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ヘモグロビン分析装置
コンポラブ HB
取扱説明書
目次
はじめに
1
第1部
1.1
1.2
1.3
1.3.1
1.3.2
一般情報と安全の手引き
使用目的
装置の使用について
使用者の安全のために
重要な注意事項に関する記号
安全に関する注意
第2部
2.1
2.1.1
2.1.2
2.1.3
2.1.4
2.2
2.2.1
2.2.2
2.2.3
2.2.4
2.3
2.4
2.4.1
2.4.2
2.5
2.6
2.7
操作方法および測定
準備
外観
作業環境のセットアップ
電源の点検
内蔵バッテリーの充電
ヘモグロビンの測定
装置の電源オン
測定
測定値
測定後の対応
装置の電源オフ/スタンバイモード
精度確認
リファレンスキュベットを使用した精度確認
ヘモグロビンコントロール
清掃と消毒
保守およびサービス
トラブルシューティング
5
5
5
6
6
8
8
9
10
11
12
13
14
14
15
16
17
18
第3部
3.1
3.2
3.3
3.4
3.5
ユーザー設定メニューの設定とソフトウェア
ユーザー設定メニューの操作
重要な基本設定
メニュー設定の概要
通信ポート
ソフトウェアのバージョン
22
22
23
24
25
26
1
1
2
2
2
3
第 4 部 仕様
27
第 5 部 製造業者の適合宣言
28
連絡先
29
コンポラブ HB 取扱説明書 MCO105
はじめに
はじめに

本取扱説明書、また使用する装置およびキュベットの添付文書
をよく読んでから、使用を開始してください。
フレゼニウスカービジャパン株式会社の書面による合意なしに本取
扱説明書を複写することを禁じます。
本取扱説明書の内容は、予告なく変更されることがあります。
取扱説明書の記載
事項をしっかりと
守ってください。
フレゼニウスカービジャパン株式会社は、本取扱説明書、および装
置やキュベットの添付文書の記載内容以外の使用によって生じる損
害については、一切の責任を負いません。
第 1 部 一般情報と安全の手引き
1.1 使用目的
目的
コンポラブ HB は、分光光度法により、ヒト血液中のヘモグロビンを
測定するために使用します。本品の基本構成は以下のとおりです。
 コンポラブ HB 本体
 AC アダプタ
 リファレンスキュベット
コンポラブ HB のトレーに、血液を採取したコンポラブ HB 用キュベッ
トを載せ、ヘモグロビンを定量すると、その測定値が画面に表示され
ます。
他のメーカーの
キュベットについて
コンポラブ HB 用キュベット以外のキュベットを使用した場合、測定精
度を保証できません。必ず指定のキュベットを使用してください。
危険!
コンポラブ HB とコンポラブ HB 用キュベットを、添付文書や本取扱説
明書に記載された目的以外には使用しないでください。
1
第1部
1.2 装置の使用について

コンポラブ HB の使用とコンポラブ HB 用キュベットを用いた血液
検体の採取は、装置並びにキュベットの添付文書および本取扱
説明書を熟読し、操作方法に習熟した医療従事者のみが行うこ
とができます。
ユーザー設定機能
コンポラブ HB のユーザー設定機能(本取扱説明書の第 3 部を参
照)は、熟練した方以外は使用しないでください。
1.3 使用者の安全のために
1.3.1 重要な注意事項に関する記号
本取扱説明書では、重要な注意事項を以下の記号と共に示してい
ます。
危険!
この記号は、使用者、また第三者にとって特に危険で致命的な影響
をもたらすおそれのある手順または状況を示しています。
注意!
この記号は、損害をもたらすリスクのある手順の脇に示されていま
す。
メモ
この記号は、個々の操作手順に関する情報、あるいは適切な操作
を実施するためのヒントを示しています。
本文では、説明を容易に理解していただくために、以下の識別記号
も使用しています。




2
黒丸は、装置の特徴および状況を示します。
チェックボックスは、確認の必要性を示します。
指差しアイコンは、実施の必要性を示します。
眼鏡アイコンは、本体画面の確認の必要性を示します。
第1部
1.3.2 安全に関する注意
使用者、また第三者の安全のために、必ず以下の事項に留意してく
ださい。コンポラブ HB 並びにコンポラブ HB 用キュベットの添付文
書、および本取扱説明書に記載された内容に従って使用されなかっ
た場合、フレゼニウスカービジャパン株式会社は、保証サービスを
制限する場合があります。
危険!
