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県立志島大学入時文化学部紀要
3,21-31 (
2
0
0
8
)
市販ゲル化剤を用いた畷下造影検査食に関する基礎的な検討
山鯨誉志江・桔下
淳
要
ヒー
目
{目的]嘱下造影検査 (VF) で用いられるバリウムがトロミの粘度を変化させるという報告はされ
ているが、重度の礁下障害者に多用されるゼリーの物性に及ぼすバリウムの影響を検討した報告は少
ない。また、ゼリーの物性は温度によって影響を受ける。本研究では、バリウムお添加がゼリーの物
性に及ぼす影響、及びバリウムゼリーを作製する擦に静置する温度が物性に及ぼす影響を検討した。
{方法) 50w/v%に希釈した液体バリウムに、 5種類の市販ゲノレ化剤(寒天、ゼ、ラチン、キサンタ
ンガム製剤、カラギーナン製剤、ベクチン〉を用いてゼリーを作製した。対照として、バリウムを添
加していない水ゼリーを作製した。諦定にはクリープメータを用い、かたさ・付著性・凝集性を算定
した。
{結果]バリウムの添加の影響は、ゲ、ノレ化弗j
によって異なることが分かった。バリウムゼリーの温度
に対する影響もゲルイヒ斉Ijによって異なり、寒天、ペクチンは起のゲノレ化剤より温度の影響を受けにく
い傾向が見ちれた。
[結論:バリウムの添加によってゲル化剤により異なる影響を受け、また、湿度変化に対するバリウ
ムゼ、リーの物性の動態も異なった。このことから、 V Fに用いる検査食の規格化の必要性が示された。
Keywords:~燕下障害、嘆下造影検査食、物性、バリウム、温度
緒 菌
摂食・嘆下障害者に対して、それぞれの模下機能状態に合った形態の轄下食を提供することは重要
である。個々の患者に遺した食形態を評価するために、わが国ではフードテスト1)や轄下内視鏡検査
(
V
i
d
e
o
e
n
d
o
s
c
o
p
i
ce
x
a
m
i
n
a
t
i
o
no
fs
w
a
l
l
o
w
i
n
g:V E)などが行われているが、より多くの情報が得られ
る評価方法として礁下造影検査 (
V
i
d
e
o
f
l
u
o
r
o
s
c
o
p
i
ce
x
a
m
i
n
a
t
i
o
no
fs
w
a
l
l
o
w
i
n
g:以下、 VF) が実施さ
れている。 V Fでは硫酸バリウム等の造影剤を用いるが、バリウムの添加によって物性が変化し、患
)。しかしながら、バリウムが食
者の食形態に関する的確な評倍がされていないという報告もある 2,3
品物性に及ぼす影響を、重度の嘆下揮害者に遣する形態であるゼ、リーを用いて検討した報告は少な
し
、
。
そこで本務究では、主成分の異なる 5種類の市販ゲノレ化剤を用いて作製したゼリーに、バリウムの
添加が及ぼす物'性への影響を検討した。また、 V Fでは検査に要する時間が患者や施設により異なる
ことが想定される。ゲノレ化弗j
で、作製するゼリーは冷蔑庫に保管することで作製されることが多いが、
室逼に静置すると逼度変化が生じてくる。一方、室還でもゲ、ル化するベクチン等を用いたゲノレ化剤も
存在する。キサンタンガム製剤において、ゼリーを冷蔵庫から取り出して室湿まで戻した場合でも、
室温に静量してゼリーを作製した場合でも、品温が同じになれば同等の物性が得られた 4
)。このこと
を参考に、今回の研究では、ゼリー作製時に静霊する温度を変化させ、パヲウムゼリーの品逼の変化
による物性への影響も検討したので報告する。
21
山懸誉志江ほか
市販ゲ、ノレ北剤を用いた礎下造彰検査食に関する基礎的な検討
材料と方法
上詰料
硫酸パヲウムは、パリトゲンゾル [100w/v%J (伏見製薬株式会社:以下、抜体パヲウム)を用
い、ゲノレ化剤は、主原料の異なる 5種類として、かんてんクック(伊蔀食品工業抹式会社:以下、寒
天〉、ニューシノレバー穎粒〈新田ゼラチン抹式会社:以下、ゼラチン)、ソフティア 2ゲ、/レ(ニュート
リー株式会社:以下、キサンタンガム製剤)、アクアジュレパウダー{株式会社フードケア:以下、
