Download ｢日本－インドネシア経済連携協定に係る インドネシア既存

経済産業省委託
平成 24 年度
経済連携促進のための産業高度化推進事業
｢日本－インドネシア経済連携協定に係る
インドネシア既存機関の R&D 機能強化に
向けたミッション派遣等事業｣
報告書
平成 25 年 3 月
一般財団法人日本自動車研究所
概
要
｢日 本 － イ ン ド ネ シ ア 経 済 連 携 協 定 に 係 る イ ン ド ネ シ ア 既 存 機 関 の R&D 機 能 強 化 に 向
け た ミ ッ シ ョ ン 派 遣 等 事 業 ｣報 告 書 （ 概 要 ）
2013 年 3 月
日本自動車研究所
本稿は，日本国経済産業省の委託を受け，日本－インドネシア経済連携協定に係わ
るインドネシア機 関 の R&D 機 能 強 化 に向 けた 2012 年 度 の活 動 をまとめたものである．
1． 背 景 と 目 的
日 本 － イ ン ド ネ シ ア 両 国 政 府 は ， 2007 年 8 月 20 日 に 首 脳 間 に お い て 日 イ ン ド ネ シ
ア 経 済 連 携 協 定 （ 日 尼 EPA） に 署 名 ， 2008 年 7 月 1 日 に 発 効 が な さ れ た ．
日 尼 EPA の 自 動 車 分 野 で は ， イ ン ド ネ シ ア 側（ 尼 側 ）は 完 成 車 お よ び 同 部 品 輸 入 関
税の段階的な削減および撤廃を合意，一方，日本側は，自由化された尼自動車および
裾 野 産 業 で あ る 同 部 品 産 業 の 国 際 競 争 力 を 向 上 さ せ ， 両 国 の 「 WIN-WIN」 の 経 済 連
携を強化することを目的として，3 分野，すなわち，
① 専 門 家 に よ る 尼 自 動 車 部 品 企 業 へ の 巡 回 型 派 遣 事 業 の 延 長 （ WG1： 人 材 開 発 ）
② 国連相互認定協定への加入支援のための政府関係者の専門家派遣による協力
（ WG2： 1958 協 定 加 盟 ）
③ 尼 機 関 の 研 究 開 発 （ R&D） 機 能 強 化 に 向 け た 実 現 可 能 性 調 査 （ FS） お よ び 調 査 結
果 を 踏 ま え て の 専 門 家 派 遣 等 に よ る 協 力 （ WG3： R&D 機 能 強 化 ）
の産業協力事業の実施を約束した．なお，当該産業協力事業の実施は，日本国経済産
業 省（ METI）お よ び 尼 国 工 業 省（ MOI）間 で 合 意 さ れ た「 Initiative for Manufacturing
Industry Development Center」の 主 要 部 分 を 占 め る も の と し て 位 置 付 け ら れ て い る ．
本 委 託 事 業 は ， 上 記 3 分 野 の 産 業 協 力 事 業 の う ち ， ③ 尼 既 存 機 関 の R&D 機 能 強 化
に対するものであり，昨年度末の合同会議において合意された 2 課題について，ミッ
シ ョ ン 派 遣 や 日 本 研 修 等 に よ る R&D 事 業 を 円 滑 に 実 施 す る こ と を 目 的 と す る ．
2． 実 施 内 容
事 前 調 査 も 含 め 2007 年 度 か ら 続 く 本 事 業 の 最 終 年 度 に 当 た る 今 年 度 は ， 合 意 さ れ
た 2 課題について，尼側のカウンターパートとなる既存試験機関と連携し具体的な
R&D 協 力 を 実 施 し た ． 加 え て ， 尼 側 と の 間 に 設 置 さ れ て い る WG 等 に お い て 進 捗 状
況 を 適 宜 報 告 し ， 尼 側 に 産 業 協 力 事 業 と し て R&D の 機 能 が 強 化 さ れ た こ と を 確 認 し
つつ，事業の継続や方向性等について協議した．以下，2 課題の実施内容について要
点を記す．
-1-
（ 1） 研 究 開 発 （ R&D） 協 力 の 実 施
1） 代 替 燃 料 利 用 の た め の 技 術 支 援
2004 年 か ら 石 油 の 純 輸 入 国 と な っ た 尼 国 は ，エ ネ ル ギ ー セ キ ュ リ テ ィ と 燃 料 補 助 金
削 減 を 背 景 に 、 豊 富 な 国 産 ガ ス を 利 用 し た ガ ス 燃 料 自 動 車 （ CNGV） へ の 転 換 を 促 進
さ せ る こ と が 国 策 と な っ て い る ． し か し ， CNGV は 20MPa 下 の 高 圧 タ ン ク や 各 種 部
品を用いるにも拘わらず，尼国に安全基準およびその基準を遵守する仕組みが十分に
整 備 さ れ て い る と は 言 え な い ．ま た ，CNGV へ の 変 換 キ ッ ト に 係 る 取 付 ・整 備 の 技 術
レベルが不十分なため，技術協力が要望されている．
今 年 度 は ，CNGV の 改 造 ・整 備 技 術 の 定 着 を 目 的 に 尼 国 研 修 員 の 訪 日 研 修 を 実 施 し
た ． ま た ， 昨 年 度 と 同 様 に 日 本 か ら 専 門 家 を 派 遣 し て CNGV の 安 全 に 関 す る ワ ー ク
ショップを開催し，日本側の見解をまとめて提言した．
2） プ ラ ス チ ッ ク ・ ゴ ム 分 野 の 技 術 支 援
本課題の最終目標は，材料・製品の強度試験や組織分析など材料・製品評価を高い
技術レベルで実施できること，そのデータを活かして製品不具合の原因究明・問題解
決 の 能 力 ・ ノ ウ ハ ウ を 身 に 付 け ， 企 業 の R&D に 貢 献 す る こ と に あ る ．
昨 年 度 は ， 関 係 す る 3 機 関 （ ポ リ マ ー 技 術 セ ン タ ー （ STP）， ゴ ム 研 究 所 （ IRRI），
材 料・工 業 製 品 セ ン タ ー（ B4T））を 対 象 と し て ，材 料 評 価・解 析 の 技 術 レ ベ ル を 確 認
するために，日尼間のクロスチェックを行った．すなわち，日本からの専門家派遣と
3 機関からの研修員の訪日研修を通して，材料試作・試験片作成，材料強度試験，環
境・安全性の法規制分析のレベルを確認し，技術的な問題の要因を把握し，日系自動
車メーカーや部品メーカーが求めるレベルとのギャップを明らかにした．
今年度は，昨年度に引き続き訪日研修を実施し，講義だけではなく，インドネシア
国内で実際に発生した製品不具合を題材に実習を行い，分析技術レベルの向上を図っ
た．また，測定機器メーカーや材料メーカー等の視察を通じて，最先端の測定技術等
の情報収集を行った．
（ 2） WG で の 検 討
尼 側 と の 間 に 設 置 さ れ て い る WG3 に て 2 項 目 の 具 体 的 R&D 協 力 の 進 捗 を 適 宜 報 告
し ， 尼 側 に 産 業 協 力 事 業 と し て R&D 機 能 が 強 化 さ れ た こ と を 確 認 し つ つ ， 事 業 の 方
向性について協議した．開催した会議等は下記の通りである．
・ 第 1 回 WG3 会 議 （ 2013 年 1 月 18 日 ）：
進 捗 報 告 ， 日 尼 の CNGV 関 係 の 情 報 交 換 ， CNGV ワ ー ク シ ョ ッ プ の 協 議
・ 第 2 回 WG3 会 議 （ 2013 年 3 月 15 日 ）：
-2-
尼側の都合により，中止．
（３）過去の活動の総括
2007 年 度 の FS か ら 本 年 度 ま で の 技 術 支 援 6 項 目（ 大 気 質 改 善 等 ，既 存 燃 料 品 質 分
析 ，代 替 燃 料 利 用 ，騒 音 試 験 ，プ ラ ス チ ッ ク・ゴ ム R&D，部 品 の 安 全 試 験 ）に つ い て ，
その活動内容をまとめ，課題を抽出し，インドネシア側および日本が得られた成果を
明確にした．
3． ま と め
日 尼 EPA の 枠 組 み の 中 で 産 業 協 力 事 業 の 円 滑 な 実 施 を 図 る た め ， 自 動 車 に 関 わ る
R&D 協 力 に つ い て ， 2012 年 度 は WG3 に お い て 下 記 2 つ の 課 題 に つ い て 実 施 し た ．
①代替燃料利用のための技術支援（天然ガス自動車の安全）
②プラスチック・ゴム分野の技術支援
ま た ，今 年 度 で ，FS 事 業 2 年 ，技 術 協 力 事 業 4 年 の 計 6 年 間 の WG3 活 動 ，す な わ
ち ， 尼 国 試 験 ・ 研 究 機 関 へ の R&D 能 力 強 化 と し て の キ ャ パ シ テ ィ ビ ル デ ィ ン グ 事 業
が 終 了 し た ．本 事 業 を 通 し て ，尼 国 各 省 庁（ 工 業 省 MOI，運 輸 省 MOT，環 境 省 MOE，
技 術 評 価 応 用 庁 BPPT， エ ネ ル ギ ー 鉱 物 資 源 省 ESDM）， 各 試 験 ・ 研 究 機 関 ， 大 学 ，
自 動 車 業 界 （ 自 工 会 GAIKINDO， 二 輪 車 工 業 会 AISI， 部 工 会 GIAMM 等 ） と の 間 の
人的交流も進んだ．
今 後 も ， MIDEC の 仕 組 み を 活 か し ， MOI を 中 心 に 情 報 を 共 有 化 し ， 各 省 庁 と の 協
力体制の下，自動車産業や自動車社会の発展に資する政策や事業を推進していくこと
を期待したい．
-3-
－ 目
次 －
〔本論〕
1. は じ め に ............................................................................................................. 4
1.1 事 業 の 経 緯 と 目 的 .......................................................................................... 4
1.2 事 業 の 内 容 と 日 程 .......................................................................................... 5
1.2.1 R&D 機 能 強 化 へ の 協 力 ............................................................................ 7
1.2.2 WG3 で の 協 議 ......................................................................................... 7
2. 事 業 運 営 に 関 わ る 会 議 ........................................................................................ 8
2.1 第 1 回 WG3 会 議 ........................................................................................... 8
2.2 第 2 回 WG3 会 議 ........................................................................................... 8
3. 代 替 燃 料 利 用 の た め の 技 術 支 援 .......................................................................... 9
3.1 訪 日 研 修 ....................................................................................................... 9
3.1.1 参 加 者 と 日 程 .......................................................................................... 9
3.1.2 研 修 内 容 ............................................................................................... 10
3.2 関 係 機 関 と の 打 合 せ ， 現 場 視 察 ................................................................... 26
3.2.1 工 業 省 と の 打 合 せ ................................................................................. 26
3.2.2 CNGV 改 造 業 者 へ の 視 察 ....................................................................... 28
3.2.3 尼 国 CNGV プ ロ ジ ェ ク ト の 状 況 確 認 ..................................................... 31
3.2.4 日 尼 CNGV 関 係 の 情 報 交 換 よ び ワ ー ク シ ョ ッ プ の 協 議 ......................... 33
3.3 圧 縮 天 然 ガ ス 自 動 車 （ CNGV） の 安 全 に 関 す る ワ ー ク シ ョ ッ プ ................... 35
3.3.1. 新 設 CNG ス タ ン ド の 視 察 ................................................................... 35
3.3.2. CNGV ワ ー ク シ ョ ッ プ の 開 催 （ セ ミ ナ ー ） ......................................... 38
3.3.3. CNGV ワ ー ク シ ョ ッ プ の 開 催 （ 改 造 業 者 へ の 視 察 ） ............................ 44
3.3.4. CNGV ワ ー ク シ ョ ッ プ の 開 催 （ ま と め の 協 議 ） .................................. 46
3.4 活 動 の ま と め ............................................................................................... 48
3.4.1 事 業 の 目 的 ............................................................................................ 48
3.4.2 今 年 度 の 活 動 ........................................................................................ 49
4. プ ラ ス チ ッ ク ・ ゴ ム 分 野 の 技 術 支 援 .................................................................. 50
4.1 訪 日 研 修 ..................................................................................................... 50
4.1.1 参 加 者 と 日 程 ........................................................................................ 50
4.1.2 研 修 内 容 ............................................................................................... 51
4.1.3 事 後 ア ン ケ ー ト ..................................................................................... 61
4.2 活 動 の ま と め ............................................................................................... 61
4.2.1 事 業 の 目 的 ............................................................................................ 61
-i-
4.2.2 今 年 度 の 活 動 ........................................................................................ 61
5. EPA 事 業 の 総 括 ................................................................................................ 63
5.1 大 気 質 改 善 お よ び 燃 費 改 善 .......................................................................... 64
5.2 既 存 燃 料 品 質 分 析 ........................................................................................ 65
5.3 代 替 燃 料 利 用 ............................................................................................... 65
5.4 騒 音 試 験 ..................................................................................................... 67
5.5 プ ラ ス チ ッ ク ・ ゴ ム の R&D ........................................................................ 68
5.6 部 品 の 安 全 試 験 ........................................................................................... 69
5.7 ま と め ......................................................................................................... 70
6. お わ り に ........................................................................................................... 71
〔付録〕
付録 1
第 1 回 WG3 会 議 資 料
付録 2
訪日研修報告（天然ガス自動車）
付録 3
ワークショップ・プレゼン資料（天然ガス自動車）
付録 4
訪日研修報告（プラスチック・ゴム）
- ii -
本
論
1.
はじめに
本報告書は，経済産業省の委託を受け，日本－インドネシア経済連携協定に係るイ
ン ド ネ シ ア 機 関 の 研 究 開 発（ R&D）機 能 強 化 に 向 け た ミ ッ シ ョ ン 派 遣 等 事 業 の 成 果 を
まとめたものである．ここでは事業の経緯と目的，実施内容と日程を概観する．
1.1
事業の経緯と目的
日 本 － イ ン ド ネ シ ア 両 国 政 府 は ，2007 年 8 月 20 日 ，日 本 ・ イ ン ド ネ シ ア 経 済 連 携
協 定（ JIEPA：Japan-Indonesia Economic Partnership Agreement，以 下 ，｢日 尼 EPA｣
と 略 す ） に 署 名 し ， 2008 年 7 月 1 日 に 発 効 し た ． 日 尼 EPA の 自 動 車 分 野 に お い て ，
インドネシア側（尼側）は完成車および自動車部品に係る輸入関税の段階的な削減お
よび撤廃に合意している．一方，日本側は，自由化された尼自動車および自動車部品
産 業 の 国 際 競 争 力 を 向 上 さ せ ， 両 国 の Win-Win の 経 済 連 携 を 強 化 す る こ と を 目 的 と
して，次の 3 つの産業協力事業の実施を約束している．
① 専門家によるインドネシア自動車部品企業への巡回型派遣事業の延長による人材
開 発 協 力 （ WG1： 人 材 開 発 ）
（ 担 当 ： JETRO（ Japan External Trade Organization Jakarta Center） ， JAMA
（ Japan Automobile Manufacturers Association）， JAPIA（ Japan Auto Parts
Industries Association））
② 国 連 相 互 認 定 協 定 （ 1958 協 定 ） へ の 加 入 支 援 の た め の 政 府 関 係 者 の 専 門 家 派 遣 に
よ る 協 力 （ WG2： 1958 協 定 加 盟 ）
（ 担 当 ： JASIC（ Japan Automobile Standards Internationalization Center））
③ イ ン ド ネ シ ア 既 存 機 関 の 研 究 開 発（ R&D）機 能 強 化 に 向 け た 実 現 可 能 性 調 査（ FS：
Feasibility Study）及 び調 査 結 果 を踏 まえてのミッション派 遣 等 による協 力（ WG3：
R&D 機 能 強 化 ）
（ 担 当 ： JARI（ Japan Automobile Research Institute））
こ の 産 業 協 力 事 業 の 実 施 に つ い て は ， 日 本 国 経 済 産 業 省 （ METI） お よ び 尼 国 工 業
省 （ MOT） 間 で 合 意 さ れ た 「 Initiative for Manufacturing Industry Development
Center（ MIDEC）」の 主 要 部 分 を 占 め る 自 動 車 セ ク タ ー の 中 に 位 置 付 け ら れ て い る（ 図
1.1）．
本 事 業 は ， 上 記 3 分 野 の 産 業 協 力 事 業 の う ち ， ③ 尼 既 存 機 関 の R&D 機 能 強 化 に 向
け た 協 力 を 担 う も の で あ る ．ま ず ，2007 年 度 に FS の 事 前 調 査 を 実 施 し た
1) ．さ ら に ，
2008 年 度 は 本 格 的 な FS を 行 い ，2009 年 3 月 11 日 に 開 催 さ れ た 第 1 回 自 動 車・二 輪
車プレナリー会議において，6 つの実施項目（大気質改善に向けた排出ガス調査等の
技術支援，既存燃料の性状分析の技術支援，バイオ燃料品質基準の策定のための技術
-4-
支援，騒音試験施設への助言および騒音試験実施への技術支援，タイヤ関連企業およ
び 試 験 機 関 を 対 象 と し た 技 術 支 援 ，安 全 に 係 わ る UNECE 規 則 の 試 験 実 施 に 向 け た 技
術 支 援 ） に つ い て ， 2009 年 度 に 協 力 事 業 を 開 始 す る こ と が 両 国 間 で 合 意 さ れ た
2) ．
続 い て ，2010 年 3 月 24 日 の 第 2 回 自 動 車 ・ 二 輪 車 プ レ ナ リ ー 会 議 お い て ， 上 記 の
「 安 全 に 係 わ る UNECE 規 則 の 試 験 実 施 に 向 け た 技 術 支 援 」以 外 の 5 つ の 実 施 項 目（ た
だ し ，「 バ イ オ 燃 料 品 質 基 準 の 策 定 」 は 「 代 替 燃 料 利 用 」 に 変 更 ） に つ い て ， 2010 年
度も実施することが合意された
3)．
続 い て ，2011 年 3 月 22 日 の 第 2 回 WG2・W3 合 同 会 議 に お い て ，上 記 の 5 項 目 の
うち 3 項目（大気質改善に向けた排出ガス調査等の技術支援，代替燃料利用のための
技 術 支 援 ， プ ラ ス チ ッ ク ， ゴ ム 分 野 の 技 術 支 援 ） に つ い て 2011 年 度 も 実 施 す る こ と
が合意された
4) ．
続 い て ，2012 年 3 月 20 日 の WG 合 同 会 議 に お い て ，上 記 の 3 項 目 の う ち 2 項 目（ 代
替 燃 料 利 用 の た め の 技 術 支 援 ， プ ラ ス チ ッ ク ， ゴ ム 分 野 の 技 術 支 援 ） に つ い て 2012
年度も実施することが合意された
図 1.1
1.2
5) ．
日 尼 EPA に お け る 自 動 車 分 野 の 協 力 事 業 の 枠 組 み
事業の内容と日程
本年 度は，合意 され た 2 項目に つい て，尼 側のカ ウン ター パー ト となる 既存 試験 機
関 と 連 携 し ， 具 体 的 な R&D 機 能 強 化 へ の 協 力 を 実 施 す る と と も に ， 尼 側 と の 間 に 設
置 さ れ て い る WG3 に て 進 捗 状 況 を 適 宜 報 告 し ，R&D 機 能 が 強 化 さ れ た こ と を 確 認 し
つ つ ， 事 業 の 方 向 性 等 に つ い て 協 議 し た ． 実 施 体 制 を 図 1.2 に ， 活 動 日 程 を 図 1.3 に
示す．以下，各実施項目について要点を述べる．
-5-
図 1.2
実施項目
目的
ガス自動車改
造の技術支援
1) 代替燃料
（安全な変換
利用のため
キット取付・整
の技術支援
備の枠組み作
り）
実施内容
3) WG等で
の検討
計画協議，進
捗確認，成果
評価など．
報 4) 報告書の
報告
告 作成
図 1.3
８月
９月
１０月
１１月 １２月
１月
２月
３月
・変換キットの取
付書・整備書の
整理
・変換キットの取
R
付・整備に関す
&
る技術研修
D
協
力
・試験業務の技
の
術研修（クロス
実
チェックのレ
施 2) プラスチッ 企業の製品不 ビュー，破損解
具合に対する
ク、ゴム分野
析）
問題解決能力
の技術支援
の向上
・試験業務のマ
ネジメントの研
修
W
G
７月
実施体制概要
・WG3
・進捗報告
・報告書
訪日研修 訪日研修
計画 の受入準 9 /1 7- 25
協議 備
（ 8名，実習，
視察等）
計画
協議
訪日研修の
受入準備，
市場製品不具合分析
（ 研修向け事前調査）
MIDEC
等
7/2-3
進捗報告
8/21
専門家派遣
1/ 16 -1 8
（3 名，打合
せ，現地視
察）
専門家派遣
3/ 1 2- 14
（ 3名，現地視
察，WS）
WG3
WG3
1 /1 8
3 /1 5（ 中止）
訪日研修
10 /1 5- 24
（7 名，OJT
型研修，視
察等）
進捗報
告 2/1
活 動 日 程 概 要 （ 2012 年 7 月 26 日 ～ 2013 年 3 月 29 日 ）
-6-
納品
3/29
1.2.1
R&D 機 能 強 化 へ の 協 力
今年度の技術支援は，下記の 2 項目である．
（ 1） 代 替 燃 料 利 用 の た め の 技 術 支 援
・ 日 本 へ の ミ ッ シ ョ ン 受 け 入 れ を 通 じ た ， CNGV 変 換 キ ッ ト の 取 付 ・ 整 備 に 関 す る
技術指導
・ ジ ャ カ ル タ に お い て ， CNGV の 普 及 お よ び 安 全 性 に 関 す る ワ ー ク シ ョ ッ プ を 開 催
・ 上記ワークショップに合わせて，専門家派遣による現地の現状把握
（ 2） プ ラ ス チ ッ ク ・ ゴ ム 分 野 の 技 術 支 援
・ 日本へのミッション受入を通じた，市場で発生する製品の品質課題に対する材料
の分析・解析技術を用いた問題解決手法を指導
・ 日本へのミッション受入の際，先進技術情報の収集，関係諸機関との交流を推進
1.2.2
WG3 で の 協 議
尼 側 と の 間 に 設 置 さ れ て い る WG3 に お い て ，上 記 2 項 目 の 具 体 的 R&D 協 力 の 進 捗
を 適 宜 報 告 し ，尼 側 に 産 業 協 力 事 業 と し て R&D 機 能 が 強 化 さ れ た こ と を 確 認 し つ つ ，
事業の方向性について協議する．
〔第 1 章の参考文献〕
1） 日 本 自 動 車 研 究 所 ，「 経 済 産 業 省 委 託
平 成 19 年 度
日本・インドネシア経済連
携 協 定 に 係 る ミ ッ シ ョ ン 派 遣 に よ る 事 前 調 査 報 告 書 」（ 2008.3）
2） 日 本 自 動 車 研 究 所 ，「 経 済 産 業 省 委 託
平 成 20 年 度
日本－インドネシア経済連
携 協 定 に 係 る 尼 機 関 の R&D 機 能 強 化 に 向 け た 実 現 可 能 性 調 査 事 業 報 告 書 」
（ 2009.3）
3） 日 本 自 動 車 研 究 所 ，「 経 済 産 業 省 委 託
平 成 21 年 度
日本－インドネシア経済連
携 協 定 に 係 る イ ン ド ネ シ ア 既 存 機 関 の R&D 機 能 強 化 に 向 け た ミ ッ シ ョ ン 派 遣 等 事
業 報 告 書 」（ 2010.3）
4） 日 本 自 動 車 研 究 所 ，「 経 済 産 業 省 委 託
平 成 22 年 度
日本－インドネシア経済連
携 協 定 に 係 る イ ン ド ネ シ ア 既 存 機 関 の R&D 機 能 強 化 に 向 け た ミ ッ シ ョ ン 派 遣 等 事
業 報 告 書 」（ 2011.3）
5） 日 本 自 動 車 研 究 所 ，「 経 済 産 業 省 委 託
平 成 23 年 度
日本－インドネシア経済連
携 協 定 に 係 る イ ン ド ネ シ ア 既 存 機 関 の R&D 機 能 強 化 に 向 け た ミ ッ シ ョ ン 派 遣 等 事
業 報 告 書 」（ 2012.3）
-7-
2.
事業運営に関わる会議
今 年 度 は ， 尼 国 工 業 省 （ MOI） に お け る WG3 会 議 を 2 回 計 画 し た が ， 第 2 回 目 は
尼側の事情により中止となった．
2.1
第 1 回 WG3 会 議
日 時 ： 2013 年 1 月 18 日 （ 金 ）， 10:00～ 12:00
場 所 ： 工 業 省 MOI， 11F 会 議 室 （ Jakarta）
出 席 ： Yan 氏 （ 部 品 産 業 課 長 補 佐 ）・ Ihsan 氏 （ WG3 事 務 局 ），
Budi 氏 （ 自 工 会 GAIKINDO）， Hadi 氏 （ 部 工 会 GIAMM），
Mario 氏 （ 交 通 セ ン タ ー PTIST）， Ahmad 氏 （ Astra Otoparts 社 ），
水 口 氏 （ HKS）， 船 崎 （ JARI）， Indra 氏 （ 通 訳 ）
資 料 ： CNGV 進 捗 プ レ ゼ ン 資 料 （ 英 文 ）
内容：
3 章 2.4 節 （ 日 尼 CNGV 関 係 の 情 報 交 換 よ び ワ ー ク シ ョ ッ プ の 協 議 ） を 参 照 ．
図 2.1
2.2
WG3 会 議 の 様 子 （ 1 月 18 日 ）
第 2 回 WG3 会 議
第 1 回 WG3 会 議 に お い て ， 第 2 回 WG3 会 議 は ， CNGV ワ ー ク シ ョ ッ プ （ 3 月 12
～ 14 日 ）の 翌 日 （ 3 月 15 日 ）に 開 催 す る こ と で 合 意 し た ．し か し ，3 月 12 日 の 事 前
打 ち 合 わ せ に お い て ， WG3 事 務 局 の Ihsan 氏 か ら ， 急 き ょ 中 止 の 打 診 が あ っ た ．
そ の 理 由 と し て ， 尼 国 は 2013 年 の APEC 会 議 の ホ ス ト 国 で あ り ， 工 業 省 は そ の 準
備 に 追 わ れ ，3 月 15 日 も 他 省 庁 と の 会 議 が あ る こ と ，ま た ，工 業 省 は MIDEC 活 動 の
見 直 し に つ い て 検 討 が 十 分 で な い こ と ， さ ら に ， 自 工 会 GAIKINDO も そ の 日 は 多 忙
と の こ と で あ る ．3 月 14 日 ま で 可 能 性 を 探 っ た が ，結 局 ，WG3 会 議 は 中 止 と な っ た ．
な お ， 工 業 省 は WG3 活 動 を 評 価 し て お り ， 特 に 不 満 は な い と の 意 見 で あ っ た ．
-8-
3.
代替燃料利用のための技術支援
圧 縮 天 然 ガ ス 自 動 車（ CNGV）お よ び 周 辺 設 備 ・ 機 器 の 安 全 に 絡 む 技 術 協 力 と し て ，
訪 日 研 修 ， 専 門 家 に よ る 現 地 視 察 ， お よ び ， ワ ー ク シ ョ ッ プ （ WS） 開 催 を 行 っ た ．
外 部 専 門 家 と し て ， 一 般 社 団 法 人 日 本 ガ ス 協 会（ JGA）お よ び 株 式 会 社 エ ッ チ ・ ケ ー ・
エ ス （ HKS） が 当 該 事 業 に 参 加 し た ．
3.1
訪日研修
3.1.1
参加者と日程
尼 国 研 修 員 は ，エ ン ジ ン セ ン タ ー ，交 通 セ ン タ ー ，工 業 省 ，エ ネ ル ギ ー 鉱 物 資 源 省 ，
運輸省 ，型式 認証 セン ター ，自 動車 工業 会か ら 1 名ずつ 招聘 し，さ らに部 品メ ーカ ー
か ら 1 名 が 自 費 参 加 し た の で ，計 8 名 で あ る（ 表 3.1）．ま た ，日 尼 通 訳 が 全 日 程 で 同
行した．
表 3.1
No.
