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Ⅳ 平成 21 年度 長野県中学校技術・家庭科 実態調査のまとめ
本年度も,県内の技術・家庭科を担当されている
先生方を中心に,技術・家庭科の履修状況や先生方
の意識されていること等を調査させていただきまし
た。多くの皆さんにご協力をいただき,ありがとう
ございました。
調査対象
長野県内公立中学校 194 校
回収率
83.5%(昨年度 80.1%)
有効回答数
162 校
・平成 18 年度は 71.1%,平成 19 年度は 78.6%,平成 20 年度は 80.1%と,調査の回収率が高まり,今
年も昨年以上の数の学校で提出をしていただいた。本当にありがたい。昨年度まで,回収率を上げ
てきたのは,本県での全日中大会開催によって,多くの先生方が教科運営や本会の活動に目を向け
ていたからだと考えられるが,本年度も昨年度同様に意識を高めていただいている表れと言える。
・サーバー移転の作業により,7月の後半から8月にかけて,メールサーバーが稼動していない時期が
あった。そのため,その期間に提出していただいた先生方には,再提出をしていただいた。ご苦労
をおかけし,申し訳なかった。また,提出期限についても,半月ほど延長することで,回収率を高
めるようにした。
・回収については,代議員の先生方に強力に呼びかけていただいた郡市が多く,ありがたかった。
・9月の代議員会で,「本調査を継続する価値や有効な活用方法」について質問が出された。20 年近く
継続してきた実態調査活動の価値と意味をもっとピーアールしていきたい。また,調査内容を,本教
科が置かれているその時の状況や,直面している問題に応じて変え,できるだけ会員のニーズに沿っ
たものにしてきている実情を広く知らせるとともに,その集計結果を活用できるようにしていきたい。
1 教科担当教員数
(1)担当者人数別学校数
(2)担当者数と非免許者の割合
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・9割の学校が,一人で技術・家庭科のそれぞれの分野を担当されている状況がわかる。
普段の学校生活の中で,自分以外に同一分野を担当する教師がいないということは,教科について
の相談をしたり研修し合ったりする相手がなく,授業改善や研究,教科運営を潤滑に進めていきづ
らいということにつながる。生徒数が減っていく状況下で,教員数が減っていくのは仕方ないが,
心配事を解消したり教科の力を高めたりするためには,同じ立場で相談できる仲間や,話し合える
場が必要となる。そういった意味で,本会の担う価値も今まで以上に高まってくる。一方で,本会
に入会しない先生方もいらっしゃると聞く。技術・家庭科を担当する仲間として,輪を広げ,より
固めていきたい。
・非免許の先生方が多いことがわかる。特に,家庭分野を担当する先生方の5人に1人は非免許という実
態が明確になっている。本同好会や近隣の地区内で,互いに支え合っていく態勢を作っていきたいと思う。
2 分野別学習状況
(1)技術分野 平均履修時間
(2)家庭分野 平均履修時間
(3)技術分野で設定されている題材 ( )内は題材費用
1学年
A 技術とものづくり
○材料と加工
・箱・ボックス(~ 3500)
整理箱,3色BOX,MY引き出し,オリジナルBOX,カセットボックス
スッキリボックス,ティッシュボックス,箱寿司木枠,アタッシュケース
ふた付きBOX,多目的ボックス,蓋付きチェスト
・ラック,キャビネット(~ 4000)
マイオリジナルシェルフ,マイラック,オリジナルラック,フリーラック
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何でもラック,CD ・ MDラック,オリジナル本立て,本棚,ウッドスタンド
収納ラック,整頓ラック,整理ラック,レターラック,卓上ラック
カジュアルラック,ソフトマホガニーテン
・棚(~ 3500)
ユニット棚,花を飾る棚,私の本棚,和風だな
・椅子(1000 ~ 4000)
イス,100 年イス,箱イス,スツール,踏み台,三脚イス,補助テーブル
台つきイス,ワゴン
・小物(300 ~ 2000)
花台,なべしき,はし,マイ箸,オリジナル時計,写真立て,手桶
・プランターカバー(1000)
・一枚板からの自由製作,簡単な木製品の製作(1800 ~ 3500)
・キーホルダースタンド(2000 ~ 3000)
・キーホルダー(700 ~ 1400)
・フォトスタンド(300 ~ 1200)
・プチタワー製作(2500)
・ブックエンド(500)
・マルチスタンド(1200)
・ペンスタンド,ペン立て,鉛筆立て(~ 1500)
・製図,構想図 ・作品カードづくり
・ガイダンス的な内容
○生物育成(~ 500)
・サンパチェンスの栽培 ・スプラウトの栽培 ・バラの育成 ・夏花の栽培
・ラディッシュの栽培 ・花作り ・菊づくり ・菊の三本仕立て
・野沢菜栽培
B 情報とコンピュータ
・コンピュータの仕組み
・コンピュータの基本操作
・ワープロ,プレゼンテーション等のアプリケーションソフトウエアの利用
自己紹介文,自己紹介カード,自己紹介プレゼン,自己紹介新聞,作品カード,学校紹介
