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The 20th Congress of Hokkaido Association for Clinical Engineering Technologists 第20回 北海道臨床工学会
プログラム・抄録集
会期 : 2009年11月28日(土)・29日(日)
会場 : 札幌コンベンションセンター
社団法人 北海道臨床工学技士会
11月29日(日)
11月28日(土)
第1会場
107-108会議室
第2会場
小ホール
第3会場
201-202会議室
展示会場
204会議室
8:00
8:00
9:00
9:00
準備
準備
準備
準備
準備
準備
準備
準備
10:00
第1会場
107-108会議室
第2会場
小ホール
第3会場
201-202会議室
準備
準備
準備
受付開始(9:00~)
シンポジウム2
「臨床工学分野に
おける安全管理」
~呼吸療法業務の
10:00
関わり~
S2-1~5
9:15~10:45
循環器②
O-30~34
9:15~10:05
血液浄化④
O-52~56
9:15~10:05
血液浄化③
O-35~39
10:05~10:55
手術・その他
O-57~61
10:05~10:55
休憩(15分間)
11:00
11:00
準備
準備
準備
準備
12:00
12:00
受付開始(12:00~)
設置作業
(11:30~)
展示会場
204会議室
特別講演
「CKD-MBD治療
の変遷」
11:00~12:00
休憩
休憩
企業展示
川澄化学工業
ムトウテクノス
アムコ
日本光電
メッツ
(株)日本医広
日機装
フクダ電子
ニプロ
ドレーゲル
テルモ㈱
㈱常光
日本シャーウッド
㈱東機貿
東レメディカル㈱
旭化成クラレ
扶桑薬品
味の素ファルマ
味の素ファルマ
ランチョンセミナー① ランチョンセミナー②
12:10~13:10
12:10~13:10
13:00
開会式(12:50~)
血液浄化①
O-1~5
13:00~13:50
14:00
15:00
循環器①
O-13~18
13:00~14:00
休憩
休憩
シンポジウム1
「きれいな透析液で
透析しよう」
S1-1~3
呼吸器
O-19~23
14:10~15:00
14:00~15:30
休憩
休憩
16:00
血液浄化②
O-6~12
15:40~16:50
ワークショップ 1
「よりよい臨床
実習を目指して」
W1-1~7
企業展示
川澄化学工業
ムトウテクノス
アムコ
日本光電
メッツ
(株)日本医広
日機装
フクダ電子
ニプロ
ドレーゲル
テルモ㈱
㈱常光
日本シャーウッド
㈱東機貿
東レメディカル㈱
旭化成クラレ
扶桑薬品
味の素ファルマ
13:00
休憩
ワークショップ2
「本音で話そう
14:00
ME機器管理」
W2-1~5
休憩
ME管理①
O-40~45
13:20~14:20
血液浄化⑤
O-62~65
13:20~14:00
休憩
休憩
13:20~14:50
15:00
休憩
循環器③
O-24~29
15:00~16:00
16:00
ME管理②
O-46~51
14:30~15:30
血液浄化⑥
O-66~72
14:10~15:20
撤去作業
閉会式(16:00~)
第1会場
第2会場
第3会場
15:30~17:00
第20回 北海道臨床工学会概要
17:00
17:30
19:00
※ 学会長 (社)北海道臨床工学技士会 会長 室橋高男 (札幌厚生病院)
※ 大会事務局長 名誉会員 真下 泰 (札幌社会保険総合病院)
懇親会(参加費3,000円 同会場1階レストラン「SORA」にて
記念講演 「臨床工学技士法制定から北海道臨床工学技士会設立の経緯」
北彩都病院 事務長 井関竹男 先生 (道技士会初代会長)開催
※ 特別講演1演題、ランチョンセミナー2セッション、シンポジウム2セッション8演題、
ワークショップ2セッション12演題、一般演題72演題、総演題数95演題
※ 企業展示18社、ドリンクサービス1社、広告掲載16社
プログラム集
第 20 回北海道臨床工学会
懇親会開催のご案内
開催日時:11 月 28 日(土)17:30~19:00
会
場:札幌コンベンションセンター1 階
テラスレストラン 「SORA」
参加費 :3,000 円
記念講演
創立 20 年記念に寄せて
18: 00~18: 30
『 臨床工学技士法制定から北海道臨床工学技士会設立の経緯 』
北海道臨床工学技士会 初代 会長
医療法人 仁友会 北彩都病院 事務長 井関 竹男 先生
(定員 100 名、当日懇親会参加専用窓口を設けます)
この機会に、会員同士の親睦を深め、人脈を構築するには絶好のチャンスであります。
皆様奮ってご参加下さい。理事・役員一同、お待ち申し上げます。
Menu
【冷製】
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
魚貝類のエスカベッシュ
新鮮魚貝類のカルパッチョ
スモークサーモン&昆布〆ニシン盛り合わせ
国産牛肉のタタキ仕立て野菜添え
サラダポークの中華風冷製蒸し サラダ仕立て
海苔巻きとタコ稲荷寿司の盛り合わせ
サラダマーケットスタイル
フルーツの盛り合わせ
本日のデザート
おつまみ
【温製】
・
・
・
・
・
・
・
・
・
海の幸とパスタのクリームグラタン
エビとホタテのパイ包み焼き
焼き物盛り合わせ
海老と白身魚、イカ、彩り野菜の甘辛炒め
若鶏のアーモンドロースト
富良野産豚肉のスパイシーロースト
牛肉の柔らかシチュー仕立て 温野菜を添えて
特選牛肉のロースト 和風ソース
鮭と玉子のピラフ
第 1 日目 第1会場(107+108 会議室)
開会の辞
一般演題
(社)北海道臨床工学技士会 会長 室橋 高男
血液浄化1
12:50~
13:00~13:50
座長 土濃塚 広樹(札幌北楡病院)
O-1
下肢閉塞性動脈硬化症手術直後の透析方法について
旭川医科大学病院 診療技術部 臨床工学技術部門
○ 宗万 孝次、浜瀬 美希、下斗米 諒、天内 雅人、本吉
南谷 克明、山崎 大輔、与坂 定義、菅原 時人
O-2
シャント PTA 用シースの考案及び臨床評価
(医)ピエタ会石狩病院 透析室 1) 泌尿器科 2)
○ 黒田 篤 1)、酒井 由起 1)、加藤 敏史 1)、小川
佐藤 利勝 1)、須江 洋一 2)、森川 満 2)
O-3
雅樹、平田
和也、原田
祐輔、
当院における PTA の現状と今後の展望
医療法人社団
O-5
英恵 1)、
無症候性透析患者に対する心血管スクリーニング結果の検討
北海道社会保険病院 ME 部
○ 大沢 卓爾、寺島 斉、多羽田
山際 誠一、前 祥太
O-4
宣也、
進和会 旭川リハビリテーション病院 透析センター
○ 渡部 英典、高橋 竜平、相川 武司、木村 吉治
当院におけるバスキュラーアクセス管理
社会医療法人
孝仁会 留萌セントラルクリニック 臨床工学科 1) 看護 2)
○ 斎藤 寿 1)、小笠原 隼人 1)、多屋 俊二 2)、次木 さおり 2)、
下田 智美 2)
第1日目 第1会場(107+108 会議室)
シンポジウム1 『きれいな透析液で透析しよう』
14:00~15:30
座長 大澤 貞利(釧路泌尿器科クリニック)
S1-1
ETRF の管理と諸問題
いでクリニック (社)日本臨床工学技士会
○ 楢村 友隆
WG2(透析液関連)委員
S1-2
透析液の水質モニタリング
かいこうクリニック (社)日本臨床工学技士会
○ 山本 英則
S1-3
WG2(透析液関連)委員
透析装置の保守管理の基礎
日機装株式会社
○
真下貴之
第 1 日目 第1会場(107+108 会議室)
一般演題
血液浄化2
15:40~16:50
座長 中村 亘(萬田記念病院)
O-6
QCX-500L を用いた透析液戻り口ライン洗浄の有効性
NTT 東日本札幌病院 臨床工学室
○ 佐々木 雅敏、須藤 徹、山口 唯、佐藤 健太、石川
桑田 大輔、杉本 親紀、櫻田
克己、高橋 秀一
O-7
健、
人工透析用洗浄剤(過酢酸系)クリネード 502 の希釈倍率の違い
による臨床評価
仁友会 北彩都病院 臨床工学科 1) 仁友会泌尿器科内科クリニック 臨床工学科 2)
内科 3) 泌尿器科 4)
○清水 良 1)、阿部 博明 1)、山本 勝仁 1)、江幡 俊明 2)、中谷 隆浩 1)、
石川 幸広 1)、井関 竹男 1)、石田 真理 3)、石田 裕則 4)
O-8
血液透析用RO水清浄化への取り組み-配管変更後-
JA 北海道厚生連 帯広厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
○小野寺 優人、北澤 和之、郡 将吾、川上 祥碁、山城 州古、清水
未帆、仲嶋 寛子、小笠原 佳綱、岸本 万寿実、山本 大樹、柴田 貴
幸、大京寺 均、岸部 淳一、阿部 光成、今泉 忠雄
O-9
透析液準備室および同室内に設置した透析液製造装置外装における
従属栄養細菌の分離について
北海道工業大学大学院 工学研究科 応用電子工学専攻 1)
北海道工業大学 医療工学部 医療福祉工学科 2) 札幌社会保険総合病院 ME 部 3)
○佐々木 雅浩 1)、菅原 俊継 2)、黒田 聡 2)、真下 泰 3)、有澤 準二 2)、
木村 主幸 2)
O-10
透析用水製造工程おける微生物汚染成立機序に関する検討
-配管材料を用いたバイオフィルムの形成について-
北海道工業大学大学院 工学研究科 応用電子工学専攻 1)
北海道工業大学 医療工学部 医療福祉工学科 2) 札幌社会保険総合病院 ME 部 3)
○飯川 雄大 1)、菅原 俊継 2)、黒田 聡 2)、真下 泰 3)、有澤 準二 2)、
木村 主幸 2)
O-11
透析用水清浄化に対する人工透析用電気再生超純水装置(EDI)の
有用性
札幌社会保険総合病院 ME 部
○斉藤 徳、小幡
O-12
大輔、山野内
亘、高井
麻央、小川
輝之、真下 泰
2 部透析開始時における透析液清浄化の検討
JA 北海道厚生連 網走厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
○ 森久保 忍、田中 幸菜、片岡 拓也、竹村
伊藤 貴之、國木 里見
第 1 日目
務、大河原
巧、
第2会場(小ホール)
一般演題 循環器1
13:00~14:00
座長 菊地 一智(新札幌循環器病院)
O-13
呼吸器領域手術に補助循環を用いた症例の検討
医療法人
O-14
渓仁会 手稲渓仁会病院 臨床工学部
○ 千葉 二三夫、菅原 誠一、那須 敏裕、猫宮 伸佳、斎藤 大貴、
今野 裕嗣、根本 貴史、小林 暦光、渡部 悟、古川 博一
当院における、Norwood 手術に対する体外循環法
北海道立子ども総合医療・療育センター 手術部ME1) 心臓血管外科 2)
○ 中川 博視 1)、平石 英司 1)、佐竹 伸由 1)、渡辺 学 2)
O-15
Brand-White-Garland(BWG)症候群の根治術に体外循環を施行した 1 例
心臓血管センター 北海道大野病院 臨床工学部
○ 扇谷 稔、飯塚 嗣久、笹盛 幹文、土田
吉岡 政美
O-16
愉香、民谷
愛、
院外心肺停止症例に対する PCPS の効果
~多施設共同研究による社会復帰例の検討~
札幌医科大学大学院 医学部 医科学研究科 1) 札幌医科大学 高度救命救急センター2)
駿河台日本大学病院 臨床工学部 3) 駿河台日本大学病院 救命救急センター4)
横浜市立大学医学部 高度救命救急センター5)
神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター6)
帝京大学医学部附属病院 臨床工学部 7) 帝京大学医学部 救命救急センター8)
○ 加藤 優 1)、長谷 守 2)、浅井 康文 2)、三木 隆弘 3)、長尾 建 4)、
田原 良雄 5)、渥美 生弘 5)、森村 尚登 6)、玉城 聡 7)、坂本 哲也 8)
O-17
Rotational Thrombelastometry(ROTEM)を指標に術中血液凝固管理
を施行した 2 症例
手稲渓仁会病院 臨床工学部 1) 麻酔科 2) 小児心臓血管外科 3)
○ 那須 敏裕 1)、千葉 二三夫 1)、猫宮 伸佳 1)、齋藤 大貴 1)、
今野 裕嗣 1)、菅原 誠一 1)、根本 貴史 1)、渡部 悟 1)、
古川 博一 1)、佐藤 秀雄 2)、本田 尚典 2)、八田 英一郎 3)
O-18
結核菌排菌患者における胸腹部大動脈瘤手術の感染対策について
北海道大学病院 診療支援部 ME 機器管理センター
○ 五十嵐 まなみ、寒河江 磨、矢萩 亮児、岩崎 毅、島田 未知子、
前野 幹、佐々木 亮、遠田 麻美、岡本 花織、竹内 千尋、
石川 勝清、太田 稔、加藤 伸彦
第 1 日目
第2会場(小ホール)
一般演題 呼吸器
14:10~15:00
座長 加藤 優(札幌医科大学附属病院)
O-19
4,100gの術後呼吸不全の患児にベンチレータ 840 のマスク換気
モードを使用した1例
旭川医科大学病院 診療技術部 臨床工学技術部門
○ 宗万 孝次、浜瀬 美希、下斗米 諒、天内 雅人、本吉
南谷 克明、山崎 大輔、与坂 定義、菅原 時人
O-20
小児用ディスポ呼吸回路を用いた際の高頻度換気について
旭川医科大学病院 診療技術部 臨床工学技術部門
○ 宗万 孝次、浜瀬 美希、下斗米 諒、天内 雅人、本吉
南谷 克明、山崎 大輔、与坂 定義、菅原 時人
O-21
朋和、
当院における新型インフルエンザに対する人工呼吸器の整備
北海道立子ども総合医療・療育センター
○ 佐竹 伸由、平石 英司、中川
O-23
宣也、
人工呼吸器用加温加湿装置の比較検討
札幌医科大学附属病院 臨床工学室
○ 山口 真依、田村 秀朗、大村 慶太、澤田 理加、島田
千原 伸也、長谷川 武生、河江 忠明、加藤 優
O-22
宣也、
博視
特発性間質性肺炎に対して pumpless A-V ECMO を施行した1症例
独立行政法人
国立病院機構 帯広病院 臨床工学 1) 麻酔科 2) 心臓血管外科 3)
○ 加藤 裕希 1)、谷口 慎吾 1)、半田 仁美 1)、松本 年史 1)、
川南 聡 1)、朝井 裕一 2)、椎久 哉良 3)、菊池 洋一 3)
第 1 日目
第2会場(小ホール)
ワークショップ1 『よりよい臨床実習を目指して』 15:30~17:00
座長 宗万 孝次(旭川医科大学病院)
橋本 修一(北海道がんセンター)
W1-1
学生から見た臨床実習
学校法人
W1-2
西野学園 札幌医療科学専門学校 臨床工学技士科 3年
○ 鶴田 博規、北出 太良、小野寺 雄平、佐藤 貴彦
臨床実習指導委員会の発足と取り組みについて
心臓血管センター北海道大野病院
○ 笹盛 幹文
W1-3
臨床実習に向けての吉田学園医療歯科専門学校での取り組み
吉田学園
W1-4
臨床工学部
医療歯科専門学校 臨床工学科
○ 工藤 元嗣、吉岡 鉄史郎、松田
山田 貴樹
成司、山内
臨床実習に関わる教育の取り組みと現状・課題について
学校法人産業技術学園 北海道ハイテクノロジー専門学校
○ 山内 良司
W1-5
西野学園 札幌医療科学専門学校
○ 菅原 直行、田村 優一、岡本
阿部 雅幸
臨床実習と卒業研究の連携
北海道工業大学医療工学部 医療福祉工学科
○ 佐々木 正巳
W1-7
臨床工学技士学科
臨床実習報告
学校法人
W1-6
芳子、小山
臨床実習をふりかえる
医療法人
王子総合病院 医療技術部
○ 宮崎 俊治
臨床工学科
康志、越後
敦、横山
徹、
有基、
第 2 日目 第1会場(107+108 会議室)
シンポジウム2 『臨床工学分野における安全管理』
~呼吸療法業務の関わり~
9:15~10:45
座長 成田 孝行(旭川厚生病院)
宗万 孝次(旭川医科大学病院)
S2-1
人工呼吸療法における臨床工学技士業務について
KKR札幌医療センター 臨床工学科
○ 難波 泰弘、斉藤 孝明、棚田
S2-2
智之、小倉
直弘、大宮
裕樹
人工呼吸療法における施設の取り組み」~呼吸療法チームの活動に
ついて~
旭川赤十字病院 救急部 臨床工学課
○ 陶山 真一
S2-3
臨床工学技士の専門性~臨床における呼吸療法と臨床工学技士の
関わり~
北海道大学病院 診療支援部 ME 機器管理センター
○ 寒河江 磨、岩崎 毅、前野 幹、島田 未知子、五十嵐 まなみ、
矢萩 亮児、佐々木 亮、竹内 千尋、遠田 麻美、岡本 花織、
石川 勝清、太田 稔、加藤 伸彦
S2-4
人工呼吸療法の安全管理 ~病院機能評価 Ver6 の対策と医療機器
安全管理責任者の関わり~
社会福祉法人
S2-5
函館厚生院 函館五稜郭病院
○ 雲母 公貴
臨床工学科
「シンポジウム」当院における人工呼吸器に関わる業務と安全教育
社会医療法人
孝仁会 釧路孝人会記念病院
○ 本間 孝幸
第 2 日目 第1会場(107+108 会議室)
特別講演
11:00~12:00
座長 札幌社会保険総合病院 内科・腎臓病部長 安田 卓二先生
『
CKD-MBD 治療の変遷
』
講師 H・N・メディック 院長 橋本 史生 先生
共催 中外製薬株式会社
第 2 日目 第1会場(107+108 会議室)
ランチョンセミナー1
12:10~13:10
座長 特定医療法人北楡会札幌北楡病院副院長 久木田和丘 先生
『
腎透析に伴うかゆみのメカニズムと対策
』
講師 順天堂大学医学部附属浦安病院 院長 髙森 建二 先生
共催 鳥居薬品株式会社
第 2 日目 第1会場(107+108 会議室)
ワークショップ2 『本音で話そう ME 機器管理』
13:20~14:50
座長 高平 篤法(市立札幌病院)
足達
勇(砂川市立病院)
コメンテーター 北野 達也(星城大学 経営学部教授)
W2-1
当院の医療機器安全管理体制の現状と問題点
市立札幌病院
W2-2
臨床工学科
○ 高平 篤法、竹浪
進藤 尚樹
延幸、金野
敦、前中
則武、奥田
正穂、
ME 機器管理センターの役割
北海道大学病院 ME 機器管理センター
○ 加藤 伸彦、太田 稔、寒河江 磨、岩崎 毅、矢萩 亮児、
五十嵐 まなみ、島田 未知子、竹内 千尋、遠田 麻美、前野
佐々木 亮、岡本 花織、石川 勝清
W2-3
幹、
当院におけるME機器中央管理の現況
手稲渓仁会病院 臨床工学部 1)
医療法人 渓仁会 手稲渓仁会病院 臨床工学部 2)
○ 渡部 悟 1)、山内 貴司 1)、鈴木 学 1)、猫宮 伸佳 1)、斉藤 大貴 1)、
今野 裕嗣 1)、那須 敏裕 1)、菅原 誠一 1)、根本 貴史 1)、
小林 暦光 1)、千葉 直樹 1)、千葉 二三夫 1)、古川 博一 1)
W2-4
病院機能評価 Ver6 取得に向けた取り組み
北海道社会保険病院 ME 部
○ 寺島 斉
W2-5
医療監視および病院機能評価 Ver6 取得に向けた ME 機器管理の
取り組み
市立旭川病院
臨床工学室
○ 鷹橋 浩、河田 修一、窪田
田中 義範、米坂 直子
將司、堂野
隆史、山口
和也、
第 2 日目 第1会場(107+108 会議室)
一般演題 循環器3
15:00~16:00
座長 古川 博一(手稲渓仁会病院)
O-24
当院における不整脈治療の現状
手稲渓仁会病院 臨床工学部
○ 根本 貴史、西谷 彰浩、桑原 洋平、岡田 拓也、山内 貴司、鈴木
学、猫宮 伸佳、斉藤 大貴、今野 裕嗣、那須 敏裕、菅原 誠一、
小林 暦光、渡部 悟、千葉 二三夫、古川 博一
O-25
高除細動閾値症例に対し心外膜パッチリードの追加が有効であった
1 症例
独立行政法人
O-26
国立病院機構 帯広病院 臨床工学 1) 麻酔科 2) 循環器科 3)
○松本 年史 1)、谷口 慎吾 1)、半田 仁美 1)、加藤 裕希 1)、川南
朝井 裕一 2)、尾畑
弘美 3)、青木
真弓 3)
右室ペーシング後の心不全に心臓再同期療法を施行した一例
北海道立子ども総合医療・療育センター 手術部 ME1) 循環器科 2)
○ 平石 英司 1)、佐竹 伸由 1)、中川 博視 1)、高室
横澤 正人 2)
O-27
聡 1)、
基樹 2)、
CARTO Merge System を用いてカテーテルアブレーションを施行
した、左室流出路起源心室頻拍の 1 症例
旭川医科大学病院 診療技術部 臨床工学部門 1) 循環・呼吸・神経病態内科 2)
保健管理センター3)
○山崎 大輔 1)、浜瀬 美希 1)、下斗米
諒 1)、天内 雅人 1)、本吉 宣
1)
1)
1)
也 、南谷 克明 、与坂 定義 、菅原 時人 1)、宗万 孝次 1)、浅野
目 晃 2)、坂本 央 2)、田邊 康子 2)、川村 祐一郎 3)
O-28
当院の心臓電気生理検査・不整脈治療における臨床工学技士の業務
-立会い規制にかかわる初年度の取り組み-
北海道大学病院 診療支援部 ME 機器管理センター
○ 佐々木 亮、太田 稔、前野 幹、寒河江 磨、矢萩 亮児、
五十嵐 まなみ、岡本 花織、石川 勝清、遠田 麻美、竹内
岩崎 毅、島田 未知子、竹田 博明、加藤 伸彦
千尋、
O-29
PMI 後の連日チェックにてペーシング不全、リードの脱落を
回避した1症例
旭川赤十字病院 救急部 臨床工学課 1) 循環器内科 2)
○ 貝沼 宏樹 1)、細矢 泰孝 1)、太田 真也 1)、佐藤 あゆみ 1)、
陶山 真一 1)、奥山 幸典 1)、飛島 和幸 1)、脇田 邦彦 1)、
見田 登 1)、土井 敦 2)
第 2 日目
第2会場(小ホール)
一般演題 循環器2
9:15~10:05
座長 平田 和也(北海道社会保険病院)
O-30
SES 留置後 very late thrombosis による AMI 発症の経験
-AMI における IVUS の有効性-
市立旭川病院
O-31
TERUMO 社 IVUS システム VISIWAVE の操作性評価
市立旭川病院
O-32
臨床工学室 1) 循環器内科 2)
○山口 和也 1)、田中
義範 1)、澤崎 史明 1)、堂野 隆史 1)、窪田 將司
1)
1)
、河田 修一 、鷹橋 浩 1)、石井 良直 2)、奥山 淳 2)、西浦 猛 2)、
井澤 和眞 2)、伊達 歩 2)
臨床器材科 臨床工学室
○ 田中 義範、山口 和也、澤崎
河田 修一、鷹橋 浩
史明、堂野
隆史、窪田
將司、
大動脈ステントグラフト内挿術における臨床工学技士の役割
札幌医科大学附属病院 臨床工学室 1) 第二外科 2)
○ 田村 秀朗 1)、加藤 優 1)、島田 朋和 1)、山口 真依 1)、大村 慶太
1)
、澤田 理加 1)、千原 伸也 1)、長谷川 武生 1)、河江 忠明 1)、
伊藤 寿朗 2)、川原田 修義 2)、栗本 義彦 2)、樋上 哲哉 2)
O-33
心臓再同期療法における心内心電図を用いた至適化法と
リアルタイム 3D エコーとの評価の比較
札幌中央病院
O-34
臨床工学科
○森本 誠二、和田 純、山口 あかり、小笠原 あさみ、毛利
楢山 佳祐、清水 啓介、山名 正和、山本 浩幸
尚弘、
超音波エコーによる術中冠動脈グラフト評価
札幌中央病院
臨床工学科 1) 生理検査科 2) 心臓血管外科 3)
○ 森本 誠二 1)、小笠原 あさみ 1)、毛利 尚弘 1)、山本 浩幸 1)、
澤田 美佳 2)、大澤 久慶 3)、櫻田 卓 3)、荒木 英司 3)
第 2 日目
第2会場(小ホール)
一般演題 血液浄化3
10:05~10:55
座長 渡部 貴之(遠軽厚生病院)
O-35
血液浄化装置 ACH-Σの性能評価
JA 北海道厚生連 遠軽厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
○ 池田 裕晃、大塚 剛史、白瀬 昌宏、伊藤
岡田 功
O-36
直喜 1)、
北楡会 札幌北楡病院 臨床工学技術部
○安藤 誠、横山 純平、小林 慶輔、栗林 芳恵、川西 啓太、小熊 祐
介、山本 千亜希、永田 祐子、松原 憲幸、山野下 賢、月安 啓一郎、
富岡 佑介、住田 知規、小塚 麻紀、土濃塚 広樹
透析装置 TMP 自動追従モード利用による除水時間への影響
市立稚内病院
O-39
慎 1)、山出
チャンバ交換型血液透析回路の検討
特定医療法人
O-38
貴之、
透析監視装置DCS-27によるD-FASの使用経験
医療法人 輪生会 朝里病院 臨床工学部 1)
心臓血管外科 2)
○ 谷道 正義 1)、石井 啓吾 1)、水戸部
越野 督央 2)
O-37
和也、渡部
臨床工学科
○ 森久保 訓、藤田 彩、野口
田中 宰、池田 納
博美、淡路谷
真伊、川俣
一史、
透析用監視装置の定期点検実施とその有用性について
釧路泌尿器科クリニック 血液浄化技術部
○ 斉藤 辰巳、大澤 貞利、山本
久島 貞一
第 2 日目
ランチョンセミナー2
英博、小半
恭央、伊藤
正峰、
第2会場(小ホール)
12:10~13:10
座長 北海道大学病院 手術部 加藤 伸彦 先生
『 実験で見る!電気メスの事故と対策 』
講師 株式会社 アムコ 医科器械部部長 林 照夫 先生
共催 株式会社アムコ
第 2 日目
一般演題
第2会場(小ホール)
ME 管理1
13:20~14:20
座長 岡田 功(遠軽厚生病院)
O-40
当科の心臓カテーテル室業務の変沿と今後の課題について
