Download 2『私たちが知りたい化学物質の情報』
Transcript
第8回埼玉県化学物質円卓会議 (平成20年7月18日) わたしたちが本当に知りたい 化学物質の情報 NPO法人 埼玉環境カウンセラー協会 小坂久仁子 今日のお話 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ 初めに 化学物質の流れと情報の流れ 化学物質に関する情報 化学物質の情報の探し方 私たちが必要としている情報のある所 関係者が共有すべき情報は何か? まとめ ①はじめに1 化学物質の多くの情報 誤った情報 誤った理解 危険 化学物質に関する情報にはどのよう なものがあり、リスクを考えるときに 必要な情報は何かをお話します。 ①はじめに2 色々なリスク 自分にとってのリスク 地域にとってのリスク 地球にとってのリスク ①はじめに3 トータルリスクの把握が必要 情報共有が必要 使わないこと 代替品の選択 環境リスク 抑 制 ②化学物質の流れ(+情報) 行政へ 製造・輸入事業者 MSDS 仕様書 表示 排出量 (PRTR) 製造・加工事業者 環 境 大気・水・土壌 取説 排出量 仕様書 (PRTR) 表示 環境調査結果 流通事業者 移動量 (PRTR) 移動量 (PRTR) WDS 排出量 取説 (PRTR) 仕様書 表示 事 業 移動量 者 WDS WDS マニフェスト 廃棄物処理業者 リサイクル事業者 行 市 民 排出量 (PRTR) 政 計 量 証 明 事 業 者・分析機関・試験研究機関 曝 露 経 路(全身への影響) 大気 ガス 状物質 食物 水 吸入 鼻 肺 口 胃・腸 皮膚 皮膚 接触? 内 血 液 吸口 接触 化学物質 体 標的臓器 ③科学物質に関する情報 今回の考え方 消費者のリスクに関する情報(一時的リスク) 食品等から直接摂取 製品使用により摂取 意図的に摂取 するもの 環境リスクに関する情報(定常時リスク) 環境中の化学物質を摂取 非意図的に摂 取してしまうもの 化学物質に関する情報(消費者リスクに関する情報) 情報の 流れ ライフ サイクル 製造・輸入 事業者 添付情報の内容 扱う物 添付情報 性能等 有害性等 含有量 原料 MSDS ○ 仕様書 ○ 製品 ○ 仕様書 ○ ― 流通事業者 製品 その他 事業者・市民 製品 使用状況 (○) △ 表示 製品 (○) ○ 取扱説明書 輸送事業者 摂取量 ○ 表示 製造・加工 事業者 使用量 ○ △ △ 化学物質の情報(製品表示) PL法(製造物責任法)で定めている表示等 経済産業省HPより 警告表示上の対策-取扱説明書 警告表示 対象:製造又は加工された動産、 対象外:不動産や未加工農林畜産水産物、電 気、ソフトウェア等 化学物質の情報(食品の表示) 一般消費者向けのすべての飲食料品 農林水産省HPより 生鮮食品品質表示基準 名称や原産地、 加工食品品質表示基準 (容器包装に入れられた加工食品) 原材料名、内容量、 賞味期限又は消費期限、 保存方法、 製造者の氏名及び住所等 化学物質の情報(排出物・廃棄物・環境) 環境への 排出物 情報 廃棄物 情報 排水・排ガス PRTR 廃棄物 WSDS 排水・排ガス PRTR 廃棄物 WSDS 輸送事業者 ― ― ― ― 流通事業者 ― ― ― ― 事業者 排水・排ガス PRTR 廃棄物 WSDS 廃棄物処分 事業者 排水・排ガス PRTR 廃棄物 WSDS 市町村 ― (収集情報) ― (収集情報) 県 ― 収集情報 ― 収集情報 国 ― 収集情報 ― 収集情報 ライフサイクル 製造・輸入 事業者 製造・加工 事業者 環境リスクに関する情報 ライフサイクル 市町村 県 国 環境 大気 海・湖沼・河川・底質 地下水 土壌 大気 海・湖沼・河川・底質 地下水 土壌 大気 海・湖沼・河川・底質 地下水 土壌 情報 環境調査結果 環境調査結果 環境調査結果 その他参考になる情報 事故情報等 化学物質の研究情報等 法律等 ④化学物質の情報の探し方 (その前に) ―情報を根拠で整理してみると― 科学的根拠 法的根拠 測定値 科学的根拠 統計値 社会的合意等 推定値 法則等 別々のものを 一緒にしない! ④化学物質の情報の探し方 いきなり検索して いませんか? たくさんの情報から どれを選びますか? ④化学物質の情報の探し方 良いホームページとは? 