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ユーザ視点の信頼性/品質向上に向けた
取組のご紹介
~新たな組込みシステム検証基盤構築事業~
TIDAコンソーシアム
Testing Island of Design Architecture
1.TIDAコンソーシアムについて
TIDAコンソーシアムは、沖縄県企業を中心としたコンソーシアムであり、ユーザ中
心の分析・設計・検証を支援する技術を開発して、事業化を目指している。
TIDAコンソーシアム
沖縄県企業
4社
沖縄県大学
本土企業
4社
2
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ご参考:
3
沖縄IT津梁パークについて
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2.背景と課題 ~組込みシステムの現状~
組込みソフトウェアの規模の急拡大
約7割が仕様やソフトウェアの不具合
500万行~
1000万行
5年間
4
2009年版 組込みソフトウェア産業実態調査報告書:プロジェクト責任者向け調査
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2.背景と課題 ~組込みシステムの現状~
日本経済新聞, 12版, P3より抜粋
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2.背景と課題 ~消費者対応部門の現状~
1社平均年間受付総件数
社団法人消費者関連専門家会議「企業における消費者対応体制に関する実態調査」2008年3月
内閣府国民生活局 消費者調整課 「企業における消費者対応部門及び自主行動基準に関する実態調査」 平成16年4月
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2.背景と課題 ~消費者対応部門の現状~
消費者対応部門に求められる期待値
社団法人消費者関連専門家会議「企業における消費者対応体制に関する実態調査」2008年3月
内閣府国民生活局 消費者調整課 「企業における消費者対応部門及び自主行動基準に関する実態調査」 平成16年4月
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2.背景と課題
組込みシステム開発の課題
消費者対応部門の課題
ユーザ品質と製品品質は異なる
苦情・問い合わせの質が高くなっている
⇒ 高機能化により、ユーザは機能に依存してしまう
そのため、機能に対する不満を感じる
⇒ 対外的な情報開示まで求められる
複雑化により、多種多様な操作パターンがある
苦情・問い合わせを分析できていない
⇒ 機能の多機能化/複雑化により、使用方法も細分化
され、ユーザに依存する
⇒ 苦情・問い合わせの量が多く対応しきれていない
機能中心開発から人間(ユーザ)中心開発へ
テキスト/データマイニングからクレームマイニングへ
製品の苦情・問い合わせから製品不具合を特定する技術研究
(ユーザ視点の分析を製品に反映する)
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3.沖縄研究成果のご紹介(平成22年度)
研究実施場所
沖縄IT津梁パークに沖縄研究所を設立。「東海大学 専門職大学院 組込み技術研究科 沖縄研究拠
点」、「株式会社 沖縄ソフトウェアセンター」と沖縄IT津梁パークで連携して研究開発を実施。
キャッツ株式会社
プロダクト事業本部
沖縄研究所
東海大学 専門職大学院
組込み技術研究科
沖縄研究拠点
株式会社 沖縄ソフトウェアセンター
沖縄IT津梁パーク
委託
技術指導
東海大学
専門職大学院
組込み技術研究科
研究科長 大原教授
CATS沖縄研究所
常駐: 3名
非常駐: 3名
再委託
9
2010年5月30日,
沖縄タイムスより抜粋
アドバイス
高度テスト技術研究推進委員会
委員長:東海大学 大原教授
副委員長: OSC 南郷氏、CATS 渡辺
委員: IPA SEC 立石氏、田丸氏
dSPACE 有馬氏
U’eyes Design 鱗原氏
OSC 与那嶺氏、CATS今井
オブザーバ: 公社 永井氏
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3.沖縄研究成果のご紹介(平成22年度)
[1]
苦情・問い合わせ解析技術
音声解析
テキスト解析
音声
データ
ユーザ行
動モデル
要素
テキスト
データ
データ解析
外界モデ
ル要素
形態素
辞書
単語/
類義語
辞書
パター
ン辞書
形態素
辞書
単語/
類義語
辞書
その他要
素
パター
ン辞書
データ解
析結果
辞書作成
単語辞書作成支援
[2]
[3]
モデル導出技術
モデル導出
マニュアル
要求モデ
ル
10
テストスクリプト導出技術
モデルシミュ
レータ
モデル表現
テストス
クリプト
ユーザ
行動モ
デル
モデル解析
外界モ
デル
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テストスクリ
プト表現
3.沖縄研究成果のご紹介(平成22年度)
クレームマイニングとは
苦情・問い合わせ(クレーム)から、テキストマイニングなどの
技術を使って、製品・サービスの向上に必要な情報を抽出するこ
と。
販売活動
クレーム
コールセンタ
問合せ窓口
アンケート
市場調査
SNS・ブログ
口コミ
蓄積・収集
ユーザーサポート
テキストマイニング
保守サービス
機能改善
ユーザー行動の把握
製品・サービ
スの向上
分析
ユーザーモデリング
