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社告診断
~「信頼の社告記載8か条」に基づく
2005年4月-9月の社告調査~
2006年4月22日
NACS東日本支部
コンプライアンス経営研究会(compass)
信頼の社告記載 8ケ条
① 何を知らせるの?(目的)
② だれに?(対象者)
重要度
緊急度
高
③ どうなるの?(人体への影響等)
④ 何が起きたの?(事実・関連法令)
⑤ 対応は?(具体的対応)
⑥ なぜそうなったの?(原因)
⑦ 今後は?(改善のための取組)
⑧ お詫び
大切な項目だが緊急度低
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「信頼の社告記載8か条」満たしたモデル例
㈱△△食品
△△食品 商品○○
商品○○ 「卵」表示漏れ
表示漏れ/ 回収のお
回収のお願
のお願い
①目的
この度弊社で販売を致しました○○につきまして、
④事実
アレルギー物質「卵」の表示漏れが判明しました。
卵アレルギーの方は発症する可能性がありますので自主回収させて頂きます。
表示作成の際に、原材料に由来する「卵」を見落としていたことが原因です。
お客様にはご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、
②対象者
該当する商品がございましたら、お名前、ご住所、郵便番号、
電話番号をご明記のうえ、料金着払いにて、下記宛にご送付
③人体への影響
いただきたく、お願い申し上げます。後日、品代をお送りいたします。
⑥原因
卵アレルギーのお客様並びにご家族の皆様に多大なる
ご迷惑をおかけし、誠に申し訳なく深くお詫び申し上げます。
⑤具体的な対応
現在、表示作成作業を見直し、改善を行っております。
今後再発防止のため、更なる商品管理に努力して参ります。
平成17年○月★日 (株) △△食品
⑧お詫び
1.対象商品
食品○○(50g×2) 賞味期限2006年4月・5月・6月
2.お送り先
⑦改善のための取組
〒123-4567 東京都○○区××1-2-3
㈱△△食品内 商品回収係
⑤具体的な対応
回収についてのお問合せは
TEL: 03-1234-5678 (平日9時~17時45分)
*当研究会がモデルとして作成したものです
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今回の調査・考察対象
国民生活センターホームページに掲載された社告
(URL:http://www.kokusen.go.jp/recall/index.html )
掲載期間: 05年4月-9月
社告件数: 112件
(*詳細リスト/http://compliance.milkcafe.to/2005_04-09db.xls参照)
社告診断の基準 :
・「信頼の社告記載 8か条」に基づくチェックリスト作成
★8か条=①目的 ②対象者 ③人体への影響など ④事実・関連法令
⑤具体的対応 ⑥原因 ⑦改善のための取組 ⑧お詫び
・チェックリストを基準に診断
・「1項目10点×8箇条」+「加点 20点」=100点満点
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今回の「社告診断」に使用した
当研究会作成のチェックリスト
「信頼の社告記載8か条」に基づいた計27項目について診断し、研究会独自の採点基準により点数付与を行った
チェック項目
① 目的
② 対象者
“タイトルに
項目
タイトルに「製品名」「
製品名」「回収
」「回収(
回収(または交換
または交換)」
交換)」明記
)」明記”
明記”など 3項目
③ 人体への影響等
“事故が
事故が発生した
発生した場合
した場合の
場合の
健康への
項目
健康への影響
への影響の
影響の大きさ(重篤性
きさ 重篤性)を
重篤性 を明記”
明記”など 3項目
④ 事実・関連法令
⑤ 具体的対応
⑥ 原因
⑦ 今後は?
