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スウェーデンの総合制高等学校における普通教育と専門
教育の関連づけ : 職業系課程のカリキュラム分析を中心
に
本所, 恵
京都大学大学院教育学研究科紀要 (2008), 54: 220-233
2008-03-31
http://hdl.handle.net/2433/57027
Right
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Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
京都大学大学院教育学研究科紀要 第5
4
号 2
0
0
8
スウェ-デンの総合制高等学校における普通教育と専門教育の関連づけ
-職業系課程 のカ リキ ュラム分析 を中心 に-
本
所
はじめに
高等学校を含む中等教育 のカ リキ ュラムを論 じる際の主要課題 を、安彦忠彦 は 3つの軸で示 し
前期」 と 「
後期 」の区分、提供す る教育
てい る1。 それ は、義務教育 とその後 の教育 を分 かつ 「
の履修形態 としての 「
共通」 と 「
選択」の割合、 そ して教育内容の 2種 の性格である 「
普通教育」
と 「
専門教育」 の関連である。
3点 目の 「
普通教育」 と 「
専門教育」 につ いて、 これ ら 2種の教育を併せ施す とい う二重 の 目
的を もっ 日本 の高等学校 で は、 この 目的の二重性 をどのよ うに実現す るかが議論 されて きた2。
高校教育 をめ ぐる諸原理 を論 じている佐 々木享 は、学習指導要領の教科 ・科 目の規定 の検討 を通
して、専門学科 (
専門教育を主 とす る学科) は二重の 目的を実現 しているが、普通科 (
普通教育
を主 とす る学科)では専門教育 にあたる教科が提供 されてお らず、 目的を実現 していないと批判
している3. ただ しここで、佐 々木 は、普通教育 と専門教育 の区別 を教科 の区分 と して捉えてい
る。 しか しなが ら厳密 には、佐 々木 白身 も指摘 しているよ うに、普通教育 と専門教育 とは何か と
い うことを独立 して問 う必要がある4。
中内敏夫 によれば、「
普通教育」 は 「
職業身分別 の教育を こえた自由人 にふ さわ しい普遍 的教
養」 とい う意味か ら発 し、市民社会 の発展 の中で 「
公共社会 の構成員 たるものの共有す る教育」
とい う意味を獲得 した ものであ る。 そ して 「専門教育」 は、普通教育 の意味 の変化 に対応 して
「
各種職人 の術知」を与え るとい う性格か ら、「
普通教育 としての職業教育」 および 「
一般教養 を
基礎 に もっ専門教養」 とい う考 え方 に変化 したとい う5。
以上の議論では、普通教育 と専門教育 との関連 は、教育内容 と同時にその教育対象の広 さによっ
て定義 されている。 安彦 はこの 2点 を考慮 して、普通教育 と専門教育 を次 のよ うに定義 す る6。
「
普通教育」 は、すべての職業人 に対 して、共通基礎教養 を保障す るもの、 あ るいは、専門を相
対化す る多面的 ・全体的な把握 や理解 を保障す る ものである。一方 「
専門教育」 は、職業専門的
な教育、 あるいは学問の分科 (
専門諸科学) に対応す る教育のいずれかである。 ここでは、職業
的な内容であるか否かにかかわ らず、限定 された集団を対象 と して特定 の分野 に特化 した教育 は
すべて専門教育 として捉え られ る。
普通教育 と専門教育の関係を、共通 の教育 と限 られた集団への教育 と して捉え るとき、 これ ら
の比重 と関連 は、生徒が専門分化 してゆ く過程に位置づ く学校 において とくに大 きな論点 となる。
gymna
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i
e
s
kol
an) で もこの論点 は大 きな課題 と して取 り上 げ
ス ウェーデ ンの総合制高等学校 (
られてお り、学校現場 での積極的な取 り組み とともに議論が進 め られている。本稿では、 この総
合制高等学校のカ リキ ュラムを とりあげる。
-2
2
0-
本所 .スウェ-デ ンの総合制高等学校における普通教育 と専門教育の関連づけ
総合制高等学校 は、 2
0
歳未満 のすべての若者 に教育 の機会 を保障す る大衆教育機関であ り、 9
年 間の義務教育修了後 9
8
%以上 の生徒 が進学 して いる7。 そ こで は、 「職業生活 の準備」「高等教
育 の準備」「
市民生活 の準備 」とい う 3童 の 目的の もとで、 3年間の教育がお こなわれている8。
課程分岐 と して、専門分野 を異 にず る 「プ ログ ラム」 が全国共通 に1
7
種類設定 されてお り9、生
徒 は入学時 に iっのプ ログラムを選択 す る. そ して、 これ らそれぞれのプログラムにおいて、専
門教育 とともに普通教育がお こなわれているo
プ ログラム制 と呼ばれ るこのよ うな システムが総合制高等学校 に導入 されたのは、 1
9
9
0
年代前
半 の ことだ ったO イギ リスの教育社会学者 であ るM ・ヤ ング
〔
Yo
u
ng,M.
)は、 プ ログラム制
導入 の改革 をアカデ ミックな教育 と職業教育 との関連 についての興味深 い例 として とりあげてい
る10。 ヤ ングは、普通教育 の増加 によ って進学系課程 と職業系課程 の共通性が高 め られなが ら、
その区分が保持 されている点 に着 目 しているo と くに、 それが全国規模で はぼ全員就学 の学校組
織であるスウェ-デ ンの総合制高等学校 においてお こなわれていることが興味深 いと述べている.
