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第Ⅱ章
研究蚈画
消費者被害ず消費者教育の必芁性に぀いお
最近の消費者被害の珟状
①
広がる䞭孊生の消費者トラブル
党囜の消費生掻センタヌ等の苊情デヌタを蓄積しおいる党囜消費生掻
情報ネットワヌクシステムにおける䞭孊生の消費者盞談件数は、この幎、幎間
千件前埌で掚移しおいる。数幎前に比べやや䜎䞋傟向にあるが、これは2004幎前埌に、
䞭孊生にも架空・䞍圓請求被害の嵐が吹き荒れ、䞀時的に幎間䞇数千件にも急増したこ
ずの圱響によるものである。ずはいえ、10幎前に比べるず今日では数倍の芏暡になっおお
り、䞭孊生の消費者被害が確実に広がっおいる状況が䌺える。
䞭孊生の消費者盞談件数
床
床
20
09
幎
床
20
08
幎
床
20
07
幎
床
20
06
幎
床
20
05
幎
床
20
04
幎
床
20
03
幎
床
20
02
幎
20
01
幎
20
00
幎
床
20000
18000
16000
14000
12000
10000
8000
6000
4000
2000
0
䞀般に消費者窓口に届けられる苊情は氷山の䞀角であり、党䜓のに過ぎない
ず蚀われおいる。぀たり朜圚的には届けられた盞談件数の䜕倍もの苊情があるものず掚察
され、䞭孊生を取り巻く消費環境が、時代状況ずずもに倧きく倉化しおいるこずをうかが
わせる。
「第36回囜民生掻動向調査」
平成18幎月発行によるず、苊情の持ち蟌み先ずしお、販売店や
メヌカヌが30台、20台ず倚く、消費生掻センタヌ等は4.6であった。同調査で、苊情をどこ
6
にも持ち蟌たなかった人は43。その理由は、「面倒だから」30、「うたい解決策があるずは
思えなかったから」27、「どこに申し出およいか分からなかった」26が䞊䜍䜍。
②
被害は高額化、早期の察凊が被害を防ぐ
件圓たりの被害額を芋るず䞭孊生ずはいえ、10䞇円前埌が倚く、お小遣いの範囲で支
払える金額ではない。
埌でも觊れるように、携垯電話やむンタヌネット絡みのものが倚く、
高額化する傟向が芋える。
ただ、既払い額を芋るず、盞談の時点では支払いの前段階円が割近くを占めお
おり、請求を受けた盎埌の盞談が倧半であるず考えられる。早急に適切な察応を取れば、
被害の未然防止や救枈が可胜な案件が倚く、問題発生埌、速やかに消費生掻センタヌ等に
盞談するこずが、被害の深刻化を防ぐ最善の方法ずいえよう。
件圓たりの契玄金額ず既払い額2009幎床
□契玄金額、■既払い額
䞭孊生のトラブル契玄金額ず既払い額
1000円未満
䞇円未満
䞇円未満
金
額
䞇円未満
䞇円未満
䞇円未満
䞇円未満
䞇円以䞊
0
③
1000
2000
件数
3000
4000
アダルトサむトや出䌚い系サむトなど携垯電話等の利甚に関わるトラブルが急増
䞭孊生の消費者被害は、男女ずもにアダルト情報サむトやデゞタルコンテンツ系が圧倒
的に倚数を占めおいるのが特城で、
党幎霢の䞊䜍品目ず傟向は明確に異なっおいる
衚
参照。
䞭でもアダルト情報サむトや音声電話情報ツヌショットなどは男子に倚く、出䌚い
系サむトやブログ、占いサむトの盞談などは女子に倚い傟向がある。
7
このほか、男子はゲヌム゜フト、女子は健康食品やコンタクトレンズ、歯科治療などが
䞊䜍に䞊がっおいるのが特城的である。
衚
順䜍
2009幎床の䞭孊生に関する苊情の䞊䜍10品目
商品・サヌビス名

アダルト情報サむト

デゞタルコンテンツ党般

出䌚い系サむト

他のデゞタルコンテンツ

合蚈件数

男性
女性
3350
2770
580
785
400
385
520
203
317
508
171
337
携垯電話サヌビス
168
93
75

音声電話情報
120
102
18

オンラむンゲヌム
120
85
35

音楜情報サむト
65
32
33

孊習塟
43
20
23
10
携垯電話
41
22
19



䞊蚘以倖で倚い品目
男子電子ゲヌム玩具27、デゞタルディスク゜フト22、電子ゲヌム゜フト22
など
女子健康食品等30、コンサヌト23、コンタクトレンズ15、歯科治療10な
ど
〈商品・サヌビス名の説明〉

パ゜コンや携垯電話によるアダルトサむトの利甚料に関する盞談

内容を特定できないサむトの利甚料に関する盞談

携垯小説、占いサむト、ブログ等に関する盞談

電話をかけお音声による情報を埗るもの。アダルトボむスやツヌショットダむダルなど。
衚
2009幎床消費者盞談党䜓党幎什の䞊䜍10品目
順䜍
商品・サヌビス名
ä»¶
数

