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製品環境負荷低減 製品環境負荷低減の取り組み 製品の環境負荷の大きさは、設計段階で決定されることが多く、環境への負荷の少ない製品を提供するためには、設計 段階において、省エネ・省資源・リサイクル性・有害物非含有など、製品のライフサイクル全体にわたる環境負荷を評価 し、可能な限り改善しておくことが必要です。 沖電気グループでは製品アセスメントやLCAの実施、あるいは「OKIエコ商品社内認定制度」の運用により、ライフサイ クル全体にわたる環境負荷低減に取り組んでいます。 1 製品アセスメントの運用 製品アセスメントとは、設計機種と基準機種とを、設定された評価項目(例:省資源、消費電力量、リサイクル性等)について 比較し、判定基準をクリアするまで再設計することにより、製品の環境負荷を低減する制度です。製品アセスメントで考慮 すべきことをまとめると下図の通りです。 沖電気グループでは、1995年度に製品アセスメント制度を導入して以来運用しています。 製品アセスメントで考慮すること 9 製品 ライフサイクル 資源採取 製 造 梱包・輸送 使 用 廃棄 リサイクル 目指す姿 最小限の 資源採取 エネルギ消費や 廃棄物の少ない製造 最 小 限 の 梱 包と 効率的輸送 エネルギ消費や 廃棄物の少ない使用 最小限で クリーンな廃棄 製品アセスメントの ・小型化 ・再 生 材 料 の 主たる役割 使用 ・小型化 ・部 品 数 の 削 減 ・小型化 ・消費電力削減 ・長期使用化 ・消 耗 品 の 削 減 ・リサイクル率向上 ・有害物質削減 ■製品アセスメントの活用 (株)沖データが製造・販売するLEDプリンタを例に製品アセスメント活動を具体的に紹介します。 ◆小型化 製品を小型化することにより、消費する資源や廃棄物の量を削減できます。また、輸送効率を向上し、組立て時間を短縮する ことにより、消費エネルギーを削減します。 オフィスなどで使用されるページプリンタには、光源にレーザ光線を用いる「レーザプリンタ」と発光ダイオードを用いる 「LEDプリンタ」があります。LEDプリンタはレーザプリンタに比べ、構造がシンプルな上、稼動部がないため小型化に適して います。 (株)沖データのページプリンタは、LED方式を採用し小型化を推進しています。 ◆部品数削減 製品に使用される部品の数を削減することにより、製品の組立 て時間を短縮し、消費エネルギーを削減します。また、部品の 梱包量が減り、廃棄物を削減する効果もあります。 部品数削減の取り組みとして、たとえば、複数の成形品を一体 化することにより部品数を削減しています。 一体化成形品 9 ENVIRONMENTAL REPORT 2003 製品環境負荷低減 製品環境負荷低減の取り組み ◆消費電力削減 プリンタのLCA(ライフサイクルアセスメント)結果によれば、家庭やオフィスで使用するときに、ライフサイクル全体の6割のCO2 を排出しています。発生するCO2の大半は電力に起因するもので、消費電力削減は、環境負荷の低減に多大な効果を及ぼします。 ページプリンタで電力を最も消費するのは、トナーを溶融するため高温に加熱されるトナー定着器で、この温度を低下させること により、消費電力削減が可能となります。この問題を解決するため、軟化温度の高いシェル層と軟化温度の低いコア層による2層 構造の「小粒径カプセルトナー」の開発により、トナーの低温溶融化を図り、低温での定着を実現しました。 また、制御回路の設計改良により省電力化も実現しており、待機時の電力削減に寄与しています。 プリンタ待機時電力推移 (A4サイズ出力、 モノクロ装置を対象) 機種名 印字速度 待機時電力 電力/印字速度 発売 MICROLINE 701N3 18PPM 25.9W 1.44W/PPM 1999年 MICROLINE 14N 14PPM 8.5W 0.61W/PPM 2000年 MICROLINE 18N 18PPM 8.0W 0.44W/PPM 2002年 ◆消耗品(用紙)の削減 プリンタに両面印刷機能を装備することで、用紙の量を半減しました。さらに、複数のページを縮小して1ページにまとめて 印刷する割り付け印刷を併用することで、片面印刷時と比べ最大1/32まで用紙枚数を削減可能としました。 (2002年発売 の新型カラー機の場合) 用紙消費量の削減 片面印刷800枚 両面印刷 + マルチページ印刷機能 (16ページ) 25枚 両面印刷400枚 いままでの用紙枚数 半分の用紙枚数 10 1/32の用紙枚数 ◆使用済製品のリサイクル率向上 使用済製品のリサイクル率を向上するためには、製品を可能な限り単一材料まで分解する必要があります。このため、分解を 阻害するメッキや塗装、ラベル貼り付け、インサートねじなどを、設計段階で回避することを基本としています。 2 「 O K I エ コ 商 品 社 内 認 定 制 度 」の 運 用 沖電気では、お客様に環境に配慮した製品を提供するため、 「OKIエ エコ商品認定機種数 (2003年3月31日現在) コ商品社内認定制度」を運用しています。この制度は、沖電気独自の O A 機器 通信機器 金融機器 環境基準を満たした製品を「OKIエコ商品」として社内認定し、お客 様に製品の環境情報を提供する制度です。 9 10 3 認定された製品は、カタログ、取扱説明書などにシンボルマークを 表示し、認定基準とともにインターネット上で公開しています。 3 LCA( ラ イ フ サ イ ク ル ア セ ス メ ント )の 推 進 製 品 ア セ ス メ ント は 評 価 が 容 易 で 多 くの 企 業 が 採 用 して い ま す。 プリンタのLCA結果 し かし 、こ の 評 価 方 式 で は 、製 品 の ラ イフ サ イ クル に お け るど の そのため効率的な対策を打ちにくい、という問題があります。これ を補う評価方法として、LCAの導入を進めています。 これまでに、ATM(現金自動預払機)やプリンタ、通信機器でLCA 試行を行いました。結果は製品設計に活用します。 1881 00 20 ス テ ー ジ で の 環 境 負 荷 が 最 大 か 、と い う 分 析 ま で は で き ま せ ん 。 00 15 二 酸 化 炭 素 00 排 10 出 量 ︵ Kg 0 CO2 50 ︶ 1156 688 - 33 0 10 ENVIRONMENTAL REPORT 2003 計 品 流 製 組立 物 ライフサイクルステージ 材 資 調達 2.3 1.5 用 使 棄 廃