そ してヤ ングは、 このよ うな改革 の鍵 は、生徒 の選択 を強調 して課程間の境界 を柔軟 にす ること
と、職業系課程 の地位 を向上 させ ることにあ った と分析 している。 ここか らは、 プ ログラム制 の
改革 が、課程分岐構造および職業系課程 のカ リキュラムを焦点 にお こなわれた ことが うかがえる。
ただ し、 ヤ ングの検討 は総合制高等学校 の システム全体 に関わ るものであ り、各学校が実施す
るカ リキ ュラムにおいて具体的 にどのよ うな変化 があ ったのかは明 らかで はない。 そのために こ
こで疑問が生 まれ る。 生徒が何 を選択 す ることが強調 され、 それがなぜ課程間 の境界 を柔軟 にす
ることにつなが ったのだろ うか。職業系課程 は、普通教育 の増加 によって 自 らが特徴 としていた
専門教育を相対的に縮小 しなが ら、なぜ地位を向上 させ得たのだろうか。 これ らの疑問は、スウェー
デ ンにおける普通教育 と専門教育 を関係づ ける論理 を問 うことにつ なが ってい る。 そ してその考
察 には、実際 に実施 され るカ リキ ュラムの検討 を踏 まえ る必要があるだろ う。
この点 に関 して は、 日本 において も先行研究がみ られない。 日本国内で、 プ ログラム制 の導入
9
9
1
年 のプ ログラム制 の課程
は詳細 には検討 されてお らず、比較教育学者 であ る中嶋博 によ って 1
分岐構造 の提案 までが紹介 されてい るにとどま る11
。 プログラム制 の制度 につ いて は、就職 に も
進学 に も対応す る多様 な教育課程 を内包す る点 や生徒 に科 目選択 の自由が与 え られて いる点 に着
目 して、教育制度 の国際比較 の一部、或 いはスウェーデ ン研究 の一部 として紹介 されてい る。 し
か しなが らこれ らも全体的 な システムの紹介 にとどま ってお り、学校で実施 されているカ リキ ュ
ラムの姿 は見えに くい12。
以上 よ り、 スウェ-デ ンの総合制高等学校 にお ける専門教育 と普通教育 との関連 を考察 す るた
めに、 プ ログラム制導入改革 および異体的 なカ リキュラムを検討す ることには意義があると考 え
られ る。 よ って本稿では、 プ ログラム制導入前後の職業系課程 のカ リキュラムを検討す る。 まず、
プ ログラム制導入改革 の全体的な特徴 と目的を、普通教育の拡大 に着 目 して明 らか にす る。 その
上で、学校で実施 されたカ リキ且ラムを とりあげ、普通教育 と専 門教育の関連 に着 目しなが ら検
討 を加 え る。 その際、 ライ ン制 に もプ ログラム制 に も存在 した職業分野 の一 つである電子工学分
野の課程 をとりあげる。 そ して最後 に、普通教育 と専門教育を結 びっ ける教育実践 に目を向ける。
以上 の検討 を通 して、 スウェーデ ンの総合制高等学校 において普通教育 と専門教育 とが どのよ う
に関連づ け られているのかを考察 したい。
一
一2
2
1-
京都大学大学院教育学研究科紀要 第 5
4号
2
0
0
8
仁 ライ ン制か らプ ログラム制へ
ち-1.課程分岐構造 の変化
ス ウェ-デ ンは もともと、 ドイ ツに倣 った複線型 の学校体系 を もっていたが、 1
9
4
0
年 に学校審
議会 (
1
9
4
0
品r
ss
ko
l
ut
r
e
dni
ng)が設置 されて以 降、社会民主党 の主導 によ って単一型 の学校制
度 に向 けた改革が進 め られて きた。総合制高等学校 は この過程 の中で、義務教育修了後 の単一 の
学校組織 と して 1
9
7
1
年 に誕生 した130
線舎利高等学校 は、大学入学準備 をお こな う高等学校 (
gymnas
主
e
t
)
、 実用 的な職業準備教育
をお こな う各種 の職業学校 (
yT
ke
s
s
kol
an)q これ らの中間的 (
やや理論 的〕 な教育 をお こな う、
高等学校 に付設 された専科学校 (
f
a
c
ks
koi
a夏
1
)の 3種 の学校 を統合 してつ くられた. これ らの多
様 な教 育 を 内包 す べ く、 総 合 制 高 等 学 校 に は2
2の ライ ン (
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nj
e
) お よ び多 数 の特 別 コ- ス
(
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kuT
S
) とい う課程分岐が設定 され たO生徒 は入学時 に lつの ライ ンを選択 し、教育 プ ラ
ンに よ って定 め られ た カ リキ 豊 ラム に沿 って学 習 をす す め る. そ して学 習 の過 程 で、 専 攻
(
gr
e
n)やバ リエ- シ ョン (
v
aT
i
a
nも
) とい った細分岐 によ って さ らに専 門化 す る. ライ ン制 はこ
のよ うな漸次的分化 を原則 と して、生徒 の専 門化 の過程 に位置づ くもの と して構想 され、実施 さ
れたのだ った。
しか しなが ら実際 には、 ライ ン間 には以前 の学校区分 の名残が あ った。 す なわち、高等学校 を
母体 とす る 5ライ ンは高等教育進学 を 目的 とす る 3・4年制 であ り、職業学校 および専科学校 を
母体 とす るライ ンは就職や高度 な職業技術訓練へつなが る 2年制 の ものが多か った。 このために、
生徒 は入学時 にすで に専門分野 を選択 し、就職か進学 か とい う進路 によ って分 かれて いたのであ
る. さ らに、傍系の特別 コ-スと して、 2年未満 の短期間であ った り、対象人数が少 なか った り、
よ り高度 な教育 内容 を もっていた職業教育 の課程が設定 された。 このよ うに、総合制 とはいいな
が ら内部 で は複雑 な課程分岐が残存 してお り、 ライ ン間 には進学可能性 や社会 的な地位 につ いて
の大 きな差異 が存在 していた。
教育省 の設置 した高校審議会 (
1
9
7
6
且r
sgymna
s
i
e
ut
r
e
dni
ng)14 が これ らの点 を批判 した こと
を機 に、課程分岐構造 を焦点 に して、 さ らな る統合へ向 けた議論 や先導的試行 が進 め られ た15。
1
9
91
年 に総合制高等学校 の改革 が決議 され、 ライ ンによ る課程分 岐構造 は大 き く変 え られ たので
あ る。 この改革 の大 きな 目的 は、 「リカ レン ト教育 が広 が る社会 において、大衆 の教育水準 を高
め、万人 に生涯学習 の基礎 を与 え る」1
6 ことにあ った。 そ して この 目的 は、 「市民 の ニーズ」 と
同時 に、「
効率 と生産性 を求 め る社会 の要請」 に見合 うと して正 当化 された170
課程分 岐 に関 して は、 改革 直前 には2
7の ライ ンと約 4
0
0の特別 コースに増加 していたが、 これ
らが再編成 されて全国共通 に1
6つのプ ログラム (
pr
ogr
am)が設定 された。 プ ログラムの分野 区
分 は ライ ンの区分 を もとにお こなわれ たが、各 プ ログラムの対象 とす る分野 は ライ ンよ り広 く、
プ ログラム選択 の後 に科 目を選択す る余地が拡大 された。 この選択 の 自由 は、個人 のニーズに応
え るとともに、時代 の変化 や地方 の産業へ柔軟 に対応す る システムであ ることを意 図 していた18。
さ らに大 きな特徴 と して、 プ ログラム間の共通性 が高 め られた。 すべてのプ ログラムの教育年
限が 3年 とされ、 どのプ ログラムを修了 して も大学入学 の基本要件が認 め られ ることとな った。
そ して カ リキ ュラム上 には、共通履修科 目と して 「
核教科 (
ka
r
namne
n)
」が設定 された。 この
よ うに、教育年限、進学可能性、履修教科 において共通性 を拡大 し、 どのプ ログラムを選択 した
-2
2
2一
・
一
本所 :スウェ-デンの総合制高等学校における普通教育 と専門教育の関連づけ
生徒 に も生涯学習の基礎 となる教育水準を保障す ることが目指 されたのだ った19。
ただ し、 このよ うに共通性 を拡大す ると同時 に、総合制高等学校 を全体 としてみたときの教育
内容 の多様性 は保持す ることが求 め られたo そのために、各 プログラムで はカ リキ ュラムの約半
分以上で専門教育をお こな うこととされたo そ して職業系 プログラムでは、職業専門性 を高 め、
労働市場 と学校教育 との結 びっ さを強 めて産業のニーズを教育 に反映 させ るために、原則 として
1
_
5
週間以上 の職場実習 をお こな うこととされた20。
以上 のよ うなカ リキ ュラムの変更点が実際 に大 き く影響 したのは職業系 の課程であ り、特 に次
の 3点が大 きな変化 だ った。第 1に教育年限 につ いて、進学系の課程 は以前か ら 3年制で変更が
なか ったのに対 し、以前 2年制 だ った職業系の課程 は 3年制 とな ったことで 1年分延長 した。第
2に、核教科 として進学系 ライ ンでお こなわれていた教科の基礎的な部分が設定 されたために、
職業系 ライ ンではお こなわれて こなか った教科が職業系プログラムに導入 されたOそ して第 3に、
職業系プログラムのみに、職場実習が課 され ることとな った.