サラ金・フリヌロヌン
92,815

アダルト情報サむト
55,092

デゞタルコンテンツその他
51,389

商品䞀般
45,571

賃貞アパヌト・マンション
39,205

出䌚い系サむト
33,389

盞談・その他
16,205

四茪自動車
15,707

移動通信サヌビス
13,719
10
健康食品
13,123
8
④
䞭孊生の䞻な苊情事䟋
以䞋に䞭孊生に関する䞻な苊情事䟋を瀺す。携垯電話などで誀っお問題あるサむトに接
続したり、登録しおしたった。取り消したい、あるいは返金しおほしいずいった内容のも
のが倧半である。
ä»¶
名
盾
談
抂
芁
䞭孊生の嚘がパ゜コンで友人のブロ
芞胜人の動画ボタンをクリックするず、
「芋たすか」ずあった
グを閲芧。同サむトにあった芞胜人の ので「はい」をクリックした。料金の衚瀺はなかったずいう。
動画ボタンをクリックしたら登録にな 嚘が驚いお、
「間違っおクリックしおしたった」ずメヌルをした
り料金を請求された。
ずころ、登録になっおいるので料金を支払わないず取消しがで
きないずメヌルが返っおきた。
携垯電話の無料占いサむトをクリッ
自分は䞭。数日前、携垯電話から無料占いサむトをクリッ
クした。登録したら未払料が発生しお クした。携垯番号、アドレス、県名、性別、ずニックネヌ
るずメヌルで䞇円請求された。払え ムを入れ登録した。今朝、
「日間の無料期間が終了しお、期間
ない。
䞭の退䌚がなされおいない」ずメヌルが届いた。䞇円の請求
があったが払いたくない。利甚芏玄は気が぀かなかった。
嚘は昚日面接に行き、合栌した。事務所に所属するには保蚌
䞭孊生の嚘が繁華街でモデル事務所
に声をかけられた。嚘は契玄したいず 金がいるずいう。正確な金額は聞いおいないが高額らしい。嚘
いうが契玄するには保蚌金が必芁だ。 はすっかりその気になっおいるが、芪ずしおは䞍安が倧きい。
信甚できるか䞍安だ。
ネットの掲瀺板で知った個人ずトレ
掲瀺板でしかも個人ずのやり取りだったので盞手に免蚱蚌の
ヌディングカヌドの売買をしたが結果 コピヌを求めたら写真は送れないず蚀われ、その代わりに䜏
的にお金を取られたたたカヌドが貰え 所・氏名・電話番号を教えおくれた。たた本来は14000円だった
ない。
が写真を送れないから2000円が匕かれ、その埌「自分はもう䞍
芁だから」ず2000円が、曎に最終的に7500円たで倀段を䞋げお
くれた。銀行ぞ代金を振り蟌んだら「発送した」ずいうメヌル
が来た。しかし届かないので宅配業者に問合せたら「ない」ず
蚀われ再床問合せたら、
「コンビニのバむトが䌝祚を出し忘れた
様子」ず返信が来た。それ以降もカヌドが来ないので取匕をや
めるず蚀い返金を求めたら「同意、返金」を玄束した。入金先
の口座を聞かれたので教えたが未だ返金されない。
子どもはダむ゚ットに興味があったらしく、むンタヌネット
䞭孊生の子どもがむンタヌネット広
告から申し蟌んだダむ゚ット情報教材 の広告から繋がったサむトをみお、ダむ゚ット法の情報教材冊
子版を電話で泚文した。商品代金は代匕きで支払ったが、芪の
冊子版を解玄したい。
承諟のない高額な契玄であり解玄し、返金を垌望する。
井口
尚志
消費者被害ず孊校教育における消費者教育
①
消費者被害の今日的特城
消費者被害の今日的な特城は、商品・サヌビスの品質・衚瀺問題、販売方法や契玄問題、
資産圢成に関する信甚問題等が重局的に絡み合っおいるずころにある。
重芁な点は、経枈力が高たるに぀れ、消費者被害は拡倧するリスク瀟䌚ずいうこず
である。぀たり時代が進むに぀れお、消費者被害は重局化・耇雑化しおいる。戊埌、たず
9
問題ずなったのは、商品・サヌビスの品質・衚瀺被害であった。有名なのは、1948幎の䞍
良マッチ事件、1960幎のニセ牛猶事件がある。戊埌初期の時代にこのような消費者被害が
倧きな瀟䌚問題ずなったのは、消費者は日々食べおいくこずで粟䞀杯であったため、生掻
を維持するための商品の被害に焊点が集たったのである。
1970幎代になるず日本は先進囜ずなり、消費者の生掻にも埐々にゆずりが出おくるよう
になった。そこを぀け蟌んだのがいわゆる悪質商法ずしお取り䞊げられるこずの倚い販売
方法や契玄方法による被害が倚くなった。圓時は蚪問販売法もなかったため、事業者偎は
消費者に察しお倜蚎ち朝駆けのような勧誘を繰り返すこずで、匷匕に契玄させるこずも倚
かった。そのためクヌリングオフが導入されるようになった。1980幎代はさらに経枈的な
ゆずりも倧きくなっおいった。そこで珟れたのが資産圢成に関する信甚被害である。金融
商品の知識が乏しい消費者を隙すような手口が暪行した。そしお2000幎代から今日にかけ
お、これたでにあがっおきた被害が倚様化・耇雑化しお珟れおいるだけでなく、倚重債務
なども目立぀ようになっおいる。このような消費者被害の歎史に察応しお、孊校教育にお
ける消費者教育が進められおきたこずになる。
②
1960幎代
囜による孊校における消費者教育の出発点
囜による消費者教育の取り組みは、1966幎答申が出発点である。もちろん家庭科におけ
る家蚈管理も消費者教育に含めるならば、戊前からあったずいえる。しかし、消費者被害
に察応するずいう意味での消費者教育が行われ始めたのは、この時期からであった。この
時期には、消費者保護基本法など、消費者行政の䜓系が敎っおきた䞭で、消費者教育も、
消費者保護ずずもに「車の䞡茪」ずしお考えられおきた。この時期の目暙ずする消費者像
は「自䞻性をもった賢い消費者」である。
「自䞻性をもった賢い消費者」ずは、消費者ずし
お商品、サヌビスの合理的な䟡倀刀断をする胜力を逊うこず、消費生掻を向䞊させる合理
的な方途を䜓埗させるこず、経枈瀟䌚党䜓のうちにおける消費及び消費者の意矩を自芚さ
せるこず、ず述べられおいる。具䜓的には、垂堎で財・サヌビスを賌入する堎面で消費者
が明確な遞択ができるために、
「商品知識の普及」させるこずや、財やサヌビスを賌入する
ためには、収入や預貯金などの家蚈の状況を把握し、長期的芋通しをたおるための「合理
的な生掻蚭蚈」をしおいくこず、さらに「消費者がその消費行動を通じお積極的に経枈的
環境にはたらきかけるこずの意矩ず力を認識させる」こずたで含たれおいる。圓時は商品
の品質被害等が倚かったため、それに察応した知識を消費者がしっかり理解するこずが消
費者教育の䞀぀であった
そしおこれらの目暙を達成するために、孊校教育においおは、昭和561971幎孊習指
導芁領改蚂に圓たっお、䞭孊・高校の瀟䌚科においお消費者保護囜、事業者の責務等
に぀いお教えるべきこずが初めお明確化されるずずもに、教員の再教育課皋、倧孊の教員
逊成講座においお消費者教育を䜍眮づけるこずが期埅された。
10
③
1980幎代
消費者教育の新たな展開
その埌1980幎代䞭盀になっお、新たな動きが出おきた。䞀぀は契玄教育の必芁性である。
圓時、問題ずなったのは、品質よりも契玄に関する消費生掻盞談件数の増加であった。契
玄は、消費者自身ず事業者ずの間で行われるものであるため、埓来のように事業者指導を
䞭心ずする芏制行政だけでは察応できない。消費者自身が契玄問題に察応できる胜力を身
に぀けるしかない。
そのためこの時代の目暙ずする消費者像は「自立する消費者」であった。1985幎第10次
囜民生掻審議䌚消費者政策郚䌚報告「情報化時代の消費者政策に぀いお」では、
「これたで
は“賢い消費者”になるずいうこずが、぀の目暙ずされた。これは品質がよく、安党で、
しかも安い商品やサヌビスを芋分けるずいった買い物䞊手に近い抂念であったずいえる」
ず過去の消費者像を総括し、1986幎囜民生掻審議䌚消費者政策郚䌚意芋「孊校における消
費者教育に぀いお」では「自䞻的、合理的な刀断ができる消費者が育成されるように消費
者教育を拡充しおいく必芁がある」
ずしおいる。たた、
「契玄やサヌビス取匕が増えおおり、
これらでは消費者の自䞻的か぀合理的な刀断・行動がこずのほか重芁になっおきおいる。
実際の取匕にあたっおは、自䞻的、合理的刀断ができる消費者が育成されるように消費者
教育を拡充しおいく必芁がある」ずいう。
これに察応しお、孊校教育においおは、孊習指導芁領の拡充などで、察応が図られた。
具䜓的には悪質商法、クヌリングオフの呚知培底ずロヌルプレむングなどの䜓隓的孊習の
重芖である。平成元1989幎の孊習指導芁領改蚂においお、公民分野における契玄に関
する教育の実斜明確化や高校の家庭科においお「家庭経枈ず消費」ずいう新単元の䞋に消
費者教育が拡充された。たた指導方法ずしお、ロヌルプレむングなどの䜓隓的な孊習が掚
奚された。
④
2000幎代
消費者教育政策の本栌化
2000幎代の始めにこれたでの消費者行政䜓制に察する芋盎し及び消費者教育に察する抜
本的な再怜蚎が進められた。消費者保護基本法が党面改正されお、2004幎に消費者基本法
が成立し、基本理念ずしお、初めお「教育を受ける」暩利があがった。たた、同時期に消
費者教育の充実に向けお、様々な調査研究が行われた。
このように消費者教育が掚進された理由は、
政策手法の倉化がその原因の䞀぀ずいえる。
内閣府の『21䞖玀型の消費者政策の圚り方に぀いお』では、この倉化を20䞖玀型消費者政
策から21䞖玀型消費者政策ぞず捉えおいる。具䜓的には、消費者の䜍眮づけの転換「保
護」から「自立」ぞ、垂堎メカニズムの掻甚ず、事前芏制から事埌チェックぞの重点シフ
ト、情報公開ず事業者のコンプラむアンス経営の促進ずたずめられおおり、圓時、流行っ
た蚀葉で蚀えば、
「垂堎䞻矩」
、
「自己責任」を重芖する政策手法である。ここでは消費者の
自立だけでなく、事業者も自ら消費者の信頌を獲埗するようにこれたで以䞊に努力するこ
ずが求められおおり䌁業の瀟䌚的責任、コンプラむアンス経営、ずもに自立した瀟䌚ず
11
しおいくこずが期埅されおいるのである。぀たり、埓来以䞊に消費者の自立のために消費
者教育の充実が芁請されおいるこずになったため、消費者教育に察する取り組みが掚進さ
れたずいえる。なお、消費者教育政策は以䞋のようになっおいる。
消費者基本法
教育の機䌚が提䟛されるこず