@IT 情報マネジメント 膨大なテキストからビジネスのヒントを探せ 第1回 テキストマイニングの基礎(1)
http://www.atmarkit.co.jp/im/cbp/serial/text/01/01.html
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3.沖縄研究成果のご紹介(平成22年度)
テキストデータを形態素に分解して、文節レベルの情報を抽出する仕組みを開発した。
抽出精度を向上と、抽出したクレーム情報の分析手法が課題
テキスト
暫く充電しないまま、撮影したところ日時情報が消失し、デフォルトの
テキスト
設定時間に戻ってしまう。 エラーメッセージも表示されない。
形態素辞書
形態素解析
テキストを形態素に分
解する
用語辞書
ゆらぎ処理
テキストの用語を統一
する
類義語辞書
構文パターン
辞書
形態素
暫く
副詞
一般
充電
名詞
サ変接続
し
動詞
自立,サ変
ない
助動詞
特殊
まま
名詞
非自立,副詞可能
助動詞
特殊
・・・
ない
構文解析+
機械学習解析
テキストから構文パ
ターンを比較する
用語の統一
一定時間
暫く
初期
デフォルト
・・・
製品
辞書
クレーム抽出
クレームDB
12
製品辞書を用いて
クレームを抽出する
抽出したクレーム
事前条件
一定時間充電していない
ユーザ操作
撮影した
事後条件1
初期設定時間に戻る
事後条件2
エラーメッセージも表示されない
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3.沖縄研究成果のご紹介(平成22年度)
2011年度のクレームクレンジング実証実験では、コールセンターのクレーム等のテキスト文書
から分析した情報を抽出して、分析結果をフィードバックする実証実験になる
【部品名】
【部品名】+ない
【頻度】
クレーム1
使ってるパソコンから焦げ臭い匂いがし
ているがこのまま使っていて大丈夫か。
クレーム2
急に日本語がうてなくなった。英語しか
出ない。直し方を教えてほしい。
クレーム3
時々、ソフトを開くと電源が落ちる。
分類ラベルを付けることで、分
類ごとに統計データをとれる
抽出観点を定義
クレームクレンジング
ツール
類義語辞書
ゆらぎ補正
用語統一
形態素辞書
形態素解析
構文パターン辞書
係り受け解析
分類
現象
頻度
クレーム
1
故障
箇所
PC本
体
パソコ
ン
アプ
リ
ソフト
分類
結果
装置
電源
クレーム
2
クレーム
3
頻度
時々
製品用語辞書
分類ラベル
付与
13
分類
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3.沖縄研究成果のご紹介(平成22年度)
 クレームと抽出内容を分析するとき
ID
受付日時
クレーム
分類
1
2010/4/6
使ってるパソコンから焦げ臭い匂いがし
ているがこのまま使っていて大丈夫か。
2
2009/3/25
急に日本語がうてなくなった。英語しか
出ない。直し方を教えてほしい。
3
2009/4/26
時々、ソフトを開くと電源が落ちる。
頻度
現象頻度
時々
分類
故障箇所
PC本体
パソコン
アプリ
ソフト
 抽出したデータの統計分析をするとき
抽出観点
分類
結果
装置
電源
データを並び変え
分類
詳細データ
画面状態
ブルースクリーン
画面状態
ブルースクリーン
画面状態
ブルースクリーン
画面状態
ブルースクリーン
画面状態
画面
画面状態
画面
画面状態
BIOS
画面状態
メッセージ
不可画面状態
画面
データ数
・・・
画面状態のクレーム
画面状態の故障
8
1
・・・
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画面状態のクレーム数が8、
ブルースクリーンが4
画面故障のクレーム
3.沖縄研究成果のご紹介(平成22年度)
要求毎のユーザの行動パターンを振る舞いモデルに表現して、網羅的に表現する仕組みを構築
した。
ユーザの行動パターンに対して、マーケティングやクレーム情報から抽出したユーザの
統計データを組み合わせたユーザモデルの仕組みが課題。
準備完了
写真を撮影する
撮影の準備をする
/電源を入れる
/カメラのバッテリ
を充電する
動作待ち: 画面表示
日付表示を見ない
/日付を確認する
日付表示を見た
/日付を確認する
[日付が違う]
日付を設定
[日付が合って
/日付を設
いる]
定する
撮影中
動作待ち: 充電完了
・・・
充電完了
/撮影する
撮影終了
日付表示を見た
[日付が違う]
/日付を確認する
撮影終了
[続けて撮影したい]
[写真を残したい]
写真を整理する
/PCと接続する
動作待ち: カメラのフォルダ表示
フォルダが表示された
/ファイルをコピーする
動作待ち: ファイルコピー
コピー完了
[整理できた]
ファイル日付を修正
写真を確認する
確認完了 最近のファイルにない
修正完了
/ ファイルを確認,修正
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3.沖縄研究成果のご紹介(平成22年度)
全体概要
ユーザ行動モデルは、製品モデルの振舞いに応じて行動(操作)する。
その情報は製品モデルへ送られ、設計に従い状態が遷移する。
また、製品モデルの動作情報は製品外観図へも送られ、製品の振舞いを視覚的に表現する。
この画面では××
ボタンを押して・・・
状態A
外界
環境
状態B
② 製品モデルへの入力
・シャッターを押す
・ボタンを押す
・SDカードを挿す/抜く
処理
事象1
④
遷移(状態B)
ユーザ行動モデル
③ 製品モデルの動
きは製品外観図
へ伝わる
① ユーザ行動モデルへの入力
・被写体
・撮影場所
状態A
