Download 取扱説明書 - SMC株式会社

Transcript
作成日:2011 年 5 月 12 日
改定日:-
真空吸着搬送システム選定プログラム
Ver.1.0
Vacuum Adsorption Transfer System Selection Software Ver.1.0
取扱説明書
目
次
1. プログラム概要 ................................................................................................................................. 1
1.1 使用許諾契約書 ........................................................................................................................... 1
1.2 主要特徴...................................................................................................................................... 2
1.3 機能構成...................................................................................................................................... 3
1.4 メニュー画面............................................................................................................................... 4
1.5 登録機種...................................................................................................................................... 5
1.6 用語集 ......................................................................................................................................... 6
1.7 選定フローと計算式.................................................................................................................... 7
1.8 使用上のご注意 ......................................................................................................................... 12
2. 機器選定............................................................................................................................................ 13
2.1 概要........................................................................................................................................... 13
2.2 画面説明および操作方法........................................................................................................... 14
2.2.1 条件入力............................................................................................................................. 14
2.2.2 真空パッド選定.................................................................................................................... 16
2.2.3 配管選定............................................................................................................................. 18
2.2.4 エジェクタ選定 .................................................................................................................. 20
2.2.5 制御ユニット選定 .............................................................................................................. 22
2.2.6 バルブ選定 ........................................................................................................................ 23
2.2.7 結果表示............................................................................................................................. 25
3. 特性計算.......................................................................................................................................... 27
3.1 概要........................................................................................................................................... 27
3.3.1 条件入力............................................................................................................................. 28
3.2.2 結果表示............................................................................................................................. 30
4 各種設定........................................................................................................................................... 32
4.1 入力値設定 ................................................................................................................................ 32
4.2 言語設定.................................................................................................................................... 33
4.3 単位系設定 ................................................................................................................................ 34
5. 印刷と保存 ...................................................................................................................................... 35
5.1 印刷........................................................................................................................................... 35
5.2 保存........................................................................................................................................... 37
1.
1.1
プログラム概要
使用許諾契約書
この使用許諾契約(以下、「本契約」といいます。)は、お客様がインストールされる真空吸着搬送システム選定プ
ログラム(以下、「本ソフトウェア」といいます。)の使用許諾に関する SMC 株式会社(以下、「SMC」といいます。)
とお客様との間の契約です。
以下の本契約の各条項をよくお読みになり、お客様が本契約に同意する場合には、起動時のソフトウェア使用許諾画
面の下部にある「使用許諾契約の条項に同意します」のボタンを選択しクリックして下さい。お客様が、クリックを行
った時点で、お客様は、本契約に同意したものとみなされ、お客様と SMC との間に本契約が成立し、効力が発生しま
す。お客様が本契約に同意しない場合は、「使用許諾契約の条項に同意しません」を選択しクリックして下さい。この
