Download イ - 神戸夙川学院大学 観光文化学部 観光文化学科

Transcript
インバウンド観光取扱説明書
P20
P32
P34
P04
インバウンド観光の現状と未来 P06
観光人材要件調査
神戸夙川学院大学
教員紹介
P08
インバウンドモニター
ツアー報告
英語研究所 紹介
~観光産業で必要とされる人材・資質はどんなもの?~
The key person of INBOUND
~インバウンドを牽引する5人のトップランナー~
ドン・キホーテグループ
P36
P38
P40
株式会社ジャパン インバウンド ソリューションズ 代表取締役社長
中村好明
港町・神戸に
インバウンドの波を
●―YOKOSOみなとまち
神戸コンソーシアム
●―神戸市の取り組み
株式会社やまとごころ代表取締役
インバウンド
(訪日観光)
ビジネスコンサルタント
村山慶輔
日本インバウンド
教育協会設立
観光甲子園 紹介
株式会社オールアバウト
代表取締役 兼 CEO
P42
P44
学生の自由な発想と
行動力で広がる多彩な
ビジネスの可能性
横浜商科大学商学部
貿易・観光学科 宍戸 学 教授
P47
3
~日本の
観光需要の現状を
正確な調査と
統計から分析~
長崎国際大学人間社会学部
国際観光学科 海老澤 昭郎 准教授
江幡哲也
P46
株式会社FPコミュニケーションズ代表取締役
浦田 健
三大学連携
~神戸、横浜、長崎をつないで~
株式会社フリープラス代表取締役 兼 CEO
須田健太郎
あとがき
Kobe Shukugawa Gakuin University
インバウンド-02-19***.indd 2-3
Kobe Shukugawa Gakuin University
2
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いうことでしょうか?
ハードの両面で整備していくことでこ
勤務していたころなどは、
「ロンドン、
都を駆け足で巡る
パリ、ローマ 」の
の数字は通過点に過ぎません。アベノ
8000万人を越えているのをはじめ、
く 集 めているフランスな どは 年 間で
来た何千万人という旅行者に日本を楽
先は、未知の世界です。世界各国から
ただ、正直なところ、もうここから
海外旅行が一般的になるにしたがって、
ズがあったからこそのことです。ただ、
た。もちろん、当時はそこに人々のニー
光資源や社会としての成熟度と比較し
――。今回、日本インバウンド観光協
しんでもらうにはどうすればいいのか
「スペインの巡礼の道を歩いてみたい」
「フランスでワインの産地を巡りたい」
我々の大きな使命だと考えています。
力 を 担 う 後 進 を 育 成 し てい く こ と も、
インバウンド国家として成熟し、日本
る、いやすでに起こりつつあります。
これと同様のことが日本でも起こ
が高いものになってきたわけです。
―インバウンド市場の成長に
違いなく目的地は変化していきます。
の魅力が世界に浸透するにつれて、間
かなリクエストに沿うとともに自由度
よって、特 にこ れ か ら 注 目 す
ともに考え、学習していく必要がある
べき観 光地などはありますか?
から。また、この分野のこれからの主
い 」な ど、旅 行 商 品 も よ り お 客 様 の 細
ます。むしろ、日本の場合は国内の観
て、圧倒的にこれまでが少なすぎるの
「タイの古い仏教寺院だけを巡ってみた
日本へ向けてものすごく追い風が吹い
ず、官民産学が一体となって外国人旅
です。
会の設立に至ったのも、業界や官民の
ています。この大きなチャンスを逃さ
からスタートしましたが、実は当初の
行客の誘致・インバウンド市場の拡大へ
ン ジ ャ パ ン の 優 れ た 電 化 製 品、 あ る
チ ャ ー な ど 世 界 が 興 味・関 心 を 持 つ
いはアニメや 漫 画 といった サ ブ カル
こちらから積極的にその魅力を発信す
“JAPAN”は無 数にあるわけです。
枠組みを越えて、このテーマをみなで
行客を世界中から誘致する
“Visit
計画では2010年にこの数字は達成
―日本の観光資源にはまだま
京 都 や 奈 良 の 寺 社 仏 閣、 メ イ ド イ
力を注いでいかねばなりません。
界各国の消費に多大な影響を与えた
これまでの外国人客数は
少なすぎ
されるはずだったんです。しかし、世
には過剰な円 高、あるいは2011年
2008年のリーマンショック、さら
人のクリアまでは決して平たんな道の
の東日本大震災の影響など1000万
運ぶことに重きが置かれていた時代が
アウトバウンド中心であり、言ってみ
これまでの日本における海外旅行は
旅先を選ぶことになります。
旅行では、より個人のニーズに沿った
観光地だけを巡った人々も、リピート
初来日では京都や富士山など代表的な
そしてその対象はいま、みなさんが
れば
「より遠くへ、早く、大量に」人を
スは大きいのではないかと思いますね。
836万人
ありました。例えば、私が旅行会社に
他国を訪れるお客様から自国へ迎え入
日本
る と と も に、 受 け 入 れ 態 勢 を ソフ ト・
と。 日 本 の 良 さ を 発 信 す る た め に は、
れるホストへと立場が180度入れ替
33位
︵年︶
2013
まず我々自身がその魅力を十分に認識
わる中で、従来の
「 観 光 業の 常 識 」
がす
人数
8300万人
6700万人
5800万人
5800万人
4600万人
3600万人
3000万人
2900万人
2600万人
2300万人
だこれ以上の可能性があると
ることになるのです。観光の現場で活
2012
2011
2010
2009
2008
しておく必要があるのです。なかでも、
べてとは言わないまでもドラスティッ
国名
フランス
アメリカ
中国
スペイン
イタリア
トルコ
ドイツ
英国
ロシア
マレーシア
りではありませんでした。
―これからのインバウンド市
があるでしょう。
2007
2006
2005
2004
自分の町をプレゼンテーションできる
クに変わっていきます。既存の価値観
順位
1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位
想像するものよりもよりニッチでピン
躍 す る 人 材 だ け で な く、 社 会 全 体 が
「 日 本 のお も て な し 」
の一端を担いうる
場を支える人材に必要な資質
ポイントなものになり得ます。
「神戸の
はなんですか?
は、旅行会社やホテル、航空会社など
時代になっていることを共有する必要
に携わる人間だけが決してインバウン
この状況のなかで、観光従事者に
も、またサービス業全体に求められる
まず、第一にお話ししておきたいの
ドのプレーヤーではないということ。
資質も、従来とは異なってくるでしょ
2003
力はとても大切です。そして、需要と
や 常 識 に と ら わ れ ず に 仕 事 で き る 分、
■世界各国・地域への外国人訪問者数
(2012年)
外国人旅行者数 1000 万人突破
魅力ある"JAPAN"をもっと世界へ
Japan”
キャンペーンは2003年
ような画一的なツアーが溢れていまし
ミクス効果による円高の是正、
2020
訪問している国は世界にたくさんあり
1000万人レベルの外国人旅行者が
ないと断言できます。
の数字はまだまだ伸びることは間違い
年の東京オリンピック開催、あるいは
例 え ば、 外 国 人 客 を 世 界 で 最 も 多
我 々、 観 光 関 係 者 に と っ て 悲 願 で
富士山や和食の世界遺産認定などいま
ただ、大台の突破に関してはもち
ろん喜ぶべきことですが、あくまでこ
インバウンド観光の
現状と未来
神戸夙川学院大学 観光文化学部学部長
教授 地域研究所 所長
小野田 金司
― ま ず、 日 本 の イ ン バ ウ ン ド
観 光 の 現 状 について ど う お 考
字がようやく昨年達成されました。旅
あった訪日客数1000万人という数
えですか?
