Download B領域紫外放射計 取扱説明書 英弘精機株式会社

Transcript
B領域紫外放射計
MS-212W
取扱説明書
本製品を正しくお使いいただくため、ご使用の前に必ず本書をお読み下さい。
お読みになった後は、お使いになる方がいつでも見られるところに必ず保管して
下さい。
この説明書は、必ず最終需要家様にお渡し下さい。
英弘精機株式会社
MS-212W 取扱説明書
1.5
ご使用の前に
警
告
 本製品を使用する前に、必ずこの取扱説明書をよく読んで理解して下さい。
 この取扱説明書は、手近な所に大切に保管し、必要なときにいつでも取り出せる
ようにして下さい。
 製品本来の使用方法及び取扱説明書に指定した使用方法を守って下さい。
 本書の安全に関する指示に対しては、指示内容をご理解の上、必ず従って下さい。
以上の指示を必ず厳守して下さい。
指示に従わないとけがや事故の恐れがあります。
《取扱説明書について》

取扱説明書の内容は、製品の性能・機能の向上により、将来予告なしに変更することが
あります。

取扱説明書の全部または一部を無断で転載、複製することは禁止しています。

取扱説明書の内容に関しては万全を期していますが、万一不審な点や誤り、記載もれに
気付いたときは、お手数ですが当社までご連絡下さい。
《履
歴》

2000年

2008年 10月
1.1 版

2010年 10月
1.2 版

2011年
1月
1.3 版

2011年
8月
1.4 版

2011年 12月
1.5 版

2012年
1.5 版(本社移転に伴う住所、電話番号の変更)
4月
6月
初版発行
1
MS-212W 取扱説明書
1.5
安全に正しくお使い頂くために
《絵表示について》
この取扱説明書では、製品を正しくお使い頂き、お客様や他の人々への危害や財産への損害
を未然に防止するために、いろいろな絵表示を使用しています。
その表示の意味は次の通りです。
警
告
この表示を無視して誤った取扱いをすると、人が死亡または
厳
守
重傷を負う可能性があることを示しています。
注
意
この表示を無視して誤った取扱いをすると、人が傷害を
負ったり、物的損害の発生が想定されることを示しています。
《警告の指示事項》
本製品を使用する前に以下の警告、厳守、注意事項をよく読み、指示に従って下さい。
・設置について
警
告
本器はボルト、ナット等で台に固定して下さい。
強風、地震等により転落し、思わぬ事故を引き起こす恐れがあります。
・接地について
厳
守
新規設置時や移設したときにはアース線を接地して下さい。
接地が不備の場合、感電や漏電事故の原因になる可能性が あります。
・電
源
注
意
機器の電源電圧が供給電源の電圧、種類(AC、DC)に
合っているか必ず確認した上で、本器の電源を入れて下さい。
2
MS-212W 取扱説明書
・ガラス製部品
注
意
露出ガラスドームには衝撃を与えないで下さい。
衝撃を与えると破損します。破損破片の飛散は、事故の原因となる
可能性があります。
・プラスチック製部品
注
意
B領域紫外放射計本体に取り付けられている傘は、プラスチック製で
本体を支えるに充分な強度はありません。
本体を取り扱う時は、傘ではなく本体を持って下さい。
傘の破損あるいは外れのため、本体が落下する恐れがあります。
3
1.5
MS-212W 取扱説明書
本書の構成/目次
○
ご使用の前に
○
安全に正しくお使い頂くために
Ⅰ.概
要
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・1
Ⅱ.測定原理(感部)・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・1
Ⅲ.仕
様
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・2
Ⅳ.設
置
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・3
Ⅴ.結
線
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・3
Ⅵ.測
定
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・5
Ⅶ.保守及び取扱上の注意
Ⅷ.校正と再校正
Ⅸ.お問い合わせ先
付
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・6
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・7
・・・・・・・・・・・・・・・16
録
○
光学系の温度制御の確認方法
○
B領域紫外放射計本体外形図
○
B領域紫外放射計変換器外形図
4
1.5
MS-212W 取扱説明書
Ⅰ.
概
1.5
要
B領域紫外放射計 MS-212W型は、UV-B領域(280-315nm)の放射量を連続的に計測する