場合、本ソフトウェアをインストール、使用及び複製することはできません。
第1条(許諾事項)
1
お客様は、本ソフトウェアを、お客様が適切な SMC 製品を選定する目的に限り、本契約の条項に従って、非独占
的に使用することができます。
2
お客様は、前項の目的で使用する場合に限り、本ソフトウェアをコンピューター内に記録及び保存することができ
ます。
第2条(禁止事項)
1
お客様は、第1条2項の場合を除き、本ソフトウェアを複製することはできません。
2
お客様は、第三者に、本ソフトウェアの一部または全部について、有償・無償を問わず、譲渡及び貸与することは
できません。
3
お客様は、本ソフトウェアに対して、変更を加えること、翻案・翻訳を行うこと及びリバースエンジニアリングを
行うことはできません。
第3条(注意事項)
1
本ソフトウェアによる機器選定・計算結果は実機を用いた場合と異なることがあります。
2
本ソフトウェアの登録製品をご使用になる場合は、必ず、当該商品の各カタログに記載されている「安全上のご注
意」、「共通注意事項」、「製品個別注意事項」及び「製品の仕様」をお読み下さい。
3
SMC は、本ソフトウェアの内容及び登録製品の仕様を予告なしに変更する場合があります。
第4条(無保証)
SMCは、お客様に対し、本ソフトウェアの使用による機器選定・計算結果の正確性等、本ソフトウェアの品質につ
いて、一切保証いたしません。
第5条(免責)
本ソフトウェアの使用等に関して生じたいかなる損害に対してもSMCは一切責任を負いません。
第6条(契約の終了)
1
お客様が本契約に違反した場合及びSMCが契約終了が適切と判断した場合、本契約は当然に終了いたします。
2
本契約が終了した場合は、お客様は、本ソフトウェア及び複製物を破棄しなければなりません。
第7条(本ソフトウェアに関する権利)
本ソフトウェアの著作権その他一切の権利はSMCが有しており、
著作権法等の法律及び国際条約により保護されてい
ます。
第8条(準拠法等)
1
本契約は、日本国法に準拠します。
2
本契約に関する一切の紛争につき、東京地方裁判所又は東京簡易裁判所を第一審の専属の管轄裁判所とします。
1
1.2
主要特徴
真空吸着搬送システム選定プログラムは、真空パッド、真空エジェクタ、配管および制御用バルブ
などのサイズの選定を目的に開発したものであり、主な特徴は以下の通りです。
■ 要求に合致する最適製品群を自動選定
真空パッド、真空エジェクタ、配管および制御用バルブなどのシリーズ名を指定するだけで、要求
条件を満たす各機器の最小品番が自動的に選出されます。
■ 多様な対象回路に対応
ユニットまたは単体機器によるエジェクタシステムと真空ポンプシステムを基本に、さらに、破壊
弁および破壊流量調整用絞り弁有無により構成される多様な対象回路に対応しています。
■ 吸着時間と破壊時間を同時計算
真空吸着時間だけでなく、破壊圧力、破壊流量調整用絞り弁の開度から破壊時間も同時計算します。
■ 多言語対応
日本語、中国語、韓国語、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語
の9ヶ国語に対応しています。
■ 単位の自由切換
プログラム推奨単位系、ユーザ単位系(ユーザが好きな単位の組合せ)および自由単位系(各項目
の単位は自由変更可能)を利用することができます。
■ データ更新機能
インターネットを経由して、WEB から最新データを更新することができます。
2
1.3
機能構成
このプログラムの機能構成は、図 1 に示します。
メニュー
機器選定
条件入力
パッド選定
配管選定
エジェクタ選定
バルブ選定
結果表示
特性計算
条件入力
結果表示
各種設定
言語設定
単位系設定
入力値設定
ヘルプ
データ更新
図 1 機能構成
プログラムは主に機器選定と特性計算により構成されています。
機器選定は、回路と使用条件を入力すると、安全率および吸着時間を満足するパッド、エジェクタ、
配管、バルブなどの品番を選定します。
特性計算は、回路、使用条件および構成機器の品番を入力すると、最高真空圧力、吸着応答時間、
破壊時間、安全率などの特性を計算します。
機器選定と特性計算はリンクされており、特性計算では、機器選定の結果に対して、機器品番また
は使用条件などを変えて再計算することが可能です。
各種設定は使用頻度の高い入力値の登録、言語の選択および単位系の設定を行います。
データ更新はインターネットを経由して、WEB から最新データを更新することが出来ます。
3
1.4
メニュー画面
⑦
⑧
①
②
③
④
⑤
⑥
【機 能】①と②はプログラムの主要機能であり、該当ボタンを押してから、⑦の新規ボタンを押す
と、対応する選定または計算機能を新規に行います。⑧の履歴ボタンを押すと、対応する選定または
計算結果の履歴ファイルを表示します。
③~⑥はプログラムの補助機能であり、言語、単位の設定、ヘルプの閲覧、データの更新などを行い
ます。
【ボタン説明】
ボタン
説明
①〔機器選定〕
使用回路と要求条件を入力し、システムの機器品番を選定します。
②〔特性計算〕
使用回路、使用条件および機器品番を入力し、システムの特性を計算します。
③〔各種設定〕
使用頻度の高い入力値の登録、言語の選択および単位系の設定を行います。
④〔ヘルプ〕
プログラムのヘルプを表示します。
⑤〔データ更新〕
WEB からインターネット経由で最新のデータを更新します。
⑥〔終了〕
プログラムを終了します。
⑦〔新規〕
機器選定または特性計算を新規に実行します。
⑧〔履歴〕
機器選定または特性計算の履歴ファイルを表示します。
4
1.5
登録機種
このプログラムのデータベースに登録している各機器の機種を表 1 に示します。
表 1 データベース登録機種
機種
真空パッド
真空エジェクタ
供給弁
破壊弁
切換弁
絞り弁
配管
シリーズ
ZPT:縦方向真空取出形
ZPR:横方向真空取出形/ワンタッチ管継手付
ZPY:横方向真空取出形/バーブ継手付
ZPT:大型・高荷重タイプ/縦方向真空取出形
ZPX:大型・高荷重タイプ/横方向真空取出形
ZPT:大型ベロウパッド/縦方向真空取出形
ZPX:大型ベロウパッド/横方向真空取出形
ZPT:首振りタイプ/縦方向真空取出形
ZPR:首振りタイプ/横方向真空取出形
ZB:小型真空エジエクタ
ZA:小型真空エジエクタ
ZX:真空ユニット
ZR:大型真空ユニット
ZM:真空エジェクタ
ZMA:電子式タイマ付真空エジェクタ
ZQ:薄形真空エジェクタ
ZH:真空エジェクタ
ZU:直線形真空エジェクタ
ZL:多段エジェクタ
ZYY、ZYX:エジェクタバルブユニット
V100:小型3ポートソレノイドバルブ
SYJ:小型3ポートソレノイドバルブ
VQZ:3ポートソレノイドバルブ
VK:3ポートソレノイドバルブ
VKF:3ポートソレノイドバルブ
VX2:小型2ポートソレノイドバルブ
VX31・32・33:小型3ポートソレノイドバルブ
VT:3ポートソレノイドバルブ
VP:3ポートソレノイドバルブ
VG342:3ポートソレノイドバルブ
VNB[]
[][]
[]V:真空パイロット形2ポートバルブ
VEX3:3ポジションバルブ
VQD1000-V:真空・破壊ユニット
SJ3A6:絞り弁付真空破壊弁
AS1002F~4002F:ワンタッチ管継手付・標準タイプ
AS1000~5000:標準タイプ
AS1001FG~4001FG:ワンタッチ管継手付・ステンレス
AS1001FM~4001FM:低速制御用
AS1001F-D~4001F-D:マイナスドライバ調整用
AS1001F-T~4001F-T:タンパープルーフタイプ
T:ナイロンチューブ
TS:ソフトナイロンチューブ
TU:ポリウレタンチューブ
TUS:ソフトポリウレタンチューブ
TRS:FRソフトナイロンチューブ
TRB:FR2層チューブ
TAS:帯電防止ソフトナイロンチューブ
TAU:帯電防止ポリウレタンチューブ
TUH:ハードポリウレタンチューブ
TRBU:FR2層ポポリウレタンチューブ
TPH:ポリオレフィンチューブ
TPS:ソフトポリオレフィンチューブ
TUH(H):ハードポリウレタンチューブ(高圧)
5
1.6
用語集
このプログラムで使用する用語は、下記の通りです。
最大吸込流量:
エジェクタが真空ポートに何も接続しない状態で吸い込む空気の流量。
最高真空圧力:
ワークからの漏れを考慮した到達可能な真空圧力。
空気消費量:
エジェクタが消費する圧縮空気の流量。
標準供給圧力:
エジェクタを使用するのに最適な供給圧力。
供給弁:
エジェクタへ圧縮空気を供給する弁。
破壊弁:
吸着パッド等の真空状態を解除するため、正圧または大気を供給する弁。
切換弁: 真空ポンプより供給される真空を ON、OFF 制御する弁、または吸着パッド等の真空吸着
状態と真空解除状態を切り換える弁。
絞り弁:
真空破壊を行う際、供給する空気の量を調整するための弁。
必要真空圧力:
パッドサイズを選定するために、ユーザが入力する必要最小の真空圧力。
任意真空圧力:
最高真空圧力以内の任意の真空圧力。
パッド漏れ量:
ワークとパッドの間から空気が真空通路側へ入る流量。パッドの漏れが生じると、
真空圧が低下する。
吸着応答時間:
圧力が最高真空圧力の 95%または指定した任意真空圧力に到達するまでの時間。
破壊時間:圧力が最高真空圧力または指定した任意真空圧力から大気圧に到達するまでの時間。
安全率:
理論リフト力とワーク重量との比。
6
1.7
選定フローと計算式
このプログラムは、指定回路および使用条件に基づき、選択されたシリーズ内から、要求の安全率
および吸着応答時間を満足する最小サイズのパッド、配管、エジェクタ(ユニットまたは単体)、バル
ブなどを選定します。選定フローおよび計算式を以下に示します。
1) 選定フロー
真空吸着搬送システムの選定フローを図 2 に示します。
回路指定、条件入力
パッド選定
リフト力、安全率、必要真空圧力などを満足する最
小サイズのパッドを選定
配管選定
要求吸着応答時間に応じる必要な最大吸込み流量
を計算し、それを満足する最小サイズの配管を選定
真空エジェクタ
エジェクタ選定
必要な最大吸込み流量および必要真空圧力
を満足する最小サイズのエジェクタを選定
ユニット
回路
真空ポンプ・ユニット
回路
真空ポンプ・単体
真空制御ユニット選定
必要な最大吸込み流量を満足
する最小サイズの制御ユニット
を選定
単体
バルブ選定
供給弁:有効断面積がエジェクタのノズルの実面積の
約3倍より大きい、最小サイズのバルブを選定。
破壊弁:供給弁と同等なサイズのバルブを選定。
切換弁:必要な最大吸込み流量を満足する最小サイズ
のバルブを選定
特性値計算、結果表示
最高真空圧力の計算
吸着応答時間の計算
安全率の計算
破壊時間の計算
図2
選定フロー
7
2) 計算式
真空吸着搬送システムの選定と特性計算に使用しています計算式を表2~5に示します。
表2
パッド面積の関連計算
モデルと計算式
記号
P
S
m
1.パッド面積
S
1 m g

