Download Transdirect insect cell 取扱説明書

Transcript
Transdirect.book 1 ページ 2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
292-30011B
Feb. 2007
取扱説明書
この文書をよく読んで正しくご使用ください。
いつでも使用できるように大切に保管してください。
Transdirect.book ii ページ
2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
は じ めに
„ 保証について
こ のたびは本製品を ご購入いただ き ま し て あ り が と う ご ざい ます。
本製品に対 し 、 下記の保証を し てお り ます。 保証内容を よ く お読みにな り 本
製品を ご使用 く だ さ い。
・ 保証期間
有効期限は、 試薬キ ッ ト 外袋に記載 し てい ます。
有効期限以内にご使用 く だ さ い。
・ 保証内容
取扱説明書に記載 し た品質を保証 し ます。 ただ し
お客様所有の遺伝子か ら タ ンパ ク 質が合成 し 得 る
こ と を保証す る も のではあ り ません。 保証期間内
に品質に異常があ っ た場合は、 製品の代替を無償
でいた し ます。
・ 保証で き ない事項
保証期間内に品質に異常があ っ た場合で も 、 下記
に該当す る 場合は保証の対象か ら 除外 さ せていた
だ き ます。
(1) 誤っ てお取 り 扱いにな ら れた場合
(2) 保存方法が不適切な場合
(3) 異常の原因が本製品以外の理由に よ る 場合
注記
有効期限を過ぎた も のを ご使用にな っ た場合、 本来の合成能が
得ら れない可能性があ り ます。 ご注意 く だ さ い。
„ 使用目的について
・ 本製品は研究用試薬です。 本製品の研究目的以外の使用にあ た っ ては、 別
途 ラ イ セ ン ス契約を結ぶ必要があ り ます。
・ 本製品に よ り 合成 し た タ ンパ ク 質を商品化す る 場合は、 別途 ラ イ セ ン ス契
約を結ぶ必要があ り ます。
„ おこ とわり
・ 本書の著作権は、 株式会社 島津製作所 が所有 し てい ます。 当社の許可
な く 内容の一部ま たは全部を転載 ・ 複製す る こ と はおやめ く だ さ い。
・ 本書の内容は改良のため、 将来予告な く 変更す る こ と があ り ます。
・ 本書の内容は作成にあ た り 万全を期 し てお り ますが、 万一誤 り や記載 も れ
な ど が発見 さ れて も 、 ただちに修正で き ない こ と があ り ます。
 2004-2007 Shimadzu Corporation. All rights reserved.
ii
Transdirect.book iii ページ
2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
は じ めに
目次
製品内容
プロ ト コル
付録
„ 警告表示について
こ の取扱説明書では、 注意事項を危険や損害の大 き さ に応 じ て、 次の表示で
区分 し てい ます。
警告
その事象を避けなければ、 死亡ま たは重傷に至る可能性のあ る場合
に用いています。
注意
その事象を避けなければ、 軽傷ま たは中程度の傷害を負 う 可能性の
あ る場合、 およ び物的損害の可能性のあ る場合に用いています。
注記
試薬を正 し く ご使用 し ていただ く ための情報を記載 し ています。
※
※
軽傷ま たは中程度の傷害 と は、 治療に入院や長期の通院を要 さ ない
場合を示 し ています。
物的損害 と は、 家屋 ・ 家財な ど製品以外の周辺の物におよぼす拡大
損害を示 し ています。
„ 安全にお使いいただ く ために
本製品を安全にお使いいただ く ために、 次の こ と をお守 り く だ さ い。
警告
一般に合成 さ れた タ ンパ ク 質やペプ チ ド が予期で き ない毒性や病原
性を有す る おそれがあ り ます。 実験操作を行 う 場合は、 手袋、 ゴー
グル、 マス ク およ び安全キ ャ ビ ネ ッ ト な どの安全器具や装置を正 し
く 使用 し て く だ さ い。 生成物を廃棄す る場合は、 オー ト ク レ ーブ な
どの不活性化処理を確実に行 っ て く だ さ い。
警告
万一試薬や反応液、 生成物な どが目や皮膚に付着 し た場合、 飲み込
んだ り 吸い込んだ り し た場合は、 すみやかに医師に相談 し 、 その指
示に従 っ て く だ さ い。
注意
実験室での一般的注意事項を厳守 し 、 安全に留意 し て く だ さ い。
注意
ラ ジ オア イ ソ ト ープ (RI) を用いた実験は、 専用の RI 実験施設内で
行 う 必要があ り ます。 RI を取扱 う 場合には、 国や自治体、 所属する
施設な どの定める法律、 省令お よび規則に従 っ て く だ さ い。
・ 未使用や使用残 り の試薬を取扱 う 際には、 MSDS を参考に し て く だ さ い。
iii
は
じ
め
に
Transdirect.book iv ページ
2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
目 次
は じ めに ...........................................................................................................................ii
製品内容 ...........................................................................................................................1
„ 概要 ....................................................................................................................................................... 1
„ 構成 ....................................................................................................................................................... 1
Insect Cell Extract (黄) について .................................................................................................... 2
„ 準備する も の.................................................................................................................................... 2
機器および器具類...................................................................................................................................... 2
試薬類............................................................................................................................................................... 2
„ ご使用にあた っ て .......................................................................................................................... 3
„ フ ローチ ャ ー ト ............................................................................................................................... 3
プ ロ ト コ ル ......................................................................................................................4
„ In vitro タ ンパク 質合成用の DNA テ ン プ レ ー ト の調製............................................. 4
pTD1 Vector................................................................................................................................................... 4
目的遺伝子の挿入位置について ........................................................................................................ 5
