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とやま「⼈」と「環境」に
やさしい農業推進プラン
(平成 27〜33 年)
〜
「⼈」と「環境」にやさしい、未来につなぐ
『とやま農業』の持続的な発展
富⼭県農林⽔産部
平 成 27 年 3 ⽉
〜
はじめに
富山県は、豊富な雪解け水を蓄える立山連峰等からの豊かで清冽な水など、恵まれた
自然環境のもと、農業者等の長年の知恵と努力で培われた優れた栽培技術や全国屈指の
整備された生産基盤に支えられ、美味しい富山米や新鮮な野菜などの恵みを享受してい
ます。
言うまでもなく農業は、太陽・土・水などの自然環境を活用し、種を播き、育て、収
穫した作物の生命を食料として人の命に繋げる、いわゆる生命産業であるとともに、そ
の多面的な機能により国土や自然環境の保全に貢献する、まさに人の「いのち」と「く
らし」を支える産業であり、これら農業の持続的な発展と次世代への農業資源の継承は
私たちの責務と言えます。
しかしながら、近年、農業生産活動に伴う環境への負荷、食品への薬物混入事件や不
適切な食品表示といった「環境保全」や「食の安全」を脅かす事案がたびたび発生して
いることから、これらに対する社会的な関心が一層高まっており、環境負荷の軽減や安
全な農産物の生産・供給に配慮した農業生産活動の取組が強く求められています。
このため、本県では、平成8年度から環境への負荷の軽減や農作物の安全性に配慮し
た環境にやさしい農業の積極的な展開を図ってきており、また平成 20 年には「有機農
業の推進に関する法律(平成 18 年法律第 112 号)」に基づき、「とやま有機農業推進計
画」を策定し、有機農業を環境にやさしい農業の先進的取組として、本県における有機
農業の普及・定着に向けた取組を推進してきたところです。
さらに、
「食の安全」や「環境保全」の確保に加えて、担い手の高齢化の進展や農業
機械の大型化などによる農作業事故の発生増加の懸念から「農業者の安全」を確保する
ことが喫緊の課題になっており、これらを背景に、平成 22 年 12 月に「富山県適正農業
規範に基づく農業推進条例(富山県条例第 43 号)」が制定され、これを受け、県が、安
全な農産物を生産し、環境を保全し、及び農業者の安全を確保するため、本県の農業生
産活動において必要とされる具体的な取組等を「富山県適正農業規範」として定め、平
成 24 年度から県内のすべての農業者がこの規範を道しるべとして、自らの農業生産活
ギ ャ ッ プ
動を見直し改善を図る取組(とやまGAP)について、農業者団体とともに推進してい
るところです。
本プランについては、農業者の「とやまGAP」の取組を通じた本県農業の持続的な
発展に不可欠な「人」と「環境」にやさしい農業を積極的に推進し、これらの取組につ
いて消費者等にわかりやすく伝えることにより県民の理解を深めるためのものである
とともに、「有機農業の推進に関する法律」に基づき県が策定する第2期「有機農業推
進計画」としても位置付けるものです。
本プランの着実な推進により、適正な農業生産活動による農業者の経営の安定化とと
もに、結果として本県農産物の安全性が確保され、環境との調和にも配慮した優れた産
地として多くの消費者から評価・信頼されることで、富山県農業を未来につなぐ一助と
なることを期待します。
平成 27 年3月
富山県農林水産部
目次
はじめに
Ⅰ プラン策定の背景と趣旨
・・・
1
・・・
4
Ⅲ 推進指標
・・・
15
Ⅳ 推進体制
・・・
16
Ⅴ 施策体系
・・・
17
1 とやまGAPで目指すべき姿(規範項目)
・・・
18
2 環境にやさしい農業の進捗状況
・・・
28
・・・
35
・・・
47
・・・
53
1 背景
2 趣旨
Ⅱ 基本方針
1 「環境にやさしい農業」の展開
~環境保全への配慮~
2 「消費者(人)にやさしい農業」の展開
~消費者の信頼確保をめざして~
3 「農業者(人)にやさしい農業」の展開
~農作業死亡事故ゼロをめざして~
Ⅵ 参考資料
(1)「とやまエコ農業指標」の進捗状況
(2)環境にやさしい農業・適正農業推進協議会等開催履歴
3 関係法令
(1)富山県適正農業規範に基づく農業推進条例
(2)有機農業の推進に関する法律及び国基本方針
(3)持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律
4 データ等
(1)エコファーマー認定者数の推移(全国)
(2)有機農業の取組状況(富山県)
(3)全国の農作業中の死亡事故発生概要
(4)富山県における農業機械等別の農作業事故発生状況
<概要版プラン>
Ⅰ プラン策定の背景と趣旨
1 プラン策定に係る背景
■環境にやさしい農業の展開
本県では、全国的な環境問題や食の安全に対する社会的関心の高まりに対応するため、
平成8年度に「環境にやさしい農業の展開-水・人・土 未来につなぐ富山県の農業-」を基
本方針として定め、環境にやさしい農業の重要性を啓発する運動を展開し、環境への負荷
の軽減や農作物の安全性に配慮した『環境にやさしい農業』の積極的な推進を図ってきたと
ころです。
その後数回の改訂を経て、現在、平成 19 年5月に策定した「とやまエコ農業推進方針」に
基づき、生産性の向上と農業の自然循環機能の維持増進等に配慮した持続性の高い農業
生産方式の導入に取り組む農業者(エコファーマー)の育成支援等を行うとともに、これらの
取組に対する消費者等の理解促進など、環境にやさしい農業の推進に係る全県的な活動を
展開してきたところです。
なお、本県農業の持続的な発展のため、引き続き、エコファーマーの育成など、環境にや
さしい農業を推進していく必要があります。
■有機農業の推進
「有機農業の推進に関する法律(平成 18 年法律第 112 号)」(以下「法」という。)第7条に
基づき、平成 20 年5月に「とやま有機農業推進計画」を策定し、有機農業を農業生産活動に
伴う環境負荷を大幅に低減し、農業の持つ自然循環機能を増進するとともに、消費者ニーズ
に応じた安心できる農産物を供給する環境にやさしい農業の先進的取組として位置づけ、
県内での有機農業の推進を図ってきたところです。
なお、平成 26 年4月に、国において法に基づく第2期の「有機農業の推進に関する基本
的な方針」(以下「基本方針」という。)が策定され、農業者が有機農業に積極的に取り組む
ための条件整備をさらに進めることとしたところです。
さらに、有機農業で生産された農産物を求める消費者など、消費者等の多様なニーズを
背景に、県内でも徐々にですが、有機農業者と消費者等が連携した活動が始まっています。
これらのことから、本県においても基本方針や本県での有機農業者と消費者等の活動実態
などを踏まえ、本県における有機農業の一層の推進のための新たな計画の策定が必要にな
っています。
-1-
■富山県適正農業規範に基づく農業の推進
富山県議会において、議員提案による「富山県適正農業規範に基づく農業推進条例」
(以下「条例」という。)が平成 22 年 12 月に成立したことから、県は「環境の保全」、「農産物の
安全」、「農業者の安全」の確保を目的とした適正な農業生産活動を推進するための「富山
県適正農業規範」(以下「規範」という。)を平成 23 年 12 月に策定したところです。
この条例が掲げる「農業者による適正な農業生産活動を推進することにより、安全な農産
物を生産し、環境を保全し、及び農業者の安全を確保し、もって農業に対する県民の信頼の
向上に資するとともに、本県農業の持続的な発展に寄与すること」との目的を達成するため、
規範に基づく適正な農業生産活動の実践(とやまGAP)の取組の推進が全県的に求められ
ています。
2 プラン策定の趣旨
このような背景を踏まえ、従来の環境にやさしい農業の推進に加え、条例の趣旨を踏まえ
た、農業生産活動における①「環境の保全(=環境にやさしい)」、②「農産物の安全(=食
の安全⇒消費者(人)にやさしい)」、③「農業者の安全(=農作業事故防止⇒農業者(人)に
やさしい)」を確保するための3つの柱を明確にして、「とやまGAP」を通じた富山県農業の持
続的な発展のための取組を計画的かつ着実に推進していくため、『とやま「人」と「環境」にや
さしい農業推進プラン』(以下「推進プラン」という。)を新たに策定するものです。
また、推進プランは、これまでの「とやまエコ農業推進方針」に代わり、「富山県農業・農村
振興計画」における環境にやさしい農業の普及拡大を推進する計画であるとともに、法第7
条に規定する県の有機農業推進計画としても位置付けます。
さらに、推進プランの実施に当たっては、「富山県食品安全基本方針」等の関連する各種
指針等を踏まえながら取り組むこととしています。
なお、推進プランの計画期間は、平成 27 年度から平成 33 年度までとし、法第6条に基づく
国の基本方針の見直しや農業情勢の変化などに対応し、必要に応じて見直しを行うこととし
ます。
-2-
<本県の「環境にやさしい農業」推進関連方針等の策定状況>
○平成9年3月
:「環境にやさしい農業の展開(目標 12 年度)」策定
○平成 13 年3月
:「環境にやさしい農業の展開(目標 17 年度)」改訂
○平成 19 年9月
:「とやまエコ農業推進方針(目標 27 年度)」策定
○平成 20 年5月
:「とやま有機農業推進計画(目標 23 年度)」策定
○平成 20 年 11 月
:「富山県農業生産工程管理(GAP)推進方針」策定
○平成 22 年 12 月
:「富山県適正農業規範に基づく農業推進条例」制定
○平成 23 年 12 月
:「富山県適正農業規範」策定
<推進プランの位置付け>
国
県
-3-
Ⅱ 基本方針
本推進プランについては、農業生産活動に伴う環境負荷の低減に重点を置いてきた従来の
「環境にやさしい農業」の枠にとどまらず、「安全な農産物の生産」や「農業者の安全確保」のた
めの取組とともに、その取組に対する県民の理解促進や信頼確保などを、農業者と消費者の
双方による持続可能な富山県農業の実現に資するための広い視点に立った「人」と「環境」に
やさしい農業と捉え、富山県適正農業規範に基づく農業推進条例が示す次の目的に基づき、
『「人」と「環境」にやさしい、未来につなぐ“とやま農業”の持続的な発展』のための施策を総合
的に推進するものです。
条例第1条(目的)より
農業者による適正な農業生産活動の実践により、
○ 環境の保全
[= 環境にやさしい農業 ]
○ 安全な農産物の生産
[= 消費者(人)にやさしい農業 ]
○ 農業者の安全
[= 農業者(人)にやさしい農業 ]
を確保し、もって農業に対する県民の信頼の向上と本県農業の持続的な発展に寄与する。
<推進プランが目指す姿(イメージ)>
※ とやまGAP・・・富山県適正農業規範に基づき、適正な農業生産活動の実践に取り組むこと
-4-
推進プランでは、次の基本方針(三本の柱)により、「人」と「環境」にやさしい農業の展開に
関する施策を総合的に推進します。
■基本⽅針1:「環境にやさしい農業」の展開
〜
環境保全への配慮
〜
(1)現状と課題
将来にわたり、私たちが豊かな自然環境の中で生活できるよう、どのような産業でも自然環
境に配慮した取組が求められております。
特に、自然との関わりが深い農業は、農地の保全、水源のかん養、美しい景観形成などの多
面的な機能がある反面、化学肥料・農薬への過度の依存や不適切な取り扱いなどによる河川
や地下水等の水質、土壌や生態系への影響など、農業生産活動に由来すると思われる環境
への負荷の増大が懸念されています。
このため本県では、平成8年度から環境負荷の軽減に配慮した「環境にやさしい農業」の積
極的な展開を図ってきたところであり、現在までに化学合成農薬の使用量の低減や持続性の
高い農業生産方式に取り組むエコファーマーの認定などが進んできております。
今後も、本県の農業環境を未来の世代に引き継ぐため、引き続き、エコファーマーなど、農
業者に対する環境にやさしい農業の普及を推進するとともに、消費者等においても、環境にや
さしい農業に取り組む農業者に対する理解を深め、支援していく取組が必要です。
【平成 26 年度「食の王国とやま」での消費者等来場者へのアンケート調査結果より】
問1:「有機農業」に対するイメージ
安全なので安心、美味しい、健康に良いと
の回答が多い。
生物多様性への貢献のイメージが少ない。
問2:「エコファーマーマーク」の認知度
問3:「有機 JAS マーク」の認知度
いずれのマークも
さらに認知度の
向上が必要
-5-
<参考:農業生産活動に伴う環境関連の危害要因と主な被害>
危害要因
被害を起こす主な事象
考えられる主な被害(リスク)
(ハザード)
肥 料 ・ 堆 肥 の 過剰施肥、土壌中での窒素の形態 硝酸性窒素等による地下水汚染、河川・湖沼の富栄養
窒素成分
変化、土壌流亡
化、亜酸化窒素による大気汚染
肥料・堆肥のリ
過剰施肥、土壌流亡
河川・湖沼の富栄養化
ン酸成分
土壌中のカドミウム 水稲出穂前後の水不足
玄米への高濃度蓄積、人への健康被害
土壌中の銅
高濃度汚染
農作物の生育不良
土壌中のヒ素 高濃度、土壌の還元状態
農作物の生育不良、汚染
油類
貯油タンク等からの漏洩
漏洩による土壌・水質汚染
土壌の水食
傾斜畑等での不適切な土壌管理
耕土の減少、水質汚染、リンによる富栄養化
土壌の風食
裸地の乾燥と強風
耕土の減少、大気汚染
田面の濁水
代かき・田植時の濁水流出
河川・湖沼の富栄養化
放牧家畜糞尿 小川や河川への糞尿流出
病原性微生物等による水質汚染、河川等の富栄養化
野生動物
圃場への侵入
糞尿による農作物の汚染、食害
汚染灌漑用水 灌漑用水・上流の汚染
作物の生育異常
家畜糞尿
家畜糞尿の不適切な処理
異臭、アンモニア等による大気汚染
未熟有機物
不十分な腐熟
土壌の酸欠、発生メタンガスによる大気汚染
野焼き
作物残渣等の焼却
ダイオキシンの発生、煙や臭いによる公害
農薬、残留性有 不適切な散布、
農産物への残留、蓄積や生態系の攪乱
機汚染物質
吸収しやすい農作物
農場の廃棄物 不適切な廃棄物処理
有害昆虫の発生
導入昆虫
導入ハウスからの逃亡
生態系の攪乱
放射性物質
肥料等農業資材を通じた農地への蓄積
土壌中への蓄積による、生産物への移行
出典:一般社団法人日本生産者 GAP 協会「日本 GAP 規範 ver1.1」を一部改変
ハザード・・・安全に対し悪影響をもたらす可能性のある物質や状態(危害要因)
リスク
・・・ハザードにより生じる悪影響とその程度(危険度)
(2)目指す姿
農業生産活動に伴う環境負荷軽減の取組を推進するため、適正な施肥・防除や廃棄物処
理など、とやまGAPの取組を普及するとともに、持続性の高い農業生産に取り組むエコファー
マーの育成などを推進します。
また、環境にやさしい持続的な農業生産が可能となるためのコストに見合った適切な対価に
ついて、消費者等への理解が進むよう、環境にやさしい農業の効果的なPRや農業の持つ多
面的機能に対する理解促進に努めます。
なお、有機農業については、従来から環境にやさしい農業の先進的取組として推進してきた
ことから、本推進プランにおいても「有機農業の推進に関する法律」に基づく「都道府県の推進
計画」として位置づけ、引き続き、有機農業の普及拡大に向け、農業者が容易に有機農業に
従事することができるような環境づくりを推進します。
-6-
(3)目指す姿を実現するための取組
①適正な土づくりの推進
農業の自然循環機能※の維持増進を図りながら、持続的な農業と食料の安定生産を図るた
め、家畜排せつ物等の有機物資源のリサイクル利用や緑肥等の積極的な活用など、土づくり
による地力の増進を図ります。
※ 自然界における生物が介在した物質の循環機能又はこれを促進する機能
②適正な生産資材の利用等の推進
・ 収量・品質の維持向上など作物の安定生産とともに、環境負荷の軽減に配慮した適正な
農業生産活動を実践するため、化学合成農薬や化学肥料等の生産資材の適正な利用を
推進します。
・ 特に防除の実施に際しては、病害虫の発生予察や雑草の発生程度に応じて、耕種的・物
理的・生物的防除を適切に組み合わせたIPM(総合的病害虫・雑草管理)技術の推進に
より、化学合成農薬の使用頻度を下げるとともに、周辺環境への飛散防止に資する効率
的かつ効果的な防除の普及などを推進します。
・ また、施肥の実施に際しては、肥料由来成分による土壌や地下水等への環境負荷軽減
を図るために、作物や土壌条件に応じた適時的確な施肥の推進や利用効率の高い施肥
技術の普及を促進します。
・ 農業生産活動由来の廃プラスチック類等の使用済農業用資材の適正処理による環境負
荷の軽減などを推進します。
③生物多様性や地球環境の保全の推進
・ 適正な防除や水管理などにより、多様な生物と共生できる環境の保全に努めるとともに、
生物多様性保全に資する環境にやさしい農業の取組効果について、客観的な評価指標
を検討します。
・ 稲わらのすき込みや堆肥等の有機質資材の施用等により炭素の土中固定を促進し、二
酸化炭素等の発生抑制による地球温暖化防止の取組を推進します。
④環境にやさしい農産物の生産体制の強化等
・ 土づくりを基本とした持続性の高い農業生産方式などの環境保全に配慮した農業を推進
するため、エコファーマーや特別栽培農産物の取組を普及推進するとともに、これらに取り
組む農業者等に対し、環境保全型農業直接支援対策等による支援を行います。
・ 環境にやさしい農産物の生産には、農業者の取組が重要なのはもちろん、それらを買い
支える消費者の取組が必要不可欠となっています。このことから、環境にやさしい農業を
通じた「環境」と「食」を守る取組が、結果的に消費者の利益につながることなどを、広く県
民に対し理解促進を図ります。
-7-
・ 消費者等に対するエコファーマーの認知度向上を図るため、エコファーマ
ーが生産した農産物等に表示ができる「エコファーマーマーク(本県が商
標権を所有)」について、県内のエコファーマーへの活用を促進するととも
に、エコファーマーが生産した農産物を消費者等が容易に入手できるよう、
エコファーマーマーク
これら農産物を取り扱う店舗等の情報提供などに努めます。
⑤有機農業の推進
ア 有機農業の取組拡大支援
・ 新規就農者をはじめとした有機農業をめざす農業者等が、有機農業に容易に取り組め
るよう、新規就農者等の研修が受入れ可能な有機農業実践者をリスト化するなどの情報
整理に努めます。
・ とやま農業未来カレッジ(平成 27 年開校)における有機農業に関する基本技術等を学
ぶ機会の提供や有機農業実践者等と連携した生産技術の習得など、幅広い関係者が
連携して新規就農者等が有機農業に取り組むための環境づくりに努めます。
・ 土づくりや化学肥料・化学合成農薬を低減する技術導入に係る初期投資の負担等を軽
減するため、環境保全型農業直接支援対策や制度資金の活用を推進します。
