Download リバティ式 XL-2型 飛 行 規 程 - Discovery Aviation

Transcript
リバティ式
X L -2 型
製 造 番 号 が 0007 及 び 0009 以 降 0125 ま で の 航 空 機 で
MT プ ロ ペ ラ を 装 備 し た も の に 適 用 す る
飛
行
規
程
JAXXXX
型式証明飛行規程
( 型 式 証 明 番 号 : No.68)
型式証明保有者
(リバティ・エアロスペース社)
135A-970-007-1
リ バ テ ィ 式 X L -2 型
平 成 22 年 3 月 30 日
変
変更番号
原
文
変更承認年月日
平成 22 年 3 月 30 日
更
状
変 更 頁
全
頁
況
表
変
更
理
由
新規設定
FAA APPROVED AIRPLANE FLIGHT M ANUAL
135 A-970-005 REVISION .R
Dat ed.8/18/2 009
及び
FAA APPROVED AIRPLANE FLIGHT M ANUAL
SUP PLEMENT M T PROPELL ER INSTAL LATION
135 A-970-019 REVISION .D
Dat ed 10/28/ 2009 に よ る 。
Ⅰ
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リ バ テ ィ 式 X L -2 型
平 成 22 年 3 月 30 日
THIS PAGE INTENTIONALLY LEFT BLANK
Ⅱ
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リ バ テ ィ 式 X L -2 型
航
空
局
承
認
平 成 22 年 3 月 30 日
頁
年
承
認
月
日
頁
一
覧
表
頁
飛行規程承認書
Ⅲ
Ⅳ
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
1-1
1-2
1-3
1-4
1-5
1-6
1-7
1-8
1-9
1-10
1-11
1-12
1-13
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
2-1
2-2
2-3
2-4
2-5
2-6
2-7
2-8
2-9
2-10
2-11
2-12
2-13
2-14
2-15
2-16
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
年
月
日
3-1
3-2
3-3
3-4
3-5
3-6
3-7
3-8
3-9
3-10
3-11
3-12
3-13
3-14
3-15
3-16
3-17
3-18
3-19
3-20
3-21
3-22
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
4-1
4-2
4-3
4-4
4-5
4-6
4-7
4-8
4-9
4-10
4-11
4-12
4-13
4-14
4-15
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
III
P/N
135A-970-007-1
IR
リ バ テ ィ 式 X L -2 型
航
空
局
承
認
平 成 22 年 3 月 30 日
承
頁
年
月
認
頁
一
日
4-16
4-17
4-18
4-19
4-20
4-21
4-22
4-23
4-24
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
5-1
5-2
5-3
5-4
5-5
5-6
5-7
5-8
5-9
5-10
5-10a
5-10b
5-11
5-12
5-13
5-13a
5-14
5-14a
5-15
5-16
5-17
5-18
5-18a
5-18b
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
頁
IV
P/N
135A-970-007-1
IR
覧
表
年
月
日
リ バ テ ィ 式 X L -2 型
平 成 22 年 3 月 30 日
承 認 対 象 外 頁 一 覧 表
頁
年
月
日
Ⅰ
Ⅱ
Ⅴ
Ⅵ
Ⅶ
Ⅷ
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
6-1
6-2
6-3
6-4
6-5
6-6
6-7
6-8
6-9
6-10
6-11
6-12
6-13
6-14
6-15
6-16
6-17
6-18
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
7-1
7-2
7-3
7-4
7-5
7-6
7-7
7-8
7-9
7-10
7-11
7-12
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
頁
年
月
日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
7-13
7-14
7-15
7-16
7-17
7-18
7-19
7-20
7-21
7-22
7-23
7-24
7-25
7-26
7-27
7-28
7-29
7-30
7-31
7-32
7-33
7-34
7-35
7-36
7-37
7-38
7-39
7-40
7-41
7-42
7-43
7-44
7-45
7-46
7-47
7-48
7-49
7-50
7-51
V
P/N
135A-970-007-1
IR
リ バ テ ィ 式 X L -2 型
平 成 22 年 3 月 30 日
承 認 対 象 外 頁 一 覧 表
頁
年
月
日
7-52
7-53
7-54
7-55
7-56
7-57
7-58
7-59
7-60
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
8-1
8-2
8-3
8-4
8-5
8-6
8-7
8-8
8-9
8-10
8-11
8-12
8-13
8-14
8-15
8-16
8-17
8-18
8-19
8-20
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
9-1
9-2
平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 30 日
頁
VI
P/N
135A-970-007-1
IR
年
月
日
リ バ テ ィ 式 X L -2 型
平 成 22 年 3 月 30 日
TCD 挟 み 込 み 状 況 表
TCD 番 号
挟み込み日
担当者
除去日
担当者
備考
(除去の根拠等)
Ⅶ
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リ バ テ ィ 式 X L -2 型
平 成 22 年 3 月 30 日
目
次
第 1 章
航 空 機 の 概 要 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 1-1
第 2 章
航空機の限界事項 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 2-1
第 3 章
非
常
操
作 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 3-1
第 4 章
通
常
操
作(通常の場合における各種装置の操作方法) · 4-1
第 5 章
航 空 機 の 性 能 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 5-1
第 6 章
重
第 7 章
航 空 機 と シ ス テ ム の 概 要 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 7-1
第 8 章
航 空 機 の ハ ン ド リ ン グ 、 サ ー ビ ス 及 び メ ン テ ナ ン ス · 8-1
第 9 章
追 加 飛 行 規 程 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 9-1
量
重
心 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 6-1
Ⅷ
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
第 1 章
航空機の概要
目
次
序
文 ········································· 1− 3
航 空 機 の 三 面 図 ····································· 1− 4
概
要 ········································· 1− 5
航 空 機 の 製 造 者 の 氏 名 ··························· 1− 5
発 動 機 型 式 ····································· 1− 5
プロペラ型式 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 1 − 5
耐 空 類 別 ····································· 1− 5
緒
元 ········································· 1− 6
発
動
機 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 1− 6
プ ロ ペ ラ · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 1− 6
燃
料 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 1− 6
滑
油 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 1− 7
承 認 さ れ て い る 最 大 重 量 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 1− 7
標 準 航 空 機 重 量 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 1− 7
荷 重 特 性 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 1− 7
キ ャ ビ ン 、 及 び 出 入 口 に 係 わ る 寸 法 · · · · · · · · · · · · · · · 1− 7
貨 物 室 、 及 び 貨 物 の 出 し 入 れ に 係 わ る 寸 法 · · · · · · · · · 1− 7
記 号 、 略 語 、 及 び 用 語 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 1− 9
対 気 速 度 に 関 す る 用 語 、 及 び 記 号 · · · · · · · · · · · · · · · · · 1− 9
こ の 航 空 機 に 関 す る 略 語 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 1− 10
気 象 に 関 す る 用 語 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 1− 11
発 動 機 の 出 力 に 関 す る 用 語 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 1− 11
航 空 機 の 性 能 、 及 び 飛 行 計 画 に 関 す る 用 語 · · · · · · · · 1− 11
重 量 、 及 び 重 心 位 置 に 関 す る 用 語 · · · · · · · · · · · · · · · · 1− 11
1− 1
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
THIS PAGE INTENTIONALLY LEFT BLANK
1− 2
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
第 1 章
航空機の概要
序
文
この飛行規程は航空法により記載しなければならない事項、並びにリバ
ティ・エアロスペース社が提供する追加データについても記載している。
第 1 章は航空機の基本データ、概要、及びこの飛行規程に使用している記号、
略語、並びに用語の定義、若しくは解説について記載している。
以下にこの飛行規程で使用している警告、注意、及び注記の定義について記
載する。
警
告
対処しなければ、人体に損傷を与えるか死に至る恐れの
ある操作手順、若しくは方法。
注 意
対処しなければ、装備機器に損傷を与えるか破損に至る
恐れのある操作手順、若しくは方法。
注 記
強調すべき操作手順、方法、状態など。
1− 3
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
航空機の三面図
( 1.75m )
2 ブ レ ー ド( 1 . 7 5 m )
( 1.79m )
・ 翼 面 積 : 112SQ.FT(10.41㎡ )
・全幅にはポジション・ライト、及
びストロボ・ライトを含む
・プロペラと地上の間隔は重量
1,653LBS( 749Kg) で 7in(178mm)
( 1.3 2m )
( 8.8 0m )
ステーション
( 6.19m )
( 2.28m )
2
.
3
( 1.46m )
図 1- 1
航空機の三面図
1− 4
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
概
要
航空機の製造者の氏名
リバティ・エアロスペース社
発動機型式
コンチネンタル式
プロペラ型式
MT Propeller 式
IOF-240-B 型
MT175R127−2Ca 型
耐 空 類 別
飛行機 普通 N
1− 5
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
諸
元
発
動
機
発動機の数 ···························································· 1
シリンダーの数 ························································ 4
発 動 機 製 造 会 社 ·············· テレダイン・コンチネンタル・モータース社
発 動 機 型 式 ····················· コ ン チ ネ ン タ ル 式 IOF-240-B 型
燃 料 供 給 方 式 ····································· 燃 料 噴 射 式
発 動 機 冷 却 方 式 ······································· 空 冷 式
発 動 機 タ イ プ ······················· 水 平 対 向 式 ピ ス ト ン 発 動 機
定格出力 ···············································1 2 5 H P @ 2 8 0 0 R P M
プ ロ ペ ラ
プ ロ ペ ラ 製 造 会 社 ···························· MT プロペラ・エンウック社
プ ロ ペ ラ 型 式 ························· MT Propeller 式 MT175R127−2Ca 型
ブ レ ー ド 数 ·························································· 2
プ ロ ペ ラ 直 径 ·································· 69in (1.75m )
プ ロ ペ ラ ・ タ イ プ ·········· 木 /フ ァ イ バ グ ラ ス 製 、 固 定 ピ ッ チ 式
燃
料
全 容 量 ·························· 29.5 U.S Gallons (111.6Lit)
使 用 可 能 量 ························ 28.0 U.S Gallons (106Lit)
承 認 さ れ た 燃 料 等 級 ························ 100LL 航 空 燃 料 (青 )
························· 100 航 空 燃 料 (緑 )
警
告
未承認の燃料を使用すると発動機の損傷、若しくは故障
の原因となる。
注 記
最大の燃料補給量を確保するには、航空機を水平に駐機
すること。
1− 6
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
滑
油
滑 油 容 量 ······································ 6 U.S Quarts
滑油等級:
全 て の 外 気 温 度 ························ SAE20W50 又 は 20W60
外 気 温 度 40℉ (4℃ )以 下 の 場 合 ·············· SAE30 又 は 15W50
外 気 温 度 40℉ (4℃ )以 上 の 場 合 ························ SAE50
承認されている最大重量
最 大 離 陸 重 量 ····························· 1,653lbs( 749kg)
最 大 着 陸 重 量 ····························· 1,653lbs( 749kg)
最 大 貨 物 室 積 載 重 量 ·························· 100lbs( 45kg)
(重 量 重 心 位 置 限 界 に つ い て は 第 6 章 を 参 照 の こ と )
標準航空機重量
標 準 空 虚 重 量 ··························· 1,174lbs( 532.5kg)
最 大 有 効 積 載 量 ····························· 479lbs( 217kg)
荷重特性
翼 面 荷 重 ····································· 14.8lbs/sq ft
馬 力 荷 重 ········································ 13.2lbs/HP
キャビン、及び出入口に係わる寸法
キャビン内部、及び出入口ドア開放の寸法については、第 6 章に記載する。
貨物室、及び貨物の出し入れに係わる寸法
貨 物 室 、 及 び そ れ ら の 特 徴 に つ い て は 次 頁 の 図 1-2 を 参 照 の こ と 。
注 記
最 大 貨 物 室 積 載 重 量 は 1 0 0 l b s ( 4 5 k g )。 拘 束 ネ ッ ト を ブ
ラケットに取付け、荷物を確実に固定した場合に限る。
1− 7
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
ステーション
106.6
貨物室の床
( 0.59m )
バトック・ライン
前方
( 1.6m )
0.0
床の点検孔蓋
拘束ネット固定用ブラケット
( 4箇 所 )
図 1-2
貨物室寸法
1− 8
P/N
135A-97 0-007-1
IR
(カーペットの下)
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
記号、略語、及び用語
対気速度に関する用語、及び記号
KCAS
ノット較正対気速度とは指示対気速度の位置、及び計器誤差を修
正 し た も の で 、 ノ ッ ト で 表 現 さ れ る 。 ノット較正対気速度は海面上の標
準大気で KTAS に 等 し い 。
KIAS
ノット指示対気速度とは対気速度計に示される速度で、ノットで
表現される。
KTAS
ノ ッ ト 真 大 気 速 度 と は KCAS を 温 度 、 及 び 高 度 に つ い て 修 正 し 、 撹
乱されていない大気に対してノットで表現される対気速度。
VA
設 計 運 動 速度 とは 機体構 造 に 過度な 荷 重 負担を 強 い る事無 し に 一杯に 、
若 し く は突然 に 操 舵でき る 最 大速度 。
V FE
最 大 フ ラ ップ 下 げ 速 度と は フ ラップ を 規 定され た 位 置に下 げ た 状態で 許
容 さ れ る最大 速 度 。
VNO
構 造 上 の 最大 巡 航 速 度と は 静 穏大気 中 を 慎重に 飛 行 する場 合 を 除き超 過
し て は ならな い 速 度。
VNE
超過禁止速度とは如何なる場合にも超えてはならない限界速度。
VS
失速速度、若しくは最小定常飛行速度とは飛行機を操縦出来る最
小速度。
VSO
着陸形態での失速速度、若しくは最小定常飛行速度とは最大重量
で最前方重心位置での着陸形態において操縦可能な最小速度。
Vx
最良上昇角速度とは単位水平距離で最大の高度が得られる速度。
Vy
最良上昇率速度とは単位時間で最大の高度が得られる速度。
1− 9
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
この航空機に関する略語
AC
交流
ACU
オルタネータ・コントロール・ユニット
ALT
オルタネータ
BAT
バッテリー
BPMS
ブースト・ポンプ・モード・スイッチ
CHT
シリンダー・ヘッド温度
COM
航空機用無線機
DC
直流
EBAT FL
エ マ ー ジ ェ ン シ ィ ( セ カ ン ダ リ ー )・ バ ッ テ リ ー の 故 障
ECU
エレクトリック・コントロール・ユニット
EGT
排気ガス温度
ELT
航空機用救命無線機
FADEC
フル・オーソリティ・デジタル・エンジン・コントロール
GPS
グローバル・ポジショニング・システム
HSA
ヘルス・ステータス・アナンシエータ
IMC
計器気象状態
INSTR
インストゥルメント
L (PORT)
左
MFD
マ ル チ -フ ァ ン ク シ ョ ン ・ デ ィ ス プ レ イ
NAV
ナビゲーション
PMP
ポンプ(燃料ポンプ)
PPWR FL
プライマリー・パワーの故障
R (STARBORD)
右
SPSC
セカンダリー・パワー・ソース・サーキット
SSA
スピード・センサー・アッセンブリ
STN
ステーション
V
電圧
VOR
VHF オ ム ニ -デ ィ レ ク シ ョ ナ ル ・ レ ン ジ
WOT
ワイド・オープン・スロットル(フル・スロットル)
XPONDER
トランスポンダ
1− 10
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
気象に関する用語
OAT
外 気 温 度 と は 自 由 大 気 の 静 止 温 度 。 摂 氏 (℃ )又 は 華 氏 (℉ )の い ず
れかで表す。
標 準 温 度 と は 海 面 上 で の 温 度 が 1 5 ℃ で か つ 1 , 0 0 0 ft に つ き - 2 ℃ で あ る こ と 。
気 圧 高 度 と は 気 圧 計 の 高 度 目 盛 を 29.92in.Hg.(1013mb)にセットしたときに指
示される高度をいう。
発動機の出力に関する用語
BHP
ブレーキ馬力とは発動機により発生された出力をいう。
RPM
レボリューション・パー・ミニッツとは発動機、及びプロペラの
回転速度をいう。
ス タ テ ィ ッ ク RPM
度をいう。
psi
地上でのフル・スロットルで試運転中の発動機回転速
ポンド・パー・スクエア・インチ
航空機の性能、及び飛行計画に関する用語
実証された横風速度
飛行試験において離陸、及び着陸中に充分な操縦
性が実証された横風速度をいう。この値は横風の限界速度ではない。
使用可能燃料
飛行計画に使用できる燃料。
使用不能燃料
飛行に使用できない燃料量。
ガ ロ ン ・ パ ー ・ ア ワ ー (GPH)
で表示。
単位時間当りに消費された燃料量をガロン
フ ィ ー ト ・ パ ー ・ ミ ニ ッ ツ (fpm)
表示。
G
1 分間当りの移動距離をフィートで
地 球 の 重 力 ( 1g ) に よ り 生 じ る 加 速 度 。
重量、及び重心位置に関する用語
レファレンス・データムとは重心位置計算のために、横方向距離を計測す
るための架空の基準線をいう。
1− 11
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
ステーションとはレファレンス・データム(基準線)からの距離で示される胴体
に沿った位置。
ア ー ム と は 基 準 線 か ら 品 目 の 重 心 位 置 ( C.G.)ま で の 水 平 距 離
モーメントとは重量にそのア−ムを乗じて得られる。
( こ の 飛 行 規 程 で は 数 字 の 桁 数 を 簡 単 に す る た め に モーメントを常に 1,000
で割った値を使用する。)
重 心 (C.G)と は 航 空 機 を 吊 し た 場 合 に バ ラ ン ス が 取 れ る 点 。 基 準 線 か ら の
距離はモ−メントの合計を総重量で割ることにより得られる。
C . G ア ー ム と は 航 空 機 の個々のモ−メントを加算し、そ の 合 計 を 総 重 量 で 割 る
ことにより得られる。
C.G 限 界 と は 航 空 機 が 与 え ら れ た 重 量 で 運 航 す る 場 合 に 守 ら ね ば な ら な い
重心位置範囲の末端。
標準空虚重量とは使用不能燃料、全作動油量、及び全滑油を含んだ標準機
体の重量。
基本空虚重量とは標準空虚重量に任意装備の機器重量を加えた重量。
有効積載量とはランプ重量と基本空虚重量との差。
空 力 平 均 翼 弦 (MAC)と は 飛 行 範 囲 を 通 し て 主 翼 に 発 す る ピ ッ チ ン グ ・ モ ー
メントが同じになる仮想翼型の翼弦を云う。ウイング面積をウイング・ス
パンで割ることにより得られる。
最 大 ラ ン プ 重 量 と は 地上での運用に承認された最大重量で発動機始動、地上
滑走、及び試運転のための燃料を含む。
最大離陸重量とは離陸滑走を始めるに承認された最大重量。
最大着陸重量とは着陸時の接地に承認された最大重量。
風袋と は 重 量 測 定 時 の 計 測 値 に 含 ま れ る チ ョ ー ク 、 ブ ロ ッ ク 、 ス タ ン ド 等 の 重
量。風袋は実際(正味)の 重 量 を 算 定 す る た め に 秤 の 読 み か ら 差 し 引 く 。
1− 12
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
THIS PAGE INTENTIONALLY LEFT BLANK
1− 13
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
第 2 章
航空機の限界事項
目
次
序
文 ········································· 2− 3
対気速度限界 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 2 − 4
対気速度計の標識 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 2 − 4
動力装置の限界 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 2 − 5
動力装置計器の標識 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 2 − 6
重 量 限 界 ········································· 2− 7
重量、及び重心位置限界 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 2 − 7
運 動 限 界 ········································· 2− 8
飛行荷重倍数 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 2 − 8
運用様式限界 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 2 − 8
着
氷 ········································· 2− 8
燃 料 限 界 ········································· 2− 8
運用高度限界 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 2 − 9
搭 乗 者 限 界 ········································· 2− 9
その他の限界 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 2 − 9
標
識 ········································ 2− 10
運用別装備品表 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 2 − 1 5
2− 1
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
THIS PAGE INTENTIONALLY LEFT BLANK
2− 2
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
第 2 章
航空機の限界事項
序
文
第 2 章は航空機、発動機、標準的なシステム、及び標準装備品を安全に運用
するための限界事項、計器標識、並びにその他の標識について記載している。
第 2 章、及び第 9 章(追加飛行規程)に記載した限界事項は国土交通省航空
局により承認されている。
国土交通省航空局は運用限界等指定書において、この章に示す運用限界を航
空機の運用限界として指定している。
注 記
任意装備を追加した航空機に必要な限界事項、運用手順、
性能データ、若しくはその他の情報は、この飛行規程の
第 9 章を参照すること。
リ バ テ ィ 式 XL-2 型 航 空 機 は 米 国 連 邦 航 空 局 型 式 証 明 ( 型 式 証 明 番 号
No.A00008DE) を 取 得 し 、 ま た 国 土 交 通 省 航 空 局 型 式 証 明 ( 型 式 証 明 番 号
No.68) の も と 、 耐 空 類 別 飛 行 機 普 通 N と し て 証 明 さ れ て い る 。
2− 3
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
対気速度限界
対 気 速 度 限 界 に つ い て は 表 2-1 を 参 照 の こ と 。
略語
速
度
KIAS
VNE
超過禁止速度
157
VNO
構造上の最大巡航速度
122
1,653lbs( 749kg) で の
設計運動速度
VA
VFE
最大フラップ下げ速度
表 2-1
100
86
対気速度限界
対気速度計の標識
対 気 速 度 計 の 標 識 、 及 び カ ラ ー ・ コ ー ド の 表 示 に つ い て は 表 2-2 を 参 照 の
こと。
標
識
KIAS
意
白色弧線
44-86
フラップ下げの運用範囲。
緑色弧線
50-122
常用運用範囲。
黄色弧線
122-157
静穏大気中に限り、慎重に飛行しな
ければならない範囲。
赤色放射線
157
いかなる場合も超えてはならない
限界速度。
表 2-2
対気速度計の標識
2− 4
P/N
味
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
動力装置の限界
発 動 機 製 造 会 社 ········ テ レ ダ イ ン ・ コ ン チ ネ ン タ ル ・ モ ー タ ー ス 社
発 動 機 型 式 ········································· IOF-240-B型
定 格 出 力 ····································· 125BHP at 2800RPM
運用:
最大回転速度 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 2 8 0 0 R P M
最小回転速度 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8 2 5 R P M
最大滑油温度 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 2 4 0 ℉ ( 1 1 5 . 6 ℃ )
最大連続運用滑油温度 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 2 2 0 ℉ ( 1 0 4 . 4 ℃ )
離陸時最小滑油温度 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 7 5 ℉ ( 2 3 . 9 ℃ )
推奨運用滑油温度範囲 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 1 7 0 - 2 0 0 ℉ ( 7 6 . 6 7 - 9 3 . 3 3 ℃ )
最小滑油圧力(アイドル回転時) · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 1 0 p s i
常用運用時の滑油圧力 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 3 0 - 60psi
シリンダー・ヘッド温度限界:
離陸時最小温度· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 2 4 0 ℉ ( 1 1 5 . 6 ℃ )
推奨運用範囲温度 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 3 4 0 - 4 2 0 ℉ ( 1 7 1 . 1 - 2 1 5 . 6 ℃ )
最大許容温度 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 4 6 0 ℉ ( 2 3 7 . 8 ℃ )
燃料等級 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 1 0 0 L L 航 空 燃 料 ( 青 )
100 航 空 燃 料 (緑 )
滑油等級 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 全 て の 外 気 温 度 S A E 2 0 W 5 0 又 は 2 0 W 6 0
外 気 温 度 40℉ ( 4℃ ) 以 下 の 場 合 SAE30又 は 15W50
外 気 温 度 40℉ ( 4℃ ) 以 上 の 場 合 SAE50
プ ロ ペ ラ 製 造 会 社 ····························MT プロペラ・エンウック社
プ ロ ペ ラ 型 式 ·········································MT175R127−2Ca 型
ブ レ ー ド 数 ·························································· 2
プ ロ ペ ラ 直 径 ·································· 69in (1.75m )
プ ロ ペ ラ ・ タ イ プ ·········· 木 /フ ァ イ バ グ ラ ス 製 、 固 定 ピ ッ チ 式
警
告
FADEC HSA の 警 報 灯 が 点 灯 し て い る 場 合 に は 、 飛 行 し て
はならない。
2− 5
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
動力装置計器の標識
動 力 装 置 計 器 の 標 識 、 及 び カ ラ ー ・ コ ー ド の 表 示 に つ い て は 表 2-3 を 参 照 の
こと。
計
器
赤色放射線
(最小)
緑色弧線
(通常)
黄色弧線
(注意)
赤色放射線
(最大)
-
850-2800
-
2800
-
0-100
-
101
-
100-220
221-239
240
回 転 計 (rpm)
パーセント・
パ ワ ー (%BHP)
滑油温度
(℉ )
滑油圧力
(psi)
シリンダー・
ヘッド温度
(℉ )
燃料圧力
(psi)
排気ガス温度
(℉ )
マニホールド
圧 力 (In-Hg)
10
30-60
11-29
61-97
98
240
240-420
421-459
460
19
25-98
20-24
99
-
1000-1675
-
-
-
15.0-29.5
29.6-35.0
-
電 流 計 (amps)
-
0-48
49-59
60
電圧計
(volts)
11.2
12.0-14.3
11.3-11.9
14.4-14.6
14.7
燃料計
( Gal)
0
( 1 . 5 Ga l
Un u sa bl e )
-
-
-
表 2-3
動力装置計器の標識
2− 6
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
重 量 限 界
最 大 ラ ン プ 重 量 ·································· 1,653lbs(749kg)
最 大 離 陸 重 量 ···································· 1,653lbs(749kg)
最 大 着 陸 重 量 ···································· 1,653lbs(749kg)
貨 物 室 最 大 積 載 重 量 ································· 100lbs(45kg)
重量、及び重心位置限界
前 方 ················ 1,554lbs(704kg)で 基 準 線 後 方 82.20in(2.08m )
中 間 ················ 1,653lbs(749kg)で 基 準 線 後 方 83.48in(2.12m )
後 方 ················· 1,653lbs(749kg)で 基 準 線 後 方 86.75in(2.2m )
基 準 線 0.0(STN: 0.0)は 航 空 機 の 垂 直 ロ ー ル オ ー バ ー ・ フ ー プ ( キ ャ ビ ン 開
放 時 の 最 前 部 ) の 前 方 70.75in(1.79m )に あ る 。 図 2-1 参 照 。
基準線
0.0
(1.79m )
図 2-1
基 準 線 0.0 (STN:0.0)の 位 置
2− 7
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
運 動 限 界
この航空機は耐空類別 飛行機普通 N として認められており、スピンを含む
曲技飛行は禁止されている。通常飛行に加え、失速、レージ・エイト、シャ
ン デ ル 、 及 び バ ン ク 角 が 60 度 を 越 え な い 旋 回 は 可 能 で あ る 。 推 奨 開 始 速 度
は以下のとおり。
シ ャ ン デ ル ············································· 100 KIAS
レ ー ジ ・ エ イ ト ········································· 100 KIAS
ス テ ィ ー プ ・ タ ー ン ····································· 100 KIAS
ス ト ー ル ··········································· ゆ っ く り 減 速
飛行荷重倍数
荷重倍数
フラップ上げ
フラップ下げ
正
3.8 G
2 .0 G
負
-1.52G
0.0G
表 2-3
飛行荷重倍数
運用様式限界
この航空機は必要な装備を施した場合、次の運用様式に適する。
1.
計器飛行方式による飛行
2.
計器飛行
3.
計器航法による飛行
4.
計器航法による飛行以外の有視界飛行
5.
夜間飛行
6.
昼間飛行
7.
高高度飛行
適 合 す る 運 用 様 式 の 判 定 は 2-15 頁 に 記 載 し て い る 運 用 様 式 限 界 判 定 表 を
参照すること。
着
氷
着氷気象状態における飛行は禁止。
燃 料 限 界
全 容 量 ·········································· 29.5 US Gallons
使 用 可 能 量 ( 全 飛 行 状 態 で ) ························ 28 US Gallons
使 用 不 能 量 ······································· 1.5 US Gallons
2− 8
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
運用高度限界
最 大 運 用 高 度 ······························ 12,500 ft( 3,800m )
注 記
高高度飛行を行う場合には、酸素供給装置が必要である。
搭乗者限界
最 大 2名
操縦士 1 名で飛行する場合には、非常時に於ける飛行対処(セーフ
ティー・ハンマー、消火器等の使用)のため左席に搭乗すること。
その他の限界
フラップ限界
承 認 さ れ た 離 陸 時 位 置 : 20°
性 能 デ ー タ は フ ラ ッ プ 20°で の み 記 載 し て い る 。
承 認 さ れ た 着 陸 時 位 置 : 0°、 20°、 若 し く は 30°
性 能 デ ー タ は フ ラ ッ プ 30°で の み 記 載 し て い る 。
途中位置でのフラップ使用は認められていない。
喫
煙
この航空機の機内は禁煙となっている。
装 備 品
次の装備品が装備されていること。
・ 失速警報装置
・ シリンダー・ヘッド温度計
2− 9
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
標
識
以下に示す位置に指定する標識を表示すること。
操縦士の目視可能な場所:
こ の 飛 行 規 程 の 標 識 、 及 び 掲 示 板 は 、 耐 空 類 別 飛 行 機 普 通 Nと
して運用する場合の運用限界を記載したものである。本航空機
をこの耐空類別で運用する場合に適合しなければならないその
他の運用限界は、飛行規程に記載されている。
きりもみを含む全ての曲技飛行を禁止する。
この航空機は、必要な装備を施した場合、次の運用様式に適する。
計器飛行方式による飛行
計器飛行
計器航法による飛行
計器航法による飛行以外の有視界飛行
夜間飛行
昼間飛行
高高度飛行
計器板上、対気速度計付近:
運動速度
VA=100 KNOTS
FADEC PWR A 、 及 び B ス イ ッ チ 上 :
胴 体 外 側 下 部 の 各 FUEL DRAIN 付 近 :
FUEL DRAIN
胴 体 外 側 下 部 の 各 FUEL TANK VENT 付 近 :
FUEL
TANK VENT
2− 10
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
VM1000 下 部 :
850RPMか ら 900RPM間 で の
長時間の運転は避けること
センター・コンソール表面:
禁
煙
上部カウリング内部、防火壁後方のハイドロリック・フルード・リザー
バー付近:
HYDRAULIC FLUID
MIL-H-5606
マグネチック・コンパス付近:
Calibrated With Radio( s) ON
For
N
30
60
E 120
150
Steer
For
S
210
240
W
300
360
Steer
Date
各 ド ア の キ ャ ノ ピ ー ・ リ リ ー ス ・ レ バ ー 下 方 ( 赤 色 ):
キャノピー・リリース
飛行中に開けてはならない
各 ド ア の キ ャ ノ ピ ー 外 側 透 明 部 分 の 下 方 ( 赤 色 ):
救出時:窓を割って取外す
各 ド ア の キ ャ ノ ピ ー ・ リ リ ー ス ・ レ バ ー 下 方 ( 赤 色 ):
開
閉
閉
開
2− 11
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
各ドアのベント・パネルは任意装備品である。次の 2 枚の標識はベント・
パ ネ ル を 装 備 し た 航 空 機 に 適 用 さ れ る 。( 標 識 は 各 キ ャ ノ ピ ー ・ ベ ン ト ・
パ ネ ル 内 側 に 各 々 2 枚 ず つ 貼 付 す る 。):
ドア・ベント・パネルは
必要時以外閉じておくこと
50 KNOTS 以 上
で開けてはならない
右 座 席 後 部 の 開 口 部 上 方 ( 赤 色 ):
エマージェンシィ・セーフティー・ハンマー
右座席後部の開口部下方:
飛行規程はこの背当て内に搭載している
左右両座席後部の開口部下方:
SOFT GOODS ONLY
2 LBS MAX
貨 物 室 の ク ロ ー ズ ア ウ ト ・ パ ネ ル の 表 面 ( 2 個 の 標 識 ):
航 空 機 用 救 命 無 線 機 ( ELT) は こ の カ バ ー の 内 側
に 搭 載 し て い る 。 航 空 法 施 行 規 則 第 1 5 1 条 に より、
定期的に点検しなければならない
貨物室最大積載重量
100LBS( 45kg)
重量重心位置算定の詳細な荷重、及び貨物
の固縛については飛行規程を参照のこと
2− 12
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
貨物室のクローズアウト・パネルの後方、ミッド・ヒューズレージ・バル
クヘッド表面:
貨 物 室 の ク ロ ー ズ ア ウ ト ・ パ ネ ル の 裏 面 、 K001、 及 び K002 リ レ ー 付 近 :
胴体左側の内側表面、後方下部の点検孔から判読出来る中心てきな位置:
テイル・バラスト・ウエイトを
除去、若しくは増加してはならない
左 右 ド ア の 外 側 、 キ ャ ノ ピ ー ・ リ リ ー ス ・ レ バ ー 付 近 ( 赤 色 ):
閉
閉
開
開
2− 13
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
胴体外側燃料キャップ周囲:
胴体外側燃料キャップ下方部:
航 空 燃 料 等 級 100LL/100
燃料容量
全容量
29.5 US.GALS
使用可能量
28.0 US.GALS
給油の前にグランドをとる事
FUEL DRAINは 胴 体 下 面 に あ る
ウイング・フラップの表面、貨物室内の燃料給油ホース・カバー上部表
面:
ラダー、エルロン、及びエレベータの両表面:
滑油給油ドアの内側:
滑
油
滑油容量
6 U S QUARTS
滑油タイプは
飛行規程参照
左右胴体外側、ベリーパネルの前方:
警
告
プロペラの回転中
航空機への乗降を
してはならない
2− 14
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
運用別装備品表
運用様式限界等判定表(運用様式の区分ごとに必要な装置等)
運
装
置
等
最低数量
A
B
ジャイロ式姿勢指示器
1(注2)
○
○
ジャイロ式方向指示器
1
○
○
1(注3)
○
○
1
○
○
ジャイロ式旋回計
すべり計
精密高度計
用
様
式
C
D
E
○
○
1
○
○
1(注2)
○
○
外気温度計
1
○
○
○
秒刻み時計
1
○
○
○
機 上 DME 装 置
1(注4)
○
○
○
方 向 探 知 器 、 VOR 受 信 装 置
機上タカン装置
1(注2)
注5
○
注6
○
注6
○
ピトー管凍結防止装置付速度計
航空灯
G
H
○
注7
○
衝突防止灯
凍結防止装置
酸素供給装置
F
分
注8
○
1(注2)
昇降計
区
○
( 注 1)
○
なお、以上に掲げる装備品等に限らず、航空法施行規則等による装備要件に
ついても、これを遵守する必要がある。
2− 15
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
運用様式区分
A 計器飛行方式による飛行(管制の指示に常時従う飛行)
B 計器飛行(計器気象状態における飛行)
C 計 器 航 法 に よ る 飛 行 ( 有 視 界 気 象 状 態 で 規 則 第 66 条 に 定 め る 距 離 、 若
しくは時間をこえて行う雲上、若しくは洋上飛行)
D 計器航法による飛行以外の有視界飛行
E 夜間飛行
F 昼間飛行
G 着氷気象状態における飛行(型式証明で認められたもの)
H 高 々 度 飛 行 ( 3,000m 以 上 の 高 度 )
( 注 1) 酸 素 供 給 装 置 と し て 次 の 容 量 を 有 す る も の 。
( 1) 与 圧 装 置 を 有 し な い 航 空 機
( イ ) 3,000m か ら 4,000m ま で の 高 度 で 飛 行 す る 場 合 は 、
当 該 飛 行 に 係 る 飛 行 時 間 か ら 30 分 を 減 じ た 飛 行 時 間 中
航空機乗組員全員が必要とする量。
( ロ ) 4,000m を こ え る 高 度 で 飛 行 す る 場 合 は 、 当 該 飛 行 に
係る飛行時間中搭乗者全員が必要とする量。
( 2) 与 圧 装 置 を 有 す る 航 空 機
3,000m を こ え る 高 度 で 飛 行 す る 場 合 に 限 り 、 当 該 飛 行 に
か か わ る 高 度 の 最 高 の 予 定 高 度 か ら 3,000m の 高 度 に 達 す る
ま で の 飛 行 時 間 中 航 空 機 乗 組 員 全 員 が 必 要 と す る 量 。( 航 行
の 安 全 上 4,000m を こ え る 高 度 で 飛 行 を 継 続 す る 必 要 が あ る
場合は、当該飛行を継続する時間中搭乗者全員が必要とする
量を加えた量)
( 注 2) 航 空 運 送 事 業 の 用 に 供 す る 最 大 離 陸 重 量 が 5,700kg を 超 え る
飛行機あっては 2 である。
( 注 3) 航 空 機 の あ ら ゆ る 姿 勢 を 指 示 す る こ と が で き る ジ ャ イ ロ 式 姿
勢指示器を装備している航空機にあっては装備しなくてもよい。
( 注 4) 航 空 運 送 事 業 の 用 に 供 す る 最 大 離 陸 重 量 が 5,700kg を 超 え る
飛 行 機 ( VOR 受 信 装 置 を 装 備 し な け れ ば な ら な い こ と と さ れ て
いるものに限る)以外の航空機にあっては装備しなくてもよい。
( 注 5) 方 向 探 知 器 、 VOR 受 信 装 置 、 機 上 タ カ ン 装 置 の う ち 、 そ の 飛 行
に 係 る 飛 行 の 経 路 に 応 じ 、 当 該 飛 行 の 経 路 を 構 成 す る NDB、
VOR、 若 し く は タ カ ン か ら の 電 波 を 受 信 す る た め の も の 。
( 注 6) 方 向 探 知 器 、 VOR 受 信 装 置 、 機 上 タ カ ン 装 置 の う ち 、 そ の 飛 行
中 常 時 、 NDB、 VOR、 若 し く は タ カ ン か ら の 電 波 を 受 信 す る こ と
が可能となるもの。
( 注 7) 最 大 離 陸 重 量 5,700kg 以 上 の 航 空 機 、 及 び 平 成 15 年 1 月 17
日 以 降 新 た に 耐 空 証 明 を 取 得 す る 最 大 離 陸 重 量 5,700kg 未 満 の
航空機は必要。
( 注 8 ) 航 空 局 長 達 、 空 航 第 5 5 1 号 (昭和 46 年 12 月 9 日)「 高 度 計 の 規
格 に つ い て 」 に よ り 高 度 16,000FT 以 上 の 場 合 必 要 と な る 。
2− 16
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
第 3 章
非 常 操 作
目
次
序
文 ········································· 3− 3
非 常 運 用 時 の 対 気 速 度 ······························· 3− 3
地 上 で の 非 常 事 態 ··································· 3− 4
始 動 中 の 発 動 機 火 災 ····························· 3− 4
離 陸 滑 走 中 の 発 動 機 故 障 ························· 3− 4
飛 行 中 で の 非 常 事 態 ································· 3− 5
離 陸 後 の 発 動 機 故 障 ····························· 3− 5
飛 行 中 の 発 動 機 故 障 ····························· 3− 5
発 動 機 不 調 ····································· 3− 6
滑 油 圧 力 の 低 下 ································· 3− 6
飛 行 中 の 発 動 機 火 災 ····························· 3− 7
飛 行 中 の キ ャ ビ ン 火 災 ··························· 3− 8
着 氷 気 象 状 態 に 遭 遇 し た 場 合 ···················· 3− 11
計 器 気 象 状 態 に 遭 遇 し た 場 合 ···················· 3− 11
落 雷 に 遭 遇 し た 場 合 ···························· 3− 11
飛 行 中 に ド ア が 開 い た 場 合 ······················ 3− 12
ス
ピ
ン ···································· 3− 12
非 常 着 陸 ········································ 3− 13
不時着( 発 動 機 停 止 ) · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 3 − 1 3
不 時 着 水 ···································· 3− 14
メイン・タイヤがパンクした状態での着陸 · · · · · · · · · · · · · · 3 − 1 5
ノーズ・タイヤがパンクした状態での着陸 · · · · · · · · · · · · · · 3 − 1 5
エレベータが効かない状態での着陸 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 3 − 1 6
系 統 故 障 ········································ 3− 17
発 動 機 計 器 の 系 統 故 障 ·························· 3− 17
HSA 警 報 灯 の 点 灯 ······························ 3− 17
電 気 系 統 の 故 障 ································ 3− 19
ピ ト ー ・ ス タ テ ィ ッ ク 系 統 の 故 障 ················ 3− 21
エ レ ベ ー タ ・ ト リ ム の 故 障 ······················ 3− 22
3− 1
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
THIS PAGE INTENTIONALLY LEFT BLANK
3− 2
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
第
3 章
非 常 操 作
序
文
この章には非常時の対処すべき操作手順、及びその内容が記載してある。
整備、及び飛行前点検が確実に実施されている限り、機能不良による非常
事態の発生は極めて稀である。航路と気象に係る非常事態は慎重かつ入念
な事前の飛行計画、及び適切な判断により最小限に抑えることができる。
この飛行規程の警告、及び操作手順は直ちに遂行できるように精通するか、
若しくは
記憶する項目
である。これらは操作手順を見ることなく直ち
に実行できるように記憶すべき項目である。
速やかに着陸すること
は気象状況、非常事態の程度、その他の要因に
もよるが、近隣の空港まで飛行を続けられることを意味する。
直ちに着陸すること
は、安全性を確保した上で早急かつ迅速に着陸し
なければならないことを意味する。気象状態、非常事態の程度、その他の
要因に係らず、例えその場所が空港ではないとしても、操縦士が航空機を
安全に着陸させられると判断した場合に、近くの適切な平地を選んで着陸
すること。
航 空 機 用 無 線 機 、 及 び 航 空 機 用 救 命 無 線 機 (ELT)に 係 わ る 非 常 操 作 手 順 は 第
9章 に 記 載 さ れ て い る 。
非常運用時の対気速度
運動速度:
1,653lbs (749kg) ··································· 100 KIAS
1,450lbs (657kg) ···································· 94 KIAS
最良滑空速度:
1,653lbs (749kg) ···································· 80 KIAS
発動機出力を失った非常進入速度:
フ ラ ッ プ 上 げ ········································ 70 KIAS
フ ラ ッ プ 30° ······································· 65 KIAS
3− 3
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
地上での非常事態
始動中の発動機火災
1. イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ ·························· START
発動機をスタートさせ、炎、及び溜まった燃料が発動機に吸い
込まれるよう発動機の始動を続ける。
発動機が始動した場合:
2. 出 力 ············ 1700 RPM( 状 況 が 許 す な ら ば 、 最 高 2分 間 )
3. 発 動 機 ······························· 停 止 ( 損 傷 を 検 査 )
発動機が始動しなかった場合:
4. イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ ·························· START
5. ス ロ ッ ト ル ······································· 最 前 方
6. FADEC A、 及 び B PWR ス イ ッ チ ························ OFF
7. 燃 料 セ レ ク タ ・ バ ル ブ ············ OFF( ノ ブ を 引 い て 廻 す )
8. ク ラ ン キ ン グ ································· 停 止 を 確 認
9. イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ ···························· OFF
10. マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ ································· OFF
11. 航 空 機 ········································ 避 難 す る
12. 火 災 ················ 消 火 ( 必 要 に よ り 消 火 器 を 使 用 す る )
13. 火 災 の 損 傷 ········································ 検 査
離陸滑走中の発動機故障
(離陸中止手順)
1. ス ロ ッ ト ル ········································· IDLE
2. ブ レ ー キ ··········································· 作 動
航空機の停止後:
3. イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ ···························· OFF
4. FADEC A、 及 び B PWR ス イ ッ チ ························ OFF
5. マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ ·································· OFF
6. 燃 料 セ レ ク タ ・ バ ル ブ ············ OFF( ノ ブ を 引 い て 廻 す )
3− 4
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
飛行中での非常事態
離陸後の発動機故障
1 . 最良滑空速度、若しくは着陸速度(適切な速度で) · · · · · · · · · 確 認 す る
2. フ ラ ッ プ ··································· 必 要 に 応 じ て
時間が許すならば:
3. イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ ···························· OFF
4. FADEC A、 及 び B PWR ス イ ッ チ ························ OFF
5. マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ ·································· OFF
6. ス ロ ッ ト ル ········································· IDLE
7. 燃 料 セ レ ク タ ・ バ ル ブ ············ OFF( ノ ブ を 引 い て 廻 す )
8. シ ー ト ベ ル ト 、 及 び シ ョ ル ダ ー ・ ハ ー ネ ス ····· 確 実 に 締 め る
飛行中の発動機故障
(原 因 探 求 / 再 始 動 手 順 )
十分に安全な高度で発動機が故障した場合には、適切な着陸場所に向う
ために旋回している間、航空機のコントロールと最良滑空速度を維持す
ることが重要である。操縦士が発動機故障の原因を特定し、時間的余裕
と十分な高度がある場合には、再始動を試みる。
適切な着陸場所へ向かうために航空機の最良滑空速度が維持出来ない場
合 に は 、 再 始 動 を 行 っ て は な ら な い 。 不 時 着 の 操 作 手 順 (3-13頁 )を 遂 行
するために十分な時間を残して再始動を断念しなければならない。
1. 最 良 滑 空 速 度 ··································· 確 認 す る
2. 燃 料 セ レ ク タ ・ バ ル ブ ······················· ONを チ ェ ッ ク
3. ス ロ ッ ト ル ································· 3/4 イ ン チ 開
4. 燃 料 ブ ー ス ト ・ ポ ン プ ・ モ ー ド ・ ス イ ッ チ ··············· ON
5. FADEC A、 及 び B PWR ス イ ッ チ ··········· 同 時 に リ サ イ ク ル
6. イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ ················· BOTHを チ ェ ッ ク
7. イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ
( プ ロ ペ ラ が ウ ィ ン ド ミ ル し て い な け れ ば ) ·········· START
8. ス ロ ッ ト ル ··················· 最 良 な 発 動 機 回 転 速 度 に 調 整
9. プ ロ ペ ラ が ウ ィ ン ド ミ ル し て い れ ば 、 必 要 に 応 じ て ス テ ッ プ 2.