発現プ ラ ス ミ ド の構築............................................................................................................................ 6
„ mRNA の調製 .................................................................................................................................... 7
DNA テ ン プ レー ト の直鎖化 ................................................................................................................. 7
mRNA の合成 ................................................................................................................................................ 8
mRNA の精製 ................................................................................................................................................ 8
mRNA 濃度測定 .........................................................................................................................................10
„ タ ンパク質合成反応...................................................................................................................11
標準反応プ ロ ト コル...............................................................................................................................11
標識反応プ ロ ト コル...............................................................................................................................13
RI 標識 し た タ ンパ ク質の検出...........................................................................................................14
蛍光標識 し た タ ンパ ク質の検出 ......................................................................................................14
β- ガ ラ ク ト シダーゼ コ ン ト ロール反応....................................................................................14
β- ガ ラ ク ト シダーゼの検出 ............................................................................................................15
付録 .................................................................................................................................. 17
„ ト ラ ブルシ ュ ーテ ィ ン グ .........................................................................................................17
„ 参考文献............................................................................................................................................19
„ MSDS の請求について ...............................................................................................................19
„ お問い合わせ窓口........................................................................................................................19
iv
Transdirect.book 1 ページ 2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
は じ めに
目次
製品内容
プロ ト コル
付録
製品内容
„ 概要
Transdirect insect cell は、 昆虫培養細胞抽出液を用いた無細胞 タ ンパ ク 質合成試薬
キ ッ ト です。 以下の特徴があ り ます。
・ あ ら か じ め調製 し た mRNA よ り 、 生細胞を用いる こ と な く 翻訳反応を行 う こ と が
で き ます。
・ バキ ュ ロウ イルス を用いた組み換え タ ンパク 質生産に も 広 く 利用 さ れている Sf21
昆虫細胞 (Spodoptera frugiperda 卵巣細胞由来) の抽出液を使用 し ています。
・ タ ンパク 質合成能を高める ために、 抽出方法を工夫 し 、 反応液組成を最適化 し て
います (特許出願中)。
・ 昆虫培養細胞抽出液を用いた無細胞 タ ンパク 質合成に適する翻訳促進配列
(Malacosma neustria nucleopolyhedrovirus 由来ポ リ へ ド リ ン遺伝子の 5' 非翻訳領域 )
を有する発現ベ ク タ ーが付属 し ています (特許出願中)。
„ 構成
本製品 (P/N 292-30000-91) は、 表 1 に示す各試薬 と 取扱説明書 ( 本書 : P/N 29230011) で構成 さ れてい ます。
表 1 : 試薬 (50 μL 反応系で 40 回相当分)
フ タ色
ラ ベル (品名)
容量
本数
保存条件
備考
黄
Insect Cell Extract
210 μL 5 本 -80 ℃
細胞抽出液
青
Reaction Buffer
630 μL 1 本 -80 ℃
緩衝液、 19 種ア ミ ノ
酸 (- メ チオニ ン)、
エネルギー源等
赤
4 mM Methionine
メ チオニ ン (ア ミ ノ
50 μL 1 本 -20 ℃以下 酸)
緑
0.5 μg/μL pTD1 Vector
10 μL 1 本 -20 ℃以下 発現ベ ク タ ー
白
0.5 μg/μL Control DNA
β- ガ ラ ク ト シ ダー
10 μL 1 本 -20 ℃以下 ゼ遺伝子を pTD1 に
組込み直鎖化 し た コ
ン ト ロール DNA
注記
・ 本製品には転写用試薬が含まれてい ません。 別途ご準備 く だ さ い。
・ Insect Cell Extract (黄) お よび Reaction Buffer (青) は、 製品到着
後、 すみやかに -80 ℃で保存 し て く だ さ い。 保存状態に よ り 合成能
が失われる こ と があ り ますので ご注意 く だ さ い。
・ 4 mM Methionine (赤)、 0.5 μg/μL pTD1 Vector (緑)、 0.5 μg/μL
Control DNA (白) は、 -20 ℃以下 (-80 ℃で も 可) で保存 し て く だ
さ い。
・ 本製品は、 【35S】 Methionine に よ る効率的な RI 標識のために メ チオ
ニ ン を Reaction Buffer (青) 中には含めず、 別途添付 と し ています。
1
製
品
内
容
Transdirect.book 2 ページ 2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
準備する も の
Insect Cell Extract (黄) について
(1) 異な る Lot No. の試薬を混合 し て使用 し ないで く だ さ い。 タ ンパク 質合成能が低
下する場合があ り ます。
(2) Lot 間で タ ンパク 質合成能が異な る場合があ り ます。
(3) Insect Cell Extract は CO2 によ り 劣化するおそれがあ り ます。 製品開封後は、 CO2
への極端な暴露はお避け く だ さ い。
Lot No.
図 1 : Lot No.
