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新連載/藤森敬三 の「環境経営」道場
最 器や ガ ス・石油ス ト ー ブ に よ る死亡事
近, パロマやリンナイ 等 のガス 湯沸 し
故 が 連日報道 されている 。 これらの 問題 を 環
扱説明書 を 読 み ,十分理解 で き る 消費者 が
100% で は な い 。高齢者 も 増 え て い る 。換気
注意 のラベルも 黒字 で 8mm角,小 さ 過 ぎな
常 に ,使用者 の 立場 に 立 った ,
「人 にやさし
今回 の 事故 は 人 の 生命 に 関係 する 安全 の 問
い」
「環境 に や さ し い 」商品 を 提供 す る の が 企
題 で ,環境経営 とは 関係 ないと 表面的 には 思
業 の 社会的責任(CSR)である 。
われるかも 知 れない 。 しかし 環境問題 への 対
工場 で 製造 された 段階 では「単 なる 製品」で
応 も 究極的 には ,人 の 健康・安全 ひいては 生
ある 。 これに 使用段階 での ,消費者 に 対 する
命 に 関 わる 問題 である 。 ガス 器具事故問題 は
各種 サ ー ビ ス が 付加 さ れ て ,初 め て「 よ い 商
使用後比較的短期 に , そして 直接的 に 起 こる
品」となる 。 ガス 器具 メーカーは 消費者 に「 よ
安全問題 であるのに 対 して ,環境問題 は 人々
い 商品」を 提供 してきたのだろうか 。
の 日常生活 を 包含 した 長期・超長期的 で ,間
である 。当然 その 中 に 人 の 安
全,生命 の 危険問題 も 包含 し
ているのである 。環境 と 安全
問題 は 切 り 離 せないのだ 。 ま
ず 身 の 回 りの 安全第一 を ,次
に 地球環境 を 考 えるべきであ
る。
前回,
製品
(含 むサービス )
の 開発・設計段階 で 十分 な 検
討 をしておけば ,使用時 の 健
康・安全,環境 への 影響 は 画
期的 に 改善 されることを 述 べ
第�回
ガス石油機器事故の教訓
存環境」を 脅 か し て い く 問題
た 。今回 の 事故例 でも 同 じこ
とがいえる 。 とくに , リスクの 観点 から 十分
●安全設計の原則を守れ
藤森敬三の
接的 に じ わ じ わ と「人類 の 生
いか 。赤字 で 5cm角以上 にしたらどうか 。
「環境経営」道場
境経営 の 視点 から 検証 してみよう 。
●環境と安全の問題は切り離せない
今回 の ガ ス 器具 の 設計 で
連
載
も ,不完全燃焼対策 などの 安
全策 を 考 えたと 思 う 。しかし ,
事故 は 起 きた 。 だから ,設計
上不備 があったといわざるを
得 ない 。
どんな 製品 でも , その 一生
に わ た り 完璧 な も の は な い 。
製造直後 は 完璧 で あ っ て も ,
次第 に 部品・材料 の 劣化 も 起
こる 。設置条件,使用者 のレ
ベルも 千差万別 である 。 だか
らこそ ,安全設計 の 原則 を 守
るべきだ 。 すなわち ,
① フールプルーフ 設計:好 ましくない 操
な 設計検討 をすべきである 。
作,間違 った 操作 をしても ,結果 が 事故
今年2月20日 の 新聞報道 によれば ,日本 ガ
や 災害 につながらないしくみ 作 り
ス 石油機器工業会 は ,1986年以降今日 までに
② フェールセーフ 設計:機器 の 構成部分
ガス 湯沸 し 器, ストーブ 等 のガス 器具 による
のどこかが 故障 しても ,安全機能 が 働 い
一酸化炭素中毒事故 が 314件発生 し ,199人 が
て 事故 を 防止 するしくみ 作 り
死亡 したと 発表 した 。 しかし ,経済産業省 の
把握 で は 死者数 は 353人 で あ る と い う 。 な ぜ
③ ①,② の 前提 と し て ,製品 の 一生
(ラ
イフサイクル )
にわたり , リスク(将来起
こんな 事件 になったのか 。 ガス 器具 メーカー
こ る で あ ろ う 危険)を 回避 す る と い う 哲
側 は「製品 の 欠陥」を 認 めていない 。 その 理由
学 を 持 つこと
は「換気 せ ず 使用 し た 」
「換気 す べ き こ と を 取
取扱説明書 や 注意 ラベルは 付随的対策 だ 。
扱説明書 に 明記 し た 」
「製品 の 表面 に も 換気
(藤森環境経営研究所代表,元NEC環境 エン
注意 のラベルを 貼 った 」と 主張 している 。取
102-
ジニアリング社長)
資源環境対策
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