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LQ600
マイクロ波濃度計(一般用)
■概
要
マイクロ波濃度計は、マイクロ波を用いた独自の位相
差測定方式により、配管中を流れる被測定流体中の全固
形分(溶解性物質+非溶解性物質)などの濃度をインライ
ンで連続的に測定します。
この測定方式は、汚れの影響を受けにくく、流速の影
響を受けることがないため、さまざまな状況で確実な濃
度測定を実現します。また、パイプ内には機械的可動部
がないため、圧力損失がなく、高い信頼性で、保守性も
優れています。
さらに、測定原理的に直線性に優れているため、低濃
度から高濃度までの広い濃度範囲に適用でき、測定範囲
の変更も簡単にできます。
また、濃度計本体の操作部での操作だけでなく、HART
プロトコル準拠*1 の通信機能によって、遠隔からの各種
操作も可能です。
図1
マイクロ波濃度計 LQ600 形
*1 HART プロトコル
“HART プロトコル”とは Highway Addressable Remote
Transducer の略で、HCF(HART Communication Foundation)
が推奨する工業センサ用通信プロトコルの名称です。
●構
成
外部連動接点入力
DI/DO
濃度測定値出力
(4~20mADC)
電源用
ケーブル
AC電源
(AC100V~AC240V
50/60Hz)
本濃度計は検出器配管内部に測定流体が充満していない
と正常に測定できません。流体の流通時および停止時で
も、測定流体で検出器配管内部が必ず充満するように配
通信用
ケーブル
D種接地
管設計してください。
「適用に注意を要する場所(測定流体が充満しない恐れ
のある事例)」
z ポンプ吸込側で、検出器配管内部が測定流体で充満し
ない場所。
z 水平配管で、検出器配管内部が測定流体で充満しない
場所。
z 運転停止時に検出器配管内部が測定流体で充満しない
場所。
※上記のような場所に取り付ける場合は、ご連絡ください。
図2
構成図
z この製品は、一般産業機器(各種プロセス制御、製造ライン制御水処理施設など)のシステムに使用されることを意図して設計、
製造されたものです。人命に直接かかわるような状況の下で使用される機器やその機器の含まれているシステムに用いられるこ
とを目的として設計、製造されたものではありません。
この製品をそれらの用途にご使用の場合には、事前に営業窓口にご相談ください。
z この製品は、厳重な品質管理のもとに製造しておりますが、部品の故障などにより、人命にかかわるような設備や重大な影響が
予測される設備への適用に際しては、システムの運用・維持・管理に関して、安全なシステムを構築するための特別な配慮を施
してください。
z この製品は、電気工事・据付工事などが必要です。お買い上げの販売店や専門業者、当社販売担当にご相談ください。工事に不
備があると、感電や火災の原因になります。
z この製品をご使用の前には、関連の取扱説明書をよくお読みになり、正しくお使いください。
z この製品は防爆機器としての検定を受けていません。本製品を爆発性雰囲気のある場所(防爆エリア)では使用しないでくださ
い。
一般仕様書
No. JL-104B
LQ600
●標準構成
1. 検出器
2. 変換器
3. 標準付属品
電 気 的 分 解 能:
1台
1台
1 式 (表 1 を参照ください。)
呼口径
電気的分解能
50mm
0.002%TS
80mm~300mm
0.001%TS
(注 1) 変換器単体での分解能です。
表1
(注 2) 模擬試液での確認可能分解能:
標準付属品
品 名
ヒューズ
仕
様
2A(T)、250V
(ガラス筒φ5.2×20mm)
形状・特性:51NR 相当
JIS C 6575 準拠
取扱説明書
6E8A3108
電源ケーブル RF部(検出器)-変換器間DC電源供給用
仕上がり外径:11.0~13.0mm
JCS 258C 2 心 CVV-S
通信ケーブル RF 部(検出器)-変換器間通信用
仕上がり外径:11.0~13.0mm
JCS 258C 4 心 CVV-S
数量
2個
10m
(標準)
様
式:マイクロ波を用いた位相差法
囲:
呼口径
スパン範囲 (注 2)
濃度測定範囲下側(4mA)
濃度測定範囲上側(20mA)
設定ステップ
50mm
80mm~300mm
2~50%TS (注 3)