か ら 6.を 繰 り 返 す 。
10.発 動 機 が 始 動 し な い 場 合 に は 、 不 時 着 の 操 作 手 順 。 (3-13頁 )
を遂行する。
3− 5
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
発動機不調
発動機不調は点火系統(不点火、点火栓の汚染等)に起因する場合が多
く、燃料噴射系統(燃料噴射装置の詰まり、若しくは故障等)に起因す
る場合は少ない。
1. 燃 料 ブ ー ス ト ・ ポ ン プ ・ モ ー ド ・ ス イ ッ チ ··············· ON
2. 燃 料 セ レ ク タ ・ バ ル ブ ······················· ONを チ ェ ッ ク
3. オ ル タ ネ ー ト ・ イ ン ダ ク シ ョ ン ・ エ ア ············· 引 い て ON
4 . イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ · · · · · · R、L、及びBOTH をチェックする
発 動 機 の 回 転 が L、 若 し く は R位 置 の い ず れ か で 円 滑 に な る 場
合には、スイッチをその位置にしておくこと。
5. 着 陸 ··········································· 速 や か に
滑油圧力の低下
滑油圧力の低下表示は滑油圧力表示系統に起因するか、若しくは発動機
オイル・プレッシャー・リリーフ・バルブの不具合にある。しかしなが
ら、これは発動機内部の機械的損傷の兆候、若しくは差し迫った発動機
故障の警告の場合もある。
滑油圧力、滑油温度、及びシリンダー・ヘッド温度の表示を監視する。
滑油温度が常用範囲にある場合は、最も近い空港への着陸を準備するこ
と。
滑油温度とシリンダー・ヘッド温度が上昇していれば機械的な故障であ
る。最も近い空港か、若しくは空港以外の着陸場所まで飛行を続けられ
る必要最小限の出力にセットする。発動機出力が利用できる間に空港以
外の適切な着陸場所も選択し、直ちに着陸すること。完全な出力低下を
予想して、それに備えておくこと。
1. ス ロ ッ ト ル ··································· 必 要 最 小 限
2. 着 陸 ············································· 直 ち に
3− 6
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
飛行中の発動機火災
下記の操作手順にて、燃料供給を遮断して火災を消火すること。いかな
る場合においても再始動してはならない。発動機出力なしで不時着する
こと。
1. 燃 料 セ レ ク タ ・ バ ル ブ ············ OFF( ノ ブ を 引 い て 廻 す )
2. ス ロ ッ ト ル ·········································· OFF
3. 燃 料 ブ ー ス ト ・ ポ ン プ ・ モ ー ド ・ ス イ ッ チ ·············· OFF
4. FADEC A、 及 び B PWR ス イ ッ チ ························ OFF
5. イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ ···························· OFF
6. 不 時 着 の 操 作 手 順 (3-13頁 )を 遂 行 す る 。
警
告
発動機火災の後、発動機を再始動してはならない。
3− 7
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
飛行中のキャビン火災
火災の原因が特定できた場合、火災の発生場所に接近できるならば、右
座席後面のヘッドレスト部分に装備した消火器にて消火し、速やかに着
陸すること。ベントを開けると火災を助長する可能性があるが、煙によ
り乗組員が意識を失うことを避けるため、キャビン内の煙を排出する必
要がある。火災の発生原因が特定出来ない、若しくは電気的要因の場合、
或いは火災の発生場所に容易に接近できない場合には以下に従うこと:
注 記
航空機電源が発動機の運転には必要である。電気スイッ
チ の 誤 操 作 が 突 然 の 発 動 機 停 止 を 引 き 起 こ す 。 2基 の 独
立した航空機電源が発動機の運転用に装備されている。
これらの相互関係を理解することが重要であり、詳細は
第 7 章 - 航 空 機 と シ ス テ ム の 概 要 に記 載 さ れ て い る 。
1. マ ス タ ー ・ス イ ッ チ ··································· OFF
マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ を OFFに し た 時 に 発 動 機 が 停 止 し た 場 合 は 、 直 ち に マ
ス タ ー ・ス イ ッ チ を ONに 戻 し て 、 ス テ ッ プ 22 以 降 に 従 う 。
警
告
HSA EBAT FL注 意 灯 、 及 び PPWR FL警 報 灯 が 点 灯 し て 、 エ
マ ー ジ ェ ン シ ィ ( セ カ ン ダ リ ー )・ バ ッ テ リ ー で の み 運
転 が 継 続 で さ れ る 。 エ マ ー ジ ェ ン シ ィ ( セ カ ン ダ
リ ー )・ バ ッ テ リ ー が 十 分 に 整 備 さ れ 完 全 充 電 状 態 で あ
れ ば 、 発 動 機 は 約 60分 間 の 通 常 運 転 が 可 能 で あ る 。 EBAT
FL 注 意 灯 、 及 び PPWR FL 警 報 灯 が 点 灯 し て か ら 60 分 以 内
に着陸すること。
2. FADEC PWR Aス イ ッ チ ································· OFF
3. ア ビ オ ニ ク ス ・ マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ ···················· OFF
4 . す べ て の 電 気 ス イ ッ チ · · · · · · · O F F (FADEC PWR B スイッチを除く)
警
告
マ ス タ ー ・ス イ ッ チ が OFFの 場 合 に 、 FADEC PWR Bス イ ッ
チ を OFFに す る と 発 動 機 は 即 座 に 停 止 す る 。
5. 消 火 器 ········································· 使 用 す る
6. エ ア ・ベ ン ト ···························· 通 気 の た め に 開 く
7. 着 陸 ··········································· 速 や か に
3− 8
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
注 記
継 続 飛 行 中 、 エ マ ー ジ ェ ン シ ィ ( セ カ ン ダ リ ー )・ バ ッ
テリーの不具合により発動機が停止し、更に発動機の運
転 が 必 要 な 場 合 に は 、 マ ス タ ー ・ス イ ッ チ と FADEC プ ラ
イ マ リ ー ・ パ ワ ー ( PWR A ス イ ッ チ ) を ONに し な け れ ば
な ら な い 。 し か し な が ら 、 こ れ ら の ス イ ッ チ を ON に す
ると再びキャビン内に煙が充満する可能性がある。
火災が消火できて、継続飛行のために電源を必要とする場合:
8. サ ー キ ッ ト ・ ブ レ ー カ ··············· 不 具 合 系 統 を 確 認 す る
9. マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ ··································· ON
10. ア ビ オ ニ ク ス ・ マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ ···················· ON
11. 必 要 な 装 備 系 統 毎 に 再 起 動 す る 。 不 具 合 系 統 を 分 離 す る た め
に、各系統の起動間隔を数秒間空けること。不具合系統を
OFFに し て 、 着 陸 の た め に 飛 行 を 継 続 す る 。 安 全 に 着 陸 す る
ための必要最小限の装備系統を起動させること。
火災を消火できずに発煙が継続している場合:
12. マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ ·································· ON
13. FADEC PWR Aス イ ッ チ ································ ON
14. FADEC PWR Bス イ ッ チ ······························· OFF
1 5 . セカンダリー・パワー・ソース・サーキット・ブレーカ(SPSC) · · · · · · · · · · · · · 引 抜 く
16. 消 火 器 ········································ 使 用 す る
17. エ ア ・ ベ ン ト ·························· 通 気 の た め に 開 く
18. 着 陸 ·········································· 速 や か に
注 記
継続飛行中、プライマリー・パワーの不具合により発動
機が停止し、更に発動機の運転が必要な場合には、マス
タ ー ・ス イ ッ チ と FADEC セ カ ン ダ リ ー ・ パ ワ ー ( PWR Bス
イ ッ チ ) を ONに し な け れ ば な ら な い 。 し か し な が ら 、 こ
れ ら の ス イ ッ チ を ONに す る と 再 び キ ャ ビ ン 内 に 煙 が 充 満
する可能性がある。
19. サ ー キ ッ ト ・ ブ レ ー カ ·············· 不 具 合 系 統 を 確 認 す る
20. ア ビ オ ニ ク ス ・ マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ ···················· ON
21. 必 要 な 装 備 系 統 毎 に 再 起 動 す る 。 不 具 合 系 統 を 分 離 す る た め
に、各系統の起動間隔を数秒間空けること。不具合系統を
OFFに し て 、 着 陸 の た め に 飛 行 を 継 続 す る 。 安 全 に 着 陸 す る
ための必要最小限の装備系統を起動させること。
3− 9
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ を OFFに し た 時 に 発 動 機 が 停 止 し た 場 合 :
警
告
マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ を OFFに し た 時 に 発 動 機 が 停 止 す る
場 合 に は 、 FADEC PWR B系 統 、 及 び /若 し く は FADEC用
エ マ ー ジ ェ ン シ ィ ( セ カ ン ダ リ ー )・ バ ッ テ リ ー の 不 具
合である。発動機には航空機のプライマリー電源系統か
らのみ電源の供給が可能である。
22. マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ ······················ 直 ち に ONに 戻 す
23. 発 動 機 ································ 必 要 に よ り 再 始 動
24. FADEC PWR Bス イ ッ チ ································ OFF
2 5 . セカンダリー・パワー・ソース・サーキット・ブレーカ(SPSC) · · · · · · · · · · · · · · 引 抜 く
26. ア ビ オ ニ ク ス ・ マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ ··················· OFF
2 7 . す べ て の 電 気 ス イ ッ チ · · · · · · · O F F (FADEC PWR Aスイッチを除く)
28. 消 火 器 ············································ 使 用
29. エ ア ・ ベ ン ト ·························· 通 気 の た め に 開 く
30. 着 陸 ·········································· 速 や か に
注 記
継続飛行中、プライマリー・パワーの不具合により発動
機が停止し、更に発動機の運転が必要な場合には、マス
タ ー ・ス イ ッ チ と FADEC セ カ ン ダ リ ー ・ パ ワ ー ( PWR Bス
イ ッ チ ) を ONに し な け れ ば な ら な い 。 し か し な が ら 、 こ
れ ら の ス イ ッ チ を ONに す る と 再 び キ ャ ビ ン 内 に 煙 が 充 満
する可能性がある。
火災が消火できて、継続飛行のために電源を必要とする場合:
31. サ ー キ ッ ト ・ ブ レ ー カ ·············· 不 具 合 系 統 を 確 認 す る
32. ア ビ オ ニ ク ス ・ マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ ···················· ON
33. 必 要 な 装 備 系 統 毎 に 再 起 動 す る 。 不 具 合 系 統 を 分 離 す る た め
に、各系統の起動間隔を数秒間空けること。不具合系統を
OFFに し て 、 着 陸 の た め に 飛 行 を 継 続 す る 。 安 全 に 着 陸 す る
ための必要最小限の装備系統を起動させること。
3− 10
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
着氷気象状態に遭遇した場合
予知された着氷気象状態での飛行は禁止されている。しかしながら、着
氷気象状態に遭遇した場合には:
1. マ ニ ュ ー バ ー ····· 180度 旋 回 、 及 び /若 し く は 高 度 を 変 更 す る
(直ちに着氷気象状態から離脱する)
2. オ ル タ ネ ー ト ・ イ ン ダ ク シ ョ ン ・ エ ア ············· 引 い て ON
計器気象状態に遭遇した場合
計器気象状態に遭遇した場合には、航法計器により航空機のコントロー
ルを維持して以下を遂行する:
1. 機 体 の コ ン ト ロ ー ル ············· 直 進 し 水 平 飛 行 を 維 持 す る
2. 標 準 旋 回 ·································· 180°旋 回 す る
落雷に遭遇した場合
いかなる状況下でも雷雨への接近、若しくは通過することは推奨出来な
い。航空機が落雷に遭遇した場合には、以下を遂行する:
1. 対 気 速 度 ································ 80 KIASま で 減 速
(直ちに雷雨から離脱する)
2. 着 陸 ··········································· 速 や か に
3− 11
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
飛行中にドアが開いた場合
離陸中にドアが開いた場合には、離陸を中止すること。飛行中にドアが
開き、航空機のコントロール、及び飛行を継続するために必要な操作を
妨げる場合には、ドアを閉じてはならない。
1. 対 気 速 度 ·····························80-90 KIASま で 減 速
2. ド ア ··································· 閉 じ て ラ ッ チ す る
(必要により開いたドアの方向に機首を向ける)
3. 進 入 速 度 ······································· ノ ー マ ル
飛行中ドア・ラッチが出来ないか、若しくは損傷した場合:
4. 着 陸 ··········································· 速 や か に
ス
ピ
ン
不意にスピンに陥った場合には、以下の回復操作手順を遂行する:
1. ス ロ ッ ト ル ········································· IDLE
2. エ ル ロ ン ··································· ニ ュ ー ト ラ ル
3. ラ ダ ー ··························· 一 杯 に 当 舵 し て 保 持 す る
(旋回と逆方向)
4. ラ ダ ー 操 舵 後 ························· 操 縦 桿 を 前 方 に す る
(失速回復のためには、重心位置が後方で、操縦桿を最前方
に 維 持 す る こ と が 必 要 で あ る 。)
5. ラ ダ ー 中 立 ··················· 急 降 下 か ら ス ム ー ズ に 引 起 す
6. ス ロ ッ ト ル ··········· 直 進 し 、 水 平 飛 行 す る よ う に 調 整 す る
注 記
方向感覚が狂って旋回方向の判断が難しい場合には、旋
回計を見ること。旋回方向を十分に確認できる。
3− 12
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
非 常 着 陸
不 時 着( 発 動 機 停 止 )
発動機が再始動せずに不時着が避けられない場合には、適切な着陸場所
を選択し、以下の不時着(発動機停止)手順に従い着陸の準備をする。
時 間 と 高 度 に 余 裕 が あ れ ば 121.5 MHzで メ ー デ ー ・ メ ッ セ ー ジ を 送 信 し 、
ト ラ ン ス ポ ン ダ を 装 備 し て い る 場 合 に は 、 コ ー ド 7700に セ ッ ト す る 。 着
陸後の火災発生を最小限に抑えるために、不時着の手順を完全に遂行す
ること。荒れた地形、若しくは山岳地帯での不時着の場合には、安全の
た め に 着 陸 前 に ELTを 手 動 で 作 動 さ せ て お く と 良 い 。
着陸で滑走路エンドを越えて接地した場合に、若しくは離陸中の高速で
滑走路エンド近くに接地した際のオーバーランニングによる損傷を負う
よ う な 危 険 を 避 け る た め 、 利 用 可 能 な 着 陸 距 離 の 約 1/3以 内 に 接 地 す る よ
うに心掛けること。
1. 最 良 滑 空 速 度 ··································· 維 持 す る
2. ラ ジ オ ·················· メ ー デ ー を 送 信 ( 121.5 MHz) す る
(場所と意図を伝える)
3. ト ラ ン ス ポ ン ダ ························· 7700で ス ク ォ ー ク
4. 航 空 機 用 救 命 無 線 機 (ELT)( 空 港 外 な ら ) ········ 作 動 さ せ る
5. イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ ···························· OFF
6. FADEC A、 及 び B PWR ス イ ッ チ ························ OFF
7. 燃 料 ブ ー ス ト ・ ポ ン プ ・ モ ー ド ・ ス イ ッ チ ·············· OFF
8. ス ロ ッ ト ル ········································· IDLE
9. 燃 料 セ レ ク タ ・ バ ル ブ ············ OFF( ノ ブ を 引 い て 廻 す )
1 0 . フ ラ ッ プ ( 場 所 が 限 ら れ る と き ) · · 必要に応じて、若しくは30°
11.マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ ·································· OFF
12.シ ー ト ベ ル ト と シ ョ ル ダ ー ・ ハ ー ネ ス ········· 確 実 に 締 め る
警
告
マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ が OFF の 場 合 に は 、 フ ラ ッ プ は 作
動しない。フラップをセットして、進入するまでマス
タ ー ・ ス イ ッ チ を OFFに し て は な ら な い 。
3− 13
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
不 時 着 水
1. 最 良 滑 空 速 度 ··································· 維 持 す る
2. ラ ジ オ ······················ メ ー デ ー を 送 信 ( 121.5 MHz)
(場所と意図を伝える)
3. ト ラ ン ス ポ ン ダ ························· 7700で ス ク ォ ー ク
4. 航 空 機 用 救 命 無 線 機 (ELT) ······················ 作 動 さ せ る
5. 固 縛 さ れ て い な い 荷 物 ··············· 固 定 す る ( 可 能 な ら )
6. シ ー ト ベ ル ト と シ ョ ル ダ ー ・ ハ ー ネ ス ········· 確 実 に 締 め る
7. フ ラ ッ プ ··········································· 30°
8. 出 力 ····················· 65 KIASで 300 FPM 降 下 率 に 設 定
9. 進 入 ······································· 風 に 向 か っ て
(強風、荒海の場合)
10.進 入 ······································· う ね り と 平 行
(弱風、うねりがある場合)
11.接 水 ··········································· 水 平 姿 勢
(降下率を設定する;水没を防ぐ為過度の機首上げ姿勢を避ける)
12.機 体 ··········································· 非 常 脱 出
(キャノピー・ドアから。必要によりベント・ウィンドウを
開けキャビン内に浸水させてドアを開けるために水圧を均一
に す る 。 必 要 に よ り セ ー フ テ ィ ー ・ ハ ン マ ー を 使 用 す る 。)
1 3 . ラ イ フ ・ ベ ス ト 、 及 び 救 命 ボ ー ト (利用できれば) · · · · 膨 ら ま す
(機体から離れて)
注 記
発動機が停止している場合には、フラップ・アップで
70KIAS、 若 し く は フ ラ ッ プ 30°で 65 KIASに て 進 入 す る 。
3− 14
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
メイン・タイヤがパンクした状態での着陸
1. 進 入 速 度 ······································· ノ ー マ ル
2 . ライン・アップ · · · · パンクしたタイヤと反対側のタイヤを滑走路に寄せる
(航空機は接地の際にパンクしたタイヤ側に機首をとられる)
3. フ ラ ッ プ ············································· 30°
4. 接 地 ························· 正 常 な タ イ ヤ を 先 に 接 地 さ せ る
(エルロンの操舵でパンクしたタイヤを可能な限り長く接地し
ないように維持する)
5. デ ィ レ ク シ ョ ナ ル ・ コ ン ト ロ ー ル ················· 維 持 す る
(ラダーの操舵で維持する。必要により正常なタイヤのブ
レーキを使用する)
ノーズ・タイヤがパンクした状態での着陸
注 意
メイン、若しくはノーズ・タイヤがパンクした場合には、
地上滑走してはならない。
1. 進 入 速 度 ······································· ノ ー マ ル
2. フ ラ ッ プ ··································· 必 要 に 応 じ て
3. 接 地 ··································· メ イ ン ・ ギ ア か ら
(ノーズ・タイヤを可能な限り長く接地しないように維持する)
4. エ レ ベ ー タ ················· 操 縦 桿 を 最 後 方 位 置 で 維 持 す る
(ノーズ・タイヤの接地後に)
5. ブ レ ー キ ··························· 必 要 最 小 限 に 使 用 す る
6. イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ ···························· OFF
(操作上問題が無ければ)
3− 15
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
エレベータが効かない状態での着陸
エレベータ・コントロールを失った場合には、エレクトリック・ピッ
チ・トリム、及びスロットルの操作で飛行姿勢をコントロールする。ト
リム、及びスロットルの微妙な調整で、着陸の進入角を維持するように
ピッチ姿勢、対気速度をコントロールすること。
最も長い滑走路を選択すること。ランディング・フレアが頭下げを生じ
させる場合には、可能であれば、ノーズ・ホイールを先に接地させた後
に出力を減じること。エレベータ・トリムでノーズ・アップを維持しな
がら徐々に出力を下げること。
1. ス ロ ッ ト ル ····································· 減 速 す る
2. ト リ ム ·············· VFEま で ゆ っ く り と ノ ー ズ ・ ア ッ プ す る
3. フ ラ ッ プ ································· 20°ま で 徐 々 に
4. 進 入 速 度 ·············· 75 KIASに ト リ ム を 使 用 し て 調 整 す る
5. ス ロ ッ ト ル ············· 進 入 角 度 を 調 整 す る た め に 使 用 す る
3− 16
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
系 統 故 障
発動機計器の系統故障
発動機計器が欠落表示をした場合には、表示系統の故障である。この欠
落表示は発動機の性能、若しくは発動機の運転には影響を与えない。発
動 機 の FADECコ ン ト ロ ー ル も 発 動 機 計 器 の 表 示 系 統 の 状 態 に は 影 響 さ れ な
い 。 FADEC HSAシ ス テ ム は 適 切 な 空 港 へ 飛 行 し て い る 間 、 操 縦 士 に 発 動
機の状況、及び情報を提供し続ける。発動機の状況を判断するためには、
必 要 に 応 じ て 次 項 の HSA 警 報 灯 の 点 灯 を 参 照 す る こ と 。
1. FADEC HSA······································ 監 視 す る
2. ス ロ ッ ト ル ························· 必 要 最 小 限 で 使 用 す る
3. 着 陸 ··········································· 速 や か に
HAS 警 報 灯 の 点 灯
HSAの
EBAT FL
注意灯、及び
PPWR FL
警報灯が点灯した場合
1. FADEC A、 及 び B PWR ス イ ッ チ ··············· ONを チ ェ ッ ク
2. FADEC A、 及 び B PWR サ ー キ ッ ト ・ ブ レ ー カ ··· INを チ ェ ッ ク
警報灯の点灯が続く場合:
3. 着 陸 ··········································· 速 や か に
警
告
エ マ ー ジ ェ ン シ ィ ( セ カ ン ダ リ ー )・ バ ッ テ リ ー が 十 分
に 整 備 さ れ 完 全 充 電 状 態 で あ れ ば 、 発 動 機 は 約 60分 間 の
通 常 運 転 が 可 能 で あ る 。 EBAT FL注 意 灯 、 及 び PPWR FL警
報 灯 が 点 灯 し て か ら 60分 以 内 に 着 陸 す る こ と 。
HSAの
EBAT FL
注意灯が点灯した場合
1. FADEC PWR Bス イ ッ チ ······················· ONを チ ェ ッ ク
2. FADEC PWR Bサ ー キ ッ ト ・ ブ レ ー カ ··········· INを チ ェ ッ ク
注意灯の点灯が続く場合:
3. 着 陸 ············································ 速 や か に
警
告
EBAT FL注 意 灯 が 点 灯 し た 場 合 に は 、 エ マ ー ジ ェ ン シ ィ
( セ カ ン ダ リ ー )・ バ ッ テ リ ー の 故 障 を 表 す 。 オ ル タ ネ ー
タも故障した場合には、発動機はプライマリー・バッテ
リーからのみ電力供給を受けるため、他の電気装備機器
の電気負荷の影響を受けることになる。
3− 17
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
HSAの 赤 色
FADEC WARN
警報灯が点灯した場合
1. イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ ················· BOTHを チ ェ ッ ク
2. 発 動 機 計 器 ····································· 監 視 す る
3. 着 陸 ··········································· 速 や か に
警
告
赤 色 の FADEC WARN 警 報 灯 が 点 灯 し た 場 合 に は 、 発 動
機の不調、若しくは停止が起きる可能性を示している。
発動機不調、或いは発動機停止が起きる危機的な状態で
あることを表す。
HSAの 黄 色
FADEC CAUTION
注意灯が点灯した場合
1. FADEC PWR A、 及 び Bス イ ッ チ ················· ONを チ ェ ッ ク
2. イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ ················· BOTHを チ ェ ッ ク
3. 発 動 機 計 器 ····································· 監 視 す る
注意灯の点滅が続く場合:
4. 着 陸 ··········································· 速 や か に
警
告
黄色の
FADEC CAUTION 注 意 灯 が 点 灯 し た 場 合 に は 、
FADEC系 統 の 故 障 を 示 し て い る 。 次 に 他 の 系 統 も 故 障 し た
場合には、発動機の不調、若しくは停止の可能性がある。
HSAの
FUEL PMP
注意灯が点灯した場合
FUEL PMP注 意 灯 は 燃 料 ブ ー ス ト ・ ポ ン プ ・ モ ー ド ・ ス イ ッ チ が AUTO位
置から動かされると点灯する。 もし燃料ブースト・ポンプ・モード・
ス イ ッ チ が AUTO位 置 で あ る の も 係 ら ず 、 FUEL PMP注 意 灯 が 点 灯 す る 場
合には、発動機駆動式燃料ポンプの故障を表している。
1 . 燃 料 ブ ー ス ト ・ ポ ン プ ・ モ ー ド ・ ス イ ッ チ · · · · · · AUTOを チ ェ ッ ク
2. 燃 料 圧 力 計 ····································· 監 視 す る
注意灯の点滅が続く場合:
3. 燃 料 ブ ー ス ト ・ ポ ン プ ・ モ ー ド ・ ス イ ッ チ ················· ON
4. 燃 料 圧 力 計 ····································· 監 視 す る
5. 着 陸 ··········································· 速 や か に
3− 18
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
電気系統の故障
電流計の指示が高い場合
1. オ ル タ ネ ー タ ・ ス イ ッ チ ······························ OFF
(マスター・スイッチのオルタネータ側)
2. 必 須 で な い 電 気 装 備 品 ································ OFF
3. 着 陸 ··········································· 速 や か に
警
告
オルタネータの出力が低下するか、若しくは停止した場
合 に は 、 EBAT FL注 意 灯 、 及 び PPWR FL警 報 灯 が 点 灯 す る 。
エ マ ー ジ ェ ン シ ィ ( セ カ ン ダ リ ー )・ バ ッ テ リ ー が 十 分 に
整 備 さ れ 完 全 充 電 状 態 で あ れ ば 、 発 動 機 は 約 60分 間 の 通
常 運 転 が 可 能 で あ る 。 EBAT FL注 意 灯 、 及 び PPWR FL警 報
灯 が 点 灯 し て か ら 60分 以 内 に 着 陸 す る こ と 。
電圧計の指示が低下した場合
1. 必 須 で な い 電 気 装 備 品 を OFFに す る 。
2. ALT FAIL 注 意 灯 が 点 灯 し た 場 合 の 操 作 手 順 を 遂 行 す る 。
電圧計が赤色弧線を指示した場合
1. 着 陸 ··········································· 速 や か に
3− 19
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
ALT
FAIL
注意灯が点灯した場合
飛行中にオルタネータが故障するか、若しくは瞬間的な過電圧による
ト リ ッ ピ ン グ ・ オ フ ラ イ ン が 生 じ た 場 合 に は 、 ALT FAIL 注 意 灯 が
点灯する。下記の操作手順によりオルタネータ系統をリセットすること。
1. 電 流 計 ··································0 AMPを チ ェ ッ ク
2. オ ル タ ネ ー タ ・ ス イ ッ チ ······························ OFF
(マスター・スイッチのオルタネータ側)
3. 必 須 で な い 電 気 装 備 品 ································ OFF
4. オ ル タ ネ ー タ ・ サ ー キ ッ ト ・ ブ レ ー カ ········· INを チ ェ ッ ク
5. オ ル タ ネ ー タ ・ ス イ ッ チ ······························· ON
(マスター・スイッチのオルタネータ側)
6. ALT FAIL 注 意 灯 ··························· OFFを チ ェ ッ ク
7. 電 圧 計 ····························· 緑 色 弧 線 内 を チ ェ ッ ク
ALT FAIL 注 意 灯 が 点 灯 し 続 け た 場 合 :
8. マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ の オ ル タ ネ ー タ 側 ·················· OFF
9. 着 陸 ··········································· 速 や か に
警
告
オルタネータの出力が低下するか、若しくは停止した場
合 に は 、 EBAT FL注 意 灯 、 及 び PPWR FL警 報 灯 が 点 灯 す る 。
エ マ ー ジ ェ ン シ ィ ( セ カ ン ダ リ ー )・ バ ッ テ リ ー が 十 分
に 整 備 さ れ 完 全 充 電 状 態 で あ れ ば 、 発 動 機 は 約 60分 間 の
通 常 運 転 が 可 能 で あ る 。 EBAT FL注 意 灯 、 及 び PPWR FL警
報 灯 が 点 灯 し て か ら 60分 以 内 に 着 陸 す る こ と 。
3− 20
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
ピトー・スタティック系統の故障
ピ ト ー /ス タ テ ィ ッ ク 計 器 ( 対 気 速 度 計 、 気 圧 高 度 計 、 及 び 昇 降 計 ) が 指
示 不 良 の 場 合 に は 、 ピ ト ー /ス タ テ ィ ッ ク ・ ソ ー ス の 閉 塞 ( 着 氷 、 若 し く
は他の原因のいずれか)に起因するものである。以下の操作手順を遂行
しても問題が解決しない場合には、より暖かい場所まで降下すること。
スタティック・ソースが閉塞した場合
オルタネート・スタティック・ソースが開の場合には、対気速度計の
指 示 を 第 5章 に 記 載 さ れ て い る
対気速度較正−オルタネート・スタ
ティック・ソース表 を使用して較正すること。
1. ピ ト ー ・ ヒ ー ト ······································· ON
2. オ ル タ ネ ー ト ・ ス タ テ ィ ッ ク ・ ソ ー ス ················· 開 く
注 記
非常時にオルタネート・スタティック・ソースが働かな
い 場 合 に は 、 昇 降 計 ( VSI) の 前 面 ガ ラ ス を 破 り 、 静 圧 計
器にキャビン内の圧力を供給する。キャビン内の静圧が
昇降計から供給される場合には、昇降計は逆さまの指示
を す る 。( 指 針 が 降 下 中 に 上 昇 を 示 し 、 上 昇 中 に 降 下 を 示
す)
ピトー・チューブが閉塞した場合
対気速度計のみが指示不良の場合には、下記の操作手順を遂行するこ
と 。 ピ ト ー ・ ヒ ー ト を ONに し て も 問 題 が 解 決 し な い 場 合 に は 、 よ り 暖
かい場所まで降下すること。ピトー・チューブが閉塞した状態で進入
す る 場 合 に は 、 ピ ッ チ 姿 勢 、 パ ワ ー セ ッ テ ィ ン グ 、 及 び GPSの グ ラ ン ド
スピードを使用して地上の風を計算する。
1. ピ ト ー ・ ヒ ー ト ······································· ON
3− 21
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
エレベータ・トリムの故障
エレベータ・トリムが動かなくなった場合
1 . エレベータ・トリム・サーキット・ブレーカ············· チェックして必要によりリセット
2. ト リ ム ・ モ ー タ ー ················· 両 方 向 の 動 き を チ ェ ッ ク
注 記
もし、トリムが片方にしか動かない場合には、進入時に
トリム無しで操舵力を減少させるために、トリムの使用
を最小限に抑えること。
エレベータ・トリムが止まらなくなった場合
1. 操 縦 桿 ········································· 制 御 す る
(トリム無しで制御して飛行経路を維持する)
2. エ レ ベ ー タ ・ ト リ ム ・ ス イ ッ チ ··········· 反 対 方 向 に 動 か す
( ト リ ム の 動 き を 止 め る 、 及 び /若 し く は ELEV TRIM サ ー キ ッ
ト ・ ブ レ ー カ を ト リ ッ プ さ せ る 。)
3 . エレベータ・トリム・サーキット・ブレーカ · · · · · · · · · · 引き抜く、リセットはしない
4. 着 陸 ··········································· 速 や か に
注 記
操縦桿の操舵力を軽減するためにトリムがノーズ・ダウ
ン 位 置 で 止 ま っ た 場 合 に は 、 フ ラ ッ プ ・ ア ッ プ ( 0°) を
使用し、トリムがノーズ・アップ位置で止まった場合に
は 、 フ ル ・フ ラ ッ プ ( 30°) を 使 用 し て 着 陸 す る こ と 。
3− 22
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
第 4 章
通 常 操 作
(通常の場合にはおける各種装置の操作方法)
目
次
序
文 ········································ 4− 3
通 常 運 用 時 の 対 気 速 度 ······························ 4− 3
飛行前の準備 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 4 − 4
飛 行 前 点 検 ········································ 4− 4
発 動 機 始 動 前 ····································· 4− 10
発 動 機 始 動 ······································· 4− 11
地 上 滑 走 前 ······································· 4− 13
地 上 滑 走 ······································· 4− 13
発 動 機 試 運 転 ····································· 4− 14
離
陸
前 ······································· 4− 16
離
陸 ······································· 4− 17
通 常 離 陸 ···································· 4− 17
軟 地 /荒 地 で の 離 陸 ····························· 4− 17
上
昇 ······································· 4− 18
巡
航 ······································· 4− 18
降
下 ······································· 4− 18
着
陸
前 ······································· 4− 19
着
陸 ······································· 4− 20
通 常 着 陸 ···································· 4− 20
短 距 離 着 陸 ···································· 4− 20
軟 地 /荒 地 で の 着 陸 ····························· 4− 21
横 風 着 陸 ···································· 4− 21
着 陸 復 行 ······································· 4− 22
着
陸
後 ······································· 4− 22
停
止 ······································· 4− 23
繋
留 ······································· 4− 24
4− 1
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
THIS PAGE INTENTIONALLY LEFT BLANK
4− 2
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
第
4 章
通 常 操 作
(通 常 の 場 合 に は お け る 各 種 装 置 の 操 作 方 法 )
序
文
この章には通常において必須な操作手順、及び情報を記載してある。
警
告
プロペラ回転中、航空機への乗降をしてはならない
通常運用時の対気速度
特 別 に 記 載 の な い 限 り 、 下 記 の 速 度 は 最 大 重 量 1,653lbs ( 749kg ) に 基
づいており、それ以下の重量に対しても使用すること。
離 陸 ロ ー テ ー シ ョ ン 速 度 ( V r ):
フ ラ ッ プ 20° ······································ 55
離陸安全速度:
フ ラ ッ プ 20°(50ftに て ) ···························· 65
上昇エンルート、フラップ・アップ:
標 準 、 海 面 上 ···································· 80-85
標 準 、 MSL 10,000フ ィ ー ト ························ 75-80
最 良 上 昇 率 速 度 、 フラップ・アップ( V y ) :
海 面 上 ············································· 80
10,000 ft ·········································· 75
最 良 上 昇 角 速 度 、 フ ラ ッ プ ・アップ( V x ) :
海 面 上 ············································· 70
10,000 ft ·········································· 65
通常進入速度:
フ ラ ッ プ ・アップ · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8 0 - 8 5
フ ラ ッ プ 20° ··································· 70-75
フ ラ ッ プ 30° ··································· 65-70
着陸復行上昇速度:
ワイド・オープン・スロットル、フラップ 30° · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 6 5
最 大 推 奨 乱 気 流 進 入 速 度 (Va):
1,653lbs( 749kg) ································· 100
1,450lbs( 657kg) ·································· 94
実 証 さ れ た 最 大 90°横 風 速 度 :
離 陸 、 若 し く は 着 陸 ································· 15
KIAS
KIAS
KIAS
KIAS
KIAS
KIAS
KIAS
KIAS
KIAS
KIAS
KIAS
KIAS
KIAS
KIAS
Knots
注 記
実証された最大横風速度は、飛行試験で得られた最大
横風速度であり、横風の限界速度をあらわすものでは
ない。
4− 3
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
飛行前の準備
1. 飛 行 機 ··················· 耐 空 証 明 等 の 必 要 書 類 を 搭 載 す る
2. 気 象 ··········································· 確 認 す る
3. 荷 物 ····················· 重 量 、 及 び 積 載 方 法 を 確 実 に す る
4. 重 量 、 及 び 重 心 ························· 限 界 内 を 確 認 す る
5. 航 法 ··········································· 計 画 す る
6. チ ャ ー ト 、 及 び 航 法 装 置 ························· 搭 載 す る
7. 性 能 、 及 び 航 続 距 離 ··············· 算 出 し て 安 全 を 確 認 す る
飛行前点検
飛行前点検は操縦室から始め、航空機の周囲を時計回りで点検し、操縦
室に戻り終了すること。
図 7-1
周回順序
注 意
操縦室の乗降時、フラップに乗ってはならない。
4− 4
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
1.
