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SONAR X2徹底攻略
PRODUCER
ProChannel
SONAR X2 PRODUCERを使うすべてのユーザーにお勧めの、アナログ・モデリング技術を使ったProChannel。
前回に引き続き、今回はより実践的な使用方法やヒントを紹介していきます。楽器ごとに設定例をいくつか紹介し
ていくので、音作りの参考にしてみて下さい。また、人気オーディオ・インターフェイスの最新モデル、STUDIOCAPTUREも初登場。キャプチャー・シリーズの新たなフラッグシップ機の魅力にも迫ってみましょう。
Product Info.
Roland
SONAR X2
SONAR X2 PRODUCER ■価格:OP(市場予想価格 6 万円前後)
SONAR X2 STUDIO
■価格:OP(市場予想価格 4 万円前後)
SONAR X2 ESSENTIAL
■価格:OP(市場予想価格 2 万円前後)
[後編]
■ SONAR X2 シリーズ動作条件
●対応 OS:Microsoft® Windows® 7 SP1 以降、Windows® 7 x64 SP1 以降 ※すべて日本語
版 ●対応パソコン:Windows® 対応パソコン ●CPU/クロック:Intel® Core TM プロセッ
サー、互換プロセッサー 2.6GHz 以上 ※クロックが変化するCPU では、最低動作クロック
が上記条件を満たしている必要があります。
●メモリー:2GB 以上 ※ 4GB 以上を推奨 、30GB(STUDIO)
、15GB(ESSENTIAL)以上の
●ディスクの空き容量:50GB(PRODUCER)
空き容量のあるSATA接続のHDDまたはSSD ※HDDの場合は 7,200rpm 以上を推奨 ●画
面解像度 / 色数 :1280 × 800 ドット、High Color(16 ビット)以上 ※ 1920 × 1080 ドット以
上を推奨 ●必要なハードウェア:Windows® 対応のオーディオ・インターフェースまたは
サウンド・カード ※ ASIO 対応のハードウェアを推奨/DVD-ROMドライブ(インストール
に必要)/ CD-R/RWドライブ(CDライティングに必要)●その他:インターネット接続環境
ProChannel FEATURES “PRESET”
さまざまな楽器に対応した即戦力のサウンド
プリセットを活用しよう!
SONAR X 2 PRODUCER の大きな特徴
ProChannel には、各モジュールが組み
である ProChannel は、
「Console Emulat
合わせられた楽器ごとのプリセットが、
or」
「EQ」
「COMP」
「BREVERB」
「TUBE」
「SA
Fat や Smooth など音色をイメージしやす
TURATION KNOB」
「FX Chain」の 7 つのエ
い名前で収録されています。プリセット
フェクト・モジュールから、好きなもの
を読み込み、好みに合わせて微調整して
を組み合わせてサウンド・メイクしてい
いけば簡単にカッコ良いサウンドが得ら
く「チャンネル・ストリップ」タイプのエ
れるのです。
フェクトです。使い勝手も良いので、あ
また、カスタマイズしたProChannelは、
る程度エフェクターの仕組みや音作りの
オリジナル・プリセットとして保存する
ノウハウがあれば瞬時に好みのサウンド
こともできるので、お気に入りの設定を
を作ることができるのですが、どんなエ
どんどん保存していけば、ミキシング作
フェクトを掛ければ良いかわからない…
業を効率的に行なうことができます。ぜ
と悩んでしまうことも。そんなときには
ひ活用しましょう。
画面 1 コンソール・ビューやインスペクタで、ProCha
nnel プリセットの読み込み / 保存が可能。
画面 2 楽器ごとに実践的なプリセッ
トを収録。オリジナルのプリセットは、
フォルダを作って管理すると便利です。
プリセットを活用するのがオススメです。
ProChannel HOW TO USE 01
設定例∼その 1
「SessionDrummer 3」のアコースティック・ドラム音色
ここからは、楽器ごとに実際の設定例
004
ことが可能です。パラメーターを設定す
を紹介していきましょう。まずは曲の土
るときは、Thresを下げてコンプが激し目
台になるドラム。Session Drummer3 のア
に掛かった状態で Attack と Release を調
コースティック・キットで汎用的に使え
整し、Thres を戻して MAKE-UP で音量を