カラギーナン製剤)、かんたんゼリーの素〈キューピー株式会社:以下、ペクチン〉を用いた。
バリウムを添加するゼリー(以下、バリウムゼリー〉の作製方法として、加熱を要する寒天、ゼラ
チン、キサンタンガム製剤、カラギーナン製剤は、液体バリウムをイオン交換水(以下、水〉で、50w
/v%~こ希釈後、加熱・撹非しながら各種ゲ〉レ化剤〈寒天、ゼラチン、キサンタンガム製剤、カラギー
ナン製剤〉を加えた。この時の希釈率は、硫酸バリウムの濃麦 (w/w%) が、暁下造影の標準的検査
法(詳締版) 5) に適するように決定した。加熱中は携枠を続け、揖騰が確認されてから 1分需その沸
騰状態を保った。ただし、ゼラチンの場合のみ、沸騰させると義国しにくくなるため、 8
5Cに到達後
0
1分間その退度を保った。蒸発した水分相当量の熱湯(約90C) を加えた後、重径40mm、高さ 1
5
m
mの
0
シャーレに充填した。室温に 5分静置して荒熱をとり、
3:
t2Cの冷蔵産、又は 1
0C、 20C、 30Cに
0
0
0
0
設定したインキュベータ内に静置し、物性澱定に供した。対照として、バリウムを添加しない水ゼ
リーを同様の手I
}
頂で作製した。
加熱を要さないベクチンについては、譲手本バリウムをイオン交換水で 50w/v%に希釈後、均一に
携持し、ペクチン 1包を添加後直ちにティースプーンで毎秒約 4回の速度で30
秒擾祥した。今回用い
たベクチンは液状であるため、
1包以下やそれ以上の添加が困難なことから、
1包に対して水の添加
量を変化させた。このペクチン 1包には20gが充填されているが、充填されていた容器に 2g程度付
着するため、実際に使用できるのは約 1
8gであった。この時においても、硫酸バリウムの濃度 (w/
w%) が、礁下造影の標準的検査法(詳細版) 5) に適するように、液体バリウムの希釈率を決定した。
これを亘径40mm、高さ 1
5
幽のシャーレに充填し、
0
0
3:
t2Cの冷譲庫、又辻 1
0C、 20C、30Cに設定し
0
0
たインキュベータ内に静置し、物性測定に供した。対照として、パヲウムを添加しない水ゼリーを同
様の手穎で作製した。
2
. 物性灘定
物性の測定はクリープメータ (RE23305B:U
J電側〉を用い、シャーレに充填した試料を、亘径20
阻 の プ ラ ン ジ ャ ー で 、 ク リ ア ラ ン ス 5mm、 圧 縮 速 度 1m
m
/
s
e
cで、定速 2回 圧 縮 し 、 得 ら れ た テ ク ス
チャー曲線より、かたさ、付着性、凝集性を葬定した。同時にレーザー温震計 (THERMO-HUNTER
PT-7LD:OPTEX) を用い、物性測定後の品温(表面温度)を測定した。
結 果
1.各種ゲル化剤で作製したゼリーの物性に及 i
ますパワウム添加の影響
図 lに、各種ゲノレ化奔j
で作製した水ゼリーが、かたさ 1
0
0
0
0:
t1000N/
r
r
fになる濃慶における、物性
に及ぼすバリウム添加の影響の結果を示した。ベクチンの場合は 5mQおきに水の量を変化させ、その
他のゲ、ノレ化剤では0.05%おきにゲ/レ化剤の量を変化させて水ゼりーを作製した場合の予錆的な検討で
は 、 冷 蔵 産 で22:
t2時 間 静 置 後 、 水 ゼ リ ー の か た さ が 1
0
0
0
0:
t1000N/
r
r
fと な る 濃 変 は 、 ゼ ラ チ ン
2
2
県立広島大学人関文化学部紀要
a
.かたさ
b 付着性
0
.
9
E バリウム{ー〉ロバリウム(+)
、
J
t 12000
た
さ10000
可 80∞
2
邑9
0
.
8
付
着
性 150
凝 0
.
6
0
.
7
集。 5
[
J
/ 100
今
回
∞
~
C. 凝 集 性
1
.0
250
16000
14000
∞
3,2
1
3
1(
28
)
.
4
性 0
狩1
4000
0
.
3
0
.
2
50
2000
0
.
1
D
G
A
G
X
C
0
.