 t  1000
P
n
2.安全率
t
S  Pn
1000  m  g
3.リフト力
W  P  S  0 .1 
1
t
8
名称
単位
m
ワーク質量
kg
S
パッドの面積
t
安全率
P
真空圧力
n
パッド個数
-
W
リフト力
N
g
重力加速度(9.8)
mm2
kPa
m/s2
表3
最高真空圧力の関連計算
モデルと計算式
記号
1.最高真空圧力(真空源)Pv
(1)真空エジェクタ(1段)の場合
P
Pmax
最高真空圧力(漏れなし)
Qmax
最大吸込流量
P1
Pmax
1段
Q1
Pv
Qmax
QL
Pv  Pmax 
Q
Pmax
QL
Qmax
(2)真空エジェクタ(多段)の場合
P
多段
Pmax
Pv1
(Q1, P1)
a
Pv2
QL
QL
Pv1  Pmax 
Pv 2  P1 
Qmax
Pmax  P1
Q L1
Q1
Q
Q L1  Q1
P1
Q L 2  Q1  Q L 2  Q1
Q max  Q1
(3)真空ポンプの場合
Pv  Pp
2.最高真空圧力(パッド部)Pd
Pa
PV
C, b
Pd
QL
配管部がチョークの場合
Pd  Pa 
QL
0.6C
配管部が亜音速の場合
2