医療法人サンプラザ 新札幌循環器病院 臨床工学科 1) 循環器内科 2) 心臓血管外科 3)
○ 森本 恭彰 1)、砂山 篤志 1)、佐藤 広樹 1)、海老子 貴弘 1)、
三輪 貴史 1)、菊地 一智 1)、荒道 昭男 1)、塚本 隆裕 2)、
村元 信之介 2)、佐々木 孝 3)
O-41
データベースを用いた臨床用機器管理システム
北海道工業大学大学院 工学研究科 応用電子工学専攻 1)
北海道工業大学 医療工学部 医療福祉工学科 2)
医療法人社団 北腎会 坂泌尿器科病院 3)
○ 渡邉 翔太郎 1)、二口 伊郎 2)、菅原 俊継 2)、黒田 聡 2)、
木村 主幸 2)、有澤 準二 2)、有澤 博明 3)、樋口 雅人 3)、
松崎 智哉 3)、坂 丈敏 3)
O-42
医療機器管理におけるデータ活用の試み
JA北海道厚生連 網走厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
○ 國木 里見、田中 幸菜、片岡 拓也、竹村 務、大河原
森久保 忍、伊藤 貴之
O-43
札幌市内 AED 設置施設の点検調査報告
JA 北海道厚生連 札幌厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
○ 高橋 大樹、小柳 智康、完戸 陽介、笠島
橋本 佳苗、室橋 高男
O-44
良、石川
俊行、
当院における転倒転落防止センサーの使用状況
札幌社会保険総合病院
○山野内
O-45
巧、
亘、小幡
大輔、高井
麻央、小川
輝之、斉藤
徳、真下 泰
心カテ業務に於ける GS1-128 利用による製品使用実績管理の
取り組み
札幌社会保険総合病院 ME部
○小川 輝之、小幡
真下 泰
大輔、山野内
亘、高井
麻央、斉藤
徳、
第 2 日目
一般演題
第2会場(小ホール)
ME 管理2
14:30~15:30
座長 阿部 渉(北海道がんセンター)
O-46
輸液ポンプのヒストリー機能を利用して
~当院での使用状況の報告~
旭川医科大学病院 診療技術部 臨床工学技術部門
○ 浜瀬 美希、下斗米 諒、天内 雅人、本吉 宣也、南谷
山崎 大輔、与坂 定義、菅原 時人、宗万 孝次
O-47
故障点検、院内修理点検時における Infutest の使用経験
旭川医科大学病院 診療技術部 臨床工学技術部門
○ 天内 雅人、浜瀬 美希、下斗米 諒、本吉 宣也、南谷
山崎 大輔、宗万 孝次、与坂 定義、菅原 時人
O-48
消毒剤や環境除菌用品の検証
良、
内視鏡洗滌消毒装置内における水フィルタの使用期間の検討
特定医療法人
O-50
克明、
―材質へ与える影響-
JA北海道厚生連 札幌厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
○ 橋本 佳苗、小柳 智康、高橋 大樹、完戸 陽介、笠島
石川 俊行、室橋 高男
O-49
克明、
北楡会 開成病院 臨床工学技士科
○成瀬 俊一、宮岸 勇樹、清信 一貴、鶴谷
敬之
酸素流量計の保守管理の必要性
特定医療法人
臨床工学科 2)
鳩仁会
札幌中央病院 1)
○楢山 佳祐 1)、山名 正和 1)、清水 啓介 1)、森本 誠二 1)、毛利 尚弘
1)
、小笠原 あさみ 1)、山口 あかり 1)、和田 純 1)、山本 浩幸 1)
O-51
医療機器に用いられるリチウムイオンバッテリーの点検方法に
ついて
旭川医科大学病院 診療技術部 臨床工学技術部門
○ 宗万 孝次、浜瀬 美希、下斗米 諒、天内 雅人、本吉
南谷 克明、山崎 大輔、与坂 定義、菅原 時人
宣也、
第 2 日目 第3会場(201+202 会議室)
一般演題
血液浄化4
9:15~10:05
座長 斉藤 辰巳(釧路泌尿器クリニック)
O-52
旭化成クラレメディカル社製 APS-DSpuls の性能評価
JA 北海道厚生連 遠軽厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
○ 渡部 貴之、池田 裕晃、大塚 剛史、白瀬
岡田 功
O-53
昌宏、伊藤
和也、
APS-15DSplus の性能評価
JA 北海道厚生連 帯広厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
○ 清水 未帆、北澤 和之、郡 将吾、川上 祥碁、山城 州古、小野寺
優人、仲嶋 寛子、小笠原 佳綱、岸本 万寿実、山本 大樹、
柴田 貴幸、大京寺 均、岸部 淳一、阿部 光成、今泉 忠雄
O-54
β2-ミクログロブリン吸着器リクセルS25の1年間臨床評価
仁友会 北彩都病院 臨床工学科 1) 仁友会泌尿器科内科クリニック 2) 腎臓内科 3)
内科 4) 泌尿器科 5)
○山本 勝仁 1)、野尻 誠 1)、堀合 篤史 1)、江幡 俊明 2)、石川 幸広 1)、
井関 竹男 1)、平山 智也 3)、石田 真理 4)、石田 裕則 5)
O-55
ヘモダイアフィルターABH-21F の臨床評価
JA北海道厚生連 倶知安厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
○大宝 洋晶、篠原 知里、植村 勝訓、長澤 英幸、志茂山
O-56
俊雄
東レ・メディカル社製 PS 膜 CX-1.8U の性能評価
JA 北海道厚生連 旭川厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
○ 黒田 恭介、落合 諭輔、谷 亜由美、丸山
松田 訓弘、成田 孝之
雅和、田村
勇輔、
第 2 日目 第3会場(201+202 会議室)
一般演題
手術・その他
10:05~10:55
座長 岸本 万寿実(帯広厚生病院)
O-57
脳腫瘍・脳動脈瘤手術における運動誘発電位(MEP)を用いた
術中モニタリングの検討
市立札幌病院
O-58
臨床工学科 1) 市立札幌病院 脳神経外科 2)
○竹浪 延幸 1)、金野 敦 1)、前中 則武 1)、奥田
高平 篤法 1)、岡 真一 2)、龍上 真良 2)
正穂 1)、進藤
全身型容量結合型対極板の有用性の検討
札幌医科大学附属病院 臨床工学室
○大村 慶太、河江 忠明、長谷川 武生、千原 伸也、田村
山口 真依、島田 朋和、澤田 理加、加藤 優
O-59
尚樹 1)、
秀朗、
医用動画像記録システム Medical Forensic System MFS-S の使用経験
KKR 札幌医療センター 斗南病院 臨床工学科 1) 外科 2)
○木村 佳祐 1)、石田 稔 1)、齋藤 高志 1)、奥芝
俊一 2)
O-60
除菌洗浄剤クリンキーパーと消毒用エタライトの効果及び持続性の
比較検討について
特定医療法人
O-61
北楡会 札幌北楡病院 臨床工学技術部
○栗林 芳恵、富岡 佑介、横山 純平、川西 啓太、小林 慶輔、小熊
祐介、山本 千亜季、永田 祐子、松原 憲幸、山野下 賢、安藤 誠、
月安 啓一郎、住田 知規、小塚 麻紀、土濃塚 広樹
BARD 社製吸引式乳腺組織生検装置の導入に伴う臨床工学技士の
取り組み
札幌社会保険総合病院 ME 部
○高井 麻央、小幡
大輔、山野内
亘、小川
輝之、斉藤
徳、真下 泰
第 2 日目 第3会場(201+202 会議室)
一般演題
血液浄化5
13:20~14:00
座長 千原 伸也(札幌医科大学附属病院)
O-62
体液量(TBW)がクリアランスギャップ(CL-Gap)に与える影響
NTT 東日本札幌病院 臨床工学室
○佐々木 雅敏、須藤 徹、山口
唯、佐藤 健太、石川
桑田 大輔、杉本 親紀、櫻田 克己、高橋 秀一
O-63
DBG-03 における再循環率の精度と有用性
(医)ピエタ会石狩病院 透析室 1) 泌尿器科 2)
○ 高桑 秀明 1)、加藤 敏史 1)、小川 英恵 1)、佐藤
定本 高子 1)、須江 洋一 2)、森川 満 2)
O-64
Vascular
試み
Access
医療法人社団
O-65
健、
Blood
Flow 測定による Vascular
煌生会 北見循環器クリニック 臨床工学科
○ 矢野 由依子、山口 正弘、五嶋 英輔、中矢
村田 祐介、五十嵐 俊仁
利勝 1)、
Access 管理の
敦子、生駒
拓朗、
DCG-03 による再循環率の検討
JA 北海道厚生連 帯広厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
○ 仲嶋 寛子、北澤 和之、郡 将吾、川上 祥碁、山城 州古、清水 未
帆、小野寺 優人、小笠原 佳綱、岸本 万寿実、山本 大樹、柴田 貴
幸、大京寺 均、岸部 淳一、阿部 光成、今泉 忠雄
第 2 日目 第3会場(201+202 会議室)
一般演題 血液浄化6
座長 高桑 秀明(石狩病院)
14:10~15:20
O-66
免疫細胞療法を始めて
特定医療法人
O-67
北楡会 札幌北楡病院 臨床工学技術部
○山野下 賢、住田 知規、横山 純平、小林 慶輔、栗林 芳恵、川西
啓太、小熊 祐介、山本 千亜希、永田 祐子、松原 憲幸、月安 啓一
郎、安藤 誠、富岡 佑介、小塚 麻紀、土濃塚 広樹
C 型慢性肝炎における DFPP 併用 IFN-β先行 PEG-IFNα療法による
HCV-RNA 量の推移の検討
札幌医科大学附属病院 臨床工学室 1) 札幌医科大学 医学部 内科学第四講座 2)
札幌医科大学 医学部 救急・集中治療医学講座 3)
○千原 伸也 1)、澤田 理加 1)、大村 慶太 1)、島田 朋和 1)、山口 真依
1)
、田村 秀朗 1)、長谷川 武生 1)、加藤 優 1)、永島 裕之 2)、宮西 浩
嗣 2)、加藤 淳二 2)、巽 博臣 3)、升田 好樹 3)、今泉 均 3)
O-68
亜急性劇症肝炎における PDF の施行経験
北海道厚生連
O-69
旭川厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
○ 田村 勇輔、黒田 恭介、落合 諭輔、谷
松田
訓弘、成田 孝行
亜由美、丸山
雅和、
中毒性表皮壊死症の増悪時に単純血漿交換を施行し病態が改善した
1 症例
札幌医科大学附属病院 臨床工学室 1) 札幌医科大学医学部 救急・集中治療医学講座 2)
○ 澤田 理加 1)、千原 伸也 1)、大村 慶太 1)、河江 忠明 1)、長谷川 武
生 1)、田村 秀朗 1)、山口 真依 1)、島田 朋和 1)、加藤 優 1)、
後藤 京子 2)、巽 博臣 2)、升田 好樹 2)、今泉 均 2)
O-70
当院における ABO 血液型不適合腎移植
市立札幌病院
O-71
臨床工学科
○ 金野 敦、竹浪
高平 篤法
延幸、前中
則武、奥田
尚樹、
顆粒球吸着除去療法(GMA)における抗凝固剤について
~当院の抗凝固剤 変更患者を調査して~
JA 北海道厚生連 札幌厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
○ 小柳 智康、高橋 大樹、完戸 陽介、笠島
橋本 佳苗、室橋 高男
O-72
正穂、進藤
良、石川
俊行、
小児クローン病に対して顆粒球吸着除去療法を施行した1症例
JA 北海道厚生連 札幌厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
○ 笠島 良、小柳 智康、高橋 大樹、完戸 陽介、石川
橋本 佳苗、室橋 高男
俊行、
第 2 日目 第1会場(107+108 会議室)
閉会の辞
(社)北海道臨床工学技士会 副会長 加藤 伸彦 16:00~
抄 録 集
S1-1 ETRF の管理と諸問題
S1-2 透析液の水質モニタリング
1
いでクリニック
(社)日本臨床工学技士会 WG2(透析液関連)委員
楢村 友隆 1
1
エンドトキシン捕捉フィルター(以下、ETRF)は、きれいな透析液
を担保するために必要不可欠なものとなってきている。透析液製造
工程のデザインを考えるとき、ETRF による汚染物質の除去性能
(LRV : Logarithmic Reduction Value)の概念を用いることで、そ
のシステムが持つ安全性が容易に評価できる。しかしながら、ETRF
についての規格は未だ明確には示されておらず、各施設で取り扱い
条件が異なることからも、単回使用ではない ETRF を長期間に渡って
使用するのは危険である。新品と同じ性能が長期間に渡って維持さ
れるということはないと考えてよいだろう。さらに、多くの施設に
て汎用されている ETRF は、ろ過滅菌用フィルターではないため、そ
の性能は透析液製造工程の管理状況と ETRF の除菌性能・管理状況に
よって大きく左右される。すなわち、ETRF の除菌性能を上回らない
ように ETRF 前の微生物負荷(バイオバーデン)を管理する必要があ
る。
ETRF への前負荷を管理する必要性に関しては ET についても同様
である。
ETRF の性能とそれに入る流体の水質がわからない状態での、
たまたま出口部にて得られた流体の水質のみを議論することは意味
を成さない。さらに、単に値だけを追い求めるのではなく、継続し
うるシステムデザインとして十分成立するかどうか検討したうえで
透析液製造工程のデザインや管理方法を模索する必要がある。ETRF
の性能や寿命は、前負荷や使用している洗浄消毒剤の種類・濃度・
暴露時間などに影響されることから、各施設にて交換時期を適切に
設定し管理していくことが求められる。
本シンポジウムでは、ETRF の基礎について触れたうえで、ETRF の管
理や寿命・交換時期推定のために必要な評価などについて私見を交
え言及したい。
きれいな透析液で透析をしよう。さて、何をどのようにモニタリン
グすることで、その透析液のきれいさが証明できるだろうか。
これまで透析液のきれいさは、生理活性作用の強いエンドトキシン
(以下、ET)を測定し、ETを含まない透析液を清浄化透析液と
呼んできた。しかし、その清浄化透析液中に細菌が含まれているこ
とが報告され、また、国際的動向と相重なり透析液のきれいさは、
細菌を含まない透析液がきれいとされつつある。確かに細菌が多く
存在する透析液では、ET 活性が上昇する危険性が極めて高い。また、
細菌の DNA フラグメントは、容易に透析膜を通過するため、各学会
の指針にはETと細菌の両者に管理基準値が設けられている。
(社)日本透析医学会、統計調査委員会「図説、わが国の慢性透析
療法の現況(2008 年 12 月 31 日現在)
」によると、ET測定を行なっ
ている施設は 87.7%であるのに対し、細菌検査を行っている施設は
54.6%と未だ少ない。透析液のきれいさは細菌数のみでは評価でき
ないが、先ずは細菌数を指標としたモニタリングを行ない、きれい
な透析液の安定供給を目指すべきだろう。では、細菌をどのような
方法でモニタリングするべきだろうか。一般的に用いられるのが培
養法であり、わずか1μmほどの細菌をコロニーとして可視化して
測定する方法である。コロニー形成には分裂増殖時間、培地や温度
などの培養条件がその菌に適することが条件となる。モニタリング
に培養法を用いる場合、培養法の特性を理解した上での評価が必要
になることは言うまでもない。先ずは細菌数のモニタリング方法と
して培養法と、培養を用いない直接顕鏡法を紹介したい。
かいこうクリニック
(社)日本臨床工学技士会 WG2(透析液関連)委員
山本 英則 1
S1-3 透析装置の保守管理の基礎
1
日機装株式会社
真下 貴之 1
1.はじめに
③装置使用後(治療後)点検
近年の技術の進歩の結果、透析装置は安全装置・監視機構が充実し
④定期的な保守点検
誰にでも扱い易くなってきた。しかし装置を長く使い続け、それら
「点検」及び「部品交換」を実施す
の機構が安全に十分に機能するためには日常の保守点検が欠かせな 「保守点検マニュアル」に従い、
る。また、保守点検を実施する際にはチェックの漏れを無くすと共
いものとなっている。
に、点検計画をたてる為に点検記録簿を作成することが望ましい。
2.透析装置の取扱い
①透析装置の使用上の留意点
透析装置の使用前には必ず取扱説明書を読み、操作方法と注意事
項を十分理解したうえで使用する。この時、装置に搭載されている
ソフトウェアのバージョンに対応した取扱説明書を必ず用意する。
また透析開始前には、装置からの液漏れが無いこと、異音が発生し
ていないこと、自己診断テストデータが警報範囲内になっているこ
と、濃度が正常である事、除水量等の設定が正しいことを確認する。
そして、これらに異常が発見された場合、治療を行わず点検、修理
をして正常な状態に戻す事が重要である。
②取扱いの留意点
(1)洗浄と消毒 使用毎に洗浄・消毒を行う。
使用できる薬液は必ず取扱説明書に記載されているものを使用す
る。それ以外のものを使用すると、故障の原因となる事も有るため
十分確認のうえで使用する。
(2)炭酸塩析出防止 長時間の運転により装置内に炭酸塩が析出す
るため、定期的に酢酸で酸洗浄を行う。運転 20 時間毎:酢酸希釈後
濃度 0.3~0.5%(日機装社製 DBB-27 の場合)運転 35 時間毎:酢酸
希釈後濃度 0.5~1.0%(日機装社製 DBB-27 の場合)
3.透析装置の保守点検
透析装置を安全に使用する為に、必ず「保守・点検マニュアル」
に従って定期的に点検及び部品交換を行う。
保守点検作業は下記の様に分類される
①装置使用前(治療前)点検
②装置使用中(治療中)点検
S2-1 人工呼吸療法における臨床工学技士業務について
1
KKR札幌医療センター 臨床工学科
難波 泰弘 1、斉藤 孝明 1、棚田 智之 1、小倉 直弘 1、大宮 裕樹
S2-2 人工呼吸療法における施設の取り組み
~呼吸療法チームの活動について~
1
旭川赤十字病院 救急部 臨床工学課
陶山
真一 1
1
【背景】KKR札幌医療センターは病床数 450 床の急性期病院であ
り、臨床工学技士が人工呼吸器を保守管理している。平成 13 年に厚
生労働省より「生命維持装置である人工呼吸器に関する医療事故防
止対策について」が通知され、人工呼吸器の保守管理業務における
臨床工学技士の役割はますます重要になってきている。今回、当院
の人工呼吸療法における臨床工学技士業務の現状について報告す
る。
【現状】当院の人工呼吸器は ME センターにてムトウテクノス社製、
中央管理システム HOSMA を使用し管理している。返却された人工呼
吸器はMallinckrodt社製PTS2000にて点検を行い、
点検実績はHOSMA
に入力し保管している。
ME センターが開設された 2005 年 7 月~2009
年 6 月までの 4 年間での点検実績は 1219 件である。またオーバーホ
ールはメーカーの研修に参加し、大半は臨床工学技士で実施してい
る。院内の人工呼吸器台数は 7 機種、全 16 台であり、各装置に看護
師が対応できるように、人工呼吸器には簡易マニュアルを添付して
いる。また、看護師対象の勉強会を年間 10 回以上開催している。実
際に稼動中の人工呼吸器に異常や問題が生じた場合には24時間体制
で迅速に対応している。また、人工呼吸療法の安全性向上を図るた
め、集中ケア認定看護師と協力し週 1 回のラウンド点検を開始した。
臨床工学技士と看護師の見地から、装置や患者の状態をお互いに把
握し、連携をとることでインシデントを未然に防ぐよう努力してい
る。院内活動では、医療安全委員会、感染対策委員会、医療材料委
員会に参加し、情報の提示や呼吸器回路変更、人工呼吸器機種の選
定に力を入れ安全、感染、コスト面で貢献できるよう研鑽している。
【結語】臨床工学技士は工学的資質を持つ医療職として、人工呼吸
器の保守管理に努め、安全な使用法を他医療職に伝達していくこと
も重要な役割である。呼吸療法分野において専門的な能力を取得す
るためには膨大な時間と労力が必要である。
当院では,麻酔科医師・看護師・臨床工学技士からなる呼吸療法チ
ームが,院内の呼吸療法に関する教育を集約しておこなっている.
今回は,呼吸療法チーム発足の経緯,現在の活動内容,今後の課題
について紹介する.
【発足の経緯】2006 年,看護部より呼吸療法認定士の資格を取得し
ている看護師が多数いるので,専門的な知識を臨床にフィードバッ
クする仕組みを作ってもらえないだろうかと依頼があり,集中ケア
認定看護師と協議した.その結果,まずは認定士のなかで勉強会を
開催し,認定士のレベルアップをはかり,その後,一般病棟に対し
呼吸療法に関する専門知識と技術・看護の質・危機管理意識の向上
を目的とした活動を展開する目標を掲げ,呼吸療法認定士を集め呼
吸療法研究会という名称でスタートした.
【活動内容】現在の呼吸療法チームの活動内容は,1.院内全体を
対象とした月 1 回の集合教育の開催2.病棟からの呼吸療法や人工
呼吸器に関するコンサルテーション3.医療安全推進室との連携
呼吸療法に関する手技・材料に対する注意喚起,人工呼吸器の警報
教育4.病棟依頼の勉強会5.聴診や肺理学療法,NPPV などの体験
型の勉強会の開催6.呼吸療法認定士取得希望者への試験対策支援
【今後の課題】
1.病棟ラウンド業務への取り組み
2.NPPV 早期導入への取り組み
3.呼吸療法経験の浅い看護師への対応
定期的な集合教育を開始した当初は20人程度の小さな勉強会だっ
たが,現在では毎回80~120人が参加する勉強会となった.院
内における呼吸療法への関心が高くなってきていることを感じてい
る.今後も教育を通じて,患者様にとって安全で快適な医療を提供
していくことが呼吸療法チームの役割と考える.
S2-3 臨床工学技士の専門性 ~臨床における呼吸療法と臨床工学 S2-4 人工呼吸療法の安全管理 ~病院機能評価Ver6の対策と医療
技士の関わり~
機器安全管理責任者の関わり~
1
1
北海道大学病院 診療支援部 ME 機器管理センター
社会福祉法人 函館厚生院 函館五稜郭病院 臨床工学科
寒河江 磨 1、岩崎 毅 1、前野 幹 1、島田 未知子 1、五十嵐 まな
み 1、矢萩 亮児 1、佐々木 亮 1、竹内 千尋 1、遠田 麻美 1、岡本
花織 1、石川 勝清 1、太田 稔 1、加藤 伸彦 1
人工呼吸療法を行う上で臨床工学技士単独での業務の運営は難しく
専門性を持った他職種との連携が必須となる.現在北海道大学病院
には 13 名の臨床工学技士が在籍しており,その内 3 名の 3 学会合同
呼吸療法認定士を含む5名を中心に人工呼吸器業務に当たっている.
その役割としては稼働中人工呼吸器のトラブル発生時の現場での一
時対応,ラウンド点検パトロール,院内講習会開催時の講師等があ
る.この中でも特徴的であると考えられるのが看護師,理学療法士,
臨床工学技士に対する教育体制とラウンド点検パトロールが挙げら
れる.
院内教育体制は医療安全管理部主催の人工呼吸器安全講習と,その
受講者を対象とし人工呼吸器安全講習の上位講習として位置づけら
れる院内認定資格の人工呼吸器安全管理認定者認定講習を2006年度
より行っており,臨床工学技士は医師,理学療法士等と共に講師およ
び試験官を務め昨年度まで約40名の人工呼吸器安全管理認定者が認
定されている.
雲母
公貴 1
当院では 3 機種 13 台の人工呼吸器を使用し治療を行っている。原則
として病棟で人工呼吸器は使用せず集中治療センター(18 床)で管
理する体制をとっている。人工呼吸器装着患者の呼吸管理は各診療
科で行われ、換気モードや各種設定は各科、各医師個別に選択され
ている。人工呼吸器の機器管理は中央化しており、貸し出し、使用、
返却、点検整備、保管のサイクルで運用し、また日常点検、定期点
検、トラブルへの対応、装置の更新などを当科が行っている。
これまでの取り組みとして、機種の統一化、回路のディスポ化、人
工鼻の採用、自動給水加湿チャンバーの採用、閉鎖回路化などを行
ってきた。また、点検表や医師指示表の作成、点検体制の確立、医
師の指示方法の変更など安全管理の体制整備なども行ってきた。し
かし、これらは部署もしくは部署間での取り組みであり、現状とし
て人工呼吸療法を中心とする体系的な整備は進んでおらず、今後の
課題と言える。機能評価 Ver6 では医療機器管理が大項目に新設され
た。
当院では人工呼吸器管理台帳の記録、定期点検計画書、運用や体制
の明文化などの内容が重点的に審査された。また点検や貸し出し返
却の手順から ICU での使用方法を含む一連のマニュアル整備、使用
前機器と使用後機器の明確な区別方法などの要求があり機構側の関
心の高さを感じた。
ラウンド点検パトロールは週一回,医師,保守管理担当の外注業者,
人工呼吸器安全管理認定者,臨床工学技士で院内を巡回し稼働およ
び保管されている人工呼吸器の状況の確認および指導を行っており
2003 年からの累計点検数は 2800 件を超え不具合の発見数は 760 件
(累計点検数の 27%)に上る. 当院において私たち臨床工学技士は
これらの活動を中心に教育と装置側の側面から医師,看護師,理学療 医療水準の向上を目指す病院機能評価の大項目に医療機器管理が新
法士等専門性を持った他職種との連携を図り呼吸療法に関わること 設された事は、対策には苦労するが臨床工学にとっては大変有意義
な事である。
「対策=改善」となる機能評価。方法によっては目指す
により呼吸療法の質の向上に努めている.