AC アダプタは防水構造ではありません。薬液の滴下や濡れには十
分注意してください。清掃や消毒をする場合は、必ず装置の電源を
切り、AC アダプタを抜いてから行ってください。
AC アダプタの分解・改造をしないでください。故障や破損、装置性
危険!
能の劣化を引き起こすおそれがあります。
危険!
血液検体による感染に注意してください。検査にあたっては感染の
危険性を避けるため保護手袋を着用してください。
注意!
床への落下などによる強い衝撃が加わった場合には、直ちに使用を
中止し、弊社担当者までご連絡ください。外観に異常が認められな
い場合でも、内部が破損しているおそれがあります。
注意!
装置の分解・改造をしないでください。故障や破損、装置性能の劣
化を引き起こすおそれがあります。
注意!
装置は防水構造ではありません。薬液の滴下や濡れには十分注意
してください。清掃や消毒をする時は、必ず装置の電源を切り、AC
アダプタを抜いてから行ってください。
注意!
付属の AC アダプタを使用してください。それ以外の AC アダプタを
使用した場合、装置が故障するおそれがあります。
注意!
AC アダプタを、熱源の近くに置かないでください。また、カバーをし
たり、直射日光や強い光、湿気を避けてください。
3
第1部
装置を結露させないでください。低温で保管または輸送を行った後
は、電源に接続したり電源を入れる前に、装置を 15~35℃の使用
注意!
注意!
に適した温度に順応させる必要があります。
電源接続部への接続が不適切であると、装置が損傷するおそれが
あります。指定 AC アダプタ以外のものを、装置の電源接続部に接
続しないでください。
AC アダプタのケーブルがよじれていたり、損傷した状態で使用する
と、装置が故障するおそれがあります。コードが引っ張られたり、挟
注意!
4
まれたり、よじれたりしていないことを確認してください。コードの上
に、重い物体や先端の尖った物体を置かないでください。
注意!
トレーの損傷を避けるため、トレーの上下から圧力を加えたり、指定
のキュベット以外のものを入れないでください。
注意!
消毒する場合には、市販のエタノール等のアルコール系消毒剤を使
用してください。
注意!
装置を輸送する際は、輸送中に装置が破損するのを避けるため、
キャリングケースに入れた状態で、適切な梱包をしてください。
第2部
第 2 部 操作方法および測定
2.1 準備
2.1.1 外観
以下に示す写真と照合して、構成品を確認してください。使用を開始
する際は、コンポラブ HB 本体や他の構成品に破損等がないか、ご
確認ください。
装置を輸送する際は、輸送中に装置が破損するのを避けるため、
注意!
キャリングケースに入れた状態で、適切な梱包をしてください。
①
②
③
④
⑤
⑥
①
②
③
④
⑤
⑥
コンポラブ HB 本体
AC アダプタ
リファレンスキュベット
キャリングケース
取扱説明書
コンポラブ HB 用キュベット(別売)
※製品外観は、写真と異なる場合があります。
5
第2部
2.1.2 作業環境のセットアップ
低温で保管または輸送を行った後は、電源に接続したり電源を入れ
る前に、装置を 15~35℃の使用に適した温度に順応させる必要が
注意!
あります。装置を起動する前に、適切な時間を設けてください。
コンポラブ HB は、以下に従い、安定した場所に設置して使用してく
ださい。




直射日光が当たらない場所
熱源から離れた場所
湿気の少ない場所
装置の前方におよそ 20cm のスペースを設ける
2.1.3 電源の点検
内蔵バッテリーで操作する場合、装置の電源を入れると、画面の右
側に表示されるバッテリーアイコンで、バッテリー残量の目安を知る
ことができます。
内蔵バッテリーを充電する場合や、AC 電源を使用して装置を使用
する場合には、AC アダプタをご利用ください。
注意!