1 
 QL 
Pd  Pa  Pa  Pv   



 1.2C  Pa  Pv 
9
名称
多段エジェクタのa点の真空圧
多段エジェクタのa点の吸込流
単位
kPa
L/min(ANR)
kPa
L/min(ANR)
量
QL
漏れ流量
Pa
大気圧
kPa
Pp
真空ポンプ圧力
kPa
Pv
最高真空圧力(真空源)
kPa
Pd
最高真空圧力(パッド部)
C
吸着配管部音速コンダクタンス
b
吸着配管部臨界圧力比(=0.5)
L/min(ANR)
kPa
3
dm /(s.bar)
-
表4
吸着応答時間の関連計算
モデルと計算式
記号
QL
Qm
V, P
T2
T1
Pv
0
1.Pv の63%に到達する時間
T1 
配管容積
Qm
平均吸込流量
L/min(ANR)
QL
漏れ流量
L/min(ANR)
Pv
吸着後の安定した圧力
kPa
P
真空圧力
kPa
T1
Pvの 63%に到達する時間
s
T2
Pvの 95%に到達する時間
(吸着応答時間)
s
時間
s
Pv
P
60  V
Qm  Q L
2.Pv の95%に到達する時間
T2  3  T1
3.任意真空圧力Pに到達する時間
 Pv 

T  T1 ln 
 Pv  P 
4、任意時間tのときの真空圧力
t


T1

P  Pv 1  e






10
単位
V
t
63%Pv
95%Pv
t
名称
最高真空圧力
L
kPa
表5
破壊時間の関連計算
モデルと計算式
Ps
G1
記号
G2
V,
Pa
P
C1, b1
C2, b2
t1
t
0
Pv
P
1、状態方程式(等温仮定)
配管容積
m3
Ps
破壊圧力
Pa
Pa
大気圧
Pa
P
真空圧力
C1
破壊弁から配管までの
音速コンダクタンス
b1
破壊弁から配管までの臨界圧力比
C2
デイフュザから配管までの
音速コンダクタンス
b2
デイフュザから配管までの臨界圧力比
G
質量流量
R
空気の気体定数(287)
T
周囲温度
K
T0
標準状態空気温度(293.15)
K
0
標準状態空気密度(1.185)
G1  C1  0 Ps
 P Ps  b1 
T0