業務の確立が加速する大きなチャンスと言える。
今回は当院における人工呼吸療法の安全管理の現状と医療機器安全
管理責任者として迎えた機能評価 Ver6 更新審査の情報・対策を交え
て報告する。
S2-5 当院における人工呼吸器に関わる業務と安全教育
1
社会医療法人 孝仁会 釧路孝人会記念病院
本間
孝幸 1
当臨床工学科は血液浄化業務、ME 機器管理業務、循環器検査業務、
手術室業務、高気圧酸素療法業務の 5 業務を 8 名のスタッフにて対
応している。人工呼吸器については呼吸療法に携わってはいないが、
ME 機器管理業務において、
1. 返却時の清掃、消毒後の終業点検をチェック表にしたがい実施。
2. 回路(蛇管)セット、リークチェックを実施。
3. ラウンド時に使用中(作動中)点検をチェック表にしたがい実施。
4. 異常時 ME センターへ連絡(担当者 PHS 所持)
。 異常時(夜間、
休日)オンコール体制にて、当番スタッフへ連絡(個人携帯電話)
。
5. 定期点検(1 / 6 ヶ月)
。
6. メーカーによる年次点検。
7. 故障 / 修理 対応 。 以上を実施している。
『人工呼吸器に関わる安全教育』
1.人工呼吸器勉強会(院内)5 月下旬~6 月中旬(同内容を 2 回)
。
参加対象:新卒・新規入職看護師 / 看護部指名者、その他 。内容:
人工呼吸器・加湿器の基本 / 使用法 / 不具合時対応。 院内使用
同機器による試作動にての説明 / 質問。 講師:臨床工学技士(ま
たはメーカー研修担当者)
2.新規購入時、貸出機器使用前 説明会(同内容を 2 回)
。 参加対
象:医師/看護師 /その他(当該医療機器を使用する従業者)
。 内
容:対象機器の取扱い説明、トラブル対処法。同機器による試作動
にての説明 / 質問。 講師:メーカー担当者
3.人工呼吸器使用部所からの依頼。 参加対象:依頼部所の当該人
工呼吸器を使用する従業者。 内容:対象人工呼吸器(指定)の使
用法 / 不具合時対応。 院内使用同機器による試作動にての説明 /
質問。 講師:臨床工学技士
W1-1 学生から見た臨床実習
W1-2 臨床実習指導委員会の発足と取り組みについて
1
1
学校法人 西野学園 札幌医療科学専門学校 臨床工学技士科3年
鶴田 博規 1、北出 太良 1、小野寺 雄平 1、佐藤 貴彦 1
心臓血管センター北海道大野病院 臨床工学部
笹盛
幹文 1
【目的】私達実習生が実習において実感した自分たちの問題点を見
直すと共に、実習で学んだことや感じたことなど学生から見た臨床
実習がどのようなものだったかを報告する。
【方法】西野学園札幌医療科学専門学校臨床工学技士科3年生全員
(40名)に対し、様々なアンケート(選択式・記述式)を実施。
【結果】
(1)臨床実習で得たもの「臨床実習で特に学べたものは何
か」というアンケートに対し、コミュニケーションの取り方という
回答が最も多かった。それ以外にも知識的なことや技士としての考
え方などの回答が得られた。
(2)実習生の問題点「実習を終えて自
分の問題点がなんであったと思うか」というアンケートに対し、積
極性、知識不足、集中力といった回答が多くを占めた。
(3)病院側
への要望「実習先でよかった点は何か」というアンケートでは色々
と体験・見学できた、実習先の方が親切にしてくれたという回答が
多かった。その上で「実習先の病院に望むことは何か」というアン
ケートに対しては、もっと色々やりたい・見たい、課題についての
意見などの回答が得られた。
(4)学校側への要望「学校側への要望
は何か」というアンケートに対し、後輩への引き継ぎについて、学
内実習について、授業や教科書についてなどの回答が得られた。
【考察】様々なアンケートを通し、各々多くのことを実習で得られ
たことがわかった。しかし、当然ながら得られたものは学生によっ
て若干違っており、その要因としては学ぼうとする意識の程度の違
いや実習先による業務の違いが考えられる。意識に関しては、1・
2年次からの意識付けや実習に向けた環境作りを学校にはさらに取
り組んでいただければと思う。また、実習先の病院では業務で忙し
い中しっかり受け入れていただいたが、さらに実習のガイドライン
の強化・普及を進めていただき、今後も学生がこれから臨床の現場
に出るにあたっての道標になっていただきたい。
北海道臨床工学技士会は、臨床工学技士を目指す養成校からの実習
生に対して、臨床実習を受け入れる医療機関側の臨床実習指導者が、
臨床現場において標準的かつ統一的な実習指導を行えることを目的
とし、臨床実習指導者として要求される臨床工学に関する最新の知
識・技術の習得及び、より適切な実習指導教育のために、日本臨床
工学技士会主催の第1回実習指導者講習会に臨床実習指導者 1 名を
派遣した。
W1-3 臨床実習に向けての吉田学園医療歯科専門学校での取り組み
W1-4 臨床実習に関わる教育の取り組みと現状・課題について
1
1
吉田学園 医療歯科専門学校 臨床工学科
工藤 元嗣 1、吉岡 鉄史郎 1、松田 成司 1、山内 芳子 1、小山 有
基 1、山田 貴樹 1
平成 16 年に発出された「臨床工学技士養成所指導要領」では、臨床
実習に向けた専任教員数および経験を有する専任教員の増員、臨床
工学実習室設備の拡充や設置すべき機械器具に各種チェッカや救命
処置生体シミュレータ等の設置が追加された。
しかし、単位認定科目においては医学系科目と工学系科目の単位の
うち後者にやや比重がおかれている。当校では充実した機器設備や
増員された専任教員により、少ない医学系科目(または実習)にお
いて臨床実習に向けた学生教育の充実を図るため、学生自身に主体
性を持たせるための実習プログラムに加え、指導体制の強化を画策
した。
さらに、より学内実習で技術・知識を深めた状態で臨床実習に望む
ことを目的とし、実習時期を他校より遅い卒業年度の 9~10 月に置
いた。これらの取り組みによる得られたことから、今後はシミュレ
ーションセンタなどの施設の利用や新たな取り組みを模索し、学生
の将来のための教育を目指し取り組んでいきたい。
2006 年 11 月 20 日、札幌において道内の各施設から選ばれた臨床実
習指導者が集まり、第 1 回の会合を行い北海道臨床工学技士会内に
臨床実習指導委員会が発足した。領域としては血液浄化、集中治療
室、体外循環、医療機器管理、高気圧酸素治療、心臓カテーテル心
臓ペーシングの 6 領域に分担され、
「臨床実習指導指針」と「実習前
に身につけておくべき知識」の作製を開始した。
2007 年 3 月に臨床実習指導指針(案)としてホームページ上で公開
し、29 施設に配布した。また 2009 年 7 月には、臨床実習指導指針
(案)の改訂版となる、臨床実習指導ガイドライン Version1 として
公開し、現在 11 施設に配布した。このガイドラインはさらに完成度
を高めていくために配布施設にアンケートの記入に協力して頂いて
いる。アンケート結果は当日に報告する。
学校法人産業技術学園 北海道ハイテクノロジー専門学校
臨床工学技士学科
山内 良司 1
本学園は、母体である滋慶学園グループのミッションとして「職業
教育を通じて社会に貢献する」ことを基に「実学教育」
「人間教育」
「国際教育」を建学の理念とし、この三本を柱に据えた教育を展開
し、業界の変革・進展に応じて要望される人材育成を目標に掲げて
いる。
その実学教育を実践するために、専門職として必要な知識を講義で
養い、その知識をいかに学内外での実習に結びつけ技術を身につけ
るかということが重要と考え、また、単に知識と技術に優れている
だけではなく、社会人・医療人としての「身構え・気構え・心構え」
を身につけ倫理観や豊かな心を育むための人間教育に力を入れ、さ
らには国際化を意識した幅広い人材育成のために国際教育を積極的
に進めている。
現在本学科ではこのような人材育成実現のために、プレカレッジと
して入学前より医療職としての心構え等のセミナーを実施し、入学
後はカリキュラム外で学習面・生活面など様々な視点から見た内容
の講義を実施し、在学期間中の日常的な生活習慣からの細やかな指
導を行うことで業界が求める感性を養い、人間的にも即戦力となる
よう教育に力を注いでいる。
ただ、学生全体が臨床実習実施時までに、講義で学んだ多くの知識
を有機的に活かせず、また人間教育という点においても不安がある
のは否めず、臨床実習を受け入れして頂いている施設・臨床実習指
導者の方々にも、学生全員の準備が完璧な状況で依頼が出来ていな
いのも現状であり、これからの大きな課題の一つと考えている。
現在その課題解決のため、平成21年度よりカリキュラム変更を行
い、1年次より医療職に対する意識を高め、感性を磨くための人間
教育関連の科目を充実させ、限られた学校生活・カリキュラムの中
で必要な知識・技術をより確実に身に付けると同時に人間性を磨き、
より実習が効率良く実施されるよう、今後さらに学内での対策に取
り組みたいと考えている。
W1-5 臨床実習報告
W1-6 よりよい臨床実習をめざして
1
北海道工業大学 医療工学部 医療福祉工学科
学校法人 西野学園 札幌医療科学専門学校
菅原 直行 1、田村 優一 1、岡本 康志 1、越後 敦 1、横山 徹 1、
阿部 雅幸 1
佐々木 正巳 1,木村 主幸 1,黒田聡 1,山下政司 1,清水久恵 1,
菅原 俊継 1
【はじめに】今年度における当校の臨床実習期間は、平成21年7
月17日~平成21年9月4日の24日間であり、臨床実習に向け
て当校での取り組みや実習中の対応、実習後の学生評価や今後の課
題について報告する。
【実習前指導】臨床実習に向けての取り組みは、学内実習では血液
浄化実習、人工心肺装置実習があり、実習先病院の技士長が指導者
となっている。実習前教育では学内実習での評価で指摘されたこと
について強化している。また実習病院の事前訪問による課題を勉学
させている。
【実習評価】臨床実習における学生の評価は、実習指導者による評
価、本校専任教員による評価、出席状況の3つの側面を基本として
行っているが、標準の基準や評価尺度をどのように設定するか難し
い面もあり、施設によって差があるのが現状である。
【反省と課題】実習巡回及び実習終了時に指導者から指摘された事
項については、目的意識の不足、実習日誌の記載内容の不足、コミ
ュニケーション能力の不足、接遇面、学生間の申し送りがあげられ
た。これらの今後の改善策について報告する。
【まとめ】実習指導者の要望や意見は、学園や学科教員に報告する
とともに当校で改善できる点については来年度に向けた取り組みを
実施していく。また、臨床実習の充実に向けた方策では、学生の到
達度の適正評価について、到達目標には学内で達成できること、臨
床実習でしかできないことがあるため、実習前にこれらを明確にし
ておく必要がある。 事前に学生指導上、留意すべきことを共有し、
教員と実習指導者の役割分担を確認しておくことが重要であると考
える。
本学では、臨床工学技士を養成するための医工連携教育を基本とし
たカリキュラムを構成し、学生の教育・指導にあたっている。その
成果の一端が臨床実習で試されることになるが、毎年様々な問題点
や反省点が浮かび上がってくる。それらを分析して改善案を練ると
共に、臨床実習指導ガイドラインも参考にしながら何度かカリキュ
ラムの改訂を行ってきた。その結果、臨床実習を希望する学生は増
えてきたが、医療に従事する者としての自覚を持たせるという点で
は、まだ不十分なところがある。
よりよい臨床実習ということを考えた場合、一つのミスも許されな
い臨床現場の緊張感と厳しさを、時には怒られながらも身をもって
体験させることが、学生にとって教育上必要と考える。これは、学
生が自分の将来と正面から向き合うには必要不可欠と考えるからで
ある。一方で、自分の行った行為に対して患者様から感謝されると
いう実体験も、教育上重要な要素と考える。その喜びと感動が、医
療に従事する者としての自覚を深め、仕事に対する意欲へ繋がると
考えるからである。
本学では臨床実習後の1年間、総ての学生が卒業研究を履修する。
ここでは、問題点の発掘・分析、問題解決のための方法論の提案、
その方法論に対する議論や実験を通した検証、そして最後は自分た
ちが得た成果を筋道立てて体裁よくまとめて発表するという研究課
程を経験する。少人数ながらも一つのテーマにチームで挑んでいく
ため、協調性や連帯感も重要な要素となる。現在でも医工連携を強
く意識した卒業研究テーマがあるが、将来的には臨床実習に参加し
た学生自らが臨床実習の経験を活かして新たな卒業研究テーマを発
掘し、取り組めるような体制も整えていきたいと考えている。これ
により、これまでとは違った臨床実習のあり方が生み出される可能
性もある。さらに、その卒業研究の成果を臨床の現場にフィードバ
ックすることで活かして頂いたり、引き続き大学がバックアップす
ることで効果を高めていくことも可能と考える。このような、臨床
実習と卒業研究を核とした医工連携を北海道で推進していく一翼を
本学が担っていければと考える。
W1-7 臨床実習をふりかえる
1
医療法人 王子総合病院 医療技術部 臨床工学科
宮崎 俊治 1
臨床実習へ向けて事前に養成校で学習したこと、臨床の場でどのよ
うな事を実感したかをふりかえり報告し、現在の自分が考える複数
の施設実習の有益性について述べる。
臨床実習に臨むにあたり、事前に養成校にて各業務内容・実習生と
しての心構え等の対策を数カ月間実習形式で講じてもらった。対策
として、実際に医療現場で使用されている機器を用いた操作方法や
臨床で必要とされる基礎知識・専門用語の略語などの知識を学習し
実習に臨んだ。
臨床実習では、養成校では経験することのできない事の一つとして
患者さまに接する機会があり、事前実習で教わった様々な知識・技
術の先には常に患者さまがいるということを実感することができ、
臨床工学技士としての責任の重大性を感じた。また臨床実習を通し
て現場の技士の方々から、臨床工学技士として必要な実践能力を身
につけることへの探求心、チーム医療の一員としての自覚・責任を
持つことの重要性について学習した。
臨床実習を終えて、自分自身の知識・技術の無さを痛感するととも
に臨床実習を有意義なものにするためには、事前準備はもちろん現
場では能動的に行動し、実習をさせていただくという感謝の気持ち
を心に留め実習に臨むべきであると感じた。また医療技術は日々進
化しており、臨床工学技士に求められる責務は多岐に亘っており常
日頃からその情報に耳を傾け知識・技術の習得を怠ってはいけない
ことも現場で働いている技士の方々から実感することができた。
複数の施設を見学・実習する貴重な機会を得たため、施設ごとに同
じ業務内容に従事していても医師・看護師・コメディカルの方々と
の関わり方、臨床工学技士としてのアプローチ方法に違いがあるこ
とがわかり、医療現場では臨床工学技士として幅広い見識・知識・
技術を習得することの必要性も感じた。これにより臨床実習は複数
の施設を見学・実習することは有益ではないかと考える。
W2-1 当院の医療機器安全管理体制の現状と問題点
W2-2 ME機器管理センターの役割
1
1
市立札幌病院 臨床工学科
北海道大学病院 ME 機器管理センター
高平 篤法 1、竹浪 延幸 1、金野 敦 1、前中 則武 1、奥田 正穂 1、 加藤 伸彦 1、太田 稔 1、寒河江 磨 1、岩崎 毅 1、矢萩 亮児 1、
進藤 尚樹 1
五十嵐 まなみ 1、島田 未知子 1、竹内 千尋 1、遠田 麻美 1、
前野 幹 1、佐々木 亮 1、岡本 花織 1、石川 勝清 1
【はじめに】現在の医療は色々な医療機器が使用されており、保守
不良、操作ミスによる医療事故が多く報告され、近年の医療事故を
ふまえて医療法一部改正が行なわれた。今回、それに対する当院の
医療機器安全管理体制の現状、その問題点を考察し、今後の体制の
方向性を検討した。
【医療機器安全管理体制の現状】当院では医療機器安全管理責任者
を副院長とし、実務は臨床工学科があたっている。医療機器の研修
は、単独あるいは他の研修会の一部として行い、記録を臨床工学科
で管理している。医療機器の保守点検計画の策定及び点検の実施は、
年度ごとに計画を更新し、点検記録を残している。安全使用のため
に必要となる情報収集等は、添付文書等を臨床工学科で一元管理し、
医療機器に係る情報等の通達はイントラメールを利用して行なって
いる。
【現状の問題点】臨床工学科が関与しない研修や、医療機器に関連
する研修という認識ができない院外研修などは記録が残らないケー
スもある。保守点検計画は年度ごとに策定されているが点検実施率
は 100%ではなく、点検記録提出率も 100%に満たない。医療機器に係
る安全情報等の通達は各部署へ行なっているが末端までの周知に対
する評価ができていない。
【考察】研修記録の記載事項が網羅されているだけでなく、資料の
保管も行なうべきと考える。また、研修報告の漏れを少なくするた
めの周知法の検討が必要である。機器点検は、患者に影響を及ぼす
機器の点検漏れが無いように管理が必要で、点検法や外部委託契約
の見直しをすべきと考えられた。安全情報の周知は、機器使用に関
連するスタッフへ浸透する方法を検討すべきと考える。
【まとめ】当院の医療機器安全管理体制の現状と問題点を報告した。
研修記録提出率、点検実施率、点検報告書提出率 100%を目標とした
対策が必要である。点検の必要性や安全情報等が機器使用に関連す
るスタッフへ浸透する方法を検討すべきである。
北海道大学病院では医療機器の中央管理部門である ME 機器管理セ
ンターを 2005 年 3 月に設立し、2009 年 10 月現在 2339 台の院内医
療機器を中央管理している。
W2-3 当院におけるME機器中央管理の現況
W2-4 病院機能評価 Ver6 取得に向けた取り組み
1
1
医療法人 渓仁会
手稲渓仁会病院 臨床工学部
渡部 悟 1、山内 貴司 1、鈴木 学 1、猫宮 伸佳 1、斉藤 大貴 1、
今野 裕嗣 1、那須 敏裕 1、菅原 誠一 1、根本 貴史 1、
小林 暦光 1、千葉 直樹 1、千葉 二三夫 1、古川 博一 1
【はじめに】当臨床工学部は 1989 年 12 月より、ME機器中央管理
業務を開始した。また、当施設は 2000 年に ISO9001 の認証を取得し、
2005 年には病院機能評価(ver.4.0)の認定を取得している。当部での
ME機器管理の現状及び問題点について検討したので報告する。
【方法】当部ではシリンジポンプ・輸液ポンプ・人工呼吸器を中心
に 1313 台の医療機器を中央管理しており、ME機器管理として、安
全点検・定期点検を実施しつつ、市販のME機器管理ソフトを使用
し、管理帳票、点検周期、点検結果、修理実績等を一元管理してい
る。機器の貸出返却は、使用部署のスタッフが当部に来室しコンピ
ュータへ貸出/返却登録を行った上で行っている。なお、機器貸出は
点検済みの機器を持ち出すことが常時可能となっている。さらに、
機器点検業務にローテーションで配置し、返却機器の点検、修理機
器の対応及び病棟未使用機器の回収等を行っている。また、他の臨
床業務を担当する部員も業務終了次第、機器点検業務に積極的に加
わっている。
【結果・考察】ME機器管理における臨床工学技士の役割は、ME
機器の安全性及び性能精度が保たれた機器を提供することである。
その実現には、機器の安全使用を目的とした点検の実施、他部門へ
の教育啓蒙活動が不可欠であると思われる。しかし、当部は臨床技
術提供を部員全員の短期ローテーション業務で対応しているため、
臨床業務多忙の場合、日常の機器管理業務人員確保に難渋すること
がある。したがって、医療機器メーカーとの連携を強化するととも
に、臨床工学技士が中心となって他部門との協力体制の構築するこ
とにより、効率的かつ安全性が保たれた機器管理を日々実現するこ
とが可能になると考えられた。
【まとめ】院内の適正かつ安全なME機器管理を行うためには、限
られた人数での効率的な機器管理を目指した様々な努力が必要であ
ると考えられた。
ME 機器管理センターは中央診療施設の一部門として位置づけられて
おり、その規模は総面積 369.1m2である。ここでの業務は医療機
器の保守管理のみならず医療機器の購入から廃棄にいたるまでの管
理、医療スタッフへの安全教育、臨床技術の提供等、医療機器に関
係する全ての業務を行っている。
スタッフは臨床工学技士 13 名、保守管理担当外注職員 5 名、医療機
器洗浄、清拭スタッフ 2 名、事務職員 1 名であり臨床工学技士は臨
床業務、医療機器保守管理に関しては臨床工学技士の管理の下外注
職員が中心となり行っている。
我々が行っている医療機器管理の特徴として、専門スタッフによる
徹底した感染管理、精度の高い医療機器点検、安全管理部との連携
によるスタッフ安全教育があげられる。2007 年の医療法改正に伴い
医療機器の管理は益々重要になってきており今後さらに重要度は加
速されると考えられる。
このようなことからも医療機関内で唯一の医療機器の専門家である
臨床工学技士の役割が重要になる。 今回「本音で話そう ME 機器管
理」というテーマをいただきましたが、これまで我々が行ってきた
医療機器管理に関する業務を紹介し、今後、医療機器管理をどうす
べきか意見交換できればと考えます。
北海道社会保険病院 ME 部
寺島 斉 1
【はじめに】2004 年の病院機能評価 Ver4取得後、本年は更新年と
なり当初 Ver5 での更新を目標とし準備を始めたが、
検討の結果 Ver6
を取得となった。Ver6 では医療機器管理の評価が、これまでの第 6
領域「施設・設備管理」から第 4 領域の「医療提供の組織と運営」
中の「医療機器管理」部門として新設された。また、各部門の評価
にも機器管理に関する項目があり、臨床工学技士が関わる範囲が広
がった。当院での取り組みについてまとめたので報告する。
【取り組み】前回機能評価取得の時に、全ての医療機器ではないが
中央管理を行っており、保守管理業務マニュアル、各機器の点検マ
ニュアルなどの作成、保守点検は行っていた。2007 年の医療法改正
により、医療機器安全管理責任者の配置、保守点検計画の策定、研
修、情報収集が義務明文化され、これに対応出来るように業務を行
っていた。今まで作成してきた各マニュアル、保守点検計画の見直
しを行った。ICCU、NICU、Ope 室に配置されている医療機器の部門
別リスト、定期点検予定表を作成し、スタッフが機器の保守管理体
制が分かりやすいように配慮した。また、各病棟・外来などに配置
の機器で、当部での保守点検計画に入っていない機器の点検依頼に
対応した。
【保守管理業務の状況】貸出機器として、シリンジ・輸液ポンプ、
ベットサイドモニタ、人工呼吸器などがあり、使用後点検、定期点
検を当部で行っている。人工呼吸器に関しては、回路組立、使用前、
使用中、使用後点検は当部で行い、定期点検、オーバーホールはメ
ーカに依頼している。人工心肺装置、人工透析関連装置は、始業、
終業、定期点検を当部で行い、併せてメーカに依頼し、定期点検、
オーバーホールを行っている。
【結語】中間結果報告では、機器管理機能に関して臨床工学技士が
関わっている部門全て「4」評価であったが、質改善への取り組み
の部分で個別に記録が残されておらず「3」評価であった。
W2-5 医療監視および病院機能評価 Ver6 取得に向けた ME 機器管理
の取り組み
1
市立旭川病院 臨床工学室
鷹橋 浩 1、河田 修一 1、窪田 將司 1、堂野 隆史 1、山口 和也 1、
田中 義範 1、米坂 直子 1
【緒言】2007 年、薬事法改正により、医療機器安全管理責任者の配
置、機器の保守管理、教育、情報収集が明文化され、保健所が年 1
回実施する医療監視時にはその実態を説明しなければならない。ま
た、当院は 2002 年に病院機能評価 Ver3 を取得し、本年は更新年と
なり『Ver5』
、
『Ver6』何れを受けるか検討した結果 Ver6 を取得する
事となった。Ver6 は全体的に見ると評価項目が少ないが、ME 機器管
理部門が新設され、臨床工学技士が関わる分野は増加している。そ
こで当院で改善した事例についてまとめた。
【機器の中央化】前回機能評価を受けた時点で、ある程度の機器は
中央化されており、点検も実施していたが、Ver6 では病棟に設置し
ている ME 機器が点検されているかが加わった。そのため看護部から
各師長に病棟で保有する機器は点検する旨の通達がなされた。その
後各師長から当科へ機器の資産移管、点検依頼が殺到し、病棟で埋
もれていた(我々の解らなかった)機器の発掘、中央管理化が進行
した。
【機器の点検】シリンジポンプなどの借用機器は、終業(返却時)
点検、定期点検を当科で実施している。また、呼吸器は回路組立時
に当科で点検し、使用中、使用後点検は看護師が実施、定期点検は
メーカに委託している。人工心肺装置は、始業、終業点検、定期点
検を当科で行い、メーカによる定期点検も実施。透析関係は始業点
検、定期点検を当科で行い、メーカによるオーバーホール(3 年/1
回)を実施している。
【指摘事項】医療監視で指摘された事項は、病棟で使用している機
器はそれぞれ点検台帳に添付文書を保管していたが、器材関係の添
付文書を保管、提示しなかったため、そちらも保管した方が良いと
の指摘を受けた。また機能評価では貸出機器と点検中の機器の区別
が分かりにくいとの指摘を受け、それぞれ改善した。
【結語】機能評
価中間報告で臨床工学室が関与している部分は全て『評価 4』であっ
た。
O-1 下肢閉塞性動脈硬化症手術直後の透析方法について
O-2 シャント PTA 用シースの考案及び臨床評価
1
1
(医)ピエタ会石狩病院 透析室、2 泌尿器科
旭川医科大学病院 診療技術部 臨床工学技術部門
宗万 孝次 1、浜瀬 美希 1、下斗米 諒 1、天内 雅人 1、本吉 宣也 黒田 篤 1、酒井 由起 1、加藤 敏史 1、小川 英恵 1、佐藤 利勝 1、
須江 洋一 2、森川 満 2
、南谷 克明 1、山崎 大輔 1、与坂 定義 1、菅原 時人 1
1
【背景】当院では、下肢閉塞性動脈硬化症に対する手術が多く、透
析患者においても全国からバイパス手術及び血管内治療目的にて多
数入院される。我々は、それらの症例に対しバイパス手術等の治療
前後に維持透析を実施しているが、
(それらの症例は)心疾患の合併
も多く、周術期の血液透析は循環動態の変動も大きいため透析実施
に関して難渋することが多い。
【目的】シャント PTA 後に使用したシースを抜去せずに脱血側、返
血側ルートにしてそのまま使用できるウルトラハイフローシースを
考案し使用していたが、シース挿入部位において血管壁へのへばり
つきによる脱血不良を経験した。そこで問題点を検討し新しいシー
ス(ウルトラハイフローシース側孔付)を考案した。また、その性
能・操作性について従来のものと比較検討を行ったので報告する。
【検討内容】手術直後の血液透析に関し、当院での血液透析方法に 【方法】ウルトラハイフローシース側孔付の 4Fr・5Fr、側孔なし 5Fr
の3種類を、用い温水ではあるが流量試験として 100・150・200・
ついてまとめたので報告する。
250ml/min の実流量を測定し同様に流量を変化させて回路内圧の測
【現状と工夫点】当院では、平均 7~8 名の透析患者が入院している 定を行った。さらに、シース先端部を側孔付にしたことによる強度
が、
2008 年度の第一外科入院の透析患者は 68 名で平均 5.7 名/月で 低下を考慮し、バルーンの引き抜き試験も同時に行った。
あった。動脈閉塞に対する 2008 年度の手術は約 150 例/年で、手術
直後は原則として集中治療部に入室し翌日血液透析を実施してい 【結果】温水試験では、250ml/min で若干の実流量低下がみられた
る。手術直後は、原則として血液透析を選択し上記モニター以外に ものの、十分な流量が得られ圧の上昇も見られなかった。また、2
手術中の水分バランスを麻酔記録より確認しスケールベットにて体 0例ほどの臨床試験では、通常の条件下での透析が行え、血流不足
重測定を実施している。手術直後の初日は原則除水無しとしている。 の改善も見られた。操作性にも優れ、安全性にも問題はなかった。
また、血管透過性の亢進により間質浮腫が予想されるため、グリセ
オールにて血液回路を充填し残りのグリセオールを透析中に回路に 【考察】ウルトラハイフローシース側孔付は、透析に使用する際、
注入している。必要に応じて除水や透析時間を決定し、循環動態が 脱血・返血側ルートとして十分に有用である。
不安定で血液透析が実施出来ない場合には、すぐ血液透析は中止し
翌日に血液透析を実施することとしている。
【結語】当院で下肢閉塞性動脈硬化症に対する手術を行った維持透
析患者の手術直後の血液透析についてまとめた。心機能の低下して
いる症例も多く、手術直後であるため血管透過性の亢進と思われる
血管内脱水が原因の血圧低下をよく経験するため、対応策について
まとめた。
O-3 無症候性透析患者に対する心血管スクリーニング結果の検討
O-4 当院における PTA の現状と今後の展望
1
1
北海道社会保険病院 ME 部
大沢 卓爾 1 、寺島
原田 祐輔 1、山際
斉 1 、多羽田 雅樹 1 、平田
誠一 1、前
祥太 1
医療法人社団 進和会 旭川リハビリテーション病院
透析センター
和也 1 、 渡部 英典 1、高橋 竜平 1、相川 武司 1、木村 吉治 1
【背景】透析患者の死因の約 40%は心血管疾患によるものであるが、
心血管病変を有していても典型的な症状を呈しないことが多く、症
状を訴えて受診した時には既に治療困難に近い状態まで病変が進行
しているケースも少なくない。
【はじめに】当院は 2007 年 4 月より透析センターを開設し、患者数
も徐々に増加すると同時に PTA の件数も増加してきた。現在、臨床
工学技士が PTA の物品準備、治療補助を行っており、現在までの治
療経験と今後の展望について報告する。
【目的】無症候性透析患者の心血管スクリーニングを行い、早期発
見・早期治療を行うことにより、予後が改善するか検討したので報
告する。
【対象・方法】2006 年 10 月から 2007 年 9 月の間に、無症候
性透析患者 187 名(年齢 64.3±11.6 歳、男性 107 名、透析歴 72.0
±68.7 ヶ月)に対し心血管スクリーニング(問診、心電図、ABI、
心エコー、心筋負荷 MRI)を行った。スクリーニングの結果、心血管
病変が疑われる患者には冠動脈造影検査を施行し、有意狭窄があっ
た患者に対し、経皮的冠動脈形成術(PCI)
・冠動脈バイパス術(CABG)
を施行し、その後の経過を検討した。
【対象】
2007 年 4 月から 2009 年 10 月までに PTA を行った 27 件の分
析、検討を行った。
【結果】PTA 施工の原因は脱血不良やシャント音異常が多かった。シ
ャント造影後にカンファレンスと準備を行い数日後に PTA を施行し
た。造影直後に治療を行ったのは1件のみだった。1年以上の開存
率は 27 件中 2 件であり、13 件が再狭窄であった。PTA 施行後にシャ
ントを再建したのは 5 件であった。シースのみ挿入して PTA を行え
なかったのは 2 件あった。
【考察】今までの成績より再狭窄で PTA を施行することが多く、術
後や PTA 後に定期的なシャント造影を行い確認することが必要であ
る。また、当院は他院から転院してくる患者様も多いので転院後の
シャント造影も必要となってくる。目視的に狭窄やシャント音異常
がある場合は早目の対応が開存率を向上させると思われる。シャン
1 回の PTA で血管が形成され
【考察】今回のスクリーニングで無症候性透析患者の約 1/4 に心血 トを作成時から変性している患者様は、
管病変があることが認められた。無症候性透析患者においても、ABI、 ると開存期が長くなると考えられる。
糖尿病、高コレステロール血症は心血管病変の有無と深く相関して
【おわりに】今後は超高耐圧バルーンや血栓吸引カテーテルの使用、
いることが示唆された。
シャントカルテ等の作成でシャント管理を向上させていきたい。
【結語】無症候性透析患者に対し心血管スクリーニングを行うこと
により、早期発見・早期治療を施すことができ、長期予後を改善さ
せる可能性が示唆された。
【結果】冠動脈に有意狭窄があったのは 42 名で、PCI を施行したの
は 25 名、CABG を施行したのは 6 名であった。1 年後の標的病変血行
再建率(TLR)は PCI を施行した群では 5.7%で、CABG を施行した群
では 0%であった。
O-5 当院におけるバスキュラーアクセス管理
O-6 QCX-500L を用いた透析液戻り口ライン洗浄の有効性
1
社会医療法人 孝仁会 留萌セントラルクリニック 臨床工学科、 1NTT 東日本札幌病院 臨床工学室
看護
佐々木 雅敏 1、須藤 徹 1、山口 唯 1、佐藤 健太 1、石川 健 1、
斎藤 寿 1、小笠原 隼人 1、多屋 俊二 2、次木 さおり 2、
克己 1、高橋 秀一 1
下田 智美 2
桑田 大輔 1、杉本 親紀 1、櫻田
2
【目的】血液透析患者において、バスキュラーアクセス(VA)は必
要不可欠であり血液透析患者の生命線の一つである。当院では、VA
トラブルの早期発見、
VA の長期開存を目的として VA 管理プロトコル
を作成し運用した。
【方法】透析前の触診、聴診。透析中の脱血状態、静脈圧。透析後
の触診、聴診、止血時間。以上何れか 3 回連続異常時にはエコー、
または MRA。1 ヶ月毎の透析効率評価。1 年毎のエコー検査。VA トラ
ブル時には、血管造影からインターベーション治療(IVT)
、または
VA 再作成。IVT3ヶ月後のエコー。VA 作成後 3 ヶ月後の MRA。と、透
析毎の基本的な確認、エコー、MRA をスクリーニングとしたプロトコ
ルとした。
【結果】透析前の狭窄音、透析中の脱血不良、静脈圧上昇等で、VA
トラブルを発見した 4 名の患者に、エコー、MRA にて狭窄部位の確認
し IVT を施行した。1 名は、エコーでは、明らかな狭窄特定できず、
MRA で狭窄確認。その後 5 回の IVT を繰り返した。1 名は、計 4 回目
に作成された VA(人工血管)で、8 回の VA トラブルを繰り返し、ス
テント 5 個挿入し、同一 VA の開存が保たれている。
【考察】VA 管理では、透析毎のシャント音の聴診、脱血状態の確認
など、基本的な観察がトラブルの早期発見に最も大切である。透析
毎の確認事項を明確にする事で、スタッフ間の意識の統一が計られ
た。VA トラブル疑い時には、プロトコルにのっとり、エコー、MRA
を施行、トラブル確認時には、血管造影から IVT と速やかな対応が
取る事が出来た。また、エコー、MRA は何れも低侵襲検査であり、エ
コーではシャント流量の測定、狭窄病変、石灰化等の器質的病変の
確認に有用であり、
MRA では広範囲な領域でのシャント血管走行の確
認が可能であった。今後も継続する事で、シャント血流量の変化、
エコー、MRA の経時的な画像の比較で、中長期的な管理にも有用だと
思われた。
【目的】透析液戻り口ラインにおいて、日常の洗浄で除去しきれな
い付着物に対して、QCX-500L を用いたスポット洗浄を行い、その有
効性を検討する。
【方法】1.透析液戻り口ラインの付着物が顕著な透析装置を対象
にスポット洗浄を行い、付着物の除去効果を目視にて確認した。2.
透析液戻り口ラインの洗浄前後での生菌培養および装置内部品の影
響を確認した。3.透析液戻り口ラインを 1.次亜塩素酸 Na(NaClO)
1200ppm、6000ppm2.NaClO6000ppm+QCX-500L5倍希釈、10 倍希釈 3.
