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CITIZENSHIP
フェデックス コーポレーション
2010年グローバル・シチズンシップ・レポート
I DELIVER
A BETTER
WORLD
フェデックスで働く
全社 員の 想い-
それは
世界中の人々の生活を
より豊 かにすること。
そのために
私たちは今日も
世界をつなぎます。
7
10
18
24
28
34
38
会長からの挨拶
シチズンシップ・
パフォーマンス
指標
すべての人に
公平な機会を
提供します
人 々 の ラ イフ クオリティの向上を
目指します
世界を動かすより
良い 施策を追求
します
課題を素早く解決
します
既 存 の 在り方 に とらわれず、新しい
発想を提案します
すべ ての人 に
公平な機会を
提 供しま す。
将 来 的 な 世 界 の ミド ル ク ラス
の台頭
2030年
50 億 人
2010年
18 億 人
ブ ラ ジ ル 、中 国 、イ ンド な ど 新 興 国 に お ける 生 活 水 準 は 上 昇 を 続 け て
い ま す。世 界 的 に 見 て も ミド ル クラス は 急 激 に 拡 大して お り、そ の 数 は
現 在 の 18 億 人 か ら 2030 年 に は 50 億 人 に 達 す る と 見 込 ま れて い ま す。
グ ロ ー バ ル 市 場 へ の アク セ ス の 増 大 と と も に 、ミド ル ク ラス の 拡 大 の
機 会 が 増 えて い ま す。全 世 界 に ネットワ ー ク を 張 り 巡 らし 、そ れ を 容 易
か つ 迅 速 に 活 用 で きるように することは 私 たちフェデックスの 務 めで す1.
人々の
ラ イ フク オリティの
向 上を目 指しま す。
世界 の貧 困 率 の 低下
52%
42%
25%
‘81
‘90
‘05
15%
‘15
世界 各地で人々の 交 流 が 進むにつれて、多様 なスキルと考え 方が混ざり
合 い、新たな 機 会 を創 出することがさらなる繁 栄をもたらしています。
フェデックスで は 2 9 万 を 超 える ダイバ ー シ ティに 富 ん だ 社 員 が 働 い
て お り 、こ の 多 様 性 こ そ が 当 社 の 事 業 成 長 を 支 え て い る と 考 え
て い ま す。そ して 世 界 各 地 の 人々 にグ ロ ー バ ル 市 場 へ の アク セ スを
提 供 す る こ と で 、皆 様 の 繁 栄 に も 貢 献 で き る と 信 じ て い ま す 。
1981年 に は 世 界 の 人 口 の 52%が 1日当たり 1.25米ドル 未 満 で 暮らして
い まし た が 、この 割 合 は 2015年 ま で に 15%ま で 下 が ると 予 想 さ れて
います。2
世 界 を 動 かす
よ り良 い 施 策 を
追 求しま す。
低 炭 素 エ ネルギ ー に 対 する
世界 投 資
2010 年
2,430 億 米ド ル
2009 年
1,865 億 米ド ル
2010 年 、低 炭 素 エ ネ ル ギ ー に 対 する世 界 投 資 は 2,430 億 米ドルと前 年
か ら 565 億 米 ド ル 伸 び ま し た 。各 国 で は 、将 来 は 低 炭 素 と 代 替
エ ネ ル ギ ー の 時 代 に な る と 見 て い ま す。こ れ と 同 様 に 重 要 視 さ れ て
いるのが、より合 理 的 な交 通 設 計・商 用車の 運 行ル ートの設 定、ならびに
運 転 技 術 の 向 上 とい ったごく簡 単 な 取り 組 みで 実 現 で きる エ ネ ル ギ ー
の 飛 躍 的 な 節 約 で す。フェデックスの 社 員 は 現 在 、世 界 の エ ネ ル ギ ー の
効 率 化 に 向 け てあらゆる施 策 を検 討して いま す。3
課 題 を 素 早く
解 決しま す。
ハ イブリッド 車 と
電 気自動 車の 予 想 販 売台 数
2020年
5,200,000台
2010年
954,000台
新 た な 視 点 で 世 界 を 見 る こ と で 、世 の 中 の あ ら ゆ る こ と を 変 え る
こと が で き ま す。日 本 で は 電 気 自 動 車 の 充 電 器 を 全 国 の 自 動 販 売 機 に
併 設 することが 計 画 されています。世界 のハイブリッド 車と電 気自 動 車 の
販 売 台 数 は 2010 年 の 95 万 4,000 台 か ら 2020 年 ま で に 520 万 台 に 急 増
すると予 測されています。フェデックスで もこの 流 れを受けて、今後自社 の
集 配 車 両 をハ イブリッド 車 お よ び 電 気 自 動 車 に 変 更 するとともに 、電 気
自 動 車 の サ ポートに 必 要 なインフラ整 備 を推 奨して い きま す4。
既 存 の 在り方 に
とら わ れず、
新しい 発 想 を
提 案しま す。
企業は社会的な課題の解決
を 支 援 す べ き だ と 考 えて い る
CEOの 割 合
60
%
数 多 くの 企 業 で は 現 在 、世 界 規 模 の 事 業 展 開 、多 様 な 人 材 、そ し て
幅 広 い 専 門 性 を 駆 使して 社 会 的 な 課 題 の 解 決 を 支 援して い ま す。最 近
実 施 さ れ た あ る 調 査 によると、CEOの 6 割 は 、企 業 が 社 会 課 題 を 解 決 を
するた め の 専 門 能 力 を 備 えて い ると 考 えて いま す。フェデックスで は 、
被 災地 への 物 資の輸 送 から数千 の 絶 滅 危惧 種 保 護に向けた専門 的な物 流
サ ポートまで、当 社 が力 に な れるあらゆる 機 会 を探して いま す。5
フェデックスの社員が
新しいことに積極的に挑戦し、
改革していく姿 勢から
刺 激を受けています。
6
I
FedEx corporation
会 長 からの 挨 拶
過 去 1年 間 は 特 に 石 油 へ の 依 存 度 を 減 らす
ことに 注 力してきまし た 。フェデックスで は
よ り 早 く 、そ し て よ り 効 率 よくビ ジ ネ ス を
毎 日 220 以 上 の 国 と 地 域 に 850 万 個 を 超 え
行うため にフェデックスは 設 立 されました 。
る荷 物を輸 送しています。1 日当たりの 航 空機
フェデックスの成長にあわせて、世界中のより
の 運 航 距 離 は 50 万 マイル 相 当 、集 配 車 両 の
多くの人々や企業がグローバル市場にアクセス
運 行 距 離 は 約 1,200 万 マイル にのぼります。
で きるように なり、そ の 結 果 、人々の 生 活 は
そのため弊 社では電気エネルギーへの 依存度
より便 利 に なりました 。
が 高く石 油 依 存 度 の 少 な い 小 型 車 両 に よる
全 米 経 済 研 究 所 に よると、世 界 の 貧 困 率 は
将 来 の輸 送システムを提 唱しています。
1970 年 から 2006 年 に か け て 約 75%減 少し
本 レポートをご 覧 に なると、フェデックスの
ました 。もち ろん これ が すべ て フェデックス
社 員 が 様 々 な 分 野 でどの ような 取り 組 み を
の お か げ だ な どと い うつ もりは 毛 頭 ありま
手 掛 け て い る か をご 理 解 い た だ けることと
せ ん が 、私 た ち が この 貧 困 率 の 低 下 に い く
思 いま す。自 社 の 輸 送 システム・集 配 車 両・
ら か で も 貢 献 して い る こと は 間 違 い ありま
集 配 ル ートを 効 率 化 する新たなテクノロジー
せん 。
の 開 発 を い か に 先 行 して 進 め て い る か 、
フェデックス は 世 界 各 国 の 何 百 万 も の人 に
新 た なレ ベ ル の 機 会 と 繁 栄 を も たらして き
まし た 。私 は 世 界 の さら なる 発 展 に 向 け て
日々取り 組 んで い る 約 29 万 人 のフェデック
スチ ーム の 一 員 で あ る ことを 大 変 誇 りに 思
一 段 と 成 長 す る の に ど の よう に 貢 献 して い
るか、世界 中 の人々と企 業 を 結 び つ けるため
に ど の ような 新 た な 手 法 を 考 案 して い る か
など をご 理 解 いた だ けると 思いま す。
真 の グロ ーバ ル 経 済 に お いて は 、世 界 各 地
の を 創り続 け てきました 。
へ の ネットワ ー ク 構 築 が 成 長 の カ ギ を 握 り
遂 げ てきました 。そ の ため 私 たちは 、世 界 中
の 皆 様 に 次 のことを 約 束して いま す。フェデ
会長、社長兼 CEO
フレデリック W. スミス
限 ら れ た 資 源 で フェデックスや 世 界 全 体 が
い ま す。私 た ち の チ ーム は 常 に 価 値 あ る も
フェデックスは実 行 可能 な変 革は確 実に成し
フェデックス コーポレーション
ま す。フェデックス は日々高 い 信 頼 性 を もっ
て 世 界 を つ な ぎ、人々 の 生 活 を 豊 か に す る
べくより良 いアクセスをご 提 供していま す。
ックス は 責 任 を 持 って 資 源 を 活 用 し 、そ の
私 たちフェデックスで は 、事 業 収 益 の 向 上と
能力を賢明かつ適切に高め、人々や企業そして
同 時 に 良き 企 業 市 民 として皆 様 か ら の 期 待
地 域 社 会 の 発 展 を支 援してまいります。
に 応 えることを目指していま す。
この グロ ーバ ル・シ チズ ン シップ・レポート
そして こ の 瞬 間 も 、約 29 万 の フェデ ックス
で は 、フェデックス が そ の 責 任 をどのように
の 社 員 が この 目 標 に 向 け て全 力 を 挙 げ て
果 たして い る か を 多 くの 事 例 をあ げ て 紹 介
取り組 んで いま す。
するとともに 、4 つ の 重 点 分 野 に お ける 弊 社
の 取り組 み の 進 捗 状 況を 記していま す。
1) 経 済 状 況 とアクセス
2) 環 境 と 効 率
3) 地 域 社 会と 災 害 援 助
4) 人 材と職 場
フレ デリック
W. スミス
本 レ ポ ートで は 、フェ デ ッ ク ス が 責 任 あ る
物 事 に 柔 軟 に 対 応 する企 業 に なるため に
社 員 が 取り組 んで いるエピソードを 紹 介して
います。チ ームの 活 動 は 私 たちがす で に 達 成
し た 数 々 の 数 値 と 同 じくら い 多 くの こ と を
物 語っています。なぜならフェデックスの 社 員
一人ひとりが大 きな 貢 献 を果 たしてい るから
で す。
2010 年グロ ーバ ル・シ チズ ン シップ・レポート
I
7
私たち全 員 が
強い刺激を
受けています。
アイデ アはそれ だけで はビジネスになりません 。
新 製 品 は 自 動 的 に 店 先 に 並 ぶ わ け で は ありま
せ ん 。世 界 が 自 然 と 効 率 化 さ れ る こと は ありま
せ ん 。そして 問 題 が ひとりで に 解 消さ れることも
ない のです。
行 動 を 起こし 、変 化 を もたらし 、世界 を 形 作 る-
これらはすべて「人 」のなせるワザ なのです。
フェデ ックス は 日 々の 経 験 か らこの ことを 熟 知
しています。お 客 様 や事 業を展 開する地 域 社 会、
そして 29万人を 超 える 社 員 一人ひとりとの 関 わり
合 いからこのことを学んで きました 。
そして新たな機 会を創出し、世界中にネットワーク
を 張 り 巡 ら し 、人 々 が 必 要 と す る ア ク セ ス を
総合的に提 供しているのは、すべてフェデックスの
29万を 超 えるチームのメンバーなのです。
フェデックスをよりじっくりとご 覧いただければ、
世 の 中 の 生 活 スタイルを 変 えようと力 を尽くして
いるのは一人ひとりの 社 員にほかならないことが
お 分 かりになるでしょう。
2010 年グロ ーバ ル・シ チズ ン シップ・レポート
I
9
責任を持って
柔 軟に世界をつなぐー
フェデックスの
目指 すところは
極 めてシンプルです。
4つ の重 点 分 野 の
進 捗 状 況を 追 跡
経 済 状 況と
アクセス
フェデックスの 輸 送 ネットワーク
とデ ジタル ネットワークは「アク
セ ス 」を 高 め 、世 界 各 地 の 人 々
に 新 た な 機 会と革 新 に 向 け た
手 段を提 供します。
環 境と効 率
私 た ち の 役 割 は 、世 界 を よ り
効率的につなぎながら、環境負荷
を最 小 限 に 抑えることで す。この
目 標 を 達 成 する た め に 、“ ア ー
ス ス マ ート( EarthSmart )” と
い うプ ロ グ ラ ム を 導 入し 、様 々
な 取り組 み を 進 め て い ま す。
地 域 社 会と
災害 援 助
ネットワークの 拡 大 にあわ せて、
より 迅 速 に 被 災 地 に 緊 急 物 資
を提供する能力を高めています。
こ れ は 、世 界 中 の 地 域 社 会 の
支 援 に 向 け て 自 社 の イン フラ・
専 門 性・社 員 を 活 用 し て い る
ほ ん の 一 例 に 過 ぎませ ん 。
人材と職 場
お 客 様 、株 主 ならび に 地 域 社 会
の 皆 様 の 支 援 に 向 け た 取り組
み は 、社 員 の 日々の 行 動 に 反 映
されています。
経 済 性とアクセス
売上高
営業利益 率
( 単位:10 億ドル、2011年度 )
$
39
.3
希薄化後
1株当たり利益
5.8%
2011年 度
10.0%
FedEx®電子取引書類
現 在 71 カ 国 で 利 用 可 能 な FedEx ® 電 子
2009
年度
6
2010
年度
平均株主資本
利益 率
2011
年度 7
取 引 書 類 ( ETD) は 、申 告 書 類 のオンライン
作成・送信を可能にし、紙の使用量の削 減 、
なら び に 時 間とコ ストの 節 約 に 貢 献して
います。
10.0%
8.6%
0.7%
$0.31
6
2009年度
15.9%
2.1%
$3.76
年度
6.1%
2010年度
12.3%
$4.57
2009
総 資本に占める負債の割合
2010
年度
2011
年度 7
2009
年度
6
2010
年度
2011
年度 7
= 1カ国
777型フレイターの運 航 路 線
777型フレイターは現行の MD-11型 機 に比 べて、より多くの 貨 物を少 な い 燃 料でより遠くまで 運 べるた め、1貨物
当たりのコストと排出量が大幅に削減されます。フェデックスは先ごろ777型フレイターを新たに 6機追加し、総保有
機数は 12機に増えました。これに伴い、メンフィス-韓国、メンフィス-中国南東部を結ぶ直行便を就航しました。
フェデックスでは現在の購入契約にもとづき、2020年までに 45機の 777型フレイターを導入する予定です。
アンカレッジ
東京
大阪
シンガポール
ロンドン
メンフィス
ソウル
ドバイ
香港
ニューデリー
パリ
上海
深圳
2010 年グロ ーバ ル・シ チズ ン シップ・レポート
I
11
環 境と効率
航 空機 排出量
電気自動車とハイブリッド車の保 有台 数
フェデックスではCO2排出量の削減に向けて、
自社 機 の 排 出 量 を 追 跡・削 減していま す。
フェデ ックス で は 2005 年 を 基 準 として、
自社機からの排出量を 2020年までに 20%
削減することを目標に掲げています。
フェデックスは2011年度末までに電気自動車ならびにハイブリッド車
の集配車両の割合を2割程度増やし、現在は世界で 408台を保有して
います。これらの 集 配 車 両 の 総 走 行 距 離 は 約 950万 マイル に 達し
ました。これは地球と月の間をほぼ 20往復する距離に相当し、節約
した燃料は約 27万 6,000ガロン、削減したCO2排出量は約 2,800トン
にのぼります。
削減率
ポンド /ATM8CO2
2005 年
2020 年までに 1.55
20 %の
2006 年
削減目標
1.51
2010 年
13.5%
2009 年
8.33%
2007年
1.45
2009 年
1.35
2008 年
1.42
2010 年
1.34
企業活動におけるCO2排出量
( 単位:トン )
フェデックスは比較可能な基準を適用する
ことの 重 要 性 を 十 分 認 識して おり、企 業
活 動 に お け る CO2 の 排 出 削 減 に 向 け た
進捗状況の把握においては、温室効果ガス
( GHG ) プ ロトコ ル の 基 準 を 用 いて排 出 量
を算出しています。
スコープ1
企 業 の 所 有・管 理 物 からの 直 接 的 GHG の
排出
2009年度 14,101,552
2010年度 13,152,895
365 台
ハイブリッド車
43台
=トラック10 台
集配車両の燃費効率改善率
(フェデックス エクスプレス )
2020 年まで の目標:フェデックス エクスプレスの 集 配 車 両 の 燃 費
効率を 20%改善
15.1% 2010 年度
11.5%
2008 年度
スコープ2
購入した電力・熱・蒸気の消費による間接的
GHGの排出
2009年度 1,065,689
2010年度 996,872
スコープ3
その他の間接的GHGの排出(例:フェデックス
グ ラウンド や フェデックス エ ク ス プ レ ス
の委託事業者が購入した 燃 料 からの 排 出 )
2009年度 1,132,571
2010年度 1,008,493
罰金
環 境 監 査 の 結 果 、2010 年 度 の 評 価 額 は
総 額 2, 020ド ル でした 。
12
I
FedEx corporation
走行距離:9 50 万マイル
電気自動車
5.4%
2006 年度
14.1%
2009 年度
9.3%
2007年度
米環境保護庁スマートウェイ
輸送パートナーシップ環境パフォーマンス
(2010 年 度 9 )
フェデックス
この 革 新 的 な 輸 送 業 界
エクスプレス
と 政 府 の 共 同 プ ロ ジェ
クト で は 、大 気 汚 染 の
減 少と燃 費 効 率 の 改 善
を 目 指 し て い ま す 。ス
コ ア の 見 方 は 次 の 通り フェデックス
で す。スコア 1.25:極 め カスタムクリティカル
て優 れている/スコア
1.0:とても優 れている/
スコア 0.75:優れている
フェデックス フレイト
1.25 1.25
1.25 0.75
フェデックス
グラウンド
これまでの太陽光システムによる発電量
リサイクル ( 単位:100万ポンド )
フェデックスで は 現 在 、米 国 に 4 施 設 、欧 州 に 1 施 設 の 計 5 施 設
に 太 陽 光 発 電 シス テム を 設 置して おり、これ ら の 5 施 設 の み で
年 間 3,918トンの CO2を削減していると推定しています。これはほぼ
44万 ガ ロン 分 の ガ ソリン を 節 約し た の に 匹 敵 する ほ か 、この 量
の CO2が あ れ ば 今 後 10年間で 10万 本 の 苗 木 が 生 長 可 能 で す。
フェデックスで は 廃 棄 物 の 大 部 分をリサイ
クル・再 利 用して おり、今 後 もこの 割 合 を
高 める 新 た な テクノロジ ー の 開 拓 を 続 け
て い きま す。廃 棄 物 に は 無 害・有 害・ユ ニ
バーサ ル・電 子 廃 棄 物 が 含まれます。
636万キロワット
フェデックス エクスプレス
カリフォルニア州オークランド
57万3,348 キロワット
フェデックス フレイト
カリフォルニア州フォンタナ
75万1,672キロワット
フェデックス フレイト
カリフォルニア州ウィッティア
41.5
リサイクル・再利用された廃棄物の 割 合
11.2
FY10
26%
251万9,436キロワット
フェデックス グラウンド
ニュージャージー州
ウッドブリッジ
ギガワット
96万2,296キロワット
フェデックス エクスプレス
独ケルン
再生可能エネルギー証書 (2010年度 )
再生可能エネルギー証書( REC ) は、再生可能エネルギーによって
生 成 され た 毎 時 1,000キロワット分 の 電 力を 1 単 位としています。
フェデックス は 使 用 電 力 による 排 出 量 を 相 殺し、か つ 再 生 可 能
資 源 で 発 電 する 取り組 み を 支 援 する た め 、この RECを 購 入して
います。
3万メガワット
ISO 14001認証を受けた施 設
ISO 14001は、環境に関する方針・計画・行動において組織が包括的
か つ 戦 略 的 なアプローチを採るた め の 枠 組 みを提 供します。I SO
14001 は 環 境 管 理 シス テム の 要 件 を 規 定し た も の で 、この 要 件
を 満 たしたフェデックス の 施 設 は 51に の ぼります。
廃棄物の種 類 (2010年度 )
95.76%
無害廃 棄 物
( 固 形 廃 棄 物を含む )
2.83%
有害廃 棄 物
1.30%
電子廃 棄 物
0.11%
ユニバーサル廃 棄 物
(batteries, flourescent bulbs, etc.)