1-2。績教科設定の目的
職業系 プログラムにもた らされた大 きな変化の中で、 とりわけ大 きな議論を巻 き起 こしたのは、
核教科の設定だ った。核教科 の設定 によって、それまで専門教育 を中心 にお こな って きた職業系
課程 にとって も、共通 の普通教育が無視で きない ものにな り、普通教育 と専門教育 の関連が問題
とな ったためである。 それでは、 この核教科 はどのよ うな目的で設定 されたのだろ うか。政府公
式報告書や国会決議案 よ り、核教科導入の理 由を明 らか に してお きたい。
総合制高等学校 では、 ライ ン制 を とっていた時か ら普通教育の必履修科 目が設定 されていた。
しか しそれ は、 スウェ-デ ン語 と体育 と 1教科 の選択教科 のみだ った21。 これ らの普通教育 を必
修 とす る目的 は、国際化 などの社会 の変化 や産業構造 の変化 に対応す るために、広 く一般的な知
識 とともに、 コ ミュニケ- ション能力が必要であるためだ と説明 された. ただ しここで は、職業
系 ライ ンの第一 の 目的 は、 「直接職業労働へつなが る教育 を提供 す ること」22 にあ ると明記 され
てお り、職業系 ライ ンにおける普通教育 はあ くまで も専門分野 に向 けた教育 を支え るもの と位置
づ けられていた。
0
年代 の改革 において は、核教科 の設定 はそれ以上 の意味 を担 っていた。 もちろん、上
一万、9
と同様 に、継続的 に変化す る社会 と労働市場 とに柔軟 に適応す るとい う理 由 も存在 した23。 しか
しこれに加 えて、以下のよ うな複数 の 目的が付与 された240 まず、 当時の労働市場 においては職
種 を問わず一般教養が求 め られてお り、 これを育成す るとい う点が強調 された。将来の労働市場
では、実際的な職業能力 とともに、基礎知識、 コ ミュニケー ション能力、普通教育 と専門教育両
方 の知識が要請 され るとい うのであ る25。 次 に、一市民 と して社会 の発展 に参加す るために必要
とされ る広 い知識を身 につ けることが 目的 とされた。 また、国際化 を背景 に、異 な る国々の人 々
と交流 し、多様 な文化や環境 に親 しんで各個人の生活 を豊かにすべ く、十分 な一般的知識や言語
能力をっ けることが 目指 された。
ライ ン制 における課題 に照 らしていえば、榛教科 の設定 には、総合制高等学校 の どのプログラ
ムか らも継続教育-のアクセスを可能 にす るとい う大 きな目的があ った。 ライ ン制では、 ライ ン
によっては大学進学 につながる教科が履修で きず、生徒の進学機会を奪 っているとい う批判があっ
-
223 -
京都大学大学院教育学研究科紀要 第 5
4号 2
0
0
8
た. こ
三の批判 に対 して滝全生徒 が履修 す る榛教科 の修了認定 を大学入学 のための基本要件 とす る
ことで、進学 の可能性が どのプ ログラムに も同等 に与 え られたのであ る。 リカ レン ト教育体制 の
整備 に ともな って大学以外 の教育機 関での学習 も配慮 され、核教科 で生涯学習 の基礎 とな る知識
を身 につ けることが強調 された。
以上のよ うに、按教科 は㌔産業 や社会 の変化へ対応す るとい う目的 に加 えてh
qそれ らの発展へ
寄与 し、個人 の生活 を豊 か に し、生涯学習 の基礎 とな り大学進学機会 を保障す るとい う目的か ら
重視 された. ここで相加 された目的 は、 それぞれの専門分野 の職業 に関わ ることと同時 に、異文
化理解 や市民 と しての一般知識 な どのよ うに専門分野 に関わ らない項 目が多 く含 まれてい ること
が特徴 といえ よ う。 このよ うに、核教科 は㌔専門教育 を中心 と した職業系 の課程がそれ まで もっ
ていた目標 とは異質 な 目標 を掲 げたのであ る。
望.職業系課程葛売 り奉 呈ラム分析
f技術 ライ ンのカ リ串 .
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ラ.