氏名
1
Mr. Yogi Prasetyo
2
Mr. Jean Mario Valentino
3
Mr. Muhammad Ihsan
4
Mr. Juniono Nugroho
5
Mr. Zakariya Ansori
6
Mr. Singgih Subekti
7
Mr. Budi Prasetyo Soesilo
8
Mr. Ahmad Ardiansyah
9
Mr. Sofyan Indraputra
10
船崎　敦
訪日研修の参加者
所属
部署
役職
BTMP (BPPT)
エンジンセンター
Engine Laboratory
Staff
PTIST (BPPT)
交通センター
Center of Technology for
Transportation Industry &
Transportation System
Staff
MOI 工業省
（日尼EPA・WG3事務局）
DG Oil & Gas (MoEMR)
エネルギー鉱物資源省
MOT
運輸省
VTCC (MOT)
型式認証センター
GAIKINDO
自動車工業会
PT Astra Otoparts Tbk
部品メーカー（自費参加）
Communication Support
Buisiness，日尼英通訳
JARI
日本自動車研究所
Directorate for Land Transport
Equipment Industries
Directorate for Oil and Gas
Program Development
Directorate for Road Transport
Staff
Staff
Staff
（尼国三菱自動車）
Engineering Development Center
Manager
class
Junior
engineer
Management Consultant
通訳
エネルギ・環境研究部
主管
研修日程は，下記の通りである．
9/16（ 日 ）， Jakarta 発 （ 夜 行 便 ）
9/17（ 月 ）， 成 田 着 ， 静 岡 県 富 士 宮 市 に 移 動 （ 祝 日 ）
9/18（ 火 ） ～ 21（ 金 ）， HKS 社 に て 研 修 （ 富 士 宮 市 ）
9/22（ 土 ） ～ 23（ 日 ）， 東 京 に 移 動 し ， 自 由 行 動
9/24（ 月 ）， JARI-STC の Hy-SEF に て 研 修 （ 茨 城 県 城 里 町 ）
-9-
Staff
9/25（ 火 ）， JGA と 情 報 ・ 意 見 交 換 ， 都 庁 天 然 ガ ス ス タ ン ド 見 学 ，
JAMA と 情 報 ・ 意 見 交 換 ， 研 修 総 括
9/26（ 水 ）， 成 田 発 ， Jakarta 着
3.1.2
研修内容
〔 1〕 HKS 研 修 （ 1 日 目 ） ～
会 社 ・ 製 品 紹 介 （ 座 学 ）・ 工 場 見 学 等
日 時 ： 2012 年 9 月 18 日 （ 火 ）， 9:15～ 17:00
場 所 ： HKS 社 本 社 工 場 4 号 棟 2F 会 議 室 （ 富 士 宮 市 北 山 ），
富士宮工場（富士宮市上井出）
出 席：研 修 員 8 名 ，長 谷 川 社 長 ，石 川 常 務 ，川 北 営 業 部 長・早 川（ 営 業 部 開 発 営 業 課 ），
水 口 CNG 開 発 部 長 ， 船 崎 （ JARI）， Indra（ 通 訳 ），
資 料 ： HKS 社 紹 介 プ レ ゼ ン 資 料 （ 尼 語 版 ）
内容：
（ 1） 挨 拶 （ 水 口 部 長 が 司 会 ）
・ 水 口 CNG 開 発 部 長 挨 拶 （ 研 修 の 主 旨 説 明 ）．
・ 長谷川社長挨拶（要旨）
CNGV，燃 費 の 良 い 車 ，マ フ ラ ー な ど 会 社 の 製 品 や 技 術 が ア ジ ア に 貢 献 す る こ
とを期待している．
当 社 は 40 年 近 い 歴 史 あ り （ 1973 年 設 立 ）． 三 菱 自 動 車 の パ リ ダ カ で は ， メ カ
ニックを派遣した．
日本マフラー協会会長として，後付けマフラーの静音化にも努力している．
CNG 専 焼 車 ，バ イ フ ュ ー エ ル 車 を 提 供 し て お り ，CNGV は 有 望 と 考 え て い る ．
タ イ で は ， 日 系 メ ー カ ー 向 け に ， CNG エ ン ジ ン を OEM 供 給 中 で あ る ．
本 研 修 を 機 会 に ，ビ ジ ネ ス チ ャ ン ス を 広 げ ，友 好 国 と と も に 歩 ん で い き た い ．
・ 出 席 者 の 紹 介 （ JARI 挨 拶 ， 通 訳 ・ 研 修 員 ・ HKS 担 当 者 の 自 己 紹 介 ）
（ 2） HKS 社 の 紹 介 （ 9:45～ 12:00， 水 口 部 長 ）
・ 会社全般の紹介
1973 年 設 立 ， 従 業 員 300 名 ．
国 内 販 売 網 は ，大 型 店 300，小 型 店 700，計 1000 ヵ 所 ．国 外 は タ イ に 2 カ 所 ．
・ 製 品 （ ス ー パ ー チ ャ ー ジ ャ ー ， マ フ ラ ー ， サ ス ペ ン シ ョ ン ， 電 子 関 連 部 品 ， CNG
およびバイフューエル関連部品など）を紹介．
天 然 ガ ス に は 潤 滑 性 が な く ，バ ル ブ シ ー ト が 摩 耗 し や す い ．ク リ ア ラ ン ス チ ェ ッ
クが欠かせない．
車種に合わせた変換キットを用意することが重要．取付ブラケットは，共振
点 に 注 意 す る （ 振 動 対 策 ）．
タ イ 向 け は Euro3 対 応 （ EGR な し ）， 日 本 向 け は ポ ス ト 新 長 期 （ Euro6 レ ベ
- 10 -
ル ）， EGR は 必 要 だ が ， 尿 素 や DPF は 不 要 で あ る ．
（ 3） 工 場 等 の 見 学 （ 水 口 部 長 ・ 佐 野 氏 ・ 金 村 氏 ）
・ 記 念 館 の 見 学（ 1973～ 2011 年 の 社 史 パ ネ ル ，レ ー シ ン グ カ ー ，エ ン ジ ン 等 の 展 示 ）．
・ 機 械 加 工 ＆ 組 立 工 程 の 見 学（ ピ ス ト ン ，ス ー パ ー チ ャ ー ジ ャ ー ，コ ン プ レ ッ サ ー ，
カ ム シ ャ フ ト 等 ）．
専用マシーンで製造（アフターマーケット用部品は少量多種が多いので，金
型 を 使 用 し な い 場 合 も あ る ）． 熱 処 理 は 外 注 ．
・ 検 査 工 程 （ 恒 温 測 定 室 ）．
・ Impeller 加 工 （ ス ー パ ー チ ャ ー ジ ャ ー 等 の 回 転 部 品 ）
・ CNGV 部 品 （ 大 型 ト ラ ッ ク 用 エ ン ジ ン 改 造 ＆ 組 立 ， 始 動 検 査 ）
・ その他部品（コイルバネ，ブラケット，ショックアブソーバー，マフラー，サイ
レンサー）
シームレスのステンレス菅を使用し，溶接線はローラーで潰して平滑化して
い る （ 曲 げ て も 割 れ な し ）．
緩衝用の梱包材には，様々な部品に合わせ，自由形状が可能な袋入り発泡ウ
レタンを採用している．
・ エ ン ジ ン ダ イ ナ モ ， シ ャ シ ー ダ イ ナ モ （ そ れ ぞ れ ， 10 台 ， 5 台 所 有 ）
（ 4） 研 修 の ま と め （ 水 口 部 長 ）
・ 翌日の研修内容を紹介
・ 質疑＆応答（講義中の質問も含む）
・ （ Zakariya 氏 ） 改 造 車 の 車 齢 制 限 は あ る か ？
→
日 本 は 制 限 な し ． HKS の 国 内 販 売 は 主 に 新 車 向 け ．
・ （ Ahmad 氏 ） 部 品 の 単 価 表 が ほ し い ．
→
台数や規制に依る．日本版のカタログを提供した．
・ （ 某 氏 ）改 造 に 際 し ，強 度 計 算 書 の 提 出 が 必 要 と の こ と だ が ，サ ン プ ル が ほ し い ．
→
後日，事例を示す．
・ （某氏）ガス成分の違いにどう対処するか？
→
ベンゼン等の揮発性有機化合物はゴム劣化を起こすので，要注意．
・ （某氏）ガスの無潤滑性への対処として，添加剤はあるか？
→
液 体 添 加 剤 は あ る が ，後 付 け で 面 倒 ，費 用 も か か る ．HKS で は 使 用 し て い な
い ． 日 本 で は ク リ ア ラ ン ス チ ェ ッ ク で 対 応 （ 3 万 km で 調 整 す る 車 両 も あ り ）．
・ （某氏）インドネシアに代理店はあるか？
→
Jakarta， Surabaya に あ る （ HKS Global ウ ェ ブ サ イ ト ）．
- 11 -
（ a） HKS 本 社 工 場 4 号 棟
（ b）長 谷 川 社 長 挨 拶（ 4 号 棟 2F 会 議 室 ）
（ c） HKS 社 記 念 館 （ 社 史 パ ネ ル ）
（ d） HKS 社 記 念 館 （ エ ン ジ ン 展 示 ）
図 3.1
〔 2〕 HKS 研 修 （ 2 日 目 ） ～
HKS 研 修 の 様 子 （ 9 月 18 日 ）
バイフューエル変換キット等の理解（座学）
日 時 ： 2012 年 9 月 19 日 （ 水 ） 9:15～ 17:00
場 所 ： HKS 社 本 社 工 場 4 号 棟 2F 会 議 室 （ 富 士 宮 市 北 山 ）
出 席 ： 研 修 員 8 名 ， 水 口 ・ 山 元 （ CNG 開 発 部 ）・ 早 川 （ HKS）， 船 崎 （ JARI），
Indra（ 通 訳 ）
資 料：HKS 社 変 換 キ ッ ト 説 明 プ レ ゼ ン 資 料 ，バ イ フ ュ ー エ ル シ ス テ ム 全 般 マ ニ ュ ア ル
抜 粋 ，バ イ フ ュ ー エ ル シ ス テ ム・プ ロ ボ ッ ク ス 版 マ ニ ュ ア ル 抜 粋（ 尼 語 版 ），日
本 に お け る NGV 基 準 と 検 査 （ 英 語 版 ）
内容：
（ 1） バ イ フ ュ ー エ ル シ ス テ ム の 講 義 （ 水 口 部 長 ）
・ CNGV 全 般
日 本 で は ，CNGV が 約 4 万 台 ，CNG ス タ ン ド が 約 330 ヵ 所 ．海 外 に 比 べ ，ガ
ソ リ ン と 天 然 ガ ス の 価 格 差 は 小 さ い ． ス タ ン ド 不 足 や HV が 普 及 し ， 伸 び 悩
- 12 -
んでいる．
大震災で，ガソリンスタンドが被災し，ガソリン不足が問題化した．代替燃
料としてのガスに注目が集まった．
国 交 省 ， ト ラ ッ ク 協 会 ， JGA は ， 大 型 ト ラ ッ ク の 都 市 間 輸 送 （ 東 京 ～ 大 阪 ）
に 有 効 と 判 断 し ， JGA が 実 証 実 験 中 で あ る ．
天 然 ガ ス の 価 格 は ， 地 域 差 は あ る が ， 60～ 100 円 /m 3 の 範 囲 ．
シ ェ ー ル ガ ス 革 命 に よ り ，天 然 ガ ス 価 格 は 石 油 価 格 に 連 動 し な い 方 向 に あ る ．
日 本 は ， 米 国 や カ ナ ダ と 交 渉 中 で ， 2016 年 以 降 ， よ り 安 価 な 天 然 ガ ス が 供 給
されるとの情報あり．
燃 費 は 走 り 方 に 依 る が ， 高 速 道 （ 都 市 間 輸 送 ） で は CNGV が 優 位 ， 一 般 道 で
はガソリン車が優位．
ガ ソ リ ン の 方 が 発 熱 量 は 高 く ，CNGV で は 出 力 が 15%ほ ど 低 下 ．CNG 専 焼 車
で は ，圧 縮 比 を 上 げ る（ 11～ 12 く ら い ）．バ イ フ ュ ー エ ル 車 で は ，HKS 製 ス ー
パーチャージャーを使って出力を補うことが可能である．
・ バイフューエル変換キット
HKS が 試 験 し た イ タ リ ア 製 キ ッ ト は ， 日 本 の 排 出 ガ ス 規 制 に 対 応 で き な か っ
た ． 尼 国 の 排 出 ガ ス 規 制 は Euro2 な の で ， ミ キ サ ー タ イ プ の イ タ リ ア 製 キ ッ
トでも対応できる．
し か し ， 次 の 規 制 （ 2016 年 頃 の Euro4） へ の 対 応 も 考 え る 必 要 が あ る ． ト ラ
ンジェントモードが入ると，イタリア製キットでは制御が難しい．
コ ン ト ロ ー ル ユ ニ ッ ト は ， 純 正 ECU＋ HKS 製 サ ブ ECU． エ ン ジ ン ダ イ ナ モ
やシャシーダイナモで確認している．故障した場合，ガソリン運転に切り替
わる仕組み．
CNG 運 転 と ガ ソ リ ン 運 転 の 切 り 替 え 時 に ， ガ ク ン と い う 振 動 な し （ ス ム ー ズ
な 切 り 替 え ）．
→
9 月 20 日 の 実 習 に お い て ， 研 修 員 が 乗 車 し ， 実 走 行 時 の 切 り 替 え を 体
験してもらった．レギュレータは，高圧容器の圧力変化，運転中とも，安定
的に圧 力を 制御．国内 では，バイフ ュー エル システ ム変 換キ ット の 保証は ，3
年 6 万 km． 取 付 後 の 保 証 も 同 様 ．
・ 質疑＆応答，意見
日本政府の普及計画は？
→
ト ラ ッ ク の 例 で は ， CNGV 改 造 費 の 半 額 補 助 ， ス タ ン ド 建 設 費 の 半 額 補
助あり．
スタンドにおいて，1 日に必要なガス量は？
→
翌 週 の JGA と の 意 見 交 換 時 に 回 答 が あ る と 思 う ．
イ タ リ ア 製 キ ッ ト に 比 べ ， HKS 製 キ ッ ト の 良 さ を 示 す 資 料 が ほ し い ．
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日 本 車 の ECU は ブ ラ ッ ク ボ ッ ク ス だ が ， HKS は ど の よ う に し て ， ECU を 制
御するのか？
→
HKS で は ， ① 純 正 ECU を 置 き 換 え る ス タ ン ド ア ロ ー ン タ イ プ ， ② 純 正
ECU に 追 加 し て コ ン ト ロ ー ル す る サ ブ ECU 追 加 タ イ プ ，③ 純 正 ECU 内 部 デ ー
タ を ， OBD2 を 介 し て 制 御 す る Flash Editor， の 3 タ イ プ を そ れ ぞ れ 目 的 に
合 わ せ て 使 い 分 け て い る ．尼 国 に は ，OBD2 は な い が CAN 信 号 が 使 わ れ て い
るので，内部データを制御出来る可能性はある．車種や台数が判れば，どの
程度の対応ができるか，検討可能．変換キットの試作も可能．
→
BTMP（ 尼 国 エ ン ジ ン セ ン タ ー ） の 読 み 取 り 方 法 を 確 認 す る （ Yogi 氏 ）．
尼国の対象車種は？
→
ミ ニ バ ス 用 と し て ， ト ヨ タ Kijang， ス ズ キ Carry． タ ク シ ー 用 と し て ，
ト ヨ タ Vios.
CNGV の 燃 費 の 単 位 と し て ， km/m 3 は 比 較 し に く い ． ガ ソ リ ン 等 価 の km/L
で表すべき．
Budi 氏 か ら ， HKS 製 キ ッ ト 採 用 へ の プ ロ セ ス を 次 の よ う に 提 案 あ り ．
Dr. Budi 局 長 （ MoI）， Dr. Evita 局 長 （ MoEMR， 女 性 ） に ， ア ポ 取 り の
レターを出す．
尼 国 プ ロ ジ ェ ク ト に 参 加 し た い 旨 を 伝 え ， HKS の 紹 介 資 料 と し て ， 会 社
概要，技術，代理店，価格，1 台あたりの取付時間，技術サポート（ワー
クショップ開催等）などを提示する．
イ タ リ ア も 韓 国 も ，政 府 が 後 押 し し て い る ．日 本 も ，政 府 の 後 押 し が 必 要
と考える．
HKS の 生 産 能 力 は ？ （ Ihsan 氏 ）
→
現 在 ， 2～ 3 カ 月 で 4～ 500 台 分 の 出 荷 が 可 能 ． 生 産 拠 点 を 確 保 し て い る
の で ，1000～ 2000 台 は 直 ぐ に 対 応 可 能 ．1 万 台 規 模 の 場 合 ，少 し 時 間 が 必 要 ．
→
尼 国 の CNGV 改 造 は ，14,000 台 を 計 画 ．イ タ リ ア 製 と 韓 国 製 の キ ッ ト 採
用 ． 現 在 ， イ タ リ ア 製 キ ッ ト 6,000 個 を 購 入 予 定 で ， 取 付 の 実 習 中 で あ る ．
ま だ ， CNG 改 造 車 は 市 場 に 出 て い な い ．（ Ihsan 氏 ）
（ 2） 日 本 に お け る CNGV 安 全 基 準 お よ び 検 査 の 講 義 （ 山 元 氏 ）
・ 法規について
日本では，車両法は国交省，高圧容器保安法は経産省．新車，中古車とも同
じ扱いである．
・ 質疑＆応答
高圧容器の取付規定は？
→
JGA は ， 横 置 き を 推 奨 ． 縦 置 き の 場 合 ， 衝 突 時 に 突 き 抜 け や す い の で ．
ロ ー ド ク リ ア ラ ン ス は ，地 面 か ら 200mm（ 高 圧 容 器 を 覆 っ た 鋼 板 カ バ ー が 基
- 14 -
準 ）． 高 圧 容 器 の バ ル ブ 弁 に は ， プ ロ テ ク タ ー を 付 け る ．
配管の検査は？
→
日本では，通常，外して検査することはない．シームレスのステンレス
菅なので，内面検査不要．ただし，事故などで曲がった場合，外して検査す
る （ 20MPa 下 で ）．
→
HKS で は ， 窒 素 30MPa の タ ン ク が あ り ， 20MPa に 減 圧 し て ， 検 査 に 使
用．
（ 3） 研 修 の ま と め
Zakariya 氏 （ MoT） お よ び Ahmad 氏 （ 部 品 メ ー カ ー ） か ら ， 次 の 質 問 が 出 さ れ ，
後日，回答することにした．
古 く て も OK か ？
・ 改造可能な車両の車齢は？
・ 変換キットの価格は？
キャブレターも可能か？
（尼国向けの場合）
・ 強度計算の方法は？
・ イタリア製，日本製キットの違いは？
・ ガ ソ リ ン ， 天 然 ガ ス の C／ H 比 は ？
・ 部品の仕様書（諸元表）は？
図 3.2
〔 3〕 HKS 研 修 （ 3 日 目 ） ～
発熱量は？
（ビジネスとして，提示できる範囲で）
HKS 研 修 の 様 子 （ 9 月 19 日 ）
バイフューエル変換キットの取付実習
日 時 ： 2012 年 9 月 20 日 （ 木 ） 9:15～ 17:00
場 所 ： HKS 社 本 社 工 場 4 号 棟 2F 会 議 室 ， 整 備 工 場 （ 富 士 宮 市 北 山 ）
出 席 ： 研 修 員 8 名 ， 水 口 ・ 若 林 （ CNG 開 発 部 ）・ 早 川 ， 船 崎 （ JARI），
Indra 氏 （ 通 訳 ）
資料：バイフューエルシステム・プロボックス版マニュアル抜粋（尼語版）
内容：
- 15 -
（ 1） 取 付 実 習 （ 若 林 氏 ）
・ 整備工場にて，デモ車（トヨタ・プロボックス）を対象に，取付の要点を実習．
（ 2） 天 然 ガ ス ， ガ ソ リ ン の 切 り 替 え 確 認 走 行 （ 早 川 氏 ）
・ 燃料切り替え時のスムーズさを実感．ガクンというショックは全く感じない．
（ 3） キ ッ ト 製 作 現 場 の 見 学 （ 水 口 氏 ）
・ 電 子 部 品 を 見 学 ， 1 日 10～ 15 個 製 作 （ 月 200～ 300 個 ）． セ ル 方 式 な の で ， 追 加
すれば，増産可能．
（ 4） 質 疑 ＆ 応 答 ， 意 見
・ 強 度 計 算 （ CAD シ ス テ ム ） の 事 例 紹 介 （ 静 的 解 析 ， 振 動 解 析 ）．
・ Budi 氏 （ GAIKINDO） の 意 見
尼 国 運 輸 省 （ MoT） は ， 計 算 チ ェ ッ ク の 規 制 を 導 入 す べ き ． そ の 際 ， 必 要 理
由を明確にする．
・ Zakariya 氏 （ MoT） の 意 見
尼 国 で は ，ユ ー ザ ー は 規 制 し て も 守 ら な い（ 過 積 載 ，点 検 に 来 な い な ど ）．HKS
が尼国に参入するならば，規制を守らないことを想定する必要がある．
・ 日 系 メ ー カ ー は OEM を 希 望 ，尼 国 政 府 は レ ト ロ フ ィ ッ ト を 重 視 ．HKS の 考 え は ？
（ Budi 氏 ）
→
現地にて，取付けディーラーを展開していくお手伝いもできるが、安全かつ
安 定 し た 供 給 を 考 え る と ， 将 来 は HKS が 間 に 入 っ た メ ー カ ー OEM が 供 給 と い う
形も可能と考える．
図 3.3
〔 4〕 HKS 研 修 （ 4 日 目 ） ～
HKS 研 修 の 様 子 （ 9 月 20 日 ）
取付後の検査実習，研修総括
日 時 ： 2012 年 9 月 21 日 （ 金 ） 9:15～ 17:00
場 所 ： HKS 社 本 社 工 場 4 号 棟 2F 会 議 室 ， 整 備 工 場 （ 富 士 宮 市 北 山 ）
- 16 -
出 席：研 修 員 8 名 ，水 口・若 林・早 川（ HKS），藤 原（ METI 自 動 車 課 係 長 ），船 崎（ JARI），
Indra 氏 （ 通 訳 ）
資料：バイフューエルシステム・プロボックス版マニュアル抜粋（尼語版）
内容：
（ 1） 検 査 の 実 習 （ 若 林 氏 ）
・ ECU＆ サ ブ ECU 信 号 の 確 認 ， 漏 え い 検 査 （ 検 知 液 ， ガ ス 検 知 器 ） な ど ．
（ 2） 質 疑 ＆ 応 答 ， 研 修 の ま と め
・ ガ ス エ ン ジ ン は 燃 焼 温 度 が 高 く ，耐 久 性 に 課 題 が あ る と 聞 い て い る が ？（ Singgih
氏）
→
ガソリンは気化熱による冷却効果あり．しかし，排気温度は大差ない．
・ 2005 年 か ら Euro2 を 導 入 ． 90% は キ ャ ブ レ タ ー 方 式 ． HKS は 対 応 可 能 か ？
（ Zakariya 氏 ）
→
研修ではインジェクター方式だったが，対応可能．排出ガス試験も実施でき
る．
・ ユ ー ザ ー に も ， 漏 え い 検 査 は 必 要 か ？ （ Singgih 氏 ）
→
不要だが，ユーザーには，メンテナンス業者から，きちんと整備してもらう
ようにする仕組みが重要．
・ HKS の 保 証 は ， 3 年 6 万 km だ が ， そ れ を 越 え た 場 合 の 保 証 は ？ （ Zakariya 氏 ）
→
新 車 と 中 古 車 で は 異 な る ．HKS で は 新 車 に 対 し て 保 証 ．ま た ，尼 国 で は 条 件
は 異 な る ．設 計 上 の 不 具 合 は HKS の 責 任 ，取 付 上 の 不 具 合 は 取 付 業 者 の 責 任 ．原
因を特定する仕組みが重要である．配管の折れや亀裂は発生していないが，締め
付けの不具合でホースからの漏れあり．また，エンジンの振動を考慮した配線の
縛り方にも留意．切れることもある．
・ Budi 氏 の ま と め
キ ャ ブ レ タ ー 方 式 は ， 508 台 が 取 り 付 け 中 （ タ ク シ ー 300， バ ス 8， ア ン コ ッ
ト 100， バ ジ ャ イ 100）．
全 体 で 14,000 台 の 計 画 だ が ， 残 り 約 13,500 台 は イ ン ジ ェ ク タ ー 方 式 が 望 ま
しい．
OEM， レ ト ロ フ ィ ッ ト の 比 率 は 未 確 定 ．
→（ HKS）街 の 整 備 工 場 で は 品 質 は 安 定 し な い ．HKS が サ ポ ー ト し た メ ー カ ー
OEM を 希 望 す る ．
CNGV 台 数 （ 内 訳 も ）， ス タ ン ド 数 （ ジ ャ カ ル タ 首 都 圏 ， ス ラ バ ヤ ） の 選 定 は
尼 側 ， そ の 支 援 シ ナ リ オ は 日 側 （ METI， JGA の 協 力 も 含 む ） と 考 え る ．
・ ガ ソ リ ン タ ン ク を 小 さ く し ，で き る だ け 天 然 ガ ス を 使 う 構 造 が 良 い（ Zakariya 氏 ）．
→ （ Budi 氏 ） 現 地 日 系 メ ー カ ー に 相 談 ．
→ （ 船 崎 の 所 感 ） 実 際 ， CNG バ ジ ャ イ で は ， ガ ソ リ ン で の 使 用 の み ．
- 17 -
・ 尼 国 の 天 然 ガ ス 性 状 の 基 準 は 暫 定 版 （ 国 家 基 準 SNI に な っ て い な い ）． 天 然 ガ ス
性 状 に つ い て ， 日 尼 の 比 較 表 を 提 示 し た 方 が 判 り や す い （ Budi 氏 ）．
・ HKS が 扱 っ た 最 も 古 い 車 は ？ （ Zakariya 氏 ）
→ （ HKS） 10 年 前 の 車 （ 新 短 期 規 制 の 新 車 ）．
・ イ タ リ ア 製 キ ッ ト と の 併 用 は 可 能 か ？ （ Zakariya 氏 ）
→（ HKS）HKS が 日 本 製 以 外 の キ ッ ト 部 品 も 含 め テ ス ト を し ，良 い 組 み 合 わ せ の
ものを提 供 することは 可 能 ．例 え ば HKS の ECU+欧 州 製 部 品 との組 み合 わせなど．
ミ キ サ ー タ イ プ に 関 し て も ， HKS で テ ス ト し て 良 い も の が あ れ ば 提 供 可 能 ．
・ 工 業 省 MoI， エ ネ 鉱 省 MoEMR に 送 る HKS レ タ ー は ， 事 前 に ， Budi 氏 ， Ihsan
氏 ， Juniono 氏 に 確 認 し て も ら う こ と ．
（ 3） 安 全 に 関 す る 講 義 （ 山 元 氏 ）
・ 9 月 19 日 の 講 義 内 容 を 補 足 し た ．
（ 4） そ の 他 （ 今 後 の 活 動 ）
・ Budi 氏 よ り ， 日 尼 EPA 事 業 の ワ ー ク シ ョ ッ プ に つ い て は ， 参 加 者 を 増 や す た め
に も ， 尼 国 エ ネ ル ギ ー 鉱 物 資 源 省 MoEMR と 日 本 ガ ス 協 会 の 協 賛 が 必 要 と の 意 見
が出された．
→
9/25 の JGA 訪 問 時 に 打 診 し た が ，JGA と し て は ，元 々 ，日 尼 EPA 事 業 な の
で ， ま ず は METI 殿 と の 協 賛 を 考 え る べ き と の 意 見 で あ っ た ．
・ Ishan 氏 は ，11～ 12 月 は 予 算 編 成 で 多 忙 な た め ，ワ ー ク シ ョ ッ プ 開 催 は 1 月 を 希
望とのこと．
→
尼側の希望内容の再調整や事前アナウンスの期間を考えると，1 月が無難と
考える．
（ a） ECU デ ー タ の 確 認
（ b） 高 圧 容 器 の 設 置 状 況
（カバー取り外し）
- 18 -
（ c） 研 修 の 総 括 ， Q&A
図 3.4
（ d） 研 修 最 後 の 記 念 撮 影
HKS 研 修 の 様 子 （ 9 月 21 日 ）
〔 5〕 JARI Hy-SEF 研 修 （ 5 日 目 ） ～
高 圧 容 器 安 全 試 験 の 理 解 （ 座 学 ）， 設 備 見 学
日 時 ： 2012 年 9 月 24 日 （ 月 ） 10:30～ 15:00
場 所 ： JARI 水 素 ・ 燃 料 電 池 自 動 車 安 全 性 評 価 試 験 設 備 Hy-SEF（ 茨 城 県 城 里 町 ）
出 席 ： 研 修 員 8 名 ， 三 石 （ JARI FC・ EV 研 究 部 次 長 ）， 船 崎 （ JARI）， Indra（ 通 訳 ）
資 料 ： 水 素 お よ び 燃 料 電 池 自 動 車 の 安 全 評 価 に 係 る JARI 試 験 設 備 （ 英 文 プ レ ゼ ン 資
料 ），JARI パ ン フ レ ッ ト（ 日 英 文 併 記 ），JARI STC パ ン フ レ ッ ト（ 日 英 文 併 記 ）
内容：
JARI の 城 里 テ ス ト セ ン タ ー （ STC） の 設 立 経 緯 を 紹 介 し た 後 ， 水 素 容 器 ／ 付 属 品
の安全試験の説明，試験設備の見学を行った．
（ 1） 水 素 容 器 ／ 付 属 品 の 安 全 試 験 の 紹 介 （ 三 石 次 長 ）
・ 茨 城 県 城 里 町 に あ る JARI の 水 素 ・ 燃 料 電 池 自 動 車 安 全 性 評 価 試 験 設 備 Hy-SEF
（ Hydrogen and Fuel Cell Vehicle Safety Evaluation Facility） で は ， 世 界 に 先
駆 け ，70MPa 高 圧 容 器 の 安 全 試 験 規 格 作 り に 貢 献 し た（ 圧 縮 水 素 自 動 車 燃 料 装 置
用 容 器 の 技 術 基 準 JARI S 001（ 2004）， 圧 縮 水 素 自 動 車 燃 料 装 置 用 容 器 附 属 品 の
技 術 基 準 JARI S 002（ 2004））． ち な み に ， CNG 容 器 は 通 常 ， 20MPa.
・ 日本では，車両安全は国交省，高圧容器の安全は経産省と管轄が分かれている．
国 際 会 議 で は 2 つ の 省 か ら の 出 席 は 認 め ら れ て い な い た め ，意 見 が 対 立 し た 場 合 ，
車 両 と 容 器 の ど ち ら か の 対 象 し か 決 断 で き ず（ 実 質 ，持 ち 帰 り ），不 利 な 立 場 に な
る．韓国も同様とのこと．
・ Hy-SEF で は ，4 つ の 安 全（ 水 素 容 器 ，車 両 火 災 ，衝 突 ，電 池 ）が 調 査 対 象 ．な お ，
電 池 に は ，電 気 自 動 車（ EV）の Li-ion バ ッ テ リ ー も 含 む ．こ れ ら の 研 究・試 験 の
多 く は ， CNG 容 器 お よ び 付 属 品 の 安 全 と も 関 係 は 深 い ．
・ 韓 国 や 中 国 も ， Hy-SEF の よ う な 設 備 を 作 り た が っ て い る が ， ま だ 実 現 し て い な
い ．特 に 韓 国 で は ，CNG バ ス の 高 圧 容 器 爆 発 事 故 が 発 生 し て お り ，強 い 関 心 を 持 っ
- 19 -
ている．
・ 火災試験では，ガスを逃がす安全弁の作動を確認する．昔は，配管系からの放出
もあったが，衝突事故時の作動に支障をきたす可能性があることから，容器に密
着している安全弁から確実に放出する構造になっている．ガスの放出方向には，
上下，横の状況を確認する必要がある．以前は，タイヤハウスに向けて放出する
こともあったが，現在は禁止されている．低床式のバスでは高圧容器は天井に設
置するが，放出方向は上向きである．
・ 水 素 容 器 の 材 質 は ， ア ル ミ ラ イ ナ ー ＋ CFRP（ タ イ プ 3） と CFRP（ タ イ プ 4） の
2 種 類 の み ． ス チ ー ル 製 （ タ イ プ 1） は 高 温 に 強 い が ， 70MPa で は 非 常 に 分 厚 く
なり重すぎること，水素脆化を起こす致命的な材料特性のため，採用されていな
い ． 金 属 ラ イ ナ ー ＋ フ ー プ 部 の み FRP（ タ イ プ 2） も 不 可 ． ま た ， GFRP は 劣 化
するので使わない．
・ 水 素 容 器 が 爆 発 す る と ，破 片 は 数 100m も 飛 び ，圧 力 波 は 数 km，爆 発 音 は 10km
まで届く．
・ 消火活動時に水をかけて急冷した場合，容器が破裂しないか確認済み．また，直
ぐに火を消すことにより，ガス漏れが続き，閉所などに溜まった段階で爆発する
懸 念 も あ る ． 水 素 火 災 の 場 合 ， 水 を か け て も 消 え ず ， 必 ず 燃 え 切 る ． 一 方 ， CNG
は消える可能性があることに留意．
（ 2） 試 験 設 備 の 見 学 （ 三 石 次 長 ）
・ 耐爆火災試験設備の見学（乗用車 1 台分の火災試験が可能．原子炉並みの耐久性
あ り ． 大 型 の 吸 気 ／ 排 気 シ ス テ ム を 持 つ 設 備 は ， 世 界 で も Hy-SEF の み ）．
・ 水 加 圧 試 験 設 備 の 見 学 （ 120MPa， 300MPa 級 ）．
・ EV 用 Li-ion バ ッ テ リ ー の 過 充 電 ／ 過 放 電 の 耐 久 試 験 設 備 ，熱 衝 撃 試 験 設 備（ -40
～ +85℃ の 温 度 変 化 を 5 分 で 実 現 ）， EV 急 速 充 電 設 備 の 見 学 ．
（ a） 高 圧 容 器 試 験 の 座 学
（ b） 設 備 見 学
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（ c） 耐 爆 火 災 試 験 設 備 前 で 記 念 撮 影
図 3.5
（ d） EV 急 速 充 電 設 備
JARI Hy-SEF 研 修 の 様 子 （ 9 月 24 日 ）
〔 6〕JGA・JAMA と の 情 報・意 見 交 換 ，都 庁 CNG ス タ ン ド 見 学 ，研 修 総 括・修 了 書
授与（6 日目）
日 時 ： 2012 年 9 月 25 日 （ 火 ） 9:30～ 17:15
場 所 ： 日 本 ガ ス 協 会 JGA（ 虎 ノ 門 ）， 都 庁 CNG ス タ ン ド （ 新 宿 ）， JARI 東 京 事 務 所
（御成門）
出 席：研 修 員 8 名 ，坂 本・平 瀬 天 然 ガ ス 自 動 車 室 長（ JGA），柿 沼・大 池（ 東 京 ガ ス ），
安 田 （ ト ヨ タ ）・ 植 松 （ 日 野 ）・ 松 木 （ ホ ン ダ ）・ 大 石 （ ダ イ ハ ツ ）・ 田 中 （ ス ズ
キ ）（ JAMA NGV-WG 等 ）， 船 崎 （ JARI）， Indra（ 通 訳 ）
資 料 ： 日 本 に お け る NGV を 取 り 巻 く 現 状（ JGA，英 文 プ レ ゼ ン 資 料 ），日 本 に お け る
NGV 安 全 基 準 と 検 査 シ ス テ ム（ JGA，英 文 プ レ ゼ ン 資 料 ），JGA 紹 介 パ ン フ（ 英
文 ），都 市 ガ ス 紹 介 パ ン フ（ 英 文 ），天 然 ガ ス 自 動 車 総 合 カ タ ロ グ（ 日 本 語 ），関
東 甲 信 地 域 NG ス タ ン ド 地 図（ 日 本 語 ），都 庁 NG ス タ ン ド 概 要（ 日 本 語 ），CNG