気象用全天候型のUV-B日射計です。
Ⅱ.
測定原理(感部)
Fig.1
各部の概略分光特性
入射する全天日射は石英ドームを透過し、ドーム内にもうけられたテフロン拡散板により拡
散された後、長波長側をカットする干渉フィルターに入射します。干渉フィルターよりの透過
光は蛍光体を発光させ、長波長の蛍光に変換されます。この蛍光に混入のおそれのあるごくわ
ずかの長、短波長側の領域外光をカットフィルターでカットされた後、蛍光はシリコンセンサ
ーに入射します。シリコンセンサーよりの出力は本体内蔵アンプにより増幅の後出力されます。
5
MS-212W 取扱説明書
Ⅲ.
仕
様
1) B領域紫外放射計本体
測定範囲
:
出
2) 変
力
0~5W・m-2
0~ 約1V
および 0~ 約10mV
感 度 常 数
:
0.2±0.05V/ W・m-2 及び 2±0.5mV/ W・m-2
分 光 特 性
:
干渉フィルタと蛍光体の分光感度曲線で構成される
ピーク波長
305±2nm
半
約10nm
値
幅
トレーサビリティ
:
NIST標準ランプにトレーサブル
Cos 特性
:
太陽高度20°において10%以下
方位角特性
:
高度角20°の入射に対して10%以下
応 答 時 間
:
約 1sec(90%応答)
非 直 線 性
:
2%以下
出力インピーダンス :
10Ω以下(V出力)、約100Ω(mV出力)
動 作 温 度
:
-10~+50℃
重
:
1.1Kg
換
量
器
電
3) 付
:
約
源 :
AC100~240V、50/60Hz
消 費 電 力
:
30W以下
出 力 電 圧
:
±12.0V
動 作 温 度
:
0~40℃
湿
度
:
10~90%RH(但し、結露しないこと)
重
量
:
1.3kg
属
品
接続ケーブル
10m
1本(1.2kg)
出力ケーブル
1.5m
2本(0.1kg/本)
電源ケーブル
2.5m
1本(0.2kg)
感部固定ボルト・ナット・ワッシャ
2 組
交換用ヒューズ(2.0A)
2 個
感部収納箱
1 箱
取扱説明書
1 部
検
1 通
査
証
6
1.5
MS-212W 取扱説明書
Ⅳ.
設
1.5
置
1) B領域紫外放射計本体の設置の際には、可能なかぎり次の条件を満足する場所に設置
します。
イ.年間通じてB領域紫外放射計の視野を妨げない開けた場所。
(全周にわたり5度の仰角で遮蔽物があるとき、約1.5%の遮蔽率となります。)
ロ.近くに日射を反射する建物等がない場所。
2) 乾燥剤容器を南側(コネクターを北側)に向けて設置します。
3) 本体の受感面を正しく水平にするために、2本の調節足により水準器で正確に水平を
取ります。
4) 放射計本体の取付穴(図面参照)に付属の2本のボルト(M6×75mm)を通し、台等
に固定します。確実に固定されていないと強風、地震等により放射計が転落し思わぬ
事故を引き起こす恐れがあります。
Ⅴ.
結
線
各ケーブルの結線を行う前に必ず変換器のPOWER SW.がOFF(下側)になっている
ことを確認して下さい。
1) 接続ケーブルの結線
接続ケーブル
・プラグの接続
接続ケーブルのプラグをB領域紫外放射計のレセプタクルに接続し、固定用ネジを充分に
締め付けて下さい。締め付けが不充分な場合、内部に水が侵入し、内部のコンタクトを接触
不良にすることがあります。
7
MS-212W 取扱説明書
1.5
・圧着端子の接続
圧着端子を変換器裏面の下段(SENSOR側)へ接続します。この時圧着端子の番号と同一
の番号の変換器端子台に接続して下さい。異なった番号の端子台へ接続すると、B領域紫外
放射計および変換器の破損あるいは誤動作の原因となります。
8
MS-212W 取扱説明書
1.5
2) 出力ケーブルの結線
出力ケーブル
変換器裏面の上段(OUTPUT側)からは、3種類の出力(V,mV,TEMP.)が出ています。
V及びmVからはB領域紫外放射量に比例した出力が出ており、それぞれ0.2±0.05V/W・m-2
と2±0.5mV/W・m-2の電圧出力です。(B領域紫外放射量への換算は本取扱説明書5頁を参照
して下さい。)
TEMP.は放射計内部の光学系(干渉フィルター、蛍光体、色ガラスフィルター、フォトダ
イオードを含む)の温度を計測するための出力です。(温度への換算は本取扱説明書8頁を参照
して下さい。)
付属の2本の出力ケーブルの内の1本を、VあるいはmV出力のいずれかに接続します。(デー
タロガー、記録計その他計測器への入力レベルの適当な方を選択して下さい。)残りの1本の出
力ケーブルは、TEMP.出力の計測に使用します。この光学系の温度に対応した出力は25℃で
約0.1Vの大きさで、光学系の温度をモニターするためのもので、B領域紫外放射量の計測には
直接は必要ありませんので接続しなくてもかまいません。以上の2本の出力ケーブルの反対側は
データロガー、記録計等の計測器に確実に接続して下さい。短絡して紫外放射計及び変換器を