イ 有機農業に関する実態把握と技術の体系化等
・ 有機農業実践団体や市町村等と連携し、県内有機農業者の取組実態や先進的な有機
栽培技術情報等の把握など、有機農業推進のための基礎的データ収集に努めます。
・ 国や全国の地方自治体の試験研究機関等で研究、開発、実践されている様々な技術
の調査結果や成果等の情報を収集し積極的な情報発信に努めます。
・ 県農林水産総合技術センターにおいて、国や全国の地方自治体の試験研究機関等で
開発された技術を参考に、本県の気象や土壌条件等に適合した有機農業の安定生産
を確保するための技術等の試験研究への反映に努めます。
・ 普及指導員と有機農業実践団体との連絡会議の開催や、国等が開催する有機農業関
係の研修会等への職員派遣などにより、普及指導員の資質向上に努めます。
ウ 有機農業者と消費者等との相互理解の促進等
・ 有機農業等により生産された農産物を消費者が容易に入手できるよう、これら農産物を
販売する店舗等のマップの作成や有機農業に関わる生産者と消費者等とのネットワーク
づくりによる交流促進などに努めます。
・ 県主催の各種イベントを活用し、消費者をはじめ流通業者、実需者等に対し、有機農
業の有する自然循環機能の増進、環境負荷の軽減、生物多様性保全等の様々な機能
についての知識の普及啓発に努めます。
・ 有機農業を推進する農業者や消費者等が連携した広域なネットワーク活動等の自主的
な取組を推進するとともに、優良な取組の顕彰及び事例等の情報発信に努めます。
-8-
エ 有機農業の推進体制の整備等
・ 各地域の有機農業実態を踏まえ、先進的な有機農業者等との連携による適切な指導・
助言等が行える相談窓口の設置など、市町村の推進体制の整備を推進します。
・ 県内の有機農業を推進する団体と行政との相互の情報交換の機会を設けるなど、有機
農業をはじめとした環境にやさしい農業の推進に関する施策を効率的に推進します。
<環境にやさしい農業の取組区分のイメージ>
<参考:関連用語説明>
○環境にやさしい農業
農業のもつ物質循環機能を活かし、環境負荷の軽減や農作物の安全性に配慮しつつ、生産性の向上を
図る持続的な農業のこと
○エコファーマー
「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律」に基づき、有機物の施用による土づくりの推
進や化学的に合成された肥料や農薬使用の低減に一体的に取り組む「持続性の高い農業生産方式の導入
に関する計画」について、県知事から認定を受けた農業者(認定農業者)の愛称
○有機農業
「有機農業の推進に関する法律」に基づき、「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに
遺伝子組換え技術を利用しないことを基本とし、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農
業生産の方法を用いて行われる農業」と定義されたもの
○特別栽培農産物
「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」に基づき、化学合成農薬(節減対象農薬)及び化学肥料(窒素
成分)をともに地域(県)の慣行基準より 50%以上削減することとともに、表示ルールなどの一定の要件を満た
して生産された農産物のこと
-9-
■基本⽅針2:「消費者(⼈)にやさしい農業」の展開
〜
消費者の信頼確保をめざして
〜
(1)現状と課題
安全な農産物の生産は、食品を供給する上で当たり前のことですが、近年、食中毒の発生
や食品偽装表示問題、不適切な農薬の使用等、食の安全を脅かす重大な事件・事故が少な
からず発生しており、消費者の食への信頼を低下させる大きな要因となっています。
このような中、消費者や流通等の実需関係者から信頼を得るためには、このような事故を起
こさないための農業者や農業団体による農業生産活動における農産物の安全性を確保するた
めの取組を徹底することが重要です。
<参考:農場における農産物の安全に対する危害要因と主な被害>
区分
危害要因(ハザード)
被害を起こす主な事象
農薬(殺虫剤、殺菌剤、除草剤等)、 施設の配置、作業者、
土壌改良資材、化学肥料(硝 使 用 薬 品 や 器 具 等 の
化学物質
酸塩)、油類 等
不適切な保管管理等
食中毒細菌(サルモネラ等)、病原 家 畜 糞 尿 、 堆 肥 、 水
性大腸菌(O157 等)、カビ(赤カ 源、作業者、家畜、ペッ
病原性
ビ等)とカビ毒、ウイルス(ノロ等)、 ト(犬・猫等)、衛生害虫
微生物等
病原性原虫(クリプトスポリジウム等) ( 蝿 等 ) 、 ネ ス ゙ ミ 、 野 鳥
類、野生動物等
など
異品種、刃物、プラスチック類、ガ 作業者の身だしなみ、
異物混入
ラス片、金属片(ホッチキスの針、 作業具の持込み・片付
画鋲等)、石、砂、毛髪、虫 等 け、不測の事故等
放射性物質 放射性セシウム
放射性物質に汚染され
た土壌や資材等
考えられる主な被害(リスク)
・急性・慢性中毒等健康被害
・汚染による商品クレーム・販売
禁止、信頼性の失墜など
・急性中毒、下痢・嘔吐、呼吸
困難、発癌など
・汚染による商品の販売停
止、信頼性の失墜など
・異物混入による商品のクレ
ーム、信頼性の失墜など
・内部被ばく
出典:一般社団法人日本生産者 GAP 協会「日本 GAP 規範 ver1.1」を一部改変
(2)目指す姿
消費者等に信頼される安全な農産物を供給するため、事故の発生を未然に防止することを
基本とした「とやまGAP」の取組を通じた安全な農産物の生産拡大を図るとともに、流通・加
工・販売の各段階における農産物の安全性や品質を確保するための取組を推進します。
(3)目指す姿を実現するための取組
①安全な農産物の生産拡大
消費者等に安全な本県農産物を安定的に供給するため、適正な資材の取り扱いや生産履
歴記帳、農産物の衛生的な取り扱いなど、「とやまGAP」の取組を促進します。
-10-
②消費者等の安心感の醸成
消費者等に対して、「とやまGAP」に取り組む産地や生産者の紹介など、安全な農産物の生
産等に関する情報発信や生産者との交流活動など、消費者等の本県農産物に対する「安心
感」を深めるための活動を推進します。
また、産地と消費地との交流など、生産者と消費者の距離を近づけるための取組の展開など
により、信頼関係の構築を推進します。
<参考:農産物に係る「安全」と「安心」について>
-11-
■基本⽅針3:「農業者(⼈)にやさしい農業」の展開
〜
農作業死亡事故ゼロをめざして
〜
(1)現状と課題
現在、農業従事者の高齢化の進展や農業機械の大型化・高速化など、これまでに比べ作業
環境が大きく変化してきていることから、全国では毎年約 400 件もの農作業中の死亡事故が発
生しています。また、富山県内でも毎年 10 名前後の農作業中の死亡事故が発生しているととも
に、約 200 件もの農作業中の事故が発生しているところです。
下図のように、様々な産業の中でも農業は就業人口に占める作業中の事故割合が高い業
種であり、もっとも危険な産業であるとも言われています。
ひとたび農作業事故が起きると、本人や家族への影響もさることながら、労働力が欠けること
による他の従事者へのしわ寄せや経営規模の縮小、補償問題の発生など、農業経営の継続
にも大きな影響が生じます。
このことから、本県農業の持続的な発展のためにも、農業従事者の農作業事故の発生防止
や発生に伴う被害低減のための取組が喫緊の課題となっています。
図 農作業事故死と他産業等での死亡事故の年次別推移(昭和 46 年を 100 とした指数)
他分野では大幅に死亡事故件数が
減っている中、農業は減っていない。
表:死亡事故件数(実数 単位:人)
調査年
S46
S49
S56
H3
H13
H19
H20
H21
H22
H23
H24
農作業事故死
364
445
389
374
396
397
374
408
398
366
350
建設業事故死
2,323
2,015
1,173
1,047
644
461
430
371
365
342
367
他産業労災事故死
5,552
4,330
2,912
2,489
1,790
1,357
1,268
1,075
1,195
1,024
1,093
16,278
11,432
8,719
11,105
8,747
5,743
5,155
4,914
4,863
4,663
4,411
交通事故死
出典:三廻部 眞己氏「農業労災の予防と補償制度」東京農業大学出版会
-12-
<参考:農業生産活動に伴う労働安全関連の危害要因とそれによる主要な事故例>
危害要因
区分
被害を起こす主な事象
考えられる主な被害(リスク)
(ハザード)
危険性のある物質・性質の事例
爆発性物質
爆発性のある燃料・肥料への引火、衝撃
燃料・肥料等の爆発、粉塵爆発
引火性物質
燃料保管所での火気の使用、漏電
燃料等への引火
電気
電気設備の整備不良、絶縁防護具の不使
用
感電
高熱、加熱物
高温部のカバー未設置による接触
やけど
劇物・毒物
防護装備の不使用による被曝、不注意
農薬等による被曝、健康被害
粉塵
防護装備の不使用による吸気、換気不良
吸気による体調不良、塵肺
暑熱環境
水分・ミネラルの補給不足、長時間労働
熱射病、熱中症
寒冷環境
不充分な作業装備、急激な温度変化
血行障害、凍傷
騒音
防音対策の不足、長時間労働
音声連絡不足による事故、難聴
振動
防振対策の不足、長時間労働
白ろう病、事故
低周波振動
防音対策の不足、長時間労働
吐き気、目まい、頭痛等
低照度
不充分な照明、夜間作業等
視界不良による事故
危険な動物
防護・救急用具の不備、軽装、知識不足
蜂刺され、毒蛇等
酸欠、有毒ガス
の発生
誤操作(ブレーキペダル連結忘れ等)によ
る意図しない急転回で法面へ転倒
ガラスハウスの掃除の際、安全ベルト未装
着による転倒時に転落、剪定時の転落
目視不足、クラッチ操作等の誤操作、狭い
環境での操作、農機操作の未熟
事前の確認不足、不充分な換気、ガスマス
クの不装着
倒壊
過積載、未熟な操作による不安定な積載
積荷の倒壊
刃物での負傷
防護装備の不装着、誤操作
刈払機による負傷
エンジン停止せずに詰まり等の確認、引っ
かかりやすい服装
集荷場内の交通規則の徹底不足、交通法
規の不徹底
コンバインへの手指等の巻き込
まれ
出荷トラックとフォークリフトの衝
突、農機の路面走行
転倒
危険性のある場所・作業の事例
転落
挟まれる
巻き込まれ
交通事故
トラクターの転落
高所作業からの転落
ハウス等の支柱と耕耘機に挟ま
れる
サイロ、汚水タンク等での作業
出典:一般社団法人日本生産者 GAP 協会「日本 GAP 規範 ver1.1」を一部改変
(2)目指す姿
農業従事者が安心して作業を行い、農業経営を持続的に発展するため、とやまGAPの取
組を通じた農作業中の死亡事故ゼロを目標にした事故防止対策を推進します。
-13-
(3)目指す姿を実現するための取組
①農作業事故の未然防止の徹底
危険な農作業等を把握・改善や安全作業のための服装や保護具の着用など、農業者が農
作業事故を未然に防止するための「とやまGAP」の取組を推進します。
②農作業事故に対する備えの徹底
未然防止の対策を取っていても事故発生のリスクをゼロにすることは困難です。
このことから、保険への加入や免許の取得など、もしもの事故に備えるための「とやまGAP」
の取組を推進します。
③農作業安全運動等の実施
農業機械の利用頻度が高くなる春作業や秋作業の期間に、農作業中の事故発生に対する
注意喚起を行うため、全県的な農作業安全運動を実施します。
また、農作業中の死亡事故等、県内の農作業事故の発生状況を把握するなど、農作業安
全推進のための情報収集・提供に努めます。
-14-
Ⅲ
推進指標等
(1)推進目標
現状
(H25)
目標
(H33)
※1
3,279 名
4,000 名
農業・農村振興計画の指標
に準じる
有機農業の推進体制を整備した
市町村割合 ※2
33%
50%
有機農業推進基本方針の指
標に準じる
1,035ha
1,200ha
農業・農村振興計画の指標
に準じる
194ha
250ha
市町村等を通じた有機農業
実態調査等によるもの
指 標
エコファーマー延べ認定者数
有機・特別栽培農産物
栽培面積 ※3
有機農業の取組面積
※4
備 考
※1 エコファーマー延べ認定者数:これまで県認定されたエコファーマーの累積者数(当該年度末現在)
※2 有機農業者からの相談窓口の設置等、市町村における有機農業推進体制を整えている市町村割合
※3 特別栽培農産物(化学肥料・農薬の使用を県慣行比で5割以上削減して生産した農産物(特栽ガイドラインに基づ
く))と有機農産物(有機 JAS 規格に基づき認証された農産物)の生産面積の計
※4 有機 JAS 認証以外を含めた有機農業の取組面積(有機農業推進法の定義によるもの)
(2)その他、推進プランにおいて参考とする数値※
区 分
方 法
農作業事故件数
(死亡事故以外含む)
富山県農村医学研究所による農作業事故調査等
とやまGAP点検農場割合
指導機関等による規範に基づく農場点検を実施
した担い手農業者の割合
エコファーマー等の認知度
食のイベントでのアンケート調査による認知度
(「等」は有機農産物やGAPを含む)
※ 今後、把握に努めるもの
-15-
Ⅳ 推進体制
「人」と「環境」にやさしい農業を推進するため、学識経験者や消費者、生産者、農業団体、
県などで構成する「富山県環境にやさしい農業・適正農業推進協議会」を中心として、この推
進プランに掲げた推進事項等の実施に向け、関係機関・団体等が一体となって、推進の取
組や情報提供、啓発活動などを実施します。
また、これら施策の推進においては、農業協同組合や市町村、県関係機関(農林振興セ
ンター、農林水産総合技術センター等)などが一体となって、「とやまGAP」の取組の基本と
なる農場点検の実施について指導するなど、地域の実情に応じた「とやまGAP」や有機農業
の推進を図ります。
さらに、消費者を含む県民に対しても、農業者の「とやまGAP」の取組や有機農業に対す
る理解を深めるための情報提供や啓発活動などを実施し、「人」と「環境」にやさしい農業の
重要性に対する意識の向上を図ります。
<推進体制のフロー図>
※ 協議会の設置目的
①とやまGAPの普及を図るための推進体制(条例第8条に基づくもの)
②「有機農業推進基本方針」第2の2の(5)に掲げる推進体制(有機農業推進法第7条に基づくもの)
-16-
Ⅴ
施策体系
目
的
基本方針
「人」と「環境」
にやさしい、未来につなぐ『とやま農業』の持続的な発展
環境の保全
(環境にやさ
しい農業)
安全な農産物
の生産
(消費者にや
さしい農業)
農業者の
安全確保
(農業者にや
さしい農業)
共通取組
(県民の理解と
信頼の醸成)
施策の展開
方向
具体的な施策
適正な土づ
くりの推進
①耕畜連携による家畜排せつ物等の有効利用
②緑肥や未利用有機質資源(バイオマス)を活用した
土づくりの推進
適正な生産
資材の利用
等の推進
①安定生産と環境負荷の軽減に配慮した生産資材の
適正利用の推進
②IPM(総合的病害虫・雑草管理)技術による防除推進
や飛散防止技術の導入促進
③土壌条件に応じた適時的確な施肥や利用効率の高い
施肥技術の普及促進
④使用済資材の適正処理等の推進による環境負荷軽減
生物多様性
保全等の推
進
①適正な防除・水管理等による多様な生物との共生
②生物多様性保全の客観的な評価指標の検討
③堆肥等有機質資材施用等による炭素土中固定等、
地球温暖化防止の取組推進
環境にやさ
しい農産物
の生産体制
の強化等
①エコファーマーの認定促進
②エコファーマーマークの利用及び周知促進
③特別栽培農産物表示制度の普及促進
④環境保全型農業直接支援対策等による取組支援
有機農業の
推進
①有機農業の取組拡大支援(とやま農業未来カレッジと連携等)
②有機農業に関する実態把握と技術の体系化
③有機農業者と消費者等との相互理解の促進
④有機農業推進体制の整備(市町村相談窓口機能強化等)
安全な農産
物の生産拡
大
とやま GAP 農場点検活動等の普及促進
(農薬等の適正使用、農産物の衛生的管理、異物混入
防止対策、生産履歴の記帳などの取組を推進)
消費者等の
安心感醸成
県食品安全推進本部等と連携した消費者等とのリス
クコミュニケーションの推進
農作業事故
の防止
とやま GAP 農場点検活動等の普及促進
(農作業事故の未然の防止の取組推進)
事故への備
えの徹底
とやま GAP 農場点検活動等の普及促進
(保険加入や免許取得推進)
農作業安全
運動等実施
①全県的な農作業安全運動等の啓発活動の実施
②農作業事故状況等の情報収集・提供
有機農業や
とやまGAPに
関する県民
の理解促進
①GAPや有機農業に取り組む農業者等の情報に係る
県民への効果的なPR(イベントや推進大会等でのPR)
②とやまGAPの見える化の促進(農場評価等の支援)
-17-
Ⅵ 参考資料
1 とやまGAPで目指すべき姿(規範項目)
『とやま「人」と「環境」にやさしい農業推進プラン』の基本となる「とやまGAP」の取組におい
て最も重要なことは、富山県適正農業規範(とやまGAP規範)に基づき、農業者や生産組織、
産地等が、自らの農業生産活動における、法令等の違反、事故やクレームの発生の恐れがあ
る『不適切な農業生産活動の行為等(=「BAP(Bad Agricultural Practice)」)』に気が付き、そ
のBAPの改善策の検討・実施に主体的かつ継続して取り組んでいくことです。
このBAPの改善活動こそが、『適正な農業生産活動の実践(=「GAP」)』であり、事故やク
レームが発生しない農場として消費者等から信頼され、支持される持続可能な「より良い農業」
の取組なのです。
以下に、より良い農業のあるべき姿である規範項目を目的別に示しますので、どのようなもの
があるか確認してみてください。
■環境の保全を主な内容とする規範項⽬
農業生産活動において環境負荷を軽減する環境保全の取組は、未来永劫、持続的な農業
を行う上で必要不可欠なものです。このことから、とやまGAP規範に照らし、肥料の過剰施用
や不適正な農薬の使用などの農業生産活動における環境に負荷を与える危害要因を排除し、
土壌や河川、地下水等の汚染といったリスクを低減させる「とやまGAP」の取組が重要になって
います。
とやまGAP規範には、これらのリスクの発生を防止するために取り組むべき次の具体的な項
目を掲げています。
規範 No・規範項目
9
効率的なエネルギー
使用
12
土壌の流出防止
13
有機物の施用等
による適切な土づ
くり
取組事項
・ 電力や燃料等を消費する機械・器具の適切な点検整備と施設の破損箇所の
補修等を実施する。
・ 必要以上の加温、保温又は乾燥を行わないなど、適切な温度を検討し、それ
に向けた管理を実施する。