1~50%TS
0~48%TS
0~49%TS
2~50%TS
1~50%TS
0.1%TS
(注 1) 上記の濃度測定範囲は、測定対象により変わること
がありますので、事前にサンプルテストで確認する
ことを推奨します。
詳細についてはお問合せください。
(注 2) スパン=濃度測定範囲上側-濃度測定範囲下側
(注 3) TS(Total Solids):
全固形分=溶解性物質+非溶解性物質
なお、固形分以外にも感度を有する場合があります。
(注 4) 被測定物質は空げきがなく、流動性があることが必
要です。上記の範囲以外についてはご相談ください。
繰 り 返 し 性:
呼口径
繰り返し性
50mm
±0.02%TS
80mm~300mm
±0.01%TS
(注 1) 変換器単体での繰り返し性です。
(注 2) 模擬試液での確認可能繰り返し性:
呼口径
50mm
フルスケール 2%
±2%FS
TS 以上のとき
確認可能
繰り返し性 フルスケール 2%
TS 未満のとき
80~300mm
±2%FS
±4%FS
* 上記模擬試液による特性には濃度分布の不均一さな
ど、試験上の誤差も含まれています。
* 模擬試液の測定でフルスケール 5%以上の測定点での
値です。
* フルスケールとは、測定範囲での最大値で、濃度測定
範囲上側のことを指します。
* 配管内の濃度分布が不均一の場合には、手分析値と濃
度計の指示値が一致しない場合があります。
一般仕様書
No. JL-104B
80mm~300mm
0.05%TS
* 確認可能分解能の値は、模擬試液に微少な濃
度差を試験によって確認した値ですが、濃度
1冊
10m
(標準)
本濃度計を据付ける際は、本濃度計を支持する十分な
強度を持った構造(架台など)で、据付けをお願いします。
●総合仕様
測 定 方
測 定 範
50mm
0.1%TS
度差をつけ、濃度計出力として分解可能な濃
■お願い
■仕
呼口径
確認可能分解能
分布の不均一さなど、試験上の誤差や環境変
動分も含まれています。
周 囲 環 境 条 件:温度:
標
準:0~50℃
オプション:-20~50℃
(凍結しないこと)
湿度:5~85%RH(結露しないこと)
構
造:変換器:耐水形
(JIS C 0920:IEC60529 IP65 相当)
検出器:防浸形
(JIS C 0920:IEC60529 IP67 相当)
(注) 屋外設置も可能です。ただし、
直射日光を受ける恐れのある場
合は日除けを設け、変換器、検
出器ともに直射日光が当たらな
いようにしてください。
振
動:下記の振動試験を行い、異常なし
(1) 5Hz~150Hz 内の共振周波数で
加速度
変換器:4.9m/s2
検出器:25m/s2
で、X、 Y、 Z 各方向 30 分間
合計 90 分間の加振後、損傷・性
能の変化のないことを確認。
(2) 5Hz~150Hz~5Hz で加速度
変換器:4.9m/s2
検出器:25m/s2
3 分間周期を1 振動あたり10 回繰
り返し、合計 90 分間の加振後、
損傷・性能の変化のないことを
確認。
質
量: 図 3 外形寸法表を参照ください。
マ イ ク ロ 波 送 信:約 10mW
電力
(注) 電波法「微弱電波機器」に適合。
免許等不要。
LQ600
●検出器仕様
呼
口
径: 50mm、 80mm、 100mm、 150mm、
200mm、 250mm、 300mm
フランジ規格および流体圧力:
フランジ規格
流体圧力
JIS 10K
0MPa~フランジ規格圧
流
体
温
度: 0~100℃
(凍結しないこと、気泡の発生がない
こと)
流 体 導 電 率:
呼口径
50mm
80mm
100mm
150mm
200mm
250mm
300mm
流体導電率
20mS/cm 以下
16mS/cm 以下
15mS/cm 以下
10mS/cm 以下
8mS/cm 以下
8mS/cm 以下
6mS/cm 以下
(注 1) 測定流体の導電率が上記の値を超えた場合、マイ
クロ波信号が減衰し、正確な測定ができなくなる
恐れがあります。
(注 2) 測定流体に関する注意事項
活性炭などの炭素粒子や金属粉などの良導電性
粒子を含んでいる流体においては、良導電性粒子
によって濃度測定に影響が生じることがありま
す。このような流体への適用は避けてください。
なお、詳細についてはお問合せください。
接 液 部 材 質
メ イ ン パ イ プ: SCS14A
