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平成20年度山形県農作業事故防止啓発運動実施計画 平成20年3月19日 農林水産部生産技術課 1 目 的 近年、農作業従事者の高齢化や農業機械の大型化・多様化が進む中で農作業中の 事故発生件数は依然として減少しておらず、死亡事故、受傷事故が発生している状況 にある。このため、県内全域で事故防止の啓発を促す統一的な運動を実施することとし、 各地域において運動の展開を図る。 2 運動期間 平成20年4月10日 ~ 平成20年11月30日 <運動強化月間と啓発テーマ> (1)春季農作業事故防止運動強化月間 平成20年 4月10日 ~ 平成20年 6月10日 「水稲春季作業(耕起から田植)等における農作業事故の防止」 (2)秋季農作業事故防止運動強化月間 平成20年 9月 1日 ~ 平成20年10月31日 「水稲秋季作業(稲刈から乾燥調製)等における農作業事故の防止」 (3)おうとうに関する農作業事故防止運動強化月間 平成20年 6月10日 ~ 平成20年 7月10日 「おうとうの雨よけ被覆及び収穫作業における農作業事故の防止」 3 運動実施主体 山形県 4 運動の内容 (1)広報活動 ・運動出発式、キャラバン巡回による広報実施 ・啓発ポスター、パンフレット等の配布 ・広報車地域巡回による広報 ・インターネット、メディアを活用した情報発信 (2)指導活動 ・事故防止のための講習等開催 ・農作業安全推進に係る資料の配付等 (3)その他 ・農作業事故調査の実施、情報の提供 (参考1) 山形県農作業事故防止啓発運動重点推進事項 1 基本推進事項 (1)ゆとりのある農作業による事故の未然防止 自分の体力にあったゆとりのある作業の計画、実施を心がけ、作業の間に十分な休息 時間を確保する。また、なるべく複数の者で作業を行うようにし、やむを得ず一人で作業 を行う場合は家族等に作業予定時間と所在を明らかにしておく。 (2)取扱方法、注意事項の遵守 農業機械は、使用の前に必ず取扱説明書を熟読のうえ正しく使用する。とくに乗用型 トラクターで路上を走行する際のブレーキ連結や点検時のエンジン停止等、基本的な留 意事項は遵守する。 (3)危険予測による転落、転倒事故の防止 ほ場の段差や傾斜、道路の路肩等に十分注意し,機械の転落・転倒事故を防ぐ。乗 用型トラクターを運転する際は安全キャブ(安全フレーム)を装着し、シートベルト、ヘル メットを着用する。 (4)道路走行時における安全確保、交通事故の防止 夜間や混雑時の道路走行はなるべく避ける。また、道路を走行する場合は必ずライト を点灯し、さらに反射材の装着により他の車両から視認しやすいようにする。 2 運動強化月間別推進事項 (1)春季農作業事故防止運動特別強化月間 「春作業前の農業機械点検整備、ほ場点検の実施」 計画的で余裕のある春作業を行うために、早めに農業機械の整備点検を済ませる。ま た、作業場所を事前に確認し、冬季の積雪により農道の路肩が崩壊したり、軟弱になっ ている場合は補修し、石や空缶、空瓶等の危険物は除去しておく。 (2)おうとうに関する農作業事故防止運動特別強化月間 「おうとう作業時における転落事故の防止」 雨よけ被覆、収穫作業時においては、滑りにくい靴、ヘルメットを着用する。また、無理 な姿勢での作業を避けるため脚立はこまめに移動させ、開き止め金具(チェーン)を必 ず使用する。 (3)秋季農作業事故防止運動特別強化月間 「稲刈作業における巻き込まれ事故の防止」 コンバイン等の可動部への巻き込まれ事故を防止するため、稲わらのつまりの処理や 機械の点検整備は必ずエンジンを停止して行う。また、袖口のボタンはしっかりとめ、手 袋は着用しない等、巻き込まれにくい服装で作業を行う。 (参考2) 山形県における農作業事故の発生状況 平成20年3月19日 農林水産部生産技術課 1 農作業事故の定義 農作業事故とは、農作業中(農業生産活動に伴う一切の作業で、生産資材の調整や運 搬、農機具及び農業施設の修理や整備、市場までの出荷に伴う作業や出荷場等での調整 作業を含む)に発生した事故及び農業機械作業に係る事故をいう。農業機械作業に係る 事故は、被害者のみならず加害者がこの状態である場合も含む。 重大事故とは、新聞等により報道されたもの及び事故の原因状況から農林水産部生産 技術課が重大と判断した事故とする。 2 農作業事故の発生状況(平成6~19年) 新聞報道及び各総合支庁産業経済部農業技術普及課の聞き取りによる調査結果 (1)年別農作業事故件数(被害者数・H6~19) 18 16 14 重大 死亡 7 7 12 9 被 害 10 者 8 数 4 3 6 7 6 9 4 7 7 5 10 5 6 7 4 2 6 5 4 1 2 3 3 H15 H16 1 4 3 0 H06 H07 H08 H09 H10 H11 H12 H13 H14 H17 H18 H19 年 (2)発生月別農作業事故件数(被害者数・H6~19) 40 35 春の農繁期の事故 発生が最も多い。 6~7月はおうと う作業中の転落 事故が多い。 重大 死亡 30 6 0 稲刈り時期にも事 故が多発する。 7 10 5 気温の高い時期 は疲れによる事 故発生。 18 被 25 害 20 者 数 15 14 2 2 1 1 2 17 4 6 4 6 7 7 8 9 3 6 4 3 9 5 5 6 月 11 10 3 1 2 1 11 12 (3)年齢別農作業事故件数(被害者数・H6~19) 35 30 高齢者とくに60歳代後半の事 故が多い(加齢により反応が鈍 るが、農業機械は利用する) 25 被 20 害 者 数 15 重大 死亡 13 11 10 5 0 7 8 2 2 6 0-14 35-39 40-44 45-49 50-54 2 16 2 4 1 3 6 7 8 7 55-59 年齢 60-64 10 8 65-69 70-74 75-79 12 80- (4)農業機械種別農作業事故件数(被害者数・H6~19) 33 トラクター コンバイン・脱穀機 7 運搬車 8 29 10 死亡 重大 0 刈り払い機 1 4 機械使用時の事故が多い。 なかでもトラクターを使用中の事 故が多く全事故の 46%を占める。 自走式動力散布車 2 2 乗用除草機 2 1 田植機 1 2 コンバインでは腕などの巻き込み による事故が多い。 管理機 0 3 乗用管理機 10 その他 20 農機以外の使用 5 機械使用なし 乗用機械は転落やはさまれによ る事故が多い。 5 12 0 5 10 20 30 40 被害者数 50 60 70