1  
T
 1  b1 
Pa
3
m /(s・Pa)
m3/(s・Pa)
kg/s
J/kg・K
kg/m3
t1
破壊時間
s
t
時間
s
2、流量式(破壊圧力の場合)
T0
T
単位
V
dP RT

G
dt
V
G1  C1  0 Ps
名称
2
11
1.8
全
使用上のご注意
般

真空エジェクタシステムの場合、エジェクタユニットまたは供給弁の上流の配管および
機器の選定は対象外とします。十分な供給能力を前提としています。

真空ポンプシステムの場合、制御ユニットまたは切換弁の上流の配管および機器の選定
は対象外とします。十分な吸引能力を前提としています。
計算方法

吸着応答時間および破壊時間を計算する際に、配管内の圧力が均一に分布する集中定数
法を用いています。計算式について本ヘルプの補足資料を参考してください。
選定結果

各機器の使用温度と使用圧力などがチェックされていません。別途ご確認の上、お使い
ください。

選定結果はフル品番でなく、サイズに関係する項目のみが表示されます。

該当機器が複数ある場合、代表的なものを一つ表示します。

破壊弁を使用するエジェクタシステムの場合、実際の真空破壊時間は、エジェクタのサ
イレンサからの破壊エア放出やパッドの粘着性などで、計算結果より長くなります。実
際にお使いの回路で十分な検証を行ってください。

真空吸着時間と破壊時間にバルブの応答時間は考慮されていません。

安全率は、水平吊上げが 4 以上、垂直吊上げが 8 以上との弊社推奨値にして下さい。

真空パッドの選定はパッド径(面積)のみの選定ですので、パッドの形状、材質、接続
方法および接続ポートなどについて用途に応じて別途選定して下さい。

本プログラムに提示されたパッド漏れ量のデータは、特定のワークを使って測定したも
のであり、お客様のワークの表面状態と違う可能性がありますので、参考としてご利用
下さい。

パッド径が異なる複数のものを使う場合は、トータル面積が同じになるようにパッド径
を単一化してから計算して下さい。

標準供給圧力の場合のみを対応しています。

2個以上使用される場合は、並列接続で使用して下さい。
供給弁

エジエクタの特性を十分発揮させるために、供給弁の音速コンダクタンスがエジェクタ
のノズルの音速コンダクタンスの 3 倍以上のものを選定しています。
破壊弁

供給弁と同等のサイズを選定しています。

3ポート弁を破壊弁として使用する場合は、R ポートをプランキングして使用して下さ
い。
切換弁

3ポート弁を真空切換弁として使用する場合は、R ポートをプランキングして使用して
下さい。
絞り弁

インラインタイプスピードコントローラで代表しています。

配管の選定は、吸着応答時間と破壊時間に直接に関係する、エジェクタまたは切換弁か
らパッドまでの配管(配管選定画面の赤部配管)を対象としています。これ以外の配管
は抵抗にならないように別途決めてください。

配管の選定は、1本の同一サイズの配管を対象としています。複数のパッド使用による
分岐配管がある場合または違うサイズの配管を使用する場合は、トータルの容積と音速
コンダクタンスを別途計算して、特性計算画面で計算して下さい。