るオーソドックスな設定です。
上げていくようにすると好みの質感が作
ポイントとなるのは FX Chain モジュー
りやすいことでしょう。また、Dry/Wet
ルにインサートした「PX-64 Percussion
のバランス調節も可能なので、コンプを
Strip」です。SHAPER の DECAY とCOLOR
ガッツリ掛けておき、Dry とのミックス・
で、低域成分の余韻をカットし、全体的
バランスで音を作っていくこともできま
にスッキリとしたサウンドを作っていま
す。今回は、ドラムのミックス・バスに
す。不要な余韻が無くなることで、リズ
使用しているため、比較的浅めにコンプ
ムがタイトになり、まとまりのあるサウ
レッションを掛けています。
ンドを得られます。また、四つ打ち系の
EQ は HP で不要な低域を削り、HI MID
キックの場合は WEIGHT を調整すること
を軽くブーストすることでオケに埋も
でキックの量感をコントロールすること
れにくいサウンドを作っています。ドラ
ができるので、さまざまなシーンで活用
ム・バスで EQ を使用する場合はドラム
できるでしょう。
のパーツごとのレベルにも影響してきま
COMP に使用した「PC4K S-Type Bus
すので、まずは Session Drummer3 内で
Compressor」は、サウンドにパンチを与
音量バランスを取ってから、微調整に使
えつつ、まとまったサウンドに仕上げる
用していくと良いでしょう。また、音が
2 013 04
画面 4 PX-64 の SHAPER で余韻をコントロール! TS-64 でも同様の処理が
可能です。
コンパクトなスペー
スにEQのカーブがグ
ラフィカルに表示さ
れ、使い勝手、視認
性ともに良好だ。
画面 3 ドラムへの使用例
SONAR X2
こもって聞こえるような場合はLo MIDを
灯するかしないか程度の軽いサチュレー
Session Drummer3 にはアンビエンス
リズム・マシーン系の音色でも基本的に
カットしてみてください。思ったサウン
ションに留めています。 これだけで音
の掛かった音色も収録されていますが、
は同じような流れで大丈夫です。4 つ打ち
ドが作れないときは、思い切ってEQ カー
の存在感がグッと増してくるので、特に
ルーム感が強過ぎる場合はドライの音色
キックなどガツンと前に出したいときは、
ブを変えてみるのも効果的です。
パート数の少ない楽曲でサウンドがスカ
を選択し、BREVERB で ROOM タイプのリ
深めにコンプを掛けた上でリミッターを
最後に SATURATION KNOB を掛けてい
スカに聞こえてしまう場合に使うと効果
バーブを加えてアンビエンスを調整する
併用するなど色々試してみてください。
ますが、 音量が最大のときに LED が点
的でしょう。
といった工夫も考えられます。
ProChannel HOW TO USE 02
ProChannel HOW TO USE 03
設定例∼その 2
設定例∼その 3
エレキ・ベース音色
エレキ・ギター
続いて D-PRO や SI-Bass Guitar などのエレキ・ベース
エレキ・ギターの場合について考えてみましょう。TH2
音色での使用例です。
PRODUCER などのアンプ・シミュレーターの精度はかな
まず Console Emulator に加え、TUBE モジュールで軽く
り高いので、ライン録りもアンプ録りも基本的な音作り
チューブ・サチュレーションを掛けています。ベース単体
の考え方は同じです。
で聞くとサウンドの変化は小さいのですが、オケ全体で鳴
ミックスの前段階…つまりアンプやアンプ・ シミュ
らしたときに馴染みつつも音の輪郭がはっきりしてくるよ
レーターでしっかり好みのサウンドを作っていくことが
うになります。ベース以外でも同じ使い方ができます。
何より大切です。アンプのつまみはもちろん、キャビネッ
そして、EQ を使い低域をコントロールしていきます。
トにマイクを立てる位置でサウンドは激変してしまいま
どの位補正するかは使用する音源によって違いますが、
すので、ミキシング時に不要な EQ を避けるためにもしっ
D-PRO の場合は低域が強すぎる傾向にあるので、HP で
かりと音作りしておくことが大切です。ある程度好みの
ローカット、Hi MID を軽くブーストしてベースライン
音が作れている場合は、ミキシングも楽。ここで紹介し
が聞こえやすいように処理を行なっています。ベースは
ている設定例もPC76 U-Type Compressorで軽く音量を
ローが大切ですが、出し過ぎると低域がぼやけてしまう