啓発掻動及び教育の掚進
「消費者政策の基本的斜策」

「消費者の暩利」
条
17条
消費者基本蚈画
消費者の生涯にわたる消費者教育の䜓系化ぞの取り組み

2005平成17幎
消費者基本法の基本的斜策を受けた「具䜓的斜策」
消費者基本蚈画による「具䜓的斜策」を実珟するため、囜民
生掻審議䌚により、䞋蚘のずおり取りたずめられた。
◆安党契玄・取匕情報環境、の぀を消費者の身に぀
消費者教育の䜓系的掚進
2007平成19幎
けるべき目暙ずする
◆教育の担い手教材情報の集玄・発信、の぀を柱ずす
る
◆幌児期、児童期、少幎期、成人期ずいう孊習者のラむフス
テヌゞごずに消費者教育の手法や基盀の敎備を行う
◆行政による関係機関のコヌディネヌト機胜を重芖
政府が講じるべき必芁な斜策ずしお、次の二぀が掲げられた。
◆消費者が自ら進んで、その消費生掻に関し必芁な知識を取
埗し、必芁な情報を収集するなど自䞻的か぀合理的に行動
するこずを支揎するため、消費生掻に関する知識の普及ず
消費者基本蚈画玠案)
2010平成22幎
情報の提䟛など、消費者に察する十分な啓発掻動を掚進す
る斜策
◆消費者が生涯にわたっお消費生掻に぀いお孊習する機䌚が
あたねく求められおいる状況にかんがみ、孊校、家庭、地
域、職域、その他さたざたな「堎」においお消費生掻に関
する教育が充実されるために必芁な斜策
具䜓的には内閣府は、消費者基本法に基づいお䜜成された消費者基本蚈画においお、孊
校や瀟䌚教育斜蚭における消費者教育の掚進、あるいは消費者教育の䜓系化を蚈画しお進
めおいた。消費者基本蚈画は消費者基本法で初めお導入されたもので、少しでも瞊割り行
政を解消し、省庁が連携をずれるように、たた単幎床の蚈画ではなく、ある皋床の期間に
おいお着実に充実を図れるように、意図されたものである。
孊校教育における消費者教育に぀いおも、内閣府で継続的に研究䌚等が進められ、教材
12
も䜜成されおいる䞀方、文郚科孊省では2011幎から斜行される新孊習指導芁領においお、
家庭科、瀟䌚科の䞭で消費者教育の拡充を図った。
â‘€
珟圚
第の出発点ぞ
珟圚は2000幎以来の朮流が続いおいるずもいえるが、新たな取り組みもみられおいる。
たず消費者教育掚進䌚議である。これは平成22幎月に閣議決定された新たな消費者基本
蚈画においお、消費者庁のリヌダヌシップのもず、関係省庁、孊識経隓者、消費者団䜓、
教育関係者等をメンバヌずする䌚議の開催が挙げられおいたが、昚幎、同䌚議は発足した。
珟圚はテヌマ別䌚合も内郚で蚭眮しながら、様々な意芋や取り組みを把握すべく進められ
おおり、将来的には今埌の消費者教育政策に掻かされる予定である。たた文郚科孊省は、
今幎床に消費者教育掚進委員䌚を立ち䞊げ、孊校における消費者教育の掚進に向けお、調
査研究を進めおいる。
さらに、加盟囜を䞭心ずした消費者教育の効果ず課題を調査した報告曞
“Promoting Consumer Education-Trends, Policies and Good Practices”消費者教育の
掚進動向、政策、実践が2009幎月に発行され、次いでその成果を螏たえお“Consumer
Education: Policy Recommendations of the OECD’s Committee on Consumer Policy”消
費者教育消費者政策委員䌚による政策勧告が発衚された。政策勧告には、珟状
の消費者教育における課題解決のために、実践に向けおの具䜓的な提蚀がなされおいる。
この勧告は党加盟囜が了承しお決定されるため、法的拘束力はないが、加盟囜には、自ら
が共同で起案したこれらの政策勧告を取り入れ実斜に移す匷い道埳的責任がある。このよ
うに勧告は加盟囜を瞛る以䞊、日本もたたこの勧告に沿っお着実に実瞟を䞊げお、幎埌
に進展した姿を瀺すこずが必芁ずなっおいる。どの皋床、勧告の圱響が生たれるかは未知
数だが、消費者教育に関わる行政機関の連携が匷たっおいくこずが匷く期埅されおいるず
いえる。
以䞊のように、孊校における消費者教育は、このように少なくずも50幎あたりの歎史が
ある。消費者被害の䞻な特城が倉化しおいく䞭で、消費者教育の重点も倉化しおきたずい
えよう。
そしお珟圚は、消費者被害の倚様化・耇雑化が進むずずもに、消費者の自立支揎が求め
られる䞭で、か぀おないほど消費者教育の必芁性が求められおいる時期であるずいえよう。
色川
卓男
家庭科教育における消費者教育消費者被害
①
小孊校「家庭科」の䞭の消費者教育
日本の孊校教育では、小孊校「家庭」
、䞭孊校「技術・家庭」、高等孊校「家庭」におい
お、消費者教育が䜍眮付けられおいる。平成23幎床から完党実斜される小孊校の新孊習指
13
導芁領平成20幎改蚂によれば、小孊校では、぀ある孊習領域の番目に「身近な消
費ず環境」が定められおいる。その内容は、

身近な消費生掻ず環境
物や金銭の䜿い方ず買い物に぀いお、次の事項を指導する
ア
物や金銭の倧切さに気付き、蚈画的な䜿い方を考えるこず
ã‚€
身近な物の遞び方、買い方を考え、適切に賌入できるこず
環境に配慮した生掻の工倫に぀いお、次の事項を指導する
ア
自分の生掻ず身近な環境ずのかかわりに気付き、物の䜿い方のなどを工倫でき
るこず
である。いわば、お金の適切な䜿い方ず、物の遞び方などの消費生掻の基本は小孊校幎
生からの家庭科できちんず䜍眮付けられおいる。
ちなみに小孊校家庭科は、戊埌の教育改革時に、昭和22幎から小孊校幎生幎生で男女
が共孊で孊ぶこずずなり、以来日本では65幎の歎史を持っおいる。特筆すべきこずは、昭和
31幎改蚂の孊習指導芁領の時から、
「劎力・時間・物資・金銭を倧切にし、家庭生掻をいっ
そう合理化しようずする。
」ずいう内容が定められおおり、金銭の合理的な䜿い方に関する
内容は、詳现は倉化しおいるものの、小孊校では今日たで金銭教育が続いおいるのである。
②
䞭孊校「技術・家庭科」の䞭の消費者教育
䞭孊校「技術・家庭」
家庭分野では、平成24幎床から完党実斜される孊習指導芁領平
成20幎改蚂によれば、小孊校ず同じく぀ある孊習領域の番目に「身近な消費生掻ず
環境」が定められおいる。その内容は、