‹ 凍結融解
Insect Cell Extract (黄) の凍結 と 融解の繰 り 返 し は、 8 回以内 と し て く だ さ い。
融解は必ず氷上で行っ て く だ さ い。 融解後はす ぐ に使用 し 、 使用後はすみやかに
-80 ℃で保存 し て く だ さ い。
„ 準備する も の
機器および器具類
・
・
・
・
・
・
恒温槽 (25 ℃お よび 37 ℃に調節可能な もの)
分光光度計
ピペ ッ タ ー
滅菌済みのチ ッ プ、 チ ュ ーブ
デ ィ スポーザブル手袋
デ ィ スポーザブルゲルろ過カ ラ ム (必要に応 じ て)
試薬類
・ 大量 mRNA 合成キ ッ ト (T7)
・ 滅菌蒸留水
・ 直鎖化に用い る制限酵素
(Hind III、 Not I な ど)
・ TE
・ 3M 酢酸カ リ ウム (pH5.5)
・ TE 飽和 フ ェ ノ ール
・ ク ロ ロ ホルム
・ エ タ ノ ール
・ 70% エ タ ノ ール
2
Transdirect.book 3 ページ 2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
は じ めに
目次
製品内容
プロ ト コル
付録
„ ご使用にあた っ て
ご使用にあ た っ て、 以下の点について ご留意 く だ さ い。
(1) タ ンパ ク質の種類によ っ ては合成で き ない場合があ り ます。
(2) 本製品のみでは、 N- グ リ コ シル化な どの小胞体膜を介 し た翻訳後修飾は起こ り ま
せん。 上記翻訳後修飾の解析には市販のイ ヌ すい臓 ミ ク ロ ソ ーム膜を添加 し て く
だ さ い。 (推奨品 : Promega 社 Code No.Y4041)
„ フ ローチ ャ ー ト
目的遺伝子
pTD1 ベ ク タ ー
ク ローニ ング
4 ページ
直鎖化-制限酵素
処理または PCR
7 ページ
mRNA の合成
8 ページ
mRNA の精製
8 ページ
発現プ ラ ス ミ ド
直鎖状 DNA
mRNA
Transdirect
insect cell を用いた
11 ページ
タ ンパ ク質合成反応
目的 タ ンパ ク質
3
製
品
内
容
Transdirect.book 4 ページ 2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
In vitro タ ンパ ク質合成用の DNA テ ン プ レー ト の調製
プロ ト コル
„ In vitro タ ンパ ク 質合成用の DNA テ ン プ レ ー ト の調製
pTD1 Vector
pTD1 Vector は、 本製品を用いた タ ンパ ク 質合成を行 う ために至適化 さ れた
ベ ク タ ーです (図 2)。 pTD1 Vector は mRNA 合成に必要な T7 プ ロ モー タ ー
配列、 タ ンパ ク 質合成反応を促進す る ポ リ ヘ ド リ ン 5' 非翻訳領域 ( ポ リ ヘ ド
リ ン 5'UTR)、 マルチ ク ロ ーニ ン グサ イ ト (MCS) な ど、 mRNA の合成か ら タ
ンパ ク 質合成に関わ るすべての因子を含んでい ます。
ま た ア ン ピ シ リ ン耐性遺伝子を含んでい ます。 形質転換体を培養す る 際はア
ン ピ シ リ ン が 50 ~ 100 μg/mL と な る よ う に培地に添加 し て く だ さ い。
pTD1 Vector の全塩基配列は下記の DNA デー タ バン ク に登録 し てい ます。
DDBJ/GenBank®/EMBL Accession Number: AB194742
注記
pTD1 Vector 以外のプ ラ ス ミ ド から も タ ンパク 質合成を行 う こ
と は可能ですが、 タ ンパ ク質合成量が減少するおそれがあ り ま
す。 pTD1 Vector に目的遺伝子を ク ローニ ングする こ と を推奨
し ます。 また pTD1 ベ ク タ ーには、 翻訳促進配列であるポ リ ヘ
ド リ ン 5'UTR が挿入 さ れているため、 mRNA 合成時にキ ャ ッ プ
アナロ グを用いてキ ャ ッ プ構造を導入する必要はあ り ません。
表 2 : pTD1 Vector における各領域の位置
240-258
259-304
305-343
359-731
736-757
758-805
835-1104
1992-2852
T7 RNA polymerase promoter
Polyhedrin 5' untranslated region
Multiple cloning region
3' Untranslated region
PolyA region
T7 transcription terminator
ColE1 ori
β-lactamase(Ampr)coding region
図 2 : pTD1 Vector マ ッ プ
4
Transdirect.book 5 ページ 2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
は じ めに
目次
製品内容
GCAGATTGTA CTGAGAGTGC
Forward primer
ACCATATGCG
GTGTGAAATA
AAAATACCGC
ATCAGGCCTT
AATACGACTC ACTATAGGAG
T7 Promoter
AAAATTAGAA
AAATAAAATA
TAAAGATATC
GAATTCGAGC
プロ ト コル
CCGCACAGAT
付録
GCGTAAGGAG
220
TATTTTTATT
CTTTCGTAAA
Polyhedrin 5'UTR
Sma I
TCGGTACCCG GGGATCCTCT
280
340
Eco RV
AGAGTCGGGC
GGCTGTAAAA
CACGATACAT
Eco RI
Sac I Kpn I
TGTTATTAGT
ACATTTATTA
Bam HI Xba I
AGCGCTAGAT
400
TCTGTGCGTT GTTGATTTAC
Reverse primer
420
プ
ロ
ト
コ
ル
図 3 : pTD1 Vector のマルチ ク ローニ ングサイ ト 付近の塩基配列
目的遺伝子の挿入位置について
pTD1 Vector に目的遺伝子を ク ロ ーニ ン グす る と き は、 ポ リ ヘ ド リ ン 5'UTR
