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PP ディスク 8136-a
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安全データシート
1. 化学物質等及び会社情報
法人名
住所
担当部門
担当者
電話番号
緊急連絡電話番号
: 国立研究開発法人産業技術総合研究所
: 東京都千代田区霞が関 1-3-1
: 計量標準総合センター 計量標準普及センター 標準物質認証管理室
: 認証標準物質担当
: 029-861-4059
ファックス番号 : 029-861-4009
: 同上
作成日 : 2009 年 7 月 13 日
改定日 : 2015 年 4 月 1 日
整理番号 : 8136001
化学物質等の名称 : 認証標準物質 NMIJ CRM 8136-a 重金属分析用 PP 樹脂ディスク
(Cd, Cr, Hg, Pb; 高濃度)
(Heavy Metals (Cd, Cr, Hg, Pb) in PP Resin Disk - High Concentration)
推奨用途及び使用上の制限 : 本標準物質は、分析の精度管理や分析方法・分析装置の妥当性確
認に用いることができる。
試験・研究用以外には使用しないこと。
2. 危険有害性情報の要約
GHS分類:
発がん性
生殖毒性
: 区分 1A
: 区分 2
GHSラベル要素:
注意喚起語:
危険
危険有害性情報:
生殖能または胎児への悪影響のおそれの疑い
発がんのおそれ
安全対策]
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
試験・研究用以外に使用しないこと。
必要に応じて保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
経口摂取は有毒である。
[応急措置]
飲み込んだ場合:水でよく口の中を洗浄する。大量に飲み込んだ場合、
気分が悪い時は医師の診断を受けること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレ
ンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続
けること。眼の刺激が続く場合は、医師の診断を受けること。
皮膚に付着した場合:石鹸水または水で洗浄する。異常があれば医師
の診断を受けること。
注意書き:
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ばく露またはばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受ける
こと。
[保管]
直射日光の当たらない室温で清浄な場所に保存する。
[廃棄]
関連法規ならびに地方自治体の条例に従うこと。
都道府県知事の許可を得た専門の廃棄物処理業者に処理を委託する。
上記で記載が無い危険有害性は分類対象外または分類できない。
3. 組成、成分情報
単一製品 混合物の区別
: 混合物
: ポリプロピレン樹脂
化学名
別名
: PP 樹脂
化学式又は構造式
(C 3 H 6 )n
ただし、次の物質を含む(重量百分率)
・酸化カドミウム(CdO)
: 約 0.01%
・クロム酸鉛(PbCrO 4 )
: 約 0.15%
: 約 0.45%
・アセチルアセトナトクロム
・硫化水銀(HgS)
: 約 0.1%
・デカブロモジフェニルエーテル
: 約 0.01%
官報公示整理番号
化 審 法 : 幹 ポ リ マ ー (6)-402 、 酸 化 カ ド ミ ウ ム
(1)-202、クロム酸鉛(Ⅱ) (1)-286
CAS 番号
:: 酸化カドミウム、クロム酸鉛
危険有害成分
4. 応急措置
眼に入った場合
皮膚に付着した場合
吸入した場合
飲み込んだ場合
予想される急性症状
及び遅発性症状
最も重要な特徴
及び症状
応急処置をする者
の保護
: 清浄な水で十分に洗い流す。医師の診断を受ける。
: 清浄な水で十分に洗い流す。汚染された衣類や靴等は脱がせ、異常があ
れば医師の診断を受ける。
: 通常の取扱いでは、危険性は低い。