名刺作り,友だち紹介文,写真の取り込み,奥穂高岳登山を発表しよう
技術レポートづくり
・マイイラストカレンダー ・タイピング練習 ・オリジナル時計のメロディ
・情報モラル ・コンピュータネットワーク ・携帯電話とインターネット
・著作権 ・情報教育テキスト ・身近な地図
2学年
A 技術とものづくり
○材料と加工
・マルチラック(2200 ~ 4000)
・ウッドスタンド(1500)
・オリジナルBOX(3200)
・整理ボックス(2500)
・フォトスタンド(1200 ~ 3000)
・マイ箸
・ミラースタンド(3500)
・収納ラック(1200)
・整理棚(2500)
・箱寿司木枠(1000)
・三角椅子(3900)
・栓自由題材(2000)
・ブックエンド(2000)
・ペーパーウエイト(2000)
・キーホルダー(350)
・ペンスタンド,鉛筆立て(100)
・マイスタンド(1250)
・メモクリップスタンド(150)
・ちりとり(1000)
・メモクリップ付きペーパーウェイト(400)
・鋳造(2000)
・青銅鏡
・金属の性質の学習
○エネルギー変換(電気・照明器具等)
・電気スタンド(1800 ~ 3500) ・照明器具(2000)
・蛍光灯スタンド(3000)
・ココナッツ(2500 ~ 3500)
・オリジナル蛍光灯(2800)
・常夜灯(1000)
・太陽光ライト(2500)
・ソーラーLEDライト(1700)
・手づくりランプ
・ペットボトルエコライト(1500)
・コンデンサライト(1500 ~ 2500)
・LEDライト(2000 ~ 3000) ・交流電源LEDライト(3200)
・マイコン制御LEDライト ・ポケットライトの製作(1700)
・ダイナモライト,手回し発電灯(2000 ~ 3000)
・LEDライト付ラジオ(3500)
・ダイナモラジオ,ダイナモキューブラジオ(2000 ~ 3000)
・テーブルタップ(300 ~ 1000)
・コントロールボックス(2000)
・リーフタップ(1000)
・LEDフォトスタンド(3000)
・LED懐中電灯(3500)
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・LEDライト付き目覚まし時計(3000)
・目覚まし時計 ・卓上時計(2000)
・作曲アラーム時計(2500)
・スピーカBOX&アンプ(2000)
・はんだごて(1300)
・充電器(2500)
・電子キット(3200)
・一石応用実験キット
・三路スイッチを使った回路 ・電気スタンドの取扱説明書作り ・電気料金表・グラフ
・電気の点検・整備
○エネルギー変換(機械・ロボコン等)
・お掃除ロボット(1500)
・グループでロボット作り ・みんなでロボコン(3000)
・モーターカー(2500)
・ロボット(1500)
○生物育成
・パンジーの栽培 ・マッシュルームを育てよう(1000)
・ミニトマト栽培(200)
・夏野菜の栽培 ・野菜栽培(300)
・観葉植物の栽培 ・養液栽培(850)
・菊の三本仕立て(500)
・二十日大根の栽培(200 ~ 800)
B 情報とコンピュータ
・Webページづくり ・ワープロ,ワード ・表計算,エクセル
・プレゼンテーション,パワーポイント ・動画制作,ムービーメーカー
・アプリケーションソフトを使用した作品づくり
歌詞カード,環境レポート,栽培レポート,作品紹介カード ,自己紹介カード
自己紹介文,自分に出す葉書,新聞,挨拶状,年賀状,名刺,カレンダー
3年間分カレンダー,CM,30 秒コマーシャル,アニメーション,ありがとうカード
クイズ作り,環境プレゼンテーション,校歌プレゼン,学校紹介,デジタル絵本
情報化社会の問題点をまとめる,京都・奈良についてまとめる,まとめカード
電気について
・LEDライトの制御 ・情報モラルの学習 ・ファイル管理の学習
・タイピング練習 ・ネットワークの学習 ・携帯電話とインターネット
3学年
A 技術とものづくり
○材料と加工
・整理箱(860)
・マイ箸(700)
・パズルの製作 ・階段ダンス(2500)
・木ねじ(20)
・証書用化粧箱の製作 ・折りたたみ椅子(1700)
・箱寿司木枠(1000)
・アルミ作品(2000)
・キースタンド(1200)
・低融合金キーホルダー(300 ~ 2000)
・テープカッター(1200)
・フォトスタンド(700 ~ 3000)
・砂時計(2000)
・ぶんちん,ペーパーウェイト(1200 ~ 1500)
・ペンスタンド,ペン立て(800 ~ 1700)
・小物掛ハンガー(1200)
・針金細工(1000)
・正六角形文鎮の製作(1000)
・青銅鏡 ・板金を使った作品(200)
・封入樹脂キーホルダー(800)
○エネルギー変換
・LEDライト(1500 ~ 3500)
・手回し発電機つきLEDライト(3000)
・充電器の製作(2100)
・目覚まし時計(3700)
・あんどんの製作(2800)
・蛍光灯(3500)
・電気スタンド(3000)
・ココナッツ(3200)
・テーブルタップ(600 ~ 1000)
・太陽電池時計(1500)
・メロディアラーム(3000)
・オルゴール人形(2000)
・動力を用いた作品(2300)
・ロボコン(1500)
○生物育成(~ 500)