⑧ お詫び
加点要素
“どのような使用方法
項目
どのような使用方法で
使用方法で事故が
事故が発生するか
発生するか明記
するか明記”
明記”など 3項目
“タイトルに
項目
タイトルに「対象者」
対象者」を明記”
明記”など 3項目
“返金方法または
項目
返金方法または交換方法
または交換方法を
交換方法を明記 ”など 4項目
“事故が
項目
事故が発生した
発生した原因
した原因を
原因を明記”
明記”など 3項目
“具体的な
項目
具体的な改善のための
改善のための取
のための取り組みを明記
みを明記 ”など 3項目
“本文中にお
本文中にお詫
にお詫びがある”
びがある”
“返金時期が
返金時期が明記されている
明記されている、
されている、といったCS的
といった 的な
視野がある
項目&
視野がある”
がある”など、
など、3項目
項目&その他消費者視点
その他消費者視点の
他消費者視点の内容の
内容の有無
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考察概要
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考察①: 05年4-9月 基本項目分類別件数
半分以上が「食品」の社告
05年
05年4-9月
基本項目分類別 社告件数(単位:件)
59
15
1
介助品
4
そ の他
1
書籍
6
装身具
乗物 用
日用品
家電
食品
6
子供 用
10 10
• 05年4-9月の
社告総件数は
112件
• 基本項目分類では、
「食品」が最も多く
59件(53%)
• 「食品が約半数を占
める」傾向は、
04年度と変化なし
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考察②: 05年4-9月 チェック項目別平均点
消費者が「本当に欲しい情報」が手薄
05年
05年4-9月
チェック項目別 診断結果平均点(単位:点)
9.8
7.3
5.7
5.3
4.6
3.1 3.8
1.3 0.5
加加加加 点点点点 分分分分 のののの合合合合 計計計計 点点点点
⑧⑧⑧⑧ おおおお 詫詫詫詫 びびびび
⑦⑦⑦⑦ 改改改改 善善善善 ののののたたたた めめめめ のののの
取取取取 組組組組
⑥⑥⑥⑥ 原原原原 因因因因
⑤⑤⑤⑤ 具具具具 体体体体 的的的的 対対対対 応応応応
④④④④ 事事事事 実実実実 ・・・・関関関関 連連連連 法法法法
令令令令
③③③③ 人人人人 体体体体 へへへへのののの影影影影 響響響響
なななな どどどど
②②②② 対対対対 象象象象 者者者者
①①①① 目目目目 的的的的
*①~⑧
⑧の各項目は
点満点
各項目は10点満点
加点分は
~20点
点まで
加点分は0~
• 「①目的」
「②対象者」が社告
タイトルに書かれて
いない傾向
• 「②対象者」
「③人体への影響」を
記載する社告少ない
• 「⑥原因」
「⑦対策」を記載する
社告はほとんどない
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考察③: 05年4-9月 総合計点件数分布
最低15点最高85点と、大きな開きあり
8
8888点点点点5555
8888点点点点0000
7777点点点点5555
7777点点点点0000
6666点点点点5555
6666点点点点0000
5555点点点点5555
5555点点点点0000
4444点点点点5555
4444点点点点0000
3333点点点点5555
3333点点点点0000
2222点点点点5555
2222点点点点0000
1111点点点点5555
1111点点点点0000
点点点点5555
点点点点0000
最多は40点で
20件
1 0 1
0 0 0
10 9
7
5
14
13
3 3
2
最高点
85点が1件
と、その差は大きい。
16
• 最低点
15点が1件
グラフ3
グラフ3:05年
05年4-9月
社告診断合計点分布(
社告診断合計点分布(単位:
単位:件)
20
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考察④: 05年4-9月 基本項目分類別件数
基本項目分類別に見ると
「食品」の評価が低い傾向
「食品」の社告については
のちほど詳しく
考察いたします!
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詳細考察
compassからの提言
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05年4-9月
詳細考察 概要
1) 確実に消費者に情報を伝える
「①目的」「②対象者」をタイトルに
2) 消費者が本当に欲しい情報を伝える
「②対象者」「③人体への影響」を記載
「⑥原因」「⑦対策」を記載
3) 高得点獲得社告2例に学ぶ
「消費者視点」重視が機能的&好印象
4)「食品」に関する社告 消費者の不安を解消
・タイトルに特に「②対象者」をわかりやすく
・内容には「③人体への影響」を明確に記載
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詳細考察1
社告のタイトルに「①目的」「②対象者」を盛り込む
確実に消費者に情報を伝える
社告は年間約300件(*04年度=292件)
消費者が「自分に関係あるか、ないか」即座に
判断するには
「タイトルに判断材料が盛り込まれている」
ことが不可欠
明確!
明確!
「お詫びとご報告」
↓
「○○社△△製品は、□□する危険性
があります」
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詳細考察2
「②対象者」「③人体への影響」を記述する
消費者が本当に欲しい情報を伝える
消費者
企 業
:自身に関わる 「②対象者」
「③人体への影響」が知りたい
再購買の判断材料である
「⑥原因」「⑦対策」が知りたい
わかりやすく伝える姿勢
が大切
その社告は消費者利益に
つながっているか?