・ 機械の運行日程の調整や作業工程の管理による効率的な機械の運転を実施
する。
・ 不要な照明は消灯するなど、電力消費を削減する。
・ 施設、機械等の更新時には、可能な範囲でエネルギー効率の良い機種を選択す
る。
・ 被覆作物を活用する。(草生栽培を含む)
・ 風向等を考慮した耕うんや畦立を実施する。
・ 堆肥の施用等により土壌の透水性を改善する。
・ 土壌診断により土壌の状態を把握する。
・ 堆肥や緑肥等の積極的な施用により土壌への有機物の供給に努める。
・ ケイ酸質資材等の土壌改良資材を積極的に施用する。
-18-
規範 No・規範項目
15
16
17
18
19
20
21
22
23
25
27
28
32
35
取組事項
・ 地域の土壌条件に応じた施肥基準に則し、ほ場ごとの基肥の施肥設計を作成
土壌の状況を踏ま
する。
えた適正な施肥
・ 土壌診断に基づく適正な基肥を施用する。
(基肥)
・ 局所施肥や肥効調節型肥料など利用効率の高い施肥法を活用する。
代かき後の濁水や ・ 水田の代かき後の濁水の流出を防止する。
農薬の流失防止
・ 水田からの農薬流出を防止する。(散布後1週間程度は止水・湛水状態を保つ)
気象や生育状況を ・ 地域の土壌条件に応じた施肥基準に則し、ほ場ごとの追肥の施肥設計を作成
踏まえた適正な追
する。
肥
・ 生育診断の結果や気象条件等を勘案した効果的・効率的な追肥を施用する。
種子消毒廃液と消毒済
・ 種子消毒の廃液は、適切な方法で処理する。
み種子の適正処理
有害鳥獣による農 ・ 集落ぐるみでの鳥獣を引き寄せない取組を実践する。
作物被害の防止
・ 侵入防止柵の設置や追払い等の被害防止対策を実施する。
安全な草刈りの実
・ 刈った草は用排水路に絶対に流さない。
施
・ 雑草地からほ場への害虫の侵入防止に配慮した適期適切な草刈りを実施す
病害虫・雑草が発
る。
生しにくい栽培環
・ 秋起こしなどにより、病害虫の発生源となる植物を除去する。
境づくり
・ 輪作体系に取り組む。
・ 畦畔には雑草が発生しないようにカバープランツを植栽する。
農薬と他の防除手 ・ 化学農薬だけでなく、他の防除手段も組み合わせた防除を行う。
段を組み合わせた ・ 病害虫や雑草が、化学農薬への耐性を強めないように、同一の農薬の連用は
防除
避ける。
・ 発生予察情報や防除特報などにより、病害虫の情報を入手する。
適時適切な防除
・ 病害虫の情報や発生状況に基づき、防除が必要かどうかを検討し、タイミング
の実施
を逃さずに実施する。
防除器具等の十
・ 洗浄水は河川、下水道等に流さない。
分な点検と洗浄
・ 農地の面積から必要な散布量を計算し薬液が残らないように散布液を調製す
る。
農薬の使用残の
・ 適正な希釈率で行うため、目分量はやめて、計量カップや台秤などの計量器
発生防止
具を使用して正確な量を量る。
・ 散布液を適量散布できるように、散布の際の速度と、使用した散布液の量を確
認・調整し、使用残を出さない。
・ 農薬を散布するときには、事前に周辺住民に対して、十分な周知を行う。
近隣住宅等への
・ 散布にあたっては、通学時間帯を避けるなど、周辺住民に健康被害のない散
農薬散布の周知と
布時間を設定する。
農薬飛散防止
・ 散布時には、立て看板等により周辺住民等が立ち入らないよう配慮する。
・ 規範項目 29 に基づき、農薬の飛散防止措置を講じる。
・ こぼれた燃料が周囲の環境を汚染しないように、貯蔵場所の周囲に防油堤や
溝を設置する。
農薬・燃料等の適 ・ 農業生産活動に伴い発生する廃棄物は、地域の回収処理システム等を利用
切な管理
するなどにより、資格のある産業廃棄物処理業者に処理を委託する。
・ 「不法投棄」や「不法な埋め立て」、猛毒のダイオキシンが発生しやすい「野焼
き」は法律で禁止されているので、絶対に行わない。
・ 作物残さをほ場に還元するなど、土づくりに利用する。(ほ場に残すと病害虫が
作物残さ等の有機
まん延する場合などを除く)
物のリサイクル
・ 作物残さを堆肥の原料、家畜の飼料、畜舎の敷料等の用途にも仕向ける。
-19-
規範 No・規範項目
飼料成分を考慮し
44 た施肥及び草種
構成
土壌くん蒸剤使用時
48
における揮散の防止
セイヨウオオマル
49 ハナバチの飼養許
可取得
取組事項
・ 土壌分析を行い、適切な施肥を行う。
・ 牧草等の特徴を把握し、草種構成を設定する。
・ 堆肥施用による肥料成分投入量を計算し、全体の施肥体系を整える。
・ 空容器は適切に処理する。
・ セイヨウオオマルハナバチを飼養するための環境省の許可を取得する。
・ 飼養等の具体的な基準や取扱いの方法に従った飼養管理を実施する。
・ 特定外来生物ではないクロマルハナバチへの切り替えなども検討する。
■農産物の安全を主な内容とする規範項⽬
消費者に農産物が安全であることを安心してもらうため、収穫物に対する残留農薬や放射性
物質などの検査が実施されていますが、全ての農産物に対し検査をすることは不可能です。こ
のことから、とやまGAP規範に照らし、農業生産活動における農産物の安全性に関する危害
要因を排除し、食中毒や農薬残留事故、クレームといったリスクの発生を低減させる「とやまG
AP」の取組が重要になっています。
とやまGAP規範には、これらの危害要因を防止するために取り組むべき次の具体的な項目
を掲げています。
規範 No・規範項目
10
11
14
18
24
25
26
取組事項
農地への汚染水の流入がないか確認する。
農地や隣接地に汚染源となる資材等が放置されていないか確認する。
周辺環境からの農
農地及び水源への野生動物の侵入等による汚染が無いことを確認する。
地汚染の防止
上記の確認で問題が確認されたときは、汚染の除去に努め、除去されるまで
は、農地を使用しない。
・ 放射性セシウム汚染の恐れのある堆肥・土壌改良資材・培土は使用しない。
有害物質を含む資
・ 汚泥を原料とする肥料等は、原則として水田に施用しない。
材からの農地汚染
・ 汚泥肥料を畑、樹園地、牧草地に施用する際には、県内産のものとし、年間
の防止
10a あたり 500kg(現物)を上限とする。
・ 堆肥は完熟しているものを選ぶ。
・ 堆肥購入の際には、原料・処理方法・分析結果等を確認する。
完熟堆肥の使用
・ 堆肥を生産する場合は、発酵期間を十分にとり、しっかり完熟させるよう切り返
し等を適切に行う。
種子消毒廃液と消毒済 ・ 消毒済み種子は、購入後間違えないようにしっかりと表示・保管する。
み種子の適正処理
・ 播種が終わったら、余った種子は速やかに廃棄処理をする。
・ 使用する農薬の登録番号を必ず確認し、登録のない資材は選ばない。
使用農薬の適切
・ 容器や包装に表示してあるラベルで、栽培する作物に適用があることを必ず確
な選択
認する。
・ 防除暦等を確認し、推奨されている農薬を選択する。
防除器具等の十
・ 使用前に、防除器具がしっかりと洗浄されていることを確認する。
分な点検と洗浄
・ 使用後は、速やかに防除器具の洗浄を行う。
・ 農薬を使用する前に、ラベルをよく読み、内容を確認し、記載されている内容
農薬使用時の使
や注意事項に従って、散布を行う。
用量・時期・回数
・ 名称や形状が似た作物については、適用作物であることを十分確認する。
等の遵守
・ 農薬を使用した時期や量について、ほ場ごとに記録を作成・保管する。
・
・
・
・
-20-
規範 No・規範項目
29
周辺作物への農
薬の飛散防止
30
カドミウムの吸収
抑制
31
麦類のかび毒
(DON・NIV)汚染
の低減
32
農薬・燃料等の適
切な管理
36
収穫時等における
異品種等の混入
防止
38
米穀等の清潔で
衛生的な取扱い
42
飼料製造・販売に
関する届出
44
飼料成分を考慮し
た施肥及び草種
構成
45
草地における適正
な除草等
46
飼料用米・飼料用
稲における農薬使
用
47
飼料の変質防止
のための適切な調
製
取組事項
周辺作物の栽培者に対して、事前に使用農薬等について連絡する。
無風又は風が弱い天候や時間帯に散布する。
散布時には、風向き、散布器具のノズルの向き等に注意する。
農薬散布は、病害虫の発生状況に応じ最小限の区域に留める。
飛散の少ない形状の農薬、散布方法、散布器具を選択する。
農薬を飛散させてしまったときは、周辺作物の栽培者等に対して速やかに連
絡するとともに、応急対策等を協議する。
・ 出穂期から 20 日間は、湛水状態を保つ。(田面水の深さを 2~3cm程度とし、
田面が露出しないよう湛水状態を維持する)
・ アルカリ資材の施用により土壌pH を矯正する。
・ 防除適期を逃さないよう、ほ場を巡回し麦の生育状況を把握する。
・ 赤かび病を防ぐために、適期防除を徹底する。
・ 適期に確実に収穫する。
・ 被害粒が多いほ場は別扱いとし、ロットの管理に努める。
・ 収穫後は速やかに乾燥するとともに、選別の徹底により、被害粒を確実に除去
する。
・ 1 回あたりの購入量を最小限にし、有効期限内に使用する。
・ 直射日光の当たらない、冷涼・乾燥したところに専用の保管庫を設置し、鍵を
かけて管理する。
・ 収穫前に、ほ場内の異品種や異物の除去を徹底する。
・ コンバインや乾燥・調製、搬送設備などの清掃・点検を徹底する。
・ 施設への野鳥等の侵入防止対策を講じる。
・ 異品種混入を避けるため、計画的に収穫・搬入を進める。
・ 米穀や麦等の収穫後は、適時・適正な乾燥を行うなど、温度や湿度の管理、そ
の他必要な措置を通じ、腐敗・変敗等を防止する。
・ 米穀や麦等を取扱う乾燥調製や貯蔵のための施設は、清掃及び適切な補修
により、常に清潔で衛生的な状態に保つ。
・ 飼料販売業者等の届出が必要か確認する。
・ 必要な場合は、届け出ていることを確認し、届け出ていない場合は、速やかに
届出を行う。
・ 飼料製造管理者の設置が必要か確認し、設置が必要な場合は、速やかに設
置する。
・省令に定められた製造方法等の基準や成分の規格に準拠して製造する。
・
・
・
・
・
・
・ 必要に応じて牧草体の成分濃度を測定し、硝酸態窒素による家畜の中毒を防
ぐ。
・ 草地では、有毒植物の抜き取りや防除による除去に努める。
・ 除草剤を散布するときは、散布後の採草や放牧予定等を踏まえ、天候や風向
き、雑草の生育時期に留意し、適正量を散布する。
・ 牧草を販売・譲渡するときには、生産地等の情報を伝える。
・ 飼料用米について、出穂期以降の農薬の散布を控えるか、安全性の確認され
た農薬を使用する。
・ 上記の対応が取れなかったときは、籾摺りして玄米で家畜に給餌する。
・ 稲わら及び稲発酵粗飼料についても、残留性に問題ない農薬を用いる。
・ 気象情報に注意しながら、ほ場で乾燥させる。
・ 貯蔵時には、水分含量を 15%以下に抑える。
・ ロールベールラップサイレージ゙は材料水分含量が 70%以下になってから成形
作業を始め、成形後は速やかに密封作業を行う。
・ ラップサイレージ゙の移動時にはラップフィルム等の破損に注意する。
-21-
規範 No・規範項目
50
汚染していない水
の使用
51
作業者の衛生管
理と健康管理の徹
底
52
トイレ設備や手洗
い設備の確保
53
栽培・調製・出荷
施設の衛生管理
54
収穫等に使用する
器具類の衛生的
な管理
55
収穫・調製・選別
時の汚染や異物
混入防止
56
安全で清潔な包装
容器の使用と温度
管理
57
りんごのかび毒
(パツリン)汚染の
低減対策
58
衛生管理内容の
周知と記録の保管
取組事項
・ 作業に使用している水の水源を把握する。
・ 飲用可能な水以外を使う場合は、汚染の監視と汚染の可能性のあるものの除
去を速やかに行う。
・ 養液栽培では、定期的な水質検査や資材の保守点検・清掃・消毒を行う。
・ 作業者は清潔な状態で作業ができるように手洗いを適切に行う。
・ 作業管理者は、作業者の健康管理に努め、手に怪我をしている人を農産物に
直接触らせないとともに、体調不良の作業者を作業につかせないなどの衛生管
理にも十分に配慮する。
・ 訪問者にも衛生上のルールを守らせるなど、部外者にも適切に対応する。
・ ほ場や各施設から通える場所に、トイレを確保し、トイレ以外での用足しはでき
るだけ行わない。
・ 手洗い設備については、トイレ設備に加えて、収穫した農産物を取扱う調製・
出荷施設にも設置する。
・ トイレ等は定期的に清掃する。
・ 作業場は衛生的に作業が行える明るさを保つとともに乾燥状態を保つ。
・ 施設及び容器・用具は定期的に清掃する。
・ 施設内への有害生物の侵入・生息について点検を行い、痕跡を確認したとき
は対策を講じる。
・ 菌汚染の発生源や有害生物の誘引源とならないよう、廃棄物について、適切
に管理・処分する。
・ ハサミやナイフ等は、使用後、速やかに洗浄し乾かしておく。
・ 可食部に直接ふれることのない農具も、使用後に汚れを取るなど、清潔に保
つ。
・ 繰り返し使われるコンテナ等の収穫容器は、定期的に洗う。
・ コンテナや出荷用段ボール箱などは、地面に直接置かず、シートやパレット等
を利用する。
・ 収穫容器等は、できるだけ他の目的には使わないようにする。
・ 野菜の乾拭きやブラッシングには、清潔な布やブラシを使う。
・ 品目に応じて、野菜の傷んだ部分を取り除くとともに、野菜を傷つけないように
注意しながら土や汚れを除去する。
・ 身につけている時計や指輪等が農産物を傷つけたり汚染させたりする場合も
あるので注意する。
・ 調製・選別時は、清潔な服装とし、帽子やエプロンなどを着用する。
・ 包装用フィルム(FG袋等)や出荷用段ボール等の包装容器は、農薬、肥料や
有害生物等が付着しないように、保管する。
・ 包装容器周辺では、農薬の保管や使用を避ける。
・ 収穫物は、直射日光が当たらない、できるだけ涼しい場所に置く。
・ 保管や運搬中は、品質が低下しないよう適切な温度管理に努める。
・ 運搬車両は、定期的に清掃を行い清潔にしておく。
・ 果実に土壌が付着しないように収穫・運搬する。
・ 果実に傷が付かないよう丁寧に取扱う。
・ 貯蔵中に菌を増殖させないように、できるだけ低い温度で果実を保管する。
・ 搾汁前に果実を丁寧に洗浄し、腐敗果や腐敗部分を確実に除去する。
・ 作業における衛生管理内容を文書化するとともに、作業場内への掲示や打合
せにおいて説明するなど、作業員全てが理解するようにする。
・ 施設・敷地・機器等の洗浄・消毒した場合については、いつ行ったかなどの記
録を残す。
-22-
■農業者の安全を主な内容とする規範項⽬
農業者が安心して作業を行うためには、どこがどのように危険であるかに気付き、事故が起き
ないよう作業環境や工程等を改善する「とやまGAP」の取組が重要になっています。
特に、農作業中の事故につながる危害要因としては、危険な作業環境、作業者の技量不足、
農業機械の不適切な使用法などがあり、とやまGAP規範には、これらの危害要因を防止する
ために取り組むべき次の具体的な項目を掲げています。
規範 No・規範項目
3
危険な農作業等
の把握及び改善
4
危険を伴う作業に
対する制限
5
保険への加入・免
許の取得
6
機械の安全装備と
点検・整備
7
操作マニュアル等
に基づく機械等の
適正な使用
8
安全作業のため
の服装や保護具
の着用
20
安全な草刈りの実
施
取組事項
・ 危険性の高い機械作業や作業環境、危険箇所を把握する。
・ 農作業安全に係るマニュアルの作成など農作業安全に関する体制を整備し、
意識を保つ。
・ 事故の危険性が高い箇所は、安全に作業できるよう必要な整備を行う。
・ 暑熱、寒冷、粉塵、騒音、振動、照度等の作業環境に応じて安全な作業が確
実に実施できるよう対策を講じる。
・ 作業姿勢や重量物取扱いへの配慮に取り組む。
・ 余裕をもった作業計画を立てる。
・ 1日あたりの作業時間を設定し、定期的に休憩をとる。
・ 定期的な健康診断の受診等、健康管理に取り組む。
・ 高齢者・女性・年少者への配慮を徹底する。
・ 死亡やけがに備えて、労災保険(労働者災害補償保険)等へ加入する。
・ 道路等での第三者を巻き込んだ事故に備えた任意保険へ加入する。
・ 事故により機械等が破損した場合に備えた任意保険へ加入する。
・ 機種に応じた運転免許を取得し、さらに機種によっては講習等を受講する。
・ 機種に応じたナンバープレートを取得する。
・ 機械導入時に、型式検査合格証票又は安全鑑定証票の有無を確認する。
・ 中古機械導入時に、安全装備の状態や取扱説明書の有無を確認する。
・ 機械等において指定された定期交換部品を交換する。
・ 作業前の整備・点検・修理を習慣づけ、必ず実施する。
・ 安全に出入りができ、機械等の点検・整備が行える格納庫を整備する。
・ 保管時は、機械等の昇降部を下降させ、鍵をしっかり管理する。
・ 機械等の取扱説明書は熟読し、きちんと保管する。
・ 作業機械については、動力遮断方法など、実際の緊急時の対応について、し
っかり確認しておくとともに、事故のないよう適切に取扱う。
・ 脚立やはしごを使用する際は、足の接地面の安定化を図り、脚立の固定金具
は確実にロックする。
・ 鎌などの農具についても、作業者や周囲の人に危被害を与えないよう注意し
て使用する。
・ 各作業に適した服装を着用する。
・ その日の天候や作業環境を考慮して服装等を選ぶ。
・ 必要に応じて、手袋やヘルメット等の適切な保護具を使用する。
・ 粉塵・飛散物が発生する場合は必ず保護めがねやマスクを着用する。
・ 作業安全の確保のため、草刈りの前に現場の状況を把握する。
・ 防護具を着用し、安全な操作方法で草刈機を活用する。
-23-
規範 No・規範項目
32
農薬・燃料等の適
切な管理
37
施設の適正な管
理・運営ルールの
策定
48
土壌くん蒸剤使用
時における揮散の
防止
取組事項
・ (農薬の)容器の移し替えはしない。
・ 毒物または劇物がある場合には保管庫に必要な表示をする。
・ 燃料油の容器は専用のものを使用し、専用の場所に保管する。
・ (燃料油の)保管場所は、消火器を備え、火気厳禁とするとともに、鍵をかける。
・ ガソリンを室内で保管するときには、常に換気する。
・ 燃料のそばでは、火花を発する工具等は使用しない。
・ 施設の管理・運営ルールを定め共有する。
・ 施設の管理者とオペレーターの役割を明確にする。
・ 施設での機械操作や緊急時の対応マニュアルを整備する。
・ 防毒マスク等の防護具を必ず着用する。
・ ハウス内での作業では、必ず出入口、天窓、側窓を開けて換気する。
・ 施用直後、速やかな被覆を徹底するとともに、施用後は密閉し、臭気のある間
は施設内に入らないようにする。
・ くん蒸終了後に施設に入る時は、臭気の無くなったことを確認し、十分換気し
てから入る。
■その他(農場管理や農業経営全般に係る規範項⽬)
規範 No・規範項目
1
2
33
39
40
41
43
取組事項
・ 全てのほ場やハウス等の施設について、管理台帳等を整備する。