AC アダプタのケーブルがよじれていたり、損傷した状態で使用する
と、装置が故障するおそれがあります。コードが引っ張られたり、挟
まれたり、よじれたりしていないことを確認してください。コードの上
に、重い物体や先端の尖った物体を置かないでください。
AC 電源を使用した操作
 AC アダプタを AC100V のコンセントに接続します。
 AC アダプタのミニプラグを、装置本体の電源接続
部に接続します。
6
第2部
バッテリー残量表示
 装置の電源を入れると、画面の矢印(→)が点滅し
て、内蔵バッテリーが充電中であることを示します。
 初めて使用する場合や、しばらく使用しなかった場
合は、内蔵バッテリーを充電するために、矢印記号
(→)が点滅しなくなるまで、装置を AC 電源に接続し
たままにしてください(装置を AC 電源へ接続した状
態で使用することも可能です)。
 バッテリーの満充電には、およそ 3 時間を要します。
満充電した装置を内蔵バッテリーで使用する場合、
連続使用時間は約 40 時間です。
内蔵バッテリーの使用
バッテリー残量は、画面の右上にあるバッテリー記号で
確認することができます。バッテリー記号の中の黒い棒
の数は、バッテリー残量の目安を示しています。
 黒い棒が 5 本すべて表示されている場合には、バッ
テリーは十分に充電されています。
 バッテリー記号の中の黒い棒が 1 本だけ点灯してい
る場合には、約 30 分後にバッテリー残量がなくなる
こ と を 示 し て い ま す 。 装 置 を 直 ち に AC 電 源
(AC100V)に再接続してください。バッテリー残量が
なくなると、装置の電源は自動的に切れ、バッテリー
の充電が行われない限り、装置の電源を入れること
はできません。
7
第2部
2.1.4 内蔵バッテリーの充電
充電時間
充電に必要な時間は、バッテリーの充電状態によ
ります(最長で約 3 時間)。バッテリーが満充電の時
には、右上の点滅する矢印が消えます。
内蔵バッテリーの充電中にも、ヘモグロ
メモ
充電のコツ
ビンの測定を行うことができます。
夜間に、装置を AC 電源に接続し充電しておくと、
翌日には再充電せずに測定を実施することができ
ます。
装置を継続的に AC 電源に接続しても、
メモ
内蔵バッテリーが過充電されることはあ
りません。
自動放電
装置を使用していない場合であっても、バッテリー
は徐々に放電します。少なくとも、9 ヵ月ごとに、装
置を AC 電源に接続し充電してください。
消費電力
装置の電源が切れている間の消費電力は最大 1W
です。
2.2 ヘモグロビンの測定
8
メモ
正確な測定値を得るため、検体採取から 5 分以内に、測定を実施し
てください。
メモ
本取扱説明書では、ヘモグロビン濃度は通常の単位の g/dL で示し
ます。この値に 0.62 を乗じると、mmol/L 単位に変換されます。
第2部
2.2.1 装置の電源オン
初めての測定を行う前は、装置の電源は切れている状態です。トレ
ーは閉じており、画面には何も表示されていません。
直前に測定を行っていた場合には、画面に測定値やキュベットのイ
ラストが表示されていることがあります。その場合には、「2.2.2 測
定」の項目に進んでください。
装置の電源を入れる:約 3 秒間、電源/確認ボタンを長
押しし、装置の電源を入れます。
画面にキュベットのイラストが表示されたら、測定を開始
することができます。
画面右上には、内蔵バッテリーの残量が、常時示されて
います。
メモ
装置の電源を切ったときに、トレーが開いたままの場合には、「2.2.2
測定」の項目をお読みください。
9
第2部
2.2.2 測定
ヘモグロビン値の表示(標準的な使用方法)
コンポラブ HB 用キュベットの添付文書に従って血液検
体を採取したキュベットを、トレーの窪みに正確に合わ
せて載せます。キュベットの先端を左側に向けてくださ
い。キュベットを間違った向きに載せて測定することはで
きません。
メモ
メモ
血液検体を採取したキュベットの試薬窓の外側に血液がついている
場合、キュベット内部の血液を吸い取らないように注意して、拭き取
ってから測定を開始してください。
検体採取時にキュベットの試薬窓に気泡を確認した場合は、廃棄
し、新しいキュベットで再度検体を採取し直して下さい。試薬窓に気
泡のあるキュベットを測定した場合、正確な測定値が得られません。
トレーを装置本体の方向へ軽く押してください。トレーが
自動的に閉じ、測定が開始されます。


メモ
10
画面に、砂時計のイラストが表示されます。
しばらくすると、測定が終了し、トレーが前方に開き
ます。
測定時間は 10~40 秒です(標準)。測定エラーが表示された場合に
は、「2.9 トラブルシューティング」の項目をご覧ください。
第2部
2.2.3 測定値


測定値は、設定した測定単位で、画面に表示されま
す。
必ず測定値を記録してください。一度キュベットを取
り出すと、測定値は再び表示されません。但し、
ボタンを押すと、その直前に画面に表示されていた
の内容が 3 秒間表示されます。
メモ
測定値の単位の変更については、本取扱説明書の第 3 部を参照し
てください。
ヘマトクリット値の表示(概算値)
コンポラブ HB は、ヘモグロビン測定値を基に、おおよそのヘマトクリ
ット値を表示することができます。
ヘモグロビンの測定を終え、測
定値が表示された時点で、
ボタンを長押しすると、その間、
ヘマトクリット値の概算値が表示
されます。ボタンを離すと、再
度、ヘモグロビンの測定値が表
示されます。
備考: 画面左上の小さな記号は、指定された製造業者又は修理業
者が作業で使用する目的ためのものです。
備考: ヘマトクリット値の概算値は、ヘモグロビン測定値に係数
2.94 を乗じることで得られます。
危険!