・チューリップ栽培 ・ミリオンベルの栽培 ・花の栽培 ・菊の三本仕立て
B 情報とコンピュータ
・プレゼンテーション,パワーポイント(学校紹介,部活紹介,修学旅行,エネルギー問題等)
・Webページ(HTML,専用ソフト使用)
・マルチメディア制作(30 秒CMづくり,3年間の思い出,中学校の思い出,修学旅行報告記)
・ワープロ,レポート作成等(自己紹介文・カード,PRチラシ,保育園実習,修学旅行,年賀状)
・おもちゃのパッケージづくり
・プログラミング(HSP,AVR,計測と制御,LEDライトの制御)
・表計算,エクセル ・パソコン検定 ・ピューター
・CDジャケットの制作 ・DVDの制作 ・RPG作成 ・オリジナルビデオの作成
・XYスライド ・マイリトルアース ・ボイスレコーダー ・オリジナルスタンプ
・ネットワークの利用方法 ・知的財産権・情報モラルの学習
・携帯電話とインターネット ・コンピュータに潜む危険
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(4)家庭分野で設定されている題材 ( )内は題材費用
1学年
A 生活の自立と衣食住
○食生活
・調理実習
さつま汁とサラダ,スパゲッティミートソース,ハンバーグ,ムニエル,シチュー
セレクト魚料理,つみれ汁,魚 ・ 肉 ・ 野菜の調理,青菜のゆでもの,豚汁,お弁当
・一日の献立作成 ・郷土料理 ・地産地消の料理
・栄養計算 ・栄養素カード
○衣生活・住生活
・小物製作(~ 1000)
CDケースカバー,クッション,フェルトのマスコット,ティーマット
ティッシュボックスカバー製作,ふきん,ペットボトルホルダー,弁当包み
マスク,ランチマット,トートバック,はし袋,バッグ,ファイルカバー
ワーキングウェア,エプロン,花ふきん,巾着袋,染色,手ぬぐいぞうきん
藍染めの手ぬぐい,刺し子バック,刺し子ふきん,刺し子ランチョンマット
・被服製作
ハーフパンツ(1000)
・衣服の補修と洗濯 ・基礎縫い ・制服の手入れをしよう ・住まいと消費
・・掃除道具 ・たこさんモップ
B 家族と家庭生活
○家族・家庭
・コミュニケーションボード・メッセージボードづくり(1000)
・自分史作り ・幼児とのふれあい(500)
・おもちゃ(パズル)製作(300)
・地域の高齢者との交流(300)
○消費・環境
・エコチャレンジ ・エコバッグの製作(760)
・エコクッキング
2学年
A 生活の自立と衣食住
○食生活
・バランスの取れた献立作成
・調理実習
お弁当,郷土料理,中学生の日常食,和食3品,ハンバーグ,手打ちうどん,
スイートポテト,おかし,おやつ,ニラせんべい等
○衣生活・住生活
・被服製作(~ 2300)
Tシャツ,ショートパンツ,ハーフパンツ,じんべい,フリースベスト
ヨットパーカー,一つ身の法被
・小物製作(~ 2000)
エプロン,ワーキングウェア,お弁当袋・練習布,くるくるパック,くるくる絵本
コミュニケーションボード,練習用さらし,手縫いのバッグ,シューズ袋
スウェーデン刺繍,テーブルナフキン,ランチョンマット,トートバッグ
リーバシブルトートバック,リバーシブルバッグ,袋,ファイルカバー,バッグ
ぬいぐるみ,フェルトのおもちゃ,フェルトボール,フェルト絵本,フェルト名札
フォトスタンド,ブックカバー,布巾,ペットボトルケース,あずま袋
刺し子巾着
・補修技術を生かした製作 ・アクリルたわし
・住みやすい家の計画 ・住居・住宅間取図 ・整理と清掃 ・生活改善隊
・洗剤,石けんづくり ・平面計画シール
B 家族と家庭生活
○家族・家庭
・私の成長の振り返りと家族 ・幼稚園・保育園との交流
・幼児のおもちゃづくり
交流小物づくり,音の出るボール,絵本づくり,折り紙,簡単にできる遊び道具
廃品で作る幼児のおもちゃ,フェルトボール,幼児アルバム,幼児用のエプロン製作
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・幼児のおかしづくり(~ 500)
○消費・環境
・エコグッズづくり(500 ~ 1500)
3学年
A 生活の自立と衣食住
○食生活
・調理実習(~ 1000)
お弁当の日,ハンバーグ,ムニエル,うどん,郷土食・行事食・地域の料理
春のもてなし料理,肉・魚・野菜の調理
○衣生活・住生活
・被服製作(~ 3000)
Tシャツ,カーゴパンツ,ショートパンツ,じんべい,ハーフパンツ,ベスト
フリースジャケット,フリースパーカ,フリースベスト,プルオーバーシャツ
・小物製作(~ 1500)
エプロン,お弁当袋,スウェーデン刺繍,ソムリエエプロン,トートバック
ぬいもの,パズル,バッグ,フェルト,フェルトボール(小)
,フェルト製作
ペットボトルフォルダー,マイバッグ,マイ箸入れ,箸袋,ミシン縫いぞうきん作り
ランチバック,リメイク,絵本作り,動物ティシュカバー,布絵本,練習用さらし
マスク
・生活に役立つものの製作
・快適なすまい ・住居の機能と住まい方 ・住居実験 ・住居模型
B 家族と家庭生活
○家族・家庭
・3年間のまとめ ・自分史 ・生命の誕生 ・地域に学ぶ
・幼稚園・保育園との交流
・おもちゃづくり(~ 1000)
・幼児のおかしづくり(~ 500)
○消費・環境
・エコバッグ,エコトートバッグの製作 ・Tシャツのリメイク