ヘモクリーン(過酢酸系洗浄剤)100 倍希釈、4.クリネード-502(非
イオン界面活性剤含有過酢酸系洗浄剤)50 倍希釈にて浸漬し、2 時
間、16 時間後に PAS による染色試験を行った。
【結果】付着物は蛋白質、脂質、糖質成分を含む有機物であり、細
菌繁殖の温床となっていたが、QCX-500L+NaClO でのスポット洗浄に
より、通常の洗浄では除去できなかった透析液戻り口ラインの付着
物の除去が可能であった。
【考察】
NaClO は有機物存在下では有機物を酸化分解するために残留
塩素を消費することで経時的に消毒効果が低下してしまうが、
QCX-500L の主成分である非イオン界面活性剤が添加されたことによ
り、界面活性剤自体の有機物の洗浄作用と、NaClO の洗浄力の低下軽
減によって、除去が可能になったと思われる。
【結語】付着物は一度付着すると従来の洗浄では除去することが難
しく、QCX-500L を用いた透析液戻り口ラインのスポット洗浄は有効
である。
O-7 人工透析用洗浄剤(過酢酸系)クリネード 502 の希釈倍率の
違いによる臨床評価
1
仁友会 北彩都病院 臨床工学科、
2
仁友会泌尿器科内科クリニック 臨床工学科、3 内科、4 泌尿器科
清水 良 1、阿部 博明 1、山本 勝仁 1、江幡 俊明 2、中谷 隆浩 1、
石川 幸広 1、井関 竹男 1、石田 真理 3、石田 裕則 4
O-8 血液透析用RO水清浄化への取り組み-配管変更後-
【目的】クリネード 502 を使用し透析供給装置3台にて希釈倍率を
100,150,200 倍としエンドトキシン(以下 ET)濃度・生菌数とダイ
アライザーホース排液側に付着した異物剥離効果、又新品ホースへ
交換後の異物付着状況を観察し、希釈倍率の違いによる変化がある
か調査した。
【方法】調査期間:約3ヶ月、1.ET 濃度と生菌数は透析供給装置出
側の ET 捕捉フィルター(以下 ETRF)前と透析モニターの ETRF 前を
サンプリングして比較した。2.異物剥離効果の判定は各透析室末端
部の透析モニター計5台にてダイアライザーホースを交換せず観
察・比較した。3.異物付着防止効果の判定は各透析室末端部の透析
モニター計5台にてダイアライザーホースを交換して観察・比較し
た。
【結果】1.透析供給装置出側及び透析モニター部の ET 濃度は良好な
結果が得られた。
2.ダイアライザーホースの異物剥離については 100
倍希釈にて効果が得られた。3.新品ダイアライザーホースへの異物
付着については 3 希釈倍率とも付着防止効果が得られた。
【考察】現在、生菌値は透析液に関したガイドラインをクリアして
いるものの、透析供給装置出側及び透析モニター部の生菌数と 150・
200 倍希釈の異物剥離効果は継続した観察が必要と思われた。
【まとめ】クリネード 502 は 1 剤による安全な洗浄が期待出来、継
続した経過観察をして希釈倍率の検討をして行きたい。
1
JA 北海道厚生連 帯広厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
小野寺 優人 1 、北澤 和之 1 、郡 将吾 1 、川上 祥碁 1 、
山城 州古 1、清水 未帆 1、仲嶋 寛子 1、小笠原 佳綱 1、
岸本 万寿実 1、山本 大樹 1、柴田 貴幸 1、大京寺 均 1、
岸部 淳一 1、阿部 光成 1、今泉 忠雄 1
【はじめに】当院では透析室から RO 水を供給し、救急病棟で血液透
析を行っていた。平成 21 年 6 月より RO 水の清浄化を目指し,透析室
からの RO 水供給を中止し,救急病棟の RO 配管を水道管と接続し,
GAMBRO 社製個人用逆浸透水装置 WRO300 を用いて RO 水を供給した。
今回,変更前後の生菌検査及びエンドトキシン測定を行ったので報
告する。
【方法】サンプリング箇所は救急病棟器材室アウトレット(水道水)、
個人用 RO 装置後(RO 水)、個人用透析装置 ETRF 前後の計 4 箇所から
採取した。サンプリング期間は 5 月から 10 月の計 6 回とした。生菌
検査はメンブレンフィルター法を用いて,各サンプリングポイント
より 100ml 採取し,生菌数を測定した。ET 測定は各サンプリングポ
イントより4ml を採取して外注検査エンドスペイシー法によりET 値
を測定した。
【結果】生菌検査結果(CFU/ml)水道水 5 月:1.0 6~10 月:0 RO 水
5 月:0.49 6~10 月:0 ETRF 前 5 月:9.2 6 月:1.4 7 月:0.9 8
月:0.6 9 月:0.7 10 月:0.6 ETRF 後 5~10 月:0
ET 測定結果(EU/ml)水道水 5 月:0,180 6 月:0.227 7 月:0,213 8
月:0.238 9 月:0.262 10 月:0.248 RO 水 5 月:0.005 6~8
月:0.002 9,10 月:感度以下 ETRF 前 5 月:0.015 6 月:0.027 7
月:0.021 8月:0.020 9月:0.022 10月:0.018 ETRF後 5~10月:
感度以下
【考察】配管変更前では RO 水の滞留による水質が悪化していたと考
えられた。配管変更後は個人用 RO 装置の RO 膜によって生菌と ET が
遮断され,RO 膜直後ではほとんど検出されなかった。 ETRF 前の値が
個人用 RO 装置後の値より上がっていることから個人用 RO 装置と個
人用透析装置間のラインが汚染されていると推測される。
【まとめ】RO 水清浄化を目指し、配管変更と個人用 RO 装置を用い
ての RO 水供給方法に変更し、生菌検査・ET 検査を行った。今後,ど
のように RO 水供給ラインの洗浄をし,定期的な生菌検査,ET 測定な
どの管理・運用をしていくかが課題となった。
O-9 透析液準備室および同室内に設置した透析液製造装置外装に
おける従属栄養細菌の分離について
1
北海道工業大学大学院 工学研究科 応用電子工学専攻、
2
北海道工業大学 医療工学部 医療福祉工学科、
3
札幌社会保険総合病院 ME 部
佐々木 雅浩 1、菅原 俊継 2、黒田 聡 2、真下 泰 3、有澤 準二 2、
木村 主幸 2
O-10 透析用水製造工程おける微生物汚染成立機序に関する検討
-配管材料を用いたバイオフィルムの形成について1
北海道工業大学大学院 工学研究科 応用電子工学専攻、
2
北海道工業大学 医療工学部 医療福祉工学科、
3
札幌社会保険総合病院 ME 部
飯川 雄大 1、菅原 俊継 2、黒田 聡 2、真下 泰 3、有澤 準二 2、
木村 主幸 2
【はじめに】透析液の高度清浄化は、透析療法の進歩に伴い重要な
問題となっている。中でも、透析液に混入する細菌の制御は長期透
析患者様の QOL の維持に欠かせない要件である。しかし、施設によ
って基準値を越えることがないものの、一定菌数が分離される状況
も報告されている。
当研究室では、従来から従属栄養細菌の分離に関する調査を行い、
データを蓄積してきた。今回の報告ではこれまで確認してきた細菌
汚染の機序を明らかにする目的で、透析液製造装置を汚染する細菌
がどのような経緯で装置内に定着するかを解析するために、装置を
設置している準備室各所と製造装置配管外装部について透析液の調
査と併せた細菌学的調査を行った。
【方法】透析液製造工程の調査では、原水、活性炭処理後、RO モジ
ュール後、RO タンク後、供給水の 5 ヵ所から採取し、試料とした。
これらを R2A 寒天培地に接種し、室温で 7 日間培養を行い、生菌数
の計測を行った。細菌の同定は API20NE 細菌同定キットを用いた。
透析液準備室の調査では、装置内や配管外側などを滅菌綿棒にて拭
き取り、RO 水・R2A 液体培地にそれぞれ接種し、試料とした。R2A
寒天培地にそれぞれ塗布し、培養後、細菌の同定を行った。
また、空中落下細菌の調査は透析準備室の 3 ヵ所に 10 分間 R2A 寒天
培地を開放放置し、培養後、細菌の同定を行った。
【結果】透析準備室および装置の計 11 ヵ所から細菌の分離を試みた
結果、計 11 菌種が分離された。そのうち Sphingomonas paucimobilis
だけが透析液中と準備室の両方から分離された。しかし、分離され
たのは準備室の床や洗い場などであり、配管外側や装置内からは分
離されなかった。このことから、透析準備室の空中から配管の外側
に常在付着している細菌が透析液等を汚染する細菌と考える直接的
な証左を得ることができなかった。但し、水廻りの環境であれば様々
な種類の従属栄養細菌が常在的に生息していることを確認すること
が出来た。
【はじめに】近年、透析医療の安全性・質の向上が求められ、透析
液や透析用水の清浄化が重要視されている。透析用水のような貧栄
養環境に従属栄養細菌と呼ばれる細菌が存在することは知られてい
るが、どのような機序で透析用水製造工の各所に存在するようにな
るのかについては分かっていない。我々は透析用水製造工程におけ
る微生物汚染機序を解明し、より安全で効果的な微生物管理法の構
築を目指し、頻回の消毒を行っていても透析液製造工程の各所から
同種の細菌が分離され続けること、これらの細菌は RO 水中でエネル
ギー的に静的でありながらその数を動的に増やすことを示してき
た。このようなことから、RO モジュール後であっても細菌は増殖し、
配管やRO膜にバイオフィルムを形成して常在化しているのではない
かと考えた。
本報告では透析用水製造工程の配管材料として用いられる SUS316・
塩化ビニル・シリコンの 3 種類の試験片を、臨床の水処理装置から
採水した RO 水に浸し、3 日間の表面状態をデジタルマイクロスコー
プにて観察した。
【方法】札幌市内の病院から採水し、冷蔵保存していた RO 水 100ml
を入れた滅菌ガラスシャーレに、滅菌した 3 種の試験片を入れ、5
日間培養した。その間 0、1、3、5 日目に菌液中の生菌数と ATP 値を
測定した。1、3 日目に試験片表面をクリスタルバイオレットで染色
し、画像を撮影した。また、試験片に超音波を印加して細菌を 10ml
の滅菌水中に再浮遊し、生菌数と ATP 値を計測して付着していた細
菌数をもとめた。
【結果】RO 水中の生菌数、ATP 値は 3 日目の時点でピークに達した。
このことから RO 水中の初期菌数が 101CFU/ml 以下であっても細菌は
増殖し、3 日目には増殖がピークに達することが分かった。なお、菌
液濃度は 105CFU/ml 程度であった。
また画像からは 3 日目の時点で明
確に細菌の付着をみとめ、付着していた菌数は材料ごとに異なるも
のの、概ね 104~5CFU/10ml、ATP 値でも 104~5RLU/10ml となった。
O-11 透析用水清浄化に対する人工透析用電気再生超純水装置
(EDI)の有用性
1
札幌社会保険総合病院 ME 部
O-12 2 部透析開始時における透析液清浄化の検討
1
1
1
1
1
JA 北海道厚生連 網走厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
1
斉藤 徳 、小幡 大輔 、山野内 亘 、高井 麻央 、小川 輝之 、
真下 泰 1
【はじめに】近年、ISO や日本臨床工学技士会の清浄化ガイドライン
などで透析液や透析用水に対する清浄化の基準が示され、血液透析
を行う上で臨床工学技士による水質の管理はとても重要な業務の一
つである。それに伴い ET 測定や比較的簡便な MF 法を用いた生菌測
定を自施設で行っているところも増えてきている。当院でも ET 測定
や平板培養法による生菌測定を適宜実施してきた。また、2008 年 12
月にダイセンメンブレン社製「人工透析用電気再生超純水装置(以
下 EDI)を導入し、透析用希釈水の水質向上を図っている。今回、EDI
導入によるET値や生菌数の変化と透析用水清浄化への有用性につい
て検討したので報告する。
【方法】原水、RO タンク後、EDI 後、供給装置後、コンソール末端
にて採水を行い、
トキシノメータMT-258にてET測定を行った。
生菌測定は原水、活性炭後、RO タンク後、EDI 後、供給装置後で採
水を行い R2A 寒天培地で 7 日間培養した。
【結果】EDI 処理水は、常に超純水レベルを維持した。ET 値は、RO
タンク後、EDI 後処理水コンソール末端で測定感度以下であった。生
菌についても EDI 後の処理水からは検出されず、また EDI 処理水の
一部を戻している RO タンク内の生菌数に低下傾向が見られた。
【考察および結論】
EDI により透析用水を超純水レベルに維持するこ
とで ET 値や生菌数の低下が図ることができたと考えられた。そのこ
とから、
EDI は超純粋透析液に対応可能な透析用水のさらなる水質向
上と清浄化に有用なシステムである。
森久保 忍 1、田中 幸菜 1、片岡 拓也 1、竹村 務 1、大河原 巧 1、
伊藤 貴之 1、國木 里見 1
【はじめに】2 部透析を行う上では、カプラに関して 1 部透析の終了
後となるため,前患者の廃液や清潔扱いではないバイパスコネクタ
への再接続等で,カプラ汚染は避けて通れないのが現状である.そ
のため,当院では透析液を流すこと(洗い流し)で少しでも清浄化
に努めてきた.そこで,1 部透析終了時の汚染度を把握し,2 部透析
開始時の透析液清浄度を検討したので報告する.
【対象】当院透析室においては,日機装社製透析用監視装置 40 台の
全台にエンドトキシン(ET)捕捉フィルター及びクリーンカプラを
使用しているが,その中で無作為に選んだ 7 台を対象とした.
【方法】透析液清浄度の指標としては,ET 活性値と細菌数の 2 つと
し,ET 活性値については,和光純薬工業社製トキシノメーターミニ
(最小感度 1EU/L)を使用して測定した.細菌数については,日本ポ
ール社製 37mm クオリティーモニターを使用し,検体量 50ml,TGEA
液体培地にて 7 日間培養して測定した.透析液の採取手順は,透析
液出口部の周りを 80%エタノール酒精綿にて清拭し,カプラが水平
になるよう上に向けた状態でガスパージを入れて採取した.また,
採取する透析液については,1 部透析終了後,カプラをダイアライザ
からバイパスコネクタに付け替え,洗い流しを行わない状態の透析
液を採り,採取後,再びバイパスコネクタに接続して,5 分間洗い流
しを行った透析液を再び採取,以降 1 分間洗い流しを行うごとに採
取し,最終的に 10 分まで採取した.
【結果】ET 活性値については,測定した検体の全てが測定感度以下
であった.また,細菌数については、洗い流しを行わなかった 2 検
体からそれぞれ 1 つのコロニーが確認されたが、それ以外からは認
められなかった.
【まとめ】2 部透析開始時のカプラは,かなり清浄度が低下している
と考えていたが,当院においては透析液製造工程にて清浄化がなさ
れ,日常の手技からのカプラ汚染を最小限に抑制することができて
いると考える.
O-13 呼吸器領域手術に補助循環を用いた症例の検討
O-14 当院における、Norwood 手術に対する体外循環法
1
1
医療法人 渓仁会 手稲渓仁会病院 臨床工学部
北海道立子ども総合医療・療育センター 手術部ME、
心臓血管外科
中川 博視 1、平石 英司 1、佐竹 伸由 1、渡辺 学 2
2
千葉 二三夫 1、菅原 誠一 1、那須 敏裕 1、猫宮 伸佳 1、
斎藤 大貴 1 、今野 裕嗣 1 、根本 貴史 1 、小林 暦光 1 、
渡部 悟 1、古川 博一 1
【はじめに】近年、ECMO は呼吸器外科手術時に呼吸補助としての有
用性も報告されている。
今回、
術前呼吸不全を呈する症例に対し ECMO
を用いて手術を施行した症例を検討、その方法と有用性について報
告する。
【対象と方法】
2002 年 3 月から 2009 年 8 月までに術前呼吸不全を呈
し ECMO を用いて手術を行った気道狭窄(気管原発腫瘍 2 例、転移・
再発気管腫瘍 1 例、甲状腺癌 2 例、肺小細胞癌 1 例、縦隔腫瘍 1 例)
7 例と低肺機能(難治性気胸 2 例、両側進行性気腫性肺嚢胞 1 例)3 例
の 10 例で、方法は 8 例に V-A ECMO を用い、近接 2 例では V-V ECMO
を透視下で脱血は大腿静脈より 21Fr(有効長 55cm、サイドホール付
き)特注 cannula の脱血孔を SVC と IVC 付近に留置、送血も大腿静脈
より 18Fr(有効長 50cm、先端にサイドホール付き)特注 cannula を右
房付近に留置し行った。
【結果】気道狭窄例では気管内腫瘍摘出術 2 例、気管ステント留置 3
例、気管輪状切除術 2 例で、うち 6 例がハイリスク挿管困難例で V-A
又は V-V ECMO 下に狭窄部を超えて挿管、あるいは狭窄部末梢で気管
を切断し術野挿管し、すみやかに ECMO 離脱した。1 例は挿管後 V-V
ECMO にて無換気で気管止血術と気管ステント留置し ECMO 離脱した。
低肺機能症例では、1 例に一期的両側肺嚢胞切除術、2 例の難治性気
胸症例には、V-A ECMO 下に肺縫縮術と閉鎖術を施行。1 例は ECMO34
分で離脱したが、1 例は離脱困難となり術後 2 日目に死亡した。
【考察】呼吸不全を呈しながらも手術が必要な症例には ECMO は有効
であると思われた。気道狭窄例では、麻酔導入時の換気不全が最も
危険であり、末梢気道確保後は速やかに ECMO 離脱が可能であった。
低肺機能例では ECMO の方法、目標 ACT など検討する必要があると思
われた。
【結語】呼吸器領域手術に対し呼吸補助循環を用いる場合、術前情
報を把握し各症例に適したデバイス、方法、管理など検討が必要と
思われた。
O-15 Brand-White-Garland(BWG)症候群の根治術に体外循環を施行
した 1 例
1
心臓血管センター 北海道大野病院 臨床工学部
【はじめに】近年、左心低形成症候群(以下、HLHS)に対する Norwood
手術では、超低体温循環停止法を回避する分離送血体外循環法が主
流となりつつあるが、確立した体外循環法が報告されていない現況
にある。今回、当院で HLHS およびそれに類似した疾患の Norwood 手
術に対し分離送血体外循環を施行し良好な結果が得られたので若干
の検討を加え報告する。
【対象】
2008 年 9 月から 2009 年 4 月までの期間で Norwood 手術を施
行した際に分離送血体外循環を行った 5 例を対象とした。
【方法】全例輸血充填で落差脱血の ONE-PUMP 送血とし、送血側回路
を 2 本に分岐し、上肢送血側に電磁血流計を装着し流量を測定・オ
クルーダーにて流量を調節した。管理目標値として灌流量
2.6L/min/m2 ・灌流圧 30mmhg~50mmhg・深部温 28℃・Ht30%前後・
ACT460 秒以上にて体外循環を行った。
【結果】平均体重 4.71±1.05kg(3.17~6.3kg)、体外循環時間 243
±46.9分(199~334分)、
大動脈遮断時間84.2±30.9分(35~118分)、
最低直腸温 28.1 ± 0.39 ℃(27.6 ~28.8 ℃) 、灌流量 2.62 ±
0.02L/min/m2(2.58~2.64L/min/m2)であった。全例人工心肺から離脱
したが、術後感染により 2 例が死亡した。
【考察】当院では 2008 年度より Norwood 手術の際に ONE-PUMP 式の
分離送血体外循環法を取り入れ、送血流量測定に電磁血流計を用い
ることによって、より精度の高い体外循環が可能となった。大動脈
弓再建時や上下肢で使用している送血のカニューレサイズ・形状が
異なるために起こる送血流量の不均衡に対してはオクルーダーを用
いて流量調節を行ったが、今後更なる工夫が必要と思われた。
【結語】Norwood 手術の際に分離送血体外循環を施行した。生存した
症例群に脳神経学的障害は認めず分離送血体外循環は有効であっ
た。
O-16 院外心肺停止症例に対する PCPS の効果~多施設共同研究に
よる社会復帰例の検討~
1
札幌医科大学大学院 医学部 医科学研究科、2 高度救命救急セン
ター、3 駿河台日本大学病院 臨床工学部、4 救命救急センター、
1
1
1
1
1
扇谷 稔 、飯塚 嗣久 、笹盛 幹文 、土田 愉香 、民谷 愛 、 5 横浜市立大学医学部 高度救命救急センター、6 神戸市立医療セン
吉岡 政美 1
ター中央市民病院 救命救急センター、7 帝京大学医学部附属病院
臨床工学部、8 帝京大学医学部 救命救急センター
【緒言】BWG 症候群は左冠状動脈(LCA)が肺動脈(PA)から起始する先 加藤 優 1、長谷 守 2、浅井 康文 2、三木 隆弘 3、長尾 建 4、田
天性心疾患である。本症例について若干の文献的考察を加え報告す 原 良雄 5、渥美 生弘 5、森村 尚登 6、玉城 聡 7、坂本 哲也 8
る。
【症例】54 歳女性。2008 年より労作時息切れなどの自覚症状が出現 【目的】院外心肺停止症例に対する PCPS 使用例における社会復帰例
し精査希望され 2009 年 1 月に近医へ入院となった。右心カテーテル の特徴を多施設共同研究により検討を行いその効果を判定する.
では肺体血流比 1.5、PA 圧の上昇を認めた。冠動脈造影と CT の結果、 【方法】本研究は 5 施設による多施設共同後ろ向き研究であり, 1
LCA は PA 主幹部より起始していることが判明さらに複数の血管と 年間に診療した院外心肺停止症例に対する PCPS 使用例の背景因子,
LCA の瘻孔も認めた。
解剖学的特徴および血行動態より BWG 症候群と 時間因子, 治療内容および予後を調査し, 社会復帰症例の特徴を検
診断され 2009 年 9 月当院へ手術目的で入院となった。
討することとした.
【方法および経過】
術式は胸骨正中切開によるLCA-PA開口部閉鎖術、 【結果】2006 年 1 月から同年 12 月まで 5 施設で診療した 1220 例の
LCA へ流入する瘻孔の結紮術および LCA への CABG、さらに僧帽弁形 院外心肺停止症例のうち50例(4%)にPCPSを使用した.PCPS使用例の
成術(MVP)を行った。送血管を弓部近位部へ脱血管を上下大静脈へ挿 背景因子として,平均年齢は 53±16 歳, 男性 84%, 心肺停止目撃率
入、大動脈(Ao)基部に心筋保護針を留置し体外循環が開始できる状 は 70%,目撃者による心肺蘇生施行率は 48%,心原性心停止は 76%を占
態で瘻孔を結紮した。その後、体外循環を開始し Ao 遮断とした。順 めていた. 時間因子に関しては,119 番通報からPCPS 開始までは平均
行性に心筋保護液(CP)を注入するが持続的な心停止が得られず送血 60±23 分,PCPS 使用期間は平均 44±51 時間であった. 治療内容に関
温を 30℃とし CP 注入間隔を通常よりも短時間とした。遮断後 PA を しては,低体温療法施行率は 56%,急性心筋梗塞の責任血管に対する
横切開し LCA の開口部を閉鎖した。その後は持続的な心停止が得ら 緊急冠動脈カテーテル治療成功率は 100%であった. 予後に関しては
れ通常の手順で MVP と CABG を施行し体外循環終了となった。
PCPS 使用例の生存退院率は 28%, 社会復帰率は 12%であった. 社会復
【考察】LCA から PA の開口部を閉鎖しない状態では CP が PA 内へと 帰例(N=6)と非社会復帰例(N=44)について比較すると急性心筋梗塞
steal されるため持続的な心停止が得られなかったこと、そのため の頻度(社会復帰例 83% vs.非社会復帰例 36%, p=0.03), 来院時あえ
CP 注入間隔を短くしたが開口部閉鎖中にも短い間隔で CP が開口部 ぎ呼吸(83% vs.11%, p<0.01), 来院時瞳孔径(3.5mm vs.5.0mm, p<
より流出してくるため視野の確保が難しかったこと、
BWG 症候群では 0.01), PCPS 開始前の心電図波形が心室細動(83% vs.34%, p=0.02),
CP と視野確保この 2 点が問題点としてあげられる。対策としては CP PCPS 開始 24 時間以内の対光反射出現(100% vs.41%, p<0.01), PCPS
の逆行性注入や、どうしても視野確保が困難な場合には超低体温循 開始 24 時間以内のあえぎ呼吸出現(100% vs.34%, p<0.01)に有意差
環停止も選択肢として考えられ、体外循環回路に脳分離回路を追加 が認められた.
できるよう分枝を作成しておいた。
【結語】今回は通常どおり体外循 【総括】通常の救命処置に反応しない院外心肺停止症例に対する
環を施行できたが、術野の状況により迅速に対応できる心構えと体 PCPS の有用性および社会復帰例の特徴が示唆された. 今後は多施設
外循環回路に拡張性を持たせておくことが必要である。
共同前向き研究により症例数を増やし検討する必要がある.