の下流に目的遺伝子の開始 コ ド ン を挿入 し て く だ さ い。 ポ リ ヘ ド リ ン 5'UTR
と 開始 コ ド ン の距離が長 く な る と 合成量が低下 し ます。 な るべ く Eco RV サ
イ ト に挿入す る こ と を推奨 し ます。 ポ リ ヘ ド リ ン 5'UTR の直下に開始 コ ド ン
を挿入す る 場合は、 PCR でポ リ ヘ ド リ ン 5'UTR が 3' 末端 と な る DNA を調製
し 、 そ こ に目的遺伝子の開始 コ ド ン を挿入 し て く だ さ い。
注記
PCR に関する特許は、 Hoffman-La Roche 社が保有 し てお り ま
す。 本書の内容は、 PCR に関する特許の使用許諾を示唆する
ものではあ り ません。
5
Transdirect.book 6 ページ 2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
In vitro タ ンパ ク質合成用の DNA テ ン プ レー ト の調製
発現プ ラ ス ミ ド の構築
以下に、 Eco RV サ イ ト に目的遺伝子を挿入す る 場合の一般的な発現プ ラ ス
ミ ド の構築方法を示 し ます。
1
目的遺伝子の ORF 部分 *1 を PCR*2 で増幅 し ます。
このとき N 末端側プライマーは、開始コドンからの配列としてください。
C 末端側プライマーは、平滑末端クローニングする場合を除き、挿入する
制限酵素サイトの配列を 5' 末端に導入してください。また制限酵素の種
類によっては、末端に付加配列がなければ切断できない場合があります。
制限酵素による効率的な切断を行うため、C 末端側プライマーの 5' 末端
に 2 塩基付加配列を導入することを推奨します。付加配列および制限酵素
サイトの後に終止コドン、またはそれよりも下流からはじまる配列として
ください。
注記
*1 真核生物のゲ ノ ムから の PCR は、 イ ン ト ロ ン を含む場合が
考え ら れますので、 cDNA から PCR を行っ て く だ さ い。
*2 PCR によ る エ ラ ーを防ぐ ために Fidelity の高い酵素を お選び
く だ さ い。 また、 開始コ ド ン を平滑末端ク ローニ ングする
ため、 Terminal transferase 活性の少ない PCR 用酵素の使用
を推奨 し ます ( 例えば東洋紡績㈱ KODplus (Code No. KOD201) な ど )。
N 末端側プ ラ イ マー
5'- ATG ・・・・・・・・・・・・・・ -3'
ATG TGA
目的遺伝子の
ORF
ACT
3'- ・・・ ACT ・・・ CTTAAG GG-5'
制限酵素サイ ト
(例えば Eco RI) 付加配列
(必要に応 じ て)
C 末端側プ ラ イ マー
図 4 : プ ラ イ マーの設計方法
2
3
4
5
6
PCR 産物を リ ン酸化 し ます。
PCR産物に導入 し た制限酵素サイ ト と 同 じ 制限酵素で PCR産物を消
化 し ます。
pTD1 Vector を挿入サイ ト であ る Eco RV と 目的遺伝子に導入 し た制
限酵素 と 同 じ 突出末端を も つ制限酵素で消化 し ます。
こ れら を用いて、 目的遺伝子を pTD1 Vector に挿入 し ます。
Transdirect.book 7 ページ 2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
は じ めに
目次
製品内容
プロ ト コル
付録
‹ シー ク エ ン スによ り イ ンサー ト を確認する場合
注記
以下の配列プ ラ イ マーの使用を推奨 し ます。
(アニー リ ング温度 : 50 ℃)
・ フ ォ ワー ド プ ラ イ マー (N 末端側) : 5'-GCAGATTGTACTGAGAGTG-3' (161-179)
・ リ バース プ ラ イ マー (C 末端側) : 5'-ACAACGCACAGAATCTAGC-3' (412-394)
„ mRNA の調製
DNA テ ン プ レー ト の直鎖化
注記
・ DNA テ ン プ レー ト は、 タ ー ミ ネー タ ー配列よ り 下流の制限
酵素 (例えば Hind Ⅲ , Not Ⅰ) を用いて直鎖化 し て く だ さ
い。 制限酵素で直鎖化 し た後は、 RNase の コ ン タ ミ ネーシ ョ
ン を防ぐ ために フ ェ ノ -ル / ク ロ ロ ホルム抽出、 エ タ ノ ール
沈殿を行 っ て く だ さ い。
・ PCR によ り 直鎖状 DNA テ ン プ レー ト を調製する こ と も で き
ます。 この場合 も フ ェ ノ -ル / ク ロ ロ ホルム抽出、 エ タ ノ ー
ル沈殿を行 っ て く だ さ い。 以下の配列プ ラ イ マーの使用を推
奨 し ます。 (アニー リ ング温度 : 50 ℃)
1) フ ォ ワー ド プ ラ イ マー (N 末端側) : 5'-GCAGATTGTACTGAGAGTG-3' (161-179)
2) M13 系の リ バース プ ラ イ マー (C 末端側) : 5'-GGAAACAGCTATGACCATG-3' (845-827)
表 3 : pTD1Vector の直鎖化に適する制限酵素
制限酵素
Cfr 10I
Eco 52I
Eco T14I
Hind III
切断位置
制限酵素
2145
806
769
813
Nde I
Not I
Pvu II
Sca I
Stu I
切断位置
183
805
994
2543
234
7
プ
ロ
ト
コ
ル
Transdirect.book 8 ページ 2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
mRNA の調製
mRNA の合成
準備する もの
・ 恒温槽 (37 ℃に保温可能な もの)
注記
・ 以下のキ ッ ト で調製 し た mRNA を用いて、 タ ンパク 質が合
成で き る こ と を確認 し ています。 mRNA は各社の取扱説明書
に従っ て合成 し て く だ さ い。
・ すべての操作は手袋を着用 し て く だ さ い。
表 4 : 大量 mRNA 合成キ ッ ト (品名のアルフ ァ ベ ッ ト 順に記載)
品名
メ ーカー
Code No.