配管の臨界圧力比は 0.5 としています。

真空ポンプを吸込み流量が十分大きい理想な真空源としています。
対象回路
安全率
真空パッド
エジェクタ
バルブ
配管
真空ポンプ
12
2. 機器選定
2.1
概要
真空吸着搬送システムの機器選定では、下図のように、要求条件と使用条件を入力し、要求を満足
する最小サイズの真空パッド、エジェクタ、配管、制御用バルブなどの品番を自動的に選定します。
必要に応じて、選定結果画面から特性計算へ移行し、機器の品番または使用条件などを変更してシ
ステムの特性を計算することが出来ます。
用途:
真空吸着搬送システムの構成機器
の品番を選定する場合に適用
入力画面:
要求条件、使用条件を入力
出力画面:
機器品番、システム特性を表示
13
2.2
画面説明および操作方法
2.2.1
条件入力
[2]
[1]
[3
①
②
【機 能】この画面では、真空吸着搬送システムの回路の選択および使用条件の入力を行います。
【ボタン説明】
ボタン
説明
①〔次へ〕
パッド選定画面に進みます。
②〔キャンセル〕
メニュー画面に戻ります。
14
【項目説明】
項目
説明
[1]
選択した回路およびシステム構成例が表示されます。
[2]
回路分類の一覧から、エジェクタシステムまたは真空ポンプシステ
ム、破壊弁および絞り弁の有無などを選択することによって回路を
構成します。
[3]
1) 圧力が最高真空圧力に到達するまでの要求時間を入力します。
1)
2) ワークの吊上げ形態を選択します。
2)
3)
4)
5)
6)
3) 安全率を入力します。
水平吊上げは4以上、垂直吊上げは 8 以上を推奨します。
4) ワーク質量を入力します。
5) 真空ポンプ圧力を入力します。
6) 真空ポンプシステムを使用するときの破壊圧力を入力します。
真空エジェクタシステムを使用するときに、標準供給圧力また
は大気が破壊圧力になります。
15
2.2.2
真空パッド選定
[1]
[3]
[4]
[2]
[5]
①
②
③
【機 能】この画面では、使用する真空パッドのシリーズおよび品番を選定し、パッドとワークとの
間の空気漏れ量を入力します。
【ボタン説明】
ボタン
説明
①〔戻る〕
条件入力画面に戻ります。
②〔次へ〕
配管選定画面に進みます。
③〔キャンセル〕
メニュー画面に戻ります。
16
【項目説明】
項目
説明
[1]
選択された真空パッドの主要仕様が表示されます。
[2]
選択された真空パッドの外観写真が表示されます。
[3]
1) パッドの個数を入力します。
2) パッドのバッファ有無を選択します。
3) 選定方式を選択します。
自動選定:負荷条件が満足するように、最小サイズのパッド品番
はプログラムによって自動的に選定されます。
指定:パッドの品番はユーザから指定されます。指定されたパッ
ドは真空エジェクタまたは真空ポンプの最高真空圧力で計算したリ
フト力が負荷条件を満足しない場合はメッセージが表示されます。
1)
3)
[4]
1)
2)
選定方式を“自動選定”とした場合、1)のエリアではパッドの
シリーズを指定するだけで、最小サイズのパッドの品番が2)のエ
リアに表示されます。
選定方式を“指定”とした場合、1)と2)のエリアではパッド
のシリーズおよび品番を指定します。
2)
[5]
パッド漏れ量(1 個)を入力します。パッド漏れ量は分からない
場合、“参考”ボタンをクリックすれば、参考データが表示されま
す。
17
2.2.3
配管選定
[3]
[1]
[2]
①
【機 能】この画面では、配管の選定を行います。
【ボタン説明】
ボタン
説明
①〔戻る〕
パッド選定画面に戻ります。
②〔次へ〕
エジェクタ選定画面へ進みます。
③〔キャンセル〕
メニュー画面に戻ります。
18
②
③
【項目説明】
項目
説明
[1]
選択した配管の仕様が表示されます。
[2]
選択した配管の写真が表示されます。
[3]
1) 使用する配管のシリーズを選択します。
2) 回路の赤部配管の長さを入力します。この部分の配管の容積
と等価音速コンダクタンスは吸着応答時間と破壊時間の計算に使
われます。
1)
回路例
2)
19
2.2.4
エジェクタ選定
[3]
[1]
[2]
①
【機 能】この画面では、エジェクタの選定を行います。
【ボタン説明】
ボタン
説明
①〔戻る〕
配管選定画面に戻ります。
②〔次へ〕
バルブ選定画面に進みます。
③〔キャンセル〕
メニュー画面に戻ります。
20
②
③
【項目説明】
項目
説明
[1]
選択したエジェクタの仕様が表示されます。
[2]
選択したエジェクタの写真が表示されます。
1) 使用するエジェクタのシリーズを選択します。
2) 標準供給圧力を選択します。
3) エジェクタのタイプを選択します。
[3]
1)
2)
3)
21
2.2.5
制御ユニット選定
[3]
[1]
[2]
①
②
③