0
A
P
G
X
C
P
A
G
X
C
P
A:寒天. G:ゼラチン. X:キサンタンガム製剤. C:カラギーナン製剤. P:ベクチン
医 1.バリウムの森加によるゼリーの物性変化
1
.8
0弘、キサンタンガム製剤1.25%、カラギーナン製剤 3.95%、ベクチンで、は水 1
0
0
m
Qで、あった。寒天
は、この条件でほかたさが 1
0
0
0
0:
:
t1000NI
ぱに相当する濃度が存在しなかったため、 10000N/mに最
も近い値を示した 0.40% (
1
1
0
4
5:
t865N1
m) を採用した。
図 1-aより、バリウムの添加で、キサンタンガム製剤ではかたさが増加し、その能のゲノレ化剤で、
はかたさが減少することが分かった。その増減の軽度辻、寒天 -16%、ゼラチン -12弘、キサンタン
ガム製剤 +22%、カラギーナン製剤一 19%、ベクチンー 24%であり、およそ 2割前後の増減率で、あっ
た
。
図 1-bおよび図 1- cより、ほぼ同じかたさに調裂した水ゼリーであっても、ゲノレ化斉Ijによって
付着性と装集性が異なることが分かった。国 1-bより、水ゼリーの付着性辻、ゼラチンで最も高
く、カラギーナン製剤で最も低かった。バリウムを添加することによる付着性への影響辻、寒天-
17%、ゼラチン +57%、キサンタンガム製剤一 29弘、カラギーナン製剤 +178%、ベクチン十 137%で
あり、寒天のように影響の少ないものから、カラギーナン製剤やペクチンのように 2倍以上となるも
のまで様々であった。図 1- cより、水ゼ、リーの装集性は、ゼラチンで最も高く、寒天で最も低いこ
とが分かった。バリウムを添加することによち、凝集性は寒天、ベクチンで増加し、ゼラチン、キサ
ンタンガム製剤、カラギーナン製剤で減少した。以上のことから、冷蔑庫で作製したゼリーのバリウ
ムの添加によるかたさ、装集性、付着性への影響は、増加するものも減少するものもあ号、ゲノレ化斉J
r
によってその影響の程度が異なることが分かった。
2
. バリウムゼワーの物性に及 i
ます逼度の影響
0
0
0
0土 1000NIぽ に な る 濃 度 に お け
図 2に、各種ゲル化斉Ijで、作製したバリウムゼソーが、かたさ 1
る、物性に及ぼす温度の影響の結果を示した。ベクチンの場合は 5mQおきに水の量を変化させ、その
他のゲルイヒ斉Ijでは0.05%おきにゲノレ化膏j
の量を変化させて水ゼリーを作製した場合の予備的な検討で
は、冷蔑庫で 2
2:
:
t2時 間 静 童 後 、 バ リ ウ ム ゼ リ ー の か た さ が 1
0
0
0
0:
:
t1000N1mとなる濃度は、寒天
0.40%、ゼラチン1.85%、キサンタンガム製剤1.15%、カラギーナン製剤4.35%、ベクチンでは水8
5
m
Qで、あった。これらの濃度で、 3C、 1
0C、2
0C、 3
0Cに2
2:
:
t2時間静置してゼリーを作製した。こ
0C及 び30C、ベクチンでは3
0Cに静置した場合に、十分にゲ、ノレ化していなかっ
の時、ゼラチンでは 2
0
0
0
0
0
0
0
た
。
図 2-aより、どのゲ、ノレ化剤においても、品温の上昇とともにかたさが減少していることが分かっ
也のゲ、ノレf
ヒ剤と比較して、ゲ、lレ形成時に温度
た。かたさの減少は寒天及びペクチンで緩やかであり、 f
2
3
山懸誉志江ほか
市販ゲルイと弄jを用いた礎下遺影検査食に関する基礎的な検討
a
.かたさ
12000
方
、 1
0000
た
さ 8000
N/jm
︹
L
.
.
.
.
.
I
6000
C
~ιー寒天
4000
・
・
・ 0・・・セ.ラチン
一一・-ーキサン事ンガム製剤、
・
・
・ 8・・・主ラギーナユ製剤
チ
ン
一一合一ーへaク
2000
。
。
5
10
15
O
20
30
25
品 温[
O
C
]
b 付着性
500
400
300
。
o
付 着 性 [ J /ポ
----*-ー寒天
・
・
・ 0・・・セラチン
ー→トーキサン書ンガム製需
---E)--カラギーナ:越鵡
チ
ン
一一色一ーへeク
200
100
。
。
5
10
15
20
25
30
品j
量.
[
O
C
]
C_ 凝 集 性
1
.
0
0
.
9
0
.
8
0
.
7
一
ーιー 寒 天
・
・0・・・ゼラチン
---1トーキサン事ンカ.ム製剤
・
・8・・・カラギーす濃額
一一会一ーイタチン
凝 0
.
6
集 0
.
5
,
一
.
→
G
24
O
,
0'
性 0
.
4
0
.
3
0
.
2
0
.
1
0
.