AmpliScribe
T7-Flash TM Transcription Kit
Epicentre 社
ASF3257
AmpliScribeTM
T7 Transcription Kit
Epicentre 社
AS3107
CUGA® 7 in vitro
Transcription Kit
㈱ニ ッ ポン ジーン テ ク
304-14641
MEGA script® T7
High Yield Transcription Kit
Ambion 社
1334
RiboMAXTM Large Scale RNA
Production System-T7
Promega 社
P1300
RNAMaxxTM
High Yield Transcription Kit
Stratagene 社
200339
ScriptMAXTM
Thermo T7 Transcription Kit
東洋紡績㈱
TSK101
TM
T7 RiboMAXTM Express Large
Promega 社
Scale RNA Production System
P1320
mRNA の精製
mRNA の精製方法は下記の 2 つがあ り ます。 再現性を高め安定 し た反応を必
要 と す る合成には、 塩 と 未反応 NTPs を ゲルろ過に よ り 除去す る A の方法を
推奨 し ます。
簡便に精製す る方法 と し て B の方法があ り ます。 こ の方法では未反応 NTPs
が完全に除去 さ れないため、 見かけ上 mRNA 濃度が上昇 し ます。 最大の合成
量を得 る ためには、 最適な mRNA 添加量を検討す る こ と を推奨 し ます。
8
A
ゲルろ過カ ラ ム と エ タ ノ ール沈殿を用いた精製法 (
B
エ タ ノ ール沈殿に よ る精製法 (
10 ページ )
9 ページ )
Transdirect.book 9 ページ 2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
は じ めに
目次
製品内容
プロ ト コル
付録
‹ ゲルろ過カ ラ ム と エ タ ノ -ル沈殿を用いた精製法
準備する もの
・ プ レパ ッ ク デ ィ スポーザブルゲルろ過カ ラ ム *1
・ 3M 酢酸カ リ ウム (pH 5.5)*2
・ エ タ ノ ール
・ 70% エ タ ノ ール
・ 滅菌蒸留水 (120 ℃で 20 分間オー ト ク レーブ処理 し た蒸留水)
注記
*1 Amersham Biosciences 社 NICKTM Columns (Code No. 170855-01) を推奨 し ます。
*2 エ タ ノ ール沈殿に用いる塩は、 酢酸カ リ ウムを使用 し て く
だ さ い。 それ以外の塩を使用する と タ ンパク 質合成量が低
下する場合があ り ます。
操作手順
NICKTM Columns のプ ロ ト コルに従 っ た場合の mRNA 精製方法について
説明 し ます。 詳細は、 Amersham Biosciences 社の取扱説明書を参照 し
て く だ さ い。
注記
1
2
3
4
5
6
すべての操作は手袋を着用 し て く だ さ い。
カ ラ ムの上フ タ を外 し 、 溶液を捨て ます。
3 mL の滅菌蒸留水で リ ン ス を し て、 再度滅菌蒸留水を捨て ます。
カ ラ ム先端のキ ャ ッ プ を外 し 、 ス タ ン ド に立て ます。
ゲルを平衡化する ため 3 mL の滅菌蒸留水を加え、 完全に流 し き り
ます。
mRNA 溶液をゲル上端にのせ (最大 100 μL まで)、 完全に流 し き り
ます。
400 μL の滅菌蒸留水を加え、 完全に流 し き り ます。
9
プ
ロ
ト
コ
ル
Transdirect.book 10 ページ
2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
mRNA の調製
7
8
9
10
mRNA 溶液を受け る ために、 1.5 mL 容チ ュ ーブ を カ ラ ムの下に配置
し ます。
400 μL の滅菌蒸留水を加え、 mRNA 溶液を回収 し ます (約 400 μL
回収で き ます)。
回収 し たmRNA溶液に40 μLの酢酸カ リ ウム と 950 μLのエ タ ノ ール
を加え、 よ く 混合 し 15,000 rpm、 4 ℃で 20 分間遠心 し ます。
上清を捨て 70 %エ タ ノ ールで リ ン ス を行い、mRNA の合成スケール
に応 じ て 20 ~ 100 μL の滅菌蒸留水に溶解 し ます。
注記
mRNA 濃度は 2 μg/μL 以上に調整 く だ さ い。
‹ エ タ ノ ール沈殿に よ る精製法
操作手順
1
2
mRNA 合成溶液を 400 μL にな る よ う に滅菌蒸留水で調整 し ます。
" ゲルろ過カ ラム と エ タ ノ -ル沈殿を用いた精製法 "(
の手順 9 ~ 10 に従っ て、 精製し て く だ さ い。
注記
9 ページ )
この と き、 未反応の NTPs によ り 溶解 し に く く な る ため、 リ ン
ス後は完全に ド ラ イ ア ッ プせずに、 滅菌蒸留水で溶解 し て く だ
さ い。
mRNA 濃度測定
精製後、 mRNA 溶液の吸光度を測定 し 濃度を決定 し ます。 mRNA 溶液を TE
で希釈 (100 ~ 400 倍) し 、 石英セルを用いて吸光度を測定 し て く だ さ い。
ま た測定時のブ ラ ン ク には TE を用いて く だ さ い。
mRNA 濃度(μg/μL)= A260 値× 0.04 ×希釈倍率
10
Transdirect.book 11 ページ
2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
は じ めに
目次
製品内容
プロ ト コル
付録
„ タ ンパ ク 質合成反応
本製品は高い タ ンパ ク 質合成能を得 る ために、 反応液組成を最適化 し てい ま