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11R電 L
複数 の役割 を期待 された普通教育 は、職業系 プ ログラムにおいて現実 のカ リキ豊ラム上 にはど
のよ うにあ らわれたのだろ うか。 ここで は、
∵電子工学分野 のカ リキ ュラムと して、 ライ ン制 にお
ける 2年制電子技術 ライ ン (
TvA畠T
i
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呈
壷 k
ni
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) とプ ログ ラム制 にお ける電子工学 プ ロ
グラム (
ELpr
ogr
am) のカ リキ 孟ラムを と りあげ るO ライ ン制 とプ ログ ラム制 剖 ま、課程分 岐
の構造やカ リキ 孟ラムの規定方法 が変化 して いるため、 これ らに留意 しなが ら比較 を試み たい。
ライ ン制 のカ リキ 孟ラムは、教育 プ ランLgy7
0(
L昆r
opl
an錆TgymnaS
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ko呈
an) によ って規
定 された。 Lgy7
0には、全体 に関す る規定 〔
第 1部) の中に鴨全体的な価値観 や留意事項 などを
記す 「
総則ム ライ ンや専攻 ごとに、学年別 に各教科 の週 あた り授業時間数 を定 め る 「タイムプ
ラ ン」、各教科 の 目標 と内容 を定 め る 「ヨ-スプ ラ ン」が含 まれて いた。 その他、主要教科 やい
くつかの ライ ンにつ いて、多数 の別冊 と して、 いっ何 を どの よ うに教 え るか 〔
第 2部工 授業計
画の参考例 (
第 3部) があ った。 これ らによ って、各学校で の教育実践 は厳密 に規定 されていた
のである。
電子工学分野 の課程 と して は、 2年制 の電
裏1 電子技術ラインのカリキュラム規定
子技術 ライ ンがおかれた。表 1が 「タイムプ
㌧
日
、
.
▲
.
ラン」 におけるそのカ リキ孟ラム規定 であるo
.
.
V
.
■
.
この ライ ンは、第 1学年後期 か ら 「
電子工学
ス ウェー デ '
ン語
4
技術者」「
通信機器補修技術者 」「制御装置技
労働生活入門
1
術者」「
通信装置技術者」「事務機器補修技術
電子技術
3
0
27
者」 の 5つの専攻 に分岐 したが、 その分岐 は
体育
2
「電子技術 」の教科 内容 によ ってお こなわれ
学習計画
1
1
3
5二
32
2
るため、 タイムプ ランか らは具体 的 には明 ら
かで はない。第 2部 の電子技術 ライ ン用別冊
英語/語学/宗教/心理学
/
社会/消費/敬翠/芸術
(
1
教科選択 )
3
以下
3
以下
には、各専攻 における 「電子技術」 の教科 内
容 の詳細が記 されてお り、具体 的 な教科 内容
が専攻 によ って大 き く異 な って い ることが分
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をもとに筆者が作成O
-2
2
4-
本所 :スウェ-デ ンの総合制高等学校 における普通教育 と専門教育 の関連づ け
か る26。
望一望台電子工学 プ E
3グラムの 尭 u奉 呈曹ム
プ ロ グ ラ ム 制 の 導 入 と と も に 出 さ れ た 教 育 プ ラ ンLp
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T
na) の内容 は、 Lgy7
0の 「総則 」 にあた る部分 の み に とどま り、 各 教科 の授 業 時間
数 や内容 につ いて は触 れ られ なか った。 プ ログラム制 で は、教育 プ ラ ンを は じめ とす る法 規 は、
学校 の教 育実践 を直接 規定 す るので はな く、教育 目標 を設定 し、 カ リキ ュ ラムにつ いて は科 目を
組 み菖 わせ る一定 の制 限枠 を規定 した日 その枠 内で各学校 が科 目を組 み合 わせて カ リキ ュ ラムを
編成 したO よ って、 プ ログ ラム制 にお いて学校 で実施 され るカ リキ ュラムを検討 す るには、法 に
よ る規定 とともに、実 際 に学校 が編成 した カ リキ 且ラムを見 る必要 が あ るO ここで は具体例 と し
て ス トックホル ムにあ るプ レ ドリカ プ レメル高校 の カ リキ ュ ラムを とりあげ るO
3年制 の電子工学 プ ログ
プ ログ ラム制 の国家 レベルの規定 で は、電 子工学 分野 の課程 と して、
ラムが おか れ た。 そ してそ の中 に、 「
止
孟 レク トロエ クス」「設 置 」「オ ー トメー シ ョン」 の 3つ の
0
0
0
年 に専攻 の分 岐構造 が見直 され た折 に、 コ ンピュー タ関連分 野 が発展 した
専攻 が置 か れ た0 2
ことを受 けて 「エ レク トロニ クス」専攻 が 「コ ンピュー タ技術」 と 「エ レク トロニ クス」 に区分
されぅ F設 置」 専 攻 が対応分 野 を広 げて名称 を変更 し 「電子 技 術」 とな り、 これ に 「オ ー トメー
シ ョン」 を加 え た 4つの専攻 が設 置 され た。 義 2が、 4つ の専 攻 を含 む カ リキ ュラムの規定 で あ
る。
蓑望 電子蓋撃ぎE
3グラム碍力u奉呈ラム規定
(
数値は高校単位数 :合計2
5
0
0単位)
スウェ-デ ン語A 1
0
0
100
宗教 A
50
自然科学A
5
0
5
0
芸術
電子工学学習B
アナログ回路A
ノ
ヾソコン
デ ジタル技術B
On
U0
00
5
10
15
社会 A
コンピュータ ・
コ ミュニケーション
0
0
U
n
0
r:
r
:
100
ウェブデザイ ン
HH
10
0
保健体育 A
0
n
U nUn
Un
U
上
勺 5 5 5
数学A
5
0
5
0
エ レク トロニクス入門 5
0
電子工学A
プロ ジ ェク トと企業
電子工学学 習A
制御技術A
コンビュ-夕
デ ジタル技術
0
nU
スウ,
i-デ ン語B l
o
o
英語A
互
00
<推奨科目>
英語B
数学B
<例 >
労働生活
コンビュ-タ技術
CNC技術
エ レク トロニクス
電子工学設置
電子工学学習B
交流 3
相
専門教科の中で
1
5
週間の職場実習を行 う
5
0
5
0
電子工学論A
5
0
電子工学論B
5
0
5
0
統制技術A
電子工学環境と安全 1
0
0
: 電子工学配置
1
輸送機器技術
‡
ミ物理
… 生物
; 数学
… マルチメデ ィア
測定・
制御技術
電子工学学習B
5
0
5
0
測定技術
5
0
統制技術A
1
0
0
統制技術B
5
0
電子工学論A
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0
0
5
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2
8
.
をもとに筆者が作成.