操縦室
a . シ ー ト ベ ル ト · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 操縦桿へ固定している場合には解除する
b. 飛 行 規 程 ······························· 搭 載 し て い る こ と
c. 機 体 関 連 書 類 ······················· 必 要 に 応 じ て 搭 載 す る
d. 重 量 重 心 ··································· チ ェ ッ ク す る
e. イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ ···························· OFF
f. FADEC A、 及 び B PWRス イ ッ チ ························· OFF
g. ア ビ オ ニ ク ス ・ マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ ···················· OFF
h . 燃料ブースト・ポンプ・モード・スイッチ · · · · · · · · · · OFF(センター位置)
i. バ ッ テ リ ー ・ マ ス タ ー ・ス イ ッ チ ························ ON
j . 燃 料 油 量 計 · · · · · · · · · · · · · · · · · チェックする(燃料量が飛行に十分か)
k. 電 圧 計 ························ チ ェ ッ ク す る ( 最 低 11.4V)
l . アナンシエータ・テスト・スイッチ · · · · · · · · · · · 押 す (アナンシエータON確認)
m. ピ ト ー ・ヒ ー ト ・ス イ ッ チ ······························· ON
n. フ ラ ッ プ ··················· フ ル ・ ダ ウ ン ( 30°) に 下 げ る
o. ト リ ム ····················· セ ッ ト す る ( ミ ド ル ・ レ ン ジ )
p . 燃 料 セ レ ク タ ・ バ ル ブ · · · · · · · · O N (ディテント装置が確実にONであること)
q. ラ イ ト ··························· 点 灯 す る か チ ェ ッ ク す る
r. ピ ト ー ・ブ レ ー ド ···················· 暖 ま る か チ ェ ッ ク す る
s . ス ト ー ル ・ ワ ー ニ ン グ ・ ベ ー ン · · · · · · · · 引上げる(警報音をチェック)
t. ピ ト ー ・ヒ ー ト ・ス イ ッ チ ······························ OFF
u. バ ッ テ リ ー ・ マ ス タ ー ・ス イ ッ チ ······················· OFF
v. 消 火 器 ························· 使 用 可 能 な 状 態 か 点 検 す る
w . エマージェンシィ・セーフティ・ハンマー · · · · · 使 用 可 能 な 状 態 か 点 検 す る
警
告
プロペラに近づくか、若しくは手廻しをする場合に
は 、 マ ス タ ー ・ス イ ッ チ 、 FADEC PWR A、 及 び B ス
イ ッ チ 、 並 び に イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ が OFFで あ
ることを確認する。いくつかの、若しくは全ての
ス イ ッ チ が ONの 場 合 に は 、 プ ロ ペ ラ を 手 廻 し す る と 発
動機が始動する。
2.
カウリング、発動機、プロペラ
a. 上 面 、 及 び 下 面 カ ウ リ ン グ ・ フ ァ ス ナ ー ····· 締 っ て い る こ と
b . プ ロ ペ ラ · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
c . ス ピ ン ナ ー · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
d . ラ ン デ ィ ン グ ・ ラ イ ト · · · · · · · · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
4− 5
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
e . ノーズ・ランディング・ギア・レグ · · · · · · · · · · · · · · · 状 態 が 良 好 な こ と
f . ノーズ・ホイール・ステアリング・ベアリング · · · · 取 付 け が 確 実 な こ と
g . ノーズ・ホイール・タイヤ · · · · · · · · · · · 状態が良好で膨らみが適切なこと
h . 発動機ドレイン、及びブリーザ · · · · · · · · · · · · · · · · · · 漏 れ の 無 い こ と
i. 発 動 機 エ ア ・フ ィ ル タ ー ·················· 状 態 が 良 好 な こ と
j. カ ウ リ ン グ 右 /左 エ ア ・イ ン テ ー ク ········· 閉 塞 物 の な い こ と
k . オ ル タ ネ ー タ ・ ベ ル ト · · · · · · · 状態が良好でテンションが確実なこと
l. 発 動 機 オ イ ル ···················· 油 量 を 点 検 ( 最 低 5QTS)
m. オ イ ル ・ フ ィ ラ ー ・ キ ャ ッ プ ············· 締 り が 確 実 な こ と
n. オ イ ル ・ド ア ······················ 閉 め て 確 実 に 締 ま る こ と
o . 排 気 管 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
p . ウ ィ ン ド シ ー ル ド · · · · · · · · · · · · · · · · · · 状態が良好で汚れのないこと
3.
胴体前方、右側
a. 右 キ ャ ビ ン ・エ ア ・イ ン テ ー ク ············· 閉 塞 物 の な い こ と
b . 前 方 胴 体 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 状態が良好で損傷のないこと
c . 右キャビン・ドア、ウィンドウ、ベント・ウィンドウ · · · · · · 状 態 が 良 好 な こ と
d . 右 ドア・ガス・スプリング、前方 · · · · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
e . 右ドア・シール、ラッチ・プレート、前方 · · · · · · · · · · · · 状 態 を 点 検 す る
f . 胴 体 下 部 フ ェ ア リ ン グ · · · · · · · · · · · · · · ファスナーが締っていること
g. 右 メ イ ン ・ラ ン デ ィ ン グ ・ギ ア ・レ グ ········ 状 態 が 良 好 な こ と
h . ブレーキ · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 状態が良好で漏れが無いこと
i . タイヤ · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 状態が良好で膨らみが適切なこと
j. チ ョ ー ク ··········································· 外 す
4.
右翼、前縁
a. 主 翼 /胴 体 フ ェ ア リ ン グ ·················· 状 態 が 良 好 な こ と
b. 前 縁 、 右 翼 ····························· 状 態 が 良 好 な こ と
c. ス ト ー ル ・ス ト リ ッ プ ·················· 取 付 け が 確 実 な こ と
d. 右 翼 ( 上 側 、 及 び 下 側 ) ················· 状 態 が 良 好 な こ と
e . インスペクション・アクセス・パネル(下面) · · · · · · ファスナーが締っていること
f. タ イ -ダ ウ ン ・ ロ ー プ ································ 外 す
g . 右 翼 端 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
h . ストロボ、ポジション/ナビゲーション・ライト、及びレンズ · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
4− 6
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
5.
右翼、後縁
a . エ ル ロ ン · · · · · · · · · · · · · · · · 状態が良好で、拘束がなく正確に動くこと
b . エ ル ロ ン ・ ヒ ン ジ ( 2 ) · · · · · · · · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
( 両端のヒンジ・ピンの取付けが確実なこと)
c . エルロン・マス・バランス・ウェイト · · · 妨 げ な く 取 付 け が 確 実 な こ と
d . エルロン・プッシュロッド · · · · · · · · · ジャムナットの取付けが確実なこと
e. フ ラ ッ プ ······························· 状 態 が 良 好 な こ と
f. フ ラ ッ プ ・ ス ロ ッ ト ····················· 閉 塞 物 の な い こ と
g . フラップ・ヒンジ (3) · · · · · · · · · · · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
( コッター・ピンが装着されていること)
6.
後方胴体、右側
a. 胴 体 下 部 フ ェ ア リ ン グ ··········· フ ァ ス ナ ー が 締 っ て い る こ と
b . マーカー・ビーコン・アンテナ(下面) · · · · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
c . 右 ドア・ガス・スプリング、後方 · · · · · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
d . 右ドア・シール、ラッチ・プレート、後方 · · · · · · · · · · · 状 態 を 点 検 す る
e . 後 方 胴 体 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 状態が良好で損傷のないこと
f . 胴体アンテナ・マウント(上面) · · · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
7.
尾翼
a . 右スタビレータ・ピン、ナット、及びコッター・ピン· · · · · · · · 取付けが確実なこと
b . 右 ス タ ビ レ ー タ · · · · · · · · · · 状態が良好で、拘束がなく正確に動くこと
c . 右 ト リ ム ・ タ ブ · · · · · · · · · · 状態が良好で、拘束がなく正確に動くこと
( 両端のヒンジ・ピンの取付けが確実なこと)
d. 垂 直 尾 翼 ······························· 状 態 が 良 好 な こ と
e. ラ ダ ー ・ ガ ス ト ・ ロ ッ ク ····························· 外 す
f . ラ ダ ー · · · · · · · · · · · · · · · · · · 状態が良好で、拘束がなく正確に動くこと
g . ラダー・トリム・タブ(装備時) · · · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
h . ラ ダ ー ・ ヒ ン ジ 、 及 び ピ ン · · · · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
( 両端のヒンジ・ピンの取付けが確実なこと)
i. タ イ -ダ ウ ン ・ ロ ー プ ································ 外 す
j . 左 ト リ ム ・ タ ブ · · · · · · · · · · 状態が良好で、拘束がなく正確に動くこと
( 両端のヒンジ・ピンの取付けが確実なこと)
4− 7
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
k . 左 ス タ ビ レ ー タ · · · · · · · · · · 状態が良好で、拘束がなく正確に動くこと
l . 左スタビレータ・ピン、ナット、及びコッター・ピン · · · · 取 付 け が 確 実 な こ と
注 記
スタビレータ・トリム・タブはスタビレータの後縁と
同じ方向に動き(後縁が上がれば上に、後縁が下がれ
ば 下 に )、 ス タ ビ レ ー タ が 中 立 位 置 の 時 に 後 縁 で 一 致
する。
8.
後方胴体、左側
a . 後 方 胴 体 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 状態が良好で損傷のないこと
b. 燃 料 フ ィ ラ ー ・ キ ャ ッ プ ··············· 閉 め て 固 定 す る こ と
c . 左 ドア・ガス・スプリング、後方 · · · · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
d . 左ドア・シール、ラッチ・プレート、後方 · · · · · · · · · · · · 状 態 を 点 検 す る
e. 燃 料 ベ ン ト ( 下 面 ) ····················· 閉 塞 し て な い こ と
f . トランスポンダ・アンテナ(下面) · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
g. 外 気 温 度 計 プ ル ー ブ ( 下 面 ) ··········· 取 付 け が 確 実 な こ と
h . 胴 体 下 部 フ ェ ア リ ン グ · · · · · · · · · · · · · · ファスナーが締っていること
9.
左翼、後縁
a. フ ラ ッ プ ······························· 状 態 が 良 好 な こ と
b. フ ラ ッ プ ・ ス ロ ッ ト ····················· 閉 塞 物 の な い こ と
c . フラップ・ヒンジ (3) · · · · · · · · · · · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
( コッター・ピンが装着されていること)
d . エ ル ロ ン · · · · · · · · · · · · · · · · 状態が良好で、拘束がなく正確に動くこと
e . エルロン・トリム・タブ(装備時) · · · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
f . エ ル ロ ン ・ ヒ ン ジ ( 2 ) · · · · · · · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
( 両端のヒンジ・ピンの取付けが確実なこと)
g . エルロン・マス・バランス・ウェイト · · · · · · 妨げなく取付けが確実なこと
h . エルロン・プッシュロッド · · · · · · · · · ジャムナットの取付けが確実なこと
i . 左 翼 端 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
j . ストロボ、ポジション/ナビゲーション・ライト、及びレンズ · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
4− 8
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
10.
左翼、前縁
a. 前 縁 、 右 翼 ····························· 状 態 が 良 好 な こ と
b. 左 翼 ( 上 面 、 及 び 下 面 ) ················· 状 態 が 良 好 な こ と
c . ピトー/スタティック・ブレード · · · · · · 状態が良好で、開口部に閉塞物のないこと
d . インスペクション・アクセス・パネル(下面)· · · · · · · · · · ファスナーが締っていること
e. タ イ -ダ ウ ン ・ ロ ー プ ································ 外 す
f . ストール・ワーニング・ベーン · · · · · · · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
g. ス ト ー ル ・ス ト リ ッ プ ·················· 取 付 け が 確 実 な こ と
h. 主 翼 /胴 体 フ ェ ア リ ン グ ·················· 状 態 が 良 好 な こ と
11.
胴体前方、左側
a. 左 メ イ ン ・ラ ン デ ィ ン グ ・ギ ア ・レ グ ········ 状 態 が 良 好 な こ と
b . ブレーキ · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 状態が良好で漏れが無いこと
c . タイヤ · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 状態が良好で膨らみが適切なこと
d. チ ョ ー ク ··········································· 外 す
e . 胴 体 下 部 フ ェ ア リ ン グ · · · · · · · · · · · · · · ファスナーが締っていること
f . 燃 料 タ ン ク ・ サ ン プ · · · · · · · · · · · · · サンプル採取、汚染物有無の点検
g . 燃 料 ス ト レ ー ナ ー · · · · · · · · · · · · · · · サンプル採取、汚染物有無の点検
h. 左 キ ャ ビ ン ・エ ア ・イ ン テ ー ク ············· 閉 塞 物 の な い こ と
i . 左キャビン・ドア、ウィンドウ、ベント・ウィンドウ · · · · · · 状 態 が 良 好 な こ と
j . 左 ドア・ガス・スプリング、前方 · · · · · · · · 状態が良好で取付けが確実なこと
k . 左ドア・シール、ラッチ・プレート、前方 · · · · · · · · · · · 状 態 を 点 検 す る
4− 9
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
発動機始動前
注 意
アビオニクスへの損傷を防ぐためには、発動機の始動
時 に ア ビ オ ニ ク ス ・ マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ を OFFに す る こ
と。
1. 飛 行 前 点 検 ········································ 完 了
2 . パッセンジャー・ブリーフィング · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 完 了
3. シ ー ト ・ ク ッ シ ョ ン ········ 取 付 け て 視 界 に 合 せ て 調 整 す る
( 第 7章 -航 空 機 と シ ス テ ム の 概 要 を 参 照 )
注 記
操縦桿の動きを妨げないようにクッションを置くこと。
4. シ ー ト ベ ル ト 、 及 び ハ ー ネ ス ··· 調 整 し 、 確 実 に 取 付 け る こ と
5. ラ ダ ー ・ ペ ダ ル ···················· 必 要 に 応 じ て 調 整 す る
6. ド ア ·································· 必 要 に 応 じ て 開 閉
7 . 燃料ブースト・ポンプ・モード・スイッチ · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · O F F
8 . ブ レ ー キ · · · · · · · · · · テストして、パーキング・ブレーキをセットする
9. 燃 料 セ レ ク タ ・ バ ル ブ ······················ ONを チ ェ ッ ク
10.サ ー キ ッ ト ・ ブ レ ー カ ······················ INを チ ェ ッ ク
11.ア ビ オ ニ ク ス ・ マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ ··················· OFF
12.イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ ··························· OFF
13.そ の 他 全 て の 電 気 ス イ ッ チ ··························· OFF
注 記
無風時での発動機始動、若しくは低速での地上滑走の場合
には、左側のドアを開けてもよい。強 風 、 若 し く は 高 速 で
の地上滑走の場合には、ドアを閉めること。
4− 10
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
発動機始動
航 空 機 が -7℃ /20℉ 以 下 の 環 境 に 2時 間 以 上 置 か れ た 場 合 に は 、 予 熱 が 必
要である。発動機が始動しない場合には、再始動までに少なくとも2
分間スタータを冷却すること。
警
告
以 下 の 操 作 手 順 を 遂 行 中 に HSA内 の 警 報 灯 が 点 灯 し た 場
合には、離陸をしてはならない。離陸を中止し、直ち
に点検整備を行うこと。不具合が直るまで飛行しては
ならない。
1 . ブ レ ー キ · · · · · · · · · · · · · · · · パーキング・ブレーキのセットを確認する
2. 燃 料 セ レ ク タ ・ バ ル ブ ······················· ONを 確 認 す る
3 . マスター(バッテリー、及びオルタネータ)スイッチ · · · · · · · · · · · · · · · · · O N
4. FADEC PWR A、 及 び Bス イ ッ チ ·························· ON
注 記
FADEC PWR A、 及 び Bス イ ッ チ は レ バ ー ・ ロ ッ ク 式 で
ある。スイッチを動かす場合には、計器板からスイッ
チ・ハンドルを僅かに引き上げること。
5.燃料ブースト・ポンプ・モード・スイッチ ···························· ON
6.燃料ブースト・ポンプ ································ 作動音を確認する
7.燃料ブースト・ポンプ・モード・スイッチ ······················ AUTO位置
8.燃料ブースト・ポンプ ·················· 作動音を聴き、不作動を確認する
9.HSA FUEL PMP注意灯 ··························· OFFをチェック(注記参照)
注 記
燃 料 ブ ー ス ト ・ ポ ン プ ・ モ ー ド ・ ス イ ッ チ が AUTO位 置
の 場 合 に は 、 発動機始動後も発動機の 燃 料 圧 力 が 適 切
な レ ベ ル に 達 し 、 FADECシ ス テ ム に よ り 自 動 的 に 停 止 す
る ま で は 、 FUEL PMP注 意 灯 が 点 灯 し て お り 、 燃 料 ブ ー
スト・ポンプも作動を続ける。
10. ス ロ ッ ト ル ······································ 最 前 方
11. WOT指 示 灯 ····························· ONを チ ェ ッ ク す る
12. ス ロ ッ ト ル ······················· IDLEよ り 前 方 1/2イ ン チ
4− 11
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
13. WOT指 示 灯 ···························· OFFを チ ェ ッ ク す る
1 4 . プ ロ ペ ラ ・ エ リ ア · · · · · · · · · · · · · · · · 障害物がないことを確認する
注 記
次の操作手順を遂行中、燃料ブースト・ポンプ・モー
ド ・ ス イ ッ チ が AUTO位 置 の 場 合 に は 、 イ グ ニ ッ シ ョ
ン ・ ス イ ッ チ を L、 若 し く は BOTH位 置 に し た 場 合 、 F AD EC
システムによって燃料ブースト・ポンプは自動的に作
動する。
15. イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ ······················· R( 右 )
16. 燃 料 ブ ー ス ト ・ ポ ン プ ·················· 不 作 動 を 確 認 す る
17. イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ ······················· L( 左 )
18. 燃 料 ブ ー ス ト ・ ポ ン プ ·················· 作 動 音 を 確 認 す る
19. イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ ·························· BOTH
20. 燃 料 ブ ー ス ト ・ ポ ン プ ·················· 作 動 音 を 確 認 す る
注 記
燃料噴射装置の配管内の空気を抜くためには、燃料ブース
ト・ポンプを少なくとも5秒間は作動させること。
21. イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ ························· START
( 最 大 で 10秒 、 発 動 機 始 動 後 に 放 す )
22. STARTER ENGAGED指 示 灯 ····························· 消 灯
2 3 . ス ロ ッ ト ル · · · · · · · · · · · · · · · · · · 絞って1000-1200 RPMにセットする
2 4 . 滑 油 圧 力 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 上昇を確認する(最大30秒以内)
25. 発 動 機 計 器 ·························· チ ェ ッ ク し 監 視 す る
26. 電 圧 計 ························· チ ェ ッ ク す る ( 最 低 12V)
2 7 . H S A テ ス ト ・ ボ タ ン · · · · · · · · · · · · · 押して、全ランプの点灯をチェックする
2 8 . H S A テ ス ト ・ ボ タ ン · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 放す
2 9 . H S A · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 全警報灯の消灯をチェックする(注記参照)
注 記
航空機を長期間使用してない場合には、発動機始動
前 に HSA PPWR FL警 報 灯 、 及 び /若 し く は EBAT FL注 意
灯が点灯し、発動機始動後の数分間は点灯を続ける。
4− 12
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
地上滑走前
1 . H S A · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 全警報灯の消灯をチェックする
2. ア ビ オ ニ ク ス ・ マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ ····················· ON
3. ラ ジ オ /ア ビ オ ニ ク ス ················ 必 要 に 応 じ て 使 用 す る
4. ラ イ ト ····························· 必 要 に 応 じ て 点 灯 す る
5. エ ア ・ベ ン ト ························ 必 要 に 応 じ て 開 閉 す る
6. フ ラ ッ プ ······································· UP (0°)
地 上 滑 走
地上滑走する場合には、ブレーキを使用して方向性をコントロールする。
強風時の場合には、補助的にラダーを使用すること。
注 記
地上滑走の場合には、フィンガー・ブレーキ、及びス
ロットル・コントロール付近に手を添えておくこと。
地上滑走速度は最小(歩行速度程度)に抑えること。
1. パ ー キ ン グ ・ ブ レ ー キ ······························· 放 す
2. ブ レ ー キ ····································· テ ス ト す る
3. 地 上 滑 走 ······································· 低 速 に て
4. 定 針 儀 、 及 び 旋 回 計 ························· チ ェ ッ ク す る
5. フ ラ イ ト ・ コ ン ト ロ ー ル ··················· 横 風 に 対 処 す る
4− 13
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
発動機試運転
警
告
FADECプ ラ イ マ リ ー (PWR A)、 及 び セ カ ン ダ リ ー (PWR
B)パ ワ ー の ト ラ ン ス フ ァ ー 点 検 時 に 、 回 転 速 度 の 減 速 、
若しくは発動機サージが発生した場合には、離陸をし
てはならない。離陸を中止して、直ちに点検整備を行
うこと。不具合が直るまで飛行してはならない。
1.風に正対 ·········································· 後方がクリアなこと
2.パーキング・ブレーキ ········ セットする、機体が動かないことを確認する
3.キャノピー・ドア(前方ピン、後方ピン) ············· 取付けが確実なこと
注 記
左右両ドアの後方部を押して、ドアの締まりを確認す
る。
4.滑油圧力/滑油温度 ··················· 限界値内であることをチェックする
5.スロットル ················································ 約1700 RPM
6.燃料ブースト・ポンプ・モード・スイッチ ··························· OFF
7.HSA FUEL PMP注意灯 ·································· ONをチェックする
8.燃料圧力 ···························· 限界値内であることをチェックする
9.燃料ブースト・ポンプ・モード・スイッチ ·························· AUTO
10.HSA FUEL PMP注意灯 ································ OFFをチェックする
11.FADEC PWR A スイッチ ············································ OFF
12.発動機 ············· チェックする、回転速度の低下又はサージが無いこと
13.HSA PPWR FL警報灯(EBAT FL注意灯点灯) ··················· ONをチェック
14.FADEC B PWR スイッチ ············································· ON
15.HSA ···································· 全警報灯の消灯をチェックする
16.FADEC B PWR スイッチ ············································ OFF
17.発動機 ············· チェックする、回転速度の低下又はサージが無いこと
18.HSA EBAT FL注意灯 ·································· ONをチェックする
19.FADEC B PWR スイッチ ············································· ON
20.HSA ···································· 全警報灯の消灯をチェックする
21.イグニッション・スイッチ ································ R(右)位置
22.RPMドロップ ································· 最小10 RPM, 最大150 RPM
4− 14
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
23.HSA ································ FADEC 警報灯の点灯をチェックする
24.イグニッション・スイッチ ······································· BOTH
25.HSA ···································· 全警報灯の消灯をチェックする
26.イグニッション・スイッチ ································ L(左)位置
27.RPMドロップ ································· 最小10 RPM, 最大150 RPM
28.HSA ································· FADEC警報灯の点灯をチェックする
29.イグニッション・スイッチ ······································· BOTH
30.HSA ···································· 全警報灯の消灯をチェックする
注 記
イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ を 30秒 以 上 、 R 、 若 し く は L
位 置 に 維 持 し た 場 合 に は 、 赤 色 の FADEC WARN警 報 灯 が
点灯する。これは故障を意味するものではなく、離陸
の 前 に イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ス イ ッ チ を BOTH位 置 に 戻 す こ と
をうながすための警報である。
3 1 . 発 動 機 計 器 / 電 流 計 · · · · · · · · · · · · · · · · · 再びチェックして監視する
3 2 . オルタネート・インダクション・エア・ノブ· · · · · · · · · · · · ノ ブ を 引 い て O N
3 3 . オルタネート・インダクション・エア・ノブ· · · · · · · · · · · ノ ブ を 押 し て O F F
34. ス ロ ッ ト ル ········································ IDLE
4− 15
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
離
陸
前
警
告
全 て の 操 作 手 順 が 完 了 し た 後 に HSA内 の 警 報 灯 が 点 灯 し
た場合には、離陸をしてはならない。離陸を中止して、
直ちに点検整備を行うこと。不具合が直るまで飛行し
てはならない。
寒冷時に使用する場合には、離陸前に発動機を十分に暖気すること。離陸
時 の 最 低 滑 油 温 度 は 75℉ で あ る 。
1 . フ ラ イ ト ・ コ ン ト ロ ー ル · · · · · · · · · · · · · · 拘束がなく正確に動くこと
2. ラ イ ト ····························· 必 要 に 応 じ て 点 灯 す る
3. イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ ····················· BOTHを 確 認
4. フ ラ イ ト 、 及 び 発 動 機 計 器 ········· セ ッ ト し 、 チ ェ ッ ク す る
5. フ ラ ッ プ ··········································· 20°
6. 燃 料 ブ ー ス ト ・ ポ ン プ ・ モ ー ド ・ ス イ ッ チ ······· AUTOを 確 認
注 記
通常の場合には、燃料ブースト・ポンプ・モード・ス
イ ッ チ は AUTO位 置 に し て お く こ と 。
7 . ト リ ム · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · TAKEOFF FLAP位置にセットする
8. 燃 料 セ レ ク タ ・バ ル ブ ···························· ONを 確 認
9. ラ ジ オ /ア ビ オ ニ ク ス ·························· セ ッ ト す る
10. ト ラ ン ス ポ ン ダ ····································· ALT
1 1 . キャノピー・ドア(前方ピン、後方ピン) · · · · · · · 確 実 に 閉 ま る こ と
注 記
左右両ドアの後方部を押して、ドアの締まりを確認す
る。
12. シ ー ト ベ ル ト 、 及 び ハ ー ネ ス ·········· 取 付 け が 確 実 な こ と
13. パ ー キ ン グ ・ ブ レ ー キ ・ レ バ ー ······················· OFF
14. ブ レ ー キ ·········································· 放 す
4− 16
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
離
陸
出 力 の 点 検 : 離 陸 滑 走 中 に フ ル ・ス ロ ッ ト ル で の 発 動 機 性 能 を 素 早 く 点 検 す
る 。 発 動 機 回 転 速 度 が 約 2400 RPMで 全 て の 発 動 機 計 器 が 緑 色 範 囲 内 に あ る
こと。発動機の不調、加速の不調、若しくは不具合を感じた場合には、離
陸をしてはならない。
フ ラ ッ プ ・ セ ッ テ ィ ン グ : 離 陸 時 の フ ラ ッ プ ・セ ッ テ ィ ン グ は 20°の み が
認 め ら れ て い る 。 離 陸 デ ー タ に は フ ラ ッ プ 20°の み が 記 載 さ れ て い る 。
軟地、若しくは荒地から離陸する場合には、出来るだけ速やかに機体を浮
かすこと。砂利、若しくはその他の不整地から離陸する場合には、プロペ
ラで砂利の破片を巻き上げるよりも、後方に吹き飛ばす様にスロットルを
ゆっくりと加速すること。
通 常 離 陸
1.定針儀 ···································· 滑走路の離陸方位を確認する
2.スロットル ···················································· 最前方
3.WOT指示灯 ··········································· ONをチェックする
4.発動機計器 ·············································· チェックする
5.ブレーキ ································ 放す(ラダーのみで操舵する)
6.エレベータ・コントロール ·············· ノーズ・ホイールを浮かす(55 KIASにて)
7.離陸安全速度 ························· 到達(65 KIAS、若しくはそれ以上)
8.フラップ ···························· UP(安全高度、及び対気速度にて)
9.上昇速度 ········································ 80-85 KIASに加速する
軟 地 /荒 地 で の 離 陸
1 . 定 針 儀 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 滑走路の離陸方位を確認する
2. ス ロ ッ ト ル ······································· 最 前 方
3. WOT指 示 灯 ······························ ONを チ ェ ッ ク す る
4. 操 舵 ··································· ラ ダ ー を 使 用 す る
5 . エレベータ・コントロール · · · · · · · · · · · · · · · 手 前 一 杯 に 引 き 維 持 す る
6. 機 体 が 離 陸 し た ら ····················· ピ ッ チ 姿 勢 を 減 じ る
65 KIASに 加 速 す る
7 . 上 昇 速 度 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 65 KIAS(障害物が無くなるまで)
8 . フ ラ ッ プ · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · UP(安全高度、及び対気速度にて)
9. 上 昇 速 度 ··························· 80-85 KIASに 加 速 す る
4− 17
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
上
昇
通 常 上 昇 の 場 合 に は 、 最 良 上 昇 率 速 度 よ り 5-10 knot早 い 速 度 に て 、 フ
ル ・パ ワ ー と フ ラ ッ プ ・ ア ッ プ (0°)を 使 用 す る 。
1. ス ロ ッ ト ル ······································· 最 前 方
2. WOT指 示 灯 ······························ ONを チ ェ ッ ク す る
3. 対 気 速 度 ·····································80-85 KIAS
巡
航
注 意
決 し て フ ル ・ス ロ ッ ト ル (WOT指 示 灯 の 点 灯 )で 巡 航 し て
はならない。これは燃料消費率、及び航続距離の低下
を防ぐためである。
1 . 対 気 速 度 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 巡航速度に達するまで出力を維持する
2. 出 力 ······························· 巡 航 出 力 に セ ッ ト す る
3. エ レ ベ ー タ ・ト リ ム ·················· 必 要 に 応 じ て 調 整 す る
4 . 燃料ブースト・ポンプ・モード・スイッチ · · · · · · A U T O を チ ェ ッ ク す る
5. 発 動 機 計 器 、 及 び HSA ·············· 頻 繁 に チ ェ ッ ク す る こ と
注 記
最良の燃料消費率を得るためには、巡航出力に設定し
て か ら 、 少 な く と も 約 5分 間 は ス ロ ッ ト ル の 設 定 を 変 更
しないことである。
降
下
1. 出 力 ······························· 必 要 に 応 じ て 調 整 す る
2. エ レ ベ ー タ ・ト リ ム ·················· 必 要 に 応 じ て 調 整 す る
3. 発 動 機 計 器 、 及 び HSA ·············· 頻 繁 に チ ェ ッ ク す る こ と
4− 18
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
着
陸
前
1.燃料油量 ·········································· 十分な量であること
2.燃料ブースト・ポンプ・モード・スイッチ ················ AUTOをチェック
3.ブレーキ ················ パーキング・ブレーキがOFFであることを確認する
4.燃料セレクタ・バルブ ····································· ONを確認する
5.フラップ ··················· 希望に応じて(80 KIAS、若しくはそれ以下)
6.ライト ·········································· 必要に応じて点灯する
7.シートベルト、及びハーネス ························ 取付けが確実なこと
4− 19
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
着
陸
最終進入速度は、フラップ・セッティングによる失速速度が基本とな
る が 、 ト ラ フ ィ ッ ク の 状 況 、 滑 走 路 の 長 さ 、 及 び ガ ス ト ・フ ァ ク タ な ど の
影響を受ける。
着陸進入では、スロットルをスムーズに減少させ、最少の速度でメイン・
ホ イ ー ル か ら 接 地 さ せ る 。 ノ ー ズ ・ア ッ プ を 保 つ よ う に バ ッ ク ・ プ レ ッ
シャーを維持すれば、エアロダイナミック・ブレーキの効果を受けて、
タイヤ、及びブレーキの磨耗を減少できる。姿勢が安定した後、ゆっく
りと機首を下げ、ブレーキを必要最小限に使用する。地上滑走のために、
ブレーキ使用の準備をすること。
通 常 着 陸
1. 対 気 速 度 ························· 75-80 KIAS(フ ラ ッ プ UP)
2 . フ ラ ッ プ · · · · · · · · · · · · · · 希望に応じて(80KIAS、若しくはそれ以下)
3. 対 気 速 度 ······················· 70-75 KIAS(フ ラ ッ プ 20°)
4. 対 気 速 度 ······················· 65-70 KIAS(フ ラ ッ プ 30°)
5 . 接 地 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 最初にメイン・ホイールから接地する
6 . エレベータ・コントロール · · · · · · · · · · · · · · · · · ゆっくり機首を下げること
7. ブ レ ー キ ··························· 必 要 最 小 限 に 使 用 す る
短距離着陸
1. フ ラ ッ プ ··········································· 30°
2. 対 気 速 度 ·························· 最 終 着 陸 ま で 65 KIAS
3 . 出 力 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · IDLE (障害物を越えた後)
4 . 接 地 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 最初にメイン・ホイールから接地する
5 . エレベータ・コントロール · · · · · · · · · · · · · · · · · ゆっくり機首を下げること
6. ブ レ ー キ ································· 最 大 で 使 用 す る
4− 20
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
軟 地 /荒 地 で の 着 陸
1. フ ラ ッ プ ··········································· 30°
2 . 出 力 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 緩やかに着陸のため必要に応じて
3 . 接 地 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 最初にメイン・ホイールから接地する
4 . エレベータ・コントロール · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 手 前 に 引 き 維 持 す る
(出来るだけ長くノーズ・ホイールが接地しないように保つ)
5. ブ レ ー キ ··························· 必 要 最 小 限 に 使 用 す る
横 風 着 陸
1. 対 気 速 度 ····································· 80-85 KIAS
(最初に滑走路と合わせる間はフラップ・アップ)