O-17 Rotational Thrombelastometry(ROTEM)を指標に術中血液 O-18 結核菌排菌患者における胸腹部大動脈瘤手術の感染対策に
管理を施行した 2 症例
ついて
1
1
手稲渓仁会病院 臨床工学部、2 麻酔科、3 小児心臓血管外科
北海道大学病院 診療支援部 ME 機器管理センター
那須 敏裕 1、千葉 二三夫 1、猫宮 伸佳 1、齋藤 大貴 1、
今野 裕嗣 1、菅原 誠一 1、根本 貴史 1、渡部 悟 1、
古川 博一 1、佐藤 秀雄 2、本田 尚典 2、八田 英一郎 3
五十嵐 まなみ 1、寒河江 磨 1、矢萩 亮児 1、岩崎 毅 1、島田 未
知子 1、前野 幹 1、佐々木 亮 1、遠田 麻美 1、岡本 花織 1、竹内
千尋 1、石川
勝清 1、太田 稔 1、加藤 伸彦 1
【はじめに】Rotational Thrombelastometry(ROTEM)は、血液凝固線
溶に関する Point-of-Care(POC)モニターであり海外では広く使用さ
れているが、本邦での使用は限られている。そして、体重 5kg 以下
の小児において輸血による血液凝固の補正は、そのサイズ故に制限
されることも少なくない。今回小児人工心肺症例における凝固系破
綻の診断を ROTEM にて行い、追加投与すべき輸血製剤を選択し静脈
リザーバ(VR)に投与した症例を経験したので報告する。
【症例・方法】症例 1:生後 3 ヶ月、体重 4.3kg 男児。Complete AVSD
に対し共通房室弁形成および VSD+ASD patch closure 施行。
CPB304min、AXC212min。体外循環離脱直前、血小板 2.2 万/mm3 と凝
固系が著しく破綻していたため、凝固能の補正とボリューム負荷を
軽減させる試みで PC15ml/kg、FFP30ml/kg を VR から投与し体外循環
から離脱した。症例 2:生後 15 日、体重 3.2kg 男児。d-TGA(2)に対
し Arterial Switch Operation+VSD patch closure 施行。CPB216min、
AXC137min。症例 1 で FFP の追加投与が必要であったことから
PC15ml/kg、FFP50ml/kg に増量した。その後、使用した VR、人工肺、
動脈フィルタをメーカーに依頼し走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察
した。
【考察】輸液スペースが限られている新生児・乳幼児症例では、VR
から凝固因子を補充することでボリューム負荷が軽減され、さらに
ROTEM 使用により止血マネージメントが容易になった。
症例 2 におい
ては SEM 観察上明らかな凝固塊は認めなかった。
【結語】ROTEM は、リアルタイムかつ視覚的に血液凝固線溶反応を実
感できる POC モニターとして有用である。
【緒言】結核は現在の日本に於いても年間約 2.5 万人が発症し、約 2
千人が死亡する重大な感染症である。結核は空気感染し飛沫核を吸
入することで感染が成立することから、治療する医療機関が限られ
ている。今回、排菌中の結核性胸腹部大動脈瘤切迫破裂の緊急手術
を経験したので、時間の制約がある中で行った感染対策について報
告する。
【経過】症例は 69 歳女性。結核性胸腹部大動脈瘤切迫破裂の診断で
緊急手術が必要となった。患者情報として、粟粒結核の治療中であ
り喀痰の塗抹検査で結核菌陽性、ガフキー3 号で排菌状態であった
為、患者搬送後は病棟を介さず、陰圧個室と出来る ICU へ直接入院
した。緊急を要する手術であったが当院は結核指定医療機関ではな
く、標準予防策に加えた感染対策が必要となった。入院翌日に手術
が決定したため、院内感染制御部による N95 マスク装着講習を受け、
正しい装着法を確認した。また、使用する手術室は陰圧設定が可能
な部屋を選択したが、電気容量、面積共に体外循環対応ではなかっ
た。そこで人工心肺装置をはじめ使用予定の各医療機器の電気消費
量を計算し、電気的に問題なく手術が施行出来ることを確認した。
手術当日は、他の患者との接触を避けるため時間差入室とし、手術
中における部屋の出入りは最小限とし、手術に関わるスタッフも固
定とした。手術時間は 259 分、体外循環時間 50 分で、胸腹部大動脈
瘤切除後、人工血管置換にて終了し、院内感染予防マニュアルに則
り部屋の清拭を行った。患者の術後経過は良好で、術後 6 日目の早
期であったが、ICU より結核指定医療機関へと転院した。
【結果・考察】緊急手術であり時間的余裕がなかった中でスタッフ
のマスク講習や、手術室の感染対策を行った上で、電気消費量の多
い人工心肺装置を用いる手術を行い得た。日常における標準予防策
の励行はもちろんのこと、感染症の種類に応じた対応が医療従事者
への感染を予防できると考える。
O-19 4,100gの術後呼吸不全の患児にベンチレータ 840 のマスク
換気モードを使用した1例
1
旭川医科大学病院 診療技術部 臨床工学技術部門
O-20 小児用ディスポ呼吸回路を用いた際の高頻度換気について
1
旭川医科大学病院 診療技術部 臨床工学技術部門
宗万 孝次 1、浜瀬 美希 1、下斗米 諒 1、天内 雅人 1、本吉 宣也 宗万 孝次 1、浜瀬 美希 1、下斗米 諒 1、天内 雅人 1、本吉 宣也
1
、南谷 克明 1、山崎 大輔 1、与坂 定義 1、菅原 時人 1
、南谷 克明 1、山崎 大輔 1、与坂 定義 1、菅原 時人 1
1
現在、呼吸不全に対する呼吸管理に人工呼吸器が使用され抜管後に 当院で使用している新生児用人工呼吸器ハミング V(以下ハミング)
では、ホースヒータ付の呼吸回路においても、吸気側に結露が発生
マスク換気にて呼吸サポートを実施する場合が多くなっている。
し患児への流れ込み防止に苦慮している。
成人では、マスク換気(以下 NPPV)用の装置もあり抜管後のみなら
ず、急性呼吸不全等にも使用されている。しかし、小児領域では専 特に HFO のモードとなった場合にその程度は激しくなり加湿不足も
用の NPPV 装置やディバイスが存在していない。新生児や乳児では 懸念されている。そこで、比較的結露が起こりにくいとされている
nasal-DPAP(nasal directional positive airway pressure)用の装 DAR 社製小児用呼吸回路(以下 DAR)を吸気側に用いることによって
置やディバイスが存在しているが、マスク換気は対応していない。 加湿機能が良くなるのか検討した。また、回路を吸気側のみとはい
え変更することによって HFO の振幅等にどのような影響があるのか
今回、4,100gの心房中隔欠損に対するパッチ閉鎖術後にベンチレー 不明である。
タ 840 を使用し抜管・再挿管を繰り返した患児に対しベンチレータ
840 のマスク換気モードにて再挿管を防ぐことが出来た症例を経験 したがって今回、吸気側のみに DAR 回路を用いた場合、加湿及び HFO
に対する影響について検討したため報告する。
したため、報告する。
O-21 人工呼吸器用加温加湿装置の比較検討
O-22 当院における新型インフルエンザに対する人工呼吸器の整備
1
1
札幌医科大学附属病院 臨床工学室
山口 真依 1、田村 秀朗 1、大村 慶太 1、澤田 理加 1、島田 朋和
、千原 伸也 1、長谷川 武生 1、河江 忠明 1、加藤 優 1
北海道立子ども総合医療・療育センター
佐竹 伸由 1、平石 英司 1、中川 博視 1
1
【目的】新しいデバイスである HME ブースター(HME-B)は、従来の人
工鼻の機能を備え、かつ能動的な加湿・加温を行うことができるた
め、従来の加温加湿装置の欠点を補った加湿を行えることが期待さ
れる。そこで今回、HME-B と他のデバイスの加温加湿性能の比較検討
を行ったため報告する。
【対象】従来型人工鼻(HME)としてタイコヘルスケアジャパン社製ハ
イグロバック S、パスオーバー型加温加湿器(P-HME)として F&P 社製
MR850、及び能動的人工鼻として MEDISIZE 社製 HME-B を対象とした。
【方法】通常のディスポーザブル回路の先に、37℃に熱したチャン
バと熱線入り回路、テストラングを接続し、生体の気管及び肺を模
擬した。測定装置には持続温湿度モニタとして MERA 社製 MOISCOPE
を用い、温度、絶対湿度、相対湿度の経時的な測定を行った。測定
はカテーテルマウントと模擬肺の間で行い、測定時間は 5 分間隔で
30 分間、人工呼吸器の設定は換気モード VC、呼吸回数 12 回/分、
PEEP5cmH2O、一回換気量 300,500ml とした。
【結果】一回換気量による有意差はなく、温度、絶対湿度において
は共に P-HME、HME-B、人工鼻の順に優れていた。相対湿度において
は HME、HME-B ではほぼ 100%近く、P-HME よりも優れていた。
【考察】
P-HME は加湿性能も高く加温も可能であるといった長所があ
る一方、トラブルの温床となることも少なくない。また人工鼻も簡
便で、生理的な加湿に近いといった長所があるが、加湿が受動的で
あり、適応は限られてきた。今回の比較から、HME-B は充分な加湿性
能を有し、排水の必要がなく回路も簡便である、感染の危険が少な
い、など双方の利点を持ったデバイスであると考える。本検討は 3
機種を対象に機械的検討として行ったが、今後臨床での性能評価や
他製品との比較検討も行いたい。
【結語】HME-B は充分な加温加湿性能を有し、双方の欠点を補った加
温加湿を行うことができる有用なデバイスである。
【はじめに】現在、新型インフルエンザ(N1H1 型)が流行しており、
重症化し呼吸不全を呈した患者に対して人工呼吸器が不足すること
が危惧されている。特に小児用人工呼吸器は成人に比べ台数が少な
く早急に整備する事が急務となっている。当院は小児専門の病院と
いう特色から、二次医療機関からインフルエンザ脳症や呼吸不全を
呈する患児や、医療機関のオーバーフローに対して可能な限り引き
受ける事となっている。そこで、今一度院内の人工呼吸器の稼働状
況と整備・検討を行った。
【方法】当院にある人工呼吸器全 26 台 12 機種(ICU6 台、NICU9 台そ
の他)に対して作動点検を行い、備品の有無と有効期限・簡易説明書
の確認を行った。また院内 LAN を使用し、人工呼吸器の使用の有無・
残り台数、使用機器や使用場所が一目でわかるようにした。
【結果】作動点検で問題のある人工呼吸器は無かった。備品の有無
と滅菌日確認についても問題無かったが、使用頻度の少ない人工呼
吸器の保管場所とその備品の保管場所が異なり、備品の保管場所を
ME 全員が正確に把握しきれていないものもあった。簡易説明書の不
備もあった。院内 LAN の利用についは、現在のところリアルタイム
の情報源としては、検討の余地を残した。しかし ME が稼働状況を知
る上では有効であると思われる。
【考察】今回人工呼吸器の整備を行い、定期的な点検の効果で作動
点検による問題は無かったが全機種の備品について把握できていな
かった。これは二年前に療育センターと統合し建物が変わった事と
ME の増員と人事異動で経験していない機種の存在があった。簡易説
明書を使用頻度の少ない機種全てに付けて備品の情報も追加した。
【結語】人工呼吸器の作動に問題は無かった。使用頻度の少ない呼
吸器に、回路等備品一式セットにして保管した。 簡易説明書と備品
一覧をつけた。院内 LAN については、今後他部門と調整していかな
くてはいけない。
O-23 特発性間質性肺炎に対して pumpless A-V ECMO を施行した
1症例
1
独立行政法人 国立病院機構 帯広病院 臨床工学、2 麻酔科、
3
心臓血管外科
加藤 裕希 1、谷口 慎吾 1、半田 仁美 1、松本 年史 1、川南 聡 1、
朝井 裕一 2、椎久 哉良 3、菊池 洋一 3
O-24 当院における不整脈治療の現状
【はじめに】特発性間質性肺炎は、肺の間質組織に炎症をきたす疾
患であり治療に難渋する。今回我々は、呼吸不全に対して pumpless
A-V ECMO を施行した1症例を経験したので報告する。
【症例】67 歳男性、身長 158cm、体重 60kg。呼吸不全が増悪し胸部
X 線においてすりガラス様陰影を認め、CT 上では両側びまん性に病
変が確認され間質性肺炎と診断された。血液ガス所見は 10L リザー
バー及び 3L 経鼻カヌラ併用にて PaO243.7mmHg、PaCO236.0mmHg で
あり、ICU に入室し挿管・人工呼吸器管理が必要となった。挿管直後、
P/F 比 148.8mmHg と一時的に改善したが、ICU 入室 8 日後、酸素化が
徐々に悪化しP/F 比60.0mmHg となりpumpless A-V ECMO を導入した。
人工肺はソーリン社製 dideco903、回路はメドトロニック社製カメ
ーダカスタムパックを使用し、右大腿動脈脱血、右大腿静脈送血の
A-V バイパス 方式とした。ECMO 灌流量は、収縮期圧 100mmHg 以上保
つことにより 1.0~1.5L/min 前後で維持し、抗凝固療法として、ACT
は180~200秒を目標にヘパリンの管理を行なった。
補助循環開始後、
血液ガスは P/F 比 88.3mmHg と改善した。その後約 10 日間補助循環
を施行するも、徐々に肺炎は悪化し救命することはできなかった。
【考察】呼吸不全に対しての ECMO は、遠心ポンプ・膜型人工肺を用
いた V-V バイパスが一般的であるが、遠心ポンプを流用したシステ
ムは装置が必要となり管理が煩雑化する。心機能が比較的正常であ
る呼吸不全ならば A-V バイパスで pumpless ECMO が施行できる可能
性があり、海外では製品化され 1500 症例以上の使用実績もある。
Pumpless A-V ECMO は動脈圧と静脈の圧力差を利用し灌流するため、
血液ポンプを排除することができ、装置が不要で管理が容易となる。
【結語】呼吸不全に対して pumpless A-V ECMO 施行した1症例を経
験した。本症例では動脈血の酸素化に有効であった。各疾患、症例
に適した方法、デバイスの選択、および管理が必要である。
1
手稲渓仁会病院 臨床工学部
根本
山内
今野
渡部
貴史 1、西谷 彰浩 1、桑原 洋平 1、岡田 拓也 1、
貴司 1、鈴木 学 1、猫宮 伸佳 1、斉藤 大貴 1、
裕嗣 1、那須 敏裕 1、菅原 誠一 1、小林 暦光 1、
悟 1、千葉 二三夫 1、古川 博一 1
【はじめに】不整脈は、異常な心筋細胞や異常自動能亢進、特殊な
伝導回路が存在し電気的に旋回し続けるリエントリーである。それ
らの回路を焼却し不整脈の根治治療にアブレーションがある。当院
では 2002 年 7 月からアブレーション治療を開始した。今回成績と臨
床工学技士の業務体制について報告する。
【対象】2003 年 1 月~2008 年 12 月まで RFCA を施行した 319 症例を
対象とした。
【業務】CE1~2 名で術野の介助、CARTO System、EP Labo、スティム
レーター、アブレーターの操作を行い、その都度不整脈解析を行っ
ている。
【結果】不整脈治療は増加し、特に難治性の不整脈に対する治療で
は、ナビゲーションシステムの導入によりさらなる専門的な知識が
必要となってきている。疾患別割合として PSVT 38%、AFL 21%、AF19%、
VT6%、PVC4%、AT12%。成功率として PSVT 99.2%、AFL 100%、AF 92%、
VT 89%、PVC 100%、AT 98%となっている。
【まとめ】CE は特定業務の専任ではなく、短期ローテーションで体
外循環、血液浄化、カテーテル部門などのあらゆる CE 業務に携わる
事により各分野の臨床工学技士の知識、技術も併せて提供している。
CE が電気生理学的な知識を習得することで、
他の CE 業務にもフィー
ドバックできる。しかし、業務の線引きが不透明な部分、各メーカ
ーで製品の市場刷新が早く,機能も複雑化し立会いからの脱却が困
難な側面もある。今後は学会や近隣施設とも情報交換できる体制を
構築する等活動の場を広げたい。
O-25 高除細動閾値症例に対し心外膜パッチリードの追加が有効で
あった 1 症例
1
独立行政法人 国立病院機構 帯広病院 臨床工学、2 麻酔科、
3
循環器科
松本 年史 1、谷口 慎吾 1、半田 仁美 1、加藤 裕希 1、川南 聡 1、
朝井 裕一 2、尾畑
弘美 3、青木
真弓 3
O-26 右室ペーシング後の心不全に心臓再同期療法を施行した一例
【はじめに】今回我々は、PLSVC(左上大静脈遺残)を合併した心不全
患者に対し CRT-D(両室ペーシング付き植え込み型除細動器)を右前
胸部皮下に植え込むも除細動が無効であったため、心外膜パッチリ
ードを左前胸部皮下に植え込み、除細動可能となった症例を経験し
たので報告する。
【症例】45 歳男性、身長 174cm、体重 69kg。2001 年完全房室ブロッ
クのため PMI 施行。2007 年薬物療法に抵抗示す心不全を認め、LV
dys-synchrony も認められたため、CRT-P(両室ペーシング)に
up-grade し、アミオダロン内服開始となった。2008 年両心不全が進
行し CRT-D へ up-grade となるが、ICD 作動テストの結果 25J、35J
ともに無効であり、体外からの除細動を必要とした。右胸部に植え
込まれた CRT-D と右室心尖部のコイル間では有効な除細動困難のた
め、後日改めて左胸部皮下へ心外膜パッチリードの植え込みを行い、
25J での除細動が可能となった。
【考察】植え込み型除細動器は、右胸部へ植え込み時には、左胸部
植え込み時より高い除細動閾値を示すことが一般的に知られ、本症
例でも同様であった。また、除細動閾値の上昇は抗不整脈薬や心拡
大、心肥大、心不全、電極の位置関係や電気的特性の変化でも上昇
することが一般的である。本症例では PLSVC により左胸部植え込み
は困難であり、右胸部へ植え込みを施行に加え、抗不性脈薬の投与
により除細動閾値が上昇したものと考えられる。除細動困難な症例
に対しては極性の転換、右室内リードの位置変更、抗不整脈薬の減
量または中止により除細動可能となる場合もあるが、本症例では無
効であり、心外膜パッチリードを追加することにより有効な除細動
閾値を得ることができた。
【結語】右胸部に植え込まれた CRT-D の高除細動閾値症例に対し、
左胸部への皮下パッチの追加により除細動可能となった症例を経験
した。右胸部植え込みで高い除細動閾値を示す症例では、心外膜パ
ッチリードが有効である。
【はじめに】両心室ペーシング植え込みデバイスは従来のペースメ
ーカー治療とは全く異なる治療と位置付けられ、心不全治療に対す
る新規適用として 2004 年 4 月に保険認可された。当院で右室ペーシ
ング後の心不全に心臓再同期療法を行い有用な結果を得たので報告
する。
【症例】19 歳、男性。既往歴:ダウン症、心室中隔欠損症、肺高血
圧症、左上大静脈遺残と診断。生後 6 ヶ月時に心室中隔欠損修復術
を行い、完全房室ブロックを合併。1 歳 3 ヶ月時に心筋リードを使用
し右室 VVI ペースメーカー植え込みを行った。
9 歳頃より心エコーで
心室中隔の収縮不良が指摘され、12 歳時には心拡大(心胸郭比 58%)
左室駆出率低下(30%)が目立った。心電図は右室ペーシングで QRS 幅
160ms であった。その後左室駆出率は 26%と著明に低下したので内科
的治療を開始。しかし収縮能の改善はみられず、2 年間心エコー上の
左室駆出率は 25%~30%程度、BNP は 50pg/ml で推移した。15 歳でペ
ースメーカー交換指標に達し、心不全も憎悪していたので心臓再同
期療法を開始した。
【結果】心臓再同期療法開始直後から QRS 幅は 120ms まで短縮し、
左室駆出率も 50%に回復した。心臓再同期療法1年後の QRS 幅は
120ms、左室駆出率 72%、BNP10.5pg/ml であった。
【考察】ペースメーカー交換指標に達した際、術後の完全房室ブッ
ロックであることから今後も心室ペーシングは必須で、
DDD ペーシン
グの選択も考えられたが QRS 幅 160ms、
薬物治療抵抗性の収縮低下の
ため両心室ペーシングによる心臓再同期療法を選択した。また植え
込み時、左上大静脈遺残が環静脈洞に流入しているため左室リード
の位置が制約された。
【結語】
・心臓再同期療法直後に QRS 幅は短縮した。
・BNP は低下し
た。
・左室駆出率は 60%以上になるのに半年を要した。
1
北海道立子ども総合医療・療育センター 手術部 ME、2 循環器科
平石 英司 1、佐竹 伸由 1、中川 博視 1、高室 基樹 2、
横澤 正人 2
O-27 CARTO Merge System を用いてカテーテルアブレーションを
O-28 当院の心臓電気生理検査・不整脈治療における臨床工学技士
施行した、左室流出路起源心室頻拍の 1 症例
の業務-立会い規制にかかわる初年度の取り組み1
1
旭川医科大学病院 診療技術部 臨床工学部門、2 循環・呼吸・
北海道大学病院 診療支援部 ME 機器管理センター
神経病態内科、3 保健管理センター
諒 1、天内 雅人 1、本吉 宣 佐々木 亮 1、太田 稔 1、前野 幹 1、寒河江 磨 1、矢萩 亮児 1、
山崎 大輔 1、浜瀬 美希 1、下斗米
1
1
1
也 、南谷 克明 、与坂 定義 、菅原 時人 1、宗万 孝次 1、浅野 五十嵐 まなみ 1、岡本 花織 1、石川 勝清 1、遠田 麻美 1、竹内
目 晃 2、坂本 央 2、田邊 康子 2、川村 祐一郎 3
千尋 1、岩崎 毅 1、島田 未知子 1、竹田 博明 1、加藤 伸彦 1
【はじめに】特発性左室流出路起源心室頻拍について、Mitral
Annulus 起源や Aorto-Mitral Continuity 等の左室心内膜起源の他
に、左室心外膜起源の鑑別を要する。左室心外膜起源の VT について
は、Valsalva 洞 (LCC 等) からの ablation が可能な VT の他に、根
治のためには冠静脈内や直接心外膜側からのablationが必要な難治
性 VT が近年報告されている。最近、新しい 3D Electoro-Anatomical
Mapping System (CARTO Merge) を用いて、CT 等の解剖学的情報を統
合させて、ablation 治療することが可能となってきた。
【症例】症例は 18 歳女性。16 歳時に HR200/min の持続性 VT が出現
したため、近医にて内服治療を開始。当院紹介となり、17 歳時に EPS
を施行した。Clinical VT が誘発されなかったため、pace mapping
から Aorto-Mitral Continuity と LCC の ablation を施行した。数ヶ
月後に VT が再発したため、今回、2 回目の ablation を実施した。
【治療】CARTO Merge(J&J)による CT 画像との fusion imaging を
用いて mapping を施行。今回も clinical VT が誘発されなかったた
め pace mapping を行い、QRS template matching (Medicon)を用い
て一致率(TM) を評価した。Mitral Annulus にて TM が良好であり、
TM 93%以上の位置で ablation を試行。また、同領域にて最も TM が
良好であった部位(TM97%) の心外膜側にあたる大心静脈(GCV)内に
おいても TM96%と高い一致率をみた。
心外膜側起源の可能性が考えら
れ、CARTO Merge を用いて GCV 内の通電も行った。治療後、VT の再
発はなく経過している。
【背景・目的】不整脈に対する非薬物療法としてペースメーカー
(PM)
,経皮的カテーテル心筋焼灼術(アブレーション)
,埋込型除
細動器(ICD,CRT-D)が一般的な医療として普及した中,特掲診療
科の施設基準及びその届出に関する手続きの取り扱いにおいて「PM
移植及び PM 交換術に関する施設基準」に CE が 1 名以上常勤してい
ることが明記された.さらに 2008 年 4 月からは「医療機関等におけ
る医療機器の立会い規制」が実施されたことにより,PM 埋込を含む
高度な医療技術に CE のサポートが必要となった.今回,立会い規制
に伴う当院の心臓電気生理検査および不整脈治療におけるCEの業務
を検討した.
【対象・方法】2008 年 8 月から 2009 年 8 月までに実施された心臓電
気生理検査 20 件,アブレーション 91 件,PM 埋込 19 件,ICD 埋込 43
件,CRT-D 埋込 11 件,外来診療における埋込デバイスの点検 635 件
(PM306 件,ICD253 件,CRT-D76 件)を対象に、
「医療機関等におけ
る医療機器の立会い規制」後の CE 業務について検討した.
【結果】これまで立会いを必要とせず、CE が単独で行いえた心臓電
気生理検査は 18 件(90%)
,アブレーション 71 件(78%)であった.
全ての PM・ ICD・CRT-D 埋込術および外来における埋込デバイスの
点検では専門知識を有するメーカー担当者の指導のもと協力体制に
て CE が行った.
【考察】心臓電気生理検査やアブレーションでは取り扱う部材や装
置が一定であるため,業務開始から 2 ヶ月程度で CE の単独業務が可
能となった.一方,デバイス埋込術と外来での点検では,その業務
の専門性からCE単独の業務に移行するには今しばらくの時間が必要
であると考えられる.
O-29 PMI 後の連日チェックにてペーシング不全、リードの脱落を
回避した1症例
1
旭川赤十字病院 救急部 臨床工学課、2 循環器内科、3 救急部
O-30 SES 留置後 very late thrombosis による AMI 発症の経験
-AMI における IVUS の有効性-
1
市立旭川病院 臨床工学室、2 循環器内科
貝沼 宏樹 1、細矢 泰孝 1、太田 真也 1、佐藤 あゆみ 1、
陶山 真一 1、奥山 幸典 1、飛島 和幸 1、脇田 邦彦 1、
見田 登 1、土井 敦 2 、住田 臣造 3
山口 和也 1、田中 義範 1、澤崎 史明 1、堂野 隆史 1、
窪田 將司 1、河田 修一 1、鷹橋 浩 1、石井 良直 2、奥山 淳 2、
西浦 猛 2、井澤 和眞 2、伊達 歩 2
【はじめに】
2009 年3 月よりPMI にscrew-in リードを使用した症例で医師の依頼
があった場合のみ、植込み後一週間連日ペースメーカチェックを行
っている。その中で植込み後数日のうちに閾値の上昇を認め、リー
ドの調整にてペーシング不全、リードの脱落を回避した症例を経験
したので報告する。
【症例・経過】
52 歳、女性。SSS にて 2009 年 6 月 19 日 PMI 施行(DDD)
。心房、心
室共にscrew-in リードを選択。
心房側は閾値1.2V、
心内波高値4.6mV
で固定。
心室リードは閾値 1.3V、
心内波高値 12mV 以上で固定された。
2 日目、3 日目心房、心室共に閾値 1.0V 以下で経過していたが、4
日目に心房閾値 1.75V、心室閾値 1.25V と軽度上昇、5 日目には心房
閾値 2.5V、心室閾値 1.75V とさらに上昇あり。6 日目心房閾値 3.5V、
心室閾値 1.75V であったため、同日リードの位置調整施行。心房リ
ードは screw が外れかかっていたためか容易に固定から脱落。心房
閾値 1.375V、心内波高値 1.7mV で固定。心室リードは閾値 2.0V 心内
波高値 12mV 以上で調整はせずにそのままとした。同日より一週間連
日チェックとなる。その後心房心内波高値は 1.1mV から 1.8 mV、閾
値は軽度上昇も 1.5 から 2.0V の間で経過。心室心内波高値は 12mV
以上、閾値は 1.0 から 1.5V で経過。チェック最終日には心房閾値
1.75V、心内波高値 1.7mV、心室閾値 1.0V、心内波高値 12mV 以上で
あった。心房閾値が軽度上昇も大きな変動なく、翌日退院となる。
【まとめ】
連日ペースメーカチェックを行うことでリードの状態を確認でき、
今回は閾値の上昇に対してリード調整されペーシング不全、リード
の脱落を回避することができ有用であった。しかし今後 screw-in リ
ード、
tined リード全ての症例で連日チェックを行うことは他の業務
との兼ね合いや人員の問題など、いくつか課題もあり今後検討が必
要である。
【はじめに】当院では現在 IVUS を待機、臨時症例共に基本的に全症
例使用しているが、AMI に関しては昨年の 11 月から全症例施行する
ようになった。
【症例】62 歳 女性。
O-31 TERUMO 社 IVUS システム VISIWAVE の操作性評価
O-32 大動脈ステントグラフト内挿術における臨床工学技士の役割
1
1
市立旭川病院 臨床器材科 臨床工学室
【現病歴】H17 年 11 月、ACS にて当院入院。#6 90%に対し PCI 施行
し、BMS を留置した。H18 年 7 月に restudy 目的で入院し、CAG にて
#3 90%の new lesion に対し、ad hoc に PCI 施行し、SES:Cypher3.0
×18mm を留置した。H19 年 3 月、restudy にて#3 STENT 内 long50%、
ISR(-)にて、med follow となった。H20 年 11 月自宅にて肩~背
部の痛み自覚し、当院へ救急搬送され、ECG 四肢誘導で ST 上昇あり、
STEAMI と診断し emCAG 施行となった。
【経過】CAG にて#3 100%(STENT prox edge)であり、culprit と判
断し PCI 施行。PIT、Aspiration 後 TIMI3 となり、IVUS 施行。IVUS
所見にて mal apposition 確認。SES を full cover する形で BMS を留
置した。後日行った CAG で ISR(-)
、経過良好で退院となった。
【考察】過去#3 に対し、IVUS を使用せず SES を留置した。今回 pre
IVUS 所見にて mal apposition を確認した。これは SES 留置時、また
は DES 留置後の late STENT mal apposition なのかは判断できない
が、SES 留置時に IVUS を使用していれば両者のどちらによるものか
断定する事ができた。また AMI で IVUS を使用せずに PCI を施行して
いた場合、STENT 圧着不良により、再度 mal apposition を生じた可
能性も考えられた。この事から待機症例だけでなく、臨時症例にお
いても IVUS を使用することは、様々な血管内情報を得る事で治療の
質を上げ、治療のサポートに貢献できるのではないかと考えられた。
札幌医科大学附属病院 臨床工学室、
2
同 第二外科
田中 義範 1、山口 和也 1、澤崎 史明 1、堂野 隆史 1、
窪田 將司 1、河田 修一 1、鷹橋 浩 1
田村 秀朗 1、加藤 優 1、島田 朋和 1、山口 真依 1、大村 慶太 1、
澤田 理加 1、千原 伸也 1、長谷川 武生 1、河江 忠明 1、
伊藤 寿朗 2、川原田 修義 2、栗本 義彦 2、樋上 哲哉 2
【はじめに】 血管内超音波(IVUS)は血管造影で得られない血管内
腔と血管壁の情報を確認できる。これにより冠動脈インターベンシ
ョン(PCI)では、device の選択や合併症予測、エンドポイントの判定
に不可欠なツールとなっている。当院ではこの IVUS に TERUMO 社
「VISIWAVE」を新規導入し、PCI 全症例に使用している。本報ではこ
の VISIWAVE の操作性について評価した。
【装置概要】 VISIWAVE は 2008 年 12 月発売の機械走査式 IVUS であ
る。カテーテルより得た信号をデジタル処理した後画像化するフル
デジタルイメージングを特徴とし、計測データは本体の HDD に保存
できる。画質調整を計測後に行える post 処理や 2 計測データを同時
に再生する機能など独自の機能を有している。
【操作性の評価】 本システムは、明瞭なボタン配置とキーボード・
マウスによる一般 PC 様の操作性から直感的にも使用しやすい。画像
取得は Scan・Pull-back の 2 ボタンであり、画像呼び出しも再生ボ
タン 1 つであることから理解しやすく、ストレスの無い計測が可能
であった。画像には Bookmark を付ける事で即座に呼び出しでき、PCI
中の迅速な解析に繋がっている。また、post 処理機能は、計測中の
胸痛発現時といった画質に気を配れない状況でもカテーテル抜去後
に、gain や contrast、depth などを再調整できる。これにより、状
況に左右されず良好な画像で解析が可能となり、その有用性は高く
感じられた。
【まとめ】 今回、VISIWAVE 新規導入にあたり、操作性について評
価した。本システムは、受け入れやすいパネルデザインと一般 PC 様
の操作性より、容易な計測が可能であった。また、post 処理機能に
より、状況に左右されない画像解析が可能となった。以上の評価か
ら、本システムは PCI の現場において、安定した操作性を有するデ
バイスであると考えられた。
【はじめに】大動脈ステントグラフト内挿術は、従来型の人工血管
置換術と比較し低侵襲、超高齢者への適応により、各施設で盛んに
行われるようになってきた。当院では 2001 年から自作ステントにて
大動脈ステントグラフト内挿術を開始し、体外循環のバックアップ
も兼ね臨床工学技士が深く業務関与している。今回はステントグラ
フト内挿時における臨床工学技士の重要性について報告する。
【対象】 2001 年から 2009 年までに、大動脈ステントグラフト内挿
術を施行した胸部領域 306 症例、腹部領域 172 症例に対して、それ
ぞれ人工血管置換術への移行率を調査した。
【結果】 胸部領域の人工血管置換術への移行は 2 症例で 0.65%、
腹部領域では 1 症例で 0.58%だった。
また人工血管置換術への迅速な
準備も可能であった。
【
考察】国内において薬事承認を受けている胸部大動脈瘤治療用のス
テントグラフトは 2 種類、腹部用は 3 種類あり、当院ではすべての
デバイスの選択使用可能である。それぞれに適応基準があり、症例
により満たすものを使用しているため、各デバイスの特性や使用物
品の管理など専門知識が要求される。また合併症が起こった際への