一・2
2
5-
第5
4号
京 都大 学 大学 院教育 学 研究 科 紀要
2
0
08
すべてのプ ログラムに共通 して大 きな 4つの枠 が設 け られ、 それぞれの枠 内の履修科 目の割合
が高校単位数
(
gymna
s
i
e
po畠n
g)を用 いて表 された。高校単位数 の量 は、 2
5
単位が一週 間 の学
習 に相 当す ると して、各科 目に想定 され る学習量か ら設定 され、総合制高等学校 にお ける 3年 間
5
0
0
単位 と して カ リキ ュラムが編成 された。 この高校単位 の数値 は、 だいたい1
単
の学習 を標準 2
位 1時間の学習時問 に対応す るが、授業時間を規定す るもので はない27。 授業時間数 につ いて は、
3年間の合計 について、芸術、 自然科学も社会科学 の 3つのプ ログラムには2
1
8
0
時間が、他 のプ
4
3
0
時間が最低 の授業時間数 と して規定 された280
ログラムには2
カ リキ 孟ラム編成 の枠 と して設定 されたのは、第一 には全 プ ログラムに共通す る必履修 の 「
核
教科」 で ある。 ここには、 呂教科 9科 目の7
5
0
単位が設定 された.第二 は、各専門分野 の 「
専門
教科
(
ka
r
a
kt
a
r
s
a
mne
n:特徴教科 )」 で あ る。 1
3
5
0
単位設定 され た専門教科 は、 プ ログ ラム内
での共通科 目と、各専攻での共通科 目、 そ して選択科 目か ら構成 された。電子工学 プ ログラムで
は、 プ ログラム内共通科 目と して 7科 目4
0
0
単位 が設定 され、 4つの専攻 それぞれの共通科 目に
3-6科 目3
0
0
3
5
0
単位 が設定 された0第三が、専 門分野 を超 えた分野 の科 目を選択 で きる 「
個人
i
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i
v
i
d
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i
i
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a
且
)
」の3
0
0
単位、 そ して第 四が、総合 的な学習 をお こな う 「プ ロジェク ト
選択 (
活動 (
p
T
O
j
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kta
r
b
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e
)
」の呈
0
0
単位である
。
この よ うな枠 組 み の 中 で カ リキ 孟 ラ ムを構 成 す る各 科 目 につ い て は、 「ヨ- ス プ ラ ン
(
kur
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)
」 と 「成績基準 (
be
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t
e
r
i
o
r
)」が規定 したO コースプ ランには、各教科 の 目
標、教科 内に複数設定 され る科 目の構成、各科 目の到達 目標 と単位数が記 された。成績基準 は、
冒-スプ ランに規定 された各科 目の到達 目標 を貝体化 して、優/良/可 の成績 の うち、良 と可 を
つ ける基準 を示 した29。 生徒 は各科 目につ いて、履修後 の評価で可 の基準 を満 たせばその各科 目
の修了が認 め られ、設定 された単位数 を得 ることにな った。
以上 の枠組 み と科 目を用 いて、各学校 が カ リキ ュラムを編成 す る。 その編成 の指針 と して、
(
p
r
o
gr
a
mm畠D」 が設定 された。 ここには、 プ ログラム ごとの 目標 および全国
共通 の専攻が規定 された。以上 の法規 に沿 って、実際 に計画 されたカ リキュラムが、表 3である
「プ ログ ラム目標
。
義3 フレドuカプレメル高校 ヲレFr
Jタ校
妻
Iス ウ エ - デ ン語 A
ス ウ ェ ー デ ン語 B
英語 A
数学 A
保健体育A
社会 A
宗教 A
自然科学 A
芸術
電子工学プE
3グラムのカリキュラム (
数字は高校単位数)
ど
1
0
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頂昔
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三
溝沖博.
.
コ ンピュー タ
5
0 5
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デ ジタル技術
5
0 5
0
1
0
0
エ レク 卜占ニ クス入 門
5
0 5
0
電子工学 A
1
00 至
プロジエア卜と企業
i
! 電子工学学習 A
5
0
制御技術 A
- 5
0 統御技術 A
保健体育 B
:
.
.
.
∼
.
:
.
:
50 50 50
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計 (
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電子工学学 習 B
-
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-
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05
05
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25
0 50
電子工学論 A
電子工学論 B
電子工学環境 と安全
:
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0
3
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5
0 コ ンピュー
ミュニケー
タシ
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計 (
300)
-
選択科 目
2
2
53
2
5の
プ中で職場実習
ロジェク ト活動
を実施
お よび専 門教科
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0
0
6
年度学校案 内を もとに筆者が作成。
- 226
-
本所 :スウェ-デ ンの総合制高等学校における普通教育 と専門教育の関連づけ
2-3.電子技練 ライ ンと電子三学プ E
3グラム爵カ リキ ュラムの比較 と考察
ここで は、 ライ ン制 のカ リキ孟ラム (
裏 目 とプ ログラム制 のカ リキュラム 〔
表 3) とを比較
し、 プ日グラム制導入の改革が普通教育 と専門教育 との関連 をどのよ うに変えたのかを検討す る.
2っの表 を比較 すれば、第- の樽徴 として、後者 において共通部分 と選択部分 とが数段階の階
層 を もちなが ら明確 に区分 され るよ うにな った ことに気づ く. 最 も大 きな区分 は、全 プ ログラム
共通 の核教科 と、 これに対す るプ ログ ラム選択である. 次 に、専門教科 の中には、 プログラム共
通科 目と、 これ に対す る専攻選択 があ る (
専攻 区分が存在 しないプログラム もある)。 そ して最
下位 の区分 と して、専攻共通科 目と、個 々の科 目選択がある。 この階層 は、専門性 の深 ま りに対
応 している。 よって、共通 の教育 と しての普通教育 と限 られた集団への教育である専門教育 とは、
カ リキュラム上 に核教科 と専門教科 と して明示 された といえ る。
電子工学 プ 日グラムで は、核教科 と専門教科 の区分が、義務教育で もお こなわれている教科 と
職業専門的な教科 の区分 にほぼ重 な る。 ここか ら、核教科で設定 されている教科が普通教育、専
門教科 に含 まれている教科 が専門教育 に対応 していると捉 え られ る. ただ し、専門教科 と して も
数学 や英語 の履修が推奨 され、体育が設定 されている。 つま り、核教科 と専門教科 の両方 に含 ま
れ る教科 もあ る。 進学系 のプ ログラムで は このよ うな教科が一層多 く存在す る。 つ ま り、普通教
育 と専門教育 との区分 はも単純 に教科 の種類 によってお こなわれているわけで はないのであるo
ここで重要 になる点 は、各科 目が、すべてのプ ログラムで共通 に適用 され る到達 目標 を もっ こ
とである。 核教科 と して設定 された 9科 目は、教科 の種類 を規定す るとともに、求 め られ る到達
基準 を も規定 している. 中央当局 は明確 に、 た とえ教科が同 じで も、核教科 の到達 目標 と専門教
科 の到達 目標 は異 な り、融合 させて はな らない として いる30。つ ま り、 プ ログラム制 のカ リキ ュ
ラムにおいて は、共通科 目と選択科 目とを明確 にす ることで、教科 の種類 とその到達 目標 によ っ
て普通教育の範囲が定 め られた といえ る。
第二 の特徴 と して、普通教育 の量 的拡大
蓑尋 電子技術ラインのカリキュラム 総授業時間数
.