2 . フ ラ ッ プ · · · · · · · · · · · · · · · · 滑走路の長さにより必要最小量にすること
3 . 最 終 進 入 · · · · · · · · 必要に応じて偏流をとるか、若しくはノーズを滑らす
4. 対 気 速 度 ····································· 70-80 KIAS
5 . 着 陸 中 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 風上側の翼を下げる(ドリフトを修正)
(ラダーを使用して機首を滑走路に合わせる)
6 . 接 地 · · · · · · · · · · · · · · · · · · 最初に風上側のメイン・ホイールから接地する
7 . エレベータ・コントロール · · · · · · · · · · · · · ゆ っ く り 機 首 を 下 げ る こ と
8. エ ル ロ ン 、 ラ ダ ー ··························· 必 要 に 応 じ て
接地後の滑走が真直ぐになるよう維持する
9 . ブ レ ー キ · · · · · · · · · · · ラダーが効かない場合はブレーキで操舵すること
4− 21
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
着 陸 復 行
1. ス ロ ッ ト ル ····································FULL OPEN
2. WOT指 示 灯 ······························ ONを チ ェ ッ ク す る
3. 対 気 速 度 ······································· 65 KIAS
4. フ ラ ッ プ ··························· ゆ っ く り と 上 げ る こ と
5. 最 良 上 昇 角 速 度 ······················安 定 さ せ る (70 KIAS)
6. 上 昇 速 度 ( 安 全 高 度 ま で ) ···············80-85 KIASに 加 速
着
陸
後
1. フ ラ ッ プ ······················· 上 げ る ( 滑 走 路 を 出 た 後 )
2. ス ロ ッ ト ル ················· 地 上 滑 走 す る の に 必 要 に 応 じ て
発 動 機 を 停 止 す る 前 に は 、 最 低 3分 間 ア イ ド ル 近 く に す る ( 低
速地上滑走は発動機・アイドル操作と考えられる)
3 . ストロボ・ライト(アンチ-コリジョン)/ナビゲーション・ライト · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · O F F
4. ラ ン デ ィ ン グ ・ ラ イ ト ··············· 必 要 に 応 じ て 点 灯 す る
注 記
地上滑走の場合には、フィンガー・ブレーキ、及びス
ロットル・コントロール付近に手を添えておくこと。
地上滑走速度は最小(歩行速度程度)に抑えること。
4− 22
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
停
止
警
告
飛 行 後 に HSA内 の 警 報 灯 が 点 灯 し た 場 合 、 若 し く は 燃 料
ブ ー ス ト ・ モ ー ド ・ス イ ッ チ を OFFに す る と 発 動 機 回 転
速度が減速する場合には、直ちに点検整備を行うこと。
不具合が直るまで飛行してはならない。
1 . H S A · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 全 警報灯の消灯をチェックする
2. 燃 料 ブ ー ス ト ・ ポ ン プ ・ モ ー ド ・ ス イ ッ チ ·············· OFF
3. ア ビ オ ニ ク ス ・ マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ ···················· OFF
4. イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ ···························· OFF
5. FADEC PWR A、 及 び Bス イ ッ チ ························· OFF
6. 全 て の 電 気 ス イ ッ チ ·································· OFF
7. 全 て の ラ イ ト ・ ス イ ッ チ ······························ OFF
8. マ ス タ ー ・ス イ ッ チ ··································· OFF
9. 航 空 機 用 救 命 無 線 機 ( ELT) ············· OFFを チ ェ ッ ク す る
注 意
発 動 機 停 止 後 に 、 セ カ ン ダ リ ー ・ パ ワ ー ( PWR B ) ス
イ ッ チ が ON 位 置 に あ る 場 合 に は 、 航 空 機 の バ ッ ク
ア ッ プ ( セ カ ン ダ リ ー )・ バ ッ テ リ ー が 放 電 し 、 バ ッ
テリーの充電容量が減少してしまう。発動機停止後に
は 、 必 ず プ ラ イ マ リ ー ( PWR A )、 及 び セ カ ン ダ リ ー ( PWR
B) ス イ ッ チ が O F F で あ る こ と を 確 認 す る 。
4− 23
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
繋
留
1. ホ イ ー ル ··························· チ ョ ー ク を 入 れ る こ と
2 . 操 縦 桿 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · シートベルトにて固定すること
3 . ピ ト ー ・ カ バ ー · · · · · · · · · · · · · · · · · ON(必要に応じてカバーをする)
4 . ラ ダ ー ・ ガ ス ト ・ ロ ッ ク · · · · · · · · · · ON(必要に応じてロックをする)
5. 翼 、 及 び 尾 部 ································ タ イ -ダ ウ ン
6. ド ア ······························· 閉 め て 鍵 を 掛 け る こ と
4− 24
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
第 5 章
航空機の性能
目
次
序
文 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 5− 3
対 気 速 度 の 較 正 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 5− 4
ノ ー マ ル ・ ス タ テ ィ ッ ク ・ ソ ー ス · · · · · · · · · · · · · · · · · 5− 4
オ ル タ ネ ー ト ・ ス タ テ ィ ッ ク ・ ソ ー ス · · · · · · · · · · · · · 5− 5
横 風 成 分 グ ラ フ · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 5− 6
失 速 速 度 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 5− 7
温 度 換 算 表 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 5− 8
離 陸 距 離 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 5− 9
離 陸 上 昇 率 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 5−10a
離 陸 上 昇 勾 配 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 5−10b
最 大 上 昇 率 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 5− 11
最 大 上 昇 勾 配 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 5− 12
着 陸 復 行 上 昇 率 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 5−13a
着 陸 復 行 上 昇 勾 配 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 5−14a
着 陸 距 離 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 5− 15
最 良 滑 空 速 度 、 及 び 距 離 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 5− 17
騒音に関する事項 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 5−18a
5− 1
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
THIS PAGE INTENTIONALLY LEFT BLANK
5− 2
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
第
5 章
航空機の性能
序
文
この章には飛行試験で得られた航空機の性能について記載している。
この章に記載している性能に関する情報は、飛行試験から得られた結果
に基づいている。特別な操縦技量を用いずにこれらの記載された性能を
得ることができる。飛行試験で得られたデータは、新しい機体、及び発
動機に、無線機器、及びアンテナを含む任意装備品を装備して得たもの
である。
これらデータはホイール・フェアリングの装備の有無にかかわらず適用
される。
注 意
こ れ ら の 性 能 を 得 る た め に は 性 能 図 、 及 び /若 し く は 性
能表に表示されている全ての条件に従うこと。
5− 3
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
対気速度の較正
ノーマル・スタティック・ソース
状態:
出 力 ·············································· 水 平 飛 行
重 量 ······································1,653 lbs(479kg)
注記:
・指示対気速度値には、計器誤差は含まれない。
KCAS
KIAS
40
50
Flaps
0° 20°
54
54
60
64
63
63
70
73
72
72
80
83
81
81
90
92
-
-
100
101
-
-
110
110
-
-
120
120
-
-
130
129
-
-
140
138
-
-
150
160
146
155
-
-
5− 4
P/N
135A-97 0-007-1
IR
30°
44
54
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
対気速度の較正
オルタネート・スタティック・ソース
状態:
出 力 ·············································· 水 平 飛 行
重 量 ······································ 1,653 lbs(749kg)
ベ ン ト ·················································· 開
注記:
・ 指示対気速度値には、計器誤差は含まれない。
KIAS
40
KCAS
Flaps
0°
20° 30°
39
50
49
49
49
60
58
60
60
70
68
70
70
80
77
79
79
90
86
-
-
100
95
-
-
110
104
-
-
120
113
-
-
130
122
-
-
140
130
-
-
150
160
138
147
-
-
5− 5
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
横風成分グラフ
方向:グラフ左側で風速値を読み、滑走路方向、及び風向きの角度差を
表す対角線との交点を結び、その交点から垂直に下がって、横軸
の横風成分値を読み取る。
注記:
・ 実 証 さ れ た 横 風 速 度 の 最 大 値 は 15 knotで あ る 。
・実証された横風成分は、飛行試験で得られた最大横風速度に基づ
いた速度であり、横風の限界速度を表すものではないではない。
5− 6
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
失 速 速 度
状態:
重 量 ······································ 1,653 lbs(749kg)
C.G ··································· 最 大 重 量 で 最 前 方 位 置
出 力 ·················································· IDLE
旋 回 角 度 ········································ 下 表 を 参 照
Weight
LBS
1653
Bank
Angle
(Deg)
0
15
30
45
60
STALL SPEEDS
Flaps 0°
Full Up
KIAS
51
52
55
61
75
Flaps
20°
KCAS
55
56
59
65
78
KIAS
43
44
47
53
64
KCAS
47
48
51
56
66
Flaps 30°
Full Down
KIAS KCAS
41
42
44
50
62
45
46
48
54
64
5− 7
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
温度換算表
下記のグラフは飛行高度別に対応する標準温度を記載している。表の気温
軸には摂氏、及び華氏温度の換算値を記載している。
表左側の高度を選択し、必要な気温軸まで横に進み、選択した高度での気
温を華氏、若しくは摂氏で読取る。
Press
Alt
ISA -20℃
ISA -10℃
ISA
ISA + 10℃
ISA + 30℃
FT
℃
℉
℃
℉
℃
℉
℃
℉
℃
℉
SL
-5
23
5
41
15
59
25
77
45
113
1000
-7
19
3
37
13
55
23
73
43
109
2000
-9
16
1
34
11
52
21
70
41
106
3000
-11
12
-1
30
9
48
19
66
39
102
4000
-13
9
-3
27
7
45
17
63
37
99
5000
-15
5
-5
23
5
41
15
59
35
95
6000
-17
1
-7
19
3
37
13
55
33
91
7000
-19
-2
-9
16
1
34
11
52
31
88
8000
-21
-6
-11
12
-1
30
9
48
29
84
9000
-23
-9
-13
9
-3
27
7
45
27
81
10000
-25
-13
-15
5
-5
23
5
41
25
77
11000
-27
-17
-17
1
-7
19
3
37
23
73
12000
-29
-20
-19
-2
-9
16
1
34
21
70
13000
14000
-31
-33
-24
-27
-21
-23
-6
-9
-11
-13
12
9
-1
-3
30
27
19
17
66
63
5− 8
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
離 陸 距 離
飛行計画の作成は、離陸をする際の滑走路の長さが、最大重量、気圧高度、
及び外気温度を十分に満たすかの確認から始める。下記の注記に記載され
た修正要件を使用して、向かい風、若しくは追い風成分、及び外気温度に
よる誤差を修正する。通常の離陸では、最良上昇率速度までの加速を前提
とする。
状態:
風 ···················································· 無 風
滑 走 路 ···································· 乾 燥 、 水 平 、 舗 装
重 量 ······································ 1,653 lbs(749kg)
フ ラ ッ プ ·············································· 20°
引 起 し 速 度 ········································· 55 KIAS
離 陸 後 上 空 50 ftで の 速 度 ···························· 65 KIAS
出 力 ····················· フ ル ・ ス ロ ッ ト ル ( WOT指 示 灯 が ON)
ブレーキを放す前にセットする
注記:
・
CHTが 420℉ 、 若 し く は そ れ 以 上 の 場 合 に は 、 離 陸 距 離 が 15% 増
加する。
・
安全上、実際より高い気圧高度、若しくは外気温度での離陸距
離 を 使 用 す る 。 例 え ば 気 圧 高 度 475 ft、 外 気 温 度 4℃ の 場 合 に は 、
気 圧 高 度 1000 ft、 外 気 温 度 10℃ で の 離 陸 距 離 を 使 用 す る 。
・
向 か い 風 成 分 が 12 knot増 す 毎 に 、 離 陸 距 離 が 10% 減 少 す る 。 追
い 風 で 運 用 す る 場 合 に は 、 追 い 風 成 分 が 10 knotを 超 え て 、 2 knot
増 す 毎 に 離 陸 距 離 が 10% 増 加 す る 。
・ 乾 い た 草 地 の 滑 走 路 で は 、 Gnd roll 距 離 が 15% 増 加 す る 。
・
この表の外気温度より低い温度で運用する場合には、表の中の
最も低いデータを使用すること。
・
この表の外気温度より高い温度で運用する場合には、最大限の
注意を払うこと。
・
表 の デ ー タ は 実 際 の 飛 行 試 験 に よ る も の で 、 気 温 が ISA +30℃ 以
上 、 若 し く は ISA -20℃ 以 下 で の 気 圧 高 度 の デ ー タ は 記 載 し て い な
い。
5− 9
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
離 陸 距 離
ローテーション速度: 55 KIAS
Press
Alt
Distance
FT
FT
SL
1000
2000
3000
4000
5000
6000
7000
8000
9000
10000
フラップ 20°
Temperature - ℃
0
10
20
30
40
ISA
Gnd roll
704
781
864
953
1047
822
Over 50FT
Gnd roll
Over 50FT
Gnd roll
Over 50FT
Gnd roll
Over 50FT
Gnd roll
Over 50FT
Gnd roll
Over 50FT
Gnd roll
Over 50FT
Gnd roll
Over 50FT
Gnd roll
Over 50FT
Gnd roll
Over 50FT
Gnd roll
Over 50FT
1284
770
1399
838
1519
918
1659
1002
1803
1098
1971
1199
2144
1345
2397
1497
2659
1680
2974
1871
3301
1423
855
1551
930
1684
1019
1838
1112
1998
1219
2184
1331
2376
1493
2657
1662
2947
1865
3296
2077
3659
1571
945
1713
1029
1859
1127
2030
1229
2207
1348
2412
1472
2624
1651
2934
1838
3255
2063
3640
2296
4040
1729
1042
1885
1134
2046
1243
2234
1355
2428
1486
2654
1622
2888
1820
3228
1897
1145
2068
1246
2245
1496
881
1598
940
1701
1009
1820
1078
1939
1158
2076
1238
2212
1360
2422
1481
2632
1627
2882
1773
3132
5− 10
P/N
135A-97 0-007-1
50 ft越え速度: 65 KIAS
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
離陸上昇率
状態:
重 量 ······································ 1,653 lbs(749kg)
フ ラ ッ プ ·············································· 20°
出 力 ····················· フ ル ・ ス ロ ッ ト ル ( WOT指 示 灯 が ON)
指 示 対 気 速 度 ··································· 65 KIAS(VY)
注記:
・
この表の外気温度より低い温度で運用する場合には、表中の最
も低いデータを使用すること。
・
この表の外気温度より高い温度で運用する場合には、最大の注
意を払うこと。
・ 上 昇 率 が 100 ft/min 未 満 の デ ー タ は 記 載 し て な い 。
・ 実 際 の 飛 行 試 験 に よ り 得 ら れ た デ ー タ で 、 外 気 温 度 が ISA +30℃
以 上 、 若 し く は ISA-20℃ 以 下 で の 気 圧 高 度 の デ ー タ は 記 載 し て な
い。
Takeoff Rate of Climb
FT/MIN
Press
Alt
Temperature °C
FT
-20
SL
2000
601.5
10
ISA
10
20
30
580.7
560.7
541.6
523.3
505.6
4000
502.3
403.2
481.5
382.4
461.6
362.6
422.6
343.6
424.3
325.4
406.8
308
6000
304.6
283.5
263.8
244.8
226.7
209.4
8000
10000
12000
205.4
106.7
184.7
165
146.2
128.1
110.9
5− 10a
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
離陸上昇勾配
状態:
重 量 ······································· 1,653lbs(749kg)
フ ラ ッ プ ·············································· 20°
出 力 ····················· フ ル ・ ス ロ ッ ト ル ( WOT指 示 灯 が ON)
指 示 対 気 速 度 ···································65 KIAS(Vy)
注記:
・
この表の外気温度より低い温度で運用する場合には、表中の最
も低いデータを使用すること。
・
この表の外気温度より高い温度で運用する場合には、最大の注
意を払うこと。
・ 上 昇 率 が 100 ft/min 未 満 の デ ー タ は 記 載 し て な い 。
・ 実 際 の 飛 行 試 験 に よ り 得 ら れ た デ ー タ で 、 外 気 温 度 が ISA +30℃
以 上 、 若 し く は ISA-20℃ 以 下 で の 気 圧 高 度 の デ ー タ は 記 載 し て な
い。
Takeoff Climb Gradient
Press
Alt
%
Temperature °C
FT
-20
-10
ISA
10
20
30
SL
2000
8.74
8.58
8.43
8.28
8.15
8.02
7.12
6.98
6.86
6.74
6.63
6.52
4000
6000
5.54
5.43
5.33
5.24
5.15
5.07
4.06
2.62
3.98
2.57
3.91
2.53
3.84
2.48
3.77
2.44
3.71
2.40
8000
10000
12000
5− 10b
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
最大上昇率
状態:
重 量 ······································ 1,653 lbs(749kg)
フ ラ ッ プ ······························· フ ル ・ ア ッ プ ( 0°)
出 力 ····················· フ ル ・ ス ロ ッ ト ル ( WOT指 示 灯 が ON)
指 示 対 気 速 度 ································· 80 KIAS( VY)
注記:
・
この表の外気温度より低い温度で運用する場合には、表の中の
最も低いデータを使用すること。
・
この表の外気温度より高い温度で運用する場合には、最大限の
注意を払うこと。
・ 上 昇 率 が 100 ft/min 未 満 の デ ー タ は 記 載 し て な い 。
・
表 の デ ー タ は 実 際 の 飛 行 試 験 に よ る も の で 、 気 温 が ISA +30℃ 以
上 、 若 し く は ISA -20℃ 以 下 で の 気 圧 高 度 の デ ー タ は 記 載 し て い な
い。
Maximum Rate of Climb
FT/MIN
Press
Alt
Temperature ℃
FT
-20
0
20
40
ISA
SL
1000
2000
3000
4000
5000
6000
7000
8000
9000
10000
11000
12000
753
701
648
594
541
488
436
383
330
277
224
171
119
712
659
606
553
500
447
395
342
290
238
185
133
672
620
567
514
462
410
358
306
254
202
150
636
584
532
682
633
584
535
486
436
389
340
292
243
195
146
5− 11
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
最大上昇勾配
状態:
重 量 ······································1,653 lbs(749kg)
フ ラ ッ プ ······························· フ ル ・ ア ッ プ ( 0°)
出 力 ····················· フ ル ・ ス ロ ッ ト ル ( WOT指 示 灯 が ON)
指 示 対 気 速 度 ································· 80 KIAS( VY)
注記:
・
この表の外気温度より低い温度で運用する場合には、表の中の
最も低いデータを使用すること。
・
この表の外気温度より高い温度で運用する場合には、最大限の
注意を払うこと。
・ 上 昇 率 が 100 ft/min 未 満 の デ ー タ は 記 載 し て な い 。
・ 表 の デ ー タ は 実 際 の 飛 行 試 験 に よ る も の で 、 気 温 が ISA +30℃ 以
上 、 若 し く は ISA -20℃ 以 下 で の 気 圧 高 度 の デ ー タ は 記 載 し て い な
い。
Maximum Climb Gradient
FT/NM
Press
Alt
Temperature ℃
FT
-20
0
20
40
ISA
SL
1000
2000
3000
4000
5000
6000
7000
8000
9000
10000
11000
603
551
500
450
401
356
311
269
227
187
148
112
549
499
450
403
357
314
272
232
192
155
118
500
453
406
362
319
278
237
200
162
127
457
412
368
512
468
425
384
343
304
266
230
194
160
125
5− 12
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
THIS PAGE INTENTIONALLY LEFT BLANK
5− 13
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
着陸復行上昇率
状態:
重 量 ······································1,653 lbs(749kg)
フ ラ ッ プ ·············································· 30°
出 力 ······················· フ ル ・ ス ロ ッ ト ル ( WOT指 示 灯 ON)
指 示 対 気 速 度 ······································ 65 KIAS
注記:
・
この表の外気温度より低い温度で運用する場合には、表の中の
最も低いデータを使用すること。
・
この表の外気温度より高い温度で運用する場合には、最大限の
注意を払うこと。
・ 上 昇 率 が 100 ft/min 未 満 の デ ー タ は 記 載 し て な い 。
・ 表 の デ ー タ は 実 際 の 飛 行 試 験 に よ る も の で 、 気 温 が ISA +30℃ 以
上 、 若 し く は ISA -20℃ 以 下 で の 気 圧 高 度 の デ ー タ は 記 載 し て い な
い。
Balked Landing Rate of Climb
Press
Alt
FT/MIN
Temperature °C
FT
-20
-10
ISA
10
20
30
SL
477.8
458.8
440.6
423.2
406.4
390.4
2000
387.4
368.4
350.2
332.9
316.2
300.2
4000
297
278
259.9
242.6
226
210.1
6000
206.7
187.9
169.8
152.6
136.1
120.2
8000
116.6
10000
12000,
5− 13a
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
THIS PAGE INTENTIONALLY LEFT BLANK
5− 14
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
着陸復行上昇勾配
状態:
重 量 ······································1,653 lbs(749kg)
フ ラ ッ プ ·············································· 30°
出 力 ····················· フ ル ・ ス ロ ッ ト ル ( WOT指 示 灯 が ON)
指 示 対 気 速 度 ······································ 65 KIAS
注記:
・
この表の外気温度より低い温度で運用する場合には、表の中の
最も低いデータを使用すること。
・
この表の外気温度より高い温度で運用する場合には、最大限の
注意を払うこと。
・ 上 昇 率 が 100 ft/min 未 満 の デ ー タ は 記 載 し て な い 。
・ 表 の デ ー タ は 実 際 の 飛 行 試 験 に よ る も の で 、 気 温 が ISA +30℃ 以
上 、 若 し く は ISA -20℃ 以 下 で の 気 圧 高 度 の デ ー タ は 記 載 し て い な
い。
Balked Landing Climb Gradient
Press
Alt
%
FT
-20
Temperature °C
-10
ISA
10
SL
2000
6.57
6.45
6.34
5.26
3.83
5.16
3.75
2.57
2.52
4000
6000
8000
20
30
6.23
6.13
6.03
5.07
3.69
4.98
3.62
4.90
3.56
4.82
3.50
2.48
2.43
2.39
2.35
10000
12000
5− 14a
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
着 陸 距 離
着陸距離表は航空機が表に記載された対気速度で、ランウェイ・スレシュ
ホ ー ル ド の 50 ft AGLを 通 過 し た 時 点 か ら の 距 離 で あ る 。
状態:
風 ···················································· 無 風
滑 走 路 ···································· 乾 燥 、 水 平 、 舗 装
重 量 ······································ 1,653 lbs(749kg)
フ ラ ッ プ ······························ フ ル ・ ダ ウ ン ( 30°)
出 力 ·················································· IDLE
ブ レ ー キ ···································· 適 度 に 使 用 す る
着 陸 地 点 の 上 空 50 ftで の 速 度 ························ 65 KIAS
注記:
・
安全上、実際より高い気圧高度、若しくは外気温度での着陸距
離 を 使 用 す る 。 例 え ば 気 圧 高 度 475 ft、 外 気 温 度 4℃ の 場 合 に は 、
気 圧 高 度 1000 ft、 外 気 温 度 10℃ の 着 陸 距 離 を 使 用 す る 。
・
向 か い 風 成 分 が 12 knot増 す 毎 に 、 着 陸 距 離 は 10% 減 少 す る 。 追
い 風 で の 運 用 す る 場 合 に は 、 追 い 風 成 分 が 10 knot を 超 え て 、 2
knot 増 す 毎 に 着 陸 距 離 が 10% 増 加 す る 。
・ 乾 い た 草 地 の 滑 走 路 で は Gnd roll 距 離 が 15% 増 加 す る 。
・
この表の外気温度より低い温度で運用する場合には、表の中の
最も低いデータを使用すること。
・
この表の外気温度より高い温度で運用する場合には、最大限の
注意を払うこと。
・
デ ー タ は 実 際 の 試 験 飛 行 に よ る も の で 、 気 温 が ISA +30℃ 以 上 、
若 し く は ISA -20℃ 以 下 の 気 圧 高 度 の デ ー タ は 記 載 し て い な い 。
5− 15
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
着 陸 距 離
50 ft超え速度: 65 KIAS
Press
Alt
Distance
FT
FT
SL
1000
2000
3000
4000
5000
6000
7000
8000
9000
10000
フラップ 30°
Temperature - ℃
0
10
20
30
40
ISA
Gnd roll
797
826
856
885
914
841
Over 50FT
Gnd roll
Over 50FT
Gnd roll
Over 50FT
Gnd roll
Over 50FT
Gnd roll
Over 50FT
Gnd roll
Over 50FT
Gnd roll
Over 50FT
Gnd roll
Over 50FT
Gnd roll
Over 50FT
Gnd roll
Over 50FT
Gnd roll
Over 50FT
1457
827
1499
857
1542
890
1587
923
1633
959
1682
995
1732
1055
1822
1116
1913
1184
2012
1253
2112
1498
857
1541
888
1585
922
1632
957
1680
994
1730
1031
1781
1094
1875
1157
1968
1227
2070
1298
2174
1539
887
1584
920
1629
955
1677
991
1726
1029
1778
1068
1831
1133
1927
1199
2023
1271
2128
1344
2235
1580
918
1626
951
1672
988
1722
1024
1773
1064
1827
1104
1881
1171
1979
1620
948
1668
983
1716
1519
867
1555
892
1590
920
1628
947
1666
977
1707
1006
1747
1059
1827
1113
1907
1171
1994
1229
2081
5− 16
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
最良滑空速度、及び距離
航空機全備重量
最良滑空速度
1,653 LBS( 7 4 9 k g )
80 KIAS
滑空距離表
状態:
フ ラ ッ プ ······························· フ ル ・ ア ッ プ ( 0°)
出 力 ···································· IDLE、 ス ロ ッ ト ル 閉
プ ロ ッ プ ······································ ウ ィ ン ド ミ ル
対 気 速 度 ··········································· 80 KIAS
飛 行 姿 勢 ·············· 真 っ 直 ぐ に 滑 空 す る ( 旋 回 し な い こ と )
警
告
着 陸 パ タ ー ン は 含 ん で い な い 。 旋 回 、 及 び /若 し く は 滑
空速度の訂正によりコースを変更する場合には、滑空
距離が減少する。
5− 17
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
THIS PAGE INTENTIONALLY LEFT BLANK
5− 18
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
騒音に関する事項
本 航 空 機 は 航 空 法 施 行 規 則 附 属 書 第 2『 航 空 機 の 騒 音 の 基 準 』 第 6章 、 国 際
民 間 航 空 条 約 の 附 属 書 16 第 1巻 第 10章 が 適 用 さ れ る 航 空 機 ( 平 成 17年 11月 24
日付)に規定された騒音基準に適合している。騒音値は下記の通りである。
飛行フェーズ
離
騒音値
( dB)
基準値
( dB)
74.0
79.2
陸
国際民間航空条約の付属書に基づく記載は次頁による。
本 航 空 機 は Dawley式 DEL200201-003型 の 減 音 型 排 気 管 を 装 備 し な け れ ば な ら
な い 。 減 音 型 の Dawley式 排 気 管 P/N DEL200201-003は テ イ ル ・ パ イ プ 内 の 2
枚 の バ ッ フ ル P/N DEL200201-508、 及 び パ イ プ 面 上 2個 の 楕 円 開 口 孔 に よ り
確認出来る。バッフル、及び楕円開口孔がテイル・パイプに確認出来なけ
れ ば 、 そ の 排 気 管 は Dawley式 排 気 管 P/N DEL200201-002で あ る 。
図
5-1
5− 18a
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
航
空
局
承
認
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
Tab le 1
この騒音に関する文章は、国際民間航空条約の附属書16第1巻ATTACHMENT Gの規定(以下「ICAO書式」という。) に従い作成し
たものであり、日本国として、飛行規程の一部として承認したものである。
日本国においては、騒音基準への適合性は耐空証明の一部として実施しており、騒音証明書は発行しておらず、騒音に関する
事項は飛行規程に記載していることから、この騒音に関する文書も飛行規程に取り入れることとした。
従って、ICAO書式で記載が求められているものの、飛行規程に取り入れる上で適当でない項目18「国際民間航空条約の附属書
16第1巻の適合に関する声明」、項目19「発行年月日」、及び項目20「署名」は削除している。
また、飛行規程が型式として管理されている場合には、項目4「国籍、及び登録記号」、及び項目6「航空機製造番号」の記入が
省略されている場合がある。
This Noise Document is made pursuant to Annex 16, Volume I, Attachment G to the Convention on International
Civil Aviation (hereinafter referred to as ICAO Format )and approved as a part of Aircraft Flight Manual.
In Japan, Compliance to the Noise Requirement is certified as a part of Airworthiness Certification. Noise
Certificate is not issued and Noise Characteristics are described in Aircraft Flight Manual. Therefore, Japan
determined to incorporate this Noise Document into the Aircraft Flight Manual.
Accordingly, Item 18 Statement of Compliance , Item 19 Date of Issuance
and Item 20 Signature , which
are parts of
ICAO Format
but not appropriate for inclusion in the Aircraft Flight Manual, are deleted.
In respect of the Aircraft Flight Manual which is published and managed by Aircraft Type, it may be a case
that Item 4 Nationality and Registration Marks
and Item 6 Aircraft Serial Number
are blank.
1 登録国
3 文書番号(必要な場合)
State of Registry
Document Number(If needed):
日本国(Japan)
NONE
4 国籍、及び登録記号
Nationality and
Registration Marks:
2 騒音に関する文書
NOISE DOCUMENT
5 航空機型式、及び製造者
Manufacturer and Manufacturer s Designation Of Aircraft:
6 航空機製造番号
Aircraft
Serial
Number:
リ バ テ ィ 式 XL-2型
LIBERTY Model XL-2
リバティ・エアロスペース社
Liberty Aerospace Incorporated.
7 発動機
Engine:
コンチネンタル式IFO-240B型
Continental IOF-240B
8 プロペラ*
Propeller:*
MT Propeller式 MT175R127-2Ca型
MT Propeller MT175R127-2Ca
9 最大離陸重量
Maximum Take-Off Mass:
1,653 lbs (749 kg)
10 最大着陸重量*
Maximum Landing Mass:*
1,653 lbs (749 kg)
11 騒音証明基準
Noise Certification Standard:
Chapter 10
12 適用を受ける騒音証明基準に適合する目的で行われた追加の改造
Additional modifications incorporated for the purpose of compliance with the applicable
Standards:
Dawley式 DEL200201-003型
減音型排気管の装備
It must be install the reduced sound Dawley exhaust P/N DEL200201-003
13 側方測定点におけ
14 進入測定点におけ
15 離陸測定点におけ
16 上空通過測定点に
る離陸中の騒音値*
る着陸中の騒音値*
る離陸中の騒音値*
おける通過中の騒音値
Lateral/Full-Power
Approach Noise
Flyover Noise
*
Noise Level:*
Level:*
Level:*
Overflight Noise
Level:*
noise certification
17 離陸測定点におけ
る離陸中の騒音値*
Take-off Noise
Level:*
NA
NA
NA
備考
Remarks:
*この欄は騒音証明基準によっては省略することが可能。
*These boxes may be omitted depending on noise certification Standard.
5− 18b
P/N
135A-97 0-007-1
IR
NA
74.0 db
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
第 6 章
重 量 重 心
目
次
序
文 ········································· 6− 3
機 体 測 定 手 順 ······································· 6− 4
重 量 重 心 位 置 の 決 定 ································· 6− 7
ステーションによるC.G.の計算 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 6 − 9
航空機重量測定記録 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 6 − 1 0
空虚重量での重量重心位置の計算 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 6 − 1 0
重心位置限界 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 6 − 1 1
航空機荷重図 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 6 − 1 2
荷 重 グ ラ フ ········································ 6− 13
荷
重
表 ········································ 6− 14
航 空 機 荷 重 算 定 表 ·································· 6− 15
合 計 モ ー メ ン ト 限 界 ································ 6− 16
重 心 位 置 ( ア ー ム ) 限 界 ···························· 6− 17
重 量 重 心 更 新 記 録 表 ································ 6− 18
6− 1
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
THIS PAGE INTENTIONALLY LEFT BLANK
6− 2
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
第 6 章
重 量 重 心
序
文
この章ではこの航空機の基本空虚重量、及びモーメントを決める手順につい
て 記 載 す る 。 モ ー メ ン ト を 航 空 機 の 重 量 で 割 る と 、 重 量 重 心 位 置 (C.G.) の
モーメント・アームを得る。参考に見本を用意するので、必要によりコピー
すること。重量、及びモーメントの計算には、航空機の限界による安全性の
確保が含まれている。この航空機の標準装備品、及び追加装備品の装備品リ
ストがこの章の末尾に記載してある。工場出荷時に於ける重量重心位置レ
ポートが参照できるように、この章内に重量、アーム、モーメント、及び装
備済みの装備品に関する諸元が記載してある。
警
告
重量重心位置の把握は操縦士にとっての責任である。重
量重心位置限界を逸脱して運用した場合には、重大で深
刻な損壊を招く結果となる。
6− 3
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
機体測定手順
レベリング
航空機の重量測定の前に横、及び縦方向のレベルを取ること。
横方向のレベルを測定する場合には、ドアを開けた状態で、左右ドアの敷
居の間に棒(機軸の右側で角度を測定する)を横たえて行う。レベルを調
整してドアの敷居の前方部、若しくは後方部で測定する。
縦方向のレベルを測定する場合には、ドアを開けた状態で、ドアの敷居に
棒を沿わせて測定する。
測
定
必要な器具:
・
機械式、若しくは電気式のスケール。メイン・ギア用には最小容
量 800 lbs、 ノ ー ズ ・ ギ ア 用 に は 最 小 容 量 500 lbs.