和歌山県生まれ。近畿日本ツーリスト(株)では、さまざまな
旅行の企画・提案をはじめ、1999 年のジャパンエキスポ南
紀熊野体験博を担当した経験も持つ。2007 年より神戸夙川
学院大学の教授として教鞭を振るう。
出典:日本政府観光局
(JNTO)
ホームページより
あのカバン屋でオリジナルバッグを作
りたい」
「日本のインディーズアーティ
ストのライブを見に行きたい」
など、明
確な旅行の目的を持った外国人が日本
各地で見られることは、もう少しずつ
例えば、外国人が道に迷って困ってい
う。英語、さらには数か国語を操る語
供給をマッチさせる情報発信力や調整
がってグローバルな仕事ができること
力なども欠かせない資質ですね。
彼らはより柔軟な発 想でホスピタリ
かと大いに期待しています。
ティを高めていってくれるのではない
ともに、国内にいながらも世界とつな
インバウンドは、成長市場であると
― インバウンド業界を志す後
民性、文化への理解力が必要となるこ
るときにサポートしてあげることだっ
出典:日本政府観光局(JNTO)ホームページより
※2013 年は速報値
進 に 向 け て のメッセー ジ を 。
す。個人的には、若い人の方がチャン
学力はもちろんのこと、相手の国や国
リーマンショック後
の低迷
東日本大震災の発生
600
に魅力を感じている人は多いと思いま
て、日本のインバウンドに貢献してい
2003年は
521万人
800
様に、日本の文化や地理をよく学ぶこ
1000
とは言うまでもありません。そして同
■過去10年の訪日客数の推移(単位は万人)
Q
始まっています。
社会全体でも
﹁おもてなし﹂
の意識を
インバウンド市場が拡大していくことは
これからの日本の成長の原動力となる
400
訪日客数 1000 万人突破
1200
!
?
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3
Q
(万人)
Q
Q
4
Kobe Shukugawa Gakuin University
Kobe Shukugawa Gakuin University
5
Q
ン バウ ン ド 観 光 は 日 本 の 経 済 を
成 長 さ せ る 分 野 と し て 大い に 期
待されています。今後、訪日外国人客
が急増し、日本の隅々を訪ねるように
どのような資質や能力が求められるの
なったとき、受け入れ側の私たちには、
をきっかけに日本各地の地元産業の製
でしょうか。また、日本を訪れたこと
がるように働きかけられるには、どう
品に関心を持ってもらい、輸出につな
た力を持つスタッフが、これまで以上
したらよいのでしょうか。今後そうし
に必要になるはずです。
世界を相手に
仕事をするとは?
サービス業の 場 合
「 人 が 喜ぶこと が
自分の喜びとして感じられる人」
といっ
場合は、訪日外国人客に対応するわけ
た表現がありますが、インバウンドの
する知識を持っていることと、知識を
ですから、文化や習慣など出身国に関
状況に合わせて柔軟に活用する応用力
が 必 要 で す。 知 識 を 活 用 す る 力
「リテ
ラシー」と、人と関わって行く力
「コン
ピテンシー」
が求められているというこ
とです。
例えば、戒律の厳しいイスラム教や
ヒンズー教の信徒の方々に対応する場
合、食べてはいけないもの、触れては
いけないものなどがあります。国にも
徒かヒンズー教徒かがわかる場合もあ
よりますが、名前によってイスラム教
●歴史や地理の知識を増やすのが好き!
●新しいことにチャレンジするのが好き!
●人と積極的に関わるのが好き!
勢 が あ る と、 相 手 は
「理解してくれて
か?」と 確 認 し て 対 応 す る といった 姿
に物事を進めていくからだと考えられ
ま な 利 害 関 係 者 と 調 整・協 調 し、柔 軟
地型観光で活躍している人は、さまざ
指しています。例えば、日本最大級の
な体験を積み、成長していくことを目
本学では、在学中に学生がさまざま
うことがわかります。
る、あるいはもともと持っているとい
●知識を活用する力﹁コンピテンシー﹂がある
いる」
もし く は
「 理 解 し よ う と して く れ
ます。また、
「自信創出力」
に特に優 れ
催し、
年生全員がスタッフとして関
無料音楽フェス
「カミングコウべ」を開
ているというのは、好きなことを仕事
ません。
にしているということの表れかも知れ
しょう。これらの事柄を学ぶ基本とな
るのは、歴史や地理といった教科学習
また、このような判定データは弱い
ます。
わるといった機会を設けるなどしてい
部分を伸ばし、強みを高めるためのプ
大学の学生の判定結果が、低
特筆すべきは、本学を含めた観光系
観光で活躍している人と同じ曲線を描
いながらも折れ線グラフの形が着地型
学部の
ま た、 全 体 的 に 熱 い 注 目 を 集 め る
観光業界で活躍できる人は、どの業
インバウンド観光の中でも、地域の人
高まるとされています。社会経験が少
観光をテーマとして社会に貢献する人
界 で も 活 躍 で き る 人 で す。 私 た ち は、
な参考になっています。
ない学生が同じ曲線を描いているとい
ログラムや科目の企画を行う際の重要
地 型 観 光 」に 注 目 が 集 まってい ま す。
うことで、観光業界で求められる資質
シーは、社会経験を積むことで能力が
2013年、 人 と 関 わ っ て 行 く 力
「コ
いているということです。コンピテン
ンピテンシー」
について、すでに着地型
つの分野におけるコンピテンシー能力
「対自己基礎力」
「 対 課 題 基 礎 力 」の
を判定する調査を行いました。
(資料グ
ラフ参照)
。
好き が仕事の
モチベーション
その結果、着地型観光で活躍してい
人の標準に比べて、
「対人基礎力」
や
「対
る人たちは、一般社会で活躍している
自 己 基 礎 力 」が 高いこと が 明 らかに な
り ま し た。 特 に
「 親 和 力 」や
「協同力」
、
続力」
の高さが目立ちます。これは、着
「 感情制御力 」
や
「 自 信 創出力 」
「行動持
を育てているのです。
がまだ少しではありますが芽生えてい
大
年次生、一般
3
3
的な社会人を対象として
「 対 人 基礎 力 」
学の 観 光 系 学 部 で 学 ぶ
コンピテンシーと、本学を含めた
観光で活躍している人
(教師モデル)
の
が訪日外国人客を受け入れて観光ス
学ぶことが大切です。
1
ポット を 紹 介 し、 体 験 観 光 を 行 う
「着
3
に活かせる事柄を、さらに深掘りして
です。歴史や地理を基本に、観光産業
ている」
と感じ、温かい気持ちになるで
り ま す か ら、
「 あなたは○ ○ 教 徒です
インバウンドに向いているのはこんな人!