ス タ ン ド 立 地 規 則 等 （ 日 本 語 ）， CNG オ イ ル レ ス 圧 縮 機 の 特 徴 （ 日 本 語 ）
内容：
（ 1） JGA と の 情 報 ・ 意 見 交 換 （ 午 前 ）
（ a） 日 本 の NGV 現 況 （ JGA， 平 瀬 室 長 ）
※平瀬氏はマレーシア勤務経験あり．
・ JGA は 209 の ガ ス 会 社 で 構 成 ．た だ し ，販 売 ガ ス 量 は 4 社 が 約 3/4 を 占 め る （ 東
京 ガ ス 35%， 大 阪 ガ ス 24%， 東 邦 ガ ス 11%， 西 部 ガ ス 2%）．
・ 1990 年 代 か ら NGV 普 及 活 動 を 始 め て い る（ CNGV，LNGV）．2011 年 末 で ，CNGV
は 40,429 台 ，CNG ス タ ン ド は 333 ヵ 所 ．2000 年 代 前 半 は 大 気 汚 染 対 策（ NOx・
PM 削 減 ）の た め CNGV が 伸 び た が ，2007 年 頃 か ら 伸 び は 鈍 化 ．デ ィ ー ゼ ル 車 も
ク リ ー ン に な っ た こ と が 主 な 要 因（ 排 ガ ス 規 制 値 は ，1995 年 に 比 べ ，NOx が 1/9，
PM が 1/70 に 大 幅 減 少 ）．（ 使 用 過 程 車 に は ， 後 付 け DPF も あ る ）．
・ 今 後 ， 排 出 ガ ス の 浄 化 だ け で は NGV の 普 及 条 件 と な ら な い ． エ ネ ル ギ ー 多 様 化 ，
- 21 -
CO 2 削 減 が 鍵 ．具 体 的 に は ，10t 積 み 大 型 CNG ト ラ ッ ク に つ い て ，エ ン ジ ン の 高
効 率 化（ メ ー カ ー OEM）と 効 率 的 な 輸 送（ 1 充 填 で 走 行 で き る 300～ 500km の 都
市 間 輸 送 ） を 進 め た い ． い す ゞ に 日 本 市 場 へ の OEM 供 給 を 要 望 し て い る （ タ イ
市 場 に は ， HKS と 組 ん で 供 給 済 み ）． 大 型 ト ラ ッ ク の 東 京 ～ 大 阪 間 輸 送 の 実 証 試
験 を 実 施 中 で あ る ．（ JGA， 日 通 ， 佐 川 ， ヤ マ ト 等 が 参 加 ）．
・ 2～ 3t 積 み 小 型 ト ラ ッ ク は い す ゞ か ら ， 小 型 バ ン タ イ プ は ト ヨ タ か ら ， 軽 バ ン タ
イ プ は ダ イ ハ ツ か ら ，CNG 専 焼 車 と し て OEM 供 給 さ れ て い る（ 配 布 資 料 を 参 照 ）．
ほ か 3 社 （ 日 野 ， 三 菱 ， UD） の 大 型 ト ラ ッ ク メ ー カ ー は 扱 っ て い な い ．
・ 以下，質疑＆応答．
（ Mario 氏 ） 日 本 で は ， な ぜ OEM が 少 な い ？
→
以 前 は ， 全 社 が OEM を 供 給 ． 2007 年 以 降 ， CNGV が 伸 び 悩 み ， 止 め て
し ま っ た メ ー カ ー が 多 い ．日 本 の ガ ス 価 格 は ガ ソ リ ン の 1/2（ 熱 量 等 価 ）程 度 ，
タ イ は 1/3 と ，ラ ン ニ ン グ コ ス ト も 不 利 に な る ．な お ，小 型 車 に つ い て は ，ス
ズキがインドで，三菱や日産がパキスタンで販売中である．
（ Ihsan 氏 ） 日 本 の 改 造 会 社 の 状 況 は ？
→
代 表 的 な 会 社 は 4 社 ．そ の 中 で ，HKS が 最 も 技 術 力 が あ る ．タ イ や マ レ ー
シ ア の 改 造 工 場 を 見 た が ， き ち ん と 管 理 す べ き と 実 感 し た ． LPG ボ ン ベ を 積
むこともある．
（ Juniono 氏 ） HKS 社 で の 研 修 で は ， ト ヨ タ ・ プ ロ ボ ッ ク ス を 扱 っ た ．
→
ト ヨ タ は 専 焼 車 と し て OEM 供 給 ， HKS は バ イ フ ュ ー エ ル と し て 改 造 車
を 供 給 ． 専 焼 車 の 方 が 圧 縮 比 を 上 げ ら れ る の で ， 燃 焼 効 率 が 良 い （ CNG の オ
ク タ ン 価 は ， ガ ソ リ ン よ り 高 い ）．
（ Zakariya 氏 ） CNG ス タ ン ド の 価 格 を 知 り た い ．
→
1 日 あ た り 100 台 に 供 給 可 能 な 規 模 で ，合 計 で 100 万 €，日 本 円 で 1 億 円
程度．これは設備費のみ．土地代や維持費は含まれていない．なお，日本で
は 輸 入 LNG を 使 っ て い る が ， LNG 製 造 段 階 で 水 分 や 不 純 物 は 取 り 除 か れ て
お り ，原 則 と し て 脱 湿 器 は 不 要 ．図 3.6 は 日 本 向 け で あ り ，イ ン ド ネ シ ア で は
安価になると思う．
300 m3/h
450 L×8 台
脱湿器
圧縮機
蓄ガス器
デ ィ ス ペ ン
（ 2 万 €）
（ 20 万 €）
（ 8 万 €）
サ ー（ 10 万 €）
都市ガス
図 3.6
CNG ス タ ン ド の 能 力 と 価 格 の 例 （ JGA 提 供 ）
- 22 -
（ Yogi 氏 ） 燃 料 価 格 は ？
→
概 ね ， 1m 3 で 100 円 ， 発 熱 量 は ， ガ ソ リ ン 1L の 1.3 程 度 ． し た が っ て ，
ガ ソ リ ン を 基 準 に 比 較 す る と ， ガ ソ リ ン 価 格 は 150 円 /L， CNG は 100 円 /1.3
≒ 77 円 /L-ガ ソ リ ン と 半 額 程 度 で あ る ．
（ Zakariya 氏 ） LPG 自 動 車 の 普 及 状 況 は ？
→
約 30 万 台 ．タ ク シ ー 中 心 ．LPG エ ン ジ ン の 効 率 は CNG と 同 じ だ が ，大
きな排気量は困難である．
（ Zakariya 氏 ） イ ン ド ネ シ ア の CNG ス タ ン ド 建 設 へ の 支 援 は 可 能 か ？
→
JGA は 直 接 ， 支 援 で き な い が ， 東 京 ガ ス や 大 阪 ガ ス の 関 連 会 社 が ビ ジ ネ
スとして参入可能である．
（ b） 日 本 の CNGV 安 全 基 準 と 検 査 シ ス テ ム （ JGA， 坂 本 氏 ）
・ JGA 坂 本 氏 の 講 義 の 後 ， 留 意 す べ き 3 要 点 を 強 調 し た ．
・ 取り付けの緩みを確認すること．日本では，商用車は毎年，乗用車は初回 1 年，
そ の 後 2 年 お き ．韓 国 の CNG 容 器（ タ イ プ 2，フ ー プ 部 FRP）の 破 裂 事 故（ 2010
年 8 月 ）は ，緩 み か ら FRP 部 分 が 損 傷 し ，破 裂 し た ．な お ，日 本 で は ，ほ と ん ど
が タ イ プ 1（ ス チ ー ル 製 ）． タ イ プ 2 は 使 わ な い ． ス チ ー ル ラ イ ナ ー と フ ー プ 部
FRP の す き 間 に 水 分 が 溜 ま り ， 腐 食 の 原 因 に な る た め ．
・ 容器の外観検査を実施．日本では容器はカバーで覆っており，容器表面は汚れて
い な い ． 昨 年 11 月 の 現 地 調 査 で は ， CNG バ ス の 場 合 ， イ ン ド ネ シ ア で は 下 側 を
金網で保護しているだけで，容器は汚れていた．しかも，配管を金網表面に這わ
せ て 固 定 し て お り ，日 本 で は あ り 得 な い ．配 管 の 支 持 方 法 も 要 検 討 ．容 器 元 弁（ 安
全 弁 含 む ）の プ ロ テ ク タ ー も 必 要 ．な お ，日 本 で は 容 器 の 長 さ が 165cm 以 上 の 場
合 ，両 端 に 安 全 弁 を 取 り 付 け る ．中 央 部 が 火 災 等 に よ る 温 度 が 上 昇 し た 場 合 で も ，
安全弁が作動する構造である．
・ ガ ス の 水 分 と オ イ ル ミ ス ト に 注 意 ．JGA は 昨 年 10 月 に 起 き た ジ ャ カ ル タ の CNG
容器破裂の状況写真を入手しており，外面の汚れだけでなく，内面の腐食も見ら
れる．
・ 以下，質疑＆応答．
（ Zakariya 氏 ） タ イ プ 1， 3， 4 の 価 格 は ？
→
概 ね ， タ イ プ 1（ 鋼 製 ） は 2,000 円 /L． タ イ プ 3 や 4 は そ の 4 倍 ほ ど ．
（ Yogi 氏 ） 容 器 取 り 付 け 部 の バ ン ド 数 や 容 器 間 の ク リ ア ラ ン ス に 決 ま り は あ
るか？
→
日本には特に定めはなく，バンドで容器を固定するのみ．材質も指定さ
れ て い な い ．た だ し ，緩 ま な い ，落 下 し な い よ う に 設 計 し て 取 り 付 け る こ と ．
（ 坂 本 氏 ） イ ン ド ネ シ ア に お け る NGV の 現 況 は ？
→（ Zakariya 氏 ，運 輸 省 ）NGV の 規 制 を 検 討 中 ．2004 年 ，2008 年 に も 改 訂
- 23 -
したが．
→（ Ihsan 氏 ，工 業 省 ）省 エ ネ 計 画 の 下 ，公 共 交 通 を 対 象 に ，ガ ソ リ ン 車 か ら
CNG 車 へ の 転 換 と し て ，25 万 台 を 計 画（ タ ク シ ー や ア ン コ ッ ト 等 の ミ ニ バ ス
の バ イ フ ュ ー エ ル 車 ）． 変 換 キ ッ ト は 無 償 で 提 供 ． 2012 年 は 14,000 台 の 予 定
で ， 5 月 に ス タ ー ト し た が ， CNG ス タ ン ド や 改 造 工 場 が 少 な く ， 進 ん で い な
い．変換キットに係る規制は未だない．
→ （ Juniono 氏 ， エ ネ ル ギ ー 鉱 物 資 源 省 ） 2009 年 に ガ ス 供 給 義 務 が 課 せ ら れ
た ． ガ ス 供 給 量 は 十 分 あ る が ， CNG ス タ ン ド の 建 設 計 画 が 明 確 に な っ て い な
い ．Jakarta，Bogor，Surabaya の 設 置 予 定 ．し か し ，パ イ プ ラ イ ン は 工 場 や
発 電 所 向 け で あ り ，CNG ス タ ン ド 向 け の マ ザ ー ／ ド ー タ ー の 建 設 計 画 も 決 ま っ
ていないため，当面，ガス燃料をタンク車で運ぶ状況．
図 3.7
JGA で の 研 修 の 様 子 （ 9 月 25 日 ）
（ 2） 都 庁 CNG ス タ ン ド の 見 学 （ 午 後 ）
・ 東 京 ガ ス が 経 営 す る ス タ ン ド を 訪 問 し ，説 明 を 受 け た ．
（ 東 京 ガ ス の 柿 沼 氏 ，大 池
氏が対応）
・ 東 京 都 は 2000 年 か ら 積 極 的 に CNGV を 導 入 ． こ の ス タ ン ド で は ， 年 100 万 m 3
を 供 給 ．構 成 は ，圧 縮 機 250ｍ 3 /ｈ ×2 基（ 25MPa），蓄 ガ ス 器（ 699m 3 ）
（ 25MPa），
デ ィ ス ペ ン サ ー 2 基（ 充 填 圧 力 20MPa）．蓄 ガ ス 器 は 大 き め が 良 い ．ま た ，圧 縮 機
の一次側に脈動を緩和するスナッパータンクも組み込まれている．
・ 路 線 バ ス は 毎 日 ， ト ラ ッ ク は 3 日 に 1 回 ほ ど 充 填 ． 1 日 100 台 ほ ど に 供 給 ． 高 圧
容 器 80L へ の CNG 充 填 は 約 3 分 か か る ． 2t 積 み ト ラ ッ ク で は ， 150L×2 本 な の
で，7 分程度かかる．
・ 充填中にホースを付けたまま発進することがある．燃料カバーが開いていると，
エンジンがスタートしない仕組みになっている．
- 24 -
図 3.8
都 庁 CNG ス タ ン ド の 見 学 の 様 子 （ 9 月 25 日 ）
（ 3） JAMA と の 情 報 ・ 意 見 交 換 （ 午 後 ）
・ 工 業 省 ＆ 運 輸 省 ＆ エ ネ 鉱 物 資 源 省 の 研 修 員 が ， 尼 国 の CNGV 状 況 を 説 明 し た ．
・ 以下，質疑・応答，意見をまとめる．
（松木氏）来年の計画は？
→ （ Ihsan 氏 ） 今 年 の 実 績 か ら 判 断 ． 個 人 用 CNGV の 補 助 も 検 討 中 ．
（ 田 中 氏 ） CNG ス タ ン ド の 数 は ？
→ （ Zakariya 氏 ） ジ ャ カ ル タ 首 都 圏 で は 11 ヵ 所 ． し か し ， CNG 供 給 が 少 な
く ，実 質 8 ヵ 所 の み 利 用 ．増 設 計 画 は ，14,000 台 の 供 給 状 況 か ら 検 討 す る（ 様
子 見 の 状 況 ）．
（ Juniono 氏 ） 日 本 メ ー カ ー の CNGV 供 給 状 況 は ？
→（安田氏）以前，すべてのメーカーが製造していたが，現在，海外で市場
に合わせて供給している．トヨタはタイで，スズキはインドでバイフューエ
ル 車 を ， ホ ン ダ は 米 国 で CNG 専 焼 車 を OEM と し て 販 売 し て い る ．
（ Zakariya 氏 ）日 本 メ ー カ ー は イ ン ド ネ シ ア に 対 し て ，OEM 供 給 は 可 能 か ？
→（ 安 田 氏 ）OEM 供 給 に は 3 年 く ら い の 準 備 が 必 要 ．CNGV 普 及 に 失 敗 し た
国（政府目線，ベネズエラ）と成功した国（ユーザー目線，タイ，ペルー）
が あ る ． ベ ネ ズ エ ラ は ， す べ て の 海 外 メ ー カ ー に 対 し て ， 2012 年 ま で に 生 産
台 数 の 50%を 供 給 す る よ う に 規 制 し た ． し か し ， ガ ソ リ ン と の 価 格 差 が 小 さ
く，誰も使わない．ユーザーが使いたくなるシステム作りが鍵．例えば，初
期 コ ス ト が 2～ 3 年 で 回 収 で き る こ と ．ま た ，車 の 安 全 ，ガ ス 品 質 の 安 定 も 必
須である．
→（ Ihsan 氏 ）イ ン ド ネ シ ア で も コ ス ト ベ ネ フ ィ ッ ト は 計 算 し た ．し か し ，安
全 面 で 国 民 を 説 得 で き て い な い ． 危 な い と い う イ メ ー ジ を 持 っ て い る ． CNG
スタンドも少ない．
- 25 -
→（安田氏）最初が肝心．いきなり，何万台もの導入は無謀であり，少しず
つ広げることを薦める．
→ （ Zakariya 氏 ） CNG 専 焼 車 や バ イ フ ュ ー エ ル 車 の OEM 供 給 が 望 ま し い ．
（ 松 木 氏 ） ま ず ， 数 千 台 を き ち ん と 導 入 し ， 信 頼 を 得 る こ と ． 長 期 的 な CNG
価格も要確認．補助金だけでは続かない．
（ Juniono 氏 ）ガ ス 埋 蔵 量 は 多 い が ，9 割 は 海 外 へ 輸 出 ．車 向 け の イ ン フ ラ 作
りはこれから．
（ Zakariya 氏 ） タ イ や ペ ル ー へ の 技 術 支 援 は ど の よ う に 実 施 し た か ？
→（安田氏）自動車メーカー単独，キットメーカーと共同など，ケースバイ
ケース．
（ Ihsan 氏 ） 政 府 は ど の よ う な 支 援 を し た か ？
→ （ 安 田 氏 ） ガ ス を 使 っ て も ら う と い う 動 機 は 同 じ ． CNGV 導 入 期 に は ， 税
を軽くし，ローン金利も補填し，初期コストを下げ，短期間に回収できるよ
うにした．モノを配るのではなく，税制優遇を実施した．急がず，信頼性や
品質を重視すること．
→（ Ihsan 氏 ）工 業 省 は OEM を 推 し て い る が ，大 統 領 府 は レ ト ロ フ ィ ッ ト を
推している．
（ 松 木 氏 ） CNG 品 質 に も 留 意 ． オ イ ル ミ ス ト が 多 い ． 軽 油 と の 価 格 差 に も 注
目 す べ き ．タ イ で は CNG 価 格 は 軽 油 の 1/3 程 度 ．採 算 面 で ，ユ ー ザ ー の 見 通
しが立つ．
→ （ Ihsan 氏 ） イ ン ド ネ シ ア で は ， 補 助 金 付 き 燃 料 に 対 し て ， 2/3 程 度 ． 補 助
金 な し の 燃 料 で は ， 1/3．
（ 4） 訪 日 研 修 総 括 ・ 修 了 書 授 与 （ 午 後 ）
・ 修了証書を授与し，訪日研修の全日程が終了した．
3.2
関係機関との打合せ，現場視察
以 下 ， 1 月 に 実 施 し た ， CNGV ワ ー ク シ ョ ッ プ 開 催 に 関 す る 打 合 せ と 現 場 視 察 の 概
要を述べる．
3.2.1
工業省との打合せ
日 時 ： 2013 年 1 月 16 日 （ 水 ）， 9:15～ 11:00
場 所 ： 工 業 省 MOI， 11F 会 議 室 （ Jakarta）
出 席 ： Yan 氏 （ 部 品 産 業 課 長 補 佐 ）・ Ihsan 氏 （ WG3 事 務 局 ）， 水 口 氏 （ HKS），
船 崎 （ JARI）， Indra 氏 （ 通 訳 ）
資料：日程案と確認事項
内容：
- 26 -
（ 1） 3 日 間 の 日 程 確 認
・ 1 日 目 （ 1/16） の 午 後 の 改 造 業 者 視 察 OK． Serpong（ セ ル ポ ン ） へ 移 動 予 定 ．
・ 2 日 目（ 1/17）の エ ネ 鉱 省（ ESDM）訪 問 は 回 答 待 ち ．内 部 情 報 を 得 る こ と は 困 難
（ 正 式 レ タ ー 必 要 ）． MOI が 得 て い る 情 報 が あ る の で ， 工 業 省 で 再 度 打 合 せ も 検
討 ． 午 後 の 新 設 CNG ス タ ン ド の 視 察 は OK． Serpong へ 移 動 予 定 ．
・ 3 日 目 （ 1/18） の 午 前 の WG3 会 議 OK． 午 後 の 変 換 キ ッ ト 製 造 業 者 に つ い て は ，
候 補 が な く ， 断 念 ． 研 究 機 関 へ の 訪 問 ， MOI と の 事 後 打 合 せ ， 日 本 側 の 事 後 打 合
せ等に変更へ．
（ 2） 尼 国 CNGV プ ロ ジ ェ ク ト の 状 況 確 認
・ 9 月 の 訪 日 研 修 時 に 述 べ た 年 内 6,000 台 分 の 変 換 キ ッ ト 購 入 は ， 結 局 ， イ タ リ ア
製 1,000 台 の み 契 約 し ， 各 省 の 公 用 車 （ イ ノ ー バ ， ア バ ン ザ 等 ） の 取 付 に 止 ま っ
た ． MOI は ， 取 付 作 業 の 進 捗 を 把 握 し て い な い と の こ と ．
→（所感）後述の改造業者数や能力から，取付は完了していないと思われる．
・ 変 換 キ ッ ト 購 入 に つ い て ， 2012 年 は ESDM が 担 当 ， 2013 年 か ら は MOI 担 当 が
担 当 ．2013 年 の 取 付 予 定 は ，10,700 台 ．結 局 ，14,000 台 が ，1,000＋ 10,700＝ 11,700
台に減少．
・ 運 輸 省（ MOT）認 定 の 変 換 キ ッ ト 取 付 業 者 は ，現 在 ，14 社（ ジ ャ カ ル タ 首 都 圏 ）．
・ 尼国では日本車がほとんどであり，イタリア製や韓国製変換キットの取付技術支
援の要望あり．
→
水口氏の意見では，保証上，変換キットと車両は同じ国であるべき．韓国製
キ ッ ト を 日 本 車 に 取 り 付 け た 事 例 は な い ．な お ，HKS は 韓 国 に も 変 換 キ ッ ト の 納
入実績あり．
・ ジ ャ カ ル タ 首 都 特 別 州 政 府（ DKI）は ，2005 年 か ら ，DKI 域 内 の 公 共 交 通 の CNGV
化 を 進 め て い る （ 関 連 法 律 あ り ）． そ れ に 沿 っ て ， ト ラ ン ス ジ ャ カ ル タ は CNGV
を 推 進 中 ．将 来 ，民 間 の タ ク シ ー や ミ ニ バ ス（ ア ン コ ッ ト 等 ），そ の 他 バ ス も 対 象
とのことだが，あまり進んでいない．
→（ 所 感 ）CNG ス タ ン ド 不 足 か ら ，民 間 の タ ク シ ー や ミ ニ バ ス に も ，法 的 に 強 制
で き な い 模 様 ．ま た ，市 民 は 爆 発 事 故 を 懸 念 ．ま ず は ，政 府 公 用 車 で 実 績 を 積 み ，
タクシーやバスに拡大する方向が無難．走行ルートがほぼ決まっている大手物流
も要検討．
（ 3） CNGV ワ ー ク シ ョ ッ プ の 協 議
・ CNGV ワ ー ク シ ョ ッ プ の 内 容 は ， MOI 等 と の 打 合 せ ， 変 換 キ ッ ト 改 造 業 や CNG
ス タ ン ド の 視 察 を 経 て ， WG3 会 議 に て 決 め る ．
・ MOI の 考 え で は ，CNGV 普 及 の ポ イ ン ト は 次 の 4 つ ．① 政 府 の 規 制 ，② 変 換 キ ッ
ト 取 付 技 術 ， ③ CNG ス タ ン ド 建 設 ， ④ ユ ー ザ ー の 保 守 ．
・ 2011 年 度 の ワ ー ク シ ョ ッ プ は 主 に ① ． 今 回 は ， ② を 重 視 ．（ 実 質 ， ① ～ ④ の す べ
- 27 -
てが絡む）
・ 開 催 場 所 は 改 造 業 者 の 近 く が 良 い ． JARI か ら ， 開 催 時 期 は ， 2 ヵ 月 後 の 3/11 週
を提案．
3.2.2
CNGV 改 造 業 者 へ の 視 察
日 時 ： 2013 年 1 月 16 日 （ 水 ）， 13:15～ 16:30
場 所：Autogas Indonesia 社（ Tangeran 県 Serpong，Jakarta 中 心 か ら 南 西 へ 約 30km）
出 席 ： Thomas Nurhakim 社 長 ， Ms. Christianti ビ ジ ネ ス 開 発 マ ネ ー ジ ャ ー ， Aji テ
ク ニ カ ル マ ネ ー ジ ャ ー（ Autogas），Ihsan 氏（ MOI），水 口 氏（ HKS），船 崎（ JARI），
Indra 氏 （ 通 訳 ）
資 料 ： Autogas 社 パ ン フ
内容：
（ 1） 訪 問 の 目 的 と 日 尼 EPA 事 業 の 説 明 （ MOI）
（ 2） 日 本 の CNGV 状 況 の 紹 介 （ HKS， JARI）
・ 後 日 ， Autogas 社 に 英 文 資 料 を 送 信 す る ．
（ 3） Autogas 社 の 情 報
・ 2005 年 設 立 ，社 員 66 人（ 技 術 系 48 人 ），LPGV と CNGV の 改 造（ 半 々 ）．CNGV
累計 2 千台．
※ 尼 国 の CNGV 保 有 が 6 千 台 程 度 な の で ， 1/3 を 占 め る 最 大 手 と 考 え ら れ る ．
・ 工 場 は 4 ヵ 所 （ Serpong， Karawaci， Palembang， Surabaya）．
・ 主 に イ タ リ ア 製 Lovato 社 の CNGV 変 換 キ ッ ト を 採 用 ． 一 部 ， イ タ リ ア 製 Landi
Renzo 社 ．
・ 1 台 あ た り ， 3 人 ×15 時 間 で 改 造 ， 月 産 12 台 と の こ と （ LPGV を 含 め る と ， 20
～ 30 台 程 度 と 考 え ら れ る ）．部 品 ，工 賃 ，1 年 保 証 を 含 め て ，日 本 車 の 場 合 ，LPGV
は 1,200～ 1,500 万 ル ピ ア （ 11～ 14 万 円 ， 1 円 ＝ 110 ル ピ ア ）， CNGV は 1,500～
1,800 万 ル ピ ア（ 14～ 16 万 円 ）．ヨ ー ロ ッ パ 車 は 少 し 割 高 ．ほ ぼ タ イ と 同 じ と の こ
と （ 水 口 氏 ）． な お ， 工 賃 は 100～ 150 万 ル ピ ア （ 1 万 円 前 後 ）．
・ LPG 容 器 は タ イ 製 か イ タ リ ア 製 ， CNG 容 器 は ノ ル ウ ェ イ 製 オ ー ル コ ン ポ ジ ッ ト
（ タ イ プ 4）．こ の タ イ プ 4 は ，39L，10.5kg，価 格 は 750 万 ル ピ ア（ 7 万 円 ）と ，
日 本 製 ス チ ー ル 容 器 45L（ タ イ プ 1， 13 万 円 ） よ り も 安 価 で あ る ．
・ タ イ プ 4 を 採 用 し た 理 由 は ， CNG 性 状 が 悪 く ， 耐 食 性 か ら ． CNG に は 水 分 ， 硫
黄分（硫化水素等）が含まれており，コンプレッサーのオイルも混入．スタンド
により，品質のばらつきあり．
・ 最 近 の 改 造 車 は ， ト ヨ タ の Innova イ ノ ー バ ， Avanza ア バ ン ザ ， Vios ヴ ィ オ ス ，
Limo リ モ （ タ ク シ ー ） な ど ． 大 手 タ ク シ ー 会 社 （ Bluebird ブ ル ー バ ー ド 社 ） か
らの依頼は少ない．
- 28 -
・ 鉱 山 で 使 う 18 輪 車 な ど 超 大 型 車 両 の デ ィ ー ゼ ル か ら CNG へ の 改 造 の 依 頼 が あ っ
た が ，技 術 的 に 無 理 な の で 断 っ た と の こ と ．HKS 社 の 改 造 技 術 に 大 き な 関 心 あ り ．
・ 懸 案 の 課 題 と し て ， エ ン ジ ン 調 整 技 術 や PL 保 険 （ 衝 突 時 の 爆 発 事 故 等 ） な ど ．
・ 1/30～ 2/1 に ， ジ ャ カ ル タ で ， CNGV フ ォ ー ラ ム 開 催 と の こ と ．
※ 後 日（ 1/18），WG3 会 議 に お い て ，尼 側 に 出 席 と 情 報 提 供 を 依 頼 し た ．案 内 Web サ イ
ト （ http://www.cngngv.com/indo2013/index.html） を 確 認 ． 第 7 回 目 ． 中 国 か ら の 講 演
（ デ ィ ー ゼ ル エ ン ジ ン メ ー カ ー ，鉱 山 向 け 重 量 車 に つ い て 講 演 ）あ り ．複 数 の 中 国 系 メ ー
カーの出展もあり．韓国からの出展はない模様．
・ 工 場 の 視 察 状 況 を 図 3.で 示 す ． CNG 容 器 の 配 置 に ， 安 全 上 の 懸 念 あ り ． 例 え ば ，
旅 客 用 の 車 室 内 に む き 出 し ， 後 端 か ら 20cm の 配 置 （ 日 本 は 30cm 以 上 ）．
（ a） 打 合 せ の 様 子
（ b） 改 造 工 場 全 景
（ c） Lovato 製 の 変 換 キ ッ ト
（ d） 配 管
- 29 -
（ e） CNG 改 造 車 （ タ イ 製 ア コ ー ド ） （ f）ボ ン ネ ッ ト 内 ，電 子 噴 射 式（ ア コ ー ド ）
（ g） CNG 改 造 車 （ キ ジ ャ ン ）
（ h） 剥 き 出 し の タ イ プ 4 容 器 （ キ ジ ャ ン ）
（ i）ボ ン ネ ッ ト 内 ，ミ キ サ ー 式（ キ ジ ャ ン ）
- 30 -
（ j） 排 ガ ス 測 定 （ キ ジ ャ ン ）
（ k） 整 備 手 帳
（ l） タ イ プ 4 容 器 ，
バ ン パ ー 後 端 か ら 20cm（ ア バ ン ザ ）
（ m） CNG 改 造 車 （ DKI 政 府 公 用 車 ）
図 3.9
3.2.3
（ n） ボ ン ネ ッ ト 内 の ガ ス 充 填 （ 同 左 ）
CNGV 改 造 業 者 （ Autogas 社 ） の 視 察 （ 1 月 16 日 ）
尼 国 CNGV プ ロ ジ ェ ク ト の 状 況 確 認
日 時 ： 2013 年 1 月 17 日 （ 木 ）， 11:00～ 14:30（ 昼 食 含 ま ず ）
場 所 ： 工 業 省 MOI， 11F 会 議 室 （ Jakarta）
出 席：Suprijanto 氏（ 先 端 技 術 産 業 部 長 ），Yan 氏（ 部 品 産 業 課 長 補 佐 ）
・Ihsan 氏（ WG3
事 務 局 ）， 水 口 氏 （ HKS）， 船 崎 （ JARI）， Indra 氏 （ 通 訳 ）
資 料 ： 尼 国 CNGV プ ロ ジ ェ ク ト の プ レ ゼ ン 資 料 （ 尼 語 ， 配 布 ・ 公 表 不 可 ）
内容：
洪 水 に よ る ジ ャ カ ル タ 首 都 圏 の 一 部 が 冠 水 し ， ESDM 訪 問 と CNG ス タ ン ド 視 察 は
中 止 ． MOI に て ， 尼 国 CNGV プ ロ ジ ェ ク ト に つ い て ， 内 部 資 料 を も と に ， よ り 詳 細
に伺った．
（ 1） 実 施 の 枠 組 み
・ 大 統 領 令 に よ り ， エ ネ 鉱 省 ESDM， 運 輸 省 MOT， 工 業 省 MOI， Pretamina プ ル
- 31 -
タ ミ ナ （ 石 油 会 社 ） が CNGV 普 及 推 進 の イ ン フ ラ 整 備 を 共 同 で 実 施 ．
・ MOI は ， 特 に ， 変 換 キ ッ ト 取 付 ， 保 守 ・ 修 理 等 を 担 当 ． MOT は 取 付 後 の 車 両 全
体を担当．日本の経産省，国交省と同様の役割と考えられる．
・ 変 換 キ ッ ト の 規 格 に は ， ECE R110， ISO 15500， 尼 国 規 格 SNI 7407 / 7408 な ど
あり．
・ MOT の 取 付 基 準 は ， 2012 年 に 策 定 （ No.39）．
（ 2） 実 施 計 画
・ DKI の 公 共 交 通 機 関 で あ る 大 中 小 バ ス ， タ ク シ ー ， バ ジ ャ イ お よ び 運 送 ト ラ ッ ク
を 将 来 ， す べ て CNGV に す る 方 向 ． 現 在 の 保 有 台 数 ， CNGV 内 訳 は ， 次 の 通 り ．
表 3.2
ジ ャ カ ル タ 特 別 州 （ DKI） の 公 共 交 通 機 関 （ 旅 客 ・ 貨 物 車 ）
車種
保有台数
CNGV 台 数
大型バス
4,348
477
中型バス
4,944
0
小型バス（ミニバス）
14,183
69
タクシー
24,759
2,360
バジャイ（三輪車）
14,424
2,755
トラック
26,990
0
89,648
5,661
合計
・ ま た ，DKI の 乗 用 車 販 売 は ，2005～ 2011 の 6 年 間 で 累 計 102 万 台 ．こ れ ら が CNGV
に な る 可 能 性 が あ る と の 試 算 し た （ 補 助 金 付 き ガ ソ リ ン 価 格 を 6,500 ル ピ ア /L に
値 上 げ し た 場 合 ）．
・ 2012 年 4 月 の 値 上 げ は 実 現 で き な か っ た が ， 2013 年 に 値 上 げ を 予 定 し て い る ．
・ MOI は ， 2013 年 に 変 換 キ ッ ト 10,700 台 分 を 無 償 提 供 す る 計 画 ． 改 造 車 だ け で な
く ， 自 動 車 メ ー カ ー （ ト ヨ タ ， ダ イ ハ ツ ， ス ズ キ ， ヒ ュ ン ダ イ ） の OEM 供 給 に
も無償提供する計画である．
・ MOT 認 定 の 改 造 業 者 は ， 現 在 ， 14 社 ． MOI は ， 設 備 等 へ の 資 金 援 助 に よ り ， さ
ら に 8 社 を 2013 年 中 に 育 成 ．上 記 自 動 車 メ ー カ ー 4 社 の 系 列 改 造 業 者 を 含 め る と ，
2013 年 に は 26 社 に な る ．
・ 現 在 ， イ タ リ ア の Landi Renzo 社 が 72 名 （ 整 備 士 ） に 対 し て 取 付 研 修 を 実 施 中
である．
・ 日系メーカー，韓国メーカーが採用してきた変換キットメーカーの一覧表あり．
・ 変換キットの国産化を計画している尼国メーカーの一覧表あり．
- 32 -
・ 世 界 的 に は 500～ 1,000 台 の CNGV に 対 し て ， CNG ス タ ン ド 1 基 が 必 要 ． MOI
計 画 の 10,700 台 の 場 合 ，10～ 20 ヵ 所 の CNG ス タ ン ド を 2013 年 内 に 建 設 す る 必
要がある．
→
主にジャワ島とバリ島に普及．ジャワ島では，東側にガス田があり，スラバ
ヤ等での普及も見込めるとのこと．
※ Asian NGV Communication No.69（ 2012 年 11 月 号 ） の p12 に ， 尼 国 CNG ス タ ン
ド の 記 事 あ り ． 韓 国 訪 問 団 （ 19 名 ） が 訪 尼 ． 2012 年 内 の 新 設 は 1 基 の み ． Pretamina
社 は 2013 年 内 に 33 基 建 設 の 計 画 ．2015 年 ま で に 200 基 建 設 予 定 で ，予 算 は 3 兆 円 ル
ピ ア （ 2,700 億 円 ， 約 1 億 円 ／ 基 ～ 設 備 費 の み と 思 わ れ る ）．
・ 2012 年 の 入 札 開 始 は 9 月 に ず れ 込 み ， 結 局 ， 年 初 14,000 台 の 計 画 が ， 1,000 台
の納品に止まった．これは，入札開始には国会の承認が必要なためだが，予算規
模が大きいほど承認に手間取る．なお，入札期間は 1 ヵ月ほど．
→ （ 所 感 ） 上 記 の 事 情 か ら ， 2013 年 の 入 札 が い つ に な る か 不 明 ． 多 分 ， 4 月 以 降
と予想．
（ 3） Suprijanto 部 長 へ の 表 敬 訪 問
・ 打 合 せ 終 了 後 ，Yan 課 長 補 佐 同 席 の 下 ，Suprijanto 部 長 を 表 敬 訪 問 し ，30 分 ほ ど
懇談した．
・ CNGV ワ ー ク シ ョ ッ プ に は ， 行 政 ， 試 験 機 関 ， 改 造 業 者 ， バ ス 会 社 な ど を 招 待 に
してほしい旨，要望があった．
・ HKS 社 に 対 し て ，2013 年 の 入 札 情 報 の 提 供 だ け で な く ，CNG 大 型 ト ラ ッ ク の 出
力不足への対応など技術的な質問もあり，尼国側の期待を感じた．