・消費センター職員による消費生活学習会
(5)総合的な学習の時間の活動に,技術・家庭科の学習題材を取り入れている学校
○実践校 13 校(7.6%)
学習題材
・原木を活かした鉛筆立て ・間伐材を利用したものづくり ・栽培 ・真鍮ペンスタンド
・ロボコンに挑戦 ・看板作り ・鉄鋼恐竜模型 ・情報モラル ・地域紹介リーフレットの制作
・郷土の料理作り ・地域の歴史調べ ・身近な家具の製作 ・浴衣,じんべいづくり
・ 現学習指導要領の技術分野「A技術とものづくり」と「B 情報とコンピュータ」の履修時間の割合が,
約7対3になってきている。これまでの調査でも,徐々に「情報」の時間が減ってきていたが,これ
からの新しい学習指導要領で,
「情報」が四つの学習内容のひとつとなることから,さらに時間数が
減るのではないかと考えられる。一方で,
「情報」の中に必修として「プログラムによる計測・制御」
が入り,
「生物育成」の時間も確保しなければならない。来年度以降の動きを注目したい。
・家庭分野の履修時間については,大きな変動はなかった。
・来年度以降は,両分野とも,新しい学習内容の名称で調査した方がよいと考えられる。
・今年は取り扱っている題材も掲載した。
「題材」と表現した場合に,作品としての「製作題材」と,
学習単元としての「題材」が混同されやすい。今回の調査では,これまでどおり「製作題材」
「中心
となる教材」をまとめたが,回答には両者が記入されていた。今後,調査段階で質問内容を明確にさ
せていきたい。
・両分野とも,各学年にわたって様々な題材を扱い,学習が展開されていることがわかる。本教科の幅
の広さを感じさせられる。
・題材は名称だけを載せたが,写真等があるとわかりやすい。今後,作品等の写真を掲載できるように
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工夫したい。また,本同好会のWebページでも紹介をして,先生方の教材研究に役立てられるよ
うにしていきたい。
・題材にかかる費用についても調査したが,紙面の関係で全てを掲載することはできなかった。生徒
一人一人に実践的,体験的な学習を仕組む教科なので,教材にかかる費用は必要になるのだが,中
には高額なものもあることに気づく。世界的な不況の下,家庭への負担をどの程度,お願いしてい
くのがよいのか,私たちの課題だと感じた。
・新学習指導要領に対応した学習展開や製作題材について,後述の「指導上の悩み」には多くの声が
寄せられた。様々な題材を扱っていろいろな方向から指導している先生方の実践を,交換し合い,
共有し合ってくことで,よりよい指導方法を見つけていきたい。この調査も,そのような観点から
有効に活用していただきたい。
・ 総合的な学習の時間に,技術・家庭科の学習題材を設定している学校はまだ少なく,7.6%の割合となっ
た。
・今回の報告書や会報で提案させていただいたように,総合の時間を技術・家庭科の教員が担当して
いくのも,本教科の生き残りのひとつの方策だと考える。可能な学校では,積極的に取り組んでいっ
て欲しい。
3 選択教科の実施について
(1)選択教科の講座開設状況
① 2 学年
② 3 学年
昨年度の開設割合
(全学年を通した実施数)
(2)選択教科で設定されている題材 ( )内は題材費用
①技術分野
A 技術とものづくり
○材料と加工(木材加工)
・木材加工(0 ~ 4000)
テーブル,ベンチ,椅子,ロープ椅子,長椅子,ガーデンチェアー,デッキチェア
折りたたみ椅子,アタッシュケース,マスターボックス,マルチボックス
オリジナルラック,レターケース,ソーマキューブ,大物家具作り,板材による製作
角材による製作,2×4材による製作,ものづくり自由選択,千鳥格子づくり
・金属加工(200 ~ 3000)
低融合金を使用した製作,キーホルダー,ペーパーウェイト,ペンスタンド,青銅鏡
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キーホルダー,ペーパーウェイト,プリクラ型キーホルダー,マイ包丁 , ドライバー
テープカッター,鋳造
○エネルギー変換
・照明器具の製作(2000 ~ 3500)
あんどん,ココナッツ,LEDマイコン制御ライト,光センサーLEDライト
・スピーカ,ラジオや時計の製作(1000 ~ 3000)
Myスピーカ,ダイナモキューブラジオ,パネルラジオ,パネルクロック
・ロボットコンテストへの参加 ・エコカーの製作(3000)
・からくりおもちゃ,からくり貯金箱(500 ~ 1000)
・ロボットの製作(1200 ~ 3500)
2モーターロボ,3モータリンクムーブメカ,ミニロボット,赤外線通信ロボ等
・エコランに挑戦 ・スチームカー(3500)
○生物育成
・菊の栽培 ・ミリオンベルの栽培
B 情報とコンピュータ
・Webページ作り ・パソコン検定取得(2500)
・プログラムによる計測・制御
・エクセルで表作り ・ムービーメーカーを使おう ・オリジナルTシャツ作り(920)
・CAD ・プレゼンテーションの学習 ・暑中見舞ハガキづくり
・動画編集 ・電子ルーレットの製作(1000)
・マイコン制御LEDライト(2000)
・パソコン入力コンクール参加
②家庭分野
A 生活の自立と衣食住
○食生活