【機 能】この画面では、真空ポンプシステムの制御ユニットの選定を行います。
【ボタン説明】
ボタン
説明
①〔戻る〕
配管選定画面に戻ります。
②〔次へ〕
結果表示画面に進みます。
③〔キャンセル〕
メニュー画面に戻ります。
【項目説明】
項目
説明
[1]
選択した制御ユニットの仕様が表示されます。
[2]
選択した制御ユニットの写真が表示されます。
[3]
使用する制御ユニットのシリーズを選択します。
22
2.2.6
バルブ選定
[3]
[1]
[2]
①
【機 能】この画面では、バルブ類の選定を行います。
【ボタン説明】
ボタン
説明
①〔戻る〕
エジェクタ選定画面に戻ります。
②〔次へ〕
結果表示画面に進みます。
③〔キャンセル〕
メニュー画面に戻ります。
23
②
③
【項目説明】
項目
説明
[1]
選択したバルブの仕様が表示されます。
[2]
選択したバルブの写真が表示されます。
[3]
使用する供給弁、破壊弁、切換弁または絞り弁のシリーズを選択
します。
24
2.2.7
結果表示
[2]
[4]
[1]
①
②
③
④
⑤
⑦
⑥
[3]
【機 能】この画面では、選定結果の表示を行います。
エリア[1]と[3]では選定結果とシステムの特性が表示されます。エリア[2]と[4]では対応
回路図と入力値が表示されます。
【ボタン説明】
ボタン
①〔再計算〕
説明
最高真空圧力以内の任意の真空圧力に対応する、吸着応答時間、安全率および破
壊時間などを再計算します。
②〔初期結果に戻る〕 最高真空圧力に対応する、吸着応答時間、安全率および破壊時間などの初期結果
に戻ります。
③〔戻る〕
条件入力画面に戻ります。
④〔キャンセル〕
機器選定を中止し、メニュー画面に戻ります。
⑤〔印刷〕
選定結果を印刷します。
⑥〔保存〕
選定結果を保存します。
⑦〔特性計算へ〕
選定結果を保持して特性計算へ進みます。
25
【項目説明】
項目
[1] システム特性
説明
1) 吸着時(赤)と破壊時(黒)の真空圧力の時間的な変化が表
示されます。
1)
2) 圧力が最高真空圧力の 95%または指定した任意真空圧力に
到達するまでの時間。
3) 理論リフト力とワーク重量との比。
4) 圧力が最高真空圧力または指定した任意真空圧力から大気
圧に到達するまでの時間。
5) ワークからの漏れを考慮した到達可能な最高真空圧力。
6) エジェクタの標準供給圧力。
7) エジェクタが標準供給圧力の下での空気消費量。
2)
3)
4)
5)
8) 計算結果の主要な項目の意味を説明します。
9) 最高真空圧力以内の任意の真空圧力を入力し、それに対応す
る、吸着応答時間、安全率および破壊時間などを再計算します。
6)
7)
8)
9)
[3]
機器選定の結果が表示されます。
[4]
各入力画面で入力した条件・数値が表示されます。
26
3.
3.1
特性計算
概要
真空吸着搬送システムの特性計算では、下図のように、構成回路、使用条件および機器品番を入力
し、最高真空圧力、吸着応答時間、吸着安全率および破壊時間などの特性値を計算・表示します。
用途:
真空吸着搬送システムの特性を
計算する場合に適用
入力画面:
機器品番、使用条件を入力
出力画面:
システム特性を表示
27
3.2 画面説明および操作方法
3.3.1
条件入力
[2]
[1]
[3]
[4]
①
②
【機 能】
この画面では、
真空吸着搬送システムの使用条件の入力および機器品番の選定を行います。
【ボタン説明】
ボタン
説明
①〔次へ〕
結果表示画面に進みます。
②〔キャンセル〕
メニュー画面に戻ります。
28
【項目説明】
項目
説明
[1]
選択した回路およびシステム構成例が表示されます。
[2]
回路分類の一覧から、エジェクタシステムまたは真空ポンプシステ
ム、破壊弁および絞り弁の有無などを選択することによって回路を
構成します。
[3]
1) ワーク質量を入力します。
2) 真空ポンプ圧力を入力します。
1)
3) 真空ポンプシステムを使用するときの破壊圧力を選択します。
真空エジェクタシステムを使用するときに、標準供給圧力また
は大気が破壊圧力になります。
1) 真空パッドの品番をデータベースから選択します。
2) 真空パッドの個数を入力します。
2)
3)
[4]
1)
2)
3)
4)
5)
6)
7)
9)
10)
11)
12)
8)
3) パッド漏れ量(1 個)を入力します。パッド漏れ量は分からな
い場合、“参考”ボタンをクリックすれば、参考データが表示され
ます。
4) 配管の品番をデータベースから選択します。
5) 回路の赤部配管の長さを入力します。この部分の配管の容積と
等価音速コンダクタンスは吸着応答時間と破壊時間の計算に使われます。
6) 回路の赤部配管の容積と音速コンダクタンスを入力します。複数のパ
ッド使用による分岐配管がある場合または違うサイズの配管を使