3.2.4
日 尼 CNGV 関 係 の 情 報 交 換 よ び ワ ー ク シ ョ ッ プ の 協 議
日 時 ： 2013 年 1 月 18 日 （ 金 ）， 10:00～ 12:00
場 所 ： 工 業 省 MOI， 11F 会 議 室 （ Jakarta）
出 席 ： Yan 氏 （ 部 品 産 業 課 長 補 佐 ）・ Ihsan 氏 （ WG3 事 務 局 ）， Budi 氏 （ 自 工 会
GAIKINDO）， Hadi 氏 （ 部 工 会 GIAMM）， Mario 氏 （ 交 通 セ ン タ ー PTIST），
Ahmad 氏（ Astra Otoparts 社 ），水 口 氏（ HKS），船 崎（ JARI），Indra 氏（ 通
訳）
資 料 ： CNGV 進 捗 プ レ ゼ ン 資 料 （ 英 文 ）
内容：
洪 水 によるジャカルタ首 都 圏 の一 部 が冠 水 中 ．運 輸 省 等 は不 参 加 ．尼 国 ，日 本 の CNGV
状 況 の 情 報 交 換 お よ び CNGV ワ ー ク シ ョ ッ プ の 素 案 を 協 議 ．
（ 1） 尼 国 CNGV プ ロ ジ ェ ク ト の 状 況 （ Budi 氏 ， Ihsan 氏 ）
・ Budi 氏 か ら ， 次 の 情 報 提 供 あ り ． Retrofit に つ い て は ， 運 輸 省 MOT と 改 造 業 者
が責任を持つ．自動車メーカーの責任なし．
- 33 -
・ メ ー カ ー OEM に つ い て は ，工 業 省 MOI が 責 任 を 持 つ ．ダ イ ハ ツ が ，ミ ニ バ ス（ ア
ン コ ッ ト ） を 月 100 台 供 給 で き る 体 制 を 整 え る と の こ と ．
・ GAIKINDO と し て は ， 燃 費 向 上 ， 低 炭 素 化 が 重 要 な 施 策 と の 位 置 づ け ．
・ Ihsan 氏 か ら ， 先 日 の MOI 計 画 に つ い て ， 再 度 ， 説 明 あ り ．
・ 2013 年 に ， 10,700 台 の 取 付 目 標 に 絡 み ， 取 付 能 力 の 概 算 に つ い て ， Budi 氏 か ら
質問あり．
→
水 口 氏 が 次 の よ う に 試 算 ． 視 察 し た Autogas 社 （ 大 手 改 造 業 者 ） の 敷 地 や 設
備 か ら ， 1 レ ー ン あ た り 3 日 に 1 台 の ペ ー ス ， 月 あ た り 20 日 と し て ， 毎 月 6～ 7
台 の ペ ー ス ，6 レ ー ン 確 保 で き る と し て ，毎 月（ 6～ 7 台 ）×6 レ ー ン ＝ 36～ 42 台 ．
す な わ ち ， 人 手 を 増 や し て ， ざ っ と ， 毎 月 30～ 40 台 が 最 大 値 （ CNGV 専 用 の 場
合 ）．し か し ，現 状 で は ，CNGV 改 造 は 月 産 12 台 の ペ ー ス（ CNGV と LPGV を 半 々
に 改 造 ）．
→（ 所 感 ）2013 年 の 改 造 業 者 が 20 社 と し て ，せ い ぜ い ，毎 月 20 台 ×20 社 ＝ 400
台 ，予 算 執 行 が 7 月 以 降 の 6 ヵ 月 と す る と ，400 台 ×6 ヵ 月 ＝ 2,400 台 程 度 が 年 内
の 取 付 台 数 と 予 想 さ れ る ． 自 動 車 メ ー カ ー の OEM 供 給 を 含 め て も ， 半 分 に は 届
かないと予想される．
（ 2） 日 本 の CNGV の 状 況 （ 水 口 氏 ）
・ 日 本 ガ ス 協 会 JGA， 大 手 運 送 会 社 （ 日 通 ， 佐 川 ， ヤ マ ト 等 ）， HKS の 共 同 事 業 と
し て ， 大 型 CNG ト ラ ッ ク の 実 証 実 験 を 実 施 中 で あ る ．
・ 今 年 度 （ 6 月 以 降 予 定 ）， 国 交 省 と 環 境 省 の 連 携 事 業 （ 物 流 の 低 炭 素 化 促 進 事 業 ）
に お い て ， CNG ト ラ ッ ク へ の 補 助 金 は ， 車 両 価 格 ＋ 改 造 費 の 半 額 に 拡 大 （ 従 来 ，
改 造 費 の 半 額 補 助 ）．例 え ば ，大 型 デ ィ ー ゼ ル ト ラ ッ ク 1,700 万 円 に 対 し て ，大 型
CNG ト ラ ッ ク は 2,600 万 円（ 改 造 費 900 万 円 ）だ が ，半 額 の 1,300 万 円 で 購 入 可
能 ． 大 型 ト ラ ッ ク は 燃 料 消 費 量 が 多 く ， CO2 排 出 削 減 効 果 が 大 き い と の 考 え か ら
補 助 金 ア ッ プ ．ま た ，こ の 物 流 を 後 押 し す る 大 阪 － 東 京 間 の 幹 線 に お け る CNG ス
タンド建設についても，設備（約 1 億円）の半額を補助する．
・ 日 本 で は ，幹 線 か ら の 輸 送 は ，小 型 CNG ト ラ ッ ク や 小 型 ハ イ ブ リ ッ ド ト ラ ッ ク が
受け持つ．
→（ Budi 氏 ）い わ ゆ る ，グ リ ー ン 物 流 の 考 え ．尼 国 で は ト ラ ッ ク は 3 種 類 ．大 型
が 大 都 市 間 の 輸 送 ， 2.5～ 3t 積 み の 中 型 が 代 理 店 へ ， 1t 積 み の 小 型 が 小 売 店 へ 運
ぶ ． 1/22 に ミ ガ ス （ エ ネ 鉱 省 下 の 石油 ガ ス 上 流 事 業 監 督 機 関 ） の 会 議 で ， 日 本 の
CNGV 化 を 紹 介 し た い ．
（ 3） CNG ワ ー ク シ ョ ッ プ の 計 画
・ 日 程 は ，3/11 週 の 3 日 間 ．ワ ー ク シ ョ ッ プ 終 了 の 翌 日（ 3/15），WG3 会 議 と す る ．
・ 当初計画通り，
「 安 全 な 変 換 キ ッ ト 取 付・整 備 の 仕 組 み 作 り 」と い う 目 標 を 目 指 し ，
CNGV 改 造 現 場 や CNG ス タ ン ド の 現 状 把 握 と 助 言 ， 安 全 と 環 境 の 基 準 と 遵 守 の
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仕組みの理解，訪日研修の成果の反映を目的とする．
・ 日 本 か ら は ，変 換 キ ッ ト 関 係 の 専 門 家 と し て ，HKS か ら 1～ 2 名 ，CNG ス タ ン ド
の 専 門 家 と し て ， JGA か ら 1 名 ， ま た ， JARI か ら 1～ 2 名 が 参 加 予 定 ．
・ 尼 側 の 招 待 者 と し て ，行 政（ MOI，MOT，ESDM），業 界（ GAIKINDO，GIAMM，
石 油 会 社 Pretamina），業 者（ 改 造 業 ，CNG ス タ ン ド ），大 口 ユ ー ザ ー（ バ ス 会 社 ），
研 究 機 関 な ど に 参 加 を 呼 び か け る ． 規 模 は ， 30 人 程 度 を 想 定 ．
・ 3 日間の日程案は，次の通り．
1 日 目 ： 事 前 打 ち 合 わ せ （ 午 前 ）， CNG ス タ ン ド 視 察 （ 午 後 ）
2 日 目 ： ホ テ ル に て ， CNGV や CNG ス タ ン ド の 基 準 ， 変 換 キ ッ ト の 座 学
3 日目：改造工場にて，変換キット取付・整備の確認と助言
・ 尼 側 の 窓 口 は ， Ihsan 氏 ． 今 後 ， 会 場 選 定 （ ホ テ ル ， 改 造 業 者 ， CNG ス タ ン ド ）
と 移 動 の 確 認 ， 講 演 内 容 と 発 表 者 （ 日 尼 ）， 改 造 工 場 で の 実 施 内 容 な ど に つ い て ，
相談しながら詰める．
3.3
圧 縮 天 然 ガ ス 自 動 車 （ CNGV） の 安 全 に 関 す る ワ ー ク シ ョ ッ プ
3 月 12～ 14 日 の 3 日 間 ， 外 部 専 門 家 3 名 と 共 に ， 新 設 の CNG ス タ ン ド を 視 察 し ，
そ の 後 ，CNGV の 安 全 に 関 す る ワ ー ク シ ョ ッ プ を 開 催 し ，日 尼 の 情 報 交 換 と 教 護 を 行 っ
た．
3.3.1. 新 設 CNG ス タ ン ド の 視 察
日 時 ： 2013 年 3 月 12 日 （ 火 ） 13:00～ 15:30
場 所 ： Pertamina 社 の Daan Mogot Gas Station（ Jakarta 北 ）
出 席 ： Ong 氏 （ PT Buana Component Industrial， 設 備 輸 入 業 ），
Habi 氏 ・ ほ か 2 名 （ Pertamina）， Ihan 氏 （ MOI）， 渡 辺 氏 （ JGA），
水 口 氏 ・ 若 林 氏 （ HKS）， 船 崎 （ JARI）， Indra 氏 （ 通 訳 ）
資 料 ： Daan Mogot Station 説 明 資 料 （ 英 文 ），
CNG ス タ ン ド 設 備 の パ ン フ （ 伊 製 ， 英 文 ），
CNG 品 質 規 格 表 （ 尼 語 ）， 作 業 マ ニ ュ ア ル （ 尼 語 ）
内容：
１ ） CNG ス タ ン ド の 仕 様
・Pertamina（ 国 営 石 油 会 社 ）が モ デ ル ス タ ン ド と し て ，370 万 米 ド ル を か け て ，2012
年 12 月 に 建 設 し た （ NGV Jounal 2012.12.13 付 ）．
・ Pertamina は ジ ャ カ ル タ 首 都 圏 に ， 合 計 7 ヵ 所 の CNG ス タ ン ド を 保 有 し て お り ，
除 湿 器 を 持 つ の は ，こ の 新 設 ス タ ン ド の み ．設 備 は イ タ リ ア 製（ Safe Gas Technology
社 ）．
※ ジ ャ カ ル タ 首 都 圏 で は ， CNG ス タ ン ド は 合 計 11 ヵ 所 あ る ．
・ ガ ス の フ ロ ー は 次 の 通 り ． パ イ プ ラ イ ン の 圧 力 は 8 bar → ガ ス メ ー タ ー ス タ ン ド
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で 4 bar に 減 圧 → ド ラ イ ヤ ー（ 除 湿 器 ） → コ ン プ レ ッ サ ー（ 圧 縮 機 ）で 3 bar →
250 bar に 圧 縮 → デ ィ ス ペ ンサ ー で 200 bar に 減 圧 → バ ス に供 給 ．コ ン プ レ ッサ ー
は 2 台 あ り ，1 台 は 予 備 ．1 台 の 能 力 は 1,700 m3/h（ 日 本 の 平 均 的 な CNG ス タ ン ド
の 約 6 倍 ）．
・ パ イ プ ラ イ ン か ら の ガ ス の 水 分 は 16 lb/mmscf（ 254mg/m3） 多 く ， 除 湿 器 で 1.8
lb/mmscf（ 29mg/m3） に 除 湿 す る （ 石 油 ガ ス 総 局 MIGAS の 規 格 値 は 3 lb/mmscf
（ 48mg/m3） 以 下 ）．
・ コ ン プ レ ッ サ ー か ら の オ イ ル 混 入 は 10 ppm（ 8mg/m3）程 度 ． ガ ス に は 臭 い を 付 け
ている．
・ 1 日 の 平 均 充 填 車 両 台 数 は 200 台 （ 100 台 ×2 回 ） で ， ト ラ ン ス ジ ャ カ ル タ の バ ス
の み ． 最 高 は 300 台 （ 150 台 ×2 回 ）． デ ィ ス ペ ン サ ー は 2 台 で ， ノ ズ ル は 各 々 2 本
あ り ，計 4 台 の バ ス に ガ ス を 供 給 可 能 ．連 結 バ ス 1 台 の 充 填 時 間 は 15 分（ 観 察 す る
と 20 分 程 度 ）．
・ 連 結 バ ス の 場 合 ， 150 L（ ガ ソ リ ン 換 算 ） の 充 填 量 ．
※ HKS の 大 型 CNG ト ラ ッ ク の 充 て ん 量 は 144m3， 日 本 の CNG の 高 位 発 熱 量 は 45.0
MJ/Nm3，ガ ソ リ ン は 34.6 MJ/L，よ っ て ，CNG 144 m3 は ，144×45.0／ 34.6＝ 187 L（ ガ
ソ リ ン 換 算 ） と ， ト ラ ン ス ジ ャ カ ル タ の CNG バ ス と 同 規 模 ．
２ ） CNG バ ス （ ト ラ ン ス ジ ャ カ ル タ ）
・連 結 バ ス は 中 国 製 ．CNG 専 焼 ．中 国 で 製 造 し 輸 入 ．バ ス の 所 有 者 は 尼 国 政 府 ．運 営
会 社 は 4 社 あ り ． CNG バ ス の 輸 入 先 は ， 大 宇 ， 現 代 ， 日 野 も ． 車 体 は 既 に 国 産 化 さ
れているとのこと．
・ 連 結 バ ス の 車 検 証 か ら ， 仕 様 は 次 の 通 り ． 全 長 18 m， 全 幅 2.5 m， 全 高 3.39 m，
車 両 重 量 18.5 t， 定 員 重 量 9.66 t（ 161 名 ×60 kg）， 車 両 総 重 量 31.0 t（ 荷 物 1.6 t
な ど を 含 む ）．
３）管理について
・ Pertamina は 作 業 マ ニ ュ ア ル を 作 成 ．運 転 手 が エ ン ジ ン を 止 め ， 降 車 し た 後 ，充 填
を開始する．
４）その他
・（ JARI） 日 側 は ， ジ ャ カ ル タ 周 辺 の ミ ル ク ラ ン に 対 し て ， ト ラ ッ ク の CNG 化 を 検
討している．
→ （ Ong 氏 ） CNG ス タ ン ド が 少 な い の で ， デ ュ ア ル フ ュ ー エ ル 車 が 良 い ． 例 え
ば ，CNG 50%：軽 油 50%．ト ヨ タ・ダ イ ハ ツ は 約 800 台 を ミ ル ク ラ ン
に使っている．
→ （ 水 口 氏 ） 通 常 ， CNG 70%： 軽 油 30%． CNG 90%： 軽 油 10%も 開 発 中 ．
・
（ Ong 氏 ）鉱 山 の 重 機 に 対 し て ，補 助 金 付 き 軽 油 の 使 用 を 禁 止 ．CNG 化 の 需 要 あ り ．
尼 国 で は ， ガ ス 中 の 水 分 の 問 題 が あ り ， CNG 容 器 に つ い て は タ イ プ 1（ 鋼 製 ） か タ
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イ プ 4（ オ ー ル コ ン ポ ジ ッ ト ） を 使 用 す べ き ．
・（ 渡 辺 氏 ） 日 本 で は ， ガ ソ リ ン 価 格 が 150 円 /L， CNG 価 格 が 約 100 円 /L（ ガ ソ リ ン
換 算 ） と 2/3 程 度 の 価 格 ． 尼 国 CNG 価 格 （ 4,500 Rp/L ≒ 45 円 /L） の 2 倍 以 上 ．
(a) CNG ス タ ン ド の 全 景
(b) ガ ス メ ー タ ー ス テ ー シ ョ ン
(c) 除 湿 器
(e) 蓄 ガ ス 器
(d) コ ン プ レ ッ サ ー （ 圧 縮 機 ） 2 台
(f) メ ー タ ー 表 示 （ 129L： ガ ソ リ ン 換 算 ）
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(g) CNG 容 器 の 格 納 状 況
(h) 連 結 バ ス の 車 検 証
※ 昨 年 度 （ 2011 年 11 月 ） の 視 察 で は ， 格 納 場 所 の 下 面 が
金網だったが，この中国製連結バスでは，鉄板に改善されている．
(i) 対 応 し て 頂 い た 尼 国 ス タ ッ フ
図 3.10
(g) 記 念 撮 影
Daan Mogot Gas Station の 視 察 （ 3 月 12 日 ）
3.3.2. CNGV ワ ー ク シ ョ ッ プ の 開 催 （ セ ミ ナ ー ）
日 時 ： 2013 年 3 月 13 日 （ 水 ） 9:30～ 16:00
場 所 ： エ ン ジ ン セ ン タ ー BTMP（ Serpong， 空 港 か ら 南 へ 約 30km）
出 席 ： Rizqon 所 長 ・ Hari 氏 ・ ほ か 7 名 （ 司 会 者 ， BTMP），
Andianto 氏 ・ ほ か 2 名 （ Pertamina）， Aji 氏 ・ ほ か 2 名 （ Autogas），
Zakariya 氏 （ MOT）， John 氏 （ MOE）， Singgih 氏 （ VTCC），
Budi 氏 （ Mitsubishi＆ GAIKINDO）， Ady 氏 （ Hyundai＆ GAIKINDO），
Prasetyo 氏 （ Hino Motors Sales）， Ihsan 氏 （ MOI）， ほ か （ B4T， B2TKS，
GIAMM， TransJakarta 等 ）， 水 口 氏 ・ 若 林 氏 （ HKS）， 渡 辺 氏 （ JGA），
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船 崎 （ JARI）， Indra 氏 （ 通 訳 ）， 合 計 40 名
資 料 ： 日 尼 EPA 活 動 紹 介 （ JARI）， 各 プ レ ゼ ン 資 料
内容：
１ ） 司 会 者 Hari 氏 の あ い さ つ （ BTMP）
・CNGV は ポ テ ン シ ャ ル が 高 い ．安 全 や 環 境 な ど 国 の た め に 役 立 つ 内 容 を 討 議 し た い ．
２ ） 日 尼 EPA 事 業 の 紹 介 （ JARI）
・ CNGV に 関 す る 協 力 事 業 の 背 景 ， 経 緯 ， 目 的 を 説 明 ．
３ ） 日 本 の CNG ス タ ン ド の 現 状 と 課 題 （ JGA， 渡 辺 氏 ）
（概要）
・ 日 本 の CNGV 推 進 の 経 緯 を 紹 介 ． 1990 年 か ら 推 進 活 動 が 始 ま り ， 東 京 都 の デ ィ ー
ゼ ル 車（ ト ラ ッ ク ，バ ス ，ゴ ミ 収 集 車 ）の ク リ ー ン 化 を 追 い 風 に 普 及 し 始 め た ．2012
年 3 月 現 在 ， 全 国 で CNGV は 4 万 台 ， CNG ス タ ン ド は 322 ヵ 所 ．
・ 最 近 ， デ ィ ー ゼ ル 車 も ク リ ー ン 化 し （ ポ ス ト 新 長 期 規 制 適 合 ）， CNGV 導 入 の 推 進
力 は エ ネ ル ギ ー セ キ ュ リ テ ィ と 地 球 温 暖 化 対 策 に 移 っ て い る ．CNG エ ン ジ ン の 高 効
率化が非常に重要．
・ 今 ま で ， 都 市 内 の 小 型 ・ 中 型 ト ラ ッ ク の CNG 化 を 進 め て き た が ， 大 都 市 間 （ 300
～ 500km）の 長 距 離 輸 送 に 適 し た 大 型 ト ラ ッ ク の CNG 化 を 積 極 的 に 進 め る 戦 略 に 転
換 ．2030 年 ま で に 50 万 台 の CNGV の 普 及 を 目 指 す（ 内 訳 は ，大 型 ト ラ ッ ク 5 万 台 ，
中 型 ト ラ ッ ク ・ バ ス 40 万 台 ， 乗 用 車 5 万 台 ）． 現 在 ， 大 手 物 流 会 社 に 大 型 ト ラ ッ ク
を提供し，実証実験中．
・日 本 の CNG 充 て ん 設 備 は ，CNG ス タ ン ド と 小 規 模 型 充 て ん 装 置 の 2 種 類 ．前 者 は
ガソリンサービスステーションと統合していることが多い．後者は充てんに数時間
か か る が ， 安 価 （ 数 100 万 円 ）． CNG ス タ ン ド の 設 備 費 用 は 1 億 円 を 超 す ．
・CNG ス タ ン ド の 設 置 条 件 ，設 備 ，維 持 管 理 ，点 検 表 ，検 査 法 規 に つ い て 解 説 ．ま た ，
事 故 例 を 紹 介（ 主 に 漏 洩 ，現 在 ま で ， 人 身 事 故 な し ）． ま た ， 日 本 の 誤 発 進 防 止 対 策
（車両のキー預かり，輪止め，防止コーン，防止帯）を紹介し，最後に，車両に貼
られている容器検査合格証票について解説した．
（ Q&A）
・（ Pertamina） 日 本 で は ， な ぜ ， LNG 車 が 走 っ て い な い ？
欧米や中国では走って
いるが．
→（ JGA）試 験 走 行 は 実 施 ．し か し ，ボ イ ル オ フ ガ ス の 扱 い が 厄 介 で ，LNG ス タ
ンドもほとんどなく，まったく普及していない．
・
（ MOE）日 本 の CNGV 補 助 金 制 度 は ？
車両容器の点検費用は？
スタンドの点検
費用はユーザーに転嫁？
→（ JGA）運 送 用 に 車 両 価 格 差 の 1/2 補 助 あ り ．さ ら に ，現 在 ，大 型 CNG ト ラ ッ
ク 価 格 の 1/2 補 助 ， CNG ト ラ ッ ク と セ ッ ト な ら ば ， CNG ス タ ン ド 建 設
- 39 -
費 も 1/2 補 助 す る ．
→ （ JGA） 容 器 検 査 は 2～ 3 万 円 （ 2 年 ご と ）． ス テ ー シ ョ ン の 点 検 費 用 は ， 直 営
店も非直営店も固定費として反映している．
・（ 日 野 自 動 車 ） CNGV を 生 産 中 だ が ， 車 両 の 認 証 は ？
また，スタンドの水分除去
は？
→ （ JGA） 国 交 省 の 管 轄 で ， 型 式 認 定 （ OEM） と 改 造 車 の 認 定 （ 同 じ 型 な ら ば ，
1 台 の み で OK） が あ る ． 高 圧 容 器 は 経 産 省 管 轄 下 の 高 圧 ガ ス 検 査 協 会
（ KHK） が 認 定 す る ．
→ （ JGA） Pertamina か ら も 受 入 て い る が ， 幸 い 輸 入 LNG に は 水 分 は な く ， 日
本では，原則不要である．また，日本ではオイルレス圧縮機を多用して
お り ， CNG へ の オ イ ル 混 入 は ほ と ん ど な い ． 昨 日 視 察 し た 尼 国 の 圧 縮
機 は 1700m3/h の 大 容 量 な の で ， オ イ ル レ ス は 技 術 的 に 難 し い ．
・（ GAIKINDO） 尼 国 で は 容 器 の 検 査 は 労 働 省 だ が ， 車 載 す る と 振 動 に 対 す る 耐 久 性
が問題．日本ではどこが検査するか？
→ （ JGA＆ HKS） OEM に つ い て は 各 自 動 車 会 社 が 実 施 ． 改 造 車 に つ い て は ， 強
度計算結果を申請．国交省が最終的に認証する．
・（ GAIKNDO） 水 分 混 入 を 防 ぐ に は ？
→ （ JGA） ま ず ， 根 元 （ ガ ス ） か ら 除 去 ， 次 に ス タ ン ド の ド ラ イ ヤ ー で 除 去 ．
・（ GAIKNDO） 充 て ん 口 の 規 格 は ？
→（ JGA）充 填 口 の 規 格 は ，NGV-１ で あ る ．た だ し ，充 填 口 周 辺 の 規 格 は な い た
め，充てん口の外径が大きいものはアダプターを使用している．
→ （ GAIKNDO） 尼 国 で も ア ダ プ タ ー を 使 用 ． 新 し い 規 格 は ， NGV-1．
４ ）CNG／ ガ ソ リ ン 変 換 キ ッ ト に よ る バ イ フ ュ ー エ ル シ ス テ ム の 紹 介（ HKS，水 口 氏 ）
（概要）
・ HKS 社 の 全 体 紹 介 お よ び CNG 事 業 の 経 緯 を 紹 介 ．
・ デ ィ ー ゼ ル エ ン ジ ン の CNG 改 造 事 業 に つ い て 紹 介 （ タ イ 輸 出 ， 工 場 ラ イ ン ， 試 験
設備等）
・ 日 本 で は CNG ス タ ン ド の 設 定 場 所 に 偏 り が あ り ， バ イ フ ュ ー エ ル が 必 要 ．
・バイフューエルシステムの各部品，コントロールの仕組み，燃料切替時のスムーズ
さ，環境性能の高さを説明．
・ CNG 容 器 を 固 定 す る ブ ラ ン ケ ッ ト や ベ ル ト の 強 度 解 析 結 果 を 図 示 ．
・バ イ フ ュ ー エ ル シ ス テ ム の 保 証（ 3 年 6 万 km）や ア フ タ ー サ ー ビ ス に つ い て 紹 介 ．
・ 対 応 可 能 な 尼 国 の 車 両 （ 日 本 と 同 じ エ ン ジ ン ） は ， Vios， Yaris， Kijang Innova，
Hilux．
・ 最 後 に ， 現 在 ， 主 要 な 事 業 と し て 進 め て い る 大 型 CNG ト ラ ッ ク お よ び 部 品 に つ い
て 紹 介 ．後 続 距 離 は 500km，東 京 ～ 大 阪 間 を 想 定 ．タ ー ボ チ ャ ー ジ ャ ー に よ り デ ィ ー
- 40 -
ゼ ル 並 み の 出 力 を 実 現 ．ま た ，EGR ク ー ラ ー を 搭 載 し ，尿 素 SCR シ ス テ ム な し で ，
ポ ス ト 新 長 期 の NOx 規 制 値 を 98%以 上 低 減 ． 近 接 排 気 騒 音 も 小 さ い （ 規 制 値 よ り
20db 低 減 ）．
（ Q&A）
・（ B4T） キ ッ ト の 認 証 は ？
→ （ HKS） ECE 認 証 を 取 得 ． オ ラ ン ダ の 認 証 機 関 に 依
頼．
・
（ Pertamina）容 器 搭 載 に よ り 車 両 重 量 が 増 加 す る が ，タ イ ヤ や ブ レ ー キ の 対 応 は ？
→（ HKS）最 大 車 両 総 重 量 の 制 限 が あ る の で ，最 大 積 載 量 を 減 ら す ．タ イ に は 50t
規 制 が あ る が ， 70t の 使 用 例 が あ る ．
→ （ Pertamina） 尼 国 で も ， 過 積 載 は 問 題 ．
・（ Autogas） HKS キ ッ ト の 他 の 長 所 は ？
→ （ HKS） シ ー ム レ ス の ス テ ン レ ス 配 管 を 採 用 し て お り ， 漏 れ が な く ， 高 強 度 ．
→ （ Autogas） 漏 れ の 検 知 は ？
→ （ HKS） 圧 力 計 で 検 知 可 能 ．
・（ BTMP） CNG か ら ガ ソ リ ン へ の 切 り 替 え 時 の 圧 力 は ？
→（ HKS） 標 準 設 定 で は ，CNG 容 器 の 圧 力 が 200 bar か ら 減 圧 し ，6 bar に な る
と 警 告 音 が 鳴 る ． 2.5 bar ま で 設 定 可 能 ． デ ィ ー ゼ ル 改 造 の 場 合 ， CNG
の み な の で 高 め の 10 bar に 設 定 し て い る ．
５ ） CNG ス タ ン ド の た め の プ ル タ ミ ナ の 規 格 （ Pertamina， Andianto 氏 ）
（概要）
・尼 国 の CNGV 普 及 推 進 の 経 緯 を 紹 介 ．1986 年 に 開 始 ，2000 年 に は 6,600 台 に ．し
か し ， 2001 年 は 4,700 台 に 減 少 ． 変 換 キ ッ ト が 未 だ 高 価 格 ， CNG ス タ ン ド 不 足 も
要 因 ． 2007 年 ， ジ ャ カ ル タ 州 政 府 は ， す べ て の 公 共 交 通 機 関 と 公 用 車 の CNG 化 を
法 制 化 ． こ の 年 ， ト ラ ン ス ジ ャ カ ル タ の CNG 化 を 開 始 ． 大 統 領 令 No.64-2012 等 に
基 づ き ，燃 料 多 様 化 の た め の ガ ス 燃 料 の 提 供 が 使 命 と な っ た ．2012 年 12 月 ，CNGV
ス タ ン ド を Daan Mogot に 新 設 ．
・ CNG ス タ ン ド の 規 制 は 国 際 規 格 に 基 づ い て 策 定 さ れ た ． 規 制 は ， CNG ス タ ン ド ，
安全と保守，安全管理と研修マニュアルの 3 つ．
・CNG ス タ ン ド に よ る ガ ス 供 給 方 法 は 3 つ ．オ ン ラ イ ン 式（ パ イ プ ラ イ ン ），マ ザ ー ・
ド ー タ ー 式 ，移 動 式（ ト レ ー ラ ー に 蓄 ガ ス 器 を 搭 載 ）．土 地 が 狭 い ，周 辺 住 民 の 反 対
がある場合，マザー・ドーター方式や移動式を採用．
・ CNG ス タ ン ド 規 制 の 内 容 は ， ガ ス 品 質 要 件 ， 構 成 部 品 要 件 ， 取 付 要 件 ， 離 隔 距 離 ，
危 険 場 所 の 分 類 ，安 全 規 定（ 看 板 ，防 火 ），試 運 転 ，運 用・保 守 な ど 11 項 目 ．以 下 ，
その要点を紹介．
・ガ ス 品 質 の 規 格 を 紹 介（ ガ ス 臭 気 を 付 け る ，水 分 は 32 mg/m3 未 満（ 露 点 -9℃ ，20 MPa
下 ），硫 化 水 素 や 可 溶 性 硫 化 物 は 23 mg/m3 未 満 ，オ イ ル は 30 mg/m3 未 満 ，異 物 ろ
過 は ，圧 縮 機 入 口 で 50μ ，圧 縮 機 出 口 で 10μ ，酸 素 は 1 vol%未 満 ，引 張 強 度 が 950
- 41 -
MPa を 越 え る 鋼 を 採 用 し た 場 合 ， 水 素 は 2 vol%未 満 ）．
・圧 縮 機（ ガ ス 温 度 は 周 辺 温 度 の 10℃ 以 内 ），蓄 ガ ス 器（ 高 さ 制 限 ），配 管（ 支 持 の 最
大 間 隔 0.6m 以 内 ）， デ ィ ス ペ ン サ ー （ 車 両 発 進 時 の 安 全 離 脱 カ ッ プ リ ン グ ） の 要 件
を紹介．
・ 車 両 衝 突 か ら の 保 護 措 置 （ 鋼 製 パ イ プ ， ガ ー ド レ ー ル の 設 置 ）．
・安全対策として，可燃性ガスに対する安全領域の分類，過圧保護，火災保護（消火
器 の 性 能 ， 設 置 場 所 ）．
・本規制は，将来の更新と改訂のため，毎年，評価される．
（ Q&A）
・ガス品質の規制はいつから？
→（ Pertamina）2011 年 か ら ．そ れ 以 前 に Pertamina が 建 設 し た 6 ヵ 所 の CNG
スタンドは対応していない．
・（ JGA） マ ザ ー ・ ド ー タ ー 式 の 現 状 ， ド ー タ ー の 能 力 は ？
→（ Pertamina）マ ザ ー 2 ヵ 所 ，ド ー タ ー 3 ヵ 所 あ り ．Jakarta は こ れ か ら ．ド ー
タ ー の 能 力 は ，30 台 ／ 時 に 供 給 可 能 ．
※（ 所 感 ）乗 用 車 の 場
合と思われる．
・
（ GAIKINDO）2013 年 は 4,000 台 の CNGV（ Jakarta は 2,000）が 供 給 さ れ ，Jakarta
に は 少 な く と も 2 ヵ 所 の CNG ス タ ン ド が 必 要 ． し か し ， エ ネ 鉱 省 に は 予 算 が な い ．
どうするのか？
→ （ Pertamina） パ イ プ ラ イ ン か ら 1 ヵ 所 ， マ ザ ー 2 ヵ 所 ， ド ー タ ー 4 ヵ 所 を 予
定 ．な お ，車 が 先 か ，ス タ ン ド が 先 か ，鶏 と 卵 の 話 と 同 じ だ が ，1 ヵ
所 あ た り 800 台 の 需 要 を 想 定 ．圧 縮 機 の 音 の 問 題 で ，深 夜 は 稼 働 で
きないため．
・（ GAIKINDO） 社 内 規 格 を 尼 国 家 規 格 （ SNI） に し な い と ， 古 い ス タ ン ド は 更 新 さ
れない．
→ （ Pertamina） SNI 化 に 向 け ， 努 力 す る ．
６ ） 尼 国 ガ ソ リ ン ／ CNG 変 換 プ ロ グ ラ ム に 対 す る GAIKNDO の 視 点 （ GAIKNDO，
Budi 氏 ）
（概要）
・尼 国 の ガ ソ リ ン 車 CNG 化 プ ロ グ ラ ム の 法 的 根 拠 を 説 明 ．Pertamina が コ ー デ ィ ネ ー
ター（調整役，進行係，まとめ役）に指定されている．
（ 石 油 と 天 然 ガ ス に 関 す る 2001 年 法 律 第 22 号 ，エ ネ ル ギ ー 保 全 と 多 様 性 に 関 す る
2007 年 法 律 第 30 号 ， 供 給 ， 流 通 ， 道 路 輸 送 用 の ガ ス 燃 料 の 価 格 に 関 す る 大 統 領
令 2012 年 第 64 号 ）
・ 運 輸 セ ク タ ー の た め の CNG の 割 り 当 て 予 定 は ， 2014 年 ま で に CNG 全 体 の 10%，
2019 年 ま で に 15%， 2024 年 ま で に 20%， 2025 年 以 降 25%．
- 42 -
・ 運 輸 大 臣 が
CNG 車 （ RI No.39/2012 ） を ， 工 業 大 臣 が 変 換 キ ッ ト
（ No.70/M-IND/PER/7/2012） を 認 可 す る ．
・ ジ ャ カ ル タ 州 知 事 は ， 2012 年 10 月 31 日 か ら ， 公 共 交 通 機 関 や 市 役 所 の 公 用 車 に
CNG を 利 用 す る こ と を ， 第 141 号 / 2007 に お い て 規 定 し て い る ．
・ 自 動 車 メ ー カ ー か ら の OEM 供 給 は ， ダ イ ハ ツ ， 三 菱 ， ス ズ キ が 非 公 共 バ ス （ ア ン
コ ッ ト 等 の ミ ニ バ ス ）， 現 代 が タ ク シ ー ， ト ヨ タ が タ ク シ ー と 非 公 共 バ ス を 予 定 ．
・ GAKINDO は ， 政 府 公 認 の 改 造 ・ 整 備 工 場 に 対 し て ， 下 記 の こ と を 期 待 す る ．
① 政 府 は ，公 認 前 に ，改 造・整 備 工 場 の 施 設 を 確 認 し ，研 修（ 変 換 キ ッ ト や CNG
容器の取付）を提供すること．
②改造・整備工場は，品質管理の基準を満たしていること．
③政府は，変換キット取付後，少なくとも 2 年間の保証をすること．
・ ま た ， GAIKINDO は ， 下 記 の 点 に も 合 意 し て い る ．
①自動車メーカーは，衝突に伴う変換キットの損傷に対して，いかなる保証もし
ない．
② プ ル タ ミ ナ が 供 給 す る CNG は ， 自 動 車 燃 料 と し て ， ユ ー ザ ー の ニ ー ズ を 満 た
す十分なものでなければならない.