・1時間でできるおかず作り ・おべんとうづくり ・郷土食づくり ・お菓子作り
・ワンプレート調理 ・行事食づくり ・絵本や物語に出てくるお菓子や料理を作ろう
・野菜づくりと,野菜を使った調理
○衣生活・住生活
・被服製作(~ 4000)
スカート,Tシャツ,ショートパンツ,じんべい,浴衣,和服
フリースを使用したジャケット,ベスト 世界でひとつだけの被服製作
お気に入りの衣服を製作してファッションショーをしよう
・小物製作(600 ~ 2000)
オリジナルバック,トートバッグ,ペットボトルホルダー,フエルト絵本,ランチョンマット
エプロン,ガーデニングエプロン,ブックカバー,フォトスタンド,さしこの製作,
松本てまり,染め物,布ぞうり,パッチワーク,ステンシル
クロスステッチ,スウェーデン刺繍,フランス刺繍等の刺繍による製作
・マフラー等の編み物(~ 2000)
・住まいについて ・生け花(1回 300 円)
・礼法マナー
B 家族と家庭生活
○家族・家庭
・おもちゃ作り ・介護実習 ・人形劇を作ろう ・地域の福祉
○消費・環境
・エコグッズづくり ・エコバッグづくり ・リメイクしよう ・賢い消費者になろう
・本年度は選択教科の調査内容に,
「生徒選択」と「学校選択」の欄を新設した。新学習指導要領実施
に向けた移行期間に,どのように各学校では開設しているのかを調べるためである。その結果,選
択教科の時間に本教科が担当している学校数が,昨年と比較すると半数となり,学校選択として開
設している学校数も多くはないことがわかった。選択教科が履修時間に入っているのも,移行期間
のあと2年間であり,時数は減っていくことになるが,少しでも本教科で担当する時間を増やし,
生徒たちに技術・家庭科のよさを実感させていきたい。
・また,選択教科が開設されなくなることで,確実に本教科の先生方の技術・家庭科に関する持ち時
間数が減っていく。私たちの専門性を発揮できる授業時間数を確保し,増やしていくための動きを,
先を見通しながら起こしていきたい。
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4 予算状況
(1)備品予算
(2)消耗品予算
・備品・消耗費ともに,昨年度と比較して,大幅に減額されている。
・市町村等,全ての予算が減額している状況下で,従来どおりに確保していくのは難しいが,新学習
指導要領に対応した学習を実施するためにも,予算は必要である。次の調査項目「新学習指導要領
に対応した動き」の中にもあるが,予算の確保を積極的にしていきたい。特にこれまで必修でなかっ
た学習内容については,設備・教材をきちんと準備していかなければならない。そのために,予算
確保の方法についても新たに工夫していく必要がありそうだ。
5 新学習指導要領実施に対応した動き
(1)技術分野
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(2)家庭分野
・学習内容によって差はあるが,
「新学習指導要領に対応した学習を行った」という学校が既に約3割
ある。
(全ての学習内容を平均すると 29%の実施率)そして,
「新学習指導要領実施のための教材研究
や準備を行った」という学校も3割以上あり,二つの項目を合わせると半数の学校が新たな一歩を踏
み出していることがわかる。本県の先生方の先見的で真摯な姿勢が表れている。
・新学習指導要領実施のための予算付けについては,平成 21 年度の 10 月段階ではまだほとんどの学校
で手がついていない。また,今回の調査で平成 21 年度内に予算を獲得できたとする学校についても,
9月に政権交代があったため,補正予算が執行できなくなっている状況がある。今後,どれだけ確保
していけるか,来年度の調査結果等に注目していきたい。
6 指導の重点
(1)教科指導の重点(つけたい力やつけたい姿勢)
(項目から 4 点程度選択)
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(2)教科運営の重点(指導上,特に大切にしていること)
(項目から 7 点程度選択)
(3)指導資料や研修が必要な内容(項目から 4 点程度選択)
・指導の重点に関する調査については,内容を再編成して実施した。
・教科指導の重点(つけたい力やつけたい姿勢)については,
「基礎的・基本的な知識と技術」が圧倒
的に多く,
「関心・意欲~」
「工夫し創造する~」が続いている。ここまでは,学習指導要領で本教科
の目標としていることなので当然なのだが,その次に「ものを大切にする心」が圧倒的に多くなって
いるのが特徴的である。また,その後に「人とかかわる力」
「進んでものづくりをする姿勢」が続い
ているのも,本教科の先生方の考え方や根底に流れている意識が表れた結果だと思う。
このような先生方の考え方や姿勢を大事に,今後も教科指導をしていきたいと考える。
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・教科運営の重点(指導上,特に大切にしていること)で多く回答していただいた項目は,全日中大会
で本県が提案した内容と重なる点が多く,実践と研究とが同じ視点で行われていることを裏付けてい
る。今後もこの観点を大事にしていきたい。
・今回の調査で低い傾向にあった「指導計画の作成」