消費者重視の視点が望ましい
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詳細考察3
高得点を獲得した社告2例について
「消費者視点」重視の書き方が
機能的&好印象
高得点を獲得した2件の社告
消費者が安心して対処出来るような
配慮が随所に見られた
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例1:三菱重工空調システム株式会社
加湿器「nanomist」(6月25日) 85点
★社告URL: http://www.kokusen.go.jp/recall/data/s-20050625_2.html
三菱重工空調システム製加湿器
「nanomist(ナノミスト)」を
ご愛用のお客様へお詫びと製品回収のお願い
日頃は弊社加湿器をご愛用いただきまして、誠に有り難く厚く御礼申し上げ
ます。
さて、弊社が2003年(平成15年)12月から販売いたしました下記の加湿
器におきまして、ご使用になる水道水の水質によっては、加湿部の一部が
劣化し、水漏れに至る可能性がある事が判明いたしました。つきましては、
該当する製品を回収させていただきたくお知らせいたします。当該機種をご
愛用のお客様には大変ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんが、コン
セントから電源コードを抜き、付属の取扱説明書に従い水抜き処理を行い、
ご使用を中止していただきますようお願い申し上げます。現在、対策・改良
を織込んだ新型nanomist(ナノミスト)を開発しておりますが、商品化は平
成18年10月以降となる見通しです。つきましては、対策が完了するまでna
nomistの販売を休止させていただきます。
回収につきましては、当社加熱式加湿器との交換、もしくは商品御購入代
金の返金をさせていただきたく存じます。下記窓口までご連絡いただきます
よう謹んでお願い申し上げます。なお、新型nanomistが商品化されるまで
お待ちいただけるお客様には、新型nanomistとの交換をさせていただきま
す。
お客様および、関係者の皆様には大変ご迷惑とお手数をお掛けいたしま
す事を深くお詫び申し上げます。何卒、ご理解とご協力を賜りますようお願
い申し上げます。
2005年6月25日
三菱重工空調システム株式会社
わかりやすい
社告タイトル
「処置方法」併記
安全確保への
対策・配慮明確
複数の選択肢 用意
消費者から信頼
を得る内容充実
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例2:アディダスジャパン株式会社
子供用スポーツサンダル
「Akwah 2K(アクワー2K)」(6月15日) 75点
★社告URL:
http://www.kokusen.go.jp/recall/data/s-20050615.html
お客様各位
平素は弊社商品に格別なご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、平成17年2月より販売しております弊社の子供用スポーツ
サンダルのかかとストラップ部分が破れてしまう件が発生いたしまし
た。
検査の結果、かかと部分に通常以上の力が加わってしまった場合、
破れてしまうおそれがあることが判明いたしました。該当製品そのも
のが人体に及ぼす危険はございません。また、現在、怪我などの報
告はありません。
しかしながら、弊社といたしましてはお客様の安全を第一と考え、
自主的に該当製品を回収・返金させて頂く事を決定いたしました。
つきましては、下記写真に示す部分(サンダルのストラップ裏の白
い部分)に記載されている商品番号「ART No.(数字6ケタ)」をご
確認の上、該当製品をお持ちの方は下記要領にてご返品頂きます
様、お願い申し上げます。
<ご返品方法>
該当製品をお持ちのお客様におかれましては、下記をご明記の上、
下記住所宛に「着払いにて」お送り頂きます様、お願い申し上げます。
・お名前
・ご住所
・お電話番号
<返金方法>
現金書留にてメーカー希望小売価格相当額を返金いたします。
平成17年6月15日
アディダス ジャパン株式会社
人体への危険度
具体的に明記
返品・返金方法
明確な形で別記
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詳細考察4
「食品」に関する社告の課題と改善案
消費者の不安を解消するために
要望したいのは、この2点
★ 食品は
食品は「直接消費者が
直接消費者が製品を
製品を口にする」「
にする」「発生件数
対象者が
」「発生件数・
発生件数・対象者が
比較的多い
比較的多い」ことから危険性
ことから危険性、
拡散性が大きい。
きい。事故への
事故への関心
危険性、拡散性が
への関心も
関心も高い
1)タイトルには特に「②対象者」を入れる
食物アレルギー
食物アレルギー患者
アレルギー患者⇒
患者⇒アレルギー物質混入事故
アレルギー物質混入事故は
物質混入事故は深刻な
深刻な事態
タイトルに対象者(例.卵アレルギー患者)を記載
注意喚起を容易に
2)内容には「③人体への影響」を明確に
企業の
⇒ 回収
企業の目的
消費者の
消費者の関心 ⇒ 自己への
自己への影響
への影響
「既に対象食品を
対象食品を口にしてしまったが 大丈夫か
大丈夫か?」
情報の受け手 消費者の不安に応える社告を望む
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松下電器産業
FF式石油温風器の社告に関する
考察と当研究会の課題
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なぜ当研究会が注目したのか?