す。 ま た RI 標識お よ び蛍光標識実験に も 対応 し てい ます。
準備する もの
・ 滅菌蒸留水 (121 ℃で 20 分オー ト ク レ ーブ処理 し た蒸留水)
・ 恒温槽 (25 ℃に保温可能な もの)
・ 精製 し た mRNA
RI 標識実験を行 う 場合
・ 【35S】 Methionine
蛍光標識実験を行 う 場合
・ Promega 社 FluoroTectTM GreenLys in vitro Translation Labeling System
(Code No. L5001)
プ
ロ
ト
コ
ル
標準反応プ ロ ト コ ル
下記は 50 μL ス ケールでの反応液組成です。 用途に応 じ て ス ケールア ッ プ ・
ス ケールダ ウ ン が可能です。
表 5 : 50 μL スケールでの反応液組成
mRNA
16 μg
Reaction Buffer (青)
15 μL
Insect Cell Extract (黄)
25 μL
4 mM Methionine (赤)
1 μL
滅菌蒸留水
50 μL に調整
11
Transdirect.book 12 ページ
2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
タ ンパク 質合成反応
‹ 操作手順
注記
1
必要な本数の Insect Cell Extract (黄) を -80 ℃か ら取 り 出 し て、 氷
上で融解 し ます。
注記
2
3
4
5
12
すべての操作は手袋を着用 し 、 氷上または 4 ℃で行っ て く だ さ
い。
・ 30 分程度で融解 し ます。 融解後はす ぐ に使用 し 、 使用後は
すみやかに -80 ℃で保存 し て く だ さ い。
・ Reaction Buffer (青) と 4 mM Methionine (赤) は室温で融解
可能です。 融解後は、 氷上に置いて く だ さ い。 使用後はすみ
やかに所定の温度で保存 し て く だ さ い。
新 し く 用意 し たチ ュ ーブに各成分を混合 し てい き ます。
最後に mRNA を添加 し 、 軽 く タ ッ ピ ン グ し てか ら ス ピ ン ダウン し ま
す。 合成反応が開始 し ます。
25 ℃に調整 し た恒温槽にて、 反応チ ュ ーブ を 5 時間イ ン キ ュ ベー ト
し ます。
合成反応が終了 し た ら すみやかに氷上に移 し 、 目的の研究にご使用
く だ さ い。
Transdirect.book 13 ページ
2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
は じ めに
目次
製品内容
プロ ト コル
付録
標識反応プ ロ ト コ ル
【35S】 Methionine お よ び Promega 社 FluoroTectTM GreenLys in vitro Translation
Labeling System(Code No. L5001) を用いた標識方法を示 し ます。
下記は 50 μL ス ケールでの反応液組成です。 用途に応 じ て ス ケールア ッ プ ・
ス ケールダ ウ ン が可能です。
注記
RI 標識に 【3H】 Leucine を用いる こ と も 可能です。 その場合は、
4 mM Methionine を標準反応 と 同様に添加 し て反応 し 、 検出の
際に露光時間を長 く し て く だ さ い。
表 6 : 50 μL スケールでの反応液組成 (標識反応プ ロ ト コ ル)
【35S】 Met 標識
FluoroTectTM 標識
mRNA
16 μg
16 μg
Reaction Buffer (青)
15 μL
15 μL
Insect Cell Extract (黄)
25 μL
25 μL
1 μL
-
4 mM Methionine (赤)
-
1 μL
FluoroTect
-
1 μL
標識方法
プ
ロ
ト
コ
ル
35
【 S】 Methionine
(1200 Ci/mmoL) 10 mCi/mL
TM
GreenLystRNA
滅菌蒸留水
注意
50 μL に調整
RI 標識実験は、 専用の RI 実験施設内で行 う 必要があ り ます。 RI を取扱
う 場合には、 国や自治体、 所属する施設な どの定める法律、 省令お よ
び規則に従 っ て く だ さ い。
‹ 操作手順
標準反応プ ロ ト コ ル (
く だ さ い。
12 ページ) の手順 1 ~ 5 に従っ て合成反応を行っ て
13
Transdirect.book 14 ページ
2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
タ ンパク 質合成反応
RI 標識 し た タ ンパ ク質の検出
RI 標識 し た タ ンパ ク 質は、 反応液の一部を SDS-PAGE に供与 し た後、 オー
ト ラ ジオグ ラ フ ィ を行 う こ と に よ り バン ド と し て検出す る こ と が可能です。
1
2
3
SDS-PAGE 後のゲルを通常の方法で CBB 染色 し ます。
CBB 染色の脱色液にて脱色 し た後、 ゲルを乾燥 さ せます。
乾燥 し たゲルを用いて、 オー ト ラ ジオグ ラ フ ィ を行います。
注記
・ 露光は X 線 フ ィ ルムの場合、 6 時間~ 1 日程度を目安に し て
く だ さ い。
・ よ り 高い感度を得る ためには、 増感剤 (例えば
Amersham Biosciences 社 Amplify Fluorographic Reagents(Code
No. NAMP100) な ど) の使用 と -80 ℃ での露光によ る フルオ
ログ ラ フ ィ を行っ て く だ さ い。
蛍光標識 し た タ ンパク質の検出
Promega 社 FluoroTectTM GreenLys in vitro Translation Labeling System(Code No.