身近な消費生掻ず環境
家庭生掻ず消費に぀いお、次の事項を指導する
ア
自分や家族の消費生掻に関心をもち、消費者の基本的な暩利ず責任に぀いお理
解するこず
ã‚€
販売方法の特城に぀いお知り、生掻に必芁な物資・サヌビスの適切な遞択、賌
入および掻甚ができるこず。
家庭生掻ず環境に぀いお、次の事項を指導する。
ア
自分や家族の消費生掻が環境に䞎える圱響に぀いお考え、環境に配慮した消費
生掻に぀いお工倫し、実践できるこず
小孊校「家庭科」で60幎近く金銭教育が行なわれおいたこずず比范するず、䞭孊校で消
費者教育が行なわれるようになった歎史は浅く、平成元幎に技術家庭科の䞭に「家庭生掻」
ずいう領域が眮かれるようになっおからである。
「家庭生掻ず消費」ずしお「消費生掻」に
関する領域が独立するようになったのは平成10幎改蚂からであり、本栌的な消費者教育が
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男女共孊で行われるようになっおからは、ただ10幎皋床ずいっおよい。
䞭孊校の「技術・家庭」は぀の分野が抱き合わせずなった教科であり、昭和33幎に「技
術・家庭」科が成立しおから、長い間、男女別孊で男子は補図、朚材加工、金属加工、機
械、電気などを孊び、女子は被服、食物、䜏居、保育などの領域を孊んできたのである。
技術・家庭科が男女ずもに必芁な教科ずしおすべおの内容が男女共孊ずなっおただ10幎
皋床であるので、矩務教育の最終段階で、すべおの日本人が消費者教育を受けお孊校を終
わるずいうこずはできなかったのである。
珟圚は、消費者の基本的な暩利ず責任や、販売方法の特城、生掻に必芁な物資・サヌビ
スの適切な遞択、賌入および掻甚、ずいった孊習内容が定められるようになったものの、
平成10幎改蚂の孊習指導芁領から、
「技術・家庭」の孊習時間が、幎、幎、幎でそれ
ぞれ幎間70、70、35時間ずいう少ない時間数に枛少しおしたった。䞭孊校で70時間ずいう
こずは、週圓たり時間ずいう授業時間で、これが技術分野ず家庭分野ず合わせた孊習時
間であるのであるから、家庭分野は幎生で週時間、消費者教育が最も必芁な幎
生では週圓たり0.5時間しかないずいう状態である。
家庭科は消費者生掻に関する領域のほかに、 家族・家庭生掻ず子どもの成長、 食
生掻ず自立、 衣生掻、䜏生掻ず自立、の領域があり、栄逊や献立、調理などをふくめた
さたざたな孊習に必芁な時間を考えるず、消費生掻に関する内容を取り䞊げるこずのでき
る時間は、著しく少ないのが珟状である。
③
高等孊校「家庭」の䞭の消費者教育
高等孊校には家庭に関する科目ずしお、平成21幎改蚂の孊習指導芁領では「家庭基瀎」
単䜍
、「家庭総合」単䜍「生掻技術」単䜍平成25幎より「生掻デザむン」
が眮かれおいお、科目のうちの぀を男女ずも遞択必修するこずになっおいる。
「家庭基瀎」においおは、次の内容で消費者教育が行なわれおいる。
「生掻の自立及び消費ず環境」の䞭で、
゚
消費生掻ず生涯を芋通した経枈の蚈画オ
ラむフスタむルず環境
「家庭総合」では、以䞋のように自分自身の意思決定に関連させた内容ずなっおいる。
生掻における経枈の蚈画ず消費
ア
生掻における経枈の蚈画、む
消費行動ず意思決定
り
消費者の暩利ず責任
「生掻デザむン」では、家庭基瀎ず同じねらいず内容を持たせた構成になっおいる。
消費や環境に配慮したラむフスタむルの確立
ア
消費生掻ず生涯を芋通した経枈の蚈画
ã‚€
ラむフスタむルず環境
が定められおいる。
いずれにしおも珟圚、高等孊校では、
「家庭基瀎」単䜍を孊校ずしお遞択しおいるずこ
ろが倚く、小孊校、䞭孊校ず同様、家族ず家庭生掻や保育、高霢者、食生掻、衣生掻、䜏
生掻、環境問題、ホヌムプロゞェクトなど生掻に関する孊習内容は非垞に広範囲わたるな
15
かで、消費生掻に぀いおの孊習の時間やはり非垞に少なくなっおいるのが珟状である。
④
高等孊校家庭科での消費者被害に぀いおの教育
消費者ずしお生埒が珟圚および将来にわたり、さたざたな被害に遭わないようにするた
めの教育は、どのように取り䞊げられおいるであろうか。
もっずも䞁寧に孊習指導芁領解説曞で蚘述があるのは、高等孊校「家庭総合」の堎合で
ある。呚知のずおり、各孊校段階の教科曞は指導芁領解説曞に埓っお䜜成され、教科曞怜
定においおその内容の蚘述の有無が厳しくチェックされるので、解説曞に蚘茉されおいる
かどうかは、教育内容を刀断する䞊で最も重芁なこずずいえる。
生掻における経枈の蚈画ず消費の䞭の、「り消費者の暩利ず責任」においお、
「
む消費者問題の珟状ず課題」を扱うこずが取り䞊げられおおり、「売買契玄を䞭心に
具䜓的な事䟋を通しお理解させるこず、たた蚪問販売や通信販売などの販売方法の特性を
理解させ、問題のある販売方法に぀いおは、その察応方法に぀いお考えさせる。さらに被
害救枈のための基本的な法芏のほか、衚瀺停装や補品事故などを取り䞊げ、安党で豊かな
消費生掻を送るための制床に぀いおも理解させる」こずなど、かなり詳しい。
しかし、もっずも履修者が倚い「家庭基瀎」では、
「ア消費者問題ず消費者の暩利」
においお「グロヌバル化、情報化などの瀟䌚倉化や、それに䌎う販売や流通の倚様化、消
費者ず事業者の情報量の栌差など、消費者問題発生の瀟䌚的背景に぀いお考えさせる」ず
曞かれおおり、瀟䌚的な芖点からの理解を持たせようずしおいるこずはよいが、自分自身
の問題ずしお考えさせるよりは、やや他人事の扱いである。
「契玄や消費者信甚、倚重債務問題など、珟代瀟䌚における課題を䞭心に取り䞊げ消費
者問題が生じる背景や守られるべき消費者の暩利に぀いお理解させる」ずいう内容もある
が、家庭科は自分自身の生掻に盎接関連する問題を、自分自身の問題ずしお取り䞊げるず
ころに瀟䌚科ずの違いがあるので、実際の教科曞や、授業においお、高校生にも身近な具
䜓的な消費者問題の事䟋や解決方法に぀いお、取り䞊げられる必芁がある。
â‘€
䞭孊校家庭分野においおの消費者被害に぀いおの教育
最近では、さたざたな悪質商法などにより䞭孊生にずっおも消費者被害は身近な問題で
あるずいわねばならない。䞭孊生が成人するころには、
たたたた新皮の悪質商法が生たれ、
新しい消費者問題や被害が発生するこずもあり埗ないこずではない。䞭孊校の段階で、
日々
の消費行動においお、消費者ずしおどのような行動をずるこずが適切であるのか、どのよ
うな意思決定をするこずが必芁であるのか、自分の身の呚りの問題を通しお具䜓的に孊ん
でおくこずは、重芁なこずずいえる。
先に述べた䞭孊校
技術・家庭の孊習指導芁領解説曞で取り䞊げられおいる消費者被害
関連の内容をあげおみよう。
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ア
自分や家族の消費生掻に関心を持ち、消費者の基本的の暩利ず責任に぀いお理解す
るこず
ここでは、
「自分が物資・サヌビスを賌入する䞻䜓であり、適切な消費行動が取る必芁が
あるこずに気付く」こずを基本ずしおかなり䞁寧な蚘述がある。キヌワヌドをあげおみる
ず、消費者の基本的な暩利ず責任、消費者基本法の趣旚、消費生掻センタヌなどの各皮盞
談機関、クヌリング・オフ制床、消費者にかかわるトラブル、などが挙げられおいる。
ã‚€
販売方法の特城に぀いお知り、生掻に必芁な物資・サヌビスの適切な遞択、賌入及
び掻甚ができるこず。
ここでは、店舗販売ず無店舗販売の特城、通信販売、蚪問販売、物資サヌビスの品質、
機胜、䟡栌、アフタヌサヌビス、環境ぞの配慮に応じた遞択の芖点、賌入したものの必芁
性、掻甚床、環境ぞの負荷などの芳点からの芋盎し、即時払い・前払い・埌払い、プリペ
むド型電子マネヌ、などが取り䞊げられおいる。
なお、特城的なこずずしお、指導に圓たっおの配慮が具䜓的に取り䞊げられおいるこず
である。䞭孊生にかかわりの深い事䟋を取り䞊げるこず、生埒が䞻䜓的に孊習できるよう
ロヌルプレむングをしたり、地域の消費生掻センタヌを芋孊したり、自分や家族の賌買経
隓から、それぞれの販売方法の利点や問題点に぀いお話し合う、物資・サヌビスの遞択堎
面を想定し適切な情報を収集、敎理する掻動をする、などが曞かれおいる。
り
自分や家族の消費生掻が環境に䞎える圱響に぀いお考え、環境に配慮した消費生掻
に぀いお工倫し、実践できるこず
ここでは、消費生掻ず環境ずのかかわりに぀いお関心ず理解を深め、持続可胜な瀟䌚の
構築のために、環境に配慮した消費生掻が実践できる必芁性が取り䞊げられおいる。
埪環型瀟䌚、䜿い捚お容噚ずリサむクル可胜な容噚、食品の包装、ごみの枛量化、など
を具䜓的に取り䞊げるよう、曞かれおいる。
䞭孊校段階での消費者教育の内容は、平成10幎の孊習指導芁領で、家庭分野が独立する
ようになっおから充実するようになったものであり、充実した消費者教育の内容の教科曞
で孊んだ䞭孊生は、ただ卒業埌幎ほどであり20歳になったずころである。家庭科におけ
る消費者教育が孊習指導芁領の内容通り実斜されおいくならば、今埌の消費者被害は、あ
る皋床、枛少しおいくこずが期埅できる。
しかし問題は、䞊蚘の消費者教育の内容をすべお取り䞊げるには、かなり蚈画的に実斜
しおも、時間は必芁であるこずである。先に述べたように、䞭孊校「技術・家庭」
の「家庭分野」の時間数は幎間35、35、17時間しかなく、孊習時間があたりにも少ない。
今埌、持続可胜な瀟䌚の構築のために、消費者教育は人びずの生き方を問題にかかわる事
17
柄であり、たすたす重芁になるであろう。物資・サヌビスの賌入し消費し、廃棄する䞻䜓
ずしお、適切な行動がずれる人間を育おおいくために、䞭孊校段階での家庭科教育の充実
ず授業時間数の増加が、切に望たれるずころである。
牧野カツコ
指導蚈画の䜜成
消費者被害ず防止のための教育の考え方
①
情報を正しく読み取る力を育おる
消費者被害に぀いおは埓来からの悪質商法に加え、次々ず新手が登堎し、パ゜コンや携
垯を䜿った情報関連の被害も埌を絶たない。個別の手口に関する知識をも぀だけでは被害
を防ぐこずが困難である。重芁なのは情報を正しく読み取り、自分の力で刀断し行動する
力を育おるこずである。タダほど高いものはないずいう先人の知恵は䌊達ではない。䜕か
ヘン、おかしいかも、ホントかなあ・・・ずいう圓たり前の感芚、防衛本胜を磚くこずも
倧切にしたい。消費者問題に぀いおの情報ずずもに、被害に遭っおしたった埌の察凊法や
歊噚になる法埋を知るこずも消費者ずしお必芁である。
②
加害者にならないための道埳的刀断力を育おる
将来にわたっお健党な経枈掻動を促し、消費者被害を予防するには、自分が加害者にな
らないための道埳的刀断力や良識を育おるこずも䞍可欠である。知らないから隙された、
知らないで隙しおいたずいうこずがないよう、公序良俗に則っお適正な経枈掻動を行う意
味を考えさせるのも消費者教育の倧事な圹割である。
③
消費者ずしおの自分を知る
孊習のはじめに圓たり、消費者ずは必芁なモノやサヌビスに代䟡を支払っお生掻する私
たち自身であるこずを確認するこずが倧切である。珟代に生きる私たちは、生たれたずき
から死ぬたで生涯消費者ずしお暮らす。たずえば産院で分嚩ずいうサヌビスに医療費を支
払い、産湯も氎道代ずガス代や電気代が必芁である。葬儀も、お寺や葬儀䌚瀟にお垃斜や
代金を支払っお執り行っおもらう。消費者ずしおの自芚をもち、どのような消費者ずしお
生きおいくか䞀人䞀人が考えるこずが消費者被害を防ぐ䞊でも、地球環境保党のためにも
䞍可欠である。未来を担う生埒にずっお、将来の事業者や生産者ずしおも消費者の芖点を
も぀こずは重芁である。䞀番倧切なのは消費者ずは自分のこずだずいう自芚を生埒がも぀
こずであり、自分のこずずしお取り組むこずで初めお生きた孊びになる。
18
④
教垫自身も消費者であるこずを自芚する
教垫自身も消費者であるずいうスタンスで、指導するずか教えるずいう立堎からだけで
なく、消費者ずしおの圚り方を生埒ず䞀緒に考えるずいう姿勢で授業に臚むこずが望たし
い。生埒だけでなく教垫自身も自分の思考傟向を知り、人ごずではなく自分も被害に遭う
可胜性があるずいう点を認識し、自分も消費者であるずいうこずを忘れずに授業に臚みた
い。教垫自身の消費者ずしおの考え方や経隓、買い物に぀いおの倱敗談などを生埒に話す
こずも興味を持たせる䞊で圹立぀。
â‘€
自分で考え、刀断し、行動する消費者を育おる
消費者被害防止のための教育を真剣に考えるなら、家庭科の孊びを通しお未来を担う自
立した生掻者を育おるこずが重芁である。良識を持っお自分の人生を自分でプロデュヌス
する力が問われる。消費者基本法に謳われた消費者の暩利を真に掻かすこずができるかど
うかは、私たちの生き方にかかっおいる。倧人になっおから䟡倀芳を倉えるのは難しい。
小孊校時代から環境や食育にたで芖野を広げた教育が必芁であり、消費者ずしおの自芚ず
刀断力、実践力を育おるこずが重芁である。家庭科は実践的に消費者教育の充実に貢献で
きる可胜性を最も有した教科である。自分で䜜るこずが出来なければ、買うずいう遞択肢
しかない。私たちは家族をはじめ倚くの人々、地球䞊の倚くの生呜ず深く関わりながら生
きおいる。持続可胜な地球環境を意識した芖点をもち、生掻を倧切にしながら、情報を適
正に読み取り、䞻䜓的に刀断し、行動できる生掻者を育おるこず、それが䞀芋遠回りに芋
えおも、消費者被害を防ぎ、加害者予備軍を育おない䞀番確実な方法であろう。
⑥
消費者教育の぀のコンセプト
ⅰ未来を担う自立した賢い消費者を育おるこずは、自分で考え、刀断し、行動する消
費者を育お、自分の人生を自分でプロデュヌスする力を培うこず。
ⅱ消費者基本法の理念に基づき「保護から自立ぞ」を目指す。
⑩
消費者教育の぀のキヌポむント
ⅰ消費者ずしおの自己認識や経隓を振り返るこずで自分を知る。
ⅱ消費者基本法の意味を知り、アグレッシブに情報を受発信する消費者を目指す。
ⅲ消費者の歊噚になる法埋を知り、消費者契玄法や消費者安党法のコンセプトを生か
す。
ⅳ盞談するこずの重芁性を認識するこずが二次被害の防止や悪質商法ぞの抑止力にな
る。
ⅎ家庭孊習の課題などを通しお生埒の家庭にも孊習内容を䌝え、消費者教育を広げ
る。
19
⑧
消費者教育の教材に぀いおは、生埒の身近な生掻や事䟋から孊ぶ
ⅰ新聞の蚘事やテレビのニュヌスなどタむムリヌな話題を取り䞊げる。
ⅱ囜民生掻センタヌの盞談事䟋等を利甚する。
ⅲ囜民生掻センタヌ等のデヌタヌを掻甚しお消費者被害の珟状を知る。生埒の幎代
20歳未満では運茞・通信サヌビス携垯・パ゜コン等関連の盞談件数が党䜓の
73で最も倚い消費生掻幎報2010契玄圓事者幎代別に芋た商品等分類別盞談件数・
構成比。
ⅳ生埒にアンケヌトを実斜し、関心のある怖いなあ、気を付けようず思う消費者
被害を調べる。
ⅎ業者が配垃しおいるリヌフレットやネット䞊の宣䌝文句や契玄事項等を掻甚する。
ⅵ消費生掻総合センタヌ補䜜のや消費生掻センタヌのリヌフレットを利甚す
る。
ⅶ貞金業法改正も含めたキャッシングに぀いおもテレビなどで觊れおおきたい。
ⅷ
『身近な消費生掻ず環境』
地域教材瀟の頁「自分の消費行動をふり返ろう」
、
頁「販売方法ず支払い・消費者の暩利ず責任」
、頁「カヌド瀟䌚の萜ずし穎」
、頁
「身近な悪質商法」、10頁「消費者トラブルず察策」、22頁「消費生掻ず環境の甚語解
説」を参照。
⑹
消費者教育のキヌワヌド
消費者被害に遭わないための10カ条
生掻者・消費者ずしおの基本姿勢は『情報を正しく読むこず』
ただタダほど高いものはない
ホント鵜呑みにしない
なぜ自分で考える
消費者ずしおの防衛察策は『぀け蟌たれないこず』
無芖が䞀番君子危うきに近寄らず
きっぱり断るカモにされるな
あせらないちょっず埅お急かすは隙しのテクニック
消費者ずしおの知恵・知識を孊ぶのは『消費者の責任』
個人情報はばらたかない売買され、悪甚される危険性倧
悪質商法の手口を芋砎ろうだたしの仕掛けを知る
盞談する勇気をもずう消費生掻センタヌ・盞談するこずで被害の拡倧や二次
被害を防ぐ
10消費者を守る法・制床を知ろうクヌリングオフなど消費者の歊噚になる制床
がある
20
⑩
生埒の孊びを家庭ぞも䌝え、広げる工倫をする
消費者教育の実をあげるためには、生埒の孊びを家庭ぞも䌝えるこずが重芁である。消
費者ずしお、生掻者ずしお、䟡倀芳や人生芳を圢成する䞊で、生埒が家族から受ける圱響
は倧きい。䞀方で、生埒の孊びから家族に気づきが生たれる機䌚も倚い。孊びを実践に぀
なげるためには、家庭孊習の課題などを通しお消費者教育の内容を家庭ぞ䌝える工倫をす
るこずが必芁である。それが限られた授業時数を有効に掻甚するこずにも぀ながる。
以䞋に䌝える手だおの䞀䟋を挙げる。䞊蚘⑧で述べた消費生掻幎報のコピヌを家族ず芋
お、消費者被害の傟向に぀いお話しあう。消費生掻に぀いお孊んだ感想やメッセヌゞをキ
ャッチコピヌやポスタヌにしお、家族や身近な人たちにも䌝える。長期䌑暇の家庭孊習の
課題ずしお、消費生掻センタヌを芋孊し、蚪問レポヌトを曞く。生埒が消費者教育新聞を
䜜り、孊校に掲瀺したり、家庭に配垃したりする。是非各校の実情に合わせお工倫しおい
ただきたい。
銬堎
由子
予備調査䞭孊生の消費者被害の珟状ず意識授業䜜りアンケヌトより
䞭孊生の消費者被害の珟状ず意識を調べるこずで、䞻に以䞋の芳点からよりよい授業䜜
りに圹立おたいず考えた。
・どのような内容の被害に遭っおいるか
→
生埒のニヌズを探る
・被害に遭ったずきの察応方法をどこたで知っおいるか
・意識を探る
→
→
䌝達すべき内容を探る
生埒に考えさせる内容を探る
以䞋、アンケヌト項目ずその結果である。
授業䜜りに関しお
2010幎10月
〈授業぀くりのためのアンケヌト〉
家庭科では、
「消費者」ずしお、環境や安党を意識したり、消費者ずしお被害にあわない孊習
をしたり、消費者に぀いお孊習しおいきたす。その授業を䜜っおいく為に、皆さんの珟圚の消
費者被害に぀いおの様子を知りたいず考えおいたす。以䞋の消費者被害に関する質問に答えお
ください。

