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操作手順
CONTENTS
I. 菌希釈液の調製
II. サンプルからの遺伝子抽出
III. 試薬の調製
IV. 試薬分注およびサンプル溶液の添加
V. LAMP反応および検出
VI. 結果判定
VII. 検査フローチャート
VIII. アッセイシート
Loopamp®ベロ毒素(VT)タイピング試薬キット
LAMP法を用いたベロ毒素(VT)タイピング 検査の準備と手順 2006年9月 第二版
12
はじめに
はじめに
増菌培養
増菌培養 遺伝子抽出
遺伝子抽出 試薬調製
試薬調製 サンプル添加
サンプル添加
操作手順
LAMP
LAMP反応
反応 検出
検出
資料
資料
フローチャート
フローチャート アッセイシート
アッセイシート
結果判定
結果判定
Ⅰ. 菌希釈液の調製 Ⅱ. サンプルからの遺伝子抽出
菌希釈液の調製(図9)【領域B】
【領域B にて操作します】
① 食品微生物検査で腸管出血性大腸菌と疑われた被検
菌株を培養した寒天培地から滅菌綿棒を使いコロニー
を採取します。
② 滅菌蒸留水に懸濁し、McFarland No.1(3.0×108
CFU/mL)に調製する。
③ さらに、滅菌蒸留水で100倍に希釈する。菌希釈液は
3.0×106 CFU/mLに調製される。
①
寒天培地から滅菌綿棒を使
いコロニーを採取。
②
滅菌蒸留水に懸濁し、
McFarland No.1(3.0×108
CFU/mL)に調製する。
③
さらに、滅菌蒸留水で100倍
に希釈する。菌希釈液は
3.0×106 CFU/mLに調製され
る。
サンプルからの遺伝子抽出(図9)【領域B】
コンタミネーションの原因となるので、チューブのフタの
内側には触れないでください。
【領域B にて操作します】
④ 滅菌チューブ(1.5mL)にExtraction Solution for Foods
(EX F) 50μLを分注します。
EX Fは融解後、混和し、微量簡易遠心機で数秒
間遠心(スピンダウン)してから使用してください。
EX Fは空気に触れると徐々に劣化するので、チューブ
に分注後は速やかに増菌培養液を添加してください。
⑤ 菌希釈液50μLをそれぞれ滅菌チューブ(1.5mL)に添
加し、キャップを閉めます。
⑥ ボルテックスミキサーまたは転倒混和で攪拌後、微量
簡易遠心機でスピンダウンします。
⑦ 95℃、5分間の加熱処理を行います。
この操作により感染性がなくなります。
95℃加熱中に、空気の膨張によりチューブのフタが開
いてしまうことがありますので、ご注意ください(キャップ
ロックなどを使用することを推奨します)。⑧ 微量簡易
遠心機で室温にて1分間遠心します。
⑨ 氷上に移し、上清をサンプル溶液とします。
DNA抽出後のサンプル溶液は、反応チューブに添加
するまで氷上で保存し、速やかに測定してください。
50μL
LAMP法
LAMP法
④,⑤
④,⑧
⑥
⑦
⑨
⑨
図9.検査の流れ
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LAMP法を用いたベロ毒素(VT)タイピング 検査の準備と手順 2006年9月 第二版
13
はじめに
はじめに
増菌培養
試薬調製 サンプル添加
サンプル添加
増菌培養 遺伝子抽出
遺伝子抽出 試薬調製
III. 試薬の調製
操作手順
LAMP
LAMP反応
反応 検出
検出
結果判定
結果判定
資料
資料
フローチャート
フローチャート アッセイシート
アッセイシート
Ⅳ. 試薬分注およびサンプル溶液の添加
試薬の調製【領域A】
操作は氷上でおこなってください。
マスターミックスは検査毎に調製し、作り置きはしないでください。調製後は氷上で
保存し、速やかに使用してください。
必要量を採取した残りの試薬は、速やかに凍結保存してください。
【操作は領域Aで行います。 】
① -20℃で保存していたBst DNA Polymerase以外のキット試薬を室温で解凍し、使用
するまで氷上で保存します。 Bst DNA Polymeraseはそのまま氷上で保存します。
② 融解したReaction Mix. VT1(RM V1)およびReaction Mix. VT2(RM V2)は、使用
前にタッピングにて混合しスピンダウンを行います。Bst DNA Polymeraseは、スピン
ダウンのみ行います。
