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平成22年度埼玉県中学校教育課程説明会資料
技術・家庭
「中学校教育課程指導資料」の活用について
(1)基本的な考え方
本資料は、中学校学習指導要領、中学校学習指導要領解説、埼玉県中学校教育
課程編成要領(以下「編成要領」)の趣旨及び内容を踏まえ、各学校において、
指導計画に基づく学習指導を展開する際の具体的な資料となるよう作成した。
各学校においては、技術・家庭科の目標を達成するために、生徒、学校及び地
域社会の実態に即して、指導計画の作成及び学習指導を展開する上で大いに活用
し、円滑に教育課程を実施していただきたい。
(2)取り上げた内容(一部抜粋)
技術分野では、「編成要領」の「3 3学年間を見通した指導計画例1」「4
技術分野の指導計画例」の中から、家庭分野では、「5 家庭分野の指導計画例」
の中から、それぞれの題材における指導の事例を5例ずつ取り上げ、今回の改訂
により、新たに加わったり、必修となったりした内容にも配慮した。
また、両分野にかかる「安全・衛生に関する指導」、「学習指導と評価」につ
いても取り上げた。
指導計画例1
技術って何だろう?
~技術分野ガイダンス~
技A(1)アイ
・生活で活用されている技術に関心をもたせ、3学年間の学習の見通しをもたせるガイダンスの指導計画の例
指導計画例2
身の回りを整理する作品をつくろう!
技A(2)ウ
・材料と加工に関する技術の適切な評価・活用について考えさせる指導計画の例
指導計画例3
エネルギー変換を利用したインテリアをつくろう!
技B(1)アイ(2)ア
・生徒の発想を生かし、工夫して製作することの喜びや技術にかかわる倫理観を育成するための指導計画の例
指導計画例8
1日の献立を考えた日常食の調理をしよう!
家B(1)イ
・生徒が自分の食生活について関心をもち、主体的に考えることができるようにする指導計画の例
指導計画例9
住まいの安全を考え、防災グッズをつくろう!
家C(1)アイウ
・小・中学校の系統性を踏まえ、基礎的・基本的な知識及び技術の習得と活用を図る指導計画の例
指導計画例10
家庭生活と消費
家D(1)アイ
・他の学習内容との関連を図り、具体的な事例を通して実践的に学習することができる指導計画の例
(3)実践化への配慮事項
各学校での指導に当たっては、生徒、学校及び地域社会の実態を踏まえ、実践
的・体験的な学習活動を一層充実するとともに、特に次の5点について配慮する。
①小・中学校の内容の系統性を踏まえた指導
②問題解決的な学習を一層充実した指導
③社会の変化に対応した指導
④家庭・地域社会との連携を深めた指導
⑤言語活動を充実した指導
- 中技家1 -
技術分野
指導資料p130参照
指導計画例の内容及び題材の例を示し、
題材のねらいや指導計画作成上のポイン
トを示している。
「技術の適切な評価・活用における配慮」「技術にか
かわる倫理観を育てるための配慮」「新しい発想を生
み出し活用しようとする態度を育成するための配慮」
など、指導上の配慮事項について示している。
学習課題の例や主な学習活動及び
指導上の留意点を示している。
指導資料p130参照
中学校学習指導要領の指導事項及び
配当する指導時数を示している。
生徒が実際に製作する
作品を例示している。
- 中技家2 -
指導資料p135参照
題材の展開例として、1~2時間の展開を取り上げ、
ねらいや授業のポイント等を示している。
学習課題の把握のさせ方、課題を解
決するための手だて、課題解決に向
けた教師の働きかけ、評価規準を示
している。
題材及び指導法の工夫や教材・教具の活用等の主なポ
イントが示されている。また、製作途中での工夫点や
効率的な作業の手順を取り上げ、題材の発展性につい
ても触れている。
指導資料p133参照
授業で使用するワークシートについて、生徒が記述する際のポイント
や評価の視点を示している。
- 中技家3 -
家庭分野
指導資料p138参照
家庭分野の内容の指導に当たっては、小学校家庭
科の学習を踏まえ、系統的、発展的に指導ができ
るよう配慮することが大切である。ここでは、内
容AからDごとに、内容項目や事項を明記し、小
学校家庭科との関連を具体的に示している。
指導計画については、「編成要領」で取り上げた題材の指導事項
及び指導内容や配当する授業時数を具体的に示している。
指導資料p142参照
内容「D身近な消費生活と環境」の学習は、他の内容の学習と相互に関連を図り、総合
的に展開できるように配慮することが大切である。この指導計画は、「B食生活と自
立」との関連を図ったものであり、指導資料p138の指導計画例8における7時間の