フェデックス オフィス プリント
& シップ センターにおける
FSC認証 用紙
フェデックス オフィス プリント & シップ センター
で 使 用 する 用 紙 は 、責 任 ある 森 林 管 理 を
保 証 す る 森 林 管 理 協 議 会 ( FSC ) の 認 証
を 受 け た 販 売 先 か ら 購 入 す る よう に し
ています。
2010 年度
79.09%
51施 設
2010 年グロ ーバ ル・シ チズ ン シップ・レポート
I
13
地 域 社 会と災害援助
寄付活動
( 税引き前利益に対する寄付金と物資寄付の割合 )
フェデックス
2010年度
1.51
%
米国企業
平均
2009年10
1.12%
救援物資の輸送
フェデックスでは通常、年間 400万ポンド分の貨物スペースを救援
物資の輸送に使用しています。
しかし重大なニーズがあるときには、
これ に 止まりません 。ハイチ の 大 地 震 やメキシコ湾 の 原 油 流 出 の
ような大規模災害が起こった今年は、520万ポンド分の貨物スペース
を救援物資の輸送に確保しました。
757型機1機分の
貨物スペース
ダイレクト・リリーフ・
インターナショナル
520万 ポンド分の
貨物スペースを
救援物資の輸送に確保
フェデックスは過去16年間にわたってダイレクト・
リリー フ・インタ ー ナ ショナ ル と 連 携し 、
医薬品や医療器の輸送を支援してきました。
年 間 1,500 個 の 航 空 貨 物 を 被 災 地 に
寄贈しています。
米国赤十字社に寄贈された貨物
( 単位:トン、2010 年度 )
= 貨物100個
メキシコ湾のウミガメ救出
メキシコ 湾 の 原 油 流 出 は 地 元 の 生 態 系 に
壊滅的なダメージを与えました。2万 5,000
個 を 超えるウミガメの 卵 を 救 出 するた め 、
フェデックスはその専門技術を駆使して、
この
温 度 変 化と振 動 に 弱 い 貨 物 を 確 実 に 輸 送
しました。
大 地 震 に 見 舞 わ れ た ハ イチ で は 、
依然として水や衛生施設が不足して
おり、
コレラが大量に発生しています。
フェデックスは過去10年以上にわたり
米 国 赤 十 字 社と協 力 関 係 を 築 いて
きましたが、今回ほど両社の連携が
価 値 あ る も の となっ た こと は あり
ませ ん 。フェデックスと赤 十 字 社 は
院内ベッドや経口補水塩 50万袋など
90トン分の物資を寄贈しました。
= 卵1,000個
ボランティア活動
フェデックスで は 全 世 界 の 社員がそれぞ れ の 地 元 にユ ニークな 貢 献 ができるよう支 援しています。フェデックス・
ケアズ・ウィークとセーフキッズ・ウォーク・ディス・ウェイ・プログラムは、フェデックスがサービスを展開する地域
社会に対する取り組みの代表事例です。
フェデックス・ケアズ・ウィーク
4,000人
社員ボランティア
の数
2万時間
ボランティア時間
フェデックス・ケアズ・ウィークとセーフキッズ・ウォーク・ディス・ウェイを実施
した国
94都市
実施地点
セーフキッズ・ウォーク・ディス・ウェイ
2カ国
北米地域
14
1,725人
3,450時間
240都市
社員ボランティア
の数
ボランティア時間
実施地点
I
FedEx corporation
26カ国
ラ テ ン アメリカ
お よ び カリブ 海
地域
4カ国
欧州・中東・
アフリカ地域
12カ国
アジア太平洋
地域
人材と職場
全世界および米国の社 員
全世界の社 員 数
性別や人種の多様性は貴重な資産であり、フェデックスでは今後も
多 様 な 経 歴 や 才 能 、考え方 を 持 つ 人 材 で 構 成 されるグ ロ ー バ ル
チームの 結 成を進 めます。
フェデックスの 人 材 は サービスを提 供 する
国 々と同じくら い 多 様 性 に 溢 れ て い ま す
が 、社 内 に は 多 彩 な 経 歴・ス キ ル・経 験 を
持った 人 材 が 組 み 合わさることでより強 力
な 企 業 が 創り出 さ れるという共 通 認 識 が
あります。フェデックスは 多 様 性 や マイノリ
ティーといった 言 葉 が 、文 化ごとにどのよ
うに 異 なる定 義 を 持 つ か を 理 解しており、
人 種・性 別・文 化・宗 教・年 齢・国 籍・就 労
年 数・障 害 の 有 無・性 的 指 向・性 同 一 性 に
関わらず、すべてのチームメンバーの 功 績
や 考え方を尊 重しています。社員の 多 様 性
は 今 日 の 絶 え間 なく変 化 するグ ロ ー バ ル
市 場で 継 続 的 な 成 功 を 収 めるの に 不 可 欠
な 要 素で す。
女性社員
27.1%:全世界の社員に占める女性の比率
21.7%:全世界の管理職に占める女性の比率
米国社員の人種別割合
3%:アジア系
4%:複数人種
11%:ラテンアメリカ系
25%:アフリカ系
57%:白人
マイノリティーおよび
女性オーナー企業・小規模
企業に対する拠出額
マイノリティー管理職の比率
2010年度:26.7%
2009年度:27.0%
3.1
$
( 単位:10 億ドル ) (2010 年度 ) 小規模企業向け拠出金比率
2010年
2009年
6.36%
8.67%
女性オーナー
女性オーナー
社 員のエンゲージメント
5.31%
4.64%
社員の帰属意識を高め、その意見を吸い上げることはフェデックス
の 成 功 に 不 可 欠 で す。年 次 フィード バ ック調 査 に 参 加し た 社 員
の 割 合 を みると、全 社 的 なソリューション の 成 果 がフェデックス
エクスプレス、フェデックス フレイト、
フェデックス テックコネクトに
表 れ 始 めていることが 分 かります。
86.69%
その他の
小規模企業
マイノリティー
オーナー
88.33%
その他の
小規模企業
マイノリティー
オーナー
米国内のパートナー
フェデックスは昨年、2012年 1月から米 国 内
の パ ートナ ー 企 業 に 支 援 を 提 供 すること
を発 表しました。
フルタイムスタッフの在 籍率
(米国)
2010年度: 92.6%
2009年度: 91.5%
2010 年度:97.2%
過去の割合
2009年度:93.1%
2008年度:93.4%
2010 年グロ ーバ ル・シ チズ ン シップ・レポート
I
15
主な受賞歴
(2010 年1月1日~2011年 4月15日 )
『 フ ォ ー チ ュ ン 』誌 の 『 フ ォ ー ブ ス 』誌 の
「世 界で 最も賞 賛され 「米 国で 最も評 判 の 良
る企業」第 8位
い 企 業 10 社 」にランク
イン
ボ ストン カレッジ -レ
ピュテーション・インス
ティチュートの C S R イ
ンデックス上 位 50 社 に
ランクイン
ザ・イ ン タ ー ナ ショナ
ル・チャーターの「環境
対 策 賞 ( C o m m i tt e d
to the Environment
Award)」を受賞
『 コ ン ピ ュ ー タ ー ワ ー 『 ブ ラック・エ ン タ ー プ
ルド 』誌 の「 I T 業 界 で ライズ』誌 の「多 様 性 に
最も働きが い のある
優れた企業」上位 40 社
にランクイン
企業( Best Places to
Work in IT)」を受賞
ダウジョーンズ・サステ
ナビリティ・インデック
スに選定
米 環 境 保 護 庁 のグリー 『ニューズウィーク』誌の
ンパワー・パートナーシ 「 最 も 環 境 に 配 慮 し た
ップ の「米 国プリンター 米 国 企 業 5 0 0 社 」にラ
ンクイン
リスト20社」第 1位
ウォール・ストリート・ジ リ ン ド バ ー グ 財 団 の 『 フ ォ ー チ ュ ン 』誌 の
ャー ナ ル・アジ アの「ア 「 バ ラ ン ス 企 業 賞 「 最 も 働 き が い の あ る
ジアで 最も賞 賛される
会 社 10 0 社 」に ランク
( Corporate Award for
イン
企 業 200 社」上 位 20 社
Balance)」を受賞
にランクイン
エアカーゴ・エクセレン
ス・アワード の「プラチ
ナ賞」を受賞
メン フィス の ワ ー ルド
ハブが ITM( Institute of
Transport Management)
の「ベスト・グローバル・
カ ー ゴ・ハ ブ 」を 受 賞
アジア・フレイト & サプ
ライチェーン・アワード
の「ベスト・オール・カー
ゴ・エアライン」を受賞
EarthSmartは 環 境 負 荷 の 最 小 化 に 向 け た フェデックス の コミットメント
で あり、自 社 の 環 境 パフォー マンス の 向 上 だ けで なく、輸 送 業 界 を 含 め た
幅 広 い 産 業 に 属 する企 業 の 指 針 にもなるような 新 た な 手 法 の 発 掘また は
創 出 を 目 指して い ま す。フェデ ックス は こ の EarthSmartを「 Solutions」
「 @ Work」
「 Outreach」の 3つ の 分 野 で 展 開しています。
SOLUTIONS
@ Work
Outreach
(ページ番号 )
(ページ番 号 )
(ページ番号 )
FedEx® 電子取引書類 11
777型フレイター メキシコ湾 のウミガメ救 出 14, 42
電 気自動 車とハイブリッド車 12, 37
太陽光発電システム設置施 設 13, 33
ツリーカナダ 32
LEED認 証 32
再生可能エネルギー証書 13
エンバーク(EMBARQ) 36
フェデックス・ペーパー・
リサイクル・プログラム
40
11, 23
ISO 14001認証 13
リサイクル 13, 26, 40
FSC認証紙 13
グラウンド・ロジスティクス &
モデル・オペレーションズ 29
エコドライブ・プログラム 30
ROADSプログラム 31
水素燃料電池式フォークリフト 37
参 考ウェブサイト(すべて英語版 )
業務遂行および倫理に関する行 動 規 範
http://access.fedex.com
http://ir.fedex.com/downloads/code.pdf
http://csr.fedex.com
アニュアルレポート コーポレート・ガバナンス
フェデックスの 価 値 観
http://ir.fedex.com
http://www.fedex.com/us/
investorrelations/corpgov
取 締 役 会メンバー
http://ir.fedex.com/committees.cfm
ダイバーシティ・カウンシル & アライアンス
http://csr.fedex.com
16
グローバ ル・シチズンシップ・レ ポート
アクセス
I
FedEx corporation
http://www.fedex.com/us/
about/today/mission.html
必 要なものを
素 早くお届けします。
すべ ての人 に
公平な機 会を
提 供しま す。
皆 様 は 経 済 の 成 長 エ ン ジ ン を お 知 りに なりた いで す か?そ れ は 私 た ち が
全 世 界 で お 届 けして い るすべ ての 荷 物 の 中 に 入って い ま す。私 たちが 創り
だして い るアクセ ス は 、人々 が 以 前 は 自 分 の 生 活 に は な か った 機 会 を 創 出
し たり、あ ら ゆ る 企 業 が グロ ーバ ル 市 場 に 参入し たりする の を 可 能 にして
い ま す。ま たこのアクセ ス は 、中 小 企 業 が 成 長 し 、お 客 様 や 社 員 の 方々、
地 域 社 会 の 皆 様 に 新たな 利 益 を提 供 するのに不 可欠 なリソースをもたらして
いま す。
18
I
フェデックス コ ーポレ ー ション
今後 の 経 済成長に不 可欠 な
グローバ ルネットワーク
ア ジ ア 太 平 洋 諸 国 に お ける ミド ル クラス の
フェデ ックス は 世 界 を つ なぐことで 新 た な
速して いま す。USTRに よると、米 国 の 中 小
機 会 を 作り出して いま す。そして景 気 回 復 を
加 速 す る の は 、この 機 会 の 創 出 で あ る こと
が日々明らか に なってきていま す。
先 の 不 況 か ら 回 復 す る に あ たり、各 企 業 は
より速く、より技 術 的 に優 れ た「アクセ ス 」
を 活 用 するように なってきて いま す。企 業 は
一 段 と 活 動 の ス ピード を 増 し 、在 庫 コ スト
新 興 国 と 世 界 を つ な ぐ 懸 け 橋 に 。中 国・九 竜 半 島 を
の 削 減 や 対 応 時 間 の 短 縮 に 取り組 んで いま
駆 け 巡るフェデックス エクスプレス の 集 配 車 両
す。ま た 、事 業 モ デ ル を 見 直して、今 日 の 最
先 端 テ クノロ ジ ー を 生 かし た 優 位 性 の あ る
革 新 的 サービ スを打 ち出して いま す。そ のよ
急 増 は 、米 国 製 品 に とって ま た とな い 機 会
と な って お り、こ れ が 米 国 内 外 の 繁 栄 を 加
企 業 に よるアジ ア 太平 洋 諸 国 へ の 輸 出 額 は
2008年 に 1,730 億 米ドル に 達しました 。
新 興 国 に お けるミド ル クラス の 伸 び は 成 熟
し た 経 済 に 恩 恵 を も たらして い るだ け で な
く、低 迷 を 続 ける 産 業 に とって も 支 え と な
って い ま す。そ の 代 表 的 な 例 が 自 動 車 産 業
で す。新 興 国 の 家 庭 所 得 が 自 家 用 車 の 所 有
が 可 能 と な る 年 間 1万 米ド ル に 達 す る の に
合 わ せ て 自 動 車 産 業 が 復 調 して き て い ま
す。2009 年 に は 中 国 が 米 国 を 抜 き、世 界 最
大 の自 動 車 市 場 に 浮上しました 。
うな 中 で お そ らく最 も 重 要 な の は 、各 企 業
が世 界 のより多くのマー ケットとつな が るよ
うに なり、そ れ が 先 進 国 と 新 興 国 の 双 方 に
メリットを もたらしてい るということで す。
もちろん 、フェデックス は 、新 興 国 諸 国 に 対
して、こ れ ま で 自 国 内 に は な か った 新 た な
機 会 を 提 供 する 上で 重 要 な 役 割 を 果 たして
います。これ が 新 興 国 だ けで なくグローバ ル
市 場 に ま で 拡 大し 、好 循 環 を 生 み 出して い
ま す。先 進 国 は 新 興 国 の 新 製 品 や 新 サ ービ
ス 、ならび に 拡 大 するミドル クラス にリー チ
で きるように なり、そ の 結 果 、新 興 国 の人々
先の不況から回復
するにあたり、各企業は
より速く、より技術的
に優れた「アクセス」
を活用するように
なってきています。
や 企 業 は自 分 たち の 商 品 を 新 たな 消 費 者 に
届 け ら れ る よう に な った ほ か 、健 康 や 生 活
を 高 め る 製 品・サ ー ビ スを 得 る こと が で き
るように なってきました 。
設 計 技 術と 経 験 を 持 つミシ ガ ン 州 の ような
この ように 企 業 が グロ ーバ ル 市 場 と つ な が
る よう に な る と 、そ の 企 業 が 属 す る 社 会 の
雇 用 促 進 と 富 の 増 大 を 招 き ま す。こ れ を 私
たちは「アクセス 効 果( Access
Effect)」
と呼 んで いま す。リサ ー チ 会 社 SRIインター
ナ ショナル の 調 査 で は 、ネットワーク化 が 進
む に つ れて 社 会 が 豊 か に なること が 分 かり
まし た 。ま た 、米 通 商 代 表 部( USTR)に よ
ると、世 界 の 消 費 者 の 95 % は 米 国 外 に住 ん
で おり、さらにこの 世 界 中 に 散らばって い る
消 費 者 は 、どの 経 済 の 成 功 に とって も 不 可
欠 な 商 品・サ ー ビ ス の 供 給 者としての 存 在
感 を 増してきていま す。
この ことは 中 国 の 自 動 車 メーカ ー が 求 め る
地 域 にとって朗 報 で す。昨 年 の ゼネラル モー
ターズ(GM )の 販 売 実 績 は 中 国 が 47 億 米
ドルと、米 国 を上 回 る 利 益 を上 げ ました 。
パ シ フィック・セ ン チュリー・モ ー ターズ の
ような 中 国 企 業 が 米 国 の自 動 車 産 業 に 投 資
して い る背 景 に は この ような 中 国 市 場 の 拡
大 が ありま す。同 社 は 2010 年 末 に ステアリ
ン グ( 操 舵 装 置 )の 設 計・製 造 を 手 掛 ける
GMの 子 会 社 ネクステア・オートモ ー ティブ