用する場合は、トータルの容積と音速コンダクタンスを入力します。
13)
7) エジェクタの品番をデータベースから選択します。
8) エジェクタの個数を入力します。
9) 供給弁の品番をデータベースから選択します。
10) 破壊弁の品番をデータベースから選択します。
11) 切換弁の品番をデータベースから選択します。
12) 絞り弁の品番をデータベースから選択します。
13) 絞り弁の開度を入力します。
29
3.2.2
結果表示
[2]
[4]
[1]
①
②
③
④
⑤
⑥
[3]
【機 能】この画面では、選定結果の表示を行います。
エリア[1]と[3]では選定結果とシステムの特性が表示されます。エリア[2]と[4]では対応
回路図と入力値が表示されます。
【ボタン説明】
ボタン
①〔再計算〕
説明
最高真空圧力以内の任意の真空圧力に対応する、吸着応答時間、安全率および破
壊時間などを再計算します。
②〔初期結果に戻る〕 最高真空圧力に対応する、吸着応答時間、安全率および破壊時間などの初期結果
に戻ります。
③〔戻る〕
条件入力画面に戻ります。
④〔キャンセル〕
特性計算を中止し、メニュー画面に戻ります。
⑤〔印刷〕
計算結果を印刷します。
⑥〔保存〕
計算結果を保存します。
30
【項目説明】
項目
[1] システム特性
説明
1) 吸着時(赤)と破壊時(黒)の真空圧力の時間的な変化が表
示されます。
1)
2) 圧力が最高真空圧力の 95%または指定した任意真空圧力に
到達するまでの時間。
3) 理論リフト力とワーク重量との比。
4) 圧力が最高真空圧力または指定した任意真空圧力から大気
圧に到達するまでの時間。
5) ワークからの漏れを考慮した到達可能な最高真空圧力。
6) エジェクタの標準供給圧力。
7) エジェクタが標準供給圧力の下での空気消費量。
2)
3)
4)
5)
6)
7)
8)
8) 計算結果の主要な項目の意味を説明します。
9) 最高真空圧力以内の任意の真空圧力を入力し、それに対応す
る、吸着応答時間、安全率および破壊時間などを再計算します。
9)
[3]
機器選定の結果が表示されます。
[4]
各入力画面で入力した条件・数値が表示されます。
31
4
4.1
各種設定
入力値設定
[1]
③
②
①
④
[2]
⑤
⑥
⑦
【機 能】この画面では、使用頻度の高い入力値を登録します。登録された入力値は各入力項目のド
ロップリストに表示されます。
[1]で入力項目を選択し、[2]で入力値の追加、削除および変更などを行います。
【ボタン説明】
ボタン
説明
①〔入力値設定〕
入力値設定画面に切り替えます。
②〔言語設定〕
言語設定画面に切り替えます。
③〔単位系設定〕
単位系設定画面に切り替えます。
④〔バージョン情報〕 現状のプログラムのバージョンを表示します。
⑤〔追加〕
新しい入力値を追加します。
⑥〔削除〕
設定値を削除します。
⑦〔閉じる〕
各種設定画面を終了します。
32
4.2
言語設定
[1]
[2]
【機
能】この画面では、使用言語を設定します。[1]で言語を選択し、[2]で地域適用製品を選択
します。
33
4.3
単位系設定
[2]
[1]
①
②
③
④
【機 能】この画面では、単位系の設定を行います。自由単位系(FU)、推奨単位系(SI)およびユーザ単
位系を利用することが出来ます。
自由単位系(FU):画面各項目の単位はその場で自由に切換可能です。
推奨単位系(SI):画面各項目の単位はプログラムにあらかじめ設定された単位系(国際単位系)を使
用します。
ユーザ単位系:画面各項目の単位はユーザが設定した単位系を使用します。ボタン①②③によってユ
ーザ単位系の変更、追加または削除を行います。各単位の設定はエリア[2]の各項目の使用単位をクリ
ックし、リストから好きな単位を選びます。
【ボタン説明】
ボタン
説明
①〔変更〕
ユーザ単位系を変更します
②〔追加〕
ユーザ単位系を追加します
③〔削除〕
ユーザ単位系を削除します。
④〔閉じる〕
各設定の結果を保存し、画面を閉じてメニュー画面に戻ります。
34
5.
5.1
印刷と保存
印刷
①
②
③
④
⑤
【用 途】この画面では、選定結果の印刷、ファイル出力を行います。
【ボタン説明】
ボタン
説明
①〔HTML〕
選定結果を HTML 方式で出力します。E-mail 添付などに使えます。
②〔印刷設定〕
印刷プロパティを設定します。
③〔プレビュー〕
印刷イメージを確認します。
④〔印刷〕
印刷を実施します。
⑤〔閉じる〕
印刷画面を閉じます。
35
【項目説明】
項目
1)
2)
3)
4)
説明
下図に印刷結果の一例を示します。
入力項目 1)~4)はそれぞれ下記印刷帳票の相応箇所に反映されま
す。
1)
4)
36
2)
3)
5.2
保存
【用 途】この画面では、選定結果の保存を行います。保存する場所、ファイル名などを入力して結果
を保存します。
37