え、EQ で補正しているだけです。
ので、時には思い切ってカットしてみるのも大切です。
ギター以外のオケが打ち込みの場合、ギターの音が混
最後に音のアタックを強調するようなセッティングで
ざらず浮いて聞こえるようなケースも多いと思います。
PC76 U-Type Compressor を使用しています。
その場合はギターやリバーブ、ディレイを深めに掛けた
音が細かったりライン臭さが目立つような場合は、TH2 Pr
り、ベースでも紹介したサチュレーションを与えてみる
oducer(アンプ・シミュレーター)を使うのも効果的です。そ
など、色々試してみてください。
の場合、アンプはキャビネット部分だけを活かして使ってみ
プラグインのアンプ・シミュレーターを使う場合は、
てください。TH2 の場合、キャビネット・モデルが選べるだ
FX Chain モジュールを使ってシミュレーターもProChann
けでなくマイク・ポジションも細かく設定できるので、EQで
は再現できないような生々しいニュアンスを作り込めます。
画面 5 ベースへの使用例。
elで管理するようにすれば、音作りの幅はさらに広がって
きます。
画面 6 エレキ・ギターへの
使用例。
ProChannel HOW TO USE 04
ProChannel HOW TO USE 05
設定例∼その 4
設定例∼その 5
ボーカル
マスターバス
歌モノ楽曲におけるボーカルは、何よりも気を使いた
最後はマスターバスです。マ
いパートです。
スターバスには、大体同じよう
ここでは、女性ボーカルを例にセッティングを作成し
なセッティングのエフェクトを
てみました。まずは EQ を使って音質を整えていきます。
使うことが多いので、あらかじ
使用するマイクやボーカリストの声質によっても変わっ
めプリセットを組んでおけば効
てきますが、ヌケが悪く感じる場合は Q を狭めて HIGH を
率的に作業できるでしょう。
軽くブーストしてみましょう。倍音部分をEQすることで、
この設定例も非常にシンプル。
声が前に出てくるようになります。同時に GLOSS スイッ
PC4K S-Type Bus Compressor で
チをONにすれば高域に煌びやかな成分を付加することが
最終的なダイナミクスを調整し
可能です。
ます。アタックは速め、リリー
続いて、FX Chain モジュールで「VX-64 Vocal Strip」を
ス長めで音量が
インサートし、DEESSER で耳障りな歯擦音をカット、CO
ティングにしておき、FX Chain
MPAND で軽くコンプを掛けています。余談ですが、音量
にマスタリング用のプラグイン・
うようなセッ
差が大きい部分は事前に V-Vocal 上でダイナミクスを整
エフェクトをインサートしてみ
えておくと、コンプの使用量を減らせ、音の変化を最小
ました。
限に抑えることができます。また、声が細い場合はVX-64
SONAR X 2 PRODUCER には
の DOUBLER を使い、声に厚みを与えることもできます。
LP64 EQ / Multiband、VC-64 Vin
最後に BREVERB 2 でプレート・リバーブを足していま
tage Channel、Boost11 などマス
す。リバーブはセオリー通りSENDバスを使うのも良いで
タリング用途で使えるプラグイ
すが、BREVERB 2 自体が CPU 効率が良いのでインサート
ンがあらかじめ っているので、
でも OK ではないでしょうか。
プリ・マスタリングまでの作業
男性ボーカルの場合は、他の楽器が持つ帯域とのかぶ
を完結することができます。
りが多くなる傾向にあるので、ボーカルの音を作った後
ま た、 音 圧 を 稼 ぐ に は 先 日
でオケをボーカルに合わせて調整していくのがオススメ
オープンした Cakewalk Store
です。また、ボーカルのトラックをコピーし、そのトラッ
クにコンプを深く掛けてボリューム・フェーダーでバラ
ンスを取るというのも定番の手法ですが、ProChannel の
コンプならば Dry/Wet ツマミで同様の処理が可能です。
画面 8 マスターバスへの使
用例。
画面 9 自然なサウンドが魅
力のリミッター、CON
CRETE LIMITTERも効
果的です。
Japan で新たに発売された CONC
画面 7 ボーカルへの使用例。
RETE LIMITTERもオススメ。より
ナチュラルなサウンドに仕上げ
ることができます。
2013 04
005
NEW PRODUCT SPECIAL REVIEW
CAPUTRE シリーズ最新にしてフラッグシップ・モデルが遂に登場!