を買収しました。パシフィック・センチュリー・
モ ー タ ーズ は 買 収 後 も ネ ク ス テ ア の 人 材
と専 門 技 術 が 揃 って い るミシ ガ ン 州 サ ギノ
ーを拠 点 に 同 社 の 事 業 を 継 続していま す。
2010 年グロ ーバ ル・シ チズ ン シップ・レポート
I
19
まさに Win-Winの 関 係 なので す。
厳 格 に 在 庫 を 管 理 する上で の 新 たな 基 準
は 、高 い 信 頼 性 を 誇 る ロ ジ ス ティクス が 行
世 界 規 模 でネットワー ク化 が 進 むと、このよ
うな お 互 い にプラスとなる Win-Win の 状 況
き 届 い た 世 界 で の み 確 立 で き ま す。フェデ
ックス は何 十 年 にも わたり、スピード を 軸と
が 起 こりま す。企 業 は より広 範 なアイデ アと
し た 事 業 モ デ ル の 構 築 を 可 能 にして きまし
事 業 主 を 求 めて 事 業 領 域 を 拡 大 で き、どの
た 。今 日で は 当 社 の 技 術 ならび に 組 織 面 で
企 業 も 初 日 か ら全 世 界 に 影 響 を与える よう
の イノベー ション を 駆 使して、各 企 業 の 事 業
なビ ジ ネ スを 展 開 すること が 可 能 に なりま
モ デ ル の 進 化 を サ ポ ートして い る の み なら
す。テクノロジー の お か げ で、物 理 的 に 離 れ
ず、新 た な 事 業 モ デ ル の 確 立 も 手 掛 け て い
て いて もまるで 同じ 部 屋 の 中 に い る か の よ
ま す。
うに一 緒 に仕 事 を 進 め ら れ る ように なり、
密 集 地 帯 の 間を縫うように 走るフェデックス エクスプレス の
集 配 車 両(インド・デリー )
これ が グロ ーバ ル 規 模 の 新 たな 事 業 モ デル
フェデックス は た だ の 輸 送 会 社 で は ありま
が 生まれる 機 会 を 生 み 出していま す。
せ ん 。グロ ーバ ル 規 模 の 商 取 引 の 橋 渡し 役
として、各 企 業 が 変 わ り 続 ける 世 界 で 新 た
「当 社 はこの 製 品で 米 国 を はじ め とする
な 機 会 を 見 出し 、そ の 機 会 を 確 実 に つ か み
国 々で 多くの雇 用 を 生み 出してきました 」と
取 れるよう支 援していま す。
ラウド マ ウス ゴ ルフ の 創 業 者 で あ る ス コッ
ト(ウッディ)・ウッドワース氏は語ります。同社
は 社 名 ( “ 大 声 で 話 す人” の 意 ) か ら 想 像 さ れ
る の と 同 じ 大 胆 な カ ラ ー の ゴ ルフウェア を
販 売しています。本 社 は な い もの の 、中 国 の
工 場 で 縫 製 職 、米 国 で 販 売 職 と技 術 職 の 雇
用を 生みだしています。
2008 年 に 中 国 で 生 産 を 開 始 し た 同 社 は
こ の 年 、イ ン タ ー ネット 通 販 の み で 75.1万
米ド ル を 売り上 げ まし た 。翌 年 に は 卸 売 事
「当社はこの製品で
米国をはじめとする
国 々で 多くの 雇 用 を
生み出してきました。」
業も 始 め 、売 上を 240万 米ドル に伸 ばしまし
た 。2011年 に は 1,250 万 米ドル の 売 上を 見
込 んで います。同 社 は 現 在 6大 陸に配 送 拠 点
を抱え、各大 陸で雇 用を生み出しています。
ラ ウド マ ウ ス ゴ ル フ で は 、ハ イ ス ピード の
サ プ ライチェーン が 必 要 な 在 庫 を ほ と ん ど
持 た な い 新 た な 事 業 モ デ ル を 展 開して いま
す。子 供 が 学 校 に 行 って い る 間 に 製 品 を 注
文 するカリフォルニアの主 婦 からオーダーメ
ード のス ポ ー ツ コ ートを 縫 製 する 中 国 の 仕
立 屋ま で、この サプライチェーンの 至る 所 に
新 たな 機 会 が 存 在してい る ので す。
20
I
フェデックス コ ーポレ ー ション
ミシ ガ ン 州 サ ギノー に ある ネクス テア・オ ートモ ー ティブ の
主 力 製 造 工 場で マ ネ ージャーを 務 めるオーディ・プル ーイッ
ト 氏 。世 界 各 国 の 自 動 車 メ ー カ ー 向 け に ス テ アリング 装 置
の 設 計・製 造 を 手 掛 ける ネクス テ ア 社 は 倒 産 寸 前 のところ
で中国のパシフィック・センチュリー・モーターズによって救済
されました 。オーディ氏 は 親 子 三 代で サ ギノー 工 場 に 勤 める
ブ ル ーイット家 の 二 代 目で す。
企業がグローバル市場とつながるようになると、
その企業が属する社会の雇用促進と富の増大を
招きます。この「アクセス効果」にフェデックスは
大きな役 割を果 たしています。
2010 年グロ ーバ ル・シ チズ ン シップ・レポート
I
21
徹 底した温 度 管 理:医 薬 品を
より遠くへ安 全 に 輸 送
フェデックス カスタム クリティカルで クオ
カ ー ル・クッソウ は 細 心 の 注 意 を 払 い な が
送 イノベーションの 開 発・試 験 を担 当するチ
ら医 薬 品 の 取 扱 説 明 書 の 但し書きに目を 通
「 容 器 に よって は 中 の 錠 剤 の 取り扱 い方 法
クッソウは 次 のようにコメントして いま す。
ての 薬 品 の 取 扱 い 説 明 書 に 明 記 さ れて いま
す」とクッソウは 語りま す。
フェデ ックス・ヘ ル ス ケ ア・シス テ ム が 医 薬 品 の 輸 送 用 に
医 薬・ヘ ルスケア 産 業 の 急 激 な 伸 び に あ わ
せ て、グ ロ ー バ ル の フェ デ ッ ク ス チ ー ム は
この市場向けの高い専門能力の開発を進め、
ックス の お か げ で 、
全 世 界 で ヘ ルスケア 関 連 サ ービ スの 質 を 高
めて いま す。当 社 の グロ ーバ ルネットワー ク
と 先 進 的 な 定 温 管 理 輸 送 を 組 み 合 わ せるこ
とで、世界 各 地 の 医 師 や患 者 の方々にメリッ
「皆 さん の お 子さん が 私 たち が 運 ぶ こ れら
の 薬 を服 用するか もし れません 。もしかした
ら私の 子 供 に当たるか もし れません 。そのた
め 、きちんと作用する 状 態 を 保ったまま薬 を
医 療 機 関 に届けることがとても重 要 です」。
フェデックス
エクスプレスで は 厳 格 な 温 度
管 理 が 必 要 な 貨 物 向 け に「ディープ・フロ ー
ズ ン・シッピ ング・ソリュー ション」と「サ ー
マル・ブ ラン ケ ット」と い う 2 つ の 革 命 的 な
ソリュー ション を 開 発しました 。「ディープ・
フロ ーズ ン・シッピ ング・ソリュー ション」は
ド ラ イ アイ ス の 2 倍 以 上 の 極 低 温 状 態 を 保
こ れ ま で 手 に 入ら な
トを もたらす 医 薬 品 の 輸 送 が 可 能 に なり、
か った 医 薬 品 が 使 用
提 供 することが 出 来るように なりました 。
しま す。また「サ ーマル・ブ ランケット」は 、
世 界 の 中 に は 、フ ェ デ ッ ク ス の お か げ で
を 保ちま す。
で きる よう に な った
ところもあります。
遠 隔 地 の人々に 新 た なヘ ルスケアの 機 会 を
これまで手に入らなかった医 薬品が 使 用でき
るように なったところも ありま す。ま た 当 社
で は そ の ス ピードと テ クノロ ジ ー を 駆 使 し
て、イ ンド を はじ め と す る 新 興 国 の 後 発 薬
の 製 造 拠 点と世 界 各 地 の 患 者を つ な いで い
加 えて 空 調 完 備 の 航 空 機 や 一 段と強 固 なセ
キュリティ、「センス アウェア」や「フェデッ
クス・プ ライオリティ・アラ ート」とい った 最
新 鋭 の 監 視 サ ー ビ ス な ど が 、こ れら の 重 要
フェデックス エクスプレスの ライフサイエン
物 の 内 部 温 度 や 光 の 照 射 状 況 、所 在 地 など
ス & スペシャル ティ・サ ービ ス 担 当 取 締 役 の
輸 送 中 の 貨 物 情 報 を ウェブ サイト上で ほ ぼ
リチャード・スミスは次のように語っています。
リアル タイムに 入手で きま す。
の 注 意 を 払って 運 ぶ 体 制 が 整 って い ま す。
最 大 の 懸 案 事 項 は 時 間 と 温 度 で す が 、フェ
デックスなら 確 実 な 温 度 管 理 の もとで 輸 送
ま す。センス アウェアの 導 入で、お 客 様 は 貨
ま たフェデ ックスで は 通 関 や 天 候 に よる 遅
延 な ど 、サ ー ビ スを 中 断 せ ざ る を え な い あ
らゆるリスクに 対して 対 策 を 講じています。
すべ ての 輸 送 プ ロ セ スを 自 社 の チ ーム メン
可 能 で す」。
バーで 対 応 することで、髄 膜 炎 ワクチン やマ
世界 の ヘ ルスケア 関 連 の 支 出 は 拡 大し 続 け
チンなどの薬をインドや東 南アジア、そしてア
ており、そ の 輸 送 費 だ け で も 240 億 米ドル
フリカ諸国に輸 送する体 制を整えています。
を 超 えていま す。この重 要 な 成 長市 場 に向
け て当 社で はこの ほど、ヘ ルスケア 業 界 の
お 客 様 の 梱 包・輸 送・監 視・配 送 に 対 する
ニーズ にきめ 細 や か に 応 える最 先 端 の 革 新
ツールを取り揃 え た「フェデックス・ヘ ルス
ケア・ソリューションズ 」を 導入しました 。
フェデックス コ ーポレ ー ション
航 空 機 からの 積 み 降 ろし の 際 に 適 度 な 温 度
貨 物 の万 全 な 輸 送 体 制 の 確 立 に 貢 献して い
るフェデ ックス に は 、商 品 を 最 速 か つ 細 心
I
った ま ま 、安 全 で 環 境 に 優 し い 輸 送 を 実 現
ま す。
「世界最 大の 航 空 貨物 輸 送ネットワークを誇
22
ーム の リ ー ダーで す。二 人 は 自 分 の 仕 事 の
重 要 性 をしっかりと認 識していま す。
ありま す。中 で も 温 度 に 関 して は ほ ぼ すべ
世界 の中には 、フェデ
クッソウは 、ともにヘ ルスケア 業 界 向 け の 輸
していま す。
の 説 明として、一 冊 の 本 が 付 いてくることも
設 計した「クリニカ ル パック」
リティと 検 証 業 務 を 管 理 して い る ス ミ ス と
ラリア治 療 薬 、H1N1型 インフルエン ザ ワク
「 一 旦 薬 が なくな る と 次 の 入 荷 ま で 6 週 間
か か る 地 域 も ありま す。ま た 特 定 の 医 薬 品
が 全く手 に 入らな い 場 合 もありま す。私 たち
は 必 要 な 品 を必 要 な 時 に 適 切 な 状 態 で 確 実
に お 届 けして いま す」と スミス は 締 めくくり
ました 。
国 際 取引と
環 境との 相 関 関 係
大型化が
質の向 上になる場 合 も
国 際 取 引の 拡 大と環 境 の 改 善 は 相 互 にメリ
合 理 化 が 広く支 持 さ れ る世 界 に お い
ット を も た らすと い う 考 え は 一 見 矛 盾 して
て、766,000 ポ ンド の 航 空 機 は 何らか のソ
いるように みえます。ただ 数々の 研 究 で は 、
リュー ション を 提 供 で きる の かと 思 わ れ る
環 境 保 護 に向 け た 政 策 や取り組 みが 国 際 取
方 も い る か もし れ ま せ ん 。し か し 大 型 な が
引 の 競 争力 向 上 に 貢 献 すること が 実 証さ れ
ら環 境 に優しいボーイング 777型フレイター
始めています。
は 、私 たちに 大 きな メリットを もたらして い
フェデックスで は 必 要 不 可 欠 な デ ー タを 揃
この「トリプル セブ ン」は す で に 運 航 コスト
と環 境 の 相 関 関 係 を 分 析する 研 究 を行 いま
と 環 境 負 荷 を 低 減し な が らアジ アの 新 興 市
した 。その 報 告 書 で は 、この 矛盾 する定 説 の
分 析 や デ ー タの 検 証 、ならび に 将 来 の 研 究
場 へ のアクセ スを 向 上して いま す。2011年
3 月には 777型フレイター の 新たな 運 航 ル ー
モデル の 確 立について触れています。
トを 開 設し 、フェデックスの ワールドハブが
と貿易 促 進 策 は 全 体 的 な 環 境 改 善 につな が
をあたえる場 合 もあると指 摘しています。
ャストインタイム 輸 送 に依 存 するように なる
そ の ため「 2010 イエール 環 境 パ フォーマ ン
ス 指 標 」の 策 定 に も 協 力し まし た 。こ れ は
163カ国 の 環 境 パ フォーマンスを 分 析して定
めた も ので、環 境 面 で の 持 続 可 能 性 向 上 に
取り組 む 政 策 立 案 者 にとって 不 可 欠 な 情 報
源となっています。
フェデックスで は 機 会 創 出と 資 源 保 護 の 両
立に何が 必 要 かをしっかりと理 解した 上で、
世 界 中 の すべ ての人 に サ ービ スを 提 供 する
ことを目指しています。
航続距離:
1,900海里長い
運 航 を 週 4 便 で 開 始しました 。
企 業 が 在 庫 を圧 縮して 補 給 品 や 完 成 品 の ジ
点 を 理 解 すること が 重 要 だ と 考 えて おり、
搭載可能貨物量:
1万 4,000ポンド
多い 11
あ る 米 メン フィス と 韓 国 を つ なぐ 直 行 便 の
るとし な がらも 、特 定のエコシステムに影 響
私 たち は 両 者 の 相 関 関 係 やトレ ード オ フの
フレイターのメリット
ます。
えるた め 、イエー ル 大 学 と 共 同 で 国 際 取 引
イエール 大 学 の 研 究 で は 、国 際 取 引 の 拡 大
MD-11型機と比べた 777 消費燃料:
18%少ない12
貨物1トンあたりの
排出量:
18%少ない 12
中 、ボーイング 777 型フレイター は一 刻 を 争
う企 業に高い競 争力をもたらします。同 機 の
最 大 貨 物 搭 載 量 は 178,000 ポ ンド で、航 続
距 離 は 5,800 マイルを 超 えます。またこれま
で の 機 体 に 比べ て 貨 物 1トンあたりの 排 出 量
を 少 なくしつ つ 、消 費 燃 料 を 18% 削 減して
います。
フェデ ックス は 先 ごろ 、新 た に 7 7 7 型 フレ
イター を 6 機 追 加し 、保 有 機 数 を 12 機 に 増
や し ま し た 。今 後 も 同 機 の 調 達 を 継 続 し
2020 年 ま で に 45 機 の 777 型 フレ イター を
導 入する予 定 で す。これ と同 時 に 、フェデッ
クスで は 現 在 727 型 機 から 757 型 機 へ の 切
り替えを 進 めています。757 型 機 は 有 償 貨 物
1ポ ンド 当 たりの 消 費 燃 料 を 47% 削 減し 、
メンテナンス費 用も減らします。
優 れ た 効 率 を 誇る 機 体 の 導入 は 燃 料 節 約と
環 境 保 護 を 両 立し な が ら 、グロ ーバ ル 企 業
に 世 界 各 地 へ の 輸 送 ネットワー クを 提 供し
続 けるため の重 要 な 施 策 の 1つで す。
2010 年グロ ーバ ル・シ チズ ン シップ・レポート
I
23
人々の
ライフクオリティの向上を
目 指し ま す。
世 界 が 急 激 な 変 化 を 遂 げ る 中 、私 た ち は 今 、大 き な 課 題 に ぶ つ か って い ま す。現 地 の 市 場 とグ ロ ー バ ル 経 済 の ニーズ を
ともに 満 たす に はどのようにしたら良 い の か?成長に必 要なイノベーションはどこで見出せるのか?目まぐるしく変わり続 ける
世界 を捉 える新たな手 法を 未 来あるリーダーに提 供 するにはどうすべきなのか?これらの 答えを見出すにあたり、フェデックス
に は 大 きな 利 点 が ありま す。当 社 は 現 在、全 世 界で 2 9 万人を 超 える 社 員と 共 に 、2 2 0 を 超 える 国と地 域 に サ ービ スを 展 開
して いま す。そ の ため 、アイデ アや人 材 、考え 方の 面 で 多 様 性 が 不足することは一 切 ありません 。
24
I
フェデックス コ ーポレ ー ション