自分にとってわかりやすい 情報が新しい(更新頻度が高い) 詳しい情報が探せる 出典が書いてあり、必要なら確認 できる 注)二次情報(加工や一部を利用した情 報)は、人の意図が入っている ④化学物質の情報の探し方 HP(行政、業界団体) 窓口設置(行政) 教育(情報の理解と知識から実施へ) 勉強会 (相互理解と情報の共有をめざす) 継続的リスコミ ⑤私たちが必要としている情報のある所 化学物質 発信者 情報の種類 性能等 有害性等 含有量 使用量 摂取量 個人の排出量 PRTR WSDS 名称 MSDS提供者名等 漏出した際の措置 取扱い・保管の注意 物理的化学的性状 安定性及び反応性 有害性 暴露性 廃棄上の注意 輸送上の注意 有害性・暴露性概要 応急措置 火災時の措置 労働者の暴露防止措置等 適用される法令 11~15のほか 関係法令 パンフレット 調べ方 職員・専門家派遣 セミナー・講演会 毒性評価報告書 毒性試験評価 基準値 用語集 化学式・構造 GHS リスクコミュニケーション シュミレーションソフト 事故情報 処理技術 環境濃度 事業者排出濃度 暴露量(基礎データ) 研究報告書 調査報告書 化学物質関連リンク集 国 県 製品の流れ 市町村 試験・ 研究機関 NPO 大学 ◎オリジナル情報 ○引用もしくは加工情報 △簡易情報 ( )は円卓会議委員回答 製造・輸入 製造・加工 消費者 輸送事業者 流通事業者 事業者 事業者 (事業者) ◎ ◎ ◎ ◎ △ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ (◎) (◎) ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ (○) ◎ ◎ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ (○) (◎) (◎) (◎) (◎) ◎ ◎ ◎ ◎ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ (△) (△) (△) (△) (△) ○ ○ ○ ○ ○ 廃棄物 処理業者 △ △ (△) (○) (○) ◎ ◎ 消費者 (市民) (○) (○) (○) ◎ ◎ (△) ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ◎ (○) ○ ◎ ◎ ◎ (△) ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ⑥関係者が共有すべき情報は何か リスク=有害性×暴露量 =有害性×(濃度×使用量) リスクのイメージ 25 20 15 10 5 0 有害性 使用量 濃度 リスク=有害性×暴露量 =有害性×濃度×使用量 25 20 15 有害性 が同じ 使 用 量 10 A B 5 C 0 D 使用量 濃度が 濃度 同じ リスクを 下げる (1)消費者としてリスクを考えるとき 物質の種類 物質の有害性 暴露の経路 暴露濃度(含有量) 使用量 暴露量 管理方法(保管や処分方法等) 暴露への処置方法 防御方法 適正な管理・処分 環境 排出量 A A B B 使用者 使用者 環境 排出量 C D 使用量 処分量 環境排出量 C D 0% 20% 40% 60% 使用割合 80% 100% 0% 20% 40% 60% 使用割合 80% 100% (2)地域でリスクを考えるとき どこに排出源があるか 環境への排出化学物質の種類 化学物質の有害性 環境への排出形態 環境への排出濃度 環境への排出量 環境中の濃度 暴露基礎データ <ワンポイント> 濃度について 6.00 最小値 中央値 分析方法が異な ると同じ試料を分 析しても結果が異 なることがある 最大値 5.499 5.0499 5と5.0は環境濃 度では意味が違う 5.00 5 5.0 4.950 5.00499 5.00 4.9950 4.50 4.00 5 5.0 5.00 ⑦まとめ 意図的に取り込む化学物質のリスクと非意図的に環境 中から取り込んでしまう化学物質によるリスクがある。 化学物質のリスクは、提供されている情報をもとに、リス クを計算することができる。 科学的根拠や法的根拠を基に作成しているもので出展 を明記している情報は、信頼性が高く、必要に応じて確 認することができる。 ⑦まとめ 行政の窓口などで相談して必要な情報を入手すること で、誤った使用等を避ける事が大切である。 化学物質を含む製品等を使用する場合には、リスクを 考えて使用することと、環境への排出量を抑えて環境リ スクを下げる努力が求められる。 環境リスクを小さくするには、色々な立場の人が協力し て取り組む必要があり、リスクコミュニケーションで情報 共有するとともに相互理解を進めることが大切である。 おわり NPO法人埼玉環境カウンセラー協会 (参考) 曝露基礎データ 国 条件 一般環境1) 一般環境3) 労働条件2) 1)厚生労働省 日本 呼吸量 15m 3 時間 体重 呼吸量 24時間 50kg 20m 飲み水:2L 10m3 米国 8時間 50kg 60kg 2)中央環境審議会 3 時間 体重 24時間 70kg 飲み水:2L 10m3 3)環境省 8時間 70kg 70kg