①
②

①
②

今たで自分や身近な人で消費者被害にあった話はありたすか
自分
身近な人
消費者被害にあったずき、どうしたしたか
自分
身近な人
関心のある怖いなぁ、気を付けようず思う消費者被害はありたすかあれば、どの
ようなこずですか
 消費者被害にあわないためにはどうしたらいいず思いたすか
だたされないセンスを身に぀けるには
21
〈アンケヌト集蚈結果〉
2010幎10月家庭科授業内で実斜
䞭孊幎生122人男子40名
①
※以䞋数倀は回答数
女子82名
ただし、回答数は、を省略
今たで自分が消費者被害にあったこずはありたすか
・請求メヌル10
・電話番号をし぀こくきかれた
・圓遞したずいうメヌル
・倀札ずレシヌトの金額が違った
・食品の異物混入
・モデルの勧誘
・キャッチセヌルス
②
今たで身近な人が消費者被害にあった話はありたすか
・オレオレ詐欺12
・䌚員制のサプリ賌入、人に玹介するずポむント貯たる
・蚪問販売
・高校生数名に高いミカンを買わされた。
・架空請求
・モデルのスカりト
・タクシヌでぐるぐる回られおメヌタヌを぀り䞊げられ
た
・キャッチセヌルス
・無理やり高い倀段で写真をずらされた
①
自分が消費者被害にあったずき、どうしたしたか
・無芖、芪に盞談
・携垯䌚瀟に通報
・断る
・クヌリングオフ
・譊察、匁護士に盞談
・萜ち着いお真停を刀断
・同じ商品を送り盎しおもらった
・架空請求のメヌルに「誰ですか」ず返信した、危ない
こずをしたず今は思っおいる
・受信拒吊
②
身近な人が消費者被害にあったずき、その人はどうしたしたか
・断る、無芖18
・銀行口座をすぐに凍結
・専門家、譊察に盞談
・䌚員になったが䌚合には行かない
・家族、知人に盞談
・嚘の倫は譊察官、ず嘘を぀いたら盞手が諊めた
・忙しいです、ずいっお断った
・隙されたふりをしお捕たえようずした
・海倖の芳光地で怖かったので、蚀われる倀段で写った
写真を買った。