グローバ ル の 企 業 文化と
現 地 の カル チャー が 混 ざり
合 いさらなる発 展 へ
リップチャートを貼りつけて説 明しました。
彼 女 が 伝 えた かったの は 、フェデックスには
会 社 の 理 念 や 企 業 文化 に 精 通して い るだ け
でなく、現 地 の文化や 考え 方も 理 解している
フェデックス エクスプレスの 社 長 兼 最 高 経 営
責 任 者( CEO )で あ るディビッド・ブロン ゼ
ックが 、欧 州・中 東・ア フリカ 諸 国 の 業 務 担
当上 級 副 社 長 の 職 に 就 いていた 18 年 前のこ
と。担当諸 国の 低い業 績に業を煮やしたブロ
グ ロ ー バ ル 企 業 に 現 地 の リ ー ダ ー シ ップ の 価 値 を 語 る 、
中 央・東 欧 州 お よ び イ ス ラ エ ル の 業 務 担 当 副 社 長 の
アン チュ・シュット・ファーレ ンクロ ーグ
管 理職に占める
現 地スタッフの割合
98.4%
アジ ア太平洋 地 域
99.0%
欧 州・中東アフリカ
地域
た が、ブロンゼックや 同 席した役 員 が 彼 女の
当 時 カスタマーサービ ス 担 当シニア・マネー
れ 、その 後 実 際 の 変 革へとつながっていった
ジャーであったアンチュ・シュット・ファーレ
のです。
ンクローグ は 、ブロンゼックが 業 績 不 振 を 明
た。ミーティングは 4 時間にもわたって続けら
確 に 言 い放ったミーティング に参 加していた
「企 業 の 理 念 や 文 化 に 精 通し 、且つ 現 地 の
メンバー の 1人で す。「ブロンゼックがドイツ
文化や 考え 方も 理 解 するという 2つ の 要 素を
の 経 営 陣 に 対し 極 めて 批 判 的 な 発 言 をした
兼 ね揃えていなければ、成 功 は出来ません」
のでとても 不快な 思い をしました 。心 の底 か
当時 を回 想してブロンゼックはこう述 べ てい
ら怒りが 込 み上げ てきました 」とシュット・フ
ま す。「フェデックスの 企 業 文 化 と現 地 の 文
ァーレンクローグは振り返ります。
化を受け入れる必 要があるのです。」
この 怒りをきっか けに 、現 地 のリーダーシッ
シュット・ファーレンクロ ー グ は 現 地 の 考 え
プ モ デ ル 確 立 に 向 け た 動 き が フェデックス
方 を 大 切 にし な がらも 、国 をまたいで「アク
エクスプレス 内 で 進 み 始 めました 。このリー
セス 」を確 立 するには 、各 国 固 有の文化を 超
ダーシップモデル の 導入でドイツの 業 績 は 瞬
え たグロ ーバ ル の 視 点 も欠 か せ な いと 感じ
ています。
以上において「最も働きがいのある会社」に名を
99.7%
カナダ
を大にして言ってい いものかどうか 心 配 でし
アイデ アに 興 味 を持 ってくれて い るようでし
連 ねるまでになりました 。
98.1%
シュット・ファーレンクローグ はこのことを声
ンゼックは変 革を推し進 めました 。
く間 に回 復し 、その 後フェデックスは 20カ国
ラテンアメリカ・
カリブ 海 地 域
現 地 スタッフが 必 要だということです。
1990 年 初 頭 のドイツの 状 況 につ いてブロン
25 年 前 にデ ータ入 力スタッフとしてフェデッ
クスに入社したシュット・ファーレンクローグ
は 現 在、中 央・東 欧 州およびイスラエ ル の 業
ゼックはこう 振り返って いま す。「 現 地 の 社
務 担 当 副 社 長 を 務 めていま す。そしてドイツ
員は自分たちの業 績 が 芳しくないことを 十 分
で 始まった各 国・地 域 で のリーダーシップ 確
認 識していました 。彼らは自分たちで 回 復 で
立の 取り組 み はフェデックスの 新たなスタン
きると言って いた ので すが 、そ の 声 を きちん
ダードになりました 。
と伝 える 術 がな かったので す。そこで 仕事 を
進 め る 上で 現 地 の 文 化 を 取り入 れ る 必 要 性
「フェデックスの 企 業 文化 をしっかりと身 に
を感じました 」。
つ け、そ れ を 現 地 の カ ル チ ャ ーと 調 和 さ せ
る 。するととてもうまく機 能します」と、シュ
変 革 の 契 機 となったこのミー ティング で、シ
ット・ファーレンクローグは述べています。
ュット・ファーレンクロ ー グ は 問 題 の 原 因 は
文 化 の 違 い に よる 衝 突 に あ るとみて いまし
各 国の文化を融 合しその動きを推し進 めよう
た 。「 現 地 の 経営 陣 の 考えを 聞 いてもらえさ
とするシュット・ファーレンクローグの 熱 意と
えす れ ば 解 決 へ の 道 は あ ると 分 か って いま
勇気 は、現 地 の 優 秀 な人材 を雇 用し 、彼らの
した 」。そ の 夜 、彼 女 は まさ にこのことをメ
話 に 耳 を 傾 けようと 努 力 を 続 け て い る 私 た
ールに書き綴りブロンゼックに送りました 。
ちを後 押ししてくれます。
翌 朝 午 前 7 時 半にシュット・ファーレンクロー
「フェデックスの 企 業 文化と人材 はどの 国 の
グの 電 話 が 鳴りました 。ブロンゼックの オフ
文 化 ともぴ ったりマッチしま す。し かし自 然
ィスからで、ブリュッセルに来るよう指示があ
とマッチする わ け で は なく、そ れ には エ ネル
りました 。資 料 を準 備 する間 も なくブリュッ
ギーと目的 意 識 、コミュニケーション、そして
セルに向かったシュット・ファーレンクローグ
何 よりリ ー ダ ー シ ップ が 必 要 な の で す」と
は 、ブロンゼックのオフィスの 壁 に 15 枚のフ
彼 女は 締めくくりました 。
2010 年グロ ーバ ル・シ チズ ン シップ・レポート
I
25
グラウンド・グリーンの成 果
4,600万 ポンドを
リサイクル
「グ ラ ウ ンド・グ リ ーン」で
ハブの廃 棄 物を削 減
次 世代 のグローバ ル 起 業 家
マイク・ビッカ ーズ は あ る 疑 問 を 抱 えて いま
ク だ け を 使 って、明 る い 未 来 の 青 写 真 を 描
した 。1施 設 あたりの 廃 棄 物 は一 体 どのくら
きました 。
いで、地 域 ごとで はどうな の か?そ の 中 でリ
サイクルで きるもの は な い の か?
廃棄物除去費用を
25%削減
ア フリカ の 10 代 の グ ル ープ がカ ラ ー チョー
ア フリカ 初 の ジュ ニア・ア チ ーブメント「カ
ンパ ニー・オブ・ザ・イヤー」は 、スワジラン
そこで、フェデックス グラウンドの 砂 漠 地 域
ドのル ボ ン ボ 地 区 に あ るロソチ 高 校 の グル
担 当 取 締 役 を 務 め る ビ ッ カ ーズ は 、ア リ
ープ が 受 賞し まし た 。同 校 の 学 生 起 業 家 た
ゾナ 州 テンペ の シニア・マネー ジャーであ る
ち は カ ラ ー の チョー ク を 使 用し た か らで は
エリック・パ ガ ーノ に 自 分 た ち の 地 域 で 環
なく、スワジ ランド 唯 一 の チョー クメーカ ー
境 面 で の 持 続 可 能 性 に 関 する 新 たな 取り組
の 設 立 と いうアイデ ア が 高く評 価 さ れ 今 回
み を立 案・実 行 することを相 談しました 。パ
の 受 賞に 至りました 。
ガ ーノの チ ーム は 現 地 の 取 引 先 と 協 力して
再 利 用 ま た はリサイクル 可 能 な 廃 棄 物 を 特
「カンパ ニー・オブ・ザ・イヤー」大 会 が アフ
定・分 類し 、埋 立 地 に 送 る 廃 棄 物 を 最 大 限
リカ 諸 国 にまで 拡 大したことは 、フェデック
削 減しました 。チ ーム はリサイクル 可 能 な 段
スとジュニア・アチ ーブメントの 14 年 間 に わ
ボール や 紙 、プ ラスチックフィルムを 圧 縮・
たる協 力 関 係 にお いて 1つ の 大 きな 節目とな
梱 包 する ベイラーを 設 置 可 能 な 施 設 を 突 き
る 出 来 事 で す。ジュ ニア・ア チ ーブメント は
止 め た ほ か 、段 ボール の 再 利 用 に 向 け て 多
若 者 の グローバ ル 経 済 へ の 適 応 力 を育 成 す
くの 施 設 にシュレッダーを 設 置しました 。
る世 界 最 大 の 団 体 で、フェデックス は「 カン
パ ニー・オ ブ・ザ・イヤ ー」大 会 の 欧 州・中
フェデックス グラウンドでは現在、これまで
東・北 米・ア フリカ・ラ テン アメリカ・ア ジ
埋 立 地 に送られていた 資 材 をシュレッダーに
ア 太 平 洋 諸 国 で の 地 域 予 選 を 協 賛し 、今 日
か け、梱 包 に 再 利 用して いま す。これ に より
の 若 い 世 代 が 将 来 起 業 家 に なる の を 支 援
緩 衝材の必 要性を削減しコストと資材の節約
して い ま す。ま たフェデックス は 、グロ ーバ
に 役 立てています。またビニール 袋 を 使 用し
ル 貿 易と 環 境 面 の 持 続 可 能 性 に 対して最 も
て小 型 の 品 物 を 運 び、使 い 終 わったらリサイ
深 い 理 解 を 示し た 学 生 企 業 に「フェデ ック
クルして新しいビニール袋を作っています。
ス・アクセ ス・アワード」を 贈 って いま す。
「フェデックスの あらゆる ネットワー クを 駆
使して、地 域 内の 各ハブと営 業 所 が 参 加出 来
るようにしています」とビッカーズは語ってい
ます。
フェデックス グラウンドで はパガーノとビッ
カーズのリー ダー シップの もと、20 0 6 年 に
「グ ラウンド・グ リーン」を 正 式 に スタート
させ て 以 来 、こ れ ま で に 17 万 ポ ンド の 資 材
をリサイクルしてきました 。ネットワーク全 体
を対 象としたリサイクルプログラムの 一 環 と
して、この 砂 漠 地 域 で は 廃 棄 物 除 去 費 用 を
25%削 減しました 。フェデックス グラウンド
がリサイクルした 紙・段ボール・金 属のくず・
プラスチックフィルムの 総 量 は 2010 年 6月 1
日現在で 4,600万ポンドを超えています。
ビッカーズの チームはこの 状 態 に満 足するこ
となく、現 在は 埋 立 地 に送る廃 棄 物をゼロに
するという長 期 的な目標を達 成するための施
策を検 討しています。
26
I
フェデックス コ ーポレ ー ション
ヒ ス パ ニッ ク を 対 象 とし た
奨 学 金 の支 援
米 国 で 大 学 を 卒 業した ラ テン 系 住 民 は わず
か 8 人 に 1 人 と 、米 国 内 の 少 数 民 族 の 中 で
は 最 低 の 割 合となって いま す。フェデックス
はこの 状 況 を 変 えるた め に 支 援 の 手 を 差し
伸 べ ていま す。
フェデックス は 未 来 のリー ダー へ の 機 会 提
供 として、米 国 在 住 の ラ テン 系 民 族 の 大 卒
比 率 の 向 上 に 取り 組 んで い る「ヒ ス パ ニッ
ク・ス カラシップ・ファンド」を 支 援して いま
す。当 社 はこの 6 年 間 で 約 30 名 の 学 生 の 大
学 教 育 を サポートしてきました 。
フェデックスの さらなる前 進
(と 飛 翔 ) に 努 力 を 重 ね る
社員への褒章プログラムを再開
効 率 よく 応 える こと が で きる の は 、多 様 な
経 歴 や 考 え 方 を もった 多 彩 な 人 材 が 揃 って
い るからにほ かなりません 。そ の 名 のごとく
ダイバ ー シ ティに 富 ん だ 真 の グロ ーバ ル チ
ーム を 結 成 す る ことで、発 展 し 続 ける 世 界
の 中 で 想 像 もつ か な いような 価 値 を 生 み 出
して いま す。フェデックスの 社 員 は日々自 分
が 働 く地 域 の 文 化 や マー ケ ット の 状 況 を 深
く理 解 して い る だ け で なく、現 地 の 企 業 が
グ ロ ー バ ル 市 場 とど の よう に つ な が って い
る の か を 熟 知して いま す。そ れ が フェデック
ローラー のエド・アンドゥーハ ル はヒス パ ニ
スの成 功 を 後 押ししてくれてい る ので す。
てビジネス スクール に 通 いました 。後 にフェ
デックスのリーダー に なったアンドゥーハ ル
は 様 々 な 家 庭 に このファンド を 利 用 する よ
う 勧 めて いま す。タウン ホールミー ティング
で は 、学 生 とそ の 両 親 に 大 学 の 応 募・選 択
方 法 や 学 費 の 支 払 い 方 を 教 えて お り、ミー
ティング に 参 加し た 学 生 の 大 半 は 家 族 の 中
で 初 めて大 学 に 通うように なりま す。
「 学 生 は 大 学 生 活 が ど の ような も の で、
卒 業 して 働 き 始 め る と い うこと が どう い う
ことな の か を 想 像 出 来 ま せ ん 。私 が お 世 話
に な ったヒ ス パ ニック・ス カ ラ シ ップ・ファ
ンド に 、フェデックスの 支 援 が あ ることを 大
変 誇 りに 思 い ま す」と ア ンドゥ ー ハ ル は 述
べ ていま す。
(2010年 1月 1日~ 12月 31日 )
フェデ ックス が グ ロ ー バ ル 市 場 の ニーズ に
中 南 米・カリブ 海 諸 国 担 当 取 締 役 兼 コント
ック・ス カ ラ シ ップ・ファンド の 支 援 を 受 け
働きがいのある会社 」受賞数・国
26
21
受賞数
受賞国
2011年 の 主 な 受 賞
エーオンヒューイット社
マ レ ー シ ア・ニュー ジ ー ランド・シ ン ガ ポ ー ル で
「最優秀雇用主」賞を受賞
エーオンヒューイット社
韓国で「女性にとっての最優秀雇用主」を受賞
これら の 貢 献 は 正 当 に 評 価 さ れ る べき だと
考えていま す。そこで 当 社 は今 年 、先 の 景 気
低 迷 後 に 停 止して い た 多 くの 褒 章 プ ロ グ ラ
ムと確 定 拠 出 型 年 金( 401K )に 対 する雇 用
者 拠 出 金 を再 開しました 。またフェデックス
は 長 年 に わ た って 世 界 で「 最 も 働 き が い の
あ る 会 社 」の 1 社 に 名 を 連 ねており、ブ ラジ
ル・チリ・フランス・イタリア・韓 国・メ キ シ
コなど 21カ国 で 同 賞 を 受 賞していま す。
ア スペ ン・ビ ジ ネ ス & 社 会 プ ロ グ ラム 研 究
所 エグゼクティブ・ディレ クター の ジュディ
ス・ F・サミュ エ ルソ ン 氏 は 次 の ように コ メ
ントして いま す。「フェデックス が 社 員プ ロ
グ ラム に 再 投 資 す る と い うこと は 、社 員 一
人 ひとりの 忠 誠 心 や 能 力 、キ ャリア 開 発 を
会 社 が 重 視 して い る こと の 表 れで す。こ れ
は 当 然 の ことの ように 思 わ れ が ち で す が 、
フェデックス の ように 実 践 す る 企 業 は 極 め
てまれ なので す」。
2010 年グロ ーバ ル・シ チズ ン シップ・レポート
I
27
世界 を 動 かす
より良い施 策 を
追 求します。
フェデ ックスで は 欠 点 の 追 求 に 多 くの 時 間 を 費 や して い ま す。な ぜ な ら 欠 点 を 洗 い 出して 改 善
す れ ば 、そ の たび にフェデックスのビジネス は 効 率 化 さ れ 、一 段と 迅 速 なグローバ ル 取 引が 可 能 と
なるからです。新たな効 率化を進めることでフェデックスのビジネスに役 立つだけでなく、グローバル
市 場 の 拡 大、ひ いては 世 界 の 持 続 可 能 性 の 向 上 につな がりま す。各 企 業 がプラスを 増 やしマイナス
を 減らす 手 法 を見 出 せ ば 、世 界 全 体 に 計り知 れ な い 影 響 を与えることが で きる ので す。
28
I
フェデックス コ ーポレ ー ション
仕 分 け 業 務 の 効 率性を向 上
一 つひとつ の 業 務スピード アップ により全 体
の効率化を実現します。
( イリノ イ 州 ベ ッド フォード パ ー ク)
効率性を高めるシステム
ドロップフレーム式
トレーラー
+
品質主導経営管理(QDM)
=
2,500
7010
節約見込み
運行せずに済んだ車両
走行距離
(単位:100万マイル)
使用燃料の節約量
(単位:100万ガロン)
フェデックス グラウンドの 業 務 プランニング
& エ ン ジニアリング 担 当 上 級 副 社 長 の セ ヴ