L5001) を用いて蛍光標識 し た タ ンパ ク 質は、 反応液の一部を SDS-PAGE に
供与 し た後、 蛍光 イ メ ージ アナ ラ イ ザーに よ り バン ド と し て検出す る こ と が
可能です。
β- ガ ラ ク ト シダーゼ コ ン ト ロール反応
添付の 0.5 μg/μL Control DNA (白) は β- ガ ラ ク ト シダーゼ コ ン ト ロ ール
反応を行 う ための鋳型 DNA です。 すでに直鎖化 し てい ます。
1
2
14
0.5 μg/μL Control DNA (白) を用い、 "mRNA の調製 " (
7
ページ) に従 っ て、 β- ガ ラ ク ト シダーゼ mRNA を調製 し ます。
β- ガ ラ ク ト シダーゼ mRNA を用い、" 標準反応プ ロ ト コ ル " (
12 ページ) に従っ て、 β- ガ ラ ク ト シダーゼを合成 し ます。
Transdirect.book 15 ページ
2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
は じ めに
目次
製品内容
プロ ト コル
付録
β- ガ ラ ク ト シダーゼの検出
コ ン ト ロ ール タ ンパ ク 質であ る β- ガ ラ ク ト シダーゼの合成確認は、 定量的
方法 と 定性的方法があ り ます。
‹ 定量的方法
準備する もの
・ Promega 社の β-Galactosidase Enzyme Assay System with Reporter Lysis
Buffer (Code No. E2000)
・ 分光光度計 (㈱島津製作所 Biospec-mini な ど)
操作手順
以下に β- ガ ラ ク ト シダーゼの定量的方法について示 し ます。 標準曲線の作成 と
活性値の算出についての詳細は Promega 社の取扱説明書を参照 し て く だ さ い。
1
2
3
4
10 μL の合成反応液に 1× Reporter Lysis Buffer を 490 μL加え、50倍
希釈 し ます。
50 倍希釈液を 10 μL と り 、 1 × Reporter Lysis Buffer を 140 μL、
Assay 2 × Buffer を 150 μL 加え、 37 ℃で 30 分間イ ンキ ュ ベー ト
し ます。
30 分後、ただ ち に 1M Sodium Carbonate を 500 μL 加え て、反応を停
止 さ せます。
分光光度計を用い、 420 nm の吸光度を測定 し ます。 その値に希釈倍
率の 50 を掛けて、 標準曲線よ り 得ら れた数値よ り β- ガ ラ ク ト シ
ダーゼの活性 (U/mL) を算出 し ます。
注記
β- ガ ラ ク ト シダーゼ コ ン ト ロール反応を行っ た場合、
10 U/mL の β- ガ ラ ク ト シ ダーゼが合成可能です。
15
プ
ロ
ト
コ
ル
Transdirect.book 16 ページ
2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
タ ンパク 質合成反応
‹ 定性的方法
準備する もの
・ プ ロ ト コ ルに従っ て タ ンパ ク質合成 さ せた反応溶液
・ X-Gal 溶液 (20 mg/mL : ジ メ チルホルムア ミ ド
反応液
3 μL
X-Gal 溶液
1 μL
滅菌蒸留水
16 μL
Total
20 μL
操作手順
1
2
16
37 ℃で、 20 分間イ ン キ ュ ベー ト し ます。
正常に合成 さ れた場合、 青色に呈色 し ます。
・ mRNA 未添加の反応液では呈色はみら れません。
/
)
Transdirect.book 17 ページ
2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
は じ めに
目次
製品内容
プロ ト コル
付録
付録
„ ト ラ ブルシ ュ ーテ ィ ン グ
ト ラ ブル
原因
プ ラ ス ミ ド の回収量
菌株が不適切であ る
が少ない
mRNA の合成量が少
ない
対策
プ ラ ス ミ ド 調製用の大腸菌は、 DH5αTM
(Invitrogen Code No.18258-012) を推奨 し ま
す。 ま た LB 培地を使用 し て培養する こ と
を推奨 し ます。
鋳型 DNA に塩な どの夾雑物
が混入 し てい る
フ ェ ノ ール/ ク ロ ロ ホルム抽出、 エ タ
ノ ール沈殿を行い、 最後の 70 %エ タ ノ ー
ルに よ る洗浄を確実に行 っ て く だ さ い。
(
7 ページ )
mRNA が分解 さ れてい る
フ ェ ノ ール/ ク ロ ロ ホルム抽出な ど で鋳
型 DNA 溶液中の RNase を完全に不活化 し
て く だ さ い。
キ ッ ト の保存状態が不適当
であ る
Insect Cell Extract (黄) お よび
Reaction Buffer (青) は -80 ℃で保存 し て
く だ さ い。
4 mM Methionine (赤)、 50 μg/μL
pTD1 Vector (緑) お よび
0.5 μg/μL Control DNA (白) は、
-20 ℃以下で保存 し て く だ さ い。
(
1 ページ )
フ ェ ノ ール/ ク ロ ロ ホルム抽出な ど で
mRNA 溶液中の RNase を完全に不活化 し
て く だ さ い。
コ ン ト ロール タ ンパ mRNA が分解 さ れてい る
ク 質の合成量が少な
い
RNase inhibitor ( ヒ ト 胎盤由来)
(推奨品 : タ カ ラ バ イ オ㈱ Code No.2310A、
Promega 社 Code No.N2611) を 50 μL の系
に対 し 、 5 units 添加 し て く だ さ い。 合成
量が改善 さ れる場合があ り ます。
反応液中の塩濃度は最適化 さ れています。
mRNA 溶液か ら の塩の混入に よ り タ ンパ ク
mRNA 溶液中にマグネ シウム
質合成量が低下する場合があ り ます。 エ
な どの塩が混入 し てい る
タ ノ ール沈殿に よ り 塩を除去 し て く だ さ
い。
エ タ ノ ールの混入に よ り タ ンパ ク 質合成
mRNA 溶液中にエ タ ノ ールが 量が低下する場合があ り ます。 mRNA 調整
