瀎的原䟡集蚈システムこの抂念
はのちに明らかにされる。珟実に存圚する皮々の原䟡蚈算システムもわれわれ
からみお数倚くの問題を内包するもののここでいう基瀎的原䟡集蚈システム
の䞀぀の珟象圢態である。の最終段階である補品別蚈算段階で獲埗される盎
接原䟡ず期間原䟡に区分枈の原䟡数倀であるこずが実線③であらわされおいる。
第2節 倉動予算の機胜ず原䟡蚈算機構
2−1 倉動予算の原䟡管理機胜
倉動予算は固定予算の欠陥を補うものずしお生成発展しおきたものである。
䌁業予算ずしおの予算を考える堎合それはたんに原䟡の支出の限床額をしめ
す䞀芧衚ずしおの圹割を果たすだけでなくさらに積極的に䌁業の行なう諞掻
動の蚈画ならびに統制に圹立ちうるものでなければならない。しかしながら
固定予算のもずでは予定操業床あるいは蚈画操業床が実際操業床ず䞀臎しな
10築1章 コスト・ビヘむビア分析の芖点
い限り事埌の業瞟評䟡ないし是正措眮ず有機的な結合関係をも぀ようには予
算数倀ず実瞟倀の比范差異分析を有勘に行なうこずができない。぀たり固定
予算のもずでは実際発生額ず予算ずを比范しおえられる差異数倀はたんに予
算の達成床合しかしめすこずができないのであり圓該郚門の原䟡胜率をも枬
定するには実際操業床は予算操業床あるいは蚈画操業床ず䞀臎するずいう前
提条件が必芁なのである。しかし実際操業床が予算操業床ず䞀臎する状況は
それほどあるものではない。぀たり予算自䜓に実際操業床に察する予算蚱容
額を算出する蚈算機構がなければ本圓の意味での原䟡胜率枬定を行なうこず
ができない。倉動予算は䞀䞀般に予算目暙の達成床合の枬定ず䞊蚘のような
意味で本来的には暙準原䟡差異分析によっお行なわれるずいわれる原䟡胜率
の枬定の䞡方を同時になしうる経営管理技法であるず理解されおいる。
ずころで倉動予算の特城に぀いおは぀ぎのような䞻匵もなされおいる。
すなわち「倉動予算に暙準原䟡蚈算の手法が取り入れられたこずにより予
5
算制床が近代化された」
ず。
このこずは倉動予算による原䟡管理は予算による原䟡管理ず暙準原䟡蚈算
による原䟡管理ずの亀錯領域にあっおその䞡者を包含するものであるこずを
意味しおいる。ずいうのは補品ぞの垰属性の芳点から盎接費ず間接費ずに原
䟡を分類する堎合盎接費の管理には暙準原䟡蚈算的なアプロヌチが間接費
の管理には予算の芖点が匷く圱響を䞎えるのである。ずはいえ倉動予算によ
る差異分析を行なう際に䜿甚される補造間接費予算蚱容額の算定手続はその
実䜓はさおおいおも暙準原䟡蚈算における暙準盎接材料費暙準盎接劎務費
のそれず同様である。このこずは倉動予算が暙準原䟡蚈算手続の匷い圱響を
うけおいるこずをしめすものである。もっずも原䟡の管理思考぀たり芏範倀
ず実瞟倀の比范察照を通じお原䟡に関するコントロヌルを行なうずいう思考方
法ずいう芳点から倉動予算をみれば暙準原䟡ずの盞違はそれほどあるもの
5 吉田27P41・
第2節倉動予算の機胜ず原䟡蚈算機構11
ずは思えない。そこで「盎接費の管理は暙準原䟡にゆだねられる」ずいう䞻
匵がなされるのである。このこずは倉動予算を議論の䞭心に眮く堎合には
倉動予算は暙準原䟡思考による原䟡管理をも行なうものであるずいう積極的な
6
解釈ずなる。
䞊蚘のように倉動予算は暙準原䟡蚈算ず原䟡管理機胜をめぐっおかなり匷
7
1い結合関係をも぀こずずその歎史的な生成・発展の経緯ずからもその䞻導
酌機胜が原䟡管理機胜にあるずいうこずができる。これを図2では④の実線で
あらわしおいる。補造間接費を䟋にずれば倉動予算差異分析の結果ずしお獲i
埗される原䟡差異数倀は呚知のように䞀般的には予算差異胜率差異操業
床差異に䞉分されそれぞれに぀いおの怜蚎が行なわれ事埌の業瞟評䟡およ
び是正措眮の実斜ぞず導びかれる。このような差異分析はのちにのべるよう
に原䟡数倀自䜓に解決しなければならない問題があるこずに泚意する必芁があ
る。しかし原䟡数倀に信頌性があるず考えられる状況においおは倉動予算は
8
原䟡管理のためには非垞に匷力な技法ずなりうるのである。
④原䟡管理機胜
⑀ ⑥
をもっずもよくあらわ
す尺床ずの関連で
区分された原䟡数倀
基瀎的原䟡数倀
郚門のアクティビィティ
予算管理機胜
倉動費 固定費
基瀎的原䟡
集蚈システム
図2
6 このような意味からも
費目別蚈算段階
郚門別蚈算段階
倉動予算の機胜ず原䟡分解
二二管理を目的ずしお倉動予算の適甚を考えるずきには
その考察を補造間接費に限定せず盎接費項目をも含めたすべおの原䟡項目を察象ずし
なければならない。Horngren7P・228を参照せよ。
〈7 倉動予算の歎史的生成発展に぀いおは肱黒〔16〕に詳しい。
8倉動予箪差異分析に぀いおの詳现な怜蚎は加登18コで行なっおいる。
12第1章 質スト・ビヘむビア分析の芖点
䞀方倉動予算の果たす予算管理機胜これは利益管理の䞀端をになうもの
であるはその原䟡管理機胜ず同様に重芁な機胜の1぀である。図2の実
線⑀をみよ。
倉動予算は事前の蚈画段階で各郚門管理者に察しお操業床倉動を考慮に入れ
た匟力的な掻動目暙぀たり原䟡達成目暙ずしおの予算原䟡蚱容額を提䟛する
こずが可胜である。たた倉動予算の䜜成に各郚門管理者を参画させるこずに
よっお動機づけ効果をも぀業瞟評䟡基準が獲埗できる。このようにしお蚭定
された倉動予算を䜿甚すれば円滑な原䟡管理掻動が実斜できるものず期埅で
きる。このように倉動予算は郚門管理者の行なう原䟡管理を含む諞掻動をみ
ずからが参画しお䜜成した倉動予算による匟力的予算蚱容額に基づいおコント
ロヌルするずいう予算管理の䞀぀の機胜を果たしうる蚈算機構を備えおいるひ
2−2 操業床枬定単䜍の遞択ず耇数の原䟡䜜甚因
前節でのべた倉動予算の諞機胜を十分に発揮させるためには盎接原䟡蚈算
の項でのべたようにコスト・ビヘむビアの把握をどのように行なうかが基本
的でか぀もっずも重芁な問題である。さお倉動予算は操業床倉動に応じた
匟力的予算蚱容額を算定するこずから出発しおその原䟡管理機胜ならびに予
算管理機胜を発揮するこずが期埅される経営管理技法である。そこで倉動予算
で甚いられる原䟡はたず操業床倉動にずもなっお比䟋的に倉動する倉動費
予算期間䞭は操業床倉動にかかわらず䞀定額が発生する固定費およびその䞭䞀
間圢態たる準倉動費ずに分解されなければならない。
倉動予算におけるコスト・ビヘむビアの把握に぀いおは盎接原䟡蚈算にお・
ける堎合ずは違った意味でかなりの困難が存圚する。なぜなら倉動予算は原
䟡管理ず深い関係をも぀ため基本的には個々の原䟡項目を原䟡䞭心点で管理
するこずに䞻県が存するのである。そのため原䟡を郚門ごずに䜕らかの基準に
基づいお倉動費ず固定費に区分する必芁が生じるのである。もう1぀の問題は
操業床枬定単䜍に䜕を遞択するかずいうこずである。これは盎接原䟡蚈算の堎
合にはそれほど問題ずはなら底い。この原䟡分解の基準の遞択が各皮管理技法
第2節 倉動予算の機胜ず原䟡蚈算機構 13
の有甚性を決定するずいっおもよい。操業床枬定単䜍にはすぐ以䞋で説明す
みような各皮の芁件を備えたものを遞択しなければならない。したがっお盎
撲原䟡蚈算ず倉動予算における原䟡分解の基準に関しおはそれらを同䞀レベ
ルで怜蚎するこずはできないのである。操業床ずは所䞎の生産胜力に察する1
期間の技術的な利甚氎準ないし掻動氎準を意味するが原䟡の発生をこの操業
床にあずづけお把握しようずする堎合には適切な操業床枬定単䜍を遞択する
ずいう問題が生たれおくる。盎接原䟡蚈算のもずで原䟡を盎接原䟡ず期間原䟡
に区分する基準ずなる操業床枬定単䜍は補品単䜍数であった。ずころが倉動
予算のもずで遞択される操業床枬定䞀単䜍は倉動予算が原䟡発生堎所である省
郚門での原䟡管理に倧きな圹割が期埅されおいるずいうこずを十分に考慮し
お決定されなければならない。
それでは操業床枬定単䜍の遞択にあたっお考慮しなければならないずいう
9
芁件ずはいかなるものであろうか。その芁件を列挙すれば぀ぎの4っになる
カミ以䞋ではそのそれぞれに぀いお怜蚎を加えるこずにしよう。
1操業床枬定単䜍は原䟡を倉動せしめる原因ずなる経営掻動の倉動を枬
定するものでなけれ麟ならない。
〈2遞択される操業床枬定単䜍は操業床以倖の原䟡䜜甚因によっお原䟡が
圱響を受けにくいものでなければならない。
〈3操業床枬定単䜍は単玔でか぀容易に理解できるものでなければならな
い。
く4操業床枬定単䜍は’よけいな事務費を䜿わないで求めるこずのできるも
 のでなければならない。
1の芁件に぀いおはたず原䟡枬定の察象ずなる経営掻動は具䜓的には䜕で
9NACA10コpp1226−1227。同蚳曞pp20−22。なお操業床枬定単䜍の遞択
基準に぀いお同様の蚘述がHomgren7コPP・221−222 Shillinglaw12コPP・229−
230およびWelsch E14P313にもある。
14第1章 コスト・ビヘむビア分析の芖点
あるかを明確に把握しなければならない。盎接原䟡蚈算の堎合にはその察象
ずなる経営掻動ずは党般的な補造掻動を意味するこずから操業床枬定単䜍に
は生産量あるいは販売量ずいう補品単䜍数に関連する指暙が䜿甚される。
䞀方倉動予算に぀いおはその蚭定される郚門の経営掻動をもっずもよく反
映するものを遞択しなければならない。したがっおこの堎合には操業床枬定
単䜍ず䞀定の操業状態のもずで蚱容される原䟡額ずの間にそれらの趚勢に぀い
お密接な盞互関係が存圚するこずが芁求されるのである。倉動予算が補造郚門
あるいは補造工皋のぞ航ぞ翫に察しお蚭定されるのであれば盎接䜜業時間
機械運転時間盎接劎務費などが操業床枬定単䜍ずしお候補ずなりうるだろう
し補助郚門に぀いおは甚圹生産量あるいは補造郚門ぞの甚圹䟛絊量が補造
郚門党般に察しおは生産数量売䞊高などが怜蚎されなければならない。さら
に販売費・䞀般管理費に察しお倉動予算を蚭定するこずを考えるならばやは
り圓該掻動がもっずも密接な関係をも぀補造掻動をあらわす操業床枬定単䜍を
10
遞択する必芁がある。
さお䞊蚘のような各皮の操業床枬定単䜍のうちから倉動予算の蚭定察象の
経営掻動をもっずもよく反映し倉動予算が実効をあげるためにも぀ずもふざ
わしいものを遞択するための1぀の基準ずなるのは盞関分析の結果である。
盞関分析によっおわれわれは原䟡ずもっずも密接な関係をも぀操業床枬定
11
単䜍を遞択するこずができる。以䞋ではKoehler and Neyhartの論述にし
たがっお説明を行なうこずにする。
R瀟は工業甚の液䜓化孊掗浄薬1品のみを補造しおいお過去の予算期間で’
は50ガロンから200ガロンの間で操業を行なっおいる。ここで考察する泚入郚
門では怜査郚門から容噚に未泚入の状態で補品をうけずりこれを適圓なサヌ
むズのアルミニりム補のドラム容噚に泚入する。そしおそれをコンベアにのせ
お運送郚門に送る。圓該郚門で発生する劎務費は掻動氎準にかかわらず䞀定
10䞊蚘の各々の操業床枬定単䜍のも぀特質に぀いおは肱黒〔16コpp101−107をみ
よ。
11 Koehler and Neyhart8コ
第2節 倉動予算の機胜ず原魎蚈算機構 15
数の䜜業員が䜜業に埓事しおいなければならない。この費目はその態様から
間接劎務費に分類さるべきものである。この費目の発生は容噚数ず泚入量
ガロンの䞡方に䟝存するものず思われる。劎務費発生額容噚泚入数およ
び泚入量のデヌタは以䞋のずおりである。
R瀟泚入郚門の実瞟デヌタ
1978幎11月∌1979幎10月
月 劎務費発生額 容噚泚入数 泚 入 量
11
P2345678910
P2
413個
430
10000ガロン
435
440
11500
12000
2250
430
430
400
1860
410
7500
1770
1700
400
430
1890
390
8000
1960
390
9000
2100ドノレ
2130
2240
2350
2270
2180
10500
13000
11000
9000
5500、
7000
24700ドル 、 4998個 114000ガロン
R瀟は埓来圓該郚門の固定予算を䜜成するにあたっお容噚泚入数を基準ずし
お䜿甚しおきた。䞀般に2぀の倉数鑑のの盞関関係の床合を数量的に衚わ
す盞関係数7は次匏でもずめられる。
露Σ耀䞀ΣκΣ応
7》・Σ・・䞀Σ・・。Σシ・䞀Σ〃・
䞊蚘の数倀で原䟡発生額のず容噚泚入数κの盞関係数は7誕048ずなる。
ア048ずいう盞関係数の倀から実瞟デヌタ原䟡ず容噚泚入数の間に正の盞関
ただしそれほど匷い盞関ではないがみられるこずは明1らかになったがr
母集団に぀いおも岡様の結論を導くこずができるだろうか。このこずは母集団
での䞡倉数の盞関係数䞀母盞関係数ρ䞀が0぀たり䞡倉数間には関連はな
いずした堎合に12組の実瞟デヌタでF摺048ずいう芳枬がなされる可胜性
16第1章 コメト・ビヘむビア分析の芖点
があるかどうかを怜定しおみれば明らかである。そのためには
H。ρ謂0
ずいう垰無仮説の怜定を行えばよい。
2぀の倉数の母集団がそれぞれ正芏分垃するず仮定するず垰無仮説H。の
もずで7から蚈算される倉量
’野曝》冠
は自由床π䞀2の’分垃にレたがうこずは明らかになっおいる。は芳枬
二塁であるからここでの圊倀は
048
≠V1−048・》12−10臚1・7302
ずなる。
∫分垃衚から
ρ7囜≧1372鶉010
ρ71枉1≧1812線005
であるから有意氎準10では垰無仮蚭κ。は棄华されるが5では棄华で
きない。この結果から「原䟡ず容噚泚入数の間には関連がありそうだ」ずは
いうこずはできるが䞡者の間に密接な関連があるずはただちに結論できない。
䞀方原䟡ず泚入量ずの間の盞関係数は7壜0921ずなる。䞀般に盞関係数の
絶察倀が高い1に近づくほど䞡者の関係は密接で盎線的であるず考えられ
るからこの堎合には容噚泚入数にかえお泚入量の方を操業床枬定基準ずしお
遞択するこずが望たしい。なおこの堎合の枉倀は♂749で5で有意である。
以䞊のように盞関分析によっお操業床枬定単䜍を遞択するこずは遞択の際
に原䟡ず操業床枬定単䜍の関連床合に぀いお管理者の刀断が介入するこずを防
止するずいう意味で有甚な方法である。ただ盞関合析の結果がすぐれた操業床
枬定単䜍であるこずがわかっおも次のような状況においおは、圓該操業床枬
定単䜍の劥圓性を今䞀床怜蚎しおみるべきである。それはこれらの状況ぜ以䞋
にしめすように芳枬倀がすべお過去の実瞟デヌタであるこずに起因するため
第2節 倉動予算の機胜ず原䟡蚈算機構 17
である。
1 デヌタの集蚈および衚瀺方法が䞍適切である堎合。
2 最良䞊蚘の意味で  筆者泚の操業床枬定単䜍ず原䟡ずの間の䞍安
定な関係による原䟡管理の欠劂。
3 たった2぀の芳枬倀にもず぀く係数芳枬倀数が少ない堎合に盞関係数
の信頌性に疑問のあるこずをいう  筆者泚
4 効率的な機械蚭備の賌入などによっお䜜業状況が原䟡ず操業床枬定基
く 準の関係を倉化させる堎合。
経営管理技法の円滑な䜜動をはかるためコスト・ビヘむビアを操業床枬定
単䜍ずの関連で明らかにしょうずする堎合には適切な操業床枬定単䜍が遞択
されおいなければいかにすぐれた原䟡掚定方法が採甚されおいおも算定さ
れる予算蚱容額はその本来の圹割を果たしうるずはいえない。したがっおコス
ト・ビヘむビアが明確に把握されおいなければ事埌の業瞟評䟡および是正措
眮を行なうための基瀎資料を提䟛する倉動予算差異分析もその有効性を十分
に発揮するこずはできないのである。ここで「適切な操業床枬定単䜍」ずいうの
はすでにしめした統蚈的手続の基準を通過したもののうちで各皮経営管理
技法が果たすべき目的に適合的な枬定単䜍を意味しおいる。そこで䟋えば倉
動予算の堎合を考えるず぀ぎのように蚀うこずができよう。倉動予算がその蚭
定される原䟡䞭心点であるずころの各郚門における原䟡管理に重点をおく堎合
盎接原䟡蚎算で䜿甚される生産量ずいうような総括的な操業床枬定単䜍を倉動
予算においおも同様に䜿甚するこずは適切ではない。たた各費目のビヘむビ
アをよく衚わす枬定単䜍であっおも郚門掻動ずの関係が䞍明確なものも適切
であるずはいえないのである。操業床枬定単䜍の遞択がコスト・ビヘむビアを
把握するためには非垞に重芁でありこの遞択を行なう基準を明確iにしなけれ
ばならないずいうわれわれの䞻匵は䟋えば぀ぎにしめす論述を基瀎ずしおい
るずいっおもよい6
12 16ã‚Ž4p23
18第1章 コスト・ビヘむビア分析の芖爲
「倉動費目準倉動費をいう  筆者泚の倉動態様を明らかにするのに適
した操業床枬定単䜍をどのように遞択すべきかをのべた文献が欠萜しおいる
ためにそれが1぀の原因ずなっお䌚蚈担圓者は原䟡費目の固定費・倉動
費の区分あるいは準倉動費項目の固定郚分・倉動郚分の分解をためらったり
あやたった操業床枬定単䜍の遞択を行なったりしおいる。䞍正確な操業床枬
定単䜍を遞択するずたずえ最小自乗法やスキャッタヌ・グラフ散垃図衚
を甚いおも䞍正確な結果しかえられなかったり他の適切でない原䟡分解
13
方法が甚いられたりするのであろう。」
第2の芁件に関しおは䞀定期間の原䟡額に圱響する操業床以倖の原䟡䜜甚
因をたず認識しそれらず操業床枬定単䜍ずの間に有意な関係が存圚するかど
うかを怜蚎しなければならない。有意な関係がある堎合には遞択した操業床枬
定単䜍にあずづけおコスト・ビヘむビアを把握するこずは困難になる。したが
っおここでもたた操業床ずその他原䟡䜜甚因ずの関連床合を枬定しひいお
は分析鮒象にもっずもふさわしい操業床枬定単䜍を遞択する1぀の根拠をあた
えるのは盞関分析を通じおえられる結果なのである。
さお操業床以倖の原䟡䜜甚因には1工堎蚭備の倉曎2補品・䜿甚材
料・補造方法などの倉曎3組織・人員・䜜業時間あるいは䜜業条件および
胜率の倉化4原䟡芁玠に察しお支払われる䟡栌の倉化5原䟡に察する経営
方針の倉曎⑥原䟡発生ず操業床ずの報告の間で生じるタむム・ラグ7スト
14
ラむキ・倩候の激倉等の異垞事態などが考えられる。このような操業床以倖の
携乱芁因の圱響を郚分的に排陀するための努力はかなりの皋床なされおいる。
たずえば䟡栌倉動の芁玠を分析においお回避するために貚幣項目裏瀺の操
業床枬定単䜍を䜿甚しないずか季節的倉動の芁因に察凊するために倉動予
算蚭定期間を短かくずるなどがそれにあたる。
ずころで䞀般に補造郚門および補助郚門に察しお倉動予算を蚭定する堎合
13 Gy臓ther4コP30
14 NAcA Elop1230同蚳曞p26。
第2節倉動予算の機胜ず原䟡蚈算機構19
15
には以䞋のような操業床枬定単䜍が䞻ずしお䜿甚される。このずきすでに
のべたように第1の芁件ならびに第2の芁件を満たし圓該郚門の掻動内容や
発生する原䟡の構成割合などを考慮に入れたもっずも適圓な操業床枬定単䜍を
遞択しなければならない。
操業床枬定単䜍
1補造郚門
a生産数量単䞀補品が生産される堎合
b盎接䜜業時間
c盎接機械運転競闘
d盎接劎務費
e原材料消費量
2補助郚門
a修繕維持郚門䞀盎接修繕時間
b動力郚門䞀䟛絊Kwh
c賌売郚門䞀玔賌入額
d工堎管理郚門䞀工堎における総盎接䜜業暗闘たたは埓業員数
以䞊のべたような手順を経お採択された操業床枬定単䜍は続いお第3第4
の芁件を満たす必芁がある。単䞀の操業床枬定単䜍にあずづけおコスト・ビヘ
むビアを把握するこずに有甚性が認あられる堎合には特に操業床枬定単䜍の
遞銀が問題ずなるのである。ただ先ほどのべたように単䞀の操業床枬定単䜍
だけで郚門で発生する原䟡の動きをすべお説明するこずはできないいいかえ
ればコスト・ビヘむビアを単䞀の操業床枬定単䜍のもずに明らかにするこず
は携乱芁因が数倚く存圚するこずを勘案すればおのずから限界が存圚するの
である。倉動予算に関連づけおいえば単䞀の操業床枬定単䜍にあずづけお算
出される倉動予箕原䟡蚱容額に信頌性が付䞎できるかどうかはすべお遞択さ
れる操業床枬定単䜍の良吊に䟝存するのである。
そこで以䞋にしめすような芳点からのアプロヌチも圓然考えられおよい。
15Welsch13コP・172
20 第1章 コスト・ビヘむビア分析の芖点
すなわちコスト・ビヘむビ7をできうるかぎり明瞭に写し出すこずを第䞀矩
に考えるのであればコスト・ビヘむビアの把握に際しおは単䞀の操業床枬
定単䜍を媒介ずするこずに固執する必然性はないのである。凱スト・ビヘむビ
アを耇数の原䟡䜜甚因を同時に考’正しお単䞀の操業床枬定単䜍にあずづけお
行なうよりも正確に把握できるのならばその方がすぐれおいるず考えるので
ある。この堎合には過去の原䟡発生額の分析をふたえお将来の耇数の原䟡
䜜甚因の予枬される動向を反映させお未来原䟡発生額を掚定するこずが可胜
になる。そうすれば皮々の意思決定掻動に察しお動態的な分析が行なえるよ
うになり原䟡数倀の倚面的か぀匟力的な適甚の方途も開けおくるのである。
ここでいう原䟡䜜甚因は操業床ならびに操業床からみたずきの撹乱芁因ずなる
䜜甚因の䞡方をいうのであるからそれらの具䜓的な枬定単䜍を「操業床枬
完単䜍」ず呌ぶこずはもはや適切な甚語の䜿甚法ではなくなるのである。䞊蚘
のようなアプロヌチは操業床枬定単䜍に぀いおの第1の芁件を拡匵しお適甚
するものであり原䟡発生額ず高い盞関関係をしめしか぀因果関係に぀いお
もある皋床明らかな耇数の原䟡䜜甚因を同時に採択しおコスト・ビヘむビア
をよりょく写像する回垰匏regression equationを確定するのに重回垰分
16
析multiPle regression analysisを適甚するこずを意味する。重回垰分析
を䜿甚するコスト・ビヘむビアの分析は耇数の原䟡䜜甚因ず原䟡ずの関係を
明らかにしょうずするものであるから勘定科目別怜蚎法最高最䜎法スキ
ャヅタヌ・グラフ法および単玔回垰分析などの単䞀の独立倉数操業床ず埓
属倉数原䟡額ずの関係を明らかにしょうずするコスト・ビヘむビアの分析
技法ずは圓然のこずながら先ほどのべたような意味で原䟡枬定に察するアプ
ロヌチの方法が出発点からしお異なるものであるこずに泚意しなければならな
い。これらのコスト・ビヘむビア分析技法は単䞀の倉数で原䟡の動きを把握
するこずが可胜であるあるいは単䞀の倉数で原䟡の動きを説明するこずで十
分経営管理技法の基瀎デヌタを提䟛できるのであるずいう前提条件のもずで
䜿甚されるからである。重回垰分析によっおもずめられた回旧匏に信頌性が認
16重回垰分析に関しおは第4こ口怜蚎する。第4章宋の文献を参照せよ。
第2節 倉動予算の構胜ず原䟡蚈算機胜 21
められる堎合には前蚘の蝿乱芁因原䟡䜜甚因のうち重芁なものがほずん
どが原䟡関数に組み蟌たれるこずからもそれらの倉動にずもなう圱響を吞収
しお実際の状況に応じた原䟡額を算定するこずができるのである。なお回垰
分析単玔回垰分析および重回垰分析は西ドむツにおける構造行列に基づ
王7
く原䟡蚈算モデルでは係数行列の倀を確定する際に䜿甚される1぀の方法で・
18
ありダ゚゚ル゜ンの研究のアプロヌチずも分析芖点においお同䞀の基瀎にた
぀ものであるこずを指摘しおおきたい。
第3ず第4の芁件に぀いおはその必芁性をあらためお説明する必芁はない
ず思われるが䞀応぀ぎのような問題があるこずを指摘しおおこう。すなわ
ち埓来操業床枬定単䜍の遞定にあたっおは経枈性の芳点理解の容易さ
蚈算の迅速性を芁求するこれらの芁件がかなり重芖されたずこれらの芁件の
ふるいにかけられたものに぀いおはある皋床第1第2の芁件を満たす操業
床枬定単䜍を採択する傟向があたこずである。しかしコスト・・ビヘむビア
をできうる限り正確に把握しこれに基づいお状況に応じたアクションをずる
こずを考えおいるなら第1第2の芁件を満たすものに぀いおのみ第3第
4の芁件を考慮すればよい。ずいうのは蚈算の経枈性ならびに迅速性の問題、
はコンピュヌタ・サむ゚ンスの急速な発展や゜フトりェアの開発によっお解決
され぀぀あるしたた操業床枬定単䜍の理解の容易さに぀いおも管理者に教
育・蚓緎を行なうこずによっおほずんど克服可胜だからである。したがっお
珟圚および将来われわれが重芖しなければならないのは皮々の経営管理技
法で甚いられる原䟡数倀をできうる限り正確で客芳的なコスト・ビヘむビアの
把握方法に基づいお算出しようずするアプロヌチである。そのためにも説明
倉数の遞択にあたっおは第1および第2の芁件を特に重芖しなければならな
い。
以䞊操業床枬定単䜍の遞択にあたっお考慮しなければならない事項や操
業床以倖の原䟡䜜甚因を考慮する必芁性に぀いお説明を加えおきた。ずころで
17第6章およびその文献を参照せよ。
18Danielsson2コダニ゚ル゜ンに぀いおは小林20を参照せよ。
22第1章 諏スト・ビヘむビア分析の芖点
倉動予算蚱容額算定にあたっお単䞀の操業床枬定基準を遞択する方針をずる堎
合有資栌であるずいえる操業床枬定単䜍は具䜓的にいえば盎接䜜業時間
ず盎接機械運転時間ずいうこずになるであろう。このような操業床枬定単䜍は
盎接原䟡蚈算のもずにおいお適甚される補品・甚圹の枬定単䜍である生産量
19
あるいは販売量ずはコスト・ビヘむビアの分析を行なう䞊で非垞に異なる
性栌をも぀ものである。次節では議論の展開の䟿をはかるため生産量ある
いは販売量をアりトプット基準盎接䜜業時間あるいは盎接機械運転時間を
むンプット基準ずいう蚀葉で代衚させるこずにする。
最埌に倉動予算の機胜ず原䟡集蚈機構ずの関係に぀いお図2を䜿っお芁
玄しおおくこずにする。④の実線は倉動予算の二二的機胜が原䟡管理機胜であ
るこずをしめしおおり倉動予算の予算管理機胜が原䟡管理機胜ず同様に重芁
ではあるものの䌁業予算の果たすべき機胜のすべおを倉動予算だけでは珟圚
のずころ遂行できないずいうこずを⑀の実線でしめしおいる。そしお倉動予
算がこれらの諞機胜を円滑に遂行できるように原䟡集蚈プβセスの費目別蚈
算ならびに郚門別蚈算の段階で原䟡が適切なむンプット基準のもずに䟋え
20
砎固定費倉動費および準倉動費に区分されるこずが⑥でしめされおいる。
19Dea䞔3では CVP関係のための原䟡の固定費・倉動費区分にさいしお操
業床枬定単䜍ずしお生産量ず販売量のどちらかが適切であるかに぀いお詳现な分析が
なされおいる。しかし本章では原䟡をアりトプットである補品の単䜍数量の倉動ず
の関係で区分するずいう立堎ではなく補品自䜓ずの関連で原䟡区分を考えおいるの
で䞊蚘の問題は取扱わない。ずいうより生産量ず販売量が等しい堎合぀たり圚庫
が存圚しないこずを仮定しおいるずいっおもよい。
〈20 このような芁玄を行なうず以䞋のような2っの事項が問題点ずしお指摘できる。
1倉動予算の予算管理機胜はそれが䌁業予算ずしお実斜される堎合には特に䞍可
欠なものであり倉動予算を䌁業予算ずしお䜿甚する堎合の問題はさらに考察
を深める必芁がある。
2操業床枬定単䜍の遞択およびコスト・ビヘむビアの把握方法に぀いおは盎接原
䟡蚈算の堎合ほど簡単には説明するこずはできない。この問題をさらに堀り䞋げ
おいけば珟行の経営管理諞技法に少なからぬ圱響をあたえるであろうず予想さ
れるこず。
第3節 倉動予算ず盎接原緬蚈算の関係 23
第3節 倉動予算ず盎接原䟡蚈算の関係
3−1倉動予算ず盎接原䟡蚈算の共通点
前節たで倉動予算ず盎接原䟡蚈算はそれぞれ独自の䞻芁な機胜領域があり
これら機胜を遂行するにはそれぞれに基瀎デヌタを提䟛する原䟡蚈算機構が
必芁であるこずを明らかにした。䞡者の盞違点を芁玄的にのべるなら倉動予
算は原䟡䞭心点における原䟡管理をめざすいわぜコントロヌ・ル志向の管理技
法であるのに察し盎接原䟡蚈算は皮々の意思決定局面でその利甚が期埅され
る蚈画志向の管理技法であるずいうこずである。し蚌しこの䞡者は぀ぎの2
点に぀いお共通性を有しおいる。
1䞡者は皋床の差こそあれいずれも原䟡管理機胜および利益管理機胜を
同時に遂行するこずが期埅される管理技法であるこず。
② 䞡者はいずれ転その蚈算の基瀎資料ずなる原䟡数倀の獲埗に際しお
䞀定の操業床枬定単䜍のもずに原䟡を区分しなければならないこず。
そこで本節では特に埌者の共通性をよりどころにしお倉動予算ず盎接原䟡蚈
算の関係に぀いお怜蚎しそこに生じる問題点を明らかにしたいず思う。
倉動予算ず盎接原䟡蚈算の関係に぀いおは埓来から議論が行なわれおおり
本節でわれわれがずろうずしおいるアプロヌチすなわち䞡者の関係をコスト・
ビヘむビアの把握問題にかかわらせお怜蚎するずいうアプロヌチもすでに採
甚されおいるものである。そこでたずこのような芖点から怜蚎を加えおいる
ものに぀いお若干の考察を行なうこずにしよう。
たず倉動予算ず盎接原䟡蚈算の関係に察しお぀ぎのようなそれらの発生史
酌芳点から論述がある。
「倉動予算の䜜成のために必芁ずされるコスト・ビヘむビアの研究ずその際
に原䟡を固定芁玠ず倉動芁玠ずに区分するために考え出された方法は盎接
21
原䟡蚈算に察しお道を開いた。」
21Marple9コP7
24第1章 コスト・ビヘむビア分析の芖点
これは倉動予算のも぀基本理念に぀いおの最初の蚘述ずされるHessの論
22
文以来それ以埌の䞀連の論考においお展開されおきた倉動予算のもずにおけ
るコスト・ビヘむビアの研究が第2次皮界倧戊以埌さかんに議論されるこず
になった盎接原䟡蚈算の1぀の起源であるこずをのべおいる。぀たり盎接原
䟡蚈算思考の出薬点であるずもいえる原䟡を生産量あるいは販売量ずの
関連で盎接原䟡ず期間原䟡ずに区分するずいう方法に倉動予算が間接的にせ
よ圱響を䞎えたこずに蚀及したものである。
さらに最近ではB6erは倉動予算の生み出すデヌタが盎接原䟡蚈算の基
瀎デヌタになるず考えおいるがそのこずは぀ぎの論述にうかがえる。
「盎接原䟡システムDirect Cost Systemにおける補造間接費予算圌
はこれを倉動予算によっお蚭定するずいっおいる  筆者泚の目的は生
産量あるいは他のいく぀かの原䟡䜜甚因の倉動にずもなっお倉動する補造間
接費郚分ず䞀定の時間間隔time periodを通じお䞀定である費目ずに
23
識別するこずにある。」
たたNAAのResearch Series No23 Direct Costing1953・におい
おは逆に盎接原䟡蚈算における原䟡分解から出発し䞃「盎接原䟡蚈算は
24
原䟡管理目的のための暙準原䟡や倉動予算ずの結合をもたらす。」ずのべおい
る。
同様の䞻匵は日本の論者に぀いおもみられる。たずえば以䞋のような論述
に泚目しおおきたい。
「倉動予算制が採甚され倉動予算が䜜成される堎合はその䜜成の察象ず
なる䌁業内の諞郚門における諞費目に぀いお固定・倉動分解がなされるこず
22 Hess6コ
23 B6er1コP・34・
24NACA11コp1079同蚳曞p109
第3節 倉動予算ず盎接原䟡蚈算の関係 25
になるがこの点が同じく原䟡を固定費ず倉動費に区分しお蚈算を行なう原
䟡蚈算方匏である盎接原䟡蚈算ず倉動予算の類䌌点であり盎接原䟡蚈算ず
倉動予算ずの関係に関する考察の䞀面はこのような類䌌点をめぐっおなされ
25
るものであるずいえる。」
以䞊倉動予算ず盎接原䟡蚈算ずの関係に぀いおの分析が原䟡区分に関す
る議論を連結環ずしお行なわれおきおいるこずを芋おきた。それぞ担論者が
倉動予算の偎から䞡者の関係をみたり盎接原䟡蚈算の立堎から考察を行なっ
たりしおいるのでその各々の論点に぀いおの比范怜蚎を行なうこずは容易で
ない。ただこれらの䞻匵はすべお䞀定の操業床枬定単䜍ずの関連での’コスト・
ビヘむビアの把握の問題を取扱っおいるこずは異論は存しない。したがっおコ
スト・ビヘむビアの分析を出発点ずしお個々の経営管理技法で芁求される原
䟡の備えおいなければならない芁件をそれぞれに぀いお怜蚎しそれをふたえ
お個々の経営管理技法の盞互関係を傘業党䜓の経営管理掻動を円滑に矛盟なく
遂行するずいうこずを念頭においお考察する必芁がある。
3−2倉動予算ず盎接原䟡蚈算の関係
本節では倉動予算ず盎接原䟡蚈算の関係をそれらの技法においお䜿甚され
る原䟡情報の入手源の態様別に考察しおみたい。
1基瀎的原䟡集蚈システムを経垞的原倣蚈算システムずする堎合
各皮経営管理球法が䜿甚される状況に応じお原䟡数倀をその぀ど収集し
それを䞀定の方法で加工・凊理するこずができるならそれらの技法は正しく
甚いるこずができよう。しかし䞀般にはそのような方法はずられない。そこ
で望たしいずされるのは䌁業の䞀環した原䟡蚈算システムの存圚である。この
システムから必芁に応じた原䟡数倀を導き出すこずができれば状況ごずに原
䟡を蚈算する堎合の欠点䞀蚈算が迅速に行なえない情報獲埗にコストがか
かりすぎる過去においお発生した原䟡の資料を蚘録ずしお貯蔵し䞃おくこず
25肱黒16p227
ï¿¡6第1章コスト・ビヘむビア分析の芖点
ができない䞀を克服するこずカミできよう。埓来の原䟡蚈算システムがここで
説明しおきた芁件を満たすのであれば問題はない。しかし埓来の原説蚈算シ
ステムはどちらかずいえば補品原䟡算定を䞻旚的ずしおいるため倚様で盞互
に関連しあった経営管理諞目的を達成する数々の経営管理技法によっおた
めに有甚な原䟡資料を十分目提䟛しおいるずは必ずしもいえない。このこずは
珟状では経営管理技法の倚くが珟圚実際に存圚する原䟡蚈算システムからえ
られる歎史的原䟡数倀を基瀎資料ずしお䜿甚せざるをえない状況にあるずいい
かえるこずができる。぀たり各皮経営管理技法はそれをもっずも生かすこず
ができるデヌタが獲埗できずに次善のデヌタ䌝統的な原䟡蚈算システムか
ら獲埗されるデヌタをいうを䜿甚するためそれらの有甚性カミかなり制限さ
れるこずになるずいうこずである。
さお䌝統的な原䟡蚈算システムのも぀欠陥を補い特に意思決定を行なう
際に必芁ずなるデヌタをただちに提䟛できるように仕組たれた原䟡蚈算のシ
ステムを基瀎的原䟡集蚈システムずよぶこずにしよう。基瀎的原䟡集蚈シス
テムは1費目別蚈算䞀2郚門別蚈算䞀3補品別蚈算ずいう䞀環した3぀
の蚈算プロセスからなるものである。これは特に組織内に投入されたむンプ
ットがアりトプットずしお組織倖に提䟛される過皋をコスト・フロヌの偎面か
ら泚目したシステムである。システムの蚭蚈にさいしおはそれがいかなる圹
割を果たすこずが期埅されおいるのかを十分に把握しシステムにその期埅に
応えるこずができるような目的ず機胜を持たせる必芁がある。そこでこのよ
うな意味から䞊蚘のシステムはそれぞれ1原䟡各費目の粟密な分析のための蚈
算サブシステムヌ2原䟡䞭心点で原䟡管理を遂行するための蚈算サブシステ
ムヌ3総合的芳点からの利益管理に資するための蚈算サブシステムずいいか
えるこずができよう。
さお倉動予算は基瀎的原䟡集蚈システムの1費目別蚈算䞀2郚門別蚈算
のプロセスず関連しおおりくり返しのべおいるようにそれは原䟡発生堎所
である各郚門の原䟡管理に䞻県がある。そのため基瀎的原䟡集蚈システムで
原䟡費目を分解する基準ずなる操業床枬定単䜍にはむンプット基準が遞択さ
第3節 倉動予算ず盎接原䟡蚈算の関係 27
26
れるのである。
䞀方盎接原䟡蚈算は基瀎的原䟡集蚈システムの3補品別蚈算のプロセスず
闘係する。盎接原䟡蚈算がその䞻芁機胜である利益管理機胜を遂行するたあに
は基瀎的原䟡集蚈システムにおいお原䟡はアりトプット基準で期間原䟡ず
盎接原䟡に区分されなければならない。したがっおむンプット基準による原
䟡分解ずアりトプット基準によるそれが同時にか぀敎合的になされる基瀎的原
䟡集蚈システムにおいおは䞊蚘の意味で原䟡数倀に䞀貫性があるずいう点、
を根拠ずしお倉動予算ず盎接原䟡蚈算は関連づけられるこずになる。、ただし
ここで泚意しなければならないのは異なる経営目的に察しお適合的な原䟡情
報が盞互にどのような関係にあるかを明瀺的にしめす蚈算機構が基瀎的原䟡集
蚈システみに組蟌たれおいなければならないこずである。本章でずりあげた菱
・動予算ず盎接原䟡蚈算を䟋にずれば基瀎的原䟡集蚈システムには倉動予算
のためのむンプット基準で区分された原䟡数倀を盎接原䟡蚈算で䜿甚される
アりトプット基準で枬定されたそれぞず倉換する合理的な蚈算機構が内蔵され
なければならない。ここでのべた状況のもずでの倉動予算ず盎接原䟡蚈算の関
係は図3のようにあらわすこずができる。
〈2党郚原䟡蚈算システムを経垞的原䟡蚈算シ䞍テムずする堎合
原䟡管理機胜、
C ② 客ンプント アりトプッド・ 基準 ’ 基準 倉換 艮接原䟡蚈算
基瀎的原䟡
集蚈システム
①
?v管理機胜
i予算管理胜〉 ③
基瀎原䟡数倀
⑥
基震⑀䟡数倀
倉動予算
費目別蚈算
郚門別蚈算
補品別蚈算
図3 倉動予算ず盎接原䟡蚈算の関係
26 「補造間接費はアりトプット総量よりもむンプット総量により密接な関係をも
っお倉動する。」ShillinglaW12p230、
艶第1章コスト・ビヘむビア分析の芖点
それではわれわれのいう基瀎的原䟡集蚈システムの存圚を前提ずしない匕
合この状況が䞀般には劥圓するのであるカミ倉動予算ず盎接原䟡蚈算の関係
はどのように理解されるのであろうか。たず䌁業の䞀環した運算システムずし
お党郚原䟡蚈算システムを考えおみよう。䌝統的な原䟡蚈算システムでは費
目別原䟡の枬定からはじめお最終的には補品原緬を算定するずいう積䞊げ蚈
算がなされるわれわれのいう基瀎的原䟡集蚈システムも1費目別蚈算䞀2
郚門別蚈算䞀③補品別蚈算ずいうサブシステムからなるずいう点では䌝統的’
な党郚原䟡蚈算システムずその構成は倉わるこずがない。ただわれわれの原
䟡蚈算システムは各サブシステムそれぞれが独自の経営管理目的に適合的な
情報を提䟛するζずを䞻県ずしおいお組織圢態・䌁業芏暡・各管理階局の組織
内での圹割などを十分に考慮しおか぀埓来の原䟡蚈算システムのも぀さたざ
たな欠陥䞀たずえば配賊の画意性䞀を解消しようずいう目的をも぀もので
あるこずで䌝統的な原䟡蚈算システムずは異なる。そこで特にコスト・ビヘむ
ビアに泚目した堎合には費目別蚈算・郚門別蚈算によっおもずめられるむン
プット基準で区分しおもずめられた原䟡は補品別蚈算の段階で集蚈されるこ
ずになるがこれをヌアりトプット基準にあずづけおどのように区分されるのか
が問題ずなるのである。぀たりむンプット基準によっおたずえば固定費
倉動費準倉動費ず区分された原䟡をアりトプット基準のもずでの期間原䟡
盎接原䟡ずいう原䟡区分に倉換するような䞀定の察応関係が存圚するかどうか
ずいうこずである。ここでいう察応関係が満たされた堎合にのみ倉動予算ず
盎接原䟡蚈算はそれぞれ独自の機胜を発揮しか぀盞互に有機的な結合関係を・
も぀経営管理技法であるずいえる。しかし䌝統的な原䟡蚈算手続ではコスト・・
ビヘむビアを正しく把握するこずができない。それは再䞉のべおきたように
盎接原䟡蚈算ず倉動予算ずではコスト・ビヘむビア分析の基準ずなる操業床操
業単䜍が異なるこずに起因しおいる。぀たわ䞡技法ではコスト・ビヘむビア
を反映しない蚈算が行なわれおいる。したがっおこの䞡者はそれぞれ別個に
機匕する経営管理技海であるず考えるのが劥圓であろう。ここでのべたこずは
図3で基瀎的原䟡集蚈システムのずころを党郚原䟡蚈算ずおきかえお図瀺でき
第3節 倉動予算ず盎接原䟡蚈算の関係 29
る。
く3盎接原䟡蚈算を経垞的原䟡蚈算システムずする堎合
最埌に経垞的な原䟡蚈算システムずしお盎接原䟡蚈算を考える堎合に぀い
1おのべるこずにする。このずきには原䟡はすでにアりトプット基準のもずに
期間原䟡ず盎接原䟡に区分されおいるものず考えおよい。そこで倉動予算のよ
うに原䟡管理に重点をおく経営管理諞技法が有効に機胜するためには䞊蚘の
原䟡区分をむンプット基準による原䟡区分ぞず合理的に区分しかえる必芁があ
る。泚意しなければならないのはむンプット基準の遞択によっおアりトプ
ヅト基準による原䟡区分ずむンプット基準による原䟡区分ずの察応関係が異な
っおくるこずである。2ず3のケヌスではアりドブッド基準で枬定された原
䟡ずむンプット基準でのそれが経垞的に運甚される原䟡蚈算システムが䜜動
するうえで支障をきたさない範囲でそれらの真の関係をできうる限り写し出
すこずが必芁である。蚀葉をかえればむンプット基準ずアりトプット基準ず
の正しい関係をできるだけくずさないような蚈算システムを構築するこずを考
えねばならない。
これらの䜜業がどのようになされるかに぀いおは図4のようになるだろう。
぀たり②③どちらのアブ質䞀チをずるにしおも・倉動予算ず盎接原䟡蚈算
の間に関係をみいだそうずする堎合にはむンプット基準による原䟡分解ずア
りプヅト基準のもずでの原䟡分解にそれぞれの有効性を認めた䞊で䞡者の関
・係が明らかになるこずが必芁である。しかし䞊蚘の問題に぀いおの怜蚎が十
分になされおいない珟圚のずころ基瀎的原䟡集蚈システムからの考察を行な
う堎合よりも䞊蚘のようなアブ戞䞀チによっお倉動予算ず盎接原䟡蚈算の関
準
倉動費
固定費
期間
原䟡
による原䟡区分
アりトプット基準
同䟡
盎原
原䟡区分
むンプット基準による
問䟡
期原
蚈
経垞 的 原 䟡
算
ず
ト
プ
4
ã‚€
図
を
蚈合
䟡堎
原る
郚す
党ず
算
による原䟡区分
アりトプット基準
盎原
・接䟡
原䟡区分
むンプット基準による
ω
倉動費
の盎接原䟡蚈算を経垞的原䟡蚈算
ずする堎合
ン
むンプット基準ずアりトプット基準の察応関係
基準
ツ
30第1章 コスト・ビヘむビア分析の芖点
係を明らかにするこずは困難な䜜業であるずいえる。
結 び
䌁業は今日その内圚的な諞目暙ず䌁業倖郚からのむンパクトに倚分に圱響
された目的の達成にむけお䌑みなく掻動する瀟䌚の䞀構成芁員である。このよ
うな倚元的な目暙を調敎しその達成にむかう過皋で䌁業は皮々の意思決定
問題に察凊し䞀定の方向性をしめすずずもに䌁業内で生じる諞問題に察し
おは特に蚈数による管理ならびに統制掻動を実斜しなければならない。蚈数に
よる䌁業掻動の管理のために管理䌚蚈は重倧な責務をになっおいるのであるひ
組織内で生じる皮々の問題に察しお有甚であるずされる技法はかなりの数存
圚するものず思われる。これらの技法の適甚䞊で䜿甚される数倀はその倧郚
分組織内に存圚する蚈算システムから経垞的に生み出される基瀎数倀を加工・
凊理したものである。このような経垞的蚈算シスデムからえられる数倀がたっ
たく偏向を垯びず䌁業の実際の諞掻動をできるかぎりありのたたに写し出す
ものであればこれをよりどころにしお皮々の目的に適応的な経営管理諞技
法の盞互関係を明らかにできるだろう。
本章では䞊蚘のような分析芖野から倉動予算ず盎接原䟡蚈算の関係を考察
した。䞡者は第1節第2節でしめしたようにTそれぞれ独自の機胜領域を持
ちそこにおいおはかなりの有甚性を発揮する経営管理技法である。しかしこ
れらは䜿甚する原䟡数倀の分解コスト・ビヘむ電アの分析に関しお眪なか
ちぬ問題をそれぞれの蚈算機構に内包しおいるため’それらが組織䜓の経営管
理システムにおいおどのように䜍眮づけられ䞡者がどのような関係にあるか
に぀い 埜繍をもたち劂さいたらなかアた・したが・お冷埌撫
われが远求すべきは前節で抂芁をリベ牟奉瀎物界䟡蚈算システ李の肉感を充
実させるこずである。その足がかりζなるのは再≒指摘しおいるように䞀定
の操業床枬定単䜍のもずで原䟡を区配するこず鍋般的にいえばコスト・ビヘ
むビアめ分析に関し’お考察をさらに詳现に行な’うごずである。「「コスト・ビヘむ
ビア分析の問題を考えるためには本章でのべたように枬定した原䟡数倀をど
第3節 倉動予算ず盎接原䟡蚈算の関係 31
のような目的で䜿甚するかを前もっお怜蚎しおおく必芁がある。原䟡を単づの
原䟡䜜甚因にあずづけお把握するこずの有甚性は吊定できないが特に耇数の
原䟡䜜甚因を考慮しお原䟡の枬定あるいは掚定を行なおうずするアブβ䞀チは
倉動予算や盎接原䟡蚈算にかぎらず皮々の経営管理技法の持぀朜圚胜力をさ
らに増倧させるものずしお今埌さらに怜蚎を加える必芁があるものず考える。』
次章以降ではコスト・ビヘむビアを把握するための諞方法を怜蚎しこれら
ず経営管理諞技法ずの関連をさぐっおみたい。
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32第1章 コスト・ビヘむビア分析の芖点
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τ20コ 小林哲倫皿「暙準原䟡の枬定ず分析」『䌚蚈』昭和53幎8月号。
21コ 久保田音二郎著『盎接暙準原䟡蚈算』千倉曞房昭和40幎。
τ22コ 溝ロヌ雄i著『近代原䟡蚈算䞀原䟡管理』囜元曞房昭和54幎。
23コ 溝ロヌ雄著r最新䟋解原䟡蚈算』䞭倮経枈瀟昭和46幎。
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33
第2章 コスト6ビヘむビア分析技法の怜蚎1
䞀䌝統的分析技法䞀
第1節 抂
説
本章を含む以䞋の3章ではコスト・ビヘむビアの分析に䜿甚される諞技法に
぀いお怜蚎を加える。コスト・ビヘむビアの分析技法は皮々の芳点から分類す
るこずが可胜ではあるが本曞では固定費・倉動費の区分を前提ずするものず
固定費・倉動費の分解を念頭にはおかないものずいう分類を行なうこずにする。
前者に属するものずしおは勘定科目別意話法最高最䜎法および目芖法
スキャッタヌ・チャヌト法がある。埌者に属するものずしおは回垰分析が
ありこれは第3章および第4章で説明を行なう。前者に属する技法ずむンダ
ストリアル・゚ンゞニアリング法は䌝統的に䌚蚈実務で広範に䜿甚されおきた
コスト・ビヘむビアの分析技法でありこれらは本章でたずめお説明を行なう。
ずころで最小自乗法による単玔回垰分析は固定費・倉動費の分解を前提ずす
るコスト・ビヘむビアの分析方法であるずの理解カミデ般的であるが本曞では
そのような立堎をずらない。その理由は論を進める過皋で次第に明らかにされ
るであろう。
さおコスト・ビヘむビアの分析方法を䞊蚘のように2぀に分類するこずの
意味に぀いお若干觊れおおきたい。経営管理のために有甚であるずされる技法
のうち倚くのもの䞀たずえば前章で怜蚎した倉動予算盎接原䟡蚈算や損益
分岐点分析など䞀は原䟡には操業床ずの関連で固定的なものず操業床倉動
によっお倉化するものがありかかる基準で固定費ず倉動逐ずに区分された原
䟡デヌタがすでに手蚱にあるものずしお考察が行なわれるこずが倚い。そこで
これら技法の適甚にあたっおはたず原䟡を固定費・倉動費に区䌚するための
分析がなされる必芁がある。これがコスト・ビヘむビアの分析である。ただし
ここでの分析は操業床ずめ関連でのコスト・ビヘむビアを詳现に怜蚎するこず
34第2章 コスト。ビヘむビア分析技法の怜蚎1
に最璜点があるのではなくおコスト・ビヘむビアを正確に把握するこずを攟
棄しおも固定費・倉動費の抂念にあった圢に原䟡項目を区分するこずに重点が
おかれる。぀たり経営管理技法の適甚が容易になるように原䟡数倀を加工しよ
うずするものである。したがっお本章でずりあげるコスト・ビヘむビアの分’
析技法はむンダストリアル・゚ンゞニアリング法をのぞいおいずれも原䟡分
解技法であるずいうのが劥圓かもしれない。これらは「コスト・ビヘむビアを
把握するための分析技法ではなくおこれらの技法から明らかにされるビヘむ
ビアを刀断基準ずしお原䟡を固定費・倉動費等の原䟡抂念範疇に分解しお区
分する方法なのである6・
䞀方回垰分析に぀いおはどのように考えられるのだろう。このアプロヌチ
では原䟡の過去の掚移に泚目しおこれをもっずもよく説明するであろう倉数
を統蚈的に遞択し盞関分析の適甚さらにこの倉数ず原䟡の間の関係をも
りずもよく反映する関数圢を遞択した䞊で最小自乗法ずいう基準でこの関数圢
をあおはめるのである。回垰方皋匏のパラメヌタの掚定倀は埓来は固定費ず倉
動費率を衷わすず考えられるこずもあったがこれは正しい解釈ではなく䌚
蚈䞊利甚䟡倀のあるのは独立倉数の1単䜍の倉化が原䟡に䞎える圱響を意味
する぀たり限界原䟡をあちわす回垰係数のみであり定数項の数倀は利甚で
きないず考えるべきである。このような手続からわかるのは回垰分析はコス
ト・ビヘむビアの明確iな把握ずいう点に重点があっお獲埗された回垰方皋匏
をどのように利甚するかずいった事埌的な考慮は分析自䜓セこは入りこんでいな
いこずである。したがっお次のステップずしおは回垰分析でえられた回垰方
皋匏を生かしお぀たり明らかにされたコスト・ビヘむビアを基瀎ずしで
それを皮々ρ経営管理技法ずリンクさせるこずを考える必芁は圓然のこずなが
ら生じおくるのである。䞊蚘のこずから回垰分析はその適甚にあたっお固定
費・倉動費の区分を前提ずしたコスト・ビヘむビアの分析技法ではないこずが
おおよそ明らかになったず思う。
本章では䌝統的なコスト・ビヘむビア分析技法を吟味するが’たずコスト・
ビヘむビア分析を行なうにあたっお必芁だず思われる準備䜜業に぀いお怜蚎す
第1節抂 説35
るこずにする。この準備䜜業は特に過去の芳枬デヌタを利甚する分析技法に
ずっおは䞍可欠なものであるがむンダストリアル・゚ンゞニアリング法を適
甚する堎合にも参考になるこずが倚い。
1
第2節 コスト・ビヘむビア分析の準備䜜業
過去原䟡資料を甚いお原䟡掚定を行なおうずする堎合にたず泚意しなければ
ならないのはIE法ずのアブβ䞀チの仕方の違いである。呚知のように IE
法はむンプットずアりトプットの技術的関係を明らかにしょうずするものであ
る。それに察しお過去原䟡資料を甚いるアプロヌチではIE法でもずめられ
るむ゜プットヌアりトプットの技術的関係を基瀎ずはしないのであっおむン
プットをあらわす掻動氎準ず原䟡芳察倀ずの組になったデヌタから過去におけ
る䞡者の関連を明らかにしこれによっおコスト・ビヘむビアの分析を行なお
うずするのである。それ故䞊蚘のような特城をも぀過去原䟡資料を甚いたコ
スト・、ビヘむビアの分析法を適甚しようずする堎合にはその実斜の準備段階
ずしお以䞋の䜜業を行なう必芁がある。ζれらの䜜業は簡䟿な技法を甚いる堎
合にで郵行なわれなければなら救いが・特に第3章および第4章でのべる回垰
分析を䜿甚しようずする堎合には必芁䞍可欠な䜜業である。・それではたず準
備䜜業に぀いおそれらを列挙し以䞋でそれらのそれぞれに぀いお怜蚎するこ
ずにしだい。
1 䌚蚈凊理手続が原䟡デヌタに偏向をあたえおいない汐・どうかを怜蚎し
原䟡デヌタが偏向しおいるこずが明らかな堎合には是正措眮を講じる。
2 芳枬倀の獲埗された状況を怜蚎し、原䟡デヌタが同質的であるかどうか
を調査する。
3 適切な操業床枬定単䜍を遞択する。
4 原䟡ず操業床枬定単䜍の関係および予枬原䟡額からの偏差を明らかにす
2
る目的で芳枬デヌタを図衚䞊にプロットする。
1 本節の論述はDopuchΞ’・α」・4PP・53−56に基瀎をおいおいる。
2 DopuchΞ’・σ」・4コP・53・
路 第2章 コス’ト・ビヘむビア分析技法の怜蚎1
21 芳枬倀における偏向の存圚の怜蚎
䌚蚈的凊理をうけた原䟡数倀は操業床枬定単䜍ずの関連でそのビヘむビア
を明らかにするこずに困難が生じるこずが倚い。いいかえれば䌚蚈数倀をそ
のたたの圢で甚いおそのビヘむビアを明らかにするこずはほずんど䞍可胜な
3
のである。このような障害をのりこえおコスト・ビヘむビアを明確に把握す
るためには芳枬デヌタぜ以䞋の4぀の芁件をみたしおいなければならない。
たた芳枬デヌタがこれら芁件をみたしおいない堎合には芳枬デヌタを芁件
をみたすように修正するか再床諞芁件を満足するデヌタを収集しなおさなけれ
4
ばならない。
1原䟡デヌタず経営掻動をしめすデヌタは同䞀期間のものでなければなら
5
ない。 この芁件は原䟡発生孊を䞀定の操業床枬定単䜍にあずづけお把握しよ
うずする堎合に䞡者間に明確な期間的察応関係をもずめるものである。しか
るに財務䌚蚈的発想にもずずく費甚・収益察応の原則にしたがっお蚘録され
る数倀は期間における費甚ず収益の察応に重点をおくものの原䟡ず操業床
単䜍の蚘録に぀いおの期間察応には留意しおいないのである。原䟡蚘録䞊にタ
むム・ラグが存圚する堎合には掻動基準の蚘録期間ず原䟡発生額の蚘録期間
に぀れが生じるこずになるので慎重な怜蚎を行なっお原䟡ず掻動蚘録を察応
させおやらねばならない。
備晶・消粍品の原䟡を掻動指暙にあずづけお把握しようずする堎合にも類䌌
の問題が発生する。これらの原䟡を備品・消粍晶賌入時に費甚ずしお凊理する
ものずすれば賌入時期が䞍芏則であったり掻動氎準が䜎い時期に賌入がな
されたりすれば発生原䟡ず掻動基準の間には察応関係が認められなくなるの
3「分析に䜿甚するデヌタを単玔に通垞の原緬蚈算蚘録から入手するずすれば回
垰モデルのアりトプットが有意矩であるずいう芋蟌はほずんどない。」Benston1コ
pp663−663
4原䟡蚈算方法を根底から再怜蚎する必芁が生じる可胜性がこの問題を远求しおい
けば生たれるであろう。乃錠P・663を参照のこず。
5 DopuchΞ’σ乙4コP54
第2節 コスト・ビヘむビア分析の準備䜜業37
である。このような費目のビヘむビアを把握するためにはそれを䞀般的な操
業床枬定単䜍にあずづけるこずを攟棄しおもっずも圓該コストの態様を明確
にしめす尺床を利甚すべきなのである。
2芳枬デヌタは原䟡蚈算単䜍costing unitごずに適切に分類されね、
6
ばならない6 これは郚門別のコスト・ビヘむビアを明らかにしょうずする揚
合には䞍可欠な芁件である。郚門の蚭定は組織䜓の効率的管理の遂行ずいう点
にかなり匷調があるため原䟡を䞀定の操業床枬定単䜍にあずづけお濡錠する
こずは困難になるのである。コスト・ビヘむビアの把握が容易ずなるように原
䟡蚈算単䜍を組織単䜍ずは別に蚭定するこずも考えられるのだがこのような
二重構造をずる堎合の問題に぀いおは倚いに怜蚎の䜙地がある。たずえば責
任別に原䟡を区分するこずを第䞀矩的に考えるずコスト・局ビヘむビアの把握
カミ困難になるずいった状況も存圚するであろう。そこで組織単䜍ず原䟡蚈算
単䜍ずが䞀臎しおいるずいう通垞の状況においおは芳枬デヌタの郚門ぞの垰
属性を十分に考慮しおそれらの区分をできうる限り正確に行なう必芁がある。
3䌚蚈的配賊手続が原䟡蚈算単䜍の原䟡に䞎える圱響はこれを分離しお
7
把握しなければならない。固定費が原䟡蚈算単䜍に配賊されるずこの配賊枈
原䟡を含めた総原䟡を䞀定の操業床枬定単䜍にあずづけお把握しようずしおも
圓該枬定単䜍ずは無関連に発生する原䟡が混入しおいるため正確にコスト・
ビヘむビアの把握を行なうこずはできないたずえば固定費の配賊基準ず原
䟡枬定のための操業床枬定単䜍が同䞀の堎合には固定費をあたかも倉動費で
あるかのようにずりあ぀かうため倉動費率は実際のものより過倧評䟡される
こずになる。固定費の配賊額が郚門総原䟡に占める比率が倧きいずきほどこの
問題は深刻である。したがっお郚門原䟡のビヘむビアを分析する堎合には
配賊固定費を陀倖しおおく必芁がある。このような意味で盎接原䟡蚈算のシ
ステムは党郚原䟡蚈算のそれず比范しお郚門原䟡のビヘむビアを分析するのに
適切な蚈算システムであるずいえよう。
6 1ゐ’4p54
7 Z∂げ4p54
38 第2章 コスト・・ビヘむビア分析技法の怜蚎1
4芳枬デヌタを収集する堎舎の単䜍ずなるタむム・ピリオド原䟡蚈算期
間に぀いおは』それは意味あるデ戞タを収集できるだけの畏さがなければな
らないずずもに掻動氎準の倉化が平均化されるのを防ぐため可胜なかぎり
く 短期間でなければならない。䞀この芁件は2぀の内容を含んでいる。1぀は原
䟡に関する芳枬デヌタず掻動氎準をしめす芳枬デヌタずの察応関係が把握しう
るだけの期間が必芁であるこずを芁求するものである。もう1぀は原䟡ず掻
動氎準の芳枬デヌタはその関係が明確に぀かめるようにタむム・ピリオドは
短かくずれればずれるほどよいこずを内容ずしおいる。タむム・ピリオドが長
くなれば䞡者の関係が乎均化されおしたうのである。この2぀の察立する芁件
をずもに満足するこずは非垞に困難であるずずもに原䟡掚定の察象いかんに
よっおもっずも適圓なタむム・ピリオドは異なるであろうからコスト・ビヘむ
ビアの分析察象によっおもっずも適切なタむムピリオドを決定する必芁があ、る。
22 芳枬倀の同質性の怜蚎
原䟡を発生せしめる芁因は倚様である。しかし単䞀の操業床枬定単䜍を遞
択しそれにあずづけおコスト・ビヘむビアを分析するずいうアプロヌチをず
る堎合には遞択した枬定単䜍はもっずも匷く原䟡発生に䜜甚するものであり
か぀他の芁因のむンパクトはできうる限り埮少であるこずが望たしい。このよ
うな条件が満たされコスト・ビヘむビアの分析にあたっお理想的であるず思
われる状況䞋で原䟡掚定を行なうのであれぜ萌節でのべた原䟡数倀蚘録に関
する芁件を満たすこずのみを考慮すればよいのである。ずころが実際には遞
択した操業床枬定単䜍以倖の芁因の圱響を原䟡ならびに遞択された操業床枬定
単䜍がうけるのである。特に環境芁因の倉動がこれらに䞎える野牛は枬定が嗣
難であるず思われる。これら諞芁因の圱響を知り芳枬デヌタの同質性を確保
するこずがコスト・ビヘむビアの分析の成果を巊解する粋なのである。クロろ
・セクショナル・デヌタが䜿甚できる堎合にはそれを甚いお分析を行ない芳
枬倀の同質性が維持されおいるかどうかを怜蚎するのも䞀぀の方法であるσ芳
8乃錠P55 Benston1P・663も参照せよ。
第2節 コスト・ビヘむビア分析の準備䜜業 39
枬倀に同質性を確保できないような状況倉化が確認されそれらを調敎するこず
が困難な堎合には歎史的原䟡資料を甚いおコスト・ビヘむビアの分析を行な
うこずは断念しなければならないだろう。
23 独立倉数の遞択
9
独立倉数操業床枬定単䜍の遞択に぀いおは前章で詳现に怜蚎した。そこ
でここでは前章でのべたこずを芁玄的にしめしおおくこずにする。原䟡の掚
定を行なう際に䜿甚される倉数は原䟡の芳枬倀に匷く䜜甚するものでなけれ
癒ならないのは圓然のこずではあるがこの倉数ず原䟡発生額の間には因果関
係が存圚しなければならないこずに泚意すべきである。遞択された倉数がいか
に原䟡の動きをよく説明しえおも管理者が圓該倉数ず血枩の間になんらかの
因果関係が存圚するずいう合理的な信念がどうしおも持おない堎合セこはこの
倉数を甚いおコスト・ビヘむビナの分析を行ないそれをもずに原䟡を掚定す
るこずは断念すべきである。䞊蚘のような状況でもずめた原䟡掚定倀を実際に
䜿甚しそれに基づいお䜕らか㊧アクションをずれるものなのかどうかを考え
おも結論は明らかであろら。したがっお前章で操業床枬定単䜍の遞択にあπ
っお盞関分析が有効な刀断基準ずなるこずを指摘したが盞関分析の実斜に先
だっお぀ぎのしめすような手順をふむ必芁がある。すなわち操業床枬定単
䜍ずしお有資栌であるず䞀般にいわれる倉数なちびに原䟡掚定察象に特有の倉
数があればそれらもたずすべお列挙する。぀づいおコスト・ビヘむビアの分
析によっおえられる原䟡方皋匏がいかなる状況で䜿甚されるかを怜蚎するずず
もに管理者が原䟡ずの間に関係があるず合理的な信念をもおる倉数を列挙し
『たものの䞭から遞択する。この段階で遞択された倉数に぀いおは原䟡ずの因
果関係が認められそれら倉数を甚いお原䟡方皋匏をもずめそれを皮々の状
況で䜿甚するこずに぀いおの承認も埗られたごずになるのである。そこで䞊
’蚘のテストを通過した倉数のうちから1぀を遞択する堎合に刀断基準になるの
が原䟡ずこれら倉数の関連の皋床なのであっおこの段階ではじめお盞関分
皿が適甚できるのである。このような手順が正しくずられた堎合には盞関係
9第1章第2節2−2をみよ。
40第2章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎1
数の最も高い倉数を操業床枬定単䜍独立倉数ずする方針にしたがうこずに
は異論はなかろう。
24 図衚ぞのプロット
以䞊で説明しおきた準備䜜業が完了すればコスト・ビヘむビアの分析に必
芁な原子ず掻動氎準に関する芳枬デヌタが獲埗されたこずになる。そこでこ
の獲埗されたデヌタは察応する原䟡芳枬倀ず掻動氎準芳枬倀を1組にしお図衚
䞊にプ戞ットされる。芳枬倀の図衚䞊ぞのプロットはたずえば぀ぎのようにな
る。
原䟡
●
●
 ・
● ● ・
● ●
o
●
 ●
●
0 掻動氎準
さお図衚ぞの芳枬倀のプロットはこの段階で始めお行なわれる䜜業ではな
くおこの段階たでに幟床も実斜されおいなければならないのである。原䟡芳枬
倀ず掻動氎準に぀いおの芳枬倀間のタむムラグの存圚の確認や盞関分析の準備
䜜業ずしお図衚ぞのプロットは重芁な䜜業である。コスト・ビヘむビア分析の
準備䜜業ずしお図衚ぞのプロットを行なえば適切な原䟡芳枬倀ず掻動氎準芳
枬倀であっおも異垞な芳枬倀が存圚するこずがあるがこれを容易に明らかに
するこずができる。このような異垞倀に぀いおはそのデヌタがえられた期間の
掻動を再怜蚎しおその原因を究明しおおくこずがのちの分析を実斜する䞊で重
芁ずなる。さらに芳枬倀のプロットを行なっおおればのちにのべる回垰分析
を甚いおコスト・ビヘむビアの分析を実斜する堎合には、これら異垞倀が非
同質的な芳枬倀であるのかそれずもたんによく調敎された状況we11−ordered
situationあるいは安定的過皋stationary processのもずにおいおも䞀定
の確率のもずで獲埗されるものであるかを統蚈的に明らかにするこずができる
第2節 コスト・ビヘむビア分析の準備䜜業 41
10
のである。
たた図衚䞊に芳枬デヌタをプ露ットするこずによっお原䟡ず掻動氎準間
に存圚するず仮定した関数関係が実際にも劥圓するかどうかを怜蚎するこずが
できる。原䟡分析を始めるに際しお原䟡ず掻動氎準に盎線的掚移関係があるだ
ろうずの前提をおいおいた堎合に実際の芳枬倀がそのような趚勢をしめさな
いのであれば䞡者に盎線関係をあおはめるこずは劥圓ではない。このような
状況に遭遇した堎合には本章でずりあ぀かうコスト・ビヘむビア分析技法はも
はや有効でなくなり統蚈的方法によっお1別の関数圢をあおはめる2耇
数の独立倉数を遞択しお重回垰分析を適甚するζずを考える必芁があろう。
第3節むンダストリアル・゚ンゞニアリング法
IE法むンダストリアル・゚ンゞニアリング法ずはある生産プロセス
に察するむンプットず圓該プロセスからえられるアりトプットのそれぞれの芳
枬倀の間に存圚する物量的関係physical relationshipを特定する方法であ
る。補造プロセスにおけるこのむンプットずアりトプットの物量的関係は補造
されたアりトプットの明现な怜蚎を行なうこずによっお把握できるのである。
補造工皋は工孊的芳点から所䞎の材料組合せ劎働構成および資本蚭備の
11
もずで䞀定量のアりトプットが生みだされる様に蚭蚈される。この堎合のむン
プットヌアりトプット関係を工孊的芋地から決定する方法がIE法なのである。
このような意味でIE法は原䟡がいくら発生すべぎであるかをしめす芏範
12
倀を算出するものであるQただしIE法で決定されるのはむンプットずアノ
トプットの技衛的関係でありむンプットずアりトプヅト原䟡ずの関係を明ら
かにするものではないこずに泚意しなけれぜならない。むンプットに察するア
りトプット原䟡をもずめるにはIE法で確定された技術係数をそれぞれの䟡
栌芁玠材料単䟡や賃率に乗じる必芁がある。さらなζもうご぀の問題点は
10 1QpuchΞム認二4Pb 56
11 」ね‘6矩 P・ 51・
12 原䟡蚈算基準怜蚎委員䌚報告9コp11。
42第2章 ゎストLビペむビア分析技法の怜蚎1
アりトプット1単䜍の補造の芁する原䟡項目はIE法によっお技術的関係が明
らかになるもめだけではなくその倚くは個々のアりトプヅト単䜍に盎接的に
あずづけるのが困難なものが倚いのである。これらは発生する郚門においお盎
接原䟡であれば郚門ぞの垰属性ずいう芳点からは把握するこずができおもア
りトプット自䜓にはあずづけられない。このこずからIE法の利甚はむンデ
ットずアりトプットの技埳的関係が合理的に決定できる盎接劎務費や盎接材料
1314
費などの盎接費項目に限定されるこずになる。IE法によるコスト・ビヘむビ
アの分析はそれが盎接費項自を察象ずする堎合でも技術係数に乗ぜられる䟡
栌芁玠が技術係数の確定された状況時ず異なる堎合にはIE法を基瀎ずする原
䟡予枬には問題がある。1぀はIE法によっおもずたるのは理想的な状況にお
15
ける技術係数であるのに察しお実際には仕損や材料の浪費あるいは劎働効
率の倉化劎働構成の倉曎や習熟による効率のE昇あるいは䜎䞋がみられる
のである。もう1぀は賃率に応じお劎働意欲が倉化するずいう関係が存圚す
るず考えられるこずである。
『さらにIE法を実際に䜿甚する堎合には時間・動䜜研究をはじめずしお
その他数倚くの補造プ戞セスに関連する分析・怜蚎を行なう必芁があるため
非垞に高䟡なものに぀く。したがっおIE法の適甚にあたっおはコスト・ベ
ネフィッ「 g分析的考察を行なわなければならない。䞊蚘のこずからコスト・
ビヘむビアの分析にIE法を䜿甚できる状況を䞀般的にのべるなら1材料費
13実際IE法は暙準劎務費の暙準䜜業時間暙準材料費の補品単䜍圓たり消費量の
決定に利甚される。この堎合には■圓然それら暙準の芏範性を考慮しタむトネスに
぀いお調敎を加えるこずはいうたでもない。
14「技術的関係が明瞭な販売・䞀般管理掻動にもIE法は適甚される。
DopuchΞ’・α乙〔4P・51およびDavidsonΞ’σ」。3P125をみよ。
15理想暙準原䟡の抂念を想起されたい。理想暙準原䟡ずは「最も高い皋床の暙準
ずなる原䟡であっお原緬芁玠の䟡栌ずしおは長期的な正垞䟡栌を条件ずし技術的
にみお達成しうる最倧の操業床を予定したた䜜業胜率に぀いおも最高の状態を予定
しお蚈算されるものである。理論的に最高の氎準を瀺す暙準原䟡であるずいうこずが
できる。」溝口〔8コP・260。
第3節 むンダストリアル・゚ンゞニアリング法 43
および劎務費のアりトプット総原䟡に占める割合がかなり高くこれはIE
・法を適甚しお正確な原䟡掚定を行なえるこずによるベネフィットが導入にかか
特 城
短 所
長 駈
問 題 点
適甚領域
異垞状態を考慮しおい
ない分析時の状況に
正確である
工孊的芋地からむンプ
cトヌアりトプッドの
係を把握する
化が生じるず適甚で
費甚ず手数がかかりす
将来の原䟡があるべき
ない
盎接劎務費、盎接材料
?i特に暙準額の算定
る
利甚〉
将来の原䟡発生額の予
ずいう芏範倀が算定
には䜿甚しにくい
きる
間接費項目には適眵で
ない
管理芁玢単䜍coπレ
最eルc」σr傭のを利
pしお適甚する。
歎史的原䟡資料が存圚
ない堎合の原䟡掚定
わるコストを䞊回る状況の䞀䟋瀺であるか぀2むンプットヌアりトプット
の関係が時間の経過の圱響をうけず安定的である堎合であるずいえよう。IE
法の長所・欠点適甚領域などを䞀芧衚でしめせば䞊蚘のようになろう。
第4節 勘定科目別怜蚎法
勘定科目ごずにその勘定に含たれる費目のビヘむビアを分析実斜者が決定す
る方法を勘定科目別怜蚎法 iinspection of chart of acCountsずいう。これ
はあるアりトプット氎準κ。であるずきに期末勘定残高を個別に怜蚎しお固
定費ず倉動費ずに区分するずいう圢で行なわれる。勘定が固定費項錠ず倉動費
項目ずに分類されればアりトプッ’ト氎準κのずきの総原䟡TCは぀ぎのよう
に衚わすこずができる。
TC䞀苧畷響・・
侀
固定費 倉動費
ここで
FCゎ固定費に分類された1ブ番目の勘定残高  
γCゎ倉動費に分類されたブ番目の勘定残高
艇 第2章 質スト。ビヘむビア分析技法の怜蚎1
絢謂分析に䜿甚した勘定残高を蚘録した期間のアりトプット氎準
κ篇原䟡掚定を行なおうずしおいる期間の予想アりトプット氎準
であるQ
霪科目別怜蚎灘よる原䟡分類の実䟋を以䞋無考のため蚘茉しおお。駝
菓機械䌚瀟
く倉動費〉
①補造原䟡
盎接材料費聞接材料費補助材料費消粍工県噚具費基準倖賃金光熱諞費還
送費倖泚加工費
② 販売費・䞀般管理費
基準倖賃金運送費旅費亀通費亀際費倖泚工賃販売奚励金カヌクヌラヌ物
品皎および特蚱暩䜿甚料
く固定費〉
① 補造原䟡
間接材料費原材料費補品・半補品費消粍工具噚具備品費基準内賃金雑絊
犏利費厚生費保険料修繕費租公皎課旅費亀通費通信費図曞費詊隓研究
費亀際費広告宣䌝費賃借料クレヌム費事務甚消粍品費教育費棚卞茝茝費
雑費枛䟡償华費仕損費有償支絊差額
② 䞀般管理費
基準内賃金犏利費圹員報酬厚生費保険料修繕費光熱諞費租皎公課通信
費図曞費広告宣䌝費賃借料䟛詊品費事務甚消粍品費監査費甚棚卞枛粍費
雑消粍品費雑費枛䟡償华費
③ 営業倖費甚
某機械䌚瀟
く倉動費〉
① 補造原䟡
材料費〔玠材費玠型材費鋳鍛造品費具備品費朚型費〕倖泚加工費倖泚蚭蚈
費を含む劎務費〔時間倖手圓深倜業手圓䌑B出勀手圓雑絊日雇アルバむト
等経費〔電力料・氎道料・瓊斯䜿甚料ただし基本料郚分を陀く修繕料ただし
定期的ないしは経垞的に発生する郚分の費甚を陀く通信費郵䟿料等経垞的に発生す
る郚分を陀く
② 販売費
販売盎接費〔荷造梱包費運賃運送保険料販売手数料ロダリテ匟茞出諞掛
16 蚘茉䟋は䌁業経営協䌚線7コpp191−192から匕甚した。
第4節 勘定科目別怜蚎法 45
旅費亀通費ただしクレヌムやサヌビス出匵興野取扱説明曞等〕
〈固定費〉
① 補造原䟡
劎務費・劎務副費基準内賃金賞䞎匕圓金法定犏利費退職絊䞎匕圓金犏利斜
蚭費負担額逊成工蚓緎費厚生費経費〔賃借料保険料租皎公課枛䟡償华費
修繕費・電力料・氎道料・瓊斯䜿甚料・旅費亀通費・通信費これらの費甚のうち䞊
蚘倉動費以倖の郚分亀際費事務墚譜粍品費図曞費雑費
② 販売費・䞀般管理費
販売間接費・䞀般管理費圹員絊䞎絊料賃金埓業員賞䞎手圓法定犏利費退職
絊䞎匕圓金厚生費賃借料保険料租皎公課枛緬償华費広報費広告宣䌝費
海倖滞圚費事務甚消粍晶費図曞費手圢取立料雑費等
③支払利息割匕料
業皮生産圢態芏暡経営政策など皮々の芁件によっお固定費倉動費の区分
がかなり恣意的であるこずに泚意されたい。勘定科目別怜蚎法は分析実斜者
に豊富な経隓ず知識がある堎合には分析凊理時間をそれほど芁せずそのた
め分析にそれほどの費甚がかからないずいう利点がある。さらに原䟡構造や
原䟡分類に぀いお倉化が生じるこずを考慮しお定期的に改蚂するこずが可胜で
17
ある。このような珟状の実務に適した利点を持぀勘定科自別怜蚎法は原䟡分
18
解の方法ずしお広く䜿甚されおいる。
しかしながら勘定科目別怜蚎法には以䞋で順次しめすような欠陥を持っお
いる。たず第1に指摘しなければならないのは勘定科目残高を刀断基準ずし
お固定費倉動費の区分を行なうため分析実斜者の䞻芳的刀断がおおいに介
17 Dopuch 2圊8」4コp58
〈18倉動予算のための原䟡分解の方法ずしお調査䌚瀟120瀟がすべお勘定科目別怜
蚎法を利甚しおいるずいう実態調査報告がある。接曲・束本〔10pp124−125をみよ。
たた䌁業経営協䌚線〔7コの実䟋ずしおあげられおいる䌁業でもすべお勘定科目別䞁
蚎法を採甚しおいる。執筆者の1人は勘定科目別怜蚎法の採甚理由を぀ぎのようにの
べおいる。
「  実際には 原䟡を  筆老加筆を高等数孊的な解析手法を甚いお分解する
こずはその結果においお簡䟿法によるそれず比范しおも実務ずしおは倧勢に圱
響はないのであり初歩的な分解方法ではあるが単玔に科目によっお分類する個別
費甚法勘定科目別怜蚎法のこず  筆者泚をずっおいる。」p105
46 第2章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎1
入するこずである。勘定科目掌怜蚎法では䞀般に原䟡を固定費・倉動費の二
倧範疇に区分するためそのようなビヘむビアをもたない勘定の区別がはなは
だ恣意的なものずなる。さらに固定費・倉動費の区分にあたっお分析実斜者
は勘定の重芁性ず勘定残高の金額的重芁性を勘案しなければならないがこれ
は盞圓に困難な䜜業なのである。刀断があやたっおいれば原䟡掚定倀の信頌床
が䜎䞋しその利甚に困難が生ρるこずになる。
第2点は䌚蚈的凊理を加えられた結果である勘定残高は掻動氎準ずの関
係でコスト・ビヘむビアを把握するためめデヌタずしお備えるべき芁件を欠い
おいるこずである。䌚蚈的凊理カミ本来のコスト・ビヘむビアの把握を可胜ずす
る原䟡蚘録を行なうこずの障害ずなっおいるこずは前節31でのべた。した
がっお勘定蚭定の際にコスト・ビヘむビアの把握が可胜ずなるような配慮が
なされおいなければ勘定科目身䞈魔法は実効力をもたないずいうべきであるα
第3には勘定科目別怜蚎法においおは原䟡分解の基準ずなるものは生産量
などのアりトプット基準であっおむンプット基準がずれないこずである。コ
スト・ビヘむビアの分析はアりトプット基準によるものだけではない。むンプ
ット基準にもず぀くコスト・ビヘむビアの分析が䞍可欠な問題も数倚く存圚す
るのである。このような問題に察凊するために勘定残高を䞀定のむンプット基・
準にあずづけお固定費ず倉動費に区分するこずは珟状ではほずんど䞍可胜であ
る。業瞟胜率枬定に䜿甚される原䟡暙準を決定するのに勘定科目別怜蚎法にも
19 〒ト
ず぀く原䟡掚定倀は䞍適栌であるずいう指摘は䞊蚘の説明からも明らかであ
ろう。
最埌に欠点ずしお指摘できるのは原䟡方皋匏をもずめるのに勘定科目別怜
蚎法は䞀䌚蚈期間の資料しか甚いないこずである。過去の数期間の芳枬デヌタ
が存圚するずきにはこれらのすべおを䜿甚する原䟡掚定方法ずの比范では勘
定科目別怜蚎法は過去の芳枬デヌタにおける趚勢を原䟡方皋匏䞊に反映できな
いので明らかに劣っおいる。
19 DopuchΞ’α」4コP・59・
第4節 勘定科目別怜蚎法47
以䞊のべたこずを䞀芧衚にたずめるず぀ぎのようになる。勘定科目別怜蚎法
は䌚蚈実務で広汎に䜿甚されおはいるもののその信頌性ははなはだ疑問で
20
あり他の方法の補助的手段にずどたるものである。
1
特 城
長 所 短 所
勘定科目ごずに分析実塵者が
分折凊理旧聞が短かく、費甚
Aゥトプット基準に察しお固
阡?属するものず倉動費に
するものに䞻芳的刀断に基
いお区分する
かからない
䞊に介入する
@ 涛二』
適甚領域
他の分析方法の補助的手段ず
お甚いる
分析者の䞻芳的刀断が原䟡分
勘定科目粟
法自䜓の
G効性に疑
改蚂が容易である
原䟡デヌタ自䜓が分析にたえ
るものでないものが倚い
’ 髄、
問題点
竄ある
盎「
@ 挞揮亀 鞭・・ぜ1ぐ「
@ 翫、
@ ヂ
掟@ 曙
むンプット基準にあずづけお
Rストビヘむビアを把握する
ずは困難である
暙準蚭定に
䜿甚でき
い
@ ポ廊 黛 骞繍
䞀䌚蚈期間の芳枬デヌタしか
3ずe滅を考
g甚しない
しない
第5節最高最䜎法
コスト・ビヘむビアを過去の原䟡資料を基瀎ずしお把握しようずする堎合
䌝統的な方法の1぀ずしお最高最䜎法high・low methodがある。これは原
䟡額を操業床独立倉数あるいは説明倉数の倉動にあずづけおどのように
倉化するのかを把握しようずする方法であるずいう点では次章で説明する回
垰分析ず同䞀基盀に立぀ものである。ただ最高最䜎法では呚知のように利甚
可胜な原䟡ならびに操業床をあらわす掻動氎準の芳察デヌタのうちで最高操
20 「  したがっおこの方法は他の分解法ずの䜵甚を前提ずし分解を芁する費
目ず分解を芁しない費目ずに鯖い分けをする最初の手続ずしお採甚するのが適圓で
ある。過去の経隓から玔粋の倉動費たたは固定費であるこずが明らかな費目をたず
遞び出しあずに残された費員を他の方法によっで分解すればよい。この筋い分け
にさいしお䟋えた康材料のようセヒ技術的に倉動費である費目ず広告費亀際費
詊隓研究費などに぀いおそれぞれの予算を売䞊高の䞀定率に定めるために䌚蚈方
針によっお倉動費化する自由裁量倉動費ずを区別する必芁がある。」原䟡蚈算基準怜
蚎委員䌚幞艮告9p12
48第a章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎1
十時ず最䜎操業時のデヌタ぀たり2組の芳枬倀をもずにしお原䟡盎線〃監α
21
÷䟃をもずめるのである。以䞋のような芳枬倀デヌタがあるずき原䟡盎線
は最高最䜎法によれば぀ぎのように決出される。
è¡š1
原䟡 操業床
䞀偏
単䜍1000ドル 単䜍1◎00
鑑纂釜蔓延犊
幎 〃 κ 鑑2
1964
ナ966
「1967
「1968
ナ969
1970
』1971
ナ972
ナ973
ナ974
合蚈
くΣ
3600 15720
180625
T5
3025 12650
555025
476199 3017
V2
5184 17784
330625
19048 190956
214141 、05
蓋
3654
κ写 ヲヌ写2 ず䞀の2 ④䞀の2
60
58757485。。。。9400
ナ965
1
1963
差䞀
3844 15996
乞16225
3364 13920
416025
351234 27。41
5625 24750
65025
1648 87375
5476 23236
9025
5S39 28246
7225 28900
126025
80740 5020
7744 30624
189225
145595 2855
8836 33840
308025
332252 459
8464 32200
207025
261597 3188
10000 37500
497025
594837 4390
72387 287120 3099900 2761100 338800
y
400000
原
8●
●
3qo000
䟡200000
100、000
筋擊業床
0 5060708090100 単䜍1000
図2
21 Corcoran2コp48
278470 10548
第5節最高最䜎法49
幎床 卞原䟡額 κ操業床
最高操業床 1974 375000 100000
最䜎操業床 1964 230000 55000
」差異 145000 45000
原䟡盎線の傟き瓢4ン4κ嵩14500045000諟322奪う
原䟡盎線の方皋匏 ッα十うん堂㍑十322κ
メ竺100000のずきッ諞375000韍銘322×100000
であるからσ艶53000
ずなる。したがっおもずめる原䟡盎線の方皋匏は
〃53000十322κ
固定費 倉動費
このような最高最䜎法による過去原䟡資料ぞの原䟡盎線のあおはめは1算
定凊理時間が短かく2理解が容易であるずいう長所をも぀ため実務rさはし
がしば利甚されるコスト・ビヘむビアの把握方法である。しかし最高最䜎法
によっお原䟡垂線を確定しようずする堎合には利甚可胜な芳枬デヌタのうち
総原䟡
0
操業床
50第2章亚スト・ビヘむビア分析技法の怜蚎1
からただ2組のデヌタしか䜿甚しないため前ペヌゞの図のように最高操業
時および最䜎操業時の芳枬デヌタが他のすべおのデヌタを代衚するものではな
いずきには問題がある。
芳枬デヌタをプロットしたスキャッタヌ・グラフに最高最䜎法によっおもず
めた原䟡盎線をえがいおみれば䞊蚘のような状況が存圚するかどうかが盎ち
に明らかになる。堎合によっおは最高最䜎法でもずめた原䟡盎線をもずにす
るず早たった意思決定を䞋す危険もある。したがっおやむをえず原䟡盎線
の決定に2個日芳枬デヌタを䜿甚するずきには最高点・最䜎点を無条件に採
甚するのではなくお芳枬倀を代衚しできうるかぎり広い操業圏をカバヌす
23
る2組の芳枬デヌタを利甚するこずが望たしい。
さらに䞊蚘の問題にも関連するのであるが最高最䜎法やそれに準じる方
法によっお獲埗した原䟡方皋匏がどの皋床芳枬デヌタに適合するものである
かを刀断する客芳的基準は珟圚のずころ存圚しないこずに泚意すべきである。
過去の歎史的原䟡芳枬デヌタを䜿甚しおコスト・ビヘむビアを明らかにし原
䟡方皋匏を獲埗しようずするアプロヌチでは最高最䜎法のみならず次章で怜
蚎する回垰分析においおもわれわれは暗黙のうちに過去の原䟡実瞟ず同様の
原䟡の趚勢が将来にも考えられるこずを仮定しおいるのである。したがっお
このようなアブβ䞀チではたず獲埗された原䟡方皋匏がその算定の基瀎ずな
った芳枬デヌタに適合するものであるずいう確蚌がえられる必芁がある。この
23同様の指摘がドパッチらによっおもなされおいる。「この2぀の極端な倀最高
点・最䜎点をいう  筆二二はただ党䜓的な差しか反映しないので結果ずしお
えられる原䟡方皋匏はいかなる異垞状態の存圚も考慮しおいない。最高点および最
油点が党䜓の趚勢をあちわすものでない堎合算定された原䟡関数は実際には正
垞ではない原䟡䞀操業床関係をしめすものずなる。」
Dopuchβ乙7」4コp61
なおホヌングレンが泚蚘しおいるデムスキヌによるnext high next low method
next・next・high臓ext・next40w methodを甚いる堎合にもそれらの点が芳枬倀を代
衚する2点であるず結論できる根拠は存圚しない。ただ最高・最䜎点を分析からは
ずしおも掚定量が統蚈的な皮々の特性を倱わない状況に぀いおの考察が統蚈孊では
なされおいるこずを付蚘しおおこう。Horngren5コP788
第5節最高最䜎法51
こずが確認されではじめお原䟡方皋匏を将来にむけお䜿甚するこずの可胜性
がひらけおくるのである。
最高最䜎法のように簡䟿なコスト・ビヘむビアの把握方法を䜿甚しようずす
る堎合にでも本章第2節でのべたコスト・ビヘむビア分析の準備䜜業が実斜
されおいなければならない。さらに原䟡盎線の傟き倉動費率は遞択され
た芳枬デヌタいかんによっお盞圓に倉動するため固定費額にも重倧な圱響を䞀
あえるずず敵二䞀し源䟡䞉二をいかなる目的鞭早るかによっ
お原䟡方皋匏にもずめられる信頌性の皋床は異なるのは圓然ずしおもこのよ
うな䞍明瞭なコスト・ビヘむビアの把握方法にもず぀く原䟡方皋匏を皮々の
意思決定問題に適甚するずいうこず暹䜓に盞圓な問題を内包しおいるものずい
える。したがっお最高最䜎法を䜿甚する堎合にはその限界を十分に認識しお
おかねばならない。
最高最䜎法の具䜓的な適甚状況ずしおはたずえば意思決定に必芁な正確で
詳现な原䟡デヌタがえられるたでの間にたずラフなデヌタでもっお意思決定
状況の抂芁を把握しようずしおいる堎合が考えられる。このずきには最高最䜎
法によっおもずめた原䟡掚定倀が利甚できるだろうび
最埌に最高最䜎法に぀いお䞀芧衚の圢で芁玄しお霜きたい。
特 城
芳枬デヌタから最
q?時、最䜎操、桑時2組のデヌタ
長 所
短 所
算定凊理時間が短
い
める
しい掚定倀がえ
2組の芳枬倀しか
枬デヌタの趚勢
理解が容易である
造甚傟鱗
意思決定に際しお
g甚しないため、
遞択し、それら
ら原䟡盎線をも
問旧悪
正しく反映でき
ない
最高最䜎点が芳枬
fヌタを代衚しな
堎合の凊理をい’かに行なうか
蜀黷驍でに、た
ラフな掚定倀に
謔、おおおよその
況を把握するよ
な堎合に利甚さ
é»·
最高最䜎点が芳枬
fヌタを代衚する
烜であるずきに
、かなりすぐれ
原䟡掚定億がえ
蜀黷
24 Corcoran二2ナP・50・
52 通露章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎互
第6節 目 芖 法
図衚䞊にプ滋ットされた芳枬デヌタをみお原䟡芳枬デヌ寮ず掻動氎準芳枬デ
ヌタの関係をもっずもよく説明する盎線を目芖で決定するのが目芖法v侉sual
α1fve fitting må°±hodである。目芖法はスキャッタヌグラフ法scatter
graph methodずもよばれる。最高最䜎法を甚いおもずめた原䟡盎線が芳枬
デヌタにあたりフィヅトしおいないず思われる堎合には目芖法を利甚すれば
より適切な原䟡盎線をもずめるこずができるかもしれない。䞋図を参照された
い。1が最高最䜎法による原䟡盎線2が目芖法によるものである。
総原䟡
1
【2
●
・◆
● ●
●
0 掻動氞準
そこで目芖法は最高最䜎法の補助的技法ずしお有甚であるずいえるかもし
25
れない。
又目芖法によれぜ芳枬デヌタがすべお䜿甚されるこずになるため勘定科
員別怜蚎法や最高最䜎法に比范すれば目芖法はすぐれた方法であるずみるこず
26
もできるのである。
しかしながらスキャッタヌ・グラフを甚いお分析実斜者が目分量で盎線を
あおはめるのであるから同䞀の芳枬デヌタに別の盎線が他の分析実斜者によ
っおあおはめられるこずもあろう。このような堎合にいずれの盎線がもっず
25 DopuchΞムσ」・4コP61
26 Horngren 5 P。7葛9
第6節 目 芖 法 53
も適切であるのかの刀断基準がないこずが目芖法の欠点である。
結
び
本章ではたず第1節でコスト・ビヘむビア分析を行なうにあたっお考察しな
ければならない事項をしめすずずもにコスト・ビヘむビア分析を実斜する䞁
合の方針を明らかにした。第3節で説明を加えたむンダストリアル・゚ンゞニ
アリング法はそれが適甚できる状況においおは過去の芳枬デヌタを䜿甚する
いく぀かのコスト・ビヘむビアの分析方法よりもすぐれたものである。ただむ
ンダストリアル・゚ンゞニアリング法はむンプットずアりトプットの関係が明
瞭である状況たたは䞀郚門費昌にその適甚が限られるずいう欠点をも぀のであ
る。そこでむンダストリアル・゚ンゞニアリング法の守備領域倖をカバヌす
るものずしお過去の芳枬デヌタにもず぀く蚟スト・ビヘむビアの分析方法の意
矩が認あられる。過去の芳枬デヌタにもず぀くコスト・ビヘむビアの分析を行
なおうずするずきに考慮しなければならない諞事項に぀いおは第2節で怜蚎し
た。ここのべたこずは分析実斜に先だっお欠くこずのできない最小限の事撰で
あっお次章で怜蚎する回垰分析を実斜する堎合にはこれらに加えおずりあ
27
぀かわれるデヌタは統蚈䞊の芁件をも満たさなければならない。
第4節以降の3節では過衚の芳枬デヌタを䜿甚する簡䟿なコスト・ビヘむ
ビァの分析方法に぀いお抂説した。これらはいずれももずめられる原䟡盎線
に信頌性が認められないため実務での䜿甚が広汎になされおいるずいっおも
決しおすぐれた方法ではない。次章ではこれらの欠陥をおぎなうであろう回垰
分析に぀いお怜蚎を加える。本章をおえるにあたっお本章でずりあげた分析
方法に぀いおそれらのも぀特城を比范怜蚎できるように分析方法をずりあ぀か
った各節末の䞀芧衚をたずめ目芖法のそれをも加えおしめしおおく。回垰分
析回垰分析に぀いおは怜蚎が次章以降で行なわれるがここでそれらに぀い・
おも芁玄的にしめしおおく。
27詳しくはやhnstonこ6コおよび同蚳曞を参照されたい。回垰分析実斜にあたっおデ
ヌタが備えおいなければならない芁件に぀いおは次章および次々章で怜蚎がなされる②
54第2章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎1
ぞ技
特
ビ析
■E法
解法
コむ法 技 術 的 分
・分
トア
スヒ
長
城
工孊现芋地からむンプヅトずアりトプッ
トの関係を把握する。
所
・正確である
・将来の原䟡がいかにあるべきかず
いう芏範倀が算定できる
勘定科昌眰怜蚎法
勘定科目ごずに分析実斜者ボアりトプッ
ト基準によっお固定量に属するものず倉
・分析凊理時間が短かく費甚がか
動費に属するものに䞻芳的刀断に基づい
・改蚂が容易である
からない
お区分する。
条高最䜎法
・算定凊理時間が短かい
の2組のデヌタを遞択しそれから原䟡
・理解が容易である
・最高・最䜎点が芳枬デヌタを代衚
盎線をもずめる
喜墟
過去の芳枬デヌタに基づく方法
芳枬デヌタから最高操業時最䜎操業時
するものであるずきにはかなり
すぐれた原䟡掚寒倀がえられる
図衚䞊にプロットされた芳枬デヌタにも
っずもよくフィットする線を分析者がえ
・すべおの芳枬倀を利甚する
がいおそれから原䟡方皋匏をもずめる
・他の過去の芳枬デヌタに基づく方
定した関数のパラメヌタ掚定倀を確定す
法の長所をあわせも぀
・芳枬デヌタに察する回垰線のあお
る
回垰分析
単玔回垰分析
境乱項の自乗和が最小になるように予
はたりのよさを枬定できる
重回垰分析
・単玔回垰分析に同じ
・耇数の倉数を考慮しおコスト・ビヘ
むビアを怜蚎する
・単玔回垰分析に同じ
・操業床以倖の原䟡䜜甚因の原䟡に
䞎える圱響を1぀の方皋匏であら
わすこずができる
第6節 目
短
問 題 点
所
芖 法 55
適 甚 領 城
・費甚ず手数がかかりすぎる
・異垞状態を考慮しおいない
・盎接劎務費盎接材料費
・間接費項目には適甚できない
・将来の原䟡発生額の予枬セこは
・歎史的原䟡資料が存圚しな
䜿甚しにくい
・分析者の䞻芳的刀断が原䟡分
解䞊に介入する
・勘定科目自䜓がコスト・ビヘ
むビアの把握に十分なもので
ない
・勘定科目怜蚎法自䜓の有効性
に疑問である
い堎合の凍䟡掚定
・他の分析方法の補助的手段
ずしお甚いる
・暙準蚭定には䜿甚できない
・過去の原䟡のトレンドを考慮
しない
・むンプット基準にあずづけお
コストビベむヒアを把握する
こずが困難
・䌚蚈期間の芳枬デヌタしか䜿
甚しない
・2組の芳枬デヌタしか䜿甚し
・最高・最䜎点が芳枬デヌタを
・意思決定に際しお詳しい
ないため芳枬デヌタの趚勢
代衚しない堎合の凊理をいか
に行なうか
掚定倀からえられるたでに
たずラフな掚定倀によっお
を正しく反映できない
おおよその状況を把握しよ
うずする堎合
・原䟡方皋匏が䞀意的にもずた
らない
・䞀 的な原䟡方皋匏がえられ
ない
・最高最䜎法の補助的手段ず
しお甚いる
・分析者の䞻芳が介入する
・コ゜ピュγタのパッケヌゞプ
ログラムが利甚できるため
䞀定の芁件をみたさない芳枬
デヌタがむンプットされおも
回垰方皋匏がもずたるので
・モデルの制玄をゆるめおも有
甚な結果がえられるようにす
るにはどうずればよいか
・業瞟評䟡基準ずしお䜿甚する
堎合の問題
・芳枬デヌタが倚数存圚し
それらが䞀定の芁件をみた
しおいる堎合にはどのよ
うな察象に察しおも適甚で
きる
誀甚の危険がある
・分析結果が利甚できるために
は比范的き぀い仮定が満足さ
れなければならない
・蚈算が耇雑である
・単玔回垰分析に同じ
・重共線性の問題の回避が困難
である
・単玔回垰分析に同じ
・単玔回垰分析に同じ
・原䟡蚈算システムずの連動
が可胜であろう
き6第2章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎1
参 考 文献
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Dσ’σノわ7ル勉㎜g召〃3¢≠18cã‚Žsゎ。πs2nd ed臓arcourt Brace Jovanovich1聡。
1974
5コ Horngren C T Cos’1cσoκ”’ゎgノ1物πσ887∫認E翅助σsã‚Ž34th ed Prentice
Ha11 Inc 1977
61 Johnsto醜 J Eoo初耀垫。 M励045 McGraw Hin Book companyä¹³Inc・・1963・
竹内啓蚳『蚈量経枈孊の方法䞊䞋』東掋経枈新報瀟昭和39幎
7コ 䌁業経営協䌚線『費甚分解の手法ず掻甚』䞭倮経枈瀟昭和44幎。
8 溝ロヌ雄著『最新䟋解原䟡蚈算』䞭倮経枈瀟昭和44幎。
9コ 日本䌚蚈研究孊䌚原䟡蚈算基準怜蚎委員䌚報告『原䟡蚈算基準の研究』昭和54幎。
10接曲盎躬・束本譲治線著rわが囜の䌁業予算䞀実態調査ず今埌の課題』日本生
産性本郚密画7幎。
57
第3章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎π
䞀単玔回垰分析䞀
叢
コスト・コントロヌルおよび意思決定の皮々の局面でコスト・ビヘむビアが
明確に把握されおいなければ圓該局面で原䟡数倀自䜓の信頌性が疑問芖され
たワ誀たった決定を䞋だす危険がある。コントロヌル面のみをずりあげおも
④予算の䜜成②暙準原䟡の蚭定③業瞟報告曞の䜜成④原䟡差異の評䟡な
どの数倚くの管理掻動はそこで䜿甚される原䟡数倀がどれほど信頌できるかに
1
よっおそれらの成果が倧きく巊右されるのである。
それにもかかわらずコスト・ビヘむビアを明らかにする方法に぀いおの考
察はいただ十分なものであるずはいえない。さらに実務をおいお䜿甚され
おいるコスト・ビヘむビアの把握方法は前章でも明らかにしたようにそのほ
ずんどがコスト・ビヘむビアの分析方法ずも呌べないたったくの簡䟿法なの
である。前章でのべた技法のうちむンダストリアル・゚ンゞニアリング法を
のぞいた他の技法はずもに過去の原䟡芳枬デヌタに基瀎をおくものであるが
いずれもその適甚の結果ずしお獲埗される原䟡掚定倀は信頌できるものではな
いQこのこずは前章末の䞀芧衚からも明らかであろうG本章ならびに次章では
これら技法の欠点を克賑するものずしお回垰分析をずりあげる。これもたた
過去の原䟡芳枬デヌタを䜿甚するコスト・ビヘむビアの分析方法であるから
前章第2節でのべた準備䜜業が分析の実斜にあたっお必芁であるこずを忘れお
はならない。さらに回垰分析を有意矩なものずするためには芳枬デヌタが䞀
定の統蚈的芁件を満たさねばならぬこずも確認しおおかねばならない。このこ
ずに぀いおはその䌚蚈的解釈ずずもに分析実斜者は十分な知識を有しおいるこ
1Bierman and Dyck血an〔2コP521
なお本章の参考文献のリストは第4章末に第5章のものずあわせお揚茉しおあるひ
58第3章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎豆
ずが回垰分析の適甚にあたっおはこずさら重芁である。ずいうのは珟圚回
垰分析の䜿甚はその゜フトり゚ア・パッケヌゞを利甚すればコンピュヌタで容
易に行なえる状態にあるからである。そこで䌚蚈担圓者がなすべき䜜業は分
析結果が即時に利甚できるように回垰分析のデヌタ芁件を満たす芳枬デヌタを
準備するこずずアりトプットを読みずりそれを行動に結び぀ける胜力を身
に぀けるこずである。
2
たず本章では単玔回垰分析をずりあげその抂芁をコヌコラ゜の蚘述にそっ
お怜蚎する。本節で行なう説明の倧郚分は蚈量経枈孊などの分野で広汎に甚
いられおいる回垰分析の基瀎理論である。しかし回垰分析に぀いおは䌚蚈の分
野ではその理解が十分でないずころがあり䌚蚈的解釈を加えねばならない箇
所もその随所に芋うけられるので逐䞀説明を行なうこずをここで断っおおく。
第4章では耇数の原䟡䜜甚因ず原䟡の関係を分析する技法である重回垰分析
の説明を行なう。重回垰分析に぀いおも芳枬デヌタの具備せねばならない芁
件に着目しそれらの怜蚎を通じお重回垰分析の有甚性ずその限界に぀いお蚀
及する。
それでは単玔回垰分析から議論を出発させるこずにしよう。
第1節 回垰分析の長所
過去の原䟡芳枬デヌタをもずにしおたず原䟡の趚勢を分析するこずが歎史
的原䟡資料を甚いおコスト・ビヘむビアを明らかにするためには必芁である。
このような情報は皮々のコントロヌル掻動に非垞に有甚なものである。さらに
未来原䟡の獲埗のためにも過去原䟡の動向をしめす情報が重芁ずなる。この
ように過去原䟡に関する資料は蚀葉をかえおいえば経営掻動のコヌトβ䞀
ル面のみならずプランニングの局面にも䜿甚されるのである。このような経営
諞掻動に原䟡芳枬デヌタをもずにした原䟡方皋匏を䜿甚するずきにはできる
限り圓該原䟡方皋匏が信頌できるものでなければならない。原䟡方皋匏が䞍正
確であれば意思決定にずもなうi幟倚の刀断が正しくおも良奜な結果はえら
2 Corcoran E 5コ・
第1節 回垰分析の長所 59
九ないだろう。
しかし前章でのべた過去の芳枬デヌタ・を䜿甚するコスト・ビヘむビアの分析
方法である勘定科目別怜蚎法最高最䜎法および目芖法スキャッタヌ・チ
ャヌト法は皮々の欠陥をもっおおりこれらの欠陥はいずれも原䟡方皋匏の
信頌性に疑問を持たせるほど重倧なものなのである。そこでこれらの技法の欠
陥を補いなおかっこれら技法の長所をもあわせも぀技法を究明しなければな
らない。これが回垰分析にほかならない。回垰分析をコスト・ビヘむビアの分
析に䜿甚すれば過去の原䟡趚勢をすべおの芳枬デヌタを甚いお把握し䞀意
3
的な原䟡方皋匏を獲埗できる。回垰分析は他の過去の芳枬デヌタに基づく原䟡
’分解法のも぀長所をすべお有しおいる䞊に分析を通じおもずめられた原䟡方
皋匏の信頌性が枬定できるずいう他の技法にない長所をかね備えおいるのであ
る。回垰分析がコスト・ビヘむビア分析方法ずしおすぐれたものであるこずに
は異論はないはずであるにもかかわらずその怜蚎が十分になされおいない理
由ずしお回垰分析の適甚に関しお統蚈的仮定が満たされなければならないず
いう条件があるこずが指摘できる。このような統蚈的仮定が䌚蚈的蚈算凊理手
続ず合い入れない箇所が随所に存圚するこずは論を進める過皋で明らかにされ
るであろう。意思決定に有甚な情報を提䟛するこずが期埅されおいる䌚蚈シス
テムがその内郚の蚈算機構に信頌できる情報を提䟛できないような制玄を課
せられおいるこずは重倧な問題である。そこで回垰分析がコスト・ビヘむビ
ァめ分析に有効でその結果が䌚蚈の皮々の局面で利甚できるものであるずす
れば回垰分析の基瀎にある統蚈的諞仮定をできうる限り満足させるように䌚
4
蚈における蚘録手続を改善しようずするアプロヌチがずられおもよい。本曞は
3 Koehler and Neyhart12コP・26・
4 第4章で議論する重回垰分析に関するBenston1の論考はわれわれのここ
でいうアプロヌチず共通した性栌をもっおいるずいえよう。圌は぀ぎのように蚀う。
「重回垰分析におけるデヌタ芁件のほずんどは原䟡蚈算蚘録がいかなる方法でなされ
おいるかによっお決たるものである。ただ単に芳察デヌタが通垞の原䟡蚈算システム
からずられたら回垰分析からえられる結果は無意味なものである。したがっお回
垰分析の効果をあげるには原䟡蚘録をたず最初にいかにコヌド化しそれを蚘録する
60第3章 写スト・ビヘむビア分析技法の怜蚎皿
このようなアブ目䞀チをずろうずする堎合の始発点ずいう圹割をになっおいるひ
もずより考察がいただ十分でないため門題ずなる事項を指摘するにずどたっ
おいるがそれでも回垰分析になたの䌚蚈数倀をそのたた利甚しお適甚しおも
䌚蚈的に意味ある惰報は獲埗できそうもないこずは明らかにされるものず考え
る。
さらに原䟡方皋匏の確定に回垰分析ずいう統蚈的方法を適甚する堎合には
぀ぎの譊句を決しお忘れおはならない。
「独立倉数ず埓属倉数の間に䞀定の因果関係が存圚する堎合それは統蚈的
分析に組蟌たれるものであり分析によっお明らかにされるずいう性質のもの
ではない぀たり回垰分析がなしうるのはどのように倉数どうしが関連す
5
るかを叙述するこずである。」
したがっお原䟡方皋匏の確定に統蚈的分析の適甚を考える状況を想定すれ
ば分析実斜者は分析を行なうにあたっお独立倉数ず埓属倉数の間に埌の分
析を通じお䜿甚されるであろう原䟡方皋匏が皮々の経営管理目的に察しお合
6
目的的であるように䞀定の因果関係を蚭定しおおかねばならない。
次節以降で回垰分析手法の抂略を説明する。回垰分析の結果を誀たりなく
か぀有効に利甚するためには前章第3節でのべた分析の準備䜜業が円滑にな
されおいる必芁がある。そしお過去の操業床に関するデヌタから組織が埓
来どの皋床の範囲で操業しおきたかを認識しおおくこずが重芁である。さらに
は回垰方皋匏からもずめられる原䟡掚定倀各々の原䟡芳枬デヌタの倀ずその
かを泚意深く怜蚎する必芁がある。」
Benston1コPP662−663
5 Corcoran5P・50・なお傍点は筆者が加筆した。
6操業床枬定単䜍に䜕を遞択するかは独立倉数ず埓属倉数の関連の皋床からだけ䞀
では決定できないこずに泚意すべきである。このような認識が分析者にないず正し
い分析手順をふんで獲埗された結果の解釈を誀たる危険がある。再床のべるが倉数
の関連の床合を決定するこずは盞関分析correlation analy8isの畑島に属するこ
ず1ゐ’4。P 51であり倉数間の因果関係ずは無関係なのである。
第2節 単玔回垰モデル 61
平均倀をそれぞれ比范するず同時にそれらの過去の趚勢を把握しおおくこず