STUDIO-CAPTURE
BACK
の魅力
Roland のオーディオ・インターフェー
スと言えば、OCTA-CAPTURE や QUADCAPTURE、さらには先日紹介した iPad で
も利用可能な DUO-CAPTURE EX など、
手軽ながら本格的なサウンドと、最先端
のテクノロジーを組み合わせた総合力の
高さで人気となっていますが、STUDIOCAPTURE はそんな Roland オーディオ・
インターフェースの新たなフラッグシッ
プ・モデルとして発売される新製品。
アナログ入出力だけで 12 基のマイク
プリアンプを含む 16 入力 /10 出力を備え
ているほか、OCTA-CAPTURE や QUADCAPTURE で人気の機能をさらに進化。使
い勝手も大幅に向上させた、フラッグシッ
プにふさわしいスペックを誇ります。
そんな注目の STUDIO-CAPTURE の魅
FRONT
力、ポイントごとに詳しくチェックして
いきましょう。
●オーディオ録音再生チャンネル数:サンプリング周波数(kHz)= 192 / 96 / 48 / 44.1、録音= 16 チャンネル、再生= 10 チャンネル ●信号処理:PC インターフェース= 24 ビット、AD / DA コンバーター= 24 ビット ●
サンプリング周波数 AD / DA コンバーター= 192kHz、96kHz、48kHz、44.1kHz、DIGITAL(IN / OUT)= 96kHz、48kHz、44.1kHz ●接続端子 INPUT 1 ∼ 12 端子 ※ 1(XLR タイプ(バランス、ファンタム電源 ※ 2:DC +48V(無
負荷時最大)、10mA(最大負荷)))、INPUT 1 ∼ 16 端子(TRS 標準タイプ(バランス))、PHONES 端子(ステレオ標準タイプ)、OUTPUT 1 ∼ 8 端子(TRS 標準タイプ(バランス))、COAXIAL IN 端子(RCA ピン・タイプ(IEC60958 に
準拠))、COAXIAL OUT 端子(RCA ピン・タイプ(IEC60958 に準拠))、MIDI(IN、OUT)端子、USB 端子(USB B タイプ)、DC IN 端子 ●インターフェース:Hi-Speed USB ●電源:AC アダプター ●消費電流:1600mA ●付
属品 取扱説明書、Block Diagram チラシ、AC アダプター、STUDIO-CAPTURE Driver CD-ROM、ラック・マウント・アングル× 2、USB ケーブル、使用許諾契約書、保証書、ローランド ユーザー登録カード ※ 1 INPUT1 ∼ 2 端子はハイ・インピーダンスに対応 ※ 2 XLR タイプの全入力端子に装備。電流値は 1 チャンネルあたり。全体で 50mA 以下であること。
STUDIO-CAPTURE TOPICS 01
サイズを超えた多入出力端子
STUDIO-CAPTURE のまず最初のポイ
内、INPUT1∼12はXLR/TRSコンボジャッ
OUT 端子を装備しているのがポイントと
また、ヘッドホン端子は 2 系統に拡張
ントは、やはり多入出力の端子を装備し
ク、INPUT 13 ∼ 16 チャンネルが - 20 /-
なります。このMONITOR OUTには、本体
されているのも見逃せません。 個別の
ているという点でしょう。
10/+4dB のレベル切り替えが可能な TRS
前面の「MONITOR OUT LEVEL」を通すか
ボリューム設定が行なえるので、レコー
本体を見ればわかる通り、コンパクト
フォン端子となっており、INPUT1 ∼ 2 は
どうかを切り替えることができるので、ミ
ディング時にはプレイヤーとエンジニア
な筐体にさまざまな入出力端子が所狭
Hi-Z に対応しているのでギターやベース
キサーやモニター・コントローラーなど常
が異なるバランスでモニターを行なうこ
しと搭載されているのがわかります。ス
を直接接続することができます。また、IN
に一定の音量で出力した方が便利な機器
とができますし、自宅で複数のヘッドホ
ペックを見ると、16 イン 10 アウトと、数
・タ
PUT15/16 はコアキシャル(S/PDIF)
との組み合わせもバッチリです。詳しくは
ンを使い分けるのも簡単です。
だけ見れば決して珍しいものではありま
イプのデジタル入力を使用することがで
後ほど紹介しますが、10 系統の出力は細
これだけの入出力を備えながらも、本
せんが、ポイントはすべてアナログ入出