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紙三
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采配 ‥
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鉦:
■
幸
岩音
を指摘す ることがで きる。核教科 の設定 に
よ って、 カ リキ 孟ラム全体 における普通教
育 の割合 が増加 した。衰 1では、共通 の必
履修科 目であるスウェ-デ ン語 と体育が 占
0
%、 これ に選択教科 を加 え
める割合 は約 1
、
≡
赫
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.
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.
:
…
:
ー
ス ウ ェ ー デ ン語
9
6
-
労働生活入門
2
4
2
4
電子技術
7
2
0
6
4
8
8
40
7
6
8
8%であ る。 しか し表 3では、必履
て も約 1
体育
4
8
4
8
0%を 占め、 これ に個
修 の核教科が全体の3
学習計画
2
4
-
人選択 の単位 を加 え ると、全体 の約 4
0%を
占め る. また、電子技術 ライ ンのカ リキ 且
英語/語学/宗教/心理学/
社会/消費/数学/芸術
7
2以下
7
2
以下
(
1
教科選択)
ラム規定 を各学年での年間授業時間数 に計
算 しなお した表 4をみ ると、絶対量 につい
て も普通教育 の時間数 が増加 していること
Lg
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kl
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eをもとに筆者が作成。
2倍 にな ってお り、普通教育 の合計時間
数 はま
9
2-2
6
4
時間 (スウェーデ ン語 +体育 +選択教科) が、 7
5
0
時間 (
核教科総計) にな ってい
が分 か る
O
スウェーデ ン語 の授業時間 は9
6
か ら2
0
0と約
るのであ る。
-2
2
7-
京都大学大学院教育学研究科紀要
第5
4号
2
0
0
8
そ して第三 には、普通教育 の教科 の種類 が増加 した ことが あげ られ る。 ライ ン制 の カ リキ ュ ラ
ムで は、全 ライ ンに共通す るの はスウェ-ザ ン語、体育、希望があれば もう 1教科 の選択教科 だ っ
た. プ ログ ラム制 にお いて ば、 これが、 ス ウェ-デ ン語、英語、数学、保 健体育、社会、宗教、
教科 に増 えて いる320
自然科学、芸術 の8
最後 に第 四 には、専 門教育 に関す る特徴 を指摘 で きる。普通教育 の拡大 に伴 って、全授業時間
数 に占め る専 門教育 の割合 は減少 した。 ただ し絶対量 につ いて は、全体 の教育年限が 1年長 くな っ
た ため にそれ ほど大 きな減少 は見 られ な い
。
専 門教育 に関 して はむ しろ、科 目の種類 が大 幅 に増
加 して いる ことが際立 って い る。 ライ ン制 にお いて は 「電子技術」 と して ま とめ られ て いた専 門
教科 が、 プ ログ ラム制 で は多 くの科 目に区分 されてい るのであ る。 これ は、 同 じ名称 で呼 ばれて
い る科 目が どの専攻 にお いで も同 じ内容 を持 っ よ うに、教科 の内容 が具体 的 に検討 され、科 目と
して区分 され た結果 だ ったO普通教育 と職 業 教育 との関連 にお いてみれば、科 目の大 きさを揃 え
る ことで カ リキ ュラムを構成 す る要素 と して の価値 を等 しくしよ うとす るね らいが あ った。
以上 の特徴 か らは、 カ リキ ュラム上 の普通教育 と専 門教育 の関連 につ いて次 の ことが いえ る.
カ リキ ュ ラム編成 の枠組 みを決 め る ことによ って、 すべてのプ ログ ラムにお いて普通教育 と専 門
教育 の両方 が提供 されて いたo それ は、職業専 門的 な教育 をお こな って いた職業系課程 に してみ
れ ば、普通教育 の量 と種類 が大 幅 に増加 す る ことを意 味 して いた。 ただ し、高校 での職業専門教
育 は単純 に縮小 され たので はな く、専 門教育 の絶対量 の確保 や科 目の大 きさの均一化 によ って、
普通教育 との両立 が図 られて いたのだ った。
3 授業内容葛 「色肇博」による普通敦膏と専門教育とぬ関連づ博
。
以上 の よ うなカ リキ ュラム上 の変化 は、 どの よ うな議論 を ひ きお こしたのだ ろ うか。 ここで は、
カ リキ ュ ラムが現実 に変化 した ことによ って教 育現場 が遭遇 した困難 と、 それを乗 り越 え るため
の取 り組 み に注 目す る. 政 府 が設 置 した高 校 開発 委 員 会 (
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9
9
6
年 に出 した改革評 価 の中間報告書 『新 しい総合制高等学校- どのよ うに進
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ng〕33 が 1
-』において、核教科 を め ぐる課 題 が取 り上 げ られ た3㌔ よ り異体 的 な教育実践 の
んで い るか ?
姿 につ いて は、学校庁 がお こな ったプ ログ ラム別 の調査研究 か ら見 ることがで きる35. 以下 で は、
これ らの資料 を もとに検討 を進 め る。 学校 庁 の報告書 か らは、先 に とりあ げた電子工学 プ ログラ
ムに関す る調査 を中心、
に取 り上 げ る36.