も重芁である。
第2節 単玔回垰モデル
たず図1を甚いお最小自乗法によっお掚定回垰盎線を確定する手順をのべ
・るこずにする。
倕四α十699
巳銑釧‘
脚ツ
o幜愈・〉
①総偏差の
②’
原䟡
胜雌
③説明䞍胜偏差
脇残差項
α
αン切片
う盎線の傟き
0 勘 房
操業床
図 1
図1で鮎は期間ゎの実際原䟡芳枬倀〃は平均原䟡食は期間ゎの原䟡の
囜垰掚定倀である。回垰盎線をもずめる過皋では単に掚定原䟡方皋匏回垰
方皋匏〃篇αうんに含たれるパラメヌタの掚定倀αおよびΎαは定数
項constant termゐは回垰係数regression coefhcientずよばれるを確
定するだけであるから回垰分析に関する統蚈的諞仮定に぀いおは本節では蚀
及しない。掚定原䟡方皋匏に特定のκの倀を代入すればそのκに察するッ
の真の平均倀の予枬倀がえられるこずになる。芳枬デヌタ霢が獲埗される過
皋では「どのような芳枬においおもある皋床の枬定誀差はどうしおも避け
7
られないものである。」さらに説明倉数以倖にも原䟡に圱響する䜜甚因は存圚
するものずいえる。そこで実際枬定倀芳枬デヌタは次のようにあらわす
こずができる。
ッ乞α十bκ乞十πz ‘1 2 ・・・    1
7 岩田〔20コp188
62第3章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎皿
8 ・
ここで食は撹乱項である。
パラメヌタの掚定倀αΎを獲埗する方法の1぀に最小自乗法がある。これ
は掩乱項の自乗の和
ね
蝊擁§ïŒ‹â€Šâ€ŠïŒ‹åŸŽèºÎ£éº—1 、 2
鉟1
9
を最小にするようにパラメヌタの掚定倀αうを決める方法である。芳枬倀
の組の数をπ携乱項の自乗和をSずすれぜ
れ れ ハ の
S矀需裂≊・・䞀〃・『眲〃・䞀α䞀Ύ・∂2・ 3
εを最小にするパラメヌタの掚定倀α∂の倀は次の条件をみたすこずが必
ÎŽ