製品モデルの動作内容が
製品外観図に反映され、
表示が変化する
状態B
処理
事象1
遷移(状態B)
①
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ユーザ行動モデルへの入力
・画面遷移
・エラーメッセージ
製品モデル
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製品外観図
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4.沖縄基盤構築事業のご紹介
ユーザ
製品
要望
問い合わせ
ユーザモデリング事業
ユーザ像を可視化してユーザ分析
するため、ユーザをモデル化して
製品モデルシミュレーションする
サービス
・ユーザモデリングツール販売
・ユーザモデリング
ソリューション/コンサル
製
品
企
画
・
管
理
取扱説明書
製品サポート
製品企画
品質管理
取扱説明書
クレームポートフォリオ事業
コールセンターの苦情・問い合わせ・要望
などの情報を解析して、目的の情報を取り
出し分析するサービスを提供する。
・クレームポートフォリオツール販売
・コールセンターデータ解析
ソリューション
・データ分析ソリューション/
コンサル
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研究⇒事業
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ユーザテスティング事業
ユーザマニュアルからテストに特
化したモデル作成して、テスト
ケースを自動生成し、高度なテス
トを実現するサービス
・ユーザテスト支援ツール販売
・ユーザテスティング
コンサル/ソリューション
4.沖縄基盤構築事業のご紹介
コールセンターデータ
解析基盤
ツール基盤
高度モデリング基盤
ユーザモデリングツール
S1
クレーム
S3
S2
S2
S3
e1
=>S2
×
×
e2
S1
/
=>S2
/
e3
/
=>S3
/
e4
/
/
=>S1
e4
e1
e3
外部シミュレータ
SILS/
MILS
e2
クレームポート
フォリオツール
クレームク
レンジング
機能
高度テスティング基盤
ユーザテスティングツール
テストケース
クレーム
ポートフォ
リオ機能
マニュアル文
教育基盤
利用企業
利用企業
人材育成
モデリング手法
コールセンター
19
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4.沖縄基盤構築事業のご紹介
WEB情報
クレーム
ユーザ情報の
見える化
テキストデータの
クレンジング
ユーザ
情報DB
(クレーム
DB)
クレーム
クレンジング
ツール
クレーム
ポートフォリオ
ツール
マニュアル文
検証済
製品
モデル
マーケティ
ング情報
ユーザの振舞を
見える化
ユーザマニュアル
ユースケースや
過去の知見など
製品仕様書など
20
ユーザ
モデリングツー
ル
ユーザ
振舞
製品の構造・振舞
を見える化
製品
モデリング
ツール
テスト
ケース
ユーザ
行動分析
ツール
ユーザの振舞と統
計データでユーザ
の利用分析
妥当性
検証
結果
テスト
ケース
対象とするユーザの利
用方法(統計データ)に
基づくテストケース出力
製品
モデル
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製品モデル
ツール
(シミュレータ)
4.沖縄基盤構築事業のご紹介
2010年度
高度モデリ
ング事業
2011年度
製品モデル事業
ツール開発α版
高度テステ
ィング事業
テスティン
グ事業
2012年度
2013年度
製品+ユーザモデル
事業
ツール開発β版
ユーザ指向テスティング
事業
製品+ユーザモデル
事業
ツール開発正式版
ユーザ指向テスティング事業
ツール開発β版
ツール開発正式版
技術調査
技術調査
付加価値を高
める
ツール事業
教育事業
コールセン
ターデータ
解析事業
クレームクレンジング
事業
ツールα版
21
ツール販売・カスタマイズ
事業
技術教育サービス
高度テスティング事業
コンテンツ作成
2013年度
高度モデリング事業
コンテンツ作成
クレームクレンジング
事業
ツールβ版
コンテンツ改善
クレームポートフォリオ
事業開始
ツール正式版
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5.まとめ
ユーザ視点の開発が難しい
ユーザモデリングで
ユーザの行動をシミュレーション
操作
メーカ
ユーザ
製品
認識
クレーム数が膨大で
クレー
ム
分析に手間がかかる
質問
クレームポートフォリオで
ユーザ情報を分析
状況把
握
対応策
ユーザ指向で高品質
ツールと沖縄でコスト削減
マニュアル
不具合情報
製品モデル
改善
マニュアルへの記載モ
レ・ヌケ
説明内容改善
ユーザテスティングでマ
表記ミス・誤情報
ニュアルを検証
苦情・
問い合わせ
コールセンター
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6.IPA様の取組みとの連携
ユーザモデリン
グ部会や第三
者検証の枠組
みとも連携する
ことが目標
出所: IPA/SEC, 「統合システム」の安全性・信頼性の確保への挑戦 ~統合系プロジェクト設置のねらいと取組みの方向について~
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ご清聴ありがとうございました
24
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