Bst DNA Polymeraseは、失活の恐れがあるため混合しないでください。
③ 別途用意した1.5mL滅菌チューブに、RM V1とBst DNA Polymeraseを分注します。
同様に、RM V2とBst DNA Polymeraseを分注します。
各試薬1テストあたりRM V1(または RM V2) 20μL、Bst DNA Polymerase 1μL
を、陽性・陰性コントロールを含めた必要なテスト数分分注します。
Bst DNA Polymeraseは、採取量が微量であるため、まずRM V1(またはRM V2)を
チューブに採取し、次にBst DNA Polymeraseをチップの共洗いにより、混ぜてくだ
さい。
④ 転倒混和あるいはボルテックスミキサー(1秒間×3回)により十分混合した後、スピ
ンダウンし、マスターミックスとします。
マスターミックスをボルテックスミキサーで混合する場合は、1秒間×3回を厳守して
ください(過度な混合は酵素失活の恐れがあります)。
マスターミックスの調製分量
テスト数
1test
___tests
Reaction
Mix. VT1
または
Reaction
Mix. VT2
20μL
20μL× __
= __μL
1μL
1μL × __
= __μL
21μL
21μL× __
= __μL
Bst DNA
Polymerase
Total
②
試薬分注およびサンプル溶液の添加(図10)
【領域A・C】
操作は氷上でおこなってください。
マスターミックスを分注する前に、反応チューブにヒビ・キズ等がないことを目視で確
認してください。
【操作は領域Aで行います。】
① 陽性コントロールとしてキット添付のControl DNA VT1(Cont V1)、Control DNA
VT2(Cont V2)、および陰性コントロールとしてExtraction Solution for Foods (EX
F)を予め準備しておきます。
陰性コントロールとして使用する EX Fは、試薬開封の際に100μL程度マイクロ
チューブに分取し、陰性コントロール専用として領域Cにて使用、保存します。
② 試薬調製用のクリーンベンチ内でLoopamp 反応チューブにそれぞれマスターミッ
クスを20μLずつ分注し、すべてのキャップを閉じます。
コンタミネーションを避けるため、マスターミックスの分注後は、一旦反応チュー
ブのキャップを軽く閉じてください。
【操作は領域Cで行います。 】
③ マスターミックス20μLが分注されている反応チューブにサンプルを5μLずつ添加
し、ピペッティングで十分に混和します。
Cont V1およびCont VT2は大量のDNAを含むため、取り扱いには十分注意し
てください(使用前にはスピンダウンを行ってください。反応チューブへの添加
は最後に行ってください)。
サンプルの添加は、コンタミネーションを避けるため、陰性コントロール(EX F)、
サンプル溶液、陽性コントロール(Cont V1またはCont V2)の順で行うことをお
勧めします。
サンプル溶液を添加する際は、沈渣を持ち込まないよう、上清を採取してくださ
い。
ピペットの汚染を防ぐため、吸引操作はゆっくりおこなってください。
コンタミネーションを避けるため、サンプル添加後はしっかりとキャップを閉めて
から、次のサンプルを添加してください。
④ キャップを閉め、スピンダウンします。
⑤ スピンダウン終了後にはチューブ内に気泡がないことを確認してください。
反応液中に気泡ができた場合は、スピンダウンで取り除いてください。マスター
ミックス調製は、氷上で操作を行ってください。
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⑤
図10.試薬分注
およびサンプル溶液の添加
はじめに
はじめに
増菌培養
試薬調製 サンプル添加
サンプル添加
増菌培養 遺伝子抽出
遺伝子抽出 試薬調製
操作手順
LAMP
反応
LAMP反応
検出
LAMP
LAMP反応
反応 検出
検出
結果判定
結果判定
資料
資料
フローチャート
フローチャート アッセイシート
アッセイシート
V. LAMP反応および検出
LAMP反応および検出【領域D】
◆
LAMP反応および検出はリアルタイム濁度測定装置にておこ
ないます。LAMP反応条件は65℃60分間、その後反応停止
条件として80℃、2分間とします。
① 使用する20分前までに電源を入れ装置を立ち上げてくださ
い。