• 2005年
2005年4月の本件社告。
本件社告。発生事実の
発生事実の重大性と
重大性と比べて際立
べて際立つ
際立つ
責任への主体的な意思が感じ取りにくい文章表現
• 2005年
2005年4月と同様商品で
同様商品で11月
11月~12月
12月に事故が
事故が多発。
多発。
「なぜ、
なぜ、それまでの半年間
それまでの半年間に
半年間に周知徹底・
周知徹底・予防が
予防が出来なかったのか
出来なかったのか
社告の効力と、同社の企業姿勢に疑問
• テレビCM
テレビCM等
CM等、過去類を
過去類を見ない大規模
ない大規模な
大規模な回収広告までに
回収広告までに発展
までに発展。
発展。
経過を
経過を見守る
見守る中で、結果として
結果として、
として、
当研究会の
当研究会の4月時点での
月時点での『
での『気づき』
づき』を活かしきれなかった。
かしきれなかった。
私達の研究活動の今後を
考えさせられる一つの布石に
活動のもう
活動のもう一
のもう一つの振
つの振り返り事例として
事例として注目
として注目!
注目!
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謹告
ナショナルFF式石油温風機及び
石油フラットラジアントヒーターをご愛用の皆様へ
お知らせとお願い
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------日頃は、弊社製品をご愛用いただきまして、誠にありがとうございます。
さて、弊社製FF式石油温風機におきまして、室外に排出される排気ガスが室内に漏れ出した事故が発生しました。
機器内部のエアホースに耐熱ゴムを採用した製品を、長期間にわたりご使用になりますと、エアホースの経年劣化により亀裂が
発生する場合があります。更に給排気筒・製品の設置状況などの複数の要因が重なる状態で未点検のままご使用になりますと、
室外に排出される一酸化炭素を含む排気ガスが、ごく稀にエアホース内に逆流し、室内に漏れ出すおそれのあることがわかりまし
た。弊社としましては、再発を防ぐため、下記製品(1985年から1992年製)を対象にして無料で部品交換等の処置を行うことにい
たしました。
製品ご使用時、異臭・異音・運転停止等の異常にお気付きの場合には、直ちに室内の換気とご使用の中止をお願いいたします。
また、誠にお手数ですが、ご使用のFF式石油温風機及び石油フラットラジアントヒーターの品番をご確認いただき、下記の対象品
番に該当する製品をご使用のお客様は、ご購入店または下記の連絡先までご連絡をお願いいたします。
ご愛用の皆様には、大変ご迷惑をおかけいたしますが、なにとぞご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
平成17年4月21日
○対象製品には背面に給排気筒があります
松下電器産業株式会社
○対象品番の表示位置
(1)FF式石油温風機対象品番
OK-2525、OK-2526、OK-2535、OK-2536
OK-3525、OK-3526、OK-3527、OK-3535
OK-3536、OK-3537、OK-4020、OK-4030
OK-2526HA、OK-3527HA、OK-4020HA
(2)FF式石油温風機対象品番
OK-302B、OK-303B、OK-402B、OK-403B
(3)石油フラットラジアントヒーター対象品番
OK-R500F、OK-R501F、OK-V501F
OK-U501AF、OK-R800C、OK-R800AC
資料:国民生活センター「回収無料修理のお知らせ」より
URLhttp://www.kokusen.go.jp/recall/data/s20050421.html
*ご連絡先・松下電器産業株式会社
フリーダイヤル
0120-872-773
お客様からご提供いただきました氏名・住所・電話番号などの個人情報は対象製品の点検と部品交換の目的以外には使用いた
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しません。
この社告に対する当研究会の診断結果①
『信頼の
信頼の社告記載8
社告記載8か条』による2005.4.21.