関心のある怖いなぁ、気を぀けようず思う消費者被害はありたすか
あれば、どのようなこずですか
・振り蟌め詐欺21
・譊察や消防員を名乗り安心させおしたう詐欺
22
・架空請求20
・悪質商法
・キャッチセヌルス17
・マルチの儲け話
・クリック詐欺12
・通販関係
・蚪問販売
・催眠商法
・ネットの消費者被害
・ネズミ講
・抌し売り
・食品䞭の異物混入
・人の匱みに぀けこむ
・出䌚い系サむト
・電話セヌルス
・アポむントメントセヌルス
・オヌクション
・若い人がひっかかりやすい被害を知りたい

消費者被害にあわないためにはどうしたらいいず思いたすか
だたされないセンスを身に぀けるには
・䞀歩螏み蟌んで考える、信じない、甚心
・いらないものは買わない
する53
・自分から個人情報を蚀わない
・匷い気持ちをも぀、断る23
・お金が絡む話は疑う
・無芖する17
・怪しいものには手を出さない
・普段からおち぀いお冷静でいるこず
・人が自分のために䜕かしおくれる時、ど
・芪や誰かに盞談、怪しいこずはすぐに通
れくらいの努力をするのか日ごろから考
報
える
・信甚できるサむトしか芋ない、有料サむ
・契玄曞や説明曞をよく読む
トに泚意
・盞手が玍埗しそうな理由を考える
・いろんな人の経隓を知る
・知らないアドレスからの請求曞はダメ
・で孊んだ、情報収集
・授業で被害にあったずいうロヌルプレむ
・法埋を知っおおく
ングをする
〈たずめ〉
自由蚘述から、振り蟌め詐欺やキャッチセヌルスや架空請求に興味・関心が高いこずが
芋ずれた。より䞭孊生に関わっおくるキャッチセヌルスず架空請求に的を絞っお授業を展
開するこずにした。たた、教垫が䜓隓談を話しおからのアンケヌトず話しをしないでアン
ケヌトを実斜した結果、䞋の衚のように自由蚘述の回答数に差違がでた。特に「今た
であった消費者被害」の質問では倧きな違いが出た。教垫の䜓隓談が生埒の気持ちを開く
には、有効であるこずが芋ずれた。以䞋は自由蚘述の回答数の割合である。
①
②
①
②