ヘマトクリット値の概算値は、ヘモグロビン濃度がヒトの通常範囲
(12.0g/dL~18.0g/dL または 7.44mmol/L~11.16mmol/L)にある
場合、および、貧血状態でない場合にのみ、参照してください。
11
第2部
2.2.4 測定後の対応




検体のキュベットをトレーから取り除きます。
別の検体のキュベットをトレーに載せ、再度、トレーを装置本体
の方向へ軽く押すことで、トレーが自動的に閉じます。
初めの測定値は画面から消え、装置は、新たな検体の測定を
開始します。
必要に応じて、トレーの清掃をしてください(「2.5 清掃と消毒」
参照)。
キュベットは再使用禁止です。
メモ
コンポラブ HB の電源入力時、また電源が入りトレーが
開いている間、15 分毎に、自動で光軸の調整が行われ
ます。
 光軸の自動調整が開始するとすぐに、天秤のイラ
ストが表示されます(左写真参照)。
 トレーが装置本体に収納されていない場合には、ト
レーは完全に開きます。
 天秤のイラストが消えます。
 しばらくすると、最新の測定時に表示された情報
が、画面に表れます。
 再び、装置を使用した測定を継続できます。
12
第2部
2.3 装置の電源オフ/スタンバイモード
機能
原因/動作
スタンバイ機能
設定された時間が経過すると、装置は画面の表示を停
止し、スタンバイモードになります。
スタンバイモード中に検体のキュベットをトレーに載せ、
装置本体の方向に軽く押すと、測定を開始することがで
きます。画面の表示も再開します。
メモ
手動で電源を切る
スタンバイモードでは、装置の電源を切った
状態よりも消費電力は多くなります。
電源/確認ボタン を約 3 秒間長押しすると、手動で
装置の電源を切ることができます。トレーが装置本体に
収納され、画面表示も停止します。
装置の電源を切った状態でも、電力は消費されます。
キュベットをトレーに載せた状態 キュベットがトレーに載った状態で、装置の電源を切ろう
で電源を切る
とした場合、通常どおり、トレーが装置本体に収納されま
す。その後、装置がキュベットを認識し、キュベットがま
だトレーに載せられていることを画面のイラストで知ら
せ、再度、トレーが開きます。
キュベットを取り除き、再度、装置の電源を切ってくださ
い。
トレーが空であるにもかかわらず、キュベットがトレーに
載せられていることを示唆するイラストが表示される場
合には、トレーを手動で閉じてください。この現象は、トレ
ーの穴(光の透過部)または内部光学ユニットが汚れて
いる場合に起こります。
 この場合、トレーの穴(光の透過部)を調べ、必要に
応じて清掃をしてください(「2.6 清掃と消毒」参
照)。
 清掃をしても問題が解決しない場合には、トレーを
手動で閉じ、弊社までご連絡ください。
13
第2部
最新測定値の表示
ボタンを 3 秒間押すと、最新の測定値が再度表示さ
れます。
このようにして、最新の測定値または最後のエラーメッ
セージを呼び出すことができます。
メモ
シャットダウン記号が表示された場合には、
装置の電源を切ってください。
長期間コンポラブ HB を使用しない場合には、スタンバイモードでは
なく電源を切ることを推奨します。この場合、トレーが閉じていること
メモ
を確認してください。消費電力を抑えることができます。
2.4 精度確認
コンポラブ HB は、測定時にトレーが開かれる度、自動的に光軸の
調整をする機能があります。しかしながら、装置の使用時には、使用
前点検としてリファレンスキュベットや弊社指定のコントロールを使
用した精度確認を実施してください。
注意!