Let's give it try!
1
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”
6
Kobe Shukugawa Gakuin University
Kobe Shukugawa Gakuin University
7
観光産業で
必要とされる
人材・資質は
どんなもの?
2014 年には 10 周年を迎えるライブイベン
ト「カミングコウベ」では神戸夙川学院大
学もライブ会場に。当日は多くの学生が、
運営スタッフとしてイベントに携わる。
“
小槻 文洋 准教授
● Profile
東京大学大学院総合文化研究科修了。
南アジア地域研究に取り組む。
こちらが実際の調査データ。着地型観光で活躍し
ている人は、計画的に行動するよりも新しいこと
に取り組むことが上手で、自信を持って行動してい
ることがわかる。学生時代に自信をつけるには、
「レ
ポートの提出期限を守る」
「時間を守る」など、
日々
の小さな達成感を積み重ねることが大切に。
イ
観光人材要件調査
神戸夙川学院大学 観光文化学部
インバウンドを牽引する
5人のトップランナー
従来の観光・旅行の枠組みをはるかに超越して
いま「インバウンド」はビジネスの新たなキーワードに。
各界で活躍する注目リーダー5人が語るそのビジョンとは
村山慶輔
ドン・キホーテグループ
株式会社ジャパン インバウンド ソリューションズ 代表取締役社長
中村好明
株式会社オールアバウト 代表取締役 兼 CEO
インバウンド-02-19***.indd 8-9
江幡哲也
Kobe Shukugawa Gakuin University
株式会社やまとごころ代表取締役
インバウンド(訪日観光)ビジネスコンサルタント
株式会社 FP コミュニケーションズ代表取締役
浦田 健
株式会社フリープラス代表取締役 兼 CEO
須田健太郎
9
Kobe Shukugawa Gakuin University
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を巻き込んだ取り組みは、まさにインバウンド開拓の先駆者と
年の間は、各店舗で外国人に
び込んだ結果として、ドン・キホーテに
いう考えではなく、地域に訪日客を呼
自分の店だけにお客様が来ればいいと
として魅力を発信していきたいから。
携しているのは、
「ひとつの街・エリア」
う こ そ!マッ プ 」で 近 隣 の 各 店 舗 と 連
が、それだけでは足りないんです。
「よ
もらえる商品をたくさん置いています
キホーテには外国人のお客様に喜んで
まな要素で構成されます。確かにドン・
買い物、食事、宿泊、移動などさまざ
ひとつの旅は、観光体験だけでなく
行手形」
のようなものです。
きるクーポンが付いた、いわば
「旅の通
飲食店情報、さらには提携店で使用で
必需品である地図に周辺の観光情報や
る
「ようこそ!マップ」
もその一例。旅の
求められています。JISが発行してい
をしっかり提供し、サポートすることが
の側は、彼らの旅の道しるべとなる情報
旅行者が増えています。受け入れる我々
買い物を向かう先も自分たちで決める
内してくれるガイドもおらず、食事や
ています。従来型のツアーと違って、案
く、より旅行の形態が個人へとシフトし
傾向ですが、画一的な旅行商品ではな
これはアウトバウンドにも共通する
に捉えておられますか?
―現在のインバウンド市場をどのよう
個人旅行全盛時に
求められるもの
ればという思いも詰まっています。
本が観光立国として成長する一助とな
の責任者に就任したのは、ユニークな
2008年 に 私 が イ ン バ ウ ン ド 事 業
主導の取り組みが中心だったのです。
品を集めたコーナーを作ったりと現場
向けたポップを制作したり、売れ筋商
こから
を取得したことになるでしょうか。そ
は、
1998年 に 新 宿 本 店 が 免 税 免 許
そもそものスタート地点となったの
取り組みがスタートしたのは?
― ド ン・キ ホ ー テ の イ ン バ ウ ン ドへの
論に基づく国内・海外の数百社におよぶ旅行会社、地域や国
足を運ぶお客様を増やすことが狙いで
年 で、
な
か
む
ら
よ
し
あ
き
●ドン・キホーテグループ
株式会社ジャパン インバウンド ソリューションズ 代表取締役社長
中村好明
大学でも教鞭をとられます。
月 からは 神 戸 夙 川 学 院
そこには、無限の可能性が詰まってい
―2014年
るのです。
取 り 組 む べき テ ーマ と な り 得 ま す し、
など季節限定の食品は、こちらがビッ
あ と、 春 の イ チ ゴ 味 や サ ク ラ 風 味
クリするくらいよく売れています。な
言
語でほぼ ~ 割を網羅しています。
観 光 分 野 を 目 指 す 若 者 た ち に は、
私は毎回
「あなたたちはとてもラッキー
上がっているタイ語であり、この
字・ハングル・英語、そして市場が盛り
データやノウハウを社会に還元し、日
下、JIS)
には、これまでに蓄積した
パンインバウンドソリューションズ
(以
た。2013年に設 立された
( 株 )ジャ
すべく、海外との連携も深めてきまし
るとともに、各国のマーケットを拡大
多言語化など受け入れ態勢を整備す
免税オペレーションの見直し、店舗の
な げ る た め で し た。 そ こ か ら
業としてより効果的なアクションにつ
「点」
のアクションを体系化・共有し、企
いえよう。
やっぱり
「お買い得」
は、万国共通で
ポートもユニークな取り組みですね。
― マ ッ プ と 同 様 に、 よ う こ そ! パ ス
初 夏 の 期 間 限 定ア イテムだった もの
しやすい商品でもあり、かつては春~
トのアイテム。
「和」
のイメージを連想
かでも一番と言えるのは、抹茶テイス
な情報発信など大小さまざまの課題が
ベルでの受け入れ環境の改善、効果的
のシステムや法律・税制の変更、現場レ
観光立国を成し遂げるためには、国
交流しながら社会の持続的な成長をは
れから日本の生産人口が減り、世界と
で す よ 」とい う お 話 を す る ん で す。こ
そのど真ん中を歩む花形の仕事ですか
かっていく必要がある中で、
「観光」
は
人々の心を惹きつける言葉なのです。
成するひとりひとりの
「担い手」
と して
ありますが、土台となるのは社会を構
ら。高い意識を持った学生たちと神戸
カーも増えてきています。うちの道頓
で出会えることを私も楽しみにしてい
であっても、通年販売に踏み切るメー
の 意 識 で す。 こ れ は 私 の 造 語 で す が、
ます。
まな優待が受けられるほか、マスコッ
堀の店などは面白いですよ。大げさで
志 を 持った
「志民
(しみん)
」と し て
「観
パスポートでもドン・キホーテでさまざ
トキャラクター「ドンペン」
のぬいぐる
みのプレゼントも喜ばれますね。
光」
に取り組む人々を増やしていきたい
です。
どありとあらゆる抹茶商品をズラリと
並べています。蓄積したデータを生か
はなく壁一面が緑で埋め尽くされるほ
社と提携し、各国で配布する
「 発 地型 」
しながら、よりお客様のニーズに沿っ
パスポートは海外400社の旅行会
のマーケティングを主力としています。
た商品構成やプレゼンテーションにつ
観光の持つ可能性は、
無限大!