による2005.4.21.松下電器産業
2005.4.21.松下電器産業の
松下電器産業の社告評価(
社告評価(100点満点中
100点満点中45
点満点中45点
45点)
0
対象者
10
人体への
人体 への影響
への 影響など
影響 など
お詫び
5
お 詫び
事実・
事実 ・ 関連法令
0
改善取り
改善取 り 組 み
加点評価
具体的対応
原因
*「加点評価」は20点満点中10点
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この社告に対する当研究会の診断結果②
謹告
ナショナルFF式石油温風機及び
石油フラットラジアントヒーターをご愛用の皆様へ
お知らせとお願い
------------------------------------------------------------日頃は、弊社製品をご愛用いただきまして、誠にありがとうございます。
さて、
さて、弊社製FF
弊社製FF式石油温風機
FF式石油温風機におきまして
式石油温風機におきまして、
におきまして、室外に
室外に排出される
排出される排気
される排気ガス
排気ガス
が室内に
室内に漏れ出した事故
した事故が
事故が発生しました
発生しました。
しました。
機器内部の
機器内部のエアホースに
エアホースに耐熱ゴム
耐熱ゴムを
ゴムを採用した
採用した製品
した製品を
製品を、長期間にわたりご
長期間にわたりご
使用になりますと
使用になりますと、
になりますと、エアホースの
エアホースの経年劣化により
経年劣化により亀裂
により亀裂が
亀裂が発生する
発生する場合
する場合があ
場合があ
ります。
ります。更に給排気筒・製品の設置状況などの複数の要因が重なる状態
で未点検のままご使用になりますと、室外
室外に
排出される一酸化炭素
室外に排出される
される一酸化炭素を
一酸化炭素を含む
排気ガス
排気ガスが
ガスが、ごく稀
ごく稀にエアホース内
エアホース内に逆流し
逆流し、室内に
室内に漏れ出すおそれのあ
ることがわかりました。
ることがわかりました。弊社としましては、再発を防ぐため、下記製品(198
5年から1992年製)を対象にして無料で部品交換等の処置を行うことに
いたしました。
製品ご使用時、異臭・異音・運転停止等の異常にお気付きの場合には、
直ちに室内の換気とご使用の中止をお願いいたします。
本文・タイトル
・社告の『対象者』は
明確に表記
・『修理』回収』文言は無い
・何が原因で
事故が起きるのか不明確
・報道では死亡事故も
明らかになっているのに
『事故発生』とのみ
記載が不十分
一酸化炭素中毒の危険性等
人体への健康に関する
記載が乏しい
この社告が、消費者に対して
どれだけ訴求力を持ち実効性を伴うんだろう?
(それに、お詫びの文言もないよね・・・。)
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事故発生経緯と社告の変遷
2005.
2005.1.5
福島県にて
福島県にて1
にて1名死亡・
名死亡・1名重体の
名重体の事故発生
2.23
長野県にて
長野県にて2
にて2名が一酸化炭素中毒。
一酸化炭素中毒。
内1名8日間入院の
日間入院の事故発生
4.13
長野県にて
長野県にて3
にて3名一酸化炭素中毒。
名一酸化炭素中毒。内1名検査入院の
名検査入院の事故発生
4.21
第1回社告 (経済産業省の
経済産業省の指導を
指導を受けて )
•中毒事故公表無く消費者に対して
事故の重大性を正確に伝えていない
•社告タイトルに「回収」「修理」等の目的 表示無し
•フリーダイヤルの受付日時 表記無し
•同社ホームページ リンク無し
•お詫び 文言無し
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2005.
2005.11.
11.21 上田市にて
上田市にて、
にて、一酸化炭素中毒での
一酸化炭素中毒での1
での1名死亡事故発生
11.