ほ場の位置・面積
・ 危機対応についてのマニュアルや緊急時の連絡先一覧を作成する。
等に係る記録の作
・ 台帳、地図、図面に整理した情報は、事務所や作業場に掲示するなど、作業
成
員全員で共有し、作業の打合せなどに活用する。
・ 農作物の種子や果樹の枝(穂木、剪定枝等)を、許可無く他の農家等に譲渡し
登録種苗の適切
たり、海外へ持ち出さない。
な使用
・ 契約で自家増殖が禁止されている場合は、その内容に従う。
・ 農薬・肥料等の生産資材の購入伝票等を保管する。
・ 農薬の使用後は、使用した年月日や場所などの情報について、速やかに生産
履歴簿に記載する。
生産資材の使用
履歴記帳と記録の ・ 肥料や土壌改良資材など、その他の生産資材についても、使用後は生産履歴
簿やその他の方法により記録を行う。
保管
・ 購入時の伝票や生産資材の使用履歴とともに、作物生育の良否や当該年の
気象等についても記録・保管し、事後もさかのぼれるようにする。
・ 玄米及び精米、生鮮食品については、JAS 法に基づき「名称」等の必要事項を
農産物等の誤表
表示する。
示の防止、荷姿の ・ 加工品の製造・販売についても、加工品について定められた表示事項を適切
遵守
に表示する。
・ 生産組合や市場、実需の要望を踏まえた荷姿を遵守する。
○ 用途限定米穀について、
・ 定められた用途以外に使用、又は使用する目的で出荷・販売しない。
用途限定米穀の
・ 保管する時は用途ごとに保管し、用途が明らかになるような表示をする。
適切な保管・販売 ・ 販売するときは、包装等に用途を示す表示をする。
・ 販売するときに、定められた用途に確実に使用することを確認する。
○ 食用不適米穀についても同様に、販売等をしない。
農産物の取引に関する ・ 農産物の取引について、品名や数量、取引先名などの記録を作成する。
記録の作成・保存
・ 作成した記録については、販売後一定期間保存する。
飼料製造に関する ・ 製造等について、帳簿を作成し、その都度記載する。
記録の作成・保存 ・ 帳簿は8年間保存する。
-24-
○「とやまGAP」の取組⼿順
「とやまGAP」の取組では、次のステップの①から④を繰り返します。
ステップ①:点検(気付き・発⾒)
まずは、県が作成した「とやまGAP自己点検シート」や「とやまGAP農場点検シ
ート」を用いて、自らの農場において、「農産物の安全性」や「労働安全」、「環境保
全」の各視点から見て、クレームや事故の発生など、リスクや欠陥(=BAP)がない
かを自己点検します。
その上で、普及指導員や営農指導員などによる二者点検や産地の仲間との内部点検な
どを実施すると、より客観的な点検・評価が可能になるので、点検の効果が上がります。
なお、農場での点検活動で、見つけたBAPのうち、特に重大なリスクや欠陥がある
と判断されるものについて、優先的に改善することが必要です。
※
各シートは県のホームページから入手できます。
(右の URL 参照
http://www.pref.toyama.jp/sections/1612/Toyama_GAP/)
ステップ②:改善(考え・共有)
①の自己点検等の結果をもとに、農場におけるBAPの改善に取り組みます。
その際には、「富山県適正農業規範」を参考に、適正な農業生産活動の実践(GAP)
に必要な農場ルールや改善事項について農場関係者全員で検討するとともに、改善事項
の情報の共有に努めることが重要です。
ステップ③:実践(⾏動)
改善事項や農場ルールを全作業者が共有し、その上で作業を実施します。
また、作業を実施する中で、新たにBAPや改善が可能なことに気が付けば、記録や
ルール化に努め、それらの情報を農場関係者で共有し、改善を図ります。
ステップ④:点検(確認・評価)
③の後、実際にBAPが改善されているかを点検します。
点検の際は、自分一人だけでなく、他の農場関係者や外部の人にも点検・評価しても
らうと、漏れや見落としを防ぐことができるので、より良い農業への近道になります。
-25-
-26-
このような取組を通じ、日々の活動の中で改善すべきところを見つけ、関係者全員が
意識的に「とやまGAP」に取り組むことで、農場管理のレベルが向上し、事故やクレ
ーム等が発生しない、持続可能な「人」と「環境」にやさしい農場となり、消費者等か
らの信頼が高まります。
-27-
2
「環境にやさしい農業」の推進状況
環境にやさしい農業については、これまで「とやまエコ農業推進方針(平成 19 年策
定)」に基づき、土づくりと化学肥料・農薬の低減に一体的に取り組むエコファーマー
の認定や化学肥料・農薬の大幅な低減、有機農業などの先進的な取組、有機物資源の
リサイクル利用、農業用廃プラスチックの地域回収について、「とやまエコ農業指標」
と位置付け、その積極的な推進に努めてきたところです。
表1:「とやまエコ農業指標」
とやまエコ農業指標
基準年(18 年)
中間目標(23 年)
目標(27 年)
エコファーマー認定者数
※1
1,354 名
2,700 名
3,000 名
特別栽培・有機農産物生産面積
※2
930ha
1,100ha
1,200ha
85.1%
90.0%
90.0%
34.9%
37.0%
40.0%
18.4kg/10a
5.0%削減
10.0%削減
8.5kg/10a
5.0%削減
10.0%削減
有機物資源循環率
※3
農業用廃プラスチック回収率
化学肥料削減率
※5
※4
化学合成農薬削減率
※6
※1 エコファーマー認定者数:当該年度末の目標認定者数
※2 特別栽培農産物(地域の慣行栽培よりも化学肥料・農薬を5割以上削減して生産した農産物(特栽ガイドラインに基づく))と
有機農産物(有機 JAS 規格に基づき認証された過去3年以上、化学肥料・農薬を使用せず生産した農産物)の計
※3 有機物資源循環率:畜産排泄物及び籾殻等に対する「ほ場還元量/排出量」
※4 農業用廃プラスチック回収率:農業用廃プラスチックに対する「地域回収量/年間排出量」
※5 化学肥料(N・P・K)は水稲モニタリング調査ほ場(生育観測ほ:県下 18 ヵ所)のデータを使用
※6 化学合成農薬は農薬流通量調査のデータを使用
「とやまエコ農業指標」とは
環境にやさしい農業の推進について、農業者はもちろん、消費者にもわかりやすいものとするた
め、化学肥料・農薬の削減はもとより、エコファーマーの認定者数、特別栽培・有機農産物栽培面
積、有機物資源のリサイクル利用、農業用廃プラスチックの回収を「とやまエコ農業指標」として設定
したもの
-28-
(1)「とやまエコ農業指標」の進捗状況
①エコファーマー認定者数
平成11年に制定された「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律」に
基づき、有機物の施用による土づくりや化学肥料・農薬の低減を一体的に取り組む農
業者を県が「エコファーマー」として認定し、その取組に対する支援等を行ってきた
ところです。
エコファーマーの認定者数は、農林振興センターによる化学肥料・農薬
の削減指導、農地・水・環境保全向上対策 (営農活動支援)等の取組推進
や「エコファーマーマーク」の認知度の向上などにより、平成18年以降、
集落営農組織での認定や野菜・果樹産地単位での認定が進んだことから、
当初の目標値を見直ししています。
エコファーマーマーク
(H27目標:当初2,000名 → 見直後3,000名)
特に果樹では農林振興センターの支援により、堆肥施用等による土づくり、有機質
肥料の施用等による化学肥料の削減、フェロモン剤等の導入による化学合成農薬の削
減が図られるなど、県内の全産地が環境にやさしい農業を実践するエコファーマーに
認定されています。
一方、22年度以降、集落営農組織の法人化が進み、既存認定者の認定継続の必要が
なくなったことなどから、認定者数の伸びは停滞しています。
なお、農林振興センターによる認定促進に向けた働きかけや23年度からスタートし
た環境保全型農業直接支援対策などのエコファーマーへの支援策などもあり、新規の
認定者は着実に育成されています。
図1:エコファーマー認定者数等の推移(H26.3 末現在)
図2:市町村別のエコファーマー認定者数(H26.3末現在)
-29-
②特別栽培+有機農産物栽培面積
化学肥料・農薬の大幅な削減に取り組む特別栽培農産物の栽培面積は、病害虫に対す
る防除対応の影響やガイドラインに基づく表示事務の煩雑さなどから、系統出荷の特別栽培
農産物の取組縮小が見られるものの、農業法人等での特別栽培米の生産拡大などもあり、
900ha 台で推移しています。
また、有機 JAS 規格に基づき生産された有機農産物については、高齢化や認証のための
事務負担などを背景に認証を取り止める生産者がいるものの、新規に有機 JAS 認証を取得
する生産者や法人による取組面積の拡大などにより、微増傾向にあります。
図3:特別栽培+有機農産物栽培面積の推移(H26.3末現在)
(ha)
表2:特別栽培・有機農産物栽培面積計(ha)
H18
H19
H20
H21
H22
930
1,033
1,055
1,057
999
H23
1,096
H24
1,004
H25
1,035
図4:市町村別の有機農業栽培面積(H26.3 末現在)
(ha)
参考:とやま有機農業推進計画における目標と現状
区 分
目標
有機農業の推進体制を整備した市町村
特別栽培・有機農産物生産面積
50%
1,100ha
現状(H25)
33.3%
(整備済み:富山市、滑川市、氷見市、南砺市、入善町)
1,035ha
(有機JAS:131ha)+(特別栽培農産物:904ha)
③有機物資源循環率
農業由来で発生する「家畜排せつ物」や「もみ殻等」の未利用有機物資源については、土
づくりや未利用有機物資源の有効活用の推進等により、稲わらのすき込みや堆肥としてほ場
に還元するとともに、家畜の敷料やマルチなどの資材として有効活用されていることから、循
環率は目標の 90%以上を確保しています。
-30-
図5:有機物資源循環率の推移(H26.3末現在)
循環率(%)
④農業用廃プラスチック回収率
肥料の空袋や育苗ハウスの使用済みビニールなど、農業生産活動で排出される廃プラス
チック類については、産業廃棄物として法令に基づき、農業者が自らの責任において適正
に処理することが求められていますが、小規模な農業者が個々で処理業者に委託すること
が困難であったため、本県では、平成 9 年から「富山県農業用廃プラスチック適正処理推進
協議会」が主体となって、廃プラスチック類の適正処理に係る啓発活動や農協単位での地域
回収処理を推進するための活動を実施してきたところです。
この活動により、農業由来の廃プラスチック類に対する農業者の適正処理意識が向上す
るとともに、ほぼ全ての農協で地域回収が実施されるなど、適正処理が定着しています。
図6:農業用廃プラスチック類の地域回収量等の推移
回収率(%)
回収量(t)
注:地域回収は主に個人農家が利用しており、農業法人等の大規模経営体では処理業者に直接処理を委託している。
⑤10a当たり化学肥料の使用量
化学肥料の使用量(水稲モニタリング調査における窒素・燐酸・カリの合計)は、側条施肥や肥効調節型肥料
等、施肥方法の改善や効率的な施肥技術の普及などにより、年々減少してきたところです。
一方、近年、水稲栽培において、夏期の高温に対応した品質向上対策など、気象条件に
応じた追加穂肥といった適切な肥培管理の徹底が実施されていることから、過度な化学肥料
使用量の低減が生産性の低下につながることが懸念されています。
図7:化学肥料の施用量の推移
削減率(%)
N/P/K 合計(kg/10a)
-31-
⑥10a当たり農薬の使用量
化学合成農薬の使用については、苗箱施薬剤などの効率的な防除資材、本県農業研
究所が開発した「種子の温湯消毒法+食酢処理」や生物農薬等の化学合成農薬を使わな
い種子消毒法の普及、畦畔の機械除草などの耕種的防除や発生予察を踏まえた適時適
切な防除など、化学合成農薬だけに頼らない総合的病害虫・雑草管理(IPM)の普及など
により、使用量の低減が進んでいます。
また、農薬の飛散(ドリフト)による農産物の残留農薬汚染や周辺住民等への危害防止を
推進するため、これまで主流であった「粉剤」から、「液剤」や「粒剤」など飛散しにくい剤型
への誘導が図られるなど、周辺環境等に配慮した防除が普及しています。
図8:化学合成農薬の使用量の推移
使用量(kg/10a)
(削減率)
表3:「とやまエコ農業指標」の実績推移
(基準年)
18 年
19 年
20 年
21 年
22 年
23 年
24 年
25 年
1,354
1,733
2,348
2,462
2,450
2,482
2,526
2,448
特別栽培・有機農産物生産面積
(単位:ha)
930
1,033
1,055
1,057
999
1,096
1,004
1,035
有機物資源循環率
(単位:%)
85.1
87.1
87.2
86.6
87.4
87.6
87.8
92.4
農業用廃プラスチック回収率
(単位:%)
34.9
35.0
35.0
36.0
38.0
37.8
41.7
37.4
化学肥料削減率
(単位:%削減)
18.4
(kg/10a)
0.0
1.1
6.5
11.4
5.4
4.3
0.5
化学合成農薬削減率
(単位:%削減)
8.5
(kg/10a)
-0.2
9.6
5.7
8.2
13.7
10.2
18.1
指標
エコファーマー認定者数
(単位:名)
-32-
(2)環境にやさしい農業・適正農業推進協議会等開催履歴
①推進協議会
年度 実施時期
H8
開催場所
協議等内容(現地視察先)
H9.2.25 県民会館
(1) 環境にやさしい農業推進方針「環境にやさしい農業の展開」の策定
(1)環境にやさしい農業の展開方向、実績等
H10 H11.3.18 県民会館
(2)研究開発状況報告
(1)環境にやさしいに農業をめぐる状況について
H11 H12.2.4 県民会館
(2)国の動き、環境関連三法について
(3)環境にやさしい農業の今後の推進・展開について
(1)環境にやさしい農業をめぐる動き
H12 H13.3.13 JA会館
(2)環境にやさしい農業の今後の推進方針について
(1)「JAなんと」における環境に配慮した安全・安心な農業の取組について
(視察先:なんと農協)
(2)減農薬減化学肥料栽培米を用いた“おにぎり”の試食
H13 H13.10.23 現地:南砺市
(視察先:なんと農協ヨッテカーレ)
(3)固形燃料化等による資源リサイクルの推進について
(視察先:南砺リサイクルセンター)
(1)野菜における環境保全型農業の取組について
(視察先:UBC出荷組合)
H14 H14.11.22 現地:魚津市
(2)フェロモンを利用したリンゴの防除について
(視察先:県果樹試験場)
(1)未利用有機質資源リサイクル事例の視察
【視察先:富山市エコタウン(富山グリーンフードリサイクル株式会社)】
(2)エコファーマーの取組事例の視察
H15 H15.10.7 現地:富山市
(視察先:八ヶ山園芸生産出荷組合)
(3)地場産の食材を中心とした食事
(会場:八ヶ山青果出荷組合会議室)
(4)意見交換会:環境にやさしい農業の推進と課題について
(1)JAいなばにおけるトレーサビリティの取組
(視察先:JAいなばカントリーエレベーター)
現地:小矢部市 (2)海洋深層水を利用した水耕栽培を行い、減農薬にこだわったトマト生産
H16 H16.11.11
高岡市
(視察先:㈲ひかりファーム)
(3)地場産の食材を中心とした食事
(会場:高岡市農業センター)
(1)環境にやさしい野菜生産技術に関する試験研究の取組
(視察先:県野菜花き試験場)
現地:砺波市
(2)環境にやさしい農業の実践事例
H17 H17.10.12
南砺市
(視察先:JAとなみ野アルギットにら生産組合)
(3)地場産の食材を中心とした食事
(会場:コープとなみ野エレナ店会議室)
(1)環境にやさしい農業の取組実績について
H18 H18.12.22 県民会館302号室 (2)環境にやさしい農業に関する国施策の概要について
(3)基本方針「環境にやさしい農業の展開」の改訂について
(1)基本方針「環境にやさしい農業の展開」の改訂について
県民会館704号室
H19.8.20
(2)有機農業の推進について(県の推進計画の策定等)
(1)環境にやさしい農業の実践事例(有機農業について)
(視察先:富山・自然を愛するネットワーク 林会長)
H19.11.7 現地:砺波市
H19
(2)意見交換会:県の有機農業推進計画(案)について
(会場:JAとなみ野高波ふれあいセンター)
(1)有機農業推進計画の検討経過について
H20.3.26 県民会館
(2)パブリックコメント実施結果について
(3)有機農業推進計画の策定について
H20
(1)有機農業現地ほ場見学・意見交換会
(視察先:越中土徳の会)
H21 H21.8.20 現地:南砺市
(2)協議会:エコ農業推進方針の目標値の変更等について
(会場:城端伝統芸能会館「じょうはな座」)
(1)農地・水・環境保全向上対策(営農活動支援)の取組
(視察先:大海寺野環境保全協議会)
・新規需要米における化学肥料、化学農薬削減の取組
(視察先:志むら営農組合)
H22 H22.8.20 現地:魚津市
・エコファーマーの取組
(視察先:軟弱野菜:UBC出荷組合)
(2)協議会:環境にやさしい農業の取組実績、有機農業の推進状況等について
(会場:JA魚津市営農センター)
(1)とやまGAP規範の策定及び今後の推進体制について
H23 H24.2.20 県民会館
(2)エコ農業推進方針の進捗状況等について
(1)有機農業・GAP等の取組について
H24 H24.8.21 現地:富山市
(視察先:㈲小原営農センター)
(2)「エコ農業推進方針」等の進捗状況報告等(会場:大沢野文化会館)
(1)有機農業・GAP等の取組について
H25 H25.8.22 現地:氷見市
【視察先:(有機農業:土合農園)、(GAP:㈱T-MARKS)】
(2)「エコ農業推進方針」等の進捗状況報告等(会場:SAYSFARM)
(1)有機農業・GAP等の取組について
H26 H26.8.20 現地:入善町
【視察先:(有機農業:米原農園)、(GAP:㈲アグリゴールド矢木)】
(2)「エコ農業推進方針」等の見直し方向等の検討(会場:JAみな穂本店)
-33-
備考
推進協議会の設置(H9.1.27)
「環境にやさしい農業の展開(H9.2
策定)」を改訂
「とやまエコファーマー倶楽部」との共催
「とやまエコファーマー倶楽部」との共催
「とやまエコファーマー倶楽部」との共催
「とやまエコファーマー倶楽部」との共催
「環境にやさしい農業の展開(H9.2
策定)」を改訂し、「とやまエコ農業推
進方針」を策定(H19.9)
「とやま有機農業推進計画」を策定(H20.5)