: 水でよく口の中を洗浄する。大量に飲み込んだ場合、気分が悪いときは
医師の診断を受けること。
:::-
5. 火災時の措置
消火剤
火災時の特有危険有害性
: 散水、ドライケミカル、泡、各種消火器等が使用できる。
: 燃焼すると有害なガス(CO、CO2、CN 等)を発生する。可能な限り風
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特有の消火方法
消火を行う者の保護
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上から消火を行い、吸入しないようにする。
: 火元の燃焼源を断ち、消火剤を用いて消火する。移動可能な容器
は速やかに安全な場所に移す。移動不可能な場合には周辺を水噴
霧で冷却する。
: 消火活動は風上から行い、有害なガスの吸入を避ける。防火服、
耐熱服、防護衣、空気呼吸器、循環式酸素呼吸器、ゴム手袋、ゴ
ム長靴等の保護具を使用する。
6. 漏出時の措置
人体に対する注意事項
保護具及び緊急時措置
環境に対する注意事項
回収、中和
二次災害の防止策
: 付近の着火源となるものを速やかに取り除く。着火した場合に備え
て、消火用器材を準備する。
: 屋内の場合、処理が終わるまで十分に換気を行う。作業の際には適切
な保護具を着用し、飛沫等が皮膚に付着したり、粉塵、ガスを吸入し
たりしないようにする。
: 漏出した製品が河川等に排出され、環境への影響を起こさないように
注意する。汚染された排水が適切に処理されずに環境へ排出しないよ
うに注意する。
: 漏出した製品は、空容器に回収し、そのあとを多量の水を用いて洗い
流す。
: 漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立ち入り
を禁止する。風上から作業して、風下の人を退避させる。
7. 取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策
安全取扱注意事項
保管
適切な保管条件
混触禁止物質
: 常温では引火や爆発のおそれはないが、消防法の指定可燃物に該当
するため、近くで火気をみだりに使用しないこと。
: 容器を転倒させ落下させ衝撃を与え又は引きずる等の粗暴な扱いを
しない。
漏れ、溢れ、飛散などしないようにし、みだりに蒸気を発生させな
い。
使用後は容器を密閉する。
取扱い後は、手、顔等をよく洗い、うがいをする。
指定された場所以外では飲食、喫煙をしてはならない。
休憩場所では手袋その他汚染した保護具を持ち込んではならない。
取扱い場所には関係者以外の立ち入りを禁止する。
吸い込んだり、目、皮膚及び衣類に触れたりしないように、適切な
保護具を着用する。
屋内作業場における取扱い場所では、局所排気装置を使用する。
: 直射日光の当たらない室温で清浄な場所に保存する。
: 強酸、強塩基、樹脂を溶解する有機溶媒
樹脂であるので、腐食・劣化を防ぐためにも、酸(硫酸や硝酸など)、
塩基(水酸化ナトリウムなど)、有機溶媒(テトラヒドロフランなど)
などと同一場所で保管しないこと。
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安全な容器包装材料
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: プラスチックケース
8. 暴露防止及び保護措置
管理濃度
許容濃度(ポリプロピレン)
許容濃度(酸化カドミウム)
・ACGIH
TLV-TWA(2000 年)
・日本産業衛生学会勧告値(1998 年)
・OSHA PEL TWA
許容濃度(クロム酸鉛)
・ACGIH TLV-TWA(2000 年)
・日本産業衛生学会勧告値(1998 年)
: 設定されていない
:
:
:
:
0.01 mg/m3(総粉塵, Cdとして)
0.002 mg/m3(吸入性粉塵, Cdとして)
0.05 mg/m3(Cdとして)
0.2 mg/m3(Cdとして)
:
:
:
:
0.05 mg/m3(Pbとして)
0.012 mg/m3(Cr(Ⅵ)として)
0.1 mg/m3 (Pbとして)