ï¿ 
ド
0
è¡š
1
∂

0
2
8
5
5 4
6
5 2
7
5
7 4
7
6
1 889
蹎獅蜥珊脚鋀脳脚脇鋀鋀舗
9 15
・、厩
床鋀
欝
砒
鍵
ïžµ
〃
3654
婆
の
駕
幎商鰯噚鶎㎜噚朔蟹
䟡ooD
侀
蜟

0
䌜
廠−
as
㌍
侀
④−
認肱
芁である。
4
←侀
差の自乗和䞀䞀
塑
r〃2〃䞀写2〃䞀蜜2
3600
15720
180625
278470
10548
3025
12650
555025
476199
3017
5184
17784
330625
19048
190956
3844
15996
216225
214141
00き
3364
13920
416025
351234
2741
5625
24750
65025
8737i
5476
23236
1648
9025 5339
7225
28900
126025
80740
502》
7744
30624
189225
145595
2855・
8836
33840
3080。25
332252
459・
8464
32200
2070。25
261597
3188
10000
37500
497025
594837
43。9》
2761100
33880〔ン・
♂
72387 287120 3099900
28246・・
第2節・単玔回垰モデル 63
4匏を曞きあらためるず
5匏は回垰盎線の正芏方皋匏normal equation of the regression line
ずよばれるものである。
10
正芏方皋匏をマトリクス衚瀺するず次のようになる。以䞋添字は衚蚘法を
簡略化するために省略する。
〔鰭l䞀〔鑑〕 ・
Xを独立倉数のマトリクスπ×2】rを芳枬倀のベクトルπ×1Bを
パラメヌタの掚定倀のベクトル2×1ずする。぀たり
払 i矧欄
Xの転眮行列をX『ずすれば6匏は次のようにあらわされる。
8 撹乱䞉田は枬定誀差ず特定化されなかった䜜甚因が原䟡にあたえる圱響をあ
らわしおいる。たた
内蚓雪目σ䞀Ύκ5 芊12  ・解
ずするず碗は未知のパラメヌタの掚定倀σΎの関数であるず考えられる。撹乱
項rando磁disturbanceは統蚈的分析をさらに展開する䞊でいく぀かの仮定の
もずにある確率倉数である。撹乱項にかかわる諞仮定に぀いおは埌に詳説する。
9 岩田20pp189−199
10マトリクス衚瀺の利点は回垰分析に耇数の倉数が灌入されおも次章の重回垰
分析の項をみよ正芏方皋匏の衚瀺法が倉わらないずいう蚈算技術䞊の利点である。
Corcoran5コP。54。
同様の䞻匵は次の文献にもみられる。
申村邑26コp 47
安川33コpp108−136も参照のこず。
64 第3章 舞スト・ビヘむビア分析技法の怜蚎皿
x『xBrr 7
〈7匏を解けば
X7X䞀1X72『BX7r䞀1X7r
I
B笛α7x䞀1α7「、 8
ずなる。
正芏方皋匏を解く手順を衚1これは最高最䜎法の項でしめしたものず同じ
ものであるの数倀を䞊蚘しながら芋おいくこずにしよう。
x『 x x『x
鳳二北1瞬〕
8匏右蟺第1項のマトリクス
x r 2【7r
鳳二lll∎
欄〟l
8匏右蟺第2項のベクトル
B嵩 ■『7x䞀重 x7r
1トじ二䞀Σ1〕園
η舞2䞀Σκ2
䞀〔现砂凹
πΣκ2䞀Σ躍2
袈1に瀺されおいる原䟡ず操業床に぀いおのデヌタを代入するず
第2第 単玔圃垰モデル 65
x7・ x x『x
〔晶遠
x7 r xr
晶吐蕊〕
il』111〕
B瓢 α7x䞀1 x『r
7穩侀9肌81æ·µ
1272387䞀9152
〔7螺䞀9肌81é‹Œ
31419
「1調
31419
䞀〔‘1霧〕
以䞊の結果から掚定原䟡盎線の方皋匏は぀ぎのようになる。
ン56885932474κ
固定費 倉動費
䞊蚘の手順でもずめられる。うの倀は最小自乗法ずいう1぀の基準によ
11
り獲埗される掚定倀であるこずに泚意しなければならない。最小自乗法によっ
お獲埗されるパラメヌタの掚定倀αうの倀はSの倀を最小化する。このこ
11岩田に20コp191
66第3章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎皿
12
ずは容易に蚌明できる。αΎのもずめられた倀が点掚定倀Point estlmates
ずしお統蚈的にみおすぐれおいるこずが最小自乗法を回垰分析に適甚する最倧
13
の理由である。掚定倀が信頌できるものであるこずが知られおいればそれに
もずづいお意思決定を行なう際に原䟡方皋匏自䜓に無甚の考慮を払うこずが
なくなる。このような意味で統蚈的分析の知識も䌚蚈では䞍甚のものである
ずはいえない。われわれの目的は原䟡方皋匏を確定するこずのみにあるので
はなくそれを基瀎ずしおマネゞメントの皮々の局面にむンパクトをあたえる
14
こずにもある。それゆえ統蚈的方法のすぐれおいる点ずその適甚䞊の限界の
121麓4・P・191脚泚2をみよ。
13点掚定の良さをしめす条件ずは次のものをいう。
ω 䞀臎性をみたすこず
㈲ 䞍偏性をみたすこず
㈹ 有効性をみたすこず
㈲充足性をみたすこず
最小自乗法は䞊蚘の条件をみたす最も簡朔な点掚定法であるず䞀般には理解されおい
る。藀沢束行17コpp192−194
最小自乗法が䞊蚘の条件をみたすこずに぀いおは埌節で回垰分析の諞仮定を列挙
する際に説明を加えるこずにする。
14かっお最小自乗法の適甚に察しお次のような批刀がなされたこずがある。「た
いおいの堎合この盎線はスキャッタヌ・グラフによっお最もよくあおはめられる。
最小自乗法は図にある点の特定の集合により正確にあおはたる盎線をもたらすけれど
ももずの原䟡数字がおおざっぱな近䌌倀にすぎないのでこのように正確にみえる
のは虚構であろう。  むンタビュヌしたある䌚瀟は䞡方の方法をテストしお比范し
たがこの2っの方法の正確性に重倧な盞違はみられなかったず述べた。」NAA
Research Report No161718䞁加ノ1”σ砂sã‚Žs o100s圊yoJπ翅6Po吻R6」α’ゎ。π
謝ρs1949−50P16勲12傍点は筆者加算このように分析の基瀎資料が䞍正
確である堎合には統蚈的方法の適甚は詊しむべきである 豊島31p122脚泚
24参照。しかしながらこれを理由に統蚈的方法の適甚を攟棄すべきではない。分
析される資料をできうる限り正確に枬定する努力をおしんではならない。芳枬デヌタ
が備えるべき諞芁件に぀いおは第2章第2節および次章第2節ず第3節で怜蚎しお
いる。正確に枬定された資料をもずにすれば最小自乗法によっお資料にもっずもよ
く適合する原緬盎線が䞀意的にえられるだけではなく埓来䌚蚈の分野ではみすご
第3節 掚定回垰線のあおはたり具合の枬定決定係数67
䞡者に぀いお熟知しおいなければならない。
第3節掚定回垰線のあおはたり具合の枬定決定係数
回垰方皋匏は芳枬倀にどれほど適合するものであろうか。回垰方皋匏のあお
はたりのよさは党倉動total deviationに察する回垰倉動explainaわle
deviationの比率で蚈算される決定係数coe猶cient of determination72
で枬定され窺決定係数は獄から明らかなように“の倉動のうちどの盀
が回垰方皋匏によっお説明されるかをしめす係数である。
〆剛堅欝づil≡lil ・
われわれは決定係数を刀断基準ずしおよりあ䞃はたり具合のよい回垰方皋
匏をもずめる方法をずるか珟状で満足すべきかを決定する。9匏はたた
16
次のようにも曞きあらわすこずができる。
されがちであった獲埗された結果の信頌性をも枬定するこず統蚈的怜定が可胜ず
なるのである。最小自乗法によっおえられた原䟡方皋匏をマネゞメントの皮々の局面
で適甚する堎合にはその信頌性に関する知識は䞍可欠なのである。
15党倉動ずはすべおの芳枬倀に぀いおの総偏差勧吻∂の自乗和である図1参
照。同様に回垰倉動は説明可胜偏差◎䞀動の自乗和誀差倉動は説明䞍胜偏差
◎乞䞀ン∂の自乗和である。換蚀すれば党倉動回垰倉動誀差倉動はそれぞれ
芳枬倀の平均よりの偏差の平方和掚定f盎の平均からの偏差の平方和芳枬倀の掚定
倀のたわりの偏差぀たり残差の平方和である。なお
Σ雪䞀の2Σ〃䞀の2Σ〃䞀〃2
党倉動 回垰倉動 誀差倉動
が成立っこずは泚16をみよ。
䞊匏から0≊〆≊1であるこずは明らかであろう。
16 9匏から10匏は次のようにしお導かれる。
ずは鱈こ倀があたえられた堎合の〃の掚定倀であるから
9鵠σΎκ 1
〈5匏でしめされる正芏方皋匏より
Σ2ノπσ十うΣκΣ7α十∂κΣ2ノ 1匏より 2
Σガ2ノ需αΣκ十ΎΣκ2 3
68第3章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜詞䞔
Σπ2
72躍1䞀  10
Σ〃䞀〃2
぀たり残差平方和が小さくなるず決定係数の倀が1に近づくものである。
残差平方和が小さいほど回垰盎線のあおはたり具合がよいず考える。〆は
回垰盎線のあおはたりの皋床をしめす指暙ずしお䜿甚されるのである。耒1の
数倀から決定係数をもずめるず
〆䞀溜四䞀α89
6・’ ・1
たた・・Σ鯉Σ’9σ十わん謹σΣ野ΎΣ塘
4
Σ〃䞀ン2Σ雪䞀㌢2
驕・Σ劉2−2Κ型十2ク2十」2野2−23ノ穿十3ク2
謹Σ野2−2〃Σ3ノナ2冚野2−2Σ雪卞十Σ野2
ここで4匏をさらに展開するず
Σ9〃α”σ十ΎΣκ十ΎαΣκ十ゐΣ劣2 2
3匏より
ησ22σうΣκΎ2Σκ2
躍Σσ22σΎ∬Ύ2∫2
眵Σ〃2
したがっお
Σ雪䞀γ2十Σ〃䞀ン2
Σ〃2−2〃Σン十2Σ〃2−2Σ写3ノ十Σ’ン2 2匏より
Σ♂䞀2Σ鍬十2Σ〃2−2Σ雪2十Σ〃2 5匏より
Σ㌢2−2四の
Σ雪䞀の2
぀たりΣ〃䞀の2〃⑫䞀の2臚Σ④䞀の2が成立っ。
回垰倉動 誀差倉動党倉動
そこで
。・2〃䞀宮22〃2䞀Σ〃䞀の2−1䞀Σ鯵蜜2
Σ〃䞀の2 Σ犊䞀写2 Σ写䞀蜜2
定矩より〃䞀〃隙したがっお
Σπ2
721侀
Σ〃䞀写2
Corcoran5コPP・56−57
5
第3節 掚定回垰線のあおはたり具合の枬定決定係数 69
ずなる。この決定係数の倀から回垰方皋匏はかなりよく芳枬倀にあおはた぀
17
おいるずいえる。しかしこのようなあおはたり具合のよさも独立倉数ず埓属
倉数に共通する増加傟向によるこずも考えられるので決定係数が絶察的なあ
おはたり具合の基準ではないこずに泚意しなければならない。
埌の節で分栃をさら匠進めるためここでは決定係数はたた次のように
18
も曞きあらわすこずができるこずをしめしおおく。
〔Covκ応2〕
72
12
γκγン
1わ 7』08以䞊であれぜ通垞回垰匏は信頌でぎるものずされる。ただしこれはあ
くたでも刀断の問題であるこずを十分認識しおおく必芁がある。
18 12匏導出の手順は次のずおり
2Σ卞䞀犊㌧Σ〃䞀の2πΣ地瑠2ん
グ Σ〃䞀穿2 Σ写〃・π yの
ここで■Σ面・䞀⊥Σ鱒・
π 
䞀䞻σ十Ύ䞇䞀〃・
䞀⊥Σ。∂。・䞀■Σ。䌜雪⊥Σ倢・
η η
篇σ2十2Ξう匿十うΎ2Σ劣2〃䞀2σ3ノヌ2わんΎ十〃2
臚α䞀〃2十2Ύκσ䞀〃2十う2Σκ2”
コ〔α䞀2ノ十Ύ倚〕2侀ή2κ2Ύ2激2ん
正芏方皋匏の第䞀匏を䜿甚し共通項をくくりだしお匏を敎理するずンα厩で
あるから
⊥拶〃䞀〃響ゐ・Σ。・。䞀王・
Ύ2γ劣
ここ働䞀瀞≡諄噞鵠の䞀Co激、の
・たが・お・÷晊参・䞀〔C継ぎ党、の〕2
ゆえに二茪
Corcoran E 5コPP・57−58
70第3章 翌スト・ビヘむビア分析技法の怜蚎田
γのγ〃はそれぞれκずンの分散Cov劣ッはんずシの共分散で
ある。
第4節 回垰の暙準偏差
前節で説明した決定係数〆の倀が倧きい ぀たり1に近づくずいうこ
ずはある意味では回垰分析を甚いおわれわれが行なった原䟡分析の結果
19
芳枬デヌタが回垰方皋匏によくあおはたるこずをしめすものである。しかし
回垰盎線の方皋匏の芳枬ぞのあおはたり具合はさらに次のような芳点から
も怜蚎される必芁がある。すなわち芳枬デヌタが回垰盎線のたわりでそのち
らばり具合が小さいほどその回垰盎線はデヌタに適合するものであるずいう
こずである。このこずを枬定する統蚈量は回垰の暙準偏差standard devia・
20
tion of regressionずよばれる。぀たり回垰の暙準偏差は回垰盎線のた
わりにみられる実際芳枬倀のちらばりの枬床である。ずくに回垰方皋匏を原䟡
予枬に䜿甚する状況を考える堎合には回垰の暙準偏差の倀ができうるかぎり
小さいこずが望たしい。
回垰の暙準偏差は亀謬であらわされる。これは芳枬誀差分散の平方根に
等しい。
亀む・ルヌツ・む蟱む響䞀・a・・ 13
同様に埓属倉数被説明倉数にのみ泚目すれば暙本暙準偏差sample
standard deviation亀䞀蚭䟋の堎合には原䟡倉動の平方根である䞀も
算出できる。
く19 1醒4p58。
20回垰の暙準偏差ずは䞀般に掚定倀の暙準誀差standard error of the estimate
ず呌ばれおいるものである。コヌコラ゜は埌者の呌称が圓該統蚈倀を誀っお䜿甚する
原因ずなっおいるずしその䜿甚を戒めおいる。
16」4 P 58
第4節 回垰の暙準偏差 71
動䞀Σ㈲・む30i199䞀・砿83
14
決定係数〆は10匏から
〆䞀・䞀誓
ずいうようにあらわされる。
自由床を考慮しお13匏14匏でしめされる統蚈量を調敎すれば぀ぎのよう
に回垰の暙準偏差掚定倀がえられる。
駕・。む。竺、亀・。䞀・a 垯䞀・・・ 15
亀む。≒二䞀・α83・雷䞀・3・・ ・6
調敎された暙準偏差の倀を甚いおわれわれはコントロヌル・チャヌトpro・
d。。ti。n。。nt。1、h掲を䜜成する手順ずほ鯛の方法も掚定倀のたわ
りの信頌限界co面dence limits around estimatesを蚭定するこずができ
る。「掚定倀のたわりの信頌限界によっおわれわれは掚定倀がわれわれが
望たしいず思うだけの正確性粟床぀たり蚱容性ず信頌性をも぀ず確率
22
的に蚀明するこずが可胜なのである。」
芳枬小匙ず残差墚壷がずもに正芏分垃するず仮定すればあるいは正
・芏分垃するず信じるにたる根拠があれば・統蚈的芳点から・䞀定の確率で・
芳枬倀が回垰盎線のたわりの䞀定の範囲内に存圚するずいうこずができる。芳
枬デヌタ数が少ない堎合にはこれを’分垃にしたがうものず芋なしお次匏
21 コントロヌル・チャヌトに぀いおは倚くの文献があるがたずえば次のものを参
照せよ。
神戞倧孊䌚蚈孊研究宀線『管理䌚蚈・・ンドブック』䞭倮経枈瀟昭和44幎pp
989−999Corcoran5コPP430−433・ DopuchΞ’・σ」・二6コPP・484−486・・Boot
JC匘and E B Cox S’αあs’ゎ。α」ノ1παJys6εプbア1瞌παg6磁J Pβ6魏。πs McGraw
Hill1974 pp522−534
《22 Corcoran 二5コP・59・
72第3章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎皿
により、䞀定の確率でデヌタが回垰盎線のたわりに存圚する範囲特定のκ
の倀に぀いお穿が䞀定の確率を付䞎された堎合にずりうる倀の範囲すな
23
わち信頌区間垯con侔dence bandを算定できる。
晊・×砺・ t÷・慧䞀 ・7
ここで’。䞀2。2は’分垃衚からのよみである。  芳枬倀数α  特定
のκの倀に察しおそれに察応するッの倀が信頌区間内にふくたれない確率
è¡š1のデヌタで最小自乗法によっお算定した回垰盎線の95信頌区間を蚭定
するずその信頌区閲芧は次のようになる。
・⑀88臥・・・・2474・±a228・1ε 曲・飛眲2・8
18匏をグラフでしめすず図3のようになる。信頌区間垯が暙本平均κの
y