0
国
G
B
5
10 15 20
品逼 [
O
C
J
25
2
. 品温がゼリーの物性に及ぼす彦警
30
果立広島大学人間文化学部紀要
3,2
1
3
1(
2
0
0
8
)
の影響を受けにくいことが分かった。
図 2-bより、品逼の上昇に伴ってゼラチンとベクチンで付着性が減少した。その他のゲル化剤で
は、品温の変イヒに伴う付著性の変化が I
J、さいことが分かつた。図 2一 C より、ゲルイとしなかったゼラ
チン2
0C、 3
0Cおよびカラギーナン製剤 3
0Cを除くと、品逼が変北しでも凝集控はほぼ一定の笹を示
0
0
0
すことが分かった。
考 察
現在、市場には数多くのゲ、ノレイヒ斉Ijが存在する。海藻抽出物の寒天やカラギーナン、果実から抽出さ
れる多着類のペクチン、発酵で得られる多糖類のキサンタンガムやジェランガム、動物性たんぱくの
ゼラチンなどがあり、歯ごたえのある食惑からゆるい食感のものまで、指費者の噌好に合わせて製品
が開発されている 6) 臨床現場では、摂食・礁下嘩害者の栄養管理にこのようなゲル化斉Ijを用いた市
0
販ゲ、ノレ化剤が使用されている。今回の研究では、臨床で広く用いられている市販ゲ、ル化剤 5種類を用
いて検討した。寒天、ゼラチンはそれらが 100%原料であるが、キサンタンガム製剤ではキサンタン
ガムの他にローカストピーンガム等を含むことが推察され、カラギーナン製剤では κーカラギーナン
の他にローカストピーンガムやソン酸 1カリウム等を含み、ベクチンについてはリン酸カルシウム等
が共に充填されている。
ゼラチンは、水溶液が均震なゼリーになるまでに長時間を要し 7)、水溶液を冷却していくと一定温
震に達するのにお時間以上を要する 8)。このことから、十分にゲソレ化させ、 5種類のゲ、ノレ化斉!Jの冷却
条件を統一するため、すべてのゼリーにおける冷議時間を 2
2:
t2待問に設定した。また、重度の嘆下
露害者に提供する食品はかたさ 10000N/ni
以下が適切であるという報告9、ゆから、バリウムの影響お
よび温度の影響を検討する際、冷蔵庫から取り出した直後のゼリーの物性が 10000N/niになる濃度で
検討した。バリウムの影響を検討する際は水ゼリーのかたさを、温度の影響を検討する際辻バリウム
ゼリーのかたさを基準とする 10000N/niとした。
1.各種ゲル化膏j
で作製したゼリーの物性に及ぼすバリウム添加の影響
冷蔵庫から取り出した豆後、水ゼリーのかたさが約 10000N/niとなる濃度は、寒天0.40%、ゼラチ
ン1.80%、キサンタンガム製剤1.25%、カラギーナン製剤 3.95%、ベクチンで、は水 100mQで、あった。こ
のように、同じかたさを得るために必要な添加量はゲ、ル化剤によって大きく異なることが分かった。
寒天では、 0.05%おきに物性を瀦定したところ、今宮設定した 1
0
0
0
0:
t1000N/
niの範囲に入る護度が
存在しなかった。これは、 0.05%の添加量を変化させる事で 2000N/
n
i
以上もかたさが変動するためで
あり、寒天を使用する場合は、かたさを調節するために細心の注意を払う必要があることが分かった。
また、カラギーナン製剤では、同じかたさを得るために他のゲノレ化荊よりも添加量を多く必要とした。
かたさ約 10000N/niで作製したゲノレでも、ゲ、/レイと斉Ijによって付着性、疑集性が異なることが分かっ
た。付着性では、ゼラチンやペクチンは、寒天、キサンタンガム製剤、カラギーナン製剤よりも高値
を示した。丹治ら11)は、同じかたさに誘製したお茶ゼリーの付着性は、寒天ゼリーやカラギーナン製
剤ゼリーよ号、ゼラチンゼリーで高い値を示したと報告している。また、藤井ら 12) は、異なるゲノレ化
剤で作製したミルクゼリーを、同等のかたさで比較した時、寒天や
L
ーカラギーナン、アルギン酸と
比較して、コーンスターチ、ペクチンで作製したゼリーで非常に高い付着性が得られたと報告してい
.
2
6と誌{直、ゼ
る。これらは本研究の結果と間接の傾向を示している。凝集性については、寒天では 0
.
6
6と高植を示し、その抱のゲ、ノレ化剤では0
.
4議後の僅を示した。丹治ら11)によると、か
ラチンでは0
2
5
山懸誉志江 t
まか
市販ゲ、ノレ化剤を用いた横下造影検査食に関する基礎的な検討
たさ 1
0
0
0
N
/
r
r
fで比較した時にも、今自の結果と同様、疑集性はゼラチンで高く、寒天で低い値を示し
た。また、 1
0
種類のゼラチンを用いて1.60%のゼリーを作製すると、装集性はすべて0
.
5
"
'
0
.
7で、あった
という報告がある l針。今回はゼラチンの濃慶が1.80%ではあるが、同様に高い凝集性を示した。
これらのことから、水ゼリーの性状として、寒天は付着註・装集性が抵いため、くっつきにくいが
バラけやすく、ゼラチンは付着性・凝集性が高いため、まとまりやすいがくっつきやすいゼリーであ
ることが分かった。キサンタンガム製剤、カラギーナン製剤では、装集性がこれらの中間の 0
.