③ CNG は ， SNI 規 格 を 満 た し ， か つ ， 自 動 車 エ ン ジ ン 技 術 の ニ ー ズ を 満 た し て
いること．
・ 自 動 車 メ ー カ ー が OEM 提 供 す る CNG 新 車 に つ い て は ， 下 記 の 意 見 を 提 示 し た ．
① 非 CNG 車 に 対 す る CNG 車 の コ ス ト 高 を 避 け る た め ，資 金 調 達 の た め の 低 炭 素
プロジェクトのインセンティブを期待する．
②政府は，各メーカーで取り付けられている変換キットについて，同じ基準を設
定すること．
③ CNG 車 は ， オ ク タ ン 価 （ RON） 108 に 合 っ た 圧 縮 比 を 調 整 す る 必 要 が あ る ．
エ ネ ル ギ ー の 効 率 的 な 利 用 に つ な が る こ と が 期 待 さ れ る ECU と 素 材 の 互 換 性 ，
および専用エンジンの設計には，時間がかかる．
（ Q&A）
・（ 自 動 車 メ ー カ ー ） 改 造 車 の 認 証 は 政 府 か ？
（車両を製造した）メーカーか？
→ （ GAIKINDO） メ ー カ ー で は な く ， 政 府 が 認 証 ．
→ （ MOT） 改 造 車 の 認 証 は ， 運 輸 省 （ MOT）． 取 り 付 け 後 ， 6 ヵ 月 以 内 に 検 査 す
ることが，ユーザーに義務付けられている．
- 43 -
(a) 会 場 の エ ン ジ ン セ ン タ ー BTMP
(b) セ ミ ナ ー 会 場
(c) 渡 辺 氏 （ JGA） の 講 演
図 3.11
(d) 水 口 氏 （ HKS） の 講 演
CNGV ワ ー ク シ ョ ッ プ の 様 子 （ セ ミ ナ ー ， 3 月 13 日 ）
3.3.3. CNGV ワ ー ク シ ョ ッ プ の 開 催 （ 改 造 業 者 へ の 視 察 ）
日 時 ： 2013 年 3 月 14 日 （ 木 ） 9:30～ 11:30
場 所 ： Autogas Indonesia 社 （ Serpong， 空 港 か ら 南 へ 約 30km）
出 席 ： Thomas 社 長 ・ Christianti 氏 ・ Aji 氏 ・ ほ か 多 数 （ Autogas），
ワ ー ク シ ョ ッ プ 参 加 者 ， Ihsan 氏 （ MOI）， 水 口 氏 ・ 若 林 氏 （ HKS），
渡 辺 氏 （ JGA）， 船 崎 （ JARI）， Indra 氏 （ 通 訳 ）
資 料 ： Autogas 社 パ ン フ
内容：
１ ） CNGV 用 変 換 キ ッ ト の 説 明 （ Aji 氏 ， Autogas）
・パネルのフロー図をもとに，バイフューエルの変換キットについて説明．
・ CNG 容 器 は ， 耐 食 性 か ら タ イ プ 4 を 採 用 （ CNG 中 の 水 分 が 多 い た め ）．
- 44 -
・ バ イ フ ュ ー エ ル は 自 動 切 替 可 能 ． ガ ス が 少 な く な る と ， 6 bar で 切 り 替 わ る ．
・ 安 全 弁 は 108℃ で 作 動 （ 金 属 が 溶 け る 仕 組 み ）．
・配管は鋼製で，ステンレス菅は採用していない．
・ 燃 料 フ ィ ル タ ー の 交 換 は ， 3 ヵ 月 使 用 ， 5,000 km 走 行 が 目 安 ．
・ エ ン ジ ン の バ ル ブ 摩 耗 が 課 題 （ ガ ス 燃 料 の た め ， 潤 滑 性 に 劣 る た め ）．
・燃 費 は ガ ソ リ ン 車 並 み ．し か し ，出 力 不 足 の た め ，山 地 の 登 板 で は ガ ソ リ ン を 使 う ．
→ （ HKS） 当 社 で は ， ス ー パ ー チ ャ ー ジ ャ ー に よ り 出 力 低 下 を 防 い で い る ．
・ 定 期 的 な 交 換 部 品 は ，バ ル ブ（ 5 万 km ご と ），燃 料 フ ィ ル タ ー ，ホ ー ス な ど ．交 換
の基準あり．ユーザー用の整備手帳あり．
・ CNGV で は 水 分 が 多 く ，ス パ ー ク プ ラ グ が 錆 び や す い ． 耐 久 性 の あ る 高 価 な イ リ ジ
ウムタイプ（価格 4 倍）は採用していない．
→ （ HKS） 当 社 で は ， イ リ ジ ウ ム タ イ プ を 採 用 ． さ ら に ， メ ッ キ を 施 し て い る ．
・
（ HKS）日 本 の 改 造 で は ，工 賃 が 高 い ．工 賃 を 含 め ，1 台 あ た り の 改 造 費 は 60 万 円 ．
タ イ プ 1 の 容 器 が 15 万 円 ， タ イ プ 4 は 40 万 円 も す る ． 変 換 キ ッ ト の 価 格 差 は あ ま
り大きくない．
図 3.12
CNGV 変 換 キ ッ ト の 説 明 （ Autogas 社 ， 3 月 14 日 ）
- 45 -
２）改造工場の視察
・ 続 い て ， 改 造 工 場 に 移 動 し て ， 改 造 さ れ た LPG 車 ， CNG 車 を 視 察 し た ．
・ あ い に く ， CNG 車 の 展 示 は 少 な く ， 古 い ミ キ サ ー タ イ プ の み で あ っ た ．
(a) CNGV（ 古 い Kijang）
(b) CNGV の ボ ン ネ ッ ト 内 （ ミ キ サ ー 式 ）
(c) タ イ プ 2 の CNG 容 器
(d) CNG 容 器 の 固 定
※ ス チ ー ル 製 取 付 バ ン ド と FRP 表 面 の 間 に ゴ ム シ ー ト あ り ．
図 3.13
CNG 改 造 車 の 一 例 （ Autogas 社 ， 3 月 14 日 ）
3.3.4. CNGV ワ ー ク シ ョ ッ プ の 開 催 （ ま と め の 協 議 ）
日 時 ： 2013 年 3 月 14 日 （ 木 ） 13:00～ 15:30
場 所 ： 工 業 省 MOI， 11F 会 議 室 （ Jakarta）
出 席 ： 尼 側 ワ ー ク シ ョ ッ プ 参 加 者 ， Ihsan 氏 （ MOI），
水 口 氏 ・ 若 林 氏 （ HKS）， 渡 辺 氏 （ JGA）， 船 崎 （ JARI）， Indra 氏 （ 通 訳 ）
資 料 ： HKS 変 換 キ ッ ト 説 明 資 料 ，JGA 容 器 再 検 査 資 料 ，CNG ス タ ン ド お よ び 改 造 業
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者の視察時の写真
内容：
Autogas 社 か ら ， セ ミ ナ ー 会 場 の BTMP に 戻 り ， HKS 製 変 換 キ ッ ト お よ び 安 全 対
策について紹介し，その後，ワークショップまとめの討議を行った．
１ ） HKS 製 変 換 キ ッ ト お よ び 安 全 対 策 の 紹 介 （ 若 林 氏 ， 水 口 氏 ， HKS）
・ 若 林 氏 よ り ， HKS 製 変 換 キ ッ ト の 各 部 品 に つ い て 説 明 あ り ．
・水口氏より，日側の安全対策について説明あり．
追 突 を 考 慮 し て ， CNG 容 器 は ， 後 部 バ ン パ ー 先 端 か ら 30cm 以 上 離 す ．
車 室 内 に CNG 容 器 を 設 置 す る 場 合 ，セ ミ コ ン テ ナ ー を 取 り 付 け ，漏 え い を 防 止 ．
CNG 容 器 の 弁 に は ， 保 護 キ ャ ッ プ を 取 り 付 け る ．
配 管 に は ，引 き 抜 き に よ る シ ー ム レ ス の ス テ ン レ ス 菅 を 採 用 ．錆 び ず ，強 度 高 い ．
45 MPa の 圧 力 ま で 耐 え る ．
２）まとめ
・ 日 側 か ら ，CNGV の 安 全 に 関 す る 下 記 の 指 摘 事 項 を 写 真 と 共 に 示 し ，議 論 し た ．尼
側からは，コスト等で難しいとの意見も出されたが，後日，日側の提案事項として
提出してもらいたいとの要望があった．日側からの提案書があると，予算獲得に有
利とのこと．
→ （ JARI） 日 尼 EPA 事 業 の プ レ ゼ ン 資 料 に 追 記 し ， 図 ， 写 真 を 付 け て ， 工 業 省
に提示する．
〔 CNGV に つ い て 〕
・CNG 容 器 の 格 納 に つ い て ，下 面 は 金 網 で は な く ，飛 び 石 や 汚 れ を 防 止 す る た め に 鉄
板とする．
→ （ JARI） 新 設 CNG ス タ ン ド で 視 察 し た 新 型 の 連 結 バ ス で は ， 改 善 さ れ て い る
が．既存のバスについても，要検討と考える．
・追 突 時 の 損 傷 を 考 慮 し ，バ ン パ ー 先 端 か ら 30cm 以 上 離 し て ，CNG 容 器 を 設 置 す る ．
・ 車 室 内 に CNG 容 器 を 設 置 す る 場 合 ， セ ミ コ ン テ ナ ー を 付 け て ， 室 内 へ の ガ ス 漏 洩
を防ぐ．
→ （ JARI） セ ミ コ ン テ ナ ー が 不 可 の 場 合 ， 乗 員 の 喫 煙 を 禁 止 す る 必 要 が あ る ．
・ CNG 容 器 の 3 年 毎 の 水 圧 試 験 （ 30 MPa） に つ い て 再 検 討 を 提 案 す る ．
→ （ BTMP） CNG の 水 分 が 多 く ， 腐 食 劣 化 を 確 認 す る た め に ， 水 圧 試 験 は 必 要 ．
→（ JARI）車 両 か ら の 取 り 外 し ，再 装 着 も 亜 鉛 全 上 の リ ス ク あ り ．保 有 台 数 が 1
万 台 ，10 万 台 と 増 え た 場 合 ，労 働 省 の 試 験 機 関 で 対 応 で き る か ， 疑 問
である．規制が遵守されないことも懸念される．
→（所感）ユーザーは，容器取り外し，水圧試験，再取り付けのため，3 日間は
車を利用できないと想定され，不便を強いられると思う．
- 47 -
→（所感）日本では，安全上，タイプ 2 容器の使用を禁止していることも明記す
る必要がある．
〔 CNG ス タ ン ド に つ い て 〕
・新 設 CNG ス タ ン ド に 1 ヵ 所 に の み 除 湿 器 を 設 置 し て い る が ，他 の 既 設 CNG ス タ ン
ドにも除湿器を導入すべきと考える．
→ （ JGA） 日 本 に 比 べ ， 水 分 が か な り 多 い の で ， 日 本 で 使 っ て い る よ う な 除 湿 器
では能力不足であることに留意．尼国の方がコストはかかるが，優先
事項と考える．
→（所感）除湿器増設と水圧試験の費用対効果を検討する必要もある．
・ ｢CNGV が 先 か ， CNG ス タ ン ド が 先 か ｣の 論 争 に つ い て ， 下 記 の よ う な 私 見 を 述 べ
た．
→ （ JARI） 普 及 の た め に は ， ユ ー ザ ー 目 線 の 施 策 が 重 要 ． 近 く に CNG ス タ ン ド
が あ り ，CNG 価 格 が 安 け れ ば ，CNGV を 使 っ て み よ う と い う 気 に な る ．
よ っ て ， 個 人 的 に は ， CNG ス タ ン ド が 先 と 考 え る ．
・以 上 の 協 議 後 ，BTMP の 司 会 者 か ら 閉 会 宣 言 が 出 さ れ ，ワ ー ク シ ョ ッ プ は 閉 会 し た ．
(a) HKS 変 換 キ ッ ト の 説 明 （ 若 林 氏 ， HKS）
図 3.14
3.4
3.4.1
(b) CNGV ワ ー ク シ ョ ッ プ の ま と め
HKS 製 変 換 キ ッ ト の 説 明 と CNGV ワ ー ク シ ョ ッ プ の ま と め （ 3 月 14 日 ）
活動のまとめ
事業の目的
尼 国 は 2004 年 か ら 石 油 の 純 輸 入 国 に な り ， 近 年 の 石 油 価 格 高 騰 を 背 景 に ， 豊 富 な
国 産 ガ ス を 利 用 し た ガ ス 自 動 車 （ CNGV） の 普 及 を 国 策 に し て い る ． し か し ， CNGV
は 20MPa 下 の 高 圧 タ ン ク や 各 種 部 品 を 用 い る に も 拘 わ ら ず ， 尼 国 に 安 全 基 準 お よ び
その基準を遵守する仕組みが十分に整備されているとは言えない．このため，ガス燃
- 48 -
料自動車の安全基準を理解し遵守される仕組みをつくる．また，その仕組みの中で，
ガス燃料自動車への改造および整備技術を定着させる．
3.4.2
今年度の活動
CNGV を 対 象 と し て ，改 造 ・ 整 備 技 術 の 定 着 を 目 的 に ， さ ら に 実 務 的 な 技 術 協 力 を
進 め た ． 具 体 的 に は ， CNGV 変 換 キ ッ ト の 取 付 ・ 整 備 に 関 す る 訪 日 研 修 ， ジ ャ カ ル タ
に お いて で の CNGV の 普 及 お よ び安 全 性 に関 す る ワー ク シ ョ ップ の 開 催 ，ワー ク シ ョッ
プ の 準 備・開 催 に 合 わ せ て 専 門 家 派 遣 に よ る 現 地 視 察 を 行 い ，日 側 の 見 解 を ま と め て ，
尼側に提言した．
- 49 -
4.
プラスチック・ゴム分野の技術支援
プ ラ ス チ ッ ク ・ ゴ ム 製 品 の 材 料 評 価 ・ 解 析 お よ び 原 因 究 明 ・ 問 題 解 決 と い っ た R＆
D に係る能力向上のために訪日研修を実施した．主な内容は，インドネシア国内で実
際に発生した製品不具合を題材にした講義・分析実習，試験業務のマネジメントに係
る講義，関連機関の視察である．
4 .1
訪日研修
4 .1 .1
参加者と日程
研 修 員 は ， B4 T か ら 1 名 ， I RR I か ら 2 名 ， ST P か ら 2 名 ， MOI か ら 1 名 ， A I SI
（ 尼 国 二 輪 車 工 業 会 ） か ら 1 名 （ 自 費 参 加 ） の 計 7 名 で あ る （ 表 4 .1 ）． 日 尼 通 訳 は 1
名 が 全 日 程 で 同 行 し ， も う 1 名 は 実 習 で 2 グ ル ー プ に 分 か れ た 2 日 間 （ 1 0 /1 7 ， 18 ）
のみ同行した．
表 4 .1
訪日研修の参加者
No.
名前
1
研修員
Mohamad Irfan
Fathurrohman
所属
ゴム研究所 IRRI
2
研修員
Henry Prastanto
ゴム研究所 IRRI
3
研修員
Rachmat Wijaya
ポリマーセンター STP
4
研修員
Tulus
ポリマーセンター STP
5
研修員
Paryanto
材料・工業製品センター
B4T
6
研修員
Andreas Alfredo
Sigalingging
工業省 MOI
Ministry of Industry
（MOI）
7
研修員
（女性）
Ms. Lusiana Eka
Prasetyo
二輪車工業会 AISI
PT. Astra Honda Motor
8
アテンド
9
通訳
10
通訳
Indonesian Rubber
Research Institute
（IRRI）
Indonesian Rubber
Research Institute
（IRRI）
Sentra Teknologi
Polimer （STP）
Sentra Teknologi
Polimer （STP）
役職
Researcher
Research Division
Researcher
Technical Assitance
Division
Technical Assitance
Division
Balai Besar Bahan Dan
Standardization Division
Barang Teknik （B4T)
Japan Automobile
Research Institute
（JARI）
CSB (Communication
CSB (Communication
Sofyan Indraputra
Support Buisiness)
Support Buisiness)
Japan International
（財）日本国際協力センター
落合 俊偉
Cooperation Center
JICE
（JICE）
鈴木 徹也
部署
Research Division and
Testing Laboratory
（一財）日本自動車研究所
JARI
Manager
Technical Staff
Laboratory
Coordinator
(Manager Class)
Directorate for Land
Transport Equipment
Industries
Product & Quality
Engineering
Staff
Engineer
エネルギ・環境研究部
Researcher
－
Interpreter
－
Interpreter
研修日程は，下記の通りである．
1 0 /1 4 （ 日 ）， Ja k a rta 発 （ 夜 行 便 ）．
1 0 /1 5 （ 月 ）， 成 田 着 ， J AR I 東 京 事 務 所 で の ガ イ ダ ン ス の 後 ， 横 浜 へ ．
1 0 /1 6 （ 火 ） ～ 19 （ 金 ），（ 株 ） 日 産 ア ー ク に て ， 実 技 も 含 め た 研 修 （ 横 須 賀 市 ）．
1 0 /2 0 （ 土 ） ～ 21 （ 日 ）， 大 阪 に 移 動 し 自 由 行 動 ．
1 0 /2 2 （ 月 ）， 京 都 に 移 動 ． 午 前 に （ 株 ） 堀 場 製 作 所 ，
午後に（株）島津製作所を視察．夜に名古屋へ．
- 50 -
1 0 /2 3 （ 火 ）， 午 前 に 産 業 技 術 記 念 館 ， 午 後 に イ イ ダ 産 業 （ 株 ） を 視 察 ．
1 0 /2 4 （ 水 ）， 東 京 に 移 動 し ， JA R I 東 京 事 務 所 で 総 括 と 修 了 証 授 与 ．
1 0 /2 5 （ 木 ）， 成 田 発 ， J a k ar ta 着 ．
4 .1 .2
研修内容
〔 1〕 ガ イ ダ ン ス
日 時 ： 2 01 2 年 1 0 月 1 5 日 （ 月 ）， 11 :3 0 ～ 1 3 :3 0
場 所 ： JAR I 東 京 事 務 所 監 事 室
出 席 ： 研 修 員 7 名 ， 船 崎 ・ 鈴 木 （ JAR I ）， I nd r a （ 通 訳 ）
資料：参加者リスト，日程表，交通案内など関連資料
内容：
・ 船 崎 主 管 よ り 挨 拶 （ 昨 年 度 ま で の 経 緯 ， 今 年 度 の 概 要 ）． 続 い て 参 加 者 紹 介 ．
・ 鈴 木 よ り ，配 付 資 料 に 沿 っ て ，日 程 ，移 動 ル ー ト ，実 施 概 要 等 を 説 明 ．そ の 後 ，質
疑応答．
図 4 .1
J ARI で の ガ イ ダ ン ス
〔 2〕 日 産 ア ー ク 研 修 （ 1 日 目 ） ～ ガ イ ダ ン ス ， 会 社 紹 介 ， 講 義
日 時 ： 2 01 2 年 1 0 月 1 6 日 （ 火 ）， 9 :0 0 ～ 18 :1 5
場所：日産アーク 4 階会議室
出 席 ： 研 修 員 7 名 ， 松 本 隆 （ 代 表 取 締 役 常 務 ）， 阿 久 津 康 久 （ 技 術 営 業 部 顧 問 ）， 米 田
孝 治 （ マ テ リ ア ル 解 析 部 主 担 ）， 佐 藤 秀 紀 （ 同 ）， 和 泉 俊 弘 （ マ テ リ ア ル 解 析 部
材 料 組 織 解 析 チ ー ム 解 析 主 任 ）， 姫 野 貴 則 （ 同 チ ー ム 技 術 主 任 ）， 石 川 大 輔 （ 同
チ ー ム ），長 谷 川 利 則（ マ テ リ ア ル 解 析 部 材 料 化 学 解 析 チ ー ム 解 析・技 術 主 任 ），
佐 藤 美 洋 （ 上 智 大 学 理 工 学 部 准 教 授 ）， 鈴 木 （ JA RI ）， Ind r a （ 通 訳 ）
資料：日程表，講義資料
- 51 -
内容：
（ 1 ） ガ イ ダ ン ス （ 9 :0 0 ～ 9 :3 0 ， 米 田 ）
・ 米 田 氏 の 司 会 の 下 ， 最 初 に 松 本 氏 か ら 挨 拶 ． 続 い て ， 鈴 木 （ JA RI ） と A nd r ea s 氏
（工業省）から挨拶．
・ 研修員および通訳の自己紹介．
・ 4 日間のスケジュール確認．
（ 2 ） 日 産 ア ー ク 紹 介 （ 9 :3 0 ～ 1 0 :00 ， 阿 久 津 ）
・ 日 産 自 動 車 の 分 析 部 門 を 独 立 さ せ て ， 1 9 90 年 に 創 立 ． 従 業 員 は 9 1 名 ．
・ 年間 4 千件の分析を行っている．
・ 材料系・物理系の人材を採用している．
（ 3 ）講 義「 品 質 問 題 を 解 決 す る た め の 材 料 分 析 の ポ イ ン ト 」
（ 1 0 :0 5 ～ 1 2 :05 ，阿 久 津 ）
・ 品質問題解決のための材料分析は，あくまでも手段の 1 つである．
・ 従 っ て ，解 析 プ ロ セ ス に 沿 っ て 進 め る こ と が 重 要 ．但 し ，そ の よ う に 進 め る こ と が
できず，結論まで行き着かないことも多々ある．
・ し か し ，得 ら れ た デ ー タ は ，事 実 と し て 必 ず 有 効 で あ る ．そ の 場 合 ，ス タ ー ト に 戻
り，現象の背景，得られた情報を再整理することにより，事実が必ず見えてくる．
・ 不 具 合 解 析 の 重 要 な ポ イ ン ト は ス ピ ー ド で あ る ．そ の た め に 次 の 3 ス テ ッ プ が 必 須
となる．仮説の構築→試料の確保→最適な測定手法の選択．
（ 4 ） 講 義 「 天 然 ゴ ム の 機 械 的 特 性 と 工 業 製 品 へ の 応 用 」（ 1 3 :05 ～ 1 5 :1 5， 佐 藤 （ 上 智
大 ））
・ 機械的特性として，弾性，粘弾性，ペイン効果，変形を取り上げた．
・ 工 業 製 品 と し て ，自 動 車 お よ び 航 空 機 用 の タ イ ヤ ，建 築 物 の 耐 震 装 置 を 取 り 上 げ た ．
・ な お ，佐 藤 教 授 の 研 究 室 で 使 わ な く な っ た 実 験 機 器 を イ ン ド ネ シ ア 側 に 無 償 で 譲 る
こ と が 可 能 と の こ と ．輸 送 費 は イ ン ド ネ シ ア 側 に 負 担 し て も ら う こ と に な る が ，興
味があれば連絡して欲しい．
（ 5 ） 講 義 「 高 分 子 材 料 の 破 損 解 析 － 破 面 解 析 と 組 織 解 析 － 」（ 1 5 :3 0 ～ 1 7 :00 ， 和 泉 ）
・ 破損の原因は，材料・成形・使用における問題であり，これらが単一あるいは複
合的に影響する．
・ 破面解析が重要である理由は，現場（事故・破壊）に残された唯一の物的証拠で
あるから．
・ 破 面 解 析 で は ，次 の 5 点 が 明 ら か に な る ．破 壊 起 点 ，破 壊 進 展 経 路 ，破 壊 モ ー ド ，
延性／脆性，環境効果．
・ 高分子材料における破壊様式と破面形態には，それぞれ特徴がある．
・ 成形加工における樹脂流れを可視化するオリジナル技術として，日産アークでは
N -ARC （ Ne w A n al ysi s o f R e si n （ Ru b b e r） C r os s s e c ti o n） 法 を 開 発 し て き た ．
・ N -AR C 法 で は ， 成 形 品 全 体 断 面 の マ ク ロ ・ ミ ク ロ な 形 態 観 察 や ， 強 化 繊 維 ・ 充 填
- 52 -
剤等の異種複合材も可能である．
・ 今では適応可能な樹脂種とゴム種は数多くあるが，ポリアミドを振り出しに，1
つ ず つ 応 用 で き る 材 料 を 20 年 か け て 増 や し て き た ．
・ ち な み に ， 今 回 の 実 習 で は ， N -AR C 法 に と っ て 非 常 に 重 要 な 研 磨 技 術 を 取 り 上 げ
る ． N -A RC 法 に 関 連 す る ノ ウ ハ ウ を 外 部 に 出 す の は こ れ ま で の 2 0 年 の 歴 史 の 中
で初めてのことである．
（ 6 ） 講 義 「 ゴ ム ・ 樹 脂 の 劣 化 解 析 」（ 1 7 :10 ～ 1 8 :0 5 ， 石 川 ）
・ 「 劣 化 」 と は ， 性 能 ･品 質 が 低 下 し て 以 前 よ り 劣 っ て い る こ と ． 例 え ば ， 硬 く な っ
た ， 脆 く な っ た ， 色 が 変 わ っ た ， 味 ･匂 い が 変 わ っ た な ど ． 劣 化 は ベ ー ス か ら の 変
化であるので，新品は解析上非常に重要．
・ 劣化は分子構造の変化を伴うため，観測および評価が可能．
・ 劣化位置を先ず明確にすることが重要．
（ a） 阿 久 津 氏 の 講 義
（ b） 佐 藤 教 授 の 講 義
（ c） 和 泉 氏 の 講 義
（ d） 石 川 氏 の 講 義
- 53 -
（ e） 講 義 中 の 様 子
図 4 .2
日 産 ア ー ク で の 研 修 （ 1 0 月 16 日 ）
〔 3 〕 日 産 ア ー ク 研 修 （ 2 日 目 ） ～ 破 面 解 析 お よ び N -ARC 法 の 実 習
日 時 ： 2 01 2 年 1 0 月 1 7 日 （ 水 ）， 9 :0 0 ～ 17 :4 0
場所：日産アーク 1 階解析室，4 階会議室
出 席 ： 研 修 員 7 名 ，和 泉 ・ 姫 野 ・ 米 田 ・ 阿 久 津（ 日 産 ア ー ク ），鈴 木（ J A R I ）， I n d r a ・
落合俊偉（通訳）
資料：無し
内容：
（ 1 ） 破 面 解 析 お よ び N -AR C 法 の 実 習 （ 9 :0 0 ～ 1 2 :0 0， 1 3 :0 0～ 1 6 :3 0 ， 和 泉 ・ 姫 野 ）
・ グ ル ー プ A（ R a c h mat，He n r y，Lu si a na ，鈴 木 ）と グ ル ー プ B（ P a r ya n to ，I r fan ，
Tul u s， And r e as ） に 分 か れ ， 午 前 は グ ル ー プ A が N -A RC 法 を ， グ ル ー プ B が 破
面解析を実習した．午後はグループを入れ替えて午前と同様の実習を行った．
・ 指 導 は ， 破 面 解 析 を 和 泉 氏 （ 通 訳 ： I nd ra 氏 ） が ， N -AR C 法 を 姫 野 氏 （ 通 訳 ： 落
合氏）が担当した．米田氏と阿久津氏は写真撮影や実習のサポートを行った．
・ N -AR C 法 に つ い て は 2 0 年 間 の 歴 史 の 中 で 初 め て ，今 回 ノ ウ ハ ウ の 一 部 を 外 部 に 公
開した．
・ 実習内容については守秘義務のため記載は不可である．
（ 2 ） 質 疑 応 答 （ 1 6 :30 ～ 1 7 :4 0 ， 米 田 ， 阿 久 津 ）
・ 明日以降のスケジュール確認の後，本日の実習に関する質疑応答が行われた．
- 54 -
（ a） グ ル ー プ A
図 4 .3
（ b） グ ル ー プ B
日 産 ア ー ク で の 研 修 （ 1 0 月 17 日 ）
〔 4〕 日 産 ア ー ク 研 修 （ 3 日 目 ） ～ 試 料 前 処 理 お よ び 劣 化 分 析 の 実 習
日 時 ： 2 01 2 年 1 0 月 1 8 日 （ 木 ）， 9 :0 0 ～ 17 :1 5
場所：日産アーク 2 階解析室，4 階会議室
出 席：研 修 員 7 名 ，長 谷 川・石 川・米 田・阿 久 津（ 日 産 ア ー ク ），鈴 木（ JA RI ），I n d r a ・
落合（通訳）
資料：無し
内容：
（ 1 ）試 料 前 処 理 お よ び 劣 化 分 析 の 実 習（ 9:0 0 ～ 1 2 :0 0 ，13 :0 0 ～ 1 6 :3 0 ，長 谷 川 ・ 石 川 ）
・ 昨 日 と 同 様 ，グ ル ー プ A（ R a c h ma t，He n r y，L u si a na ，鈴 木 ）と グ ル ー プ B（ Pa r ya n to ，
I r fa n ， Tu lu s ， An d r ea s ） に 分 か れ ， 午 前 は グ ル ー プ A が 試 料 前 処 理 を ， グ ル ー プ
B が 劣 化 分 析 を 実 習 し た ．午 後 は グ ル ー プ を 入 れ 替 え て 午 前 と 同 様 の 実 習 を 行 っ た ．
・ 指 導 は ，試 料 前 処 理 を 石 川 氏（ 通 訳：落 合 氏 ）が ，劣 化 分 析 を 長 谷 川 氏（ 通 訳：I nd ra
氏）が担当した．米田氏と阿久津氏は写真撮影や実習のサポートを行った．
・ 実習内容については守秘義務のため記載は不可である．
（ 2 ） 質 疑 応 答 （ 1 6 :30 ～ 1 7 :1 5 ， 米 田 ， 阿 久 津 ）
・ 明日のスケジュール確認の後，本日の実習に関する質疑応答が行われた．
- 55 -
（ a） グ ル ー プ A
図 4 .4
（ b） グ ル ー プ B
日 産 ア ー ク で の 研 修 （ 1 0 月 18 日 ）
〔 5〕 日 産 ア ー ク 研 修 （ 4 日 目 ） ～ 設 備 見 学 ， 講 義
日 時 ： 2 01 2 年 1 0 月 1 9 日 （ 金 ）， 9 :0 0 ～ 15 :3 0
場所：日産アーク 1 階，2 階，5 階解析室，4 階会議室
出 席 ： 研 修 員 7 名 ， 米 田 ・ 阿 久 津 ・ 志 智 雄 之 （ 技 術 営 業 部 主 管 ）（ 日 産 ア ー ク ）， 鈴 木
（ J AR I ）， In d ra （ 通 訳 ）
資料：講義資料（最後に 4 日間の資料と写真を電子データで研修員に渡した）
内容：
（ 1 ） 設 備 見 学 （ 9 :0 0～ 1 0 :3 0 ， 志 智 ）
・ 志智氏の案内で，2 日間の実習で扱わなかった設備を見学した．
（ 2 ） 質 疑 応 答 （ 1 0 :30 ～ 1 2 :0 0 ， 米 田 ， 阿 久 津 ）
・ 2 日間の実習および本日の設備見学に関する質疑応答を行った．
（ 3 ）講 義「 イ ン ド ネ シ ア か ら の サ ン プ ル の 分 析 結 果 に つ い て 」
（ 1 3 :0 0 ～ 1 5 :15 ，和 泉 ，
石川）
・ 前年度の技術支援において試験片を対象にクロスチェック試験を行った．本年度
は イ ン ド ネ シ ア の 市 場 に 実 際 に あ る 不 具 合 品（ ス プ ー ル と LPG ホ ー ス ）を 対 象 に ，
クロスチェック試験（破損解析および劣化分析）を行い，その結果を訪日研修で
比較した．
・ 日産アークの方がより詳細に分析しているものの，全体的にはインドネシアでの
分析結果は日産アークのものと一致した．
- 56 -
（ a） 設 備 見 学
図 4 .5
（ b） 講 義
日 産 ア ー ク で の 研 修 （ 1 0 月 19 日 ）
〔 6〕 堀 場 製 作 所 視 察
日 時 ： 2 01 2 年 1 0 月 2 2 日 （ 月 ）， 9 :3 0 ～ 11 :4 5
場所：堀場製作所
出 席 ： 研 修 員 7 名 ， 周 妙 鳳 （ 営 業 本 部 海 外 営 業 部 ）， Yo gi e P er ma n a （ 同 ）， 霞 上 さ お
り （ 営 業 本 部 ）， 大 野 あ ゆ み （ 同 ）， 鈴 木 （ J AR I ）， I nd r a（ 通 訳 ）
資料：会社紹介パンフレット，製品カタログ，プレゼン資料
内容：
（ 1 ） 会 社 紹 介 （ 9 :3 0～ 1 0 :0 0 ， 周 ， Yo gi e）
・ DV D に よ る 会 社 紹 介 の 後 ， ア ジ ア （ 特 に イ ン ド ネ シ ア ） に お け る 事 業 展 開 に つ い
てプレゼンが行われた．
（ 2 ） 工 場 視 察 （ 1 0 :00 ～ 1 0 :5 0 ， 霞 上 ）
・ 生活環境・公害用機器部門で，煙道排ガス分析装置および大気汚染ガス分析装置
の最終組立現場と検査現場を視察．
・ 汎用分析・計測機器部門で，各種コンパクト水質計の組立現場を視察．
・ 各製品に使用される基板製造現場を視察．
（ 3 ） 分 析 セ ン タ ー 視 察 （ 1 0 :5 0～ 11 :4 5 ， 大 野 ）
・ X 線分析顕微鏡のブースを中心に視察．測定デモの後，一部の研修員は操作を体
験．
・ そ の 他 ， pH 計 ， 放 射 温 度 計 ， 粒 子 分 析 計 の 説 明 も 受 け た ．
- 57 -
（ a） 分 析 セ ン タ ー の 視 察
図 4 .6
（ b） 集 合 写 真
堀場製作所の視察
〔 7〕 島 津 製 作 所 視 察
日 時 ： 2 01 2 年 1 0 月 2 2 日 （ 月 ）， 1 3 :0 0 ～ 1 6 :0 0
場所：島津製作所
出席：研修員 7 名，長谷川忠（分析計測事業部応用技術部京都アプリケーション開発
セ ン タ ー セ ン タ ー 長 ）， 土 井 彰 一 （ 同 営 業 統 括 部 試 験 器 担 当 ）， 徳 永 有 作 （ 海 外
事 業 開 発 部 企 画 管 理 課 主 任 ）， 西 川 江 美 （ 同 部 同 課 ）， 金 子 耕 平 （ 同 部 分 析 計 測
ユ ニ ッ ト ア ジ ア グ ル ー プ ）， 鈴 木 （ JAR I ）， I nd r a （ 通 訳 ）
資料：会社紹介パンフレット，プレゼン資料
内容：
（ 1 ） 会 社 紹 介 （ 1 3 :00 ～ 1 4 :1 5 ， 長 谷 川 ， 土 井 ， 金 子 ）
・ 長谷川氏より会社紹介．
・ 土井氏より自動車関連の試験機紹介．
・ 金子氏よりインドネシアにおける販売体制紹介．
（ 2 ） 工 場 視 察 （ 1 4 :15 ～ 1 5 :0 0 ， 西 川 ， 徳 永 ， 金 子 ）
・ 紫外可視近赤外分光光度計，走査型プローブ顕微鏡などの組立現場を視察．
・ 液 体 ク ロ マ ト グ ラ フ 質 量 分 析 計 の 組 立 現 場 で は ，「 5 S （ 整 理 ， 整 頓 ， 清 掃 ， 清 潔 ，
躾 ） 3 定 （ 定 位 ・ 定 品 ・ 定 量 ）」 の 説 明 が あ り ， 品 質 向 上 に 関 す る 知 見 も 得 た ．
（ 3 ） ア プ リ ケ ー シ ョ ン 開 発 セ ン タ ー の 視 察 （ 1 5 :0 0～ 1 6 :0 0 ， 徳 永 ， 金 子 ）
・ X 線による非破壊検査のデモを見た．
・ 最 新 の フ ー リ エ 変 換 赤 外 分 光 光 度 計 ，ガ ス ク ロ マ ト グ ラ フ 質 量 分 析 計 な ど の 機 器 に
ついても説明を受けた．
- 58 -
a） ア プ リ ケ ー シ ョ ン 開 発 セ ン タ ー の 視 察
図 4 .7
（ b） 集 合 写 真
島津製作所の視察
〔 8〕 産 業 技 術 記 念 館 視 察
日 時 ： 2 01 2 年 1 0 月 2 3 日 （ 火 ）， 9 :4 5 ～ 12 :1 5
場所：産業技術記念館
出 席 ： 研 修 員 7 名 ， 鈴 木 （ JAR I ）， I nd r a（ 通 訳 ）
資料：無し
内容：
・ 繊 維 機 械 館 お よ び 自 動 車 館 に お い て ，日 本 の 工 業 技 術 の 変 遷 ，特 に 自 動 車 の 開 発 技
術や生産技術の変遷について知見を深めた．
（ a） 展 示 場 入 口
（ b） 自 動 車 館
- 59 -
図 4.8
産業技術記念館
〔 9〕 イ イ ダ 産 業 視 察
日 時 ： 2012 年 10 月 23 日 （ 火 ）， 14:00～ 16:30
場所：イイダ産業
出 席 ： 研 修 員 7 名 ， 佐 藤 暢 也 （ 技 術 部 ）， 児 玉 基 晴 （ 総 務 部 部 長 ）， 田 中 克 典 （ 総 務 部
課 長 ）， 鈴 木 （ JARI）， Indra（ 通 訳 ）
資料：会社紹介パンフレット，製品サンプル（耐震ジェル等）
内容：
（ 1） 会 社 紹 介 （ 14:00～ 15:15， 佐 藤 ， 田 中 ）
・ 佐藤氏からの挨拶の後，田中氏から会社紹介が行われた．
・ インドネシアで提携している会社と新製品の開発計画がある．
（ 2） 工 場 視 察 （ 15:15～ 16:10， 佐 藤 ， 田 中 ）
・ 第 2 工場において，ゴムの混練現場を視察．
・ 第 1 工場において，シーリング材の成形，防音材等の梱包，防音マットの発泡炉
焼工程等を視察．
（ 3） 質 疑 応 答 （ 16:10～ 16:30， 佐 藤 ， 田 中 ）
・ イイダ産業への質問のほか，上述のようにイイダ産業がインドネシアの企業と製
品 開 発 を 計 画 し て い る こ と も あ り ，現 地 の ゴ ム 産 業 の 現 況 な ど に 関 し て IRRI と 情
報交換が行われた．
（ a） 佐 藤 氏 の 挨 拶
（ b） 集 合 写 真
図 4.9
イイダ産業の視察
〔 10〕 総 括 ， 修 了 証 授 与
日 時 ： 2012 年 10 月 24 日 （ 水 ）， 13:30～ 15:30
- 60 -
場 所 ： JARI 東 京 事 務 所 監 事 室
出 席 ： 研 修 員 7 名 ， 船 崎 ・ 鈴 木 （ JARI）， Indra（ 通 訳 ）
資料：修了証
内容：
（ 1） 研 修 へ の 意 見 ， 総 括
・ 日 程 が タ イ ト で 大 変 だ っ た が ，内 容 の 濃 い 研 修 で あ り ，計 画 し た JARI と 日 産 ア ー
クに大いに感謝する．
・ 日尼のギャップを感じ，まだまだ学ぶことが多い．
・ 尼機関（ポリマーセンター，ゴムセンター，工業製品センター）同士の協力を進
めたい．
・ 日本との関係をより密にしたいので，今後も支援を期待する．
（ 2） 研 修 修 了 証 の 授 与
・ 招聘の研修員 6 名，自費参加の研修員 1 名に対して，船崎主管より研修修了証を
授与し，訪日研修の全日程が終了した．
4.1.3
事後アンケート
訪 日 終 了 後 に ア ン ケ ー ト を 実 施 し た と こ ろ 7 名 中 5 名 か ら 回 答 を 得 た ．全 体 の 満 足
度は 7 段階中，6 が 3 人，5 が 2 人と昨年度と同様に高い評価であった．講義も実習
も も っ と 時 間 が 欲 し い ほ ど 内 容 が 充 実 し て い た と の コ メ ン ト が 多 か っ た ．測 定 機 器 メ ー
カー等の視察については，研修員によって興味がある分野が異なるため，講義や実習
と 比 べ て 票 が 割 れ た も の の ，全 体 的 に は 7 段 階 中 の 5 程 度 で あ り ，こ の よ う な 情 報 収
集も必要とのコメントが見られた．
4.2
4.2.1
活動のまとめ
事業の目的
MOI は 豊 富 な 天 然 資 源（ 天 然 ゴ ム ， 天 然 繊 維 ）や 石 油 を 活 か し ， プ ラ ス チ ッ ク ・ ゴ
ム 製 品 の 研 究 開 発（ R＆ D）の 能 力 を 高 め た い 意 向 で あ る ． 既 に プ ラ ス チ ッ ク は ポ リ マ
ー 技 術 セ ン タ ー STP（ Serpong）， 天 然 ゴ ム は ゴ ム 研 究 所（ Bogor）， 製 品 に つ い て は
材 料 ・ 工 業 製 品 セ ン タ ー B4T（ Bandung）が 試 験 ま た は 研 究 を 担 当 し て い る こ と か ら ，
こ れ ら の 試 験 ・ 研 究 機 関 の R&D 機 能 強 化 を 進 め る こ と が 日 尼 間 で 合 意 さ れ て い る ．
最終目標は，材料・製品の強度試験や組織分析など材料・製品評価を高い技術レベル
で実施できること，そのデータを活かして製品不具合の原因究明・問題解決の能力・
ノ ウ ハ ウ を 身 に 付 け ， 企 業 の R&D に 貢 献 す る こ と に あ る ．
4.2.2
今年度の活動
上 記 の 3 機 関 （ STP， BPTK， B4T） を 対 象 に ， 昨 年 度 に 引 き 続 き 訪 日 研 修 を 行 っ
- 61 -
た．講義だけではなく，インドネシア国内で実際に発生した製品不具合を題材に実習
を行い，分析技術レベルの向上を図った．また，技術的な内容だけでなく，試験業務
のマネジメントについても研修を行った．さらに，測定機器メーカーや材料メーカー
等の視察を通じて，最先端の測定技術等の情報収集を行った．
- 62 -
5.
