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【その他必要な器具・装置】
1. マイクロピペット
研究用試薬
50μL~1000μL の範囲が必要です。
2. 粉砕機
甲殻類キット「マルハ」<取扱説明書>
2011 年 2 月改訂(第4版)
【キットの特徴】
3. 遠心分離機
4. メスシリンダー
1. マイクロプレートを使用したサンドイッチ ELISA 法を用いているため特別な施設・設備等を必要とせ
ず、通常の実験室で測定可能です。
5. ポリプロピレン製チューブ
標準溶液の調製及び検体の希釈に使用します。
2. このキットは試料中の甲殻類トロポミオシンを指標として甲殻類タンパク質濃度を測定するキットで
す。
6. プレートリーダー
単波長の場合:450 nm
3. 食品原材料や加工食品中の甲殻類タンパク質を高感度に測定可能です。
2 波長の場合:主波長 450 nm、副波長 600~650 nm が測定できるもの。
【測定する際の注意事項】
【試薬の調製法】
1. キットの試薬にはアレルゲン性を有するエビタンパク質やウシ血清アルブミンを使用しています。こ
1. A. 抗体固相化プレート
れらのタンパク質にアレルギーのある方は本キットを使用する際には試薬の扱いには十分注意し、
アルミパウチ袋に入れたまま室温(20~25 ℃)に十分戻してから開封してください。開封後は
慎重に測定操作を行って下さい。
直ちに使用して下さい。
2. 本キットは高濃度の界面活性剤や還元剤を含んでおりますので実験中はマスクや使い捨てのプラ
2. B. 標準品(50 ng/mL)
スチック手袋等を着用することをお勧めします。
[6. 標準溶液の調製]に使用します。室温(20~25 ℃)に十分戻して下さい。
3. 本キット構成品は全て室温(20~25 ℃)に十分戻してから使用して下さい。
3. C. 酵素標識抗体溶液(黄色に着色しています)
そのまま使用します。室温(20~25 ℃)に十分戻して下さい。
4. 抽出用試薬②中に沈殿が認められた場合には、加温溶解してから使用して下さい。溶解後は室温
で保存可能です。
4. D. 酵素基質溶液(TMB)
そのまま使用します。室温(20~25 ℃)に十分戻して下さい。
5. 標準溶液および測定溶液の測定には各 3 ウエルずつ使用することを推奨します。また、測定の際
には必ず標準溶液を同時に測定し、測定の都度標準曲線を作成して下さい。
5. E. 反応停止液(2 N硫酸)
そのまま使用します。室温(20~25 ℃)に十分戻して下さい。
6. 標準溶液および測定溶液は用事調製として下さい。
6. 標準溶液の調製
7. 反応時間を厳守して測定して下さい。
標準溶液(25、12.5、6.25、3.12、1.56、0.78、0 ng/mL)を調製します。B. 標準品(50 ng/mL)を室温に
8. 分注、希釈などのピペット操作は測定精度に大きく影響するため正確に行って下さい。また、分注、
戻してから下記に示すように検体希釈液Ⅱ(「8. 検体希釈液Ⅱの調製」参照)を用いて希釈し、25
希釈操作ごとにマイクロピペットのチップを交換して下さい。
ng/mL から 0.78 ng/mL の希釈系列を調製します。ブランク(0 ng/mL)は検体希釈液Ⅱを用います。
※
9. 酵素反応は遮光下で行って下さい。
10. 反応停止液は 2 N 硫酸を使用しています。誤って目や口に入った場合は、水で十分に洗い流す等
の応急処置を行い、必要があれば医師の手当等を受けて下さい。
標準溶液の希釈は用事調製して下さい。
(調製例)
最終濃度(ng/mL)
11. 測定は埃などが除去された清潔な環境で行って下さい。
標準溶液(μL)
12. 正確な測定を行うためには洗浄操作は非常に重要です。洗浄後は、プレートを逆さにしてペーパ
50
25
12.5
6.25
3.12
1.56
0.78
800
400
400