4付近
であり、比較的付着陸も低かった。これらは、模下撞害者に提供している食事は、付着性が高いもの
でも凝集性が0
.4
前後であれば提供しているという報告 14、15) からも、嘆下障害者にとって適した物性
のゼリーであることが分かった。また、ベクチンで作製したゼリー辻、寒天に近い物性を示すことが
分かった。
バリウムの添加 ζ よってトロミの粘度が変化することが報告されている 16) が、ゼリーの物性に及ぼ
す影響についての報告は少ない。今回用いた各種市販ゲ〉レ化剤においても、バリウムの添加がゼリー
の物性に及ぼす影響について検討した。
費用した液体バリウムが、ゼリーの物性に影響を及ぼす可能性があると考えられる冨子に、 50w/v
%に希釈した場合の p Hは約4
.4であり酸性溶液であること、原液 100m
e
.(
約 178g) 中に硫酸パヲウ
ム 100gを含有すること、添加物としてトラガント、アルギン酸ナトリウム、ソルピン酸、デヒドロ酢
酸、サッカリンナトリウム、パニリン、香料を含有することが挙げられる。硫酸ノミリウムの水への溶
解度は 1
0
0Cの時0.41mg/l00m
.eと難溶1わであり、ほとんど電離せず、液体ノ〈リウムは懸混液の状態と
0
なっている。また、添加物の含脊量について取扱説明書に詳細な記載はされていないため、含有量は
不明である。
パヲウムの添加の影響で、ほとんどのゲ、ノレ化剤でかたさが減少したが、キサンタンガム製剤ではか
たさが増加した。キサンタンガムは、単品では増粘する性質しかないが、ガラクトマンナン類である
ローカストピーンガムと併用することにより、弾力に富んだゲルを形成することができる問。しかし
ながら、これらの護合比によってゲル構造にかなりの違いが出ることが知られており問、キサンタン
ガム製剤におけるゼリーの物建へのバリウム添加の影響は、混合比によって機序が異なるかもしれな
い。また、 2
0Cに静置して作製したキサンタンガム製剤ゼリーでは、バリウムの添加によってかたさ
0
が減少した久つまり、バリウムゼリーのかたさは水ゼ、リーのかたさと詑較して、
3Cでは大きく、
0
20Cでは小さかった。このことかち、キサンタンガム製剤を用いて作製した水ゼリーよりも、バリウ
0
ムゼヲーのほうが温震の彰響を受けやすく、温変上昇に伴うかたさ減少の勾配が大きいと考えられ
る。今回の研究で作製したゼリーも、品逼を常誼まで抵下させることによって、かたさはバリウムゼ
リーのほうが小さくなることが予測される。
松橋20) の報告によると、寒天を pH5.0
以下で加熱溶解すること辻、寒天本来の義国性を喪失させ
ることとして呂避しなければならない。さらに、民じ酸性溶液中であっても、沸騰停止後に寒天を添
加した場合より、酸性溶液中で寒天を携騰落解させた場合では、著しくゼリー強度が低下すると報告
されている 20)0 50w/v誌に希釈した液体バリウムの p Hは約4
.
4であり、寒天ゼリーのかたさがバリ
ウムの添加によって減少しているのは、酸及び酸性溶液中で寒天を沸騰溶解させた影響であると考え
られる。
ゼラチンも寒天と同様、かたさが減少した。今回用いたゼラチンは、牛骨と牛皮から得られるコ
ラーゲンに石灰浸漬を施して製造されている。このようなアルカリ処理法によって製造されたゼラチ
ンは、等電点は通常4
.
8
"
'
5
.
0を示す21)。等電点から離れた領域、つまり酸性側では pH4.5
以下の時
にゼヲー強度が低くなる 21)ことから、バリウム溶液が pH4.4を示すため、ゲノレ形性能が低下してい
2
6
県立広島大学人間文化学部紀要
3,2
1
3
1(
2
0
0
8
)
る可能性が考えられる o かたさの減少の程度は、他のゲノレ化剤と比較して小さいが、付着性が増加
し、凝集性が大きく誠少した。凝集性は、バリウムゼラチンゼリー (
0
.3
5:
i
:0
.0
2
) とバリウム寒天ゼ
リー (
0
.3
5:
i
:0
.