「とやまエコファーマー倶楽部」との共催
・推進協議会設置要領及び委員構成
大幅変更(会長が県農林水産部長に)
・「とやまエコファーマー倶楽部」との共催
・「富山県適正農業規範(H23.12)」
の策定
・とやまエコファーマー倶楽部を廃止
・協議会名等変更(富山県環境やさし
い農業・適正農業推進協議会)
・『とやま「人」と「環境」にやさしい農業
推進プラン(仮称)』の骨子について報
告
②推進大会等
年度 実施時期
H8
講演内容等
開催場所
H9.2.26 農協会館8Fホール 特別講演:「なぜ、今、環境にやさしい農業か」 (農水省環境保全型農業対策室)
(1)総合的な防除技術体系の普及推進について
(2)元気な土づくりの推進と施肥改善について
H9 H10.3.24 農協会館8Fホール (3)農業用廃プラスチックの適正処理について
(4)事例発表:氷見市阿尾地域農業推進協議会
(5)特別講演:「環境にやさしい農業の推進について」 (熊野推進協議会長)
(1)環境にやさしい農業の推進状況について
(2)総合的な防除技術体系の普及推進について
H10 H11.3.18 農協会館8Fホール
(3)元気な土づくりの推進と施肥改善について
(4)特別講演「物質循環機能を活用した環境負荷の少ない農業技術」 (農水省環境技術研究所)
H11
(1)環境と調和した持続性の高い農業をめぐる動き (県生産流通課)
(2)農業環境関連三法
H12.2.9 農協会館8Fホール ①肥料取締法の一部改正 (名古屋肥飼料検査所)
②家畜排せつ物の管理適正化及び利用の促進に関する法律 (県畜産課)
③持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律について (県生産流通課)
H13
H14.2.1 農協会館8Fホール
(1)富山県環境にやさしい農業の進捗状況 (熊野推進協議会長)
(2)有機性資源循環利用の現状と課題 (京都大学大学院 内藤教授)
1 エコファーマー認定式
2 講演
H14 H15.1.14 農協会館8Fホール (1)「農薬取締法の改正について」 (農水省生産資材課農薬対策室)
(2)「町ぐるみで進める環境保全型農業」 (JAえちご上越)
(3)「本県における米の生産工程管理の推進について」 (全農とやま)
1 「とやまエコファーマー倶楽部」設立総会
2 現地研修会
H15.6.11 農業総合研修所 (1)「安全で美味しい農業に取り組んで」 (JA福井市北部エコファーマーズ)
(2)「環境にやさしい農業技術の試験研究について」 (県農業試験場)
H15
(3)「水稲の機械除草機について」 (農試ほ場で実演)
(1)「安心・安全な農産物のための農薬の適正使用等について」 (農水省農産安全管理課)
H16.1.13 農協会館8Fホール (2)JAグリーン近江の「米販売戦略」“「安全・安心・正直」宣言米” (JAグリーン近江 販売課)
(3)「総合的な防除技術体系の推進について ~斑点米カメムシ類の防除を中心に~」 (県技術推進課専技班)
1 「とやまエコファーマー倶楽部」第2回通常総会
2 研修会
H16.6.21 農業総合研修所
(1)「減農薬米生産のための新しい技術」 (県農業試験場)
(2)「エコファーマー商品等を中心とした流通・消費動向」 (アルビス㈱ 藤澤課長)
H16
(1)「食料・農業・農村基本計画の見直しと環境保全型農業の推進方向」 (農水省農産振興課環境保全型農業対策室)
H17.3.23 農業総合研修所 (2)「効率的な防除技術体系の普及推進について」 (県技術推進課専門技術員班)
(3)「土づくりによる環境にやさしい米づくり」 (県技術推進課専門技術員班)
(1)「ポジティブリスト制度の導入と農薬の飛散防止について」 (JA全農東京肥料農薬事業所 農薬グループ)
H17 H18.3.23 農業総合研修所 (2)「米・麦・大豆の効果的防除のポイント」~ やるべきはやり、ムダは省く ~ (県技術推進課普及指導班)
(3)「農地・水・環境保全向上対策等について」 (農水省農産振興課環境保全型農業対策室)
(1)「農薬をめぐる情勢について」 (社団法人緑の安全推進協会 千野農薬安全相談室長)
H18 H19.3.20 農業総合研修所 (2)「農薬のポジティブリスト対策技術について」 (農業技術課普及指導班)
(3)「飛散防止対策資材について」 (全農とやま 営農対策課)
(1)「除草剤における農薬ドリフト低減技術等について」 (財団法人日本植物調節剤研究協会研究所 試験研究部)
H19 H20.3.19 農業総合研修所 (2)「農薬のポジティブリスト対策技術について」 (県農業技術課普及指導班)
(3)「氷見市北八代営農組合における農地・水・環境保全向上対策等の取組み」 (氷見市農業協同組合 阿尾支所)
(1)「GAPの概要と全国的な取組状況について」 (農水省技術普及課)
(2)「本県におけるGAPの取組について」 (県農産食品課・県農業協同中央会 農業対策部)
H20 H20.12.17 農協会館8Fホール
(3)「IPMによる農薬低減技術などについて」 (県農業研究所病理昆虫課)
(4)「農地・水・環境保全向上対策(営農活動支援)及び有機農業の推進について」 (県農産食品課)
(1)「新時代の環境保全型農業:内外の潮流と現場の対応」 (横浜国立大学大学院 嘉田教授)
H21 H22.3.19 農協会館8Fホール (2)「病害虫発生状況と防除対策について~稲こうじ病、紋枯病、大豆黒根腐病等を中心に~」 (県広域普及指導センター)
(3)「国の環境対策事業の概要及び県の環境にやさしい農業の推進状況等について」 (県農産食品課)
H22
H23.3.4 県民会館304号室
(1)「薬剤耐性菌問題の現状と今後」 (農業環境技術研究所)
(2)「環境保全型農業直接支援対策」 (農水省農業環境対策課)
(1)「富山県適正農業規範」の策定について (県農業技術課)
H23 H23.12.22 農協会館8Fホール (2)「環境負荷低減に向けたIPM(総合的病害虫・雑草管理)の実践について」 (農水省植物防疫課)
(3)「水稲農場におけるGAPの導入と経営改善について」 (株式会社 穂海 丸田代表取締役社長)
(1)「富山県における農作業事故の実態及びその対策について」 (富山県農村医学研究所 大浦主任研究員)
(2)「GAPの目指すもの ~GAPができた理由を知ると、GAPなんて怖くない~」 (株式会社 農水産ID 藤井氏)
(1)「日本農業が生き残るために現場で必要なこと」 (一般社団法人 日本生産者GAP協会 田上理事長)
H25 H25.11.13 農協会館8Fホール (2)パネルディスカッション:「あなたの農業経営で、どこが問題なのか、どうすればよいのか」
(コーディネーター:田上氏、パネリスト:GAPモデル農場、JAグループ、普及指導員)
H24 H24.12.18 農協会館8Fホール
H26
H27.1.8 農協会館8Fホール
(1)『とやま「人」と「環境」にやさしい農業推進プラン(素案)』について (県農業技術課)
(2)基調講演:「小さくて強い農業をつくる」 (株式会社 久松農園 久松代表取締役)
-34-
3 関係法令
(1)富山県適正農業規範に基づく農業推進条例(平成 22 年 12 月 13 日条例第 43 号)
近年、食の安全に不安を与える事件が相次いで発生し、食の安全に対する国民の意識が急速に高まっている。
また、食料供給の確保と農家の所得向上を図るため、肥料、農薬の使用等による農業の合理化、集約化が進めら
れてきたが、その一方において、農地の余剰な養分や農薬の残留等による環境への影響が懸念され始めている。
こうした中、本県農業は、豊かな自然と恵まれた水環境を活用し、農業者の優れた技術とたゆみない努力によっ
て水稲の生産を中心に発展してきたが、このような社会情勢の変化に伴って、なお一層の消費者の信頼向上と農
業生産活動に伴う環境への負荷の低減がいま求められている。また、将来にわたって安全で高品質な農産物を生
産するためには、土壌、水等の清らかな農業環境を守り、子々孫々に引き継いでいくことが不可欠である。
このため、農業生産活動において、安全な農産物を生産し、環境を保全し、及び農業者の安全を確保するため
に必要とされる具体的な取組等を「適正農業規範」として定めることにより、すべての農業者がこれに対する認識を
深め、共有するとともに、各々が自らの農業生産活動を見直し、改善を図る等適正農業規範に基づく農業を推進し
ていくことが必要である。
ここに、農業者の積極的な取組並びに県、市町村及び農業に関する団体の相互の連携の下に、適正農業規範
に基づく農業を推進し、もって地域の食料自給率の向上を図るとともに、本県が農産物の安全性と品質、環境との
調和に優れた産地として県内外からの信頼を集め、その地位を確立し、本県農業が更なる発展を遂げるため、この
条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、農業者による適正な農業生産活動を推進することにより、安全な農産物を生産し、環境を保全
し、及び農業者の安全を確保し、もって農業に対する県民の信頼の向上に資するとともに、本県農業の持続的な
発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1)農業者 農業生産活動を行う者をいう。
(2)農業生産活動 農産物の栽培、収穫、集荷及び市場、販売所等へ出荷するための保管等を行うことをいう。
(3)農産物 米、麦類、豆類、いも類、野菜、果実、花き等をいう。
(適正農業規範の策定)
第3条 知事は、農業者が農業生産活動において安全な農産物を生産し、環境を保全し、及び農業者の安全を確
保するために必要とされる取組に関する規範(以下「適正農業規範」という。)を定めるものとする。
2 知事は、適正農業規範を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
(適正農業規範の内容)
第4条 適正農業規範は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1)土壌、水、肥料、農薬、施設、設備等の適正な管理及び使用に関する事項
-35-
(2)収穫後の農産物の適正な管理に関する事項
(3)その他必要な事項
2 適正農業規範は、農薬取締法(昭和23年法律第82号)、食品衛生法(昭和22年法律第233号)その他の法令、国
又は国際機関が定めた指針、科学的知見等を基本として定めるものとする。
3 適正農業規範は、自然条件、農業形態等本県の特性に応じて定めるものとする。
4 知事は、適正農業規範を定めるに当たっては、農業生産活動における具体的な実践方法を、その必要性ととも
にできるだけ分かりやすく示すよう配慮するものとする。
(農業者等の意見の反映)
第5条 知事は、適正農業規範を定めるに当たっては、あらかじめ、農業者、消費者その他関係者の意見を反映さ
せるために必要な措置を講じなければならない。
2 前項の規定は、適正農業規範の変更について準用する。
(農業者等の責務)
第6条 農業者は、適正農業規範に基づく農業生産活動の実践に取り組むよう努めるものとする。
2 農業者のために農業の経営及び技術の向上に関する指導を行う者は、適正農業規範に基づいてその指導を
行うよう努めるものとする。
(県民の責務)
第7条 県民は、安全な農産物を生産し、及び環境を保全するための農業者の取組に対する理解を深め、適正農
業規範に基づく農業生産活動の実践により県内で生産された農産物の消費の増進に努めるものとする。
(県の責務)
第8条 県は、適正農業規範に基づく農業生産活動の普及を図るため、次に掲げる施策を総合的に推進するものと
する。
(1)適正農業規範に対する農業者の理解を深めるための啓発
(2)市町村及び農業に関する団体と連携した推進体制の整備
(3)適正農業規範に基づく農業生産活動の実践について技術的指導を行う人材の育成
(4)適正農業規範に基づく農業生産活動の実践に取り組む農業者に対する支援
(5)安全な農産物を生産し、及び環境を保全するための農業者の取組に対する県民の理解を深めるための啓発
(6)適正農業規範に基づく農業生産活動の実践により県内で生産された農産物の消費の増進を図る施策
(7)適正農業規範に定める内容に関する調査研究
(8)その他必要な施策
附 則
この条例は、公布の日から施行する。ただし、第6条の規定は、平成24年4月1日から施行する。
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(2)有機農業の推進に関する法律及び国基本方針
①有機農業の推進に関する法律(平成 18 年 12 月 15 日法律第 112 号)
(目的)
第1条 この法律は、有機農業の推進に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明ら
かにするとともに、有機農業の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、有機農業の推進に
関する施策を総合的に講じ、もって有機農業の発展を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この法律において「有機農業」とは、化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺
伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した
農業生産の方法を用いて行われる農業をいう。
(基本理念)
第3条 有機農業の推進は、農業の持続的な発展及び環境と調和のとれた農業生産の確保が重要であり、
有機農業が農業の自然循環機能(農業生産活動が自然界における生物を介在する物質の循環に依存し、
かつ、これを促進する機能をいう。)を大きく増進し、かつ、農業生産に由来する環境への負荷を低減する
ものであることにかんがみ、農業者が容易にこれに従事することができるようにすることを旨として、行われ
なければならない。
2 有機農業の推進は、消費者の食料に対する需要が高度化し、かつ、多様化する中で、消費者の安全か
つ良質な農産物に対する需要が増大していることを踏まえ、有機農業がこのような需要に対応した農産物
の供給に資するものであることにかんがみ、農業者その他の関係者が積極的に有機農業により生産され
る農産物の生産、流通又は販売に取り組むことができるようにするとともに、消費者が容易に有機農業によ
り生産される農産物を入手できるようにすることを旨として、行われなければならない。
3 有機農業の推進は、消費者の有機農業及び有機農業により生産される農産物に対する理解の増進が重
要であることにかんがみ、有機農業を行う農業者(以下「有機農業者」という。)その他の関係者と消費者と
の連携の促進を図りながら行われなければならない。
4 有機農業の推進は、農業者その他の関係者の自主性を尊重しつつ、行われなければならない。
(国及び地方公共団体の責務)
第4条 国及び地方公共団体は、前条に定める基本理念にのっとり、有機農業の推進に関する施策を総合
的に策定し、及び実施する責務を有する。
2 国及び地方公共団体は、農業者その他の関係者及び消費者の協力を得つつ有機農業を推進するもの
とする。
(法制上の措置等)
第5条 政府は、有機農業の推進に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の
措置を講じなければならない。
(基本方針)
第6条 農林水産大臣は、有機農業の推進に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めるものと
する。
2 基本方針においては、次の事項を定めるものとする。
一 有機農業の推進に関する基本的な事項
二 有機農業の推進及び普及の目標に関する事項
三 有機農業の推進に関する施策に関する事項
四 その他有機農業の推進に関し必要な事項
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3 農林水産大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、関係行政機関の長に協議すると
ともに、食料・農業・農村政策審議会の意見を聴かなければならない。
4 農林水産大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならな
い。
(推進計画)
第7条 都道府県は、基本方針に即し、有機農業の推進に関する施策についての計画(次項において「推
進計画」という。)を定めるよう努めなければならない。
2 都道府県は、推進計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
(有機農業者等の支援)
第8条 国及び地方公共団体は、有機農業者及び有機農業を行おうとする者の支援のために必要な施策を
講ずるものとする。
(技術開発等の促進)
第9条 国及び地方公共団体は、有機農業に関する技術の研究開発及びその成果の普及を促進するため、
研究施設の整備、研究開発の成果に関する普及指導及び情報の提供その他の必要な施策を講ずるもの
とする。
(消費者の理解と関心の増進)
第 10 条 国及び地方公共団体は、有機農業に関する知識の普及及び啓発のための広報活動その他の消
費者の有機農業に対する理解と関心を深めるために必要な施策を講ずるものとする。
(有機農業者と消費者の相互理解の増進)
第 11 条 国及び地方公共団体は、有機農業者と消費者の相互理解の増進のため、有機農業者と消費者と
の交流の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。
(調査の実施)
第 12 条 国及び地方公共団体は、有機農業の推進に関し必要な調査を実施するものとする。
(国及び地方公共団体以外の者が行う有機農業の推進のための活動の支援)
第 13 条 国及び地方公共団体は、国及び地方公共団体以外の者が行う有機農業の推進のための活動の
支援のために必要な施策を講ずるものとする。
(国の地方公共団体に対する援助)
第 14 条 国は、地方公共団体が行う有機農業の推進に関する施策に関し、必要な指導、助言その他の援
助をすることができる。
(有機農業者等の意見の反映)
第 15 条 国及び地方公共団体は、有機農業の推進に関する施策の策定に当たっては、有機農業者その他
の関係者及び消費者に対する当該施策について意見を述べる機会の付与その他当該施策にこれらの者
の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
-38-