400
400
400
400
400
400
400
400
400
400
0
(B. 標準品)
検体希釈液Ⅱ(μL)
400
ータオルなどの上で数回強く叩きつけるなどの水切りを行い、ウェルに残った液と気泡を完全に除
去した後、速やかに次の試薬を添加して下さい。
7. 検体抽出液の調製
【測定原理】
H. 抽出用試薬①(20 倍濃縮)、I. 抽出用試薬②(20 倍濃縮)および J. 抽出用試薬③(20 倍濃縮)
一次反応: 試料中の甲殻類トロポミオシンが、プレート上の抗甲殻類トロポミオシンモノクローナル抗
をご使用下さい。
H. 抽出用試薬①(20 倍濃縮):I. 抽出用試薬②(20 倍濃縮):J. 抽出用試薬③(20 倍濃縮):精製水
体に結合し、[固相化抗甲殻類トロポミオシン抗体/甲殻類トロポミオシン]の複合体を形成する。
=1:1:1:17 の比率で混合しよく攪拌して検体抽出液とします。必要量を調製して下さい。I. 抽出用
二次反応: 酵素標識抗甲殻類トロポミオシンポリクローナル抗体が複合体上の甲殻類トロポミオシン
試薬②(20 倍濃縮)に沈殿がある場合は加温溶解してからご使用下さい。溶解後は室温(20~
に結合する。
25 ℃)で保存可能です。
※検体の抽出に用います。
酵素反応: 酵素基質溶液を加えると、プレート上の複合体に結合した酵素により呈色する。得られた
(調製例:10 検体測定する場合)
吸光度に対応する甲殻類タンパク質濃度を標準曲線から算出する。
H. 抽出用試薬①(20 倍濃縮)・・・・・・・・・・・・・・・・
15 mL
I. 抽出用試薬②(20 倍濃縮)・・・・・・・・・・・・・・・・・
15 mL
J. 抽出用試薬③(20 倍濃縮)・・・・・・・・・・・・・・・・
15 mL
精製水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
255 mL
検体抽出液
300 mL
8. 検体希釈液Ⅱの調製
抗体固相化プレート
一次反応
二次反応
酵素反応
抗甲殻類トロポミオシン抗体
上記 7.で調製した検体抽出液を F. 検体希釈液Ⅰで 20 倍に希釈します。必要量を調製して下さい。
酵素標識
抗甲殻類トロポミオシン抗体
※ 標準溶液の調製に用います。用事調製して下さい。
(調製例)
甲殻類トロポミオシン
検体抽出液 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
酵素基質
1 mL
F. 検体希釈液Ⅰ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【キットの構成】
品名
検体希釈液Ⅱ
19 mL
20 mL
容量
数量
96 ウエル
1枚
1.8 mL
1本
G. 洗浄液(10 倍濃縮)を精製水で 10 倍に希釈します。必要量を調製して下さい。
※洗浄操作には調製済みの洗浄液を使用します。
A
抗体固相化プレート
B
標準品(50 ng/mL)
C
酵素標識抗体溶液
13 mL
1本
D
酵素基質溶液(TMB)
13 mL
1本
【検体の調製法・抽出法】
E
反応停止液(2 N 硫酸)
13 mL
1本
1.
F
検体希釈液Ⅰ
100 mL
1本
G
洗浄液(10 倍濃縮)
100 mL
1本
の調製法】7. 検体抽出液の調製」参照)を加えてよく振り混ぜて混合し、固形分を均等に分散させ
H
抽出用試薬①(20 倍濃縮)
50 mL
1本
ます。
I
抽出用試薬②(20 倍濃縮)
55 mL
1本
J
抽出用試薬③(20 倍濃縮)
55 mL
1本
医薬用外毒物
(2-メルカプトエタノール 0.1%含有)
医薬用外毒物
(2-メルカプトエタノール
40%含有)
9. 洗浄液の調製
測定試料を均一になるようにミキサー等で粉砕します。
2. 粉砕したサンプル 1 g を 50 mL 容 プラスティック製遠心管などに取り、検体抽出液 19 mL(「【試薬
3.