・ スケールに航空機を乗せるためのランプ、スケール上でホイール
を固定するためのチョーク、及びレベルを出すためのシム材。
手順:
注 記
航空機の重量を測定する場合には、屋内の風が当らない
場所で測定すること。
a. 必 要 な 装 備 品 が 全 て 整 っ て い る こ と 。 不 必 要 な 荷 物 を 貨 物 室 、 及 び
操縦室のポケット等から取り卸すこと。
b. 燃 料 を 抜 き 、 使 用 不 能 量 を 燃 料 タ ン ク に 補 充 す る 。 (1.5 U.S Gal)
c. 滑 油 が デ ィ ッ プ ス テ ィ ッ ク の MAX マ ー ク ま で あ る こ と 。
d. フ ラ ッ プ を 上 げ 、 全 て の フ ラ イ ト ・ コ ン ト ロ ー ル を 中 立 に す る 。
6− 4
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
e. ス ケ ー ル に 航 空 機 を 乗 せ る 。 ス ケ ー ル 上 で は ノ ー ズ ・ ホ イ ー ル を 中
立に維持して、メイン・ホイール・レグには如何なる荷重も掛けて
はならない。キャノピー・ドアは閉じる。全てのホイールにチョー
クをかける。
注 記
航空機の重量からチョークの風袋重量を引くこと。
f. 航 空 機 の 横 、 及 び 縦 方 向 の レ ベ ル に 必 要 で あ れ ば シ ム 材 を 使 用 す る 。
注 記
レベル調整に使用するためのシム材は、スケールの上、
若しくは下に挿入する。スケールの上で使用する場合
には、航空機のホイール重量からシムの風袋重量を減
じること。レベルの細かな調整はタイヤの空気圧を抜
いて行うと良い。
重量重心位置計算のための、この航空機のノーズ・ホイール、及びメイ
ン ・ ホ イ ー ル 間 の 距 離 は 5 7. 5 1 i n ( 測 定 値 y )、 ミ ッ ド ・ ポ イ ン ト は
2 8 . 7 5 i n で 始 ま る ( 図 6 - 1 )。 左 右 メ イ ン ・ ギ ア の 中 心 線 間 の 距 離 は 7 0 . 3 6
i n 、 若 し く は 左 右 の メ イ ン ・ ギ ア か ら 航 空 機 の 中 心 線 ま で の 距 離 は 3 5 .18
i n ( 図 1 - 1 )。
6− 5
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
図 6-1
機体緒元データ
6− 6
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
重量重心位置の決定
この航空機は工場出荷時に航空機の重量を測定し、基本空虚重量、及び重量
重心位置を算出している。ノーズ・ホイール、及びメイン・ホイール間の距
離 は 57.51 in で 、 こ の 値 を 航 空 機 の 重 量 重 心 位 置 計 算 に 使 用 し て い る 。
しかしながら改造、記録の紛失、装備品の追加、若しくは取り卸し、サービ
ス・ブリテンの実施、及びオーバー・タイムによる重量の変化が生じた場合
には、基本空虚重量、及び重心位置を訂正するために再度航空機の重量測定
が必要である。基本空虚重量、及び重心位置改訂の確認は操縦士の業務とし
て必須である。
1.
準備:
a. タ イ ヤ を 規 定 の 空 気 圧 に 調 整 す る 。
b. ブ レ ー キ ・ リ ザ ー バ ー の 油 量 を 点 検 す る 。
c. 燃 料 タ ン ク ・ サ ン プ ・ ド レ イ ン ・ フ ィ ッ テ ィ ン グ と ガ ス コ レ ー
タ・バルブ・ドレイン・プラグを取外して、全ての燃料を抜き
取る。
d. 滑 油 の 油 量 を 点 検 す る 。
e. フ ラ ッ プ を 上 げ る 。
f. 全 て の 動 翼 を 中 立 位 置 に セ ッ ト す る 。
g. 装 備 品 表 に 従 い 装 備 品 の 装 備 、 及 び 取 り 付 け 位 置 を 確 認 す る 。
h. 風 袋 の 重 量 を 差 し 引 く 。
2.
レベリング:
a . 各 ホ イ ー ル の 下 に ス ケ ー ル を セ ッ ト す る 。( ス ケ ー ル の 容 量 は 、
ノ ー ズ 500 lbs、 メ イ ン 各 々 1000 lbs)
b. 操 縦 士 側 の ド ア の 敷 居 に ス ピ リ ッ ト ・ レ ベ ル を 沿 わ せ て 縦 レ ベ
ルを、ドアの敷居間にスピリット・レベルを横たえて横レベル
を 調 整 す る 。 代 替 方 法 に は ウ ォ ー タ ー ラ イ ン 50.0 位 置 の 前 後
のツール・ホールを除いて機体レベルを調整する方法もある。
十分なレベル調整のためには、必要に応じてスケールの下にシ
ム材を用いる。
3.
測定:
a. 機 体 の レ ベ ル 調 整 後 に ド ア を 閉 じ て ブ レ ー キ を 解 除 し 、 各 ス
ケールを読んで重量を記録する。
6− 7
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
4.
各メイン・ホイールの重量と基準線の後方距離とを掛ける。これをホ
イール・モーメントと呼ぶ。ノーズ・ホイールの重量と基準線の後方距
離とを掛ける。これをノーズ・ホイール・モーメントと呼ぶ。
モ ー メ ン ト (in.lbs)= ネ ッ ト ・ ウ エ イ ト (lbs)×ア ー ム (in)
5.
測定されたモーメントを合計し、指定の欄に記録する。
6.
次の計算式にて基準線後方のインチで、重心位置を計算し、記録する。
C.G (in) = 合 計 モ ー メ ン ト (in.lbs)÷合 計 重 量 (lbs)
7.
基本状態を決める場合には、測定時に含まれていない装備品の重量を
加 え る か 、 若 し く は 減 じ る 。 上 記 の C.G 計 算 式 を 用 い て こ の 状 態 で の
C.G を 求 め る 。
8.
滑 油 を 排 出 し た 状 態 で 測 定 し た 場 合 に は 、 滑 油 (15 lbs, STN 38.09)
分を加えて訂正すること。基本空虚重での量重心位置を求めるために、
上 記 の C.G.計 算 式 を 用 い て 使 用 不 能 燃 料 (9.0 lbs, STN 101.80)分 を 加
えて訂正すること。
9.
新 し い 重 量 、 及 び 重 心 位 置 を 重 量 重 心 位 置 表 (表 6-1) に 記 録 す る 。
上記の手順で航空機の基本空虚重量、モーメント、及び基準線後方における
インチでの重心位置を決める。3 個のモーメント(左、及び右メイン・ホ
イール、若しくはジャッキ・ポイントとノーズ・ホイール)を一緒に加える。
これを(空虚機体)合計モーメントと呼ぶ。合計モーメントを合計空虚重量
(左右、及びノーズ・ホイール重量の合計)で割る。これが基準線後方のイ
ンチで表された空虚機体での重心の位置である
注 記
計 算 時 の 桁 数 を 減 少 さ せ る た め に 、 モ ー メ ン ト を 1000
で 割 り モ ー メ ン ト /1000 で 表 示 す る 。 全 て の 計 算 に
これを使用している。
6− 8
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
ス テ ー シ ョ ン に よ る C.G.の 計 算
3.1
垂 直 ロ ー ル オ ー バ ー ・ フ ー プ ( 操 縦 室 開 放 時 の 最 前 部 ) の 前 方 70.75 が
ス テ ー シ ョ ン で あ る 。 基 準 線 の 後 方 7 0 . 7 5 i n で 表 わ す ( 図 6 - 2 )。
図 6-2
A = 95.89
機体諸元データ
, B = 38.63
, Y = 57.26
6− 9
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
航空機重量測定記録
Position
Scale
Reading
-Tare wt
(lbs)
=Net wt
(lbs)
L Main (L)
R Main (R)
Nose (N)
Total as
Weighed
表 6-1
航空機重量測定記録
空虚重量での重量重心位置の計算
Individual
Wt (lbs)
Item
X ARM
(inches aft of
datum)
L Main (L)
95.60
R Main (R)
95.60
Nose (N)
38.09
Total Wt
Total
Moment/
1000
Total Moment/1000 Divided by
Total Wt (ARM = empty A/C
center of gravity)
表 6-2
空虚重量での重量重心位置の計算
6− 10
P/N
135A-97 0-007-1
IR
Moment/
1000
(in.lbs.)
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
重心位置限界
Gal.
Empty Wt
Pilot
Copilot
Fuel
Baggage
Zero Fuel
Ramp Weight
Weight
(lbs)
1174
0.0
1174
1174
表 6-3
Arm
(in)
83.20
79.78
79.78
101.80
118.00
83.20
83.20
Moment
(in.lbs.)
97676.8
97676.8
97676.8
重心位置限界
6− 11
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
航空機荷重図
下図は操縦士、乗客、燃料、及び貨物等の搭載位置とアームを示す。
図 6-3
胴体ステーション
6− 12
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
荷重グラフ
操 縦 士 、 副 操 縦 士 、 燃 料 、 及 び 荷 物 の モ ー メ ン ト / 1 0 00 を 決 め る 場 合 に は 、
各 項 目 の 実 際 の 重 量 を グ ラ フ の 左 側 に 記 入 す る 。 項 目 ( 操 縦 士 /副 操 縦 士 、
燃料、若しくは貨物)と斜線との交点を読み取り、それからモーメント
/1000 を 決 め る た め に 読 み 下 げ る 。
図 6-4
荷重グラフ
6− 13
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
荷
重
表
燃 料 、 及 び 各 有 償 荷 重 の モ ー メ ン ト /1000 を 決 め 、 次 の 表 を 使 用 し て 航 空 機
の 荷 重 表 を 作 成 す る 。 (表 6-4)
20
40
Pilot &
Co-pilot
STN
79.78
1.60
3.19
60
4.79
7.08
6.11
80
6.38
9.44
8.14
100
7.98
11.80
10.18
120
9.57
12.22
140
11.17
14.25
160
12.76
16.29
180
14.36
200
15.96
220
17.55
240
19.15
260
20.74
280
22.34
300
23.93
320
25.53
340
27.13
360
28.72
380
30.32
400
420
31.91
33.51
Weight
(lbs)
表 6-4
Baggage
STN
118.00
Fuel
STN
101.80
2.36
4.72
2.04
4.07
荷重表
6− 14
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
航空機荷重算定表
手順書:
飛行毎に航空機の重量重心位置を計算するために、次の算定表を使用
する。この頁はコピーして荷重算定表として使用するように推奨して
い る 。 各 項 目 の モ ー メ ン ト は 計 算 す る か ( 項 目 重 量 ×項 目 ア ー ム = 項
目 モ ー メ ン ト / 1 0 0 0 )、 若 し く は 頁 6 - 1 5 の グ ラ フ か ら 決 め る 。
C.G.= 総 合 計 モ ー メ ン ト ÷総 合 計 重 量
Gal.
Empty Wt
Weight
(lbs)
Arm
(in)
Moment
(in.lbs.)
1174
83.20
97676.8
Pilot
79.78
Passenger
79.78
Fuel
(6 lbs/gal)
101.80
Baggage
(100 lbs
max)
118.00
Total Wt
Total Moment
÷1000
Loaded C.G.
Location
表 6-5
航空機荷重算定表
次 の 6-16、 及 び 6-17 頁 に 記 載 し た 合 計 モ ー メ ン ト 限 界 、 若 し く は
重 心 位 置 限 界 (ア ー ム ) の 表 を 使 用 し て 、 航 空 機 の 重 量 重 心 位 置 が
限界内であることを確かめる。
6− 15
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
合計モーメント限界
次 の グ ラ フ 、 若 し く は 表 を 使 用 し て 、 航 空 機 荷 重 算 定 表 ( 表 6-4) に よ る 重
量、及びモーメントが限界内であることを確かめる。
Wt (lbs)
1200
1250
1300
1350
1400
1450
1500
1550
1600
1653
図 6-5
Moment/1000
Minimum
Maximum
99
103
107
111
115
119
123
127
132
138
104
108
113
117
121
126
130
134
139
143
モーメント限界
6− 16
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
重 心 位 置 (ア ー ム )限 界
次 の 表 は 基 準 線 ( ま た は MAC の パ ー セ ン テ ー ジ ) か ら 、 イ ン チ で 航 空 機 の 重
心位置範囲を記載している。
重量重心位置限界
前 方 : 1,554 lbs( 704kg) に お い て 基 準 面 の 82.20イ ン チ 後 方
中 間 : 1,653 lbs( 749kg) に お い て 基 準 面 の 83.48イ ン チ 後 方
後 方 : 1,653 lbs( 749kg) に お い て 基 準 面 の 86.75イ ン チ 後 方
図 6-6
機 体 C.G.位 置 範 囲
6− 17
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
重量重心更新記録表
次の表(コピーして、必要により頁を追加する)には、この航空機の構造、
若しくは装備品の変更による重量重心位置の経歴を記録する。
Serial Num:
Reg. Num:
Item No.
Description of Article
or Modification
Date
In
Out
Page
Weight Change
Running Basic
Added (+) or Removed (-)
Empty Weight
WT
ARM
MOM/
WT
MOM/
LB
IN
1000
LB
1000
As Delivered
表 6− 6
重量重心更新記録表
6− 18
P/N
135A-97 0-007-1
IR
of
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
第 7 章
航空機とシステムの概要
目
次
序
文 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 5
胴 体 構 造 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 6
ウ イ ン グ ・ フ ラ ッ プ · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 7
フ ラ ッ プ ・ ポ ジ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ · · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 7
プ ラ イ マ リ ー ・ フ ラ イ ト ・ コ ン ト ロ ー ル · · · · · · · · · · · · · · · 7− 8
ピ ッ チ ・ コ ン ト ロ ー ル ・ シ ス テ ム · · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 8
ロ ー ル ・ コ ン ト ロ ー ル ・ シ ス テ ム · · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 9
ヨ ー ・ コ ン ト ロ ー ル ・ シ ス テ ム · · · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 10
ト リ ム ・ シ ス テ ム · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 11
ピッチ・トリム・スイッチ、及びインディケータ · · · · · · · · · 7− 12
キ ャ ビ ン / フ ラ イ ト ・ デ ッ キ ・ ア レ ン ジ メ ン ト · · · · · · · 7− 13
エ ン ト ラ ン ス ・ ド ア / ウ ィ ン ド ウ · · · · · · · · · · · · · · 7− 13
計
器
板 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 14
セ ン タ ー ・ コ ン ソ ー ル · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 15
貨
物
室 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 15
座
席 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 16
レ フ ァ レ ン ス ・ ア イ ・ ポ ジ シ ョ ン · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 17
キ ャ ビ ン 安 全 装 置 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 18
ラ ン デ ィ ン グ ・ ギ ア · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 19
メ イ ン ・ ギ ア · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 19
ノ ー ズ ・ ギ ア · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 19
ブ レ ー キ ・ シ ス テ ム · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 20
発
動
機 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 21
FAD EC シ ス テ ム · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 21
FAD EC イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ シ ス テ ム · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 25
FAD EC 燃 料 イ ン ジ ェ ク シ ョ ン ・ シ ス テ ム · · · · · · · · · · 7− 26
発 動 機 オ イ ル ・ シ ス テ ム · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 28
発 動 機 ク ー リ ン グ · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 7− 29
7− 1
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
発動機エア・インダクション・システム ···················· 7− 29
発動機排気 ·············································· 7− 29
発動機コントロール ······································ 7− 30
発動機インジケーティング - VM1000 ······················· 7− 30
プ ロ ペ ラ ················································· 7− 37
燃 料 系 統 ················································· 7− 38
燃料ブースト・ポンプ、及びスイッチ ····················· 7− 39
燃 料 油 量 計 ··········································· 7− 39
燃料シャットオフ・バルブ ······························· 7− 39
燃 料 ベ ン ト ··········································· 7− 40
電 気 系 統 ················································· 7− 41
プライマリー・バッテリー ································ 7− 41
セカンダリー・バッテリー ································ 7− 41
オルタネータ・システム ·································· 7− 43
マスター・スイッチ ······································ 7− 43
アビオニクス・パワー・スイッチ ·························· 7− 44
電圧計 / 電流計 ········································· 7− 44
ALT FAIL 注意灯 ········································· 7− 45
サーキット・ブレーカ、及び ヒューズ ····················· 7− 46
外 部 照 明 ················································· 7− 47
内 部 照 明 ················································· 7− 48
キャビン・ベンチレーション ··································· 7− 49
ストール・ワーニング・システム ······························· 7− 49
ピトー・スタティック・システム ······························· 7− 50
対 気 速 度 計 ··········································· 7− 50
高
度
計 ··········································· 7− 50
昇
降
計 ··········································· 7− 51
ピトー・ヒート・スイッチ ······························· 7− 52
ピトー・ヒート・ライト ································· 7− 52
オルタネート・スタティック・ソース ····················· 7− 52
アビオニクス、及び航法 ······································· 7− 53
マグネチック・コンパス ·································· 7− 53
姿 勢 指 示 器 ············································ 7− 53
定
針
儀 ············································ 7− 54
7− 2
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
旋
回
計 ··········································
オーディオ・システム ··································
GPS ナビゲーション ····································
コミュニケーション (COM) トランシーバー················
ナビゲーション (NAV) レシーバー ·······················
トランスポンダ ········································
アワー・メータ ········································
デジタル時計 / 外気温時計 ·····························
7− 54
7− 55
7− 56
7− 58
7− 58
7− 59
7− 59
7− 60
7− 3
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
THIS PAGE INTENTIONALLY LEFT BLANK
7− 4
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
第 7 章
航空機とシステムの概要
序
文
この章では航空機の構造、構成、レイアウト、及びシステムの運用について
説明する。この章で説明する装備品のいくつかは、任意装備の機器であり、
全ての航空機に装備されるものではない。
この他の任意装備のシステム、及び装置の詳細や運用方法等については、第9
章を参照すること。
7− 5
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
胴 体 構 造
こ の 航 空 機 は 低 翼 式 、 2座 席 仕 様 の 航 空 機 で あ る 。 座 席 配 置 は 並 列 で あ る 。
主翼はアルミニウム製の従来型セミ・モノコック構造で、主桁、後部桁、リ
ブ、ストリンガー、及びスキンで構成される。アルミニウム製のスロット型
フ ラ ッ プ が ス パ ー 、 リ ブ 、 及 び ス キ ン で 構 成 さ れ 、 3つ の ヒ ン ジ に よ り 、 各 主
翼の内側後方に取付けられている。アルミニウム製のエルロンは桁、リブ、
スキン、及び内側と外側のマス・バランス・ウェイト・アッセンブリで構成
さ れ 、 2つ の ロ ゥ ワ ー ・ サ ー フ ェ イ ス ・ ヒ ン ジ に よ り 、 各 主 翼 の 外 側 後 方 に 取
付けられている。
図7-1
胴体構造
胴体はハイブリッド構造になっている。中央部は、操縦室を囲んだ溶接によ
る 4130 ク ロ ‐ モ リ ・ チ ュ ー ブ 構 造 ( cHS Asis と 呼 ぶ ) で 、 主 翼 、 ラ ン デ ィ
ング・ギア、及び発動機マウントのアタッチメント・ポイントが設置されて
いる。航空機の燃料タンク、及び尾翼もこの構造で固定されている。
垂直尾翼を含む胴体部分は、コンポジット素材の成形型で構築されている。
アルミニウム製スキンのラダーは、ラダー・スキンの片側から伸びたヒンジ
で取り付けられている。プッシュロッドでスタビレータ、及びラダーを操舵
する。
スキン、及び垂直尾翼の内部構造の両方に、多くの炭素繊維素材が使用され
ている。金属素材が落雷防護の要件を満たすために胴体の特定した範囲に接
合されている。
7− 6
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
ウイング・フラップ
大きなス ロ ッ ト 型 フ ラ ッ プ が各主翼に装着されている。各フラップは主翼下面の下方に
オフセットした3個のヒンジで支持されている。
胴体中央部の電気式アクチュエーターが、回転してフラップを動かすためのクロス・チュー
ブを作動させる。アクチュエーターには、 FLAPS サーキット・ブレーカを経由してプラ
イマリー電源系統から電力が供給される。
図 7- 2
ウイング・フラップ
フラップ・ポジション・スイッチ
フラップの操作は、アビオニクス・パネルの右側に設置したスプリング・
ロ ー ド 式 の セ ン タ ー ・ フ ラ ッ プ ・ コ ン ト ロ ー ル ・ ス イ ッ チ を RE T R A CT 、 若
し く は EX T E N D の 位 置 に 維 持 さ せ る 。 フ ラ ッ プ が 動 き だ す と 、 フ ラ ッ プ ・
コ ン ト ロ ー ル ・ ス イ ッ チ の 上 部 に 設 け た 3個 の 指 示 灯 の う ち 1つ が 点 灯 し 、 フ
ラップの位置情報を伝える。フラップの作動機構に組み込まれたポジショ
ン・スイッチが各指示灯を点灯させる。希望する角度にフラップが到達する
と、その位置に対応するポジション・スイッチが押し下げられて、相対する
指示灯が点灯する。フラップが動き続ければ、ポジション・スイッチの押圧
が解除されて指示灯が消灯する。フラップ・コントロール・スイッチを押し
続けた場合には、フラップ・モーターも動き続ける。フラップが一杯に延び
た状態でも、若しくは縮んだ状態でも、フラップ・コントロール・スイッチ
が押された場合には、アクチェターが解除され、フラップ・モーターは空回
りを続ける。希望した方向への作動範囲が終了した場合には、フル・エクス
テンション・インディケータ、若しくはフル・リトラクション・インディ
ケ ー タ が 点 灯 す る 。 標 準 の 航 空 機 で は 、 フ ラ ッ プ ・ ポ ジ シ ョ ン は 0、 20、 及 び
30 度 に 分 け ら れ て い る 。 フ ラ ッ プ ・ コ ン ト ロ ー ル ・ ス イ ッ チ は 各 々 の 位 置 、
あるいはどの間隔の位置でも解除が可能である。フラップはフラップ・コン
トロール・スイッチが解除された時の位置で停止する。
7− 7
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
プライマリー・フライト・コントロール
ピッチ・コントロール・システム
左 ( 操 縦 士 )、 及 び 右 ( 副 操 縦 士 ) の 操 縦 桿 は 共 有 の コ ン ト ロ ー ル ・ コ ラ
ム・アッセンブリに接続されている。操縦桿が前後に動くと、コラムがセ
ンター・ベアリングに設けたヨークを動かし、貨物室床下の燃料タンク後
方に設置したアイドラー・ベル・クランクを介して、後方(胴体に取り付
けた燃料タンクを通り抜ける トンネル を通って)にこの動きを伝える
た め の プ シ ュ ロ ッ ド を 動 か す 。 そ し て 2番 目 の プ シ ュ ロ ッ ド が ス タ ビ レ ー
タ・トルク・チューブのセンターに設けたコントロール・アームにピッ
チ・コントロールの動きを伝え、このようなトルク・チューブの回転がト
ルク・チューブの中心軸上でスタビレータを上方、及び下方へ動かす。
空気力学的なフラッターを防止するため、スタビレータ・トルク・チュー
ブから前方に突き出した一本のアームの構造内に取り付けた錘によるマ
ス・バランスで、スタビレータはマス・バランス化されている
図 7- 3
ピッチ・コントロール・システム
7− 8
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
ロール・コントロール・システム
操縦桿が両横方向に動くと、コントロール・コラムが主翼のミッド・コー
ド近くまで後方に延びたトルク・チューブを回転させる。トルク・チュー
ブ後方端のベル・クランク・アームが、その回転を胴体中央部の鋼製
チューブに設けられた ロッカー ベル・クランクを動かすために、上向
き に 外 側 へ 延 び た 2本 の プ ッ シ ュ ロ ッ ド に よ る 直 線 的 な 動 き へ と 変 換 す る 。
ロッカーは左右のエルロンにプッシュロッド、及びベル・クランクを経由
して動きを伝えるための主翼付根内の同じロッカーと一対を成している。
図7-4
ロール・コントロール・システム
7− 9
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
ヨー・コントロール・システム
ラダー・ペダル・アッセンブリは左席、及び右席に装備されている。操縦
室両端の計器板下部に設置されている各々のペダル・アッセンブリには調
節式クランクが装着されており、ペダルが前後に調節できるようになって
いる。
ラダー・ペダルの各々の前後の動きは、計器板下部で航空機を縦断して延
びているトルク・チューブを回転させる。リンク、ベル・クランク、及び
プッシュロッドの連携でこの回転を直線の動きに変え、この直線力をラ
ダー・ドライブ・アームへ集約し、胴体を通して後方へ伝え、ペダルの動
きに反応してラダーが左右に動く。
図 7- 5
ヨー・コントロール・システム
7− 10
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
トリム・システム
トリム・タブは各水平尾翼の後桁にヒンジで取付けられている。これらのタ
ブはスタビレータを同じ方向に動かすための装置であり、このような アン
チ・サーボ 効果を発揮して、操縦士のピッチ・コントロール・フォースを
常に補助している。
図 7- 6
ピッチ・トリム・システム
トリム・タブはスタビレータ・ルート・リブにあるスタビレータ・トルク・
チューブを動かすためのリンク・ロッド、及びリンケージを介して、底部後
方胴体の電気式スクリュー・ジャッキに接続される。操縦士がスタビレータ
の要求された角度に一致させる様にトリム・タブをニュートラル若しくは適
正な位置にセットさせることで、航空機のピッチ・トリム機能は作動する。
7− 11
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
図 7- 7
トリム・タブ
ピッチ・トリム・スイッチ、及びインディケータ
アクチュエーターは操縦室センター・コンソールのスイッチで操作する。
スイッチには
NOSE DOW N と
NOSE U P の 表 示 が 施 さ れ て い る 。 セ ン
ター・コンソールに取り付けた一つのインディケータが操縦士にトリム位
置を表示する。スタビレータがニュートラル位置の場合には、スイッチの
NOS E DOWN を 押 し て い る と 、 ア ン チ ・ サ ー ボ ・ タ ブ の 後 縁 が 上 が り 、 イ ン
ディケータの指針は前方へと動く。
トリムに故障が起きた場合には、たとえフル・ノーズ・アップ若しくはフ
ル・ノーズ・ダウンでトリムが故障しても、アウト・オブ・トリム・
フォースが働いて航空機は労力を費やすことなく、若しくは操縦士の特別
な技量に頼ることなく安全に着陸する事が出来る。
図 7- 8
ピッチ・トリム・スイッチ
7− 12
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
キャビン/フライト・デッキ・アレンジメント
エントランス・ドア/ウィンドウ
一つの大きなコンビネーション・エントランス・ドア、及びウィンドウが
航空機の両側に操縦室への乗降用として設けられている。ドアはトップ・
ヒンジ式で、上側に振って開ける。インテグラル・ガス・スプリングはド
アが開く時の補助、及び開いたドアの支持を行う。
ドアの前方、及び後方のドア・ラッチ・ピンが胴体のピン・ブッシングに
納まる。これは各々の内側ドア・ハンドルと各々の外側ドア・ハンドルで
操作する。
各々のドアは開閉式のベント・ウィンドウを併せ持っている。ベント・
ウ ィ ン ド ウ は 通 気 流 量 を 増 加 さ せ る た め 50 Knots 、 若 し く は そ れ 以 下 の ス
ピードであれば開けることができる。ドアを開閉する際はベント・ウィン
ドウが閉じていることを確認する。
警
告
ドアの後側を押して、前後のドア・ラッチ・ピンがピ
ン・ブッシングに納まり、両側のドアが確実に閉じてい
ることを確認する。ドアが確実に閉じていないと、飛行
中に航空機からドアが脱落する恐れがあり、スタビレー
タに損傷を与え操縦不能に陥る可能性がある。飛行中に
ド ア が 開 い た 場 合 に は 、 第 3章 -非 常 操 作 の 飛 行 中 に ド ア
が開いた場合の処置に従い、速やかに着陸すること。
図 7- 9
エントランス・ドア / ウィンドウ
7− 13
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
計
器
板
この航空機の計器板は飛行計器(ピトー・スタティック、及びジャイロ計
器)を含む左側上部、スイッチ類、及びこの章で後記する発動機計器ディ
スプレイ・システムを含む左側下部、アビオニクス スタック 、サーキッ
ト・ブレーカ・パネルを含む中央部、そしてスロットル、ブレーキ・レ
バー、トリム・コントロール・スイッチ、インディケータ、及び燃料
シャットオフ・バルブを含む操縦室センター・コンソールに分けられる。
6個 の 主 要 な 飛 行 計 器 は 、 操 縦 士 の 正 面 に T字 型 で 配 列 さ れ て い る 。 配
列 さ れ た 6個 の 主 要 計 器 と は ; 対 気 速 度 計 、 姿 勢 指 示 器 、 高 度 計 、 旋 回 計 、
定針儀、及び昇降計である。下図は参考であり、実機での配列、若しくは
図中で示す機器が装備されるものではない。
図 7- 10
計器板 / センター・コンソール
7− 14
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
センター・コンソール
センター・コンソール・パネルは少し傾いた状態で、アビオニクス・ス
タックの下に設置されており、燃料ポンプ・モード・スイッチ、発動機オ
ルタネート・インダクション・エア・コントロール、及びトリム・イン
ディケータを収容している。
左席と右席の間のセンター・コンソールにはスロットル・レバー、パーキ
ン グ ・ ブ レ ー キ 装 置 を 含 む 2個 の ブ レ ー キ ・ レ バ ー ( 左 右 の ホ イ ー ル ・ ブ
レ ー キ 用 )、 電 気 式 ピ ッ チ ・ ト リ ム ・ ス イ ッ チ 、 イ ン デ ィ ケ ー タ 、 及 び 非 常
用燃料シャットオフ・バルブが配置されている。
貨
物
室
貨物室は客室と隣接しており、シートバック後方から貨物室のバルクヘッ
ド ま で 伸 び て い る 。 シ ー ト バ ッ ク は 4 × 3 × 2 ft の 貨 物 ス ペ ー ス で 容 易 に ア
ク セ ス で き る 。 最 大 許 容 貨 物 室 積 載 重 量 は 100 lbs。 貨 物 室 の 床 面 荷 重 は 最
大 29 lbs/ft 2 で あ る 。 航 空 機 の 重 量 重 心 位 置 限 界 を 満 足 す る た め に は 重 量
の軽減が要求される。
注 記
貨物室の重量重心位置を確認することは操縦士の責務で
あ る 。( 第 6章 − 重 量 重 心 位 置 を 参 照 の こ と )
7− 15
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
座
席
こ の 航 空 機 の 座 席 は 胴 体 構 造 と 一 体 成 形 さ れ て い る た め 調 節 で き な い 。( 操
縦 士 と 副 操 縦 士 の ラ ダ ー ・ ペ ダ ル は 飛 行 中 、 若 し く は 地 上 で も 調 節 で き る )。
クッションはフック・アンド・ループ・ファスナー(ベルクロ)で座席に
固定されている。クッションが操縦操作を妨害することは有り得ない。
図 7- 11
座席 / 貨物室
7− 16
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
レファレンス・アイ・ポジション
操縦士はシート・クッション位置の調整、及びラダー・ペダルの調整を通
して、操縦士が安全に地上滑走、離陸、進入、着陸、及び航空機の運用限
界内での如何なる運動にも対応できるように、十分に広く且つ澄んで歪み
の無い視野を確保するための目の位置を設定できる。
最 初 に 、 操 縦 士 は 座 席 に 座 り ベ ル ト を 締 め 、 直 下 の VM1000 デ ィ ス プ レ イ
画面への見下しを妨げないように着座での目の高さを決める。次に、計器
板の傾斜した上部表面を通り、ウィンドウを通して航空機の機首へと視線
を上げる。進入、及び着陸、更に飛行方向を見定めるために重要な事は、
機首を見通せる様に着座での目の高さを確実に定めることであり、背の低
い操縦士は特に重要である。
上記に加え、操縦室内からの視野がグレア・シールド、操縦桿、スロット
ル、若しくは膝などによって妨げられないようにし、更に操縦士の視線が
機首を越え地上に向かって直線的に妨げられずに確保され、その後キャノ
ピー・ボウの下部へ上向きに移れるように着座での目の高さを定める必要
がある
図 7- 12
レファレンス・アイ・ポジション
7− 17