なげているわけです。
日本国内の観光案内所などで配布する
「 着 地型 」
も取り入れていますが、後者
だけでは
「すでに日本に来ている人の満
足度を高める」
だけです。出発前の入口
日客のパイそのものを少しでも大きな
の部分からアプローチすることで、訪
ングがされており、彼らがなにを購入
このパスポートはそれぞれナンバリ
そ もそ も
「観光」
というと日本では単
界で積極的な発信を行われています。
か、インバウンドの旗振り役として各
―ひとつの企業としての取り組みのほ
したかのデータが分かるようになって
なるレジャーのイメージが強いでしょ
ものにしていかなくてはなりません。
います。各国ごとに収集したデータを
う? でも、あくまでそれは観光の一面
であり、グローバルスタンダードにお
分析し、店舗にフィードバックしてい
ます。
ける解釈では
「日常を抜け出した人間
で海外へ行くことも
「観光」
の範疇にあ
遠方の実家に帰省することや、出張
同士の交流活動」
全般を指します。
― ド ン・キ ホ ー テ で 特 に ヒッ ト し て い
まず、美白製品や日焼け止め、化粧
る商品はどんなものでしょうか?
品といったアイテムは根強い人気です
りますよね?「ホテル業界が~」
「小売
光の裾野や関連分野は途方もなく広が
とって、日本は
「健康と長寿の国」とい
店が~」
といったミクロなテーマではな
ることです。この考え方に従うと、観
う評価があることと、日本の女性が
「色
く、そのフィールドは社会全体。だか
ね。そのほかは健康食品や水などを手
白で美しい」
というイメージで好意的に
らこそ国民全体がそれぞれの立場から
に取るお客様も多いです。海外の人に
みられていることが理由でしょうね。
● PROFILE
佐賀県生まれ、上智大学出身。2000年に
(株)
ドン・キホーテに入
社し、
2008年よりインバウンド事業の推進責任者として指揮を振る
う。店舗の言語対応をはじめとした環境整備や独自のデータ収集・
分析を通じ、すでに年商300億円を超える一大マーケットの開拓
に成功した。2013年7月から現職に就任。
240 店舗にわたる現場戦略のみならず、公共哲学の理念と理
す。現在展開しているのは繁体字・簡体
4
マップ、近 隣の店 舗や 観
光 スポットの 紹 介、クー
ポンで構成される「ようこ
そ!マップ」
。さまざまな優
待を設けたようこそ!パス
ポート
(写真下)は、
データ・
ニーズ 収 集においても大
きな役割を果たしている。
2014/03/12 16:42
インバウンド-02-19***.indd 10-11
9
「ドン・キホーテ」の年間外国人客数はのべ 500 万人を越える。
1
Kobe Shukugawa Gakuin University 10
11 Kobe Shukugawa Gakuin University
6
5
8
“激安の殿堂“が仕掛ける
インバウンド戦略とは
♯
10
む
ら
や
ま
け
い
す
●株式会社やまとごころ代表取締役
村山慶輔
け
し、
「 やまと ごころ.jp」では国 内へ
業の海外向けWEBマーケティング支
ち 上 げ た ポ ー タ ル・ジ ャ パン
( 株 )は 企
世界へと発信し、諸外国からの来日意
のためには、日本の観光資源や魅力を
月に立
援 を 主 な 業 務 と し て い ま す。 ク ラ イ
プ ラ ン に 従 っ て2006年
好きな気持ちはあり、間違った日本像
いました。一方で当時の私は、日本が
アントのグローバルなビジネスチャン
りを持ってプレゼンテーションをして
が広まっていることに歯がゆさを感じ
―( 株 )や ま と ごこ ろ 設 立 ま で の 経 緯
を教えてください。
ながらも、それができなかった――。
ス の 拡 大 を サ ポ ー ト す る な か で、 翌
伝わっている」
「もっと自己主張をしな
知らない」
「海外に日本の誤った情報が
こうして観光やインバウンドの分野に
た 仕 事 を し たい と 考 え てい ま し た が、
分社化するに至りました。
こ ろ.jp」を 立 ち 上 げ、
2012年 に
2007年に一事業部として
「やまとご
企業やサイトはほかにもあり、小資本
当時からそうした観光情報を発信する
欲 を 高 め る こ と も 大 切 で す。 し か し、
外への情報発信を手掛けているのに対
―ポータル・ジャパンが国内企業の海
です。こうした成功事例の発信を通じ
てなし
や情報共有を目的とした競合サイトは
です。一方で、受け入れ側のノウハウ
で対抗するのは厳しいと感じていたの
携わっているのはこの原体験があった
たんです。本当にどの国の出身者も
「自
れは魅力ある日本のショッピングを切
歳 までに独 立 するというライフ
なかったので、この分野に可能性を感
て、インバウンドに対する心理的な抵
を演出することはできるわけ
じ て サ イ ト を 立 ち 上 げ ま し た。
「やま
回開催されていま
り口に旅行客の誘致をはかる取り組み
す。各事業者が
「点」
で努力するだけで
の積極的なアクションにつなげていく
抗や不安を取り除き、より多くの人々
で、毎年夏と冬の
なく、このように
「面」
で取り組むこと
ことが私たちの使命です。
のビジネ
スモデルであり、旅行業やホテル業と
でインパクトのあるプロモーションに
とごころ.jp」
は、
いった観光従事者はもちろんのこと小
つながると捉えています。
ビジネスを 創りだす 能力を
売業、飲食業、さらには自治体関係者
―昨年、訪日外国人客が1000万人
を突破しましたが、この数字に関して
はどのように感じておられますか?