遠心管を横にして振とう機で一晩(12~17 時間、室温(20~25℃))振とうしながら抽出します。(90
~110 rpm、振とう幅 3 cm 程度)
4. 抽出液の pH を確認し、必要であれば中性付近(pH 6.0~8.0)になるように調製します。(pH 試験紙
4.
で結構です)
ンパク質濃度を算出します。
5. 3,000×g 以上で 20 分間室温(20~25 ℃)にて遠心分離し、上清を分取します。沈渣が得られない
場合は上清をろ紙でろ過し、ろ過液とします。
6.
読み取った甲殻類タンパク質濃度に抽出操作時の希釈倍率(400 倍)を乗じて食品中の甲殻類タ
【性能】
用法・用量(操作方法)欄の操作方法に従って次の性能試験を行うとき、以下の条件に適合します。
上清またはろ過液(試料抽出液)を F. 検体希釈液Ⅰを用い 20 倍に希釈し、測定溶液とします。
希釈の一例を下記に示します。
1.
2.
実用定量範囲: 本キットによる定量範囲は 2~50 ng/mL です(文献 1)。
特異性: 甲殻類の内、特に十脚目に属する甲殻類(日本標準商品分類で定める、「7133 えび類
(いせえび・ざりがに類を除く)」、「7134 いせえび・うちわえび・ざりがに類」および「7135 かに類」)
試料抽出液 ・・・・・・・・・・・
50 μL
F. 検体希釈液Ⅰ・・・・・・・・
950 μL
に高い反応性を示します(文献 1)。
3. 回収率試験: 試験室 9 施設以上、試料数 5(試料に含まれる甲殻類タンパク質は 10~11.9 μ
7.
g/g)で実施した試験室間バリデーションで、50%以上、150%以下の回収率を示します(文献 2)。
上記 6 の測定溶液を更に希釈する場合は、検体希釈液Ⅱ(【試薬の調製法】8. 検体希釈液Ⅱの
調製 参照)を用い希釈します。
4.
【用法・用量(操作方法)】
で実施した試験室間バリデーションで、25%以下の室間精度を示します(文献 2)。
(一次反応)
1. A. 抗体固相化プレートの各ウエルに標準溶液(0、0.78~50 ng/mL)または測定溶液を 100 μL ず
つ添加します。
2. 付属のプレート用フタでフタをして室温(20~25 ℃)で正確に 90 分静置して反応させます。
(二次反応)
1. ウエル内の溶液を完全に除去し、各ウエルあたり 300 μL ずつの洗浄液で 5 回洗浄します。
2. C. 酵素標識抗体溶液を各ウエルに 100 μL ずつ分注します。
3. フタをして室温(20~25 ℃)で正確に 30 分静置して反応させます。
【使用上又は取扱い上の注意】
1. この取扱説明書をよく読み、記載された操作方法に従って使用して下さい。
2. 有効期限の過ぎたキットは使用しないで下さい。有効期限は、外箱および各試薬ボトルのラベルに
記載されています。
3. ロットの異なる試薬や本キット以外の試薬を組み合わせて使用しないで下さい。
4. キットに組み込まれている試薬類は凍結させないで下さい。
5. 保存中や反応中は強い光にさらさないで下さい。
6. 甲殻類タンパク質の有無については、本キットの結果だけでなく、原材料や製造記録の確認等、他
(酵素反応)
の方法とあわせて、総合的に判定して下さい。
1. ウエル内の溶液を完全に除去し、各ウエルあたり 300 μL ずつの洗浄液で 5 回洗浄します。
2. D. 酵素基質溶液(TMB)を各ウエルに 100 μL ずつ分注します。
7. 本キットの構成品である B. 標準品(50 ng/mL)および J. 抽出用試薬③は消防法による危険物、毒
物及び劇物取締法による毒物、船舶安全法による毒物類並びに航空法による毒物に該当する 2-メ
ルカプトエタノールを含みます。火気に注意するとともに、吸入、皮膚への接触などに十分注意し、
3. フタをして室温(20~25℃)で正確に 20 分静置して反応させます。
誤って接触した場合などは多量の水で洗うなど適切な応急措置を行い、必要があれば医師の手当