に お いても 、効 率 性 は スピードに 勝ります。
ァーン・マクマーティは「トレーラーの 搭載 貨
効 率 性 を高 め ることで、より多くの 貨 物 をよ
物 量を最 大 限に高めるとともに運行ル ートの
り迅 速に、且つ環 境にやさしい方法で 輸 送 が
仕 組 み を 改 善し 継 続 的 に走 行 距 離 を 短 縮 す
可能です。
ることで、燃 料費の削 減と環 境 保 全に貢 献し
ています」と語ります。
ジーと品 質 主 導 経 営 管 理 ( QDM )システムを
ま た 、アジ ア 太 平 洋 地 域 の 大 半 の 営 業 所 で
導入して業務効率を極限まで高めています。アジ
ア太平洋 地 域では営業 所の業務を刷新して、
は 現 在「モデル・オペレ ーションズ( Model
Ops)」を採 用しています。これはフェデック
高 い 信 頼 性 と 優 れ た 効 率 性 を 両 立 して い
ス
ます。
とに貨物の取り扱い方法を改善しようとするプ
「 私たちは業 務を 効 率 化する新たなテクノロ
ジーと資 材 を常に 探し求 めています。貨 物 の
取り扱 い方法 から集 配トラックへ の 積み込 み
方まであらゆるプロセスが対象です」とフェデ
エクスプレスが設計した、集配プロセスご
ログラムで、このプログラムにもとづき営業 所
内のプランニングや業務プロセスを刷新しまし
た 。集 配 車 両の 運 行ル ートもさらなる効 率 化
に向けて定期的な見直しを進めています。
ックス グラウンドのプロセス・エンジニアリン
プランニング& エンジニアリング・サポート担
グ 担当シニア・マネージャーのマーク・ビッツ
当取 締 役のカレン・レディントンは「チームの
ァーは語ります。
メンバーに運 行ル ートの見直しや業 務量の 平
フェデックス グラウンドでは効率性を高める
台のトレーラーの運行を節約
います。
貨 物 の 仕 分 け・積み 降ろし・輸 送 のどの段 階
フェデックスで は 、米 国 内 で 新 たな テクノロ
ハ ブ の 中 を ハ イ ス ピ ード で 移 動 す る フェ デ ックス の 貨 物
車両の走行距離は年間 7,000 万マイル少なくな
り、使用燃料も年間 1,000 万ガロン節約されて
準化について指導しました」と語ります。
ために QDM のプロセスを採 用しています。そ
モデル・オペレ ーションズの 核となる の が 、
の1 例が、フェデックスの施 設間を行き来する
フェデックス エクスプレスの貨物の仕 分けで
18 輪の長距離トラック向けに開発されたテクノ
す。午 前・午 後 の 両 方の サイクルで 仕 分 け 方
ロジーで、新技術の導入でトラックへの搭載貨
法 を 変 更し 、クーリエ( 集 配 担 当 )がより多
物量を最大限に高めることを目指しています。
くの 時 間を配 送 業 務に費 や せるようにしまし
このシステムではすべての貨物をスキャンして
そのサイズを測るため、貨物スペースの実際の
使 用 比 率をトレ ーラーごとに把 握で きるよう
た 。クーリエが 配 送 に使 える時 間を 延 ば すこ
とが 出 来れ ば、少ない車 両 でより多くの貨 物
を配 送できるようになります。
になります。この情報はトレーラーへの積み荷
モデル・オペレ ーションズの 効 果 は す で に表
を担当するスタッフのトレーニングに有用で、
れています。このプログラムを試 験 導入したア
結 果として積み 荷スペースの 有 効 利 用に役 立
ジア太平洋 地 域の 12の営業 所では、1 時 間あ
ちます。これ が車両台 数の 減少 や車両の 損 傷
たりの取 扱 貨物量が 2007年に比べて 15%高
低減、消費燃料の削減につながっています。
まりました。
加えて、フェデックスでは前輪と後輪の間のス
フェデックスで は 現 在、貨 物 の 仕 分 け から配
ペースを活 用して搭 載 貨 物 量を 最 大化するド
送まで のあらゆるプロセスで 効 率 化を図って
ロップフレーム式のトレーラーを導入していま
います。それ がビジネスだ けでなく地 球 環 境
す。一 般的なストレートレール式のトレーラー
への貢献にもつながっています。
に比べて、このトレーラーには貨 物を 12% 多
く搭載できます。
レディントンはこうコメントしてします。「私た
これらの施 策 が前述した車両台 数の減少・車
り、素早く業務をこなしたりすることではなく、
両の 損 傷 低 減・消費 燃 料 の削 減という 3 つの
より効率的にリソースを配分することです」。そ
メリットを もたらしています。1台あたりの 搭
してそれ が 社 員だけでなく環 境 面により優れ
載 貨 物 量 が増えたことで、実 際 に運 行しなか
たメリットをもたらしているのです。
ちが目指しているのは 、より一 生 懸 命 働 いた
ったトレ ーラー は 年 間 2,500 台に達します。
2010 年グロ ーバ ル・シ チズ ン シップ・レポート
I
29
集 配 車 両や 運 行ル ートだけ
でなく、ドライバーも強 化
エ ネルギー の 使 用を 減らすと、ビジネスの 効
率性と収 益性を高め、貴 重な資 源を節約する
という2 つの目標を達 成できます。そこでフェ
デックスでは、エネルギーの消費に関して、多
方面から対 策を講じています。
フェデックスの 集 配 車 両 に目を 向 けると、運
転 中 のエ ネ ル ギ ー 使 用 量 に 影 響 するも のと
して、1 )車両、2 )集 配 ルート、3 )ドライバー
燃 料 節 約 に 役 立 つアド バ イス が 取り付 けられ た 集 配 車 両 の
キ ー ホ ルダ ー
の 3 つの項目があげられます。
ドリング 時 間 の 短 縮 」などの 項目が含まれて
います。
「このプログラムは 大 成 功 を収めています。
内 容がシンプル かつ 多 彩 なことに加えて、集
配 車 両 の 運 転という自 分 の 業 務 に 結 び つ い
てい ることが そ の 要 因 で す」とゴールドスト
リッチは続けます。
エコドライブ 研 修 を 通じ て、社 員ドライバー
に排ガス削減に向けた責任が 芽生えてきまし
た 。彼らが 新たな 運 転 パターンを身 につけそ
れを 仲 間 に 指 導 するようになることが、この
にあわせて集 配 ル ートを変 更 可能なテクノロ
プログラムの成 功条 件 の 1つです。
ます。
フェデックス
日本 のクーリエは業 務 時 間の 約 7 割を集 配 車
両の中で 過ごします。1日あたりの走行距 離は
約 60マイルとなり、最 大で 30カ所に立ち寄り
エクスプレスで 業 務 担 当の 職
ます。各ドライバーは研 修で 習得したことを忘
に 就 く 谷 萩 昌 映 は 13 年 間 に わ た っ て 都
れないように、エコドライブの “ 5つの原則”が
内 の 道 路 渋 滞 の 中 を 通 勤し 続 け て いま す。
記されたキーホルダーを取り付けたり、エコド
彼は先日 100 名の 仲 間と一 緒にエコドライブ
ライブのステッカーを車 両 の目立 つところに
研 修 に参 加しました 。これは日常の 運 転 パタ
貼りつけたりと、一 番 大 切 な 場 所である集 配
ーン を 変 えることで 集 配 車 両 の 環 境 負 荷 低
車両の中ですぐ目に留まるようにしています。
減 につな げることを目 指 す プ ログラムで、ア
ジア太平洋 地 域 で 導入されています。
このプログラムは 既に大きな成 果を挙げ てい
ます。150 の 集 配 ル ートを抱 える日本 最 大 の
谷 萩 はクーリエ( 集 配 担 当 )として フェデ ッ
営業 所 の 燃 費 効 率は、プログラム が 始まった
クスに入社し 、現 在は日本 国 内 のすべ てのド
18カ月前と比べて 5%改善されました。
ライバー の 消 費 燃 料 を 管 理しています。彼 は
「 研 修 に 参 加してか ら運 転 の 仕 方 が 変 わり
ました 。今で は自分 の 運 転 が 環 境 に与える影
響 につ いて一 段と深く理 解して いま す」とコ
メントしています。
日本 /グ アム /サイパン業 務 担当取 締 役のジェ
レミー・ゴールドストリッチ も 彼 の 意 見 に 賛
同しています。「フェデックスのビジネスには
燃 料が 欠 か せません 。現 場 のスタッフから経
営 陣まで高い意 識を持って本気で 臨 めば、そ
の 影 響 は 計り知 れ な い ほど 大 きなも の に な
るのです」。
フェデックスで は エコドライブ プ ログラムを
地元の方々にも展開しています。プログラムを
実 施して い る営 業 所 の 全 社 員 向 け に 研 修 会
を開 催しているほか、一 般 の方にもご 案 内し
ています。
「フェデックスには 効 率性に重 点を置 いたプ
ログラム が 数 多くありま す。そ の 中 には 多 額
の 費 用 を 投じ て 環 境 負 荷 を 低 減し ようとす
る大 規 模 な 取り組 みもあります。私 たちはこ
れと同じことをエコドライブ 研 修 で 達 成しよ
うとしているのです。個 人レ ベ ル の 活 動 で は
ありま すが 、私 たち 一人ひとりが 少しず つ 毎
ゴールドストリッチ は 担 当チ ームの 一 員とし
日貢 献して いくことで、そ の 努 力 が 積 み 重 な
て、いすゞ自 動 車 株 式 会 社と共 同 でエコドラ
り、驚くほ ど 大 き なインパクトを与えること
イブ 研 修 のプログラムを 作り上げ ました 。こ
が で きる ので す」とゴールドストリッチ は 締
のプログラムは 近日中にアジ ア全 域 で、最 終
めくくりました 。
的 には全 世界で展 開される予定です。いすゞ
自 動 車 の 調 査 にもとづ き、フェデックスの チ
ームは 集 配 車 両 の 排ガスを抑 制 する 約 20 の
フェデックス コ ーポレ ー ション
セルオフ」「エアコンの 控 えめな使 用」「アイ
両を毎 年 導入しているほか、日々の 道 路 状 況
技 術 向 上のため のトレ ーニングを実 施してい
I
発 進 」「加 減 速 の 少な い 運 転 」「 早 め のアク
そこでフェデックスで は燃 費 効 率に優れた車
ジーも 導入しています。加えて 社 員には 運 転
30
項 目をまとめました 。そ の 中 に は「や さし い
( 東日本大 震災の被 災地に対する支援活動につい
ては 39 ページをご覧ください )
A地 点 か ら B地 点 ま で の
最 短 距 離 が日々変わる
都 市 部 の 道 路で
ROADS が 活 躍
フェデックスの 朝 は 早く、毎 朝 4 時 に は す で
に 、より 短 い 走 行 距 離 で 多 くの 貨 物 を 配 達
に 、私 たちは人材・プロセス・テクノロジーの
最 適 な 組 み合 わ せ を模 索しています。そこで
ROADSの出番です。
エ ン ジ ニアリング・サ ポ ート & ア ナリティク
ス 担 当 取 締 役 のカ ースティン・キング はこう
語りま す。「 事 前 の 計 画 づくりを 周 到 にや っ
て お け ば 、集 配 ル ートを 削 減し 走 行 距 離 も
するため のプランニング を 始 めていま す。
短 縮 で きます。より多くの 情 報を 集 め ること
そして 夜 が 明 ける は る か 前 に 、重 要 情 報 を
に判 断できるようになります」。
各営 業 所 に 送り始 めま す。今日のフライトに
は ど の ような 貨 物 が ど の くら い 搭 載 さ れて
で、時 間 の 節 約 に なるだ け で なく、より的 確
ROADS を 活 用してコンピューター ベースの
最 も 効 率 の 良 い 集 配 ル ー ト の 検 出 に 役 立 つ
プランニング を 進 め ることで、営 業 所 の 各マ
ROADS( Route Optimization and Decision Support)
報 で す。
ネージャーは日々そのプランを自分 の 担当地
システム
ROADS
Optimization and Decision
Support)と呼 ばれるシステムです。ROADS
を 統 合することで、そ の日に 到 着する貨 物 量
は仕 分 けから配 送までフェデックス エクスプ
す。また、ROADS は 過 去 の デ ータを もとに
レスのすべての業 務 の 合 理 化に役 立っていま
予 想される 状 況をシミュレ ーションし 、状 況
す。私 たちにとっては 、貨 物 を 集 配 車 両 のど
ごとの見 通しを 伝 えたり、集 配 エリアの 線 引
の 位 置 に 載 せる の が 最 適 かという点 に 至 る
きをしたりします。
いて、そ の 配 達 先 は ど こ な の か と い った 情
これらの 情 報をまとめ るの は
( Route
まで、輸 送 業 務を構 成 するパ ズ ル のすべての
ピースが重 要です。また、より多くのモノを少
な い 燃 料で 運 ぶことは 私 たちが 掲 げ て い る
約束の 1つです。
域 に適 用で きます。ROADS があらゆる情 報
に関 わらず、各マネージャー は 最 も効 率 的 な
一日の業 務プロセスを描けるようになるので
ROADS が 役 に 立 つ の は 、情 報 を 一 元 的 に
集 約しそ れ を 必 要 な 社 員 が 利 用 で きるよう
にした 時 で す。また、社 員 が 締 め 切りのプレ
ッシャー の か か った 状 態 で 効 率 的 な 判 断 を
下さなければ ならない 時で も、ROADSが 必
「 事 前 の 計 画 づくりを
要 な 情 報を 素 早く提 供してくれるため 、新メ
周 到 にや ってお け ば 、
ます。
ンバーのトレーニングにも効 率 的に使 用で き
ROADSが 特にその威 力を 発 揮するのは、気
集 配 ル ート を 削 減 し
象 状 況 の 影 響 で 普 段 営 業 所ごとに 管 理して
走行距 離も短 縮でき
かなくなったときです。フェデックスのエンジ
い る 担 当 エリアの 区 分 け で は 業 務 が 立 ち 行
ま す。より 多 くの 情 報
ニアがこのプランニング ツールを 使って 担 当
を 集 め ることで、時 間
響 を 受 け た 地 域 にもで きる 限り高 い 信 頼 性
の 節 約 になるだ けでな
日々の 戦 術 的 な判 断 の自動 化 など、システム
く、より的 確 に 判 断 で
が 実 現されるとお 客 様ごとのニーズに的 確に
きるようになります」。
エリアを 設 定し直し 、竜 巻 や 吹 雪、洪 水の 影
を持 って 配 達 で きるよう対 処します。現 在 は
の 能 力 向 上に 取り組 んで います。この自動 化
対応できるようになります。
理 想 は 、お 客 様 がこの 新しいシステムに気づ
くことなく、フェデックスの 信 頼 性 と多 様 性
貨 物 を 世 界 各 地 へ と 運 ぶ 輸 送 費 はフェデッ
クスの 経 費 の 約 3 分 の 2 を占 めま す。このコ
の 向 上というメリットを 感じ て いた だ けるこ
とです。
ストを 削 減しさら に 環 境 負 荷 を 減 らす た め
2010 年グロ ーバ ル・シ チズ ン シップ・レポート
I
31
LEED認 証を受けた
樹 木とともに知 識も植 えつけ
ラスベガスの複合施設で
エネ ルギーを大幅に節約
1本ずつ植 樹を 進 めカナダの 環 境 整 備を支 援
「テクノロジー+イノベーション+コミットメ
Canada’s School Grounds)」と名付けら
ント=より健 全 な 環 境 」という1つ の 方 程 式
れたプログラムを 通じて、フェデックス
があります。
スプレス カナダはこれまで 同 国の 37を超 え
フェデ ックス の E ar thSmar t
S olutions (アース スマートソリュー ションズ )プ ロ グ
ラムで はこの 方 程 式 を 新し い 施 設 に 適 用し
フェデックス のグ ロー バ ル 本 社(テネ シ ー 州メンフィス)
ました 。ラスベ ガ ス に あ るフェデックス エク
スプレスの施 設 が 2010 年 12 月にフェデック
エク
る学 校 の校 庭 で植 樹を手 掛 けてきました 。フ
ェデックス初の EarthSmart Outreach(アー
ス スマートアウトリー チ)プ ログラムの 1つで
あるこの 植 樹 に参 加した社 員ボランティアの
数は 200 名を超 えています。
スで 初 めて、米 国 グリーンビ ル ディング 協 会
このプログラムは 単 に 樹 木を植 えることにと
( USGBC )が 定 め る 建 築 物 の 環 境 性 能 評
どまりません。プログラムを通じて、生徒に、
価システム「 LEED(Leadership
in Energy
エネルギー節 約 や炭 素 隔 離 、そして環 境 美 化
and Environmental Design)」の認 証を受