リファレンスキュベットは、同梱された装置にのみ使用することがで
きます。保守点検や修理を依頼される際は、必ず装置とキュベットを
一緒にご用意してください。
リファレンスキュベットは、直射日光、強い光、熱源、汚れや損傷を
避けて保存してください。
2.4.1 リファレンスキュベットを使用した精度確認
 リファレンスキュベットをトレーに載せ、測定を実施します。
 測定値は、リファレンスキュベットに示された基準値から
±0.3g/dL(0.2mmol/L)以上逸脱してはなりません(第 2.5.2
章)。
 測定値がリファレンスキュベットの基準値から逸脱している場合
は、装置のトレーおよびリファレンスキュベットが汚れていない
か確認し、必要であれば清掃をしてください。
14
第2部
再度、測定をした際にも、測定値がリファレンスキュベットの基準値
から逸脱している場合には、弊社担当者までご連絡ください。
2.4.2 ヘモグロビンコントロール
精度確認には、弊社指定のヘモグロビンコントロールをご利用くださ
い。
品番
名称
190101N
ユーロトロール tHb Level1 (low) 2 本入
190102N
ユーロトロール tHb Level2 (normal) 2 本入
190103N
ユーロトロール tHb Level3 (high) 2 本入
 コントロールの入った容器を 15 分間、室温(15~30℃)環境に
置きます。
 容器内のコントロールを泡立てないよう、穏やかに転倒混和し
ます。
 容器を開封し、清潔な疎水性のプラスチック製プレートに滴下し
ます。コンポラブ HB 用キュベットで採取するのに十分な量を滴
下してください。
 コントロールをキュベットで採取したら、約 1 分間待ちます。
 装置のトレーに検体のキュベットを載せ、トレーを装置本体の方
向に軽く押します。
 測定値をコントロールの基準値と比較します。
 測定値がコントロールの基準値から逸脱している場合は、装置
のトレーおよびキュベットが汚れていないかを確認し、必要であ
れば装置を清掃してください。
 使用後のヘモグロビンコントロールは、容器の口やキャップに
付着したコントロールを清潔な布等で拭き取り、キャップで蓋を
し、2~8℃で冷蔵保存してください。
再度測定した際も、測定値がコントロールの基準値から逸脱してい
る場合には、弊社担当者までご連絡ください。
15
第2部
2.5 清掃と消毒
危険!
AC アダプタは防水構造ではありません。薬液の滴下や濡れには十
分注意してください。清掃や消毒をする時は、必ず装置の電源を切
り、AC アダプタを抜いてから行ってください。
血液検体による感染に注意してください。検査にあたっては感染の
危険!
危険を避けるため保護手袋を着用してください。
装置は防水構造ではありません。薬液の滴下や濡れには十分注意
してください。清掃や消毒をする時は、必ず装置の電源を切り、AC
注意!
アダプタを抜いてから行ってください。
注意!
消毒する場合には、市販のエタノール等のアルコール系消毒剤を使
用してください。
注意!