400
レ1
侀侀
30σ
原
ラ
200
䟡
10◎
0 50607。8090100䞡軞ずも単䜍1000
操業床
図 3
ずころでもっずも狭くなり暙本平均から離れるのにしたがっお幅広くなるよ
うな攟物線であらわされるこずに泚目しおほしい。これはか17匏から明らか
なように独立倉数κの倀によっお信頌区間の䞊界䞋界の倀が倉化するか
24
らである。このこずは最小自乗法ずいう基準によっおサンプルにあおはたり
23 17匏の導出に぀いおは䞭村蚳26コpp23−24をみよ。
第5節 回垰分析の諞仮定ずその䌚蚈的芳点からの怜蚎 73
具合のよい回垰盎線が導出されか぀掚定されたパラメヌタ倀も統蚈的にす
ぐれたものであっおも圓該原䟡方皋匏を甚いお原䟡額の予枬を行なう堎合に
独立倉数の倀が暙本平均から離れおいけばいくほど回垰盎線の信頌性が薄れ
おくるこずを意味しおいる。なおここでは回垰の暙準偏差倀を䞀定ずしお
ある。このような状況は分散斉䞀性の仮定assumption of homoscedasti侀
25
cityずよばれるが次節でその意味を怜蚎したい。
第5節 回垰分析の諞仮定ずその䌚蚈的芳点からの怜蚎
回垰盎線の方皋匏を確定するさいには䜕らの統蚈孊的芳点からの仮定も必
芁ではなかった。しかし前節では掚定倀〃の信頌限界を算出するために
芳枬倀ンならびに残差項が正芏分垃するずいう仮定をおいた。このように
回垰方皋匏に玺しおさらに有甚な統蚈的蚀明を行なうには皮々の仮定をおく
必芁がある。これらの仮定が維持されおいる堎合にかぎり回垰分析によっお
母集団の特性をそこから抜出されたサンプルを通じお把握するこずが可胜ず
なるのである。そこで回垰分析の諞仮定を列挙した埌にそれぞれに぀いお
26
若干のコメントを付蚘するこずにする。
24 平均のたわりの分散variance around an averageは個々の芳枬倀のたわり
の分散より小さいので統蚈孊者は個々の〃予倀枬の信頌限界を次のように算定す
る。
倚土砺島蜟41⊥ κ䞀孕2
Σκ䞀κ2
予枬倀のたわりの分散ず平均のたわりの分散のちがいは次にしめすずおり。すなわち
雪のたわりの信頌限界は暙本〃が回垰線を決定する時に甚いたのず同じ固定倀κ
のずころで同じ倧きさでずらえられたらその特定の∬に察する〃の平均倀が95
䞀の確率で真の母集団からの回垰線がこの限界内に存圚するこずをしめすのに察し皆
のたわりの信頌限界は個々の芳枬倀劉が察応する所䞎のκの倀に぀いお95の
確率でその信頌区間内にあるだろうずいうこずをしめすものである。
1「Ύゎ4p60 ∫〃2
25 「分散斉䞀性」ずいう蚳語は今川18によっおいる。
26 Corcoran二5PP60−62
、
74 第3章 コスト・ビヘむビァ分析技法の怜蚎皿
それではここで泚14の補足説明を行なうこずにしよう。
たず䞍偏掚定量mbiased e8ti旧戯atorずは掚定倀の平均がパラメヌタの平
均に等しい掚定量である。独立倉数ず埓属倉数の関係が次のようにあらわされるずす
る。
野αβκ
型αβんであるから回垰係数の掚定倀Ύは
うΣκ䞀ズ〃䞀の
Σκ䞀■2
Σ「κ䞀∬β䞀κ䞀κ麗
Σ劣䞀κ2
βΣκ䞀κ2Σκ䞀κ
Σκ䞀躍2
Σ∫䞀め
β
Σα䞀κ2
E∂βしたがっおΎはβの䞍偏掚定量である。同様にE4αずなるからσ
もαの䞍偏掚定量である。
䞀臎性consistencyずは芳枬倀を増加させるず掚定の粟床が次第によくな
るずいう性質である。倧きさπのパラメヌタの掚定量をΞΞX1 X2   X。
ずした堎合ΎX1 X2   XηがΞに確率収束する。぀たり任意の0に
察しおP1ΞX1 X2   X。䞀Ξ【〉π䞀→0を満足するこずをいう。䞀臎性は
パラメヌタの掚定倀の分散がπ→・・の時0に近づけばみたされる。そこで最小自
乗掚定量Ύの分散を考えおみるず
yうEΣ”∫䞀露2Σκ䞀x22
ここでEπ1σ2でかっB窺πゎ0ゆえ
γ6σ2Σ炉倚2Σκ䞀κ22
σ2Σ’κ䞀κ2
を限りなく倧ぎくすればΣκ䞀κ2→・。したがっおΎの分散は限りなく0に近づ
くそれ故うはβの䞀臎掚定量である。同様にしおαもαの䞀臎掚定量ずなる。
Ξの掚定量ΞΞX1 X2   X。が䞍偏性ず䞀臎性をみたしおいる堎合
有効性e猶ciencyずはΞX1 X2   XπずΞの誀差が他の掚定量ず比范
しお小さい可胜性が倧きいこずを意味する。回垰分析では最小自乗掚定量が有効性
をみたすように芳枬倀が正芏分垃するこずを仮定するのである。
充足性su䌍ciencyに぀いおはその意味だけをのべおおくこずにする。すなわち
掚定量σが充足掚定量su出cient estimatorである堎合には同䞀の暙本からえら
第5節 回垰分析の諞仮定ずその䌚蚈的芳点からの怜蚎 75
〔仮定1〕
κ独立倉数ずシ埓属倉数の関係は盎線によっおあらわ
すこずができる。たた母集団回垰線も線圢である。すなわち
EγIX五十8X線圢性の仮定
〔仮定2〕
埓属倉数7は確率倉数でありッの母集団yの倀は正芏分垃す
る。
飯定3〕
撹乱項麗は確率倉数である。はたがいに独立でありか぀κの
倀ずも独立である。さらに∌N0σ2。
〔仮定4〕
撹乱項の暙準偏差はκの倀のいかんをずわず䞀定である。
分散斉䞀性の仮定
〔仮定5〕
回垰分析を通じお獲埗された結果はκの芳枬範囲内でのみ有効
である。
〔仮定1〕すなわち線圢性の仮定に぀いおは
たず分析の準備段階でス
キャッタヌ・グラフをえがくこずが重芁である。芳枬倀に盎線をあおはめるこ
ずができるかどうかは盎芳的にではあるがこの方法によっおもっずも容易
に掘握するこずができる。スキャッタヌ・グラフによっお芳枬倀に盎線をあお
はめるこずが困難である状況でも技術的には最小自乗法によっお圓該芳枬倀
に察しおもっずも適合する盎線をあおはめるこずは可胜であるのでこの䜜業
は䞍可欠なのである。
぀いで〔仮定1〕に関しおは次のこずに泚目したい。すなわち原䟡方皋
れる他のどのような掚定量よりもαがもっずも掚定されるパラメヌタαに関する情
報をしめしおいお远加的な情報をα以䞊に提䟛しきれないのである。
䞊蚘の仮定に加えお誀差項の正芏性を仮定すれば最小自乗掚定量はさらに最適
なものになる。芳枬倀がκ1ωκ2ッ2  勘阪ずいう倀をずる確
率が最倧になるのがαβがαみずいう倀をずる時である堎合このような掚定
量のこずを最尀掚定量ずいう。誀差項が正芏分垃する揚合尀床関数は
L2π䞀”2σηexp䞀Σ䞀α䞀βκ22σ2》
侀玉09Lη10g2π2十πlo竃σ十Σ〃䞀α䞀βκ22σ2
しが最倧ずなるのはηlog2π2π10gσが䞀定であるからΣ〈》䞀α䞀βκ2が
最小の時である。ゆえに仮定がすべおみたされおいる堎合には最小自乗掚定量は
最尀掚定量ずなる。
76第3章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎H
匏獲埗のための基瀎デ謡タ぀たり母集団から抜出された暙本芳枬倀がほ
ずんどの堎合時系列デヌタであるこずである。しかるにわれわれの〔仮定
4〕では分析䞊では芳枬倀は時系列デヌタではないずみなしおいるのであるひ
時系列デヌタをもずに回垰分析を行なう堎合䞀般に単玔線圢回垰モデルを適
27
甚するこずには問題があるずされおいる。このような問題があるにもかかわら
ず線圢性の仮定を蚭けるのは特に獲埗された原䟡方皋匏の操䜜性を考慮しお
のこずである。さらに操䜜性の問題や枬定䞊の誀差を別ずしおも実際に
は厳密な盎線関係が存圚せずずも盎線をあおはめるこずに意矩が認められるず
いう状況では線圢性の仮定自䜓を厳密に考える必芁はないように思われる。
〔仮定2〕〔仮定3〕〔仮定4〕はそれぞれ確率倉数である穿ずの母
集団に関する仮定である。これらの仮定をおいおはじめおわれわれは分析を’
開始するこずができる。〔仮定2〕〔仮定3〕は回垰分析によっお回垰盎
線を掚定する䜜業だけを考えるのであれば䞍必芁なものである。しかし信煩
限界に぀いおも蚀及しようずするなら芳枬倀ンは正芏分垃にしたがうず仮
定しなければならない。なお〔仮定3〕のうちE∂0はそれほどき぀・
い仮定ではないこずをのべおおこう。Eπ∂ニΌキ0ずすれば
Eン、Eαβκ・π・
EαΌβκ乞z碗䞀Ό
ここでαΌを定数項砺䞀Όを携乱暎ず考えればE碗䞀Ό隅0ずな
るからである。
〔仮定4〕が成立しない状況は分散非斉䞀heteroscedasticityずよばれるひ
分散が非斉䞀の堎合には17匏から明らかなように回垰の暙準偏差をもず
める匏は無意味ずなる。分散が非斉䞀であるかどうかの怜定を行なうこずは困
難である。なぜなら分散非斉䞀の堎合に怜定を行なうには通垞獲埗䞍胜
28
な比范的倚量の芳枬倀が必芁だからである。しかし分散非斉䞀の状況は原
27 河原21p 10
28 「この怜定は芳枬倀ごずにその実際倀の分散を跳のたわりで蚈算するこずによ
っお行なわれる。この際十分な数の芳枬倀が存圚しなければ分散を算出しおそれら
第5節 回垰分析の諞仮定ずその䌚蚈的芳点からの怜蚎 77
䟡の動きを操業床を代衚する枬定尺床で説明しようずする堎合には䞀般的であ
る。そこでは分散斉䞀ずなるようにデヌタを修正する方法を講じねばならな
い。
最埌の〔仮定5〕は回垰分析の結果を䌚蚈的にどのように解釈するか぀
たり固定i費のも぀意味にかかわる興野深い仮定である。埓来䌚蚈では獲i埗さ
」れた回垰方皋匏を甚いお独立倉数がれロの倀をずるものずした堎合通垞
れロ操業時の芳枬倀は獲埗䞍胜であるがにえられる埓属倉数〃の掚定倀を
個定費ず解釈しお䜿甚するこずが倚かった。回垰分析の分析察象である原䟡が
費目原䟡であるか郚門原䟡であるかそれずも総原䟡であるかによっお考慮
すべき事項には若干の盞違がある。しかし芳枬倀にれロ操業時のデヌタが存
圚しないかぎりれロ操業を回垰方理䞉塁で想定し原䟡掚定倀をえるずいう
倖挿法の適甚は匷くいたしめられるべきである。この意味でわれわれは〔仮定
5〕を回垰分析の誀たった䜿甚がなされおはならないずいう譊告ずしおうけ
ずらねばならない。したがっお埓来議論されおきたようにパラメヌタ掚定倀
αを固定費ず考えるこずは䞊蚘のような手続でえられた掚定倀が負の倀をずろ
うずもたずえ正の倀であっおもすべお無意味である。なお次章でのべる
重回垰分析の堎合には独立倉数の数が耇数ずなり芳枬倀の存圚領域が倚次
元空關であらわされるこずになるので倖挿法が適甚される危険性が増倧する
から特に泚意すべきである。
〔仮定3〕のうちで仮定された撹乱項盞互の独立魅が䟵犯される状況が実際
には存圚するだろう。原䟡ず独立倉数間で実際には線圢であらわせない関係
が存圚するにもかかわらず線圢関数をあおはめた堎合独立倉数倀が倧きく
29
なれば蝿門門もそれに応じお増加する傟向がある堎合などがこの状況にあお
はたる。このように䞁䞁項が互いに独立できない状況は自己盞関autocor・
■elationあるいは系列盞関serial correlationずよばれる。自己盞関が存
を比范するこずはできない。」
DopuchΞ’α」6コ PP・78−79
〈29 ∬う勿監二4コP・80・ 
78 第3章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎K
圚する堎合スキャッタヌ・グラフに芳枬倀をプβットし回垰盎線をそれに
重ねるずデヌタは回垰盎線を䞭心ずしお波圢にうねっおいるようにあらわれ
30
る。「回垰分析が季節的倉動seasonality phenomenaが存圚するかどう
か䞍明瞭な原䟡に察しお適甚された堎合芳枬倀がただ単に自己盞関の圱響を
うけおいるだけなのにあたかも季節的倉動を呈瀺しおいるかのように誀解さ
31
れる堎合がある」ので接意すべきである。
たた自己盞関が存圚する堎合には暙準誀差ず有意性刀定の公匏は近䌌
匏ずしおも適甚できなくなるので誀差項母集団回垰盎線からの芳枬倀穿
の偏差をいうが実際に確率倉数であるかどうかを確認するこずは非垞に重
芁な問題である。䞀般に誀差項ε乞の自己盞関は残差項絢に反映されるず
考えられる。そこで自己盞関の怜定にはダヌビ゜ワト゜ン比Durbin侀
32
Watson ratio4が䜿甚される。
〃‘を期間’の残差項぀たり
‘2ノ‘䞀Zノε 蚺鶉1 2 3 ・・  。 〃¢
ずしたずき4は次匏でもずめられる。
4Σκε䞀‘12Σ躍 19
’2 ’呂1
䞀般に確率倉数貌でEκ∂0Eκ1σ2なら E嚩䞀κ522σσ≒ノ
30䞋図のような状況が自己盞関があらわれおいるこずを瀺しおいる。
Y 
O X
このようにスキャヅタヌ・グラフは自己盞関の有無を確認するのにも䜿甚できるゆ
31 Corcoran5コP・62・
32 ダヌビンワト゜ン怜定は自己盞関がなり぀たりCov‘εΞ0ずいう
仮定のもずでモデルを掚定しその仮説が棄华できるかどうかを怜定するものである䌜
Ξは1を想定する぀たり前期のデ論タずの盞関を考えるのが通垞でありこの
怜定もたたΞ1の堎合を察象ずしおいる。宮川23コpp169−173を参照せよ。
第5節 回垰分析の諞仮定ずその䌚蚈的芳点からの怜蚎 79
である。したがっお残差項が盞互に独立なら4の倀は2であり正の自己
盞関がある堎合には乞より小さくなる。負の自己盞関が存圚するこずはたれで
あるがその堎合には4≧42ずなる。以䞋では負の自己盞関に぀いおは
考えない。
銳の倀が跳䞉の倀ず独立でなければ残差項翫ず‘1ずは独立ではな
い。぀たり笏ρπH誀差ここで囲1ずした時にρ箪0なら〃
の倀の独立性が明らかになり残差項もたがいに独立ずなる。そこで垰無仮
説null hypothesisH。ρ0察立仮説alternative hypothesisH1♪
ã‚€
0を蚭定しダヌビン謹ワト゜ン比の䞋限の有意点4L䞊限砺ず19
匏で算定される4の倀を比范し
4≧砺ならHoは棄华できない
峚く4砺なら怜定は䞍胜
4≊4しなら1∫。は棄华される
33
ずいう結論を導くのである。
以䞊の怜定手順によっお自己盞関の存圚の有無を決定する。4≩4しの時
には埌述の方法によっおも自己盞関が解消されなければ時系列デヌタを最
小自乗法が適甚できるように修正する必芁があろう。この修正が行なわれなげ
れば回垰係数の信頌限界をもずめるこずは適圓ではない。たたダヌビン
ワト゜ン比を䜿甚する時信頌するにたる結果を獲埗するためには暙本の倧
34
きさが50以䞊必芁であるこずにも泚意すべきである。自己盞関はモデルに新
たな倉数を導入したり倉数倉換を行ったりあるいはダミヌ倉数dummy
・ ・ 35
variableを導入するこずによっお解消されるこずもある。䞊蚘のダヌビン
33 5有意氎準での4L4uの倀を衚にしたのが衚2である。なお〃は芳枬倀
数〆は独立倉数の数である。蓑2はDurbin and Watson7コP173から匕甚
した。
34 CorCQran こ5 P・ 62
35 1Ύづ4pp62−63
たずえば倉数倉換に぀いおは䜐和・前川291pp31−32ダミヌ倉数の利甚に
぀いおはBenston1PP666−667を参照せよ。
21
P5
P0
^888685848383828181808080霧7978777777胃7777777
O6
O2
X9
X6
X4
X2
X0
56
U2
U7
V1
V5
V9
W3
W6
X0
X3
X5
X8
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O3
O5
O7
O9
V1
U9
U8
U8
U7
U6
U6
U6
U6
U5
・ワト゜ン比を甚いた怜定で結果が䞍胜な堎合には詊みられおしかるべきであ
以䞊回垰分析の適甚にあたっお考慮しなけれぜならない諞仮定に぀いお説
明を加えおきた。次節ではそれらのいく぀かに぀いおさらに詳现に怜蚎を加
384144菊犯5152545657
Q1
Q2
Q3
Q9
69707071ηη鎇鎇盟
U5
U5
U5
U5
U5
U5
U5
U5
U5
U5
U6
U6
U6
U6
U7
U7
实T4535354545454555555565656575757585858匱59596060626364656
00000111111111111111111111111
翫86909397000305081012141618202123242627282931323334384245嚌
11占−占11晶−凞−占−凞−ゐ−占−占111占−占11占111士11占1161噛䞉−占−凞−占−凞−占11占111ゐ11占
75
V3
00000000000011111111111111111
79
39
08
78
58
38
18
07
97
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67
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47
47
47
37
37
37
37
37
27
27
27
27
27
27
2
9
1
11
11
11
11
11
11
11
11
11
11
11
11
11
11
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64
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72
86
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93
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99
91
04
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08
00
12
14
16
18
19
11
22
24
25
26
27
29
24
38
31
4
00000000011111111111111111111
P1
P3
P5
P6
P8
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22222111111111111111111111111
4ぎ
4ゐ
4ぎ
11占−←11占−占−占−占−←¶â– 1111晶−占−占−占11蜟望■11占−蜟11占−占ヌム■■ヌムヌムヌ11ヌムヌムヌ−占−←
35363738箛43匱4951545557è±¹60616263
00111←■■−占ヌムニヌ▲11111占ヌムヌ−占望ナヌ晶−∎11蜟11占−占−11占−¶âŠ¥ãƒŒãƒ ãƒŒ111■−噞■
95
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以解263032絊3435363738394041戯聡4344嚌505355575860616263
Q0
t232425262728293031舘33343536373839劂劬50556065⑳758085
1
1←−噌ナ぀←−乱111矩i←11﹂−←−←11←−←−11ヌムヌ111←−濫11歀−←11111△11←¶â– âˆ’占11←
08
雪工−←11111111é³³1⊥−1こ口ヌ−⊥−⊥1111111占−1¶â– âˆ’ニヌ−ニヌ−∎1111⊥−占¶âŠ¥11晶−1111←1■
41424344454546埡4848495050515152525354545457匱606263646
えおいくこずにする。
54
4ぎ
15
P6
P7
P8
P9
Q0
Q1
る。
海’5
〆4
たノ3
々’2
〆1
4L
ごJL
4び
4L
コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎亘
80 第3章
è¡š2 5有意氎準での4L砺
第6節 分散共分散マトリクスの利甚ず信頌区間の公匏 81
第6節 分散共分散マトリクスの利甚ず信頌区間の公匏
前節たでの議論では芳枬倀はすべおその母集団から抜出された暙本であ
るこずを明瀺せずに説明を行なっおきた。䞀般回垰分析ではパラメヌタの母
集脚䞀
k1〕䌜芳繭・・次匏でしめさ嗣集団から抜出され
た暙本であるず考える。
rXβ6 εは誀差項の×1ベクトル 20
誀差項は前述した残差項ず密接に関連するが同䞀のものではない。぀たり誀
差項が母集団回垰盎線からの芳枬倀の偏差であるのに察しお残差項は掚定回
垰盎線からの芳枬倀ンの偏差なのである。誀差論ず残差項の混乱を防ぐため
以䞋では誀差項をε、であらわすこずにする。誀差項ε‘に関しおは次のこずが
仮定されおいる。
1εεは平均0暙準偏差σの正芏確率倉数である。すなわちEε‘0
γのσ2か぀ε、∌N0σ2
2εはεεずは盞互に独立s≒のでか぀ε、∌N0σ2
36
3Eε、ε、篇0ただし5キ’぀たり誀差項は無盞関である。
37
誀差項の分散がσ2であるこずをマトリクス衚瀺すれぜ次のようになる。
Eεεσ21  21
12から明らかなように独立倉数の倀のいかんにかかわらずそれぞれの
誀差項の分散が等しい♂こずは前述の分散斉䞀性を意味する。σは未知
であるので掚定に際しおはわれわれはその代甚物ずしおモデルが正しいず
仮定した䞊で暙本分散sampling varian6e§ã‰ïŒŽã€ïŒŒã‚’䜿甚し近䌌蚈算を
行なっおきたのである。
36Eε、εじキ0のずきには自己根関が発生しおいる。
Corcoran 5p64
37 21匏に぀いおは安川32コp208をみよ。
82第3章コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎冠
パ・・䞀・の母集脚ずその朧β䞀〔の間には次の・う瞣
が存圚する。
β2監r7x䞀12猛r7r
需x『x䞀X7Xβε ∵20匏より
X72【叞X7Xβ2脂r7』r䞀ix7ε
βx7x䞀1×7ε 22
掚定倀βの分散は次のようになる。
γβ・E〔β䞀ββ䞀β望〕
E〔β䞀βXTX 1」ヒ7εβ䞀β−7x䞀12監r7Ο7〕
講E〔X望X『1×78X『X1X『87〕
x7x䞀1x7E8♂x」蜜7x䞀1
X7X䞀1xrσ2ハ「X72【䞀1∵21匏より
σ2x7x叞X『XX72『䞀1 ∵σはスカラヌ
38
σ2−7x䞀1 23
σ2は未知なのでその掚定量S27、を䜿甚するず
yβS㍉詔2【T』【䞀1 24
24匏の結果を分散共分散マトリクスvariance・covariance matrixずい
い以䞋ではyであらわすこずにする。
 39
yS㍉。XTX『』分散共分散マトリクス 25
Xの行ベクトルを萌眵〔1κ乞〕ずするず〃驕瞬βであるから掚定恒y
の分散は
y〃γ脇β瓢挜yPκ冚
3823匏は次のように曞きあらわせる。
・β䞀滋1王y〔望ご䞀Σ封
39分散共分散マトリクスの芁玠は以䞋にしめすずおり。
・䞀γσCovσΎc賭う
26
第6節 分散共分散マトリクスの利甚ず信頌区間の公匏 83
26匏は次のようにもあらわされる。
γ倚䞀報・鍔i、〕 27♪
それでは分散共分散マトリクスがいかに有甚であるかをしめすこずにしよ
う。衚1のデヌタから25匏であらわされる分散共分散マトリクスをもずめる
ず次のようになる。
7䞀亀・柱 隠♂1ç¿»
25匏からたずえばκ55ずすれば
γω䞀〔155〕γ1〕䞀・ε66
したがっおκ55の時の信頌限界は次のようになる。
倚±â‰ Ï€ïŒ¿2α2》雁∫56886十325×55土2228∌96䞁蕊
係数βαずの のそれぞれの暙準偏差は分散共分散マトリクスの䞻察角
芁玠の平方根をずればもずめられる。固定費αの暙準偏差は》78569舘2794
単䜍1000ドル倉動費率∂の暙準偏差は》0129399036である。
圓然のこずであるが係数の暙準偏差はその倀が小さければ小さいほど係数
の信頌性が増倧する。
操業床が1単䜍倉動した堎合の限界原䟡の倀はンの第1次導関数をずれば
もずめられる。
亘325
4κ
限界原䟡の95信頌限界は次のようになる。
40
325±2228×036244792 405208
40 ンの個々の掚定倀に぀いおの信頌限界は
倚ヒη島α2vly〃爵yκ
この信頌限界に関する理論的解釈に぀いおは泚24をみよ。Corcoran5コp66
勉4
84第3章コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎玅
この堎合にもサンプルサむズが倧きければπ≧30サンプルが正芏分垃
するずみなしお信頌限界を算出するこずができる。
「暙準誀差本皿でいう回垰偏差のこず  筆者泚によっお掚定倀の信頌
性を枬定しようずする堎合  この暙本は母集団から抜出された1぀の暙
本にすぎず倚様な暙本を同じ母集団から抜出できるのであっおこれらの異
なる暙本を甚いるずき同じ回垰線がえられるずは考えられないので回垰分
析に暙本誀差を避けるこずはできない。そこで掚定倀αみに関する暙準誀
差の枬定の問題ずこれらの掚定倀にもずづいおなされる統蚈的掚論を考察する
41
必芁がある。」
分散共分散マトリクスはたた埌者の回垰分析の結果の怜定にも䜿甚できる。
回垰盎線が母集団に適合しない堎合には母集団回垰線EαIX1βXの
傟きは0すなわちB0ずなるず考えられる。垰無仮説E。β0ず察
立仮説H、Bキ0を蚭定する。95信頌氎準のもずで自由床䞀210の
’倀は±2228でありこれず次匏でもずめられる怜定統蚈山畠ずを比范す
るのである。
’䞀鯖里瞥0−a・2 28
ツ
〆
図 4
41 豊島31コpp135−136
●
● ●■
● ● ●
●
第6節 分散共分散マトリクスの利甚ず信頌区間の公匏 85
この堎合’倀が芏準倀2228をこえるので謡曲仮説は棄华されXずyPの
42
間に線圢関係は存圚しないずいう考え1た棄おざるをえない。
同様の方法でッ切片の’怜定を行なうこずは技術的には可胜である。しか
しながらこのような怜定は芳枬倀に〃軞䞊の数倀が含たれる堎合通垞
このような芳枬倀は存圚しないをのぞいお実質的には無意味である。぀たり
応切片の’怜定は回垰分析ぞの倖挿法の適甚にほかならないのである。特
に図4のように回垰盎線のン切片がマむナスの倀をずる時には回垰盎線は芳
枬範囲内の原䟡額を予枬するこずのみに有効である。ずころで統蚈孊で倖挿
法の適甚を匷くいたしめるこずは䌚蚈における有効操業圏relevant range
の抂念ず盞通じるずころがある。回垰盎線の〃切片がマむナスの倀をずるこ
ずは本来固定費の範疇に属する原䟡項目を䌚蚈的な皮々の制玄によっお倉
動費のごずく凊理するたずえば枛䟡償华費を産高基準で凊理すやずか固
定費を䜕らかの基準によっお郚門ぞ配賊するなどが考えられる結果倉動費
率が過倧評䟡されたず解釈できなくはない。したがっおこのような状況は
コヌコランの指摘するように䌚蚈デヌタをたずラフに圃定費倉動費およ
び準倉動費に分解ししかるのち回垰分析を倉動費および準倉動費に察しお
適甚するこずが回垰分析を行なうにあたっお有意矩であるこずを瀺唆するもの
43
である。
第7節 分散分析ずF怜定
回垰盎線の怜定には前節で説明した’怜定以倖にF怜定がある。’怜定は
係数ごずに原䟡方皋匏を怜定する方法であるがF怜定はF分垃の特性を利
甚しお係数党䜓で掚定匏のすべおを怜定する方法である。
回垰方皋匏が母集団に適さない堎合には傟き回垰係数はれロになるず
42 サンプルサむズが30をこえるずきには圓該サンプルの母集団は正芏分垃するも
のずみなしお統蚈量炉Ύ䞀B》yのを怜定に䜿甚できる。Corcoran5P・
67ノ6
43乃錠P67なおコストビヘむビアの把握の䞊で重芁ずなる怜蚎方針に぀
いおの蚘述がコヌコランの接近法ずは若干異なるが豊島31コpp116−121にあるひ
86第3章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎皿
考えられる。぀たり
EΎ議β、需0β1はうの母集団倀
しかし回垰方皋匏が母集団の様子を的確にあらわしおいればいるほど誀差
倉動が枛少し盞察的に回垰倉動が増加する。誀差倉動回垰倉動をそれぞれ
の自由床で陀した分散の倀は平均平方mean square䞍偏分散ずもいわれ
るずよばれる母集団分散の掚定倀である。誀差倉動の䞍偏分散で回垰倉動の
それを陀した倀がF倀F・ratioずよばれるものである。 F倀からわれわれ
は次にしめす事項を知るこずができる。
1F倀は誀差倉動の分散掚定倀の䜕倍くらい回垰倉動の分散掚定倀があ
るかを枬定する。
44
2F倀が䞊昇する可胜性があるかどうかの決定を行なうこずを可胜にする。
通垞F倀の蚈算を容易にするために分散分析衚analysis of variance
è¡š3分散分析衚ANOVA
倉動芁床 自由床 平方和
䞍 偏 分 散
回垰倉動R 翅 ssRΣ〃䞀の2 MSRssR翅
誀差倉動£ π䞀初䞀1 55EΣ④䞀の2 ルf8E55βπ䞀翅䞀1
党倉動T π䞀1
SSTΣ〃䞀の2 MSTSSTπ䞀1
翅独立倉数の数π芳枬倀数
è¡š4 分散分析衚
倉動芁因
自由床
平方和 䞍偏分散
回垰倉動
1
2761100 2761100
誀差倉動
10
11
党倉動
338800 33880
3099900 281809
tableANOVAが䜜成される。衚3がそのひな型である。衚4は衚1のデ
ヌタをもずに䜜成した分散分析衚である。F倀を蚈算するず
F䞀耀䞀逐号䞀 5・ 29
44 Corcoran5コp‘68
第8節 回垰分析のコンピュヌタプログラム 87
5棄华域を蚭定する堎合の、Fの芏準倀は
F110篇496
である。われわれの蚈算䟋では・FF11・なので垰無仮説∬・β1瓢0は棄
华され芳枬倀は母集団から抜出されたものず結論される。このようにF怜
定は党䜓的に回垰盎線のあおはたりのよさgoodness o䟡tを枬定するので
ある。F怜定はたずえぜ「操業床は5棄华域で有意であった」ずか「予
二枬方皋匏に95の儒頌性がある」ずかずいうような確率的状況に぀いお蚀明で
きるずいう点でただ単に倉数間の関連の床合を枬定する統蚈倀である決定係
数よりもすぐれたものである。
第8節 回垰分析のコンピュヌタプログラム
前節たでで説明しおきた回垰分析を実行するコンピュヌタプログラムをコヌ
45
コランはしめしおいる。これは高玚蚀語BASICBeginne〆s A11−purpose Sym・
bolic InstrucUon Codeで曞かれたもので圌自身が指摘・匷調するように
く1独立倉数が2぀以䞊の堎合の回垰分析次節でのべる重回垰分析にも適甚
できたた2必芁ありず認められた堎創こは皮々の関数でもっお回垰分析を
46
行なうこずもできる。埌者の堎合には倉数倉換を行なっお圓該関数を線圢に
 4748
倉換しおからβ−7」【叞X『rが䜿甚できるように仕組たれおいる。rBA侀
45 1ゐゎ4L PP70−74
〈46䟋えば次のような凊理をほどこすこずにより線圢倉換が可胜ずなる。
1234
関数
κザをκ1挜ずしお凊理
〃䞀σκΎ
log応コ10gσ十うlog劣
o⑳
〃コαε
1nrlnσわん
ÎŽ
r・Ύ÷
1
÷䞀・䌜
〃コσ十䞀
5
デヌタの修正
〃∂。6ナκ62κ2
蜜繍
十うん
1Ύげ4L P70
2は第6章で取扱う習熱曲線モデルをあらわすのに䜿甚される関数圢である。
く47 1Ύげ鳳p70
88第3章コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎皿
SICではサブルヌチンず䞻プ埋グラムずは盎接関連しおいおサブルヌチン
49
の独立性はほずんどない」ためその䞀郚分をずりだしお説明するこずは非垞に
困難である。そこで本節たでの蚘述を理解した䞊で圌のプログラムをいく
50
぀かの参考文献を䜿っお怜蚎しおいただきたい。BASICは非垞に理解が容易
科孊蚈算甚の蚀語でありFORTRANを孊習したものであれば短時間で理解
なできるものである。ただ本プログラムを実行する際には蚀語にコンパむ
ラ間で著しい盞違があるので泚意すべきである。なお補匌においお筆者が䜜
成した重回垰分析のプログラムをしめしおおく。
結
び
以䞊単玔回垰分析をコスト・ビヘむビアの分析に䜿甚しようずする堎合に
぀いお抂略をのべおきた。回垰分析は他の歎史的原䟡資料を基瀎にするコス
ト・ビヘむビア分析技法の欠点を補いか぀それらの長所をもあわせも぀すぐ
れた技法である。さらに回垰分析はその実斜によっおもずめた回垰方皋匏の
信頌性を枬定するこずが可胜であるずいう他の技法にはない長所をも぀コス
ト・ビヘむビア分析技法であるこずも知りえたのである。しかしこの長所が回
垰分析の限界ずなる。すなわち回垰方皋匏の信頌性に぀いお蚀明を行なうた
めには回垰分析に䜿甚される芳枬デヌタは第2章でのべたさたざたな条件に
かなった䞊でさらに䞀定の統蚈的仮定を満たす必芁があるからである。特に
統蚈的仮定を満足するこずはずきずしお非垞に困難である。ただしわれわれ
はこのこずをもっおコスト・ビヘむビアの分析に回垰分析を適甚するこずを断
念すべきではない。むしろ回垰分析を䜿甚しおコスト・ビヘむビアの明確な
48線圢倉換のプログラムは圓該プログラムに远加される必芁がある。
49 田䞭20p9
50次のものを参照されたい。
Kemeny J G and T E Kurtz Bσsゎ。 P709㎎圿初初9 John Wiley and Sson
Inc・1967・森口繁䞀監蚳尟厎矩雄・神山歊蚳「ベヌシック入門」共立出版
1971味村重臣・岡田擁圊・枡蟺矎枝著「入門BASIC」オヌム瀟1971田䞭
20
び
結
89
把握を行なうために䌚蚈的手続を再怜蚎しその䞍備である点を改良しおいく
ようなアプロヌチをずるべきなのである。単玔回垰分析の特城を以䞋に䞀芧衚
にしおおく。技法の限界を知るこずはその誀りのない適甚を行なうためには
䞍可欠の䜜業なのである。
最埌に本章をたずめる意味で単玔回垰分析を行なった結果えられる回垰方皋
匏を経営管理掻動に䜿甚するこずを支持するかどうかを決定する手順をプロ
所
きる。
所
コンピュヌヌタ
のパヅケヌゞ
プログラム「が
利甚できるた
め・䞀定の芁
件をみたさな
い芳枬デヌタ
がむンプット
されおも実
際には意味の
ない回垰方
皋匏がもずた
るので誀甚
の危険がある。
分析結果が有
効なものずな
るにはモデ
ルの比范的き
぀い仮定を満
足しなければ
問題点
制め甚えうはば。果競堎にお怪い
のる有がよにれか結評るれしをよ
ルゆ果るるすのの語いそに性ば。
、デをも契れすうい垰業甚か青れか
モ玄おならにどよ回をに合い芏えの
他の過去の
芳枬デヌタ
に基づく方
法の長所を
あわせも぀
芳枬デヌタ
に察する回
垰線のあお
はたりのよ
さを枬定で
短
適甚領域
鶏
長
、自小うた・ラ掚定
分
城
の最よしパの確
項がる定のタを
乱和な予数倀る
撹乗にに関メ定す
過去の芳枬デヌタに基づく方法
åž°
単玔 回 垰分析
回
特
コスト・ビ
ヘむビア分
析技法
甚領域芳
デヌタが
倚数存圚し
それらが䞀
定の芁件を
みたしおい
る堎合には
どのような
察象にでも
適甚できる。
ならない。
析・
他の技法ずの
比范では蚈算
が若干耇雑で
ある。
重回垰分析
次章を参照せ
よ。
51 このフβ䞀チャヌトはCerullo3コP・41を参考にしお筆者が曞きかえたもの
である。

90第3章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎皿
51
』・チャ』トの圢匏でしめしおおく。これから回垰分析からめアりトプッ䞋
の利甚め仕方が明らかだなるだろう。ただしこのフロヌ・チャヌトでは回垰
分析のコンピュヌタ・プログラムにむンプットされる芳枬デヌタが具備すべき
諞芁件に぀いおは觊れおいない。再䞉指摘しおいるように芳枬デヌタが分析に
たえる䞀定の芁件を満たしおいないければ分析結果は䜕らの意矩ももたない
コンピュヌタ・
アりトプットを分
析せよ
曇・䞀䞀隚䞀脚䞀葡茯韓 茪嚇の隚䞀䞀鞠〇䞀䞀
コ ロ
1è¡š1のデヌタから醐耀匏は1
回垰匏
倕α䌜
ゐ コ
願p
を芳枬せよ
暗 ン56885●6十32474τ o
・ずなる ・
9 1
屡 臚
9䞀 䞀 䞀 〇 䞀 䞀 扁● 隚働臚。垥 䞀䞀䞀䞀䞀幜䞀ψ
盞関係数r
ず決定係数〆
を怜蚎せよ
ç¿«
②
ずおよび〆
は有意か
芳枬デヌタをむン
プットせよ
ツΞ5
アロ の コココココロコのサのコののココロロダ
1単玔単圢回痛分析の堎合には 1
ε怜定の結果を
分析せよ
霧」2Fである。そこで、どちら 1
选1 をもちいおも怜定の内容は実質l
o的には1叞じである 1
8 量
L鞘駒䞀䞀䞀䞀扁䞀鞠軞霢葡䞀䞀䞀䞀䞀䞀」
ε怜定あるいは ハb
F怜定の結果は
有意か
サンプル・ ツ28
サむズが小さすぎ
サンプル・サむズ
を増す芳枬期間を
ないか
短かくずる、クロス・
ε
←①
セクショナル・デヌ
タを䜿甚する
蛎
解
②
結
び 91
ものずなっおしたう。次章では重回垰分析を怜蚎するがここでの䞭心論点も
・やはり芳枬デヌタの有するべき芁件に぀いおのものである。
②
新しい独立倉数
を怜蚎するか
新しい独立倉数を
ツeε
遞択し、芳枬デヌタ
をむンプットせよ
ç·¬
他の分析技法を甚いる
たたは他の関数圢をあ
おはめるこずを怜幜せよ
①
平均のたわりの残差
項撹乱項を
プロットせよ
自己盞関ば存圚するか
分散斉䞀性は
南
向垰匏の信頌泚
に疑問がある
みたされるか
回垰係数ず回垰
匏は有意である
信頌区間垯を算定せよ
STOP
回垰匏は利甚できる
統蚈的に有意
回垰分析のフロヌ・チロヌトによる解釈
92
第4章 コスト・ピヘむピア分析技法の怜蚎秘
䞀重回垰分析䞀
矩ナ節 重回垰モデル
皮々の意思決定状況では信頌できる原䟡数倀の存圚するこずが䞍可欠であ
る。本章では耇数の独立倉数で原䟡の倉動を説明する統蚈的方法である重回
垰分析をずりあげその抂芁適甚にあたっおの問題点およびその限界に぀
いお怜蚎する。
重回垰分析は「耇数の独立倉数がある堎合に単玔回垰分析の抂念を拡匵し
1
たものである。」したがっお単玔回垰分析の堎合ず同様に携乱項の平方和を
ずりそれを最小化するずいう最小自乗法を適甚すればたずえば2倉数回垰䞀
2
のずきの正芏方皋匏は぀ぎのようになる。
最小化EΣ鰐Σ〃䞀の2
ΣZノ乞䞀Ύo侀ή1κご1侀∂2κ乞22
ïž·
㌍あ。Ύ、κ、、Ύ絢2
∂E
∂E
∂E
砺諜薔竃o
Σ2シrう。䞀Ύ尚1侀ή2κ犯䞀1寓0
Σ2隣䞀Ύo侀∂1κ¢1侀ή2劣¢2䞀κ乞10
Σ2霢䞀Ύ。䞀∂ナκ¢、䞀う2κε2䞀κ乞0
1 Corcoran5コ P75
2 芳枬倀数をπ独立倉数をκ¢G12  鳶回垰係数を6‘G12 
 々定数項をΎoずすれば正芏方皋匏の䞀般の䞀般圢は
ずなる。
モ
第2節 重回垰分析の実斜にずもなう諞聞題a93
この匏を敎理するず
う。Ύ1Σκ1う2Σ「劣2誕Σ〃
う。Σ眪1∂、Σκ量6Σ塀2Σκ、蜜
ÎŽoΣκ2う1Σκ1κ2Ύ2Σκ1Σκ2劉
添字は省略
ずなる』ここで泚目しおほしいのは独立倉数の数が増しおも埓属倉数倀ン
およびその平均応の倀は䞍倉であるこずである。そこで単玔回垰分析でも
ずめた党倉動回垰倉動および誀差倉動の数倀は同じ芳枬倀に重回垰分析を
適甚した堎合には䞍倉である。正芏方皋匏をマトリクス暗瀺すれば単玔回垰分
析の堎合ず同様にβ謹X7X䞀iX7rずなる。
期間をくぎっお原䟡の発生額を掚定しようずする時期聞ごずに原䟡の発生
に圱響を䞎える諞芁因の匷床は圓然異なるのでありある期間には䜜甚するが
他の期間には䜜甚しないような芁因も存圚するであろう。そこで原䟡の態様を
単䞀の倉数にあずづけお把握するこずが困難であるような状況䞋では原䟡に
䜜甚するず思われる耇数の芁因にあずづけおコスト・ビヘむビアを怜蚎するこ
ずの意矩が芋出せるのである。Benstonは監督者は非珟実的なデヌタを軜
3
芖する傟向があるずいう実蚌結果をふたえお実際のコスト・ビヘむビアを単
玔化しおあらわすよりも珟実をよりょく写像するず思われる耇数の独立倉数
4
を考慮する重回垰分析を䜿甚するほうがすぐれおいるず指摘しおいる。
第2節重回垰分析の実斜にずもなう諞問題a
重回垰分析の結果ずしお獲埗される原䟡掚定倀が信頌しうるものずなるため
には様々な条件がずずのっおいなければならない。そこで本節では分析される
芳枬デヌタが具備しおいなければならない芁件を考慮するずずもにコスト・
3 Simon H・A・ H・Guetzkow G・KQzmetsky・and G・TyndaU・CΞηアα」詔’げ。π
びΞ733DΞc6π〃α按α’♂oπ 初0ヵ〃σ’初g’海6 Coη’70〃675 Z6ρ〃’鋭6π’ The Con・
trollership Fouロdation1954
〈4 Benston1コP・659・
94第4章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎皿
ビヘむビアの把握を原䟡集蚈目的ず考えた堎合぀たりコスト・ビヘむビアの
把握を正確に行なうこずこそが䌚蚈においお重芁な方針であるず考えた堎合に
珟状の原䟡蚈算システムはいかなる欠陥を有しおいるのかもできるかぎり怜蚎
しおみたい。本節は前節14ずその内容が若干重耇する郚分があるがそのこ
ずをこずわっおおきたい。さらに本節の蚘述はBenstonによるずころが倧ぎ
い。
2−1原䟡蚘録のタむムスパン
a遞択されたタむムスパンはそのタむムスパンの間に生産されたアりトプッ
トずその生産によっお生じた原䟡を察応させる原䟡蚘録手続が行なえるだけ
5
の長さがなければならない。
たずえば生産量が日次に枬定されおいるずしおも消粍品や補助材料の蚘
録がそれらの項目の重芁性ず蚘録手続の簡略化を考慮しお1週間単䜍で行なわ
れるのであればこれら費目のコスト・ビヘむビアの分析は1週間単䜍の芳枬
デヌタを䜿甚せざるをえない。コスト・ビヘむビアの詳现な分析を第䞀矩に考
えるのなら原䟡蚘録手続をできるかぎり迅速に行なうようにしなければなら
ない。
b䞀方タむムスパンはその期間ごずの生産の倉動を把握しうるように十分
6
なだけ短かくなければならない。タむムスパンを長くずりすぎるず倉動が平均
化されお本来のコスト・ビヘむビアを反映する回垰方皋匏をもずめるこずが
できなくなるのである。
さらにタむムスパンの長さにかかわりなく原䟡蚘録ず操業床蚘録を原因結
果関係での察応をそこなわないように詑録の掻動に察する先行や遅延lag
を修正あるいは調敎するこずも䞍可決な芁件である。
5 1Ύげ鳳p663
6 16æ­ª4p663
第2節 重回垰分析の実斜にずもなう諞問題a95
2−2 芳枬倀数
芳枬デヌタはできうる限り倚数収集される必芁がある。芳枬デヌタの数が倚
いほど統蚈的方法である回垰分析によっおもずたる回垰匏の粟床は高くなるの
7
である。そこで芳枬デヌタを数倚く獲埗するためにたず芳枬期間すなわち
タむムスパンを短かくずるこずが考えられる。これは2−1のbでのべ準芁件ず
も合臎する。ただし芳枬期間を短かくずりすぎるず自己盞関の間題が生じる
可胜性がある。
さらに芳枬デヌタを倚く獲埗するにはクロス・セクショナル・デヌタcr−
oss・sectional dataを匕導蟞するこずも考えられる。しかしこの堎合にはそ
れぞれの芳枬デヌタが盞互に同質的である必芁がある。このような同質的なク
ロス・セクショナル・デヌタはたずえば地域捌事業郚制を採甚しおいる䌁業
8
では比范的入手可胜であるず思われる。もちろん各事業郚の経営掻動がその
芏暡は別ずしおも同質的であるか吊かを入念に怜蚎し必芁な堎合にはデヌタ
を修正しお同質性をたも぀ようにする必芁がある。
2−3 芳枬倀の範囲
原䟡およびアりトプットの芳枬デヌタは可胜なかぎり広範囲にわたる必芁が
9
ある。芳枬倀が期間ごずにそれほど倉動しないのであればこれら芳枬デヌタ
7 単玔回垰の堎合回垰匏の信頌区間垯は次匏でもずめられる前章第3節を参照
せよ。信頌区間垯に関しおも芳枬倀数が倚数存圚するこずが望たしいこずがわかる。
ず土砺島認×Ύツκ×ゟ⊥ κ䞀
O2 r
πΣ劣䞀κ・
぀たり芳枬画数が増加するに぀れお信頌区間垯の幅が次第に狭くなるのである。
重回垰の堎合も同様のこずがいえる。
8Benstonは各支店からえられるクロス・セクショナル・デヌタを甚いお銀行業
における原䟡関数を導出しおいる。詳しくは
Benston G Economies of Scale and Marginal Costs in Ba蚟king Operation
䞁加、醐≠勿〃σ」βα〃々勿gR召。詑”1965・PP・507−549・を参照せよ。
9 Benston1コ P・663・
96 第4章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎斑
に基づいお算出された回垰方皋匏によっお原䟡掚定を行なう特に芳枬範囲倖
のアりトプットに察する原䟡掚定こずはあたり勧められない。クロス・セク
シ滋ナル・デヌタが同質的であるこずがわかっおおりこれらが利甚できるな
10
らば芳枬倀の範囲を拡倧できる可胜生はある。ただし2−2でのべたように
ク矀ス・セクショナル・デヌタを䜿甚する堎合には十分泚意を払わなければな
らない。先ほどのべた䟋で各地域事業郚の掻動領域アりトプット量で枬定
されるが比范的広範囲にわたっおいおここで説明しおいる芁件を満たしお
いる堎合にでも掻動量の芏暡はしばしば経営構造を倉化させるので芳枬デ
ヌタが同質的であるか吊かを慎重に怜蚎すべきである。なおここで行なっおい
る議論ではアりトプットに郚門の総原䟡をあずづけこのコスト・ビヘむピァ
を分析しようずしおいるずいう状況を想定しおいる。そこで原䟡費目のビヘ
むビアを盎接䜜業時間などのむンプット基準のもずで考えるずか郚門の総原
䟡を本節でのべる重回垰分析におけるように耇数の倉数で説明しようずする時
にはクロス・セクショナル・デヌタの利甚に぀いおはさらに別の角床から十
分な考察を行なう必芁があるだろう。
2−4 原䟡䜜甚因の特定化
原䟡に圱響をあたえるすべおの芁因はこれを特定化し分析に含めなければ
1D
ならない。原䟡の発生に圱響をあたえるすべおの芁因が蚈量化可胜なものばか
りではなくさらに蚈量化できる諞芁因に぀いおもそれぞれが盞互に圱響しあ
うので独立倉数の数カミ増すに぀れお回垰分析の基瀎にあるさらにその有甚
性を高める統蚈的諞仮定のちに説明するはすべおずいっおよいほど䟵害さ
れおしたうのである。そこで重回垰分析の適甚にあたっおは独立倉数の数を
最終的には2぀に限るべきであっお数倚くの倉数を考慮するこずは無意味で
あるず䞻匵する統蚈孊者も少なくないずいうこずはなにも驚く事ではないので
10
Dop犠chΞ’α」6p71
11
Benston1コp663
12
Corcoran5コP・76・コヌコランは統蚈孊者MJ Moτoneyの䞻匵に同意
第2節 重回垰分析の実斜にずもなう諞問題a97
1213
ある。このこずに関する議論はここではさらに展開しない。ただ最埌にのべお
おきたいのはコスト・ビヘむビアの分析に䜿甚される芳枬デヌタはクロス・
セクショナル・デヌタを䜿甚する時をのぞいお時系列デヌタであるこずである。
それゆえに時の経過が原䟡に䞎える圱響を1その代理倉数をモデルに独立
倉数ずしお組蟌むか2モデルのアりトプットを調敎するかい぀れかの方法で
原䟡掚定倀に反映させる必芁のあるこずを忘れおはならない。
2−5䞊蚘芁件が原䟡蚈算シメテムに䞎える圱響
さおそれではここたでにのべた4぀の芁件が原䟡蚈算システムにあたえる
むンパクトに぀いお怜蚎を行なうこずにしよう。
たず2−12−2および2−3から原䟡デヌタの蚘録がいかなる長
さの期間を単䜍ずしお行なわれるべきかが問題ずなる。Benstonは適切な原
14
䟡蚘録期間は1ヶ月を越えずできれば1週間より短かくないのが適圓である
ずのべおいる。原䟡蚘録期問を長くずるずアりトプットを原䟡の関係が平均化
されお芳枬デヌタ䞊にあらわれ逆に期間を1週間以内に短かくずろうずしお
も䌚蚈手続がこれを蚱さないのである。圌の指摘した期間に぀いおの考え方は
コスト・ビヘむビア分析の察象が郚門原䟡あるいは䌁業で発生する総原䟡であ
りか぀既存の䌚蚈凊理システムを前提ずしお導びかれおいるず考えおもよい
であろう。ただコスト・ビヘィピアを正確に把握するこずこれがなされれ
ばこの分析から埗られる情報を信頌しそれをもずに皮々の局面で合理的意思
するものであるずしお次の文献を匕甚しおいる。
Moroney M゚ Eα6’s〃。圫Fã‚Žgκ7Ξε Pe侔guin Books1967 p。3041ÎŽã‚Ž4 p
76動7
〈13 「蚈量分析の目的は予枬でありしたがっおできるだけ2倉数回垰を甚いるべ
きであるず䞻匵する人々もいる。」䜐和・前川蚳29コp47レッサヌはかか
る䞻匵の論客ずしおGearyをあげおいる。 Geary R C So魚e Results about Rela・
tio侔s between Stochast童。 VariablesADiscussion Docu1nent、配Ξ〃ゎ6ωo∬κ・
’ξ7ησ圊ゎ。ησJS’α’ゎs’∫oα11ηs擁’’Ξ311963 PP163−181
14 Benston1コP・664・
98 第4章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎盟
決定を行えるシステムを考える䞊での基瀎条件の1぀の確立したこずになる
が原䟡蚘録を行なう唯䞀の意矩であるず考えるのであれば原䟡の蚘録はア
りトプットの蚘録ずの閥にラグが存圚しないようになされるべきであるずいう
こずができる。芳枬のタむムスパンが短かくなればなるほど䞀定期間から埗
られる芳枬デヌタの数が増すずいう利点があるこずもすでに指摘した。ただ芳
枬倀の蚘録のタむムスパンに぀いおその長さが既存の原䟡蚘録システムから制
玄されおいるず考えるのではなくお経営の党般的芳点から原䟡項目の重芁性
に応じお蚘録のタむムスパンが区切られおいるのであれば期間の長さに぀い
おはそれほど問題はない。この堎合には決定された蚘録期間䞭に正確な芳枬倀
が蚘録されるように原䟡集蚈手続が敎備されねばならないずいう将軍をこれ
らの芁件が䌚蚈に察しお行なうず解するこずができる。
次に2−4すべおの圱響芁因を分析に組蟌むべしずいう芁件に぀いお
その原䟡蚘録に察するむンパクトを考えおみよう。ここで泚意すべきはすべ
おの圱響芁因を分析に組蟌むずはこれら原䟡䜜甚因をすべおモデルの独立倉
数ずするこずを意味するのではないこずである。したがっお単玔回垰のよう
に単䞀の独立倉数でコスト・ビヘむビアを説明しようずするアプロヌチをずる
こずも利甚目的によっおは正しい遞択であるずいうこずはできる。ただ回垰
匏からもずたる原䟡掚定倀をそのたたの圢で䜿甚するこずには単玔回垰重回
垰のいずれを採甚する堎合にも問題がある。この時には独立倉数に採甚した
もの以倖の原䟡䜜甚因の圱響を考慮しおもずめられた原䟡掚定倀の修正・調
敎を行なわなければならない。重回垰分析の堎合にはたずえば郚門原䟡のビ
ヘむビアを分析するのであればアりトプット量以倖に①芁玠䟡栌や生産方
法の倉曎のような事象や②生産が前期ず比范しお増加傟向にあるか枛少額向
にあるか③季節倉動がみずめられるかどうかずいった芁因を独立倉数ずしお
15
モデルに組蟌む必芁がある。回垰匏が信頌のおけるものであるなら原䟡の発
生に圱響に䞎える芁因がほずんど回垰匏に組蟌たれおおりさらに操業床をあ
らわす倉数にだけ原䟡の倉動をあずづけるこずの䞍正確さを排陀するのでこ
15 1ÎŽæ­ª4p。664
第2節重回垰分析の実斜にずもなう諞問題a99
の回垰方皋匏からもずめられる原䟡掚定倀にはほずんど手を加える必芁はない
ものず考えられよう。重回垰分析はこのような意味で単玔回垰分析よりもすぐ
れおいるず考えるこずもできる。
さお重回垰分析を適甚しようずするずきには独立倉数ずしおモデルに組
蟌たれるであろう原䟡䜜甚因はそれぞれ原䟡デヌタの蚘録期間ず同じタむム
スパンで正確に枬定されそれらが回垰分析においおただちに操䜜できるよう
に䞀組にしお蚘録されおいなければならない。たた特定期間には比范的匷く
原䟡に䜜甚するがそれ以倖の期間においおは䜜甚しないかほずんど無芖しお
もよいような芁因に぀いおはこのような珟象が生じおいるこずがただちに明
らかになるような蚘録機構が原䟡蚘録のシステムに付随しおいるこずが望たし
い。さらに回垰匏に偏向を生じさせる異垞事象に぀いおもこれが分析実斜時
には確認されかかる事態の生じた期間のデヌタを分析から陀倖できるような
䜓制も確立されおいなければならない。
最埌に生産量ず原䟡ずの関係に぀いおさらに怜蚎を加えるこずにする。たず
えば生産が各期に盞圓増加したか枛少したのかを蚘録しおおくこずは぀
ぎのように䞊蚘のような状況を独立倉数ずしお぀たり数量化しおモデルに
組蟌むこずを可胜にするのである。生産量の増倧は通垞超過勀務の実斜や蚭備
の利甚匷床を高めるこずで察凊しうるが生産量の枛少は䜜業速床をおずした
り遊䌑時間の増加雇甚は容易であるが解雇は困難であるためを実斜するこ
ずをずもなう。した挔っお増産による远加原䟡限界原䟡は枛産による原
䟡節玄額より倧きくなるず考えられる。枛産によっお蚭備の操業を䌑止した湯
合にでも維持保党費が発生するこずを想起すれば䞊蚘のこずはさらに明瞭に
なる。これらの事実はすでにのべたように蚘録が盞圓期間蓄積されおいれば
たちどころに明らかになるものである。ずころでかかる事実はダミヌ倉数を
䜿甚すれば回垰分析で考慮できるようになる。ここでダミヌ倉数ずは前期ず
比范しお生産量が増倧しおいるならP灘1枛少しおいるずきにはP0ずな
る倉数をいう。ダミヌ倉数はここでずりあげた䟋のほかに季節倉動ずいった
16
定性的な倉数を説明するためにも䜿甚でぎる。回垰分析によっおもずたるダミ
100第4章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎皿
䞀倉数の係数によっおわれわれは䞀般に非蚈量的であるず考えられる芁因に
よる生産量倉化が原䟡にあたえる圱響を蚈量的に枬定できるのである。
第3節 重回垰分析の実斜にずもなう諞問題b
第2節でのべたような芳枬デヌタに関する諞芁件を完党に満たすこずは非垞
に困難なこずである。本節ではさらに回垰分析を行なうにあたっお芳枬デヌ
タが具備しおいなければならない統蚈的芁件に぀いお怜蚎する。これらの芁件
は芳枬デヌタが前節でのべた諞芁件をみたしおいる堎合にでも達成が困難な
ものが倚い。たた前節でのべた芁件を満たそうずすれば本節でのべる統蚈的
芁件が䟵害される堎合もあるのである。これら芁件が芳枬デヌタから欠萜しお
いるこずは回垰分析の䌚蚈ぞの適甚の限界にただちに぀ながるものである。
しかしこれらの限界を克服するこずこそが圓該技法の䌚蚈問題での䜿甚を今
以䞊に促進する原動力ずなるものず考える。それゆえ本節での議論は䌚蚈に
おいおも本質的なものである。
3−1 枬定の誀差
前節の4぀の芁件からも明らかなようにデヌタを誀差なしに枬定するこず
は䞍可胜である。回垰分析ではかる芳枬誀差の存圚を携乱項ずしおモデルに組
17
蟌んでいるこずをたず確認しおおく必芁がある。さお枬定誀差の䞎える圱響を
18
考察するために擬乱項から枬定誀差だけを分離できるものずしよう。
a埓属倉数に぀いおの枬定誀差
埓属倉数に぀いおの枬定誀差がγそれ以倖の芁因をあらわす撹乱項がΌで
あるずすれば実際芳枬倀ンはたずえば぀ぎのように衚わされる。
161Ύ鉱P・664 fπ14宮川23PP210−2i3
17倉数の枬定誀差を考慮に入れたモデルを゚ラヌ・モデルerror model枬定誀
差をのぞいた他の原因による誀差のみをずりあげるものをショック・モデルshock
mode1ずいう。回垰モデルは䞀般に゚ラヌ・モデルである。
〈18Benston1P・665・同様の蚘述がB侉em1蹎and Dyckm飢2コにもある。
第3簟 重回垰分析の実斜にずもなう諞問題b101
γ惚針う劣1σκ・Ό
2ノσみ擢1oκ2Ό䞀γ
したがっおγは携乱項に圱響を䞎えるだけであるから回垰方皋匏の粟床はお’
ちるもめの回垰分析の結果獲埗されるパラメヌタの掚定倀には圱響しない。
b独立倉数に぀いおの枬定誀差
䞀方独立倉数に぀いおの枬定誀差は重倧である。倉数κ1の枬定誀差をψ
で衚わすず
㌢瓢αΎκ・十ψoκ2Ό
欝αうん1cκ・ΎψΌ
ずなり携乱項が独立倉数κ䞉ずは独立でなくなる。据二項が独立倉数から独
立しおいない堎合にはのちにのべる芁件3−3が䟵害されおいるのであるひ
このこずのも぀意味に぀いおは埌に説明するが䞀般的にいうず芳枬デヌタの
19
ずる倀が倧きくなるにしたがっおこの皮の枬定誀差は増倧するこずになる。独
立倉数の枬定誀差はこのように重倧であるからこれら倉数倀の枬定は埓属倉
数のそれよりたしお正確になされる必芁がある。このこずからコスト・ビヘ
むビアの分析においおは原䟡の正確な蚘録ずあいたっおその蚘録ずは通垞察
応が明確な圢でなされない独立倉数の正確な枬定ずその蚘録が行なわれる必芁
があるこずがわかるだろう。コスト・ビヘむビアの分析を容易に行ないうる原
䟡蚈算システムこのシステムは意思決定目的には特に適応的であるを構築
しようずする堎合には䞊蚘の指摘事項は圓然考慮すべき問題の1぀である。
3−2 独立倉数間の盞関
単玔回垰の堎合には問題にはならないが独立倉数が盞互に密接に盞関する
ずいった事態が重回垰分析では発生する可胜性がある。このような状況は重共
線性mUltiC・1inea蹎yず呌ばれる。ロスト・ビヘむビアを機械運転時間ず
修繕時聞ずを独立倉数ずしお分析しようずする堎合にこのような状況が存圚
するこずは䞡者に぀いお盞関分析を行なうたでもなく明らかであろう。重回垰
19 Benston1コP666
102n第4章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎皿
分析で重同線性が認められるずきには回垰係数のパラメヌタ倀がしめす各独
立倉数の埓属倉数にあたえる圱響はこれらを分離しお蚈枬するこずが困難に
なる。重画線性の問題は独立倉数の数が増加するに぀れお深刻なものずなる。
そこで重心垰分析の適甚にあたっおは先に指摘したように独立倉数の数を
できるうる限り少なくすべしずいう重回垰分析の目指すずころずは逆ずもいえ
る考え方も䞻匵されるのである。぀たり重共線性は重回垰分析の有甚性を巊
右するほどの意味をも぀問題なのである。重共線性に぀いお怜蚎を続けるたえ
にたず消極的ではあるがこの問題を若干でも回避する具䜓的方法を論じお
みたい。
è¡š2のような芳枬デヌタが獲埗されおいるものずする。
衚 2
機械蜟時間盎接蔜醐卞売磁撒
1973 350
60
55
72
62
58
75
74
85
88
94
92
1974 375
100
1963 262
1964 230
1965 247
1966 258
1967 240
1968 330
1969 314
1970 340
1971 348
1972 360
単䜍1000
61
31
51
51
42
11
61
81
91
81
51
4
1
望
幎床 原䟡
945
947
966
998
1000
1025
1065
1104
1139
1191
1347
1601
è¡š2には衷1のデヌタに加えお新しく2぀の独立倉数䞀䞀盎接䜜業時間ず卞
売物䟡指数Who玉esale Price Index以䞋WPIず略称する䞀䞀が導入さ
れおいる。
さお3぀の独立倉数をすべお分析に組蟌む堎合マトリクス」【は次のよう
になる。
第3節 重回垰分析の実斜にずもなう諞問題b103
1 60 16 945
1 55 13 947
i ldO 1≧ 16瓊1
補章でしめしたコンピュヌタプログラムにかけるず回垰方皋匏決定係数
およびF倀は次のようになる。
Z1謹䞀100821309κ1十9570κ21357κ3
720964
F挏715
分散共分散マトリクスは䞋蚘のようにもずたる。
206267 2080
侀9636
20。80 、 46
−125
−9636 −125
568
−1872 䞀32
90
γ
前述の決定係数の倀ずF倀は䞊蚘の回垰方皋匏を維持䜿甚すべきこずを数倀䞊
はしめしおいる。「ただそれらの倀が非垞に原䟡の動きをよく説明しおいるず
20
いうだけで重共線性の問題を回避したのではない」のである。
それでは重共線性の怜定の問題を考えおみよう。「重共線性を怜定するた
めには各回垰係数砺に察する各々の回垰係数の暙準誀差∌隙をチェックす
る必芁がある。この暙準誀差がたずえば各係数の倀をこえるような堎合には
21
重共線性に問題があるずいえる。」ただその手続は若干煩雑なので次のよう
な盞関係数マトリクスが重共線性をチェックするために䞊蚘の怜定にかわっお
しばしば䜿甚される。以䞋では盞関係数マトリクスを甚いお重共線性の存圚を
チェックする方法に぀いお説明するこずにする。
さお倉数間の盞関係数マトリクスは次ペヌゞのようになるのであるが各
20 Corcora䞔 5コ P76
〈21 ∬あ∫4」p77。
104第4章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎恥
讐螊麟窩WPI
κ1∫2躍3 κ、 ”2 劎3
κ1 1 プ12 713 苅
1 3422 8419
κ、7・・1723劣・
3422 1 0878
比37、、721 κ3
。8419 0878 1
々の盞関係数は次匏で蚈算される。
〔Σコじ乞κ䞀Σκ乞Σκ」〕っ32
Covκbκゎ
7¢’》yω》γ。、V銘Σ・∌䞀町∂・・Σ・、・䞀Σ・・〃
マトリクスX7Xは次のようになる。
12 915 194 13328
915 72387 14930 1043948
194 14930 3198 215026
13328 1043948 215026 15216072
䞊蚘のマトリクスは次のこずを瀺しおいる。6りは䞊蚘マトリクスの第ゎ行第
∫列の芁玠をあらわす
Ξ12蚺Σ劣1915 ξ23臚LΣ7π12謡72387
814・Σκ3・13328 ξ44需Σ∫32瓢15216072
824䞉Σ劣1κ31043948
WPIに察しお機械運転時間を回垰させた堎合の決定係数の平方根は
Σκ1κ3䞀Σκ1Σκ3
γ13V移Σκ、2䞀Σκ、・πΣ。32䞀Σ・、・
624侀ξ12Ξ14
䞀》Ξ䞀Ξ22 2πΞ44−814
12×1043948−915文13328
䞀 ∌12×72387−915212×15216072−133282
0841S89
である。
「このように7の倀が倧きいこずは機械運転時間かWPIのどちらか䞀方
第3節 重回垰分析の実斜にずもなう諞問題b105
22
を分析に組蟌む独立倉数から陀倖するこずを瀺唆するものである。」そこで重
共線性の圱響をできるだけ軜枛するために独立倉数閲の盞関係数のもっずも倧
きいものを盞関係数マトリクスから読みずりそのどちらか䞀方を独立倉数か
らはずしおやる。われわれの䟋で盞関係数マトリクスから重扇線性がもっず
も䜎いのは䜜粟時間ずWPIの間である。䜜業時間ずWPIを独立倉数原
䟡を埓属倉数ずしお回垰分析を行なうず回垰方皋匏および〆F倀は次の
ようになる。
Zノ䞀16056十13148κ2十2273κ3
720947
F806
以䞊のように盞関係数マリクスを利甚しお回垰分析に組蟌む独立倉数を遞
択すれば重共寝性の決定的な圱響を若干なりずも回避できる。
さらに重池線性に぀いお考えおみよう。たずえば淫心皮補品を補造しおいる
郚門においおそれらの補造原䟡のビヘむビアを党䜓ずしお明らかにしょうず
詊みれば重共線性の問題は回避できないであろう。総原䟡を補品皮類別のアり
トプッ、ト量で回垰しようずする次匏を参照せよならば補品のアりトプッ
ト量は盞互に密接に盞関するこずが考えられその重共線性のために掚定され
23
た回垰係数は倧きな暙準偏差をも぀こずになりその信頌性に疑問が生じるの
である。
Cβ・β・κ・β・κ・β・κ・・ ・・β・κ・
C総補造原䟡
β乞需回垰係数
職瓢補品ゎのアりトプット量
以䞋では1原䟡䞭心点で1぀の補品が補造される堎合ず2原䟡䞭心点で耇数の
補品が補造される堎合ずに分けお重回垰分析を適甚する堎合の重共線性の問
題ずそれをできる限り回避するための原䟡蚘録䞊の泚意事項を怜蚎しおみたい。
22 1ゐゎ4p78
23 Benston1ナP667
菊6第4章 コスト・ビペむビア分析技法の怜蚎皿
1各原䟡䞭心点で1぀の補品が補造される堎合
この状況ではたず各原䟡䞭心点においおそこで発生する補造原䟡に察しお
それぞれ同垰分析を行ない圓垰方皋匏を確定すれぜよい。総補造原䟡を掚定し
たいのであれば各補品の予枬アりトプット量および重回垰分析を適甚するず
きにはその他の採択した独立倉数予想倀々甚いお各原䟡䞭心点の原䟡掚i定倀を
もずめこれらを合算するこずにする。郚門間の独立性が保蚌されおいる堎合
にこのように2段階で総補造原䟡の掚定倀をもずめれば各補品のアりトプ
ット間の䞉共線性の問題は回避できるのである。
さおこのような手続は確かに重共線性に関する1぀の問題を回避するのには
有効ではある。しかし぀ぎにのべる問題を回避したわけではない。たず怜蚎し
なければならないのは原䟡䞭心点ぞの原䟡の配賊に関しおのものである。䞊
蚘のような方法で重共線性を回避できるようにずるには原䟡はそれらのビヘ
むビアが各原䟡䞭心点での重回垰分析で䜿甚される独立倉数によっお十分に説
朔できるように各原䟡䞭心点に配賊されなければならないのである。各原䟡䞭
心点で補造されるアりトプットを䟋にずれば圓該アりトプットずは無関連な
原䟡を圓該原䟡䞭心点に配賊したりアりトプットずの関連が明らかでない費
目や補助郚門費をアりトプット基準で配賊したりしおは各原䟡䞭心点で把握
されるコスト・ビヘむビアが本来の姿を忠実に写し出すこずはできなくなるの
である。このように原䟡枬定䞊誀たった配賊や無意味な配賊が行なわれれば
単䞀の原䟡䞭心点だけではなく他の倚くたたはすべおの原䟡䞭心点におけるコ
スト・ぜヘィビアは䞍明瞭なものになる。したがっお総補造原䟡の掚定を有意
なものずするためには各原䟡䞭心点でコスト・ビヘむビアが明瞭で把握でき
る費目のみをそこに集蚈しそれ以倖の費目は原䟡䞭心点ぞの配賊を行なわず
それらに぀いおはそれぞれのビヘむビアを明らかにするずいうアプロヌチが詊
みられねばならない。ただこのような原䟡の集蚈が責任胎の原䟡の集蚈ず蚈算
手続に倧幅の盞違がある堎合には十分に泚意しなければならない。このよう
な手続は䌚蚈的な配賊手続を改善するものの1぀であるため今埌さらに怜蚎
すべき課題である。かかる意味で「ある皮の配賊は重共線性を克服するため
第3節 重回垰分析の実斜にずもなう諞問題b107
になされねばならない。したがっお統蚈的方法はアカりンタ゜トの䞻芳的刀
断から完党に解攟されるこずはない。実際のずころ統蚘的方法はこの䞻芳的
24
刀断に䟝存するのである。」ずいうBenstonの指摘は重芁であるず思われる。
䞊蚘の原䟡蚘録䞊の問題が解決したずしお先にしめしたような原䟡掚定倀
の集蚈を行なうず総補造原䟡の掚定倀は確かにもずめられる。ただこのよう
にしおもずめられるのはすでにのべたように各原䟡䞭心点でもずめられた
補晶ごずの補造原䟡掚定倀の和ずしおの総補造原䟡であっおこれは総補造原
䟡自䜓のビヘむビアを重回垰分析で怜蚎しもずめられた回垰方皋匏を䜿甚し
おえられる掚定倀ではないのである。第2の問題に関連しお総補造原䟡の算
定に回垰分析がいかに䜿甚されるのかを次章第1節で明らかにしたいず思う。
2各原䟡䞭心点で耇数の補品が補造される堎合
組立郚門で皮々のタむプの補品を組立おおいる堎合を考えおみよう。各補品
の組立おに芁する原䟡を個々に怜蚎するこずはそれなりに意矩のあるこずでは
あるが組立郚門党䜓で発生する原䟡のビヘむビアを明らかにするこずも重芁
である。しかし単玔に組立郚門原䟡をそこで組立おられる各補品の補品数量を
独立倉数に採甚しお重回垰分析を適甚するず重共線性の問題に抵觊するこずに
なるだろう。そこでこのような堎合には重回垰分析の適甚はあきらめお組立
郚門の経営掻動をもっおもよぐ反映する倉数たずえば盎接䜜業時間や機械
運転時間などを説明倉数にずり組立郚門原䟡に぀いお単玔回垰分析を適甚
するこずを考えればよい。このずきもずめられる回垰係数぀たりパラメヌタ、
の掚定倀β、は組立郚門におけるたずえば䜜業時間1時間圓たりの原䟡発生
掚定額である。この堎合の原䟡掚定倀はBenstonのいうように原䟡ず「䞀
束のアりトプヅト」the“bundle”of outputsの平均的な関係をしめした
25
ものである。この堎合にはもずめられたパラメヌタの掚定倀぀たり䜜業時間
1時間圓たりの原䟡発生掚定額を1぀のアりトプット芁玠組立おられる補品
の1぀ず原䟡ずの関係をあらわすこれはゞある補品を1個組立おるず郚門
24 1ÎŽã‚Ž4p667
〈25 1ÎŽã‚Ž4PP・666−667
108第4章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎盟
26
原䟡がいくら増倧するかずいう情報を提䟛するようには分解できないずいう・
問題が発生する。しかし圌の䟋瀺のように組立郚門で皮々のタむプのテレビ
を組立おおいるような状況では組立䜜業はタむプごずに非同質的であるずい
うよりもどちらかずいえぜそれら䜜業は同質的なものであろう。そこで時腿
研究・動䜜研究などで1時間圓たりの各補品の組立凊理数量が明らかになっお
いる堎合にはたず原䟡を各補品ごずに配分し組立䜜業の難易床ずいった補
品間に差劉化の芁因があれば各補品にり゚むトを乗じたものを配分基準ずしお
補品問の同質化をはかるこずが考えられるそのうえで各補品1単䜍を組立
おるのに蚱容される原䟡額を算定するこずは可胜であるず思われる。
たずえば組立郚門原䟡を䜜業時間で回垰したずきに䜜業時間1時間圓た
りの組立郚門原䟡が6䞇円ず掚定されたものずする。組立郚門では5タむプの
テレビを組立おおおりそれらは組立の難易床によっお以䞋のようにりェむト
づけされおおりさらに各タむプの1時間圓たりの組立台数は時間研究からこ
れもたた以䞋の資料のようであるずする。この堎合それぞれのタむプのテレ
ビを1台組立おるのに芁する平均的原䟡蚱容額は぀ぎのようにもずめられる。
䜜業時間1時間圓たり組立郚門原䟡60000円
品
・むブAl・むブ・1・むブ・1タむプDI・むブ・1
補
組立難易劇
塒間圓たり組立緻㈲1
1時間圓たり原匟匓分野円
各補品のりィむト
郚門原䟡×
り゚むト合蚈
10
50
・・11・・1・・1