迅速な体外循環への移行も重要である。今後は更なる将来への方向
性も模索したい。
【結語】大動脈ステントグラフト内挿術における臨床工学技士の役
割は重要であると考える。
O-33 心臓再同期療法における心内心電図を用いた至適化法と
リアルタイム 3D エコーとの評価の比較
1
札幌中央病院 臨床工学科
O-34 超音波エコーによる術中冠動脈グラフト評価
1
札幌中央病院 臨床工学科、2 生理検査科、3 心臓血管外科
森本 誠二 1、和田 純 1、山口 あかり 1、小笠原 あさみ 1、毛利 尚 森本 誠二 1、小笠原 あさみ 1、毛利 尚弘 1、山本 浩幸 1、
弘 1、楢山 佳祐 1、清水 啓介 1、山名 正和 1、山本 浩幸 1
澤田 美佳 2、大澤 久慶 3、櫻田 卓 3、荒木 英司 3
【目的】心臓再同期療法における房室・心室間至適 delay は経時的
に変化するが、フォローアップ毎に至適化を行うことは時間と労力
を考慮すると困難であると思われる。今回、新たに開発された心内
心電図を用いた至適化法の有用性と、リアルタイム 3D エコー装置
Artida(TOSHIBA 社製)との比較を 1 症例ではあるが検討を行ったの
で報告する。
【対象】53 歳、男性で拡張型心筋症により入退院を繰り返していた。
徐々に左室駆出率の低下(EF25%)、心拡大が進行してきたため、至適
化法(QuickOpt)機能を有する PromoteRF(St.Jude Medical 社製)の
植え込み術が施行された。
【方法】評価法はまず、自己脈での評価を行い、その後 QuickOpt に
より算出された至適 delay に従い順次設定を変更し評価を進めた。
【結果】AVdelay は QuickOpt で 180ms と算出されたが、エコーでは
120ms が良好であったためその値を至適 delay とした。VVdelay は
QuickOpt にて左室先行 60ms と算出されたが、エコーで計測した結
果、左室先行 30ms が良好であったためその値を至適 delay とした。
3D エコーでは至適化前に収縮時相のズレを認めたが、至適化後は改
善が得られた。
【考察】QuickOpt では、一連のセンシングテストとペーシングテス
トから得られる伝導時間の差を利用して至適値が簡便に算出され
る。この値を元に評価を進めれば検査時間の短縮は可能であると考
えられた。今回の症例では QuickOpt とエコーでの至適 delay に多少
の乖離を認めたが、QuickOpt のアルゴリズムは電気的な同期性を求
めているため、エコーでの機械的な再同期を求める方法とは観点に
多少の相違が存在することから、結果として差異が生じたものと考
えられた。
【結論】心内心電図を用いた心臓再同期至適化法と 3D エコーとの評
価の比較検討を行った。算出された至適 delay に多少の差異は認め
られたが、心機能を悪化させる値は提示されなかったとの報告があ
ることを踏まえると概ね有用な機能だと考えられた。
【目的】冠動脈バイパス術の術中グラフト評価は手術成績を上げる
点で非常に重要である。今回、超音波エコーが術中グラフト評価法
として有用であるか検討を行ったので報告する。
【対象】
2007 年 9 月から 2009 年 9 月までの待機的に施行した冠動脈
バイパス術に対し術中グラフト評価に超音波エコーを用いた64例を
対象とした。内訳は on pump CABG24 例、off pump CABG40 例。
使用グラフトは左内胸動脈 61 本、右内胸動脈 6 本、橈骨動脈 13 本、
右胃大網動脈 28 本、大伏在静脈 80 本であった。
【方法】全バイパス吻合終了後、カラードプラ・パワードプラによ
り血流の流れ、パルスドプラにて血流速波形、B モードにより血管内
の性状を確認した。吻合部評価にはスタビライザーを用い静止野を
確保し行った。また、術後のグラフト造影・MDCT 結果と術中超音波
診断との有意差についても検討を行った。
【結果】グラフト造影でのそれぞれの開存率は左内胸動脈 98.0%、右
内胸動脈 66.7%、橈骨動脈 80.0%、右胃大網動脈 100%、大伏在静脈
92.3%であった。超音波診断との統計学的有意差検定は、2 群の比較
にカイ二乗検定を用い p<0.05 を有意差ありとした。結果は左内胸
動脈 p=0.307、右内胸動脈 p=0.504、橈骨動脈 p=0.136、右胃大網動
脈 p=0.147、大伏在静脈 p=0.465 といずれも有意差はなく、超音波エ
コーでの評価は有用であることが示唆された。
【考察】現在術中グラフト評価法としては血流計や画像を用いたも
のが一般的となっているが、超音波エコーでは血流測定、視覚的評
価の両方の情報を得ることが出来る。また、心臓手術ではほぼ全例
に経食道エコーを使用しており、プローブの変換操作のみでグラフ
ト評価を行えることは手技的・コスト的にも負担が少なく利点であ
ると思われた。
【結論】冠動脈バイパス術の術中グラフト評価において、吻合部形
態やグラフトの血流速波形の情報を得られる超音波エコーを用いた
評価方法は有用であると考えられた。
O-35 血液浄化装置 ACH-Σの性能評価
O-36 透析監視装置DCS-27によるD-FASの使用経験
1
1
池田 裕晃 1、大塚 剛史 1、白瀬 昌宏 1、伊藤 和也 1、
渡部 貴之 1、岡田 功 1
谷道 正義 1、石井 啓吾 1、水戸部 慎 1、山出 直喜 1、
越野 督央 2
【はじめに】血液浄化装置、旭化成クラレメディカル社製 ACH-Σ導
入に伴い、同社 Plasauto iQ21 を比較検討の対象とし性能評価を行
った。
【方法】 ACH-Σと Plasauto iQ21 のそれぞれの除水精度・回路装
着時間・機能性について検討を行った。除水精度の計測には治療モ
ードを CHDF とし実験開始から 15 分まで 3 分間隔、その後 15 分間隔
で計 2 時間の徐水量の計測を行った。回路装着時間の計測は経験年
数の異なる当院臨床工学技士により回路装着時間を比較した。機能
性については取扱説明書や添付文章などにより比較し、さらに実際
に使用した経験を踏まえて安全性や操作性について検討した。
【結果】
除水精度はACH-ΣとiQ21 共に誤差は+5ml 以内に安定した。
2 時間後のそれぞれの誤差は ACH-Σ:3.8ml、iQ21:1.3ml となった。
回路装着平均時間は ACH-Σは 6.46 分、iQ21 は 6.48 分となり ACHΣに比べ、iQ21 は技士により時間のばらつきがみられた。機能性と
して ACH-Σと iQ21 の装置の大きさを比較すると、
ACH-Σの方が重心
が低くコンパクトでハンガー部も収納することができた。また ACHΣはサイドに扉があり重量計は扉内に収納されていて、計量の際外
乱の影響を受けにくい構造となっていた。
電源立ち上げ後 ACH-Σは、
始業点検実行ボタンが表示され点検が容易に行うことができた。加
えて治療中は圧力の自動追従機能が備わり、より厳格に圧の変化を
監視できるようになっていた。ACH-Σの回路は通常の動脈チャンバ
が付いておらず、代わりに特殊なチャンバが脱血圧と入口圧の圧モ
ニタとして備わり、ポンプチューブ内径も小さかった。ゆえに回路
血液充填量を比較すると、
iQ21 が 75.5ml で ACH-Σは 63.5ml と ACHΣのほうが充填量は少ない構造となっていた。
【はじめに】近年、医療経営を取り巻く環境は厳しくなり、透析医
療においてもスタッフの人員削減を余儀なくされている。その一方
で、高齢化や長期化に伴い透析患者数は増加している。安全性を向
上させ操作の標準化を図り、相反する省力化にも人の代替機能を充
足し対応していく。そのためには作業の自動化が必須である。我々
は、平成22年に新病院を建設し透析装置も現在の20台から35
台へ増加させる予定である。今回、自動プライミング・返血装置で
ある日機装社製D-FAS(DCS-27任意付属品)を平成21
年7月に道内初導入で臨床使用し、装置の操作性および省力化への
期待について若干の知見を得たので報告する。
【方法】D-FAS(1台)を使った自動プライミングの作業時間
とD-FAS未装備のDCS-27(4台)を使った従来の手技の
作業時間をストップウォッチを用いて比較した。さらにエア抜きお
よび残血状態を目視にて評価した。
【結果】作業手順が格段に省力化できた。35台換算の作業時間は、
従来の手技では90分40秒であったのに対しD-FASでは29
分30秒に短縮された。血液回路内にエアは認めずプライミングは
十分臨床使用出来た。返血機能は残血や気泡警報の発生頻度が多く
使用には至らなかった。
【考察】道内初導入のためメーカーも熟知していない点があり、緊
急補液ボタンの設定に時間を要し問題であった。返血機能を使用す
るメリットは大きく、今後は血液回路のプライミングボリュームを
抑え細径にし血液流速を早め、気泡センサのROM変更などの対策
をとり再度検討が必要と考えられる。
【結語】省力化には十分な効果がある事が確認された。手技が簡便
で統一されるため経験の浅いスタッフでも同じレベルで操作でき、
さらには操作回数の減少による感染予防への貢献が期待できると考
えられた。
JA 北海道厚生連 遠軽厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
医療法人 輪生会 朝里病院 臨床工学部、2 心臓血管外科
O-37 チャンバ交換型血液透析回路の検討
O-38 透析装置 TMP 自動追従モード利用による除水時間への影響
1
1
特定医療法人 北楡会 札幌北楡病院 臨床工学技術部
市立稚内病院 臨床工学科
安藤 誠 1、横山 純平 1、小林 慶輔 1、栗林 芳恵 1、川西 啓太 1、
小熊 祐介 1、山本 千亜希 1、永田 祐子 1、松原 憲幸 1、山野下
賢 1、月安 啓一郎 1、富岡 佑介 1、住田 知規 1、小塚 麻紀 1、
土濃塚 広樹 1
【はじめに】現在の血液透析では血液が凝固した場合、血液回路の
部分もしくは全交換をしているため、血液損失、感染、煩雑手技、
時間ロス、コスト増大が問題となる。当院では ICU にて臨床工学技
士が血液浄化業務を担当しており、特にメシル酸ナファモスタット
(Nafamostat Mesilate 以下、NM)を使用した場合、約 4.1%で回路
内凝固にて回路交換を余儀なくされている。回路交換に伴う問題解
決を目的にチャンバ部のみ交換できる血液回路を試作し臨床にて使
用・評価した。
【回路仕様】動脈および静脈チャンバの前後を切断し、ロック式の
コネクタをつけた。これによりチャンバ部のみが血液回路から離脱
可能となった。チャンバ部のロック式コネクタは前後ともオス型形
状として、チャンバ無しの回路構成はできなくした。
【結果】手技の簡素化を期待したが慣れが必要で、初めて使用する
スタッフの交換時間は従来の回路と同じくらいの時間がかかった。
しかし 2 回目以降はその時間も短縮され 1/2~1/3 にまでなった。
【利点】
・プライミングが早くて容易・交換時間短縮(慣れが必要)
・
清潔操作は可能・危険防止(機械側で交換できるので死角がない)
・
生理食塩水付加量の軽減 などがあげられる。
【欠点】
・ロック部の増加で回路が高価となった・ロック部が増えた
ことによる危険度増加(増し締め作業が必須)
・チャンバ部のみの供
給問題 などがあげられる
【課題】NM の増量で対応できる症例はそれに越したことはない。更
なるコスト削減のためにチャンバ部のみの供給をメーカにしてもら
わなくてはならない。また、交換しないと専用回路が無駄になるた
め症例別使用ルールが必要となる。
【展望】
ICU だけではなく透析室でも凝固しやすい症例には使用して
いきたい。他施設でも採用されるようになれば、血液回路のコスト
削減は可能と考えられた。
森久保 訓 1、藤田 彩 1、野口 博美 1、淡路谷 真伊 1、
川俣 一史 1、田中 宰 1、池田 納 1
O-39 透析用監視装置の定期点検実施とその有用性について
O-40 当科の心臓カテーテル室業務の変沿と今後の課題について
1
1
医療法人サンプラザ 新札幌循環器病院 臨床工学科、2 環器内科
3
心臓血管外科
釧路泌尿器科クリニック 血液浄化技術部
斉藤 辰巳 1、大澤 貞利 1、山本 英博 1、小半 恭央 1、
伊藤 正峰 1、久島 貞一 1
【はじめに】現在当院透析センターにて使用している日機装社製透
析監視装置の更新に伴い透析液圧監視から TMP 自動追従モードでの
患者監視が可能となって、監視機能が向上した。しかし、この機能
を使用することにより意図しないまま除水時間が短縮され、予定時
刻より早く除水が完了し、患者とトラブルとなった事例があった。
今まではこう言う事例に対し、当院で誤差と一言で終わらせていた
除水時間の短縮を今一度検証する中、
TMP 自動追従モードへ変更した
ことによる影響を検討し報告する。
【対象】当院透析センターにて使用している日機装社製透析監視装
置 DBB-27 にて透析を行なった結果、設定終了時刻より早く除水が完
了してしまった対象患者 1 名。
【背景】
3 時間透析を行なっているこの患者様は体重増加が少ない時
もあり透析中の除水は透析開始及び終了時使用する生理食塩水
300mlのみで総除水量は0.3L除水速度が0.1L/hrで行う事があった。
透析装置の除水時間は透析開始直後 3 時間を表示していたが、除水
が完了してみると予定より約 30 分前後早く終わる。
【考察】透析液圧監視は±50mmHg で圧力監視するのに対し TMP 自動
追従モードは透析開始後、TMP ゼロ補正・初期 UFR 測定を行ないダイ
アライザの UFR を測定し、ある時間経過後の UFR をマイコンが予測
し TMP 値に置き換える。この予測された TMP に対し±20mmHg の幅の
警報点を設定し監視を行なう。
初期 UFR 測定時の除水速度は 0.5L/hr
以上のときは設定された除水速度で動作する。しかし 0.01~
0.49L/hr の時は 0.5L/hr で動作し、
この時除水時間の誤差が生じる。
【まとめ】
TMP 自動追従モードでは除水量が少ない時は早く除水を完
了してしまう。
森本 恭彰 1、砂山 篤志 1、佐藤 広樹 1、海老子 貴弘 1、
【目的】平成 18 年 6 月 14 日より医療法の一部が改正され、医療機 三輪 貴史 1、菊地 一智 1、荒道 昭男 1、塚本 隆裕 2、
器の保守点検、安全使用に関する体制を整えることが義務づけられ 村元 信之介 2、佐々木 孝 3
た。それに伴い、当院でも平成 20 年 4 月より、透析用監視装置を定
期的に点検することとなった。今回は、定期点検の有用性について 【はじめに】当科は 1988 年透析室開設に伴い発足し、1998 年 4 月よ
報告する。
り心臓血管外科の開設共に、心臓カテーテル(以下心カテ)室業務
および人工心肺操作を含む手術室業務を開始した。今回当科の心カ
【方法】定期点検は、機種ごとにチェックリストを作り、それぞれ テ室業務を開始当初から今日に至るまでの業務沿革について紹介し
の項目について正常であれば○、異常があっても修理可能であれば ます。
△、その場で修理不可能な異常がある場合は×と評価した。6 ヶ月 【当科の業務内容】1.人工心肺操作および手術室業務 2.ICU および
ですべての監視装置の点検が終わるよう、
1 ヶ月 7 から 8 台ずつ割り 人工呼吸器関連業務 3.心カテ室業務 4.血液浄化関連業務 5.ペース
当て、点検を行った。
メーカ関連業務 6.医療機器管理・修理業務の 6 業務と多岐にわたっ
ている。
【結果】2008 年 4 月から 2009 年 3 月までの 1 年間で、定期点検によ 【当科の心カテ室業務の沿革】
1998 年 4 月から 2004 年 3 月までは心
り異常が見つかった数は 11 件で、点検を行った全体数が 86 回なの 臓血管外科医が業務担当していたため 1.ポリグラフ操作・記録 2.記
で、異常発見率は約 12.8%であった。異常別でみると、一番多かっ 録物の管理 3.カテーテル・PCI 物品管理 4.コスト管理 5.補助循環の
たのがカスケードポンプからの漏れで 4 件、次いでバランステスト 操作・機器および物品管理であったが、2004 年 4 月より循内医の着
の異常が 3 件、血液ポンプオクリュージョン調整が 3 件、電磁弁 SV7 任より CE を 1 名増加し、
1 から 5 に加え 6.IVUS の操作および記録管
の異常が 1 件であった。11 件の異常のうち、電磁弁 SV7 の異常はメ 理 7.PCI 業務の介助業務が増加した。それにより管理物品も増加し
ーカーに修理を依頼したが、残る 10 件については、院内修理にて対 ている。2009 年 6 月には X 線循環器診断システム、64 列マルチスラ
処することができた。
イス CT および可変式造影剤注入システム(ACIST)を新規導入し且
つ、院内画像 LAN システムを構築した。それに伴い 1 から 7 業務に
【考察】透析用監視装置は、透析治療に使用する時間以外にも、洗 加え 8 各種データの入力管理 9.ACIST の準備・操作・管理がさらに
浄や消毒、液置換の時間があり、長時間の運転をしていることにな 加わった。
る。そのため、定期的に点検を実施し、異常がないかを早期に発見 【今後の課題】1.現在の臨床工学技士法で行える範囲内で業務拡大
することにより、故障を防ぐ事ができるのではないかと考える。
を更に図る事、2.PMI や ICD・CRT および PCI 関連のデバイスは日々
進化するためそれらへの対応や勉強のために専門的知識・技術の習
【結語】透析用監視装置の定期点検を実施することにより、異常を 得 3.危険予知トレーニング等を勉強し、患者さんへの安全の確保に
早期に発見する可能性が高まり、除水異常などの重大な医療事故を 努める 4.他施設との交流や研修・勉強会を通じて業務内容の“質と
未然に防ぐことができると考えられる。
安全性の向上”が今後の課題であると思われる。
O-41 データベースを用いた臨床用機器管理システム
O-42 医療機器管理におけるデータ活用の試み
1
1
北海道工業大学大学院 工学研究科 応用電子工学専攻、
北海道工業大学 医療工学部 医療福祉工学科、
3
医療法人社団 北腎会 坂泌尿器科病院
渡邉 翔太郎 1、二口 伊郎 2、菅原 俊継 2、黒田 聡 2、
木村 主幸 2、有澤 準二 2、有澤 博明 3、樋口 雅人 3、
松崎 智哉 3、坂 丈敏 3
JA 北海道厚生連 網走厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
2
國木 里見 1、田中 幸菜 1、片岡 拓也 1、竹村 務 1、大河原 巧 1、
森久保 忍 1、伊藤 貴之 1
【はじめに】医療機器の安全管理において機器管理内容の適切な記
録・管理は機器を安全かつ効率的に運用するために重要な指標とな
る。そこで我々は、機器管理情報を一元管理するオープンソース・
ソフトウェアを用いた医療機器管理用データベース(以下医療機器
管理用 DB)を独自に構築し、これを中心とする安全で効率的な医療
機器管理システムの構築を行ってきた。しかし、いずれのシステム
も研究の成果として学会等で示す程度のものであり、実際の機器管
理の現場において活用できるものではなかった。そこで、今回は医
療法人社団北腎会坂泌尿器科病院に研究の協力をしていただき、実
際の現場で使用することを目的とした医療機器管理用DBシステムの
構築を行ったので報告する。
【システム構成】本システムは、DB を管理し Web アプリケーション
を構成するサーバ PC と、
DB の入出力インターフェイスとなるクライ
アント PC からなる。サーバ PC とクライアント PC は LAN を通して繋
がっており、クライアント PC から Web ブラウザを用いて機器情報の
入出力を行う。なお、本システムで用いる各種ソフトウェアは無料
でありながら本格的な機能を備えたものである。
【方法】坂泌尿器科病院の機器管理方法に基づいて DB を設計した。
これまでの機器管理方法は記録用紙を使用したもので、医療機器に
よって様々な項目が記載されていた。そこで本システムを構築する
にあたり、機器管理方法を再検討し機器の貸出・返却・点検などの
基本的な機能を作成した。
【結果】実際の現場において使用することを目的として、坂泌尿器
科病院の機器管理方法を参考に医療機器管理用DBシステムの構築を
行った。その結果、Web ブラウザを通して機器情報を DB に記録し、
貸出・返却・点検など基本的な業務を効率的に行えた。今後はこの
システムを本格的に使用し、不具合を改善しながらより実用的なシ
ステムの完成を目指したいと考えている。
【はじめに】医療機器に関する安全性実現の手法については予備事
故解析や FMEA,FTA などの解析手法があるが,今回私達はデータ活
用をより簡単に行ってトラブルの予防に効果的に結びつけるため
に,当院でこれまで経験したトラブルに関するデータ活用を試みた
ので報告する.
【方法】当院で FileMaker Pro を用いて蓄積してきたトラブル対応
に関するデータについて,まず平成 18 年度と 19 年度のトラブル対
応歴を集計して発生状況などについて当院の傾向把握を行った.次
にその結果を基に,トラブルの予防に向けて臨床工学技術科として
の取組内容を設定して平成 20 年度の 1 年間取組を継続した後,成果
について再度データを集計して検証した.
【結果】平成 18 年度と 19 年度の集計から,使用中に発見したトラ
ブルの原因として,劣化消耗,取り扱い不良・操作ミス,落下・転
倒等の衝撃が多い傾向にあることがわかった.また使用中に劣化消
耗が発見されることが多い傾向であることもわかった.これらの傾
向から平成 20 年度の取組内容を決定し,1 年間取組を続けた結果,
平成 20 年度においては平成 18・19 年度と比較して使用中のトラブ
ル発見が減少し,保管中と定期点検による発見が増加していること
がわかった.しかし原因の内訳集計においては,使用中に発見され
る劣化消耗,落下・転倒等の衝撃は減少していないことがわかった
が,取り扱い不良・操作ミスは減少したことがわかった.
【考察】データ活用を試みて,傾向把握でも安全上の対応策は立案
可能と思われた.しかし作業効率と費用面などから全てに十分対応
していくのは厳しい現状であるため,対象とする機種や事象に優先
度を判断できるようにデータを分類していく必要があると感じた.
【まとめ】トラブルは貴重な経験であり,予防に生かすことが重要
である.データ活用としては複雑な解析手法の応用も必要な場合が
あるが,傾向把握は簡単で効果的な対応策を考えることができると
感じた.
O-43 札幌市内 AED 設置施設の点検調査報告
O-44 当院における転倒転落防止センサーの使用状況
1
1
JA 北海道厚生連 札幌厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
札幌社会保険総合病院 ME部
高橋 大樹 1、小柳 智康 1、完戸 陽介 1、笠島 良 1、石川 俊行 1、 山野内 亘 1、小幡 大輔 1、高井 麻央 1、小川 輝之 1、斉藤 徳 1、
橋本 佳苗 1、室橋 高男 1
真下 泰 1
【目的】厚生労働省から『AED の適切な管理等の実施について』とい
う周知依頼が各都道府県に通知され、実際に様々な施設での AED 管
理がどの様になっているのか継続調査を行った。
【対象】札幌市中央区内にある AED 設置施設を選出し、点検の了解
を得た12施設を対象とした。
【方法】札幌市で導入されている可能性の高い 3 社の AED を借り、
事前に点検方法を習得した上で以下の点検を実施した。1)インジ
ケータの確認2)セルフチェックの実施3)各種機能の動作確認(機
種による)4)AED パッドの使用期限の確認。
【結果】本体の異常は0件,パッドの使用期限切れが1件であった。
【考察】本体の異常は 0 件については AED に何らかの異常が発生す
ることが極めて稀な事と、機種によっては異常が発生した際に音声
等で管理者が気付き対応ができるためと思われる。
AED パッドの使用
期限切れは、点検を怠っていた事が要因で、AED 点検の重要性や点検
内容,方法が十分に伝わっていない事によるものと感じた。また、
期限が切れたパッドを使用した際には、事故を起こす可能性や通電
不可等が想定され、重大な問題と認識した。今後さらに AED が普及
していく為に、安全な使用に向けた点検活動と点検方法の周知活動
が必要であり、緊急時の使用において異常が発生する確率が低くな
ると思われる。だが、個人的な活動では実際に点検の了解を施設側
から得るのは困難が多く、技士会等の組織的な協力を受ける事が出
来れば点検活動の幅は広げる事ができると考えられる。
【まとめ】札幌市中央区内の AED を調査し期限切れのパッドを設置
している施設が見つかった。点検の方法と必要性の周知不足である
ことが原因であり、今後周知を行うためには組織的な力が必要と考
えられる。
【目的】近年、術後や認知症等で転倒・転落のリスクが高度な患者
に対し、入院中の安全性配慮の点から様々な転倒転落防止センサー
を利用する施設が増えている。当院でも ME 部による中央管理機器と
して転倒転落防止センサーが運用されている。転倒転落防止センサ
ーには様々な種類があり患者の状態に合わせた適性使用が求められ
る。当院に於ける採用機種の使用状況とその特徴について検討した
ので報告する。
【対象及び方法】当院で採用している離床センサー、フロアセンサ
ー、タッチコールセンサー、被服装着型離床センサーの 4 機種につ
いて、有線式か無線式かの違いも含め検討した。
【結果及び考察】今回の検討で、無線式タイプの転倒転落防止セン
サーには、コードの断線による故障が無く、コードに足を引っかけ
る心配もない等の利点があり、有線式タイプの転倒転落防止センサ
ーにはメンテナンスが無線式タイプよりも手間がかからない等、そ
れぞれに特徴がある事が判明した。転倒転落防止センサー単独で使
用する場合と、患者の状態によってはいくつかの種類を併用する場
合があり、部屋の構造や患者の状況に合わせて転倒転落防止センサ
ーを使用する事で、安全性の向上になると考える。又、当院で活用
されている転倒転落アセスメントスコアシートに転倒転落防止セン
サーの使用基準がどのように組み込まれているかを理解し提供して
いく事が重要であると考えられた。
【結論】それぞれのセンサーの特徴を理解し、それぞれの目的に合
わせた使用を心がけることで転倒転落の未然防止または転倒転落に
よる受傷を最小限にすることができると考えられた。また、センサ
ーを購入する際には各メーカーから販売されているセンサーのメン
テナンス方法やランニングコストを知る事も購入や管理をしていく
うえで重要な指標になると考える。
O-45 心カテ業務に於ける GS1-128 利用による製品使用実績管理の
取り組み
1
札幌社会保険総合病院 ME部
小川 輝之 1、小幡 大輔 1、山野内
斉藤 徳 1、真下 泰 1
亘 1、高井 麻央 1、
O-46 輸液ポンプのヒストリー機能を利用して
~当院での使用状況の報告~
1
旭川医科大学病院 診療技術部 臨床工学技術部門
浜瀬 美希 1、下斗米 諒 1、天内 雅人 1、本吉 宣也 1、南谷 克明
、山崎 大輔 1、与坂 定義 1、菅原 時人 1、宗万 孝次 1
1
【目的】近年様々な分野で製品バーコード標準化への動きが高まっ
てきている。医療機器業界に於いても例外でなく、平成 20 年には厚
労省より通知が出され製品への GS1-128 バーコード(以下 GS1-128)
表示が義務付けられた。これによる製品の使用実績管理実施は、ト
レイサビリティ(追跡調査性)確保に非常に有用であると言われてい
る。当院の心カテ業務に於ける使用実績管理は、汎用データベース
ソフトを用い臨床工学技士が行い、使用製品のロット、シリアル番
号の記録は打込み作業にて行っていた。今回バーコードリーダにて
GS1-128 を直接読込み、
使用製品を自動入力させる方法に変更した事
で、省力化及びトレイサビリティの精度向上が図れたので報告する。
【方法】従来迄の打込み入力と GS1-128 による自動入力方法を比較、
検討した。
【結果及び考察】
GS1-128 をバーコードリーダで読み取り記録する事
で、従来迄打込み作業に費やしていた時間を大幅に削減する事が出
来き省力化が図れたのと同時に、ロット、シリアルの打ち間違いも
無くトレイサビリティの精度向上が図れた。又 GS1-128 に含まれる
標準商品コードを予めデータベース内の商品マスタに入力し関連付
けをしておく事で、対応する商品名、メーカー名、ディーラー名、
償還分類、償還価格等の項目も自動入力させる事が出来、コスト請
求漏れ、誤り防止にも繋がるものと思われた。又 GS1-128 の利用は
トレイサビリティ精度確保の他にも、在庫管理や使用期限管理、使
用直前読込みによる医療過誤防止策等への手段としても有用である
と考えられるため、今後あらゆる業務で活用する事が出来るものと
思われた。
【結論】薬事法にて管理要請の強い高度管理医療機器等を管理する
臨床工学技士が、GS1-128 の有用性を十分理解し、その利用を先立っ
て実践しかつその重要性を啓発していく事が重要であると思われ
た。
【はじめに】当院では、シリンジポンプ、輸液ポンプ合計458台
保有しており、臨床工学技士が中央管理し、点検後に院内に貸出さ
れている。機器のトラブルが発生した際は、使用者側が「故障報告
書」にその状況を記載して CE センターに報告される。点検を行って
機器の故障が見当たらない場合は、ヒストリー機能を使用し、トラ
ブルの原因を追究することを行っている。そこで今回この機能を利
用して院内での輸液ポンプの使用状況を把握するためデータを集め
た。
【対象・方法】ヒストリー機能を搭載した輸液ポンプ50台につい
て、データを取った。気泡や閉塞の警報など過去の履歴から、1)
警報の発生件数、2)警報発生後、アラーム対処マニュアルで対処
されている件数、3)衝撃検出の件数について調査した。
【結果】1)警報の発生件数は閉塞1055件、気泡462件、開
始忘れ242件、バッテリ低下99件、装置異常9件、衝撃7件で
あった。2)警報発生後、アラーム対処マニュアルとおり対処され
ていたのは、閉塞が31%、気泡が43%であった。3)衝撃検出
の件数は、7件であった。
【考察】他院では、輸液中に発生した警報のうち、閉塞警報が全体
の85%以上を占めていたとの報告もあるが、当院でも閉塞警報は
全体の56%を占めており、最も多かった。新たに発見されたこと
は、AC 電源とバッテリとで短時間に交互に切り替わっている現象が
起こっており、AC 電源コードの断線か機器との接続不良だと考えら
れた。
この事からAC電源コードの点検も重要であることがわかった。
また、警報への対処に関して正しい対処が行われていないケースが
多いため今回の結果を使用者側へフィードバックする重要性を感じ
た。
【結語】ヒストリー機能から分析した結果を使用者側に伝えること
が大切である。
O-47 故障点検、院内修理点検時における Infutest の使用経験
O-48 消毒剤や環境除菌用品の検証 ―材質へ与える影響-
1
1
旭川医科大学病院 診療技術部 臨床工学技術部門
JA北海道厚生連 札幌厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
天内 雅人 1、浜瀬 美希 1、下斗米 諒 1、本吉 宣也 1、南谷 克明 橋本 佳苗 1、小柳 智康 1、高橋 大樹 1、完戸 陽介 1、笠島 良 1、
1
石川 俊行 1、室橋 高男 1
、山崎 大輔 1、宗万 孝次 1、与坂 定義 1、菅原 時人 1
【はじめに】当院では、シリンジポンプ・輸液ポンプは病棟で多用
される機器の一つであり、中央管理方式によって管理している。当
院は、現在シリンジポンプ 256 台、輸液ポンプ 202 台保有しており、
中には何らかのトラブルにより病棟で使用中に注入量の不一致、落
下・転倒等の報告が度々聞かれる。当院では、そのような故障点検
時やポンプ駆動に関わる器具を交換した際の点検や落下・転倒後の
点検等に精密流量計を用い、流量精度、注入量を点検している。以
前は Bio-TEK 社製 IDA4(以下 IDA4)を使用していたが、更新のため
Dartrend Systems 社製 Infutest2000(以下 Infutest)を導入した。
今回、
Infutest の使用経験を当院の故障点検方法と交えて報告する。
【方法・対象】点検機器を Infutest にて長時間運転試験を施行後、
解析を行い注入量誤差、流量精度を判定した。対象機器は、テルモ
社製 TE-161S、TE-161、TE-331S、TE-331、TE-311 とした。また、精
密流量試験を施行した回数は、1999 年 11 月から 2009 年 9 月までシ
リンジポンプが 92 件、輸液ポンプが 150 件で、合計 242 件であった。
【当院での故障点検】各病棟に機器報告書を配布し、機器に何らか
のトラブルがあった際は、使用中の状況の詳細を記載し、機器と一
緒に提出する事としている。病棟で注入量の誤差があった場合は、
報告書を元に設定条件を再現し、Infutest にて長時間運転試験を施
行している。
【結果・考察】Infutest には専用のソフトウェアがあり、ソフトウ
ェア内で点検項目、時間を設定できるため、流量精度試験から閉塞
圧試験まで自動で測定でき、作業が効率的に行えた。また、自動判
定機能により、事前に閾値を設定することにより流量精度、閉塞圧
を自動判定できた。データベースより測定結果を PDF ファイル化で
きるため、病棟への結果報告も容易に行えた。
【結語】Infutest は故
障点検、院内修理点検時の精密流量試験において、操作性、作業性
に優れていた。
【はじめに】ME機器は、スタッフ間や患者間を移動する前に適切
な除菌を施さなければ交差感染の原因ともなりえる.その交差感染
を未然に防ぐためにME機器の機種に応じて、それぞれの取扱説明
書に記載している消毒剤を用いて清拭するのが最良と考える.しか
し、取扱説明書に使用を推奨されている消毒剤は機種毎に多数あり、
それらを使い分けて使用するには多くの苦労を要する.近年、環境
除菌用品も販売されている状況下、ME機器に汎用としての除菌剤
を探すべく過去に拭き取り除菌効果を確認し報告した.今回は、同
じ消毒剤や環境除菌用品を用いて 4 種の異なった材質への影響を確
認し、若干の知見を得たので報告する.