―今後、市場の拡大に応じて求められ
かに増えています。
「インバウンド」と
とともに、各メディアでの露出も明ら
らさらにもう
うまでもありません。そして、そこか
まず、語学力が欠かせないことは言
る人材像について教えてください。
立 ち 上 げ 当 初 は、 サ イ ト を 通 じ た
いう言葉そのものも徐々に認知度が高
歩 抜 け 出 す た めに は、
情 報 発 信 の み に 特 化 し てい ま し た が、
ビジネスをプロデュースできる能力が
必 須 と なって く る で し ょ う。 例 え ば、
などソフト領域での日本の魅力が世界
「 な ん と な く 関 心 は あ る け れ ど、ど う
へと広まっています。文化を間口とし
ン ト を 開 催 す る よ う に な り ま し た。
日本人の国民性や島国という地政学
の発信に取り組んでおりアニメや漫画
いま 国 を 挙 げ て
“Cool Japan”
的な条件に起因するのかもしれません
が多いことも事実です。
有 機 的 な 情 報 発 信・共 有 がで き るよ う
すればいいんだろう」
と感じている人々
になってきています。
「中国の富裕層を
なかで、いかに彼らを日本へと誘致し
て日本への関心を持つ層が増えてくる
物や食、ショッピングなど消費行動の
ていくべきなのか。観光スポットの見
が、やはり
「 外国人 」
を対象にビジネス
じている方は多くおられます。あるい
を展開することにハードルの高さを感
ウンド客獲得事例を紹介するセミナー
や勉強会の開催のほか、国内のインバ
あり方がイメージしやすい目的客とは
ない」
と誤った理解がなされている場合
は、
「資本がないと外国人客を取り込め
事情の紹介やデータ収集を行っていま
富士山に私が親しくさせていただいて
ません。例えば日本を代表する観光地・
できるのです。
ンドは国の成長戦略の柱となることが
く仕組み」
を作ってはじめて、インバウ
多 くの人を巻き込みながら
「お金が動
国 内 外 のマー ケット 全 体 を 俯 瞰 し、
また異なる戦略が必要となります。
す。やはり、国によって興味や関心の
は、簡単な言葉ではありますが、全ス
いるお土産物店があります。こちらで
しかし、現状は決してそうではあり
もあります。
対象は大きく異なりますし、こうした
ともに、高い意欲を持った人材が登場
ニーズを的確に捉える知識・スキルと
国人客に対応しています。あいさつや
くれることを期待します。
し、わが国のインバウンドを牽引して
か国語に対応しており、外
お 勘 定 な ど 何 気 ない も の で あって も、
タッフが
体と連携したイベントの開催支援にも
おも
(JNTO)といった国の機関や関係団
しの工夫と努力でもこのように
ら誰だって嬉しいですよね。ほんの少
ピングフェスティバル」
もその一例。こ
やはり自分たちの言語で会話が通じた
ま た、 観 光 庁 や 日 本 政 府 観 光 局
まってきていると感じます。
リアルな情報を求めるニーズは年々高
レーンとのネットワークを築き、現地
そ の ほ か、 弊 社 で も 独 自 に 海 外 ブ
なども注目度が高いですね。
ど国や地域別にテーマ定めたセミナー
実 際 に 意 欲 の あ る 方 々と お 会い し て、
まってきている印象はあります。ただ、
1000万人というキリのいい数字
”
取り 込 む 」
「イスラム市場の可能性」
な
ネットワークが広がったことで、より
1
手掛けておられるのでしょうか。
“
2009年からサイトと連動してイベ
―現在は具体的にはどのような業務を
点ではなく面で市場を拡大
などが主なクライアントです。
”
ことも大きいですね。
いと」
という つのことを強く感じてい
もちろん、インバウンド市場の成長
私は、高校を卒業後アメリカの大
学へ進学することを選択しました。異
それ以前から、将来は世界を舞台にし
の情報発信が中心です。
ごすなかで、
「自分自身が日本のことを
なる文化からやってきた友人たちと過
3
“
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2
力 を 入 れ て い ま す。
「 ジ ャ パ ン シ ョッ
5
Kobe Shukugawa Gakuin University 12
13 Kobe Shukugawa Gakuin University
B
to
B
分の国はこんなに素晴らしいんだ」
と誇
● PROFILE
兵庫県神戸市出身。ウィスコンシン大学マディソン校卒業後、コン
サルティング企業等でさまざまなプロジェクトに従事し、2006 年
にポータル・ジャパン株式会社を設立。その後、インバウンドビジ
ネスに特化した情報の発信・共有に特化した(株)やまとごころを
2012 年 11 月に設立した。
30
3
業界トップを招いてのインタビュー記事をはじめ、独自に調査・分析した外国人ニーズ等のデータ公開、求人
情報、セミナー開催など内容は多岐にわたる
「やまとごころ .jp」
http://www.yamatogokoro.jp/
諸外国へのプロモーションがインバウンドの一面だとすれば、
国内での環境整備はその対をなす存在だ。
(株)やまとごころ
は、ビジネスポータルサイト「やまとごころ .jp」やセミナー
2
外国人客を受け入れる
国内の環境整備をサポート
♯
を通じて、国内プレーヤーへ多彩な情報発信を続けている。
分があるのです。
在日外国人を
制作パートナーに
"JapanTravel"へ と 軸 足 を
― そ の 後、 中 国 市 場 か ら 現 在 の
情報発信のあり方が、いま注目を集めている。
いて教えてください。
代の知
報 サ イト
﹁オールアバウト﹂
の概要につ
―まず、御社の主力事業である総合情
のキーワードとなりました。単純にオー
ローバル展開を考えるなかで、ひとつ
いたわけではなく、あくまで弊社のグ
最初からインバウンドに特化して
―具体的にはどういった理由からなの
日本人にとっては
有益で興味深
オールアバウトに掲載している情報
でしょうか?
が
と 必 ず し も そ うではない場 合 が 多 く
いものであっても、中国人目線で見る
~
ルアバウトと同様の情報サイトを各国
オ ー ル ア バ ウ ト は、
ローカルで展開するよりも、日本の情
に沿った情報提供ができるかを考えて
的 な 大 人 を タ ー ゲ ッ ト に、 各 ジ ャ ン
いく必要があり、たどり着いたのが
「中
ルの専 門 家 が情 報 を発 信 するサイト
ま ず、
2011年 か ら ア ジ ア 最 大 の
が異なるなかで、いかに現地のニーズ
マーケットである中国で現地企業と提
あったのです。文化的な背景や価値観
す。 扱 う 情 報 は
「 ゆりか ごから 墓 場 ま
化し彼らの手で情報発信をする仕組み
国における日本通の人」
をネットワーク
報に対するニーズの方が大きいと考え
で 」の 多 岐 に わ たって お り、現 在 は 約
携 を 結 び、 日 本 情 報 の 発 信 に 取 り 組
がどこにあるのか――。もち
ズに近づけることはできますが、微妙
ろんデータの収集や分析によってニー
ツボ
容を中国語に翻訳して提供していまし
なニュアンスや肌感覚はやはりその地
で暮らす現地の人にしかわからない部
ジビューが伸びてこない状況がありま
した。
た。しかし、この方法ではなかなかペー
ンテンツの蓄積があり、当初はその内
づくりでした。中国人の旅行客の喜ぶ
みました。ご存じの通り、オールアバ
います。
インバウンドは
グローバル戦略の一環
―インバウンド拡大に取り組む契機の
となったものはありますか?
●株式会社オールアバウト 代表取締役 兼 CEO
―サイト運営以外はどのようなインバ
です
江幡哲也
我々の既存の価値観を押し付けるので
ウンド事業を手掛けておられますか?
はなく、訪日客のニーズを満たし得る
コンテンツを見つけ、提案することが
―現在展開しているコンテンツはどの
宿 泊 施 設 や 飲 食 店、 観 光 ス ポ ッ ト
“Cool Japan”
キャンペーンや
ようなものになりますか?