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
キャビン安全装置
シートベルト/ショルダー・ハーネス
シ ー ト ベ ル ト 、 及 び 2つ の シ ョ ル ダ ー ・ ハ ー ネ ス が 各 々 の 座 席 に 装 備
されている。シートベルトは座席両側の航空機構造部に固定されてい
る 。 各 座 席 に 装 備 さ れ た 2つ の シ ョ ル ダ ー ・ ハ ー ネ ス は 直 接 各 座 席 後
方のシートバックに設置した一つのフィッティングに接続され固定さ
れる。
シ ー ト ベ ル ト は 標 準 的 な lift -to-relea se 式 メ タ ル ・ ト ウ ・ メ タ
ルのバックルを装備している。各ベルトのアジャスターは締付けに使
用し、バックルはほぼ中央に来るようにする。
各座席に付いている左右のショルダー・ハーネス・ストラップは操縦
士の体を楽にする様にバックルを装備しており、エンド・フィッティ
ングは非対称になっている。ショルダー・ハーネスを締めるには、
シートベルトのバックル・エンドの
トング
を越して、両方の
フィッティングをスライドさせる。ショルダー・ハーネス・フィッ
ティングを正確な向きにするには、ハーネス・ストラップをシートベ
ルト・バックルの上で交差させしてはならない。
エマージェンシィ・セーフティ・ハンマー/消火器
緊急脱出時にドアが開かない場合には、操縦士自身でも容易に手の届
く様に右席のシートバックの収納部に搭載してあるエマージェン
シィ・セーフティ・ハンマーを使用する。エマージェンシィ・セーフ
ティ・ハンマーは機外に脱出するべくキャノピー・ドアを十分に粉砕
するために使用することが出来る。この航空機の別の標準装備品には
消火器があり、左席の操縦士からも容易に手の届く様に右席の後ろに
固定されている。
7− 18
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
ランディング・ギア
メイン・ギア
この航空機は固定式三輪のランディング・ギアを装備している。メイン・
ランディング・ギア・レグは熱処理したアルミニウム合金で作られ、内部
に機械加工によるブレーキ・ラインを併設している。それらは胴体中央部
分にサドル・フィッティング、ボルト、及びブッシングによって留められ
ている。何れのメイン・ランディング・ギア・アッセンブリも互いに影響
することなく航空機から取外すことが出来る。
5.0 0 × 5 の メ イ ン ・ ギ ア ・ ホ イ ー ル は 鋼 鉄 製 の 車 軸 に 取 付 け ら れ て い る 。
各々のギアには油圧式のディスク・ブレーキが装備されている。空力的ホ
イール・フェアリング(任意装備)は各メイン・ランディング・ギア・
ア ッ セ ン ブ リ に 装 備 出 来 る 。 タ イ ヤ 空 気 圧 は 50 p siで あ る 。
ノーズ・ギア
ノ ー ズ ・ ラ ン デ ィ ン グ ・ギ ア ・ レ グ は 熱 処 理 し た ア ル ミ ニ ウ ム 合 金 で 作 ら れ
ている。これらは胴体中央部に一本のブッシング、及びボルトによって固
定 さ れ て い る 。 こ れ は メ イ ン ・ ラ ン デ ィ ン グ ・ギ ア に 影 響 す る こ と な く 航 空
機から取外すことができる。
ノ ー ズ ・ ホ イ ー ル は 5.00 × 5 ; タ イ ヤ 空 気 圧 は 50 psi で あ る 。 ノ ー ズ ・ ホ
イール・アッセンブリはノーズ・ホイール・ステアリングのために左右
80 ° ま で 回 転 可 能 な ボ ー ル ・ ベ ア リ ン グ ( キ ャ ス タ ー ベ ア リ ン グ ) を 介
してノーズ・ギア・レグに固定されたアルミニウム・キャスティング内に
取 付 け ら れ て い る 。 6つ の ス プ リ ン グ 式 鉄 製 ワ ッ シ ャ ー に よ る 1 個 の ス タ ッ
クはノーズ・ホイールに設けたフリクション・ダンパーに加える力を均一
にしている。コンポジット素材で作られた空力的ホイール・フェアリング
はノーズ・ランディング・ギアに取付けられる。
この航空機のグラウンド・ステアリングは左右のメイン・ランディング・
ギア・ブレーキの操作により行われる。どちらの(若しくは両方の)ブ
レーキもブレーキ・レバーの後方操作にて作動、及び制御する。
7− 19
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
ブレーキ・システム
単一のディスク・ブレーキが各々メイン・ランディング・ギア・ホイール
に取付けられている。これらは操縦室センター・コンソールに設けた個々
のマスター・シリンダーによって操作される。ブレーキ・ラインは各マス
ター・シリンダーからメイン・ランディング・ギア・レグを貫通し端まで
伸びている。ギア・レグの機械加工による貫通路、ギア・レグ外側端の短
いフレキシブル・ライン、及びブレーキ・キャリパーに加圧したブレー
キ ・ フ ル ー ド を 供 給 し て い る 。 2個 の ブ レ ー キ ・ レ バ ー が セ ン タ ー ・ コ ン
ソールに設けられている。ブレーキ使用するには片方、若しくは両方のレ
バーを後方に引く。
ラチェット型のパーキング・ブレーキ・レバーがセンター・コンソールの
ブレーキ・レバーの間に取付けられている。パーキング・ブレーキを使用
するには、両方のブレーキ・レバーを後方へ一杯に引いてから中央のパー
キング・ブレーキ・レバーを後方へ引く、そして左右両方のブレーキ・レ
バーを戻す。パーキング・ブレーキの解除するためには、両方のブレー
キ・レバーを一杯に後方へ引き、そしてパーキング・レバーをスプリング
力で前方へと動かす。
ブレーキ・フルードは両方のマスター・シリンダー用として防火壁の発動
機ベイ後部右側に設けた共通のリザーバーに貯蔵している。リザーバーに
給 油 す る に は カ ウ リ ン グ の 上 部 を 外 し て MIL-H-56 06 タ イ プ の ハ イ ド ロ リ ッ
ク・フルードを入れる。
図 7- 13
ブレーキ・システム
7− 20
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
発
動
機
こ の 航 空 機 は テ レ ダ イ ン ・ コ ン チ ネ ン タ ル 式 IOF-240-B 型 発 動 機 を 1 基 搭 載 し
ている、これはフル・オーソリティ・デジタル・エンジン・コントロール
( FADEC ) を 装 備 し た 4 シ リ ン ダ ー 、 水 平 対 向 式 、 空 冷 式 、 自 然 吸 気 式 、 及 び 、
燃 料 噴 射 式 の 2800 RPM 125馬 力 の 発 動 機 で あ る 。
F ADE C シ ス テ ム
この発動機には継続した監視、イグニッション・タイミング、燃料噴射の
タイミング、及び燃料混合比のコントロールを自動で行うためのフル・
オ ー ソ リ テ ィ ・ デ ジ タ ル ・ エ ン ジ ン ・ コ ン ト ロ ー ル ( FADEC) を 装 備 し て い
る 。 マ イ ク ロ プ ロ セ ッ サ を 基 礎 と し た FADE C シ ス テ ム は 発 動 機 の 運 転 状 態
を監視し、与えられたパワー・セッティングに応じて燃料混合比、及びイ
グ ニ ッ シ ョ ン ・ タ イ ミ ン グ を 自 動 で 調 整 す る 。 そ の 結 果 FADE C 装 備 の 発 動
機 で は マ グ ネ ッ ト 、 及 び 手 動 に よ る 燃 料 /空 気 混 合 比 の 調 節 が 必 要 で な く
なった。
FADECシ ス テ ム は 運 転 状 況 、 及 び 故 障 状 態 の 両 方 の 詳 細 を 知 ら せ る 。 更 に 出
力、若しくは推力が入れ替わるのを防ぐように設計されている。プライマ
リー・パワー・ソースの電力が失われた場合には、発動機のコントロール
は セ カ ン ダ リ ー ・ パ ワ ー ・ ソ ー ス ( SP S ) を 使 用 し て 継 続 さ れ る 。 コ ン ト
ロール装置として、このシステムは全般的にシステムの状態を把握するた
めに自己診断を行い、この情報をヘルス・ステータス・アナンシエータ
( HSA) パ ネ ル の 種 々 な 表 示 で 操 縦 士 に 伝 え る 。
FADECシ ス テ ム は 極 度 な 温 度 変 化 に も 耐 え 、 高 温 、 低 温 、 及 び 高 湿 度 の 環 境
下 で も FADEC未 装 着 の 発 動 機 と 同 様 に 運 用 す る こ と が で き る 。
FAD EC シ ス テ ム の 基 本 構 成 機 器 に は 、 2 基 の エ レ ク ト リ ッ ク ・ コ ン ト ロ ー
ル ・ ユ ニ ッ ト ( ECU s )、 ヘ ル ス ・ ス テ ー タ ス ・ ア ナ ン シ エ ー タ ( HSA )( 表
示 パ ネ ル は 操 縦 室 内 に 設 置 )、 及 び FADECセ ン サ ー ・ セ ッ ト が 含 ま れ る 。
7− 21
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
エ レ ク ト リ ッ ク ・ コ ン ト ロ ー ル ・ ユ ニ ッ ト ( ECU)
1 基 の エ レ ク ト リ ッ ク ・ コ ン ト ロ ー ル ・ ユ ニ ッ ト ( ECU ) は 一 対 の 発 動
機 シ リ ン ダ ー に 対 し て 装 備 さ れ て い る 。 4個 の 発 動 機 シ リ ン ダ ー に 対
し 2 基 の ECU を 装 備 し 、 1 基 の ECU は 一 対 の シ リ ン ダ ー に 対 応 す る 。 ECU
は対応する発動機シリンダーの燃料混合比、及びイグニッション・タ
イ ミ ン グ を 制 御 す る 。 ECU1 は 対 向 す る シ リ ン ダ ー 1 、 及 び 2 を 制 御 し 、
ECU 2は シ リ ン ダ ー 3、 及 び 4を 制 御 し て い る 。
各 ECU は 上 部 と 下 部 の 二 層 に 分 か れ て い る 。 下 部 に は 電 気 配 電 盤 が 、
上部にはイグニッション・コイルが内蔵されている。電気配電盤には
2個 の コ ン ト ロ ー ル ・ チ ャ ン ネ ル を 司 る 独 立 し た マ イ ク イ ロ プ ロ セ ッ
サ が 内 蔵 さ れ て い る 。 発 動 機 運 転 中 に は 、 1個 の コ ン ト ロ ー ル ・ チ ャ
ン ネ ル が 1個 の 発 動 機 シ リ ン ダ ー を 作 動 さ せ る た め に 稼 動 す る 。 こ れ
で 1 基 の ECU が 2 個 の 発 動 機 シ リ ン ダ ー を 、 1 個 の コ ン ト ロ ー ル ・ チ ャ ン
ネ ル が 1個 の シ リ ン ダ ー を 制 御 す る こ と が で き る 。
コ ン ト ロ ー ル ・ チ ャ ン ネ ル は 各 々 独 立 し て お り 、 1 基 の ECU 内 に お い て 、
一対のコントロール・チャンネル間で電気構成機器としての相互分担
はしていない。しかしながら、一方のコントロール・チャンネルが故
障 し た 場 合 に は 、 同 じ ECU 内 で 対 を 成 す も う 一 方 の コ ン ト ロ ー ル ・
チャンネルが、定められたシリンダー、及び他の相対する発動機シリ
ンダーのバックアップとして、燃料噴射とイグニッション・タイミン
グの両方の作動を司る。
各コントロール・チャンネルは、各々定められたシリンダーを現在の
運転状況に合わせ、常用運転での条件を超えることなく、最適な性能
を生み出す様に、基準に従い制御している。燃料混合比は濃くするか
薄くするかを、イグニッション・タイミングは遅延させるかを、与え
られた条件で限界を超えずに最小限の範囲で決める。これについて、
FAD EC で コ ン ト ロ ー ル さ れ る 発 動 機 、 及 び FADEC 未 装 着 の 発 動 機 と の 異
差は、個々のシリンダーを他のシリンダーに影響することなくコント
ロール・チャンネルにより燃料混合比を濃く、若しくは薄く出来るこ
とである。
図 7- 14
エ レ ク ト リ ッ ク ・ コ ン ト ロ ー ル ・ ユ ニ ッ ト (EC U)
7− 22
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
ヘ ル ス ・ ス テ ー タ ス ・ ア ナ ン シ エ ー タ ( HSA)
ヘ ル ス ・ ス テ ー タ ス ・ ア ナ ン シ エ ー タ ( HSA ) は 主 要 計 器 板 右 側 、 電
気 ス イ ッ チ と 航 空 機 の 指 示 灯 の 上 に 設 置 さ れ て い る 。 HSA は プ ラ イ マ
リー、若しくはセカンダリー(エマージェンシィ)パワーの不調、セ
ンサー表示の誤り、燃料ポンプの不調、及び失火しているシリンダー
を表示する。
各 HSA 指 示 灯 は 特 殊 な シ ス テ ム 状 態 で 連 動 す る 。 連 動 し た 状 態 を 操 縦
士に告知し、更に対処処置させる為に表示照明が点灯する。指示灯が
点 灯 し た 場 合 に は 、 そ の 表 示 に つ い て 第 3章 -非 常 操 作 の 処 置 に 従 う こ
と。
FAD EC 注 意 灯 の 点 灯 は 圧 力 、 又 は 温 度 セ ン サ ー の 故 障 、 異 常 な 圧 力 、
若 し く は 限 界 値 以 上 の 温 度 、 失 火 /不 燃 焼 シ リ ン ダ ー 、 或 い は 燃 焼 で
き な い シ リ ン ダ ー ( イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ が OFF 、 若 し く は BOTH
位置にない)を表す。
FAD EC 警 報 灯 の 点 灯 は 1 個 以 上 の シ リ ン ダ ー 故 障 を 表 す 。 FADE C 警 報 灯
は FADEC注 意 灯 の 点 灯 に 伴 い 先 行 さ れ て 点 灯 す る 。
EBA T FAI L 注 意 灯 は バ ッ ク ア ッ プ ( セ カ ン ダ リ ー ) パ ワ ー ・ サ プ ラ イ
が 故 障 し た 時 に は 点 灯 す る 。 バ ッ ク ア ッ プ ( セ カ ン ダ リ ー )・ バ ッ テ
リーへの充電電流の高すぎ、充電が低い、バッテリーの劣化、バック
ア ッ プ ( セ カ ン ダ リ ー )・ バ ッ テ リ ー 充 電 用 電 線 の 欠 落 、 プ ラ イ マ
リ ー ・ パ ワ ー ・ ソ ー ス が OFF、 若 し く は 故 障 し た 場 合 に 点 灯 す る 。
PPW R FA IL 警 報 灯 の 点 灯 は FADE C シ ス テ ム が プ ラ イ マ リ ー ・ エ レ ク ト リ
カ ル ・ パ ワ ー ・ サ プ ラ イ の 断 絶 、 バ ッ ク ア ッ プ ( セ カ ン ダ リ ー )・ パ
ワー・サプライの電圧がプライマリー・バスより高いか、プライマ
リ ー ・ パ ワ ー ・ ソ ー ス が OFF 、 若 し く は 故 障 に よ り バ ッ ク ア ッ プ ( セ
カ ン ダ リ ー )・ パ ワ ー ・ サ プ ラ イ よ り 電 力 の 供 給 を 受 け て い る こ と を
表す。
燃 料 ポ ン プ の 表 示 例 に つ い て は 第 3章 -非 常 操 作 、 及 び 第 4章 -通 常 操 作
を参照のこと。
図 7- 15
ヘ ル ス ・ ス テ ー タ ス ・ ア ナ ン シ エ ー タ (HS A)
7− 23
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
FADECセ ン サ ー ・ セ ッ ト
FAD EC シ ス テ ム の 主 要 構 成 機 器 は 低 電 圧 ハ ー ネ ス を 使 用 し て 接 続 さ れ
ている。このハーネスは、二つのエレクトリック・コントロール・ユ
ニ ッ ト ( ECUs ) 間 に 航 空 機 電 源 、 イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ 、 ス ピ ー
ド ・ セ ン サ ー ・ ア ッ セ ン ブ リ ( SSA )、 ヘ ル ス ・ ス テ ー タ ス ・ ア ナ ン シ
エ ー タ ( HS A )、 温 度 、 及 び 圧 力 セ ン サ ー の 信 号 を 伝 達 し て い る 。 ス
ピード・センサー・アッセンブリ、燃料圧力センサー、及びマニホー
ルド圧力センサーを除く、燃料噴射コイル、及び全てのセンサー類は
低電圧ハーネスで接続されている。
図 7- 16
FA DEC セ ン サ ー ・ セ ッ ト
7− 24
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
F ADE Cイ グ ニ ッ シ ョ ン ・ シ ス テ ム
IOF -240- B 型 発 動 機 の イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ シ ス テ ム は FADE C シ ス テ ム の 一 部 を
成している。従来のマグネット・イグニッション・システムとは異なり、
そ の タ イ ミ ン グ は FADEC コ ン ピ ュ ー タ に よ り 電 子 的 に 制 御 さ れ る 。 FADEC の
イグニッション・サブシステムは発電式ではないが、航空機電源系統から
直流の十分な電力供給を受けている。
シ ス テ ム の バ ッ ク ア ッ プ の た め に 、 FADECは 二 つ の 航 空 機 電 源 系 統 を 持 っ て
い る 。 航 空 機 に FADEC Aと 表 示 さ れ た プ ラ イ マ リ ー ・ パ ワ ー ・ ソ ー ス は 、 オ
ル タ ネ ー タ 、 及 び /若 し く は 航 空 機 の プ ラ イ マ リ ー ・ バ ッ テ リ ー か ら 電 力 供
給を受ける。これは航空機のメイン・パワー・ディストリビューション・
バスである。
FAD EC Bと 表 示 さ れ た セ カ ン ダ リ ー ・ パ ワ ー ・ ソ ー ス は 、 分 離 型 バ ッ テ リ ー
より電力供給を受ける。航空機のメイン・パワー・ディストリビューショ
ン ・ バ ス が 機 能 し て い る と き に は 、 充 電 回 路 が FADEC Bバ ッ テ リ ー を 充 電 し
て い る 。 こ の よ う に 二 次 的 に FADEC B バ ス を 作 動 さ せ て い る 。
航空機のプライマリー・パワー・システムが故障した場合には、セカンダ
リー・バッテリーは、プライマリー・バッテリーの放電も含め、適当な空
港 ま で 飛 行 し 着 陸 す る ま で の 間 、 十 分 に FADEC B を 介 し て FADEC に 電 力 を 供
給する。
警
告
バッテリーが適切に整備され、完全充電状態であれば、
発 動 機 は エ マ ー ジ ェ ン シ ィ ( セ カ ン ダ リ ー )・ バ ッ テ
リ ー に よ り 60 分 以 上 通 常 に 運 転 を 継 続 で き る 。 EBAT
FAI L 注 意 灯 と PPWR FAI L 警 報 灯 が 点 灯 し て か ら 60 分 以 内
に着陸すること。
FAD ECシ ス テ ム は FADEC Aバ ス 、 FADEC Bバ ス 、 若 し く は 両 バ ス か ら の 電 力 供
給で十分機能する。飛行前における両システムの機能点検用スイッチが設
け ら れ て い る 。 FADEC ヘ ル ス ・ ス テ ー タ ス ・ ア ナ ン シ エ ー タ の PPWR FAIL
警 報 灯 、 及 び EBAT FAI L注 意 灯 は 片 側 、 若 し く は 両 方 の 電 源 か ら の 電 力 供 給
を確認するために点灯する。
7− 25
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
F ADE C 燃 料 イ ン ジ ェ ク シ ョ ン ・ シ ス テ ム
航空機の燃料系統からの燃料は、発動機駆動式燃料ポンプ入口へ導かれる。
これは発動機前方左側に設けられ、且つカムシャフトでギア駆動されてい
る。
発動機駆動式燃料ポンプに流れた燃料は遠心分離機を通り、燃料気化成分
が除かれて航空機の燃料タンクに戻される。次に、燃料はポンプ・エレメ
ントを通過しその圧力が増加される。発動機回転速度でポンプの効率が変
化すため、ポンプは発動機燃料インジェクターの必要量を超える様に、多
くの圧力、及び流量を確保するように設計している。
アジャスタブル・リリーフ・バルブは低回転時のポンプ吐出を調節し、ア
ジャスタブル・インターナル・オリフィスは高回転時での圧力を調節して
い る 。 こ れ ら の 調 節 装 置 は FADECシ ス テ ム を 十 分 に 機 能 さ せ る た め に 必 要 で
ある。
燃 料 圧 力 は VM-1000FX 統 合 発 動 機 計 器 シ ス テ ム に 表 示 さ れ る か 、 若 し く は
ポ ー タ ブ ル ( ラ ッ プ ト ッ プ 型 )・ コ ン ピ ュ ー タ を FADEC シ ス テ ム の デ ー タ ・
ア ウ ト プ ッ ト に 接 続 し て 確 認 出 来 る よ う に な っ て い る 。 Diagn osti c ソ フ ト
ウェア、及び接続に必要なケーブルは、テレダイン・コンチネンタル・
モ ー タ ー ス 社 ( TCM) か ら 入 手 で き る 。
7− 26
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
図7-17
FADEC 燃料 インジェクション・システム
7− 27
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
発動機オイル・システム
発 動 機 オ イ ル は 6ク ォ ー ト 容 量 の プ レ ス ・ ス チ ー ル 製 タ ン ク ( サ ン プ ) に 貯 蔵
され、発動機クランクケースの下部に設けられている。滑油タンクにはオイ
ル・ディップスティック付きのフィラー・キャップと共に、オイル・フィ
ラー・チューブが取付けられている。ギア式の発動機オイル・プレッ
シャー・ポンプが発動機の後方に設けられ、これに滑油タンク内へ延びる
ピックアップ・チューブが取付けられている。これは発動機カムシャフト・
ドライブ・ギアによって駆動される。
滑油は滑油ポンプで加圧される。レギュレータ・バルブは発動機回転速度が
変化しても、限界内に滑油圧力を維持し、余分な滑油を滑油タンクに戻す働
きをしている。ポンプからの滑油は発動機アクセサリー・ケース左側に設け
たオイル・フィルター、及びオイル・クーラー・アダプターへ流れる。
オイル・クーラーは滑油温度を調整する
バーナザーム
サーモスタティッ
ク・コントロール・バルブを内蔵した外付けのオイル・クーラーへ導き、更
にオイル・フィルター・エレメントへと流してゆく。インテグラル・バイパ
ス・バルブはオイル・クーラー、若しくはオイル・フィルターが閉塞した時
に開く様になっている。発動機計器用の滑油温度センサーもまたオイル・
クーラー・アダプターに取付けられている。滑油圧力センサーは防火壁上に、
発動機に対して鉛直に取付けられている。
滑油の配管、及び貫通孔がクランクシャフト、並びにカムシャフト・メイ
ン・ベアリング、更にハイドロリック・バルブ・リフターへと滑油を導く様
に発動機内部に敷設されている。クランクシャフト内部の貫通孔はコネク
ティング・ロッドの下部ベアリングへ滑油を導く。メイン、及びコネクティ
ング・ロッド・ベアリングから漏れた滑油はクランクケース内で霧状となり、
カム・ローブ、及びリフター下部面と同様に、コネクティング・ロッド・
アッパー・ベアリング、及びシリンダー壁面へ給油する。加えてメイン・ベ
アリングに設けたオイル・ノズルが各ピストン下部に滑油を直接噴射し、冷
却する。
ハイドロリック・リフターの滑油はバルブ・プシュロッドの穴を抜けてシリ
ンダー・ロッカー・ボックスに流れ、ロッカー、バルブ・ステム、及びバル
ブ・ガイドを給油しプッシュロッド・ハウジングを経てクランクケースへと
戻る。クランクケース内の余分な滑油はクランクケース、及びサンプ間の大
口径孔を通り滑油サンプへ流れる。
7− 28
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
発動機クーリング
空気はプロペラ後方のカウリング両側に設けた吸気口から発動機カウリン
グ内に入る。シリンダー間の、フロント・シリンダー前方のそして後部シ
リンダー後方の垂直なバッフルはこの高圧力の力を受け、低温の空気をシ
リンダー、及びシリンダー・ヘッド・クーリング・フィンに通す。後部
バッフルのダクトは高圧力流を直接取り入れ、低温の空気を防火壁に取付
けたオイル・クーラーに導く。
低圧の暖かい空気はロゥワー・カウリング後部、防火壁前方の開口部を経
て発動機コンパートメントに抜ける。オイル・クーラーの排気流も同様に
排出される。
発動機エア・インダクション・システム/オルタネート・エア・コントロール
自然の空気は、塵や異物を吸着したり除去したりするために滑油を染込ま
せた布製のフィルター・エレメントを内蔵したエア・フィルター・アッセ
ンブリを通して取入れられる。これは右側シリンダーの上に設けられてい
る。このフィルターが閉塞、若しくは凍結してしまった場合には、操縦士
はオルタネート・エアを選択して発動機排気周囲のヒーター・マッフから
のフィルターを通らない暖かい空気の取入れを行う。オルタネート・エ
ア・コントロールはセンター・コンソールの左下に設けたプル・プッ
シュ・ノブで行う。
発動機排気
排 気 系 統 は 各 シ リ ン ダ ー か ら の 排 気 管 と 発 動 機 下 部 に 設 け た 1個 の マ フ ラ ー
を 言 う 。 1本 の オ ー バ ー ボ ー ド ・ デ ィ ス チ ャ ー ジ ・ パ イ プ が ロ ゥ ワ ー ・ カ ウ
リングの右側を通して伸びている。
発動機の両側からの排気管はマフラーの左、及び右端に接続されている。
これは円筒形で機軸を横切る様に発動機下部に取り付けられている。排気
管のスリップ・ジョイントは排気系統の温度変化に対し寸法を変えて対応
する。クランプは排気管をマフラーに固定している。
1本 の 排 気 管 が マ フ ラ ー か ら 航 空 機 の 右 側 下 方 に 伸 び 、 排 気 ガ ス を 機 外 に 排
出している。
7− 29
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
発動機コントロール
発動機は操縦室センター・コンソールに取付けられたスロットル・レバー
で制御されている。このレバーは一般的なスロットル・レバーと同様にレ
バーを前方へ動かすと発動機出力が増大する。
発 動 機 コ ン ト ロ ー ル に は OFF 、 R 、 L 、 BOTH に 加 え て 、 START 位 置 が ス プ リ ン
グ 式 に な っ て い る 一 般 的 な 鍵 型 の イ グ ニ ッ シ ョ ン ・ ス イ ッ チ 、 及 び FADECシ
ステムへ電力を供給しているプライマリー、及びセカンダリー・パワーの
制御をするための二つのレバーロック式のスイッチが含まれている。
この航空機に装備しているテレダイン・コンチネンタル・モータース式
IOF -240B 型 発 動 機 は 、 エ ア ロ サ ン ス 式
パ ワ ー リ ン ク ( tm )
フューエ
ル ・ オ ー ソ リ テ ィ ・ デ ジ タ ル ・ エ ン ジ ン ・ コ ン ト ロ ー ル ・ シ ス テ ム (FADEC)
を搭載している。
このシステムは発動機の点火、及び燃料分配機能の両方を制御しており、
マグネット(点火)やキャブレター、若しくは燃料インジェクション・シ
ス テ ム ( 燃 料 分 配 ) の 様 な 既 存 装 備 品 に 変 わ る も の で あ る 。 FADECシ ス テ ム
の利点はデジタル・コントロールによるイグニッション・タイミングの調
整 、 及 び 各 シ リ ン ダ ー 別 へ の 燃 料 分 配 機 能 に あ る 。 FADECは シ リ ン ダ ー 毎 に
出力、及び燃費の最良値を与える様に、クローズド・ループ・フィード
バ ッ ク 機 能 を 備 え て い る 。 加 え て FADECは シ ン グ ル ・ レ バ ー に よ る 出 力 調 整
とアイドル、離陸、上昇、巡航、降下、及び着陸を含む全ての運用に於い
て発動機パラメーターを最大限に活用している。
発 動 機 イ ン ジ ケ ー テ ィ ン グ -V M10 00
こ の 航 空 機 の 全 て の 発 動 機 計 器 は 計 器 板 左 下 に 装 備 し た 1基 の エ レ ク ト ロ
ニ ッ ク ・ デ ィ ス プ レ イ VM1000型 に 統 合 さ れ て い る 。 こ れ に は RPM、 パ ー セ ン
ト・パワー、マニホールド圧力、滑油圧力、及び滑油温度、燃料圧力、電
気系統の電圧、オルタネータ出力アンペア数、更にグラフィック・ディス
プ レ イ で 各 シ リ ン ダ ー の 排 気 ガ ス 温 度 ( EGT ) と シ リ ン ダ ー ・ ヘ ッ ド 温 度
( CH T) を 表 示 す る 。 発 動 機 計 器 に は VM100 0FX サ ー キ ッ ト ・ ブ レ ー カ を
経てプライマリー電源系統から電力が供給される。
5つ の 押 し ボ タ ン ( 左 か ら 右 に ボ タ ン 1∼ 5) が 機 能 選 択 用 に デ ィ ス プ レ イ ・
パ ネ ル の 下 に 設 け ら れ て い る 。 VM1000FX は 監 視 し て い る 発 動 機 パ ラ メ ー
ターが限界を超えた場合には 点滅信号 で操縦士にそれを知らせる。
7− 30
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
回
転
計
回 転 計 は 1個 の フ ル ・ ス ウ ィ ー プ ・ グ ラ フ ィ ッ ク ・ ア ナ ロ グ ・ デ ィ ス
プ レ イ 、 及 び 1個 の 4分 割 デ ジ タ ル ・ デ ィ ス プ レ イ の 両 方 で 表 示 さ れ る 。
カ ラ ー ・ レ ン ジ ・ マ ー ク は 発 動 機 RPM を 、 通 常 、 注 意 、 及 び 赤 線 で 表
示することで、状態を迅速に提供できる。回転計中央のディジットは
1 分 間 当 り の 発 動 機 回 転 速 度 を 表 す 。 RPM が 変 化 し た 時 に は 、 安 定 の 為
RPMの 指 示 に 約 3秒 を 要 す る 。
発 動 機 RPM が 赤 線 に 達 し た 場 合 に は 、 警 報 音 が 作 動 す る 。 RPM デ ィ ス プ
レイは警告状態が改善されるまで点滅で表示される。発動機が回転し
ていない場合には、回転計デジタル・ディスプレイは発動機トータ
ル ・ タ イ ム を 最 大 5999 .9 時 間 ま で 表 示 す る 。 発 動 機 タ イ ム は 使 用 時 間
が 1500を 超 え る と 累 計 さ れ る 。
図 7- 18
発 動 機 イ ン ジ ケ ー テ ィ ン グ - VM 100 0
7− 31
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
パーセント・パワー
パ ー セ ン ト ・ パ ワ ー は 1個 の フ ル ・ ス ウ ィ ー プ ・ グ ラ フ ィ ッ ク ・ ア ナ
ログ・ディスプレイ、及びデジタル・ディスプレイの両方で指示され
る。デジタル・ディスプレイも同様にパーセント・パワーを数字で指
示する。カラー・レンジ・マークは出力の変化を迅速に表示できる。
パーセント・パワー情報は通常全飛行中に指示されるため、巡航出力
のセットの参考に使用できる。
パーセント・パワー・ゲージは正味出力のパーセンテージで、発動機
の 現 在 出 力 を 示 し て い る 。 指 示 範 囲 は 0 ∼ 100 。 パ ー セ ン ト ・ パ ワ ー の
最 大 値 は 100 で あ り 、 こ の 値 に 達 す る か 、 若 し く は 超 え た 場 合 に は 、
警報音が作動する。
マニホールド圧力ゲージ
マ ニ ホ ー ル ド 圧 力 系 統 は 1個 の フ ル ・ ス ウ ィ ー プ ・ グ ラ フ ィ ッ ク ・ ア
ナ ロ グ ・ デ ィ ス プ レ イ 、 及 び 0.1 in. Hg. 毎 の 1 個 の 3 分 割 デ ジ タ ル ・
ディスプレイの両方で指示される。フル・スウィープ・グラフィッ
ク・ディスプレイは1
in. Hg. 毎 に 表 示 さ れ る 。 カ ラ ー ・ レ ン ジ ・
マークは出力が急激に変化した場合に、マニホールド圧力にその状態
を迅速に表示するようになっている。
滑油圧力、及び滑油温度
滑 油 圧 力 、 及 び 滑 油 温 度 は 2つ に 分 割 さ れ た フ ル ・ ス ウ ィ ー プ ・ グ ラ
フィック、並びにデジタル・ディスプレイに常時指示される。
滑油圧力の上昇でグラフ・サイズは比例して増加する。デジタル・
デ ィ ス プ レ イ は 1 PSI 間 隔 で 最 大 99 PSI ま で 表 示 す る 。 発 動 機 油 圧 が
赤色線に達した場合には、警報音が作動する。この警告状態が改善さ
れるまで指示は点滅で表示される。
滑油温度はグラフ、及びデジタルの両方で表示される。滑油温度の上
昇でグラフ・サイズは比例して増加する。デジタル・ディスプレイは
1 ℉ 間 隔 で 最 大 300 ℉ ま で 表 示 す る 。 滑 油 温 度 が 赤 色 線 を 超 え て 上 昇
し、それをシステムが感知した場合には、指示はこの問題が改善され
るまで点滅で表示される。
7− 32
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
シ リ ン ダ ー ・ ア ナ ラ イ ザ の 操 作 - CHT、 及 び EGT
発 動 機 ア ナ ラ イ ザ ・ シ ス テ ム は 全 て の シ リ ン ダ ー 情 報 (シ リ ン ダ ー ・
ヘ ッ ド 温 度 、 及 び 排 気 ガ ス 温 度 )を グ ラ フ 、 及 び デ ジ タ ル の 両 方 で 指
示しており、それをダイヤモンド・グラフ・ディスプレイと呼ぶ。カ
ラー・レファレンス・マークはシリンダー・ヘッド温度に対して緑色、
黄色、及び赤色線で表示される。
ダイヤモンド・グラフ・ディスプレイのデフォルト・モードが通常
モードである。このモードに於いてシステムは緑色、黄色、及び赤色
マ ー ク 間 の CHT を 指 示 し 、 左 か ら 右 へ シ リ ン ダ ー 1 か ら 4 を 表 す 。 EGT グ
ラ フ は CHT 赤 色 線 よ り 上 に 指 示 を 表 示 す る 。 不 具 合 の CHT 、 若 し く は
EGT 用 プ ロ ー ブ は グ ラ フ を 空 白 で 表 示 さ せ る 。 CHT グ ラ フ の 点 滅 は 1 本
のシリンダーが過熱状態か、若しくは過冷却状態であることを表す。
通 常 モ ー ド で ボ タ ン 1を 押 す と 高 画 質 モ ー ド を 選 択 す る こ と が で き る 。
こ の モ ー ド で ダ イ ヤ モ ン ド ・ グ ラ フ ・ デ ィ ス プ レ イ は 一 時 的 に EGT を
高 画 質 で 表 示 で き る 。 再 度 ボ タ ン 1を 押 せ ば 通 常 モ ー ド に 戻 す こ と が
できる。高画質モードではグラフの横に左右ブラケットが現れる。
デ ジ タ ル ・ デ ィ ス プ レ イ は そ れ ぞ れ の EGT 、 及 び CHT 温 度 を 対 で 指 示 し 、
定 期 的 に シ リ ン ダ ー 番 号 (E1 C1 の よ う に ) を 表 示 す る 。 シ リ ン ダ ー 1
個 が 最 大 許 容 温 度 に 達 し た 場 合 に は (シ リ ン ダ ー 2が 過 熱 状 態 の 場 合 に
は 、 H2 と い う よ う に ) 、 若 し く は 極 端 に 冷 や さ れ た 場 合 ( シ リ ン ダ ー 3
が 過 冷 却 状 態 の 場 合 に は 、 C3 と い う よ う に ) に は 、 警 告 メ ッ セ ー ジ が
表示される。デジタル・ディスプレイのデフォルトはピーク・ディス
プ レ イ ・ モ ー ド で あ る (P1 表 示 は シ リ ン ダ ー 1 の EGT が 最 も 高 い 、 H3 表
示 は シ リ ン ダ ー 3 の CHT が 最 も 高 い ) 。 下 記 に 示 す よ う に ボ タ ン 2 を 押 す
ことによってあらゆる組み合わせを選択できる。
Dis play Mode
Cyl inder Num bers
Pro bes Displ ayed
Cyl . 1 Pair
E1 C1
EGT 1 & CHT 1
Cyl . 2 Pair
E2 C2
EGT 2 & CHT 2
Cyl . 3 Pair
E3 C3
EGT 3 & CHT 3
Cyl . 4 Pair
E4 C4
EGT 4 & CHT 4
Pea k Mode
P# C#
Max EGT/CHT
( 最 大 EGT、 及 び 最 大 CHTが 同 一 シ リ ン ダ ー で は 起 こ ら な い )
7− 33
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
電気系統のモニタリング
VM1 000 は 電 圧 、 及 び 電 流 を 、 グ ラ フ 、 並 び に デ ジ タ ル の 両 方 で 表 示 す
る。カラー・レンジ・マークはレベルを参照出来るように配置されて
いる。電圧計、及び電流計の操作に関する詳細は、この章に後記する
電気系統を参照のこと。
VM1000 オ ー ト ト ラ ッ ク ・ シ ス テ ム の 操 作
'オ ー ト ト ラ ッ ク 'シ ス テ ム は 指 示 し た 発 動 機 パ ラ メ ー タ ー を 監 視 す る
ことで操縦士の作業負荷を軽減させるように設計されている。大きな
問題となる様な発動機パラメーターの僅かな変化を指示する事がある。
'オ ー ト ト ラ ッ ク 'は 、 そ の よ う な 変 化 が 起 っ た 場 合 に は 、 操 縦 士 が そ
の局面を分析し更に適切な行動を取るように、自動的に警告を発する。
い つ 'オ ー ト ト ラ ッ ク 'を 使 用 す る か :
・ 上 昇 ̶ 上 昇 中 に CHT 、 及 び 油 温 が 上 昇 す る と 定 期 的 に 警 告 が 発
せられる。
・巡航̶ 巡航中に何れかのパラメーターが選択された開始点か
ら逸脱し始めると警告が発せられる。
・降下̶ 降下中にマニホールド圧力が増加すると警告が発せら
れる。
ど の よ う に 'オ ー ト ト ラ ッ ク 'を 使 用 す る か :
ステップ1
航空機を安定させる。必要なパワーにセットする
(RP M と マ ニ ホ ー ル ド 圧 力 ) 。 安 定 さ せ る た め に 発 動
機 時 間 に は 余 裕 を み る こ と (発 動 機 温 度 や 圧 力 等 )。
ステップ2
'ボ タ ン 3'を 押 す 。 'オ ー ト ト ラ ッ ク 'イ ン デ ィ ケ ー
タがディスプレイに作動し、システムがこの時点か
ら発動機の性能を追跡し始める。
'オ ー ト ト ラ ッ ク 'シ ス テ ム は 発 動 機 と 連 動 し 、 作 動 時 の 数 値 か ら 発 動
機変化に対する監視を開始する。取消しには再度 ボタン3 を押す
と 、 'オ ー ト ト ラ ッ ク 'イ ン デ ィ ケ ー タ が 停 止 す る 。 常 時 、 再 起 動 が 可
能である。
注 記
重 大 な 警 告 状 態 が 発 生 し た 場 合 に は (滑 油 圧 力 の 減 少 、
CH T の 高 上 昇 な ど ) 自 動 的 に オ ー ト ト ラ ッ ク ' モ ー ド が
取り消される。
7− 34
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
オートトラック の警告表示:
発動機パラメーターが初期の設定値を越えると、システムは該当
するグラフィック・ディスプレイと オートトラック インディ
ケータを点滅で表示させる。
変 動 値 が 大 き い 場 合 に は 、 グ ラ フ ィ ッ ク ・ ポ イ ン タ の 1個 (円 形 の
ス ウ ィ ー プ ・ デ ィ ス プ レ イ の み )が 変 動 前 の 状 態 を 表 示 す る 。 こ れ
は操縦士に変化の重大性を認識させ、適切な処置を講ずる様促す
ためである。
警告状態を止めるには、パラメーターを以前の数値(例えば:マ
ニホールド圧力を上昇値に調整する)に戻すか、若しくは単純に
ボタン3 を押して オートトラック システムを停止させる。
VM1000フライト・データ・レコーダ・システムの操作
統合発動機計器ディスプレイには、発動機運用時のパラメーターを飛
行 毎 に 確 実 に 記 録 す る た め の フ ラ イ ト ・ デ ー タ ・ レ コ ー ダ が 1台 装 備
されている。
記録されたデータは飛行中、若しくは飛行後にフライト・データ・レ
コーダから復元される。データは機体電源が切れても保存され、次の
飛行で上書きされる。
最小、及び最大値は飛行中に自動的に記録され、次の飛行まで何時で
も 復 元 で き る 。 発 動 機 作 動 時 に は 、 回 転 数 が 1500 RPM 以 上 に な る と 常
時記録される。
'フ ラ イ ト ・ デ ー タ ・ レ コ ー ダ 'の 使 用 方 法 :
1. ' ボ タ ン 5 ' を 押 す 。 最 初 に セ ッ ト さ れ 、 表 示 さ れ る デ ー タ は 飛
