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第2章 地球環境保護への具体的な取り組み 資源のリサイクル 廃棄物の削減と適正処理 循環型社会の実現、これは、不使用物品を2次利用、3次利用する仕組みを作るとともに、再利用できなくなったもの(廃棄物) を いかに再資源化するかにかかっています。しかし、廃棄物の再資源化の方法は廃棄物の種類によって様々であり、技術面でも、 制度面でも多くの課題が存在します。ここでは、当社の事業活動において、こうした課題を克服し、実績を上げてきた主な取り組 みについて報告します。 撤去通信設備のリサイクル (t) 撤去した通信設備などの再利用(Reuse:リユース) 、再生利 300 用(Recycle:リサイクル) に努め、廃棄量の削減(Reduction: 252 リダクション) に取り組んでいます。 215 200 ●リユース・リサイクルの推進 リユースに関しては、撤去した通信ケーブルや電柱、公衆電 話機などで再利用可能な物品を社内LANに登録し、全社的 100 に情報の共有化を図り、必要な事業所で利用しています。リ サイクルに関しては、通信ケーブルや通信設備に使用されて いる銅、鉄、貴金属の回収・再生、コンクリート電柱から道路 0 1998* の路盤材料へ、木電柱からチップ利用へ、バッテリーから再 1999 (年度) マテリアルリサイクル再生品化(リペレット)量 生バッテリーへとリサイクルを推進しています。 *1998年度については、旧NTTのデータからNTT西日本分データのみを抜粋した数値 ●プラスチックリサイクルの推進 マテリアルリサイクル (オープン:NTT外) については、市中お プラスチック類のリサイクル推進は、廃棄量削減のキーポイン よびリサイクル事業者の調査を実施し、リサイクル市場の開拓 トでもあることから、 「できることから実施する」 という方針で取 を行うことにより、リサイクルを推進しています。 り組んでいます。 サーマルリサイクルは、撤去したプラスチックを焼却処分する リサイクルの検討にあたっては下図の順序で検討することとし 過程で発生する熱を給湯等へ利用することにより、自然資源 ています。 の枯渇抑止を図っています。なお、1999年度は、146tの光ケ ーブルについてサーマルリサイクルを実施しました。 プラスチックリサイクル方法の検討 撤 去 通 信 設 備 ︵ プ ラ ス チ ッ ク ︶ 撤去品 マテリアルリサイクル(NTTクローズド) 撤去NTT物品→再生NTT物品 マテリアルリサイクル(オープン) 撤去NTT物品→市販再生物品 リサイクル品 接続端子函 接続端子函ー 1 電柱標識板ー 2 スパイラルスリーブー 3 電柱支線ガード 電柱支線ガードー 4 黒電話機 屋外線留め具ー 5 サーマルリサイクル 熱還元、 セメント材料、溶鉱炉の還元材 プラスチックリサイクル方法の検討順序 マテリアルリサイクル (NTTクローズド:NTT内) の事例はケー ブル接続端子函カバー (材質:ポリプロピレン等)や電柱支線 プラスチックのマテリアルリサイクル事例 ガード (材質:ポリエチレン) などです。 電柱支線ガードについては、リサイクルの効率化を図るため、 リサイクルマークをこれまでのシール方式からプラスチック一 ●グリーン調達によるリサイクル推進 体化成形に変更し、分別・解体時における作業を簡素化しま 今後は使用材料の統一、リサイクルの容易な材料の選定、有 した。 害物の抑制、易解体設計など物品調達時にリサイクル性の高 このような取り組みによって、再生品化量(リペレット) の1999 いものを調達するグリーン調達の実施によって、より一層リサ 年度実績は、252tに達しました。 イクルの推進に取り組みます。 18 NTT西日本 環境報告書2000 copyrights © 2000 NTT WEST co. 第2章 地球環境保護への具体的な取り組み ニカド電池の回収 NTTのコードレスホンに使用しているニカド電池は、数百回も % 50 の充電・放電を繰り返すことができる高性能で経済的な電池 目標値 ですが、ニカド電池にも寿命があります。このとき使用済みの 実績値 40 40% ニカド電池をゴミとして捨てないで回収すれば貴重な資源で 35% 33% 30 あるニッケルとカドミウムをリサイクルできます。 30% 28% 1993年6月にニカド電池がリサイクル法の対象に指定されたた 20 回 収 率 * 10 め、ニカド電池を取り出しやすいように設計し、電池本体にも 再生資源として利用することを目的として、分別回収をするた めの認識用マークを表示することになりました。 0 資源の有効利用に寄与する観点から、次の3つの取り組みを 1990 1999 2000 (年度) ニカド電池回収率 実施し、ニカド電池のリサイクルを推進しています。 *回収率:直近3ヶ年の平均販売量に対する当該年度の回収量の比 ・取扱説明書と電池パック本体へのリサイクル推進のお願い また、ニカド電池の種類抑制を図るため、一つの電池パックを 文の掲載 ・営業窓口などへのニカド電池リサイクルBOXの設置 幾種ものコードレスホンで使用できるよう共用化もすすめてい ・使用済み電池パックのリサイクル事業者への送付 ます。 営業窓口などで回収したニカド電池パックの回収率は、1998 年度で28%、1999年度では33%となっており、今後も更なるリ サイクルの推進に取り組んでいきます。 通信機器商品の梱包・包装材の改善 旧NTTでは、1990年度に通信機器商品の梱包材として年間 梱包材(発泡スチロール) 257tもの発泡スチロールを使用していました。 NTT西日本 (t) 300 旧NTT(1社ベース) 250 200 梱包材(ダンボール) 西日本 NTT西日本 256.8 186.0 NTT西日本 150 132.6 発泡スチロール使用量低減に向けた取り組みー使用材料の変更ー 100 使 用 50 量 0 75.0 73.2 70.8 70.0 事業所用ファクシミリや構内交換装置などの重量物や精密機 39.2 35.7 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 器で段ボールでは十分な梱包材となり得ない場合であって 18.0 28.2 14.7 1998 も、発泡スチロールの肉薄化を図るなど、使用量の削減に取 1999(年度) り組んでいます。その結果、1999年度にはNTT西日本および 発泡スチロール使用量 NTT東日本の合計で28t(1990年度使用量の約1/9) まで削減 することができました。今後はパソコン関連商品の需要増加 発泡スチロールは、衝撃や水分、湿気等から商品を保護する に伴い、精密機器の購入数の増加が予想されますが、発泡 優れた包装特性を持った素材である反面、自然環境下にお スチロール使用量の削減に向けた取り組みを継続していきま いては分解されにくいという特性をも持ち合わせています。 す。 コードレス電話機や、家庭用ファクシミリ等の商品で使用され また、容器包装リサイクル法の完全施行に伴い、当社では提 る梱包材については、一般家庭からゴミとして排出される可 供商品の容器包装としての排出量の管理を行っており、再商 能性が高いため、1990年から発泡スチロールより環境負荷の 品化を代行する指定法人との契約によって、排出量に基づく 低い段ボールに順次切り替えを行ってきました。 リサイクル義務を履行しています。 19 NTT西日本 環境報告書2000 copyrights © 2000 NTT WEST co.