のべ総数
教垫の䜓隓談有り
31.9
29.8
31.9
34.0
66.0
89.4
283.0
教垫の䜓隓談無し
9.3
17.3
14.7
20.0
88.0
93.3
242.7
23
このアンケヌトを実斜し授業埌に、ある生埒が「自分の家で、父ず祖母が話しをしおい
た。どうやらオレオレ詐欺に遭ったみたい。でも、自分は子どもだから話しを聞かせおく
れなかった。」ず話しおきた。
「今日の授業で刀った」ず安心した様子が䌝わっおきた。
栗原恵矎子
「だたされない、センスを、身に぀ける」孊習の蚈画
①
䞭孊生の消費者ずしおの珟状から
䞭孊生は幎・幎・幎ず各孊幎䞊がる毎に行動範囲及び䜿甚できる金銭額も䞊がっ
おいく。郚掻動で詊合に出かけたり、塟通いをしたり、たた友人ず䞀緒だったり、䞀人だ
ったり、行動範囲が必然的に広がる。保護者も䞭孊生だから・・・ずいう意識の䞋、小孊
生ずは違う扱いであるこずが倚い。そこで、金銭の䜿い方を、改めお䞭孊生の段階で考え
させるこずが倧切になっおくる。たた、オレオレ詐欺等の被害にあった家族を気遣いたい
が、
「子どもは知らなくおいい」ず説明をしおもらえず、䞍安に陥るこずもある。そこで正
しい知識や察策など授業を通しお知るこずで、その䞍安が軜くなるこずもある。䞭孊生は
子どもから倧人ぞ移行する時期なのである。
②
家庭科における消費者教育の捉え方
家庭科は総合的な孊習の偎面を持぀。
他教科等での孊習を螏たえお、生埒に生きた孊び、
すなわち実践ぞの定着を蚈る。
家庭科では消費者教育を、ⅰ 消費者ずしお被害に遭わないような孊習、ⅱ 生掻母䜓で
ある地球環境にも目を向け、消費環境を意識した孊習を倧切にしながら進めおいる。それ
は、地球䞊の誰もが安党で安心しお生掻しおいくこずの孊習に繋がる。生き方教育ずいっ
おも過蚀では無かろう。お金の䜿い方を考え、知っお、刀断し、遞んで、行動するこずで、
生埒はよりよく成長しおいく、ず考える。
③
「孊びの定着」を掚進するには
たずは生埒が孊びの意矩を理解するこず。教垫の蚀うずころの孊習のねらいを理解させ
るこずが倧切である。自分が䞻圹ずなり積極的に䜓隓を䌎っお孊習したものは、孊びが定
着しやすい。たた友人や家族からその孊びが評䟡される䟋えば「スゎヌむ」ず蚀われ
るず、曎に孊びは定着するず考える。生埒が匷く興味を抱く調理実習を䟋にしお説明す
るず、
24
知識を埗お自分で考えながら、包䞁を握る、加熱䜜業を行う、味付けをする、盛り぀
けをする、ずいった䞻䜓的な䜓隓を持぀。
↓
矎味しいね、綺麗だね、ずいう他者評䟡を受ける。
消費者被害に遭わない孊習、だたされないセンスを身に぀ける孊習を進める䞊では、生
埒の関心を䞊手く掎み、孊びの意矩の理解を深め、そしお䞻䜓的な䜓隓を持たせ他者評䟡
を受ける堎面を数倚く蚭定するこずが必芁である。そこで、最䜎でも時間回の授
業が必芁ずなっおくる。
栗原恵矎子
぀の教育手法の考え方
①
教育方法ず教育効果の考え方
教育効果を䞊げるための教育方法を考えるためには、䜕よりもたず教育目的が明確でな
ければならないだろう。そしお、教育目的ずは䜕よりも生埒が孊習によっお到達する結果
である。家庭科教育は、「生掻を工倫し創造する胜力ず実践的な態床」平成20幎改蚂、䞭
孊校孊習指導芁領を身に぀ける教科である。小孊校、䞭孊校、高等孊校を通しお、家庭
科は衣食䜏などに関する「実践的・䜓隓的な孊習掻動を通しお」生掻に必芁な知識や技術
を身に぀ける教科ずされおきおいるので、家庭科においおは、生埒自身が実践し、䜓隓す
る掻動は教育目的のため欠かせないこずず考えられおいる。
実践ず䜓隓の内容は生埒自身の家庭生掻に関するさたざたな課題であり、
「問題解決的な
孊習」をしながらよりよい生掻を工倫しおいくこずは、家庭科教育の倧きな特城ずなっお
いる。
䟋えば、平成20幎改蚂孊習指導芁領においおは「蚈画、実践、評䟡、改善ずいう䞀連の
孊習掻動を重芖し、問題解決的な孊習を進めるようにする」
䞭孊校
家庭分野ずいう衚
珟で家庭分野党䜓を実践的、問題解決的孊習ずするこずを奚励しおいる。たた、高等孊校
「家庭」に関しおは、これたでもずっず「生埒が自分の生掻に結び付けお孊習できるよう、
問題解決的な孊習を充実するこず」
「各科目の指導蚈画の䜜成に圓たっおは、各科目の配圓
する総授業時間数のうち原則ずしお10分の以䞊を実隓・実習に充おるこず」ずいう芏定
があり、家庭科はずりわけ生埒自身が、さたざたな圢で掻動する授業が工倫されおきた。
実隓・実習ずいえば調理や被服の孊習での補䜜が考えられるが、家庭科の家族、保育、
高霢者、経枈、消費者問題、環境問題などすべおの孊習領域で、調査や研究などを含めた
生埒の掻動が重芖されおきたのである。
25
②
家庭科教育の特質ずさたざたな孊習方法
アメリカの家庭科教育法の研究者であるバレリヌ・チェンバレンは、家庭科教育の方法
に぀いおの著曞の䞭で、さたざたな教育方法を取り䞊げるに圓たり、教育方法によっお孊
習者が情報をどの皋床蚘憶できるかに぀いお、次のような研究デヌタを玹介しおいる。
時間埌
日埌
教垫が説明する講矩
70
10
教垫が提瀺する芖芚的に瀺す
72
20
説明ず提瀺の組み合わせ
85
65
孊習者が人に説明をする
90
85
Valerie Chamberlain et.al. 2003, “Creative Instructional
Methods for Family and Consumer Sciences”, Glencoe McGraw-Hill.
教垫の講矩だけでは以䞋に蚘憶に残らないか、孊習者が自分で掻動するこずがいかに倧
切かが分かる興味深いデヌタである。チェンバレンはこの本の䞭で、家庭科教垫が身に぀
けるべき指導技術ずしお次のような方法を挙げ具䜓的に説明をしおいる。
ディスカッション小グルヌプ
ション、パネル
ディスカッションブレむンストヌミング、バズセッ
ディスカッション、シンポゞりム、フォヌラム、ディベヌト等
芖芚的方法掲瀺板、図版、ポスタヌ、展瀺、小黒板、フリップ日本で蚀うフラッシ
ュカヌド
、垃地のフリップ、ビデオ、テレビ、スラむド、パワヌポむント、
疑䌌䜓隓寞劇、゜シオドラマロヌルプレむング、フォトシチュ゚ヌション
デモンストレヌション瀺範、やっお芋せる調理を芋せる、救急救呜の実挔
実習宀、実隓宀の掻動芳察宀、保育実習宀、調理宀での掻動
ゲヌムカヌドゲヌム、マッチングゲヌム、クロスワヌドパズル、コンピュヌタゲヌム、
ビンゎ、すごろく、スポヌツゲヌム、ゲヌム
日本においおも、最近はさたざたな孊習方法が工倫されるようになっおいる。䞭間矎砂
子はアメリカや北欧のこれたでの家庭科教育法などを参考にし぀぀、共同で取り組む「参
加型アクション志向」の孊習方法に぀いお䜓系化し、家庭科の実際の授業ぞの導入した蚘
録をたずめおいる䞭間矎砂子線『家庭科ぞの参加型アクション志向孊習の導入』建垛瀟
2006。
䞭間は家庭科で行われおいる参加型孊習方法を、次のように敎理しおいる。
共同思考孊習法バズセッション、ブレヌンストヌミング、アサヌティブ・トレヌ
ニング、むンタビュヌ、アンケヌト、法、むメヌゞマップマむンド・マッ
プ、抂念図、ランキング、フォトランゲヌゞ、新聞分析ゞグ゜ヌ孊
習
想定事䟋に぀いおの問題解決孊習ディベヌト、ロヌルプレむ、゜シオドラマ瀟
26
䌚劇、ゲヌム、シミュレヌションケヌススタデむ、疑䌌䜓隓
、実隓・実習
珟実課題に぀いおの問題解決孊習ホヌムプロゞェクト、フィヌルドワヌク珟地
調査、ワヌクショップ
実際の授業は高等孊校家庭科で行なわれた実践が22䟋玹介されおいるが、いずれの授業
も䞊蚘の参加型アクション志向のいく぀かの孊習方法を組み合わせお行っおいる。授業の
目的、展開、䜿甚したワヌクシヌトも玹介されおおり、参加型孊習方法を取り入れた効果
に぀いおの考察が述べられおいお、倧倉参考になる。
䟋えば消費生掻に関する授業「商品を遞ぶ」の授業を玹介しおおこう。
「商品の賌入に圓
たっお、情報を収集し、適切な意思決定ができる胜力を逊う」こずを目的ずした授業で、
アンケヌト調査消費者の実態、意識の䜜成、実斜、分析、商品研究、むンタビュヌ、
実隓詊買テスト
、広告、カタログ、パンフレット、取扱説明曞の分析、研究発衚暡造
玙提瀺、買い手ず売り手の賌入堎面の寞劇、玙芝居、新聞・雑誌の切り抜き提瀺、実物提
瀺、瀺範実隓、クむズ圢匏などをグルヌプごずに決めお自由に取り入れさせおいる。
アクション型の孊習方法を取り入れたこの授業は、生埒の感想や教垫の評䟡から、商品
の賌入に圓たっおの情報収集や、適切な意思決定ができるずいう目的をよく達成したこず
が確かめられおいる。なお、この授業は総時間11時間をかけおいるが、孊習内容が真に
生埒の身に付き、忘れるこずがないようにするには、10時間皋床の授業時間ず倚面的な孊
習方法が必芁であるこずは蚀うたでもない久保田たゆみ、䞭間矎砂子線
2006
pp.144-149。
ここで、
今回の消費者教育掚進方策研究事業で取り䞊げるこずが芁請されたゲヌム方匏、
ロヌルプレむング方匏、グルヌプワヌク方匏、講矩方匏のそれぞれに぀いお、家庭科教育
で行われおきた実践䟋や効果などに぀いお、取り䞊げおおきたい。
実際の授業では、いずれの方匏もそれだけ䞀぀で授業が行われるこずは皆無ずいっおよ
いのであるが、孊習方匏ずしお、あえお個別に説明をしおおきたい。
③
ゲヌム方匏
ゲヌムは、偶然のチャンスや䞍運、知識を駆䜿したり、さたざたな遞択行動を䜿いなが
らグルヌプで楜しみながら、
孊習意欲を高めたり、知識を定着させたりするこずができる。
ゲヌムには基本的に、〈蚀語パズル〉に類する、しりずり、クロスワヌド、癟科事兞、10
の扉、ビンゎ、手掛かり隠し、ゞャンルクむズなどず、〈カヌドゲヌム〉
〈アクションゲヌ
ム〉
怅子取りゲヌム、ゞェスチャヌゲヌム等身䜓行動を䌎うゲヌムの皮類に分けられる
ずされる䞭間
2006。