行 時 の 最 小 値 で あ る (最 低 油 圧 、 最 低 電 圧 、 及 び 最 低 電 流 数
等 ) 。 RPM デ ジ タ ル ・ デ ィ ス プ レ イ は 飛 行 時 間 を 十 進 法 で 表 示
する。
2 . 再 度 ' ボ タ ン 5' を 押 す 。 次 に セ ッ ト さ れ る デ ー タ は 飛 行 時 の 最
大 値 で あ る 。 (最 大 CHT、 最 大 油 温 、 最 大 RPM等 )
3 . 再 び ' ボ タ ン 5' を 押 す 。 フ ラ イ ト ・ デ ー タ ・ レ コ ー ダ の 表 示 が
消 え る 。 ボ タ ン 操 作 が さ れ な い ま ま 20 秒 間 た て ば 、 こ れ も 表
示が消える。
7− 35
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
VM1000の 追 加 機 能
ボ タ ン 1を 押 し た ま ま に す る と 最 初 に 発 動 機 計 器 デ ィ ス プ レ イ ・ シ ス
テ ム に 電 源 が 供 給 さ れ ( マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ を ON に し た 状 態 で ) 、 ス
ウィープ モードからグラフィック・ディスプレイに替わり、現在表
示されている値を含めた全てのポインタ・セグメントが表示され、現
在の数値が表示されたシングル・ポインタ・セグメントを閉じると、
ポインタ モードへ移る。パワーアップ中に再びボタン1を押して
変更するまでは、このシステムは選択したモードを維持する。
ボ タ ン 4は 燃 料 流 量 表 示 モ ー ド と 共 に 使 用 さ れ る 。 燃 料 流 量 、 及 び
トータライザー・フューチャーの両ボタンはこの装備では機能しない。
7− 36
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
プ ロ ペ ラ
MTプ ロ ペ ラ は 2-ブ レ ー ド 、 固 定 ピ ッ チ 式 の ウ ッ ド ・ コ ン ポ ジ ッ ト ・ プ ロ ペ
ラである。スピンナ・アッセンブリにはスペーサーとサポーティング・
ハ ー ド ウ ェ ア (P-1026)が 含 ま れ る 。 モ デ ル は MT プ ロ ペ ラ ・ エ ン ウ ッ ク 社 製 、
MT Propeller式 MT175R127-2Ca型 で あ る 。
7− 37
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
燃 料 系 統
こ の 航 空 機 の 燃 料 系 統 は 胴 体 に 装 備 し た 1個 の 燃 料 タ ン ク 、 燃 料 ス ト レ ー
ナ ー ・ ア ッ セ ン ブ リ ( ガ ス コ レ ー タ ー )、 電 気 式 燃 料 ブ ー ス ト ・ ポ ン プ 、 操
縦室の燃料シャットオフ・バルブ、及びこれらを結合している配管類で構成
されている。主翼内に燃料タンクは装備されていない。
加えて発動機の燃料系統構成機器には、発動機駆動式燃料ポンプ、燃料分配
マニホールド、燃料フィルター、及び燃料インジェクション・ノズルがある。
図 7- 19
航空機の燃料系統
7− 38
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
燃料ブースト・ポンプ、及びスイッチ
燃 料 ブ ー ス ト ・ ポ ン プ の 操 作 方 法 は 、 発 動 機 の FADECシ ス テ ム を 介 し て の 自
動操作にするか、若しくは操縦士が計器板上のブースト・ポンプ・モー
ド ・ ス イ ッ チ ( BPMS ) を 使 っ て 手 動 で 操 作 す る か 、 選 択 す る こ と が で き る 。
自 動 操 作 ( FADECシ ス テ ム の 制 御 に よ る ) は 燃 料 ポ ン プ ・ リ レ ー を 介 し て コ
ン ト ロ ー ル さ れ る 。 手 動 操 作 ( BPMS を ON 位 置 に す る ) は 燃 料 ポ ン プ ・
リレーを通らずに、電力を燃料ブースト・ポンプに供給する。ブースト・
ポ ン プ ・ モ ー ド ・ ス イ ッ チ は 1個 の 3段 階 式 ス イ ッ チ で 後 部 セ ン タ ー ・ コ ン
ソールの中央に配置されている。
燃料油量計
燃 料 表 示 シ ス テ ム は 燃 料 タ ン ク に 取 付 け た 1個 の キ ャ パ シ タ ー 型 プ ロ ー ブ 、
及 び 左 側 計 器 板 上 に 配 置 し た 1個 の イ ン デ ィ ケ ー タ で 構 成 さ れ る 。 キ ャ パ シ
ター型プローブには可動部品がない。燃料表示システムには燃料系統の
サーキット・ブレーカを介して航空機電源系統から電力が供給されている。
燃料シャットオフ・バルブ
燃料シャットオフ・バルブは操縦室センター・コンソールの後部に配置さ
れ て お り 、 OFF と ON 位 置 が あ る 。 バ ル ブ ・ ハ ン ド ル の 中 央 に あ る ボ タ ン は 、
バ ル ブ を OFF位 置 に 動 か す た め に 持 ち 上 げ て お く こ と 。
燃料タンク・サンプ・ドレイン・バルブは押し開き式になっている。これ
は燃料タンクの底部に在り、胴体部のベリー・フェアリング開口部を通じ
て利用する。バルブを開けた後に回転させるとバルブは開いたままとなり、
燃料を抜く場合などに利用する。
1個 の 同 型 バ ル ブ が 追 加 さ れ て お り 、 胴 体 部 の ベ リ ー ・ フ ェ ア リ ン グ わ ず か
前方の開口部を通して、燃料系統のストレーナー(ガスコレータ)から燃
料や溜まった水、若しくは沈殿物を除去するために利用する。
注 意
2個 の 燃 料 ド レ イ ン ・ バ ル ブ は 燃 料 タ ン ク 、 及 び 燃 料
シャットオフ・バルブ間の装置内に装備されている。
従って、全てのタンクの内容物は燃料シャットオフ・バ
ルブ位置に関わらず、どちらのバルブからも取除くこと
ができる。
7− 39
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
燃料ベント
燃 料 系 統 は タ ン ク 天 井 面 の 燃 料 ベ ン ト /リ タ ー ン ・ フ ィ テ ィ ン グ か ら 、 胴 体
底 面 の ラ ベ ル の 貼 ら れ た 開 孔 部 に 延 び た 1本 の ベ ン ト ・ ラ イ ン を 介 し て 大 気
中に通気される。このベントはノン・アイシングを考慮している。
図 7- 20
燃料 ドレイン・ベントの位置
7− 40
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
電 気 系 統
プライマリー・バッテリー
プ ラ イ マ リ ー ・ バ ッ テ リ ー は ガ ス 化 合 型 、 容 量 24 ア ン ペ ア ・ ア ワ ー ( Ah )
のバッテリーである。このバッテリーは発動機始動時の電力を供給し、オ
ルタネータの不良時には電源のバックアップとして、電気系統の変動によ
る 機 能 低 下 の 際 の 補 助 と し て 使 用 す る 。 プ ラ イ マ リ ー ・ バ ッ テ リ ー は 70 ア
ンペアのサーキット・ブレーカを介して航空機電源系統(発動機の始動回
路を除く)に接続される。これはバッテリー、及び後部胴体の電気装備品
棚に取付けられており、貨物室後部のクローズアウトを取外すことで点検
できる。このタイプのバッテリーは点検が不要である。
セカンダリー・バッテリー
セカンダリー・バッテリーは点検不要のガス化合型のバッテリーで、容量
12 ア ン ペ ア ・ ア ワ ー ( Ah ) を 有 し 、 胴 体 後 部 の バ ッ テ リ ー 、 及 び 電 気 装 備
品棚に固定されている。このバッテリーの用途は、プライマリー・パワー
(オルタネータ、及びプライマリー・バッテリー)の消失時には発動機
FADECシ ス テ ム 、 姿 勢 指 示 器 、 及 び 旋 回 計 の 非 常 用 バ ッ ク ア ッ プ ・ パ ワ ー と
し て 用 い る 。 こ の 出 力 は FADEC Bシ ス テ ム 、 及 び 飛 行 計 器 ( 姿 勢 指 示 器 と 旋
回計)のバックアップのためだけに利用される。セカンダリー・バッテ
リ ー は 最 悪 の 条 件 下 ( 発 動 機 の RPMが 高 い 、 燃 料 流 量 が 多 い ) で 、 全 て の 航
空 機 出 力 が 損 失 し た 後 、 FADEC Bシ ス テ ム を 60分 以 上 運 用 で き る 。
電 気 系 統 が 正 常 に 作 動 し て い れ ば セ カ ン ダ リ ー ・ バ ッ テ リ ー は SPSC ( ス タ
ンバイ・パワー・ソース・サーキット)サーキット・ブレーカを介して常
時充電されている。
警
告
セカンダリー・バッテリーは航空機の電気式燃料ブース
ト・ポンプに電力を供給していない。機体のプライマ
リー・エレクトリカル・パワー、及び発動機駆動式燃料
ポンプとの同時故障は発動機停止を引き起こす。
7− 41
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
図 7- 21
電気関係のブッロク線図
7− 42
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
オルタネータ・システム
航空機電源系統のためのプライマリー・ソースは、発動機の右側前方に装
備 さ れ 、 メ イ ン 発 動 機 シ ャ フ ト の プ ー リ に 留 め ら れ た 1本 の Vベ ル ト に よ っ
て 駆 動 さ れ る 1基 の 60ア ン ペ ア ・ オ ル タ ネ ー タ で あ る 。
1 個 の オ ル タ ネ ー タ ・ コ ン ト ロ ー ル ・ ユ ニ ッ ト ( ACU ) は 電 圧 、 及 び 電 流 を
運用限界値以内に維持する様にオルタネータの出力をコントロールする。
ACUは オ ー バ ー ・ ボ ル テ ー ジ ・ プ ロ テ ク シ ョ ン 機 能 を 備 え て お り 、 出 力 電 圧
が 15 VDC を 超 え た 場 合 に は 、 航 空 機 電 源 系 統 か ら 自 動 的 に オ ル タ ネ ー タ を
切 り 離 す 。 瞬 間 的 に 過 電 圧 が 生 じ た 場 合 に は 、 マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ の ALT側
を OFFに し た 後 ONに 戻 す 操 作 で ACUが リ セ ッ ト さ れ る 。
マスター・スイッチ
2分 割 式 の ス プ リ ッ ト 型 マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ は 、 バ ッ テ リ ー と オ ル タ
ネータ出力をメイン・パワー・ディストリビューション・バスへ繋ぐため
の コ ン ト ロ ー ル を 行 っ て い る 。 ス イ ッ チ の BATT 側 を ON 位 置 に 動 か し て 、
バッテリーと電気装備品棚に取付けたプライマリー・バッテリー・コンタ
ク タ ー (リ レ ー )の コ イ ル が 接 地 し て 回 路 が 完 成 し 、 コ ン タ ク タ ー が 閉 じ 、
バッテリーが航空機電源系統に接続される。
ス イ ッ チ の ALT側 を ON位 置 に 動 か し て 、 メ イ ン ・ デ ィ ス ト リ ビ ュ ー シ ョ ン ・
バ ス に あ る 5 ア ン ペ ア の ALT FIELD サ ー キ ッ ト ・ ブ レ ー カ か ら オ ル タ ネ ー
タ ・ コ ン ト ロ ー ル ・ ユ ニ ッ ト (ACU)ま で の 回 路 を 完 成 さ せ 、 オ ル タ ネ ー タ に
通 電 さ せ る 。 マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ の BATT側 と ALT側 は 機 械 的 に 連 動 し て お り 、
ALTス イ ッ チ を ONに す る た め に は BATTス イ ッ チ を ONに し な け れ ば な ら な い 。
従って、バッテリーはオルタネータが作動中であれば常時メイン・ディス
ト リ ビ ュ ー シ ョ ン ・ バ ス に 接 続 さ れ て い る 。 し か し な が ら 、 ス イ ッ チ の ALT
側 は BATT側 が ON状 態 で も OFF位 置 に で き 、 バ ッ テ リ ー が 電 気 系 統 に 電 力 を 供
給している間でもオルタネータを切ることが可能である。
7− 43
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
アビオニクス・パワー・スイッチ
この航空機に装備された全てのアビオニクス機器は、アビオニクス・バス
の 個 々 の サ ー キ ッ ト ・ ブ レ ー カ か ら 電 力 が 供 給 さ れ て い る 。 こ の バ ス は 25
アンペアのサーキット・ブレーカ、及びマスター・アビオニクス・リレー
を介してメイン・ディストリビューション・バスに接続されている。
マスター・アビオニクス・リレーは
フェイル・オペレーショナル
型
(リレーが通常閉じているもの)で、パネル・マウント式のアビオニク
ス・マスター・スイッチによってコントロールされる。電力がメイン・
ディストリビューション・バスに供給され、アビオニクス・マスター・ス
イ ッ チ が OF F位 置 の 場 合 に は 、 リ レ ー を OPEN位 置 に す る た め の 電 力 が 供 給 さ
れ、アビオニクス・バスからの電力は切り離される。アビオニクス・マス
タ ー ・ ス イ ッ チ が ON 位 置 に 動 い た 場 合 に は 、 ア ビ オ ニ ク ス ・ マ ス タ ー ・ リ
レ ー が 通 常 の CLOSE位 置 に 戻 る た め 、 ア ビ オ ニ ク ス ・ バ ス に 電 力 が 供 給 さ れ
る。リレー、及びアビオニクス・マスター・スイッチが故障した場合には、
同様にしてアビオニクス・バスから電力が供給される;このような故障時
お い て も 、 個 々 の ア ビ オ ニ ク ス ・ ユ ニ ッ ト は 個 々 の ス イ ッ チ の ON-O FF を 切
替えることによって、電源を切り替えることができる。
電 圧 計 /電 流 計
電圧計、及び電流計の機能は統合発動機計器ディスプレイ・システムの項
で記載しているので、本項では概要についてのみふれる。
電 圧 計 、 及 び 電 流 計 の 両 デ ィ ス プ レ イ は ア ナ ロ グ ( ポ イ ン タ )、 並 び に デ ジ
タル指示で表示される。それぞれアラーム機能を備えており、常用範囲を
超えて運用した場合には、ディスプレイが点滅する様になっている。
電圧はグラフ、及びデジタルの両方で表示される。カラー・レンジ・マー
クは電圧レベルの確認用に施されている。電圧の上昇で、グラフ・サイズ
は比例して増加する。このシステムには警報装置が内蔵されており、電圧
が常用範囲を逸脱すると(低過ぎる、若しくは高過ぎる)とグラフが点滅
する。
電流計はロード・メーター型で、オルタネータがメイン・ディストリ
ビューション・バスに供給している電流の総量値を表示する。オルタネー
タの故障時には、バッテリーの放電値は表示しない。
7− 44
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
アンペア数はグラフ、及びデジタルの両方で表示される。カラー・レン
ジ・マークは電流レベルの確認用に施されている。アンペア数の上昇で、
グ ラ フ ・ サ イ ズ は 比 例 し て 増 加 す る 。 デ ジ タ ル 指 示 は 電 流 値 を 1ア ン ペ ア 刻
みで表示する。
電流計は オルタネータ・ロード・メーター 機能を有し、オルタネータ
から航空機電源系統へ流れる電流の値を表示している。電気負荷の大きい
装備品を選択すると電流計の指示は増加する。
この電流計には警報装置が内蔵されており、オルタネータ出力が設定値を
超えた場合には、点滅表示になる。これは地上で発動機アイドル・スピー
ドが非常に低い場合等にも起こり得るが、この様な状況では正常と判断す
る。
A LT FAL T 注 意 灯
計 器 板 上 の 1 個 の 黄 色 AL T FAI L 注 意 灯 が 、 オ ル タ ネ ー タ が 航 空 機 電 源 系
統へ電力を供給していないこと指示するために点灯する。
オルタネータが瞬間的に過電圧状態になり自動的に解除された場合には、
マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ の ALT 側 を OFF に し た 後 ON に 戻 す と リ セ ッ ト で き る 。 オ
ル タ ネ ー タ が 復 帰 す れ ば 注 意 灯 は 消 灯 す る 。 ALT FAIL 注 意 灯 の 点 灯 が 続 く
場 合 に は 、 オ ル タ ネ ー タ は 故 障 し て お り 、 発 動 機 や FADECシ ス テ ム へ の プ ラ
イマリー・エレクトリカル・パワーの損失を避けるため、出来るだけ早く
着陸すること。
注 意
電気負荷を軽減させるために、オルタネータの故障後は
全 て の 不 要 な 電 気 装 備 品 を OFF に す る こ と 。 も し プ ラ イ
マ リ ー ・ パ ワ ー が 復 帰 出 来 な い 場 合 に は 、 FADE C シ ス テ
ム は バ ッ ク ア ッ プ ( セ カ ン ダ リ ー )・ バ ッ テ リ ー か ら 電
力が供給され、プライマリー・バッテリーはバックアッ
プ ( セ カ ン ダ リ ー )・ バ ッ テ リ ー と 同 レ ベ ル 、 若 し く は
そ れ 以 下 ま で 放 電 す る 。 FADE C の バ ッ ク ア ッ プ ( セ カ ン
ダ リ ー )・ バ ッ テ リ ー は 1 時 間 程 度 FADE C に 電 力 を 供 給 で
き る 。 バ ッ ク ア ッ プ ( セ カ ン ダ リ ー )・ バ ッ テ リ ー で の
飛 行 時 間 は HSA パ ネ ル 上 の PPER FL 警 報 灯 が 点 灯 し た 時 点
から数えること。出来るだけ早く着陸すること。
プ ッ シ ュ ・ テ ス ト ・ ス イ ッ チ は ALT FAIL 注 意 灯 の 点 検 用 に 取 付 け ら れ て い
る 。 こ の ス イ ッ チ は 注 意 灯 の 点 検 の み で 、 ACUの 警 報 回 路 の 点 検 で は な い 。
7− 45
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
サーキット・ブレーカ、及びヒューズ
この航空機の殆どの電気回路はメイン・ディストリビューション・バス、
及びアビオニクス・バスからのサーキット・ブレーカで保護されている。
これらのサーキット・ブレーカは各々の回路が過負荷に陥るとトリップす
る ( 飛 び 出 す )。
トリップしたサーキット・ブレーカを復帰するには、サーキット・ブレー
カ冷却のため数分間待ち、次にプランジャーを押込む。再度トリップする
場合には、飛行中に於いてリセットしてはならない;整備点検を要す。
その他ノン・クリティカル回路は航空機の様々な位置に取付けたヒューズ
によって保護されている。ヒューズ・ホルダーはパネル・マウント式、若
しくはインライン式の何れかで取付けられている。各ヒューズの取り付け
位置、回路、及び定格について以下の表を参照すること。
Fuse
no.
De vice
(circuit)
Fuse
locati on
1
Cloc k
At B atte ry Relay
2
FADEC B Power
At B ac kup B attery
10 Amp
3
Altern ator Fail An nunc iati on
At Altern ator
5 Amp
4
Starte r Engage d Annunc iati on
At Starte r Relay
1 Amp
5
Avionics Rel ay Coil
At Starter Rel ay
1 Amp
6
VM10 00 FX Voltage Sen se
Be hind Circu it
B re aker Panel
2 Amp
7
Voltage Regulator
At Batte ry Relay
1 Amp
表 7- 1
ヒューズ位置
7− 46
P/N
Fuse
rating
135A-97 0-007-1
IR
1Amp
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
外 部 照 明
外部照明には各主翼端にあるポジション・ライト、及びストロボ・ライト
( ア ン チ -コ リ ジ ョ ン ) と の 一 体 式 ラ イ ト 、 並 び に 機 首 部 に 取 付 け た ラ ン デ ィ
ン グ ・ ラ イ ト /タ ク シ ー ・ ラ イ ト が あ る 。
各 翼 端 に 取 付 け ら れ た 2つ の ポ ジ シ ョ ン 、 及 び ス ト ロ ボ ・ ラ イ ト は 赤 色 ( 左
翼 )、 若 し く は 緑 色 ( 右 翼 ) で 構 成 さ れ 、 前 方 と 側 方 か ら 視 認 で き 、 白 色 の ポ
ジション・ライトは側方と後方から視認でき、ストロボ・ライトは側面から
180°を 超 え た 位 置 で 視 認 可 能 で あ る 。
ポ ジ シ ョ ン ・ ラ イ ト は 計 器 板 上 の ス イ ッ チ で 操 作 し 、 POS ITION LIG HTS の
サーキット・ブレーカを介して航空機電源系統から電力が供給される。
ストロボ・ライトは胴体後部にあるバッテリー、及び電気装備品棚に装備し
たハイ・ヴォルテージ・パワー・サプライから電力が供給されている。パ
ワー・サプライへのプライマリー・パワー・ソースは計器板上のスイッチに
よ っ て 操 作 さ れ 、 STRO BE L IGHTS サ ー キ ッ ト ・ ブ レ ー カ か ら 電 力 が 供 給 さ れ
る。
7− 47
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
内 部 照 明
内部照明は多くの主要な飛行計器のための内部照明、補助計器類のポスト・
ライト、統合発動機計器ディスプレイの内部照明、及び天井のオーバーヘッ
ド LED フ ラ ッ ド ラ イ ト で 構 成 さ れ て い る 。 加 え て 、 任 意 の ア ビ オ ニ ク ス 装
置、計器類の内部照明、及びパネル照明が設置されている。
オ ー バ ー ヘ ッ ド ・ フ ラ ッ ド ラ イ ト を 除 く 全 て の 内 部 照 明 は LIGHTI NG サ ー
キット・ブレーカを介して航空機電源系統から電力が供給されている。オー
バ ー ヘ ッ ド ・ フ ラ ッ ド ラ イ ト は HEADSET /OH LIGHT 3 - ア ン ペ ア の ヒ ュ ー ズ を
介して電力が供給される。
幾 つ か の 計 器 照 明 、 及 び 表 示 の 内 部 照 明 は 、 少 容 量 の 120 V AC 電 流 で 作 動 す
る エ レ ク ト ロ ・ ル ミ ネ セ ン ト ・ パ ネ ル か ら 電 力 が 供 給 さ れ る 。 こ の 電 流 は 1台
のソリッド・ステート・インバーターから供給される。この他の内部計器照
明は低電圧直流を使用している。インバーター、及び低電圧照明の双方に於
け る 入 力 電 流 は 、 計 器 板 上 の INSTR UMENT LIGHT デ ィ マ ー に よ っ て 調 節 さ れ る 。
統 合 発 動 機 計 器 デ ィ ス プ レ イ の 内 部 照 明 は 1台 の イ ン テ グ ラ ル ・ エ レ ク ト ロ ・
ルミネセント・パネルから電力が供給される。このパネルへは発動機ディス
プ レ イ ・ リ モ ー ト ・ プ ロ セ ッ シ ン グ ・ ユ ニ ッ ト へ 繋 が る 1台 の 独 立 し た 小 さ な
インバーターから電力が供給される。このインバーターの入力用の変動電圧
は、ポスト・ライト、及び任意装備のアビオニクス装置の内部照明と同様に、
計 器 板 上 の POST LIGHT デ ィ マ ー に よ っ て 調 節 さ れ る 。
オ ー バ ー ヘ ッ ド LED フ ラ ッ ド ラ イ ト は ラ イ ト に 隣 接 し た ON-OFF ス イ ッ チ に
より操作される。
7− 48
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
キャビン・ベンチレーション
航 空 機 の 両 側 に 設 け た 2個 の NACA 型 フ ラ ッ シ ュ ・ イ ン レ ッ ト は キ ャ ビ ン 側 壁 の
アジァスタブル・クーリング・ベントに外気を導く。これらベントの方向は
操縦士、及び乗客が調節し、流量の調節、停止が出来る。
1個 の オ ペ ラ ブ ル ・ ベ ン ト 、 及 び ク リ ア ・ ビ ジ ョ ン ・ ウ イ ン ド ウ が 各 キ ャ ビ
ン ・ ド ア /ウ ィ ン ド ウ ・ ユ ニ ッ ト に 装 備 さ れ て い る 。
ストール・ワーニング・システム
左 主 翼 前 縁 に 設 け た 1個 の ス タ グ ネ ー シ ョ ン ・ プ ル ー ブ ( ス ト ー ル ・ ワ ー ニ ン
グ ・ ベ ー ン ) は 、 計 器 板 後 方 に 設 置 し た 1個 の 警 報 装 置 に 接 続 さ れ て い る 。 こ
の装置は失速しそうな状態を操縦士に警告するために、航空機の失速速度よ
り 約 5∼ 10 kn ots高 い 速 度 で 警 報 音 を 発 す る 。
ス ト ー ル ・ ワ ー ニ ン グ ・ シ ス テ ム は 1ア ン ペ ア の サ ー キ ッ ト ・ ブ レ ー カ を 介 し
てプライマリー電源系統から電力が供給されている。
7− 49
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
ピトー・スタティック・システム
ピトー・スタティック・システムはピトー、及び静圧の空気圧力を、対気速
度計、高度計、昇降計、及び任意装備のエンコーダーを作動させるために供
給している。
左主翼下面に設けたコンビネーション・プローブは、ピトー圧力(全圧)を
対気速度計に、静圧力を全ての空気力で作動する計器類に供給している。ピ
トー、及び静圧両方の空気配管用ドレイン・ループが外気中の湿気による系
統の閉塞、若しくは計器の損傷を防ぐためにプルーブに接続されている。こ
れらループのドレインが必要な場合には、胴体部のベリー・フェアリングを
取外すと作業が容易である。
対気速度計
くうごう
対気速度計はピトー圧力、及び静圧力にて作動する空盒計器である。これ
は 指 示 対 気 速 度 ( IAS) を ノ ッ ト で 表 示 し 、 作 動 に は 航 空 機 電 源 を 必 要 と し
な い 。 こ の 計 器 は T字 型 配 列 の 左 上 に 装 備 し て い る 。( 図 7-22参 照 )
高
度
計
くうごう
高 度 計 は 静 圧 力 に て 作 動 す る 空 盒 計 器 で あ る 。 こ れ は 3本 の 指 針 に よ っ て 平
均 海 水 面 ( MSL) 上 か ら の 高 度 を 表 わ す 。 最 も 大 き い 指 針 は 百 フ ィ ー ト で 、
次に小さい指針は千フィートで、そして一番小さな指針(計器の中心から
計 器 の へ り に 在 る 1個 の 内 側 向 き 三 角 形 ま で の 一 本 の 細 い 線 ) は 万 フ ィ ー ト
を指示する。
7 時 位 置 に 在 る 1 個 の 設 定 ノ ブ 、 及 び 3時 位 置 に 在 る 設 定 窓 ( コ ー ル ス マ
ン・ウインドウ)で、高度計の任意場所での気圧を設定する。気圧調整ス
ケール、及び高度計ポインタの両方を動かし、交互の気圧調整を推奨する。
高度計の読みは気圧調整スケールの設定と和合している事。
高度計の作動には航空機電源を必要とせず、そして
装 備 し て い る 。( 図 7-2 2参 照 )
7− 50
P/N
135A-97 0-007-1
IR
T字 型
配列の右上に
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
昇
降
計
くうごう
昇降計は静圧力で動く空盒計器で、航空機の上昇、若しくは降下での垂直
速 度 を 1000 F PM ま で フ ィ ー ト ・ パ ー ・ ミ ニ ッ ツ で 指 示 す る 。 こ の 値 を 超 え
ての垂直速度ではインディケータが ペグ になり、計器の損傷を防ぐ。
航空機の垂直速度が計器の常用運用範囲内に戻れば、通常の指示に回復す
る
昇降計の作動には航空機電源も必要としない。この計器は
下 に 装 備 さ れ る 。( 図 7-22参 照 )
図 7- 22
T字 型
配列右
主要計器板
7− 51
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
ピトー・ヒート・スイッチ
ピ ト ー ・ ヒ ー ト ・ ス イ ッ チ は バ ッ テ リ ー /マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ の 左 側 に 取 り
付けられている。スイッチを入れるとピトー・ブレード内のヒーター・コ
アへ電力が供給され、スイッチの電源ライトが点灯する。ピトー・ヒート
の使用は凍結状態が予想される場合のみとしておくこと。
ピ ト ー ・ ヒ ー ト ・ラ イ ト
ピトー・ヒート・スイッチの上部左寄りに、ピトー・ヒート指示灯が取付
け ら れ て い る 。 ピ ト ー ・ ヒ ー ト ・ ス イ ッ チ が ON で ピ ト ー ・ ヒ ー ト ・ シ ス
テ ム が 機 能 し な い 場 合 に は 1 個 の LED が 点 灯 す る 。 こ の ラ イ ト は 計 器 の 右 側
にあるスイッチを直接操作することによって、照度、若しくは増減光の点
検、及び調節をすることができる。
オルタネート・スタティック・ソース
オルタネート・スタティック・ソースはピトー・ブレード・スタティッ
ク・ポートと同様なシステムである。これはブレード・スタティック・
ソースが何らかの理由で機能不良に陥った場合に使用する。これはセン
ター・コンソールの左側、操縦士の右膝上、計器板下部に設けられている。
操縦士がオルタネート・スタティック・ソースを選択すると、静圧で作動
し て い る 計 器 は 僅 か に 異 な っ て 作 動 す る 。( 較 正 表 に つ い て 第 5章 参 照 )
7− 52
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
アビオニクス、及び航法
マグネチック・コンパス
マグネチック・コンパスはウィンドシールドの上部付近に取付けられてい
る。このマグネチック・コンパスの作動に航空機電源は必要でない。コン
パスの内部照明はディマーで調節できる。
姿勢指示器
姿勢指示器( ジャイロ・ホライゾン )は航空機のピッチ、及びバンク角
を表示するジャイロスコープ式の計器である。この計器にはプライマリー
電 源 系 統 か ら ATTITU DE GYRO サ ー キ ッ ト ・ ブ レ ー カ を 介 し て 電 力 が 供 給
される。
6時 方 向 の 調 整 ノ ブ は 航 空 機 の 巡 航 ピ ッ チ 姿 勢 、 及 び /若 し く は 操 縦 士 の 目
線の変化に応じて補正するための計器のミニチュア飛行機を垂直方向に動
かす。
赤いフラッグは電力の消失、若しくはジャイロ・ホイールの回転速度の不
足状態を、操縦士に警告するためのものである。電力が最初に供給されて、
フ ラ ッ グ が 計 器 内 か ら 消 え る の に 約 1分 の 経 過 を 要 す 。 フ ラ ッ グ は 電 力 が 消
失 す る と 直 ぐ に 現 れ る 。 こ の 計 器 は 電 力 が 消 失 し て か ら 2分 程 度 は 使 用 可 能
な姿勢指示を表示し続ける。
姿勢指示器は
T字 型
配 列 の 上 段 中 央 に 装 備 し て い る 。( 図 7-22参 照 )
7− 53
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
定
針
儀
定針儀、若しくはヘディング・インディケータは航空機の飛行方位を指示
するジャイロスコープ式の計器である。この計器にはプライマリー電源系
統 か ら DIRE CTIONAL GYRO サ ー キ ッ ト ・ ブ レ ー カ を 介 し て 電 力 が 供 給 さ
れている。
計 器 の 7時 方 向 に あ る プ ッ シ ュ ・ タ ー ン 式 の 調 節 ノ ブ は マ グ ネ チ ッ ク ・
コンパスに合わせて設定する為に使用する。この調整はジャイロの始動時
から偏流と摂動の補正のための間隔をもうけて、操縦士によって行われな
ければならない。
赤いフラッグは電力の消失、若しくはジャイロ・ホイールの回転速度の不
足状態を操縦士に警告するためのものである。電力が最初に供給されて、
フ ラ ッ グ が 計 器 内 か ら 消 え る の に 約 1分 の 経 過 を 要 す 。 フ ラ ッ グ は 電 力 が 消
失 す る と 直 ぐ に 現 れ る 。 こ の 計 器 は 電 力 が 消 失 し て か ら 2分 程 度 は 使 用 可 能
な姿勢指示を表示し続ける。
定針儀は
旋
T字 型
配 列 の 下 段 中 央 に 装 備 し て い る 。( 図 7-2 2参 照 )
回
計
旋回計は航空機の旋回角速度を示すジャイロスコープ式の計器である。チ
ルテッド・レート・ジャイロが使用されて、最初の傾きが旋回で与えられ
旋 回 計 に 表 示 さ れ る 。 標 準 旋 回 角 速 度 ( 3 °/ 秒 ) は 、 計 器 内 の ミ ニ チ ュ ア
飛行機のウイングチップを白いインデックス・マークに合わせる。
旋 回 計 の ジ ャ イ ロ に は プ ラ イ マ リ ー 電 源 系 統 か ら TURN COORD サ ー キ ッ
ト・ブレーカを介して電力が供給される。赤いフラッグは電力の消失を操
縦士に警告するためのものである
1個 の 錘 の ボ ー ル が 、 緩 衝 液 体 で 満 た さ れ た 曲 が っ た チ ュ ー ブ の 中 で 動 い て 、
航空機の縦軸についての調整若しくは変更を指示する。このボールには航
空機電源を必要としない。
旋回計は
T字 型
配 列 の 下 段 左 側 に 装 備 し て い る 。( 図 7-2 2参 照 )
7− 54
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
オーディオ・システム
GAR MIN社 製 GMA 340の オ ー デ ィ オ ・ コ ン ト ロ ー ル ・ パ ネ ル は ア ビ オ ニ ク ス ・
ス タ ッ ク の 最 上 部 に 在 り 、 AUD IO と 表 示 さ れ た 5 amp の サ ー キ ッ ト ・ ブ
レーカによって保護されている。このコントロール・パネルはオーディ
オ・アンプ、オーディオ・セレクション、マーカー・ビーコン・コント
ロールで構成され、音声はヘッドセット、及びマイクロホンのインターカ
ム ・ シ ス テ ム に て 入 力 さ れ る 。 こ の シ ス テ ム は 3個 の ト ラ ン シ ー バ ー 、 COM1、
COM 2 、 及 び COM 3 、 並 び に 5 個 の 受 信 機 、 NAV 1 、 NAV 2 、 AD F 、 DM E 、 及 び MKR の
オーディオ切換えが可能である。受信用オーディオ・ソースを選択するの
に使用するプッシュ・ボタンがヘッドホン用にも用意している。フェイ
ル・セーフ・モードが電源を切るか、若しくはマイク・セレクタ・スイッ
チ を OFFに す る と 、 操 縦 士 の ヘ ッ ド ホ ン と マ イ ク ロ ホ ン を COM1に 接 続 す る 。
ヘッドセットとマイクロホンの装着
航 空 機 に は マ イ ク ロ ホ ン 内 蔵 し た 2つ の ヘ ッ ド セ ッ ト が 準 備 さ れ て い
る 。 マ イ ク ロ ホ ン ・ ヘ ッ ド セ ッ ト は 操 縦 士 、 及 び 副 操 縦 士 /助 手 席 の
操縦桿上部に設けた遠隔のプッシュ・トーク・スイッチを使用する。
ヘ ッ ド セ ッ ト と マ イ ク ロ ホ ン ( MIC ) の パ ワ ー ・ ジ ャ ッ ク は 、 操 縦 士 、
副 操 縦 士 /助 手 席 の 座 席 後 方 、 天 井 部 に 設 け て あ る 。
両ヘッドセット用オーディオはオーディオ・コントロール・パネル上
の個々のオーディオ・セレクタ・スイッチで操作し、ボリューム調整
は選択した受信機のボリューム調節を使用して行う。音楽用の入力
ジャックも装備している。
図 7- 23
GA RMI N G NA 340 オ ー デ ィ オ ・ パ ネ ル
7− 55
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
G PS ナ ビ ゲ ー シ ョ ン
航 空 機 に は 2基 の GPS航 法 機 器 の 搭 載 が 可 能 で 、 GARM IN G NS 530、 及 び /若 し
く は GARMIN GNS 43 0で あ る 。 装 備 済 の 場 合 に は 、 GNS 53 0が プ ラ イ マ リ ー ・
シ ス テ ム で 上 方 の CD I に 接 続 さ れ て い る 。 こ れ は カ ラ ー ・ ム ー ブ ィ ン グ ・
マ ッ プ に GPS 、 COM 、 VOR 、 LOC 、 及 び グ ラ イ ド ス ロ ー プ を ア ッ プ グ レ ー ド し
た装備をしている。
GNS 53 0は 操 縦 士 の 情 報 提 供 用 に 5 inの カ ラ ー ・ デ ィ ス プ レ イ を 持 ち 、 全 て
の フ ァ ン ク シ ョ ン ・ キ ー 、 電 源 ス イ ッ チ 、 MSG 、 NAV ス テ ー タ ス ・ ア ナ ン シ
エ ー タ 、 及 び ジ ェ プ セ ン ・ NAVデ ー タ ・ ポ ー ト が フ ロ ン ト ・ パ ネ ル 上 に 備 え
ら れ て い る 。 GNS 53 0は 航 空 機 電 源 系 統 か ら 12 VDCの 電 力 が 供 給 さ れ て お り 、
胴 体 上 部 に 設 け た 前 方 上 部 の GPS/COM複 合 ア ン テ ナ に 接 続 さ れ て い る
図 7- 24
GA RMI N G NS 530
7− 56
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
GAR MIN GNS 430 GPS/NA V/CO Mは GNS 53 0と ほ ぼ 同 様 の 機 能 を 有 し て い る が 、
GNS 530よ り も 小 柄 な 機 器 で あ る 。 こ れ は 航 空 機 電 源 系 統 か ら 電 力 が 供 給 さ
れ て お り 、 航 空 機 の 胴 体 上 部 に 設 け た 後 方 の GPS/COM複 合 ア ン テ ナ に 接 続 さ
れ て い る 。 GNS 430は 下 方 の CDIに 接 続 さ れ て い る 。
図 7- 25
図 7- 26
GA RMI N G NS 430
アビオニクス・スタックと任意装置
7− 57
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン (C OM)ト ラ ン シ ー バ ー
2 基 の VHF コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン (COM) ト ラ ン シ ー バ ー を VHF 通 信 用 に 装 備 す る
こ と が 出 来 る 。 送 信 、 及 び そ の 操 作 機 能 は 装 備 し て い れ ば GARMIN GNS 530 、
と GNS 430に 搭 載 済 で あ る 。 ト ラ ン シ ー バ ー は 周 波 数 の 範 囲 以 内 で 全 て の 狭
く 、 広 い VH F 送 信 帯 を 受 信 す る 。 信 号 は ア ン テ ナ で ピ ッ ク ・ ア ッ プ さ れ 、
ヘ ッ ド セ ッ ト へ の 分 配 に GMS 340オ ー デ ィ オ ・ パ ネ ル へ ケ ー ブ ル を 通 し て 送
られる。
COM 1 は GNS 53 0 に 、 COM 2 は GNS 43 0 に 割 り 振 ら れ る 。 こ の 2 基 の ト ラ ン シ ー
バーにはアクティブ、及び予備の周波数表示、周波数記憶装置、周波数を
選 択 す る た め の ノ ブ が 装 備 さ れ て い る 。 こ れ ら は 118.00 か ら 136.975MHz ま
で の 周 波 数 領 域 に て 、 そ れ ぞ れ 720 チ ャ ン ネ ル ( 25KHz 毎 ) 若 し く は 2280
チ ャ ン ネ ル ( 8.33KH z毎 ) で 運 用 す る 。 サ ー キ ッ ト ・ ブ レ ー カ は 各 々 10 Amp
で 、 COM1と COM2の 表 示 が 付 け ら れ て い る
ナ ビ ゲ ー シ ョ ン (NAV )レ シ ー バ ー
GAR MIN G NS 530 ( 装 備 し て れ ば )、 及 び GNS 430 は VHF オ ム ニ レ ン ジ / ロ ー