核教科 に対 す る批判 の声 はまず、共 通 の必履修科 目において全 プ ログ ラムで同 じ到達 目標 が定
め られ た ことに向 け られ た37。 これ は と りわ け職業系課程 の教 師や校長 か らの批判 だ った。職業
系 プ ログ ラムへ普通教育 を導入 す る ことは受 け入 れ られて も、進学系 プ ログ ラムの生徒 と同 じ到
達 目標 を課 す の は無理 だ し必要 が ない とい う意 見 であ る。 高校 開発委員会 は これ に対 し、 この意
見 は少数 の生徒 を対象 に した昔 の高等学校 の イ メー ジを引 きず る ものに過 ぎず、現状 には合 わな
い と反論 した。今 や9
8%以上 の生徒 が進学 す る総合制高等学校 は、生徒 を選抜 す ることな く、す
べて の生徒 に将来 へ の可能性 を開 く場所 で な けれ ばな らない。 よ って、基礎的 な教育 に関 して全
プ ログ ラムで共通 の到達 目標 を設定 す る ことは可能 で望 ま しい ことだ と主張 した。
こ う して共通 の 目標 が設定 され たが、現実 には、全国学力 テス トや成績分布調査 の結果 か ら、
職業 系 プ ログラムの生徒 が核教科 の学 習 にお いて困難 を抱 えて い る ことが明 らか にな った38。 そ
-2
2
8-
本所 :スウェ-デ ンの総合制高等学校における普通教育 と専門教育の関連づけ
して このよ うな成績不振 の生徒 は学習意欲 も低 い とい う報告 がなされた。一方 で、職業系 プログ
ラムの生徒 の多 くは専門教育 の学習 には熱心 だ った39。 また、電子工学 プ ログラムの生徒 は電子
工学分野 に深 く関連す る数学 には関心 を もち成績 も比較的 よい とい ったよ うに、専門分野 に関連
す る教科 に関 しては、核教科で あ って も生徒 は積極 的に取 り組 んでいることが明 らかにされた40。
以上 のよ うな状況 を踏 まえて、按教科 の授業を専門分野 に関連づ ける試 みが着 目された。高校
開発委員会 は、一部の職業系 プ ログラムにおいて実施 され一定の成果が見 られた実践の例 をあげ、
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」である41。
その秘訣 を分析 したO その例 のひとっが、榛教科 の 「
色づ け (
色 づ けは、「
核教科 と職業系教科 の授業が相互 に影響 (
色づ け) し合 い、相互 に支 えあ うこと
を意味 して い る」42。 つ ま り、核教科 の授業 においては、専門教科 の分野 に関連 した教材 や テー
マなどを とりあげるとい うことであるo この原則 は法規 に も示 されてお り、例 えばスウェーデ ン
-スプ ランには、 「教育 の内容 と活動 の形式 は、生徒 が選択 したプ ログラムあ るいは専
語 Aの コt
攻 に適応 させ る。」43 と記 されて いる。 具体 的 には、 ス ウェーデ ン語 の授業 において職場実習 に
つ いての レポ- トを書 いた り、英語 の授業 において職業教育で使用す る機器 の取扱説明書 をテキ
ス トに使 った り、数学 の授業 において専門分野 に関わ る文脈 を もつ文章題 を解 いた りす る実践が
お こなわれた44。 一方、核教科か ら専門教科 の授業への影響 は弱 い ことが指摘 されて はいるもの
の、専門教科 の授業 を半分英語でお こな うとい った実践 も紹介 されている45。
実際 に取 り組 みをお こな った教員 は、色づ けによ って、生徒が多様 な視点か ら自分 の専門分野
を見 られ るよ うにな ると評価 している。 専門分野 にかかわ りのある教材 を核教科 の授業で とりあ
げることで、生徒が専門分野 における核教科 の学習の意味を理解 し、学習への意欲 を高 めたとい
うのである。
現実 に このよ うな実践 をお こな うためには課題 も多 い。例 えば、教材研究 のためには各専門分
野の知識が必要 だが、現状で は多 くの核教科教師が複数 のプ ログラムを兼任 してお り、 1人 の教
師が多様 な分野 の教材研究 をす ることは難 しいo このよ うな課題 に対 し、教材 の開発、教育 プ ラ
ンとプ ログラム目標 の共通理解、教師全員でのカ リキ ュラム計画 に関す る議論、共同の研修 や学
習会 の設定、共通の休憩 スペースの確保 とい った様 々なアプローチによる取 り組みが現在 も進 め
られている46.
おわ も
‖こ
本稿 で は、実施 されたカ リキ ュラムの検討 を通 して、 スウェーデ ンの総合制高等学校が普通教
育 と専門教育 とをどのよ うに関連づ けているかを明 らかにす ることを課題 とした。
ライ ン制 の課程分岐に関す る問題 を乗 り越 え るために導入 されたプログラム制 は、 カ リキ ュラ
ム上 は主 に職業系の課程 に変容 を もた らした。専門性 が重視 されて きた職業系 の課程 にとって、
その変容 の中で もとりわけ、核教科の設定 による普通教育の拡大が大 きな論点 とな った。核教 科
は、産業や社会 の変化へ対応す るとい う目的 に加 えて、万人 の教育水準 の向上、異文化理解や 自
然環境 の享受、大学進学機会の保障、生涯学習の基礎 とい った、専門教科 とは異 な る目的か ら複
数 の役割が課 されていた。実施 されたカ リキュラムを検討す ると、各教科 の設定 によ って普通教
育 の量 と種類 とはともに増加 していた。職業系 プ ログラムで は、増加 した普通教育 に対す る生徒
の学習意欲が弱 く、学習結果が芳 しくない とい う課題 が生 じ、核教科 の授業で専門分野 に関わ る
一一
2 29
--
京都大学大学院教育学研究科紀要
第5
4号
2
008
教材 や テーマを とりあげ る実践 がすす め られたo
以上 の検討 よ り、普通教育 と専 門教育 との関連 につ いて特徴 的 な点 は 2点 あげ られ る。 それ は
核教科」 と 「
専 門教科」 と
第 1に、普通教育 と専 門教育 とがそれぞれ、 カ リキ ュ ラムにお いて 「
して、教科 の種類 と単位数 に とどま らず、保障 しよ うとす る一定 の到達 目標 によ って規定 されて
いる点 で あ る。
第 2点 目は、職業系 プ ログラムの核教科 の授業 で職業専 門的 な分野 にかかわ る教材 や テーマを
とりあ げ ることで、核教科 と専 門教科 とが授業実践 において関連 づ け られて いた ことで あ る。 つ
ま り、普通教育 は決 して一律 的 な授業 を想定 す る もので はな く、一定 の到達基準 を保 障 しなが ら
生徒 の関心 に応 じた授業 をお こな うことを意 図 した ものだ ったので あ る。
これ らの点 を考 え合 わせ ると、 ス ウェーデ ンの総合制高等学校 において は、普通教育 と専 門教
育 とは次 のよ うな関連 にあ るといえ るだ ろ う。専 門分野 に沿 って核教科 の授業 を変 え よ うとす る
「色 づ け」 は、 実質 的 に各 プ ログ ラムの専 門性 を強調 す る。 この点 か らは、 この実践 が、共通 の
教育 を保 障す るとい う普通教育 の理念 に反 して い るよ うに も見 え る。 しか し、 国民全体 の教育水
準 の向上、異文化理解 や 自然環境 の享受、大学進学機会 や生涯学習 の基礎 の保 障 とい った、普通
教育 と しての核教科 に込 め られ た期待 は、各生徒 が学 習 の結果共通必修科 目の到達 目標 に達 す る
色 づ け」 は核教科 の 目的 の
ことで初 めて実現 す る。 そ う考 えれば、生徒 の学習意欲 を喚起 す る 「
。普通教育 と専 門教育 は、生徒 が関心 を もっ分
実現 に重要 な役割 を果 た して い ると捉 え られ る47
野 を共通 に基盤 と し、 「
色 づ け」によ って内的 に結合す ることによ って関連 づ け られて い るので あ
る。 そ して これ によ って、総合制高等学校 は、共通性 と専 門性 とい うね らいを調和 しなが ら達成
す ることを 目指 して い ると言 え るだ ろ うO
ここで、共通 の授業 内容 を もたない普通教育 が、 それで もなお一定 の教育水準 を保 障す るとい
うとき、普通教育 をお こな うなかで共通 に目指 されて い る人 間像 はどの よ うな ものなのだ ろ うか。
それ は、核教科 と して設定 され た科 目の教育 目標 を、 目標 が設定 された際の議論 とともに検討 す
ることで浮か び上 が って くるだ ろ う。 その よ うに、教育 目的 の検討 を通 して普通教育 と専 門教育
との関連 を考察 す る ことを、今後 の研究課題 と したい。
「中等教育改革の内外動向に関する理論的検討」『
現代の高校教育改革一 日本 と諸外国-』
9
9
8
年、21
6
貢。
大学教育出版、1
2 佐々木享 「
高校教育の目的について」『
高校教育論』大月書店、1
97
6年、7
0
1
0
4
貢o佐々木亨 「
高校教
高校教育の展開』大月書店、1
97
9
年、1
3
7
1
6
0貢。
育の目的の二重性をめぐる問題」『
3 佐々木享、 1
97
6年、1
01
貢。佐々木享、1
9
7
9
年、1
51
頁。なおそこでは、「
国語、社会、数学、理科、
保健体育、外国語、芸術 といういわゆる普通教育に関する教科 ・科 目」が高等普通教育 とされ、「
工
業、農業、水産、家庭、などの専門教育を主 とする学科で課される専門教育に関する教科 ・科 目」が