EPA 事 業 の 総 括
今 年 度 で WG3 活 動 は 終 了 す る 予 定 で あ る こ と か ら ， こ こ で は ， 今 ま で の 活 動 内 容
をまとめ，課題を抽出し，日尼国双方が得られた成果を明確にする．
ま ず ， 過 去 6 年 間 の WG3 活 動 経 緯 の 全 体 概 要 （ 表 5.1） を 示 す ．
・ 2007 年 度 （ 日 尼 EPA 発 効 前 ） は ， ま ず ， 尼 側 の 要 望 ， 設 備 状 況 ， 人 的 資 源 な ど
を把握し，各機関との連携も考慮した適切な技術協力の内容を検討することを目
的 に ， 予 備 的 な 実 施 可 能 性 調 査 （ FS） を 行 い ， 尼 側 と 協 議 し た 結 果 ， 日 側 か ら 5
項目（大気質改善等，既存燃料品質分析，代替燃料利用，騒音試験，プラスチッ
ク ・ ゴ ム R&D） の 技 術 協 力 を 提 案 し た ．
・ 2008 年 度 は ，日 尼 EPA 発 効 後 ，再 度 ，FS を 行 い 上 記 の 5 項 目 を 確 認 し ，尼 側 か
ら 新 た な 要 望 の あ っ た 安 全 に 係 る UNECE 規 則 の 試 験 実 施 に 向 け た 技 術 協 力 を 加
え，最終的に全 6 項目で合意した．
・ 2009～ 2012 年 度 は ，適 宜 ，尼 側 と 協 議 し な が ら ，具 体 的 な 技 術 協 力 事 業（ 専 門 家
派遣，訪日研修，現地研修等のミッション派遣）を実施した．
・ ま た ， 毎 年 ， WG3 に お い て ， 実 施 項 目 に つ い て R&D 協 力 の 進 捗 を 適 宜 報 告 し ，
R&D 機 能 強 化 を 確 認 し つ つ ， 事 業 の 継 続 性 や 方 向 性 に 協 議 し て き た ．
表 5.1
項目
日 尼 EPA 事 業 に お け る WG3 活 動 経 緯 の 全 体 概 要
2007年度 2008年度
2009年度
2010年度
1．大気質改善
および燃費改善
・技術研修（日本）
・ジャカルタ路上走行試験
（代表走行サイクル）
・CHDY試験（GV）
・技術研修（日本）
・ジャカルタ交通調査
（交通量，旅行速度）
・CHDY試験（GV, DV, MC）
2．既存燃料
品質分析
・市場モニタリングの討議
・簡易的な市場モニタリング
を提案
⇒ 終了
3．代替燃料利用
予備FS
FS
5項目
提案
6項目
合意
・技術研修（日本）
・ISO試験路面建設の
専門家派遣
・技術研修（尼国）
・ISO試験路面建設の
専門家派遣
⇒ 終了
5．プラスチック・
ゴムR&D
・専門家派遣と
タイヤR&Dセミナー
⇒ BtBで コンサル継続中
・専門家派遣とFS
6．部品安全試験
（UNECE）
・専門家派遣とFS
⇒ 協議によりWG2へ移管
WG3 2回
全体会議
WG3 3回
全体会議
2012年度
・技術研修（日本）
・天然ガス利用に焦点
・現地調査とワークショッ
・圧縮天然ガス自動車CNGVの ・現地調査とワークショッ
（バイオ燃料はERIA事業で実
プ開催（CNGVの安全，
安全性に焦点
プ開催（CNGVの安全）
施中）
改造・整備）
⇒ 終了
4．騒音試験
（UNECE)
WG3会議，合同
会議，全体会議
2011年度
・技術研修（日本）
・データ解析・まとめ
・ワークショップ開催
（大気質・燃費改善）
⇒ 終了
WG3会議 3回，
WG2/WG3合同会議，
全体会議
WG3会議 3回，
WG2/WG3合同会議
・専門家派遣と
クロスチェック試験
・技術研修（日本）
WG3会議 4回，
WG2/WG3合同会議
・技術研修（日本）
⇒ 終了
WG3会議 2回
以下，各実施項目について，背景，目的，内容，成果，課題をまとめる．
- 63 -
5.1
大気質改善および燃費改善
（背景）
自動車由来の大気汚染物質の削減については，新車の排出ガス規制強化，使用過程
車の改良，低公害車の普及と推進，燃料品質の向上，交通流の改善など各施策につい
て，費用対効果や社会的影響を見極めながら進めていく必要がある．また，排出ガス
低減と燃費向上はトレードオフの関係もあり，大気質改善と省エネルギー・温暖化対
策は総合的に検討する必要もある．このような費用対効果を評価するためには，排出
の実態を解明し，大気質悪化の寄与度を推計することから始める必要があり，データ
取得と解析の能力向上，および実施の仕組みづくりが望まれる．
（目的）
大気質改善および燃費改善に必要な各種データを整備することは多大な時間と費用
が 必 要 と さ れ る が ，そ の 事 業 は 尼 国 各 省 庁（ 工 業 省 MOI，環 境 省 MOE，運 輸 省 MOT，
技 術 評 価 応 用 庁 BPPT 等 ）が 分 担 し て 進 め る こ と が 原 則 で あ る ．本 事 業 で は ，最 低 限
必要なデータの収集方法を研修において習得し実地計測することにより，自国で各種
データを整備できるように方向付けを行うことを目的とする．
（内容）
2009 年 度 は ，実 走 行 サ イ ク ル に よ る 排 出 ガ ス 原 単 位 の 整 備 を 目 標 に ，① 路 上 走 行 試
験 デ ー タ の 収 集 と 解 析 ，② 実 走 行 サ イ ク ル に よ る シ ャ シ ー ダ イ ナ モ メ ー タ ー（ CHDY）
試験，について技術研修を行った．
2010 年 度 は ，沿 道 の 自 動 車 排 出 ガ ス 量 を 推 計 す る こ と を 目 的 に ，① 典 型 的 な 幹 線 道
路 の 交 通 調 査 （ 交 通 量 ， 旅 行 速 度 の 測 定 ）， ② 車 種 別 ・ 排 出 ガ ス 規 制 別 （ ガ ソ リ ン 車 ，
天 然 ガ ス 車 ， デ ィ ー ゼ ル 車 ， 二 輪 車 ） の CHDY 試 験 に つ い て 技 術 研 修 を 行 っ た ．
2011 年 度 は 前 述 の デ ー タ を も と に ，大 気 質 改 善 に 向 け た 施 策 を 評 価 す る た め の 技 術
研修を 実施 し ，最 後に 3 年間の活 動の 成果 報 告，およ び大 気質 改善・燃 費改 善を テー
マにしたワークショップをジャカルタにおいて開催した．
な お ，本 事 業 に 参 加 し た 尼 側 機 関 は ，MOI，MOE，エ ン ジ ン セ ン タ ー BTMP（ BPPT
傘 下 ，路 上 走 行 試 験 と四 輪 車 の CHDY 試 験 担 当 ），自 動 車 型 式 認 証 センター VTCC（ MOT
傘 下 ， 二 輪 車 の CHDY 試 験 担 当 ） で あ る ．
（成果）
路 上 走 行 試 験 や 実 走 行 サ イ ク ル に よ る CHDY 試 験 に 関 す る 技 術 は ， BTMP に 定 着
し ，別 事 業（ 2011 年 度 東 ア ジ ア 省 エ ネ ル ギ ー 推 進 研 究 事 業 ）に お け る 実 走 行 燃 費 調 査
や CHDY 試 験 デ ー タ の 追 加 収 集 な ど 日 尼 間 の 共 同 研 究 体 制 に つ な が っ た ．ま た ，VTCC
に つ い て も ，従 来 の 認 証 試 験 だ け で な く ，実 走 行 サ イ ク ル に よ る CHDY 試 験 が 可 能 に
なり，技術の応用範囲が広がった．
MOE は ，自 国 予 算 に よ る 45 都 市 の 大 気 質 と 燃 料 性 状 の モ ニ タ リ ン グ お よ び 交 通 調
査 を 2012 年 か ら 開 始 し て お り ， 本 研 修 内 容 の 一 部 で は あ る が ， 平 均 速 度 の 計 測 な ど
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従来方法の改善に貢献している．
（課題）
上 記 のよ う にデ ー タ収 集 や 解 析 の技 術 は 定 着 した が ，尼 側 の 政 策 と 予 算 に基 づく デ ー
タ整備事業の系統的かつ継続的な実施の仕組みは未だできていない．そのためには，
尼 国 の 中 で ，事 業 を 主 導 す る 省 庁 を 定 め ，関 係 省 庁（ MOI，MOE，MOT，BPPT 等 ），
試 験 ・ 研 究 機 関 （ BTMP， VTCC， MOE 傘 下 の 環 境 研 究 所 PUSARPEDAL 等 ）， お よ
び 自 動 車 業 界 （ 自 動 車 工 業 会 GAIKINDO， 二 輪 車 工 業 会 AISI） の 間 で 協 議 を 進 め る
ことが必要と考える．
5.2
既存燃料品質分析
（背景）
大気質改善には自動車の排出ガス規制の強化が有効である．しかし，排出ガス低減
技術（例，触媒による後処理）の効果は燃料品質（例えば，硫黄分）の影響を大きく
受ける．すなわち，排出ガス規制と燃料品質規格は一体で強化する必要がある．しか
し，石油業界は供給時点での品質確認は行えるが，流通段階および車両への供給段階
と い っ た 市 場 に お け る 確 認・遵 守・是 正 を 担 保 す る 仕 組 み ，い わ ゆ る ， 燃 料 品 質 確 保
制 度 （ FQMS:Fuel Quality Management System） が 尼 国 で は 必 ず し も 有 効 に 働 い て
い る と は 言 え な い ． FQMS を 構 築 す る た め に は ， ま ず ， 消 費 者 側 （ 例 え ば ， MOE や
GAIKINDO） に よ る 燃 料 品 質 の 市 場 モ ニ タ リ ン グ を 定 着 さ せ る 必 要 が あ る ．
（目的）
既存燃料品質の市場モニタリングが定着する仕組みをつくることを目標に，関係者
間で具体的な活動内容について意見交換する．
（内容）
2009 年 度 と 2010 年 度 に ， WG3， MOE， PUSARPEDAL と 燃 料 品 質 の モ ニ タ リ ン
グ に つ い て 意 見 交 換 し ，尼 国 に お け る モ ニ タ リ ン グ の 実 態 ，次 期 排 出 ガ ス 規 制（ Euro4，
2016 年 の 導 入 が 目 標 ） と 燃 料 品 質 向 上 の 計 画 （ 硫 黄 分 50ppm 以 下 に つ い て 把 握 し ，
継続可能な簡易的なモニタリングを提案した．
（成果）
既存燃料（ガソリン，軽油）について，実施かつ継続可能な必要最小限のモニタリ
ング項目（硫黄分等）を提案した．
（課題）
Euro4 導 入 予 定 の 2016 年 前 後 に ， 大 規 模 な 市 場 モ ニ タ リ ン グ を 行 う か 検 討 す る 必
要がある．
5.3
代替燃料利用
（背景）
- 65 -
尼 国 は 2004 年 か ら 石 油 の 純 輸 入 国 に な り ， 近 年 の 石 油 価 格 高 騰 を 背 景 に ， 豊 富 な
国 産 天 然 ガ ス を 利 用 し た 圧 縮 天 然 ガ ス 自 動 車 （ CNGV） の 普 及 を 国 策 に し て い る ． 尼
国 に と っ て ，NGV 導 入 の 利 点 に は ，自 動 車 燃 料 の 多 様 化 に よ る エ ネ ル ギ ー セ キ ュ リ テ ィ
対策，石油系燃料の補助金削除，排出ガス低減による大気質改善などが挙げられる．
し か し ， CNGV は 20MPa の 高 圧 容 器 や 各 種 部 品 を 用 い る に も 関 わ ら ず ， 安 全 基 準 お
よ び そ の 基 準 を 遵 守 す る 仕 組 み が 十 分 に 整 備 さ れ て い る と は 言 え な い ．例 え ば ，CNG
バスの輸入元の韓国では高圧容器の破裂事故が報告されているが，尼側への情報展開
は ほ と ん ど な く ， 2011 年 10 月 に は 実 際 に ジ ャ カ ル タ の CNG ス タ ン ド に お い て 破 裂
事故が発生している．さらに，尼国では天然ガス中の硫化水素や水分は腐食を促進す
るため，天然ガス品質の規格化が検討されているが，その規格を遵守するための仕組
む（例えば，市場モニタリング）も重要である．
なお，当初，技術協力が検討されたバイオ燃料（特にバイオディーゼル燃料）につ
い て は ，東 ア ジ ア・ASEAN 経 済 研 究 セ ン タ ー（ ERIA：Economic Research Institute
for ASEAN and East Asia） 事 業 に お い て ， 産 業 技 術 総 合 研 究 所 が 東 ア ジ ア ・ ア セ ア
ン 諸 国 と 協 議 し ，各 種 原 料 を 考 慮 し た BDF 品 質 規 格（ EEBS：EAS（ EastAsia Summit）
-ERIA BDF Standard 2008 年 版 ） を 定 め ， ハ ン ド ブ ッ ク （ 2010 年 版 ） も 公 開 さ れ て
いることから，日尼合意の下，本事業ではバイオ燃料を対象外とした．
（目的）
CNGV の 安 全 基 準 を 理 解 し 遵 守 さ れ る 仕 組 み を つ く る た め に ，安 全 基 準 の 情 報 を 提
供 し ， CNGV へ の 改 造 ・ 整 備 に 関 す る 技 術 の 定 着 を 図 る ．
（内容）
2010 年 度 に ， WG3 等 の 会 議 や 大 気 質 改 善 等 に 関 す る 訪 日 研 修 に お け る 日 尼 間 の 情
報 交 換 に よ り ， CNGV の 安 全 問 題 が 焦 点 と な っ た ．
2011 年 度 は ， 日 本 か ら の 専 門 家 派 遣 に よ る 現 地 視 察 と CNGV の 安 全 に 関 す る ワ ー
クショップを開催し，相互の理解が進んだ．
2012 年 度 は ， CNGV へ の 改 造 ・ 整 備 技 術 の 定 着 を 目 的 に ， 訪 日 研 修 ， 尼 国 へ の 専
門家派遣およびワークショップを実施した．
（成果）
CNGV に 係 る 安 全 基 準 や 遵 守 の 仕 組 み に つ い て ， MOI， MOT， GAIKINDO， バ ス
会 社 ，CNG ス タ ン ド 会 社 お よ び 関 係 試 験・ 研 究 機 関（ BTMP，VTCC 等 ）と 情 報 交 換
し，高圧容器保護の不備，高圧容器取り外しによる検査の妥当性，安全情報の欠落，
CNG 品 質 の 改 善 な ど 尼 国 の 課 題 が 明 ら か に な っ た ． ま た ， 尼 国 の CNGV 改 造 業 者 へ
の視察とワークショップを通じて，安全変換キット取付現場の現状を把握し，高圧容
器の取付位置や整備について改善点を提示した．
（課題）
今後，得られた知見を基に，安心・安全な利用環境の整備に向けたロードマップを
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検討することが重要である．そのためには，需給予測，ガス供給体制との整合性，ガ
ス燃料品質確保，部品・車両試験と評価，保守体制，人材育成等，および今後の活動
体 制 に つ い て ，関 係 省 庁 ・ 諸 機 関 で あ る ，MOI（ 部 品 安 全 ），MOT（ 車 両 安 全 ），エ ネ
ル ギ ー 鉱 物 資 源 省 ESDM（ ガ ス 燃 料 品 質 ）， 試 験 ・ 研 究 機 関 （ 工 業 製 品 セ ン タ ー B4T,
強 度 試 験 セ ン タ ー B2TKS,エ ン ジ ン セ ン タ ー BTMP 等 ）， 業 界 （ 自 工 会 GAIKINDO,部
工 会 GIAMM， 改 造 業 者 ） が 協 議 す る こ と が 必 要 で あ る ．
5.4
騒音試験
（背景）
1958 協 定 （ 1958 agreement） に 加 盟 し ECE 規 則 を 採 用 す る と ， 相 互 認 証 制 度
（ MRA： Mutual Recognition of Approvals） が 利 用 で き る こ と か ら ， 審 査 ・ 承 認 や
部 品 開 発・管 理 な ど の 効 率 化 が 進 み ，自 動 車 の 品 質 向 上 や 価 格 低 減 に つ な が る ．一 方 ，
加 盟 国 は 採 用 し た ECE 規 則 ご と に 認 証 機 関 （ Technical Service） を 指 定 し ， 政 府 が
その認証機関の技能やデータの信頼性を保障しなければならない．すなわち，相互認
証 を 実 現 す る た め に は ，1958 年 協 定 加 盟 国 の 認 証 機 関 と 同 等 の 試 験 デ ー タ の 信 頼 性 を
確 保 す る こ と が 要 求 さ れ る ． こ の た め 尼 国 政 府 は 各 ECE 規 則 に 応 じ た 認 証 機 関 を 指
定 し ， そ の 認 証 機 関 は 技 能 の 向 上 を 図 る 必 要 が あ る ． 特 に 騒 音 に 関 し て 早 期 の ECE
規 則 導 入 を目 標 に 掲 げ て お り，そ れ ら規 則 導 入 に 向 けた 技 術 支 援 が 急 務 と なっ て い る．
ま た ， 騒 音 の ECE 規 則 導 入 に 備 え ， 2009 年 か ら VTCC（ 認 証 機 関 候 補 ） に お い て
騒 音 用 試 験 路 面 の 建 設 工 事 が 始 ま っ て い る ． 騒 音 の 路 面 は ISO10844 で 路 面 表 面 の 規
定 が 詳 細 に 定 め ら れ て お り ，施 工 段 階 に お い て ISO 路 面 施 工 実 績 の あ る 専 門 家 か ら の
助言や技術資料の提供が不可欠である．
（目的）
ECE 騒 音 規 則 の 認 証 機 関 を 目 指 し ， 自 動 車 騒 音 の 基 礎 的 な 知 識 ， ECE 騒 音 規 則 の
知 識 ，騒 音 試 験 の 実 技 を 習 得 す る ．ま た ，ISO 路 面 に 準 拠 し た ISO 騒 音 試 験 路 面 施 工
の技術的助言を行う．
（内容）
2009 年 度 は ，訪 日 研 修 を に お い て ，騒 音 試 験 法 を 理 解 し ，騒 音 試 験（ 乗 用 車 ，重 量
車 ， 二 輪 車 ） の 実 技 を 体 験 し た ． ま た ， 試 験 路 面 施 工 会 社 に 対 し て ， ISO 路 面 の 詳 細
規 定 （ ISO 10844） や 施 工 手 法 の 助 言 を 行 っ た ．
2010 年 度 は ，尼 国 へ の 専 門 家 派 遣 に よ り ，現 地 試 験 路 や 公 道 を 用 い て 大 型 車 ，乗 用
車 ， 二 輪 車 を 対 象 に ， 騒 音 試 験 の 実 技 研 修 を 実 施 し た ． ま た ， MOT， VTCC， 施 工 会
社 （ 前 年 度 と 別 会 社 ） に 対 し て ， 再 度 ， 施 工 手 法 の 助 言 を 行 い ， JARI-ISO 試 験 路 面
の 平 面 図 や ISO 適 合 の ア ス フ ァ ル ト 混 合 の 配 合 設 計 な ど の 資 料 を 提 供 し た ．な お ，尼
側は騒音試験だけでなくブレーキ試験など多目的使用を計画しており，スピンを考慮
し て 路 幅 は 40m 必 要 な こ と ，計 測 器 お よ び 冷 房 の 電 源 埋 設 工 事 の 必 要 性 な ど 試 験 を 想
- 67 -
定した助言も行った．
（成果）
関 係 省 庁（ MOT）や 試 験 機 関（ VTCC）に ，騒 音 試 験 方 法 や ISO 試 験 路 面 の 情 報 を
提供し，騒音試験の実技を行い，認証機関設立への準備が整った．
（課題）
試 験 路 面 施 工 段 階 で軟 弱 地 盤 の水 処 理 の問 題 が発 生 し，追 加 盛 土 工 事 が必 要 となり，
工 事 は 中 断 し た ．そ の 後 ，予 算 が 確 保 さ れ お ら ず ，未 だ に ISO 試 験 路 面 が 完 成 す る 目
処が立っていないため，実際に使用する計測器を用いた現地での測定という次の段階
に進めない状況である．
MOE 傘 下 の PUSARPEDAL は 道 路 交 通 騒 音 の 測 定 を 行 っ て お り ， 音 響 学 や 騒 音 計
測 に 詳 し い ． PUSARPEDAL の 協 力 を 得 て ， VTCC の 騒 音 試 験 の 技 術 レ ベ ル を 維 持 ・
向上させることも効果的と考える．
5.5
プ ラ ス チ ッ ク ・ ゴ ム の R&D
（背景）
MOI は 豊 富 な 天 然 資 源（ 天 然 ゴ ム ，天 然 繊 維 ）や 石 油 を 活 か し ，プ ラ ス チ ッ ク ・ ゴ
ム 製 品 の 研 究 開 発（ R&D）の 能 力 を 高 め ，輸 出 競 争 力 を 強 化 し た い 意 向 で あ る ．既 に
尼 国 で は ，プ ラ ス チ ッ ク は ポ リ マ ー 技 術 セ ン タ ー STP（ Serpong），天 然 ゴ ム は ゴ ム 技
術 セ ン タ ー BPTK（ Bogor），製 品 に つ い て は 材 料・工 業 製 品 セ ン タ ー B4T（ Bandung）
が 試 験 や 研 究 を 担 当 し て い る こ と か ら ， こ れ ら の 試 験 ・ 研 究 機 関 の R&D 機 能 強 化 を
進めることが日尼間で合意されている．具体的には，材料・製品の強度試験や組織分
析など材料・製品評価を高い技術レベルで実施できること，そのデータを活かして原
因 究 明 ・ 問 題 解 決 の 能 力 ・ ノ ウ ハ ウ を 身 に 付 け ， 企 業 の R&D に 貢 献 す る こ と が 期 待
される．
（目的）
既存の尼国機関において，プラスチック・ゴム製品に関する材料評価・解析および
原因究明・問題解決の能力向上を目的とする．
（内容）
2009 年 度 は ， 日 本 か ら の 専 門 家 派 遣 に よ り ， B4T に お い て タ イ ヤ ・ ゴ ム 製 品 に 関
する基礎技術セミナーを開催し，タイヤやゴムの基本構造や基本性能についての研修
を 実 施 し た ．ま た ，ゴ ム ホ ー ス 等 の 中 小 メ ー カ ー 1 社 の 工 場 と 二 輪 車 用 タ イ ヤ メ ー カ ー
1 社の視察した．その後，尼国タイヤメーカーに対して，当該専門家によるコンサル
タント事業が継続されている．
2010 年 度 は ，日 本 か ら 専 門 家 を 派 遣 し ，カ ウ ン タ ー パ ー ト 候 補（ STP，BPTK，B4T）
お よ び 指 導 力 が 期 待 さ れ る 大 学（ UI）に つ い て 実 施 可 能 性 調 査（ FS）を 行 い ，各 機 関
の要望，設備状況，人的資源を把握し，今後の技術協力の方向性をまとめた．
- 68 -
2011 年 度 は ， 上 記 の 3 機 関 （ STP， BPTK， B4T） を 対 象 に ， 材 料 評 価 ・ 解 析 の 技
術レベルを確認するために，日尼間のクロスチェックを行った．すなわち，日本から
の専門 家派 遣と 3 機関 からの 研修 員の 日本 研 修を通 して ，材料 試作・試 験片 作成 ，材
料強度試験，環境・安全性の法規制分析のレベルを確認し，技術的な問題の要因を把
握し，日系自動車メーカーや部品メーカーが求めるレベルとのギャップを明らかにし
た．また，日本の先端技術に関する知見や人的ネットワークを得るために，訪日研修
時に国際展示会に参加した．
2012 年 度 は ，上 記 の 3 機 関 を 対 象 に ，昨 年 度 に 引 き 続 き 訪 日 研 修 を 行 っ た ．講 義 だ
けではなく，尼国内で実際に発生した製品不具合を題材に実習を行い，分析技術レベ
ルの向上を図った．また，技術的な内容だけでなく，試験業務のマネジメントについ
ても研修を行った．さらに，測定機器や材料メーカー等の視察を通じて，最先端の測
定技術等の情報収集を行った．
（成果）
問題解決を進める際の，依頼者との情報の共有化，および仮説立案の重要性につい
て理解を深めた．また実習では，分析の前処理など現地で普段十分に行われていない
作業も経験することができ，技術レベルの向上が図れた．
（課題）
分析装置の取扱い自体や定型的な分析には慣れている様子であったが，分析目的に
応じた前処理技術など臨機応変に対応することは未熟であると言える．また，研修員
自身も感じていることだが，公的試験機関の分析技術レベルが，日系企業の要求レベ
ルに達していないことから，より一層の技術向上が求められる．
5.6
部品の安全試験
（背景）
尼 側 は 1958 協 定 加 盟 の 計 画 の 中 で ，ECE 規 則 導 入 に 向 け た 技 術 支 援 を 要 望 し て お
り ，本 事 業 は そ の 中 か ら 安 全 の シ ー ト ベ ル ト ア ン カ ー（ R14）， シ ー ト ベ ル ト（ R16），
シ ー ト （ R17）， 安 全 ガ ラ ス （ R43） の 規 則 に つ い て 取 り 組 む も の で あ る ．
（目的）
シートベルトアンカー，シートベルト，シートの規則についてはインドネシア既存
の 規 則 （ SNI 等 ） が 無 く ， 評 価 試 験 機 関 も 未 定 で あ る ． そ れ ら 規 則 は 静 的 ま た は 動 的
な強度試験が含まれるが，各種強度試験が可能な機関が尼国内に複数存在する．この
た め ， 将 来 の 実 施 責 任 機 関 候 補 と な る 各 機 関 に 対 し て 各 種 ECE 安 全 関 連 規 則 の 試 験
に関する情報を提供する．また，安全ガラスの項目は尼国内に類似の規則があり，セ
ラ ミ ッ ク セ ン タ ー CFC が す で に 実 施 し て い る ．CFC に お い て も ECE 規 則 の 情 報 提 供
を行う．
（内容）
- 69 -
2009 年 度 に ，シ ー ト ベ ル ト ア ン カ ー ，シ ー ト ベ ル ト ，シ ー ト ，安 全 ガ ラ ス の ECE 規
則 に つ い て ， 日 本 か ら 専 門 家 を 派 遣 し ， 各 候 補 機 関 （ 構 造 強 度 技 術 セ ン タ ー B2TKS，
ポ リ マ ー セ ン タ ー STP，金 属 産 業 開 発 セ ン タ ー MIDC，CFC）に 対 し て ，各 種 ECE 安
全関連規則の試験に関する情報や設備・機器に関する情報を提供した．
（成果）
ECE 規 則 に 関 す る 部 品 の 安 全 試 験 の 実 施 に 向 け た 準 備 が 整 っ た ．
（課題）
シートベルトアンカー，シートベルト，シートについては試験設備を保有している
機関は存在せず，どの機関が責任機関になっても設備導入が必要となる．シートベル
ト や シ ー ト に つ い て は 部 品 の 認 証 で あ り ，シ ー ト ベ ル ト ア ン カ ー は 車 両 の 認 証 と な る ．
原 則 と し て ， 部 品 認 証 は MOI， 車 両 認 証 は MOT 管 轄 の 試 験 機 関 を 候 補 と す る こ と が
望ましい．
安 全 ガ ラ ス に つ い て は CFC 保 有 の 設 備 で 殆 ど 問 題 な く ECE 規 則 の 試 験 が 行 え る 状
況である．ただし，安全ガラスにはプラスチック製品の規定もあるため，その部分に
つ い て は STP の 担 当 も 考 え ら れ る ．
な お ， 本 事 業 に つ い て は ， WG2 事 業 と 重 複 す る こ と か ら FS 段 階 に 止 め ， 2010 年
度 か ら は WG2 事 業 に 移 管 す る こ と と な っ た ．
5.7
まとめ
以 上 ， 各 実 施 項 目 の 目 的 ， 成 果 お よ び 課 題 を ， 表 5.2 に ま と め る ．
表 5.2
実施項目
各実施項目と今後の課題
目的
1．大気質改善 およ 施策評価のためのデータ整備と解
び燃費改善
析の方法を習得する．
成果
今後の課題
エンジンセンターBTMPおよび認証センター
VTCCにおいて，実走行サイクルによる排出 系統的かつ継続的なデータ整備事業の仕
ガス・燃費に関するデータ収集・解析能力が 組みを構築する必要がある．
定着した．
Euro4導入予定の2016年前後に，大規模
2．既存燃料品質分 市場モニタリングが定着する仕組み 実施かつ継続可能jな必要最小限のモニタリ
な市場モニタリングを行うか，検討が必要
析
をつくる．
ング項目を提案した．
である．
3．代替燃料利用
関係省庁，業界，試験・研究機関に対して，
圧縮天然ガス自動車CNGVの安全
CNGV技術，CNGスタンド，ガス性状等の安
基準を理解し遵守される仕組みをつ
全基準や整備に関する情報を提供し，仕組
くる．
みの改善に向けた準備が整った．
関係省庁，業界，諸機関等の協議による，
安心・安全な利用環境の整備に向けた具
体的なロードマップを作成する必要があ
る．
4．騒音試験
（UNECE)
運輸省，認証センターVTCCに対して，騒音
ECE騒音規則の認証機関を目指し，
予算不足でISO試験路面が未完成のた
試験方法やISO試験路面の情報を提供し，騒
自動車騒音に関する基礎的な知識
め，現地で測定するという次の段階に進め
音試験の実技を行い，認証機関設立の準備
と試験技術を習得する．
ない状況である．
が整った．
5．プラスチック・
ゴムR&D
依頼者との情報の共有化，仮説立案の重要
臨機応変な対応が必要な分析技術の習
プラスチック・ゴム製品に関する材料 性について理解を深めた．実習では，分析の
得が必要である．
評価・解析および原因究明・問題解 前処理など現地で普段十分に行われていな
日系企業の要求レベルに達することが，次
決の能力向上を目指す．
い作業も経験することができ，技術レベルの
の目標である．
向上が図れた．
6．部品安全試験
（UNECE）
シートベルトアンカー，シートベルト，
シートベルトアンカー，シートベルト，シート
シートおよび安全ガラスに関する
ECE規則に関する部品の安全試験の実施に
については，試験設備の導入が必要であ
ECE規則と試験方法・設備の情報を 向けた準備が整った．
る．
提供する．
- 70 -
6.