4. E. 反応停止液(2 N 硫酸)を各ウエルに 100 μL ずつ分注し酵素反応を停止させます。
5. 攪拌後、プレートリーダーで単波長の場合、450nm で、2 波長の場合、主波長 450 nm、副波長 600
~650 nm の各ウエルの吸光度を測定します。
※ 酵素反応停止後は 30 分以内に吸光度を測定して下さい。
※ 正確な測定を行うためには洗浄操作は非常に重要です。洗浄後は、プレートを逆さにしてペーパ
等を受けて下さい。また、廃液等の廃棄については法令に基づく取扱いが必要になります。
【キットの保存条件及び有効期間】
1. 保存条件:冷所(2~8℃)で遮光して保存して下さい。
2. 有効期間:6 ヶ月間。有効期限(未開封)はキット外箱および各試薬ボトルのラベルに記載してあり
ます。
ータオルなどの上で数回強く叩きつけるなどの水切りを行い、ウエルに残った液と気泡を完全に除
去した後、速やかに次の試薬を添加して下さい。
3.
1)
Seiki, K. ; Oda, H. ; Yoshioka, H. ; Sakai, S. ; Urisu, A. ; Akiyama, H. ; Ohno, Y. A reliable and
□ 抗体固相化プレート、試薬類を室温に戻す。
sensitive immunoassay for the determination of crustacean protein in processed foods. J. Agric.
□ 検体抽出液、検体希釈液Ⅱ、洗浄液を調製する。
Food Chem. 2007, 55, 9345-9350.
□ 標準溶液(0、0.78~50 ng/mL)を準備する。
□ 測定溶液を準備する。
(一次反応)
一度開封した試薬は、必ず一週間以内に使用して下さい。
【参考文献】
<測定のフローチャート>
(準備)
精度試験: 試験室 9 施設以上、試料数 5(試料に含まれる甲殻類タンパク質は 10~11.9 μg/g)
□ 標準溶液、測定溶液添加(100 μL /ウエル)
↓
2) Sakai, S. ; Matsuda, R. ; Adachi, R. ; Akiyama, H. ; Maitani, T. ; Ohno, Y. ; Oka, M. ; Abe., A. ;
Seiki, K., Oda, H. ; Shiomi, K. ; Urisu, A. Interlaboratory evaluation of two kinds of enzyme-linked
immunosorbent assay kits for the determination of crustacean protein in processed foods. J.
AOAC Int. 2008, 91, 123-129.
□ 反応(室温、90 分)
↓
□ 洗浄(300 μL /ウエル、5 回)
↓
(二次反応)
□ 酵素標識抗体溶液添加(100 μL /ウエル)
↓
〒135-8605 東京都江東区豊洲 3-2-20
↓
□ 洗浄(300 μL /ウエル、5 回)
↓
□ 酵素基質溶液添加(100 μL /ウエル)
↓
□ 反応(室温、20 分)
反応は遮光下で行う
↓
(反応停止)
□ 反応停止液添加(100 μL /ウエル)
(測定)
□ 吸光度測定 反応停止後 30 分以内に測定する
↓
(主波長 450 nm、副波長 600~650 nm)
【甲殻類タンパク質濃度の算出法】
1. 測定した各ウエルの吸光度の平均値を算出します。
2. 片対数方眼紙を用い、標準溶液の濃度を横軸に、吸光度を縦軸にプロットし、標準曲線を作成し
ます。
また、グラフ描画ソフトウエアを用いて標準曲線を作成する場合は、4-パラメーターを使用することを
お勧めします。
3.
標準曲線より各測定溶液の濃度を読み取ります。
株式会社マルハニチロ食品
化成食品事業部
□ 反応(室温、30 分)
(酵素反応)
製造元