きるので、デジタル出力が可能なシンセ
かくルーティングしたり、個別の音量バ
体サイズは OCTA-CAPTURE と同等のカ
力だけでこの数字を実現できるという点
サイザーやアウトボードは音質劣化を気
ランスで出力することもできるので、サラ
バンに十分収まるサイズに抑えられてい
です。
にせず使うことができます。
ウンドでのモニタリングからレコーディン
ます。付属のラック・マウント・キットを
多 入 出力を謳うモデ ル では、A D AT
INPUT1 ∼ 12 にはすべて個別にファン
グ時にはプレイヤーごとに異なるバラン
使えばラックにマウントすることも可能
(SMUX)などの端子を備え、外部のデジ
タム電源の供給が可能なプリアンプ「VS
スのミックスを作る…などかなり柔軟に
(2U)ですから、自宅からモバイルまであ
対応できるようになっています。
タル・ミキサーやマイク・プリアンプな
PREAMP」が内蔵されているので、マル
どフルで接続して初めて入出力をフルで
チ・ マイクでの収録に威力を発揮して
活用できるケースがほとんど。その場合、
くれます。多くのオーディオ・インター
一般的なシンセサイザーや音源モジュー
フェースが搭載するマイク・プリアンプ
ル、 マイクやギターといった楽器類を
が 8 系統程度であることを考えると、本
接続していくためにはオーディオ・イン
体だけで 12 チャンネルの生ドラムの録音
ターフェース以外の機材を える必要が
ができるというだけでも大きなアドバン
出てきます。その点、STUDIO-CAPTURE
テージになってきます。
らゆるユースに活用することができます。
は本体だけで入出力をフルで使用できる
出力は TRS バランスが 8 系統、コアキ
のは大きなメリットです。
シャル・デジタルが 1 系統の系 10 出力で
入出力の内訳を見ていくと、16 入力の
すが、OUT1-2 は XLR タイプの MONITOR
▲画面 10 リアパネルには豊富な入出力端子が!
CAPTURE シリーズが人気を得ている
の音質を決定するプリアンプ部には、既
来モデルよりも大幅に拡大しつつ、入力
デジタル回路は別の基盤にされ、 電源
理由は、その音質。ワンランク上のモデ
に CAPTURE シリーズではお馴染みの VS
換算ノイズは -125dBu と、マイク・プリ
に至るまで完全に独立させることで、回
ルに匹敵するクリアなサウンドは、楽器
PREAMP を搭載。しかも電源回路を見直
アンプを凌ぐ性能を実現。ヘッドルーム
路間の干渉による音質低下を抑える工夫
の持つサウンドを忠実にキャプチャーで
すことでノイズを抑えつつヘッドルーム
が広がることで、ダイナミック・レンジの
が施されています。パラメーターのコン
きます。
を広げるなど確実なグレード・アップが
大きな楽器にも余裕で対応できます。
トロールもすべてデジタル制御が用いら
その秘密は、徹底した高音質設計にあ
行なわれています。スペック的には最大
また、続く回路にもこだわりが。極力
れ、音を変化させる要素を極限まで排除。
ります。まず、マイク・レコーディングで
入力レベルが全チャンネル+ 16dBu と従
シンプルにまとめられたアナログ回路と
ライン入力やアナログ出力でもクリアな
STUDIO-CAPTURE TOPICS 02
徹底した高音質設計
006
2 013 04
SONAR X2
サウンドを実現しているのです。
しているのでレコーディング時にリミッ
さらには INPUT1 ∼ 12 にはコンプレッ
ター的に使うのはもちろん、積極的なサ
サーを内蔵。しかも、同社の業務用機器の
ウンド・メイクも行なえます。しかも新た
V-Mixerに搭載されているコンプレッサー
にパラメーターのプリセットを収録(ユー
のアルゴリズムを継承した本格仕様。一
ザープリセットも可能)し、実践的なサウ
般的なコンプのフル・パラメーターを搭載
ンドを瞬時に呼び出すことができます。
STUDIO-CAPTURE TOPICS 03
Roland だけの独自機能
サウンドの良さはもちろん、Roland の
に防げるのはもちろん、レベル設定の手
最新テクノロジーによる使い勝手の良さ
間を省き、演奏に集中することができる
や安定して使用できる安心感も STUDIO-
といったメリットがあります。
CAPTURE の魅力です。
また、CPU ベースの DAW システムでは
AUTO-SENS は、16 チャンネルのイン