検体の前処理を始める前に、パラメーターを選び、あら
かじめ測定機器を加温状態にしてください。
② 反応チューブを測定機器にセットする際は、チューブにヒ
ビ・キズ等がないこと、ブロックが測定温度になっていること
を確認後、キャップの開け口を手前にセットし、チューブの
キャップが全てしっかりと閉まっていることを確認してくださ
い。
③ 反応チューブを検出部に入れる際は、チューブ内に気泡
がないことを確認してください(気泡があると、誤った判定の
原因となります)。
④ 反応チューブを測定機器にセット後は、速やかに測定開始
してください(LAMP法は等温で反応が進行するため、セッ
トした時点から反応は始まっています)。
◆ LA-320C(図11)
① 本体がパソコンに接続されていることを確認し電源を投入し
てください。
② パソコンを起動し「LA-320C制御ソフト」を起動してください。
③ 測定条件を設定します(各試薬のパラメーター表を参照し
てください。パラメーター表は弊社担当者に御要請くださ
い。)。
④ 予備加熱終了後、サンプルを測定部にセットし、ホットボン
ネットを閉めてください。
◇ 反応チューブの確認(ヒビ・キズ、気泡等)を確実におこ
なってください。
⑤ [測定開始]を確実にクリックし測定を開始します。
◇ [測定開始]をクリックしないとデータが保存されず、判定
ができなくなってしまいます。
⑥ 32チューブそれぞれの濁度を測定し、モニターに増幅曲線、
判定補助画面を表示します。
詳しくは、添付の取扱説明書をご覧ください。
図11. LA−320C本体(上)とサンプル測定部(下)
◆ RT-160C(図12)
① 本体の電源を投入してください。
② 測定条件を設定します(各試薬のパラメーター表を参照し
てください。パラメーター表は弊社担当者に御要請くださ
い。)。
③ 予備加熱終了後 、サンプルを測定部にセットし、ホットボン
ネットを閉めてください。
◇ 反応チューブの確認(ヒビ・キズ、気泡等)を確実におこ
なってください。
④ [Start/Heat]ボタンを押し、測定を開始します。
⑤ 16チューブそれぞれの濁度を測定し、モニターに増幅曲線、
判定補助画面を表示します。
詳しくは、添付の取扱説明書をご覧ください。
図12. RT−160C本体(上)とサンプル測定部(下)
反応開始後は、測定機器のフタ(ホットボンネット)を開けな
いでください。
反応後のチューブを検出部から取り出す際はチューブを破
損しないように慎重に取り扱ってください。また反応チューブ
のキャップは、決して開けないでください。増幅産物によるコ
ンタミネーションは誤判定の原因になるだけではなく、試験
環境を汚染し、汚染を除去しない限り、以後の試験で正しい
結果が得られなくなる可能性があります。
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はじめに
はじめに
増菌培養
試薬調製 サンプル添加
サンプル添加
増菌培養 遺伝子抽出
遺伝子抽出 試薬調製
操作手順
LAMP
LAMP反応
反応 検出
検出
資料
資料
フローチャート
フローチャート アッセイシート
アッセイシート
結果判定
結果判定
VI. 結果判定
結果判定【領域D】
◆ 判定の前に(図13)
判定の際には以下の点を確認した上で実施してください。
陽性コントロール、陰性コントロールの反応が適切
に進行している。
◇ 正常な反応が行われている場合、陽性コント
ロール、陰性コントロールおよび検体の増幅曲
線は図13のようなパターンを示します。
◇ 陽性コントロールで濁度が上昇し、陰性コント
ロールで濁度が上昇していなければ、LAMP反
応は正常に進行しています。
増幅モードの増幅曲線による濁度上昇の有無。
図13.コントロールの増幅曲線パターン(左)
検体の増幅曲線パターン(右)
①
◆ LA-320C(図14)
① 増幅モード
反応の増幅曲線を示します(縦軸:Abs、横軸:時
間)
②
② 判定モード
測定値を移動平均微分法で演算した結果をグラフ
で示します(縦軸:微分値、横軸:時間)。
③ 結果モード
測定結果を棒グラフで表示し、判定カードの色で判
定結果の確認ができます。
陽性−赤、陰性−緑、測定中−黄 (青−増幅分)
③
図 14. 機器判定画面
(LA-320C)
◆ RT-160C(図15)
① 増幅モード
反応の増幅曲線を示します(縦軸:Abs、横軸:時間)。
①
② 微分グラフ表示