「評価規準の作成と評価」については,新学習指
導要領実施にかかわって,これから直面してくる問題と言える。研究推進委員会でも,よりよい方向
を検討しながら,提案をしていきたい。
・指導資料や研修が必要な内容については,昨年度同様,
「生物育成」
「情報」
「身近な消費生活と環境」
の三つが上位に上がってきた。どの内容も必修になっているので,先生方の切実な要望なのだと捉え
られる。先験的に様々な実践をしていただきながら,その情報を交換し合い,よりよい方向を見つけ
ていきたい。
7 部活動について
(1)技術分野
(2)家庭分野
・今回は,部活動の有無,活動内容についても,新しく調査を行った。
・技術分野に関係する部については調査提出学校の 16%以上,家庭分野に関係する部は約 9%以上と
いう開設率だった。これまで私たちが培ってきた本教科の幅広い技は,これからの授業ではなかな
か生徒に教えていくことができない。しかし部活動ならば,本領を発揮し,技術・家庭科のすばら
しさを体感させていくことができそうである。ものづくりフェアやロボットコンテスト等に参加し,
本同好会の活動を活発にしていく観点からも,部活動の輪をさらに広げていきたい。
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8 指導上の悩み
(1)新学習指導要領への対応
・新学習指導要領に対応した教材開発。
・新学習指導要領実施に向けた教材研究の時間がなかなか確保できなかった。
・今まで選択項目だったものが必修に入り,題材配列とその時間数を組み合わせるのが難しい。
・新学習指導要領では指導内容が多くなるので一つの題材にかける時間が少なくなり特にものづくりに時
間が掛けられるか不安である。
・新指導要領への移行に対応する準備をしているが,環境の整備,教材研究が大変である。いろんな学校
の先生と情報交換し,対応したい。
・生物育成の分野をどう進めるか。また評価の方法は?
・生物育成の指導について,大規模校での個人個人の指導や教材いついて。
・制御と計測,これが一番の悩みです。
・情報に関する技術で,簡単なプログラムのちょうど扱いやすいものが見つかっていない。
・情報に関する教材について,どのような内容を扱っていけばよいのか,具体例を多くほしい。
・新学習指導要領に関わる教材の選定。制御では,高額でも厳しいし,持って帰って使えるものがよい。
生物育成もどう組み込めるか悩んでいる。
・国はもの作りが大切といいながら,上野調査官の話を聞いていると自分の思いを相手に伝えられればい
いという内容だったと思う。こんな方向で本当にいいのだろうか。
・時数が変わらないのに,学習内容が多すぎる。広く浅くにも限度がある。
(2)授業づくりについて
・授業準備が非常に大変
・生徒が関心を持ち楽しくなるような授業がなかなかできない。
・細かな指導ができない,行き届かない。質問をする人がいない。
・生徒が課題を持たなくても授業が流れてしまう。( 授業者の授業改善の意識が高まらない)
・授業全体を通し,個別に指導したり,一人一人の姿を見取ることができにくい。40 人近いとなかなか手
が入らない。
・初めての家庭科という教科の担当になり,具体的にどう指導したらよいのか,またどういった指導の仕
方(進め方)をしたらよいのか悩みながら授業を進めています。
(3)教材研究,教科運営等
・教材研究・開発・授業準備のための時間が十分に取れない。
・校内での教科会,郡内での情報交換の場がなかなかもてない。
・教科の授業時数が少なく,複数教科を担当しているので,じっくりと教材研究ができないでいる。
・時間数が少なく,他教科との兼任が必至であり,忙しくて教材・教具の準備に手が回らない。
・作品製作等,TTでの授業ができると良い。
・消費 ・ 環境の授業で,2~4Hでまとめられる教材・題材などを研究したいが,相談したり研究したり
する機会がない。
・保育園訪問が新型インフルエンザ等で訪問が中止せざるを得なくなったり,実際に必修に入っていても
できないことがある。
・保育実習に関して協力してくれる保育園ができるのかが心配。
・衣生活の学習では,地域の外部講師が授業に協力して下さって有り難かった。衣生活の実習では,教師
一人では手が足りないので,協力してくれる方を探すことも大切だと感じた。
・家庭科の教員が音楽と兼務しているので,運営の工夫が必要。
・ 21 クラスの授業で,一人で年間 780 名の生徒を受け持ち,空き時間がなく,生徒指導,評価など困難である。
ということが周りの職員に理解されない。
(4)授業時数
・やりたいことに対して授業時数が少なく,指導内容の精選に苦慮している。
・時間内に実習が終わらない。
・3年生の授業時間が少ないため,授業の間隔が空きすぎてしまい学習意識を継続させるのが難しい。
・時数の少なさ,授業の時間がぎりぎりで出張などでつぶれると,作品が仕上がらない。居残りでの対応
が必要。
・ものづくりは時間をある程度かけ,じっくり一つのものを製作したい。
・なんとか,間に合わせて製作させたい。単元展開等をどうしていくか,大変悩んでいる。
・前期1年生が技術のため,全校緑化も取り組むことにしていましたが,時間確保が苦しかったです。
・自分の生活を豊かにしていくためには,学んだ力を定着させるための時間が少ない。