経済産業省、
、消費生活用製品安全法第82
11.29 経済産業省
消費生活用製品安全法第82法
82法に基づく
初の緊急命令を
緊急命令を発動
当該未点検品の回収または
回収またはエアホース
またはエアホース交換及
エアホース交換及び
交換及び回収の
回収の実施
•当該未点検品の
当該商品の危険性及び
危険性及び松下電器産業が
松下電器産業が採る措置の
措置の内容告知を
内容告知を指示
•当該商品の
社告が充分周知されていない
充分周知されていない事
されていない事を鑑み、
•4月の社告が
注意喚起方法の
注意喚起方法の見直しを
見直しを指示
しを指示
具体的な措置の
措置の実施状況実施計画の
実施状況実施計画の緊急報告と
緊急報告と
•具体的な
向こう一年間実施状況
こう一年間実施状況の
一年間実施状況の報告指示
11.
11.30 第2回社告
•タイトルに変化「事故に至る危険性あり」に
•本文中に
「一酸化炭素中毒事故発生」の緊急度を表す表現追加
•フリーダイヤル受付時間 無休化
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2005.
2005.12.
12.2
山形県にて
山形県にて、
にて、4月以降改修済み製品による
一酸化炭素中毒事故発生
12.
12.5
松下電器産業 報道向
報道向け
け発表⇒
発表⇒12/
12/2の事故を
事故を公表(
公表(3日後)
日後)
同日
経済産業省発表
12/2の事故概要
•12/
松下電器産業に対し、事故原因の
事故原因の究明、
究明、使用者への
使用者への迅速
への迅速な
迅速な情報提供、
情報提供、
•松下電器産業に
改修済み製品の
の安全性再確認等を
安全性再確認等を指示
12.
12.7 第3回社告
未点検品の
開始。
未点検品の「1台5万円の引き取りもしくは無料点検修理」開始
開始。
又点検済みの
又点検済みの消費者
みの消費者にも
消費者にも同様
にも同様に
同様に、
返金回収または
返金回収または無料点検
または無料点検を
無料点検を行う対応も
対応も合わせて実施
わせて実施
「改修済み製品の事故であった」 表現無し
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2005.
2005.12.
12.8 第4回社告⇒中村社長名による
中村社長名による『お詫びと、
びと、大切なお
大切なお知
なお知らせ』発表
•初めてお詫び(社長名)と法令違反の旨 明記
•別途併載社告にて、部品交換済み品の事故を公表
それらの製品に関する全数再点検を告知
•写真図解
初めて掲載
•死亡事故の危険性を文頭に記載。
明確な注意喚起に変更
12.
12.9
松下電器産業 報道向
報道向け
け発表
⇒ 4月以降改修済み
月以降改修済み品で13件
13件のトラブル事実
トラブル事実を
事実を公表。
公表。
エアホース詳細説明図公表
エアホース詳細説明図公表
同日
経済産業省発表
松下電器産業に対し、改修済み
改修済み製品に
製品に関して、
して、
•松下電器産業に
全使用者への
全使用者への迅速
への迅速な
迅速な情報提供、
情報提供、
使用実態の
使用実態の把握と
把握と改修促進、
改修促進、
継続使用の
継続使用の際のより高度
のより高度な
高度な安全確保等、
安全確保等、対応・
対応・対策強化を
対策強化を指示
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2005.
2005.12.
12.11 第5回社告
写真図解とお詫び文言が無くなる
12.
12.14 第6回社告
たに給排気筒の
図解を掲載し
掲載し、消費者がより
消費者がより対象機種
給排気筒の図解を
がより対象機種を
対象機種を分かりやすく
•新たに給排気筒
した
写真図解を掲載。お詫び文言は無し
12.
12.19
松下電器産業 報道向
報道向け
け発表
⇒ 改修・
改修・点検・
点検・消費者への
消費者への注意喚起
への注意喚起の
注意喚起の具体的進捗状況について
具体的進捗状況について
<媒体別注意喚起スタート
媒体別注意喚起スタート時期
スタート時期>
時期>
・新聞と
新聞とインターネットは
インターネットは12/4~、
12/4~、テレビ
~、テレビ・
テレビ・ラジオCM
ラジオCM は12/10~、
12/10~、
自社社員による
自社社員によるチラシ
によるチラシ配布等
チラシ配布等の
配布等の告知活動は
告知活動は12/12~
12/12~実施
社員の手による告知活動開始
⇒ 上田市の死亡事故から3週間後!?
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2005.
2005.12.
12.19 経済産業省発表⇒
経済産業省発表⇒松下電器産業の
松下電器産業の公表内容を
公表内容を発表
同日
第7回社告⇒
回社告⇒お詫び文言あり
文言あり、
あり、他は第6回と同じ
2005.