破壊する恐れがあります。
3) 電源ケーブルの接続
電源ケーブル
供給電源はAC100~240Vを接続して下さい。
・アース線の接続
感電や漏電事故を防止するため、変換器裏面の十番(G端子)あるいは電源ケーブル先端
のアース線を接地して下さい。
9
MS-212W 取扱説明書
Ⅵ.
測
1.5
定
1) 変換器のPOWER SW.をON(上側)にします。
2) B領域紫外放射計の出力は変換器裏面のOUTPUT端子に2種類(V,mV)出ていま
すが、結線されている出力により感度定数が異なります。付属の検査証から対応する感度定
数を確認し、下記によりB領域紫外線放射量を算出します。
放射計出力(V)
2
B領域紫外放射量(W/m )=
感度定数(V/W・m-2)
又は
放射計出力(mV)
=
感度定数(mV/W・m-2)
10
MS-212W 取扱説明書
Ⅶ.
1.5
保守及び取扱上の注意
1) ガラスドームに、雨、露、埃等がつくと正確なB領域紫外放射量が得られないので注意し
て下さい。
2) 少なくとも月1回、乾燥剤監視窓より見てシリカゲルがピンクに変色している場合は、
乾燥剤容器を取り外し青いシリカゲルと交換して下さい。シリカゲルの粒は中粒(2~4mm
径程度)が適しています。一度外した乾燥剤容器を元に戻すときは、パッキン(Oリング)
が密着するまで充分に締め込んで下さい。密着してないと水が侵入し出力異常の原因とな
ります。
3) B領域紫外放射計は強い衝撃に弱いため、移動する場合は極力注意して下さい。
4) B領域紫外放射計に接続ケーブルを結線する際は、プラグを差し込み固定用ネジを充分に
締め込んで下さい。不充分な締め込みのため侵入した水分がコネクターを電触することがあ
ります。
5) 接続ケーブルの圧着端子を変換器裏面に接続する際は、順序を間違えないように注意して
下さい。放射計本体及び変換器を破損することがあります。
6) 変換器は多温多湿な場所への設置は避けて下さい。
7) 傘を外す場合は、右回り(時計方向)に約60度回転させて下さい。
左回り(反時計方向)に回転させると、ドームホルダー自身がゆるむ場合があります。
またB領域紫外放射計本体を持ち上げる場合は、傘ではなく金属部の本体自身を持って下さ
い。傘の破損あるいは外れのため、本体が落下する恐れがあります。
9) B領域紫外放射計本体の側面は、熱交換効率を上げるよう凸凹を設けています。
この部分に埃、ゴミが付着すると効率が低下するので、定期的にブラシ等を用いてクリ-ニ
ングして下さい。
11
MS-212W 取扱説明書
Ⅷ.
1.5
校正と再校正
1) 校
正
校正は以下の手順で行っております。まず、米国 NIST (National Institute of Standards and
Technology) に、トレーサブルな標準ランプによりUV専用の分光放射計を校正します。次に、こ
の分光放射計と準器となるB領域紫外放射計を擬似太陽光で比較測定します。分光放射量を積分し
て、この値をB領域紫外放射量とし、準器の出力をこの放射量で割って準器の検定定数を得ます。
さらにこの準器と出荷用B領域紫外放射計を、擬似太陽光で比較測定することにより、出荷用B領
域紫外放射計の感度定数を決定しております。この納入時の感度定数(校正値)は、1年間の保証
とさせていただきます。
B領域紫外放射計のトレーサビリティ体系
標準ランプ
分光放射計
準
器
出荷用B領域紫外放射計
2) 再 校 正
B領域紫外放射計はそれを構成する部品を厳選しておりますが、やはり紫外線、熱、湿気
その他により、長時間においては劣化する恐れがあります。従って、定期的にチェックし再
校正することは大変重要です。
精度の高いデータを得るには1年に1度の校正が必要です。
12
MS-212W 取扱説明書
1.5
光学系の温度制御の確認方法
B領域紫外放射計内部の光学系は、25°一定で温度制御されています。 温度制御が安定した
状態で、変換器の裏面端子台TEMP(15番,16番)端子に、0.1V±5mV
の電圧が出力されます。
この電圧を監視することで温度制御の正常/異常を判断することができます。
13
MS-212W 取扱説明書
B 領域紫外放射計
本体外形図
14
1.5
MS-212W 取扱説明書
B 領域紫外放射計
変換器外形図
15
1.5
MS-212W 取扱説明書
Ⅸ.
お問い合わせ先
英弘精機株式会社
本社
〒151-0072
TEL(03)3469-6714
東京都渋谷区幡ヶ谷1-21-8
FAX(03)3469-6719
カスタマーサポートセンター
TEL(03)3469-5908
FAX(03)3469-5897
関西営業所
〒532-0012
TEL(06)6307-3830
大阪市淀川区木川東3-1-31
16
大桜ビル
FAX(06)6307-3860
1.5
MS-212W 取扱説明書
http://www.eko.co.jp/
17
1.5