の 価 値 を 伝 えていくことにより、学 び に 繋 げ
けました 。その 後、メンフィスにあるフェデッ
ていま す。このプ ログラム はカナダ で 樹 木 の
クス エクスプレスのグローバ ル本 社とコロラ
植 えつ け や 保 全 に 取り組 む 非 営 利 団 体 で あ
ド 州 コ ロ ラド ス プ リ ン グ ス に あ る デ ー タ
るツリーカナダ(Tree
センターも同認証を受けました。
り組 んでおり、同 団 体 がこれまで に 植 樹した
現在ヒューストンにあるフェデックス エクスプ
レスの 2 カ 所 の 営 業 所 が 認 証 に 向 け て 申 請
中です。フェデックス エクスプレスで は、この
LEED 認 証 の 取 得 を 今 後 米 国 内 で 設 立 する
デ ータセンター(コロラド 州コロラドスプリングス)
「 カ ナ ダ の 校 庭 にグ リ ーン を( G re e nin g
Canada)と共 同で取
数 は 7,700 万 本 を 超 えて いま す。加 えてフェ
デックス エクスプレス カナダはカナダ全 域 、
特 に 火 災で 甚 大 な 被 害 を 受 け た 地 域 に お い
て森 林 再生プログラムを支 援しています。
施 設の 要 件に定めています。
貨 物 の 仕 分 け 施 設と 集 配 車 両 のメンテ ナン
ス スペース 、オフィスビ ル を 集 約した ラスベ
ガ スの 複 合 施 設 で は 次 に あ げ るような 取り
組み を手 掛 け成 功を収めています。
• 流 水 量 の 少な い 設 備 を採 用して 施 設 内の
水の 使 用量を 49%削 減
• 天 窓と気化 冷 却システムを設 置
• 建 設 資 材の 86% をリサイクル
• 日 常的に使 用するスペースの 75%の電 力を
= 2,000本
太 陽 光 発 電で確 保
これら を 総 合 するとエ ネ ル ギ ー の 節 約 量 は
42%に達 する見 込 みです。
32
I
フェデックス コ ーポレ ー ション
ツリー カ ナダと協 力してこれ まで に 4 万 8,106 本 の
樹木の輸送・植樹を実施
業 務 効 率とエネルギー
使 用の 効 率性を大きく
高める太 陽 光 発 電
ドイツの ケルン・ボ ン 空 港 に オープ ンした 新
これまでの太陽 光システムによる発電 量
57万3,348キロワット
フェデックス フレイト
カリフォルニア州フォンタナ
636万キロワット
フェデックス エクスプレス
カリフォルニア州オークランド
たな中央・東 欧 州ハブには、フェデックス エ
75万1,672キロワット
フェデックス フレイト
カリフォルニア州ウィッティア
クスプ レス 最 大 の 太 陽 光 発 電 システム が 屋
上 に 設 置 さ れて いま す。サッカ ーコ ート 約 4
面 分 の広さを誇る広 大な太 陽 光 パ ネル は 80
世 帯 分 の 年 間 電 力 量を 賄 える 供 給 量を 誇り
ます。
「この太陽 光 発電システムを備えた施 設は、
11.2
ギガワット
251万9,436キロワット フェデックス グラウンド
ニュージャージー州ウッドブリッジ
革 新 的 なソリューションを 通じて責 任ある方
法 で 世 界 を つ なぐというお 客 様 へ の 約 束 を
具 現 化するために、当社 が 導入を 進 めている
再生可 能 エネルギーの 最 新事 例です」とフェ
デックスの 環 境 対 策・持 続 可 能 性 担 当 副 社
長 のミッチ・ジャクソンは述べています。
フェデックス に は 太 陽 光 発 電 シス テム を 備
え た 施 設 が 全 部 で 5カ所あり、ケルン はそ の
96万2,296キロワット
フェデックス エクスプレス
独ケルン
中 で 最 新 の 施 設となりま す。この 5 施 設(ケ
ルン、カリフォルニア州 3 施 設、ニュージャー
ジー 州 1施 設 )で 太 陽 光 エネルギーを 使 用す
ることで、年 間 約 3,918トンの二 酸 化 炭 素 の
排 出を抑 制で きます。これ はガ ソリン 換 算 で
44万ガ ロン以 上 に 相 当するほ か、10 万 本 以
上の木の苗が 10 年間育つ量に匹 敵します。ケ
ルンハブ はこの ような 環 境 面 で の 優 位 性 を
誇るだけでなく、欧 州および 中東 諸 国 へ のア
クセス拡 大にも貢 献しています。
2010 年グロ ーバ ル・シ チズ ン シップ・レポート
I
33
課 題を
素 早く
解 決します。
フェデックスで は 、イノベー ション は 経 験 にもとづくも の が 最 適 だと考 えて いま す。当 社 の 集 配 車 両 は日々 世 界で 最 も混 雑
した 都 市 を 走り回っており、この 経 験 から 私 たちは 都 市 部 の 交 通 パターン や 効 率 的 な 運 行 方 法 、燃 費 の 改 善 方 法 を 数 多く
学んで います。そしてここで 習 得したことを 生 かして、業 務上の イノベーションや 外 部とのコラボレ ーションを 進 めています。
加えて公共 交 通システムの改善や 新たなインフラの設 計において各 国を支 援しています。フェデックスでは化 石燃料に頼らない
集 配 車 両( と 世 界 )へ の 移 行 に 向 け た 新 た な テクノロジーを 開 発・提 唱しています。
34
I
フェデックス コ ーポレ ー ション
電 気自 動 車 のリーダーシップ
確 立に向けた 挑 戦
また スミスはフェデックス 内 で なすべきこと
「テロリズムと大 量破 壊 兵 器 の蔓 延 以 降 、石
ハ イブ リッド 車 は わず か 数 百 台 に 過 ぎ ま せ
油 へ の 依 存 を 強 め ることは 我 が 国 の 経 済と
国 家 の 安 全 にとって最 大 か つ 唯 一 の 脅 威 と
なる」。
フェデックスの 会 長、社 長 兼 CEOのフレデリ
ック
W. スミス は 2010 年 2 月、米 上 院 エ ネ
ルギー・水資 源 歳出 小 委 員会でこう発 言しま
した 。多くのビジネスリーダー は 困 難 な 課 題
欧 米で 運 行しているフェデックス エクスプレスの 電 気自動 車
の 解 決 に消 極 的ですが、スミスは違 います。
の 集 配 車 両( 計 4 3 台 )
彼は米国のさらなる発展には大 胆な変革が必
要だということを粘り強く主張しています。
フェデックスでは
電 気自動 車 の
さらなる性 能 向 上 に
取り組 んで います。
「 走 行 距 離 をあと 50
マイル伸ばし、充電池の
コストを半減できれば、
劇的な変革をもたらす
魅力的なテクノロジー
に なります。」
(フレッド・スミス)
スミス は エ ネ ル ギ ー 安 全 保 障リー ダー シ
ップ 審 議 会( E S L C )の 共 同 議 長 を 務 め
る ほ か、自 動 車 電 化 連 合( Electrification Coalition)のメンバーで もありま す。ともに
石 油 依 存 に 真っ向 か ら 取り組 んで い る 組 織
です。
も十 分 認 識して いま す。フェデックス が 保 有
する 7 万台 の車 両 のうち 、電 気自 動 車または
ん 。多 額 の 設 備 投 資 が 必 要となりますが、私
たちは正しい方向に進 み 続けています。
ロサンゼ ルス 、パリ、ロンド ン で は 電 気 自 動
車 の 集 配 車 両 を 運 行 して お り、ニ ュー ヨ ー
ク、シカゴ、メンフィスで も 2011年 中 に電 気
自動 車を導入する予定です。
ロサンゼルスで 運 行している 集 配 車 両 は 1回
の充 電 で 約 100 マイル 走行 で きるため 、都 市
部 の 混 雑した 環 境 で 多くの 集 配 地 点 が あ る
場 合 にも十 分な 性 能 を誇ります。しかし 私 た
ちはそこで 満 足 することなく、さらに 上を目
指しています。「走 行 距 離 をあと 50 マイル 伸
ばし 、充 電 池 のコストを半 減 で きれ ば、劇 的
な変 革をもたらす 魅 力 的 なテクノロジーにな
ります」とスミスは指 摘しています。
フェデックスで は今 後 も 、変 革 を実 現 するた
フェ デ ッ ク ス は 毎 日 220 以 上の 国と地 域 に
め の 法 規 制など各 種ソリューションの 確 立に
850万個を超える貨物を運んでいます。全世界
の社員数は 29 万人を超え、679 機 の自社 機 、
約 7 万台 の 集 配 車 両 を 保 有しています。これ
ミュニケー ション ツール を 活 用して、今 が 電
らの 実 態 が 米 国 の 石 油 依 存 に 警 鐘 を 鳴らす
取り組 んで まいりま す。またビデ オ などのコ
気 自 動 車 へ の 移 行 に 着 手 する 最 適 なタイミ
ング であ ることも訴え 続 け てまいりま す。フ
スミスの 発 言の 信 頼 性を高めています。
ェデックスで は 新たな産 業 を 形 作り、米 国 経
Securing America’s Future Energy ( SAFE)
傘下の ESLCは 政 財界と軍部 のリーダーのグ
役 立 てていただ けるよう、これまで 積 み上げ
済 を 加 速 させる 新 た な 手 法 を 創 出 する の に
てきた 経 験を引き続き提 供してまいります。
ル ープ で、石油 依 存からの脱 却が国家の 安 全
保 障 と 経 済 の 健 全 性 の重 要 課 題 であ ると主
張しています。同 審 議 会 は 、電 気自 動 車 の 普
及 促 進 に 向 け た 政 策 や 取り組 み を 推 進して
い る 非 営 利 の 超 党 派 組 織 であ る自 動 車 電 化
連合と同じスタンスを取っています。
フ ェ デ ッ ク ス は 先 ご ろ 、自 動 車 電 化 連
合 に よ る 車 両 電 化 ロ ー ド マ ップ( F l e e t
Electrification Roadmap)の 作成を支 援し
ました 。このロード マップ には 車 両の 管 理 運
営 面 からみた 電 気自 動 車 の 経 済 性 分 析 が 盛
り込まれており、このマップ を 通じ て 車 両 電
化 構 想 の モデル 構 築 に 向 け た機 会 の 創 出 を
目 指して いま す。ロ ード マップ で は 、電 気 自
動 車 の 運 転 に 不 可欠 な 充 電 池 の 製 造 コスト
の 削 減 や 地 球 資 源の 使 用 量 の 適 正 化 に重 点
をおいています。
2010 年グロ ーバ ル・シ チズ ン シップ・レポート
I
35
エンバーク( E M B A R Q )と
協 力して交 通 渋 滞 を解 消
インド・ムンバイやブラジル・リオデジャネイ
ロ、中 国・重 慶といった 大 都 市周 辺 に 広 がる
エリアは「アライバ ルシティ( Arrival City)」
と呼 ばれています。これらの 地 域 には貧 困 か
ら 抜 け 出 す た め に毎 年 数 百 万 も の人 が 新 た
に 到 着しま す が 、異 常 なま で の 交 通 渋 滞 が
豊 かさの 追 求を阻 んで います。
フェデックスの 環 境 対 策・持 続 可能 性 担当副
渋 滞 中 の 車 の 横 を 足 早 に 走り去 るメトロ バ ス( メ キ シ コ シ
社 長 のミッチ・ジャクソンは「フェデックスが
ティ)
サ ービ スを 提 供して い る 新 興 国 の 多くは 飛
躍 的な経 済成長を遂げ ています。成長に伴い
フェデックス は
業 界 全 体で 恩 恵 を
共 有で きるように
した いと考えており、
ハ イブリッド 車 の
開 発で は 様々な 州
および 連 邦 機 関と
協力体制を敷い
ています。
さらなる繁 栄とより多くの 機 会 がもたらされ
ていますが、これと並 行して 交 通 渋 滞 もひど
くなってきました 」と述べています。
そ のためフェデックスで は 、非 政 府 機 関 のエ
ンバーク( EMBARQ )に当 社 の 専 門 知 識と
資 金 面 で の支 援を提 供しています。エンバー
クは 各 都 市 が 手 掛 ける 、交 通 渋 滞 や 大 気 汚
染 を 克 服 する 安 全で 効 率 性 に優 れ 、環 境 に
も優しい 輸 送 ネットワークの 整 備 を支 援して
います。
「フェデックスとエンバー クが 協 力し合 うこ
とで、私 たちがビジネスを展 開 する 都 市の 環
境 改善 や 混 雑 緩 和 、安 全 性の向 上、そして競
争力の 強 化 につながる可 能 性 があります」と
ジャクソンは 続けます。
世 界 各 都 市 の 車 両 技 術と 交 通 パターン を 熟
知してい るフェデックスには 貢 献 で きること
が たくさん ありま す。エンバー クとの 最 初 の
大 型プロジェクトで は 、数 千 台 にの ぼるバ ス
の管 理 手 法を改善で きるよう、メキシコ交 通
局に当社の専門 知 識を提 供しました 。
フェデックスの 取り組 み の 1 つとして、フェデ
ックス
エクスプレスのグローバ ル・ヴィーク
ル 担当チーフエンジニアで 電 気自動 車のプロ
グ ラムマネー ジャーを 務 め る ケ シャブ・ソン
ティは 、同 国 の 交 通 局 の 担 当 者 が 高 速 バ ス
輸 送 システム(BRT)で 運 行 する 各 バ スの ラ
イフサイクル 管 理について理 解 度を高める支
米 エ ネ ル ギ ー 省 の ス ティーブ ン・チュー 長 官とフェデックス
エクスプレ ス の 電 気 自 動 車 プ ログ ラム 担 当 チ ーフ エン ジ ニ
アの ケシャブ・ソンティ
36
I
フェデックス コ ーポレ ー ション
援をしました 。
BRTが 運 行 する バ ス は 専 用 ル ートを 走り専
用 駅 で の み 停 止するという極 めて 列 車 に 近
い 性 格 を 持 って い ま す。メ キ シ コ シ ティの
BRT 利 用 者 は 1日当たり 45万人 以 上で、これ
は ワシントン DC の 全 メトロシステム 利 用 者
の 5 割を 超 えます。BRTの 効 果 はただちに表
れており、道 路を走る乗 用車は数千 台 規 模で
少 なくなった ほ か、2010年 に は 二 酸 化 炭 素
の 排出量 が 約 114,000トン削 減されました 。
ソンティは 次のように語ります。「フェデック
スで身 に付 け たことを 世 界 各 地 の 地 域 社 会
の方々と共 有 する 機 会 を持 つことで、数 えき
れ ないほどの人々に影 響 を与えることがで き
ます。これはとても素 晴らしいことです」。
エンバークの戦 略コミュニケーション&マーケ
ティング担当マネージャーのイーサン・アルピ
氏はこう述べています。「フェデックスはある
ことを実現したければこのテクノロジーを、別
の目的を達 成したければこの種 類の燃料をと
いった 具合 に 、目的と最 適 なテクノロジー の
組み合わせを複 数 提 示してくれました」。
これまで 積み上げ てきた経 験とスキルを提 供
することは 、私 たちがビジネスを展 開 する 地
域 社 会 のお 客 様 や 住 民 の 皆 様 の 暮らしを 向
上するだけでなく、フェデックスの社 員を支 援
することにもつながります。なぜならメキシコ
で 勤 務 する 社 員の 半 数 以 上 は日々の 通 勤 に
公共の交 通機関を使っているからです。
フォークリフトも
燃 料電 池 式 に
ライバ ル 同 士 が協 力し合 い
業 界全 体 の底 上げ に貢 献
に生まれるのが 普 通です。集 配 車 両はまさに
持 続 可能なエネルギーは安 全と同 様、オプシ
そ の 事 例といえま す。大 きすぎるトラックを
ョン で は なく、フェデックスのビ ジネスを 支
航 空 貨 物 輸 送 会 社 は普 段 お 互 い に 激しいラ
使 用すれば、効 率性は 損なわ れます。集 配 ル
える基 盤となっています。
すべての 動く“モノ ”で実 験
イノベーションは無 数の試 行 錯 誤 を重 ねた 末
ートが 緻 密に設 計されていなければ、燃 料節
約もままならないでしょう。
ただ素晴らしいアイデアがあればすぐイノベー
ションに結びつくという訳でもありません。私
たちでいえば、長い輸 送 工程の各段階で実 験
を 積 み重 ねる 必 要 があります。ここで の 学 習
過程を経て、フェデックスや輸送 業界にとって
有益なソリューションが創り出されるのです。
ハイブリッド 車と電 気自 動 車 の テクノロジー
で は 現 在 、2 つ の 分 野 で 研 究 を 進 めて い ま
す。1つ目が 最 適な 集 配 車 両の開 発 で、2つ目
が それを支 えるインフラの 整 備 で す。フェデ
ックスで は 新 型 車 両の 開 発 に加えて、老 朽 化
したディー ゼ ルエン ジ ン やトランスミッショ