0
2
) でほぼ同程度となった。凝集性が大きく減少した理由として、ゲノレ中に固体であ
る硫酸バリウムが分散している影響が強く出現しているのではないかと思われる。
カラギーナン製剤においてもかたさが減少した。カラギーナンは寒天と構造が類似しており 22)、カ
ラギーナンにおいても寒天と同様、 p Hの減少で、ゲ、ノレ形成能が低下する 23)。
ベクチンでも、かたさの減少が晃られた。今回用いたベクチンは、ゲ‘ノレ化に二倍の陽イオンの添加
を必須とする低メトキシノレペクチンである。低メトキシノレベクチンにおいては、過剰のカルシウム及
び糖(固形分)の添加が、ゲ、ノレ化を必要以上に早めることで均一なゲ、/レ形成を妨げ、結果としてゲノレ
の力学強度を抵下させる 24)。希釈した液体バリウムにベクチンを加える時は、水に加える時と詑較し
て、護持中にも粘性が発現していた。これはわずかに霊離したバリウムイオンがカルシウムイオンと
詩じ役目をし、懸濁した硫酸バリウムが冨形物として働いたと想定すれば、かたさが減少したことが
説明できる。また、ベクチンのゲノレ化を阻害する要素としては、一倍の陽イオンが挙げられる。簡単
ゼリーの素のような低メトキシルペクチンは、その構造中の酸素の非共有章子対と、カルシウムのよ
うな二倍の揚イオンとが配位結合をし、エッグボックスを形成しているが、一舗の陽イオンはこの架
請を妨害するとされているお)。今回用いた液体パワウムの含有成分のうち、甘味料として多用されて
いるサッカリンナトリウムは水に容易に溶けてN
a
+が電離し、その溶解度は水 1m
Qに0.83gである17)。
微量ではあると考えちれるが、このような電解質から生じた一倍の陽イオンが、ゲ、ノレ化を担害してい
る可能性も考えられる。ペクチンの変化で注呂すべきことは、バリウムの添加で大きく付着性と凝集
性が増加したことである。他のゲ、ノレ化剤と比較すると、最も高い付着性と疑集性を示し、バリウムベ
クチンゼリーの特徴であるといえる。
このように、バリウムを添加してゼリーを作製することで、ゼヲーの物性に様々な影響を与える。
検査で、摂取可能で、あったゼリーと同じ濃慶で普段摂取するゼ、リーを作製すると、かたさ 10000N/ぱ程
度では約 2割前後もかたさの異なるゼリーができてしまい、礎下樟害者}こ対して遥切な食事物性を評
価できているかは疑わしいということになる。
2
. バリウムゼリーの物性に及{ます温度の影響
食品物性が温度の影響を受けることは周知の事実である 26-28) が、誌床現場において温度変化は不
可避である。検査食では、常に安定した物性の食品で検査することが必要で為るため、品温と物性に
ついても検討した。キサンタンガム製剤において、ゼリーを冷蔵庫から取り出して室還まで戻した場
合でも、室温に静置してゼリーを作製した場合でも、同じ品温であれば同等の物性が得られた 4) とい
う報告をもとに、今呂は、バリウムゼリーの作製温度の変化による物性の変化を検討した。
バリウムゼリーを作製する湿度を変化させることで、物性変化ほゲノレ化剤により異なる動態を示し
た。かたさは、すべてのゲノレ北剤で静置逼度の上昇とともに減少した。その減少の程度は、寒天とペ
クチンで、は他のゲ、ル化再!と比較して緩やかであり、これらのゲ、ル化斉¥]で作製するバリウムゼヲーは比
較的温慶の影響を受けにくいことが分かった。
渡 瀬7) はゼリーとトロミの区別を、『容器から取り出した時、ゼリーが容器の形を保持している場
合 iおよび『容器から取り出した時、形が少しくずれた状態か、あるいはスプーンからの落下に対す
る試料の切れのよい状態』という言葉で表現している。これを参考にゲノレ化しているか否かを判断す
3Cおよび 1
0Cに静置した場合には十分なゲル化が見られたが、 20C以上では
ゲ、/レ化していなかった。 4
0C以上のゼ、ラチンの水溶液を冷却していくと、液体の粘度が次第に増大
ると、ゼラチンでは、
0
0
0
0
27
山蘇誉志江ほか
市長反ゲ、ノレイヒ剤を用いた嘱下造影検査食に関する基礎的な検討
し、温麦が十分に低くなるとゲ、ノレが生成する 29)。今回の結果でも、かたさは 3
0C静置で 138N/ni、20
0
O
C静置で396N/niと、ゲル化はしないまでも静置温夏が抵い時のほうがかたさは高値を示した。ゼラ
チンのゲノレ化は分子鎖関又はセグメント関の水素結合、イオン結合、疎水結合などの相互作用である
と考えられており、これを架榛点とすると、その数誌温度上昇によって減少する 30)。今回の結果もこ
0
れに即しているといえる。カラギーナン製剤は 3
0Cではゲノレ化が起こらなかったが、ゼラチンと異な
り
、 2
0Cではゲノレ化が晃られた。寒天やカラギーナンは、高温の水溶液中でランダムコイル状をなし
0
ているが、温度の下降とともに三重あるい辻三重らせん状態となり、さらに冷却するとそれらが会合