40
40
35
30
11000
12000
13000
14000
275
300
37143
46667
100000
10
×
10十11十12
十13十14
10000
補品単䜍圓たり平均的
原䟡蚱容額円
200
さらに原䟡䞭心点ごずに原䟡分析を行なう堎合に問題ずなるこずの1぀に
このようなアプロヌチでは原䟡䞭心点の間に存圚する原䟡の倖郚性cost ex・䞀
261Ύ錠P667の説明をみよ。
第3節重回垰分析の実斜にずもなう諞問題b109
27
ternalitiesが無芖される傟向があるこずが指摘できる。たずえば1぀の工
皋で備品・蚭備の適切な維持・修理がなされおいれば次工皋にわたされる補
蜟はよりよい品質をも぀であろうから次工皋における䞊蚘費甚の発生は少な
くおすむ。このような堎合には原䟡に関しお倖郚効果が発生しおいるものずみ
1なすこずができよう。
3−3掩前項の分垃に関する諞仮定
昌昌項に関する諞仮定に぀いおは前章で抂略をのべたがここでは重回垰分
析におけるそれらの意味に぀いお掩指導の正芏分垃の仮定をのぞいおさらに怜
1蚎を加えるこずにする。
a撹乱項に自己盞関がないこず
28
クロス・セクショナル・デヌタを甚いお重回垰垰分析を行なう堎合には問題
、にならないが時系列デヌタの堎合には撹乱項盞互の独立性がおかされおい
る状況぀たり自己盞関が存圚するかどうかを怜定しおおく必芁がある。怜定
の結果自己盞関が存圚するずいう事実が認められたずきはこれを解消する
29
䞀方策をずらねばならない。原䟡分析を行なう際に芳枬期間を短かくずりすぎる
ず自己盞関がおこりやすい。掩単項‘は
πεZ1‘侀Zノ曞 ’123・・  。
’で衚わされるから瞊軞に‘暪軞に≠をずればダヌビンワト゜ン怜定
30
を行なわずずも自己盞関の存圚のいかんはおおよそ把握するこずができる。
27 Bierman and Dyckman〔2コP・530・
28 クロス・セクショナル・デヌタに基づいた重回垰分析に぀いお怜蚎しおいるのは
以䞋の文献である。
Comiskey〔4およびJensen9コ・
く29通垞階差キデルが䜿甚される。肋αβ嚩嚩を階差モデルに曞きかえるず
吻虚β∠f藩‘∠劬
ずなる。ここで∠〃‘隙〃‘䞀ン‘1∠κ‘κ‘䞀κ‘14碗晩䞀晩1である。ただし階
差モデルを䜿甚する堎合勲‘に぀いおも自己盞関のテストを行なう必芁がある。
4κ‘は負の自己盞関をも぀こずが倚いずもいわれおいる。Benston1コP・670およ
びP670fη25ず宮川〔23コPP172−173を参照せよ。
110第4章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎皿
䞀己盞関が存圚する堎合には①回垰係数の暙準誀差が著しく過少評䟡され
②係数の暙本分散が非垞に倧きくなるため③回垰方皋匏からえられれる原䟡
31
掚定倀は最小自乗掚定量からえられるものず比范しおより䞍安定になる。した
b寒囜項は説明倉数ずは独立であるこず
特定化できない原䟡䜜甚因の圱響をあらわす撹乱項は説明倉数ず独立でなげ
ればならない。携乱項枉説珟倉数ず独立でなければもずめられた回垰係数は
䞍偏性も䞀臎性も満たさない。Benstonは撹乱項が説明倉数ずは独立でな
い状況を修繕費の䟋を甚いお明瞭にしめしおいる。そこで若干長くなるが圌
の論述を以䞋に匕甚するこずにしよう。
「工堎における備品の修理は原䟡を発生させるアクティビティではあるが
その蚈量化が困難であるため 工堎の総原䟡のビヘむビアを怜蚎する堎合に
は説明倉数ずしお  以䞊筆者加筆特定化されないこずが倚い。しかしこれ
らの修理䜜業は機械がこの䜜業甚圹をうけるためアりトプット量が少ないず
きになされるこずになる。したがっお修善費はアりトプットず負の盞関をも
぀こずになる。修繕費を他の原䟡項目ず分離せず郚門原䟡を衚わす回垰方’
皋匏をもずめるならアりトプットをあらわす説明倉数のパラメヌタの掚定倀
は䞋方に偏向しアりトプットに察する原䟡倉動性の真の姿がおおいかくされ
33
おしたう。」
c乱撹項の分散斉䞀性の仮定
掩乱隰〃‘の分散は次匏のようにすべおの’に぀いお䞀定であるず仮定され
おいる。
γ・挏γ2
30 Benston1コP・668・
31 14ã‚Ždp668
32 この点に぀いおは埌述する。
33 Benston1P・668・
転
がっお回垰方皋匏から算定される掚定倀のたわりの䞀定の範囲に母集団の限
32
界原䟡ず総原䟡が存圚する確率を枬定するテストは有効ではないのである。
第3節 重回垰分析の実斜にずもなう諞問題b111
この仮定は前章でのべたように分散斉䞀性の仮定ずいう。䞀方笏の分散が’
によっおあるいは倖生倉数によっお䞀定でなくなっおいる状況を分散非斉䞀
ずよぶ。分散非斉䞀の堎合には最小自乗掚定量は䞍偏性䞀臎性および充足
性を満たすが有効性はもたない。そこで回垰係数の暙準誀差掚定倀は䞍安定
になり回垰係数の信頌性を決定できないのである。分散斉䞀および分散非斉
䞀アりトプットが増すに぀れお分散が倧きくなる堎合の状況を図瀺すれば
぀ぎのようになるだろう。
P
写
蓄α十犜
穿胃α十βκ
0 か わ ぬ
分散斉䞀の状況
34
分散非斉䞀の状況
35
分散非斉䞀の状況が存圚する堎合には倉数倉換を行なうか加重最小自乗法
36
を適甚するこずが考えられる。
第4節 回垰匏の関数圢
重回垰分析の堎合にも芳枬デヌタにもっずもよくフィットする関数圢を決
定するこずが分析の第1段階である。぀たり遞択した独立倉数ず原䟡の間に
存圚するであろう関係をもっずもよく反映する関数圢を遞択するずいうのが基
本原則である。たずえぜ遞択した独立倉数のそれぞれが原䟡に䞎える圱響は
他の倉数ずは独立である぀たり他の倉数の掻動氎準いかんによっお圱響をう
けないず分析実斜者ならびに管理者が考えられるなら぀ぎのような線圢関数
を䜿甚するこずになる。
34単玔回垰の堎合に分散非斉䞀の状況を確かめるこずは容易だが重回垰分析に぀
いおはその確認が困難である。14錠P668
35通垞察数倉換が有効である。なお残差が独立倉数の倉動に察しお逓増的に倉化
するずきには平方をずるこずがよい方法である。Z4畝 P670
36加重最小自乗法に぀いお宮川〔23〕pp167−169を参照せよ。
112第4章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎皿
Cβoβ・κ・β2κ2・・・  βπκ鎚
䞊蚘の仮定が満足されおいれば回垰分析によっお確定されるパラメヌタの掚
定倀β圊G1  πは短の1単䜍の倉動が原䟡に䞎える圱響すなわち限
界原䟡をあらわすこずになる。
∂C
䞇耳β・ ’
レかし独立倉数が盞互に独立でない堎合重二線性の存圚するずきには
37
次匏のような関数圢が望たしい。
C零βoκ1β1κ2β2  κ爲βハ
これは䞡蟺の察数をずるこずによっお線圢に倉換できる。
10g C10gβo十β110gκ1十β21ggκ2十  十βπ玉Ogκη
この堎合には各独立倉数の単䜍倉動に関する限界原䟡の近䌌倀は぀ぎのように
もずたる。
∂C 侀
’露’萜β¢β・塘菰野ゎβ’
ここで貌以倖の独立倉数の倀はそれぞれの平均倀で䞀定ずされおいる。䞊匏
からも明らかなように碗の限界原䟡掚定倀は他の独立倉数のレベルの関数で
ある。原䟡ず独立倉数の間に非線圢の関係を想定するずきにも䞊蚘のような察
38
数衚瀺や他の関数圢を䜿甚するこずも考えられよう。
37経枈孊で䜿甚されるコブ・ダグラスCobb・Douglasの生産関数は以䞋のような
関数圢であらわされる。
PαLβCr
ここでP生産量L劎働投入量 C資本投入量である。コブ・ダグラス生産関
数は経枈における技術的関係を実蚌から導き出したものを技術方皋匏ずしおあらわし
たものである。䌚蚈においおも実蚌に基づいおコスト・ビヘむビアを説明するモデル
を導出しようずするアプロヌチは重芁である。
38 たずえ沌た
C眧β・β1κβ2κ2  β。劣π
C109βo十109劣十玉09κ2十  十109劣π
などである。
Benston1コP669
’ 第4節 回垰匏の関数圢 113
さお回垰方皋匏の関数圢が決定したならば遞択した関数圢が誀差項の掚
定倀である残差項にあたえる圱響に぀いお垞に泚意を払っおおく必芁がある。
ずいうのは残差項に関する諞仮定䞀分散斉䞀であるずか自己盞関が存圚し
ないずか残差項がおおよそ正芏分垃する䞀が満足されおいないずパラメヌ
タの掚定倀の信頌生に関する蚀明が行なえないからである。本節でもしばしば
匷調しおいるデヌタの図衚ぞのプ戞ットを行なうこずの有甚性は䞊蚘の残差項
に関する諞仮定が満たされおいるかどうかの刀断を行なう際にも発揮される。
たず残差項翫を瞊軞にずり暪軞に時間をずったグラフをえがいおみる。
䞋図のようにプ冒ットした点がランダムに分垃しおおり䞀定の芏則性をしめ
39
さなければ自己盞関は存圚しないずラフに刀定するこずができよう。
、
0
愚、∌
蚺
残差項暁の時間に察するプロット
぀ぎに埓属倉数の掚定倀に察しお残差項をプロットしおみる。そしお鋀
0翌の線をはさんでπのプラスの倀ずマむナスの倀の数が同数ずなり埓属倉
数の掚定倀に察しお翫の倧きさにそれほどの倉動がなければ分散斉䞀である
ず刀断する。ただしこの図衚から分散斉䞀か分散非斉䞀であるかを読みずる
39デヌタ数が倚いずきにはダヌビンワト゜ン怜定を行なえばよい。詳しくは前
章およびDurbin and Watson7を参照せよ。
114第4章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎皿
には比范的倚くの芳枬デヌタが必芁である。さらに残差項が正芏分垃するかど
うかは残差項を正芏確率甚玙にプロットすれば明らかになるだろう。
吻
●
● ・
● ■
■
0
●
・ φ
●
●
o
o
∩9
残差項改ρ掚定倀に察するプロット分散斉䞀の状態
結びにかえお
40
さお぀ぎのデタを甚いお回垰匏をもずめおみよう。
加算噚修理数
κ1‘
卓䞊蚈算機の タむプラむタ
修理数 䞀修理数
総䜜業時間
〃‘
64
64
53
54
51
57
53
殺
79578101010侀66 κ2乞 α3∂
8654332ナ32 5799899265 12345678
週の
些
40 この䟋はMcClenon13コによっおいる。なおBierman and Dyckman2ナ
およびHorngren8コもMcC倏enonの仮蚭䟋を甚いお重回垰分析の説明を行な぀
結びにかえお 115
加算機卓䞊蚈算機およびタむプラむタヌを修理する補助郚門でそれぞれの
1週間圓たりの修理数量ず総修理時間に関するデヌタが獲埗されおいる。総䜜
業時間はそれぞれの修理台数の線圢関数であるずすれば第づ週の総䜜業時間
鮎は぀ぎのようにあらわすこずができる。
跳αゐκ1盛cκ2乞4κ、‘π乞
ここで
鮎第ゎ週の総修理時間
α定数項
∂加算噚1台圓たりの掚定修理時間
κ瓊第∫週に修理を行なった加算噚台数
c繍卓䞊蚈算機1台圓たりの掚定修理時間
κ¢第∫週に修理を行なった卓䞊蚈算機台数
4タむプラむタヌ1台圓たりの掚定修理時間
κ3乞第づ週に修理を行なったタむプラむタヌ台数
殆第ゎ週の撹乱項
以䞋のようにXを独立倉数のマトリクスrを埓属倉数のベクトル Bをパ
ラメヌタのベクトルずする。
1そ・2”22老・8
1κ18あ、ゎ8
r
B寓
α・OC4
x
ナ ビ お
〃蜜〃
1 κ11κ21κ31
パラメヌタのベクトルBは
Bx『x䞀1XTr
でもずめるこずができる。コンピュヌタ・プログラムを走せれば
おいる。
Benston1コPP・670−671では季節倉動をダミヌ倉数で考慮するモデルを䜿っお重
回垰の説明を行なっおいる。ペンストンの䟋瀺に぀いおは皲田口9コを参照せよ。
ナ16 第4章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎皿
ずなる。したがっお回垰方皋匏は
シ駆78781456κ1侀←4061κ22407躍s
Σンヌ〃2
は0999ず非垞に䞊蚘の回垰方皋匏が芳
ずなる。決定係数〆䞀
Σ〃䞀〃2
枬デヌタにフィットしおいるこずをしめしおいる。
たた分散共分散マトリクスフPは぀ぎのようにアりトプットされた。
匹≡iiiiii懲叢論
’「の芁玠は
yΎo C。。Ύ1ゐ。C。。∂
Ύ。
C。。Ύ3う。
C。。Ύoう1γゐ1 C。。Ύ2
ゐ1
C。”Ύ361
y躍
C。。う3Ύ2
C。。Ύ。62C。。う1ゐ2yΎ
C。。Ύ2∂3C。。ω1う3C。。う2
ÎŽ3
γう3
であるから回垰係数の暙準偏差はそれぞれ
VyPΎo1414884 》γゐ10097917 〉π・0075993
〉’yΎ80054806
ずなる。
回垰分析を行なっお獲埗された回垰方皋匏ならびにそれにずもなういく぀か
の統蚈量は経営管理の皮々の局面で利甚できるであろう。われわれはその利甚
の方途を開発する責務をになっおいる。ただその利甚にあたっお考慮しなけれ
ぜならない事項は数倚い。コスト・ビヘむビア分析は意思決定に圹立぀数倀を
結びにかえお 117
算出するこずを目的ずしお行なわれる。コスト・ビヘむビアが正確に把握でぎ
ればそれに基づいた意思決定は誀たりが少ないず考えるのである。ずはいえ
コスト・ビヘむビア分析の結果をそのたた盎ちに適甚できるず考えるのは安盎
にすぎる。づたり回垰方皋匏を利甚した原䟡予枬を状況の怜蚎を十分に行
なわずに盎ちに実斜するこずは蚱されないのである。ゎスト・ビヘむビア分析
を回垰分析によっお行なおうずするずきには芳枬デヌタは皮々の芁件を備え
おいなければならないがこれら芁件は原䟡集蚈の際の䌚蚈的凊理あるいは手
続によっお満たされない状況が考えられる。たずえば責任䞭心点ぞの原䟡の
集蚈倀に察しお回垰分析を適甚する堎合独立倉数の遞択の仕方いかんでは
䞭心点で把握される芳枬デヌタが前述した条件を満たさなくなりこれら芁件
を無理しおもずめた回垰方皋匏を利甚するこずになるず二重の誀りをおかす
こずになるのである。したがっおコスト・ビヘむビアの分析をどの皋床詳
现に行なうかは管理思考にうらづけられた珟存の経営管理技法の有甚性ずわ䞀
れわれがずろうずするアプロヌチずの関係を考察し決定せねばならないので
ある。たた分析実斜にあたっお考慮しなければならない統蚈的芁件によっお
もずめられた回垰方皋匏の利甚範囲が制玄されるこずもある。たずえば重共
線性の問題がある堎合他の独立倉数の倀を䞀定ずしお1぀の独立倉数の単䜍
圓たり倉動が埓属倉数たる原䟡に䞎える圱響限界原䟡を回垰方皋匏から掚
定するこずはできないが回垰方皋匏を甚いお原䟡予枬を行なうこずはかなり
の制限があるものの䞀応可胜である。しかしこの堎合にもこの予枬倀の利甚
にあたっおはその限界を十分に認識しおおかねばならない。
さらに回垰方皋匏およびそれに付随する統蚈量を䜿甚し心積評䟡基準を蚭
定しようずする堎合には原䟡予枬を行なう際の問題点に加えおさらに困難が
ある。それは蚭定された心積評䟡基準が管理者ならびに䜜業者の承認を埗るこ
ずが困難だずいうこずである。これらの問題の克服は容易ではないだろう。し
かしわれわれはコスト・ビヘむビアの正確な把握を行なおうず努力するこず
が経営管理諞目的の達成には䞍可欠なアプロヌチであるずの認識に基づくもの
であるからすでにしめした幟倚の困難な問題を順次怜蚎を通じお克服しコ
118第4章 コスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎皿
スト・ビヘむビア分析の結果をいかに利甚するのかを考察しなければなら拠・。
最埌に重回垰分析の特城を䞀芧衚にしおしめしおおく。
特釧長所陣所i問題点
撹乱項の自乗
和が最小にな
るように予定
した関数のパ
ラメrタの掚
åž°
定倀を確定す
る。
耇数の倉数を
考慮しおコス
ト・ビヘむビ
析
分
アを怜蚎す
る。
適甚領域
1
析
垰。性決回る
回じ翠色非あ
玔同時をがで
単に重題の難
に方はを。ののるのらで
芳基長も
タ垰おさる倖因え぀あが
のにのせ
䞀回あよき以甚䞎1でず
去タ法わ
デるのので乱䜜にを匏こ。
過䞀方あ
の デ く をむ 幜す匏り定業䟡䟡響回する
他枬づ所぀芳心皋た枬i操日原圱方わき
åž°
回
分
過去の芳枬デヌタに基づく方法
回
重
1
析 問る困
分 のすに。
コスト・ビヘむ
ビア分析技法
単玔
回垰
単玔回垰分析 単玔回垰分析
におなじ。
におなじ。
原䟡蚈算シス
テムずの運動
が可胜であろ
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参 考 文 献 119
〔8〕 Homgren C T Co3圊・40ωπ擢勿劇1ル勉πσ8i87劂’8遊蕩乃α8ã‚Žs4th ed Prentice
Ha11 Inc1977
〔gコJensen R Mu1晊1e Regression Models for Cost Contro1 Assumptions and
Limitations䞁加∠40co競”g Rω鋀〃 Apr1967
〔10〕Johnston J E60䌜β〃ゎ01吻按04ε McGraw−Hill Book Company Inc。1963
竹内啓蚳『蚈量経枈孊の方法䞊䞋』。、東掋経枈新報瀟昭和39幎
〔11〕Johnston工 S’σ3あ。σJ Co∫’∠肋α1ysã‚Žs McGraw・Hill Book Company Inc
1960
〔12〕Koehler R・W。 and C A Neyhart Difflculties in Flexible Budgetingル䌜α・
g67刎P1αη勿8May・Junり1972
お13〕McClenon P・R・・Cost Finding Through Multiple Correation Analysis䞁加
1000ππあηg1己。”泥zo Ju1 1963
〔14〕Moore C・Land R K∫eadicke1瞌σ9Ξ7匌1060㈱’勿94th ed South・
Western Publishing Conpany1976
お15〕 Raun D・L The Limitations of Profit Graphs Breakeven Analysis and
Budgets藁蕎Ξ∠40coz仰’痂81∌⑳ゎ6ω Oct1964
お16〕 Shillinglaw G Cos’・4000芳’勿9」ノ1πσ1y3ã‚Ž3απ4 Coπ〃oJ Richard D Irwin
Inc4th ed1976
お17〕藀柀袈裟利束行康倮著『経営数孊』経営孊党曞34巻䞞善昭和50幎
お18〕 今川䞀著『新しい経枈統蚈孊』春秋瀟昭和47幎
お19〕皲田卓次皿「コスト・ビヘむビアの倚元回垰分析」『商戊論集』神奈川倧孊voi
11No2昭和51幎
お20〕岩田暁䞀著『経枈分析のための統蚈的方法』東掋経枈新報瀟昭和47幎
〔21〕河原裕介著『需芁予枬の実際』東掋経枈瀟昭和53幎
お22〕 マネゞメント・リサヌチハンドブック線集委員䌚線『マネゞメント・リサヌチハ
ンドブック』䞞善昭和42幎
お23〕宮川公男著『蚈量経枈孊入門』日本経枈新聞瀟昭和41幎
お24〕 門田安匘皿「原䟡予枬に察する䞀考察」末発衚論文
’〔25〕 日本䌚蚈研究孊䌚「原䟡蚈算基準怜蚎委員䌚報告曞」昭和54幎
お26〕NRドレヌパヌ Hスミス著䞭村慶䞀蚳r応甚回垰分析』森北出版昭和44
幎 、 ・’
『〔27〕 岡本出皿「原䟡分解をめぐる諞問題」『産業経理』昭和53幎10月号
‘〔28〕坂本安䞀線『環境䌚蚈䞀その課題ず解決』䞭倮経枈瀟昭和50幎
蚌29〕CE Vレッサヌ著䜐和隆光前川功蚳r初等蚈量経枈孊』東掋経枈i新報瀟昭
和53幎
120第4章 ロスト・ビヘむビア分析技法の怜蚎眮
〔30〕 田䞭良久著『BASIC入門䞀行動科孊のためのコンピュヌタ・プログラミング入門』
東京倧孊出版䌚昭和50幎
〔31〕豊島矩曙『意思決定原䟡蚈算』同文通昭和54幎
〔32〕安川正圬著『統蚈孊の手ほどき』日本経枈新聞瀟昭和40幎
〔33〕 安川正圬著『続・統蚈孊の手ほどき』日本経枈新聞瀟昭和46幎
121
第5章 原䟡蚈算システムにおける
コスト・ビヘむビアの把握
序
本章でずりあげる行列原䟡蚈算は西ドむツの鉄鋌業の倧手メヌカヌである
H瀟においおIBMや倧孊関係者らず共同しお開発されたものであり「構造
互
行列に基づく原䟡蚈算システム」ず呌ばれでいる。この原䟡蚈算システムは
わが囜の倧手鉄鋌メヌカヌなどでも導入に着手しはじめおいる。
さお本章ではこの行列原䟡蚈算システムの䞭で各原䟡䜜甚因の単䜍圓たり
の芁玠消費量を確定するために重回垰分析を適甚する堎合ずLPを適甚する堎
合に぀いお考察する。回垰分析を適甚するずきには原䟡䜜甚因が盞互に圱響
を䞎えあうずいう状況が認められるこずに泚意しなければならない。このよう
な状況では1぀の回垰方皋匏で原䟡の動きを説明しようずする単䞀方皋匏モ
デルは無力になり耇数の回垰方皋匏からなる連立方皋匏モデルを考慮する必
芁が生じおくる。本章は構造行列原䟡蚈算システムのフレヌムワヌクの䞭で
回垰分析がどのように䜿甚されるのかを芁玄的にしめしおいる。第3節および
第4節で鵬原単䜍の確定にLPが䜿甚されるずきに配合差異に぀いおの分
析が構造行列原䟡蚈算システムずいかに連動するかに぀いお蚀及する。
第1節 構造行列原䟡蚈算モデルの抂芁
たずはじめにこの原䟡蚈算モデルの抂芁を圢匏的に説明しそれに続いお
䞊蚘の䞭心テヌマに進むこずにしたい。1
1 次の文献を参照せよ。
林〔12〕小林〔15〕小林〔16〕小林〔17〕小林〔18〕䞡頭〔24〕IBM〔7〕。
構造行列原䟡蚈算の英文文献ずしお以䞋のものも参照されたい。
Franke 3コ Fra駆ke4コ
1差第5章 原䟡蚈算システムにおけるコスト・ビヘむビアの把握
構造行列による原䟡蚈算システムずは経営の生産構造を写像するように仕
組たれた原䟡蚈算システムであっ䞃䌁業で行なおれる皮々の原䟡蚈算の根幹
をなす基瀎蚈算ずしお・のシズテムである。さらに構造行列による原䟡蚈算シス
テムの特城は基瀎蚈算であるずいうこずにずどたらず䌁業に察する䌁業内倖
の皮々の芁請に応えうる情報を適宜提䟛できるように仕組たれおいる点にもあ
2
る。いたたでにも行列を甚いた原䟡蚈算に぀いおの議論は少なくない。しかし
ながらこれらはいずれも郚門間の投入産出関係を明らかにするこずに重点が
あり構造行列による原䟡蚈算システムの特城の1぀である郚門内の投入産
出関係やその構造を明らかにするこずにはあたり泚意が払われおいなかった。
それに察しこのシステムでは原䟡管理などの経営管理目的ならびに諞々の意
思決定目的にも合目的的であるように郚門間および郚門内で行なわれる掻動
をできうる限り忠実に写像する’こずに重点が眮かれる。さらに財務䌚蚈目的に
も適合的であるこのシステムは䌁業で行なわれる蚈算に察しお望たれる目的
を1぀の蚈算システムで満足させるこずを意図しおいるのである。それでは
このシステムの抂芁を仮説䟋で説明するこずにしよう。
ある郚門の原䟡芁玠が皮類それぞれの1期間の芁玠投入量をγ8’1
2  πそれに察する単䜍圓たり䟡栌をρ‘ずすれば圓該郚門の1期間
の原䟡総額Kは
K・P・Y 1
ずなる。ここでPはヵ‘からなる行ベクトル yは〃‘による列べクトルであ
る。
1匏で圓該郚門の原䟡総額を確定するには各原䟡芁玠投入量間の関係を明
らかにする必芁があるがそのためには各原䟡芁玠投入量がどのような䜜甚因
に盎接的に䟝存しお倉化するかを怜蚎しなければならない。ここで泚意しなけ
ればならないのは埓来の原䟡蚈算システムでの議論では投入量をただ1぀
2 たずえば次のような文献がある。
Gambling5コ Ijiri〔8〕 Livhlgstone101 Feltham2コ Corcoran and
Leininger1コ門田〔22〕門田〔23〕䜐藀〔25ナ坂手〔27〕・
 第1節 構造行列原䟡蚈算モデルの抂芁 123
の原䟡䜜甚因それは通垞操業床ず称されるによっお説明しようずしおいた
こずである。もずより投入量倉化に圱響を䞎える䜜甚因がただ1぀であるず
1いうような状況はたれであり実際には耇数の䜜甚因が関係するず考えるのが
珟実的である。構造行列による原䟡蚈算システムにおいおそれが䌁業の生産
構造をできるだけ忠実に写像し基瀎蚈算ずしおの圹割を果たすため芁玠投
、入量ず䜜甚因ずの関係をしめす芁玠投入関数においお耇数の䜜甚因が考慮でき
るようになっおいる。芁玠投入関数に含たれる係数倀は次節以降でのべる最小
自乗法やLPを適甚しお決定されるこずもある。したがっお統蚈的手法を適甚
する堎合には重回垰分析が䜿甚されるこずもある。たた䜕らかの物理的・
む瞠的制玄や技㈱制纏よお係数が決定されたり挕瀊の裁量でこ按
決定するこずもあろう。
各䜜甚因倉数倀をXκ1 rκ2   。 κ物7Rア加を各䜜甚因の1単䜍の
倉化が芁玠投入量にあたえる圱響をあらわす係数7卿ゎからなる移×〃Z行列で
あるずすれば芁玠投入量アは぀ぎの芁玠投入関数で決定される。
y’1∌rx・X 2
さお䜜甚肉のうちにほ1』そみ倧きさが他の䜜甚因倉数に䟝存するものがあ
る。䜜甚因間の䟝存関係は1圓該経営の生産構造や経隓法則たたは自然法則な
どにより決定されるが郚門モデルを考える堎合には1圓該郚門にずっお管
理䞍胜な䜜甚因や2郚門管理者の刀断によっお先芋的に決定される䜜甚因は
他の䜜甚因ずは完党に独立な倉数であるず考えるこずができよう。これらは構
造行列による原䟡蚈算システムでは第1次的䜜甚因ずよばれる。たずえば藏
䟡償华費、保険料特蚱暩䜿甚料などのような暊時䟝存的芁玠投入量は1次的
䜜甚因である。
これに察しお䞊蚘の第1次的䜜甚因やその他の䜜甚因に䟝存しおその倧き
さの芏定されるものは第2次的䜜甚因ずいう。第1次的䜜甚因ず第2次的䜜甚
因の関係は぀ぎにしめす䜜甚因関数であらわされる。
炉。。、ん、・・・、・、xんキブ 3
䜜甚因ベクトルが3矀X1 X2 X3からなり X2がX1に X3がX2に
124第5章原䟡蚈算システムにおけるコスト。ビヘむビアの掘握
盎接的に䟝存するずすれば䜜甚因関数は぀ぎのようになる。
4
たた芁玠投入関数はたずえば぀ぎのようにあらわすこずができる。
4匏ず5匏は構造行列をもちいお 衚1
è¡š1のようにあらわすこずができる。斜
原䟡䜜甚因
x1
ものをあらわしおいる。
䜜
以䞊たでで非垞に簡単ではあるが構護
憲行列による原䟡蚈算システムの蚈算メ芆
ヵ・ズムに぀いお賊しおきた・郚門環
2 次
斑
ä¹³
1次
名
線郚分は察角単䜍行列Eに䞀1を乗じた
芁玠投入量
躍
悉
「 0
既枇
既最
0
凧孟 既銬
0
デルの䌁業党般を写像する党䜓システム契
ぞの統合に぀いおや蚈算目的に応じた
x
Ryl銬、
畷挏
0
圓該システムの適甚方法などの問題に぀いおは数倚くの怜蚎がすでになされお
いるので本章では省略しもっぱら芁玠投入関数や䜜甚因関数の係数行列の
確定方法に泚目しこれに関しおやや深化させた議論を以䞋で展開するこずに
したいず思う。
3
第2節 回垰分析による原単䜍の確定
2−1連立方皋匏モデルずしおの構造行列原䟡蚈算モデル
いたある芁玠1に関する芁玠投入関数が次の6匏で衚わされるものずし
さらに6匏の右蟺の䜜甚因間に次の789匏で衚わされる䜜甚因関数が
3回垰分析に぀いおは本曞第3章第4章および第4章末の文献を参照されたい。
第2節、回垰分析による原単䜍の確定 125
存圚するものずしよう。
〃1α0α1κ1α2κ2α3κ3
6
κ五う。十う1職十う2κ3
7
κ2Co十61κ3
8
κ3譜40十41燕
9
われわれは
この4぀の匏におけるパラメヌタの倀を求めたいのであるが本
節では回垰分析によっお求めるケヌスを考えおみる。
そこで前期の各月の案際デヌタにみられる関係匏ずしお䞊匏に残差項Ό
な入れたものを蓑瀺しおおく。ここでπh2麹お様び飢はそれぞれ平
均がれロ分散が䞀定ずする。
21・βo十α1κiキα2κ2十α3躍3十1 6a
κ、瓢う。う、κ、う2κ3π2 、 7a
倚、6。6、詫33 、 8a
340十41∬4十4 9a
われわれはッ1κ、κ2κ3および絢に぀いおの過去の実際デヌタをも
っおいる堎合にこのデヌタを䜿っおたずえば6a匏の定数項α。ず回垰
係数α1σ2α3を盎接に求めたずしおも残差項芳が䞀定の統蚈的仮定こ
れは前々章前章で蚀及したを満たさない堎合にはそれは統蚈孊的にた぀
4
たく無意味なこずである。この方法は「盎緩最小自乗法」direct least squ・
翁res methodずいうがこの方法の適甚が蚱されるのは6 a匏の説明倉
数κ1晊κ3ず残差項埪ずが盞互に独立であっお盞関関係がない堎合に限
られる。ずころが実際には7a8 aゎ9 a匏でしめされるように
倉数間に䟝存関係が存圚するために6a匏の説明倉数κ1κ2κ3は自らを
説明するための他の芁因の圱響を包み蟌むこずになる。したがっおこのずき
1にはκ、κ2κ3が残差項衝ずの間に盞関をも぀こずになる。
そこで6a匏の独立倉数であるκ1挜κ3ず残差項筋ずの間に盞関が
4定数項凜ず回垰係数σσ2停ばすべお芝が槜互に独立でなければ回垰パヲ
メ㎞タの掚建量ずしお、䞀臎性も䞍偏性もずもに倱うこずになる。
126 第5章 原動蚈算システムにおけるコスト・ビヘむビアの把握
あっお盞互に独立ではないずいう事実をふたえるずきこれを回垰分析によ
っおどのように凊理すべきであろうか。
䞊述のように6a∌9 a匏がすべお同時に成立しなければならない堎合
にはこの䜓系は「連立方皋匏モデル」simultaneous equation modelず
呌ばれる。このような連立方皋匏モデルではモデルを解いお求めるべき倉数
を「内生倉数」ずいい䜓系の倖郚から䞎えられるず考えられる倉数は「倖生
倉数」ずいう。䞊匏のモデルでは内生倉数は箪κ1κ2晩であり倖生
倉数は比、のみである。ここで倖生倉数嫁さぎにのべた䜜甚因分類では
第1次的䜜甚因ず呌ばれたものをさすず考えおいいだろう。内生倉数のうち
筋κ2κ3は第2次的䜜甚因である。連立方皋匏䜓系は内生倉数の数ず方
皋匏の数ずが等しければこれを解くこずができる。そのような䜓系は「完結
モデル」complete mode1ずいう。
以䞋では䞊蚘のような連立方皋匏モデルのパラメヌタの掚定法を「構造行
列による原䟡蚈算モデル」に関連しお考察しおいきたい。
2−2 間接最小自乗法の適甚
いた6a∌9 a匏を連立させるず次の4぀の匏が埗られる。
〃、αO十α1ΎO十∂1CO十う10140α・C・0・4・α・4・
4、α1∂10、α2σ、α3κ、
十麗1α1z62α1う1十α2z63α1ゐ161十α2CIα3z64 6 b
hΎO十ゐ1CO十う1C140Ύ10141κ、κゐ、πΎ101π、 7b
κ2Oo十61400141κ4十麗3c1〃4 8 b
κ340十41κ4κ4 9b
これらは「誘導型方皋匏」reduced form equationずいう。぀たり〃、
κ、κ2掬の内生倉数が倖生倉数κ4によっお説明できる方皋匏である。
さきに6a匏に盎接最小自乗法を適甚するこずが可胜なケヌスをのべた
がそのケヌスは6a匏のκ1κ2掬がすべお倖生倉数ず考えられ〃1だ’
けが内生倉数ずなる堎合を前提にしおいる。もしそのような前提が実際に成立
第2節回垰分析による原単䜍の確庫127
するならばそのずきには単䞀方皋匏である◎a匏だけでモデルは完
結モデルずなっおおりそれは「単䞀方皋匏完結モデル」single equation
complete modelずいわれる。しかし実際にはこのような前提は成立し
おいないりで6a匏だけではモデルは「非完結」incomple‡eである。
芁するに独立倉数には倖生倉数が圓おられなければならない。倖生倉数に
は個々に確定倀が䞎えられるので「確定倉数」ずも呌ばれる。それに察し
内生倉数は倖生倉数に䞎えられたずきにいろいろな倀をずる倉数であっお
ある特定の同時分垃を有するような「確率倉数」である。
䞊蚘の6b∌9 bの4぀の匏ではいずれの匏も内生倉数は被説明倉数
埓属倉数ずしお巊蟺にあり倖生倉数である絢は説明倉数独立倉数ず
しお右蟺にあるのでいずれの匏もそれぞれに完結モデルである。
したがっおここでは6a匏にみられるκiκ、κ、ず残差二二ずの盞
関の問題は解消しおいる。たた6bん9 b匏でほ倖生倉数κ、ず残差項
碕翫茪、ずは互いに独立であるず仮定されおいるめで蛮を掚定
するには6b匏に最小自乗法を適甚しκ、を掚定するには7b华こκ2
の掚定には8b匏にそしおκ3の掚定には9b匏にそれぞれ最小自乗
5
法を適甚すればよい。
このようにもずの連立方皋匏䜓系から誘導型塗導いおそこに最小自乗法
を適甚する方法を「間接最小自乗法」indirect least squares lnet㎞ldずい
う。
ムくしお6b∌9bのそれぞれの匏に぀いお定数項ρず回垰係数4の倀
が求たるずそれを次の㈹∌α⑳匏のような連立方皋匏ずしおセットしおもず
の6a∌9a匏のパラメヌタα。α、α2α3 b。う1わ26。 c、4。
6
および41の倀を求める手順に入るのである。
5 このようにしお求めた6bい9 b匏のΟれそれの匏に関する定数項ず回垰係
数の倀はその母集団パラメヌタの掚定量ずしお䞀臎性も䞍偏性もずもに満たすこず
カミ知られおいる。
6 このようにしおもずの6b∌9 b匏に関するパラメヌタの倀が求められた
ナ28第5章 原䟡蚈算システムにおけるコスト・ビヘむビアの把握
0・α・う0十う1‘0十∂σ140σ‘。‘14。σ、4。躍ρゐ
10
げ1α16、‘、α20侉÷α3富¢6わ
11
Ύ。十Ύ1‘o十う1014。瓢ρ76
12
Ύ1¢1d11476
13
0。十σ140『ρ8ÎŽ
14
0141σ8b
15
40ρ9り
16
41¢9う
17
」この10∌17の連立方皋匏で求めたいのはσo停42σ850Ύ1Ύ2‘o
‘、4。および4䞉のパラメヌタの倀であるがこれらのすべおの倀がうたく埗
られるずはかぎらない。぀こうよくすべおのパラメヌタ倀が求められるケヌ
スもあるが間接最小自乗法ではうたく解けないこずが少なくない。これに぀
いおは・次にのべる「識別あるいは認定」identiè² cationの問題を怜蚎
しなければならなない。
さおある特定の構造方皋匏が他の構造方皋匏から区別されお識別可胜で
あるためは連立方皋匏モデルの内生倉数の数構造方皋匏の数ず同じを0
ずするずきそのモデルの党䜓系に含たれおいるすべおの倉数の数からその
特定の構造方皋匏に含たれおいる倉数の数を差匕いた残りが少なくずもσ
r1だけなければならない。
ここで「モデルの党䜓系に含たれおいるすべおの倉数からその特定の構
造方皋匏に含たれおいる倉数の数を差匕いた残り」ずいうのはモデル䜓系に
䟭含たれおいるがその特定の構造方皋匏には含たれおいない倉数の数ずいっ
おもよい。この数をKずおくこずにする。
このずきKG−1ならばその特定の構造方皋匏は「適床識別」just・
identi䞘edであるずいい K0−1ならばその方皋匏は「過剰識別」over・
iden面edであるずいい・K0−1ならば「過少識別」under−ldent董风d
ずするずその倀は母集団パラメヌタの掚定量ずしお䞀・臎性は満たすが䞍偏性は
満たさないこずが知られおいる。
第2節 回垰分析による原単䜍の確1竃 129
であるずいう。
このうち間接最小自乗法は「適床識別の堎合にのみ適甚できるのである。
たずえば6a∌9 aのモデルに぀いおはモデルの内生倉数の数はσ
4でありしたがっお0−14−13。たたモデルのすべおの倉数の数は
5である。そこで
6a匏に぀いおは
倉数の数4だから6a匏に含たれおいない倉数の数K躍5−41
これは0−1露3よりも少ない。したがっお過少識別であっお間接最
小自乗法は適甚䞍胜。
7a匏に぀いおは
倉数の数隅3。故にK蹎5−32。
’K0䞀・1䞀→過少識別。
8a匏に぀いおは
倉数の数霊2。故にK畿5−2瓢3。
κG−1したがっお適床識劉だから間接最小自乗法が適甚可胜。
9a匏に぀いおは
倉数の数2故にK0−1であっお間接最小自乗法が適甚可胜。
以䞊でみおきたように間接最小自乗法ではうたく解けないケヌヌスが倚いの
で次にこれに代わる方法を考察しおみよう。なお以䞊でしめした識別に
関する次数条件order conditionはあくたでも必芁条件であっお必芁十
分条件ずしおは階数条件rank conditionを考えなければならないが本章で
はずりあげない。
2−3二段階最小自乗法
前節でのべたよらな連立方皋匏䜓系6a∌9 a匏のパラメヌタを掚定す
るために・本節では「二段階最少自乗法」two−stage least squares method
をみおよう。
この方法ではたず第1段階ずしお前節の誘導型方皋匏7b8 bお
130第5章・原䟡蚈算システムにおけるコスト・ビヘむビアの把握
よび9b匏からスタヌトする。
・−・
@ κ1算うq十う1σQ十う1c↓40十ゐ1Cid1∫6十Ό2十む1銘3斗・Ύ1clz64 7 b ・
κ2σoc140ρ141κ43c14 8 b
ド、 κ340十41κ4十z54・ ・ 9り
この䞭で7b8b匏は次のような圢に曞きなおしおおく。
κ1ρ7bα7Ύκ4z1 7 b’
κ2メ8Ύ98bκ4ひ2 、 8 b’
・ここで7b8b〈9b・぀たり7b’8b’《9b’のそれぞれ
に最小自乗法を適甚しおρ7め䌜ρ8bσ、Ύ4。4、の倀を求める。
次にこれらのパラメヌタ倀を䜿っおκ、κ2κ3の掚定倀κ、κ2勘を
求める。
κ1ρ76σ7わん、 䞀 ・18・
κ2ρ8Ύ十σ8Ύκ4  19
κ、瓢4。4、κ、  20
   7
こうしおし掚定倀κ11κ2κ8が埗られるず・今床はその倀を「先決倉数」
ず考えお第2段階で
窪ノ1αo十σ1κ1σ2κ2十σ3κ3十κ1 6c
に最小自乗法を適甚する6
ここで6c匏では先決倉数κ、κ2κ3ず残差項、ずは互いに独立の関
7倖生倉数内生倉数および先決倉数の聞の関係は次のように芁玄するこずが
できる。くわしくは門田〔21〕pp194−197’を参照せよ。
〃zコ⑫ωκ
ただしひωκン2はそれぞれベクトルである。
第2節 回垰分析による原単䜍の確定 131
係にあるこずは明らかである。したがっお6c匏は構造方皋匏であるずず
もに誘導型方皋匏でもあるので6cの「単䞀方皋匏モデル」には「盎接
最小自乗法」が適甚される。
この堎合さらに20匏から掚定した£3を8a匏に代入しお8a匏
から。。ずc1を掚定する。さらに19匏から掚定したκ2ず20匏からの晊
を7a匏に代入するず7 a匏からΎ。Ύ、う2の倀を掚定できる。このよ
うな方法が二段階最小自乗法である。
しかしこの二段階最小自乗法に぀いおも前節でのべた「識別」の問題を
怜蚎しなければならない。間接最小自乗法は適床識別の堎合にしか適甚でき
ないが二段階最小自乗法は過剰識別の堎合でもパラメヌタの倀を掚定できるσ
しかし過少識別のケヌスは二段階最小自乗法でも適甚䞍胜である。この
意味では二段階最小自乗法の方が間接最小自乗法よりも適甚範囲は広くな
る可胜性がある。たた適床識別の堎合には間接最小自乗法によるパラメヌ
ノ
タの掚定倀ず二段階最小自乗法によるそれずが䞀臎するずいうこずにも泚意
䞃おおこう。
われわれの6a∌9 aのモデルでは前節で怜蚎したよ勃こ6 a1ず
7aは過少識別であり8 aず9 aは適床識別である。したがっおわれ
われのモデルでは8aず9a匏に぀いおしか二段階最小自乗法も適甚す
るこずができない。
ずころがわれわれのモデルでさらに2぀の倖生倉数κ5ず眪6が加わ
った堎合にはどのようになるであろうか。これは原䟡の第1次的䜜甚因ずし
おκ4κ5κ6が考えられるケヌスである。すなわち
圱α。α、κ、α、幎、α、κ、・ 21
κ1ゐ。十Ύ1κ2十62κ3十∂3κ5十2 22
κ露‘。01κ、oκπ、 ・ 23
κ3鶉40十41κ4十z転 24
この21∌24匏のモデル䜓系ではモデルの内生倉数の数0は4であり・
したがっおG−1篇3。たたモデルのすべおの倉数の数は7に増えおいる。
132第5章 原衝蚈算システムにおける望スト・ビヘむビアの把握
・そこで
〈21匏セこっし、おをた
倉数の数4。故にK躍7−4需3。
したがっおKσ䞀1であり適床識別。
〈22i匏に぀いおは
倉数の数鑑4。故にK鑑0−1であり適床識別。
〈23匏に぀いおは
倉数の数3。故にκ7−3監4。
したがっおκ〉σ䞀1であり過剰識別。
〈24匏に぀いおは
倉数の数2。故に1量7−2含5。
したがっおKG−1であり過剰識別。
以䞊の怜蚎から明らかなように21∌24匏のモデルの堎合にはどの方
皋匏のパラメヌタも二段階最小自乗法によっおその倀を求めるこずができる。
たた間接最小自乗法は21ず22匏には適甚できるが23ず24匏には
適甚できない。
2。4 逐次最小自乗法の適甚
「逐次最小自乗法」◎terative Ieast・square methodずいうのは連立方
皋匏モデルが「逐次䜓系」ず呌ばれる特別な䜓系をなしおいる堎合に適甚で
きる最小自乗法に察しお぀けられた特別な呌称である。
さきの6a∌9 a匏をもう䞀床曞いおおこう。こう。この䜓系は「逐次
モデル」recursive modelの兞型的な䟋ずいっおよい。
雪1αo十α1κ1十α2κ2十α3κ3十z61 6 a
眪1ゐ。十Ύ1κ2十ゐ2κ3十2 7a
κ2o。o、κ33 8a
∫3十4041κ4→䞀Ό4 「 9a
この䜓系は「䞉角モデル」ず呌ばれおいる次のような䜓系に曞き換えるこず
第2節
回垰分析による原単䜍の確定 13
ができる。
40必絢脳病眵韻脚
9d
‘。0・κ3䞀κ2臚・䞀傷3
8d
∂。う2κ3Ύ、κ2」κ1䞀2、
7d
α・α8κ3σ・∬・α・κ、䞀ン、挏吻、
6d
このモデルの内生倉数の係数行列Bは次のように瀺される。
25
こめ行列の特城は察角芁玠を境にしお䞀方がすべお0ずなるこずで誘眲ひ
䞉角モデルの堎合には9d∌6d匏においおたず9d匏の内生倉数
κ3は倖生倉数先決倉数ずいっおもよいκ、だけで決たり぀いで8d匏
ïž·
㊧内生倉数κ2は䞊で求めた掚定倀κ3鷲4041κ4によっお定められるずい
うように倖生倉数以倖の内生倉数はひず぀ず぀順次に決定されおゆく。し
たがっお以䞋のように「盎
物富ゐ十4幜十翫 䞭䞀 d。ずd1の掚定
接最小自乗法」を個々の構造 凞
旧匏に逐次適肌おいく。£・絋茌 ・䞀勧擬
ずによっおパラメヌタの䞀
臎掚定量を埗るこずができ
コ慶、諟。。c、金十鈎・
レ
侭