ン 搭 載 車 両 を 電 気 あ る い は ハ イブ リッドの
駆 動 システム 搭 載 車 に改修しています。高 機
フェデックスの迅 速な倉庫 業 務に欠 かせない
フォークリフトは何 十 年 にも わたってプロパ
ンガスを 動 力 源としてきました 。電 気 駆 動 式
のフォークリフトは 初 期 の テストで 効 率 的 で
あるとみられていました が、充 電 池 が 高 価 で
駆 動 時 間 も わず か 3 時 間と 短く、しっかり充
電しようとすると16 時 間 程 かかりました 。
水 素 燃 料 電 池 はこの 問 題 の 解 決 策 となりえ
た のでしょうか?革 新 的 なテクノロジーを 通
じてエネルギーの節 約に取り組 んで いるフェ
デックスで は、燃 料電 池 メーカー や 水 素 のサ
プライヤー、そして米 エ ネルギ ー 省と協 力 体
制を敷き、ミズーリ州スプリングフィールドの
施 設 で 35 台 のフォー クリフトを 燃 料 電 池 式
に改修 することに成 功しました 。燃 料電 池 式
能 型 の 燃 料 充 電 スタンドの 設 計 も電 気 自 動
のフォークリフトへの 燃 料 補 給 は 数 分で完了
車の 集 配 車両をサポートするインフラ構 築 の
します。
1つです。
燃 料 電 池 式 のフォー クリフトはこれ ま で 1万
イノベーションには一 度 学 んだことを見 直 す
4,000 時 間 以 上もの 間 、大きなトラブル もな
ため「 unlearn」をすべき時 があります。私 た
く稼 働 を 続 け、期 待 を 上 回 る 成 果 を 挙 げ て
ちは長 年 にわたってディー ゼ ル車 よりハイブ
いま す。この 実 験 を 通じ て、コスト削 減 に 寄
リッド 車 の ほ うが 高 性 能 だと 思 い 込 んで い
与するテクノロジーのパワーと持 続 可 能 なエ
ましたが、メル セデス・ベンツ スプリンター
ネルギーを実 現するチカラが 実 証されていま
5,500 型( 近日中に 9,500 型に変 更予定 )の
す。二 酸 化 炭 素 が 排 出さ れ な い 新 鮮 な 空 気
ように 、新しいディー ゼ ル車 の 中 には ハイブ
はビジネスにも貢 献しているのです。
リッド 車 よりも 高 性 能 且つ 低 価 格 な 車 両 も
あるのです。
フェデックスで は 新 た な 知 識 を 自 社 の た め
だけに蓄 積 するので はなく、その恩 恵を業 界
全 体 で共 有 で きるようにしたいと考えていま
す。ハイブリッド 車 の 開 発 で は 様々な州およ
び 連 邦 機 関と協 力しているほか、その 製 造 や
運 行 面 で は 国 内 外 のメーカ ーと 共 同 で 取り
組 んで います。
またフェデックスで は 現 在 、キャブ フォワー
イバ ル 争 い を 繰り広げ ていますが、一方 で は
国 際 的 な 組 織 を 通じて 強 力 な 協 力 関 係も 築
いています。フェデックス
エクスプレスの 社
長 兼 CEO であ るディビッド・ブロンゼックは
現 在、230 の旅 客・貨 物 航 空 会 社 が加 盟する
世界規 模 の 貿易 団 体 である国 際 航 空 運 送 協
会( IATA )の 理 事会 会長を 務めています。
ブロンゼックは「何 よりもま ず、各 社 が 協 力
し合 って 航 空 業 界 に 最 高 の 安 全 性 を 確 立し
たい。また業 界全 体で石油 依 存から脱 却し、
航 空 機 の二 酸 化 酸 素 排 出 量を 削 減 する 新 た
なテクノロジーを 導入し な がら 、収 益 性 を高
めていきたいと考えています」と語ります。
IATA 加 盟 各 社 が 輸 送 する旅 客 数・貨 物 量 の
合 計 は 世 界 全 体 の 9 割 以 上 に 上りま す。EU
や 米 国 向 け に 最 新 の 航 空 交 通 管 理 システム
の サポート体 制 を 確 立 することが IATA の重
要な取り組み の 1つです。
「 欧 州 で は 現 在 、各 国 が 独 自 の 航 空 交 通 管
理 システムを 採 用して おり、そ の 数 は 9 つ に
も 上りま す。この 数 の システムをまた いで 迅
速に飛 行するのは 極 めて困 難 な状 況です。こ
れを 1つに集 約 すれば 遅 延 の 緩 和 、お 客 様 へ
の サービス向 上、燃 料 の節 約 、ならび に 二 酸
化 炭 素 排 出 量 の削 減 につながります」とブロ
ンゼックは 続けます。
米 国 で の 取り組 み は 、同 国 の 航 空 交 通 管 理
水素燃料電池式のフォークリフト1 台につき、年間3.9トンの
の 合 理 化 に 向 け た 連 邦 航 空 局( FA A )のプ
温室効果ガス( GHG)を削 減
ロジェクトの1つであ る「 NextGen」に一 元
1=3.9
水素燃料電池式
フォークリフト
削減されたGHG排出量
(単位:トン)
化 さ れて いま す。最 新 の 航 空 交 通 管 理 シス
テムは 既にエアバ ス A380 型 機 やボーイング
777型フレイターのような 新 型の 航 空 機 にも
対応しています。
フェデックスは IATA を 通じて、日々政 府 や業
界リー ダーとの 協 力 関 係 の 構 築 に 取り組 ん
で います。
ド型の貨 物トラクターや 最 新 の ベルトローダ
ー/貨 物用ローダーなど、電 気 駆 動 式 の 地 上
支 援 機 器 を 試 験 的 に 導入しています。フェデ
ックスは効率性を高めるために動く“ モノ” す
べてで実 験 を 進 めており、その 実 験 を 通じて
多くのことを学んでいるのです。
2010 年グロ ーバ ル・シ チズ ン シップ・レポート
I
37
既 存 の 在り方に
とらわ れず、
新しい 発 想を
提 案します。
規 模 に は 責 任 が 伴 いま す。200以 上 の 国 々で 29万 を 超 える 社 員 を 擁し 、世 界で 最 も 強 力 か つ 広 範 囲 に
お ける 輸 送・ロジスティクスネットワークを手 掛 けるフェデックス 。私 たちのような 企 業 には 、その サイズ
や 規 模 、そしてグロ ーバ ルネットワー クを 駆 使して人々に価 値 を 提 供 する責 任 が ありま す。この「人々」
にはフェデックスの 社 員やお 客 様、株 主の 皆 様 だ けでなく、すべ ての方 が含まれます。私 たちはそ の 規 模
を 生 かして 実 現 の可 能 性 が 高 い方 法 で 世界 の 諸 問 題 を 解 決で きます。また 災害 が 発 生した 際 には 、自 社
の ネットワークをフル に活 用して必 要 な 時 に 最 適 な 物 資をお届 けします。
38
I
フェデックス コ ーポレ ー ション
グローバルネットワークと
独自の 専 門 性を 組み合
わ せて被 災地を支 援
自 然 災 害 は 世 界 中 の 至る 所 で 発 生 する お そ
れ が あり、中 に は 被 災 者 の 数 が 数 万人 規 模
に達 するものもあります。緊 急 支 援 が 必 要な
場 合 には 、フェデックス独自の 輸 送 面 で の 専
門 性やグローバ ルネットワーク、人 道 支 援 組
織 との 長 期 的 な 関 係 を 生 かして世 界 各 地 の
ニーズにお応えしています。
ハ イ チ 大 地 震 の 被 災 地 を 支 援 する マ イアミの フェデックス
チ ーム
支 援 の ニーズ は 初 期 段 階 の 救 援 物 資 にとど
まりま せ ん 。長 期 の 復 興 に は あ る 程 度 の 規
模 を持 った専 門 的 な 物 流 支 援 が 不 可欠 で す
が、フェデックスはこの 分 野 で も苦 境 にある
企 業 や 機 関 を 支 援 可 能 で す。課 題 は 支 援 提
供 者 の 厚 意 と 受 け 手 の ニーズ をマッチ させ
ることで す が 、フェデックス はこの点 で も 役
に 立っています。25 万以 上の 死 者を出し 、約
150 万人の 家 屋 を壊 滅 させ た 2010 年のハイ
チ大地震の際にも、フェデックスは必要な人に
必要な物資をお届けしました。
米 国 商 工 会 議 所 傘 下 の BCLC( Business
Civic Leadership Center)のエグゼクティ
フェデックス は 、世 界
ブ・ディレクターを 務 めるスティーブ ン・ジョ
の 貧 困 解 消 に 取り 組
が 起こってから数 カ月の 間 に 、産 業 界から数
む米系非政府組織
( NGO)最 大 の 連 合
ー ダ ン 氏 は「 胸 が 痛 むような 無 残 な 大 災 害
えきれ ない ほどのお 電 話を頂 戴しました 」と
語ります。誰 もが自社でで きる支 援 は何か、
何 をする の が 最 も 役 に 立 つ の か を 知りた が
っていました 。
体 で あ る インタラク
「 次 第 に 金 銭 面 で の 支 援 や 物 資 の サ ポート
ション( InterAction)
より的 確に把 握できる方法 が必 要になってき
と協 力して、救 援プロ
ジェクトと救 援ニーズ
をまとめたデータベー
スを 作成しました 。
がどこにどのように振り分 けられているかを
ました 」とジョーダン氏は 続けました 。
BCLCはフェデックスに資 金 面 で の支 援と物
流 分 野 の 専 門 性を求 めました 。BCLCとフェ
デックスは、世界 の貧 困 解 消に 取り組む 米 系
非 政 府 組 織( NGO)最 大 の 連 合 体 であるイ
ンタラクション( InterAction)と協 力して、
救 援プ ロジェクトと救 援ニーズ をまとめたデ
ー タベースを 作 成しました 。このハ イチ 救 援
マップ(www.haiti.ngoaidmap.org)では、
日本 で は 地 震と津 波 で 被 災さ れ た 皆 様 に寄
開 設 後すぐに 139 地 域 の 78 の支 援 団 体 が 手
付を 送ったほか、緊 急物 資の輸 送サービスを
掛 ける数百のプロジェクトの 情 報を掲 載し始
請 け 負いました 。今 回 の 災 害 に 限 らず、フェ
めました 。
デックスは近 年発 生したすべての大 災害 の際
に 、当 社 の グローバ ルネットワークを 生 かし
た 緊 急救 援 活 動を 続けています。
ハイチで はフェデックス トレード ネットワー
クス がハート・トゥ・ハート・インターナショナ
ルと協 力して、被 災 者 の方々に 救 援 物 資を 送
りました 。寄 贈したの は 医 薬 品 やミネラルウ
ォー ター、ベッド などの 物 資を 搭 載したコン
テ ナ 2 個 で す。このコンテ ナ は 後 日 ハ イチ の
子どもたちの校 舎として使 用されました 。
2010 年グロ ーバ ル・シ チズ ン シップ・レポート
I
39
廃 棄 物を 最小 限に抑え、
最 大 限にリサイクル
これらの取り組み は 環 境 面だけでなく、経 費
フェデックス オフィス(日本ではフェデックス
の 最 小 化 とリサイクル の 最 大 化 に 向 け た 活
キンコーズ)向けのリサイクルプログラムを検
討し 始 めたネー サン・ロフティス は 、大 きな
もち ろん 環 境 面 で も大 き な 節 約 を 成し遂 げ
個 人 情 報 の 流 出 防 止と環 境 保 護 の 両 立:フェデックス オフィ
しかしフェデックス オフィスの 拠 点は、同 社
が 各オーナーから小 売 店 内のスペースを賃借
して展 開しているものが大半 を占めるため 、
リサイクルという選 択 肢 を取れる拠 点はほと
んど ありませんでした 。ロフティス は 大 きな
壁にぶつかったのです。
( 2010 年12 月~2011年 5月)
このような背景 から、私 たちは廃 棄 物 対 策と
して 現 在、廃 棄 物 の 最小 化とリサイクル の 最
206万5,567
ポンド
1万7,557
りま す。社 員 に 参 加 を 促 すことで、プ ロセ ス
を改善し廃 棄 物を削 減 できました 。
節約した水量:
722万9,484
ガロン
「モットー は『 Reduce・Reuse・Recycle
(削 減・再 利 用・リサイクル)』で す」とフェ
デックス オ フィスで 持 続 可 能 性 & 環 境 対 策
汚染を免れた大気:
担 当シニア・マネー ジャーを 務 め るロフティ
スは 総 括します。「意 図するところは、ゴミを
ポンド
発 生 させる 仕事 はし な いということで す。途
使用せずに済んだ廃棄物スペース:
3,098
まず はフェデックス社 員 からスタートしまし
経 費の節 約だけでなく、廃 棄 物の削 減にもな
本
6万1,966
大化という2つの取り組みを実践しています。
た 。すべ ての 業 務 をミスなくこな せ ば 時 間 や
伐採せずに済んだ樹木:
こと。要 は 、仕事 を 一 度 で 時 間 通りに 正 確 に
完了させることが大事なのです」。
節約した電力量:
423万4,412
キロワット
節約した原油量:
47万5,081
中で投げ出し最 後にはゴミ箱 行きになるよう
な業 務には最初から取り掛かからないという
立方ヤード
そ の 後 私 たちは 約 3カ月間 か けて、北 米 のフ
ェデックス オフィスの 拠 点で 紙をリサイクル
するため の 独自のインフラを構 築しました 。
ガロン
既 存 のインフラを活用して「シングル・ストリ
ーム・リサイクル」( 廃 棄 物を拠 点 から出した
後 にリサイクル可 能 なものとそうでないもの
に 分 類 すること )が 可 能 な 200 カ 所 の 拠 点
で は 、外 の 大 型 ゴ ミ収 集 容 器 をリサイクル
用 の 容 器 に 取り換 えました 。
40
I
フェデックス コ ーポレ ー ション
がりました 。年 間 ベースで もこの ペースで 節
ロフティスはまず、北 米 1,800カ所のフェデッ
サイクル可能であることを突き止めました 。
リサイクルした用紙:
動 の お か げ で 30万米ドル の 経 費 削 減 につな
約できると見 込 んで います。
ました 。そしてすぐに、廃 棄 物の 約 95%がリ
フェデックス オフィス
(日本ではフェデックス キンコーズ)の
リサイクル概要
ングル・ストリーム 」拠 点 で は 、この 廃 棄 物
機 会と同 時に大きな課 題を見出しました。
クス オフィスから出る廃 棄 物の検 証に着手し
ス の 拠 点で 稼 働 する巨 大シュレッダ ー
の 節 減 にも貢 献して いま す。200カ 所 の「シ
ています。私たちは直近の 6 カ月間で、1, 000ト
ン以 上の 紙をリサイクルしました 。1トンの 紙
をリサイクルすると木を 17本 切らず に済みま
すので、この 6カ月間に合 計で 1万 7, 000 本 以
上の木を節 約したことになります。
道 路 の 安 全 性を高める
クスはセーフキッズ・ワールドワイドと協 力し
自 動 車 事 故 に よる 死 亡 者 数 は 年 間 130 万人
いう共 通 目 標 の 実 現 に 向 け て 取り組 んで い
を 超 え、負傷 者 数は 5,000万人に達していま
ます。
す。しか も負 傷 者 の 多くは 重 傷 で す。また 世
界 の 児 童 の 死 亡 原 因 を み るとトップ は 病 気
で はなく自動 車 事 故 であり、さらに 米 国 で は
自 動 車 事 故 が 30 歳 まで の 死 亡 原 因 の 第 1位
て、すべての人に 通 行 時 の 安 全を確 保すると
一 例 を 挙 げると、フェデックス は 中 国・成 都
で「セーフキッズ・ウォーク・ディス・ウェイ」
プログラムを実 施し 、「 国 際 徒 歩 通 学月間 」
となっています。
中 には 登 校 中 の児 童 に「立 ち止まって、左 右
交 通 事 故 死 は残 さ れ た 家 族 に 計り知 れ な い
います。
を良く確 認してから道 を 渡る」よう指 導して
ほどの 悲し み をもたらします。また自 動 車 事
故 による米 国 経 済 の 損 失 額 は 年 間 約 1,000
億 米ドルにも達します。フェデックスのビジネ
スには世界中の 道 路が欠 か せません。そのた
め当社で は、道 路 を 使う人すべてに対 する安
全 性の向上に全力で取り組 んでいます。
そ の 一 環 として、フェデックス は 現 在 9 カ 国
で セーフキッズ・ワールドワイドと連 携し 、交
通事故による死亡者 数の削減に取り組 んでい
ます。フェデックスは過 去 10 年 以 上にわたっ
て、交 通 安 全 の 強 化 策について学んで きまし
た 。この 経 験を 生 かし 、各地 域 社 会で長 期 継
セーフキッズ・プロジェクトの チ ームリーダー
を 務めるダン・ルオはこう語ります。「児 童に
交 通 安 全 教 育 を 施 すことは 通 行 中 のリスク