カ ラ イ ザ ー ( VOR/LO C)、 並 び に グ ラ イ ド ス ロ ー プ ( G/S) 機 能 を 備 え た 統 合
ナ ビ ゲ ー シ ョ ン ・ レ シ ー バ ー で あ る 。 VOR/ LOCレ シ ー バ ー は 108.000M Hzか ら
117 .950MHzま で の 周 波 数 領 域 を 50KH z毎 に 運 用 し て い る 。 グ ラ イ ド ス ロ ー プ
は 329.15 0 か ら 335.000M h ま で の 周 波 数 領 域 を 150K Hz 毎 に 運 用 し て い る 。
レシーバーにはアクティブと予備の周波数表示、周波数記憶装置、及び周
波 数 を 選 択 す る た め の ノ ブ が 装 備 さ れ て い る 。 VORと LOCの ID ENTオ ー デ ィ オ
出 力 は オ ー デ ィ オ ・ シ ス テ ム か ら 電 力 供 給 を 受 け て い る 。 NAVア ン テ ナ は 垂
直 尾 翼 の 最 上 部 に 装 備 さ れ て い る 。 2 個 の 5 Amp サ ー キ ッ ト ・ ブ レ ー カ が
Nav 1、 及 び Nav2の 表 示 で 設 け ら れ て い る 。
7− 58
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
トランスポンダ
こ の 航 空 機 に は ス コ ー ク 機 能 を 内 蔵 し た 1 基 の GAR MIN GTX 327 AT C Mode C
(識別、及び高度)トランスポンダが装備されている。トランスポンダの
シ ス テ ム は 統 合 レ シ ー バ ー /ト ラ ン ス ミ ッ タ ・ コ ン ト ロ ー ル ・ ユ ニ ッ ト 、 1
個 の ア ン テ ナ 、 及 び 1個 の ア テ ィ チ ュ ー ド ・ デ ジ タ イ ザ ー で 構 成 さ れ る 。 こ
の送受信機は地上の二次レーダー送信機からの呼掛けを受信し、その後
ATCセ ン タ ー へ 呼 掛 け 信 号 を 送 信 す る 。 デ ジ タ ル 化 さ れ た 高 度 情 報 が 航 空 機
の静圧系統内で測定したアティチュード・デジタイザー(エンコーダー)
から提供される。トランスポンダの制御はアクティブ・コードの表示、
コ ー ド の 選 択 、 IDENTボ タ ン 、 及 び テ ス ト 機 能 で 構 成 さ れ て い る 。 表 示 は 白
昼 表 示 し TRAN S と 標 識 さ れ た 3 Am p の サ ー キ ッ ト ・ ブ レ ー カ に よ っ て 保 護 さ
れている。トランスポンダのアンテナは胴体部下面のベリー・パネルの後
方に装備している。
図 7- 27
GA RMI N G TX 327
アワー・メータ
航空機には発動機の運転時間を記録するためのアワー・メータが装備され
ている。アワー・メータはサーキット・ブレーカ・パネルの右下に取付け
ら れ 、 1 am p の ヒ ュ ー ズ で 保 護 さ れ て い る 。 こ れ は 発 動 機 オ イ ル ・ プ レ ッ
シャー・スイッチとメイン・パワー・バスの間に接続されている。
7− 59
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
デ ジ タ ル 時 計 /外 気 温 時 計
デジタル式電気時計が計器板の下部、旋回計のやや左側に取付けられてい
る 。 こ れ は バ ッ テ リ ー か ら リ モ ー ト の 1ア ン ペ ア の ヒ ュ ー ズ を 介 し て 、 航 空
機電源系統が機能していない時でも正確な時間を維持出来るように直接に
電力を受けている。デジタル式外気温度計がデジタル時計に統合装備され
て い る 。 更 に こ の 時 計 に は 電 圧 計 も 統 合 装 備 さ れ て い る 。 Volts
と
OAT 間 の 表 示 を 替 え る に は 、 セ ン タ ー ・ ト ッ プ ・ ボ タ ン を 押 す 。 時 計 機
能 は 下 部 の 2個 の ボ タ ン で 調 整 す る 。
7− 60
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
第 8 章
航空機のハンドリング、サービス、及びメンテナンス
目
次
序
文 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 3
識
別
板 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 3
リバティ・オーナー・アドバイザリー · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 3
パ ブ リ ケ ー シ ョ ン · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 4
航空機の書類 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 5
航 空 機 点 検 間 隔 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 6
リ バ テ ィ 用 点 検 プ ロ グ ラ ム · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 6
保 守 整 備 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 7
改 造 、 若 し く は 修 理 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 7
地 上 ハ ン ド リ ン グ · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 8
ト ー イ ン グ · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 8
パ ー キ ン グ · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 9
タ イ -ダ ウ ン· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 10
ジ ャ ッ キ ン グ · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 10
レ ベ リ ン グ · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 11
飛 行 可 能 な 状 態 で の 保 管 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 12
点 検 整 備 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 13
滑
油 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 13
燃
料 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 16
ラ ン デ ィ ン グ ・ ギ ア · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 17
ク リ ー ニ ン グ 、 及 び ケ ア · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 17
ウ ィ ン ド シ ー ル ド 、 及 び ウ ィ ン ド ウ · · · · · · · · · · · · · · 8− 17
塗 装 表 面 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 18
プ ロ ペ ラ の 保 守 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 18
発 動 機 の 保 守 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 19
内 装 の 保 守 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 19
雪 、 及 び 氷 の 除 去 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 8− 19
8− 1
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
THIS PAGE INTENTIONALLY LEFT BLANK
8− 2
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
第
8 章
航空機のハンドリング、サービス、及びメンテナンス
序
文
この章ではこの航空機の適切な地上ハンドリング、保守、及び整備点検の推
奨する手順について説明する。これは航空機の性能、及び信頼性を維持する
ために必要な点検、並びに整備の要件を解説するものである。必要な点検の
間隔、及び気象条件、若しくは運用状態に基づいて、計画された給油、及び
保守整備の実施を推奨する。
識
別
板
この航空機は左側後部胴体に、恒久的に取付けた金属板に打刻された個別情
報で、航空機が個別に識別できる。個別情報とは、航空機の製造番号、製造
認定番号、型式番号、及び製造年月日である。
リバティ・オーナー・アドバイザリー
リバティ社は、この航空機の所有者、並びにそのオペレータに対して必須、
及 び /若 し く は 推 奨 す る 保 守 点 検 、 改 造 の 事 柄 に つ い て 継 続 し た 情 報 提 供 を 行
う。
有効なリバティ・オーナー・アドバイザリーを受領する場合には、メール、
若 し く は イ ン タ ー ネ ッ ト に て リ バ テ ィ 社 に 連 絡 す る こ と 。
www .libertya ircraft.c om リ バ テ ィ ・ オ ー ナ ー ・ ア ド バ イ ザ リ ー の 購 読 契 約 は
通 常 1年 間 有 効 で あ り 、 契 約 切 れ の 場 合 に は 、 オ ー ナ ー ・ ア ド バ イ ザ リ ー 申 込
書、若しくは更新通知書にて継続契約が出来る。
8− 3
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
パブリケーション
数種類の刊行誌が工場出荷の際に航空機に搭載される。それらの中には下記
の刊行誌も含まれている:
・飛行規程
・この航空機の装備品リスト
・操縦士用操作手順
以下の刊行誌はリバティ社から入手できる:
・ こ の 航 空 機 の 装 備 品 リ ス ト (標 準 装 備 品 で 、 個 別 で は な い )
・ パ イ ロ ッ ト ・ イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン ・ マ ニ ュ ア ル (飛 行 規 程 の 複 写 、 但
し改訂されず、且つ航空機個別に対応していない)
・航空機製造会社発行のメンテナンス・マニュアル
・航空機製造会社発行のイラストレーテッド・パーツ・カタログ
注 記
紛失、若しくは損傷した飛行規程はリバティ社に連絡す
ると再発行される。特別な装備をした航空機の飛行規程
の場合には、所有者の氏名、製造番号、及び登録番号を
記載した申請書が必要となる。
8− 4
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
航空機の書類
航空機関係の種々な記録、情報、及び許可書などは、直ぐに取り出して使用
出来るように、定期的に点検しておくこと。
常時確認できる(目視可能)書類としては:
1. 耐 空 証 明 書
2. 航 空 機 登 録 証 明 書
3. 航 空 機 無 線 局 免 許 状
常時搭載(目視不可)しておく書類としては:
1. 飛 行 規 程
2. 最 新 の 重 量 重 心 位 置 、 及 び 修 理 改 造 実 施 記 録
3. 装 備 品 リ ス ト 。
要求に応じて提示可能な書類としては:
1. 航 空 日 誌
2. 発 動 機 用 航 空 日 誌
個 別 要 件 に 確 実 に 対 応 す る こ と は 運 航 者 、 及 び /若 し く は 操 縦 士 の 責 任 で あ る 。
8− 5
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
航空機点検間隔
国土交通省航空局は航空機、発動機、プロペラ、若しくは他の装備品につい
て 該 当 す る 耐 空 性 改 善 通 報 ( TCD ) を 発 行 し て 、 一 回 の 、 若 し く は 繰 り 返 し に
よ る 点 検 の 付 加 要 求 を 発 行 す る 場 合 が あ る 。 該 当 す る TCD の 照 合 は 航 空 機 の 所
有 者 /運 航 者 の 責 任 で あ り 、 不 注 意 に よ る 未 実 施 を 防 止 す る 為 の 適 切 な 手 段 を
講じること。
リバティ用点検プログラム
リ バ テ ィ 社 は 25 時 間 毎 の プ ロ ペ ラ 取 り 付 け ボ ル ト の ト ル ク 点 検 (木 製 、 若 し く
は 木 製 /コ ン ポ ジ ッ ト プ ロ ペ ラ の み )、 航 空 機 、 発 動 機 、 及 び 発 動 機 の 装 備 品
に つ い て 50時 間 毎 の 点 検 を 義 務 付 け て い る 。
8− 6
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
保 守 整 備
この航空機のメンテナンス・マニュアルを保守整備実施のために購入し、メ
ンテナンス・マニュアル保守点検項目に従って保守整備を実施すること。
改造、若しくは修理
改造、若しくは修理については、航空機の耐空性に影響を及ぼすか、あるい
は損なうかを確認するために、事前に国土交通省航空局、並びにリバティ社
に連絡することが必要である。
航空機の改造、若しくは修理は国土交通省航空局からの承認を得た部品、及
び書類を使用して実施しなければならない。
8− 7
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
地上ハンドリング
トーイング
トー・バーが地上操作、及び航空機の移動用に標準装備品として用意され、
航空機に搭載している。このトー・バーはリバティ社より購入できる。他
のトー・バーの使用は推奨しない。
人力によるトーイング/航空機移動
a.
b.
c.
d.
e.
f.
g.
トー・バーをノーズ・ランディング・ギアに取り付ける。
チョークを取り外す。
必要により、パーキング・ブレーキを解除する。
希望の場所に航空機を移動させる。
メイン・ホイールにチョークを入れる。
トー・バーを取り外す。
パ ー キ ン グ ・ ブ レ ー キ を か け る 。 (必 要 に よ り 、 オ ペ レ ー タ の
意志による)
注 意
航空機を後方へ移動させる場合には、ノーズ・ランディ
ング・ギアが左、若しくは右の ハード・オーバー へ
キャスターのように振れることがある。トー・バーの
フ ァ ー ム ・ グ リ ッ プ を 抑 え て 、 左 右 80 度 に あ る リ ミ ッ
ト・ストップを越えないようにすること。
ノーズ・ホイールを人力で浮かせる場合には、水平尾翼前方の胴体から垂
直尾翼に体重をかけて押し下げる。水平尾翼やラダーを押してはならない。
胴体下面が地面に接しないよう注意すること。ノーズ・ホイールを地面に
戻 す 際 に は 、 フ ロ ン ト ・ エ ン ド を 落 と す '事 の 無 い よ う 慎 重 に 体 重 を 抜 く
こと。
ト ー イ ン グ /牽 引 装 置 を 使 用 し て の 牽 引
a.
b.
c.
d.
e.
f.
g.
ノーズ・ランディング・ギアにトー・バーを取り付ける。
チョークを取り外す。
必要により、パーキング・ブレーキを解除する。
希望の場所に航空機を移動させる。
メイン・ホイールにチョークを入れる。
航空機、及び牽引装置からトー・バーを取り外す。
パ ー キ ン グ ・ ブ レ ー キ を か け る 。 (必 要 に よ り 、 オ ペ レ ー タ の
意志による)
8− 8
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
注 意
ノーズ・ランディング・ギアの損傷を避けるために、航
空機を牽引車両で牽引する場合には、前進方向だけに使
用すること。牽引車両を使用しての後進は行わないこと。
後進が必要な場合には、牽引車両からトー・バーを外し
て、人力で動かすこと。
パーキング
短時間のパーキング
注 意
長い地上滑走でホイール・ブレーキが熱い場合には、
パーキング・ブレーキを使用する前に、ブレーキを十
分冷やすこと。
a. 希 望 す る パ ー キ ン グ 場 所 に 自 走 、 若 し く は 牽 引 に て 航 空 機 を
移動する。
b. 機 首 を 風 向 き に 正 対 さ せ る 。
c. ノ ー ズ ・ ホ イ ー ル が セ ン タ リ ン グ で あ る こ と 。
d. 強 風 、 若 し く は ガ ス ト を 伴 う 天 候 で は 航 空 機 を 係 留 (タ イ - ダ
ウン) すること。
e. パ ー キ ン グ ・ ブ レ ー キ を か け る 。
f. メ イ ン ・ ホ イ ー ル の 前 後 に チ ョ ー ク を 入 れ る 。
g. パ ー キ ン グ ・ ブ レ ー キ を 解 除 す る 。
h. エ ル ロ ン を ニ ュ ー ト ラ ル に し て フ ラ イ ト ・ コ ン ト ロ ー ル を 縛
り、フラップを上げる。
i. ド ア を 閉 じ て ロ ッ ク す る 。
注 記
コントロールは、エルロンがニュートラルで水平尾翼
の前縁が下がるように操縦桿を手前に引きシートベル
トで固定する。
長時間のパーキング
上記の手順に下記の項目を加え実施する:
a. タ イ -ダ ウ ン す る 。 (次 項 参 照 )
b. 外 側 か ら ラ ダ ー の ガ ス ト ・ ロ ッ ク を 取 り 付 け る 。
c. キ ャ ノ ピ ー と ピ ト ー ・ カ バ ー を 取 り 付 け る 。
8− 9
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
タ イ -ダ ウ ン
こ の 航 空 機 に は 3箇 所 の 係 留 ポ イ ン ト が あ る 。 各 主 翼 の 下 面 に 1箇 所 ず つ と 、
航 空 機 の 尾 部 下 面 に 1 箇 所 。 係 留 リ ン グ (7/16 x20 ネ ジ ) を 係 留 ポ イ ン ト に
ネジ止めする。
a. 航 空 機 を パ ー キ ン グ す る 。
b. 係 留 リ ン グ を 各 係 留 ポ イ ン ト に ネ ジ 止 め す る 。
c. タ イ -ダ ウ ン ・ ロ ー プ (引 張 強 さ 最 小 700 lb) で 地 上 の 係 留 環
と航空機の係留リングを繋ぐ。
注 記
係留リングのネジ部に汚れの無いこと。係留リングは手
締めで十分である。
ジャッキング
片側のメイン・ランディング・ギア・ホイールの交換、若しくは点検のため
に 、 航 空 機 を 片 側 だ け ジ ャ ッ キ ・ ア ッ プ す る 場 合 に は 、 1個 の ジ ャ ッ キ を 、 必
要なジャッキ・ポイントに合わせて使用する。ノーズ・ランディング・ギ
ア ・ ホ イ ー ル の 交 換 、 若 し く は 点 検 の 場 合 に は 、 1個 の ジ ャ ッ キ を ノ ー ズ ・ ホ
イール・ジャッキ・ポイントに合わすか、若しくは係留リングに錘の付いた
テール・スタンドを繋いで胴体後部を押し下げるかの、いずれかで航空機を
ジャッキ・アップする。二つのいずれの場合でも、メイン・ホイールは地上
に接地している。
注 意
航空機をジャッキ・アップする場合には、屋内の風が当
たらない場所で行うこと。
注 意
3個 全 て の ホ イ ー ル を ジ ャ ッ キ ・ ア ッ プ し て い る 場 合 を
除き、地上に接地しているホイールには、しっかりと
チョークをすること。
注 記
メイン、及びノーズ・ギア・ジャッキ・ポイントへ接す
る場合には、航空機のベリー・パネルを取り外すこと。
8− 10
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
航空機のジャッキング
(3個 全 て の ホ イ ー ル )
a. ジ ャ ッ キ ・ ポ イ ン ト に 接 す る 場 合 に は 、 航 空 機 の ベ リ ー ・ パ
ネルを取り外す。
b. ジ ャ ッ キ を 各 メ イ ン ・ ギ ア ・ ジ ャ ッ キ ・ ポ イ ン ト の 下 に 置 く 。
更に適切なジャッキをノーズ・ギア・ジャッキ・ポイントの
下に置く。
c. 地 面 か ら 航 空 機 を 浮 か す た め に は 、 3 個 全 て の ジ ャ ッ キ を 同 時
に操作すること。
代替方法
a. ジ ャ ッ キ を 各 メ イ ン ・ ギ ア ・ ジ ャ ッ キ ・ ポ イ ン ト の 下 に 置 く 。
b. テ ー ル ・ タ イ -ダ ウ ン ・ ポ イ ン ト に 錘 の 付 い た テ ー ル ・ ス タ ン
ド (少 な く と も 300 lbs) を 繋 ぐ 。 両 方 の メ イ ン ・ ギ ア ・
ジャッキを同時に操作して、地面から航空機を浮かす。
航空機を下ろす
a. 航 空 機 を 降 ろ す 場 所 に 障 害 物 の な い こ と 。
b. 全 て の ホ イ ー ル が 接 地 す る ま で 、 全 て の ジ ャ ッ キ を 同 時 に 下
ろすこと。
c. 全 て の ジ ャ ッ キ を 取 り 外 す 。
d. 航 空 機 の ベ リ ー ・ パ ネ ル を 取 り 付 け る 。
レベリング
横方向のレベルを測定する場合には、ドアを開けた状態で、左右ドアの敷居
の間に棒(機軸の右側で角度を測定する)を横たえて行う。レベルを調整し
てドア敷居の前方部、若しくは後方部で測定する。
縦方向のレベルを測定する場合には、ドアを開けた状態で、ドアの敷居に棒
を沿わせて測定する
8− 11
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
飛行可能な状態での保管
30 日 以 内 で 飛 行 せ ず に 保 管 す る 場 合 、 若 し く は 初 期 の 25 時 間 の 使 用 中 の 航 空
機の場合には、飛行可能な状態での保管とみなす。
飛 行 可 能 な 状 態 で の 保 管 中 の 場 合 に は 、 7日 間 毎 に プ ロ ペ ラ を 正 回 転 方 向 (航
空 機 を 前 か ら 見 て 反 時 計 方 向 )に 手 廻 し で 5回 転 (ブ レ ー ド 10枚 分 )さ せ る こ と 。
これは発動機オイルを 伸ばし 、シリンダーの内壁面の油膜を維持させて腐
食防止になる。
警
告
プ ロ ペ ラ を 手 廻 し す る 場 合 に は 、 航 空 機 の 係 留 (タ イ -ダ
ウ ン 、 及 び /若 し く は 3個 全 て の ホ イ ー ル に チ ョ ー ク が 入
れ て あ る こ と ) 、 マ ス タ ー ・ ス イ ッ チ 、 及 び FADEC PWR A 、
並 び に B ス イ ッ チ の OFF を 確 認 す る こ と 。 プ ロ ペ ラ は 「 生
き物」のように扱い、プロペラ手廻しの際には、決して
プロペラの軌跡内に立たないこと。
30 日 を 越 え る 場 合 に は 、 最 低 30 分 の 飛 行 を す る か 、 若 し く は 地 上 で 滑 油 温 度
が緑色弧線の下側範囲に十分入る様に、少し長めのランナップを実施するこ
と。長い地上走行は避けること。発動機ランナップは燃料配管や、その他発
動機内の水分、若しくは水蒸気の蓄積除去に役立つ。燃料タンクは水蒸気の
液化を最小限にするために、満タンに保つこと。寒冷地では凍結防止のため
にバッテリーを完全充電に保つこと。長期保管については、メンテナンス・
マニュアルを参照のこと。
8− 12
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
点 検 整 備
こ の 飛 行 規 程 内 の 第 4章 に 記 載 し た 飛 行 前 点 検 に 加 え 、 保 守 、 点 検 、 及 び テ ス
ト方法等については、この航空機のメンテナンス・マニュアルにその詳細を
記載している。メンテナンス・マニュアルには特別な間隔で要求されている
保 守 、 点 検 、 及 び /若 し く は テ ス ト 項 目 と 同 様 に 個 別 に 要 求 さ れ る 規 格 類 に つ
いても、それらの概要を記載している。登録する国や使用する地域によって
保守、点検、及びテスト方法等について、追加要求することがある。
保守点検に使用する材料、規格、及び必要量等の仕様を早見表として以下に
記載する。
滑
油
航空機は慣らし運転のために、特別に認められたストレート・ミネラル・
オ イ ル を 入 れ て 工 場 か ら 出 荷 さ れ る 。 こ の 滑 油 は 初 期 25 時 間 の 使 用 後 に は
排 出 し て 、 フ ィ ル タ ー を 交 換 す る こ と 。 そ の 後 は 、 IOF-24 0-B-4発 動 機 用 に
テ レ ダ イ ン ・ コ ン チ ネ ン タ ル ・ モ ー タ ー ス 社 が 使 用 を 認 め た MIL- C652 9TYPE II、 若 し く は ア シ レ ス 社 製 デ ィ ス パ ン ・ オ イ ル 等 の ミ ネ ラ ル ・ オ
イルを使用すること。オイルメーカーやオイルタイプの混合使用は推奨出
来ない。現在使用している滑油のブランド、タイプ、及びグレードを航空
機に記録して、その情報を操縦士や整備士が閲覧できるようにすること。
温度範囲により推奨された粘性
マルチ粘性、若しくはストレート・グレード・オイルが発動機潤滑
用として使用されている。温度、及び粘性の範囲に関しては、以下
の表を参照すること:
TEMPERATURE
RANGE
MIL-C-6529 TYPE II
SAE GRADE
ASHLESS
DISPERSANT
SAE GRADE
Above 4°C/40°F
SAE 50
SAE 50
Below 4°C/40°F
SAE 30 or 15W50
SAE 30 or 15W50
All Temps.
SAE 20W50 or 20W60
SAE 20W50 or 20W60
図 8-1
8− 13
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
発動機・オイル・サンプ容量
発 動 機 オ イ ル ・ サ ン プ の 容 量 は 6 US qua rts 。 オ イ ル ・ フ ィ ル タ ー 、
外 付 け オ イ ル ・ ク ー ラ ー 、 及 び ホ ー ス を 含 む と 1 qua rt 増 え る 。 飛
行 の た め の 最 低 油 量 は 5 quart s 。 飛 行 が 延 び る 場 合 に は 、 オ イ ル を
規定量に補充すること。
滑油、及びフィルターの交換
フル・フロー式のオイル・フィルターが発動機に装備され、オイ
ル ・ ポ ン プ の 側 面 に 取 り 付 け ら れ て い る 。 交 換 用 の フ ィ ル タ ー は 20
mic ron の フ ィ ル タ ー で 、 12-16 psi g で 開 閉 す る バ イ パ ス ・ バ ル ブ が
内 蔵 さ れ て お り 、 SAE 50 の 滑 油 を 使 っ た 場 合 に は 、 240 ℉ で 70 lb/ 分
の 流 量 を 確 保 出 来 る も の で な け れ ば な ら な い 。 初 期 25 時 間 の 発 動 機
使用後には、滑油を排出して、フィルターを交換すること。その後
は 50 時 間 の 使 用 毎 に 発 動 機 オ イ ル と フ ィ ル タ ー ・ エ レ メ ン ト を 交 換
すること。
注 記
新品、リビルト、若しくはオーバーホール済み発動機の
初 期 25 時 間 の 使 用 後 に は 、 発 動 機 100 時 間 点 検 を 実 施 す
る こ と 。 (こ の 航 空 機 の メ ン テ ナ ン ス ・ マ ニ ュ ア ル 、 及
び テ レ ダ イ ン ・ コ ン チ ネ ン タ ル ・ モ ー タ ー ス 社 IOF-24 0
の メ ン テ ナ ン ス ・ マ ニ ュ ア ル Part No.M -22 、 5-6 章 を 参
照)
下記のタイプ、及びグレードの滑油がこの航空機での使用が認めら
れている:
M anu fac tur er
BP Oil Corpo ration
Cas trol
Cas trol Limi ted (Aust railia)
O il typ e / Gr ade
BP Aero Oil
Cas trol AD A ero Oil
Cas trol AD A ero Oil
Che vron U.S. A., Inc.
Con tinental Oil
Del ta Petrol eum Corp.
Che vron Aero Oil
Con oco Aero S
Del ta Avoil Oil
Exx on Compan y, U.S.A.
Exx on Aviati on Oil EE
Gul f Oil Com pany
Gul fpride Av iation AD
8− 14
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
M anu fac tur er
Mob il Oil Co mpany
NYC O S.A.
O il typ e / Gr ade
Mob il Aero O il
TUR BONYCOIL 3570
Pen nzoil Com pany
Pennzoil Aircraft Engine Oil
Phi llips Pet roleum Co mpany
Phillips 66 Aviation Oil, Type A
Phi llips 66 X/C
20W 50 or SAE 20W60
Aviation Multi-viscosity Oil, SAE
Qua ker State Oil & Re fining Co .
Red Ram Limi ted (Cana da)
Quaker State AD Aviation Engine Oil
Red Ram X/C Aviation Oil 20W50
She ll Austra lia
She ll Canada Limited
Aer oshell ® W
Aer oshell Oi l W
Aeroshell Oil W 15W50, Anti-wear
For mulation
Aer oshell Oi l W 15W50
Sin clair Oil Company
Tex aco, Inc.
Tot al France
Uni on Oil Co . of Cali fornia
Sin clair Avo il
Texaco Aircraft Engine Oil Premium AD
Tot al Aero D M 15W50
Union Aircraft Engine Oil HD
A ppr ove d M ine ral Oi l:
MIL -C-6529 T YPE II
8− 15
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
燃
料
承 認 済 み 燃 料 等 級 (、 及 び そ の 色 )
100 LL 航 空 燃 料 (青 )
燃料容量
29. 5 U.S Gal lons 全 容 量 (シ ン グ ル タ ン ク )
(28 U.S Gal lons 使 用 可 能 量 )
燃料の汚染はほとんどの場合が燃料内に外部から混入した異物によるもの
であり、水、錆、砂、土、微生物、若しくはバクテリアの増殖( バグ 、
或 い は 泥 )な ど が 考 え ら れ る 。
飛 行 前 毎 、 及 び /若 し く は 燃 料 補 給 毎 に 、 汚 れ の な い サ ン プ リ ン グ 容 器 を 用
いて燃料が汚染されていないか、そして適正なグレード(色)の燃料が補
給されているかを確認するために、両方の燃料タンク・サンプ、及び燃料
ス ト レ イ ナ ー (" ガ ス コ レ ー タ ー ") ・ ド レ イ ン か ら 燃 料 を 抜 き と る 。 燃 料 補
給、若しくは航空機移動の直後であれば、燃料より重い不純物が燃料タン
ク の 底 に 沈 殿 し 燃 料 サ ン プ (低 い 部 分 )に 溜 ま る ま で 5∼ 10分 間 待 つ こ と 。
もし不純物が見つかった場合、不純物がなくなるまで燃料の抜き取りと点
検を続け、 流れに従って が最良であることから、不純物がなくなるま
で燃料タンク・サンプからの抜き取りを続ける、それから後に燃料ストレ
イナー・ドレインからの燃料抜き取りを繰り返す。必要であれば、全ての
不 純 物 が 系 統 の 底 部 に 沈 殿 す る よ う に 航 空 機 を 揺 す る か 振 動 さ せ た 後 、 5∼
10 分 間 後 に 燃 料 の 抜 き 取 り 、 及 び 点 検 を 再 開 す る 。 不 純 物 が ま だ 出 て く る
場合、整備工場等にて燃料系統から燃料を抜き、清掃すること。
もし誤った燃料補給(異なるグレード、若しくはタイプ)が疑われる場合、
整備工場等にて燃料系統から燃料を抜き、清掃すること。誤補給でなかっ
た場合は断固且つ明確に給油者を拒絶する事ができる。
可能であれば何時でも、燃料タンクは飛行後毎に燃料より上方の空気空間、
及び湿気による凝結の可能性を最小にするために満タンにすべきである。
8− 16
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
ランディング・ギア
ラ ン デ ィ ン グ ・ ギ ア ・ ホ イ ー ル は 3個 全 て 5.00x5の タ イ ヤ を 使 用 し て い る 。
空 気 圧 力 は 3個 全 て 50 psiで あ る 。
2個 の メ イ ン ・ ホ イ ー ル ・ ブ レ ー キ は 操 縦 室 セ ン タ ー ・ コ ン ソ ー ル 内 (2個 の
ブ レ ー キ ・ レ バ ー の 後 方 )の 1個 の 共 有 リ ザ ー バ ー を 使 用 し て い る 。 リ ザ ー
バーの点検にはセンター・コンソールの内装材を取外すこと。リザーバー
に は MIL-H-56 06A(赤 )の ハ イ ド ロ リ ッ ク ・ フ ル ー ド を 補 充 す る こ と 。
クリーニング、及びケア
ウィンドシールド、及びウィンドウ
アクリルの透明度を保つための最も良い清掃はきれいな水を十分に使用す
ることである。土、昆虫等を最初に取り除くための最も良い手段は何も付
け な い (清 潔 な )素 手 で あ る 。 す り 傷 を 付 け な い よ う に 腕 時 計 や 指 輪 は 外 す
こと。埃、土、昆虫などを取り除くため素手でそっと擦っている間、水を
表面に流し続けておくこと。
必要な場合、強固な付着物を取り除くために刺激性の少ない石鹸溶液を使
用すること。材質の変化などを引き起こす可能性があるため、化学クリー
ナーの使用は避けること。
注 意
如何なる種類のどんな清掃用溶剤も決して使用してはな
らない。如何なる種類のどんな清掃用研磨剤も決して使
用してはならない。
透明な表面の清掃用として水に刺激性の少ない清浄溶剤を数滴落として使
用すると 油膜 を形成して水溜りを防げる。透明面は空気乾燥、若しく
は清潔なリント布、或いはセーム革で軽く撫ぜて乾かす。
8− 17
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
塗 装 表 面
塗装表面は水、及び石鹸で洗い、水で流してから布かセーム革で乾燥させ
る。粗目の中性洗剤、及び全ての研磨材の使用は避けること。強固な油脂、
及びグリースの染みは清浄性の溶剤を浸透させた布を使用すると取り除く
こ と が で き る 。 透 明 部 分 (ウ ィ ン ド シ ー ル ド 、 ウ ィ ン ド ウ )へ 溶 剤 が 付 着 し
な い よ う に 十 分 に 注 意 を 払 う こ と 。 溶 剤 で 表 面 の 文 字 等 (登 録 番 号 等 )を 擦
らないこと。
航空機はワックス・メーカーの取扱説明書に従い良質の自動車用ワックス
を用いて定期的にワックス掛けをすること。リーディング・エッジのワッ
クスを厚く塗るとすり傷を減少できる。
理想としては、ワックス掛けの後は航空機を手で磨くことで、機械的な方
法は推奨できない。電気式研磨器、若しくは緩衝器に際してはコンポジッ
ト素材の胴体、及び垂直尾翼のオーバーヒートを避けるよう細心の注意を
払うこと。研磨器、若しくは緩衝器の使用に際しては何時も最小限の圧力
で抑えること。
プロペラの保守
プロペラは、航空機の表面塗装と同様のワックス製品、及び方法で、洗浄、
並びにワックス掛けをすること。如何なる引っ掻き傷も整備に報告するこ
と。操縦士はプロペラのかすり傷を磨いてはならない。
警
告
塗装面より深く、木、及びコンポジット素材のプロペラ
構造にまで達する傷が発見された場合、始動や飛行をし
てはならない。
8− 18
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
発動機の保守
発 動 機 は 標 準 的 な 常 温 で の 溶 剤 (清 浄 性 の 溶 剤 等 )を 使 い 、 低 圧 ス プ レ ー を
使用して洗浄する。全ての溶剤が発動機始動までに蒸発、若しくは乾燥し
ていることを確認する。
警
告
発動機の洗浄前に、発動機やアクセサリーのブリーザー、
及びベントの開口部をシール(テープやポリ袋等で)す
ること。発動機の洗浄に際しては如何なる電気装備品、
電 子 装 備 品 ( FADEC ) 、 若 し く は コ ネ ク タ ー 類 に 直 接 、
或いはその付近に溶剤を噴霧してはならない。
内装の保守
床 の 敷 物 、 布 地 の 側 壁 面 、 及 び (織 物 )シ ー ト ・ カ バ ー は 定 期 的 に 掃 除 機 を
かけること。必要に応じて皮製シートは自動車用の革用コンディショナー
を用いて手入れをすること。
計器板、操縦室センター・コンソール、及び計器板のグレア・シールドは
湿 ら せ た (水 の み )柔 ら か な 布 地 で 拭 く こ と 。 溶 剤 、 及 び 強 い 洗 浄 剤 は 内 装
材の表面に使用しないこと。
雪、及び氷の除去
雪が航空機に積もった場合、解けた水が航空機の表面、若しくはコント
ロ ー ル 面 の 隙 間 に 入 る の を 防 ぐ た め で 、 き る だ け 速 や か に (理 想 的 に は 、 溶
け る 前 に )取 り 除 く こ と 。
航空機から雪、若しくは氷を除去する際に、鋭利な道具、或いはスクレー
パ ー 類 を 使 用 し て は な ら な い 。 雪 、 及 び /若 し く は 氷 の 除 去 で 最 も 良 い 方 法
は、暖めたハンガー内に航空機を置くことである。
注 意
融けた雪、若しくは氷が、航空機の表面、或いは内部で
再凍結するのを防ぐため、融けた水の全てが排出(滴の
落 下 が 終 わ っ て ) さ れ て か ら 少 な く と も 30 分 は 暖 め た ハ
ンガーから航空機を動かしてはならない。
8− 19
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式
X L -2型
平 成 2 2 年 3 月 3 0 日
THIS PAGE INTENTIONALLY LEFT BLANK
8− 20
P/N
135A-97 0-007-1
IR
リバティ式 XL-2 型
平成 22 年 3 月 30 日
追加飛行規程一覧表
JA
番 号
項
目
装着年月日
確認印
135A-970-012-1 Garmin GNS 530 - VHF COM / NAV / GPS
平成
年
月
日
135A-970-013-1 Garmin GNS 430 - VHF COM / NAV / GPS
平成
年
月
日
135A-970-015-1 Cabin Heat / Demist System
平成
年
月
日
平成
年
月
日
135A-970-018-1 Footstep Assembly
平成
年
月
日
135A-970-020-1 Wheel Fairings
平成
年
月
日
135A-970-021-1 Garmin SL30 NAV / COM
平成
年
月
日
135A-970-022-1 Garmin SL40 COM
平成
年
月
日
135A-970-023-1 Garmin GNS 430 VHF COM / NAV / GPS WAAS
平成
年
月
日
135A-970-024-1 Garmin GNS 530 VHF COM / NAV / GPS WAAS
平成
年
月
日
135A-970-025-1 Gross Weight of 1,750 LBS
平成
年
月
日
135A-970-026-1 Artex 406 ELT
平成
年
月
日
135A-970-027-1 Toe Brakes
平成
年
月
日
P/N
135A-97 0-007-1
135A-970-016-1
Liters Placard and Litres Calibrated Fuel
Gauge
9-1
IR
リ バ テ ィ式 X L -2 型
平成 22 年 3 月 30 日
THIS PAGE INTENTIONALLY LEFT BLANK
9-2
P/N
135A-97 0-007-1
IR