おわりに
今 年 度 で ，FS 事 業 2 年 ，技 術 協 力 事 業 4 年 の 計 6 年 間 の WG3 活 動 ，す な わ ち ，尼
国 試 験 ・ 研 究 機 関 へ の R&D 能 力 強 化 と し て の キ ャ パ シ テ ィ ビ ル デ ィ ン グ 事 業 が 終 了
し た ．本 事 業 を 通 し て ，尼 国 各 省 庁（ 工 業 省 MOI，運 輸 省 MOT，環 境 省 MOE，技 術
評 価 応 用 庁 BPPT， エ ネ ル ギ ー 鉱 物 資 源 省 ESDM）， 各 試 験 ・ 研 究 機 関 ， 大 学 ， 自 動
車 業 界 （ 自 工 会 GAIKINDO， 二 輪 車 工 業 会 AISI， 部 工 会 GIAMM 等 ） と の 間 の 人 的
交流も進んだ．
今 後 も ， MIDEC の 仕 組 み を 活 か し ， MOI を 中 心 に 情 報 を 共 有 化 し ， 各 省 庁 と の 協
力体制の下，自動車産業や自動車社会の発展に資する政策や事業を推進していくこと
を期待したい．
- 71 -
付
録
付録 1
第 1 回 WG3 会議資料
付録１
SWG3 on 18 Jan., 2013
Activity of R&D in the Auto-Sector
- for reinforcement of R&D capability ( Subject #1: Alternative Fuel Usage - CNGV )
Collaboration under IJ-EPA
Japan Automobile Research Institute
1
Schedule of R&D Activity in JFY 2012 (revised)
Subject
2012
July
2013
Aug
1. Alternative
Fuel Usage
Training
in Japan
(9/16 – 26)
(To reinforce
safety systems of
CNGV)
2. Plastic &
Rubber R&D
Oct
Nov
Dec
Expert Dispatch
& Workshop
(11/6 – 8)
Jan
Feb
Mar
Expert
Expert
Dispatch Dispatch,
(1/16 – 18) Workshop
Training
in Japan
(10/14 – 25)
(To strengthen
capability of
troubleshooting)
3. WG3,
Joint WG
Sep
Meeting,
MIDEC
(7/2 – 3)
Meeting
(11/9)
Meeting Wrap-up
Meeting
(1/18)
2
Alternative Fuel Usage
(Safe & Secure CNGV Promotion)
[ Background ]
• CNGV Promotion as the National Project
Usage of domestic & low price natural gas (energy security)
Reduction in subsidy of gasoline & diesel fuel (sound finance)
Technology introduction and localization of converter kits (industrial
development)
• Anxiety to the Safe & Secure CNGV Usage Surroundings
The safety standard and framework are necessary to be improved.
There were rapture accidents of CNG cylinder (type 2) in Korea, but
the information is not enough for the Indonesia Government.
An explosion accident occurred at the gas station of the Transjakarta
(20th Oct. 2011), and often CNG buses fired.
3
Safe & Secure CNGV Promotion (Safety Concerns)
Without Protector
Explosion at the refueling station
Fire Accident
(2011/11/28, Experts Dispatch)
(2011/10/20, Jakarta Post)
(2012/6/2, Jakarta Shinbun)
Retrofit of CNG Taxis
Installment of CNG Cylinder Type 2 (V2).
V2 type often causes accidents.
V2 type is forbidden in Japan.
（Asian NGV communications, 2012/6)
4
Safe & Secure CNGV Promotion (Activities & Policy)
JFY 2011: To clarify safety issues and mutual awareness
• Experts Dispatch and Workshop in Jakarta
To exchange information and discuss issues on NGV usage and safety.
Issues of CNG cylinder maintenance, lack of safety information and gas quality,
etc. are clarified.
JFY 2012: To make a safety scheme for installation and maintenance of
converter kits
•
Training in Japan
To learn treatment of Japanese converter kits advanced in safety and
environment.
To learn the Japanese scheme of safety standards observance.
•
Experts dispatch and workshop in Jakarta
To clarify issues at retrofit factories in Indonesia for improvement.
To exchange and discuss information on safety and environment issues.
•
Discussion on the future activity and scheme at the WG3
To study on a road map for safe & secure CNG promotion and usage.
Supply and demand forecast, consistence with gas refueling infrastructure, gas
fuel quality management system, parts and CNGV test and evaluation,
maintenance system, human resource development, and the future activity
scheme, etc.
5
Safe & Secure CNGV Promotion （Plan of JFY 2012）
July: Meeting and preparation
WG3, Joint WG
Feb. or Mar.：
Discussion & final report
1) Confirmation of plan and modification
1. Training in Japan (Sep.)
2. Experts dispatch and WS (Nov.)
2) Preparation of training in Japan
Confirmation of trainees (by Mid-July)
Reservation of flight ticket and hotel
Retrofit CNGV, textbook, etc.
* Ramadan
20 July
18 Aug.
WG3, etc.
Nov. or Dec.:
Discussion & Interim report
Experts dispatch, WS
* MIDEC Seminar
(3 July)
Aug.: Preparation of training
Translation of the textbook
Acquisition of passport & visa
Training in Japan
Tentative schedule: 6-8 Nov.
Tentative schedule: 16-26 Sep.
1st day: Pre-meeting of WS, visit to factory
2nd day: visit to factory, summary of research
3rd day: Workshop
1st Week: Practice of converter kits
2nd Week: Lecture of safety standards
and test, visit to facilities, discussion
of the future activity
6
Safe & Secure CNGV Promotion (Training in Japan)
Sep.
16 (Sun)
17 (Mon)
Narita
(a.m.)
Jakarta
(night
flight)
HKS
(Fujino
miya)
MOI 1,
MOT 2,
BPPT 2,
MoEMR 1,
Industry
2
18 (Tue)
19 (Wed)
20 (Thu)
21 (Fri)
22 (Sat) 23 (Sun)
[ Lecture & [ Lecture ] [ Practice ]
[ Practice ]
Summary
Visit ]
Technical
Inspection of
Guidance, of CNGV, Training on CNGV, Q&A
Visit to the Converter Installation Summary of
Kit
Factory
the Training,
(Fujinomiya) WS meeting
(Fujinomiya) (Fujinomiy
a)
(Fujinomiya)
Sep.
24 (Mon)
25 (Tue)
26 (Wed)
[ Lecture & [ Lecture & Visit ]
Visit ]
Japan Gas
JARI-STC
Association
(high
(safety std.)
pressure
CNG Station
cylinder)
Discussion with
(Shirosato)
JAMA-WG,
Certificate
(Tokyo)
27 (Thu)
28 (Fri)
Free
(Tokyo)
29 (Sat)
Narita
(a.m.)
Jakarta
(p.m.)
7
Safe & Secure CNGV Promotion (Access in Japan)
STC
Tsukuba
Mito
80min
(car)
JARI
50min
(train)
JGA, JAMA
Akihabara
Mt. Fuji
Tokyo
60min
(train)
Narita
Haneda
HKS
30min
(car)
150min
(train)
Fujinomiya
20km
8
Safe & Secure CNGV Promotion （HKS： CNGV）
HKS (http://www.hks-power.co.jp/bi_fuel/)
CNGV #1: Toyota Probox Van 1.496L, AT, (Engine: 1NZ-FE, 75.0 x 84.7mm)
cf. Gran Max: 3SZ-VE, 1,495L, 72.0 x 91.8mm, = Toyota Lite Ace
CNGV #2: Toyota Hiace Van 1,998L, AT, (Engine 1TR-FE: 86.0 x 86.0mm, = Toyota Innova)
9
Safe & Secure CNGV Promotion (HKS: Converter Kit)
CNG Probox 4WD (g/km)
HKS
Syste
m
HKS Converter Kit
2005
Regula
tion
CO
0.118
1.15
NMHC
0.011
0.05
NOx
0.020
0.05
CO2
156
－
*1) Emission Std. :2005 Regulation (10・15M + 11M)
(CNG Probox meets the Euro4 regulation.)
*2) CO2 emission： 10・15M
(http://www.hks-ower.co.jp/bi_fuel/eco/)
10
Safe & Secure CNGV Promotion (access to JARI)
Shirosato Test Center (STC)
Nikko
Honda
JARI
80min
(Car)
Tsukuba
JARI
Honda
Akihabara
50min
(TX)
100min
(Bus)
Narita
成田
JARI
JFE Steel
Nissan
Nippon Steel
30km
[ Kanto Region ]
JARI Facility (Tsukuba)
11
Safe & Secure CNGV Promotion (JARI-STC Facilities)
Shirosato Test Center (STC)
Explosion Resistant
Fire Test Cell
GV & FCV
Mixed Fire Test
Hydrogen and Fuel Cell Vehicle Safety
Evaluation Facility (Hy-SEF)
300MPa Intensifier
Hydraulic Test
Type 3 (Al+CFRP)
12
Safe & Secure CNGV Promotion (JGA & CNG Station)
Lecture & Discussion at JGA
Capacity & Price
Tokyo Metro CNG Station (Truck & Dispensers)
Dehumidification equipment
13
Safe & Secure CNGV Promotion (Experts Dispatch & WS)
[ Objective ]
Visit to Facilities & Advice
• To understand a current state of facilities such
as a retrofit factory & a gas refueling station.
• To understand the safety and environment
regulations and compliance framework.
• To reflect the results of training in Japan.
[ Schedule ]
1st day: Pre-meeting of WS, visit to facilities
2nd day: Workshop (lecture on regulations,
converter kit & gas refueling station)
rd
3 day: Workshop (training on converter kit
at a retrofit factory)
Presentation
[ Contents ]
Discussion
[Goal] To make a safety scheme
for installation and maintenance of
converter kits.
1) Safety & environment regulations of CNGV
2) NG quality and safety regulation of gas
refueling station
3) Installment & maintenance of converter kit
4) Discussion
14
Subject in JFY 2011: Alternate Fuel Usage
Appendix 1: A State of CNGVs in Jakarta
How about a state of CNG
Bus maintenance?
[ Interview & Discussion at the Transjakarta ]
- The share of CNG buses is about 80% in 2011.
100% in 2012 as a plan
- High pressure cylinders are inspected every 3
years by the Ministry of Labor. 30 MPa water
pressure test is conducted after they are removed
from a vehicle. Usage period is 7 – 9 years.
- Gas refueling is twice per day and it is not
efficient under traffic jam conditions.
- Weight saving of high pressure cylinders is
important because of an increase in passengers.
[ High Pressure Cylinder of CNG
Bus ] Cylinders are not covered
by steel plate.
Small CNGV maintenance?
[ CNG Bajaj ] Actual usage as a
gasoline vehicle
15
Subject in JFY 2011: Alternate Fuel Usage
Appendix 2: Workshop on CNGV Safety
Date: 30th Nov. 2011 (Wed)
Participant: MOI, MOT, VTCC, BTMP, GAIKINDO,
Transjakarta, Parts maker, etc.
Contents:
[ Session 1 ] Information of Japan
- NGV promotion and trends (Mr. Kakinuma, JGA)
- NGV safety regulation and inspection
(Mr. Sakamoto, JGA)
A Photo of the Workshop
[ Session 2 ] Information of Indonesia
- NGV promotion and trends (Mr. Saiful, MOT)
- Natural gas trend (Mr. Harhyono, GAIKINDO)
[ Summary]
Problems of CNG cylinder maintenance and gas
quality are clarified.
A Photo of the Workshop
16
付録 2
訪日研修報告
（CNGV）
付録２
天然ガス自動車用変換キットの取付・整備に関する研修の報告
〔研修の概要〕
研修目的：
インドネシア試験機関等の訪日研修員に，安全・環境面で進んだ日本製変換キットの取付・検査につ
いて，実務を通して理解していただく．
研修期間：
準備期間：事前打ち合わせ（7 月）
，研修準備（8～9 月）
受入期間：2011 年 9 月 18 日（火）～ 9 月 21 日（金）
担当部署：
（株）エッチ・ケー・エス（HKS）
，CNG 開発部（水口部長，山元，若林）
研修日程：
9 月 18 日（火）
：社長あいさつ，会社・製品紹介，工場見学，質疑応答
9 月 19 日（水）
：バイフューエルシステムの講義，CNGV 安全基準・検査の講義，質疑応答
9 月 20 日（木）
：バイフューエル変換キットの取付実習，CNGV 試乗，工場見学，質疑応答
9 月 21 日（金）
：バイフューエル変換キット取付後の検査実習，質疑応答，研修の総括
研修資料：
① HKS 当社の紹介（プレゼン資料，インドネシア語版）
② HKS 天然ガス／ガソリン バイフューエル システム（同上）
③ HKS バイフューエルシステム取扱説明書 対応車種全般（抜粋，インドネシア語版）
④ HKS バイフューエルシステム取扱説明書 トヨタ・プロボックス版（同上）
〔研修の内容〕
１日目（9 月 18 日）
：会社・製品紹介，工場見学
１）会社・製品紹介（水口）
・プレゼン資料をもとに，会社全般を紹介．
・プレゼン資料をもとに，製品（スーパーチャージャー，マフラー，サスペンション，電子関連部品，
CNG およびバイフューエル関連部品など）を紹介．
２）工場見学（水口，ほか）
・記念館の見学（社史パネル，開発製品を展示）
．
・加工，組立，検査，試験工程を見学．
ピストン，スーパーチャージャー，カムシャフト，マフラー，CNG 改造エンジン等．
2 日目（9 月 19 日）
：バイフューエルシステム，安全基準・検査の講義
１）バイフューエルシステムの講義（水口）
・CNGV 全般（日本の普及状況，政府・業界の動向，シェールガス革命等の世界動向など）
．
・バイフューエル変換キット（排ガス規制との関係，HKS 製キットの特徴など）
．
２）日本における CNGV 安全基準および検査の講義（山元）
・車両法は国交省，高圧容器保安法は経産省．新車，中古車とも同じ扱い．
・日本では，通常，外して検査することはない．シームレスのステンレス菅なので，内面検査不要．た
だし，事故などで曲がった場合，外して検査する．
1/3
3 日目（9 月 20 日）
：バイフューエル変換キットの取付実習
１）取付実習（水口，若林）
・整備工場にて，デモ車（トヨタ・プロボックス）を対象に，取付の要点について実習．
レギュレーター，フューエルフィルター，デリバリーパイプ Assy，CNG インジェクター，インテ
ークマニホールド，配管，CNG 容器等の仕組みと取付の留意点などを説明．
２）CNGV の試乗（水口，早川）
・同型のプロボックスを試乗し，燃料切り替え時のスムーズさを実感していただいた．
３）変換キット製作現場の見学（水口）
・特に，制御の要となる電子部品を見学．
(a) 実習前のあいさつ
(d) インジェクター等の説明
(g) 下廻りの確認
(b) デモ車（プロボックス）
(c) 燃料供給系統の説明
(e) インテークマニホールド
(f) 配管の曲げ加工の実習
(h) 鋼製 CNG 容器の説明
(i) CNGV 車の試乗
写真１ 変換キット取付実習等の様子
4 日目（9 月 21 日）
：取付後の検査実習，研修総括
１）検査の実習（若林）
・ECU やサブ ECU 信号のパソコンによる確認，漏えい検査（検知液，ガス検知器）などを説明．
2/3
２）安全に関する講義（山元）
・9 月 19 日の講義の補足．
３）質疑応答，研修のまとめ（水口，若林，山元）
・4 日間の研修全体について，質疑応答．
燃焼温度と耐久性の課題，キャブレター方式への対応可否，HKS の保証期間など．
・今後の技術支援の方向性等について，協議．
(a) パソコンによる信号確認
(d) 質疑・総括の様子
(b) パソコンによる信号確認
(e) 議論の様子
(c) 配管等漏れ確認の作業
(f) 富士山をバックに記念撮影
写真２ 検査実習と研修総括の様子
〔研修の感想〕
・4 日間と短い期間ではあったが，日本製変換キットの製造，技術，使いこなしの実態を理解していた
だいたと思う．
・活発な質疑と議論ができ，弊社としても，インドネシア側の状況や要望を概ね掴むことができ，人脈
も広がり，有意義であった．
以上
3/3
付録 3
ワークショップ・プレゼン資料
（CNGV）
付録３
1
IJ-EPA Natural Gas Vehicle Seminar – Indonesia
Current Situation and Issues
Concerning NGV Refueling Facilities
in Japan
Yoshinao WATANABE
Natural Gas Vehicle Dept.
The Japan Gas Association（JGA）
March 13, 2013
The Japan Gas Association
2
Contents
1．Introduction of the Japan Gas Association and Current
Situation Surrounding NGVs in Japan
2．Equipments for CNG refueling station in Japan
3. Regulation of CNG refueling station in Japan
4. Maintenance of CNG refueling equipment in Japan
5. Troubles of CNG refueling equipment in Japan
6. Others
The Japan Gas Association
About the Japan Gas Association
3
JGA is the association of 209 gas utilities in Japan.
The ‘Big 4’ utilities account for 72.8% of total gas sales in Japan.
Sales volume by utilities
Others
9.2 bm3
(27.2%)
Locations of the Big 4 gas utilities
Tokyo Gas
11.9 bm3
(35.2%)
Osaka Gas
(FY 2009)
Saibu Gas
0.8 bm3(2.4%)
Toho Gas
3.7 bm3
(10.9%)
Saibu Gas
Total:33.8 bm3
Tokyo Gas
*10,000kcal/m3
Commercial
4.6bcm
(13.6%)
Toho Gas
Osaka Gas
8.2 bm3 (24.3%)
Source:The Japan Gas Association
The Japan Gas Association
4
JGA’s activities to promote NGVs
• Started to promote NGVs in 1990
• Key initiatives:
1. Deregulation of the related laws and regulations
2. Acquisition of governmental subsidies for NGVs promotion
3. Technical development in collaboration with manufacturers
4. Promotion activities with gas utilities and vehicle manufacturers
JGA website (http://www.gas.or.jp/english/)
The Japan Gas Association
Progress of NGV Promotion in Japan
45,000
344
Passenger Cars
324
Light vans
40,000
Garbage trucks
34,203
270
31,462
Forklift，etc．
N
u 30,000
m
b
e
25,000
r
300
37,117
288
Buses
o
f
38,861
Light Vehicles
35,000
350
333
40,429
311
Trucks
342
327
250
224
合計
27,605
CNG Filling Station
200
24,263
181
20,638
。
20,000
150
138
N
G
V
15,000
s
16,561
107
12,012
100
82
10,000
62
C
N
G
F
i
l
l
i
n
g
S
t
a
t
i
o
n
7,811
50
5,252
5,000
5
3,640
2,093
0
0
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
The Japan Gas Association
6
New Key Challenges to Environment and Energy
Global Warming and Energy Security are now
more important than Air Pollution in Japan
The Japan Gas Association
7
We Need New Driving Forces to Promote NGVs
•
NGVs have increased market share because they were much cleaner than
diesel vehicles, however,
– Diesel vehicles have become cleaner under 2009 Japanese regulation (Euro6 level).
– It is now difficult to promote NGVs for only improvement of air quality.
•
The key driving forces to promote NGVs in the future are:
1. Energy diversification in transport sector
2. Reduction in green house gas
High efficiency engine is very important to make NGVs
attractive because of a low CO2 footprint.
The Japan Gas Association
8
New strategy of JGA
Our new strategy is to introduce Heavy-duty NGV trucks for
a long distance and inter-city transportation
Metropolis A
Metropolis B
Between Metropolis
Large size
NGV trucks
Logistics bases
Logistics bases
Middle or small
NGV trucks
300-500Km
Middle or small
NGV trucks
Large NGV Fueling station
We expect the latest NGV trucks will be very competitive because
of effective reduction in GHG and the saving of fuel consumption.
Source；Mizuho Information & Research Reports
The Japan Gas Association
9
JGA’s Vision to Promote NGVs
Number of
Stations
Number of NGVS
Fuel Diversity in
Transport Sector
600,000
Reduction of
Greenhouse Gases
500,000
400,000
300,000
200,000
100,000
2030:
500,000NGVs
(20% of Trucks in Japan)
2012:
Introduce
50 Large
Trucks
2011:
40,000
Vehicles
2015:
Introduce
OEM Large
Trucks
1,200
1020
2020:
Higher
Efficiency
Vehicles
970
910
51,000
1,000
Heavy-duty
Trucks
840
800
760
660
560
Number of
Stations
470
412,000
600
Mediumduty Trucks,
Busses
400
390
320
260
200
200
13,000
140
90
1,000
0
0
2
5
3
Light-duty
Trucks
82,000
50
20
26,579
16,204
30,247
21,368
0
2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028 2029 2030
The Japan Gas Association
10
JGA’s Promotional Activity
Outline
We have three heavy-duty CNG trucks (GWV 25t) and request
truck operators to conduct demonstration experiments.
Each operator uses it for 6 months to examine CO2 reduction
effect, economical benefit, drivability, etc.
Truck
Isuzu trucks are converted to CNG
by Kyodo and HKS.
Participants
Nippon Express, Sagawa Express,
Yamato Transport, Tonami Transportation,
Suntory Logistics etc.
Soon with OEM NGVs with high-efficiency engine
The Japan Gas Association
11
Specifications of Engine
Base Engine
Bore × Stroke
Number of Cylinders
Displacement
Ignition System
Fuel injection system
Compression ratio
CNG
120 × 145mm
6
9,839 cc
Compression selfignition
spark ignition
Common rail
Single point
injection
17.0
11.0
The Japan Gas Association
CNG Refueling Stations and Small-type Refueling Equipment
12
Gas refueling station
integrated with the
gasoline service station
Small-type refueling
equipment
3m3/h Type
10m3/h Type
The Japan Gas Association
13
Flowsheet
• CNG Refueling station
Natural gas
Gas reservoir
container
Public road
Compressor
Dispenser
City gas (0.1~0.7MPa)
• Small-type Refueling equipment
Power source
Emergency
power
breaker
Pressure
booster
Anti-collision
pole
Meter
valve
Gas meter
Low-pressure gas line
Inspection
valve
Ground
The Japan Gas Association
14
Conditions for Constructing a CNG Station
• Must be close to a gas mains of medium or higher pressure.
• Must have an adequate ground area.
– High Pressure Gas Safety Law
– Building Standards Act
– Fire Service Law (applicable to the construction of CNG station
combined with gasoline station)
• There must be a market prospect for a potential NGV demand in the
vicinity.
– Transport operators
– Manufacturers delivering products themselves
The Japan Gas Association
15
Station Equipment and Specifications
(1) Compressor
Type of
compressor
Reciprocating piston type,
3~4-stage
Inlet pressure
0.1~0.8MPa
Outlet pressure
24.5MPa
Flow rate
250m3/h.
Lubrication
system
Oil-supply type, oil-free, etc.
Anti-noise
measures
Screened with a noise
protection casing
Explosion-proof Pressure-resistant, explosionspecification
proof motor
The Japan Gas Association
16
Station Equipment and Specifications
(2) Gas storage container
Function
Cylinder capacity
Storage of compressed
natural gas (CNG)
250L/450L
Number of cylinders
5~20
Maximum operation
pressure
24.5MPa
Design pressure
28.0MPa
Bank select system
Bank 1, 2, 3
The Japan Gas Association
17
Station Equipment and Specifications
(3) Dispenser
Pressure
Upstream pressure 24.8MPa
Downstream pressure 20.0MPa
Maximum
flow rate
Many systems have a max.
flow rate of 25kg/min
Filling time
Passenger cars: 1~2 minutes
Trucks: 3~4 minutes
Buses: 5~6 minutes
Safety
measures
Emergence de-coupling device
Overfilling protection
Internal pressure, explosionproof design
Filling Nozzle
1 or 2
The Japan Gas Association
18
Station Equipment and Specifications
(4) Auxiliary equipments
Power receiving equipment
Control panel
(Outdoor explosion-proof type)
Fire extinguishing pump
The Japan Gas Association
19
Typical Composition of Natural Gas in Japan
Composition
Tokyo Gas
Osaka Gas
CH4
C2H6
C3H8
C4H10
89.6%
5.62%
3.43%
1.35%
88.9%
6.8%
3.1%
1.2%
45 MJ/Nm3
45 MJ/Nm3
Calorific value
The Japan Gas Association
20
Management of moisture and oil in CNG
Voluntary standards of JGA
Moisture management
Under the maximum allowable operating pressure, moisture in
the CNG shall be managed to keep the dew point at the
temperature lower than or equal to the temperature, which is
5.6℃ lower than the lowest temperature of the month at the
refueling point.
Oil management
The amount of oil to be delivered from the compressor shall be up
to 25mg/Nm3.
The Japan Gas Association
21
Space Required for Constructing a CNG Station
Cubicle
Protective outer wall
provides a barrier over a
range of 6m to prevent
gas dispersion outside
the service station
premises.
Compressor
別紙図をいれます
Gas reservoir
container
Mini Air
Fire defense wall compressor
Distance range from border of
station grounds: 6m or more
Pressurized
Distance from facilities with
gas line
flammable substances: 4m or more
Trench
Flame-proof
receipt slip printer
Natural gas
Fireproof wall
(Height: 2m or taller)
Dispenser
Gas meter
Office
Distance to road boundary: 5m or more
Road boundary
Distance range from border of
Mediumpressure gas station grounds: 6m or more
Distance from facilities with
flammable substances: 4m or more
pipe
The Japan Gas Association
Examples of maintenance for CNG
refueling station in Japan
22
1. Monthly, daily inspection
2. Safety inspection
3. Preventive maintenance
4. Safety Training
The Japan Gas Association
Daily inspection
①Inspection before operation
compressor lubricating oil, condition of valves,
pressure gauges
②Inspection at least once a day while operation
pressure of each stage of compressor, discharge
temperature, condition of valves, abnormal noise,
abnormal odor
③Inspection at the end of day
lubricating oil, valves, pressure gauges
Senses and experience are important for
the maintenance and management.
23
Compressor lubricating oil
management
Control item
① level or hydraulic
② consumption
③ degree of contamination
④ leaks
Vision：Record the pressure, temperature, flow rate, etc.
Nose ：Checking the gas odor, the smell of the machine wear
Hearing：Confirmation of abnormal noise and vibration of rotating sound
Touch：Vibration of the compressor, vibration during the filling
Sixth sense：Feel the atmosphere of unusual
The Japan Gas Association
24
Examples of monthly inspection
・Pressure of each stage of the compressor
・Measurement of flow rate of the compressor
・During operation, the electric current value of the
compressor
・Check of compressor operation time
・Level of gas detector
・Internal pressure of explosion-proof equipment
・Check the tension of the V-belt
・Check leakage of various pipes and fittings
・Level of the air spring of vibration-free pedestal
The Japan Gas Association
Daily operation check sheet（example）
25
NGV daily operation report for filling equipment as a sample
Number
of NGVs
Amount
of gas
Day
Month
3. Inspection List
4. Check List
The Japan Gas Association
26
Inspection for CNG stations
Related laws
and
regulations
Contents of Inspection
Frequency
High Pressure Periodic Independence inspection
Gas Safety Act Ensure that the CNG equipment are
accommodate to the technical standards
More than
once a year
Safety inspection (conducted in the
presence of authorities)
Ensure that the CNG equipment are
accommodate to the technical standards
More than
once a year
The main test items
・pressure gauges
・thermometers
・operation of the safety valve
・operation of the gas detector
・operated interlock
・airtight test
The Japan Gas Association
27
Preventive maintenance
There is no provision in the High Pressure Gas Safety Act
Periodic maintenance of the compressor
<Example: oil-less compressor of Kaji Tech >
・Maintenance for every 3,000 hours
(Grease the heel of conecting rod and mechanical seal etc.)
・Maintenance for 9,000 to 12,000 hours
(Replacement of piston rings, etc. replacement of crankcase)
Grease up of end
mechanical seal inspection
The Japan Gas Association
28
Preventive maintenance
Annual inspection of dispenser
<Example: dispenser made by Tokico>
・Exchange seal kits of three-way valve, shut-off valve, pressure relief
valve (every year)
・Disassembly maintenance of the flow control valve (every 5 years)
・Exchange of filling hose, emergency breakaway devise, the filling
nozzle(Exchanged periodically or 100 000 times 5 years)
Exchange for seal kit of valve
Disassembly maintenance
of the flow control valve
The Japan Gas Association
29
Planning and Implementation of Safety education
Operators of stations must establish a Safety
Training Program and execute it.
Examples of Safety Training Program
The program should be conducted on a regular basis
(minimum 5-6 times / year)
・Reconfirmation of procedure in case of gas leakage
・Reconfirmation of procedure for emergency stop
・Case Studies of troubles in CNG stations
・Reconfirmation of the points of daily operation
The Japan Gas Association
30
Statistics of the accidents at the CNG refueling stations
●There has been no human damage including minor injury in Japan so far
● Leakage of CNG is the major accidents at the CNG refueling stations
● The accidents are mostly caused by deterioration of facilities, followed by
incorrect operation.
◇The number of accidents at CNG filling stations
Attention
Damage
Primary event
The
Number
number
Rate of
Leakage
Year
of
of CNG
accide Dead Seriou Minor Rupture
Etc.
Other
accident
s injury injury
Etc.
stations
nt
The cause of the accident（Multiple）
Misoper
Degrada ation Manufactu Uncontrol
Other
tion
Etc. ring defect led Etc
1990
5
1
20.0%
0
0
0
1
0
0
1
0
0
0
0
2000
138
1
0.7%
0
0
0
1
0
0
0
0
1
0
0
2001
181
1
0.6%
0
0
0
0
0
1
0
1
0
0
0
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
総 計
224
324
327
344
342
333
321
-
1
3
5
10
22
35
18
97
0.4%
0.9%
1.5%
2.9%
6.4%
10.5%
5.6%
-
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
1
1
4
9
1
3
4
8
12
27
14
69
0
0
1
1
9
7
0
19
0
2
3
6
8
17
0
37
0
0
2
2
9
9
3
26
0
0
0
1
4
6
1
13
0
0
0
0
0
0
7
7
1
1
0
2
3
4
7
18
出典：高圧ガス保安法事故事例データベース（高圧ガス保安協会ＨＰ）
1965～2011年の圧縮天然ガススタンドにおける事故事例を抽出
The Japan Gas Association
Preventive Measures Against False Departure
1. Keep the key of CNG
vehicle in one place
while filling
31
2. Put wheel stoppers
before filling
The Japan Gas Association
Preventive Measures Against False Departure
３. Usage of safety
cones
32
４. Usage of band (advisory
sticker) for prevention of
false departure
The Japan Gas Association
33
Essential Points of Preventive Measures against
False Departure
It is necessary for workers in CNG refueling station to
ensure the appropriate procedure to disconnect the
CNG filling hose before returning the key and
membership card to the driver.
To prevent the accidents during filling of CNG, it is
also essential to work calmly and to repeat the basic
procedure over and over in the safety training.
The Japan Gas Association
34
Refuel the vehicle after checking the expiration
date of the cylinder all the time！
様式第３
↑
充て ん可能期限
検 査 有 効 期 限
２０１９年３月３１日
２００８年３月３１日
最高充て ん圧力
車
台
番
号
２０ＭＰａ
FRA80-004153
←
↓
→
様式第４
容 器 再 検 査 合 格 証 票
Re-inspection expiration date
再 検 査
有 効 期 限
平成１７年６月１６日
２００９年３月２０日
Re-inspection date
再 検 査 日
平
成１５年６月１７日
２００７年２月２１日
←
横45mm以上
検査実施者の
名称の符号
↑
縦 20mm以 上
Certificate for
cylinder inspection
横45mm以上
縦30mm以上
車 載 容 器 総 括 証 票
搭 載 容 器 本 数
２本
↓
The Japan Gas Association
→
35
Summary: Issues of NGV Refueling Facilities
Problem of infrastructure expansion in Japan
Difficulty of acquisition of land in urban areas
Difficult to extend the service area in the region
Congestion due to the high concentration of population in
urban areas
It is necessary to improve profitability of refueling station.
- Reduction in construction costs
- Operation and maintenance cost savings
The Japan Gas Association
36
END
Terima Kasih
The Japan Gas Association
CNGV-WS on 13 Sep. 2013
Bi Fuel system dgn Natural gas/Bensin
Conversion Kit (Alat Pengubah)
System Kendaraan Natural Gas dgn Bensin pun bisa dioperasikan
1
Garis besar Perusahaan
Nama
Perusahaan
HKS Co.,Ltd
Alamat Kantor Pusat
Prefecture Shizuoka, Fujinomiyashi No. 2266
D i d i r i k a n
3 Oktober Th 1973
Modal
Utama
878,000,000 Yen
P
i
Pres Dir. Pemilik Hasegawa Hiroyuki
e
m
l
i
k
Transaksi pasar
s
a
h
a
m
Osaka Stock Market（JASDAQMarket）
Securities Code 7219
Jumlah Karyawan
301 org (Berkeluarga)
本社工場
富士宮工場
216 org (Bujang）（Data 31 Augst th Heisei 22）
Bisnis
Utama
Produksi , Penjualan Part Otomotif.
Produksi, Penjualan Engine Pesawat terbang type kecil ringan.
Anak Perusahaan
utama di Jepang
Anak perusahaan
utama di luar negeri
HKS Aviation Cooperation
NISEI INDUSTRY Co.Ltd、HKS Technical Factory Co.Ltd/
HKS USA,INC. , HKS EUROPE LIMITED ,
HKS（Thailand）Co., Ltd.
2
Perkenalan Produk
Turbo、Super Charger
Hub.dgn Cooling
GTⅡTurbin
R35 GT800RacingSPEC
GTSuper Charger
Super Charger
Sepeda Mptor Air
Super Sound Master
Super Turbo Muffler
HIPERMAX Ⅲ SPORT
HIPERMAX S-Style II
EVC-S
F-COND
Super SQV3
Super Power Flow Reflow
Dead
V CAM SYSTEM
Sequential Transmission
Bi-Fuel System
A700E ENGINE
Muffler
Suspension
Penggunaan Komponen
Berhub.dgn electron
Hub dgn Penggerak
Mesin dll.
3
Jaringan Kerja
HKS EUROPE LIMITED
HKS USA,INC.
Negara English Cambridge
HKS(Thailand) Co.,Ltd.
HKS-IT Co.,Ltd.
Ｔｈａｉｌａｎd, Samutprakarn
Negara America California
Technical Factory Sapporo
Kantor Business Sapporo
Technical Factory Obihiro
Kantor Business Sendai
Kantor Business Tokyo
Kantor
Pusat
Kantor Business Nagoya
Kantor Business Osaka
Kantor Business Fukuoka
㈱HKS Techncal Factory
NISSEI Industry
HKS Aviation
HKS Kyushu services
4
Perkenalan Produk berkaitan
dgn CNG・Bi-Fuel
5
Sejarah Perkembangan Mesin Gas HKS
Sejarah Perkembangan Gas Engine HKS
2002～03 Pengujian Dasar System Mixer LPG pada Kendaran Penumpang.