・時間数が限られ,製作に追われてしまうことが多く,十分な学びの時間が確保できない。
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・指導したいことが多く,また生徒の経験不足などから,計画よりも時間がかかる。時間が足りない。ど
こまで精選すればよいか。
(5)生徒の実態について
・年々,生徒の基礎技能が低下していて,高度な内容,発展的に学習ができない。
・生徒の技能面で,さらに体験不足を感じる。また,小学校の授業での扱いに差があり,技能や知識の差
が大きく,指導の困難な状況がより強まっている。
・生徒の実態により,製作が進まなかったり,平易なものになったりするが,達成感や技術面について,
弱いように思う。小学校での定着内容がクラスや学校によって違う。
・生徒の実態が毎年劇的に変化しており,生徒個々に合わせた授業の進め方が難しい。小学校での実践体
験が少なくなり,素材からの扱いが指導しずらくなっている。
・日常生活でものを作ったり,工具等を使うことが少なく,道具一つ一つの使い方からの指導から始まる
ため,道具を効率よく使ったり,工夫したりなどの道具を使っての追究場面の設定が行いにくい。
・個人の技能差が大きく,個別指導に時間がかかり,製作時間がかかる。
・どうしても,進度の個人差が大きくなってしまうため,居残り等をさせて対応しなければならない。
・実習や製作での技能面での個人差が大きく,個人指導の事前準備が間に合わないことで悩んでいます。
・技・家の学習を進めていく中で,他の教科・小学校で学んだ基礎力が生かされない。
・家族,家庭にかかわる分野では,複雑な家庭の子どもも多く見られ,教科書通りに扱うとかなりきつい
こともある。どのように内容を扱ったらよいか。
・コンピュータの操作技能に個人差(小学校での学習経験の差)が大きく,授業の展開が難しい。
・2時間学習を継続できない生徒が数名いる。
・作品の個別化を図るより,全員が完成させ家に持ち帰る指導を重点に置いているので,物足りなさを感
じる時がある。
・山村留学生と地元生徒との技能格差が大きく,一斉指導が難しい。学習の取り組み方そのものからの指
導が必要で,細かく指導する時間がない。
・生徒指導上問題のある生徒を含めた授業を行う場合,刃物の扱いや個別指導がうまくできにくい。
(6)評価について
・評価の仕方。特に3年生では,技術分野,家庭分野での意欲や関心の差が大きく出てしまう。
・3年生の評価について,技術・家庭科として作品製作を終えてから評価するには,35 時間はあまりにも
時間が不足している。
・
「情報」と「もの作り」の取り組み姿勢の差が大きく,高校へ提出する5段階評価が難しい。
・評価の仕方をどのようにしたらいいか。今行っている方法で本当に適正な評価の仕方といえるかがわか
らない。
・評価について,各学校ではどのように行っているのか,研修し合う機会があればよいと思います。
・評価を共有して,県内の異動がどこであっても共通したものであるといいと考えています。
(7)小規模校による悩み
・技家ともに今年初めて担当しました。小さい学校なので仕方ないと思いますが,相談できる人がいない
ので,苦労しています。
・小規模校のため,技術の免許を有する教師がおらず,音楽との兼務のため,学習環境の整備,教材研究
等充実しにくい。
・小規模校では,他教科の指導時数も多く,教材研究が多岐にわたり充分な教材研究の時間が確保できない。
・少人数のため,他の友だちとのかかわりの中で深めていく学習が成立しにくい。
(8)非免許等による悩み
・非免許のため教材研究の時間がないし,どのように研究したらいいかがわからない。
・非免許教員で対応しているため,専門的な分野での指導が上手くできず,生徒に迷惑をかけている。
・非免許申請により,技術・家庭科を2名で担当しており,生徒に十分満足を与えられる指導ができないこと。
・技術,家庭とも非免許のため,教材研究や評価までの教材準備に時間がかかる。
・副免による指導のため,専門的な指導ができていないのではないかという不安が大きい。
・技術科専門ではないため,エネルギー,プログラミング等に関する部分が授業を実施しにくくなっている。
研修等にも行きたいが,3年担任をやっているとなかなか行けない。
・家庭科専科の不在で,女性職員3名が学年毎に指導している。うち2名は他の教科を1人で担当してい
るので,負担が大きい。
(9)時間のなさ,校務の忙しさ
・学級担任等の仕事に追われ,教材研究や教室整備の時間がなかなか作れず,後回しになってしまう。
・司書と家庭科の兼任だと,図書館にいる時間が多く必要で,家庭科の情報を集める時間が少ないので大
変である。
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・空き時間がなく,校務に追われ,教材研究が不十分な状態が何年も連続している。じっくり授業に取り
組めない。
・TT での授業が組めればという日がある。また,定期テストを行うと一人で 12 クラスを採点する大変さ
がある。
(10)施設・設備・予算について
・工作機械に不備がある。
・生徒作品の保管場所がない。
・技術室・家庭科室ともに狭く,1学級 40 人近い生徒が同時に活動するスペースが思うように確保できない。