に対 する意 識 向上に役 立ちます。また 児 童 が
このような交 通 安 全 教 育を受けることは 、大
人にとってもプラスとなります」。
フェデックスで は 、輸 送 面 にお ける 独自の 専
門 性 をドライバ ー用 の 安 全 な 高 速 道 路 を 作
るた め だ け で なく、安 全 で 歩 き や す い 歩 道
の 整 備 に活 用 することを目指しています。た
だ 、発 展 を 続 ける 社 会 で は 車 道 は 拡 充 する
続が可能な安 全プログラムを策定しました。
もの の、歩 行 者用の 安 全 スペースを確 保する
私たちが 取り組み を強 化しているにも関わら
新興 国において顕 著で、死亡事故につながる
必 要性は見 落され がちです。この 傾 向は特に
ず、交 通 事 故 に よる 死 亡 者 数 は 横 ば いで 推
衝 突 の 9 割 以 上 がこれらの国で 発 生していま
移しています。世界 の 交 通 量は道 路 整 備を上
す。歩 行 者 が 巻き 添 えになる事 故 で は、児 童
回るスピード で 伸 び ており、今 対 策 を 講じ な
が 犠 牲になるものが最も頻 発しています。
ければ 2030 年までに交 通事故 が 子どもの 死
児 童 に 交 通 安 全 を 指 導 するシ ニア・ステ ーション・
エ ージェントの シャオチュン・ゲ ー( 中 国・上 海 )
亡原因のトップになると見 込まれています。
安 全な道 路 は形 のない インフラで はなく、繁
国 連 が 先 ごろ 始 め た「道 路 の 安 全 に 関 する
フェデックスで はその 規 模 のパワーを駆使し
10カ年対 策(The
Decade of Action for
て、世 界 中 の 車 道 と 歩 道 を 社 会 の 危 険 な お
Road Safety)」で は、国 連 加盟 国の間で交
荷 物 で は なく、価 値 ある資 産 にしてい けると
通 事 故 死 に対 する意 識 を高め 、そのような悲
信じています。
13.5
交通安全の啓発活動への投資額
( 単位:100万 )
$
交通安全の重要性に対する意識向上に過去 10年 間で
1,350万ドルを投資
栄 する 社 会 を 構 成 する 不 可 欠 な 要 素 で す。
劇をなくすことを目指しています。アトランタ
の 疾 病 対 策 センター は 交 通 事 故 死 を 全 住 民
の 健 康 問 題 の 1つに定めていますが、この 10
カ年 対 策のような取り組み を実 施 することで
事 故 死 を 撲 滅 で きるとして いま す。フェデッ
2010 年グロ ーバ ル・シ チズ ン シップ・レポート
I
41
古来の生態系を軌道修正する
ウミガメの救 出
昨 年 大 量 の 原 油 が 米 国 のメキシコ 湾 沿 岸 に
流 出し始めるという事 態 が 発 生しました 。既
に 絶 滅の 危 機 に瀕していた種の中には、この
迫りくる大 惨 事 に 対して手も足も出ないもの
もありました 。
毎 年 春 から夏にか けて、ウミガメの 大 群が産
卵 のためにフロリダ州 パ ンハンドル のビーチ
に 押し寄 せ ま す。産 卵 から 約 60 日 後 に ふ化
2010年 のメキシコ 湾 原 油 流 出 時 にアオウミガメの 卵 を 細 心
した 子 亀 は 夜 中 に 浜 辺 を 歩 き 大 海 原 へ と 旅
の 注 意 を 払って定 温 管 理され たフェデックス カスタム クリ
立ちます。それ から 30 年 後、様々な障 害 を 無
ティカ ル のトレ ーラー に 載 せるボランティアスタッフ(フロリ
ダ 州 セントジョー ベ イ)
事に乗り越 えたメス亀は、卵を産む ために自
分 が産まれた砂 浜に舞い戻ってきます。
今 回 の原 油 流 出で 古くから続くこの サイクル
が 危 機 に さらさ れ まし た 。汚 染 さ れ た 海 に
飛 び 込 めば子亀 は死 んでしまいます。これ に
は 、卵 をフロリダから汚 染 されていない大 西
洋 岸 に 移 動 するという簡 単 な 解 決 策 が あ る
のですが、この 手 法 はこれまで 誰 も試したこ
れ たトラックに 入れて、メキシコ 湾 からフロ
リダ州ケープカナベラル の ケネディ宇 宙セン
ターまで 運びました 。
ピコはこのプロジェクトを「失 意 の 底 から生
まれたイノベーション」と称していますが、こ
れ は ま た 、私 たちが 見 事 な 連 携 を み せ た 素
晴らし い 事 例 の ひとつで も ありま す。「この
プ ロジェクトで 特 徴 的 だった の は 、フェデッ
クス
コーポレーションの 総 力を 結 集して取
り組 んだということです。これまで 他 の 傘下
事 業 会 社 の 仲 間と一 緒 に仕 事 をしたことは
ありま せ んでした が 、このプ ロジェクトで は
各 事 業 会 社 が 誇る多 彩 な専 門 性 を 総 動 員し
ました 」とピコは 続けました 。
フェデックスにとってこのプロジェクトは、単
に パレットやトラックといった 物 流 サ ポート
を提 供したというだ けで は ありません 。この
救 出 作 戦 は 、貴 重 な 天 然 資 源 保 護 へ の 意 識
を 高 め る 一 般 向 け の 啓 発 活 動 な ど、さら な
る取り組み を後 押ししました 。ピコは 最 後 に
こう述べています。「このプロジェクトは人々
とがありません。
の 一 体 感 を 高 めまし た 。本 当 に つら い 時 期
そこでフェデックスの 登場です。
ができました 」。
にメキシコ湾 のウミガメに 朗 報を届けること
そして何よりハッピーエンディングが 待 ち受
「このプロジェクトで
けていました 。最 終 的 には1万 4,700 匹 の 子
特 徴 的だったのは、
無 事 に 砂 浜 を 渡り、大 西 洋 の 中 に 次々と 飛
フェデックス コー
ポレーションの総力を
結 集して 取り組 んだ
ということです。」
米 国 魚 類 野 生 生 物 財 団 で 海 洋 プ ログラム 担
当ディレ クターを 務 め るミシェル・ピ コ氏 は
こう語ります。「フェデックス が 支 援してくれ
ると伝 えたら、私の 同 僚 は 本当に涙 を流して
喜び、胸をなでおろしました 」。
フェデックス カスタム クリティカル のチーム
は 研 究 員 の 方々と 協 力して 輸 送 用 の 専 用 冷
却 容 器とパレットを 制 作し 、卵を定 温管 理さ
42
I
フェデックス コ ーポレ ー ション
亀( 輸 送した 2 万 5,000 個 の 卵 の 約 6 割 )が
び 込 んで いったのです。
産まれ た 巣 から大 海 原 へ の 航海
に 向 け て 出 発 するア オ ウミガ メ の
子亀
この 話 の 結 末 は ハッピ ー エンドで 、
メキシコ 湾 の 原 油 流 出 の 際 に 、
フェデックス が 卵 を 移 動した
1万 5,000匹 の 子 亀 が 無 事 に
ケープカナ ベラル の 砂 浜 を 渡り、
大 西 洋 の 中 に 飛 び 込 んで いった の でした 。
2010 年グロ ーバ ル・シ チズ ン シップ・レポート
I
43
表紙
ロナルド・ジョンソン
(フェデックス フレイト、米オハイオ州リッチフィールド )
1ページ
ギリェルメ・ガティ
(フェデックスエクスプレス、米フロリダ州マイアミ)
2ページ
クリスティン・ミニドク
(フェデックスエクスプレス、仏パリ)
3ページ
ファンラン・メン
(フェデックスサービス、米テネシー州メンフィス)
4ページ
テレサ・ヘイニー
(フェデックスエクスプレス、米フロリダ州マイアミ)
5ページ
アーサー・ミゲス
(フェデックスエクスプレス、米フロリダ州マイアミ)
8ページ
左 上 から右下へ(中央 9 名):
タン・アンダーソン(フェデックス サービス、米テネシー州メン
フィス), キュリカ・シーベリー(フェデックス グラウンド、米オ
ハイオ州リッチフィールド), ドロシー・モーゼス(フェデックス
カスタムクリティカル、米オハイオ州リッチフィールド), アシュ
レー・プレイトー(フェデックス エクスプレス、米フロリダ州マ
イアミ), ジュリオ・コロンバ(フェデックス エクスプレス、米フ
ロリダ州マイアミ), ヨーン・ブシンカム(フェデックス エクスプ
レス、仏パリ), ジャマール・バーリ(フェデックス エクスプレス、
仏パリ), ル・ワン(フェデックス サービス、米テネシー州メンフ
ィス), サイモン・ジェンキンス(フェデックス オフィス、米オハ
イオ州リッチフィールド)
左 上 か ら 右 下 へ ( 一 部 の み 表 示 16 名 ):エリザベス・メイ
ジアー(フェデックス サービス、米テネシー州メンフィス), ポー
ル・ソージャ(フェデックス グラウンド、米オハイオ州リッチフ
ィールド), ジャスティン・フーディア(フェデックス カスタムクリ
ティカル、米オハイオ州リッチフィールド), ラス・オートマン(フ
ェデックス フレイト、米オハイオ州リッチフィールド), ブライ
アン・バウザー(フェデックス グラウンド、米オハイオ州リッチ
フィールド), ケイティー・コスティガン(フェデックス カスタム
クリティカル、米オハイオ州リッチフィールド), ビル・ローグ(
フェデックス フレイト、米テネシー州メンフィス), ビクター・バ
ルデス(フェデックス エクスプレス、グアテマラ・シティ), ステ
ファニー・プファフ(フェデックス オフィス、米オハイオ州リッ
チフィールド), イヴォンヌ・ケリー(フェデックス フレイト、米オ
ハイオ州リッチフィールド), ロリ・ヘンリー(フェデックス フレ
イト、米テネシー州メンフィス), サンディ・エバレット(フェデッ
クス グラウンド、米オハイオ州リッチフィールド), メアリー・ウ
ォルシュ(フェデックス サービス、米テネシー州メンフィス), マ
イク・ローダーデール(フェデックス サービス、米テネシー州メ
ンフィス), キャンディス・ロックハート(フェデックス サービス、
米テネシー州メンフィス), リサ・ホーン(フェデックス エクスプ
レス、米テネシー州メンフィス)
18ページ
チャディ・アブーアダラー
(フェデックス グラウンド、米オハイオ州リッチフィールド)
24ページ
クリスティ・リチャードソン
(フェデックス サービス、米テネシー州メンフィス)
28ページ
アリューン・サム(フェデックス エクスプレス、仏パリ)
34ページ
トレーシー・バック・スタブルフィールド
(フェデックス エクスプレス、米テネシー州メンフィス)
38ページ
シャラン・サリアン
(フェデックス テックコネクト、米テネシー州メンフィス)
裏表紙裏
リタ・ホールデン
(フェデックス サービス、米テネシー州メンフィス)
裏表紙
ティーナ・ロペス
(フェデックス サービス、米テネシー州メンフィス)
出典
ジェフリー・ゲーツ/ホミ・カーラス( 2010 年):「 The New
Global Middle Class: A Cross-Over from West to
East」ブルッキングス研 究 所 開 発 センター
1
世界 銀 行( 2009 年):「 Latin America beyond the
Crisis: Impacts, Policies, and Opportunities」ワシ
ントン DC 、世界 銀 行
2 ア レ ッ ク ス・モ ラ レス ( 2 0 11 年 1 月 11 日 ):「 L o w Carbon Energy Investment Hit a Record $243
Billion in 2010, BNEF Says」ブル ーム バーグ http://
www.bloomberg.com /news / 2011- 01-11/lowcarbon- energy-investment-hit- a-record -24 3 billion-in-2010-bnef-says.html
3
ジェフ・グリーン/アンジェラ・グレイリング・キーン( 2010 年
11月 23日):「 Obama Bolsters U.S. Hybrid Auto
Sales in Waning Consumer Market」(ブル ーム バー
グ・ビジネスウィーク) http://www.businessweek.
com / news / 2010 -11-23 / obama - bolsters - u - s hybrid-auto-sales-in-waning-consumer-market.
html
「将来予測に関する記述」について
本レポートには、将 来 の 事 象および業 績に関する経営陣
の見 解 など、将 来 予 測 に 関 する 記 述 と 見 な さ れ る 情 報
が 含 ま れて い る 場 合 が ありま す。この ような 将 来 予 測
に 関 する 記 述 はリスクや 不 確 実 性 、ならび にそ の 他 の
要 因の 影 響 を受け、実 際 の 結 果 が、過 去 の実 績もしくは
当該 記 述 で 明 示 的または 暗 示 的 に表 現され た将 来 予 測
との 間 に 大 き な 差 異 が 生じ る可 能 性 が ありま す。潜 在
的 なリスクと不 確 実性には 、当社 が 事 業 を展 開 するグロ
ーバル市場の経済 情勢、米国および海外政 府の新規制 、
テロ行為または国 際 紛 争による影 響、および当社の報 道
発 表 資 料と米 証 券 取引委 員 会 へ の申 告 書 に含まれる
そ の 他 の 要 因 が 含 まれ ま す が 、これ に 限 定 さ れ るも の
で はありません 。
4
FedEx Corporation
942 South Shady Grove Road
Memphis, TN USA 38120
[email protected]
(2010 年):「Shaping the Future: Solving Social
Problems through Business Strategy – Pathways
to Sustainable Value Creation in 2020」
( Committee Encouraging Corporate Philanthropy )
http://www.corporatephilanthropy.org/research/
thought-leadership /research-reports/shapingthe-future.html
5 6 2009 年の業績には、主にのれん代と航空機に関連した
減 損 分であ る 12 億ドル の 費 用 を 含 む (そ のうち 純 税 額
は 11億ドル、希 薄 化 後 1株当たりベースでは 3.45ドル)
7 2011年の業績には、2011年 1月 30 日付のフェデックス
フレイトとフェデックス ナショナル LTL事 業 の 統 合で
発 生し た 分 、な ら び に フェデ ックス エクスプレスの
法 規 制 上の見 越し留 保として 計上した 分 の 合 計 約 1億
9,900 万ドル の 費 用 を 含 む (そ のうち 純 税 額と 適 用 さ
れ た 変 動 ボーナスの 影 響 が あ わ せ て 1億 400 万ドル、
希 薄 化 後 1株当たりベースで は 0.33ドル)
8 有効トンマイル( ATM )は 1トンの貨 物を 1マイル 輸 送する
ときの単位
9
フェデックス カスタムクリティカル は FedEx Truckload
Brokerageとしてリストアップ http://www.epa.gov/
smartway/transport/partner-list/index.htm#f
10 (2010 年):「 Giving in Numbers – 2010 Edition」
( Committee Encouraging Corporate Philanthropy )
http://www.corporatephilanthropy.org/research/
benchmarking-reports/giving-in-numbers.html
11
17 万 8 ,0 0 0 ポ ンド の 最 大 貨 物 搭 載 時 の 航 続 距 離 を
5,800 海 里と仮 定
12
ペイロード 調 整 後 の 単 位ベースで、4,000 海 里 の 区 間
距 離と仮 定
Strategy + Design by Unboundary, Inc. Atlanta, GA I Printing by Cenveo I Portrait Photography by Greg Miller
本レポートに登場したフェデックス社員一覧
フェデックス に は 29万 人 を 超える強 力 な チ ーム が ありま
す。本レ ポ ートで は そ の 中 から、人々の 生 活 を 改 善 する
ネットワークや イノベ ーション を 創り出して いる 社 員 に
代 表で 登 場してもらいました。
世 界が 私を 呼 んで い る 。
私 はフェデックス 。