2003～05 Pembuatan System Kendaraan bhn bakar khusus NGV.
(Kerjasama 4 Perusahaan)
ISUZU ELF Penggunaan Kendaraan.
Penjualan 50 set menanggapi Regulasi Diesel di 8 Kota.
2006～
Pengembangan System Bi Fuel bhn bakar CNG.
Pembuatan Bi Fuel digunakan pada kendaraan kecil komersial.
Penjualan Domestic pada Perusahaan Gas & Client dgn Lot besar.
2009～
Kerjasama Bisnis dgn Perusahaan Korea E-ROOM.
Mulai Perluasan Global dgn System Bi Fuel.
Partisipasi kepada Pemerintahan Korea dg Demontrasi sosialiasi Bi Fuel.
2009～
Pembuatan Kendaraan khusus NGV utk Truck besar di Jepang.
2011～
Pembuatan Pengoperasian Pabrik Mesin kendaraan Diesel-CNG di Thailan.
Awal merubah model Mesin CNG modifikasi Diesel kepada Pembuat
kendaraan Truk.
2012～
Mulai Produksi mesin2 CNG utk pembuat pabrik Truk di Jepang.
6
Pembuatan kendaraan angkutan khusus bhn bakar NGV
Adopsi system Control dgn Mixer Type
Distributor
Plug
Sensor
ミキサー
Converter
12V
24V
レギュレター
7
System Bi Fuel Original ＨＫＳ
8
Projek yg lainnya
Projek utk Taksi Koera dgn LPG-CNG Bi-Fuel
Pengujian CNG pada
Kendaraan Lap.Golf
9
Other Projects
Projek lainnya: Pembuatan kendaraan khusus bhn bakar NGV
pada ISUZU GIGA 6AUZI
10
Other Projects
Projek Lainnya; Manufacturing pembuatan
Mesin Diesel-CNGdi Thailand
11
Apa yg dimaksud Bi Fuel System ?
Yg dimaksud Bi Fuel System kendaraan Natural Gas adalah suatu system yg memungkinkan
Kendaraan menggunakan Natural Gas dikombinasikan dgn bahan bakar bensin sebagai bahan
bakar cadangan.
Meskipun di daerah yg tidak cukup banyak tempat penjualan Natural Gas pun , hal ini sangat
memungkinkan sekali menggunakan Bensin sebagai bahan bakar cadangan.
Oleh karena kebutuhan mendesak melakukan perjalanan jauh sangat mungkin dilakukan orang
saat ini tanpa mereka mengkawatirkan dimana penjualan bahan bakar Gas, maka
diharapkan tempat penjualan Natural Gas pun dapat semakin meluas.
Jumlah meluasnya tempat penjualan
Natural Gas di seluruh Jepang ada 333
lokasi. (Data Maret2011)
Jika dibandingkan dgn lokasi penjualan
bahan bakar Bensin sebanyak 40,000
lokasi, kondisi ini hanya memenuhi １％
saja.
Bersamaan dgn meluasnya penjualan
bahan Bakar Gas, kendaraan Bi Fuel yg
Dapat berjalan dgn Bensin pun sangat
diharapkan.
Jumlah Penjualan bahan
bakar Gas di Jepang.
：0
：1～5
：6～10
：11～15
：16～
12
Kendaran bahan bakar Gas
Ramah Lingkungan
Yg dimaksud dengan Natural Gas adalah pembakaran Gas dgn komposisi utama Metan, tidak menimbulkan SOx dan
timbal , dan merupakan Energy yg bersih, dibandingkan solar Volume asap buang CO2 nyapun yg merupakan suatu
penyebab Global warming lebih sedikit 2%-3%.
Natural Gas banyak dimanfaatkan untuk Gas pemanas rumah tangga, Bak Air Mandi, Alat Pemanas dlsb sebagai Gas
yg digunakan di Kota2, dan dimanfaatkan sebagai bahan bakar kendaraan berbahan bakar Gas.
●Vol. asap buang NOx nya sedikit yg merupakan
penyebab seperti asap putih, hujan acid dan SOx nya
Nol. Asap buang hitam yg merupakan penyebab
Asthma sama sekali tidak ada.
●Karen system pembakarannya mendekati kendaraan
bensin bensin, suara dan getarannya sedikit
merupakankendaraan Gas yg tidak bising.
Volume asap buang CO2 sedikit dan
Efektive utk mencegah Global Warning.
●Kendaraan Gas Alam/Natural Gas dapat
mengu rangi 20%-30% Vol. asap buang CO2 yg
menjadi penyebab Global warming.
Profesional instalasi Pro Box system
Nilai pengujian di perusahaan (g/km)
HKS Bi-Fuel System
CO
NMHC
NOx
※CO2
Bahan bakar pengganti Energy minyak
dgn Sumber Minyak yg masih melimpah.
●Bahan bakar minyak dipredikisi dapat dimanfaatkan
kira2 40 thn mendatang, sedangkan Natural Gas/Gas
alam dapat dimanfaatkan kira2 65 thn mendatang.
Vol. cadangan Gas Alam yg melimpah dgn area
produksi tersebar luas di dunia, semua merupakan
harapan besar sebagaiPengganti Energy bahan minyak
masa depan.
0.118
0.011
0.020
155.9
C O2 Emission
250
Japan Emission
Standard
HK S Bi- F ue l S y s t e m
G a s olin e
1.92
0.08
0.08
200
Peraturan asap buangTh Heisei 17
(Mode 10.15 Mode dan kombinasi Mode 11.)
(Vol. asap buang CO2 adalah hasil Gas buang
10.15 Mode)
-28%
150
(g/ km )
Asap buang bersih & suaranya tdk bising.
100
Level Gas buang th Heisei 17
cukup baik ★★★
50
Level pengurangan CO2
Mencapai - 28%
※ Perbandingan nilai tes pengujian
di lab. Perusahaan dgn Vol. Asap
buang bensin
0
* C O2
13
Efisiens Ekonomi Kendaraan Natural Gas
Natural Gas adalah salah satu pengganti Energy dgn harga yg murah . Bahkan Bensin, Solar dan LPG harganya sangat
fluktuasi karena pengaruh harga crude oil/minyak mentah, Tetapi Natural Gas （CNG） sebagai bahan baku yg dibuat
dari cairan Gas (LNG)、fluktuasi harga tsb., secara perbandingan tidak terlalu menyolok.
Perbandingan biaya bahan bakar dari Kendaraan Natural Gas
Selama kenaikan harga Bensin melonjak tinggi, biaya modif konversi/perubahan ke system Bi Fuel tentu
saja Akan mungkin terjadi pemotongan pemakaian biaya bahan bakar yg sangat berbeda karena adanya
perbedaan Harga antara bahan bakar Bensin dan Natural Gas.
※Tingkat biaya pemakaian bahan bakar akan sangat Berbeda dan tergantung jenis kendaraannya.
Dari Data Pengujian kami berdasarkan instalasi System HKS
Pro Box Bi-Fuel
Tingkat Pemakaian
bahan bakar
Natural Gas（CNG）
11.74km/m3
Kira2 90円/m3 ※
10.86km/L
Kira2 175円/L ※
Bensin
Satuan harga
Bahan bakar
Konsumsi per１ｋｍ
7.7円/km
16.1円/km
Jika melakukan
perjalanan dgn CNG
akan peroleh
keuntungan kira2 52%.
(Hasil nilai pengujian
kami dgn Pro Box)
※Saat ini Juni 2008. Satuan Harga bahan bakar Gas berbeda tergantung Vol. transaksi dan area penjualan
System Back up/bantuan terhadap Kendaraan Natural Gas
Sebagai maksud tujuan utk memperluas pemakaian kendaraan dgn bahan bakar Natural Gas, bermacam
system bantuan/back up terhadap biaya konversi /re model dari Pemerintah dan Otonomipun ditetapkan.
● Pemakaian Business/Usaha (Green Number)
・Bantuan 1/2 utk biaya modif konversi oleh system bantuan Kementrian Ekonomi Industry atau Kementrian
Transportasi Negara.
・Jika menerima system bantuan dari Asosiasi Truk (anggota saja), dan Otonomi (sebagian saja) akan
dibantu 1/2 saja.
● Pemakaian Pribadi (White Number)
・Bantuan 1/2 untuk biaya modif konversi oleh system bantuan Kementrian Ekonomi Industri.
・Dapat juga diajukan oleh para Pebisnis dan Pribadi.
※ Ada juga system bantuan tambahan dari Individu Otonomi.
14
Konsep Dasar Kit
Ketepatan Kontrol tinggi yg jujur memenuhi Regulasi Gas buang
saat ini.
Design yg kompak mengungguli dari persaingan perusahaan lain.
- Instalasi sec. mudah.
Waktu Pemasangan singkat.
- Klasifikasi ECU jenis Kendaraan、Penggunaan Bracket khusus
& Mencakup Harness
Kontrol Item yg minimum、Metode kontrol yg sederhana.
Pada type mesin apapun bisa umum digunakan terkecuali utk ECU
setting
Bahan bakar dapat diubah otomatis selama kendaraan berjalan.
15
Susunan Part System Bi-Fuel
Susunan Kit System Bi-Fuel
16
System Dayaguna tinggi original ＨＫＳ
HKS Bi Fuel system adalah Konversi Kit berdayaguna tinggi dapat siap merubah system ke
kendaraan Natural Gas, tanpa merusak kemampuan yg sudah ada pada kendaraan tersebut, dan
sebagai Conversion Kit yg memodifikasi /merubah kendaraan bensin di pasar penjualan.
●Control Unit
●Switch Unit
Control CNG dgn akurasi tinggi,
mengkonversi nilai kebutuhan CNG dari
Signal Output ECU yg murni bersih.
Gambar Alat pengubah Natural
Gas/Bensin,Juga hemat bahan bakar
seketika dan pressure Gas Cylinder
※Dipasangkan Harness khusus sesuai type
Kendaraan.
System HKS yg dikembangkan dan di design
berpikir mengutamakan keselamatan memakai
bahan bakar Natural Gas bertekanan tinggi
●Regulator
●Fuel Delivery unit
Gas Cylinder dg Max 20ＭＰａ di kompress/
dikurangi pressurenya sampai 250 kPa.
Mensupply tenaga pressure yg stabil.
Ketepatan mengadopsi Gas Injector tinggi,
Kemampuan yg tinggi dari sisi pemakaian
Bahan bakar, emisi dan Outpu tenaga.nya.
17
Bi-Fuel Kit, Outline susunan Part
CNG-Gasoline Bi-Fuel Kit (Outline susunan Part)
○ Regulator Assy
○ Pipe Fuel
○ Switch
Unit
・Satu susunan Electro
Delivery Assy
Magnet Valve Pressure Power
・CNG Injector , produksi Kehin
・ Satu susunan Temp
CNG Container
○ Fuel
Filter Assy
○ Harness
B
Electro Magnet
Engine
Connection
Engine Hardness
○ Control
Unit
：CNG High Pressure
：CNG Low Pressure
ECU kendaraan
18
Perkenalan System Part
（Control Unit）
Control Unit
Berfungsi melakukan kontrol Natural Gas yg di kompress dgn Tekanan stabil dan
ketepatan yg tinggi pada alat pengurang tekanan, dan juga menyesuaikan setiap
kondisi pengendaraan.
Realisasi setting yg mudah dgn banyak fungsi・kemampuan sangat tinggi dgn
memperhatikan type kendaraan.
◆Penyesuaian Nilai minimum yg diharuskan pada perbedaantype kendaraan,
Engine dan komponen Gas Penyesuaian dgn dirubah
・・・ dapat dirubah type kendaraan yg umum sulit.
◆Meng konversi signal output Bensin dari ECU yg
Ignition Time・Injection time revision Map
bersih utk nila CNG yg diperlukan, mengeluarkan
output gerak signal bCNG Injector.
◆Fungsi kerja Map merevisi ignition time dan Injection time.
◆Perubahan otomatis bahan bakar sec. lancar.
(Pada saat setting kondisi running・Saat Gas cylinder
pressure menurun）
◆Fungsi Fail safe
◆Fungsi diagnosa sendiri.
19
Control Unit Keistimewaan Control
Control pressure memanfaatkan signal injection bensin.
Fungsi me revisi nilai tertentu dari kapasitas Injector,
kebutuhan A/F dari CNG dan Bensin (Jangkauan F/B)
Fungsi merevisi kebutuhan Output A/F dari jangkauan
Open Control.
Me revisi kebutuhan Ignition Time dari CNG dan Bensin.
Merubah pengoperasian Bensin saat gagal dan Fungsi
diagnosa kerusakan yg independent pada system didalam
Kit.
Fungsi me rubah bahan bakar selama kendaraan jalan.
20
Control Unit Input Output Power signal
入力 INPUT
出力 OUTPUT
Injection Signal
Bensin
Injector
＃１～４
Water Temp
Sensor
＃１～４
Throttle Sensor
Ｏ2 Sensor
Gas Temp
Sensor
Gas Pressure
Sensor
Gas（CNG）
Injector
Gas（CNG）
Shut-Off Valve
ＥＣＵ
Gas（CNG）
Shut-Off Valve
Switch unit
Indicator
Fuel Change
Switch signal
Ignition
signal
Power
＃１～４
Control
Unit
Ignator
Dari ECU kendaraan
Dari Sensor pada Kit CNG
21
Perkenalan system Part
(Regulator)
Regulator
Menurunkan Pressure sampai ２５０ｋＰａ dari Pressure Gas Cylinder Max.２０ＭＰａ.
Pada kondisi Engine berjalanpun berdasarkan Designnya yg baik, teknology proses pembuatan
dan kontrol qualiti yg mendukung ,Regulator ini men supply pressure bahan bakar dengan
stabil karena system 2 langkah dekompresi/pengurangan pressure.
◆Struktur unit Electromagnet block valve yang aman
dan kompak.
◆Mempermudah pemasangan karena pengaturan yg searah
dari jenis pipa.
◆ Design ISO standard dgn menahan pressure 100 MPa.
◆ Ketepatan kontrol Pressure Tinggi karena 2 tahapan
pengurangan pressure (2 steps decompression).
◆ Kontrol Stabil Pressure Gas Cylinder sampai 400 kPa.
22
Perkenalan System Part
Fuel Delivery Unit
Alat ini mengalokasi tepat bahan bakar Natural gas. Meng adopsi Gas Injector
tinggi yg tahan uji /dapat dipercaya, keakurasiannya yg tenang, serta
merealisasikan kemampuan tinggi dari sisi penghematan bahan bakar, emisi gas
buang Maupun Output tenaganya.
◆ Design terkecil yang mempertimbangkan perubahan
pressure dan pemasangan yg wajar/alami.
◆ Pemasangan Gas temperature/pressure sensor
◆ Meng adopsi Type Kontrol Amper Injector
◆ Multipoint Injection
◆ Meng supply Gas ke Intake manifold dengan Tube
23
Data Pengujian
(Pergantian Bahan bakar saat berjalan)
Saat berjalan pun Pergantian Otomatis bahan bakar dari
CNG --> Bensin sangat lancar
24
Data Pengujian
(Keakurasian Kontrol Pressure Power Regulator)
Kontrol bahan bakar dilakukan dgn Kestabilan Pressure Gas
Lebar fluktuasi 2 step
pressure dibawah4kPa
25
Data Pengujian
(Kestabilan Pressure Power Regulator saat berjalan)
Meskipun kendaraan berjalanpun、kontrol dilakukan dgn
kestabilan Pressure Gas
26
Perkenalan System Part
(Switch Unit)
・ Switch Unit
Alat ini tidak hanya memberi petunjuk Fungsi Pergantian bahan
bakar ,tetapi juga menunjukan Vol.sisa bahan bakar Gas dan nilai
efisien pemakaian bahan bakar dgn sekejap. Alat ini memastikan
situasi kondisi pengendaraan setiap saat, dapat berfungsi EcoDrive
secara aktif dan positive.
Petunjuk Pressure sisa
(Terlihat dg. Pressure Power)
◆Pergantian Fuel
(Petunjuk Fuel yg dipakai）
Petunjuk Pressure sisa
Terlihat dg Level)
◆Petunjuk Pressure sisa
Gas Cylinder.
◆Petunjuk efisien Fuel ＣＮＧ
Terlihat sekejap dg Fuel Efisien
◆Petunjuk Error Code
27
Contoh Petunjuk Switch Unit
Instalasi petunjuk pressure sisa dgn Digital yg mudah terlihat
Tombol 「Ｄ」
Pergantian tampilan LCD
Tampilan Vol. sisa CNG
(Satuan nilai Pressure Power)
Tombol 「Ｒ」
Error Reset
Tampilan Pressure sisa CNG (Level Gauge)
Tombol 「Ｇ」
Pergantian ke
pengoperasian
Bensin
Tombol 「Ｃ」
Pergantian ke
Pengoperasian CNG
Tampilan Efisien Fuel sekejap
28
Fail Safe・Fungsi Diagnosa sendiri
HKS Bi Fuel System memikirkan Keselamatan Paling Utama dalam hal menggunakan
Natural Gas Pressure Tinggi secara aman, dan sudah seharusnya memperoleh
International Standard ECE R110, bahkan melakukan kontrol quality dan system
design yg dibuat supaya berfungsi pada kondisi apapun dgn menetapkan standard
penilaian ketat di HKS sendiri sehingga setiap perlengka pan alat berfungsi normal dan
aman.
Fungsi Fail Safe
Error Natural Gas pressure.
Jika Pressure CNG cylinder atau Pressure Power yg ada didalam Delivery Pipe terjadi nilai setting
berlebihan atau berkurang , maka akan muncul Error Code pada Switch Unit, dan dalam waktu
bersamaan Electro magnet block valve akan tertutup , secara otomatis berubah ke pengoperasian
Bensin.
Fungsi Diagnosa sendiri.
Pada Control Unit terdapat fungsi diagnosa sendiri, dan apabila terdeteksi terjadi abnormal pada
system part masing2 sensor, kerusakan CNG Injector, terputusnya Hardness, kerusakan Switch unit,
bahkan abnormal Control pada set control unit pun, maka Electro Magnet Block Valve akan
mengunci, dan melakukan pergantian secara otomatis ke pengoperasian Bensin.
29
Contoh Instalasi pada Kendaraan
４Cylinder 1.5L Engine
Regulator
Filter
Injector Bensin
Nozle
Injector
30
30
Contoh Instalasi Cylinder（Pro Box）
Tanki Bensin tetap terpasang、ditambahkan instalasi tabung
Gas Cylinder CNG 47.5 Lt ., Dibagian bawah kendaraan
Kapasitas CNG (47.5L)
Bensin：kira2 540 km, CNG:kira2 dapat berjalan 150 km
(Dihitung berdasarkan nilai Test di kami dengan 10・15 Mode)
31
Data Pengujian
（Hasil pengukuan Gas buang）
Gas buang yg bersih dibandingkan dgn Bensin
(Bensin)
32
Data Pengujian
(Hasil pengukuran efisiensi Fuel danCO2)
Diuji Fuel Efisiensi yg sepadan dgn Bensin, terjadi
penurunan 22% Vol. asap buang CO2
4気筒 2.0L
Gasoline(Km/L)
CNG(Km/ｍ3)
33
Asuransi System
HKS Bi Fuel System selalu memikirkan Keselamatan Paling Utama dalam hal menggunakan Natural
Gas Pressure Tinggi secara aman, dan sudah seharusnya memperoleh International Standard ECE
R110, bahkan merancang System Design setiap peralatan utk situasi kondisi apapun dibuat
berdasarkan standard evaluasi perusahaan kami yg ketat sehingga dapat berfungsi sec. normal dan
aman, serta melakukan kontrol quality berdasarkan Traceability.
Bi Fuel System Garansi 3 tahun 60 Ribu Km
Afiliasi Keanggotaan Pembuat
System Penjualan
Penjualan dgn Jaminan 3 Tahun atau 60 Ribu Km utk Kit Re Model
type jenis kendaraan.
・Pemberian Kartu Garansi dan Catatan Maintenance
Garansi Kit dgn dilakukan Maintenance sebenarnya secara periodik.
Kepada setiap User/pemakai
34
System Alur Pelayanan
(Workshop)
Permintaan
Pertemuan Terkait
Kesulitan・Permintaan
代品
Staff Pelayanan
Instruksi Jawaban
Diagnosa kerusakan
Memastikan kondisi
Permintaan・Kepastian Kondisi
ＨＫＳ
Customer
Maintenance Persh. Gas
Kesulitan・Permintaan
代品
Instruksi Jawaban
Diagnosa Kerusakan
Memastikan Kondisi
35
END
36
付録 4
訪日研修報告
（プラスチック・ゴム分野）
付録４
分
析
結
果
報
告
書
一般財団法人日本自動車研究所 御中
日尼EPA協力事業におけるプラスチック・ゴム
分野のインドネシア研修員の受入対応
ご依頼頂きました分析の結果をご報告申し上げます。
報
告
日
受
付
No.
報告責任者
2012年11月20日
68936
マテリアル解析部
TEL: 046-867-5282
米田
印
孝治
E-mail: [email protected]
分析終了後の試料を以下の内容で、処理いたしました。
□ 報告書と同時に返却いたしました。
□ 報告書とは別便にて返却いたしました。
□ 依頼者の指示により、廃却いたしました。
□ 依頼者の指示により、弊社にて保管しております。
■ 分析に全て使用し、残試料はございません。
□ その他（
）
承
認
技術営業部 研
究
部
本件に関するお問い合わせは、上記受付No.にてご連絡をお願い致します。
技 術 営 業 部
〒237-0061 神奈川県横須賀市夏島町１番地
TEL: 046-813-7403 FAX: 046-866-5814
E-mail: [email protected]
http://www.nissan-arc.co.jp
(Form No.059-07A)
2
【まとめ】
インドネシアの試験分析機関のメンバーを対象に、市場で発生する製品の品質課
題に対する材料の分析・解析技術を用いた問題解決手法について４日間のレクチャ
ーを実施した。その総括を以下に述べる。
１)
３人の講師から問題解決手法についての解説を行い、問題解決を進める上では
依頼者との情報の共有化、および仮説立案が重要であることを説明した。ただ
し、依頼者側が情報を隠してしまう傾向があることから、インドネシア国内で
は秘匿契約も含めたコミニュケーションのあり方を考える必要がある。
２)
インドネシア国内で実際に発生した製品不具合について、開設した問題解決法
を応用しながら体験実習を行った。研修生の分析技術レベルに差はあるものの、
分析装置の取り扱い自体は慣れている様子であった。しかし、分析を行う上で
重要な前処理の技術については未熟なメンバーが多く、分析目的に応じた前処
理技術の習得も今後の課題と言える。
１. 目的
（１）インドネシア研究機関のプラスチック・ゴム分野におけるR&D機能強化のため
の技術協力として、製品不具合の問題解決手法の基礎を習得するために、講
義と実習を実施する。
（２）インドネシア国内で実際に発生した製品不具合を題材に、分析・解析を用い
た問題解決の手法を体験することで、インドネシアでの分析技術レベル向上
のための一助とする。
２. 実施期間
２.１ 準備期間と内容
・2012年７月～10月
7月 研修内容の調整と確認
8月 インドネシアへ研修内容と分析サンプル送付の連絡
9月 インドネシアから分析サンプルの入手および分析の事前実施
10月 講義資料の作成と研修生の受け入れ
２.２ 研修生の受け入れ
・当社での研修は10月16日～19日の４日間
研修スケジュールについては表１に示す。
3
３. 研修内容
３.１ 問題解決手法の解説（１日目）
レクチャー１：品質問題を解決するための材料分析のポイント
（Key Points of Materials Analysis for Resolving Quality Problems）
阿久津 康久（株式会社日産アーク 顧問）
添付資料１参照
レクチャー２：高分子材料の破損解析技術
（Failure Analysis of Polymer Materials）
和泉 俊弘 （株式会社日差アーク マテリアル解析部
添付資料２参照
解析主任）
レクチャー３：ゴム・樹脂製品の劣化解析技術
（Analysis of Rubber/Resin Degradation）
石川 大輔 （株式会社日差アーク マテリアル解析部）
添付資料３参照
３.２
講演（１日目）
講演：天然ゴムの機械的特性と工業製品への応用
（Mechanical Properties of Rubber（NR) and
its Application to Engineering products）
佐藤 美洋 先生 （上智大学 准教授）
添付資料４参照
３.３
実習（２日目・３日目）
実習は２日目に破損解析技術、３日目に劣化解析技術を実施した。研修生を
２班に分けて実施した。
２日目：高分子材料の破損解析技術
破面解析と組織解析（N-ARC法）の実習
３日目：ゴム・樹脂の劣化解析技術
前処理技術と分析機器の取り扱い実習
３.４
分析装置の見学（４日目）
午前：２、３日目に実施した実習の補足説明とその他の分析設備の見学
３.５
インドネシア不具合サンプルの分析結果報告（４日目）
午後：インドネシアで発生した不具合サンプルの分析結果報告、ならびに
ディスカッションの実施
4
４． 結果
４.１ 問題解決手法の解説（１日目）
１） レクチャー１では、品質問題を解決するための材料分析のポイントについ
てQ&Aも含めて約２時間の講義を行った。その中で問題解決にたどり付くた
めの重要なポイントとして次の３つを挙げて解説した（添付資料１参照）。
１つ目は“仮説の構築”である。これまでの経験（解析実績）を含めた情
報と依頼者（ユーザ）しか知らない情報とを共有化しながら仮説を構築する
ことが重要である。２つ目には“試料の確保”である。試料のサンプリング
方法はその後の分析内容によって様々であり、不用意に手で触れることやテ
ープで固定するなど、他の成分による汚染の可能性を極力避けなければなら
ない。３つ目が“最適な測定手法の選択”である。分析には空間分解能や検
出感度・検出領域があり目的に応じた適切な分析を選択することが重要であ
る。また、現象を捕える上でサンプル全体（マクロ）を観察し、仮説に従っ
て徐々にミクロの領域へ進むことや破壊しなければならない分析は最後に行
うことなど、多くの例題を交えて解説した（写真１講義の概要を参照）。
２） レクチャー２では、高分子材料の破損解析技術について約1時間30分に渡
り解説した。ここでは、翌日に実習を行う破面解析や組織解析の手法につい
て重点的に講義を行い、以下の２つのポイントについて講義を行った（添付
資料２参照）。
１つ目は、破面が現場（事故・破壊）に残された唯一の物的証拠であるた
め、その破面から情報を引き出し仮説を立案すること、そして２つ目に、仮
説に基づく分析を実施することが重要である。また、弊社オリジナルの観察
手法であるN-ARC法についても、そのノウハウの一部を公開して実習前の予
備知識として解説した。
３）レクチャー３では、ゴム・樹脂の劣化解析技術につてい約1時間30分かけて
解説した（添付資料３参照）。ここでも、翌日に行う実習項目を主体とした
講義を行った。劣化解析を進め上でのポイントとして、「木を見て森を見
ず」の例えから、観察・分析を行う際には、森すなわちマクロから、木つま
りミクロ領域へ進めること、そしてその両方から得られる情報を総合して考
察することの重要性について詳細に説明した。
４.２ 講演（１日目）
講演は、ゴムの物性の研究で有名な上智大学の佐藤先生を招き、インドネシア
の工業製品の柱ともなる天然ゴムへの期待として、日本でも研究されている機械
的特性の評価方法やすでに製品化されてる部品の機械的特性について説明をいた
だき、ゴム材料で部品を作製する難しさなどを講演いただきました。特に地震の
揺れを低減する免震ゴムへの関心度は高く、研修生からは多数の質問が挙がった
（添付資料４参照）。
5
４.３ 実習（２日目・３日目）
実習は、研修生を２班に分けて午前と午後の入れ替え制とし、実習を希望され
た研修生全員が体験できるように配慮した（写真２実習の概要を参照）。
２日目の破損解析技術では、接写装置や実体顕微鏡、さらに走査型電子顕微鏡
（SEM）を使った破面解析について実習を行った。組織解析技術では、N-ARC法で
最も重要な精密研磨手法の実習を行った。粗研磨から中研磨、仕上げ、精密研磨
まで一連の作業について実際にサンプルを研磨してもらい、最終的には顕微鏡で
観察するところまでを体験した。
３日目の劣化解析の実習では、前処理法としてゴム材料を燃やしてゴム成分を
抽出する還留法や、最新のマニピュレータを使った10ミクロン以下の顔料の採取、
ミクロトームでの数ミクロンの薄片作製など、これまで経験のなかった前処理技
術を体験してもらった。
４.４
分析装置の見学（４日目）
見学では、実習で体験することの出来なかった分析装置を重点に説明した。特
に研修生からリクエストがあった、Ｘ線回折装置やクライオミクロトーム、透過
型電子顕微鏡（TEM）については時間をかけて解説した（写真３見学概要を参
照）。
４.５
インドネシア不具合サンプルの分析結果報告（４日目）
１）シートベルトスプールの破損解析
分析の目的は、分析・解析によりスプールが破損した原因の手掛りを得ること
である。破損に至るまでの情報量が少ない中、仮説の立案、材質分析、劣化解析、
破面解析および組織解析の順に調査を進めた。詳細な分析結果を添付資料５に示
す。
破面解析の結果、破壊の起点とその要因を明らかにすることができた。これは
インドネシアの分析機関（STP）で予想していた結果と一致した。STPでは破損の
要因を予想しても、それを検証する手法が判らないため、破損の要因を証明する
ことが出来ない案件が多い。本件もその一例であり、日本で要因を明らかにする
ことができたことで、破面解析や組織解析が有効な問題解決手法であることを認
識してもらうことができた。
２）ＬＰＧホースの劣化解析
分析の目的は、LPGホースの表面に発生した亀裂の発生原因を調査することで
ある。これも、少ない情報量から仮説を立てて亀裂の発生状況の観察からゴム種
の同定や劣化状態までを分析・調査した。分析結果の詳細については添付資料６
に示した。
このLPGホースはインドネシアの一般家庭からサンプルとして持ち込まれたも
のであり、日常的に発生している不具合である。劣化解析の結果、亀裂が発生し
た原因は、屋外での使用による熱負荷と耐光劣化であると判明した。このサンプ
ルの提供者が研修生の１人であり（この点については当社側へ事前の情報提供が
6
なかった）、調査の結果明らかとなった亀裂発生の要因が、LPGホースの置かれ
ていた環境と一致したため、分析結果に驚いていた。
５.
感想
インドネシア研修生7名と工業省の方1名を迎え、明るく怪我なく4日間を無事
に終わることができ、研修生皆さんのご協力に感謝します。
研修生の方は、分析に対する意思が高く、体験実習も積極的に受けるなど、前
向きの姿勢で日本の若手技術者にはないものを持っていると感じました。研修生
の多くは、分析機器の使い方はよく勉強されていると思いますが、手を動かす作
業は苦手なようです。特に顕微鏡観察の前処理技術についてはあまり経験ないよ
うで、貴重な経験ができたのではと思います。実習の責任者からも1カ月程度で
実践レベルになるのではとコメントがありました。当初、研修生の中から4日間
では短いとの意見が大半でしたが、最終日を迎え、短い期間でも充実した成果が
得られたと言ってくれたので、我々としてはうれしかったです。
最後に、このような国際貢献ができる機会を頂いたことに感謝します。
【担当者】
マテリアル解析部 ○米田 孝治、佐藤 秀紀
添 付 資 料 １ 「 Key Points of Materials Analysis for Resolving Quality
Problems」
添付資料２「Failure Analysis of Polymer Materials」
添付資料３「Analysis of Rubber/Resin Degradation」
添付資料４「Mechanical Properties of Rubber（NR) and
its Application to Engineering products」
写真１
写真２
写真３
「講義の概要を参照」
「実習の概要を参照」
「見学の概要を参照」
添付資料５「Failure analysis, spool of seatbelt system」
添付資料６「"Crack analysis of LPG hos」
－ 以下、添付資料 －
7
表１
研修スケジュール
NISSAN ARC Schedule（10/16～10/19）
Schedule
Contents
Assist
Welcome message
Matsumoto
introduction
Yoneda
【Turesday, October 16th, 2012】
1
9:00 - 10:00
Company　explanation
2
10:00 - 12:00
3
12:00 - 13:00
4
13:00 - 14:30
Lecture (1)
Mr. Akutsu from NISSAN ARC
Shichi
Akutsu
"Key Points of Materials Analysis for Resolving Quality Problems"
Lunch
Lecture (2)
Prof. Y.Satoh from Sophia university
Yoneda
Prof. Y.Satoh
"Mechanical Properties of Rubber（NR) and
its Application to Engineering products"
5
14:30 - 15:00
6
15:00 - 16:00
coffee break
Lecture (3)
Mr. T.IZUMI from NISSAN ARC
Izumi
"Failure Analysis of Polymer Materials"
short break
7
16:15 - 17:15
Lecture (4)
Mr. D.ISHIKAWA from NISSAN ARC
Ishikawa
"Analysis of Rubber/Resin Degradation"
8
17:15
18:00
Free Q&A
Yoneda
Briefing
Training of fractography
Izumi & Himeno
1st floor
Lunch
Akutsu & Yoneda
【Wednesday, October 17th, 2012】
1
9:00 - 9:30
2
9:30 - 12:00
-
3
12:00 - 13:00
4
13:00 - 17:00
Training of N-ARC methods
-
1st floor
Free Q&A
5
17:00
18:00
(Instructor)
(Observer)
【Thursday, October 18th, 2012】
1
9:00 - 9:30
2
9:30 - 12:00
Briefing
Training of the preprocessing technique
Ishikawa & Hasegawa
Akutsu & Yoneda
3
12:00 - 13:00
2nd floor
Lunch
4
13:00 - 17:00
Handling equipment to analyze the degradation
5
17:00
2nd floor
Free Q&A
-
18:00
(Instructor)
(Observer)
【Friday, October 19th, 2012】
1
9:00 - 12:00
Remind of training & Lab tour
2
12:00 - 13:00
3
13:00 - 17:00
Lunch
Analysis result of parts from INDONESIA
"Failure analysis, spool of seatbelt system"
Q&A
"Crack analysis of LPG hose"
Q&A
Finish
4
17:00 - 18:00
Everyone
Izumi
Ishikawa
Akutsu
－ 禁無断転載 －
経 済 産 業 省 委 託
平 成 24 年 度
経済連携促進のための産業高度化推進事業
｢日 本 －インドネシア経 済 連 携 協 定 に係 るインドネシア既 存 機 関 の
R&D 機 能 強 化 に向 けたミッション派 遣 等 事 業 ｣
報告書
平 成 25 年 3 月
発
行
一般財団法人 日本自動車研究所
〒305-0822
TEL
茨 城 県 つ く ば 市 苅 間 2530
029（ 856） 1120