混入 し てい る
の際、 で き る だけエ タ ノ ールの混入を避
けて く だ さ い。
17
付
録
Transdirect.book 18 ページ
2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
ト ラ ブルシ ュ ーテ ィ ング
ト ラ ブル
原因
mRNA 濃度が不適切であ る
凍結 / 融解の回数が多い
凍結融解の繰 り 返 し は、 8 回以内 と し て く
だ さ い。 ま た融解は必ず氷上で行 っ て く
だ さ い。 融解後はす ぐ に使用 し 、 使用後
はすみやかに -80 ℃で保存 し て く だ さ い。
(
2 ページ )
ク ロ ーニ ン グ位置が不適当
であ る
ベ ク タ ーに目的遺伝子を挿入する場合、
cDNA の ORF の開始 コ ド ン と エ ンハン
サー配列か ら の距離を な るべ く 短 く し て
く だ さ い (Eco RV サイ ト への挿入を推奨
し ます)。
(
5 ページ )
コ ン ト ロ ール タ ンパ
ク 質の合成量が少な
い
コ ン ト ロ ール タ ンパ
ク 質は十分量合成 さ
れるが、 目的 タ ンパ ベ ク タ ーが不適当であ る
ク 質が合成 さ れな
い、 あ る いは合成量 直鎖化に用い る制限酵素が
不適切であ る
が少ない
添付のベ ク タ ー (0.5 μg/μL pTD1 Vector
(緑)) をお使い く だ さ い。
7 ページの表 3 記載で、 かつ作製プ ラ ス ミ
ド のイ ンサー ト を切断 し ない制限酵素を
使用 し て く だ さ い。
遺伝子中の塩基配列中に変
異が入 っ てい る
シー ク エ ン スに よ り イ ンサー ト の配列を
確認 し て く だ さ い。
開始 コ ド ンが欠失 し てい る
シー ク エ ン スに よ り イ ンサー ト の配列を
確認 し て く だ さ い。
タ ンパ ク 質が正常に フ ォ ー
ルデ ィ ン グ さ れてい ない
フ ォ ールデ ィ ン グに特別なシ ャ ペ ロ ンが
関与する場合は、 正常な フ ォ ールデ ィ ン
グが起き ない可能性があ り ます。 また膜
タ ンパ ク 質な ど、 疎水性の高い タ ンパ ク
質の場合は凝集する おそれがあ り ます。
ジ スル フ ィ ド 結合が形成 さ
れていない
タ ンパ ク 質合成反応は還元条件下で行 う
ため、 ジ スル フ ィ ド 結合が活性に必須な
タ ンパ ク 質の場合、 活性の低下ま たは欠
失がみ ら れる こ と があ り ます。
活性が検出で き ない
タ ンパ ク 質の精製が
塩が影響 し てい る
で き ない
タ ンパ ク 質合成試薬は高濃度の塩が含ま
れる ため、 イ オ ン交換カ ラ ムでの精製の
と きは脱塩操作が必要にな り ます。
露光時間が長い
露光時間が長い と 目的以外の非特異的な
バン ド が検出 さ れる こ と があ り ます。 露
光時間を調整 し て く だ さ い。
RI 添加量が不適当であ る
RI 添加量が多い と 目的以外の非特異的な
バン ド が検出 さ れる こ と があ り ます。 ま
た添加量が少ない と 露光に時間がかか り
ます。 添加量を調整 し て く だ さ い。
RI 検出時にバ ッ ク グ
ラ ン ド が高い
18
対策
エ タ ノ ール沈殿に よ る精製法では未反応
NTPs が完全に除去 さ れないため、 見かけ
上 mRNA 濃度が上昇 し ます。 最適な
mRNA の添加量を検討 し て く だ さ い。
(
8 ページ )
Transdirect.book 19 ページ
2007年1月26日 金曜日 午前9時42分
は じ めに
目次
製品内容
プロ ト コル
付録
„ 参考文献
伊東昌章
「昆虫由来抽出液を用いた無細胞 タ ンパ ク質合成法の確立―実験目的に応 じ
た様々な特性を も つ抽出液を求めて-」 化学 と 生物 , 2004, 42, 639-641
四方正光 ら
「昆虫由来新規無細胞 タ ンパク質合成試薬キ ッ ト の開発」 生物工学会誌 , 2005, 83, 390-391
Ezure, T. et al.
Cell-free protein synthesis system prepared from insect cells by freeze-thawing
Biotechnol. Prog., 2006, 22, 1570-1577
Suzuki, T. et al.
Performance of expression vector, pTD1, for insect cell-free translation system
J. Biosci. Bioeng., 2006, 102, 69-71
Suzuki, T. et al.
N-terminal protein modifications in an insect cell-free protein synthesis system
and their identification by mass spectrometry
Proteomics, 2006, 6, 4486-4495
付
録
Suzuki, T. et al.
Preparation of N-acylated proteins modified with fatty acids having a specific
chain length using an insect cell-free protein synthesis system
Biosci. Biotechnol. Biochem., 2007, 71, 261-264
„ MSDS の請求について
各試薬の MSDS について無料で資料を提供 し てお り ます。 下記お問い合わせ
窓口に直接請求 し ていただ く か、 Web サイ ト から ダウ ン ロ ー ド し て く だ さ
い。
„ お問い合わせ窓口
株式会社 島津製作所
分析計測事業部 ラ イ フサイ エ ン ス ビ ジネスユニ ッ ト
ラ イ フサイ エ ン ス研究所
〒 604-8511 京都市中京区西 ノ 京桑原町 1 番地
TEL
: 075-823-1351
FAX
: 075-823-1364
E-MAIL
: [email protected]
http://www.shimadzu-biotech.jp
19