温度検出器シース: SUS316
アプリケータ窓材: ポリサルフォン
アプリケータ
窓 用 シ ー ル 材: フッ素ゴム
(注) 上記接液材質を腐食させたり、劣化、変質さ
せる恐れのある流体には適用しないでくだ
さい。
非適用流体: 濃硫酸、濃硝酸など。なお、詳
細についてはお問い合わせく
ださい。
ア プ リ ケ ー タ: マイクロ波送信用、受信用 1 対
(アンテナ)
温 度 検 出 器: 測温抵抗体(Pt100)
配 管 取 付 姿 勢: 垂直または水平配管へ直付け
●変換器仕様
出 力 信 号
濃度測定値出力:4~20mADC
(負荷抵抗 750Ω以下、絶縁出力)
濃 度 計 異 常:半導体接点出力
または
容量 AC125V、0.1A(抵抗負荷)
保 守 中 信 号
異常時;接点開、正常時;接点閉
* 濃度計変換器が異常の場合に接
点開または設定変更のモード(設
定モード)の場合に接点開となり
ます。
通 信 信 号:4~20mADC 信号線にディジタル信
号を重畳(HART プロトコル*1 に準
拠)。以下の条件内で通信が可能で
す。
負荷抵抗:240Ω~750Ω
負荷容量:0.25μF 以下
(注) 通信用ハンドヘルドターミナル
(オプション)のケーブル端子を
4~20mADC 信号線間に接続す
ることによって、遠隔から各種
の操作ができます。また、通信
用ハンドヘルドターミナルに関
する仕様は、AF900 の一般仕様
書(NO. JA-222)を参照してくだ
さい。
入 力 信 号
外 部 連 動 入 力:無電圧 a 接点
信号
(注) ポンプ運転と連動する接点信号
です。
DC24V、0.1~2.0A の容量の接点
を使用してください。
接点閉時;測定実施
接点開時;測定停止
ポンプが間欠運転で、被測定流
体が連続的に流れない場合、あ
るいは配管が空になる恐れがあ
る場合、ポンプ運転など被測定
流体の流れと連動させて測定す
るために使用します。ポンプ停
止中は、被測定物質が沈降・浮
上して指示値のふらつきを生じ
る可能性がありますので、外部
連動機能を使用してポンプ運転
時だけ測定するようにしてくだ
さい。
一般仕様書
No. JL-104B
LQ600
濃 度 補 正 係 数: 電圧信号 2 点
切 換 信 号: 入力電圧 Hレベル
DC20V~DC30V
L レベル
DC2V 以下
入力抵抗 約 3kΩ
この信号によって濃度補
正係数(スパン校正の設
定値)を 4 通りまで切り換
えることができます。
この機能を利用して 4 通
りまでの銘柄(構成成分
や配合比の異なる混合
液)の切換えに対応した
測定ができます。
導 電 率 補 正 信 号: 4~20mADC
(導電率 0~10mS/cm に対応)
導電率補正を実施する場合は、導電率
計を別途用意し、導電率を正確かつ安
定に測定できるところに取り付け、導
電率補正信号を入力してください。
濃 度 測 定 値 出 力: 約 1 秒
および
表示の更新周期
移 動 平 均: 約 1 秒ごとの濃度測定値を 1~999
回の移動平均として出力。
濃度制御など、移動平均した出力が
必要な場合に使用します。
変 化 率 制 限:許容変化幅:0.00~9.99%TS
回
数:0~99
濃度の急激な変化や、気泡混入など
による出力の急激な変動がある場合
に、それらの信号を排除して急激な
出力変化を制限する機能です。
許容変化幅と回数の設定によって変
化率制限の条件を設定することがで
きます。
填 料 補 正 機 能:配合比をインプットした銘柄ごとの
リストを登録しておくことで、銘柄
に対応した感度補正をする機能。
10 通りの銘柄まで登録可能で、銘柄
に対応した登録番号を選択すること
によって、銘柄ごとのスパン校正な
しで測定可能。
デ ー タ セ ー ブ 機 能:有
避
雷
器:電流出力ラインおよび AC 電源ライ
ンに標準装備。
操
作
部:各種データの確認や変更、操作に使
(変換器内部)
用します。
操作スイッチ:5 個
表
示:4 行 20 文字ドットマ
トリックス LCD
(バックライト付き)
電
源:AC100V~AC240V、50/60Hz
(許容電源電圧:AC85V~AC264V)
消 費 電 力:約 25VA (AC100V 時)
約 35VA (AC240V 時)
ケ ー ス 材 質:鋼板
塗
装:ポリウレタン塗装
■据付け
●外形寸法図
190
φ
C
φ
f