いわゆるASEAN諸国からの数 が増
かせません。
これからのインバウンドの拡大には欠
日本政府観光局
(JNTO)
の 各 国に向
機関の情報、さらには各地でのフォト
が外国に向けて国内のさまざまな情報
けたコンテンツ制作、さらには内閣府
の情報のほか、電車や飛行機など交通
―その架け橋となるのが母国と日本の
を発信する
“Highlighting
両方を知るパートナーなわけですね。
Japan”
の制作などにも携わってい
万
その通りです。そして単純にニーズ
エッセイなどのコンテンツを展開して
千点を越え、動
のマッチングだけに留まらず
「適切な表
います。目下のところ記事本数は
万
“Japan Travel”は、 外
本、画像点数は
ますが、インバウンド市場の成長のた
画での紹介トピックスも徐々に増えて
です。日本語でも若者向けやシニア向
めには互いに連携し情報を共有してい
ジャパンパートナーシップ
(株)
ととも
け、あるいは紹介する内容がカジュア
中国に関しては、情報発信のノウハ
実 際に人 気の高い記 事を見てみる
ルなものなのか、格式を大切にすべき
表現で情報を届けることが大切です。
ものかなどによって言葉遣いは変わっ
国人にとって魅力ある日本、旅しやす
う。まさにオールジャパン体制で、外
くことがいま以上に求められるでしょ
若者たちへメッセージをお願いします。
―これからインバウンド分野を志す
ネ シ ア はFacebookの 普 及 率 が
「観光や
こ の 分 野 を 目 指 す 方 は、
旅行が好き」
「 グ ロ ー バル な 仕 事 が し
い環境を整備していかねばなりません。
非常に高いというデータがあります。
たい」
という大きく2つのモチベーショ
コンテンツの構 成 方 法 も国や 文 化
散を考えれば、必然的にコンテンツの
Facebook上での情報を共有・拡
入口がどちらであっても構いませんが、
ンを持っているのではないでしょうか。
プロあるいはグローバルビジネスのプ
んでほしいと思います。すでに観光の
備えた人材は非常に貴重で即戦力とな
ロは数多くいますが、この両方を兼ね
左右するだけの大きな影響力を持ち得
に、インバウンドはこれからの日本を
すでに多くの識者も語っているよう
りえます。
情報を発信したい」
というニーズと、海
らの日 本 を 背 負 う 」く らいの 気 概 と 高
る市場です。大げさではなく、
「これか
い志をぜひ持って頑張ってください。
外サイト側には
「 閲 覧 者 のニー ズ を 満
Win︲Winの 関 係 が 築 い てい る の
をマッチングさせることで、お互いに
たす日本の情報が欲しい」
というニーズ
に は、
「 より 日 本 に 興 味 があ る 人々に
トワーク化にも取り組んでいます。我々
て、各国の主要観光情報サイトのネッ
また、国内からの情報発信と並行し
る必要があります。
くりにするのではなく、そのなかでも
IT
どのツールを活用するべきかまで考え
常にもう一方の視点を自分のなかで育
内容もテキスト中心ではなく、写真や
心になるわけです。
「情報・ 」
とひとく
動画で直感的に感じてもらうものが中
に よ り 異 な り ま す。 例 え ば、 イ ン ド
てきますよね。それと同様に、適切な
国と民間企業では立場が大きく違い
と、
「こんな場 所やものに興 味 がある
ます。
んだ」
とビックリするものもあります。
きています。
外国人をパートナーとして迎えている
本のことを良く知る3000人の在日
ことが特徴です。
に展開しています。日本に居住し、日
があったことは否めません。また、尖
現」
で訴求してはじめて価値が伝わるの
転換したのです。
えてきている傾向がありました。そこ
本へやって く る 旅 行 客 も 東 南 ア ジ ア、
”
で、より広域への発信を考え、戦略を
不透明になるタイミングとともに、日
“
ウトには各ジャンルの専門家によるコ
3000万人の月間利用者を記録して
たのです。
”
て850名 の ガ イ ド が 活 躍 し て い ま
“
です。現 在は1200の分野にわたっ
40
商慣行の違いといった環境的な難しさ
国人向けのフリーぺーパーを発行する
1
在日外国人の目線を取り入れ、より細かなニーズに対応する
ウもさることながら、メディア構造や
移されました。
30
●PROFILE
1965年神奈川県出身。
(株)
リクルート在職中にIT系を中心に5つ
の新規事業を立ち上げたほか、経営企画室中期事業戦略責任者
等の要職を歴任。2000年に
(株)
オールアバウトを立ち上げ、
2005
年にジャスダック証券取引所に上場を果たした。現在、オールアバ
ウトでは1200ものテーマを取り扱う。
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5
共同運営する情報サイト
“JapanTravel”
をご存じだろうか。
閣の問題をはじめ国と国の関係がやや
“JapanTravel”
のトップ画面。現在は3000人のパートナーが活躍しており、フォトエッセイをはじめとしたコ
ンテンツが充実する。言語は繁体字・簡体字、ハングル、英語、日本語に対応。
JapanTravel http://www.japantravel.com
Kobe Shukugawa Gakuin University 14
15 Kobe Shukugawa Gakuin University
5
(株)
オールアバウトがジャパンパートナーシップ
(株)
とともに
3
在留外国人の目線を通じて
世界へと情報を発信
♯
くの著書で知られる浦田氏は、いま不動産の専門家としてイン
バウンド拡大に取り組んでいる。氏の取り組みから単なる
「観
うな変化にも対応しうる備えをしてお
ん
す。単純に利益を求めてだけのことで
―海外への投資の一方で、日本への不
くことが必要です。
け
はなく、資産を異なる通貨に分散する
た
ポジティブな将来像が描けませんでし
ことでリスクヘッジも想定してのこと
ら
た。そうした背景を踏まえて、今後発
う
●株式会社 FP コミュニケーションズ代表取締役
浦田 健
え、マレーシアでの土地購入に踏み切
展が見込める国での投資を選択したの
の需要が増え、そしてこれまでなにも
通なんです。人口が増加すれば土地へ
― 現 在 海 外への投 資 を 行っているの
です。
う感覚が強く残りますが、あらゆる市
です。日本の場合は、
「資産=円」とい
海外を舞台にビジネスを展開し、各
動産投資誘致へも参入されています。
土地の価格が上昇する理由は万国共
りました。
円 台 後 半を推 移 す
GDPの増加につながります。この観
な かった 場 所 に イ ンフ ラ が 整 備 さ れ、
マレーシア、シンガポール、マイ
アミ、ロンドンでも投資を行っていま
は、マレーシアだけになりますか?