②有機農業の推進に関する基本的な方針【第2期(平成26年4月25日公表)】
第1 有機農業の推進に関する基本的な事項
有機農業の推進に関する法律(平成18年法律第112号。以下「有機農業推進法」という。)において、有
機農業は農業の自然循環機能を大きく増進し、農業生産に由来する環境への負荷を低減するものであると
されている。
有機農業推進法に基づき平成19年4月に初めて策定・公表された「有機農業の推進に関する基本的な
方針」(以下「基本方針」という。)は、我が国の農業における有機農業の役割を明確にするとともに、各種の
関連施策を総合的かつ計画的に講じていく基(もとい)となった。その結果、我が国における有機農業の取
組はわずかながらも増加傾向を示し、有機農業により生産される農産物に対する需要や、新たに有機農業
に取り組もうとする者の数も増大しつつある。
こうした傾向を適切に助長することの重要性にかんがみ、農業者その他の関係者及び消費者の協力を
得つつ、以下に掲げる事項に基づき、有機農業の推進に関する各種の関連施策を実施するものとする。
1 農業者が有機農業に容易に従事することができるようにするための取組の推進
有機農業は、多くの場合、病虫害の発生等に加え、労働時間や生産コストの大幅な増加を伴うことから、
農業者が容易にこれに従事することができるようにすることが重要である。
このため、地域の気象条件・土壌条件等に適合した技術体系を確立・普及するための取組への支援を
強化するとともに、有機農業の取組を対象とする各種支援施策を充実し、その積極的な活用を図ることが
必要である。
また、先進的な有機農業者による就農相談や研修受入の拡大、新規就農者の経営計画の作成への
支援が必要である。
2 農業者その他の関係者が有機農業により生産される農産物の生産、流通又は販売に積極的に取り
組むことができるようにするための取組の推進
新たに有機農業に取り組もうとする者が潜在的に相当数見込まれるとともに、有機農業により生産され
る農産物に対する需要の増加も見込まれることから、有機農業により生産される農産物の生産、流通、販
売又は利用の確保・拡大を図っていくことが重要である。
このため、有機農業に関する技術体系の確立・普及や、農業者が有機農業による経営を安定的に行
えるよう、有機農業の取組が対象となる各種支援施策の積極的な展開を図ることが必要である。
また、有機農業により生産される農産物の流通、販売又は利用が拡大するよう、有機農業者や農業団
体等と、当該農産物の流通業者、販売業者又は実需者その他の業者とが連携・協力することによって、
実需者等のニーズに即した広域流通(生産者と消費者・実需者との間に流通業者等の第三者を介在さ
せることによって、主として広域を対象として行われる流通をいう。以下同じ。)や地産地消(国内の地域
で生産された農林水産物(食用に供されるものに限る。)をその生産された地域内において消費すること
(消費者に販売すること及び加工することを含む。)をいう。以下同じ。)等の地域内流通(流通業者等の
第三者を介在させずに、生産者と消費者・実需者が直接取引することにより行われる地域内での流通を
いう。以下同じ。)を推進することが重要である。
3 消費者が容易に有機農業により生産される農産物を入手できるようにするための取組の推進
消費者の需要を踏まえ、有機農業により生産される農産物の生産量・流通量を増加させ、当該農産物
を消費者が容易に入手できるように多様な販売機会を設けることが重要である。
このため、有機農業により生産される農産物の生産の拡大に努めるとともに、有機農業者、流通業者、
販売業者、実需者及び消費者の間で、当該農産物の生産、流通、販売又は消費に関する情報の受発
信を支援することが必要である。
さらに、有機農業により生産される農産物の生産及び消費の拡大に伴い、農林物資の規格化及び品
質表示の適正化に関する法律(昭和25年法律第175号。以下「JAS法」という。)に基づく有機農産物等の
表示への理解の増進を図るとともに、有機農産物等の適正な表示を確保することにより、消費者の有機
農産物等に対する信頼を確保することが必要である。
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4 有機農業者その他の関係者と消費者との連携の促進
有機農業の推進に当たっては、有機農業に対する消費者の理解の増進及び信頼の確保が重要であ
ることから、食育、地産地消、産消提携(農業者と消費者とが農産物の取引に係る事前契約(提携)を行
い、その契約に基づき農産物を相対で取引する仕組みをいう。以下同じ。)、農業体験学習又は都市農
村交流等の取組を通じて、消費者と有機農業者その他の関係者との交流・連携が促進されるよう取り計
らうことが必要である。
5 農業者その他の関係者の自主性の尊重
有機農業の推進に当たっては、我が国における有機農業が、これまで、有機農業を志向する一部の
農業者その他の関係者の自主的な活動によって支えられてきたことを考慮し、これらの者及び今後有機
農業を行おうとする者の意見が十分に反映されるようにすることが重要である。
有機農業に関する基本的な技術の体系化は進んでいるものの、地域に固有な条件への適合が不十
分であり、有機農業により生産される農産物の生産の取組は未だ少ない状況にある。こうした状況にかん
がみ、有機農業の推進に当たって、地域の実情や農業者その他の関係者の意向への配慮がないままに、
これらの者に対し、有機農業により生産される農産物の生産、流通又は販売に係る各種取組が画一的に
推進されることのないよう留意する必要がある。
第2 有機農業の推進及び普及の目標に関する事項
1 目標の設定の考え方
これまでに、有機農業の推進に係る条件整備については一定の進捗が得られている。今後は、有機
農業に従事している農業者に加え、有機農業による就農を希望する者や慣行農業から有機農業への転
換を考えている農業者が相当数見込まれることに加え、有機農業により生産される農産物に対する消費
者や実需者の需要の増加も見込まれることなどを踏まえ、国及び地方公共団体は、有機農業推進法に
定める基本理念に即して、有機農業の一層の拡大を図るよう努めることとする。
このため、国、地方公共団体、農業者、消費者、実需者その他関係者に係る目標を次のとおり定める。
2 有機農業の推進及び普及の目標
(1)有機農業の拡大
新たに有機農業に取り組もうとする者が潜在的に相当数見込まれ、有機農業により生産される農産物
に対する需要の増加も見込まれることから、有機農業の一層の拡大を図ることとする。このため、おおむ
ね平成30年度までに、現在0.4%程度と見込まれる我が国の耕地面積に占める有機農業の取組面積の
割合を、倍増(1%)させる。
(2)有機農業に関する技術の開発・体系化
有機農業については、基本的な技術の体系化が進捗していることから、今後は、地域の気象や土壌
特性等を踏まえ、地域ごとに導入が可能な技術の体系化を進めることが重要である。このため、おおむ
ね平成30年度までに、都道府県において、主要な作物を対象に地域の気象・土壌条件等に適合し、安
定的な品質・収量を確保できるよう有機農業の技術体系を確立する。
(3)有機農業に関する普及指導の強化
有機農業に関する技術及び知識は、地域の気象・土壌条件等に適合したものであることが重要である。
当該技術及び知識の積極的な活用のためには、地域の先進的な有機農業者と連携し、その知見を活用
することで、国や地方公共団体による研修をより実践的なものとすることが必要である。このため、都道府
県は、地域の普及指導センターや試験研究機関等に有機農業に専門的知見のある農業革新支援専門
員その他の普及指導員を計画的に配置し、地域の先進的な有機農業者との連携を活用して普及指導
活動を強化するなど、有機農業に関する普及指導体制を整備することとし、その整備率を、おおむね平
成30年度までに100%とする。
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(4)有機農業に対する消費者の理解の増進
有機農業に対する消費者の理解を一層増進することとし、有機農業が、化学的に合成された肥料及
び農薬を使用しないこと等を基本とし、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生
産の方法を用いて行われる農業であることや農業の自然循環機能を大きく増進するものであること、また、
生物の多様性に及ぼす影響を低減させるための取組であること等を知る消費者の割合について、おお
むね平成30年度までに50%以上とする。
(5)都道府県等における有機農業の推進体制の強化
基本方針及び有機農業推進法第7条第1項に基づき都道府県が定める有機農業の推進に関する施
策についての計画(以下「推進計画」という。)に基づく取組を全国各地において進める。このため、都道
府県にあっては、有機農業者や有機農業の推進に取り組む民間団体等をはじめ、流通業者、販売業者、
実需者、消費者、行政機関、農業団体等で構成する有機農業の推進を目的とする体制の整備を一層促
進することとし、その整備率について、おおむね平成30年度までに100%とする。また、市町村にあって
は、各地域の有機農業の状況を踏まえつつ、先進的な有機農業者との連携を有する就農相談先を設け
るなどの体制を整備することとし、その整備率について、おおむね平成30年度までに50%以上とする。
第3 有機農業の推進に関する施策に関する事項
1 有機農業者等の支援
(1)新たに有機農業を行おうとする者の支援
国及び地方公共団体は、関係団体と連携・協力して、有機農業を行おうとする新規就農希望者や慣
行農業から有機農業へ転換しようとする者に対して、これらの者が円滑に有機農業を開始できるよう、国
及び地方公共団体における就農相談に加え、道府県農業大学校、有機農業の推進に取り組む民間団
体等及び先進的な有機農業者による各種研修機会の拡大に努める。また、新規就農者等のための経営
計画の作成や就農しようとする青年の研修及び経営の確立までの各種の支援策を活用した支援に努め
る。
また、国及び地方公共団体は、その職員及び農業団体の職員に対して、有機農業を行おうとする新
規就農希望者及び慣行農業から有機農業へ転換しようとする者に対する適切な指導及び助言を行える
よう資質の維持・向上に努める。このため、有機農業者や有機農業の推進に取り組む民間団体等と連
携・協力して、例えば、就農相談を受け入れる先進的な有機農業者に関する情報その他必要な情報の
提供を行うよう努めるとともに、有機農業の意義や実態、有機農業への各種支援施策に関する知識及び
有機農業に関する技術等を習得させるための研修の実施に努める。
(2)有機農業の取組に対する支援
国及び地方公共団体は、有機農業に必要な技術の導入を推進するため、堆肥等の生産・流通施設そ
の他の共同利用機械・施設の整備の支援に努めるとともに、持続性の高い農業生産方式の導入の促進
に関する法律(平成11年法律第110号)第4条第1項の規定に基づく持続性の高い農業生産方式の導入
に関する計画(以下「導入計画」という。)の策定を有機農業者等に積極的に働きかけるとともに、導入計
画の策定及び実施に必要な指導及び助言に努める。また、特例措置を伴う農業改良資金の貸付け等に
関しても、有機農業者の必要に応じた支援に努める。
平成23年度から実施している環境保全型農業直接支援対策の活用により、有機農業者の支援に努め
る。また、有機農業を核とした地域農業の振興を全国に展開していくため、国は、地域における有機農業
の拡大のモデルとなり得る有機農業を核とした地域振興の計画を策定した地域に対し、当該計画の達成
に必要な支援に努めるとともに、有機農業者、地方公共団体、農業団体及び有機農業の推進に取り組
む民間団体等の協力を得て、地域における有機農業に関する技術の実証及び習得の支援に努める。
特に、有機農業の拡大に当たっては、地域でのまとまった取組が重要であり、また、実需者等のニーズ
に応えたロットの拡大や産地化の取組も重要となるため、地域ごとの慣行農業からの転換等の取組に対
する支援に努める。
国及び都道府県は、先進的な有機農業者や農業団体等と連携・協力して、有機の種子又は苗等の確
保を図るための採種技術等の講習や、優良な取組に関する情報の発信に係る取組への支援に努める。
-41-
(3)有機農業により生産される農産物の流通・販売面の支援
国及び地方公共団体は、有機農業者や農業団体等に対し、消費者や実需者との情報の積極的な受
発信を行うよう促すとともに、eコマースの利活用や中食業者、医療・福祉・化粧品業界その他の業界との
連携による多様な販路の確保が行われるよう働きかけに努める。また、関係団体と連携・協力して、流通
業者、販売業者又は実需者と有機農業者や農業団体等との間で行われる意見交換や商談の場を設定
するなど、両者の一層良好な関係の構築の支援に努める。
広域流通の拡大に向け、国及び地方公共団体は、農業団体等と連携・協力して、有機農業者、流通
業者、販売業者及び実需者に対し、JAS法に基づく有機農産物の日本農林規格(平成17年10月27日農
林水産省告示第1605号)や生産情報公表農産物の日本農林規格(平成17年6月30日農林水産省告示
第1163号)等の知識の習得及び制度の活用や、卸売市場における有機農産物等の取扱いの拡大を積
極的に働きかけるよう努める。
さらに、国は、有機JAS認証の取得の維持及び拡大を図ることとし、これに係る手続の簡素化等の支援
策を検討する。
地域内流通の拡大に向け、国及び地方公共団体は、インショップ(小売施設、空き店舗等に開設され
た店舗又はコーナーをいう。)や直売所等による取組を支援するとともに、6次産業化の取組及び地場加
工業者等と連携した農商工等連携の取組による消費の創出・拡大に向けた支援に努める。
2 技術開発等の促進
(1)有機農業に関する技術の研究開発の促進
国及び地方公共団体は、互いに協力して、試験研究独立行政法人、都道府県、大学、有機農業者、
民間団体等で開発、実践されている様々な技術を探索し、既に取り組まれている有機農業に関する技術
の科学的な解明に取り組むよう努めるとともに、これらの技術を有機農業の実態を踏まえ適切に組み合
わせること等により、地域の気象・土壌条件等に適合し、品質や収量を安定的に確保できる技術体系を
確立するよう努めることとし、併せて、新技術の導入効果や適用条件の把握に向けた実証試験等に取り
組むよう努める。
また、国は、有機農業の初期の経営の安定に資するよう、例えば、ほ場環境や土づくりの状態を把握
するための土壌微生物相等に着目した科学的指標の策定や、有機農業者が使いやすい土づくり等の技
術を組み合わせた技術体系の開発等、有機農業の推進に資する重要な研究課題を設定し、これを推進
するよう努める。
地方公共団体は、地域条件に適した有機農業に関する技術の研究開発や、他の地域の試験研究機
関等が開発した技術を含む新たな技術を適用するために必要な実証試験等に取り組むよう努める。また、
有機農業者等の技術に対するニーズを的確に把握し、それを試験研究機関における試験研究に反映さ
せるよう努める。
(2)研究開発の成果の普及の促進
国及び地方公共団体は、地域条件への適合化技術、省エネ技術及び低コスト化や軽労化につながる
除草や防除の機械化技術等に関する研究開発の成果情報の提供に努める。
その際、都道府県の普及指導センターを中心に、地域の実情に応じ、試験研究機関、市町村及び農
業団体等の地域の関係機関並びに先進的な有機農業者及び民間団体等と連携・協力して、有機農業
者への研究開発の成果の普及に努める。また、有機農業者及び有機農業を行おうとする者に対して、研
究開発の成果や知見に基づく効果的な指導及び助言が行われることが重要である。このため、国及び地
方公共団体は、先進的な有機農業者と連携して、農業革新支援専門員その他の普及指導員等に対して、
有機農業に関する研究開発の成果等に係る技術及び知識を習得させるための研修や提供情報の充実
に努める。
3 消費者の理解と関心の増進
国及び地方公共団体は、有機農業に対する消費者の理解と関心を増進するため、有機農業者と消費
者との連携を基本としつつ、インターネットの活用やシンポジウムの開催による情報の受発信、資料の提
-42-
供、優良な取組を行った有機農業者の顕彰等を通じて、消費者をはじめ、流通業者、販売業者、実需者、
学校関係者等に対し、自然循環機能の増進、環境への負荷の低減、生物多様性の保全等の有機農業
の有する様々な機能についての知識の普及啓発並びに有機農業により生産される農産物の生産、流通、
販売及び消費に関する情報の提供に努める。また、民間団体等による消費者の理解と関心を増進する
ための自主的な活動を促進するため、優良な取組についての顕彰及び情報の発信に取り組むとともに、
JAS法に基づく有機農産物の検査認証制度、特別栽培農産物に係る表示ガイドライン(平成4年10月1
日4食流第3889号)に基づく農産物の表示ルール等について、消費者への普及啓発に努める。
4 有機農業者と消費者の相互理解の増進
国及び地方公共団体は、有機農業者と消費者の相互理解の増進のため、食育、地産地消、産消提携、
農業体験学習又は都市農村交流等の活動と連携して、児童・生徒や都市住民等と有機農業者とが互い
に理解を深める取組の推進に努める。
また、民間団体等による有機農業者と消費者の相互理解を増進するための自主的な活動を促進する
ため、これらの者による優良な取組についての顕彰及び情報の発信に努める。
5 調査の実施
国は、有機農業により生産される農産物の生産、流通、販売及び消費の動向等の基礎的な情報、有
機農業に関する技術の開発・普及の動向、社会的・経済的効果、地域の農業との連携を含む有機農業
に関する取組事例その他の有機農業の推進のために必要な情報を把握するため、地方公共団体及び
有機農業の推進に取り組む民間団体等の協力を得て、必要な調査を実施する。
6 国及び地方公共団体以外の者が行う有機農業の推進のための活動の支援
国及び地方公共団体は、有機農業の推進に取り組む民間団体等に対し、情報の提供、指導、助言そ
の他の必要な支援を行うとともに、これらの者と連携・協力して有機農業の推進のための活動を効果的に
展開できるよう、相談窓口を設置する等の所要の体制の整備に努める。
また、これらの民間団体等による自主的な活動を促進するため、優良な取組の顕彰及び情報の発信
に努める。
7 国の地方公共団体に対する援助
国は、都道府県に対し、基本方針及び当該都道府県における有機農業の実態等を踏まえて定める有
機農業の推進の方針、当該方針に基づきおおむね5年の間に実施する施策、有機農業を推進するに当
たっての関係機関・団体等との連携・協力、有機農業者等の意見の反映並びに推進状況の把握及び評
価の方法を内容とする推進計画のより効果的な実施を働きかけるとともに、必要な情報の提供、指導及