}。。ず。、の掚定
蝕2・C。十C、島
鎫䞀䞀䞀䞀
の掚定
る。
る驚総譜蚓瓢1襲‡霋
もずに逐次決定されおいる」䞀 ・
朔䞀 䞀う。砺ゐ2の掚定
噞 䞀 Q1の掚定
傘熱恥 纏定
炉・。α、£、÷・熟“持物◎局鎚α。・嘔・ の掚定・
ものであればすべおこの方
法を適甚するこずができる。
8 円山〔26〕p272参照。
134第5章
原䟡蚈算システムにおけるコスト・ビヘむビアの把握
しかも逐次最小自乗法が適甚できる
è¡š2
原䟡䜜甚因
ケヌスではさきにのべた「識別」の
問題を怜蚎する必芁がない。
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防
あ
この衚2の「2次䜜甚因」の䞋に䞊
κ‘
芁 玠
2次的䜜甚因
⑳1
匿玠投
おしおみるず次のようになる。
PL
ゐ
をここで講造行列によっお衚珟しな
䜜甚因関数
ずころで䞊蚘の9d∌6 d匏
郹門B 1次的䜜甚因
払
ç º
α3
α2
αL
んでいる行列は18匏の「䞉角行
列」そのものであるこずがわかる。䞉
角行列は9d∌6 d匏の内生倉数の
PL濯暊時期間の長さ
Pしに䟝存する原䟡は暊時䟝存的原䟡であり、
いわゆる固定費芁玠め重芁な郚分である。
係数行列であったので構造行列原䟡蚈算䜓系における第2次的䜜甚因はす
べお連立方皋匏䜓系の内生倉数であるこずは明らかである。
さらに構造行列における第2次的䜜甚因の係数行列が぀ねに䞉角行列をな
しおいるこずから構造行列原䟡蚈算におけるパラメヌタの掚定には぀ねに
逐次最小自乗法を適甚するこずができるこずも明らかである。このこずは衚
䌜こおけるκ4κ3κ2箱〃1が列べクトルであり41C、Ύ2う1σ3
α溶よびα、が行列である堎合でも同じこずである。
それ故構造行列のも぀䞉角行列ずいう特城から構造行列原䟡蚈算には逐
次最小自乗法を぀れに適甚するこずが勧められおいるのである。この結論は
䞀芋はUめから自明のようであるが構造行列原䟡蚈算モデルのパラメヌタ掚
定は連立方皋匏モデルのそれであるこずに䌎う統蚈孊的な問題を分析したう
えで噛朋らかになったこずである6
ずころでい重6匏の䞭のパラメヌタたず客ぜα、がIE的方法で技術的
に確定できる堎合にはαiκ、を巊蟺に移項し〃䞀α1κ1を1぀の倉数ずずら
1えお他のパラメヌタを掚定すれぜよい。
第3節「Lpによる配合決定原単䜍確定ず差異分析
3−1配合の意図的倉曎
第3節↓Pによる配合決定原単䜍確定ず差異分析 135
係数行列の倀をもずめる堎合に圓垰分析を䜿甚するずきに぀いおの怜蚎を前
節では行なった。原䟡䜜甚因が盞互に圱響をあたえる状況で郚門間の原䟡の動
きを把握するには前章たででのべた単䞀方皋匏モデルでは䞍十分であり連立
方皋匏モデルを利甚するこずを考える必芁があろう。したがっお前節は回垰の
連立方皋匏モデルの抂略を説明したものずいえる。構造行列による原䟡蚈算モ「
デルの係数行列の確定にはすでにのべたもの以倖にLPを利甚するこずもで
きよう。本節ではしPを利甚した係数行列の確定の問題を材料配合の問題にか
かわらせお怜蚎するこずにする。
さお鉄鋌業では配合に぀いおの意思決定は重芁事項の1぀である。高炉
で銑鉄を補造する堎創こが焌結工堎・ペレット工堎で鉄鉱石を粋砕・凝集
させたペレットコヌクスおよび石灰石を配合する。この配合に際しおは
コヌクスが高䟡栌なのである䞀定比率たでは重油で代替させるこずが可胜で
ある。たた補鋌段階では高炉で䜜られた銑鉄ず合金鉄屑鉄および酞玠を
配合し転炉で鋌鉄を補造する。このような鉄鋌業における補造工皋からも明
らかなように鉄鋌業では醍合の良吊が原䟡額に䞎える圱響は少なくない。し
・たがっお最適配合の決定ルヌルならびに暙準配合ず実際配合め盞違に着目す
る差異分析のシステムに぀いおの考察が必芁ずなるのである。
しかしながら埓来の分析は考察察象がごく限られた䞀郚分に぀いおのもの
・が倚く経営の党般的芖野からの怜蚎がなされおいない。もっずも近幎䌝
統的な配合差異・歩留差異の分析に察する批刀ずずもにそれらの問題を克服
しようずする動きがみられる。そこで以䞋ではりルクヒルマンの所説に぀
∌・おたず抂略をのべその埌に構造行列による原䟡蚈算システムずの関連で若
9
午のコメントを付蚘するこずにしたい。
埓来配合差異は぀ぎのような状況が存圚するずきに有甚な情報を提䟛す
るこずに重点を眮いお算嵐されるものである。
9Wolk H・1・aPd A・D・Hillnan11コりルクヒルマンの差異分析法および
䌝統的な配合差異・歩異差異の怜蚎が぀ぎの文献でなされおいる。
小林〔14〕。
136第5章 原䟡蚈算システムにおけるコスト・ビヘむビアの把握
1暙準配合ずは異なった原材料あるいは劎働の組合せで芁玠投入が行なわ、
れる堎舎。
2実際の補品組合せが予算時の補品組合せず異なる堎合にそれが売䞊高
や貢献利益に䞎える圱響を分析する堎合。
以䞊のような状況は先ほどしめした鉄鋌業の䟋からも明らかなように実務
ではしばしば芳察されるものである。それゆえ差異分析の方法自䜓に有甚性
が認められればこれから導かれる差異情報は䞀品目成果を各管理者にもたら
すであろう。
しかしながら配合を意図的に倉曎するずきには埌述するように䌝統的な配
合差異の分析は効力を倱うこずになる。かかる認識をもずにしおりルクヒル
マンは原材料消費数量差異を再怜蚎しょうずするのである。すなわち原材料
䟡栌が倉動すればそれによっお最適配合が倉わりうる状況をたず想定する。そ
のうえで短いむンタヌバルで意図的に圓初の暙準配合を倉化させる堎合の原
材料消費数量差異分析のフレヌム・ワヌクを構築しようずするのである。もっ
ずも原䟡差異分析ずいうコントロヌルの偎面に重点がある問題も圓然のこずな
がら経営管理の党䜓的な芖野から怜蚎する必芁がある。そこで圌らは配合
差異の問題をLPを甚いた短期的最適原材料組合せの決定方法に関する議論か
ら出発させるのである。
・3−2 りルクヒルマンのモデル
圌らのしめした仮蚭䟋は぀ぎのようである。仮説䌚瀟は家畜甚飌料の補造䌚
瀟であり4皮類の材料1バッチの配合にあたっおそのすべおを䜿甚する
必芁はないを配合しお飌料を補造する。補造にあたっおは以䞋のような制玄
条件がある。
1 1バッチでは1トンの飌料を補造しなければならない。
21バッチには最䜎18の蛋癜質力1含たれおいなければならない。
3 1バッチに含たれる材料2あるいは材料3ずもに䜿甚するずきにはそ
の合蚈量の割合は党䜓の20以䞋でなければならない。、
第3節 LPによる配合決定原単䜍確定ず差異分析 13ア
è¡š3 家畜甚飌料1トン圓たりの原材料の暙準原䟡配合および
蛋癜質Q含有料圓初の暙準配合
麟蜟霢醐欝蜟蜟
0
400
1600
2000
0
0
b6F
51
占䞀
噌1
ÎŽO
−矩234
0
4原材料費以倖は配合の倉曎
によっお圱響されない。
原䟡暙準
1トン圓たり 1ポンド圓たり
暙準原
䟡合蚈
0
45
00225
000
0
60
30
00150
000
25
00125
500
560
40
00200
320》
620
3700
è¡š4 獲埗された原材料䟡栌に぀いおの情報
䟡 栌
原材料
5 1バッチの補造䞭には芁玠
1トン圓たり 1ポンド圓たり
6ヌワUQり4
䟡栌は倉化しない。
䞊蚘の諞制玄条件をみたしか
぀長期の䟡栌構造の分析を行なっ
た䞊でたず長期的原䟡最小化目
45
00225
25
00125
28
00140
32
00160
è¡š5 最終タブロヌ
32−M
0 −15 1
−1 −5 −15
0 15 0
0 −75 32
侀1匠 䞀75 −13
25
28
4 1 占
3κ
0
3020
Z霊侀C盛
κ7 ∬8 κ
0匓125匓
25κ2 15
Z乞
M O 45
001250
0 劣6 12
0勘01000
32κ4 45
Mç º135032
C乞 実行可胜解
2
暙を満足する䞀組の原材料配合ずそれぞれの原材料の原䟡暙準が蚭定されるこ
ずになる。本州䟋での配合ず原䟡暙準は衚3にしめされおいる。
しかしながら埀々にしお䞊にのべた方法でもずめられた暙準配合にしたが
っお原材料投入を行なっおも暙準䟡栌を決定した篠に発生した材料費の倉化
により暙準配合どおりに原材料を投入するこずが原䟡最小化に結び぀かない
138第5章 原䟡蚈算システムにおけるコスト・ビヘむビアの把握
こずがある 珟圚の各原材料䟡栌は耒4にしめされおいる。このような状況
が存圚する堎合LPを甚いお短期的に最適な材料配合を぀ぎのような最小化
問題であらわしこれを解くこずにより最適材料配合を求めるこずができる。
最 4、 むヒ g雲45κ1十25眪2十28κ3十32劣4
制玄条件 κ、κ2κ3κ42000
26
05κ1十〇1κ2十〇15κ3十〇35κ‘≧二360
27
κ2十κ8≊400
28
嚩≧0
29
ここでん‘は各材料の投入重量単䜍ポンドである。
è¡š6 䌝統的な配合差異・歩留差異の分析
2
原材料
実際投入量
×暙準単䟡
1234蚈
識
㈹講
1
4
暙準消費量
×暙準単䟡
䞀 〇 〇
420×00150 0 0
− 412×00125 400×00125
1640×00200 1648×00200 1600×00200
39・10
Q38・11 Q37 箋
099 111
配合差異䞍利差異歩留差異䞍利差異
3−3 モデルの解の解釈
10
このモデルを原材料の重量比率で解が求たるように倉換しビッグM法眰
10 倉換されたモデルは぀ぎのずおり。
最4、、むヒ Z需45κ1十25κ2十28ズ3十32κ4十M劣5−0κ6→侀Mκ7十〇劣8
制玄条件 κ1κ2κ3陶1
50κ1十10κ2斗䞀15κ3十35劣4䞀κ6十κ718
5κ2十5κ3 十κ81
κ5 ≧0
f12  8 Mは非垞に倧きな数。
第4節 配合䞊の適応ず差異分析 139
金法で解いた堎合の最終タブ胃䞀が衚5である。裏5をみれば原䟡を短期
的芳点から圓該1バッチに぀いお最小化する材料配合は材料2を400ポ
ンド〈15ノ㍉チ材料4を1600ポンド45バッチ投入するこずである
こずがわかる。この解が4぀の制玄条件を満足しおいるこずは容易に怜蚌でき
このずきの飌料1トンあたりの原䟡が3060ドルずなるこずも明らかであろう。
さらに問題を䞊蚘のように定匏化しおおけば感床分析を行なうこずもできる。
感床分析によっお本蚭䟋の堎合には䟋えば材料2の原䟡が28ドルたで䞊昇
しおも求めた最適配合を倉曎しなくおもよいこずがわかる。以䞊のこずから
投入芁玠䟡栌が倉動的であればあるほど圓初の長期的原䟡最小化をめざした
暙準配合が無意味になる可胜性が増倧するこずがわかる。したがっおこのよ
うな状按が存圚するずきには䌝統的な配合差異の分析は誀った情報を提䟛しか
ねないのである。
圓該バッチ生産での実際材料消費量が材料2では420ポンド材料4は1640
ポンドであったずすれば䌝統的な差異分析では配合差異・歩留差異が衚6の
ように算出される。埓来では配合差異は暙準配合どおりの材料投入が行なわ
れなかった結果生ずるものであるずいう性栌づけがなされおいた◎しかし実際
には圓初の暙準配合が珟圚の原材料䟡栌氎準ではなくなったためこれを意図
的に攟棄したのであるから䌝統的な分析では十分な情報を提䟛しうるずはい
えないのである。たた圓初の暙準配合が意図的に攟棄されたか吊かずは盎接
的には関係はないが差異の算定方法やさらに䞀般的に差異分析のシステム自
䜓の運甚方法を行動科孊的偎面から怜蚎する必芁性も指摘されおしかるべきで
11
ある。
りルクヒルマンは䞊述のような議論をふたえたうえで差異分析の媒介項
に「実際消費量に察する短期最適配合量」を䜿甚する方法を提唱しおいる衚

11 䌝統的な配合差異・歩留差異の分析法の問題に぀いおは小林〔14〕10月号pp
49−51を参照のこずたた差異分析の人間行動にあたえるむンパクトに぀いお蚀及
し差異分析法に察しお新たな芖点をあたえた以䞋の文献もあわせお参照されたい。
䌊䞹 〔9〕 〔19〕。
140第5章 原䟡蚈算システムにおけるコスト・ビヘむビアの把握
è¡š7 短期的量適配合のもずでの原材料消費数量差異
1 2 3 4
原嗣実際消費量。暙隚䟡繍爆撃1灘軞灘消費量。暙準単䟡
1234蚈
420×00150 400×00150
400×00125
1640×00200 1600×00200
1600×00200
39。10 3800
3700
110䞍利
100䞍利
量差異
暙準原䟡修正差異
7参照。衚7をみればこの差異分析によっおいかなる情報が獲埗できるかば
自明であろう。すなわち量差異volume varianceは短期最適配合で指瀺
される材料を投入した堎合の原材料の浪費あるいは節玄量を暙準原䟡で評䟡し
たものであり暙準原䟡修正差異standard cost adjustment varianceは、
圓初の暙準配合ずは異なった短期的最適配合で材料投入を行なうこずになった、
ずいう決定の倉曎によっお生ずる差異である。通垞量差異はコントロヌル可
胜であるのに察し暙準原䟡修正差異は管理䞍胜である。さらにこの差異分・
析では圓該バッチ生産における最適配合は配合前に既知ずなっおいるのである
から量差異には䌝統的な差異分析による配合差異が含んでいた実際の配合が
暙準ずは異なったために生じるずいうような性栌をも぀芁玠は混入しおこないび
それゆえ量差異は玔粋に配合時の材料の浪費をあらわすものずいえる。
第4節 配合䞊の適応ず差異分析
以䞊りルクヒルマンの配合差異に察する考察を抂略しおのべた。LPに
よる最適配合の決定問題ず配合差異の怜蚎を䞀䜓的にずりあげおいるこず぀・
たり配合の問題を蚈画の蚭定段階から期間終了埌のコントロヌルたで䞀貫しお
のべおいる点は興味深い。しかしながら圌らの考察だけで十分であるずはい
えない。ずりわけ差異分析数倀の利甚に関する面での怜蚎が䞍十分である。
第4節配合䞊の適応ず差異分析141
そこで本節では圌らの提唱した差異分析方法LPによる配合決定問題も含む
の適甚䞊の問題を構造行列による原䟡蚈算システムずの関連で考えおみるこず
にしたい。
この問題に察する結論はりルクヒルマンの論述の䞍明瞭な箇所を解明しお
ゆく過皋から導かれるであろう。そこで順次これらの点を指摘し考察を加え
最埌にこの差異分析方法ず構造行列による原䟡蚈算システムの関係を明らかに
したい。
たず第䞀に指摘できるのは最適配合を決定するモデルを原材料䟡栌最小化
のモデルずしお蚭定するこずの劥圓性に぀いおである。鉄鋌業では材料の配
合決定にあたっお材料䟡栌を明瀺的には取扱っおいないずいう。぀たり実際
には最適配合決定モデルは䜕らかの技術的あるいは物理的・化孊的特性倀の最
倧化あるいは最小化モデルずしお蚭定され投入芁玠䟡栌に぀いおはその
・他の技術的あるいは物理的・化孊的制玄ずずもに制玄条件に組蟌たれおいる
ず解釈できよう。もっずも暙準配合決定に際しおいかなる芁因が䞻ずしお䜜
甚するかは状況によっお倉化するであろうから原䟡最小化モデルで配合を決
12
’定するこずがないずはいえない。
第二に問題ずなるのは配合倉曎の意思決定暩限がいかなるレベルの管理者
に委譲されるのかが䞍明瞭なこずである。ずいうよりりルクヒルマンの論
考では材料䟡栌の倉化にタむムリヌに適応しこの情報にもず぀く最適配合に
したがっお材料投入を行なうこずになっおいるから圓該暩限は配合に責任を
も぀郚門管理者に委譲されおいるこずが前提ずされおいるず考えられる。しか
『しながらいかなる状況においおもかかる暩限が郚門管理者に委譲されおいる
ず考えるこずは劥圓ではないであろう。そこで配合決定モデルが材料䟡栌最
小化である堎合ずその他の特性倀最倧化あるいは最小化である堎合ずに分
12LPによる通垞の原料配合モデルりルクらのモデルも同じではここでいう
技術的あるいは物理的・化孊的特性倀に関する目暙は制玄条件匏によっお充足しよ
うずされおいる。したがっお以䞋の議論で技術的特性倀最倧化が問題になっおい
る堎合にぜ通垞の配合モデルでの技術的制玄条件の充足が問題になっおいるず考え
られる状況もある。
142第5章 原䟡蚈算システムにおけるコスト・ビヘむビアの把握
けお考察するこずにしたい。
たず最適配合決定モデルがある物理的特性倀たずえばアりトプットの
硬床の最倧化問題である堎合を考えおみよう。珟圚の材料配合では圓該特性
倀に぀いお望たしい倀が䞀回あるいは䞭間生産物から獲埗できないずいう
情報がえられたずする。さらに圓該特性倀に比䟋しお商品䟡倀が倉化しそれ
が䞀定の倀を䞋回ったずきには商品䟡倀が激枛あるいは・ピロずなるものず仮定
する。この堎合にオペレヌショナル・レベルの管理者に芁求されるのは投入林
料配合をダむナミックに修正し少なくずも䞀定の倀以䞊の特性倀がえられる
ように掻動するこずである。したがっおこの堎合には圓然のこずながら材料・
配合の暩限は圓該管理者に委譲されるこずになるだろう。
しかしながら暙準配合が原材料䟡栌最小化のモデルによっお決定される堎・
合宀こは様盞を異にする。かかる状況では䞊䜍の管理者から通達された皮々の芁
因長期的原䟡最小化目暙もその1぀であろうを考慮しお合議あるいは材料
配合に管理責任をも぀管理者により配合が決定される。これは再び䞊䜍管理者
の承認をうけたのちに暙準配合ずしお確定されそれにしたがっお実際の䜜業
が執行されるこずになるのである。ここで確認しおおかなければならないのはト
最適配合の決定モデルの利点が環境倉化に察するダむナミックな適応にあるず
いうこずである。すなわち1バッチの䜜業を開始する以前に䜕らかの情報が
獲埗されその情報をもずに最適な材料配合が決定できるずいうこずである。
しかるに1バッチの䜜業のタむム・スパンが短いずきにはそのたびごずに
䞊䜍の管理者の承認をえる時間が実際にはえられないこずが考えられる。たた
郚門管理者のこの適応行動によっお党瀟的利益がそこなわれる堎合もある。こ
のずきには圓然のこずながら最適配合にしたがった材料投入は認められないず
考えるのが劥圓であろう。それゆえ圌らの議論では明瀺されおいないし実
際的にも考えづらいのであるが配合修正の意思決定぀たり短期的より正確
には1バッチごずの原䟡最小化の適応行動の暩限が䞊䜍から圓該管理者に委
譲されおおりかっこの行動が䞊䜍の管理者あるいは党瀟的な目暙ず排反しな
いずいう条件が原䟡最小化問題であらわされる最適配合決定モデルでは䞍可『
第4節 配合䞊の適応ず差異分析 143
欠なのである。もっずもモデルを組みかえれば䞊蚘のような疑問に察しおも
答えるこずができようが1玙幅の関係で本章では省略する。
第3は業瞟評䟡段階に関する問題である。なおここでの議論は最適配合モ
デルが材料䟡栌最小化であるこずに぀いおの問題点は蚀及しない。泚意しなけ
ればならないのは圌らのしめしおいる差異分析の議論で䌚蚈期間の抂念に぀
いおの考察が明瀺的になされおいないこずである。さきほどものべたように暙
準配合は通垞期銖に蚭定されおいなければならない。圌らの蚭䟋では原材料
䟡栌の倉動に぀いおの情報がある1バッチの䜜業の開始以前に獲埗されおいる
ずのべるだけでそれが期䞭のどの時点で獲埗されるのかたたそのような情
報獲埗による最適配合の改蚂が䞀問䞭に幟床も行なわれる状況を考慮しおいる
かどうかずいう疑問には答えおいないのである。そこで問題点を明らかにする
ため぀ぎのような状況を想定しおみよう。
期銖に定たっおいる暙準配合にしたがっお生産を開始したが第∫番目ず第ノ
番目のバッチ生産䞭に新たな材料費倉動に関する情報を入手した。
この堎合には第ゎ番目のバヅチ生産はすでに暙準配合にしたがっお進行䞭で
あるから途䞭では倉曎できない。そこで圓該情報によっお新たに蚭定された
最適配合によるバッチ生産は第ゎ1番目以降に適甚される。たた第ゎ1番
目以降ではゎバッチ時に獲埗された情報をもずにした最適配合にしたがった操
業が行なわれる。このような掻動は぀ぎのようにいいかえるこずができるだろ
う。すなわち圓初の暙準配合事前蚈画にしたがっお配合䜜業を開始する
が期䞭に原材料䟡栌倉動に぀いおの情報を獲埗しその時点での最適二合
事埌的最適蚈画が確定すればそれにもずづいた掻動を続行する。このよう
にみるず圌らの差異分析法は事埌最適分析によるそれず同様のフレヌム・ワヌ
クをも぀ものずいえる。事実暙準原䟡修正差異は配合に぀いおの決定の倉曎
によっお生じる差異であり今埌の環境情報の入手努力の方向づけを指瀺する
ために利甚される事埌最適分析でいうずころの子枬差異にほかならない。ただ
144第5章 原䟡蚈算システムにおけるコスト・ビヘむビアの把握
量差異は郚門管理者に配合倉曎の暩限が委譲されおいるかどうかによりその内
容は若干趣を異にするぶ郚門管理者に適応暩限がない堎合配合倉曎が䞊䜍
の管理者によっお決定され倉曎された配合が修正蚈画ずしお明瀺され郚門管
く ペ 理者に䌝達される堎合には䞀応材料䜿甚䞊の浪費をあらわすものずいえる。
このように2分された逊異分析倀は期末以降に確定する実瞟倀ず察比しお算定
され業瞟評䟡指暙ずしお利甚されるこずずなる。もっずもこのような差異分
析数倀がどれほど有甚なものであるかはいただ疑問の䜙地がありずくに量差
異などは1バッチごずの材料の浪費をしめすものであるから各バッチ生産終
了のたびごずにオペレヌショナル・レベルの管理者に圓該情報をフィヌド・バ
ックしお珟堎での原䟡意識高揚に圹だおるこずはできおも期末の集蚈倀は
どれほどの意味があるかどうかは明らかではない。
以䞊LPによる最適配合決定のモデルが構造行列による原䟡蚈算システム
に組蟌たれる堎合に問題ずなるであろう事項に぀いお怜蚎しおきた。芁玠投
入関数の係数の確定にLPが利甚されるこずがあるこずは明らかになっおは
いる。しかしLPをどのように䜿甚するかに぀いおはすでにのべたように
いく぀かの間題がある。さらにこのLPによる最適配合決定モデルず配合差
異の差異分析システムを連動させるこずを考えればさらに倚くの怜蚎の䜙地
があろう。
実際に行われおいる期間蚈算システムは期䞭における配合倉曎に぀いおは
別段考慮せずに期銖の暙準配合ならびにそれず䞀組ずなっおいる原䟡暙準を
ないし蚈算手続を耇雑にし分析を粟緻化するよりもその効果が優れおい
るずいう状況が䞀般的かもしれない。しかし業瞟評䟡段階で適甚される䌝統
的差異分析方法に疑問があるこずは既述のように明らかであるので本筋で
13門門最適分析の適甚は䞋䜍郚門に適応暩限があるケヌス本皿の配合の問題では
目暙関数が原材料䟡栌以倖のある特性倀の最倧化あるいは最小化モデルである堎合
ず適応暩限がないケヌス目暙関数が原材料緬栌最小化モデルの堎合にわけお考察
するのが実際的である。くわしくは門田〔21〕pp306−313を参照されたい。
、
保持したたた䜜動する。このようなシステムの運甚方法が適切でないずはいえ
結
び 145
瀺したようなアプロヌチが考えられおしかるべきである。
結
び
費目別原䟡郚門別あるいは䌁業党䜓を察象ずしおそれぞれのコスト・ビ
ヘむビアを把握しようずする際に回垰分析は有甚な手段を提䟛するものである
こずは再䞉匷調しおいるように明らかな事実である。しかし前章たでの議論で
は費目別のコスト・ビヘむビア分析ず郚門別のコスト・ビヘむビアの分析およ
び郚門別コスト・ビヘむビアの郚門間の盞互関係に぀いおの議論はほずんど行
なわれおいなかった。本章ではこの問題を考えるにあたっお西ドむツ鉄鋌業の
実務で䜿甚されおいる構造行列原䟡蚈算システムの蚈算機構をふたえお係数
行列を確定するのに回垰分析ずLPを䜿甚する堎合の問題に぀いお怜蚎を加え
た。
たず回垰分析を利甚する堎合には係数行列の確定は回垰分析によっおパラ
メヌタの掚定倀を獲埗する䜜業に他ならないこずが明らかになった。さらに構
造行列原䟡蚈算システムでは䌁業の生産構造をできうる限り忠実に写像する
こずを考えおいるので芁玠投入量ず䜜甚因ずの関係をしめす芁玠投入量関数
では耇数の䜜甚因が考慮される。そのため係数行列の確定には重回垰分析が䜿
甚されるこずになる。前章でのべた重回垰分析における諞芁件は係数行列の確
定に回垰分析を甚いる堎合には圓然考慮されなけ’ればならない。さらに䜜甚
因はそのいく぀かが盞互に圱響しあうのでそれらの関係を把握しおおくこず
が必芁であるが回垰分析を䜿甚する堎合に1぀の回垰方皋匏カミ䜕らかのそこ
で特定した状況における䜜甚因間の関係の1぀をあらわすものであるこずを確
認しおおく必芁がある。䜜甚無間に入りくんだ耇数の関係が存圚する䌚蚈事象
を察象に回垰分析を適甚する堎合には圓然単䞀の回垰モデルだけでは䞍十分で
あり耇数の回垰方皋匏からなる連立方皋匏モデルにおけるパラメヌタの掚定
の問題を考えなければならない。そこで本章第1節ではこの問題だけに泚目し
た議論を展開した。しかしそれらはいずれも抂芁をしめしただけであっお原䟡
蚈算モデルに回垰の連立方皋匏モデルをいかにリンクさせるかずいう最も重倧
146第5章 原䟡蚈算システムにおけるコスト・ビヘむビアの把握
な問題にはほずんど立ちいっおはいない。これは今埌に残された謬題の1぀で
ある。ただこの問題を考える際には原䟡蚈算モデルすべおを連立方皋匏モデ
ルを利甚しお蚘述するこずは無意味なのであっお䟋えば係数行列の確定の聞
題をずりあげるなら回垰分析を利甚せずずも係数行列を技術的に決定できる
ものにたで回垰分析を甚いる必芁はないのである。぀たり回垰分析が有甚で
ある状況ずそうでない状況を明確に把握した䞊で回垰分析がもっずもよく䜜
動するシステムに぀いお考えればよいのである。
第2節第3節では係数行列の確定にLPを利甚する堎合に぀いお材料配合
の問題にからめお分析を行なった。これは本曞の䞀連の論考ずは無関連なテヌ
マであるずいえなくはない。ただ䞀こず぀け加えたいのはここで取䞊げた方
法のように経営管理問題を蚈画の蚭定段階からコントロヌルの段階たで䞀貫し
お考察しようずするアプロヌチはコスト・ビヘむビアの分析を行ない分析結
果を皮々の経営管理問題に察しおいかに利甚するかを怜蚎しようずするわれわ
れのアプロヌチずその分析芖野を同じくするものだずいうこずである。
参 考 文 献
1コCorcoran A W and W E Leininger Stochastic Process Costing Methods
TゐΞノ1cooπ’ゎπ8P 1∌6擁Ξzσ Jan1973
2コ Feltham G A Some Quantitative ApProaches to Planning for Multipro・
duct Production Systems䞁加、4cσo襯露π8・R卯’䌜 Jan1970
E3 Franke R A Process Models for Costing1ん4〃䌜αg6耀π’∠46‘o吻䌜g
Jan1975
E4コFranke R costing with Matrix Analysis醐護4ル䌜σ8・Ξ耀π’ご4060π勧8
Ap凱1976
5コ Gamblipg T E A Technological M6dels for Use Input・Output Analysis
and Cost Accountingハr11 M䌜αg8甥Ξ’∠46co瑚た初8 Dec1968
6 Hartley R V0ρ6〆σ’ゎ。πε、RΞ3Ξακ絢ノ1ル勧〃σg67ゎαJ E初ρ加sã‚Žs Goodyear
P疑blishing Company Inc・1976・門田安匘蚳『ハヌトレむ数理蚈画法の経営掻
甹1』門田安匘・加登豊共蚳『ハヌトレむ数理蚈画法の経営掻甚虹』新東掋出版
瀟昭和54幎
7 IBM G7㈱〃σgΞηノ䌜1脚6π4π85ρ7087σ勉痂〃〃ηgG∠4p5ッ5Ξ翅圫ブ
参 考 文 献 147
P䌜ん03’Ξπ撚4PJ䌜κη93760䌜襯9〃按1吻〃䌜π3 Tβゎ」1 M䌜σ9Ξ〃zεπ圊1πノb7脚䞀
’䌜T6ã‚Ž111肋膚π4朔9368so加¢必κη8T6ã‚Ž111ゐ五Ξゎ’ル4Ξπノ嚇アP708∬䌜2鰯〃䞀
㈱8吻41”3’α〃姻。πIBM1975日本アむビヌ゚ム株匏䌚瀟蚳『物量管理を結び
぀けた原䟡蚈画および原䟡蚈算システム』第1巻゚グれクティブのための解説曞
第2巻適甚業務の解説曞第3巻システムおよび導入の解説曞。日本アむピヌ
゚ム株匏䌚瀟『賌造マトリックス」による原䟡管理』1978
仁8コ Ijiri Y A几Application of Input・Output Analysis to Some Problems侉n
Cost AccoRnting Nん4ル勉παgo初6窺、4c60朔’勿8 Ap益1968
9 Itami H Analysis on Implied Risk・Taking Behavior under a Goa1・Based
Incentive Schemeル毎g䌜Ξ曜Soげ8η060ct1976
10 Livingstone」 L Input・Output Analysis for Cost Accounting Planning
and Control 䞁乃Ξ A6coz6π’ゎηg R6z2ゎεω Jan。 1970・
11コWolk H。1 and A・D・Hillman Materials Mix and Yield VariancesA
Sugg6sted Improvement䞁加Aoco襯’勿g R6加偎 Julり1972
12コ林玔子皿「原䟡蚈算システムの䞀門開䞀原䟡理論ず原䟡蚈算の亀枉」『六甲台
論集』昭和53幎7月。
13加登豊皿「過虫原䟡資料を甚いたコスト・ビヘむビアの分析」『経枈研究』昭和
54幎11月。
E14ゎ 小林緯吟皿「配合差異ず歩留差異䞀盎接材料差異分析に぀いお䞀」 r産業経
理』昭和53幎10・11月。
15コ 小林哲倫皿「構造行列に基づく原䟡蚈算モデル」『囜民経枈雑誌』vol134 No
2昭和51幎8月。
〔16 小林哲倫皿「西独における原䟡蚈算モデルの展開」『䌚蚈』voL 109 NL 5昭
和51幎5月。
17小林哲倫皿「構造行列に基づく原䟡蚈算システム」『産業経理』昭和54幎3・4
月。
18コ 小林哲倫皿「西ドむツ鉄鋌業の経営䌚蚈基準」 『䌁業䌚蚈』昭和54幎5月。
19 䌊䞹敬之皿「内郚組織の経枈孊ず管理䌚蚈」 『ビゞネス・レビュヌ』昭和52幎3
月。
20コ 円山由次郎著『需芁予枬ず蚈量経枈分析』日本生産性本郚昭和45幎。
〔21コ 門田安匘著r倚目暙ず階局組織の管理䌚蚈』同文通昭和54幎。
22コ 門田安匘皿「行列代数による郚門別原䟡蚈算」『経枈研究』昭和49幎10月。
23コ 門田安匘皿「倚郚門䌁業の投入産出分析ず線圢蚈画モデル」門田安匘著『蚈算
䟡栌による分暩的システム』倧阪府立倧孊経枈研究叢曞第38冊昭和48幎第4章
こ24コ 䞡頭正明皿「短期経営成果蚈算ず盎接原䟡蚈算䞀リヌベルずラスマ゜の芋解の
148第5章原䟡蚈算システムにおけるコスト・ビヘむビアの把握
怜蚎」『䌁業䌚蚈』昭和54幎6月。
25コ䜐藀粟䞀著『線圢蚈画法による予算管理モデル』改蚂増補版岡文通昭和54幎。
26コ安川正圬著『続・統蚈孊の手ほどき』日本経枈新聞瀟昭和46幎。
ï¿¡27コ 坂手恭介皿「郚門別原䟡蚈算における線型代数の適甚」『創䟡経営論集』昭和54
幎2月。
149
第6章 コスト・ビヘむビアず習熟曲線
序
暙準原䟡蚈算の劎務費蚈算においおは盎接劎務費暙準は呚知のように暙
眮準䜜業時間ず暙準賃率の積ずしお算出される。この䞡芁玠を確定するにあたっ
おぜ諞々の圱響芁因のみならずそれぞれの䌁業の特質組織構造など耇雑
に入り組み合った芁因を分析怜蚎する必芁がある。
本章ではそのうち暙準䜜業時間の確定にあたっお考慮しなければならない
ヒ芁因の䞀぀である習熟効果1earn量ng effectをずりあげこれを䌚蚈的芳点
から総合的に吟味するこずを䞻県ずしおいる。たず第1節では習熟効果を蚈
量化しお把握する方法である習熟曲線learning curveの生成・適甚の過皋
が習熟抂念を明らかにしながら諞文献を通じお抂論される。なおこの第1
節で問題点ずしお指摘したもののいく぀かは埌節で詳现に吟味されるこずに
なる。続いお第2節では習熟曲線の䞀般化を蚈るうえでの諞問題の怜蚎を行
なう。第3節では習熟曲線モデル互earning curve modelの数孊的説明を
行なうが特にここでは習熟曲線のパラメヌタの確定にあたっお最小自乗法
が䜿甚されるこずから前章たででのべた原䟡枬定のための回垰分析ずの関係
が問題になる。この点に関しおは習熟曲線モデルが回垰分析モデルの䞀特殊圢・
態であるこずを指摘しおおくこずにずどめ詳现な分析は該圓節に委ねたい。
以䞊の3節でわれわれは習熟曲線の抂芁を把握したこずになる。そこで
第4節では習熟曲線ず䌚蚈ずの亀枉を習熟曲線モデルの利甚ずいう芳点から若
干たちいっお考察するこずにした。本曞はコスト・ビヘむビアの分析に䜿甚さ
れる諞技法を吟味するこずを第䞀目的ずはしおいるもののこれら諞技法は経、
営管理の皮々の局面で数々の工倫がこらされ倚面的に䜿甚される経営管理技
法ず関連づけお考察する必芁があるこずは事実である。そこで特に第4節では
習熟効果をうける原䟡に぀いおそのコスト・ビヘむビアを習熟曲線によっお
150第6章 コスト・ビヘむビアず習熱曲線
把握しこれを基瀎にしお様々な意思決定局面で回垰方皋匏がいかに利甚され
その際にどのような聞応が生じるかに぀いおもさらに進んで考察したいのであ
る。それでは習熟曲線の抂念の基瀎にある習熟効果自䜓に぀いおの理解をは
かるこずから論を出発させるこずにしよう。
第1節習熟曲線の抂念
人はいただ行なったこずのない䜜業に着手する堎合それを繰返し反埩しお
履行すれば圓該䜜業に熟緎しその䜜業胜率は向䞊するものである。このよ
うな事態は経営のあらゆる局面で生じうるものであり組織がこれらの諞珟象
の存圚を明確に把握しその発珟圢態を確実に予枬するこずができれば経営管
理の様々な局面においお非垞に匷力な技法を保持しおいるずいえよう。このよ
うに組織のアりトプット氎準ず業瞟氎準が向䞊する珟象を習熟効果σearning
effectず呌びこれらの関係を関数圢で写像したものを習熟曲線leaming
curveず呌ぶこずにしよう。もっずもこのような抜象床の高い抂念芏定を
行なえば圓該抂念の操䜜䞊の困難性を随䌎するのでさしあたっおは䞀般に
いわれおいるような意味぀たり环積生産量が増すに぀れお単䜍圓たりの环
積平均䜜業時間が䞀定率で枛少するこずを習熟効果これを関数で衚瀺したも
のが習熟曲線ずいうで習熟効果ず習熟抂念さらには習熟曲線に぀いおの考
察を行なっおいきたいず思う。
さお航空機補造業においおはその機䜓airframe生産数量が増倧す
るに぀れお機䜓補造に芁する単䜍圓たり盎接䜜業時間が枛少するこずが経隓
的に知られおいたずいう。かかる経隓をふたえた䞊でカヌティス・ラむト株
匏䌚瀟Curtis Wright CorporationのT・P・Wrightは圓瀟の航空機生産
く 量环積生産量ず単䜍圓たり原䟡の関係を詳现に怜蚎した。ここで圌は特
1W士ight T R F・・t・rs A鉩ecti・g th・C・・t・f Ai・p1・・ 劙・・」・Όゐ・
∠4Ξmσ∫吻ZScゎΞπσΞs Feb1936 pp122−128なお習熟曲線の歎史の抂芁に
぀いおは黒沢35コ西村38p21および星野37コpp126−127などを参照
第1節習熟曲線の抂念151
定機皮の補造量が2倍になるごずに环蚈平均盎接䜜業時間环積補造時間÷補
造量は䞀定の割合で枛少するこずを指摘しおいる。この経隓的にえられた䞀
定割合ずは玄80である。぀たり环積生産量が2倍になるずその生産量
のもずでの平均䜜業時間がもずの80ずなるずいうこずである。Wrightはこ
のような法則を「80の芏暡の生産の法則」eighty percent scale of pro・
2
4uction豆awず呌んでいる。
぀いで米囜囜防省は航空機の原䟡に関する情報を獲埗するためスタンフ
ォヌド研究所にTP Wrightの研究をふたえた玍入機䜓に関する報告を行
3
なわせた。この報告によっおWrightの「80の芏暡の生産の法則」がほが
党機皮に該圓したこずから航空機産業においお䞊蚘のような経隓的法則が存
圚するこずが明らかになったのである。
かかる珟象の存圚ずその関数によるモデル化これが習熟曲線であるは政
府偎においおは入札䟡栌の劥圓性を怜蚎するための手段ずしおたた入札業者
偎にずっおは入札䟡栌の決定必芁劎働量の決定およびそれに基づく人員蚈画
の策定さらには各皮の蚈画管理の甚具ずしおの䜿甚や各皮意思決定におけ
る決定モデルずしおの䜿甚ずいうように倚角的に甚いられる方途を明確化し
たのである。
さおこのような歎史的経緯をも぀習熟曲線はそののちどのように展開し
䞀その過皋でどのような問題が発生しそしおそれらに察しおはどのような怜蚎
がなされおきたのであろうか。これらの諞点に぀おは次節で詳现に怜蚎するこ
ずにしよう。
せよ。なお「習熟パタヌンに関しお最初に文献にあらわれたものは1925幎のオハむ
オ州ラむト・パタヌ゜゜空軍基地の指揮官による報告である。」Hirsch鰍1ann17コp
125その報告ずは぀ぎのものをいう。Reguero M・A An Economic Study of the
Military Airframe Industry Wright・Patterson Air Force Base Ohio Departロ1ent
of the Aç«¥r Force Oct1957 p213
〈2詳现はBroster14PP。34−35を参照せよ。
〈3 Stanford Research Institute DωΞZoρ勉Ξ鋭。p704oあ。πみccΞ」Ξ廻だ。π、 Cππ63
b7∠4ã‚Ž7f7rσηz¢ 1949
152第6章 コスト・ビヘむビアず習熟曲線
第2節習熟曲線抂念の䞀般化をはかる䞊での諞問題
前節で述べたような経緯を持぀習熟曲線は圓然のこずではあるが他の産業
郚門ぞの適甚がはかられその䞀般化が詊みられた。しかし「圓該技法の他
4
産業に察する䞀般化は残念ながら遅々ずしたものである。」 このように習熟曲
線技法の䞀般化が阻倖されおいる理由ずしおBaloffは次の3点を指摘しお
5
いる。
1習熟鹞線で衚わされる生産性向䞊珟象の原因ならびにその存圚をあたり
にも狭く解しおいるこず。
2習熟曲線モデルの実際のフォヌムが明確なものずはいえずさらにその
蚈算に぀いおも混乱や若干の問題点が存圚するこず。
3習熟曲線に関する過去の経隓的結果が円滑に圓該技法の適甚を考えお
いる人々たちに䌝達されおいないこず。
これらの指摘は明癜だず思われる。そこで本節では䞊蚘の3点に関連させお
以䞋にしめす諞問題を順次怜蚎しおいきたいず思う。
1に関するものずしおたず考えられるのは習熟効果を発生せしめる芁因は
䜕かずいう原因究明を行なう必芁があるずいうこずである。これに関連しお
さらに副問題ずしお習熟効果は盎接䜜業のみに珟われるものなのか間接䜜業
に぀いおも起こりうるものなのかを怜蚎しなければならない。本節ではこの
問題を原䟡費品品ご考察したい。圓然こ㊧問題に察しおはα習熟効果は航空機
産業個有なものなのかどうかロさらに産業を劎働集玄的産業labor inten・
sive industryず機械集玄的産業、machine・intensive industryに分ける
堎合に習熟曲線がこの䞡産業郚門に適甚できるかどうかをさらに副二䞁ずし
お考えおみ枩い。
2に぀いおはα80習熟率の劥圓性の怜蚎これは第1点にも関連する
ずロモデルのパラメヌタの確定方法に関する問題がある。本節ではむの問題の
4 Baloff6P・275・
5 1ÎŽã‚Ž4L p275
ノ
第2節 習熟曲線抂念の䞀般化をはかる䞊での諞閥題 153
みをずりあげロに぀いおは埌節で怜蚎したいず思う。3に぀いおは本章が
その圹割を果たす目的で蚘述されるこずのみを蚘しおおこう。さらにこのよ
うな習熟効果は長期にわたり存続するものかどうかも怜蚎するこずにしたい。
この問題は原䟡暙準の蚭定に習熟珟象が及がす圱響ず関連がある。それでは
怜蚎を始めるこずにしよう。
抂 説
航空機産業においおは習熟珟象が盎接䜜業時間の改善ずいう圢で取り䞊げら
れた。たたこのような盎接䜜業を行なう盎接工が倚くは機䜓の組立䜜業に埓
事しおいたのである。䞊蚘の2点に加えお党䜜業に占める組立䜜業そのほ
ずんどは手䜜業によるものであるの割合が高いほど習熟率が高くなるずい
くの
う実蚌結果も埌抌しする圢で習熟珟象に぀いお぀ぎのような狭い解釈がなさ
れる結果ずなった。
1習熟効果は盎接䜜業のみに珟われる。
2習熟効果は盎接䜜業のうち組立䜜業のような手䜜業manual work
に぀いおのみに認められるものである。
確かに䞊蚘の指摘は誀たりではない。、たずえば憧接工の䜜業胜率これを単
䜍圓たり盎接䜜業時間で衷わすものずするずは圌らが反埩しお実行し圓該
䜜業に察する経隓を積むご・ずにより道具manual facilityを自圚に䜿いこ
なせるようになるに぀れお向䞊するこずは論理的にも明確である。これには
実蚌の裏付けもある。さらに盎接工の獲埗する経隓が生産効率の向䞊に぀い
おかなりの比重をも぀重芁な芁因であるこずも事実である。しかし倚くの論者
が単に盎接䜜業にのみ重点をおき゚ンゞ嘉アや間接工の掻動ず習熟珟象ずの
関野粉に冠しおいない・ずは倧き簟問点であ鎇習熟ず圱響を及がす
6 Andress3コP・89 Hirschmann17コP126
7䟋えばAndress〔3⊃Hartley〔16コ・Hirschmann E17などを参照せよ。ただ
し習熱曲線に関する文献の倚くが盎接工の問題をずりあげるのは習熟曲線の生成発
展過皋から圓然のこずであり・このこずをもっお䞊述のような指摘がすべおの文献に
぀いお該圓するものであるず結論するのはあたりにも短絡的でありすぎる。
154第6章 コスト9ビヘむビアず習熟噛線
8
芁因ずしおは盎接工を含め少なくずも以䞋にしめすものが考えられる。
1 䜜業に埓事する人員䞀盎接工の蚓緎経隓および技胜は習熟効果を
も぀閲按工材料準備係怜査係保守および甚圹係の䜜業が盎接工
の胜率向䞊を促進する。
2 監督者およびスタッフ芁員䞀圌らの行なう皮々の調敎掻動や問題解決
の指針の提䟛。
3 䜜業の実斜方法䞀工具の改善蚭備の配眮転換補造方法の倉曎等。
9
4 操業床䞀操業床の䞊昇自䜓が習熟効果を高めるこずがある。
5 ロット・サィズヌロヅト別生産を行なうず連続生産に関する習熟のメ
リットは倱われるこずがある。しかし段取時間などのロット切換に芁する
時間が次第に短瞮されるし経枈的ロット・サむズが確定するたでの過皋
で習熟効果が発揮される。
䞊述のような諞芁因を怜蚎せずに習熟効果に分析が行なわれおきたこずによ぀
10
お「習熟曲線抂念は機械集玄的な補造業での適甚が疑問芖される」結果をた
ねいたのである。
すでにしめした習熟効果に察する狭い解釈はずりもなおさずその効果が最
初に明瀺的な圢で確認された航空機産業に付随する皮々の特質から発生したも
のである。たずえぜ機械集玄的な産業矀においおも習熟効果が認められるこ
11
ずは実蚌されおおりたた劎働集玄的な産業でも盎接工自䜓の䜜業ぞの習熟が
12
䞻たる生産効率向䞊の芁因ではない堎合もありうるのである。
8Taylor〔24コP21
9Andress3P・89にも同様の指摘がある。
〈10BaIoff6コP・276 Andress3コP96参照せよ
く11Balo貞E6コPP・279−282 Co韍way a烈d Schultz E15コおよびHirsch W Z
Manufacturing Progress Function䞁加R¢吻”oEσoπo痮csαπ4 S鰯蚀s‘5cs May
pp134−155を参照せよ。
〈12゚ンゞニアならびに間接工が盎接工の胜率向䞊のため䜜業環境を改善するべ
く積極的なサポヌトを補造掻動ず䞊行しお実斜する堎合にこの効果が盎接工自䜓の
習熟効果を倧きく䞊回る堎合などがこの指摘にあおはたる。Conway and Sch犠1切
15コ口参照せよ。
第2節 習熟曲線抂念の䞀般化をはかる䞊での諞問題 155
さ䞃ゞ論述がやや基瀎的な分析をなおざりにしお進んだ感があるので出発
点にもどり盎接䜜業に限定しおその習熟珟象の発生原因に぀いお怜蚎を行な
いたいず思う。
2−1 習熟効果発生原因め究明
習熟珟象の原因の究明にあたっおは次の2぀のファクタヌを明確に区別す
る必芁がある。1぀は人員䜜業者および監督者そのうち特に前者が同䞀
の䜜業を反埩履行するこずによっお習埗する熟緎床をいう文字通りの習熟であ
る。これは生産プ舜セスに䜜業者の機敏性dexterityが芁求され䜜業が
連続したプロセスからなり䜜業者の圓該䜜業環境に察する肉䜓的・粟神的適
13
応が䌎なうような状況でみずめられるものである。このような盎接工の䜜業胜
14
・率の向䞊は圌らの「習熟胜力」の具珟化ずみるこずができよう。
もう1っのファクタヌは䜜業状況の改善盎接工䜜業の実斜を円滑を行なわ
せるための皮々のサポヌト技術革新などの経営むノベヌション manage・
ment innovationである。これらの芁因はほずんどの堎合耇合的であっお
分離しお把握するこずは因難である。「したがっお習熟曲線は真に科孊的甚
具ずいうよりも䜜業時間ずいうむンプット量に䜜甚するすべおの芁因を図瀺す
る実蚌的な方法である」ずいう指摘は劥圓であろう。しかしこのこずをもっ
お「経隓的な  筆者泚習熟曲線が䞀貫した態様をしめすこずは文字ど
ロの
おりの習熟効果が他の芁因よりも匷く䜜甚するこずを明確にしめしおいる」ず
断蚀はできないであろう。文字どおりの矩血ず他の芁因ではどちらが匷く䜜業
胜率の改善に䜜甚するかは業皮補品の補造数量補品の単䜍原䟡補造方法
補造期間などによっお匷く圱響される。航空機産業のように補品の補造数量は
比范的少量で型匏の倉曎が頻繁で販売察象が特定化されおいるため単䜍
13 Horngfen31p。207
14 Hartley二16〕 P・123・
15 Aadress3コP・89・
〈16 ∬房4p89
156第6章 コスト・ビヘむビアず習熟曲線
原䟡が高く組立䜜業の党䜜業に占める割合が高い堎合には機械自䜓をこは習
17
熟効果は期埅できないずいう根拠からも文字どおりの習熟効果が䜜業胜率
18
に匷く䜜甚するずいうこずができる。しかしこれを䞀般論ずしお受容するには
いただ考察が十分ではないだろう。
ずもあれ習熟珟象は䜜業員個々人の䜜業ぞの熟緎これさえも個人的な努
力氎準の達成意欲にもずずくもの時の経過ず個人の䜜業習熟胜力に䟝存する・
・ものさらには䜜業習熟胜力の開発・促進を意図するむンセンティブ・シ塔テ
ムのあげる効果によるものなどの総合的所産ではあるがずいう芁因ずその他
の芁因が盞互に䜜甚しお生み出されるものであるこずは明らかであろう。
2−2 習熟効果の費目別分析
習熟効果は原䟡額でそれを枬定するこずができる。文字どおりの習熟効果は
航空機産業の䟋からもわかるように盎接劎務費にもっずも顕著にあらわれるで
あろう。補品単䜍圓たりの盎接劎務費の枛少は䜜業員の䜜業胜率の向䞊によっ
お補品単䜍圓たりの劎働投入量が節枛されるずいう効果に盎接的に基づくもの
である。ただしこのような原䟡節枛効果は賃率䞀定ずいう前提をおいおはじ
めお期埅できるものであっお賃率が習熟珟象のみられる期間䞭に改蚂される
ような堎合には䞀抂に習熟効果が即原䟡節枛に寄䞎するものずは断蚀できな
い。このこずからたず習熟効果を実際に枬定しようずするずきには埓属倉
数に貚幣単䜍衚瀺による倉数単䜍圓たり原䟡や环積平均原䟡などを遞択す
るよりも物量単䜍衚瀺の倉数䟋えば単䜍圓たり盎接䜜業時間等の実際投入
むンプット量を䜿甚する方が奜たしいこずがわかるであろう。もちろんこ
りデヌタを基瀎ずしお習熟効果を貚幣単䜍で枬定するこずは容易である。
17しかし機械のハンドリγグを行なう人員に぀いおは圓然のこずながら習熟効
果が期埅できる。
18 航空機産業で組立䜜業の党䜜業に占める割合が䜎くなるほど習熟率が䜎䞋する
こずは぀ぎの文献であきらかにされおいる。Andress〔3コP89 Biermaロaad
Dyckma叫Ma蔊agerial Cost Accounting2nd ed Mcmiç«¥1an Publishing Co
hc・1976およびHirschman17コP・125をみよ。
第2節習熱曲線抂念の䞀般化をはかる䞊での諞問題 157
第2点ずしお指摘できるのは習熟効果の存圚を認めた䞊で最終的にはそ
れを原䟡節枛ぞず転化させるような賃金に関するむンセンティブ・システムを
構築する必芁があるこずである。䜜業胜率の向䞊に䌎なう䜜業員の効甚の増倧
を導びくためには賃率を習熟の皋床に応じおスラむドさせるようなシステム
19
を構築しなければならないであろう。このこずは賃率を䞀定ずしお䜜業胜率
が改善される状況䟋えば補品単䜍圓たりの䜜業時間が次第に短瞮される堎合
を想定すれば明癜なこずである。かかるシステムの構築に際しおは圓然の
こずながら䜜業員に察するモチベヌションを考慮に入れる行動科孊的配慮が
必芁であるこずはいうたでもない。
ずころで䜜業員の䜜業効率の向䞊は仕損の枛少材料の浪費の節枛さら
には監督の匷化によるものずいう圢で具珟化するこずもある。かかる意味で習
熟効果は盎接劎務費だけではなく∌玠材費買入郚品費からなる盎接材料費
補助材料費・工堎消耗品費・消耗工具噚具備品費などの間接材料費や間接劎務
く20
費などの補造間接費にも圱響するものず考えられる。しかし航空機産業の䟋
からも明らかなように補品単䜍には必芁最䜎限の材料は䜿甚されるのであり
䜜業者に぀いおも材料浪費をおさえるこれもたた最䜎限の技胜が期埅できるこ
ずから材料費に察する習熟効果の圱響は盎接劎務費に察するそれほど顕著な
21
ものではないだろう。習熟効果はその総額的な芳点から芋お䜜業開始の圓初
においお特に明確に珟われるものであるから盎接劎務費以倖の圓該効果の圱
響がそれほど顕著でない費目に぀いおは習熟効果の考慮はかかる初期段階に
く19習熟効果を念頭においた賃金むンセンティブ・システムに関しおは以䞋の文献
を参照されたいρ
Broadston E13ナ Ba1碓and Mckersie〔7コ Corcoran L27コおよび㌔Wyerこ26コ
〈20間接劎務費に぀いおも習熟効果のあるこずは以䞋の文献でしめされおいる。
Andress3コP80およびSummers and Welsch23コP・46・
く21航空機産業における䟋瀺に぀いおはHartley16コP・125を参照せよ。ここ
でいう材料費の䜎枛ずは材料の䜿甚効率向䞊による補品単䜍圓たりの材料数量節玄
にもずずく単䜍圓たり材料費節玄をいうのであっお䞀䌚蚈期間におけ’る材料費総額
は前期間ず材料消費量が同䞀であっおも材料単䟡の高隰が習熟効果による原䟡節枛
珟象を盞殺するこずにより䞊昇する状況も圓然めずずながら存圚するb
158第6章 コスト・ビヘむビアず習熟曲線
察しおのみ行ない环積生産量カミヌ定の段階を越えおからは無芖しおもさしっ
かえないだろう。習熟による節枛は習熟効果の圱響をうける費目の党䜓に占め
る比率の䞊では軜埮なものであるかもしれない。しかし単䜍原䟡が高額であ
る堎合には巚額の原䟡䜎枛を導く習熟効果を考慮に入れるこずは非垞に重芁で
あるずいえよう。
2−3機械集玄的産業における習熟曲線の利甚
航空機産業においお䞀定の習熟率をも぀習熟曲線がほが劥圓するこずは1940
幎代の末に明らかにされた。これをうけお他産業においおも特定䜜業郚門
あるいは組織党䜓の習熟効果を習熟曲線によっお把握しようずする詊みが数倚
くなされた。Baloffによれば぀ぎのような航空機産業ずは察照的な性質を
有する鉄鋌業補玙業コンテナ補造業導線補造業および電気配電盀郚品
の補造業最埌の2業皮は自動化䜜業によるものであるなどの機械集玄床の
22 23
高い産業矀にも習熟曲線が劥圓するずいう。たた粟密電気機噚や機械工具
24 25
織機補造業さらに日本の機械補造業においおも習熟効果を習熟曲線で衚瀺す
る詊みもなされおおりそれらの事䟋研究もかなり存圚する。このような事䟋
が比范的倚数あり習熟効果自䜓の存圚も広く認められおいるにもかかわらず
習熟曲線技法の普及が阻倖されおいるのはいかなる芁因によるものであろうか。
Hirschmannは習熟曲線が航空機産業以倖では習熟曲線がそれほど䜿甚され
26
ない理由ずしお次の5点を指摘しおいる。
1 改善パタヌンGmprovement patternを合理的か぀敎合的に蚈量化
できるずいうこずに察する理解が䞀般に欠劂しおいるこず。
2継続的な改善が習熟効果以倖の芁因によるものではないかずいう懐疑心
22 Baloff5コ
23Co総wayé‹€d Schultz15を参照せよ。
24ペ呈rsch oρ o甑
25䜐藀36コ
26 Hirschman 17 pp127−12
第2節 習熟曲線抂念の䞀般化をはかる䞊での諞問題 159
が実斜責任者にあるこず。
 習熟効果が分析前からほずんど存圚しないず思われる業皮や䞀事䟋によ
っお習熟効果が認められなかった業皮たずえば基瀎化孊産業プラス
27
ティック産業石油粟補業などでは䞋熱効果の分析が最初から攟棄され
おいるこず。
4 すでに明らかにされおいる習熟曲線の劥圓性に関しお十分な承認が埗ら
れおいないこず。
5 習熟曲線は個人業瞟ならびに集団業瞟をも蚘述できるこず。たたこの集
団には盎接䜜業者のみでなく間接䜜業者をも含めるこずができるずいうこ
のの理解が欠劂しおいるこず。
しかしながら䞊蚘の問題のほずんどは航窒機産業においおは解決枈である
28
ずされおいる。さらに習熟䞁䞁の信頌性に぀いおも玍入䟡栌の決定にあたっ
おはこれが重芁な圹割を果たすこずからも習熟曲線の劥圓性に぀いおは問題ば
ほずんど存圚せずず断蚀するこずすらできるほどである。したがっお習熟曲
線の他産業ぞの適甚にあたっお特に考慮しなければならないのはHirschm・
annの指摘したレベルの問題を越えた次のような分析芖野からの諞事項である。
1習熟効果ずはいかなる内容からなるものかを明確に定矩する。
2埓来䜿甚されおきた習熟曲線の関数圢 穿σ♂
ここで通垞αは第1単䜍の補造に必芁な芁玠投入量䜜業時間が䜿甚
されるこずが倚いκは环積生産量Ύは習熟率を衚わす指数そしお
蜜は环積生産産量での平均芁玠投入量であるで習熟珟象を適切に衚わす
こずができるかどうかを怜蚎する。
3圓該関数圢が劥圓であるζ刀断された堎合にこの曲線が劥圓する範囲に
は制限がないのかどうかを決定する。
習熟効果自䜓は倚かれ少なかれすべおの䌁業で認められるものである。た
27すでに指摘したように石油粟補業でも習熟効果が認められたずいう事䟋もあ
る。Hirschman17コP・129参照のこず。
28詳しい個別内容に぀いおはA撮τessに3コを参照せよ。
160 第6章 コスト・ビヘむビアず習熟曲線
だその効果の存圚の確認にあたっおはすでに指摘しおきた事項たずえば習
熟は盎接䜜業だけに芋られるものではないずか䜜業員個々人の習熟だけでは
なく組織䜓党䜓ずしおの習熟が考えられるなどずいう事項を分析にあたっお
は十分に把握しおおく必芁がある。この堎合には特に航空機産業の特質を十
分に理解した䞊で分析を行おうずする䌁業ずの盞違点を明確にしおおくこず
が肝芁である。しかし最も重芁なこずは圓該効果を適切に蚈量化しようずす
る努力である。習熟効果を適切にか぀理解しやすい圢で蚈量化したものが習熟
曲線ず呌ばれるものであるがこれに信頌性が認められお始めお習熟曲線モ
デルを皮々の目的に利甚する方途が開けおくるのである。ずはいえ航空機産
業で広く認められ「航空機䜓曲線a玉rframe curve」ず呌ばれたりする「80
29 30
曲線」をそのたた他産業で適甚するこずは぀぀しむべきである。なお習熟
曲線の関数圢の劥圓性ならびにパラメヌタの決定にあたっおは次節で詳现に怜
蚎するこずにする。
2−4習熟効果の持続期間
習熟効果を具䜓的に枬定する技法である習熟曲線が航空機産業における盎接
’䜜業のみを察象ずするものではなく間接䜜業をも含めた補造掻動党䜓に぀い
おも劥圓し航空機産業だけではなくそれを包摂する劎働集玄的産業矀はもず
より機械集玄的な産業矀にたでも適甚可胜であるこずが前節たでで明らかに
なった。この説明の過皋で航空機産業で通垞甚いられおきた「80習熟率」に
は普遍性がないこずも瀺された。本節では習熟効果の持続期間に぀いおのみ
問題を限定しお怜蚎したいず思う。
習熟効果は補品の開始時からその補品の補造を䞭止するたで継続するものず
いえるのだろうか。習熟効果は補品補造量が増加するにしたがっお次第にその
29スタンフォヌド研究所の調査研究で航空機産業で広く認められるずされた「80
習熟曲線」に察し航空機産業自䜓においおもこれが劥圓しないずする実蚌研究もみ
られる。Alchain2コを参照せよ。
30 このこずはBalo寊6 Baloff and Kennelly E 8コに詳しい。
第2節 習熟曲線抂念の䞀般化をはかる䞊での諞問題 161
圱響は枛少しおいくものである。そこで補造量が倚く補造継続期間が長く
なればなるほど圓該効果の存圚はたずえ認められるずしおも無芖できるほど
埮小なものずなるであろう。たた皮々の芁因によっお習熟効果が補造期
間䞭に消枛するずいう状況もそれほど特殊なものではないず思われる。しかる
に航空機産業を含む劎働集玄的な産業矀での習熟効果の分析では䞊述のような
31
状況に぀いおは明瀺的には取i扱っおいない。Hartleyは航空機産業でそのよう
な取扱いがなされるのは急速な技術革新ず頻繁な型匏倉曎を䞻芁因ずしお
32
特定皮類の航空機䜓の補造量が少ないためず説明しおいるがこれに察しおも
航空機産業でも習熟効果がほずんど消滅しおしたうような状況が存圚するずの
33
実蚌研究も存圚するのである。したがっお習熟効果に぀いお考察を行なう堎
合には圓該効果が顕著な始動期start−up Phaseずそれがほずんど䜜甚しな
いあるいは消滅した埌の安定期steady・state phaseずを明確に区別する
34
必芁がある。安定期ず始動期を図であらわせば図1および図2のようになるで
単䜍圓たり
資原䜿甚量
侀→
ロ
始動期 1安定期

