Transcript
385 ・鑑械VoL27No、5 P−35 ヒト象牙質に対する新規支台築造用コンポジットレジン 料を37℃恒温恒湿槽内で1時間保管し,37℃蒸留水中 の接着強さの検討 O青崎有葵,坪田有史,佐々木圭太,時庭由美子 深川菜穂,福島俊士 に24時問浸漬し,万能試験機オートグラフ(AGS−5kND, 接着強さを測定した.得られたイ直は,SPSS16.OJ for 鶴見大・歯・補綴n Windowsを用いて,同じ条件間においての各コンポジット 島津製作所)でcrosshead speed:0.75mm/minにてせん断 レジン間の比較にはDunettの多重比較を行い,一方, Astudyonshearbondstrengthofanewcompositeresin core materiεLl to dentin ECQにおける築盛高さおよび条件間の比較においては, Mann−Whitney検定により有意水準5%で比較検定を行っ Y.Aosaki,Y.Tsubota,K.Sasaki,Y.Tokiniwa, た. N.Fukagawa,S.Fukusblma [結果および考察] Tsurumi Univ. 各条件閥におけるせん断接着強さを図1に示す.最も 高い値を示したのは,条件41におけるECQ(50.67± [緒言] 近年,健全歯質の保存,審美性の向上および歯根破折 5.2MPa)であった.4mmの築盛高さでは,条件1および∬ においてもECQは,DCAおよびUNiと比較して有意に高 σ)防止などの観点から,根管処置歯に対して支台築造用 い接着強さを示した(P〈.05).一方,隻Ommの築盛高さでは, コンポジットレジンを用いた支台築造を選択する頻度は少 条件1および∬においてもECQは,UNIと比較して有意 に高い接着強さを示したが,DCAとの間に有意な差がな かった.ECQにおける条件問では,41と101で有意差 なくない. 今回,新規支台築造用コンポジットレジンの象牙質に 対する接着強さを評価することを園的とし,築盛高さを4, LOmmの2条件に対し,各種支台築造用コンポジットレジ があった(Pぐ05). 各コンポジットレジンの接着強さは,築盛高さ4mmと比 ンを比較検討した. 較し10mmで低い値を示した.コンポジットレジンをi回で [材料および方法] 築盛し上方より光照鮒を行っているため,10mmの築盛高 試験には抜去後,4℃蒸留水中に保存しておいた未処 さでは象牙質との接着界面付近に光が到達せず,化学重 置のヒト抜去大臼歯をi20本使用した.使用した支台築造 合のみの硬化となったため重合度が低下し,接着強さが 用コンポジットレジンは,試作支台築造用コンポジットレジ 低くなったことが考えられた.また,コンポジットレジンに光 ンECQ(略号:ECQ,トクヤマデンタル),クリアフィルDCコ 照射の有無では,光照射ありの方が高い接着強さを示し, ァオートミックス(m各号:DCA,クラレメディカル),ジーシー このことからも光重合による硬化をしたほうが確実な接着 ユニフィルコア(略号IUM,ジーシー)である、一方,接着シ を得られることが示唆された.以上,新規支台築造用コ ステムは各々ECQプライマー/ECQボンド,クリアフィル DCボンド,ユニフィルコアセルフエッチングボンドを使用 ンポジットレジンECQはせん断接着強さにおいて他の した.なお,すべての接着システムとレジンペーストの硬 考えられ臨床上有用な材料であることが示唆された. 化様式はデュアルキュア型である.実験条件を表iに示 す. ヒト抜去大臼歯の歯冠部を切断して象牙質面を露出さ せ,アルミニウム製リング内に歯軸方向に植立し,常温重 合レジン(ユニファストH,ジーシー)にて包埋した,その システムと岡等あるいは,それ以上の接着強さを有すると 表1実験条件 41:ボンディングプライマー#光照珊あり⇒コア材(築横軌m)⇒光照射あり 41「:ボンディングプライマー・癖光照射あり㊥コア材(築盛4mm)⇒光照射なし 10l lボンディングプライマー圃光照射あり叫コア材(築盤10mm)埼光照射あり 10n lボンディングプライマー圃光照射あり誇コア材(築盛lOmm〉博光照射なし 後,i耐水研磨紙#400,#600,#i,000の順に淀水下で研磨 した.被着面積は,厚さ150μmのマスキングテープ(3 M ESPE)により直径3mmに規定した.各接着システム 図1せん断接着強さ の取扱説明書に従って象牙質表面処理後,コンポジットレ ジンの築盛には,内径4mm,外径6mmのSUS304製チュ ーブ商径4mmおよび10mmを用いて光照射面との距離を 2条件に規定し,各コンポジットレジンを上方より填入した、 その後,セルロイドストリップスを介して2kgεで!5秒間負荷 した.さらに,コンポジットレジンに光照射ありとなしの2条 件を設定した,光照射を行う試料には,高出カハロゲン照 射器(ハイパーライテルDPC−120,モリタ)を用いて上面よ り60秒間照射を行った.試料は各条件10個とした.試 l i l i 41 4∬ 101 10H 、」