トレーの損傷を避けるため、トレーの上下から圧力を加えたり、指定
のキュベット以外のものを入れないでください。
清掃又は消毒をする時は、必ず装置の電源を切り、ACアダプタを抜
いてから行ってください。薬液等が付着した場合は、速やかに水又
はぬるま湯を浸したガーゼ等をよくしぼってから汚れをよく拭き取っ
てください。
消毒を行う際は、滅菌器等は使用せず、消毒用エタノールに浸した
ガーゼ等をよくしぼってから装置本体を軽く拭き、その後、水又はぬ
るま湯を浸してよくしぼったガーゼ等で、消毒液を拭き取り、更に乾
いた柔らかい布等で水気をよく拭き取ってください。
トレーと装置本体はマグネットで接続しています。トレーを本体から
はずして清掃又は消毒する際は、本体からゆっくり水平に引き抜き、
本体に戻す際は、トレーが完全に乾いてから、ゆっくり水平に本体に
差し込んでください。
16
第2部
2.6 保守およびサービス
保守点検を必ず
実施してください
保守点検
装置を使用する際は、使用前・使用後の点検を実施してください。
装置の使用にあたっては、定期的に保守点検を実施してください。
使用者による保守点検事項
使用前・使用後点検
- 本体および付属品の破損が無いこと。
- 動作確認(電源を入れたときの画面表示の確認、およびトレー
の動作確認)
- リファレンスキュベット又は弊社指定のヘモグロビンコントロー
ルを使用して精度確認を実施した際、測定値に異常がないこ
と。
業者による保守点検事項
定期点検
装置を安全に使用するために、使用者による保守点検とは別に、1
年に 1 度を目安に弊社指定の医療機器修理業者による定期点検
(専用治工具、測定器を使用した性能・安全性検査、分解・調整、劣
化部品の交換等)をご依頼ください。
装置の定期点検および修理につきましては、弊社指定の医療機器
修理業者だけが行うことができます。詳細につきましては、弊社担当
者にご相談ください。
点検・修理を依頼される際は、事前に装置の消毒をお願いいたしま
す。また、装置を輸送する際は、輸送中に装置が破損するのを避け
るため、キャリングケースに入れた状態で、適切な梱包をしてくださ
い。
17
第2部
2.7 トラブルシューティング
アラームおよびトラブル等の現象が発生した場合は、それぞれの対
処方法に従ってください。対処方法を実行してもトラブルが解決でき
ない場合は、装置が故障している可能性があります。直ちに使用を
中止し、弊社担当者までご連絡ください。
現象/表示内容
対処方法
画面に表示される言語が違う
本取扱説明書の第 3 部を参照し、表示される言語を
変更してください。
画面のバックライトが作動しない
本取扱説明書の第 3 部を参照し、バックライト設定を
オンにしてください。
画面の表示が読み取りにくい
本取扱説明書の第 3 部を参照し、画面のコントラストを
調節してください。
ビープ音が気になる
本取扱説明書の第 3 部を参照し、ビープ音の設定を
変更してください。
表示される測定値の単位を変更 本取扱説明書の第 3 部を参照し、単位の設定を変更
したい
してください。
測定終了後に電源が自動で切れ 本取扱説明書の第 3 部を参照し、スタンバイモードの
るまでの時間を変更したい
継続時間の設定を変更してください。
装置の電源が切れてしまったの 
で、再び電源を入れたい


ERROR
DRAWER BLOCKED
(トレー開閉エラー)
ERROR
MEASURING VALUE
TOO HIGH
(測定値エラー)
18
電源/確認ボタン
を約 3 秒間長押ししてくださ
い。
トレーが開いたまま電源が切れている場合は、トレ
ーを装置本体の方向へ軽く押すと、トレーが装置に
収納され、装置の電源が入ります。
トレーが開いたまま電源が切れている場合は、装置
の内蔵バッテリーが完全放電されている可能性が
あります。装置を AC 電源に接続してください。
トレーの開閉に何らかの障害があります。障害を取り除
いてから、電源/確認ボタン
を押して、エラーを解除
してください。
測定値が 25.5g/dL を超えています。
を押して、エラーを解除して
 電源/確認ボタン
ください。
 新しいキュベットで再度検体を採取し直してから、
測定をしてください。
第2部
現象/表示内容
対処方法
ERROR
MEASURING TIME TOO
LONG
このメッセージは、以下の状況で表示されることがありま
す。
(測定時間超過エラー)
-
キュベットでの検体採取が 1 回で行われなかった
キュベットの検体採取量が不十分
キュベットの試薬窓に異物が混入している
検体採取が適切に行われなかった
トレーが汚れている
ケース外部で長く保管されたキュベットを使用した
- 湿度インジケータジェルがオレンジ色から半透明に
変色しているケースのキュベットを使用した
を押した
- 測定中に、誤って電源/確認ボタン
 新しいキュベットで再度検体を採取し直して、測定を