測定値を移動平均微分法で演算した結果をグラフ
で示します(縦軸:微分値、横軸:時間)。
③ 数値表示
測定結果を吸光度、立上り時間、判定で表示します。
②
◆ 注意事項
上記装置による判定は陽性/陰性を確定するもの
ではありません。あくまでも判定を補助するための機
能です。
最終的な結果判定は、陰性/陽性コントロールを比
較対象とし増幅曲線で濁度の上昇を確認することに
よって行ってください。
詳細内容および上記以外の装置およびLAMP法試
薬を用いての判定に関しては、各機器・試薬の取扱
説明書・添付文書をご確認ください。
③
図 15. 機器判定画面
(RT-160C)
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はじめに
はじめに
増菌培養
試薬調製 サンプル添加
サンプル添加
増菌培養 遺伝子抽出
遺伝子抽出 試薬調製
操作手順
LAMP
LAMP反応
反応 検出
検出
結果判定
結果判定
資料
資料
フローチャート
フローチャート アッセイシート
アッセイシート
VII. 検査フローチャート
被検菌株の培養液あるいは寒天培地上の
コロニー
↓
┏ 滅菌小試験管(滅菌蒸留水を入れておく)
前
処
理
□ ┃ ← McFarland 1(3×108 CFU/mL)に調製
┃
□ ┃ ← 一部採取し、滅菌蒸留水で希釈、
3×106 CFU/mLに調製
↓
領
域
菌希釈液
┃
B
培養済菌液 50μL
↓
抽
出
┏ 1.5mL 滅菌マイクロチューブ
□ ┃ + 50μL Extraction Solution for Foods (EX
F)
┃
□ ┃ ← 攪拌
□ ┃ ← スピンダウン
┏ 滅菌マイクロチューブ
□ ┃ ← インキュベート 95℃、5分間
□ ┃ ← 微量簡易遠心機 室温、1分間
□ ┃ ← 氷冷
┛
サンプル溶液 100μL
┏
┃
┃
┃ マスターミックス調製
試
┃
薬
テスト数
1test __tests
調
┃
Reaction Mix. VT1
20μL __ μL
製 □
または Reaction Mix. VT2
┃
・ 領□
1μL __ μL
分 域 ┃ Bst DNA Polymerase
A
注
□ ↓ 分注 20μL/tube
┏ Loopamp 反応チューブ
→ □ ┫ + 5μL/tube サンプル溶液・コントロー
サ
ン
プ
領
ル
域
溶
C
液
添
加
┃
┃
┃
┃
ル
← そのままピペッティングにて混合
・5μL/tube サンプル溶液
【測定検体】
・5μL/tube Control DNA VT1
または Control DNA VT2
【陽性コントロール】
・5μL/tube Extraction Solution for Foods
【陰性コントロール】
┃ ← スピンダウン 気泡がないか確認
LAMP反応液 25μL
□ ┃ Loopamp 濁度測定装置
L
□ ┃ ┃ ← 電源投入
A
M
□
← 表示温度確認 65℃
P 領 □ ┃ ┃ チューブをセット
←
反域 ┗┫
← 反応開始ボタンを押す
応D□
┃
LAMP反応 (65℃ 60分間)
・
反応中、リアルタイム濁度測定・判定
┃
検
┃ 反応停止 (80℃ 2分間)
出
データ処理
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増菌培養
試薬調製 サンプル添加
サンプル添加
増菌培養 遺伝子抽出
遺伝子抽出 試薬調製
操作手順
LAMP
LAMP反応
反応 検出
検出
結果判定
結果判定
資料
資料
フローチャート
フローチャート アッセイシート
アッセイシート
IV. アッセイシート
DATE
KIT NAME
Lot. No.
ASSAY Profile
SHEET No.
A
B
C
D
11
22
33
44
55
66
77
8
A1
B1
C1
D1
A2
B2
C2
D2
A3
B3
C3
D3
A4
B4
C4
D4
A5
B5
C5
D5
A6
B6
C6
D6
A7
B7
C7
D7
A8
B8
C8
D8
Position
Profile
A1
A2
A3
A4
A5
A6
A7
A8
B1
B2
B3
B4
B5
B6
B7
B8
C1
C2
C3
C4
C5
C6
C7
C8
D1
D2
D3
D4
D5
D6
D7
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