して架橋領域を形成する九このため、今回の研究でも静置塩度の低下とともに、かたいゼリーが鐸
られた。渡瀕31)によると、抵メトキシノレベクチンに
oM "
'
0
.005Mの範冨の MgC
bおよびCa
Chを添加
すると、温度の上昇に伴って G' (貯蔵弾性率〉の笹は減少するが、これは温度上昇に伴う二倍の揚イ
オンの配位結合による架構点の数密度の減少であるという。このことからの推察ではあるが、ベクチ
ンにおいては架橋点である配位結合の結合力が、温度が上昇するにしたがって弱まっているのではな
いかと考えられる。キサンタンガムはそのゲル化機構が十分に解明されていないおが、キサンタンガ
ム製剤においても胃様に、昇還に伴う架橋点の減少がかたさ減少の要因ではないかと思われる。
付着性において辻、ベクチンとゼ、ラチンで品温上昇に伴う減少が見られたが、その他のゲ、ノレ化剤で
はあまり変化がなかった。ゼラチンゼリーの表面温度と粘着力の関孫を検討したところ、表面温度が
低いほど粘着力が大きかったという報告33) があり、本研究も同様の傾向を示していると言える。凝集
性については、ゲノレ化していない点を除いては、品湿に関わらずほほ一定の値を示している。温度変
化に伴ってかたさが大きく減少しているにも関わらず、装集性に大きな変化がないことは興味深い結
果である。
今回の研究から、バリウムの添加によってぜりーの物性が変化することが明らかとなった。また、
作製時の湿度により物性の異なるゼリーとなることが分かった。臨床の場では、冷蔑庫から出してす
ぐ検査に用いられる場合だけでなく、患者の状態や施設によっては検査に時間を要し、常温での静置
時間が長くなる場合も考えられる。また、ゼリーは季節による室温の違いなどから温度の影響を受け
ることも想定される。今呂の研究では、ぜリ一作製温変の違いによって、どの程度ゲ、ル形成に違いが
見られるのかを検討した。ゼラチンでは、融解温慶と装国湿度の差であるヒステリシスが 5"
'1
5C、
0
0
"
'
3
0Cでまちるが、寒天では4
0
"
'
6
0Cと、他のゲ、ノレ住剤と比較して大きい34)。この
カラギーナンでは 1
0
0
ように、ゲル化する最低温度とゲノレが融解する温痩が大きく異なるゲ、/レイ七都も存在する。このため今
後、低温で、ゲ、ノレ化したゼ、ヲーが冷蔑庫から取り出した後、どの程度の温度の影響を受けるかを検討す
る必要もあると恩われる。これらのことから、パヲウムの添加や品温はゼリーの物性に大きな影響を
与え、その程度はゲ、fレ化都によって異なるため、検査食の作製条件等を規務化する必要があると考え
られる。検査食を規搭化することができれば、 V Fはより一層有意義なものとなると考えられる。
文 献
1)向井美悪(分担研究者) :非 V F系評価方法(フードテスト〉の基準化、才藤栄一(主任研究者〉、
長寿科学総合研究事業
摂食・嘱下障害の治療・対応に関する総合的研究、平成立年慶研究報告
3一旬、 2000
書 :4
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4) 山懸誉志江、栢下淳:段構的な嘆下食の物性に適した礎下造影検査食の検討、 E摂食場事下リハ会
誌
、 1
2
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本摂食・嘆下リハピヲテーション学会医療検討委員会:~燕下造影の標準的検査法〈詳細版)、
昌摂食嘆下ヲハ会誌、 8(
1
):7
1-86、2
0
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4
2
(
6
):49-57、 2
0
0
7
6) 食品と開発編集部:ゲ、ノレ化剤・増粘安定剤の市場動向、食品と開発、 4
7) 渡瀬経雄:礁下食品の感覚特性に影響を与える増粘多糖類の北学構造および機能特性、食品工
8
(
国:2
9-40、2
0
0
5
業
、 4
8) 渡瀕蜂男:嘆下嘩害者および高齢者に向く礁下食の開発の研究
基礎と応用 (
1
)ー喋下開始金とし
てのゼラチンゲノレの講造と機能特性一、 NewF
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句人 4
1
(2
):71-79、 1
9
9
9
9) 車生省生活寄生局食品保鍵課新開発食品保健対策室長通知:高齢者用食品の表示許可の取扱いに
ついて、平成 6年 2丹238衛新第 1
5号
、 1
9
9
4
8
):57-59、2
0
0
3
1
0
) 桔下淳:礎下嘩害者に適した食事、難病と在宅ケア、 9(
1
1
) 丹治彩子、高橋智子、大越ひろ:異なるゲル化剤を用いた 3窪類のお茶ゼ、リーの飲み込み特性、
日摂食嘆下ワハ会誌、 9(
1
):6
2一7
0、2
0
0
5
1
2
) 藤井恵子、赤堀博美、}I[辺知子、他:ゲ、ノレ化剤の異なるミルクゼリーの性状について、日本調理
