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液体窒素冷却NMRプリアンプ LNA-4R3取扱説明書 版2012/6/20 北川 健太郎 使用方法 電源として、トランスタイプで、12∼15Vのものを用意する。0.16Aのはずであるので、電流計が 付いている方がよい。発熱が減るので12Vの方が良い。 入力と出力ともにSBDのクロスダイオードが付いているが、出力側は100mAまでであるので、入出 力を間違えて使用しないこと。 入力は、整合がとれていれば300Wまでは安全である。それ以上、もしくは整合が外れる可能性が大 きければ、外部の保護ダイオードまたはDuplexer等が必要。クロスダイオードが破損した場合、低 温部ダイオード基板の交換が必要となる。 液体窒素容器に入れる際は、5分以上かけてゆっくり入れる。熱サイクルは好ましくないので、でき るだけ冷やしたままでいること。 電源を入れたまま温度を上げると、溶けた水分により破損する可能性がある。 SMAコネクタが緩みやすいので、たまに締め直すこと。 TIPS 一般のDuplexerを使用した場合、0.3dB程度の損失があり、雑音指数がそれだけ悪化する。太くて シールドの良いλ/4ラインの使用を推奨する。 入力に伝送線路的トランスを追加し、1:4のインピーダンス変換を行うと10MHz以下のNFを改善す ることが出来る。 入力雑音(外部ノイズ+コイル熱雑音)が大きい状態では、プリアンプの性能による差はあまりな い。 NMR実験時の簡易動作チェック コイルが極低温状態で、外部ノイズが十分に小さく、整合もとれているとする。 プローブに繋いだ状態でのホワイトノイズと、プリアンプ入力にターミネータを繋いだ状態でのホワ イトノイズを比較し、後者が5dB以上大きければ受信系は概ね正常である。 ネットワークアナライザーでの動作チェック 添付資料の用に、低温時で37dB程度、常温でも35dB以上のゲインであれば正常である。 入力が-40dBm以下でないと正確に測定できないので、そのように設定するか、アッテネーターを加 えること。 トラブル時のDMMでの簡易動作チェック 電源OFFで、信号入力のSMAをダイオードレンジで測定し、0.2V程度であることを確認する。 0.15Vより小さければ、保護ダイオードが破損している。 室温の場合 調整作業は25℃付近で行う。 一番右上のコンデンサの電圧で、内部電源電圧が9.50VになるようにR17を調整する。 3番ピンが2.57 0.1Vであることを確認する。 R7を回し、4番ピンが2.82Vになるように調整する。 1番ピンが0.337 0.02Vであることを確認する。 R14を回し、5番ピンが2.08Vになるように調整する。 2番ピンが0.365 0.02Vであることを確認する。 電源電流は0.16 0.1Aのはずである。 77 Kの場合 一番右上のコンデンサの電圧で、内部電源電圧が9.50VになるようにR17を調整する。 3番ピンが2.57 0.1Vであることを確認する。 R7を回し、4番ピンが2.94Vになるように調整する。 1番ピンが0.285 0.02Vであることを確認する。 R14を回し、5番ピンが2.21Vになるように調整する。 2番ピンが0.296 0.02Vであることを確認する。 電源電流は0.16 0.1Aのはずである。 NF測定によりさらに微調整すれば言うことはない。 付録1:低温法による雑音指数(NF)の測定 雑音指数NFは、アンプ入力前後のS/Nの悪化度合い、(S/N)in / (S/N)out、で定義される。 通常は、入力雑音として290 Kの熱雑音(kBT = -173.98 dBm/Hz)を基準とする。 2種類の既知のノイズソース、異なる温度の熱雑音を用いて出力ノイズ強度を測定すれば、アンプの NFを決定することができる。 Nout(T) = Gain x kBT + Namp であるから、 Namp / Gain = (T2 x Nout(T1) - T1 x Nout(T2)) / (Nout(T2) - Nout(T1)) となり、以下の式よりNFが求まる。 NF = (S/N)in / (S/N)out = (S / kB x 290 K) / (Gain x S / (Gain x kB x 290 K + Namp) = 1 + Namp / (Gain x kB x 290 K) dB表示では、10 log10(1 + Namp / (Gain x kB x 290 K))である。 室温と液体窒素温度でのターミネータを利用し、雑音強度はスペクトラムアナライザーを用いて測定 することで求めることが出来るが、レベルが小さいので工夫が必要である。 まず、入力はセミリジッド/セミフレキ同軸のみでフルシールドする必要がある。 スペクトラムアナライザーの設定は、ゼロスパン、アッテネーターOFF、RBWを0.1MHz程度以下、 VBWを最小に、アベレージ機能、ノイズマーカーを使用する。また、スペクトラムアナライザー自 身のノイズを別途測定し差し引くか、プリアンプを追加する必要がある。 付録2: 先行試作機の液体窒素温度での特性 デッドタイムは2μs以下 リターンロスは8dB程度 ゲイン @-40dBm Gain [dB] 40 35 30 25 20 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 Frequency [MHz] 雑音指数 2 NF290 [dB] 1.5 1 0.5 0 1 10 100 Frequency [MHz] 1000 RX T1 150 2 BAT15−099 10pcs.−in−parallel arranged in line L13 27nH non−magnetic core Bourns CW252016 BAT15−099 20pcs.