0.05 mg/m3 (Cr(Ⅵ)として)
許容濃度(アセチルアセトナトクロム)
: 0.5 mg/m3(Cr(Ⅲ)として)
・ACGIH TLV-TWA(2007 年)
・日本産業衛生学会勧告値(2007 年) : 0.5 mg/m3(Cr(Ⅲ)として)
許容濃度(硫化水銀)
・ACGIH TLV-TWA(2001 年)
: 0.025mg/m3(Hgとして)
・日本産業衛生学会勧告値(2001 年) : 0.025mg/m3(Hgとして)
設備対策
: 局所排気装置又は全体換気装置。
換気・排気
貯蔵上の注意
: 遮光して清浄な場所に保存すること。
保護具
・通常の取扱いでは、特に必要なし。
呼吸器の保護具
: 防塵マスク
手の保護具
: 保護手袋
: 保護眼鏡
目の保護具
皮膚及び身体の保護具
: 保護衣
衛生対策
産業衛生および安全の基準に基づいて取り扱うこと。
9. 物理的及び化学的性質
・外観等
・色
・臭い
・pH
・融点
・沸点
・引火点
・発火点
・爆発範囲
: 固体(ディスク)
: 白色
: データなし
: データなし
: 150 ~165 ℃(ポリプロピレン)
: データなし
: 300 ~400 ℃(ポリプロピレン)
: データなし
: データなし
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・蒸気圧
: データなし
: データなし
・相対蒸気密度(空気 = 1)
・比重又は嵩比重
: データなし
・溶解度
: 水に不溶。
・n-オクタノール/水分配係数 log Po/w : データなし
・自然発火温度
: データなし
・分解温度
: データなし
: データなし
・燃焼性
10. 安定性及び反応性
◇安定性
・通常条件で安定である。
◇反応性
・可燃性あり。
・発火性(自然発火性、水との反応)なし。
◇避けるべき条件
・混触危険物質:強酸、強塩基、樹脂を溶解する有機溶媒
樹脂であるので、腐食・劣化、その際に発生する可能性のある分解生成物(CO、CO2、CN等)
などを防ぐためにも、酸(硫酸や硝酸など)、塩基(水酸化ナトリウムなど)、有機溶媒(テ
トラヒドロフランなど)などと同一場所で保管しないこと。
◇危険有害な分解生成物
・燃焼時、二酸化炭素、一酸化炭素などを発生する。
11. 有害性情報
急性毒性
生殖細胞変異原性
【酸化カドミウム】
経口 マウス:LD50:72 mg/kg
吸入 ラット:LC50:780 mg/m3/10M
マウス:LC50:340 mg/m3/10M
ウサギ:LC50:3 g/m3/10M
腹腔 ラット:LD50:12 mg/kg
【クロム酸鉛】
経口 マウス LD50:>12 g/kg
【アセチルアセトナトクロム】
経口 ラット LD50:3360 mg/kg
【硫化水銀】
経口 マウス TDLo: 195 mg/kg/4W
経口 ラット TDLo: 25 gm/kg/5D
【酸化カドミウム】
体細胞in vivo 変異原生試験(ヒトの末梢リンパ球における染色体試
験)で陽性。
【クロム酸鉛】
「経世代変異原性試験」では陽性結果無し、in vivo 変異原性試験(小
核試験)で陽性結果があるが、生殖細胞か体細胞か不明である。しか
し、in vitro試験結果については、少なからぬ変異原性試験及び遺伝
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発がん性
生殖毒性
特定標的臓器/全身毒性
(単回暴露)
特定標的臓器/全身毒性
(反復暴露)
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毒性試験の知見があり、これらはほぼ揃って陽性結果を示している。
【ポリプロピレン】
IARC:グループC(ヒトに対して発がん性については、分類できない)
【酸化カドミウム】※カドミウム化合物として
日本衛生学会:1群(人間に対して発がん性のある物質)
【クロム酸鉛】※VI価クロム化合物として
IARC:グループ1 (発がん性がある)
日本産業衛生学会:1群 (人間に対して発がん性のある物質)
【硫化水銀】※無機水銀化合物として
IARC :グループ3(ヒトに対する発がん性については分類できない)