n-φh穴
(X)
フランジ
規格
JIS 10K
一般仕様書
No. JL-104B
フランジ
mm
50
80
100
150
200
250
300
φD
155
185
210
280
330
400
445
φD
(H)
100
250
L
フランジ各部寸法
ボルト穴
ボルト
径×長さ
t
f
φg
φC
n
φh
16
2
96
120
4
19
M16×60
18
2
126
150
8
19
M16×65
18
2
151
175
8
19
M16×65
22
2
212
240
8
23
M20×75
22
2
262
290
12
23
M20×75
24
2
324
355
12
25
M22×80
24
3
368
400
16
25
M22×85
図 3 検出器外形寸法図(単位 mm)
t
各部寸法
X
H
170
225
200
225
220
240
270
260
320
290
300
315
360
340
面間
L
300
300
300
300
300
350
350
質量
kg
約 21
約 26
約 29
約 42
約 48
約 64
約 76
LQ600
4-M10
390
360
320
360
(25)
(15)
壁面取付けの場合
74
4-φ12取付穴
74
234
15
45
50Aパイプ取付けの場合
船用鋼管取付Uボルト
(50A鋼管用 M10)
110
(119)
変換器通信ケーブル用
濃度信号出力
電源ケーブル用
360
変換器電源ケーブル用
アース端子
接点信号入出力(1)
鋼管(50A)
接点信号入出力(2 )
変換器外形寸法図(単位 mm)
500
保守スペース
600
変換器
後面
検出器
RF部
600
●据付け上の注意事項
(1) 振動が少なく、衝撃がなく、腐食性ガスの雰囲気が
少ない場所を選んで、保守作業が容易に行える場所
に据付けてください。
(2) 検出器および変換器の周囲に保守のためのスペース
を確保してください(図 5 参照)。
(3) 直射日光を受ける恐れがある場合は、日除けカバー
を設けてください。
(4) 本濃度計は、可燃性・爆発性ガス漏えいの危険性が
ある場所には設置できません。
(5) 本濃度計は、次の場所への据付けは避けてください。
・急激な温度変化により結露するような場所。
・仕様から外れる低温または高温になる場所。
・強い電波や電界の存在する場所。
・雨水などが直接かかる場所。
(6) 本濃度計は、気泡の発生がほとんどなく、配管内に
おいて非満水や沈降・堆積のない場所へ据付けてく
ださい。
(7) 本濃度計は、濃度分布が均一となる場所へ据付けて
ください。配管内の濃度分布が不均一の場合には、
手分析と濃度計の指示値が一致しない場合がありま
す。
前面
600
図4
保守スペース
500
(単位:mm)
500
RF部、変換器上部にも500mm高さの
保守スペースを確保してください。
図5
保守スペース
一般仕様書
No. JL-104B
LQ600
●配管上の注意事項
(1) 被測定流体が濃度計の管内に充満して流れ、かつ気
泡が滞留しない箇所に据え付けてください。被測定
流体が充満していなかったり、気泡が滞留すると、
測定誤差や指示値のふらつきを生じます。そのよう
な恐れがある場合は、ポンプの吸込側を避け、ポン
プの吐出側に据え付けることを推奨します。
(2) 被測定物質が沈殿して濃度計の底部に堆積するよう
な箇所は避けてください。
(3) 配管ラインの中に気泡が混入するような箇所は避け
てください。
(4) 本濃度計は、垂直配管への取付けを推奨します。水
平配管でも性能的に変わりなく据付けて使用可能で
すが、次のような場合は垂直配管にしてください。
(a) 気泡が配管内に滞留することが懸念される場合。
(b) 流速が遅いなどの理由で被測定物質が著しく沈
降または浮上するなどによって、配管内の被測定
物質濃度分布が不均一となることが懸念される
場合。
(c) 本管を拡大して、本管より大きい口径の濃度計を
使用する場合。
(5) 水平配管に据付ける場合は、保守と性能確保の点か
ら検出器 RF 部が真上となるように据付けてくださ
い。
(6) 本濃度計には、上流側、下流側の区別がありません。
また、直管長も特に必要ありません。
(7) 本濃度計の面間寸法と配管ラインの取付けスペース
の間に誤差がでることが予想される場合は、ルース
機構をあらかじめ設けてください。