【方法】0.5%グルコジン R 水・ヤクラックス D 液 1%・ショードッ
クスーパー・HYPROX・Trionic の合計 5 種の消毒剤や環境除菌用品に
て、天然ゴム・ポリエチレンテレフタレート共重合体(PET)
・ポリ
アセタール樹脂(POM)の 4 種の材質を覆い 18 週まで目視にて材質
変化を確認した.
【結果】天然ゴムに対してヤクラックス D 液 1%を使用したものは、
1 週経過で表面が脱色した.ショードックスーパーを使用したもの
は、2週間経過で天然ゴムが脱色した.HYPROX を使用したものは 6
週目で天然ゴムの表面が形状変化した.
PET に対してショードックス
ーパーを使用したものは、4 週目で無数のヒビを確認した.アクリル
樹脂に対してショードックスーパーを使用したものは、
1 週間経過で
表面が曇り、2 週間経過で軟化し、3週間経過で完全に白色化した.
POM に対してヤクラックス D 液 1%を使用したものは、
13 週経過で表
面が黄変した.
【結語】今回の検証では、材質変化が認められなかった上に、除菌
効果の広い Trionic を注目している.今後は観察期間を延長し、更
に多くの環境除菌用品の鉄やポリカーボネート(PC)などを含む材質
への影響を確認していきたい.
O-49 内視鏡洗滌消毒装置内における水フィルタの使用期間の検討
O-50 酸素流量計の保守管理の必要性
1
1
特定医療法人 北楡会 開成病院 臨床工学技士科
特定医療法人 鳩仁会 札幌中央病院、2 臨床工学科
成瀬 俊一 1、宮岸 勇樹 1、清信 一貴 1、鶴谷 敬之 1
楢山 佳祐 1、山名 正和 1、清水 啓介 1、森本 誠二 1、毛利 尚弘
1
、小笠原 あさみ 1、山口 あかり 1、和田 純 1、山本 浩幸 1
【はじめに】現在、当院内視鏡室には 2 台の内視鏡洗滌消毒装置
(OLYMPUS 社製 以下 OER‐2)があり、高水準消毒薬に過酢酸製剤ア
セサイド 6%消毒液(以下アセサイド)を使用している。アセサイド
の濃度の有効判定にはアセサイドチェッカーを使用し、消毒液濃度
履歴管理シート(以下管理シート)に記入を行っている。当院では、
これまで水フィルター(以下フィルター)の交換時期についての取
り決めはなかった。 今回、管理シートの情報からアセサイドの使用
回数、フィルター使用期間、交換時期についての検討を行ったので
報告する。
【検討方法】2008 年 10 月~2009 年 9 月までの 1 年間にフィルター
の交換を 6 回行った。各フィルターの使用期間とアセサイド使用回
数を管理シートの情報から平均算出し検討した。
【結果】フィルター1 本あたりの最長使用期間は 61 日間、最短使用
期間 53 日間であった。フィルター1 本あたりの最大消毒使用回数は
314 回、最小消毒液使用回数は 182 回であった。平均使用期間と平均
消毒液使用回数はそれぞれ、58 日と 289 回であった。
【考察】使用期間、交換時期についてはどのフィルターもほぼ同じ
期間で交換を行っている事から約 2 ヶ月に 1 本フィルターを交換す
ることで洗浄消毒効果を保守できるものだと考えられる。また、ア
セサイドは安定性が悪く、洗浄水の残水が混入する事により濃度低
下を引き起こす為、今後も継続して濃度履歴管理を行う必要性があ
ると考える。
【まとめ】管理シートの情報源を明確化する事ができ、そこから当
院におけるフィルターの使用期間は約 2 ヶ月である事がわかった。
しかし、今回は水質やフィルター内の菌の発生等を考慮していない
為、今後は管理シートの情報量を多くし、水質の管理、フィルター
内の細菌検査等も取り入れ、より安全な検査が提供できるようにし
ていきたい。
【はじめに】当院では 2007 年 4 月の医療機器安全管理に関する医療
法の改正より、院内の医療機器保守管理体制を改め、人工心肺装置・
人工呼吸器・血液浄化装置・除細動器・輸液ポンプ・シリンジポン
プ等の保守点検を行っている。その中で酸素流量計に関しては、当
部署では保守管理は行っておらず、当院 施設管理科に任されている
状況であった。今回、院内全ての酸素流量計の所在を明確にすると
共に流量精度の測定を行った結果から保守管理の必要性について考
察したので報告する。
【方法】院内の各部署に酸素流量計が何台所有されているかを調査
した。また、フロート式流量計を使用し、酸素流量計を 1L/min、
2L/min、3L/min、5L/min、10L/min に設定した時の実際の酸素流量を
測定した。
【結果】院内に合計 88 台の酸素流量計を所有していた。実流量の測
定結果は、1L/min:0.94±0.38L/min、2L/min:2.08±0.41L/min、
3L/min:3.06±0.48L/min、5L/min:5.11±0.57L/min、10L/min:10.03
±0.95L/min であった。
【考察】酸素療法を施行する上で、正確な酸素流量が供給出来てい
ない状態は誤った判断や治療につながる危険性がある。今回の測定
では明らかに流量が不足しているもの、また過剰なものが見つかっ
た。これらの酸素流量計に対してはパーツ交換の対象とした。また、
今後の保守管理のため酸素流量計それぞれに個体番号を振り分け、
流量精度が分かるよう機器に表記を取り付けた。
課題としては、酸素流量計の保守管理に関して明確な指針等がない
ため、どれくらいの期間で定期的に点検を行っていくべきか検討の
必要がある。
【まとめ】酸素流量計の実流量を測定した結果から、明らかな流量
誤差を認める機器があり、定期的な保守管理の必要性があると考え
られる。
O-51 医療機器に用いられるリチウムイオンバッテリーの点検方法
について
1
旭川医科大学病院 診療技術部 臨床工学技術部門
O-52 旭化成クラレメディカル社製 APS-DSpuls の性能評価
宗万 孝次 1、浜瀬 美希 1、下斗米 諒 1、天内 雅人 1、本吉 宣也
1
、南谷 克明 1、山崎 大輔 1、与坂 定義 1、菅原 時人 1
渡部 貴之 1、池田 裕晃 1、大塚 剛史 1、白瀬 昌宏 1、
伊藤 和也 1、岡田 功 1
多くの医療機器に停電時や患者輸送時等に対応するため内臓バッテ
リーが搭載されている。内臓バッテリーには2次電池が使用されて
いるが、なかでもニッケルカドミウム電池(以下ニッカドバッテリ
ー)が、取り扱いが簡便で丈夫であるといった理由から汎用されて
いる。
当院では以前よりニッカドバッテリーの管理方法として、充放電器
を用いて容量、放電電圧等を測定している。近年、医療機器にもリ
チウムイオンバッテリーが採用される傾向にあり、当院でも専用の
充放電器を用いての管理を検討している。今回、リチウムイオンバ
ッテリーの管理について、基礎的実験を行ったので報告する。
1
JA 北海道厚生連 遠軽厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
【目的】今回、新たに発売された旭化成クラレメディカル社製 Dry
タ イ プ IV 型 ダ イ ア ラ イ ザ 、 APS-15DSplus( 以 下 15DS) 、
APS-18DSplus(以下 18DS) と、従来使用していた同社製 IV 型ダイア
ライザ APS-15SA(以下 15SA)
、APS-18SA(以下 18SA)の溶質除去性
能を比較検討したので報告する。
【方法】安定維持透析患者 7 名を対象に 15SA、18SA、15DS、18DS を
クロスオーバーで使用し、HD4 時間、QB200ml/min、QD500ml/min の
条件で施行した、溶質除去性能として、BUN、Cr、UA、IP、β2-MG、
α1-MG の除去率、クリアランス、除去量、クリアスペースさらに Alb
漏出量を測定した。
【結果】4 種類のダイアライザとも小分子物質に有意差はなく、同等
の除去性能を有していた。α1-MG、Alb 漏出量に関しては、18DS が
他と比べて有意に高値であった。
【結論】APS-DSplus は小分子物質の除去性能においては、APS-SA と
同等の性能を有していた。また、18DS に関しては、低分子量蛋白の
除去性能が高かった。
O-53 APS-15DSplus の性能評価
O-54 β2-ミクログロブリン吸着器リクセルS25の1年間
臨床評価
1
1
JA 北海道厚生連 帯広厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
仁友会 北彩都病院 臨床工学科、2 仁友会泌尿器科内科クリニッ
ク、3 腎臓内科、4 内科、5 泌尿器科
1
1
1
1
1
清水 未帆 、北澤 和之 、郡 将吾 、川上 祥碁 、山城 州古 、 山本 勝仁 1、野尻 誠 1、堀合 篤史 1、江幡 俊明 2、石川 幸広 1、
小野寺 優人 1、仲嶋 寛子 1、小笠原 佳綱 1、岸本 万寿実 1、
井関 竹男 1、平山 智也 3、石田 真理 4、石田 裕則 5
1
1
1
1
山本 大樹 、柴田 貴幸 、大京寺 均 、岸部 淳一 、
阿部 光成 1、今泉 忠雄 1
【はじめに】今回旭化成クラレメディカル社で新しく発売された、
Dry タイプ 4 型ダイアライザーAPS-15DSplus と、ニプロ社製 4 型ダ
イアライザーPES-15Eαの溶質除去性能について比較検討したので
報告する。
【対象と方法】当院安定期維持透析患者 7 名(男性 5 名、女性 2 名、
年齢 53.1±15.5 歳、透析歴 7.7±5.2 年)を対象とし、APS、PES と
もに1週間(3 回)使用し、それぞれ 3 回目の透析日にクリアランス、
除去率、経時除去量、経時 Alb 漏出量、クリアスペースの評価を行
った。
【結果】
小分子量物質の除去効率は BUN のクリアランスにおいて APS
が194.1±2.0ml、
PES が190.5±1.9ml/min でAPS が有意に高かった。
Cr のクリアランスでは APS が 165.9±9.6ml/min、PES が 169.1±
8.8ml/min で PES が有意に高値を示した。
低分子量蛋白の除去効率は
β2-MG のクリアランスで APS が 64.1±4.1ml/min、PES が 56.6±
3.4ml/min で APS が有意に高く、除去率でも APS が 66.4±7.3%、PES
が 62.5±8.2%で APS が有意に高値を示した。Alb 漏出量では開始か
ら APS で高い傾向を示し、APS が 324±63.2mg、PES が 235±51.1mg
で APS が有意に高かった。経時除去量、クリアスペースは全項目に
おいて両膜間に差はみられなかった。
【考察】BUN、β2-MG のクリアランス、β2-MG の除去率で APS が PES
に比べ有意に高かったが経時除去量、クリアスペースでは有意差は
認められなかったため、両膜は同等の除去性能であると考えられる。
両膜ともにカットオフポイントがβ2-MGとα1-MGの間であることが
示唆される。Alb 漏出量は APS が PES に比べ高値を示したが、どちら
も 1 透析で 0.4g 以下と少量のため、高齢者や低栄養患者においても
使用可能なダイアライザーであると考えられる。
【まとめ】APS-15DSplus は以前より発売されている PES-15Eαと同
等の除去能を有するダイアライザーである。
【目的】当院では、現在リクセル S35・S25・S15 の3種類を臨床使
用している。その中で中間サイズである S25 の臨床使用による評価
をしたので報告する。
【対象・方法】リクセル保険適用基準を満たす3名の患者(男性1
名:S15から変更、女性2名:初リクセル使用、平均年齢55.
7歳、平均透析歴23.7年、手根管開放術歴はそれぞれ2回、合
併症は高血圧3名、腎性貧血3名、2次性副甲状腺機能亢進症2名、
虚血性心疾患1名、肝血管腫1名、併用ダイアライザーは PS 膜)を
対象とし、リクセル施行前、施行6ヶ月後、施行1年後の臨床評価
をした。
【結果】透析前β2MG は平均でリクセル施行前30.1mg/l、
施行6ヶ月後24.2mg/l、施行1年後20.5mg/lと明
らかな低下を示した。Hb値は平均でリクセル施行前10.9g/
dl、施行6ヶ月後10.2g/dl、施行1年後11.7g/d
lで日本透析医学会推奨基準値内であった。痛みの改善VAS評価
ではリクセル施行前に痛みのあった2名は改善を示していた。
【考察】リクセルS25はβ2MGの組織への蓄積を抑止し、患者
のADL拡大につながると思われた。また安全性の面からも女性ま
たは低体重な患者にも使用できる設計と思われた。
【結論】リクセルS25は中間サイズとして使用しやすい設計であ
り、今後長期的臨床評価も検討していきたい。
O-55 ヘモダイアフィルターABH-21F の臨床評価
O-56 東レ・メディカル社製 PS 膜 CX-1.8U の性能評価
1
1
大宝 洋晶 1、篠原 知里 1、植村 勝訓 1、長澤 英幸 1、
志茂山 俊雄 1
黒田 恭介 1、落合 諭輔 1、谷 亜由美 1、丸山 雅和 1、
田村 勇輔 1、松田 訓弘 1、成田 孝之 1
JA 北海道厚生連 倶知安厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
JA 北海道厚生連 旭川厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
【はじめに】東レ・メディカル社製 PS 膜ダイライザーCS-U の改良
型 CX-1.8U(以下 CX)を使用する機会を得たので、東レ・メディカ
ル社製 PS 膜 TS-1.8UL(以下 TS)及び、旭化成クラレメディカル社
【方法】当院にて週 3 回、4 時間血液濾過透析を施行している安定期 製 PS 膜 VPS-18HA(以下 VPS)の溶質除去性能、生体適合性につい
維持透析患者 5 名を対象とし、ABH-21F(以下 ABH)
、APS-21SA(以下 て比較検討を実施したので報告する。
APS)を各 2 週間クロスオーバーで使用した。(血液流量 224± 【対象及び方法】 対象患者は 4 時間、週 3 回の外来血液透析を施
12.0mL/min、透析液流量 500mL/min、置換量 11.2±2.4L 後希釈 HDF) 行している安定維持透析患者 5 名を対象とし、CX、TS、VPS を 2 週間
毎にクロスオーバーにて使用し、2 週目の最終日に採血を実施した。
、溶質除去性能および Alb
【結果】β2-MG とα1-MG の除去率は、ABH が 78.2±2.3%、28.9± 評価項目は、生体適合性(WBC、PLT、c3a)
10.0%で APS では 78.0±1.8%、23.2±6.5 となった。また、除去量 漏出量とした。溶質除去性能の指標は小分子量物質(BUN、Cr、UA、
ではそれぞれABHが177.8±30.7mg、
120.2±23.2mgでAPSでは177.0 IP)と低分子蛋白(β2-MG、α1-MG)とした。
±37.5mg、
98.7±14.9mgとなった。
アルブミン漏出量はABHが1832.3 【結果】生体適合性は PLT で 15 分後に TS が CX に対し有意差を認め
た。小分子クリアランスの結果は、BUN で CX が VPS に対し有意差が
±611.3mg、APS は 2293.9±770.1mg であった。
あり、Cr では CX が VPS、TS に対し有意差を認めた。低分子蛋白除去
CX が VPS に対し有意差を認めた。
しかし、
β2-MG
【結論】
ABH は小分子量物質から低分子量蛋白物質まで APS と同等の 率ではα1-MG で TS、
溶質除去性能を有し、
アルブミン漏出量においても過度にならず HDF 除去量では有意差は見られなかった。Alb の漏出量は、TS、CX が VPS
に対し有意差を認めた。
専用膜として使用可能とかんがえられる。
【考察】WBC、PLT、c3a の経時変化に関しては、PLT で 15 分後に TS
が CX に対し有意に高値を示したが、随伴症状は見られず、安定した
透析を行うことが可能だった。今回、溶出物についての評価は実施
してないが、長期使用による影響及びダイアライザーの溶出物経時
変化や総量なども検討し報告したいと考えている。CX は VPS、TS と
同様、高い小分子量物質、低分子蛋白除去性能を有していたが、Alb
漏出量が多いことから、全身状態に問題なく低分子蛋白の積極的な
除去を目的とする症例に対して有用であると考える。低 Alb 血症及
び高齢者などの使用に対しては慎重に使用する必要性があり、今後、
Alb 低漏出量で、
低分子蛋白領域を除去効率の良いダイアライザーの
開発が望まれる。
【目的】旭化成クラレメディカル社製ヘモダイアフィルターABH-21F
を Bag 式 HDF にて臨床評価を行った。
O-57 脳腫瘍・脳動脈瘤手術における運動誘発電位(MEP)を用いた O-58 全身型容量結合型対極板の有用性の検討
術中モニタリングの検討
1
1
市立札幌病院 臨床工学科、2 脳神経外科
札幌医科大学附属病院 臨床工学室
竹浪 延幸 1、金野 敦 1、前中 則武 1、奥田 正穂 1、進藤 尚樹 1、
高平 篤法 1、岡 真一 2、龍上 真良 2
【目的】脳神経外科手術において脳神経機能を温存するために種々
の工夫がなされているが、電気生理学的モニタリングは有用性の高
い手法の1つとして広く認識されている。今回、脳腫瘍・脳動脈瘤
に対して運動誘発電位(motor evoked potential:MEP)を用いたモ
ニタリングを行ったので、その手技の実際と有用性、問題点につき
検討したので報告する。
【対象・方法】2007 年 12 月から 2009 年 8 月までに MEP を計測した
脳腫瘍摘出術(15 症例)
、脳動脈瘤クリッピング術(7 症例)の合計
22 症例を対象とした。MEP は脳表の一次運動野を直接刺激し、対側
の筋電図を記録する方法で行った。初めに短潜時体性感覚誘発電位
(short latency somatosensory evoked potential:SSEP)で中心溝
を同定し、それを基に運動野を刺激し、前腕屈筋と母子球筋で導出
した。麻酔方法は、プロポフォールと麻酔用鎮痛剤併用の完全静脈
麻酔とした。
【結果】MEP は、16/22(73%)例で良好に導出され、術中大きな波形
変化はなかった(A 群)
。また、6/22(27%)例は、何らかの理由で
記録不良であり、4 例はノイズ混入などにより(B 群)
、2 例は原因不
明(C 群)であった。1 例でクリッピング後に波形が消失したが掛け
直すことで回復した。全症例で術後運動障害は生じなかった。
【考察】A 群では、信頼性の高い監視ができたと考えられた。B 群で
は、配線の取回しや周辺機器設置位置、グリッド電極のずれ・浮き、
麻酔深度、刺激条件、導出針電極の間隔などが原因と考えられ、そ
の経験をもとに改良を加えていった。
C 群は初めから波形が得られな
い例で、運動野に電極が設置されていなかった可能性があり、今後、
経頭蓋刺激法の併用を検討している。
【結論】MEP モニタリングは、より安全確実な手術を支援できる有用
なものであるが、信頼性の向上のためにさらにテクニカルな工夫を
検討していく必要がある。
大村 慶太 1、河江 忠明 1、長谷川 武生 1、千原 伸也 1、田村 秀
朗 1、山口 真依 1、島田 朋和 1、澤田 理加 1、加藤 優 1
【目的】全身型の容量結合型対極板は、容量結合型対極板と減圧マ
ットを組み合わせた貼り付け不要の対極板である。そのため患者と
の接触面積による電流値がどのように変化するのか、さらに付加機
能として備わっている除圧効果について検討したため報告する。
【対象】対象は全身型対極板である Megadyn 社製メガソフトとし、
電気メスは Mera 社製 MS-BM2 とした。計測機器としては Fluke 社製
高周波電流計 454A、Molten 社製簡易体圧計 Predia を用いた。また
褥瘡対策マットとして Kracie 社製ソフトナースを用いた。
【方法】1.患者との接触面積による電流変化を比較するため、仰臥
位と砕石位により電気メスの出力を変化させ比較検討を行った。2.
除圧効果を検討するため、褥瘡対策マット使用時との体圧測定を行
い比較検討を行った。
【結果】1.仰臥位と砕石位による比較では切開モード時、仰臥位 486
±183mmA vs 砕石位 454±173mmA、(P値<0.01)と有意に仰臥位で
高値を示した。2.除圧効果の比較では10分後の対極板単独での体
圧は 46→38mmHg、対極板の上にマットを敷いた時では 46→30mmHg、
対極板の下にマットを敷いた時では38→30mmHgとマット使用時の方
が低値を示した。
【考察】体位による電流値測定の結果から求められたように、患者
との接触面積が小さくても電流値は低く容量結合型対極板の有用性
を示した。除圧効果についてはマット使用時に比べ高値を示したた
め、対極板単独使用での除圧効果は低いと考える。そのため褥瘡対
策として長時間の手術であれば、対極板単独の使用よりも褥瘡対策
グッズの併用が望まれる。マットを対極板の上に敷いても下に敷い
ても除圧効果が変わらなかったため、接触面積を確保するには対極
板の下にマットを用いるべきと考える。
【結語】全身型対極板は接触面積により電流値が変化するため十分
な面積を確保することが可能であれば有用である。また対極板単独
での使用による除圧効果は低い。
O-59 医用動画像記録システム Medical Forensic System MFS-S の
使用経験
1
KKR 札幌医療センター 斗南病院 臨床工学科、 2 外科
O-60 除菌洗浄剤クリンキーパーと消毒用エタライトの効果
及び持続性の比較検討について
1
特定医療法人 北楡会 札幌北楡病院 臨床工学技術部
木村 佳祐 1、石田 稔 1、齋藤 高志 1、奥芝 俊一 2
栗林 芳恵 1、富岡 佑介 1、横山 純平 1、川西 啓太 1、小林 慶輔
、小熊 祐介 1、山本 千亜季 1、永田 祐子 1、松原 憲幸 1、山野
下 賢 1、安藤 誠 1、月安 啓一郎 1、住田 知規 1、小塚 麻紀 1、
土濃塚 広樹 1
1
【背景】近年医療情報の公開や医療安全対策の一環として、手術映
像の記録・管理に対する必要性が高まりつつある。さらにその映像
を 2 次利用として、学会等の映像を提示する場合に高画質のものが
利用されつつある現状である。
【目的】そこで当院では内視鏡下手術の映像を 2 次利用する目的と
して 2007 年 5 月に KS オリンパス社の医用動画像記録システム
Medical Forensic System MFS-S を導入した。その使用経験を報告す
る。
【システム概要】運用方法としてはオフラインネットワーク型を用
いて、内視鏡下手術システムのタワー内に PC 本体、キーボード、タ
ッチパネルディスプレイを設置した。PC 仕様は Hewlett-Packard HP
Compaq dc 5750MT, OS:Windows XP SP2, CPU:AMD Athlon 64
3500+2.2GHz, MEMORY:1GB DDR2 SDRAM モジュールを使用。Cdrive は
80GB、外付型 HDD は 500GB (USB2.0)を使用している。ソフトウェア
は KS オリンパス Medical Forensic System-S Ver1.4 を使用し、映
像の画質は MPEG1(8Mbps)を用いている。
【これまでの運用について】 当院では 2009 年 5 月より臨床工学技
士によって MFS-S の操作、画像管理を行っているが、これまでソフ
トウェアのフリーズといったトラブルは見られていない。
【考察】 VHS や DVD での録画では、録画モードによる録画時間と
DVD のメディアのコストのことを考慮に入れなければならない。
当院
では DVD を 1 次利用として使用し LP モード(4 時間)を採用してい
るが、高画質での利用とした 2 次利用としてでは画質が悪く利用で
きない。しかし高画質での MFS-S のようなファイリングシステムは
有用である。その反面高画質故のファイル容量が膨大となり 2 次利
用しなかった場合、ファイルの消去しなければならならく運用上課
題もある。
【結語】医用動画像記録システム Medical Forensic System MFS-S
の使用経験を報告した。2 次利用としては価値があり有用ではある
が、ファイル管理の問題も挙げられる。
【目的】当院の手術室では20倍希釈の除菌洗浄剤クリンキーパー
(以下クリンキーパー)と消毒用エタライト(以下エタライト)を
用途別に使用している。クリンキーパーは消毒分類が低水準に区分
される第4級アンモニウム塩と、界面活性剤とで成り消毒と洗浄の
効果がある。対しエタライトは消毒分類が中水準に区分されるエタ
ノールだが、洗浄成分が含まれていない。今回洗浄剤の消毒効果と
持続性を比較・検討したので報告する。
【方法】測定箇所は手術室内の手術器械台、麻酔器、作業台、ドア
ノブの計4箇所で、消毒前、消毒直後、1時間後、2時間後に採取。
測定方法は寒天スタンプ培地クリーンスタンプ「ニッスイ」を使用
し、スタンプ培地を測定する対象の表面に付着させ、35℃で培養
し、48時間後のコロニー数を目視で測定した。
【結果】消毒直後クリンキーパー、エタライトともにコロニーは確
認されなかった。消毒1時間後、クリンキーパーでは手術器械台、
麻酔器、作業台、ドアノブには確認されなかったが、エタライトで
は手術器械台1cfu、ドアノブ24cfu 確認された。消毒2時間後、
クリンキーパーでは手術器械台1cfu、ドアノブ10cfu 確認され、
エタライトでは手術器械台3cfu、麻酔器2cfu、作業台18cfu、ド
アノブ40cfu 確認された。
【考察】エタライトの消毒成分はクリンキーパーに比べ優れている
が、検出菌数ではクリンキーパーの方が低値だったことからクリン
キーパーに含まれる界面活性剤による洗浄作用により消毒効果及
び、持続性に差が現れたと考えられた。
【まとめ】十分な消毒効果を得るためには、消毒だけではなく洗浄
することが重要である事から、手術室の消毒にはクリンキーパーが
有用であった。
O-61 BARD 社製吸引式乳腺組織生検装置の導入に伴う臨床工学技士
の取り組み
1
札幌社会保険総合病院 ME 部
O-62 体液量(TBW)がクリアランスギャップ(CL-Gap)に与える
影響
1
NTT 東日本札幌病院 臨床工学室
高井 麻央 1、小幡 大輔 1、山野内 亘 1、小川 輝之 1、斉藤 徳 1、 佐々木 雅敏 1、須藤 徹 1、山口
唯 1、佐藤 健太 1、石川 健 1、
1
1
1
真下 泰
桑田 大輔 、杉本 親紀 、櫻田 克己 1、高橋 秀一 1
【はじめに】日本に於ける乳がん発生割合は約 20 人に 1 人と言われ
年々増加する傾向にある。がん治療に於いて最も重要な事は早期発
見・早期治療である事は言うまでもない。診察する医師は女性より
も男性が多く、男性医師に胸をさらす事に抵抗感を持つ患者も少な
くなく、発見が遅れるケースもある。当院では 2008 年に BARD 社製
吸引式乳腺組織生検装置 VACORA(以下 VACORA)を導入し、医師以外
の担当スタッフを全て女性で構成し、患者に与えるストレスを極力
軽減させるよう取組んでいる。今回、VACORA 生検時に於ける女性技
士としての関わりについて検討したので報告する。
【方法】VACORA 生検に於ける、臨床工学技士の業務内容及びその役
割について検討した。
【結果及び考察】検査はエコー下及びステレオガイド下での施行で
あり、エコー下は病棟での実施となるため医師・看護師・臨床工学
技士にて行い、ステレオガイド下ではマンモグラフィを使用するた
め、放射線技師も加わり検査が行われる。臨床工学技士は医師への
装置使用法の説明及び事前のセッティング操作を担当し、医師・看
護師の負担を軽減する事で、各々の専門性を生かす業務分担を行っ
ている。また今回の検討に於いて特に年齢が若い患者程、男性スタ
ッフが入る事に対する抵抗感を強く持つ事が分かった。VACORA 生検
はあらゆる面に於いて患者への精神的ダメージは大きく、検査中に
於ける不安感やストレスの緩和が非常に重要であると思われる。そ
こで医師も含め全てのスタッフを女性限定とする事で、患者のスト
レスを軽減するひとつの手段として有用であると思われる。
【結論】昨今では女性外来等も普及しつつある中で、より一層女性
技士の関わりが重要になるものと思われた。
【はじめに】CL-Gap を算出する際、体液量の評価としては K/DOQI
ガイドラインで推量されているWatson式を用いて透析終了後の体液
量を推定し、除水量を加えることにより算出している。しかし、公
式を用いた TBW はバイオインピーダンス(BIA)法により測定したT
BWより高値になることが報告されている。
【目的】積水化学工業社製 MLT-50 を用いた BIA 法による TBW の測定
と従来の算出方法で算出したTBW がCL-Gap にどのような影響を及ぼ
すか検討する。
【対象・方法】当院維持透析患者を対象に採血データ及びダイアラ
イザカタログデータから CL-Gap を算出した。また、MLT-50 にて TBW
を測定し、この値を用いて CL-Gap を算出し、双方を比較した。
【結果】Watson 式で算出した TBW と BIA 法を用いた TBW は
TBWwatson=31.55±5.27ml、TBWBIA=29.99±6.02ml(p<0.01)とな
り、CL-Gap は、BIA 法を用い算出した CL-Gap が高値を示した。透析
効率の指標として、Daugirdas の2式を用いた Kt/V では Kt/Vwatson
=1.41±0.22、Kt/VBIA=1.42±0.22 と有意差は認めなかった。
【考察】TBW を Watson 式を用いて算出した場合、実測値である BIA
法と比較し多くの場合において体液量を過大評価してしまい、
CL-Gap はマイナスに評価してしまう。このことにより、1. CL-Gap
はマイナスに評価してしまうが、2.透析効率の指標である Kt/V に影
響は及ぼさない。
CL-Gap が低下する原因として、
体内不均一除去 な
ど見かけ上Kt/Vの過大評価とされているが、
今回の結果から、
CL-Gap
の低下はTBWの過大評価が大きな要因となることが考えられる。
一般的に CL-Gap はバスキュラアクセス管理に用いるが、実血流量に