び助言に努める。
また、地方公共団体による有機農業の推進に関する施策の策定及び実施に関し、必要な指導及び助
言を行うとともに、地方公共団体の職員が有機農業の意義や実態、有機農業の推進に関する施策の体
系、有機農業が地域に果たす役割を理解するための先進的な取組事例等有機農業に関する総合的な
知識を習得できる研修の実施に努める。
第4 その他有機農業の推進に関し必要な事項
1 関係機関・団体との連携・協力体制の整備
(1)国及び地方公共団体における組織内の連携体制の整備
有機農業の推進に関する施策は、有機農業により生産される農産物の生産、流通、販売及び消費の
各段階において必要な施策を総合的に講じることとされている。これらの施策を計画的かつ一体的に推
進し、施策の効果を高めるため、国は、これらの施策を担当する関係機関の連携を確保する体制の整備
に努める。
また、地方公共団体に対し、同様の体制を整備するよう働きかける。
-43-
(2)有機農業の推進体制の整備
有機農業の推進に当たっては、農業者その他の関係者及び消費者の理解と協力を得るとともに、有
機農業者や民間団体等が自主的に有機農業の推進のための活動を展開している中で、これらの者と積
極的に連携する取組が重要である。
このため、国は、全国、地方ブロックの各段階において有機農業者や有機農業の推進に自主的に取り
組む民間団体等をはじめ、流通業者、販売業者、実需者、消費者、行政機関及び農業団体等で構成す
る有機農業の推進体制の下、これらの者と連携・協力して、有機農業の推進に取り組むよう努める。
また、地方公共団体に対し、同様の体制を整備するよう働きかける。
国は、地方公共団体、関係団体と連携・協力して、有機農業を行おうとする者の支援や、普及指導員
等の相談等に対応するため、有機農業に関するアドバイザーの導入について検討する。
(3)有機農業に関する技術の研究開発の推進体制の整備
有機農業に関する技術の研究開発については、試験研究独立行政法人、都道府県の試験研究機関
に加え、有機農業者をはじめとする民間団体等においても自主的な活動が展開されており、これらの民
間団体等と積極的に連携・協力することにより、技術の開発が効果的に行われることが期待できる。
このため、国は、全国、地方ブロックの各段階において、試験研究独立行政法人をはじめ、地方公共
団体、大学、民間の試験研究機関、有機農業者等の参画を得て、研究開発の計画的かつ効果的な推
進のための意見交換、共同研究等の場の設定を図るとともに、関係する研究開発の進捗状況を一元的
に把握し、関係者間の情報共有や連携を図りながら、有機農業に関する研究開発の計画的かつ効果的
な推進に努める。
また、地方公共団体に対し、同様の体制を整備するよう働きかける。
2 有機農業者等の意見の反映
国及び地方公共団体は、有機農業の推進に関する施策の策定に当たっては、意見公募手続の実施、
現地調査、有機農業者等との意見交換、会議その他の方法により、有機農業者その他の関係者及び消
費者の当該施策についての意見や考え方を積極的に把握し、これらを当該施策に反映させるよう努め
る。
また、国は、有機農業により生産される農産物の生産、流通、販売及び消費の動向を常に把握し、そ
の状況に応じた施策等の検討を行う体制を整備するとともに、地方公共団体に対し、同様の体制を整備
するよう働きかける。
3 基本方針の見直し
この基本方針は、有機農業推進法で示された基本理念及び有機農業の推進に関する施策の基本と
なる事項に従い、基本方針の策定時点での諸情勢に対応して策定したものである。
しかしながら、今後、有機農業を含めた農業を取り巻く情勢も大きく変わることが十分考えられる。また、
目標の達成状況や施策の推進状況等によっても、基本方針の見直しが必要となる場合が考えられる。
このため、この基本方針については、平成 26 年度からおおむね5年間を対象として定めるものとする
が、見直しの必要性や時期等を適時適切に検討することとする。
-44-
(3)持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律(平成11年7月28日法律第110号)
最終改正:平成22年4月9日法律第23号
(目的)
第1条 この法律は、持続性の高い農業生産方式の導入を促進するための措置を講ずることにより、
環境と調和のとれた農業生産の確保を図り、もって農業の健全な発展に寄与することを目的とす
る。
(定義)
第2条 この法律において「持続性の高い農業生産方式」とは、土壌の性質に由来する農地の生産
力の維持増進その他良好な営農環境の確保に資すると認められる合理的な農業の生産方式であっ
て、次に掲げる技術のすべてを用いて行われるものをいう。
一
たい肥その他の有機質資材の施用に関する技術であって、土壌の性質を改善する効果が高いも
のとして農林水産省令で定めるもの
二
肥料の施用に関する技術であって、化学的に合成された肥料の施用を減少させる効果が高いも
のとして農林水産省令で定めるもの
三
有害動植物の防除に関する技術であって、化学的に合成された農薬の使用を減少させる効果が
高いものとして農林水産省令で定めるもの
(導入指針)
第3条 都道府県は、当該都道府県における持続性の高い農業生産方式の導入に関する指針(以下
「導入指針」という。)を定めるものとする。
2 導入指針においては、都道府県における主要な種類の農作物について、都道府県の区域又は自然
的条件を考慮して都道府県の区域を分けて定める区域ごとに、当該農作物及び地域の特性に即し、
次に掲げる事項を定めるものとする。
一 導入すべき持続性の高い農業生産方式の内容
二 前号に該当する農業生産方式の導入の促進を図るための措置に関する事項
三 その他必要な事項
3 都道府県は、情勢の推移により必要が生じたときは、導入指針を変更するものとする。
4 都道府県は、導入指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければな
らない。
(導入計画の認定)
第4条 農業を営む者は、農林水産省令で定めるところにより、持続性の高い農業生産方式の導入
に関する計画(以下「導入計画」という。)を作成し、これを都道府県知事に提出して、当該導
入計画が適当である旨の認定を受けることができる。
2 導入計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 持続性の高い農業生産方式の導入に関する目標
二 前号の目標を達成するために必要な施設の設置、機械の購入その他の措置に関する事項
三 その他農林水産省令で定める事項
3 都道府県知事は、第1項の認定の申請があった場合において、その導入計画が導入指針に照らし
-45-
適切なものであることその他の農林水産省令で定める基準に適合するものであると認めるときは、
その認定をするものとする。
(導入計画の変更等)
第5条 前条第1項の認定を受けた者(以下「認定農業者」という。)は、当該認定に係る導入計
画を変更しようとするときは、都道府県知事の認定を受けなければならない。
2 都道府県知事は、認定農業者が前条第1項の認定に係る導入計画(前項の規定による変更の認定
があったときは、その変更後のもの。以下「認定導入計画」という。)に従って持続性の高い農
業生産方式の導入を行っていないと認めるときは、その認定を取り消すことができる。
3 前条第3項の規定は、第1項の認定について準用する。
(農業改良資金融通法の特例)
第6条 農業改良資金融通法(昭和31年法律第102号)第2条の農業改良資金(同法第4条の特定地
域資金を除く。)のうち政令で定める種類の資金であって、認定農業者が認定導入計画に従って
持続性の高い農業生産方式を導入するのに必要なものについての同法第4条(同法第8条第2項
において準用する場合を含む。)の規定の適用については、同法第4条中「10年(地勢等の地理
的条件が悪く、農業の生産条件が不利な地域として農林水産大臣が指定するものにおいて農業改
良措置を実施するのに必要な資金(以下この条において「特定地域資金」という。)にあつては、
12年)」とあるのは、「12年」とする。
第7条
削除
(援助)
第8条 国及び都道府県は、認定導入計画の達成のために必要な助言、指導、資金の融通のあっせ
んその他の援助を行うよう努めるものとする。
(報告徴収)
第9条
都道府県知事は、認定農業者に対し、認定導入計画の実施状況について報告を求めること
ができる。
(罰則)
第10条
前条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、十万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務
に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑
を科する。
附則
この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
-46-
4 データ等
(1)エコファーマー認定者数の推移【全国:平成26年3月末現在】
参考
年度
認定者数
H11 H12
北海道
6
青森
岩手
23
H13
H14
H15
656
H16
H17
H25
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
全国
順位
945 1,202 1,640 3,653 5,707 6,749 7,251 7,859 7,166 6,226 10位
販売農家
販売農家に占める
戸数
比率
全国
順位
(2010センサス)
14%
10位
44,050
37
208
17
945 2,775 3,405 4,084 4,891 5,707 5,981 6,021 5,960 5,491 4,583 4,253 16位
10%
16位
43,314
249 2,174 3,575 7,225 7,697 9,010 9,515 9,461 8,775 8,806 7,879 6,774 5,757 11位
10%
15位
55,347
9位
13%
11位
49,384
471 1,306 3,720 4,160 4,643 5,032 3,762 2,848 2,533 21位
5%
30位
47,298
宮城
1
16
91
471
837 1,498 7,317 8,714 9,037 9,284 9,078 8,743 6,807 6,296
秋田
97
99
107
211
306
110 1,147 3,201 4,322 5,302 6,071 8,577 9,846 10,013 9,912 10,066 9,158 8,031
6位
21%
7位
39,112
446 1,324 6,356 11,590 15,739 17,915 19,303 19,553 21,889 21,091 20,336 20,528
2位
29%
4位
70,520
茨城
171 1,120 2,191 3,722 4,612 5,308 5,739 6,289 6,848 7,290 7,599 7,421 7,080 6,343
8位
9%
17位
70,884
栃木
208 2,039 3,924 4,928 5,578 5,895 6,570 7,683 7,220 7,643 7,736 7,261 6,367 4,109 17位
9%
18位
47,833
山形
福島
2
群馬
24
埼玉
千葉
27
38
14
長野
静岡
5
44,514
164
455
5%
33位
54,462
4
8
89
170
284
410
490
565
607
608
587
515 39位
8%
22位
6,812
17
49
98
119
128
130
179
175
192
202
229
201 45位
27
800 1,062 1,572 2,640 3,116 3,411 3,452 3,476 2,906 2,493 22位
1%
42位
14,863
7位
39%
3位
20,043
665 1,297 1,949 3,549 6,113 7,235 7,503 7,531 6,520 5,236 12位
8%
20位
62,076
552 1,015 1,509 2,076 2,388 2,446 2,284 2,119 2,292 2,637 2,609 2,598 20位
7%
23位
38,969
3位
19%
9位
66,601
438 1,425 2,080 2,404 6,513 6,615 7,475 7,558 7,755 7,414 7,366 7,529 7,738
30
98
120
216
新潟
31,914
31位
66
8
山梨
35位
5%
5
東京
神奈川
4%
855 3,152 3,803 4,282 4,729 4,856 4,075 4,600 4,379 3,566 2,317 24位
181 1,013 1,495 1,896 1,949 2,013 2,177 1,933 1,813 1,700 1,730 1,438 1,172 31位
3
182
307
47
123
500 1,143 3,846 9,906 11,751 14,436 15,115 15,548 13,618 12,392
富山
5
7
23
140
274
621 1,354 1,733 2,348 2,462 2,450 2,482 2,526 2,448 23位
11%
13位
21,914
石川
55
231
339
620
663
749 1,008 1,120 1,208 1,265 1,281 1,181 1,114 1,000 36位
6%
27位
17,136
133%
1位
19,233
139 46位
0%
46位
36,345
413
885 2,200 2,448 3,374 3,725 4,251 4,174 4,248 3,988 3,853 3,735 18位
9%
19位
43,599
275
511
1%
44位
32,965
福井
11
45
57
213
494
763
岐阜
5
27
46
56
70
92
愛知
18
208
三重
滋賀
23
京都
758
901
735
386
662
375
611
393
528
207
387
1位
340 43位
5位
39%
2位
24,826
990 1,065 1,169 32位
6%
29位
21,172
37 47位
0%
47位
10,497
861 1,452 1,726 1,912 2,047 2,057 1,852 1,712 26位
3%
37位
56,793
29
40
75
107
116 8,310 9,186 9,551 9,756 9,979 9,328 9,682
41
119
161
276
305
333
560
703
796
793
1
1
2
2
1
81
232
248
278
285
365
486
5
36
13
68
108
262
668 37位
4%
34位
15,040
95
346
554
800 1,171 1,467 1,521 1,734 1,949 2,079 1,752 1,569 1,442 29位
6%
24位
23,207
1
3
4
664 3,030 3,885 4,073 4,156 3,566 1,280 30位
6%
26位
21,474
145
325
540
701
820
940 1,079 1,576 1,665 1,712 1,788 1,733 1,780 1,500 27位
6%
25位
24,190
1
9
11
鳥取
島根
863
355
8
奈良
和歌山
295
25
1
10
84
664
大阪
兵庫
994 1,391 2,166 2,946 13,693 21,108 24,974 25,568
岡山
615 38位
1%
41位
44,228
470
405 41位
1%
43位
34,649
12%
12位
26,207
507
愛媛
1
高知
32位
21,529
1%
45位
24,964
985 1,020 34位
3%
36位
31,741
746 1,229 1,501 1,561 1,598 1,710 1,463 28位
8%
21位
18,479
117
148
163
160
96
301
503
548 1,021 1,149 1,127 1,159 1,207 1,359
2
4
44
288
508
632
165
3%
38位
41,727
219 1,112 2,252 3,479 5,159 5,754 5,785 5,467 5,385 4,922 4,682 15位
25%
5位
18,480
69 1,216 2,570 3,642 4,553 4,858 5,704 6,412 7,229 7,248 7,226 6,146 5,105 13位
3
22
佐賀
1
19
熊本
5%
222 44位
90
11
福岡
長崎
451
659
826 1,019 1,108 1,229 1,170 1,151 1,164 1,128 1,072 1,033 1,016 35位
12
358
726
866 1,148 1,344 1,858 2,334 2,658 2,980 3,009 3,447 3,395 3,271 19位
10
324
703
276
5
316
496
621
17
4
200
293
636
山口
117
137
207
623
13
12
78
33
630
1
徳島
76
11
25
600
広島
香川
45
13
594
142 1,280 1,981 2,449 2,913 2,336 2,813 3,238 2,923 2,616 1,684 1,141 33位
63
12 2,565 4,965 5,894 7,841 8,263 8,342 9,106 9,921 9,939 10,113 10,443 10,348 10,564
21%
8位
24,887
4位
23%
6位
46,480
大分
12
449 40位
2%
40位
29,512
宮崎
370
796 1,345 1,691 2,590 2,856 3,123 2,959 2,768 2,011 2,046 1,696 1,766 25位
6%
28位
30,958
216
645 1,917 3,230 3,625 4,120 4,526 4,354 4,316 4,428 4,591 4,661 4,922 14位
11%
14位
45,855
2%
39位
15,123
鹿児島
沖縄
全国計
8
94
317
963 1,508 1,715 1,889 1,823 1,336
13
72
95
147
262
353