市場は表裏一体のものですし、どのよ
も徐々に変容してくるでしょう。為替
場がグローバル化するなかでこの常識
のです。
ることは感じていました。しかし、日
なかで、日本市場に対するニーズがあ
国の投資家たちとネットワークを築く
ドル
「 円 安 に 振 れる 」
という結論にいきつい
点からすれば日本の不動産市場には
―土地が投資対象となることに心情的
わせないと。
る な か で、 自 分 な り に 考 察 し た 結 果、
たのです。そこで、強い円を外貨に換
価値を世界に知ってもらうことが第一
しかし、収入源である賃貸物件を売
の目的。そして、各国の経済状況や不
本は外国人にとって不動産取引・取得の
といっても自分たちが管理するのは難
家検定の出番です。投資家は購入した
くなってしまいますよね。そこで、大
却するだけでは、大家さんの収入がな
組んできました。この経験やノウハウ
コンサルティング業務に積極的に取り
しいですし、やはり日本の不動産業の
としての
「 心 理 的 に イ ヤ 」と 思 考 停 止 し て
いては、不動産市場でもガラパゴス化
ネスモデルの構築に着手しています。
をインバウンド投資とリンクしたビジ
大家さんの応援団
2008
私 は こ 著 書 や セ ミ ナ ー、
年よりスタートした
「大家検定」
な どを
とで将来的には日本がアジアの不動産
を避けられません。一般的にインバウ
動 産 市 場 を お 互いに 発 信・共 有 す るこ
マーケットの中心となることを目指し
ンドと観光や旅行のイメージが強いで
彼らは日本の銀行で融資を受けられな
すし、税制の面でも魅力的なインセン
いため現金での決済を余儀なくされま
―不動産投資を呼び込むため、現段階
こうした環境整備や情報発信を強化
投 資 家 た ち が 衣・食・住 で お 金 を 落 と
む 」とい う 目 標 を 見 据 え たいの で す。
秀で耐用期間が長く、堅調に利回りが
特徴のひとつです。建築物としても優
しており、これは他国では見られない
実は、日本は賃貸市場が非常に成熟
管理・サービスを受けられることになり
この形であれば、居住者も従来通りの
管理業務をビジネスにできるのです。
の 経 験 や 大 家 検 定 の 資 格 を 活 かし た、
要があります。大家さんは、これまで
現場を熟知した人材に管理を任せる必
歩 進んで
「日本に住
す だ け で な く、 ビ ジ ネ ス を す れ ば 当
心を示す海外投資家は数多くいます。
見込めることで、賃貸物件の取得に関
す が、 私 は も う
~
然雇用が生まれますし税収もアップし
し、 海 外 か ら 投 資 を 誘 致 す る 動 き は、
る基地周辺は購入を禁止する、マネー
官民一体でルール設定に取り組む
こ と で す。 水 源 地 や 国 防 上 重 要 と な
ます。2050年には国内人口が
務 付 け る、 購 入 で は な く 時 限 を 定 め
や資本を外国から集めるよりほかあり
もあるなかで、不足する人的リソース
8000万人まで落ち込むという予測
金返済だけで手いっぱい」
という方も多
「 相 続 対 策 で ア パー ト を 建 て た け ど 借
一方で、国内の大家さんのなかには
単 純 に 人 や 投 資 を 集 め る だ け で な く、
なりうると手ごたえを感じています。
ますし、大きな可能性秘めたモデルに
日本がアジアの
不動産取引の中心に
たリース契約を導入するなど、諸外国
さん側からすれば、土地と建物を売却
―最後にこれからインバウンド分野を
るでしょう。
が、今後あらゆる業界で求められてく
ジネスの成長・拡大につなげるノウハウ
して借り入れがクリアにできる。海外
目指す若者にアドバイスを。
その効果を生かしながら既存の国内ビ
投資家の側からすれば、円安傾向のな
ほしいと思います。
ことなく、広い視野でチャレンジして
欠。自分自身でフィールドを限定する
位置を客観的に認識することが不可
をはかり、海外から日本を眺め、立ち
異文化と積極的にコミュニケーション
を持ってほしいですね。そのためには、
ミングを読み、上手に使い分ける視点
いくのか」
「内に呼び込むのか」
のタ イ
シ ー ソ ー の よ う な も の で、
「外に出て
す。アウトバウンドとインバウンドは
ルビジネスの一面だと私は捉えていま
が、インバウンドはあくまでグローバ
現在は、国内でのインバウンド拡
大が急速に盛り上がりを見せています
かで割安感を持って物件を取得できる
くいます。ここに、ひとつのビジネス
の先行事例が大いに参考になることで
―今後のビジョンを教えてください。
のマッチングが生まれるのです。大家
―具体的にはどのような取り組みを?
す。融資やローン、税制あるいはビザ
義 務 を 課 す だ け で は な く、 投 資
家にとって魅力ある環境整備も必要で
ません。
月に各国の有力投資家や国内不動産
彼らに
「日本でビジネスをしたい」
と思
に おい て メ リ ット を 提 示 す る こ と で、
業者を集めた大規模なフェアを東京で
設けることで、まず日本市場の存在や
浦田氏のネットワークを生かして 2014 年 5 月に開催される「アジ
ア太平洋不動産投資博覧会」
。日本はもちろん中国、マレーシアな
ど各国から有力企業や投資家を招き、日本の不動産市場を紹介す
る初の試みだ。
開催します。情報発信の場を定期的に
● PROFILE
明治大学商学部卒。不動産企業経営者としてのみならず、全国各
地での講演や数多くの著書でも知られる。また、08 年よりスター
トした大家検定(2014 年 4 月より不動産実務検定に名称変更)
の監修・認定も手掛けており、多彩なチャンネルで不動産関係者
の支援・指導を行っている。
日本の大家さんと
世界をつなぐ
しょう。
1
まだまだプラットフォームづくり
の段階ですが、直近では、
2014年の
7
いま国土交通省なども取り組み始めて
チャレンジすることを決意しました。
いる分野であり、私も民間の立場から
居住者には年間に一定期間の居住を義
ゲームの対象となるのを避けるために
で最も大切なことは?
ています。
”
ティブがあるわけではありません。
“
ハードルが非常に高い現状があります。
通じ、
きいです。
ごろまで加速していた円高の影響が大
環 境 的 な 要 因 で い え ば、
2011年
た経緯を教えてください。
―海外市場へと目を向けることになっ
光」
に留まらないインバウンドのあり方が見えてくる。
不安を覚える人も多いのでは?