・加工用の機械の配置が金工・木工と分かれているため,両教室を移動した授業になってしまい,生徒の
掌握が大変。
・主な道具(PC,ミシンなども含む)が生徒1人に1つない。
・ミシン等設備が充実していないので、2人に1台は備えられるよう補充していきたい。
・消耗予算が削減される中での学習環境の整備をどのように進めていけばよいか。
・教科消耗費が少ない分,各家庭への負担が多くなってしまう。
(11)その他
・研究大会の開催をどの地区も同じように回すと,学校数や教科担当者が少ない郡市は,非常に厳しい ものがある。
・飯山の3つの学校が統合となるので,その足並みを揃えるのが大変だった。
・生徒が一生懸命やってくれているので,特にありません。
・私たちが直面している様々な問題点を挙げていただいた。改めて本教科の置かれている状況の大
変さが認識される。本同好会の委員会活動や地区活動で,少しでも改善されるように取り組みたい。
・新学習指導要領の実施について心配されている声が多く寄せられた。次の「研究推進委員会への
要望」とも重なるが,委員会として題材配置や学習展開例を提案をしていきたい。また,この調
査等を利用して,先生方の様々な実践の様子を調べ,県下に報告できるようにしたい。
・授業時数の少なさや,生徒の実体験の不足から,授業がこれまで以上に進めずらくなっているこ
とを感じる。教える内容の精選をしなければいけないのだが,技術・家庭科の魅力が減ってしま
うようで,それもなかなかできない。その結果,自分が苦労すること(事前準備や放課後の居残
り製作)で,今の学習を成り立たせている。このような先生方のご苦労が感じ取られる。10 年後
の授業時数増加を願うとともに,効率のよい方法はないか,工夫する姿勢も大事にしたい。
・小規模校,非免許についての悩みも多く寄せられた。本教科の授業時数が削減される状況下で,こ
の問題は,さらに広がるのではないかと心配される。なんとか,本教科免許保有者の教員数を維
持し,増やしていく方法はないものか考えていきたい。また,地区の同好会のように,互いに教
え合い,支え合うことができる横のつながりを切らないように維持発展させていきたい。
9 研究推進委員会への要望
(1)全日中大会にかかわって
・全日中お疲れ様でした。長野県の技術・家庭科研究の推進機関として,これからも具体的な提案を示し
ていただけると有り難いです。
・昨年度の全日中の各分科会で行われた内容や実際に使用されたワークシートが共有できるようにしてい
きたい。
・全国大会での題材をさらに丁寧に紹介してほしい。
(2)新学習指導要領実施や移行期間中の取り組みについて
・新学習指導要領実施に向けた具体的な提案(関ブロ提案後)
,いろいろなパターンを示してほしい。
・移行期間と新学習指導要領完全施行後の題材配置の例をいくつも示してほしい。
・新指導要領に対応している3年間の単元展開案等,どんどん情報をいただきたいです。各校の実践など
の情報もです。
・新学習指導要領について,内容の理解と実践への段階的計画を立てていきたい思います。
・ガイダンスや生物育成に関する展開についていくつかの事例をいただけるとありがたいです。よろしく
お願いします。
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(3)実態調査について
・毎年の調査ですが,入力が簡素化され,記入しやすくなってきていいと思います。
(4)その他,研究の内容や方向について
・学校での教科会が充実しずらいので,研究会の活動がありがたいです。よろしくお願いします。
・評価基準等教えていただけるとありがたい。
・具体的な詳しい展開例が欲しい。
・これからもWebページに授業に役立つ情報をたくさん載せてほしいです。よろしくお願いします。
・題材研究とともに,授業研究を推進委員が中心になって各地区で進めてほしい。地区にお任せの研究から,
推進委員会がリードする体制作りをしてほしい。
・毎年発行していただいている研究冊子,大変役に立っています。ありがとうございます。
・非免許の教員が多い教科だと思うので,非免許教員向けに資料がほしい。
(工夫している点や授業のアイディア等)
・全ての学校に有免許の人材を確保してほしい。研究以前の問題であり,教育的不平等ではないかと思い
ます。
・もし予算が可能であれば,新学習指導要領実施に伴い,各分野ごとの題材集(題材と展開例)があると
ありがたい。
・ものを作る教科が学力の底を支えている。時数の増加をこれからも要望していってほしい。
・学習ノートが使いづらいです(家:被服分野,ものづくり:
『材料と加工』以外の部分)
。
・全県を上げて取り組んだ全日中大会の成果をもとに,今後も,新学習指導要領に対応する学習展開
や製作題材を提案していく予定である。今回の報告書の内容についても,先生方からの意見や要望
を聞き,よりよいものへと進化発展させていきたい。また,本同好会のWebページと連動させる
ことで,より広く,より使いやすい情報の提供をしていきたい。
・今後,新しい学習指導要領に対応した評価の方法や,新しい教科書について,徐々に公表されてく
ると考えられるが,情報を早めに収集し,より的確な対応をしていきたい。先生方のご協力をお願
いする。
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