やり直してください。
 それでも問題が解決しない場合は、装置の電源を
切り、数分経過した後に再度電源を入れてくださ
い。
ERROR
DRAWER TOO FAST
(トレー収納エラー)
このメッセージは、トレーを装置本体の方向へ押す力が
強すぎる場合、または力を入れないとトレーが装置に収
納されない場合に表示されることがあります。
 エラーを解除するために、電源/確認ボタン
を
押してください。
19
第2部
現象/表示内容
対処方法
ERROR
CALIBRATION
このメッセージは、キャリブレーションが正しく完了しなか
った場合に表示されます。
(キャリブレーションエラー)






電源/確認ボタン
を押して、エラーを解除してく
ださい。
キュベットを載せないまま、トレーを装置本体の方向
へ軽く押し、トレーを装置に収納してください。
3 回繰り返してもエラーが続けて出る場合には、装
置内部の光学ユニットが汚れているか、装置本体に
技術的な欠陥が生じた可能性があります。
トレーが汚れていないか確認し、必要に応じトレーを
清掃してください。
装置が使用に適した温度環境にあることを確認して
ください。低温で保管または輸送を行った後は、電
源に接続したり電源を入れる前に、装置を 15~
35℃の使用に適した温度に順応させる必要があり
ます。(2.1.2「作業環境のセットアップ」参照)。
トレーの清掃をしても問題が解決しない場合は、直
ちに使用を中止し、弊社担当者までご連絡ください。
キュベットを載せたまま電源を切 キュベットを載せたまま電源/確認ボタンを押して装置
る
の電源を切ろうとすると、トレーが装置に収納された時
に、画面にキュベットが載せられたままであることを示す
表示がされ、トレーが開きます。
キュベットをトレーから取り除き、再度、電源/確認ボタ
ンを押して装置の電源を切ってください。
装置の電源が自動的に切れる
装置はあらかじめ設定されたスタンバイモードの継続時
間(スタンバイ時間)を経過すると、電源が自動的に切れ
る仕組みとなっています。手動で装置の電源を切る場合
は、電源/確認ボタン
を約 3 秒間長押ししてくださ
い。
20
第2部
現象/表示内容
解決策
内蔵バッテリーが充電できない




ヘモグロビン測定値が高すぎる、 
または、低すぎる





装置が AC 電源に接続されていることを確認してくだ
さい。
AC アダプタのケーブルがよじれていないか、目に
見える損傷等がないか確認してください。
装置の背面にある電源接続部に破損等がないか、
確認してください。
問題が解決しない場合は、装置あるいは AC アダプ
タが故障している可能性があります。直ちに使用を
中止し、弊社担当者までご連絡ください。
キュベットが使用期限内のものであるか、または、
キュベットがケースから取り出した状態で長時間保
管されてたものでないか確認してください。
検体が適切に採取されたものであるか、確認してく
ださい。
キュベットが汚れていないか、トレーが汚れていない
か、また採血が適切に行われたかを確認してくださ
い。
キュベットの試薬窓に気泡を確認した場合は、当該
キュベットを廃棄し、新しいキュベットで再度検体を
採取し直してください。
適切な測定値の単位を使用しているか、確認してく
ださい。
問題が解決しない場合は、直ちに使用を中止し、弊
社担当者までご連絡ください。
21
第3部
第 3 部 ユーザー設定メニューの設定と
ソフトウェア
第3部
ユーザー設定機能
主題の重点:
 ユーザー設定メニューの操作と、設定範囲に関する説明
 プログラミングインターフェイスの使用
 高度なエラー検索
 ハードウェアとソフトウェアの改訂履歴
3.1 ユーザー設定メニューの操作
コンポラブ HB のユーザー設定メニューにより、各種設定を個別に変
更することができます。
 装置の電源を切った状態で、メニューボタン
を約 3 秒間長
押しします。
 1 行目に Menu という文字が表示されているのを確認してくださ
い。
ユーザー設定モード
メインメニュー画面
サブメニュー
操作ボタン
メニューボタン
選択ボタン
電源/確認ボタン
22
第3部
3.2 重要な基本設定
まず初めに、表示される言語および測定値の単位の設定方法を説
明します。
言語の設定
以下のように作業を進めます。
 メニューボタン
を押して、ユーザー設定モードに進みます。
 サブメニューに Language(言語)が表示されるまで、選択ボタ
ン
または
を押します。
を押して、サブメニューに進みます。
 電源/確認ボタン
 選択する言語が表示されるまで、選択ボタン
または
押します(日本語はありません)。
を
を
 選択する言語が表示された状態で、電源/確認ボタン
押し、確定します。その後、自動的にメインメニュー画面に戻り
ます。
23
第3部
測定値の単位の
設定