専門教育 とされている。
4 佐々木享、1
97
9
年、1
4
4
貢。
5 中内敏夫 『
教育学第一歩』岩波書店、1
9
8
8
年、52
5
3
貢 .
6 安彦忠彦、前掲書、1
0
1
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貢。
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1 安彦忠彦
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2
30 -
本所 :ス ウヱ-デ ンの総 合制 高等 学 校 にお け る普 通教 育 と専 門教 育 の関連 づ け
9 発足当初 は1
6プ ログラムだ ったが、 2
0
0
0
年秋 よ り技術 プログラムが設置 されて 1
7プ ログラムにな った。
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i 中嶋博 「
後期中等教育 の進化」『学習社会 スウェーデ ンの道標 』近代文垂社、 1
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8亘0
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2小山由紀江 「スウェーデ ン 個人 を大切 に した教育」 田原恭蔵 ・林勲 ・矢野裕俊編著 『かわ る世界 の
学校』法律文化社、 1
9
97
年、 1
30-1
44
貢.二文字理明 「
教育 - 『個性重視型』共生社会 の基礎 」 二文
字理明 書
伊藤正純編著 『ス ウェ-デ ンにみ る個性重視社会
生活 のセーフテ ィーネ ッ ト』桜井書店、
2
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2
年、 1
7-5
0貢。岐阜県 『北欧 にお ける知識社会形成 に関す る調査一学 び続 ける社会 (
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年o E
j本労働研究機構 『「
公共職業訓練 の国際比較研究」 ス ウェーデ ンの職
9
97
年。
業教育 ・
訓練制度』 日本労働研究機構、 1
1
31
9
7
0
年代以前 の改革 に関 して は、比較教育学者の松崎巌が詳細 に明 らかに している。松崎巌 「スウェー
デ ン教育史」世界教育史研究全編 『
世界教育史体系1
4 北欧教育史』講談社、1
9
7
6
年O松崎巌 「スウェー
デ ンの後期 中等教育改革 一統合 と過程再編成 の実態 について」『東京大学教育学部紀要 第 2
4巻』
1
98
4年等 。
1
4 この委員会 のメ ンバ ーは、教育学教授 U
Qダール レ-フ (
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) を議長 に、各政党、全国規模
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大学 。
教育当局 (
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年 よ り、芸術、 自然科学、社会科学 の3
つのプ ログラムでは2
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ログラムには2
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0時間 に変更 された。SFS1
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年 の改訂 において、優/良/可 の3
段階 に対す る成績基準 が示 された. Sko
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週 とい うライ ン制 の規定 (
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) を、 6
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分1
時間 に計算 しなお した。
表 3の高校単位数 は授業時間数 の規定で はないため、厳密 にはこの比較 は不可能 だが、各科 目に想定
されてい る授業時間数 の差異 は見 ることがで きる。
3
2 プ ログラム制導入 の提案時 には共通 の必履修科 目に宗教 は入 ってお らず、 7
教科 だ った。教育 プ ラン
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4の提案において宗教 が加 え られ、8教科 にな った. (
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以降 は国会議員 のJ。ヨル クマ ン (
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) に替わ り、 国会 議員を*J
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と していた. その活動
3
3 この委員会の メ ンバ 可 ま、国務次官 の0 ・エイケ ン
-2
31-
京 都 大 学 大学 院教 育 学 研 究 科 紀 要
第5
4号
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は、学校庁 や関連委員会 の協力 の もと進 め られ た。SOU1
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キ ュ ラムを編成す る例 や、教科横断的 な「問題解決学習」の例 があげ られている。
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3
2I
The Relation between the General and Specialized Education
In Swedish Upper Secondary Schools: Analyzing the
Curriculum of Vocational Program
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This study discusses the relation between the general and specialized education in
Swedish comprehensive upper secondary schools. For this purpose, two practical
curricula were analyzed. One is of electro-technical line in the old system, and the other
is of electricity program in the present system. There were several differences between
those two curricula froln the vie'l\lpoint of general/specialized education. Firstly , the
distinction
between
compulsory
and
optional
courses
had
become
clearer.
The
cOlnpulsory courses were "general education". Each course had particular levels so that
general education was defined with the sorts and the levels of subjects. Secondly, the
amount of the cOlnpulsory courses had increased. Thirdly, the variety of general courses
had also increased. General education had been more important for all. However,
students in vocational programs tended to dislike studying general courses, due to the
lack of meaning in their own specialties. Teachers attempted to take up topics or
materials which were related to the vocational specialty in general education and it
successfully encouraged students to learn. This is the way to relate general education to
vocational education, which is to have the same ground -planning education according to
the student's interest- of both types of education.
- 233-