ACGIH : A4(発がん分類できない)
【酸化カドミウム】
ラットの発生毒性試験において、一般毒性がみられる用量で、胎児に
体重減少がみられている。
【クロム酸鉛】
鉛及び無機鉛化合物として、また、クロム酸鉛として生殖への影響が
挙げられており、クロム酸鉛はヒトに生殖発生毒性を示す可能性があ
るとしている。
【酸化カドミウム】
ヒトについては、肺炎、呼吸困難、咳、筋肉痛及び発熱。胸部X線写
真で浸潤影が観察された、曝露9年後にも、進行性肺線維化症が存在
し肺機能の改善は見られなかった等の記述がある。
【クロム酸鉛】
ヒトについては、
「拒食、嘔吐、不快感、痙攣、非可逆的な脳の損傷」
(HSDB (2002))等の記述があることから、神経系が標的臓器と考え
られた。無機鉛の急性毒性として、
「造血機能への影響、ヘモグロビ
ン合成阻害、赤血球寿命の短縮による貧血、蛋白尿、血尿、尿円柱、
糖尿及びアミノ酸尿などに代表されるFanconi 症候群を呈する近位
尿細管障害、末梢神経系への作用、中枢神経系への影響」がみられて
いる。
【酸化カドミウム】
ヒトについては、糸球体ろ過機能減退、高曝露群の強制肺活量の減少、
骨代謝への直接的影響等の記述がある。実験動物では、心筋介在板の
障害、好中球増加症、リンパ球減少症、貧血等の記述がある。
【クロム酸鉛】
無機鉛の慢性毒性として、
「造血機能への影響、ヘモグロビン合成阻
害、赤血球寿命の短縮による貧血、蛋白尿、血尿、尿円柱、糖尿及び
アミノ酸尿などに代表されるFanconi 症候群を呈する近位尿細管障
害、末梢神経系への作用、中枢神経系への影響」がみられている
※有害性情報については、混合物としての情報がないため、原材料の情報より作成しています。
本製品は通常の条件下では安定であり、有害な添加剤成分が溶出する等の危険はありませんが、
高温下での使用など特殊な取扱いの場合には十分な安全対策を行ってご使用ください。
12. 環境影響情報
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分解性・濃縮性
・酸化カドミウム:微生物等による分解性はない。
生態蓄積性
・酸化カドミウム:魚介類の体内において、濃縮性または蓄積性がない、あるいは低いと判断
される物質である。また、高濃縮性ではないと判断された物質。
・デカブロモジフェニルエーテル:魚介類の体内において、濃縮性または蓄積性がない、ある
いは低いと判断される物質である。また、高濃縮性ではないと判断された物質。
生態毒性
・デカブロモジフェニルエーテル:ヒメダカ LC50/48H >500 mg/L
13. 廃棄上の注意
残余廃棄物
:
汚染容器及び包装
:
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃掃法)の産業廃棄物、廃プ
ラスチック類に該当する。廃掃法に従って廃棄物処理業者、もしくは、
地方自治体が処理を引き受けている場合には、地方自治体に委託し処理
すること。
空容器を廃棄する場合、内容物を完全に除去した後に処分する。
14. 輸送上の注意
国連番号
国連分類
品名
容器等級
ICAO/IATA
海洋汚染物質
注意事項
:::::: 該当なし
: 直射日光を避け、落下、転倒等による漏洩及び火気に十分注意し、慎重に運
搬する。
15. 適用法令
◇労働安全衛生法
・名称等を表示すべき有害物(クロム酸及びその塩)
・名称等を通知すべき有害物 No.142(クロム及びその化合物)No.411(鉛及びその無機化合物)
16.その他の情報
その他
記載内容は現時点で入手できる資料、データに基づいて作成しており、全ての情報を網羅して
いるわけではありません。また、注意事項は通常の取扱いを対象としたものであって、特殊な取
扱いの場合は、用途、用法に適した安全対策を実施の上、ご利用下さい。
記載内容は情報提供を目的としており、取扱い上のいかなる保証をなすものではありません。こ
の安全データシート(SDS)は、JIS Z7253:2012 に基づいて作成しており、JIS Z7250:2010 に基
づいて作成した化学物質等安全データシート(MSDS)と記載事項は同一です。