−in−parallel equal−length wiring 150 Ceramic capacitor in low−temp. stage: Panasonic ECJ (CK,CJ,CH) PPS capacitor in low−temp. stage: Panasonic ECHU Register: SUSUMU RR/RG thin−film COAX SC−358/50−SCN−CN 57cm S 1 Wilkinson, 2 stage 50 Ohms 51 1 U16 S U20 1 U22 S 2 U13 S 2 S 2 300 RG1005 750 RG1005 R75 C40 1 Q8 2 1 Q6 2 1 Q4 2 1 Q3 2 D20 3 3 3 D15 3 1 C36 C34 C32 C25 220pF*16 3pF*12 R76 3pF 51 RG1005 C58 150 RG1005 51 R72 1pF C56 C54 C52 C48 C42 C39 3pF Q14 2 1 Q13 2 1 Q11 2 1 Q9 2 0.01uF PPS*16 D10 3 3 3 3 C23 3pF U21 75 Ohms R68 R62 R59 R55 R48 R44 R38 D5 FHX35LG R30 51 R25 HSM123 1000pF U15 BAT15−099 10 1.5kR24 COAX SC−219/50−SCN−CN 50cm T2 C3 C8 C4 TDK GLF2518 10uH L3 240 2200pF CH L4 C7 R9 470 2 3 1 10x5 10x3 COAX SC−219/50−SCN−CN 50cm 10 Q1 Q2 IRF7501 IRF7501 C22 C21 1000pF C27 1uF 220pF 220pF C41 0.0047uF PPS C37 5 22nH L14 5 2 1 2 1 47 3 1 TDK ACF321825−223 10 R28 1k 470 75 Ohms 10 R29 Wilkinson, 2 stage 50 Ohms BAT15−099 2 TDK ACF321825−223 4 3 15k COPAL SM−42X 100 0.1uF U1 C6 COAX SC−219/50−SCN−CN 50cm E6 0.01uF PPS E4 2ohms RR0816Q 100 CKD510JB1E104ST 10uF 4 3 1/2 TLE2142 1ohm RR0816Q 100 5 1/2 TLE2142 1.5uH, non−magnetic core CW252016−R82 2pcs−in−series 5 150 R37 TDK GLF2518 10uH L5 EPCOS SIMID02−100 4.7uH 220pF 3 1 COPAL SM−42X 500 EPCOS SIMID02−100 4.7uH 10 100 1000pF CH 2200pF CH 0.01uF PPS 2 39 COPAL SM−42X 100 0.0047uF PPS C5 TDK GLF2518 22uH 0.0047uF PPS BAT15−099 L2 C1 R3 R5 R12 R13 0.01uF PPS C28 70 Ohms, 3.3mm D12 C29 85 Ohms, 1.2mm D13 C16 C10 D17 Wilkinson hybrid, 2 stage (simplified) 50 Ohms, 4−40GHz (isolation:−10dB) R77 R33 R39 R46 R51 R56 R60 1 2 1 2 1 S S S 1 2 1 R18 L7 R20 L8 R23 T4 C17 R8 R16 R6 R15 T5 R2 R4 R7 75 Ohms C62 C2 R10 2 1.5k 3 1 TDK ACF321825−223 RD3.0FM−AZ D9 D8 750 RG1005 1.5k RG1005 R70 BAT15−099 R61 R57 3 3 3 D19 3 D16 C47 1 2pF Q12 2 1 Q10 2 2pF 1 Q7 2 1 Q5 2 FHX35LG 0.01uF PPS*8 750 RG1005 1.5k RG1005 R52 R47 10 R41 1.5kR34 51 R65 R53 C26 3pF 220pF*8 3pF*6 300 RG1005 R71 BAT15−099 BAT15−099 1000pF 51 RG1005 C55 3pF 2 1.5k 240 Vin LM317 BAT15−099 TDK ACF321825−223 1000pF E5 1 Adjust Vout U2 device=LM317EMP 2 10uF 25V C11 300 RG1005 1pF C53 C49 C46 C43 C35 C33 51 R35 C15 CKD510JB1E104ST E1 CKD510JB1E104ST 0.1uF COAX SC−219/50−SCN−CN 50cm R11 HSM123 S S D6 R42 S R36 R21 Z1 C9 1 2 T3 3 3 1 220pF 220pF C18 0.01uF PPS 220pF 10nH L12 COAX SC−219/50−SCN−CN 50cm C24 220pF C61 3pF 0.0033uF PPS 10 39x3 39x2 EPCOS SIMID02−100 4.7uH L6 TDK ACF321825−223 EPCOS SIMID02−100 8.2uH 0.01uF PPS E2 10uF 25V COPAL SM−42X 500 CKD510JB1E104ST 10uF 10 HSM123 C13 TDK GLF2518 10uH D14 R40 L11 R50 C50 R45 R49 LNA ver. 4R3 for 77 K operation. G=37dB, 1.5−200MHz NF=0.3 dB (typ.) Kentaro Kitagawa 2 R64 R54 S C14 U14 C60 S R73 1 U18 R69 2 2 S 2 1 1 2 S S U19 2 U10 R66 C44 1 2 R78 R17 1 C12 C19 C30 D3 C20 C31 R79 D7 R43 R14 1 R74 S C59 1 R58 U6 2 R63 U4 C38 S D11 1 S 2 C51 1 1 U8 S U3 2 U5 1 U17 D21 U9 2 1 C57 U7 R67 D2 D18 R19 R22 L9 R26 T6 R1 C45 L10 D4 TDK GLF2518 4.7uH L1 470 R27 10 EPCOS SIMID02−100 4.7uH Oxley DLT4/L/22000 BAT15−099 E3 R31 1000pF R32 D1 U12 S 2 2 U11 470 OUTPUT V+ (15V)