971
450
821
461
687
442
478
409
352 42位
13 1,126 9,220 26,232 47,786 75,706 98,946 126,969 166,975 186,345 196,355 211,557 216,287 201,760 186,451
-47-
11%
1,631,206
(2)有機農業の取組状況(平成26年3月末現在)
表 市町村別の有機農業取組状況
有機農業者数(名)
内
市町村名
有機JAS
富山市
高岡市
射水市
魚津市
氷見市
滑川市
黒部市
砺波市
小矢部市
南砺市
舟橋村
上市町
立山町
入善町
朝日町
合 計
20
3
2
4
4
7
0
1
3
22
0
0
2
1
4
73
栽 培 面 積 (ha)
水稲
5
0
0
1
0
3
0
1
3
10
0
0
0
1
0
24
大豆
83.4
1.2
1.5
3.4
0.3
17.6
0.0
6.8
3.5
29.4
0.0
0.0
7.4
1.7
15.3
171.5
野菜
9.5
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
1.6
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
11.1
その他
3.5
0.6
0.0
1.0
4.8
0.0
0.0
0.0
0.0
0.4
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
10.3
合 計
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
1.2
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
1.2
内有機JAS
96.4
1.8
1.5
4.4
5.0
17.6
0.0
8.4
4.8
29.8
0.0
0.0
7.4
1.7
15.3
194.1
83.4
0.0
0.0
1.1
0.0
11.9
0.0
8.4
4.8
19.1
0.0
0.0
0.0
1.7
0.0
130.4
※ 市町村調べ(有機農業者数には、家庭菜園者は含めない)
その他はハトムギ。野菜は、果菜類、里芋、ホウレンソウ、小松菜、サツマイモ等。
図1 有機農業実践者数(名)
25
12
15
有機JAS以外
20
有機JAS
15
4
10
5
0
3
5
富
山
市
高
岡
市
4
2
3
射
水
市
1
魚
津
市
滑
川
市
10
黒
部
市
砺
波
市
小
矢
部
市
南
砺
市
4
2
1
3
氷
見
市
3
舟
橋
村
上
市
町
立
山
町
1
入
善
町
朝
日
町
図2 有機農業取組面積(ha)
120
100
13
有機JAS以外
80
有機JAS
60
40
83
11
15
朝日町
2
入善町
立山町
-48-
水稲
88.3%
上市町
その他
0.6%
19
7
舟橋村
5
南砺市
8
小矢部市
野菜
5.3%
黒部市
大豆
5.7%
12
滑川市
1
5
氷見市
2
魚津市
図3 取組作物割合
3
射水市
高岡市
富山市
0
2
砺波市
20
6
(3)全国の農作業中の死亡事故発生概要(平成 24 年農林水産省調べ)
性別
表1 農作業中の死亡事故発生状況
15 年 16 年
事故発生件数
398
413
農業機械作業
282
295
に係る事故
(70.9) (71.4)
132
135
乗用型トラクター
(33.2) (32.7)
43
54
歩行型トラクター
(10.8) (13.1)
37
39
農用運搬車
(9.3)
(9.4)
13
11
自脱型コンバイン
(3.3)
(2.7)
4
5
動力防除機
(1.0)
(1.2)
8
11
動力刈払機
(2.0)
(2.7)
45
40
その他
(11.3)
(9.7)
農業用施設作業
24
24
に係る事故
(6.0)
(5.8)
機械・施設以外の
92
94
作業に係る事故
(23.1) (22.8)
351
354
男
(88.2) (85.7)
47
59
女
(11.8) (14.3)
うち 65 歳以上層
295
297
に係る事故
(74.1) (71.9)
17 年
395
263
(66.6)
124
(31.4)
55
(13.9)
30
(7.6)
10
(2.5)
4
(1.0)
3
(0.8)
37
(9.4)
23
(5.8)
109
(27.6)
341
(86.3)
53
(13.4)
298
(75.4)
18 年
391
242
(61.9)
115
(29.4)
26
(6.6)
53
(13.6)
6
(1.5)
3
(0.8)
1
(0.3)
38
(9.7)
26
(6.6)
123
(31.5)
330
(84.4)
61
(15.6)
305
(78.0)
19 年
397
259
(65.2)
115
(29.0)
35
(8.8)
45
(11.3)
10
(2.5)
4
(1.0)
6
(1.5)
44
(11.1)
21
(5.3)
117
(29.5)
333
(83.9)
64
(16.1)
286
(72.0)
20 年
374
260
(69.5)
129
(34.5)
35
(9.4)
35
(9.4)
9
(2.4)
5
(1.3)
3
(0.8)
44
(11.8)
17
(4.5)
97
(25.9)
325
(86.9)
49
(13.1)
296
(79.1)
21 年
408
270
(66.2)
122
(29.9)
36
(8.8)
30
(7.4)
17
(4.2)
9
(2.2)
11
(2.7)
45
(11.0)
18
(4.4)
120
(29.4)
337
(82.6)
71
(17.4)
324
(79.4)
22 年
398
278
(69.8)
114
(28.6)
50
(12.6)
46
(11.6)
15
(3.8)
8
(2.0)
7
(1.8)
38
(9.5)
14
(3.5)
106
(26.6)
334
(83.9)
64
(16.1)
321
(80.7)
(単位:件、%)
23 年 24 年
366
350
247
256
(67.5) (73.1)
123
106
(33.6) (30.3)
40
40
(10.9) (11.4)
31
40
(8.5)
(11.4)
9
17
(2.5)
(4.9)
4
7
(1.1)
(2.0)
5
8
(1.4)
(2.3)
35
38
(9.6)
(10.9)
20
19
(5.5)
(5.4)
99
75
(27.0) (21.4)
304
302
(83.1) (86.3)
62
48
(16.9) (13.7)
281
278
(76.8) (79.4)
注:1 ( )内は、事故発生件数に対する割合である。
2 14 年は未実施の府県がある。
3 17 年の性別については、不明が1名いる。
表2 農業機械作業に係る死亡事故の機種別・原因別件数
農業機械作業に係る事故
事故区分
事故発生原因 乗用型トラクタ 歩行型トラクタ 農用運搬車 自脱型コンバイン
動力防除機
機械の転落・転倒
72(67.9)
8(20.0)
19(47.5)
14(82.4)
2(28.6)
ほ場等
48(45.3)
3(7.5)
8(20.0)
9(52.9)
2(28.6)
道路から
24(22.7)
5(12.5)
11(27.5)
5(29.5)
0
道路上での自
7(6.6)
0
1(2.5)
1(5.9)
1(14.3)
動車との衝突
挟まれ
5(4.7)
22(55.0)
6(15.0)
2(11.8)
3(42.9)
ひかれ
6(5.7)
0
10(25.0)
0
0
回転部等への
7(6.6)
8(20.0)
0
0
0
巻き込まれ
機械からの転落
6(5.7)
0
2(5.0)
0
0
その他
3(2.8)
2(5.0)
2(5.0)
0
1(14.3)
合計
106{39.7}
40{15.0}
40{15.0}
17{6.4}
7{2.6}
注:1 ( )内は、事故区分の合計に対する割合を示す。
2 { }内は、農業機械作業に係る死亡事故数の合計に対する割合を示す。
3 事故区分の「その他」は、左記以外の機械(農用トラック等)の他、機種不明の場合を含む。
-49-
(単位:件、%)
合計
動力刈払機
0
0
0
その他
17(34.7)
11(22.4)
6(12.3)
132{49.4}
81{30.3}
51{19.2}
0
1(2.0)
11{4.1}
0
0
5(10.2)
9(18.4)
43{16.1}
25{9.4}
0
6(12.2)
21{7.9}
0
8(100)
8{3.0}
5(10.2)
6(12.2)
49{18.4}
13{4.9}
22{8.2}
267{100}
表3 農業用施設作業に係る事故の原因別件数の推移
(単位:件、%)
20 年
21 年
22 年
23 年
24 年
10(58.8)
9(50.0)
9(64.3)
11(55.0)
12(63.2)
落下物によるもの
1(5.9)
1(5.6)
2(14.3)
4(20.0)
1(5.3)
CO ガス等による中毒
2(11.8)
2(11.1)
0
3(15.0)
2(10.5)
酸素欠乏によるもの
3(17.6)
4(22.2)
1(7.1)
0
0
その他
1(5.9)
2(11.1)
2(14.3)
2(10.0)
4(21.1)
17(100)
18(100)
14(100)
20(100)
19(100)
墜落、転落
合計
注:()内は割合を示す。
表4 農業機械・施設以外の作業に係る事故の原因別件数の推移
(単位:件、%)
20 年
21 年
22 年
23 年
24 年
ほ場、道路からの転落
28(28.9)
32(26.7)
34(32.1)
27(27.3)
12(16.0)
木等の高所からの転落
11(11.3)
13(10.8)
7(6.6)
7(7.1)
5(6.7)
5(5.2)
0
1(0.9)
0
2(2.7)
19(19.6)
36(30.0)
12(11.3)
30(30.3)
11(14.7)
家畜によるもの
6(6.2)
3(2.5)
4(3.8)
1(1.0)
2(2.7)
農薬による中毒
2(2.1)
1(0.8)
2(1.9)
1(1.0)
1(1.3)
蛇、昆虫によるもの
1(1.0)
1(0.8)
2(1.9)
0
1(1.3)
落雷によるもの
0
1(0.8)
0
1(1.0)
1(1.3)
刃部によるもの
1(1.0)
0
1(0.9)
0
0
作業中の病気によるもの
20(20.6)
12(10.0)
28(26.4)
26(26.3)
23(30.7)
うち熱中症によるもの
12(12.4)
7(5.8)
26(24.5)
21(21.2)
21(28.0)
4(4.1)
21(17.5)
15(4.7)
6(6.1)
17(22.7)
97(100)
120(100)
106(100)
99(100)
75(100)
道路上での事故
稲ワラ焼却中等の火傷
その他
合計
注:()内は合計に対する割合を示す。
表5 年齢階層別事故発生件数の推移
(単位:件、%)
区分
20 年
21 年
22 年
23 年
24 年
30 歳未満
5(1.3)
3(0.7)
3(0.8)
5(1.4)
7(2.0)
30~39 歳
1(0.3)
5(1.2)
5(1.3)
2(0.5)
4(1.1)
40~49 歳
12(3.2)
5(1.2)
4(1.0)
16(4.4)
6(1.7)
50~59 歳
33(8.8)
37(9.1)
38(9.5)
29(7.9)
22(6.3)
60~64 歳
27(7.2)
34(8.3)
27(6.8)
33(9.0)
33(9.4)
65~69 歳
41(11.0)
38(9.3)
28(7.0)
42(11.5)
35(10.0)
70~79 歳
149(39.8)
165(40.4)
159(39.9)
118(32.2)
105(30.0)
80 歳以上
106(28.3)
121(29.7)
134(33.7)
121(33.1)
138(39.4)
合計
374(100)
408(100)
398(100)
366(100)
350(100)
うち 65 歳以上
296(79.1)
324(79.4)
321(80.7)
281(76.8)
278(79.4)
注:()内は合計に対する割合を示す。
-50-
表6 月別の死亡事故発生状況
区分
20 年
21 年
1月
8(2.1)
18(4.4)
2月
15(4.0)
15(3.7)
3月
18(4.8)
28(6.9)
4月
43(11.5)
45(11.0)
5月
55(14.7)
41(10.0)
6月
27(7.2)
45(11.0)
7月
36(9.6)
34(8.3)
8月
44(11.8)
45(11.0)
9月
36(9.6)
52(12.7)
10月
45(12.0)
43 (10.5)
11月
31(8.3)
23(5.6)
12月
16(4.3)
19(4.7)
不明
0
0
合計
374(100)
408(100)
注:()内は合計に対する割合を示す。
(単位:件、%)
23 年
24 年
14(3.8)
10(2.9)
19(5.2)
13(3.7)
19(5.2)
12(3.4)
41(11.2)
45(12.9)
44(12.0)
42(12.0)
40(10.9)
31(8.9)
37(10.1)
42(12.0)
30(8.2)
34(9.7)
39(10.7)
49(14.0)
34(9.3)
32(9.1)
27(7.4)
22(6.3)
22(6.0)
17(4.9)
0
1(0.3)
366(100)
350(100)
22 年
13(3.3)
12(3.0)
16(4.0)
31(7.8)
56(14.1)
49(12.3)
46(11.6)
51(12.8)
42(10.6)
39(9.8)
30(7.5)
13(3.3)
0
398(100)
(参考)都道府県別農作業死亡事故発生件数
20
21
22
23
都道府県名
年
年
年
年
1 北海道
12
18
18
21
2 青森
11
6
9
14
3 岩手
20
7
12
12
4 宮城
7
10
9
6
5 秋田
11
9
14
9
6 山形
9
12
11
8
7 福島
18
19
22
16
8 茨城
8
10
10
16
9 栃木
4
4
9
7
10 群馬
12
10
9
14
11 埼玉
4
9
6
-
12 千葉
6
7
8
12
13 神奈川
-
6
-
-
19 山梨
5
6
8
4
20 長野
10
17
13
15
22 静岡
6
10
4
7
14 新潟
13
18
18
14
15 富山
7
5
11
6
16 石川
-
-
4
-
17 福井
-
-
-
-
21 岐阜
-
10
8
9
23 愛知
6
6
7
9
24 三重
5
6
9
9
24
年
20
9
11
5
8
5
13
11
8
11
-
16
-
6
13
6
9
12
-
-
6
7
6
滋賀
京都
大阪
兵庫
奈良
和歌山
鳥取
島根
岡山
広島
山口
徳島
香川
愛媛
高知
福岡
佐賀
長崎
熊本
大分
宮崎
鹿児島
沖縄
20
年
5
-
-
8
5
-
-
5
12
9
6
6
-
13
10
19
12
13
23
14
11
14
-
21
年
-
-
-
20
4
-
-
5
11
8
14
6
5
19
6
16
5
12
15
13
12
19
4
22
年
4
-
-
17
-
4
-
-
9
7
8
4
6
13
6
11
13
11
14
10
16
7
6
(単位:件)
23
24
年
年
4
5
-
-
-
-
11
11
-
-
7
-
-
7
-
15
10
6
7
7
5
11
5
-
-
-
4
-
4
5
11
10
10
7
7
12
9
14
8
6
15
12
19
18
-
4
全国計
374
408
398
366
都道府県名
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
350
注:1 東京都は本調査の対象外である。
2 事故件数が0~3件の道府県は「-」で示している。
3 本調査結果は、厚生労働省の人口動態調査・死亡小票等によるものであり、各道府県が独自に実施して
いる事故調査の結果と異なる場合がある。
4 道府県毎に農業者数や機械化の状況、農作業に係る環境等が異なるため、県ごとの事故件数の多少に
ついて、単純な比較はできない。
-51-
(4) 富山県における農業機械等別の農作業事故発生状況
(単位:件)
機種
15年
16年
17年
18年
19年
20年
21年
22年
23年
24年
コンバイン
16
14
5
19
13
10
13
17
14
21
耕運機
10
1
4
3
9
4
2
2
5
8
草刈機
24
9
11
11
16
20
17
17
14
18
トラクター
8
7
9
6
9
11
11
6
10
8
トレーラー
1
0
0
0
0
1
0
0
1
0
籾摺機
3
0
0
1
1
1
0
2
0
1
脱穀機
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
乾燥機
4
2
1
3
3
2
2
2
3
0
田植機
1
6
5
4
3
6
4
2
3
4
防除機
0
3
6
5
1
1
3
3
2
0
バインダー
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
カッター
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
動散
-
-
-
-
-
-
-
-
-
5
その他 (注1)
40
32
23
23
23
22
13
27
30
25
小計
107
74
64
75
78
78
65
78
82
91
農機外 (注2)
138
162
132
139
158
149
168
151
129
145
合計
245
236
196
214
236
227
233
229
211
236
(富山県農村医学研究所調べ)
注 1:チェンソー、運搬車、軽トラ、昇降機、フォークリフト など
2:鎌、ハサミ、スコップ、脚立・はしご・枝等からの落下 など
-52-
-53-
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推進プラン・とやまGAPに関するお問い合わせ・連絡先
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平成 27 年3月発行
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