Download 取扱説明書 - Hi-HO

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エレクトロニック・キーヤー
3.キーヤーの送信速度
電源を 入れて「 QRV」を聴い たあと,す ぐに
OIKey-F88
JA1HHF
日高
弘
エレクトロニック・キーヤーとして使用できます.
キーイング速度は可変抵抗器のツマミを回して無
Hiroshi Hidaka
段階に設定できます.反時計方向に回すと低速,
取扱説明
時計方向に回すと高速になります.
1.電源について
4.送信機への接続
プリント配線基盤に定電圧電源用レギュレーター
ジャック J2 と送信機の KEY ジャックを2芯
IC を取り付けた場合は 7V ~ 15V の直流電源
電線で接続すれば送信操作ができます.J2 に差
を接続してご使用ください。
し込むステレオプラグの配線は図のように先端が
乾電池(1.5V x 3)や DC5V 出力の AC アダプ
Key 出力,根元が GND で中間部は無接続です.
ターを使う場合は、定電圧電源用レギュレーター
IC 取り付け部分のシルク印刷マークの I と O
部分をジャンパー(電線)で短絡してください。
こ の場 合、電 源電 圧は 5.5V 以 上か けな いで ご
使用ください。
2.エレクトロニック・キーヤー
基板のジャック J3にパドル(複式電鍵)の配
キーヤー側はモノラルプラグでも差し支えあり
線プラグを接続します.プラグは図のように先端
まいませんが,接続線の送信機側はステレオプラ
が 点 ( DOT) , 中 間 部 は 線 ( DASH) で 根 元 が
グを使う場合があります.送信機の取扱説明書に
GND になります.
したがってください.このキーヤーで真空管式送
信機の負極をキーイングする場合,リレーなどで
中継する必要があります.
このキーヤーの送信機キーイングは,パドル接
点のチャッタリングを消去した信号が出力されま
す.バグキーモードでも同様です.
パドル操作は親指が点,人差し指は線を打つよ
5.メッセージメモリー
うにするとよいでしょう.パドル端子の配線を替
えれば,右手打ちでも左手打ちでもパドル操作が
書き込みできるメッセージ・メモリーは4チャ
できます.パドルとキーヤー間の配線は 50 cm
ンネルあります.CQ呼び出しや JCC ナンバー
程度以下でお使いください.
などの送信用データーを書き込むには十分なメモ
リー容量をもっています.以下,第1チャンネル
親指と人差し指で両方のパドルをつまむとキー
-・-・-・と符
の書き込みや読み出し送信の例を示します.他の
号が出ます.先に ON したパドルが点側か線側か
チャンネルも同様に書き込み,読み出し送信がで
で符号の出方が違います.パドルで点と線の組み
きます.
ヤーから・-・-・- とか
合わせによるモールス符号をうまく送信するには
5.1 メッセージの書き込み
練習あるのみです.文面での説明は省略します.
電源を入れ,キーヤーとして使える状態のとき
1
メモリースイッチ SW1(MEMO-1)を約3秒押
せん.読み出し時は任意の速度で送信できます.
し続ける(以下,長押しと称します)とキーヤー
5.3 メッセージの繰り返し送信
から「-・・・-」のモールス符号が送られてき
CQ 呼び出しなどで繰り返し送信したい場合は,
ます.これで書き込み準備完了です.
では, CQ
DE
JA1HHF
K を書き込む例
MODE SW5 を Repeat 側 に倒し ます .約3 秒
を示します.
パドルで
間隔で繰り返し送信が行われます.繰り返し送信
CQ
を送信して少し間を置きます.
中 SW5 を OFF にすると,書き込んだ内容を一
キーヤーから「ピィ」と合図が出ます.このあと
通り送信して終了します.繰り返し送信の必要が
慌てて続ける必要はありません.
なくなった場合,スイッチ SW5 は OFF の位置
次に
DE を送信します.「ピィ」と合図が出
に戻しておく習慣をつけてください.
ます.
5.4 メッセージ送信の即時停止
JA1HHF と送信します.
メモリー内のメッセージ読み出し送信が行われ
「ピィ」と合図が出ます.
最後に
K
を送信します.
ているとき,パドルの点側でも線側でもチョンと
「ピィ」と合図が出ます.
1回押せば送信は即時停止します.このチョン押
語間の合図を聴いた後,次の送信に長い間を置い
し 1 回は送信機のキーイングを行いません.次
ても正しく7点ぶんのスペースが入れられます.
のパドル操作からはキーヤーのモードでキーイン
次に送信した内容を確認します.メモリースイ
グができます.
ッチ SW1 を,今度は短く(以下,チョン押しと
5.5 メッセージの消去
称します)押します.これで,メモリー第1チャ
書き込んだメッセージはマイクロコントローラ
ンネルに書き込んだ内容の確認読み出しが行われ
ーPIC16F88 内蔵の EEPROM に保存されます.
ます.
CQ
DE
JA1HHF
K
電源を OFF にしても書き込んだメッセージは消
OK?
書き込んだ内容の最後に続いて「 OK?」 とキー
えません.マイクロチップ社のデーターシートに
ヤーが確認してきます.この確認読み出し中,送
よれば書き込まれたデーターの保存期間は40年
信機のキーイングは行われません.
くらい,書き込み消去の回数は100万回できる
書き込んだ内容に間違いがあるなら,メモリー
と書かれています.