2005.12.
12.20 第8回社告 中村社長名による
中村社長名による『ご報告と
報告と、いま一度
いま一度のお
一度のお願
のお願い』
⇒前日の
前日の報道向け
報道向け発表内容の
発表内容の概要
別途併載社告、
内容が第6回(お詫び文言無し)と同じものを掲載
12.
12.27 第9回社告⇒
回社告⇒第8回の内容にお
内容にお詫
にお詫び文言のみ
文言のみ付加
のみ付加
12.
12.28 松下電器産業 報道向け
報道向け発表
点検済み製品で
製品で新たに16
たに16件
16件のホース外
ホース外れがあったと発表
れがあったと発表
•点検済み
同日
経済産業省発表⇒
経済産業省発表⇒松下電器産業の
松下電器産業の公表内容を
公表内容を発表
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2006.
2006.1.4
第10回社告
10回社告⇒第9回と同じ内容
1.9
第11回社告
11回社告⇒第9回と同じ内容
1.17
第12回社告
12回社告
タイトルの変化
事故の現象・死亡事故の危険性を分かりやすく記入
但し、社告の目的『何をする為の社告?』は
やはり記入されていない
引き続き、お客様へのお
客様へのお願
へのお願いです
1985年
1985年から1992
から1992年製
1992年製の
年製のナショナルFF
ナショナルFF式石油温風機及
FF式石油温風機及び
式石油温風機及び石油フラットラジアントヒーター
石油フラットラジアントヒーター
には事故
には事故に
事故に至る危険性があります
危険性があります。
があります。当該対象製品を
当該対象製品を未点検のままご
未点検のままご使用
のままご使用になりますと
使用になりますと
一酸化炭素を
一酸化炭素を含む排気ガス
排気ガスが
ガスが、室内に
室内に漏れ出し、死亡事故に
死亡事故に至るおそれがあります。
るおそれがあります。
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『信頼の社告記載8か条』の観点から、
社告の変遷と内容についての考察結果
●2005年4月21日の社告内容は・・・
人体に対する影響の大きさや緊急度合いを消費者に
アピールする力が乏しかった
但し、12月以降の大規模な周知徹底行動は、
今後のリコールに於いて一つの試金石になり得ると評価!!
それだけに!!
仮に4月時点で、12月以降に掲載された
『死亡事故に至る危険性がある』を記載していたとしたら・・・
より強い注意喚起で、
これだけの被害拡大を防げたのでは
ないだろうか?と悔やまれる。。。
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社告診断の結果で活かせなかった事への反省
当研究会では
当研究会では、
では、2005年
2005年4月時点でこの
月時点でこの社告
でこの社告を
社告を診断し
診断し、
消費者に
消費者に対する訴求力不足
する訴求力不足を
訴求力不足を判定していた
判定していた
*但し、この時点での『信頼の社告記載8か条』は実効性を高める
準備段階。個別企業の案件に対する診断結果を
個々に公表する活動を主眼に置いていなかったのは事実・・・
しかしながら、消費者と企業のパイプ役を担っている
我々としては、もう一歩踏み込んで、
改善点を含めた診断結果を企業に伝える等の
アクションをすべきではなかったのか
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社告診断
~「信頼の社告記載8か条」に基づく
2005年4月-9月の社告調査~
まとめ
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2005年度
2005年度は
年度は、2004年度
2004年度に
年度に提案した
提案した『
した『信頼の
信頼の社告記載8
社告記載8か条』を
具体化した
具体化した社告診断用
した社告診断用チェックリスト
社告診断用チェックリストを
チェックリストを作成して
作成して
社告診断を
社告診断を行ったが、
ったが、これは単
これは単なる企業評価
なる企業評価に
企業評価に留まるものではない
この社告診断用
この社告診断用チェックリスト
社告診断用チェックリストを
チェックリストを、企業が
企業が回収等の
回収等の事態に
事態に至った際
った際に、
消費者の信頼に応える社告作成の際の
判断基準として活用することを願い、
本論文において公開した
当研究会では、今後も実践的な提案を通じて
・企業と消費者との
よりよい関係づくりに貢献したい
・診断等を含めた調査研究の成果を、
企業のみならず行政に対し、
具体的かつ迅速にアピールしていきたい
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