70
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インバウンド-02-19***.indd 16-17
1
Kobe Shukugawa Gakuin University 16
17 Kobe Shukugawa Gakuin University
大ヒットを記録した
「金持ち大家さん」
シリーズをはじめ、数多
4
適切なルール作りのもと
日本への不動産投資の誘致を
♯
5
―インバウンド事業参入までの
歳で大学を
まだ学生だった 歳の時、
「世界企業
経緯を教えてください。
中退、
歳のときにこの会社を設立し
を 創 る 」と 決 めて から、
うのは誰も知らないわけで、当初は
ました。ただ、世界企業の作り方とい
トし、インターネット関連サービスの
エンジニアの人材派遣業としてスター
SEO事 業 が 軌 道 に 乗 り 始 め て か ら、
本来の目標に向けて新事業の模索を始
めました。
世界企業を作る上で、我が社の理念
と し て 掲 げ た の は、
「お客様の人生に
残る思い出をプレゼントすること」
。そ
つは、お
れを実現するため、私には外せないポ
つありました。
客様の心に直接触れられるような
イント が
のサービス。次に、段階を踏まず
というわけではなく、ほとんどがエン
観光客がすべて日本の文化を知りたい
本 音 で す。 逆 に 置 き 換 え る と、 訪 日
すし、受け入れ企業が増えることはお
磨して業界を一緒に盛り上げていけま
チャーに対する支援が整えば、切磋琢
まで 来 ま し た が
(笑)
、これを機にベン
出てくると面白い。うちは気合でここ
う
ターテインメントとしての観光を期待
ろ
いきなりグローバルに展開できる事業
であること。最後に、事業を通してこ
の国の経済の原動力、元気の源になる
こ と。 こ れ ら に 合 致 し た 事 業 と し て、
月に 本 格 的に訪 日 観 光 事
とはいえ、元々この業界にはまった
ました。
く 縁 が な く、 経 験 も 人 脈 も な い ま ま
のスタート。とにかく、パソコンだけ
持って上海に渡り、現地の旅行会社を
訪ね回りましたが、応えてくれたのは
人だけでした。この時、最
社 の み。 お 客 様 は、 立 ち 上 げ か ら
ヶ月で
初に発注をいただいた旅行会社の方に
ビジネスモデルをすべて教わったこと
しているんです。もっと身近なところ
また、今は各自治体がバラバラに提
客様にとってもいいことだと思います。
で、何とか事業をスタートすることが
めて見た畳に興味を示したり、私たち
アジアに住んだ時期もあって、日本文
私は父が日本人、母が華僑で、東南
ションをかけ、実態に沿ったプランが
沿った地域が集まって同時にプロモー
が多い。ですから、具体的なコースに
稀で、いくつかの場所を横断すること
案 や プロモ ー ション を し てい ま す が、
化にどっぷり浸かってないぶん、お客
実際には一つの場所に滞在することは
様の視点に立って見ることができます。
作れるような連携を考えるべきだと思
が当り前を思っているものも観光にな
その意味では自身のアイデンティティ
ちは、
います。ちょうどこの
会社約1000社との取引を開拓し、中東・欧州へと規模を拡大中。
思います。
旅行会社を開拓できた理由の一つだと
情報発信をするWebサイトの解説を
ずつを提供して、世界に向けて地域の
都 道 府 県 で 力 を 合 わ せ て、 海 外 の
予 定 し てい ま す。 観 光 立 国 目 指 し て、
できました。その後は、東日本大震災
例えば、アジアの中でも、日本観光を
ツアーの提案も国によって様々です。
がお好きです
(笑)
。日本は文化や歴史
泉とかお寺よりも、イオンモールの方
ドショップなどの人気が高いこと。温
ショップやドンキホーテ、中古ブラン
観光でカウントすると、実はかなり少
ビジネス客も含まれています。純粋に
訪日観光客ですが、厳密には留学生や
1000万人を達成したと言われる
る人材は?
―今後のインバウンド業界に求められ
しょうという試みの一つです。
旅行会社に対して自分たちで宣伝しま
の影響もあり苦しい時期もありました
ほとんど知らない旅行会社に対しては
にプライドを持ちすぎる傾向がありま
年の
「ヴィジット・ジャパン」
キャンペー
ないのではないでしょうか? 2003
ます。外から冷静に日本を見ることが
外での滞在経験がある方が強いと思い
千人まで増え、来年は
交流が盛んな国なら、新しいツアーを
ン、
2008年 の 観 光 庁 発 足 や ビ ザ の
万
が、
超える見込みです。
光地と現実的なニーズとのギャップは
す。だから、日本人がイメージする観
良さが見えないこともあります。留学
できますし、ずっと国内にいると逆に
作るために旅行会社の方を呼んで、実
緩 和 な ど、 国 の 施 索 と し て 色 々 あ り
際にコースを巡ってもらうこともあり
けておられるのでしょう?
ましたが、インバウンドが盛り上がっ
だけでなく、バックパッカーやホーム
事はお客様のニーズを満たすことが前
ステイなどどんな形であれ、その経験
思っている以上に大きい。私たちの仕
催 が 決 ま っ て か ら。 ご く 最 近 で す よ
てきたのは昨年、東京オリンピック開
か 国、
提ですから、エゴを押し付けると受け
ま す。 現 在 は ア ジ ア を 中 心 に
およそ1000社の海外の旅行会社と
入れは難しくなります。
基本的には、お客様を集めて飛行機
に乗せるまでが海外の旅行会社の仕事
の取引を開拓し、国内にある約800
ウンドに携わるなら、まず客観的な視
は大きな資産になるはずです。インバ
点を持ってほしいですね。何より、自
動きは歓迎ですが、一過性の取り組み
分の使命として
(笑)
。外国人受け入れに対する改善の
訪日観光のベンチャー企業は我が社意
で終わらず継続することも重要です。
観光立国を作るん
うでしょう? 旅行者としてはアフリカ
り、芋虫の料理を出されたりしたらど
現地の文化だからと藁の家に泊まった
例えば、私たちがアフリカに行って、
の施設と協力して、外国人観光客を受
イ、ドイツ、フランスなど中東・欧州に
け入れています。今後はトルコ、ドバ
ホテル、バス、ガイド、レストランの
手配から、旅程の管理、トラブルの対
お客様の行き先は、国の成熟度や交
と思える、熱意のある人材が求め
“
も進出していく予定です。
を味わいたいだけで、普
だ
雰囲 気
マーケットは拡大するので参入企業が
外にはまだ出てきてないですし、今後
の
段の生活スタイルは変えたくないのが
られています。
”
す。ツアーの内容も、定番のルートか
流の多少によって変わりますが、アジ
ア 各 国 に 共 通 し て い る の は、
100円
”
ら完全オーダーメイドまで、団体、個
人、インセンティブといった幅広い客
層にも柔軟に対応します。
“
応に至るまですべてが私たちの仕事で
で、国境を越えて日本に入ってからは、
14
―具体的には、どのような業務を手掛
この仕事には語学は当然ですが、海
一緒に企画を考えたりしますし、逆に
起 業 家の 株 式 公 開
を 応 援 する 会 員で
構 成 さ れ る「THE
INDEPENDENTS
CLUB 」 が 選 ぶ、2013
年度のインデペンデンツ
クラブ大賞を受賞。
万 人を
う見られますか?
―近年のインバウンド業界の動向をど
都道府県の自治体に
ページ
月から、私た
してビジネスライクな姿勢が、海外の
は強みの一つと感じますし、観光に対
りうるんですね。
では、ちゃんと信号待ちする光景や初
た
20
業を立ち上げ、上海に子会社を設立し
2010年
10
●株式会社フリープラス CEO /代表取締役
ん
IT
B
1
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だ
21
4
す
須田健太郎
22
3
2
47
ネスに参入した
(株)
フリープラス。設立3年で、アジア諸国の旅行
年目にあたる今年は受け入れが
観光立国を成し遂げるべく、日本のファンを世界に広げている。
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3年前に、ベンチャー企業として初めて本格的にインバウンドビジ
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Kobe Shukugawa Gakuin University 18
19 Kobe Shukugawa Gakuin University
● PROFILE
クアラルンプール 生まれ。
流通科学大学 2 年時に
「世
界企業創立」の目標を立
て、 大 学 を中 退し 2007
年に株式会社フリープラス
を設立。IT アウトソーシン
グサービス、SEO サービ
ス事業を経て、2010 年か
ら訪日観 光事業開始。上
海・ベトナム・インドネシア
にも拠点を持つ。
人生に残る思い出を贈る
日本一の訪日観光ベンチャー
♯
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