指導内容の詳細である。他の指導計画例についても、取り上げた題材の関連性を踏まえ
た指導計画となっている。
- 中技家4 -
指導資料p137参照
各指導計画例において、「題材及び指導法の工夫」の項目が設定されて
いる。ここでは、取り上げた指導計画例の他にも考えられる指導の展開
例が示されていたり、指導上のポイントが示されていたりして、各学校
の実態に応じた指導の参考となるよう配慮した。
取り上げた
題材につい
ては、具体
的な1時間
分の指導の
展開例を示
した。特
に、「生活
との関連」
「小学校の
学習とのか
かわり」
「安全・衛
生への配
慮」につい
ては個別に
表示し、教
師が意識し
て指導でき
るよう配慮
した。
指導資料p141参照
【安全・衛生に関する指導】
指導資料p144参照
安全・衛生に関する指導の参考となるよ
う、実習を中心に、特にポイントとなる
指導事項について取り上げている。
【学習指導と評価】
中学校学習指導要領解説「技術・家庭編」におい
て、内容の取扱いから読み取れる評価の視点及び
評価規準の例を示している。
- 中技家5 -
授業改善のポイント
平成22年度指導の重点・努力点p41参照
(1)3学年間を見通し、生徒の主体性をはぐくむ指導計画の作成と活用
指導計画の作成に当たっては、新学習指導要領の趣旨や教科の目標及び内容を踏まえ、分野間の
関連や履修の仕方等について生徒や地域の実態、小・中学校の系統性、他教科との関連性を考慮し、
3学年間を見通した具体的なものとする。また、生徒の興味・関心、能力・適性等を生かし、実践
的・体験的な学習活動が計画・実践・評価できるようにするなど、多様な学習の進め方の工夫に努
め、生徒の自己評価能力や主体性をはぐくむ。
○技術を評価し、活用する能力
と態度を育成(技術分野)
○小学校における図画工作、生活、
理科での学習を考慮
(2)生徒のよい点や可能性を生かす学習指導と評価の工夫
生徒一人一人の発想を大切にした学習指導を展開し、基礎的・基本的な知識及び技術の確実な定
着を図るとともに、進んで生活を工夫し創造する実践的な態度を育てる。
そのため、生徒一人一人の個性を生かす学習形態や題材の工夫、多様なメディアの活用など、生
徒が自ら課題をもち、主体的に学ぶことができるよう指導方法の工夫改善に努める。
授業の展開に当たっては、学ぶ楽しさや実践の喜びを主体的に体得させるよう工夫する。その際、
生徒一人一人のよい点や可能性を生かすため、評価規準を明確に示し、学習状況を多面的・継続的
に評価するなど、目標の達成状況を把握するとともに、個に応じて適切に指導する。
○指導計画の立案の段階から評価計画を組み込む
(3)学習環境の計画的な整備及び安全と衛生にかかわる管理と指導の徹底
実習で取り扱う機械類、工具類、刃物類、引火性液体、電気、ガス、火気などは、定期的な点検
整備等を行い、常に最良の状態を保ち、安全・衛生の管理・保持を図る。
そのため「中学校技術・家庭科安全指導の手引」(平成14年3月県教委)を参考に、安全管理
組織、使用規定を定めるなど学習環境の整備・充実に努める。
指導に当たっては、生徒が主体的に学習を進められるよう、用具や材料の管理に関する能力を育
成するとともに、潜在的な危険を予測し、安全に行動しようとする態度を身に付けさせる。
○学習前点検の励行
○取扱説明書等に基づき適切な使用方法を遵守
○農業高校との連携など校外
での学習についても配慮
(4)「空間軸・時間軸」と体系化
改善の基本方針として、「自己と家庭、家庭と社会のつな
がりを重視する」という空間軸の視点がある。生活の自立は、
家族や家庭とともにあり、家庭は社会とのつながりの中にあ
るということを意識して題材を組んで指導する。
また、「これからの生活を展望して」という中学校の時間
軸の視点から、発達の段階に応じ、自立への見通しをもたせ
るようにする。さらに、「よりよい生活をおくるための能力
と実践的な態度を育成する」ために、小・中・高をつないだ
体系化を図る。このような視点から、確かな知識・能力を育
む効果的な学習を行うように配慮する。
中等教育資料(文部科学省)平成20年10月号より
(5)ストーリー性のある3学年間を見通した指導計画の作成
家庭に関する教育を体系的に扱う視点から、小学校での学習を踏まえた中学校での学習のガイダ
ンス的な内容を図るとともに、他教科等との関連を明確にし連携を図っていく。その際には、スト
ーリー性のある3年間を見通した指導計画を作成し、中学校での学習の見通しを立てさせ、意欲を
もって学習に臨ませる。ストーリー性のある指導計画を作成する際には、連続性があり、題材同士
をつなぎ、系統性をもたせ、段階的に高まっていくように配慮する。
- 中技家6 -