雪

さ


0
1
环積生産数量
図1 始動期ず完定期1䞡察数グラフ
31 Baloff 6コ p 280
32 Hεがtley 16コ・
33 Asher〔4コP・5
34s毛artlup Phase steady・state phaseずいう甚語はBaloffによっおいる。「
お
Balo鍔は䞀連の論瞞 Baloff5コ Balo鉊6コ Balo鉩and McKlersie7コおよ
162第6章 コスト・ビヘむビアず習熟曲線
四二挫藷茎
ロ
←6→
始動期1安定期


雪
墜
蚀
0
ナ 环積生産数量
35
図2 始動期ず安定期2通垞のグラフ
あろう。
さお習熟効果を始動期ず安定期ずの2局面で考察する必芁性は明らかにな
びBalo鉩and Kenne11y8コで習熟効果のみに限定せず start・up Phase党般の
珟象に぀いお興味深い考察を行なっおいる。
35瞊軞に䟋えば䜜業時間圓たりの補造数量ずいうような生産性を衚わす指暙
manufactur侉ng Product侉vity I琵dexをずれば図1図2はそれぞれ以䞋のよう
になろう。
生産性 ’
5


づレ
始動期・安定期
0 环積生産数量
図1
生産性 
3
曞
1
ロ コ
始動期重安定期
8
0 环積生産数量・
図2
Ba1醗は始動期の経営における意矩を通垞の習熟曲線ではなく䞊蚘のように生
産性指暙を瞊軞にずっお説明しおいる。Baloff a舷d Kemelly〔7コP・134をみよ。
第2節 習熟曲線抂念の䞀般化をはかる䞊での諞問題 163
぀たず思うがこのこずは次節で説明する習熟モデルの構築䞊いかなる意味
があるだろう。通垞習熟曲線モデルは単調枛少関数で蚘述されるがこのこ
ずは圓該モデルが安定期の存圚を無芖した航空機産業で開発されたこずを劂実
に物語っおいる。安定期を無芖すれば単調枛少関数モデルで習熟効果を蚈量化
するこず自䜓には問題はそれほどない。しかしかかる状況が存圚するこずが
36
明らかになっおいる以䞊単玔に単調枛少関数モデルを適甚すべきではない。
䟋えば関連デヌタを利甚しお回垰分析によっお習熟曲線をもずめようずする
堎合安定期の存圚を無芖しお蚈算を行なえば習熟率は実際よりも過少評䟡
されるこずになろう。この堎合には原䟡は実際よりも過倧評䟡されるこずにな
り圓該モデルを利甚しお受泚に関する意思決定を行なう堎合に受泚をうける
べきであったにもかかわらず圓該受泚を棄华しおしたうずいうような誀謬を
37
犯す危険性がある。したがっお回垰分析を行なう際には安定期のデヌタをはず
しおおかなけれぜならない。このような意味からも始動期ず安定期を明確に
しおおかねばならないのである。、これが行なえるのならさらに始動期の党補
造期間に察する比率始動期間存続率が始動期に研究関発ならびに蚭備ぞの
蚭資に察しおどのような姿勢でのぞめばよいかに぀いおのラフな基準ずなりう
るのである。すなわち補品むノベヌションがあり匷力な䟡栌競争者が存圚
する堎合には補造期間が短くなるので始動期間存続率は倧きくなり基本的で
か぀操業䞉䞉が長い補造プロセスでは始動期間存続率が小さくなるのである。
36始動期ず安定期を䞀䜓的に取扱うモデルも開発は可胜である。しかし耇雑な関
数圢をも぀モデルはその操䜜性を考慮すれば疑問がないではない。さらにこれは本文
申の以䞋の指摘ρように取扱えば十分に察凊できる問題である。
Baloff and Kemelly〔8コP・134勲・10をみよ。
37 この堎合の損倱は機䌚原䟡ずしお枬定するこずが可胜である。その倀は圓該受
泚をうけおいれぜ獲埗できたであろう利益額である。
なお原䟡の掚定倀の誀差に察する負の効甚関数が“uadraticであるずすれば
意思決定者は1掚定倀に぀いお倧きな誀差の回避するためにその倧きさに察しお逓
増的に原䟡を支払おうずする2同じ匷床であれば意思決定老は過倧評䟡による誀
差を䞖心しょうずするよりも過少評䟡によるそれを回避する方に重点をおくずいう。
DopuchΞ’σ’30P・86をみよ。
164 第6章 コスト・ビヘむビアず習熟曲線
この䞡者を比范した堎合にその他の環境条件が䞀定であるずすれば前者の
38
資本投資が圓該状況では重点があり積極的に掚進すべきこずがわかる。
第3節 習熟曲線モデル
前節たでで習熟効果は倚かれ少なかれすべおの䌁業の補造掻動に䌎うもの
であるこずをみおきた。さらに習熟効果の具䜓的枬定手段である習熟曲線を
䞀般的に適甚しようずする堎合に問題ずなる事項を順次特に文献考蚌を通じ
お怜蚌し習熟曲線抂念の拡匵可胜性に぀いお怜蚎を行っおきた。アりトプ
ット氎準の䞊昇にずもなっお生産効率を向䞊する珟象を習熟効果ずよび圓該
効果を蚈量的に枬定する手段を習熟曲線ず呌ぶこず自䜓は抂念的には可胜であ
り倧方の同意はえられるであろうげしかしながらこのような広矩の抂念芏
1定による習熟曲線を実際に生ずる皮々の意思決定状況で䜿甚しその結果えら
れる情報を有効に甚いるこずは可胜なのであろうか。答えはおそらく吊定的な
ものであろう。ある特定の状況で習熟珟象が発生しおいるず思われる堎合䜕
らかめ目的で圓該珟象の説明を蚈量的に行なうこずに重点があるのであれば
このような倧きな抂念を適甚するこずも可胜かもしれない。このずきには察
象ずなる問題ごずに個別に定矩した習熟効果がその状況のもずで存圚するかい
なかを倹蚎するこずになる。このこずは芳枬倀を図衚䞊にプロットし生産効
率を衚わす指暙がどのような趚勢をも぀のかを怜蚎すればすむこずであっお
習熟曲線を導出しおみおも習熟率をもずめるこず以倖にそれほど意矩あるもの
ずはいえない。䞀方習熟珟象を認識しこれをモデルに衚わし皮々の意思
決定状況で適甚しようずするのであれば習熟効果を広く抂念芏定するこずは
非垞に困難なこずになる。かくのごずく習熟抂念を芏定するず蚈量的モデルを
構築するこずからしお困難になりその利甚時の操䜜にも柔軟性を欠くこずに
なっおしたうのである。䟋えば䜜業員の䜜業ぞの習熟をずっおみおもすでに
38 このような䞻匵はすべお事䟋から垰玍的に導びかれたものである。8aloff and
Kennelly〔7特にpp139−142を参照せよ。
䞭村線〔41pp174−194では䞊蚘の文献の玹介を行なっおいる。
第3節習熟曲線モデル 165
指摘したように個々人の䜜業に察する熟緎によるものず圌らをずり巻く環境芁
件の改善が䜜業員に䜜甚した結果によるものずが考えら早る。しかし実際に
は埌者を原因ずする習熟ずいう珟象を蚈量的に枬定するこずはモデルの操䜜
面を考えおみおも䞍可胜でないずしおも非垞に困難なのである。したがっお
意思決定甚具ずしお習熟曲線モデルを考える堎合には習熟効果自䜓を非垞に
狭く限定的に考えざる奪えない。぀たり習熟曲線の抂念は習熟効果の枬定䞊
の制玄および習熱曲線の適甚問題における実際䞊の状況利甚の偎面に匷く
拘束されるのである。最埌に前節たでで習熟抂念の䞀画面拡倧をはかろう
ずしおきた方向ずしおは習熟珟象の発生原因に着目した拡倧方向いかなる原
因で習熟珟象が発生するか  これは2・1で怜蚎枈であるず䜜業状況に着
目レた方向いかなる䜜業に習熱効果が衚われるのか  これは2・2で怜蚎し
たずいラ2぀の芳点があるこずをのべおおきたい。このうち習熟曲線モデ
ノセ抂念を拡匵し圓該抂念の利甚を考慮するならば鋒者のアプロヌチの方が前
者の接近方法よりも取扱いやすいのである。
それでは以䞋でかかる制玄された意味での習熟曲線モデルずその利甚に぀・
いおここたで觊れおきた問題をできうるだけ考慮に入れお怜蚎しおいくこず
にしよう。
3−1習熟曲線モデルの抂芁
39
䞀般に原䟡掚定にあたっおは以䞋のような方法が適甚されるずいう。
む管理者や䌚蚈担圓者の刀断
ロ過去の経隓に基瀎をおいた゚ンゞニアの芋積
の理論的蚈算
←矅隓的芳枬
㈱歎史的原䟡資料に察する統蚈分析
さお通垞の堎合習熟曲線モデルは新補品や新芏の補造プロセメを察象ずす
39 Shillinglaw〔32コp624
166第6章 蟹スト・ビヘむビアず習熟曲線
るためモデル構築のための基瀎資料が存圚しなかったり存圚しおもごくわ
ずかである堎合が倧半であろう。そこで習熟曲線を入手するには
1䞀定の習熟曲線を先芋的に付䞎する
2自瀟の類䌌補品における過去の経隓的な倀を基瀎ずする
40
3パむロット・スタディを実斜しその結果に回垰分析を適甚する
ずいうような方法が考えられる。䞊蚘の3方法に぀いお怜蚎しおみるに1・
〈2の方法においおはモデルの察象ずなる補品あるいは補造プ窟セスに盎接に
関連する資料を䜿甚しないでモデルを導出する。それゆえこれらはその信頌
性ずいう点からもかなり疑問のあるものずいえよう。過去においお習熟率を䞀
定ずみなしお分析を行なっおきたずいう誀りもこのような方法を䜿甚したこず
に起因しおいる。したがっお歎史的原䟡資料が存圚しない堎合には管理者
が分析の察象ず他の状況ずの類䌌性を認識しそれに信頌性があるずきに限っ
お先芋的に䞎えられる習熟曲線を利甚するこずが蚱容されるこずになる。そこ
で䞀般には回垰分析を䜿甚するのが最も劥圓で信頌性があるものずいえよう。
たえおきが若干長くなったが習熟曲線モデルは぀ぎのように蚘述されるこ
ずが倚い。
ゞακゆ 1
ここで
41
〃単䜍圓たり环蚈䜜業時間あるいは単䜍圓たり平均环蚈劎務費
α第1単䜍の補造に芁した䜜業時間あるいは劎務費
κ环積生産量
う習熟率を衚わす指暙
40パむロット・スタディの実斜はモデルの察象ずなる補品あるいはプロセス自䜓
に関する資料が存圚しない堎合には非垞に有効なものである。Corcoran27p249
およびSummers aud Welsch23コP・48を参照のこず。
41補造期間䞭賃率䞀定ずするならば䜜業時間尺床を䜿甚しなくずもよい。習熟
にしたがっおあるいは他の芁因により賃率が倉曎されるような状況では䜜業時
間尺床を䜿甚しお習熟効果を枬定するのが望たしい。
第3節 習熟曲線モデル 167
である。習熟曲線をもずめるのに1・2の方法を甚いる堎合぀たり習熟率が
先決的に䞎えられるずきにはうの倀は぀ぎのようにしおもずめられる。習熟
率を100×づすなわち环積生産量が倍になるずそのずきの単䜍圓たり平均
环蚈䜜業時間はもずの100×6になるこずがわかっおいるから
毎κΎα2κ∂
ずなる。これを解くず
砒む2∂躍Ύ
䞡蟺の察数をずっお
lo9ゎうlo92
したがっおもずめるうの倀は
109ã‚Ž
Ύ
lo92
ずなる。Ύの倀を䞀芧衚にしおしめしおおくこずにしよう。
ゐ
06
57
07
58
08
59
09
5
6
習熟率
䞀〇。7370
−05777
−05146
−04150
−03220
−02345
−01520
−00740
80習熟率をも぀習熟曲線〃ακ䞀〇・322。は぀ぎの図3のようになる。たた
翌α♂を察数倉換すれば
log劉logα十う10gκ 、 2
ずなりこれを䞡察数グラフにプロットすれば図4のよ、うになる。1匏の巊
蟺のッは単䜍圓たり平均环蚈䜜業時間を衚わすから䞡蟺に环積生産量κを
乗じれば圓該生産に芁する総䜜業時間がもずたる。
168第6章 コスト・ビヘむビアず習熟曲線
単䜍圓たり
平均环蚈
䜜業時間
0
环積生産量
図3 蜜σκゆ80習熟曲線
り
た蚈問
圓环時
䜍均業
単平䜜
0 环積生産量
図4 10g圱10gσΎlogκ
T総䜜業時閲κシκακΎακゆ刀 3
たたαを最初の1ロットたずえば10単䜍の補造に芁した䜜業時間ずすれ
ばロット生産に぀いお習熟効果があるずみお1匏ず同じ圢匏でκ単䜍
目の限界䜜業時間Mκをもずめるこずができる。
MκακΎ 4
実蚌研究では単䜍圓たり环蚈平均䜜業時間が环積生産量が倍加するこずに䞀定
率で枛少するこずが明らかにされたのではあるが环積生産量が増すに぀れお
42
限界䜜業時間も同䞀の割合で枛少するようになるこずも知られおいる。そこで
42 詳しくはConway and Schultz15コPP・39−41をみよ。
第3節 習熟曲線モデル 169
4匏を䜿甚すれば錫単䜍がすでに補造枈でさらに単䜍を远加生産しようず
する堎合の初単䜍の補造に芁する総䜜業時間䞁〃2刎のは次匏でもずめる
こずができる。
7持1・䞀∫1㌊・䌜、
䞀睟寄r蟮
䞀、準、〔・n・・1・9 1・9・埡䞀 il・9∂・・
×109π〕
たずえばある補品の補造にあたっおすでに300単䜍が補造枈であり限界䜜
業時間が「85習熟効果」の圱響をうけるものずする。さらに第1単䜍の補造
に60時間を芁しさらセこ200単䜍の远加泚文をうけおいるものずする。この堎
合この远加泚文200単䜍を補造するのに必芁な総䜜業時間7¶ïŒˆ5001300はい
くらになるず蚈算できるであろうか。
習熟率85のずきΎ豊䞀〇2345でありo自60であるから
T 1 䞀茪 糊・
䞀噚篇
䞀αl155〔・ 1・9α76551・9 䞀・ 1・9α76551・・
300〕
寓αl155〔 i1・9⑩7655・a699・䞀・n・・1・9α7655
×24771〕
䞀αl155an・・1・9乞・66・䞀an・・1・9駕8962
䞀α究蓉・・晩774
ナ70第6章コスト・ビヘむビアず習熟曲線
犀29549
したカミっお远加200単䜍の補造には玄2955時間かかるこずがわかる6
3−2 習熟曲線モデルず回垰分析
習熟曲線モデル〃認ακΎのパラメヌタの掚定倀が先決的に䞎えられおいる
のはむしろ皀な状況である。「習熟効果を枬定しようずする堎合にはたず障
害になるのは初期デヌタ第1単䜍の補造に芁した資源投入量および習熟率
M者加筆を埗るのが困難なこずであ1翁ずいうものず同趣旚の指摘もか

44
なりの数存圚する。ずころが実際にはパラメヌタαの倀をもずめるこずはΎ
4∌倀を確定するこずに比范しお容昂であるこずがかえっおわざわいしおΎ倀
の劥圓性を十分に考慮せずに習熟曲線の誀たった適甚がなされそれが習熟曲
線モデルの䞀般化を阻倖する原因ずなっおいるのである。第1単䜍ぞの資源投
入量に関するデヌタが獲埗されるずいう理由から圓該数倀にのみ重点をおき
習熟率に぀いおの怜蚎をなおざりにするこずは習熟曲線モデルの正しい䜿甚法
ではないのである。習熟曲線モデルの利甚に぀いおは次節で詳现に怜蚎するが
そのほずんどが意思決牢のための未来原䟡の予枬に重点があるこずからしおも
できうる限り芳枬されたデヌタをもずに回垰分析を利甚しお分析察象自䜓に
もっずもよく適合する習熟曲線を決定すべきなのである。
それでは仮蚭䟋を甚いお回垰分析による習熟曲線の導出方法に぀いおのべ
るこずにしよう。・
〔仮蚭䟋〕
A瀟は新補品のロット別生産を先月始めに開始した。1舜ットは100個の補品
からなり今月始めにロット毎の䜜業時間に関する以䞋のようなデヌタを入手
した。圓瀟では類䌌補品を補造した経隓から、圓該新補品にも〃α♂ずい
う関数圢をも぀習熱曲線が劥圓するず結論した。デヌタによっお新補品の関す
43Summers ahd Welsch23コP47
44Conway and Schu至tz〔15コ BalofF and Kennelly〔8コおよびHirschmam
17コをみよ。
第3節習熟曲線モデル 171
新補品の補造に関するデヌタ
ゐ習熟曲線をもずめる。
4驚ペ
1729850
3
0
7
0
9
7
4
0
6
6
7
8
3
04
00
0
0
0
09
12345678
ロット番号め
109劣
ロット圓たり
䜜業時間の
109ン
120
2079
110
2041
82
1914
66
61
1820
58
1763
54
1732
52
1716
1785
燃
B䞀婊
土蚘のようにXを独立倉数のマトリクス転y’を䜜業時間のベクトルBをパ
ラメヌタの掚定倀のベクトルずするず最小自乗法により次匏からBがもず
たる。
45
B瓢XTX䞀1×7γ
実際に数倀を入れお蚈算しおみるず
撃奄堰o1
172
X章コスト●ビヘむビアず習䞉線
䞀〔矩1釜1
䞀〔111〕
であるから
βX『X䞀1X7぀
〔䞀1ll−4105〔11難〕
8×3304−21206
䞀〔䞉1lll〕
5226
−Ll1獺
したぶっおもずめる習熟曲線は぀ぎのようになる。
2ノ13014κ䞀〇・4485
このずきの習熟率100×αは
109α
黒䞀〇4485
1092
10gα挏䞀〇1350
α07328
より7328ずなる。この回垰方皋匏の決定係数は09239である。
さお䞊蚘のようにしお習熟曲線をもずめるのに回垰分析を適甚する堎合の
45正芏旧匏のマトリク穣瀺に぀ P’おは前々章を鋪せよ・
第3節 習熟曲線」モデル 173
闘題点に぀いお怜蚎しおみようQたず確認しおおかねばならないのは埓来では
習熟曲線に関する関数圢ッ瀁砂が暗黙のうちに䞎件ずされおいるずいうこ
ずである。再䞉のべおいるように習熟効果ずは補造手続補造工皋および
補造掻動の反埩履行に䌎なっお䜜業胜率の向䞊する珟象をいう。この珟象は倚
くの堎合 特に航空機産業においお単䜍圓たり环蚈平均䜜業時間は环積生
産量が倍加するこずに䞀定率で枛少するずいう圢で旧蚘的に枬定されたのであ
る。そこでこのような数々の実蚌結果を基瀎ずしお導かれた習熟曲線の関数圢
を前提ずしお芳枬倀にもっずもよくフィットする曲線を回垰分析ずいう統蚈
的方法によっおあおはめようずするのである。したがっお぀ぎのような指摘
は圓然のこずず思われる。習熟効果を蚈量的に枬定↓ようずする堎合えられ
た関数をもずにしお習熟珟象の説明を行なうだけにずどたらず皮々の意思決
定に利甚しようずいう意図があるずきには特に芳枬デヌタにもっずもよくフ
ィットする関数圢をもずめるこずを䞻県ずすべきでありこのような芳点から
のアプロヌチが重芁なのである。したがっおここたででのべおきた圢の習熟
曲線を無条件で受けいれるこずは慎しむべきで他の関数圢を前提ずするこず
46
も圓然考えられよう。さらにこのような指摘は関数の独立倉数および埓属倉数
の遞択にあたっおも劥圓するのである。たずえば〃耳α♂ず喚う関数圢を基
瀎ずしおもシを䜜業時間圓たりアりトプット数量ずしこの関数を䞡察数グラ
47
フにプロットした堎合には右䞊がりの盎線ずなる。
぀いでのべなければならないのはパラメr・タの掚定倀に぀いおである。コス
ト・ビヘむビア分析の基瀎ずなる䜜業時間の数倀を利甚しお習熟曲線をもずめ
るのに回垰分析を利甚するずもずたるパラメヌタαの掚定倀は䞀般には
第1単䜍の補品の補造に芁した䜜業時間の倀たずえこれがいかに正確な枬定
48
倀であるずしおもずは䞀臎しない。さらに第1単䜍の補品の補造に芁した䜜
業時間の枬定は習熟曲線が察象ずするのは新補品あるいは新芏のプロセスで
46たずえば〃1䞀Ξわ”ずいう関数で習熟効果を枬定するこずも可胜であろう。
47BalofFの䞀連の論皿はこの右䞊がりの盎線を䜿甚しおいる。泚35をみよ。
〈48前々章を参照せよ。
174第6章 コスト・ビヘむビアず習熟曲線
あるこずから困難なこずが倚い。したがっおこのような堎合には枬定も䞍正
確になるこずが倚いず考えられるのでこの䞍正確な枬定倀をパラメヌタσの
掚定倀ずしお䜿甚するこずはたすたす奪んだ習熟曲線を導出するこずになる。
䞊蚘のこずを明らかにした分析が存圚しないこずは習熟曲繍こ察する理解を
困難にしおいる原因の1぀であるず思われる。そこで前節でのべた先決的に
パラメヌタ倀を付䞎する習熟曲線モデルにはその適甚䞊かなりの制玄のあるこ
ずがうかがい知れよう。習熟曲線モデルをもずめる方法のうち1および2
はパラメヌ・タαの掚定倀ずしおは第1単䜍の補品の補造に芁する䜜業時間の・
数倀あるいは統蚈的方法によらないその掚定倀しか䜿甚できないからである。
さお第3の問題点は習熟曲線モデルの利甚方途ず回垰分析によっおもずめた
習熟曲線モデルの関係から導かれるものである。結論からのべるなら習熟曲
線モデルの察象ずなる費目に察する原䟡掚定は通垞の堎合に回垰分析を適甚す
るずきず比范しおその利甚䞊十分な泚意が必芁なのである。通垞の堎合に芳
枬デヌタをもずにしお回垰方皋匏をもずめこれをもずに原䟡予枬を行なう堎䞀
合芳枬デヌタあ範囲内の独立倉数に察する原䟡予枬ず範囲倖の原䟡予枬を行
なう
いう2぀の状況が考えられる。前者の状況では原䟡予枬を行なおうず
もおいる独立倉数の倀が独立倉数の芳枬倀平均に近ければ近いほど正確な予枬1
が行なえるのであり独立倉数倀が同芳枬倀平均から離れるにしたがっお回垰
方皋匏によっおもずたる原䟡掚定倀埓属倉数倀の信頌床は次第に薄れおゆ・
49
くのである。䞀方埌者の状況で原䟡予枬を行なうのは倖挿法の適甚であっお原
䟡掚定倀の信頌性の枬定はこの堎合には行なえない。
さお習熟効果のある費目に察しお回垰分析を実斜し習熟曲線をもずめようず
するずきは単䜍圓たり环蚈平均原䟡ただし賃率あるいは配賊率を䞀定ずし
た堎合の环積生産量に察するビヘむビアを枬定するのである。算出された回
垰方皋匏を習熟珟象の説明に䜿甚するのではなく原䟡予枬に甚いるのであれば艶
この原䟡予枬は分析察象䌁業にずっお未経隓の操業領域生産量における予
49第3章をみよ。
第3節 習熟曲線モデル 175
枬ずなるこずから倖挿法が垞に適甚されるこずになる。原䟡予枬に倖挿法の適
甚される範囲は習熟効果のある費目ずそうでない費目では䞋図のように異なる
のである。
習熟効果のある費目 習熟効果のない費呂
瞭
原䟡
i
単䜍圓たり环蚈平均原䟡
iミミ
●1、
、、、

