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思い通りの写真が撮れる 最新機能を生かす デジカメ撮影術 デジタルカメラは各種の撮影モードを備えている。全部お任せで撮影すること も可能だが、各撮影モードの特徴や傾向をつかんでおけば、撮影の幅が広が るし、自分で思った通りの撮影ができる。今回は、各撮影モードがどんなパラ メーターを設定しているのか、その意味を探る。 第2回 カメラが備えるモードの意味を知る 撮影・文 小林 伸=フォトグラファー デジタルカメラには撮影モードを 想定される被写体に合うコントラス それでは「こういう写真が撮りたい」 選ぶためのダイヤルが付いている ト、彩度、シャープネスまで総合的 と思っても、どう撮影すればそうな (図 1) 。取扱説明書を見ると「撮り にカメラが判断して調整する撮影モ るのか、いつまでたっても分からな たい被写体や、操作したい機能に合 ードのことだ。最近の被写体認識の い。被写体の認識などは機械に頼ら わせて、モードダイヤルで撮影モー 精度は大変高く、完全に間違う、例 ずとも自分でできるし、全てをカメ ドを設定します」などと書かれてい えば人物を撮影しているのに夜景モ ラ任せのモードにしなくても、ある る。ここで、 「カメラ」のアイコンや ードに設定されるようなことはめっ 程度は判断できるはずだ。また、そ 「AUTO」などと書かれたアイコンを たにない。判断がつきかねる状況の のモードがどういうパラメーターで 選ぶと、“カメラに全部お任せ ” の撮 場合は、より安全な設定、つまり全 撮影しているのか、その傾向をつか 影モードになる。 てのパラメーターを標準状態にして んでおけば、別の撮影シーンで使用 全部お任せとは被写体の認識から 撮影するようになっている。 してみたら面白い写真になるかもし 始まり、露出はもちろんオートフォ 確かに、カメラに全部お任せのモ れない。全部お任せにはせずに、積 ーカス(AF)のモードや ISO 感度、 ードは簡単だし、便利だ。しかし、 極的に撮影モードを自分で変更する ●撮影モードを決める「モードダイヤル」 ようにしていこう。 種類が増えた撮影モード 撮影モードダイヤルには大きく分 けて露出だけをカメラに任せるモー ドと、そのほかの色みなどの調整も カメラに任せるモード、さらに動画 やパノラマ撮影など特殊な撮影機能 がアイコンや文字などで表されてい る(図 2) 。 露出だけを任せるモードというの は、 「A」 「S」 「M」 「P」といった文字が 書かれたアイコンを選ぶモードのこ とだ。A は絞り優先、S はシャッタ ースピード優先、M はマニュアル露 図 1 撮影モードを変更するダイヤルに描かれてい るアイコンに関しては、メーカーや製品によって多 少ばらつきがある。取扱説明書を確認してみよう 出、P はプログラムオートの設定を 意味する。メーカーによっては A を Av(アパーチャバリュー) 、S を Tv 日経パソコン 2012.10.22 91