ヘモグロビン測定値の、初期設定単位は、g/dL です。この単位を変
更するには、次のようにします。
 サブメニューに Unit(単位)が表示されるまで、選択ボタンを
押します。
 電源/確認ボタン
を押し、選択する単位が表示されるま
で、選択ボタンを押します。
を
 選択する単位が表示された状態で、電源/確認ボタン
押し、確定します。その後、自動的にメインメニュー画面に戻り
ます。
ユーザー設定
メニューの終了
メニューボタン
を押して、ユーザー設定モードを終了すると、装
置は通常の測定モードに戻ります。
3.3 メニュー設定の概要
メモ
メニューボタン
を使用して、ユーザー設定モードを終了すると、
装置は、ソフトウェアのバージョン番号を表示した後、通常の測定モ
ードに戻ります。
設定中に何のボタンも押されないと、装置の電源はスタンバイ時間
の経過後、自動的に切られます。メニューボタン
または電源/
確認ボタン
す。
を使用して装置を起動すると、測定モードに戻りま
ユーザー設定モードのメインメニュー画面のサブメニューには、最後
に選択したサブメニューが表示されます。
24
第3部
サブメニュー
選択
LANGUAGE(言語)
表示される言語を切り替える機能
BACKLIGHT
画面バックライトの入/切を設定する機能
(バックライト)
UNIT(単位)
測定値の単位を g/dL から g/L 又は mmol/L に切り替える機能
SIGNAL TONES
ボタン確認音、測定終了時のアラーム音、エラー時の
アラーム音の入/切を設定する機能
(ビープ音)
STANDBY TIME
(スタンバイ時間)
スタンバイモードの継続時間を設定する機能
設定値を選択した後:
選択内容を確定・保存します。
選択内容を確定・保存せずに、サブメニューを終了します。または、ユーザー設定
モードを終了します。
3.4 通信ポート
コンポラブ HB の電源接続部( 9V= とマークされている)の脇に、通
信ポート(
とマークされている)があります。これは、製造業
者または指定の修理業者が使用する目的のためのポートです。装
置の使用者が使用することはできません。
X
通信ポートを使用して他の通信機器に接続しないでください。
注意!
25
第3部
3.5 ソフトウェアのバージョン
コンポラブ HB の電源をを入れた後、すぐに、装置のソフトウェアの
バージョン番号がおよそ 3 秒間表示されます。
ソフトウェアのバージョン番号は、
ここに表示されます!
26
第4部
第 4 部 仕様
装置の仕様
使用時の温度
15~35℃
保管時の温度
0~50℃
湿度
30~100%(結露なきこと)
検体血液量
10 l
測定範囲
0~25.5g/L(0~255g/L、0~15.9mmol/L)
測定精度
±0.3g/dL(測定値が 0~20g/dL の範囲)
±0.7g/dL(測定値が 20.1g/dL~25.5g/dL の範囲)
測定波長
570nm、880nm
測定時間
10~40 秒(標準)
100 秒後にタイムアウトメッセージ
内蔵バッテリー
リチウムイオン 3.6V
電気的定格
AC100~240V、50/60Hz(AC アダプタ)
DC9V(本体)
電撃に対する保護の形式に
よる分類
保護クラス II
水の有害な浸入に対する
保護の程度の分類
IP21
消費電力
5VA(AC 電源時)、5W(DC 電源時)
内蔵バッテリーの連続使用
時間
満充電で連続使用した場合に、約 40 時間
寸法
(トレーが開いた状態)
幅=11.5cm、高さ=6cm、奥行き=18cm(23cm)
重量:
495g(本体)
設計開発
製造業者
Fresenius Kabi AG,ドイツ
CellMed AG,ドイツ
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第5部
第 5 部 製造業者の適合宣言
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連絡先
連絡先
製品についてのご相談やお問い合わせ、また万一、製品の使用に
おいて問題が発生した場合には、弊社までご連絡ください。
お問い合わせ先
フレゼニウスカービジャパン株式会社
〒140-0001 東京都品川区北品川四丁目 7 番 35 号
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FAX:03-3280-3212
アフターサービス
(定期点検)
製造販売業者
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一般医療機器
特定保守管理医療機器
一般的名称: ヘモグロビン分析装置
販売名: コンポラブ HB
届出番号: 13B1X10058000001
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