て算出した CL-Gap は体液量評価に使用できる可能性が示唆された。
【結語】実測値である BIA 法を用いて体液量を算出することにより
CL-Gap の正確な算出が可能となりより正確な評価が可能になる。
O-63 DBG-03 における再循環率の精度と有用性
(医)ピエタ会石狩病院 透析室、2 泌尿器科
O-64 Vascular Access Blood Flow 測定による Vascular
Access 管理の試み
1
医療法人社団 煌生会 北見循環器クリニック 臨床工学科
高桑 秀明 1、加藤 敏史 1、小川 英恵 1、佐藤 利勝 1、
定本 高子 1、須江 洋一 2、森川 満 2
矢野 由依子 1、山口 正弘 1、五嶋 英輔 1、中矢 敦子 1、
生駒 拓朗 1、村田 祐介 1、五十嵐 俊仁 1
1
【目的】日機装社製 DBG-03 における再循環率測定の有用性を検討す 【目的】Vascular Access(以下 VA)Blood Flow を測定し VA 管理
の一助となるかを検討した。
る。
【方法】Cardiac Output、VA Blood Flow、VA Recirecuretion の測
定機能を持つ透析モニター『HD 02』
(NIPRO 社製)を用い当院維持透
析患者 148 名中 VA を有する患者 133 名の VA Blood Flow、VA
Recirecuretion を測定した測定値と Kt/v、CrSp 率、除去率や測定部
位の写真等をデーターベースソフト(ファイルメーカー Pro)に入
【結果】精度試験では、理論値と実測値の直線は相関係数 0.9945 と 力し VA 管理を試みた。
高い相関を示した。比較試験では、全 40 症例中、10 症例にあたる
DBG-03での測定値が21%以上の群において相関が見られなかったが、 【結果】測定可能な 133 例の平均 VA Flow は 848±607ml/min で内訳
は 500ml/min 以下が 42 名、500~1000ml/min が 53 名、1000ml/min
20%以下の 30 症例は全て高い相関を示した。
以上 38 名であった。又、Kt/v は 1,47±0.25、CrSp 率 68.1±6.7%、
【結論】DBG-03 で再循環率が 21%以上の場合は CLM 及び HD02 より全 除去率 70,0±6.0%でいずれの測定項目においても VA Flow との相
て高めの値が得られ、CLM の精度を基準とすると、DBG-03 における 関は認めなかった。今回使用した『HD 02』の測定方法では VA の形
再循環率は、測定値よりも実際は低い値であると考えられた。しか 態により測定不能な症例が 10 例、血管の形状により実流量より少な
し、20%以内の再循環率は高い相関性あり、操作が簡便でコストもか く測定される事が予測される症例が全体の 1 割程度に及びこれらの
症例に対しては今後検討する余地を残した。
からないため有用であるといえた。
【方法】精度試験として JMS 社製クリットラインモニタ(CLM)を使
用し、理論上 0%・50%・90%時の再循環率を測定した。また、比較
試験としてシャント・FDL・FDL 逆つなぎにおいて、DBG-03 と CLM 及
びニプロ社製 HD02 における再循環率を比較測定した。
【結語】VA Blood Flow による VA 管理を実行するには患者個々の適
正な VA Blood Flow を把握する事が不可避で、そのためには定期的
な VA Blood Flow 測定と透析効率の経過観察が必要である事が示唆
された。今後、VA Blood Flow や透析効率の他にも客観的な判断が難
しいスリルや拍動の変化などをevidenceとしてデーターベースの情
報に加え総合的な判断によりVAの状態が把握できるシステムを確立
し有効な VA 管理を実現していきたい。
O-65 DCG-03 による再循環率の検討
O-66 免疫細胞療法を始めて
1
1
仲嶋 寛子 1、北澤 和之 1、郡 将吾 1、川上 祥碁 1、山城 州古 1、
清水
未帆 1、小野寺 優人 1、小笠原 佳綱 1、岸本 万寿実 1、
山本 大樹 1、柴田 貴幸 1、大京寺 均 1、岸部 淳一 1、
阿部 光成 1、今泉 忠雄 1
山野下 賢 1、住田 知規 1、横山 純平 1、小林 慶輔 1、栗林 芳恵
1
、川西 啓太 1、小熊 祐介 1、山本 千亜希 1、永田 祐子 1、松原
憲幸 1、月安 啓一郎 1、安藤 誠 1、富岡 佑介 1、小塚 麻紀 1、
土濃塚 広樹 1
【はじめに】日機装社製多用途透析用監視装置 DCG-03(以下 DCG-03)
に搭載された再循環率(以下 RR)測定の機能を用いてブラッドアク
セスカテーテル(以下カテーテル)の逆接続時の RR の検討を行った。
【対象】カテーテルが順接続では脱血不良のため、逆接続で透析を
行っていた透析患者 9 名(頚部留置1名、鼠径部留置8名)を対象
とした。
【方法】カテーテルが逆接続の状態で、血液ポンプ流量(以下 QB)
を100~250ml/min まで50ml/min ずつ設定した時のRR の測定をそれ
ぞれ1回ずつ行った。また、頚部留置患者1名については各条件で
5回ずつ測定した。
【結果】頚部留置の場合、QB100ml/min 時の RR は 9.6±3.6%、
QB150ml/min の RR は 15.8±7.6%、QB200ml/min の RR は 15.6±7.1%、
QB250ml/min の RR は 14.4±6.5%であった。鼠径留置の場合、
QB100ml/min の RR は 22.0±9.8%、QB150ml/min の RR は 22.6±8.8%、
QB200ml/min のRR は25.8±13.5%、
QB250ml/min のRR は30.6±10.8%
であった。
【考察】RR の検討では、当初は QB を上げると RR が高くなると予想
したが、頚部留置、鼠径部留置共に QB を上げても検定上 RR の有意
な上昇はみられなかった。よって RR が変わらないのであれば、でき
るだけQBを上げた方がダイアライザーで浄化される実際の血液量は
増え透析効率の低下を防ぐことができると考えられる。今回の測定
の各条件下での RR 測定値は患者毎にばらつきが大きく、再循環の流
量補正を行うためには症例ごとに RR の測定を行い、その結果に応じ
た条件設定を行うことが必要であると考えられた。
【まとめ】カテーテルを逆接続した状態で QB を上げても RR に変化
がないことがわかった。
DCG-03 の RR 測定は簡便に測定することで適
正な QB に設定し、透析効率の低下を防ぐのに有用であった。今後も
様々な症例に対して RR の検討をしていきたい。
【はじめに】当院では癌の三大標準治療(手術、抗癌剤、放射線治
療)に加え、2008 年 12 月より免疫細胞療法センターを立ち上げ、新
しい治療法である樹状細胞療法を取り入れた。その中で臨床工学技
士(以下 CE)は成分採取(アフェレシス)を担当し、2009 年 9 月ま
でに 74 症例(83 回)の治療を経験したので報告する。
【対象及び結果】 採取装置はガンブロ社製 COBE Spectra を使用し、
WBC-MNC モードで単核球を狙って採取している。全症例のうちアフ
ェレシスを実施したのは 69 症例(75 回)
、男性 41 名、女性 34 名で、
年齢は 30~80 代(平均 61.2 歳)
、バスキュラーアクセスとして左右
の上肢を使用した例が 62 症例(67 回)
(うち1件は動脈穿刺)
、上肢
及び下肢を使用した例が 1 症例(1回)
、D-L カテーテルを使用した
例が 6 症例(7 回)であった。穿刺針は 19G ベニューラを使用。処理
量は5L とし、
平均血液速度は 36.8ml/分。
平均採取量は 122.3ml、
平均治療時間は 2 時間 22 分であった。8 症例(8 回)がアフェレシ
ス中止となった。理由としてアクセストラブルが 3 回、治療開始前
の Hb、PLT の低下が 4 回、治療開始直後の Bt 上昇が 1 回であった。
そのうち 4 症例は再調整後に治療を行うことができた。
【考察】当院では 1 名のCEで全てのアフェレシス業務を時間調整
して行っている。そのため免疫細胞療法は週 1~2 回の治療しか受け
入れていないのが現状である。この治療は保険適応外であるにも関
わらず、多くの患者が本治療を希望している。免疫細胞療法はタイ
ミングも大切であるために、いつでも患者を受け入れる体制作りが
必要であると考える。さらに新しい治療であるため手探り部分も
多々あるが、適切な樹状細胞を採取するために、採取量や処理量等
を検討していかなければならないと考えている。
JA 北海道厚生連 帯広厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
特定医療法人 北楡会 札幌北楡病院 臨床工学技術部
O-67 C 型慢性肝炎における DFPP 併用 IFN-β先行 PEG-IFNα療法に O-68 亜急性劇症肝炎における PDF の施行経験
よる HCV-RNA 量の推移の検討
1
札幌医科大学附属病院 臨床工学室、2 札幌医科大学 医学部 内科 1JA 北海道厚生連 旭川厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
学第四講座、3 札幌医科大学 医学部 救急・集中治療医学講座
千原 伸也 1、澤田 理加 1、大村 慶太 1、島田 朋和 1、山口 真依 田村 勇輔 1、黒田 恭介 1、落合 諭輔 1、谷 亜由美 1、
1
丸山 雅和 1、松田
、田村 秀朗 1、長谷川 武生 1、加藤 優 1、永島 裕之 2、
訓弘 1、成田 孝行 1
宮西 浩嗣 2、加藤 淳二 2、巽 博臣 3、升田 好樹 3、今泉 均 3
【背景】C 型慢性肝炎治療の目標は C 型肝炎ウイルス(HCV)を駆除
し肝硬変への進行や肝癌の発生を阻止することであり,そのために
はインターフェロン(IFN)を中心とした抗ウイルス療法が重要とな
る.抗ウイルス療法は過去 10 年間に Ribavirin や Peginterferon
(PEG-IFN) の登場により大きな進歩を遂げているが,HCV の
genotype とウイルス量によっては難治症例が少なからず存在する.
現在,PEG-IFN+Ribavirin が無効であった難治性 C 型慢性肝炎患者
に対する治療法としては、ブースター効果を期待した IFN-β先行
PEG-IFNα+Ribavirin療法や、
二重濾過血漿交換法(DFPP)によるHCV
除去を併用した PEG-IFNα+Ribavirin 療法があげられ、これらによ
る持続的なウイルス消失率上昇の報告が散見される。そこで今回わ
れわれは,両者を併用した DFPP 併用 IFN-β先行 PEG-IFNα+
Ribavirin 療法を施行した症例を経験たので報告する.
【症例】過去に PEG-IFN+Ribavirin を施行したが無反応の症例
(non-responder)および再燃した症例(relapser)
.
【結果】HCV-RNA 量は non-responder の治療前後で 1log IU/mL 程度
の減少であったが、relapser では治療前後で 5.6 log IU/mL と著明
に減少した.
【まとめ】過去の IFN 療法が無効あった non responder では本治療
により HCV-RNA が初めて low titer まで減少し,relapser では著明
な HCV-RNA の減少と急速なウイルス消失(RVR)を得られた.ブース
ター効果を期待した IFN-β先行投与と同時期に DFPP を併用するこ
とにより,単独施行に比しウイルスの消失が更に加速され RVR を得
られることが示唆された.
【はじめに】亜急性劇症肝炎症例に対して、PE+HDF 施行後、引き続
き PDF へ変更した経過を臨床工学技士の観点から報告する。
【対象
症例】61 歳、男性。脳死肝移植への bridge use 目的で、人工肝補助
療法を開始した。肝補助療法開始前の血液データは PT:13.8%であ
り、NH3:148μg/dl、T-bil:29.5mg/dl、D-bil:19.4mg/dl、AST:
263U/l、AST:515U/l と著名に上昇しており、肝性昏睡は II 度であ
った。
【方法】血漿分離器に Evacure EC-2A(クラレメディカル社製)を使
用し、中空糸外側へサブラット BS を還流させた。通常の CHDF 回路
に FFP ラインを追加し、輸液ポンプ用いて流量を調整した。
【臨床データ推移】肝補助療法開始時より、PT 活性は 40%以上を維
持、NH3・T-bil・D-bil は低下傾向を認めた。肝性昏睡度は II~IV
度で推移し、第 16 病日では I~II 度まで改善を認めたが、尿量減少
に伴い、気道浮腫・肺うっ血を合併し、第 47 病日、ドナーが得られ
ず、死亡した。
【考察】PE と HDF 併用時には、抗凝固剤の投与量調節や血液回路が
複雑化するのに対して、
PDF は血液流量 60~100ml/min の低血流量で
施行可能である。また、CHDF と回路構成がほぼ同じであることから、
簡便であり、安全に施行することができた。今回の症例に対して、
救命・肝移植には至らなかったが、PE+HDF から PDF へ移行後におい
ても、肝性昏睡レベルを一定期間維持できたことから、肝不全に対
する肝補助療法の選択肢の一つであると考える。
【結語】亜急性劇症肝炎に対して,持続的に PDF を施行した.操作
性は簡便であり、安全性に優れ、CHDF とほぼ同様の手技で施行でき
た。
O-69 中毒性表皮壊死症の増悪時に単純血漿交換を施行し病態が
O-70 当院における ABO 血液型不適合腎移植
改善した 1 症例
1
1
札幌医科大学附属病院 臨床工学室、
市立札幌病院 臨床工学科
2
札幌医科大学 医学部 救急・集中治療医学講座
澤田 理加 1、千原 伸也 1、大村 慶太 1、河江 忠明 1、長谷川 武 金野 敦 1、竹浪 延幸 1、前中 則武 1、奥田 正穂 1、進藤 尚樹 1、
生 1、田村 秀朗 1、山口 真依 1、島田 朋和 1、加藤 優 1、
高平 篤法 1
後藤 京子 2、巽 博臣 2、升田 好樹 2、今泉 均 2
【はじめに】重症薬疹の中でも中毒性表皮壊死症(Toxic epidermal
necrolysis :TEN)は致死率 20~30%と高く、
広範囲の紅斑、
全身 10%
以上の水泡、顕著な表皮の壊死性障害、高熱と粘膜疹を伴う救急疾
患とされている。その治療の一つとして原因薬剤やその代謝産物、
炎症性メディエーターの除去並びに不全代謝臓器のサポートを目的
とした血液浄化療法が適応となる。今回、発症 10 日後に皮膚病変の
進行が生じたため、TNF-αや sFasL の除去目的に血漿交換(PE)を施
行し、病態の改善を認めた TEN の 1 症例を経験したため報告する。
【症例】76 歳、女性。肺炎のため前医にて抗菌薬が投与されていた
ところ、TEN を発症し、3 日後に当院搬送。皮膚病変の進展はないと
判断し、重症熱傷に準じて、大量輸液、感染防御、早期経腸栄養、
皮膚管理を行った。第 6 病日から感染兆候がみられたため、前医か
ら処方されていたステロイドは中止し、抗菌薬投与に加えγグロブ
リンの投与を開始した。その後全身状態の改善は認められず、上皮
化が進まずに皮膚病変が悪化したため、発症から 10 日目(第 8 病日)
に PE を 2 日間施行することとした。PE 施行後順調に上皮化が進み、
全身状態が安定した第 45 病日に前医へ転院となった。
【考察】TEN に対する一般的な治療としては、重症熱傷に準じた全身
管理や薬剤の使用が挙げられる。一方、TEN に対する血液浄化療法は
これらの治療に抵抗し、重症化する症例に対して行われることが多
い。
血漿交換には DFPP と PE の選択肢があるが、
本症例に対する DFPP
の明確なエビデンスはなく、
当院では PE を第一選択とし、
難治性 TEN
には血漿交換の選択が有効な治療手段の一つであると考えている。
本疾患は発症率が低く症例数が少ないため、今後更なる解析が必要
であると考える。
【結語】難治性 TEN に対し血漿交換を施行し救命することができた。
【はじめに】現在、ABO 血液型不適合腎移植は積極的に行なわれてお
り、これに対する術前のアフェレシス療法が抗体除去を目的に施行
されている。今回、当院の ABO 不適合腎移植に対するアフェレシス
療法について検討したので報告する。
【対象】2003 年から 2009 年末まで施行した ABO 不適合腎移植 26 例
を対象とした。また、同期の ABO 適合腎移植 171 例をコントロール
群とした。
【方法】ABO 適合(不一致含む)と不適合の両群において、2009 年 9
月までの成績(生着率・生存率)
、拒絶反応の有無を検討した。また、
ABO 不適合症例において移植前の抗体価の推移についても検討した。
【結果】2009 年 9 月までの成績は、ABO 不適合群で生着率 93.8%・生
存率 100%、ABO 適合群で生着率 99.4%・生存率は 97.6%だった。また、
ABO 不適合群で急性拒絶反応が 1 例に認められ、ABO 適合群で慢性拒
絶反応が 1 例認められた。ABO 不適合に対するアフェレシス療法は、
DFPP 単独 13 例、PE 単独 1 例、DFPP+PE12 例で、平均回数 3.7 回だ
った。また、術前抗体価(中央値)は IgG8 倍・IgM32 倍で、術直前
の抗体価は IgG2 倍・IgM2 倍で施行前と比較し低値を示した。
【考察】今回、ABO 不適合における抗体価の推移は、DFPP、PE 単独
でも術直前抗体価を十分に低下させたと考えられる。また、2006 年
以降に DFPP+PE が増加していたが、PE を施行することで抗体の除去
+凝固因子の補充ができたと考える。また当院 ABO 適合と不適合例
の生着率・生存率は遜色の無い成績で、ABO 不適合腎移植に対するア
フェレシス療法は 2 週間以内の抗体関連拒絶反応の抑制に有用であ
ったと考えられる。
【結語】ABO 不適合腎移植例は、アフェレシス療法を併用することで
拒絶反応を抑制できた。
ABO 適合と不適合例の腎移植成績に遜色は無
かった。
O-71 顆粒球吸着除去療法(GMA)における抗凝固剤について
~当院の抗凝固剤 変更患者を調査して~
1
JA 北海道厚生連 札幌厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
O-72 小児クローン病に対して顆粒球吸着除去療法を施行した
1症例
1
JA 北海道厚生連 札幌厚生病院 医療技術部 臨床工学技術科
小柳 智康 1、高橋 大樹 1、完戸 陽介 1、笠島 良 1、石川 俊行 1、 笠島 良 1、小柳 智康 1、高橋 大樹 1、完戸 陽介 1、石川 俊行 1、
橋本 佳苗 1、室橋 高男 1
橋本 佳苗 1、室橋 高男 1
【はじめに】
『潰瘍性大腸炎(UC)』は原因不明の疾患である.その治療法の一つに
『顆粒球吸着除去療法(GMA)』がある.当院では GMA 治療時に抗凝固
剤として『メシル酸ナファモスタット(フサン)』を使用している.こ
の治療中に嘔気や頭痛など,なんらかの副作用と思われる症状があ
り,その場合『低分子ヘパリン(フラグミン)』に切り替え治療の継続
をしたところ,症状の緩和,若しくは消失した症例が見られた.そこ
で当院における UC 患者に対する GMA 治療で,なんらかの副作用が原
因で抗凝固剤を変更した症例を調査したので報告する.
【対象】
H16~20 年の5 年間に,当院でGMA 治療を施行したUC 患者158 名のう
ち,治療中に抗凝固剤を変更した UC 患者 23 名を対象とした.
【調査内容】
1,抗凝固剤を変更した症例の男女比率を調査した.2,初めてGMAを施
行した初回患者数と,以前に GMA・LCAP の治療経験がある再燃患者数
を調査した.3,なんらかの副作用と思われる症状別に,その発現率を
調査した.
【結果】
結果 1,患者男女比率では男性 5 名(21.7%),女性 18 名(78.3%)であっ
た.結果 2,初回患者 12 名・再燃患者 11 名であった.結果 3,嘔気が 10
名,胸痛が 5 名, 息苦しさ・発赤(首~顔面)が 4 名,しびれ(舌・手足)・
気分不快・発熱感・頭痛が 3 名,嘔吐・発熱・鼻づまりが 1 名であっ
た.
【結語】
今回の結果より,女性の方が副作用を発現しやすいことや,その症状
の傾向などわかった.しかし,GMA では他にも副作用を呈する可能性
は様々であり,今後も他の疾患も含めた,GMA における副作用を調査
する必要がある.
【はじめに】
顆粒球吸着除去療法は、活動期 CD 患者の緩解促進に対する効果が
認められ、栄養療法および既存の薬物治療が無効または適用できな
い場合に限り、2009 年 1 月から保険適用となっている。今回われわ
れは顆粒球吸着除去療法を施行した重症クローン病の小児例を経験
し本療法の有効性,安全性について報告する。
【症例】
患者は 10 歳,男児で家族歴に特記事項はなく 8 ヵ月の時に心室中
隔欠損症、1 歳時に EB-VAHS(イービーウイルス)の既往歴があった。
入院時現症:身長 141cm、体重 29kg、脈拍 98/分、体温 37.1℃、血
圧 98/58mmHg、顔色不良、腹痛を訴えていた。
【方法】
GCAP 施行条件として、バスキュラーアクセスはメディコン社製ヒ
ックマンカテーテル 10Fr を用いた。抗凝固剤としてメシル酸ナファ
モスタット(フサン)を 30mg/hr で使用し、血液流量 20~30ml/min、
1 治療あたりの処理量を 1800ml、週 1 回で連続 5 週間実施した。ま
た評価項目を GCAP 前後の CDAI、IOIBD、内視鏡画像所見とした。
【結果】
GCAP 開始前の CDAI(Crohn's Disease Activity Index、クローン
病活動指数の国際判断基準)は 451、IOIBD スコア(クローン病活動
指数の国内判断基準)は 8 であった.GCAP5 回目終了から 2 週間後の
CDAI は 261、IOIBD スコア 5 となったが、血便・嘔吐・腹痛等の症状
は改善されなかった。また、GCAP 施行中、副作用等は 5 回とも見ら
れなかった。
【結語】
今後も症例を重ね,
CD 患者に対する GCAP の有効性や安全性を検討
する必要があると考えられる。
演題登録番号-発表番号対比表
発表番号
O-1
O-2
O-3
O-4
O-5
O-6
O-7
O-8
O-9
O-10
O-11
O-12
O-13
O-14
O-15
O-16
O-17
O-18
O-19
O-20
O-21
O-22
O-23
O-24
O-25
O-26
O-27
O-28
O-29
O-30
O-31
O-32
O-33
O-34
登録番号
10009
10030
10037
10078
10014
10000
10019
10039
10053
10057
10076
10083
10004
10023
10038
10042
10071
10087
10010
10011
10043
10040
10085
10003
10005
10013
10018
10070
10082
10031
10034
10041
10063
10064
演 者
宗万孝次
黒田 篤
大沢卓爾
渡部英典
斎藤 寿
佐々木雅敏
清水 良
小野寺優人
佐々木雅浩
飯川雄大
斉藤 徳
森久保忍
千葉二三夫
中川博視
扇谷 稔
加藤 優
那須敏裕
五十嵐まなみ
宗万孝次
宗万孝次
山口真依
佐竹伸由
加藤裕希
根本貴史
松本年史
平石英司
山崎大輔
佐々木亮
貝沼宏樹
山口和也
田中義範
田村秀朗
森本誠二
森本誠二
演 題 名
下肢閉塞性動脈硬化症手術直後の透析方法について
シャント PTA 用シースの考案及び臨床評価
無症候性透析患者に対する心血管スクリーニング結果の検討
当院におけるPTAの現状と今後の展望
当院におけるヴァスキュラーアクセス管理
QCX-500Lを用いた透析液戻り口ライン洗浄の有効性
人工透析用洗浄剤(過酢酸系)クリネード502の希釈倍率の違いによる臨床評価
血液透析用RO水清浄化への取り組み-配管変更後-
透析液準備室および同室内に設置した透析液製造装置外装における従属栄養細菌の分離について
透析用水製造工程おける微生物汚染成立機序に関する検討 -配管材料を用いたバイオフィルムの形成について
透析用水清浄化に対する人工透析用電気再生超純水装置(EDI)の有用性
2部透析開始時における透析液清浄化の検討
呼吸器領域手術に補助循環を用いた症例の検討
当院における、Norwood手術に対する体外循環法
Brand-White-Garland(BWG)症候群の根治術に体外循環を施行した1例
院外心肺停止症例に対するPCPSの効果~多施設共同研究による社会復帰例の検討~
Rotational Thrombelastometry(ROTEM)を指標に術中血液凝固管理を施行した2 症例
結核菌排菌患者における胸腹部大動脈瘤手術の感染対策について
4,100gの術後呼吸不全の患児にベンチレータ840のマスク換気モードを使用した1例
小児用ディスポ呼吸回路を用いた際の高頻度換気について
人工呼吸器用加温加湿装置の比較検討
当院における新型インフルエンザに対する人工呼吸器の整備
特発性間質性肺炎に対してpumpless A-V ECMOを施行した1症例
当院における不整脈治療の現状
高除細動閾値症例に対し心外膜パッチリードの追加が有効であった1症例
右室ペーシング後の心不全に心臓再同期療法を施行した一例
CARTO Merge Systemを用いてカテーテルアブレーションを施行した、左室流出路起源心室頻拍の1症例
当院の心臓電気生理検査・不整脈治療における臨床工学技士の業務 -立会い規制にかかわる初年度の取り組
みPMI後の連日チェックにてペーシング不全、リードの脱落を回避した1症例
SES留置後very late thrombosisによるAMI発症の経験 -AMIにおけるIVUSの有効性-
TERUMO社IVUSシステムVISIWAVEの操作性評価
大動脈ステントグラフト内挿術における臨床工学技士の役割
心臓再同期療法における心内心電図を用いた至適化法とリアルタイム3Dエコーとの評価の比較
超音波エコーによる術中冠動脈グラフト評価
O-35
O-36
O-37
O-38
O-39
O-40
O-41
O-42
O-43
O-44
O-45
O-46
O-47
O-48
O-49
O-50
O-51
O-52
O-53
O-54
O-55
O-56
O-57
O-58
O-59
O-60
O-61
O-62
O-63
O-64
O-65
O-66
O-67
O-68
O-69
O-70
O-71
O-72
10050
10084
10020
10080
10002
10021
10028
10058
10069
10074
10081
10017
10027
10035
10049
10066
10008
10073
10061
10015
10047
10079
10024
10055
10059
10067
10075
10001
10029
10032
10051
10022
10012
10016
10036
10054
10060
10068
池田裕晃
谷道正義
安藤 誠
森久保訓
斉藤辰巳
森本恭彰
渡邉翔太郎
國木里見
高橋大樹
山野内亘
小川輝之
浜瀬美希
天内雅人
橋本佳苗
成瀬俊一
楢山佳祐
宗万孝次
渡部貴之
清水未帆
山本勝仁
大宝洋晶
黒田恭介
竹浪延幸
大村慶太
木村佳祐
栗林芳恵
高井麻央
佐々木雅敏
高桑秀明
矢野由依子
仲嶋寛子
山野下 賢
千原伸也
田村勇輔
澤田理加
金野 敦
小柳智康
笠島 良
血液浄化装置ACH-Σ の性能評価
透析監視装置DCS-27によるD-FASの使用経験
チャンバ交換型血液透析回路の検討
透析装置TMP自動追従モード利用による除水時間への影響
透析用監視装置の定期点検実施とその有用性について
当科の心臓カテーテル室業務の変沿と今後の課題について
データベースを用いた臨床用機器管理システム
医療機器管理におけるデータ活用の試み
札幌市内AED設置施設の点検調査報告
当院における転倒転落防止センサーの使用状況
心カテ業務に於けるGS1-128利用による製品使用実績管理の取り組み
輸液ポンプのヒストリー機能を利用して ~当院での使用状況の報告~
故障点検、院内修理点検時におけるInfutestの使用経験
消毒剤や環境除菌用品の検証 ―材質へ与える影響-
内視鏡洗滌消毒装置内における水フィルタの使用期間の検討
酸素流量計の保守管理の必要性
医療機器に用いられるリチウムイオンバッテリーの点検方法について
旭化成クラレメディカル社製APS-DSpulsの性能評価
APS-15DSplusの性能評価
β 2-ミクログロブリン吸着器リクセルS25の1年間臨床評価
ヘモダイアフィルターABH-21Fの臨床評価
東レ・メディカル社製PS膜CX-1.8Uの性能評価
脳腫瘍・脳動脈瘤手術における運動誘発電位(MEP)を用いた術中モニタリングの検討
全身型容量結合型対極板の有用性の検討
医用動画像記録システム Medical Forensic System MFS-Sの使用経験
除菌洗浄剤クリンキーパーと消毒用エタライトの効果及び持続性の比較検討について
BARD社製吸引式乳腺組織生検装置の導入に伴う臨床工学技士の取り組み
体液量(TBW)がクリアランスギャップ(CL-Gap)に与える影響
DBG-03における再循環率の精度と有用性
Vascular Access Blood Flow測定によるVascular Access管理の試み
DCG-03による再循環率の検討
免疫細胞療法を始めて
C型慢性肝炎におけるDFPP併用IFN-β 先行PEG-IFNα 療法によるHCV-RNA量の推移の検討
亜急性劇症肝炎におけるPDFの施行経験
中毒性表皮壊死症の増悪時に単純血漿交換を施行し病態が改善した1症例
当院におけるABO血液型不適合腎移植
顆粒球吸着除去療法(GMA)における抗凝固剤について ~当院の抗凝固剤 変更患者を調査して~
小児クローン病に対して顆粒球吸着除去療法を施行した1症例
20th HACET
主催 社団法人 北海道臨床工学技士会
後援 社団法人 日本臨床工学技士会