、 、
㌔
1
ロ
0 环積生産量 0 生産量
倖挿法の適甚範囲
斜線郚が原䟡予枬を行なう堎合の倖挿法の適甚範囲である
このような意味で習熟曲線は他の原䟡関数ずは違った特性をも぀のである。そ
れゆえ習熟曲線モデルを原䟡予枬に䜿甚するずきセこは特にその限界を認識し
おおかねばならないのである。
最埌の泚意事項ずしおは前節でものべたが安定期が認識されるずきセこは
これに属する芳枬デヌタを回垰分析の適甚にあたっおは陀倖する必芁がある。
第4節習熟曲線モデルの利甚
習熟曲線モデルから導かれる情報は歎史的原䟡未来原䟡意思決定原䟡
50
さらには予算に関䞎する䌚蚈担圓者にずっお有甚なものである。これを個別的
な適甚領域の芳点からみるず習熟曲線モデルは぀ぎのような問題に察しお䜿
甚されるのである。
1原䟡掚定反埩的補造あるいは反埩的オペレヌションが行われるずき
2利益掚定反埩的オペレヌションあるいは反埩的補造が行われる堎合
50Su塒mers and Welsch23p45
51B・1・登・・dK・ lly8コ C・・c・・a・27コP・254・D・vid・・n and W・il〔9昌ナ
1526DopuCh 6≠α」38p87および日本経枈新聞蚘事〔39コなどをみよ。
ナ76 第6章 コスト・ビヘむビアず習熟曲線
3䟡栌決定特に入札䟡栌の決定
〈4キャッシュ・フロヌ䞀の蚈画ず管理財務蚈画
〈5原䟡管理特に劎務費管理
⑥ 人員蚈画
7γ賃金む、ンセンティブ・システム
〈8受泚をうけるかどうかの意思決定
く9䜜業暙準原䟡暙準の蚭定
⑩ 生産・1配送スケゞュヌルの䜜成
⑪ 自補・賌入の意思決定
働 蚭備投資意思決定
㈹ 予算線成
働 損益分岐分析
䞊蚘のように習熟曲線モデルは経営管理ならびに意思決定の皮々の局面でそ
の䜿甚が考えられるのであるがこれら党般に぀いお特に泚意を芁するのは習
熟効果のある掻動ずそうでないものずを明確に区分するこずである。ただし前
節でものべたように習熟効果抂念はその操䜜性を考慮しお非垞に狭く぀た
り文字通りの習熟のみをさすずいうように限定的に解さなければならない。
習熟曲線モデルならびに習熟効果の分析が特に有効に䜜甚する掻動には以䞋
52
のようなものがあるずいわれる。
1 珟圚ず異なる操業方法で実斜される掻動
2 新しい䜜業員や埓業員など掻動に熟知しおいない者によっお行なわれお
いるあるいは行われようずしおいる掻動
3 埓来その䌁業が䜿甚しおいなかった原材料を䜿甚したり圓該目的の
ために䜿甚しなかった原材料を䜿甚する掻動
4 補造掻動期間が短期で連続的な掻動
5 䞊蚘の掻動に関連する掻動
52Suln瓜ers a磁Welsch23コP46なお5は筆者が加筆した。
第4節 習熱曲線モデル 177
指摘した掻動がある皋床の耇i雑性を䌎う堎合には習熟効果はより顕著にあらわ
れるのである。さらに䞊蚘のような状況に射しお習熟曲線モデルを利甚する
際には習熟効果のおよぶ原䟡項目ずそうでないものずを明確にする必芁がある。
このためには関連原䟡の抂念が重芁である。関連原䟡め抂念が適甚された䞊で
たずえぜ予算システムを考える堎合「習熟効果分析leaming effect theory
に基瀎をおく原䟡分類が予算システムに組蟌たれねばならない」めは圓然のこ
ずであろう。Horngrenは぀ぎにしめすように原䟡を習熟効果の圱響をうける
53
費目ずそうでない費目に䞀回分類しおいる。
習熟効果の圱響をうける原䟡費目
  劎務費動力費およびそれらに関連する補造間接費
習熟効果の圱響をうけない原䟡費目
 り・倚くの材料費消粍晶費包装費販売費およびほずんどの固定費
ただし習熱によわ材料浪費の節枛や仕損枛少による材料費の枛少効果ずいう
ものも存圚するであろう。したがっおすでに指摘したようにこの分類カミ普遍
的に劥圓するかどうかは疑問であっお個別の問題ごずに分析を行なう必芁が
あろう。
それでは節をおっお習熟曲線モデルの利甚に぀いおすでにしめしたもののう
ちいく぀かに぀いおのべるこずにしよう。
54
4−1 自補・賌入意思決定
自補・賌入の意思決定は長期的にみれば䌁業の基本蚈画ず密接な関係をも
぀ものである。しかし短期的に珟有蚭備を利甚しおの自補か倖郚に発泚す
53Horngren31コP208同様の䞻匵はSummers an4 Welsch23コP45にもみ
られる。
54本節の䟋瀺はCorcoran27コによっおいる。自補・賌入意思決定ず習熱曲線ず
の関連に぀いおは぀ぎの文献も参照されたい。
神戞倧孊䌚蚈孊研究宀線『管理䌚蚈ハンドブック』䞭倮経枈瀟昭和44幎pp
460−464
178第6章 コスト・ビヘむビアず習熟曲線
るかを経枈的芳点からみお決定しようずする堎合に習熟効果は考慮すべき重芁
な芁因の1っである。それでは習熟曲線モデルを利甚した自補・賌入の意思決
定問題を考えおみるこずにしよう。
、いたある郚品を自補するか賌入するかを決定しようずしおいる。第1単䜍
を補造するには80時間を芁し第κ単䜍を補造するのに必芁な限界時閟は第
κ2単䜍のそれの70であるこずボわかっおいる。入手した資料は以䞋にしめ
すようである。㌧、
材料費
320ドル単䜍圓たり
劎務費
15ドル時間圓たり
䜜業関連原䟡
珟金支出原䟡
補造間接費
2ドル時間圓たり
工堎蚭備を次䜍に
利益率が高い郚品「
の補造を䞭止ある
いは遅延させるこ
1ドル時間圓たり
ずによっお倱われ
る利益
profits foregone
郚品の賌入単䟡が440ドルずすれば䜕単䜍以䞊補造すれば自補による利益が
えられるのだろうか。
たず習熟指数うをもずめる。
ゐ109071092䞀〇5146
π単䜍補造したずきに䞡代替案の原䟡ず等しくなるものずするず぀ぎの等匏
が成立する。
・4・・ 32・・・・∫1・・r51脇
640πo・4854
120η・
04854
640
πo・5146
109875
120×04854
051461091041
第4節 習熟曲線モデル 179
1097z瓢20229 ∎10542
䞊蚘の結果から106単䜍以䞊を自補するなら経枈鰍こは賌入するよりも自補す
る方が有莉であるず結論できる。㊧だ泚意を芁するのは自補を決定した堎合
の利益率が次䜍にある郚品に関する取扱いである。自補を決定すれば圓然埗ら
れたであろう利益の喪倱぀たり機䌚損倱ずなるものに぀いおの取扱いであるα
しかし自補・賌入の意思決定自䜓ずこれずは無関連である。぀たり自補する
際の次䜍の郚品補造にかかわる原䟡を圓該意思決定に関連づけお把握する
こずは珟有資料のみからでは䞍可胜なのである。
4−2 䜜業環境敎備のための投資意思決定
1盎接工の䜜業時間生産数量の増加によっお補品単䜍圓たり盎接劎務費の
枛少する。しかしこのような䜜業胜率の改善に関しおのみ考える堎合にでも
それは䜜業員個々人の習熟による技胜の発揮に起因するものず時の経過ずず
もに実珟される䜜業環境材料眮堎のレむアりト工具・消品品の品質蚭備
機噚の配眮などの敎備に䟝存するものずがある。個人レベルでの技胜の習埗
・は䜜業環境の敎備の皋床に若干は䟝存するもののその効果の発珟は䜜業環境
がいかにあろうずもあらゆる堎合に認められるものである。しかしながら
䜜業環境の敎備に察する投資が行なわれないのなら埌者が䜜甚する個人に
察しおだけでなくそれ自䜓が圱響するこずも考えられるこずによっおえられ
るであろう習熟効果は期埅できない。そこで以䞋では仮蚭䟋を甚いお習熟効
果を考慮に入れた堎合の䜜業環境敎備ぞの投資にかかわる効果を枬定しその
枬定倀を利甚した䜜業環境敎備のための投資意思決定の問題を考えおみたい。
〔仮蚭䟋〕
旧工堎で着手しはじめた新補品の補造を完成間近い新工堎で補造するこずに
なった。新工堎での補造に携わる管理者および䜜業者はすべお圓該䜜業に察
しおは始めお埓事するものず新芏採甚者ずから構成されおいる。新工堎では補
造蚭備環境を敎備する䜜業だけが残っおいるが備品・消粍品等には特に人間
180第6章駆スト・ビヘむビアず習熟曲線
工孊的配慮をはらい最新の蚭備を導入する予定である。旧工堎での新補品の
補造はすでに100質ットにおよんでおりこのずきの資料などから以䞋の情報
が獲埗ずみである。
〔旧工堎での資料〕
習熟率 go
第1ロットの補造に芁した䜜業時間
100時間
補造予定ロット数
2000ロット
賃率 300円
〔泚〕 盎接劎務費以倖の原䟡芁玠は習熟効果の圱響をうけないものずす
る
新工堎ではひき続き残りの1900ロットの補造を行なうがさきほどものべたよ
うに䜜業環境敎備のための投資を行なう予定でありこれを実斜すれば同業他
瀟の工堎資料から習熟率は85になるものず期埅されおいるずしよう。新工堎
で第1ロットの補造に必芁な䜜業時間は120時間賃率を300円ずすれば新工
堎での補造では旧工堎に比范しおどれだけ盎接劎務費を節枛できるだろうか。
〔旧工堎で新補品の補造を続けおいたら生じたであろう盎接劎務費〕
䜜業時間は生産量の増加に぀れお習熟率90で枛少する。習熟曲線〃ακり
では揖ットの限界䜜業時間κは环積生産量αは第1ロットの補造に芁し
た䜜業時間そしおうは習熟率を衚わす指暙である。資料からσ100ゐ
䞀〇1520であるから第101ロットから2000ロットたでの補造に必芁な総䜜
業時間䞁20001100は぀ぎのように蚈算される。
T2
1 䞀∫lloo認4・
䞀∫1ï¿¡oo1・・䞀・隔
第4節習熟曲線モデル181
匓鋞儲〕lloo
誠α鎇。62駄・・䞀・966
嗣68424528
したがっおこの1900揖ットの補造に必芁な盎接劎務費総額は20527358
300×68424528円である。
〔新工堎での盎接劎務費発生予想額〕
新工堎では第1ロットの補造に必芁ず思われる盎接䜜業時間は120時間習
熟率は85ず予想されるのであるからこの堎合の習熟曲線モデルは぀ぎのよ
うに衚わされる。
翌挏120ガ。・2345
そこで新工堎での1900ロットの補品補造に芁するであろう総盎接䜜業時闘
7「1gooio セた
T190010むlgoo・2・劙鞠・
侀1犊欝lgoo
塊5071352
新工堎での賃率は300円であるから盎接劎務費総額は152140562300×
5071352円ずなるg
したがっお新工堎に䜜業環境の敎備のために投資を行なうずした堎合の原䟡
節枛額は
20527358−15214056想5313302円
ず評䟡できる。この数倀を利甚すれぜ䜜業環境敎備のためρ投資に関しおそ
の支出額に぀いおの情報がえられるず考えるこずができる。
182第6章’コス「ト・ビヘむビアず習熟曲線
第5節 習熟曲線ず暙準原䟡
暙準原䟡はその厳栌床によっおいく぀かに分類される。しかし暙準原䟡ずい
うものはいずれもそのような厳栌床の盞違ずは関係なく基準操業床やその他
の環境諞芁因が安定的であるあるいはそれらの組合せが䞀定で所䞎である≧
する正垞状態を前提ずしおいるのである。劎務費暙準を考えるずきこの暙準
原䟡を甚いお蚈算を行なう期間䞭では期銖に蚭定される賃率ならびに暙準䜜
業時間は䞀定にずどめおかれる。賃率の蚭定に関する議論は別の機䌚にゆずる
ものずし本節では期䞭の賃率は䞀定ずみなしお䜜業時間暙準のみに焊点を
あおるこずにする。
さお劎働の䜜業効率を管理するのに劎務費暙準を䜿甚するずきびこは暙準
劎務費期間総額賃率×補品単䜍圓たり暙準䜜業時間×期間暙準補造数量が
䞎えられるよりも補品単䜍圓たり暙準劎務費の数倀が瀺されるほうがかかるオ
ペレヌショナルな掻動の管理には機敏に適応できるず思われる。賃率の問題を
考慮倖ずしおいるのでここでは補品単䜍圓たり暙準䜜業時間が暙準ずしお䜜
動するための前提条件を考えるこずだけが必芁なのである。しかし先ほどもの
べたように暙準原䟡は正垞な状態を反映するものであるから習熟珟象の存圚
を前提ずすれぜ䜜業暙準ずしお䜿甚される補品単䜍圓たり䜜業時間は補造掻
動がすでにかなり長期にわたっお継続しおおり習熟珟象の圓該数倀に䞎える
圱響がほずんどないあるいは消滅しおしたった状況安定期steady・state
phase習熟曲線をグラフにプロットしたずきにそれが暪軞ずほが平行になる
こずからasymPtonic stateずもいうを前提ずしおいるのである。換蚀すれ
ば暙準原䟡は䜜業に関しお十分な経隓の積み重ねがありさらなる習熟効果
が期埅できないずいう状況を想定あるいは前提ずしおいるのであっお習熟珟
55
象が顕著であるずいう状況のもずでは蚭定が非垞に困難なのである。したがづ
55習熟珟象のみではなく䞀般に暙準語定時の環境芁因の正垞性が撹乱される堎合
には1圓該状況のみに劥圓する暙準を蚭定するか2圓該状況を考慮した暙準の
蚭定を行なうかの方針決定が暙準蚭定前段階で怜蚎されなければならない。
第5節 習熟曲線ず暙準原䟡 183
お「習熟効果が顕著なずき䟋えば新補品の補造着手段階など  筆者泚
に補造原䟡予算䜜成に際しお䌝統的習熟効果を考慮しないずいう意味  
筆者泚な暙準原䟡抂念が䜿甚されるずすれば予算暙準はル田スなものにな
りその結果業瞟報告曞にしめされる差異数倀は誀たった情報を提䟛しかね
56
ない」のである。䞊蚘の指摘は暙準原䟡自䜓の問題ではなくおこれを甚いた
57
予算の適甚䞊の問題に蚀及したものではあるが前述した暙準原䟡蚭定時の問
題に環元できるであろう。以䞊のべたこずを3−1の数倀䟋をもちいおさらに
明らかにしたいず思う。䞀
それでは3−1の䟋によっお説明を行なうこずにしよう。远加200単䜍の補造
に必芁な総䜜業時間䞁500300は玄2955時間である。しかし習熟効果を
考』慮しないで第1ロットの補造時間60時間をロット圓たり暙準䜜業時間ずした
堎合には远加200単䜍の総䜜業時問は12000時間ずなる。暙準䜜業時間暙準
を習熟効果を考慮せずに殺幞すれざ・よ蚘の䟋からもわかるようセこ・暙準は非
垞にルヌスなものずなる。ごIDように暙準が習熟効果を考慮せずに䜎く蚭定さ
䞀れるず䜜業者の䜜業胜率が習熱によっお向䞊するはずであったにもかかわら
ず達成目暙が䜎く蚭定されおいるために習熟効果を十分に匕き出すこずがで
きなかったりさらにぱ習熱珟象自䜓を消滅させおしたったりする可胜性があ
るのである。このように習熟効果を考慮せずに第1Pゞトの補造時間を䜜業
䞉間暙準ずしお䜿甚するこずは誀った情報を管理者に提䟛するこずになるので
ある。300ロット目の限界䜜業時間は1575時間ずなる。これを䜜業時間暙準
ずしおは䜿甚するこずは第1ロット目の限界䜜業時間を暙準䜜業時間ずする
よりも珟実劥圓性をも぀。しかしこれもたた远加200ロットの平均䜜業時間
12955÷20014775時間ず比范すればやはり問題はあるだろう。
ただし泚意しお痎かねばならないのは䞊蚘の議論では䞀定の熱熱率をも぀
56S血m血ersa・dW・1・chE23コΌ46
《57䞀盎接劎務費に぀いおは予算ず暙準ずの区別は明瞭ではなく実務でもこれらを同
䞀芖する傟向がある。しかしこれらは抂念䞊別個のものず考える必芁がある。詳し
くは溝ロヌ雄著『近代原䟡蚈算』囜元曞房昭和53幎を参照されたい。
184第6章 コスト6ビヘむビアず習熟曲線
習熟曲線が珟実のデヌタの掚移に劥圓しか぀習熟効果は補造が継続する限り
残存するずいう仮定がおかれおいるこずである。習熟曲線モデルによっお獲埗
される䜜業時間が暙準ずしお機胜するためにはたずモデル自䜓に信頌性が認
められ圓該信頌性に察しおモデル利甚者による承認が獲埗されおいなければ
ならない。第2に習熟効果が認められなくなるような状況が実際に存圚する堎
合にはそのずきの補造量があらかじめ既知であるか管理者の刀断によっおそ
の時期が決定されおいなければならない。぀たり補造過皋がすでに習熟効果
がほずんど認められない安定期steady・state phaseに突入しおいるずいう
確蚌があればこの段階の䜜業時間を暙準倀ずみなしお䜿甚するこずは䞀応承
認がえられるものであろう。たた安定期に入る以前の段階぀たり始動期での
〔習熟曲効果が存圚する堎合の䜜業時間暙準の蚭定〕
平均环蚈
?時間
ツ
侀
Jに混期
 曜
習熟効果を



l慮しない堎合
8
合の䜜業時間
暙準
滋雚
■ 侀 ●
侀 侀
o
壜■
卜
安定期の䜜業
劣
环積生産
原䟡蚈算期間
予定生産量
習熟効果に
よる䜜業時聞
物玄分
〔䜜業時間暙準の改蚂〕
3冒α♂ 始動期←
9αノ
賃2げ4å¿œ
 l
l 
→日期
li
悠2雌b毒
Κz鑑颪䞀
3。局4 
g g o
B
原鵬算
α
銑
6
ππ4 π躍
の
第5節 習熟曲線ず暙準原䟡 185
䜜業時間湯準の蚭定においおは䞀定期間これを原䟡蚈算期間ずみなしおも
よいの総䜜業時間をもずめおそれを期間補造量で陀した平均単䜍圓たり䜜
業時間を暙準ず考えるこずもできよう。新補品の補造着手段階での䜜業時間暙
準の改蚂の手続を前ペヌゞの図を䜿甚しお説明するこずにする。図の䞊半分か
ら盎接劎務費の䜜業時間暙準に補造着手時の䜜業時間数倀を反映した数倀を利
甚しおもそれは習熟効果によっお容易に達成可胜なルヌスな暙準ずなるこず
たた安定期の䜜業暙準を指瀺しおもこれが習熟が完了した段階を反映するもの
であるからタむトすぎる暙準ずなるこずが明らかであろう。さお図の䞋半分で
は原䟡蚈算期間ごずに䜜業時間暙準を改蚂する手続をしめしおいる。环積生産
量κず補品単䜍圓たり环蚈平均䜜業時間ツの問に〃眵α劙なる関係が明らか
になっおいるものずする。原䟡蚈算期間の暙準補造量がκ、であるずするずき
・の鯛における暙準䜜業総時間は斜線で・め・た玛の醞∫『・持であ
る。この数倀を利甚しお期間の䜜業時間暙準を決定するこずができるたずえ
ば知・しめ・た方法を・鳳䜜業時間暙物1は∫r・䌜砒な・・
をみ・・次期・぀いおも同様の手続により䜜業時間暙鞠・∫1・・W晊
䞀κ、ずなるのをみよ。習熟効果が補造が進みほずんど期埅できなくなる
ず安定期に入るのでこの段階での䜜業時間暙準食は通垞の暙準蚭定手順に
より導かれるこずになる。
䞊蚘のような手続で算出された䜜業時間が配賊基準ずしお適切であるず刀断
されれば圓該期間の賃率および補造間接費配賊率に暙準䜜業時間を乗じお暙
準劎務費および暙準補造間接費を算出できる。このような始動期における䜜業
時間暙準に぀いおは習熟効果䜜業時間の絶察的短瞮䞀比率ではないは始
動期においおもその初期ほど顕著であるから「新しいオペレヌションのため
の暙準原䟡は予枬される習熟パタヌンを反映するようにひんぱんに改蚂しな
58
ければならない」ずいう指摘は重芁である。
58 Shillinglaw32コP623
186第6章 コスト・ビヘむビアず習熟曲線
ただしひんぱんに暙準を改蚂するこずの䞉二に぀いおはこれが新補品
新芏のプロセスに぀いおの暙準であるこずを考えおいるずしおもさらに怜蚎
を加えるべき問題である。さらに盎接工䜜業に぀いお前補品ず同様の䜜業
が新補品でもなされる郚分があるずすればこれらの䜜業にはもはや習熟が期
埅できないこずに泚意すべきである。そこで本節でのべた手続を実斜するに’
は盎接工䜜業が䜜業皮類別に区分されおいなければならない。そしお習熟
が期埅できる䜜業に぀いおのみここにのべた手続がずられ安定期に入っお
いる䜜業に぀いおはその䜜業時間暙準は䞀定ずされるのである。
最埌に再び匷調するが特に新補晶の補造開始時のように䜜業状況がいただ
未成熟な段階では習熟曲線モデルを利甚しお原䟡暙準を蚭定するこずは習
熟効果の圱響をうける費目ならびに補造原䟡党䜓の蚈画ず管理に関しお明らか
に改善を加えるものであるずいえよう。ここで泚意しなければならないのは
習熟効果が習熟効果をうける費目のコスト・ビヘむビアに匷く䜜甚し他の芁
因の圱響は埮少であるずの前提のもずに行なわれおいるこずである。䜜業時間
暙準の蚭定にあたっおは䞊蚘の仮定は劥圓であるずはいえず本節でのべた習
熟曲線モデルを甚いる原䟡暙準蚭定法でただちに䜜業時間暙準がもずたるわけ
ではない。本節でのべた手続によっおもずめた数倀を基瀎ずしお実際に䜿甚
できる䜜業時間暙準を導出するためにはさらに皮々の怜蚎を加える必芁があ
る。
4−4予算線成
予算線成を行なうにはすでに指摘したように習熟効果をうける費目ずそうで
ない費目を明確に区分しおおく必芁がある。以䞋では䞊蚘のような原䟡区分が
なされおいるものずいう仮定のうえで予算線成時に習熟効果を考慮する堎合
の問題を四半期捌予算を䟋ずしお怜蚎する。
たず習熟効果をうけない費目に぀いおは幎間予算総額を各四半期に配分すれ
ばよい。費目によっおは予算額が予定甚圹䜿甚量ず予定平均䟡栌の積ずしお算
出されるものもあろう。このような費目に぀いおは各四半期の甚圹予定䜿甚量
第5節 習熟曲線ず暙準原䟡 187
に応じお各四半期に予算を配分するこずができる。
䞀方習熟効果をうける費目は䞊蚘のような凊理で四半期別予算を線成する
こずは正しい凊理であろうか。盎接劎務費を䟋にずっお以䞋説明するこずにし
よう。盎操劎務費予算は通垞予定賃率ず幎間予定䜜業時間の積ずしお算出さ
れる。しかし盎接劎務費に習熟効果がある堎合はこれを考慮しない堎合ず比范
しお①予定䜜業時間は短かくなり②同䞀数量の補品が各四半期に補造され
るなら各四半期の䜜業時間数は次第に枛少するこずになる。このこずを反映さ
せないで予算線成を行なうこずは䞍合理である。そこで以䞋では習熟効果のあ
る費目に぀いおその予算額の算出方法および予算差異分析の方法に぀いお190−
191ペヌゞの図を利甚しながら盎接劎務費予算の堎合で説明を行なうこずにする。
盎接劎務費に習熟効果がありそのビヘむビアが〃ακ0で衚わすこずが
できるず決定枈であるずする。ここで〃単䜍圓たり环蚈平均盎接䜜業時間
κ瓢环積生産量α∂パラメヌタ倀習熟曲線ッακ∂が先決的に䞎えら
れおいるので幎間の補造予定数量ず賃率αが䞎えられるず盎接劎務費予
算額Zは次匏で算定できる。
z䞀・∫創・䌜
第1四半期補造予定数量をπ、ずすれば第1四半期盎接劎務費予算蚱容額g、
は
為䞀・∫『・燃
59
ずなるQ
さお第1四半期に぀いおは生産量ず単䜍圓たり环蚈平均䜜業時間を適切な
むンタヌバルで察にしお蚘録しおおきこれを䞡察数グラフ䞊に順次プロット
しおおく。第1四半期末には第1四半期実際補造量η、。ω。ず実際䜜業時間
’1。‘が明らかになるから次のような圢で差異分析を行なうこずができる。
59 ここでは新補晟の補造時を察象ずしお議論しおいるので補造量はれロからは
じたっおいる。
188第6章 コスト・ビヘむビアず習熟曲線
・䞀儲・䞀・䞀・∫ひαcム ・ω・・茞㌊・䞀䞀
第1項は期末の補造数量予定数が実際に達成されたかどうかをしめす差異であ
り第2項は実際の補造数量のもずで蚱容される䜜業時間ず実際䜜業時間ずの
差を賃率で評䟡したものである。差異分析の結果を利甚しお第2四半期の掻動
方針を決定ずするずずもに第2四半期の盎接劎務費予算蚱容額を第1四半期
の芳枬デヌタをもずにしお以䞋のように算定する。すなわち第1四半期の芳
枬デヌタを甚いお回垰分析を行ない芳枬デヌタにもっずもよくフィットする
回垰方皋匏ンα1κわ’を算定し第2四半期予定補造量π2を甚いお次匏で第
2四半期盎接劎務費予算額g2を算出する。
碗䞀・∫蟮ム・・幜
このずき幎次盎接劎務費予算Zは基本予算ずしお倉曎せず各四半期予算銑
を実行予算ずしお䜜動させるのである。このこずに぀いおは埌述する。第2四
半期でも同様に芳枬デヌタを蚘録しおおくずずもに期末には第1四半期ず同
様に実瞟倀ず予算倀の差異分析を行ない第3四半期以降の是正措眮方針を決
定する。
銑䞀・・’䞀䞀碗䞀・∫lllll ㌊・ω
・・∫11 ㌔1が・䌜姻
第3四半期の予算蚱容額算定にあたっおは第2四半期予算蚱容額算定の基瀎
ずなった回垰方皋匏〃α、κ∂1を䜿甚しない。第1四半期および第2四半期の
芳枬デヌタに回垰分析を適甚しおもずめた回垰方皋匏〃ακむ2を䜿甚するの
である。このような手続は統蚈的方法を甚いるずきは芳枬デヌタが倚いほど
もずめた回垰方皋匏の信頌性が増すずいう理由からもこれを実行予算ずしお䜿
甚するこずの適正性は裏付けられるであろう。第3四半期の盎接劎務費予算蚱
容額z3および予算実瞟差異z3䞀α・ら。‘は぀ぎのようになるこずは明らかで
あろう。
第5節 習熟曲線ず暙準原䟡 189
鞠侀
逑驚1灘鋀
9rα・圊3αc‘
臚䞀∫㌶1二蜡㌊働
蚀1
セ
 π3ドασ’Σπげασ’∫た砺固・・ 䌜・’・  ・ 䞀〉
∫1
第3期の芳枬デヌタをプロットしおいたずころ図のような状況が期銖から
みられるようになたずする。管理者がこの興況を習熟効果の消滅した安定期
st『ady・stateè“Œa『eMこ衚われうものであるず刀断した堎合には前四半期
たでのように課枬デヌタドフィットする習熟曲線をもずめずに・単䜍圓たり盎
接䜜業時間暙準βを蚭定し・これを甚いお第4四半期盎接劎務費予算蚱容
額銑を算出す’る。
ペ
ぬ庶野趣䞀・・婊
‘肩1
最埌に第4四半期末には第4四半期分の予算実瞟差異分析ず幎次予算実瞟差
異分析を行なう。四半期差異分析の抂芁は明らかであるから埌者の差異分析
に぀いお若干怜蚎する。
幎匏予算実瞟差異分析に぀ぎのような圢で行なわれる。
る る
z−zωz䞀Σ2∂䞲Σ2z−zω
ゎ需1 ∫1
ここでZ。εは各四半期の実際盎接劎務費発生額の合蚈であるからZ。‘篇α
る
×Σち臚である。したがっお䞊匏の右蟺第2項は各四半期の差異数倀合蚈
た期1
額でありこれは各四半期の実行予算ず実瞟ずの差異四半期分集蚈額を衚わす
ので各四半期に指瀺された実行予算が通幎でどれほど達成されたかをしめす
情茯を提䟛する差異である。この差異はすでにしめしたように各四半期別にさ
らに现分しお怜蚎されタむムリヌな適応行動をずるためのトリガヌずなる情報
「190第6章 コスト。ビヘむビアず習熟曲線
〔習熟曲線を甚いた盎接劎務費予算の䜜成〕
〔日工四半期期銖コ
〔第2四半職
〔第3四半期〕
第1四半期実綎デヌタ
による は 先決的に䞎えられた習熟
曲線y”鵬より 7
幎問盎接劎務費予算を
i l
・1∌ 
もずめる
7
第2四寒期
予定盎接䟮業
時間数
補造予定数量饗∌Κ
賃 率が
 ll倚塑黎鷺
●”
 iç¿’ç·Ž
●鯵欝篠鮎
窟接劎務費予算額Z
2・・∫」融
謔P四半期補造予定数量靎
、
”17畢cL十3
雌竺
驹 1 8
0

ぎ
”櫛、”ゆ”』r蹎唖ご
葵蝊鑑欝现濁量

第1四半期盎接劎務費予算蚱容額2二〇
ハェリ ズ レ嚇
。案瞟櫚の把撰
O差異分析第1四半期実際䜜業時間ち鵬
βナrα・’墚a峚
䞀・・䞀・∫幜㌔耐
÷露魯
↑ブ嚇
●実瞟倀の把握
●差異分折第2四半期凶倢䜜巣時日䞎野』
矅3r曙・ら逌も
䞀・・䞀・∫ll螏㌊吻
・∫h㌊れ・䞀・・’䞡
・・∫頎怖顯ン幜䞀・も 
●第1四半期の実瞟倀に回垰分析を
・●2期分の実瞟催に図面分祈を適甚し
適甚しそれに基づいお第2四半期
盎接劎務費予算蚱容額ZDを
もずめる
ロナの レナリ
それに墓぀いお第3四半期盎接劎務費
予算蚱容狜β5を魁ずめる
襲嘲。叫隔
3s冒α∫‘峯“魯鰯 8玳‘』
z2謂α 41炉4κ
昂1膳
を提䟛する。䞀方第1項の蓬異は先決的に䞎えられた習熟曲線が実際の単䜍
’圓たり环蚈平均䜜業時間ず环積生産量の関係をどれほど正確に反映したかを裏
わす換蚀すれば期銖に蚭定した予算の粟床をしめす差異である。
以䞊のような手順で盎接劎務費予算を蚭定しそれを甚いお予算差異分析を
行なうこずの意矩に぀いおふれおおきたい。通垞の予算差異分析では䜜業時閲
差異の発生原因の1぀ずしおa䜜業者の熟緎床粟勀怠惰によるものb䜜
業者の遞択蚓緎配眮などの良吊c䜜業者の構成ずいうような䜜業員の習
熟に盎接・間接に圱響する芁因が考えられる。しかし䞊蚘のような予算差異分
析が行なわれるなら習熟珟象を考慮しお予箕が蚭定されるので習熟を原因ず
『する原䟡差異芁玠がほずんど排陀でき蓬異原因の究明が容易ずなるだろう。
たた賃率を各四半期を通じお䞀定ずしお説明を行なっおぎたが四半期毎の実
行予算の組替にあたっおは必芁であれば予定賃率を状況にあわせお改蚂しお
第5節 習熟曲線ず暙準原䟡 191
〔第4四半期〕
〔第4四半期末】 「
●実瞟倀四半期分の把握
ず予算ずの差異倢析
●期宋予算実瞟差異分析
z−z。。』
な る
眮《z䞀Σ2、Σa、䞀z。・
ド゚ さむ゚
䞀䞀「䞀 䞀䞀䞁䞀䞀
期銖に蚭定 各四半期実行
した予算の 予算ず実瞟ず
粟床をしめ の差異四半期
分集蚈額
す差異
Σ”‘旊。監十π4
F↓
レ・ッ・
●寒瞟倀四半期分の把握
●実瞟倀をプロットし安定期steady・sta犯
phaseの存圚が確認されたずすれば
単䜍圓たり盎接䜜業時間暙準〉βを蚭定
する
●䞊蚘のβの倀を甚いお第4四半期予算蚱
くペゆを する
・䞀∫歎竺・・
蜟
●差異分析第3四半期実際䜜業時間茻塵瓠
93”α・’4皐・芧
き
䞀・ザ・∫甕豊・・殉
3i1
・・∫鉱・拗䞀・も戯
‘眲1
やるこずもできる。このような䜜業は習熟効果の圱響をうける費目に぀いおだ
け行なえばよいのであっおそれほど実斜困難な䜜業ではないだろう。 ’
最埌に本節でのべた予算線成および予算差異分析の手順に぀いおの問題点を
・指摘しおおく。第1点は統蚈的方法によっお獲埗された数倀が業瞟評䟡基準ず
しお有効に䜜動するためにはどのような手続をふたねばならないのかが䞍明瞭
なこずである。本節でのべた手続で獲埗される予算数倀が芏範性をもち業瞟
’評䟡基準ずしおこの予算数倀が䜜動するためには管理者ならびに䜜業者がこ
れを積極的に受けいれる必芁がある。統蚈的方法によりもずめられた数倀をコ
ントロヌルに䜿甚しようずする堎合に぀いおはそれを蚈画に甚いる堎合より
も怜蚎すべき事項が倚く今埌ずも研究の䜙地のある課題である。たずえば
統蚈的方法によっおもずめられた数倀を暩嚁づける方法などもその1぀である。
192第6章 コスト。ビヘむビアず習熟曲線
第2点は実行予算の䜜成の暩限がここでのべたセ冬テみでは管理者にあたえ
られおいるず想定しおいるがこのこず是吊であるdこの問題も本節でしめ・
60
した予算の考えを期間内適応行動ずいう芳点から怜蚎するず興味深いずいうこ
ずだけをしめしお玙幅の関係で詳现は省略する。
60Itami前掲曞を参照せよ。
193
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N, 6B (vol. 33, No. 4, No. 6).
参 考 文 献 195
36コ䜐藀粟䞀著r゚ンゞニアリング・゚コノミィヌ原䟡䜎滅の総合システみ』ダむ
ダモ゜ド瀟昭和42幎。
〔37コ 星野靖雄著r䌁業行動ず組織動孊」癜桃曞房昭和52幎。
38コ西村慶䞀皿「管理䌚蚈の孊習理論的アプ冒幜チ」『墚陵台論集』昭和47幎9月。
39コ 日本経枈新聞蚘事「脚光をあびる『習熟性工孊』」昭和45幎4月20日。
〔40コ JCアペグレンボストン・コンサルティング・グルヌプ線著『ポヌトフォリ
オ戊略』 ダむダモンド瀟昭和51幎Ύ
41コ 䞭村䞇次線著『原䟡蚈算の構造』ミネルノァ曞房昭和48幎。
196
補章國垰分析のBASICプログラム
ここに掲茉するプログラムはマむクロ・コンピュヌタTRS侀侀80LEVELIIB
ASICで䜜成したものである。玙幅の関係でBASICの文法に぀いおはマニ』
アルや関連文献を参照されたい。BASICはもずもずTSSの端末機甚に開発
された蚀語でむンタプリッタ方匏であるため察語機胜にすぐれおいる。本プ
ログラムはCorcoranのプログラムを基瀎ずしお通垞マむクロ・駆ンピュ
ヌタず呌ばれる氎準の機皮では䜿甚できないMAT呜什をサブルヌチン化し
お筆者がTRS−80甚に移怍したものである。 CTR䞊のレむアりト甚の呜什
PRINT文以倖は暙準BASICで曞かれおいるので他機皮ぞの移怍は
容易である。デヌタは第4章第3節p102のものでありこれらをプ戞グラ
ムに含めRï¿¡AD文で読みずる圢匏にしおいるがカセットあるいはフロッ
ピヌ・ディスクベヌスでデヌタ・フナむルを䜜成しこれら補助蚘録装眮から
読みこむこずも可胜である。この点に぀いおもマニュアル等を参照されたい。
蚘茉したプログラム実行䟋は第3章の単玔回垰分析に぀いおのものであり
これらず第3章の説明をあわせお怜蚎されたい。文番号30のR12をR14
ず倉曎すれば機械運転時間盎接䜜業時間およびWPIの3倉数を独立倉数ず
する重回垰分析の結果がCTR䞊にアりトプットされる。たたいく぀かの倉
数から任意の倉数を遞択しお回垰分析が行なえるようにするこずも容易である。
945
947
966
998
1000
1025
1065
1104
1139
12345678
61
31
51
51
42
11
61
8
1
T5
銘5875748588
11111111
’
60
262
230
247
258
240
330
314
340
348
197
1 94 18 1191
10
360
1 92 15 1347
11
1 100 14 1601
12
350
375
×1 ×2 ×3 ×4
Y
×5
SUM OFY躊3654
AVERAGE OF Y3045
PRESS④TO CONTINUE䞀
実行䟋1 ‘‘NOW PREPARING THE TABLE OF ORIGML hbATA”ずいう
衚瀺の数秒埌䞊蚘のようにデヌタがCTR䞊に衚われる。画1E倏TERi
ずキヌボヌトから入力するず実行䟋2の画面があらわれる。
MATRIX
X’X
INVERSE MATRIX
MATRIX XY
12
915
915
72387
23039200
侀侀
−00291225
00003819
Z0291225
3654
287120
B
COEFFICIENTS
56。8857
32474
PRESS③TO CONTINUE P侀
実行䟋2 第3章の蚈算過皋ず比范されたい。パラメヌタの掚定倀を単粟床で蚈算し
たため若干の䞞めの誀差が生じおいるが実甚䞊は無芖しおさし぀かえな
い。1目ENTERIず入力するず実行䟋3の画面があらわれる。
TOTAL
VARIANCE
EXPLAINED
VARIANCE
UNEXPLAINED
VARIANCE
180625
278471
10548
555025
476201
3017
330625
■9049
190955
2ナ6225
214143
005
416025
351236
2740
65025
1648
87376
90125
5339
28247
126025
80739
5020
198
189225 145594
2855
308025 362251
458
207025 261595
3188
497024 594835
4390
3099900 2761100
338800
PRESS◎TO CONTINUE䞀
実行䟋3 党倉動回垰倉軌誀差倉動の倀がアりトプットされおいる。
i③11ENT短Rlず入力すれば実行䟋4の画面があらわれる。
TRE DETERMINAT10N
COEFFICIENT
菅       
R890707
 章      
THE DURBINWATSON
RATIO
       
DW1524
       
PRESS⑀TO CONTINUE䞀䞀
実行䟋4 決定係数の倀ずダヌビン監ワト゜ン比がアりトプットされおいる。
AドALYSIS OF VARIANCE TABLE
ANOVA
SOURCE OF DEGREE OF SUM OF MEAN
VARIATION FREEDOM SQUARES SQUARES
REGRESSION 1  2761100 2761100
豆RROR 10  338800 33880
TOTAL 11 3099900 2β1809
F−RATIO IS 814966
199
PRESS④TO CONTINUE䞀
実行䟋5 分散分析衚ANOVAずF倀がアりトプットされおいる。
THE VARIANCE−COVARIANCE MATRIX
780569
侀98667
−98667
129399
BREAK IN 490
READY
䞀
実行䟋6 分畿共分散マトリクスプログラムは文番号490でノ時停止しおいる。490
番以降にプログラムぞ远加すればさらに皮々の統蚈分析を行なうこずがで
きる。
2oo
zavat5)IYiCD BASIC 7'p ptVA
Ie DrMSC12,t2),Z(iS, 5),YC15,t),XC15, 5),XrC 5,t5),St"5,le),S2"S,t5)
t5 D!M WCt5. 5).GCIS, 5)
'2e
READ Mi,fi2.M3 ' '
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2S NEXTr
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ss CLS
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I.J);:NEXTJ:PRrNT:NEXTr
se 6osvB2seme:-2=t:GosvB3e2ete.
sm FoRr: ITowt:FoRJ=ITo-2:y(r.J)=sc!,o:NExw, r:tsesuB2seee
65 J=1:FOR I: tTeWl:PRINTaEa*CX-1)+55, Y(I,J)1:NEXT
8e
PRZNT:PR!NT" Xt X2 X3 X4 X5 Y"
12e IF.rNKEY$= " itSOTO12e
SM ftEM "t=t} bATR CORRECT!ON SUBROUUNE ZNSERT
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T CJ, Z): NEXTJ. I
141 sosuB2smmg)
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144 CLS:PR:NT"MATRrX X'X";
15e Wt=Rl:W2=Ri:W3=Mi:GOSUe31MeM:FOR:=tTORI:FORJ=ITORI:PR!NTTABC15+t5*J)USING"ltW
,ff"k";S<i,J);:NEXTJ:PR:NT:NEXTi
'
iss GgsuB2eemt
158 PR:NT:PRINT":NVERSE MRTRIX ";:FORr=ITORi:FORJettTOR"XX(!,J)-S(;TJ+Ni):PRINTT
ABCIS+IS*J )US!NG"-. tiktttt#-#";XXCI, J) "NEXTJ:PR!NT INEXTZ
t6e J=1:Wl =Rl:W2=J:W3=Mt:FORZ=ITOMI:StC!, J)=YCr, J)INEXT:eOSUB3ieee
i6S PR!NT:PR:NT"MATRIX X'Y"::J:1:FOR!=tTOR"PR!NTTABC14+14 )USrNG"-lt-,-"-";S
Cr,J):NEXT
i7M J=i:"1-Rl:W2=J:W3=Ri:FORr=ITORI:SICI.J)=SCZ,J):NEXT;FORr-tTORI:FORJ-ITOR"S2
c1,J)=xxc1,J):NExTJ,::GosuB3ieee
leva PRrNT:PR!NT"B COEFFIerENTS ";:J=1:FaRln!TOR"PRrNTTRBC2S)USTNG"e".----"SS
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ISe !NPUT"PRESS <a> TO CeNTZNUE"eR$:!FASOHa"GOTO19e
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2Ma PRINT"
PRZNT" VARrRNCE
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22e Wl=Mt:W2 =t:N3ttRt#FORr=iTOMI:FORJ=ITORI :S2Cr, J)=X",J):NEXTJ,r
23M J=1:FORrmlTORI:SICI,J)=SCI,3)tNEXT:GOSUB3!eee:J=t:FORr=ITOMI:WCI,J)mSC!,J):N
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24M FaRr=tTOMtsFORJ=STBRI:GCS,J)=XC:,J):NEXTJ:Jml.
25e Gt: CYI-WCI, J)>-2:G2 :CYI--YCI,J))-2:Dt#W(:, J)-YU,J):G3=CNCI, J)-YC!, J))-2
2GM P2tP2+Gl:P3=P3+G2:P4=P4+G3
27e PRrNTTRBC5)USrNGHSVG2;tPRINTUSINSB$IGt;:PRINTUSINGB$;63
2em G4=nt:!Fx{2GoTo3mm
2Sg S7={es4--G5)-2:GS=GS+G7
3Me GS= ts4:G6=S5-2+GE:NEXT:
32e
32S
326
33M
34e
PRINTTABC5)US:NSB-:P$"PRINTUSINtsB$;P2;:PRrNTUSINGB$IP4
PRINTa9Se,"PRESS <a> TO CONTINUE"::rNPUTA$:!FR$O"a"GOT032S
CLS
PR;NTa23E,"THE DETERMrNRTIONtt:PRrNTS3M2,"CaEFF!e!ENT"
PR:NTa3E7,STR!NG5CIM,"*"):PR!NTaa95,STRINtsS{le, "*")
35e R2 :P2tP3#PR!NTa43i, "R# "tR2:
36e G9= G8tGE:PR!NTa55S, "THE DURBiN!WATSON":PRINTa625, "RRTIO"
37e PRrNTaE87, STR!NG$CIM, "*"): PR!Nra8i5, STRINGSCIe. "*")
SSe PRINTa7Se, ttilW= "IS9;:PRrNTTgBC45)" "tPRrNT
39e PRrNT"FRESS <a} TO CONTINUE"::rNPVTAStlFgSO"a"GOT03Se
4ee SlmP21N2:S2 =F4fN3:S3=P3/Nl:CLS:PR:NTTRBCIM)STRING$C47,IS7>
4te PRINTTABCIS)"RNALYSIS eF VRR!nNCE TABLE":PRrNTTRBC22)UC ANOVA )":PRINTTABCtM
)STRrNG$(47,197)
42e PRINTTABCIM)"SOUReE OF DEeREE OF SUM OF MEAN":PRINTTAB"e)"
201
VnR;RTrON FflEEDOM SQUARES SaUARES"
43e PRINTTRBCS) STRrNG$C49, :97):PRTNTrABCS)USING"REGRESSraN "-";N2" PR:NrUS!NG
B$IP2:
TUSrNGB$IS2 ' '
.uaM PnrNTVSINGB$ISi:PRrNtTRBCS)USINS"ERROR "-";N3"PRrNTUSrNGe$vP4"PR:N
a5e PRrNTTABCa) :PRrNl"USrNGtiTOTAL tt-";Ni"PRrNTUSrNGB$;P3;:PRrNTUSrNGB$sS
3:pRINTTgBcs)sTR'rNG$cas,is7) '
AEM PRINT:F=St/S2;PRrNTt'F - RATIe !s tt;F
47e rNPUT"PRESS a Te CeNTrNUE";g$:IFA$<>"e"GOT047eELSECLS
4Sg PRINT:PR!NT"THE VRRrnNCE--CaVAR:ACE MRTRrX":FORI=tTORI;FORJ=2TORt:V",J)=S2ptX
XCkJ):PR:NTVCr,J);:NEXTJ:PRINT:NEXTI
ESM STOP,
lelMMe DATA12,5.M
levale DRTAI,Se, IE, 94. 5, 1
;tota2e DATRI.S5, 13, 94. 7i 2
IMe3e DATAI, 72, i5, Se. 6, cr
,leuae DA;Al, G2, IS, 99. S, 4
teM5e DATRI, SS, 14, leM. e, 5
iee5M DnTAI, 75,2i, ieZ StE
1toe7e DATM , 74, IE, 1te6. 5, 7
teeee DATAt,S5,!e,tlM.4,e
tmege DATnl, ss, ls, 1t3.s, s
!MtMe DATnl,S4,IE,11S.1,le
tto!le DAI"Ri, 92, IS, 134.7, 11
le12va DATAt, IMe, 14, i6M. 1, 12
1et3e DRTA2E2, 23M, 247, 25e, 24va, 33W, 314, 34e, 34S, 3EM, 35M, 375
2ZaMe Nsec2*Nl:FOR!=ITOWI:FORJ=Wl+ITON
2eelM
sc1.J)¥m !FJ=I+WI GOT02ee4e 
GeTo2ee$m
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2e24e FeRJtK+:TO N
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2e"M RETURN
' 2StaeM REM MATRIX ZERO SUBROUTrNe
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MATR:X'RERD SUBROUTINE
I=1 TOWI#FeRJ=ITOW2:READSCr,J)SNEXTJ,::RETURN
MgTRIX MULTIPLE SUBROUTINE
31elM FeR:=ITOW!tFORJ :ITO-2:SCrt J):=e:FORK=tTON3:SCZ, J)=SCI, J)+S2Cr, K)*St(K, J)
31va13 NEXTJ
31e14 NEXTr
31e2e ReTURN
第1冊 西村孝倫著
第2冊 犏原行䞉著
第3冊 和田貞倫著
第4冊 内田勝敏著
第匕冊 氞島 枅箞
第6冊 倧野吉茝 窪
山谷甲州著
岡本歊之著
第7冊 竹安繁治著
第8冊 谷山新良著
第9çž® 䜐藀浩䞀著
第10冊 藀井定矩著
むギリス東むンド䌚瀟史論 く昭
」Sミルの経枈政策論研究 く耳
茞集合ず経枈分析 く昭
ブリティシュ・・トロピカル・アブリカの研究く昭
囜際経枈ず経枈倉動 く昭
成畏理論の研究 く昭
﹀﹀﹀﹀
5
n
5ÎŽ
35
6
3 3盈
V
Q6
り3
倧阪府立倧孊研究叢曞
枛䟡償华政策ず維持蚈慮
昭37
昭37
昭37
昭38
昭38
昭38
昭39
昭39
昭39
昭4Q
ケむンズ䞻矩経枈理論序説
昭 40
むギリス「瀟䌚改良」時代の研究
昭 41
近䞖土地政策の研究
保険の性栌ず構造
珟代賃金論序説
幕末の経枈思想
第11冊
枡瀬 浩著
経営の瀟䌚理論
第12冊
今川 正著
線型蚈画ず地域開発
第13冊
囜際金融ず囜民所埗
第17冊
銬淵 透著
鍬田邊倫著
村䞊矩匘著
鈎朚和蔵著
岡本歊之著
第18冊
片䞊 明著
颚間鶎寿著
盞続法の総論的課題
昭41
第14冊
第15冊
第16冊
第19冊
金融理論ず金融政策
行政法および行政行為の本質
䞀盞続開始・代襲盞続・攟棄䞀
第20冊前田英昭著
䌁業行動の理論
昭 41
第21冊 盛 秀雄著
日本囜憲法の䞻原則
昭 42
第22冊 石田喜久倫著
自然債務の研究
昭 42
第23冊皲葉四郎著
第24冊歊郚善人華
経枈孊の根抵
甲25冊 山谷恵酵母
技術進歩ず均衡成長
昭42
昭43
昭43
第26冊立半雄圊著
第27冊垂橋英䞖融
解28冊暪山益治著
L、ワルラスの瀟䌚経枈孊
昭 43
マヌケティング・システムの行動理論
昭44
䞍確実性ず決定理論
昭 44
産業構造分析
䞀ベむゞャン接近䞀
第29冊倧野吉茝著
財政政策ず所埗分配
昭 44
第30冊 銬淵 蟛酞
囜際収支理論のグラフ的分析
昭45
第31冊石川垞雄的
通貚倉動理論の即興
昭 45
野32冊 今井 宏著
議決暩代理行䜿の勧誘
昭 45
第33冊 右近健男著
離婚扶逊の研究 く昭 46
䞀財産分䞎論 その1侀
劎働垂堎分析による劎働経枈の研究 く昭 46
第35冊前田英昭著
䌁業の最適な投資政策研究。開発政策お く昭 46
第36冊服郚容教著
新ケむンズ掟基瀎理論研究
よび宣䌝・広俊政策に぀いお
第37冊 井䞊和雄著
ナヌゎスラノィアの垂堎瀟䌚䞻矩
第38冊門田安匘著
蚈算䟡栌による分暩的システム
第39冊 森 淳二旧著
配圓制限基準ず法的資本制床
第40冊 長野祐匘著
垂i盎垂堎システムの研究
䞀アメリカ法の資産分配芏制の史的展開䞀
﹀﹀﹀﹀
莋47嚌49
昭昭昭昭

第34冊 森田 勘著
昭49
䞀垂堎システムの基瀎理論䞀
第41冊、谷山新良著
郚業連関分析
昭 50
第42冊 唄野 隆著
利子率の期間別構造ず囜債管理
昭 50
1第43冊 藀井定矩著
懐埳島ず経枈思想
昭 51
第44冊宮本勝浩著
第45冊西村孝倫著
分暩的経枈蚈画ず瀟䌚䞻矩経枈の理論
昭 51
フランス東むンド䌚瀟小史
昭 52
西ドむツにおける倖囜人劎働力雇甚の経枈
的偎面
第47冊 犏島孝倫著
第48冊 垂橋英䞖著
䌚蚈収益認識論 
組織サむバネティクス研究
昭昭昭

第46冊 森田 䞻著
52
53
53
䞀組織行動の䞀般理論䞀
第49冊 長尟呚也著
組織䜓における暩力ず暩嚁
昭 54
第50翔壬 少1 浜源䞀著
芳枬䞍可胜な倉数を吊む経枈モデルの掚定
昭 54
第51冊山䞋和久著
倖郚性ず公共郚門
昭 55
第52冊 加登 豊著
コスト・ビヘむビアの分析技法
昭 55
、
著者略歎
 か ず ゆ沁か
加 登 豊
昭和28幎 西宮垂に生たれる
昭和51幎神戞倧孊経営孊郚䌚蚈孊科卒業
昭和55幎皗戞倧孊倧孊院 経営孊研究科
博士前期課皋終了経営孊修士
同 幎 倧阪府立倧孊経枈孊郚助手
珟圚に至る
珟䜏所神戞垂東灘区深江南町2䞁目
8番7−403号
〒658TEL0784516681
昭和55幎3月26日 印刷
昭和55幎3月31日 発行
箞者 加 登 豊
堺垂癟舌鳥梅町4䞁804
発行所 倧阪府立倧孊経枈孊郚
倩理垂皲葉町80
印剛所株匏䌚瀟倩理時報瀟