科学会誌、 3
4
(
3
):261-269、 2
0
0
1
1
3
) 河野友美、梅田理子、栢下淳:嘆下葎害者に適したゼ、ラチンゼリーの基礎的研究、機能性食品と
薬理栄養、 4
(
3
)
:169-174、2
0
0
7
1
4
) 坂井真奈美、江頭文江、金谷節子、佐:臨床効果のある段階的暁下食に関する食品物性比較、日
摂食礁下リハ会誌、 1
0
(
3
):239-248、2
0
0
6
1
5
) 坂井真奈美、江頭文江、金谷節子、他:礁下食の段階的な物性評缶について、日本病態栄養学会
0
(
3
}:269-2
7
9、2
0
0
7
誌
、 1
1
6
) 菊谷武、山岳靖子、稲葉繁、他:市販増粘剤による礁下造影検査食の検討、老年歯学、 1
4
(
3
):3
1
1
0
0
0
-317、 2
1
7
) 大木道知、大沢利昭、田中元治、他編: r
化 学 辞 典j、株式会社東京化学問入、東京、 1
9
9
4、 11
5
7
2
1
8
) 大本復郎:キサンタンガム、西成勝好、大越ひろ、神山かおる、他編、 f食感創造ハンドブック」、
株式会社サイエンスフォーラム、東京、 2
0
0
5、317-324
1
9
) 護 瀬 峰 男 :I
燕下撞害者および高齢者に向くゲノレ状奇襲下食の開発に関する研究 (
1
0
)キサンタンガムー
4
(
3
):6
8
ガラクトマンナン混合ゲ、ノレー森下開始食としてのゼラチンゲ、ノレとの比較一、食品工業、 4
-75、 2
0
0
1
2
0
) 松 播 鎖 治 郎 : 寒 天 ー そ の 基 本 的 な 理 化 学 性 状 特 に 用 途 特 性 ー そ の 5、丹刊フードケミカノレ、
9 :114-120、 2
0
0
3
1
(
1
):23-30、 1
9
7
8
21)白井邦部:総説食用ゼ、ラチン、調理科学、 1
1
)
熱可逆性ゲ、ル、食品工業、 4
3
(
8
):46-60、 2
0
0
0
2
2
) 護瀬峰男:食品ハイドロコロイドの熟分析(
5
)多糖類ゲノレの熱
2
3
) 渡瀬蜂男:ゲル形成能をもっ食品ハイドロコロイドのレオロジーおよび熱分析(
的およびレオロジー的性質に与える p H、脂肪酸塩およびアルカリ土類金屠塩の影響、食品工業、
4
3白
2
):6
1-72, 2
0
0
0
2
4
) 賠見孝博:ベクチン、西成勝好監修、「食品ハイドロコロイドの開発と定用 J、株式会社シーエム
0
0
7、220-235
シー出版、東京、 2
2
9
山森誉春江ほか
市販ゲ、ノレ化剤を用いた嘆下造影検査食に欝する基礎的な検討
2
5
) 真部孝明: r
ベクチンーその科学と食品のテクスチャーム株式会社幸書房、東京、 2
0
位
、 8
3-124
2
6
) }河野亜紀、高橋智子、大越ひろ、他:ペースト状食品の飲み込み特性と舌運動ー温度と物性の影
2
):11-18、2
0
0
1
響一、日摂食嘆下リノ¥会誌、 5(
2
7
) 坂井真奈美、栢下淳:礁下食の物性に及ぼす調理後の経過時間の影響、果立広島大学人間文化学
部紀要、 2:
49-62
、2
0
0
7
2
8
) 出戸綾子、山懸誉志江、栢下淳:各種市販トロミ調整食品の物性に及ぼす湿度の影響、巣立志島
大学人間文化学部紀要、 2:
39-47、2
0
0
7
2
9
) 岡本康:コラーゲンとにかわ・ゼ、ラチンの科学物理的性質、安孫子義弘編、「改訂版 にかわ
とゼ、ラチン-産業史と科学技術j、日本にかわ・ゼラチン工業組合、東京、 1
9
9
7、 135-165
3
0
) 吉村圭司、高橋幸資:ゼラチン、西成勝好監修、「食品ハイドロコロイドの開発と応用 j、株式会
社シーエムシー出張、東京、 2
0
0
7、317-329
2
31)渡瀬峰男:I
蕪下障害者および高齢者に向くゲノレ状壊下食の開発に関する研究 (
7
}
C
a
+およびMg
2
+
を
添加した低メトキシルペクチンゲノレの動的粘弾性、食品工業、 4
3(
2
1
):6
2-70、2
0
0
0
3
2
) 武政誠、大本俊郎:キサンタンガム、西成勝好監修、 f食品ハイドロコロイドの開発と応用 j、株
式会社シーエムシー出抜、東京、 2
0
0
7、 168-176
2
(
2
):107-110、 1
9
6
1
3
3
) 竹林やゑ子、福玲子:ゼラチンゼリーに関する実験的考察、家致学雑誌、 1
3
4
) 柴克宏、西成勝好:紅藻多糖類〈寒天とカラギナン)、西成勝好監修、「食品ハイドロコロイドの
開発と応用 j、株式会社シーエムシー出版、東京、 2
0
0
7、 196-211
3
0
県立広島大学人間文北学部紀要
3,21-31 (
2
0
0
8
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Abstract
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