逃れられないレイテンシーの問題を解決
プット・レベルを自動で設定してくれる
してくれるのが VS STREAMING。独自設
機能。AUTO-SENS を ON にして、レコー
計のカスタム・チップの採用と自社開発
ディングしたい楽器を演奏すれば音量レ
のドライバーにより、低レイテンシー時
ベルを検出し、最適なレベルに自動調整
での安定性がさらに向上して、プラグイ
してくれます。これはレコーディング時
ンを多用する制作でも快適な制作環境を
に起こりがちなレベル設定のミスを未然
実現しています。
画面 11 アナログとデジタルの基盤を完全に
独立させるなど、音質低下の原因は徹底的に
排除されています。
画 面 1 2 1 6 チャン ネ ル の 入 力 ゲ イン を 瞬 時 に 設 定 可 能 な、
AUTO-SENS 機能。
STUDIO-CAPTURE TOPICS 04
ストレスを感じさせない操作性
多機能なオーディオ・インターフェー
新たにコンプレッサーのパラメーター専
スで問題になるのが、操作性ではないで
用のつまみが搭載されているので本体で
しょうか。STUDIO-CAPTURE では、欲し
も快適なオペレーションが可能です。
いパラメーターに瞬時にアクセスできる
そしてコントロール・パネルのデザイ
ように工夫されています。
ンも一新。プリアンプのコントロールは
本体には全入力チャンネルのレベル・
もちろん、コンプレッサーはグラフィカ
メーターを装備し、直感的にレベルを把
ルな専用エディターを搭載し、掛かり具
握することができますし、レンジ・セレ
合を視覚的に確認することができます。
クトという新たな機能を採用しています。
モニターミキサーコントロール画面で
これは複数チャンネルのパラメーターを
は 4 系統のDSPミキサーを利用可能です。
一括操作できる機能で、例えば 1 ∼ 6 チャ
本体への入力と DAW ソフトからの信号、
ンネルのファンタム電源をONにしたい! 合計 26 系統を自在にミックス。パッチベ
という場合。INPUT1 とINPUT8 のチャン
イで出力端子にアサインする…など本格
ネル・ボタンを同時に押し、ファンタム
的なモニターミックスを作成可能です。複
電源をONにするだけ。チャンネル毎に個
数のモニタースピーカーを切り替えて使
別の操作をする必要がありません。また、
いたい…というケースにもバッチリです。
画面 13 ∼ 15 コントロール・パネルも一新。コンプ専用のウィンドウを装備しました。さらに、Wind
ows 8 にいち早く最適化して、10 点タッチにも対応、使い勝手においても大幅な進化を遂げています。
STUDIO-CAPTURE TOPICS 05
さらなる拡張への対応
16 イン / 10 アウトあれば十分足りる
その場合、アナログだけで 32 イン /18
ケースがほとんどだと思いますが、たく
アウトというレコーディング・スタジオ
さんの音源 / 楽器やアウトボードを所有
に匹敵する環境を安価で手に入れられる
している場合や、ドラムだけでなくバン
のも魅力です。2 台の STUDIO-CAPTURE
ド全体で一発録りしたいなど、もっと入
をコアキシャル・デジタルで接続するだ
出力に余裕を持たせたいという場合もあ
けで、DAW ソフトからは 1 台のオーディ
るでしょう。そんなときは VS EXPAND を
オ・インターフェースとして認識される
使うことでSTUDIO-CAPTUREを 2 台同時
ので複雑な設定も不要です。
使用することも可能です。
徹底した高音質設計で多入出力、実用的な機能、拡張性まで兼ね
備えたSTUDIO-CAPTUREは、DAW ベースの制作環境をレベ
ル・アップさせたい人に最適なモデルと言えます。ドライバーの安
定性にも定評のある Roland ですから、長いスパンで安心して使
えること間違いなしです。
画面 16 STUDIO-CAPTUREは 2 台の同時使用にも対応。最大 32 イン 18 アウトを実現!
STUDIO-CAPTURE はこんな人に最適!
● ハイクオリティで使い勝手の良いオーディオ・インターフェースがほしい!
● たくさんの楽器を繋げる、ミキサーレスでシンプルなシステムがほしい!
● 本格的なバンド・レコーディングを行ないたい! ● ライブ配信に使える高機能な機材がほしい!
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