(8) 気泡混入の影響をできるだけ排除するために、大気
開放となる配管出口からできるだけ離れた水圧があ
る程度かかる場所への据付けを推奨します。
(9) ポンプの停止中に濃度計内に被測定流体が充満しな
くなったり、濃度計内の濃度分布が不均一になる恐
れがある場合は、外部連動機能を使用してポンプ運
転時のみ測定するようにしてください。
(10) 配管を通じてポンプなどの振動が伝わらない場所へ
据え付けてください。
(11) 本濃度計の上流側および下流側には、ストップバル
ブを設け、さらにこれらのバルブと濃度計間に、そ
れぞれストップバルブ付きでサンプリング口、ゼロ
水供給口、大気開放口、ドレン口を設けてください。
さらに配管ラインの流れを停止できない場合には中
間にストップバルブ付きのバイパス配管を設けてく
ださい。これらはゼロ点校正をする場合、濃度計内
の被測定流体をドレン口から排出し、濃度計内を濃
度 0%の清水で満たす必要があるためです(図 6、図 7
参照)。
(12) 配管に使用するガスケットは、接続方式に応じた寸
法のもので、かつ測定対象に応じた材質のものを、
適切に選択してください。
一般仕様書
No. JL-104B
図6
ゼロ点校正時の水平配管への据付例
ストップ
バルブ
大気開放
バルブ
ストップ
バルブ
ゼロ水配管
濃度計
ゼロ水供給
バルブ
バイパス
配管
ストップ
バルブ
ドレン
バルブ
ドレン配管
流れ(下から上への流れ)
図7
ゼロ点校正時の垂直配管への据付例
(注記)
◆ サンプリング口
手分析用のサンプル液を取り出すための口です(水
平配管の場合、配管の真横に設けてください)。サ
ンプリング口としては、配管の横側に 1B 程度のボ
ール弁を取付けることをお勧めします。
◆ ゼロ水供給口
ゼロ点校正時、清水(濃度 0%)を濃度計に据付けた
配管内に供給するための口です(水平配管の場合、
配管の最上部に設けてください)。
ゼロ水供給口は、配管の上側に 1B 程度のボール弁
を取付け、その口からビニールホースなどを使用し
て水を供給できるようにすることをお勧めします。
バルブに水道配管を接続すると、空気抜きができな
いので、別に空気抜きのバルブ(大気解放バルブ)も
設ける必要があります。
◆ 大気開放口
ゼロ点校正時、配管上部を大気開放し、濃度計を据
付けた配管内に清水(濃度 0%)を円滑に供給できる
ようにするための口です(水平配管の場合、配管の
最上部に設けてください)。
◆ ドレン口
ゼロ点校正時、清水を濃度計を据付けた配管内に供
給する前に、被測定流体を排出するための口です
(水平配管の場合、配管の最下部(底部)に設けてくだ
さい)。ドレン口としては、配管の下側に 1B 程度の
ボール弁を取付けることをお勧めします。
LQ600
■配線上の注意事項
(1) 保守点検時に電源ラインと本機を切り離すため、電
源供給側でスイッチと電源保護のためのヒューズを
必ず設けてください。本機の消費電力は約 25VA です。
(2) 接地は D 種接地(接地抵抗 100Ω以下)とし、動力用接
地とは別にしてください。
(3) 検出器と変換器の間の接続は、付属の電源ケーブル
(DC 電源供給用)、通信ケーブルを用いてください。
検出器の RF 部内端子(RF 部カバーを取り外すとあり
ます)及び変換器の端子台の端子記号と、ケーブルの
各線に表示されている記号とをあわせて接続してく
ださい。
(4) 電源線は 2mm2 のケーブルを使用し、M4 の圧着端子を
使用してください。
(5) ケーブルの敷設に際しては、ケーブルに振動や動揺
が少ない場所を選んでください。
ケーブルは厚鋼電線管に納めてください。厚鋼電線
管は本濃度計の配線口から約 1m の距離まで敷設し、
本濃度計の直前にはフレキシブルコンジットを使用
してください。
(6) 出力信号線は AC 電源、制御用信号、警報信号、そ
の他ノイズ源となる恐れのある線からは離して、別
の厚鋼電線管を使用してください。
CVVS
Ec+
RF部
Ec-
(7) 濃度測定値出力(4~20mADC 出力)信号線は、2 心の
シールド線(CVVS 2mm2)を使用し、シールド線の接
地は受信計器側で行ってください。
導電率補正を実行する際は、導電率信号入力線には、
同様に 2 心のシールド(CVVS 2mm2)を使用し、シー
ルド線の接地は受信計器側で行ってください。
(8) ケーブル配線口は、パッキンを使用した気密構造に