スイッチを再度,長押しして書き込みをやり直し
書き込んだメッセージを消去するには消去する
ます.書き込み途中で送信の間違いに気付いた場
チャンネルのメモリースイッチを長押ししてくだ
合は訂正符号 8 点の送信をするとキーヤーは,
さい.キーヤーから「-・・・-」のモールス符
それまでの入力を消去して,「-・・・-」のモ
号が出てきます.何も書き込まないのであれば,
ールス符号を送ってきますから,最初から入力を
今度はスイッチをチョン押しします.キーヤーか
やり直します.確認 OK であればこのままで書
ら「NO DATA」のモールス符号が出てきます.
き込み終了です.他のチャンネルも同様にして書
これで消去完了です.
き込みと読み出しができます.
5.6 長すぎるメッセージ
5.2 メッセージの読み出し送信
メモリースイッチ
書き込むメッセージが長すぎて EEPROM の容
をチョンと押すたびに書き
量を超過すると,キーヤーから「NO ROM」の
込んだ内容で送信機のキーイングが行われます.
モールス符号が送信されます.書き込みつつあっ
書き込んだときのキーイング速度は記憶されま
たメッセージはすべて消去されます.書き込み内
2
容の長さを検討して再度書き込みしてください.
同じ操作をすると ON になります.
メ ッセージを 書き込む EEPROM の容量 は第
記 憶 OFF に し た と き 「 PM OFF」 , ON で は
1,第2,第3チャンネルが各63バイト,第4
「PM ON」のモールス符号が出ます.試し打ち
チャンネルは62バイトとなっています.
してみて,キーイングが容易な方に設定してくだ
1 バイトあたり4個の「点とスペース」または
さい.キーイングに熟練すれば記憶 ON の方が打
「線とスペース」,「2点分のスペース」などが
ちやすくなるでしょう.
記憶できます.
6.3 バグキーモード ON
6.キーヤーの機能設定
このキーヤーはバグキーのように,線
メッセージメモリー用スイッチ SW1(MEMO-
(DASH)側のパドルを押した長さだけ線を出す
1)から SW4(MEMO-4)までのスイッチ と電源ス
ことができます.SW3 を押したまま電源スイッ
イッチ SW0 を使って次の設定ができます.
チ SW0 を入れるとバグキーモード ON になりま
・モニターブザーの OFF
す.もう一度同じ操作をすると OFF になります.
・パドルの記憶解除
・バグキーモードの設定
バグキーモードを ON にしたとき「BUG ON」,
この設定は EEPROM に書き込まれ,電源を切っ
OFF では「BUG OFF」のモールス符号が出ます.
ても記憶されます.
バグキーモードのとき,線(DASH)を出した
後は 点( DOT) に相当し た長さのス ペースが 自
6.1 モニターブザーの OFF
動的に付け加えられます.線を打ったあと,意識
送信中,送信機のサイドトーンを使う場合,キ
的に次のキーイングを遅らせればその時間が加え
ーヤーのモニターブザーを OFF にすることがで
られた長いスペースになります.
きます.SW1 を押したまま電源スイッチ SW0
を入れるとモニターブザーは OFF になります.
6.4 各設定の一括解除
もう一度同じ操作をすると ON になります.モニ
ターブザーを OFF に設定しておいても,メッセ
以上の3つの設定はそれぞれ交互切り替えにな
ージメモリーへの書き込み時や確認読み出し時,
っていますが,3つの設定を一度に元へ戻すこと
その他キーヤーからモールス符号による報知の際,
が で き ま す . SW4 を 押 し た ま ま 電 源 ス イ ッ チ
ブザーは吹鳴します.ブザーOFF に設定したと
SW0 を入れると設定した状態は元に戻ります.
き「BZ OFF」,ON では「BZ ON」のモールス
この操作を行うと「RESET」のモールス符号が
符号が出ます.
出ます.
元の状態(デフォルト)とは次の通りです.
6.2 パドル入力の記憶 OFF
・モニターブザーは送信中吹鳴する.
このキーヤーは通常,複式パドル操作中,相対
・反対側のパドル入力を記憶する.
するパドルの入力を記憶して順次送信します.こ
・キーヤー・モードになる.
の記憶操作は送信しやすいようにプログラムされ
7.コールサインの自動発信
ています.しかしシングルレバーのような送信操
キーヤーに電源を入れてモード切替スイッチ
作を行いたい場合,パドル入力の記憶を OFF に
SW5 を R.Call 側に倒すとランダムに生成された
することができます.
コールサインがモニターブザーから発信されます.
SW2 を押したまま電源スイッチ SW0 を入れ
このとき送信機のキーイングは行われません.
るとパドル入力記憶 OFF になります.もう一度
3
発信されるコールサインは実在しないものもあ
ります.計算上は1千万局以上のコールサインの
発信が可能ですが,PIC 内のプログラムで発生さ
せる乱数は M 型と称される簡単な方法を使って
います.似たようなコールサインが出てくること
がありましたら一旦 SW5 を OFF にしてから再
開してください.
コールサインの間隔,つまり語と語の間隔はど
のような速度でも7点の長さになっています.電
源 ス イ ッ チ SW0 を 切 る 前 に モ ー ド ス イ ッ チ
SW5 の R.Call を先に OFF にすると,新しい乱
数のタネが記憶されて次回のランダムコール発信
では異なるコールサインから始まります.
(おわり)
4