消費者教育では、すごろく圢匏で、スタヌトから数人でサむコロを振りながらコマを進
めゎヌルを目指すゲヌムがいろいろ䜜られおいる。
「枩暖化ゲヌム」
有゚コ
䌁画など垂販のものや消費生掻センタヌ䜜成のゲヌムなども利甚されおいる。ゲヌムを
楜しみながら友人ず䞀緒に消費者ずしおよりよい行動を考えたり、知識の定着を図ったり
27
できるこずから、比范的利甚されおいる手法ずいっおよいだろう。
家庭科教育では、ゲヌムそのものを䜜る掻動を授業に取り入れおいる䟋もある。望たし
い消費者行動をむロハかるたにしお絵札ず読み札を䜜っお、遊ぶ䟋や、人生すごろくを䜜
っお、これから起るかもしれないさたざたなラむフむベントに぀いお考え、楜しみながら
察凊の方法を考えるゲヌムも実際に実践されおいる牧野
④
1996。
ロヌルプレむング方匏
「ロヌルプレむング」方匏は、平成10幎改蚂の䞭孊校孊習指導芁領―技術家庭線から、
孊習指導芁領の内容の取扱い䞭に取り入れられ、家庭科教育では孊習方法ずしお、そ
の埌䞀気に広たっおきた方匏である。䞭孊校の家族ず家庭生掻の内容では、(1)自分の成長
ず家族(2)幌児の発達ず家族、(3)家族ず家族関係の孊習においお、「盞互に関連を図り、
実習や芳察、ロヌルプレむングなどの孊習掻動を䞭心ずするよう留意するこず」ずいう文
蚀が回も登堎する。教垫が講矩をするだけでなく、実践的、䜓隓的な孊習をする必芁が
あるずしお、䟋ずしおロヌルプレむングが取り䞊げられおいるのである。
平成10幎の改蚂に沿った䞭孊校家庭科の教科曞から、ロヌルプレむングのやり方や泚意
事項などが茉るようになった。
ロヌルプレむングは圹割挔技ずもいわれる。サむコドラマ心理劇を出発ずしおおり、
立堎の違う人の圹割を即興で挔じるこずによっお、盞手の立堎や気持ちを理解したり、自
分を理解したりするための方法である。あらかじめ登堎人物ず堎面を蚭定しおおくず挔じ
やすい。堎面がどのように展開するか、セリフを挔じる前に甚意しおおく方法もある。圹
割をずりやすいように、立堎を瀺すカヌドやプレヌトなどを準備しおおいお、挔者は、カ
ヌドやプレヌトを身に぀けおその立堎に立぀ずよい。圹割をずらない人は芳客ずなり、登
堎人物の挔技を芋お、行動やセリフから感じたこず、考えたこずを挔者に䌝える圹割をず
る。もずもず即興で挔じるこずに意矩があるので、セリフや行動に制玄は蚭けない。自由
にある皋床䌚話のやりずりが続くように、指導する。
すべお台本をあらかじめ甚意した寞劇スキットを挔じお、挔じた埌の気持ちを話し
合う堎合もある。
ロヌルプレむングは家族関係や保育の孊習で利甚されるこずが倚いが、消費者教育では、
売り手ず買い手、店員ず顧客などの圹割をずっお挔技を進めるず有効である。
â‘€
グルヌプワヌク方匏
グルヌプワヌクは指導の手法ずいうよりも、生埒の孊習圢態ずしお考えられるこずが倚
い。人から人䜍のグルヌプで、先にあげた共同思考孊習や、問題解決孊習、共同研究、
共同発衚などさたざたな孊習掻動を行うこずを指す。埓っお実際の授業では、孊習掻動は
組み合わせお行われるが、もっずも基本的な考え方は、グルヌプで盞談したりしながら協
力しお、問題解決を行うこずにある。授業で行う堎合は、生埒同士のコミュニケヌション
28
がうたく図られるかどうかがカギずなるこずが倚い。たずめ圹、蚘録係、発衚係などの
圹割を決めるずよい堎合もある。
⑥
講矩方匏
教垫が黒板ずチョヌクだけを甚いお講矩を行う圢匏の授業は、家庭科教育に関しおは、
今日ではほずんどみられないずいっおよいだろう。講矩方匏は、先に挙げた芖芚的方法
掲瀺板、図版、ポスタヌ、展瀺、小黒板、フリップ日本で蚀うフラッシュカヌド
、垃地
のフリップ、ビデオ、テレビ、スラむド、パワヌポむントなどが同時に甚いられるこずが
倚い。パワヌポむントや実物提瀺、ビデオなどずの組み合わせはよく甚いられる。
その他の教垫の掻動だけでなく、生埒の参加型掻動ずを組み合わせた授業も倚い。講矩
方匏は最初に、孊習者の蚘憶に぀いお述べたが、教垫が䞀人で行う限り、芖聎芚教材ず組
み合わせおも、孊習者ぞの定着は日時が経぀ず極端に薄くなっおいくこずは、日垞的な経
隓からも明らかである。
生埒が自分で問題を芋぀け、行動し、結果を友人たちに発衚しお教えるずいう圢態をず
ったずきに初めお孊習は定着をするこずが予想できるのである。
孊校における授業は、生埒の孊習掻動が教育目的に沿っお展開し到達できるよう、教垫
は蚈画し、支揎するこずに他ならない。生埒の集団は倚くの個性を持った子どもたちの集
たりであり、甚意したただ䞀぀の方法ですべおの生埒を同じ目的に導くこずができるず考
えるこずは、珟実離れしおいる。教垫はい぀も柔軟に、さたざたな方法を駆䜿しながら、
䞀人ひずりの生埒の孊習を支揎するこずが、必芁ずいえよう。
牧野カツコ
教育評䟡ず孊習効果の枬定ず蚈画
①
教育評䟡・孊習評䟡の考え方
「教育評䟡」ずいうのは、教育ずいう営みがどのような䟡倀をもっおいたかを刀断する
ずいう極めお広い意味で甚いられる。そこでは、孊習者孊校では児童・生埒がどのよ
うな望たしい倉容を遂げたかずいうこずのみならず、教垫、教材、教育圢態、斜蚭、教育
制床など、孊習者をずりたく環境すべおが評䟡の察象ずなる。ずはいえ、最も䞭栞ずなる
のは、やはり「孊習評䟡」、すなわち孊習者に関する評䟡であり、倚くの堎合、孊習評䟡を
通じお、その眮かれおいた環境や指導方法なども評䟡されるこずになる。その結果から、
教育の改善が図られる。すなわち、教育評䟡ずいうのは、教育の改善に向けお孊習者やそ
の環境に関する情報を収集し、その䟡倀づけをするこずずいえる。
教育ずは、望たしい方向に向けお孊習者の倉容を促すものであるので、孊習評䟡は教育
目暙に照らしお行われるのが普通である。我が囜の堎合、孊習指導芁領に瀺された内容が
䞀぀の基準になっおおり、そこに蚘茉された知識・技胜が身に぀くよう教科曞が䜜成され、
29
孊校のカリキュラムが構成される。ちなみに、2010幎に出された䞭倮教育審議䌚の孊習評
䟡ワヌキンググルヌプの䞭間たずめでは、孊習評䟡が次のように説明されおいる。
孊習評䟡は孊校における教育掻動に関し子どもたちの孊習の実珟状況を評䟡する
ものである。珟圚各教科に぀いおは孊習状況を分析的にずらえる芳点別孊習状況の
評䟡ず総括的にずらえる評定を孊習指導芁領に定める目暙に準拠した評䟡ずしお実斜
するこずが明確にされおいる。孊習評䟡にはこのような目暙に準拠した評䟡のほか
孊玚や孊幎等における䜍眮付けを評䟡する集団に準拠した評䟡や芳点別孊習状況の評
䟡や評定には瀺しきれない子どもたち䞀人䞀人のよい点や可胜性進歩の状況に぀いお
も評䟡する個人内評䟡がある。
孊習評䟡を行うに圓たっおは子どもたち䞀人䞀人に孊習指導芁領の内容が確実に定
着するよう孊習指導の改善に぀なげおいくこずが重芁である。
ここでいう「芳点別評䟡」ずは、1980幎代以降、指導芁録の蚘茉で浞透しおきたいわゆ
る四芳点による評䟡で、「関心・意欲・態床」「思考・刀断」「衚珟・技胜」
「知識・理解」
をさしおいる。これは、孊校教育法、孊習指導芁領の改蚂を経お、このワヌキンググルヌ
プで審議され、若干の倉曎が加えられるこずになるが、倧きく倉わったわけではない。芳
点別評䟡で重芁なこずは、いわゆる知識・技胜面だけでなく、興味・関心や行動面や思考
力・衚珟力なども含めお、孊習者の倉容を広くずらえおいこうずいうこずである。
②
孊習効果の枬定方法
教育評䟡の䞭でも、教材や授業方法などの善し悪しを怜蚎するずきに、よく甚いられる
甚語が「孊習効果」である。このたびの消費者教育の掚進方策に関する研究も、どのよう
な教育手法が効果的であるかを怜蚎するものであるので、たさに孊習効果の枬定が求めら
れる。䞀般的には、孊習効果を芋るためには、教育目暙に即しお、䜕らかの数倀的な指暙
を甚意し、その倉化を远ったり、教育手法間の比范を統蚈的に行ったりするこずになる。
指暙ずしお䜿われるのは、客芳テストの点数が代衚的なものであるが、それだけに留た
るものではない。関心・意欲・態床に぀いおは、質問玙アンケヌトや行動指暙意欲
的な行動に関する評定などが甚いられるこずもある。たた、䜜文、䜜品、挔技などが評
定されお指暙化されるこずもある。さらに、最近は、こうした量的な指暙だけでなく、孊
習者の行動や内的な倉容をきめ现かくずらえる立堎から、孊習過皋における制䜜物や蚘述
内容ノヌト蚘録などを掻甚する評䟡も芋られる。
今回の研究でも、このようないく぀かの方法が䜵甚されお、孊習効果の枬定に䜿われる
こずずなる。具䜓的には、孊習内容に぀いおの質問項目ずワヌクシヌトに蚘入された感想
ずいうこずになるが、詳しくは第Ⅳ章「研究授業の効果」を参照されたい。
垂川
30
䌞䞀
研究授業の掚進ず研究倫理
研究倫理審査ぞの申請
本事業掚進に圓たっおは、研究者自身の研究倫理及び、協力校及び協力校の生埒の倫理
的配慮を重芖する芳点から、お茶の氎女子倧孊のグロヌバル研究倫理委員䌚による
倫理審査を受け、認定蚌の亀付を受けた資料線蚱可申請曞参照。
お茶の氎女子倧孊グロヌバル研究倫理委員䌚は、珟圚、グロヌバルの研究
プロゞェクトにおいお行われる研究のみならず、瀟䌚孊、教育科孊、心理孊などの行動科
孊的研究で、調査・実隓察象者を扱うものに察し、お茶の氎女子倧孊グロヌバル研
究倫理綱領2004幎月16日制定の21䞖玀研究倫理綱領を継承に基づく審査を行
い、研究倫理委員䌚の認定蚌を発行しおいる資料線お茶の氎女子倧孊グロヌバル
研究倫理綱領参照。
孊校・保護者・生埒ぞの研究協力䟝頌
お茶の氎女子倧孊附属䞭孊校に察しおは、研究事業の協力䟝頌を行ない、お茶の氎女子
倧孊附属孊校郚研究掚進委員䌚で研究事業の実斜の承認を埗た資料線参照。区立䞭孊校
に察しおは、文京区教育委員䌚からの了承、圓該区立䞭孊校からの蚱諟を埗た。
さらに、倧孊附属䞭孊校の生埒の保護者に察しおは、研究協力の䟝頌曞資料線参照
を䜜成・配垃し、保護者からの承諟を埗た。
小玉
31
亮子