なっていますので、配線終了後締付トルク:1.0~
1.7N・m で締め付けてください。
適合ケーブル径は、仕上がり外径 11~13mm です。
(9) 端子台ネジを確実に締め付けてください。
本濃度計の端子台ネジの適正締付トルクは 1.2N・m
(1.4N・m MAX)です。
(10) 本濃度計を配管へ据付けた状態以外で、電源を通電
しないでください。電波の漏えいによる他の機器へ
の影響の恐れがあります。
(11) 変換器-RF 部間の配線は、①電源ケーブル及び②通
信ケーブルに付いているバンドマークのとおりに接
続してください。
変換器
導電率信号入力
(4~20mADC)
FG
CVV
L1
Tx+
Tx+
Tx-
Tx-
Rx+
Rx+
AO+
Rx-
Rx-
AO-
SG
DI3
FG
DI2
SG
FG
通信ケーブル
CVVS
+24V
+24V
0V
FG
電源ケーブル
電源 AC100~240V、50/60Hz
L2
CVVS
D種接地(PE)
(接地抵抗:100Ω以下)
CVVS
濃度測定値出力
(DC4~20mA、 750Ω以下、絶縁出力)
濃度補正係数切換電圧入力信号
(H:DC20~30V、 L:DC2V以下、
入力抵抗約3kΩ)
COM2
0V
DO1
FG
COM1
濃度計異常または保守中接点出力
(接点容量:AC125V、 0.1A)
DI
外部連動接点入力
(接点容量:DC24V、 1A以上)
COM
注:通信ケーブル、電源ケーブルとも、FG線
は検出器(測定部)側では端子に接続しな
いでください。
FG
CVV
アース端子
D種接地
(接地抵抗:100Ω以下)
注)D種接地は変換器 内 端 子 台の P E端
子またはケースのアース端子のいず
れか一方に接続してください。
図8
配線接続図
一般仕様書
No. JL-104B
LQ600
■通信機能利用時の注意事項
表1
形
濃度計変換器
計器室
計器(負荷)
濃度測定値出力
+
+
-
-
番
形番表(マイクロ波濃度計 LQ600 形)
仕様コード
内
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
L Q 6 0 0 A
容
マイクロ波濃度計
検出器呼口径
0 5
50mm
0 8
80mm
1 0
100mm
1 5
150mm
2 0
200mm
2 5
250mm
3 0
300mm
検出器フランジ規格
B
JIS 10K (JIS B 2238 10K)相当
用途
A
ハンドヘルドターミナル
AF900(オプション)
図9
外部接続図
マイクロ波濃度計では、通信用ハンドヘルドターミナ
ル AF900 のケーブル端子を 4~20mADC の濃度測定値出
力線間に接続することによって、遠隔から各種の操作が
できます(図 9 参照)。
次の事項に注意して利用してください。
(1) 濃度測定値出力の負荷抵抗が 240Ω~750Ω、負荷容
量が 0.25μF 以下となるようにしてください。
(2) ハンドヘルドターミナルのケーブル端子は、4~
20mADC 濃度測定値出力線間であれば、どこでも接
続可能です。
標準
接液部仕様
A
標準(SCS14A)
B
標準+フッ素樹脂コーティング
C
建材・生コン仕様(注 1)
D
配管材質:ハステロイ C 相当(注 2、注 3)
ケーブル長
A
標準:10m
B
20m
C
30m
D
40m
E
50m
(注 1) 標準+アプリケータ窓及び RTD の変更
(注 2) 都度対応とする(測定対象により、シール材質・アプリケータ窓材質も対応)
(注 3) ハステロイは Haynes International Inc.の登録商標です。
■ご注文時指定事項
1. 形番および仕様コード(表 1 を参照してください)
2. 被測定物質の仕様
・名称(構成成分など)
・濃度(最高、常用、最低)
・温度(最高、常用、最低)
・圧力(最高、常用、最低)
・導電率(最高、常用)
3. 測定範囲
4. タグ番号(なしの場合も「なし」と指定してください)
5. オプションのハンドヘルドターミナルの有無
6. その他の特記事項
© '03. 7 (TDOC/NC) 初 版
'06. 10 (TDOC)
第3版
記載内容は、設計変更その他の理由により、お断りなく変更させていただくことがあります。
一般仕様書
No. JL-104B
© TOSHIBA Corporation