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ハンディークーラー
TRL-107SLC
取扱説明書
取扱説明書について
この度は弊社製品をご購入頂き、誠に有り難うございます。
ご使用前は必ずこの取扱説明書をお読みになった上で運転を開始されるよう、
お願い申し上げます。
文中に下記の罫線に囲まれた文章が出てきますが、内容は特にお客様に注意
していただきたい主旨となっておりますので、良くお読みになり充分ご理解な
さった上で次の項目へお進みください。また、お読みになった取扱説明書は大
切に保管してください。
用途
本機は媒体液を冷却する投げ込み式のハンディークーラー(冷却装置)です。
温度調節器を装備し被冷却槽の媒体液を目的の温度にて恒温保持をすることが
できます。
使用出来る媒体液は下記の通りです。
・メチルアルコールまたはエチルアルコール
・フッ素系媒体液(フロリナート等)
・エチレングリコール系ブライン
上記以外の媒体液を使用した場合、冷却コイルの浸食など本機にとって致命
的な損傷の原因となる場合がありますので、絶対に使用しないで下さい。(上
記以外の媒体液を使用する場合には弊社までお問い合わせ下さい。)
目次
取扱説明書について ------------------------用 途 --------------------------------------設置場所について --------------------------取扱注意 ----------------------------------運転について ------------------------------禁止事項 ----------------------------------仕 様 --------------------------------------各部名称 ----------------------------------媒体液について ----------------------------準 備 --------------------------------------操作方法 ----------------------------------冷凍機について ----------------------------安全装置 ----------------------------------日常のメンテナンス ------------------------簡単なトラブルシューティング ---------------
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設置場所について
設置場所の善し悪しは、機器の寿命を大きく左右します。次のような場所に
設置して下さい。
1・周囲温度変化の少ない場所。
本機を使用する際の周囲温度は +5℃∼ +35℃の範囲内とし、そ
れ以外の場合には運転をしないで下さい。
室温が +5℃∼ 35℃の範囲外で運転をします
と冷凍機配管内の圧力が異常上昇、異常低下
し、冷凍機の寿命が著しく短くなります!
2・ホコリ、腐食性ガスの少ない場所。
特に硫黄系のガスは、冷凍機の配管に悪影響があり、ガス漏れ
の原因となります。
3・床面の平らな場所。
床面の傾いた場所、がたつく場所、その他不安定な場所への設
置は本機転倒の恐れがありたいへん危険です!
4・風通しの良い場所。
本機は空冷式の冷凍機を搭載しています。風通しが悪いと、冷
却能力が低下するばかりでなく、冷凍機本体の寿命も短くなる恐
れがあります。本機の前後には障害物を置かないようにして下さ
い。(最低でも本機前後には 50cm の隙間を確保して下さい。)
通風状態が悪い場所での運転は絶対に避け
てください!最低でも本機の前後には
50cm の隙間を確保してください。
5・安全な雰囲気の場所。
本機は防爆構造ではありません。引火、爆発の恐れがあるとこ
ろには、絶対に設置しないで下さい。
また、媒体液にメチルアルコール(以下メタノール)、またはエ
チルアルコール(以下エタノール)を使用する場合、揮発性があ
り、引火の恐れがありますので取扱には充分ご注意ください。
本機は防爆構造ではありません。爆発、引
火の恐れがある場所への設置は絶対に避け
てください!
-2-
取扱注意
1・電源環境にご注意下さい。
本機の定格電源以外の異電源投入は絶対に避けて下さい。本機
の定格電源は AC100V50/60Hz、定格電流は 12A です。
定格以外の異電源投入は、本機にとって致
命的な損傷を招きます。本機の電源は
AC100V12A50/60Hz です。
AC100V ± 10V の範囲を越える電源でご使用になりますと、冷
凍機の起動不良、冷却不良等が起こることがあります。冷凍機自
体の寿命を著しく縮めることになりますので、充分ご注意下さい。
冷凍機の起動時にも電源電圧が 90V 以下にならないような電源を
ご使用下さい。
また、冷凍機は起動時に定格電源の 5 ∼ 7 倍の電流が流れます。
(起動電流と呼ばれます。
)本器の電源コードは本器の定格電流以
上の余裕のある電源に接続して下さい。
(20A 以上の容量を持つ電
源に接続して下さい。)
余裕のない電源への接続は本器内部の配線や
電源コードの発熱発火の原因となり、火事の
恐れがありますので十分ご注意下さい!
2・アース線は必ず接地して下さい。
アースは万一、本機の絶縁状態が悪くなったときの感電事故を
防止するものです。必ず接地して下さい。
アース線の接地を確実に行わないと、感電
事故の恐れがあります。アース線は必ず接
地してください。!
3・フレキシブルチューブは 150R より小さく
折曲げないでください。また、繰り返しの
曲げ伸ばしは絶対に避けて下さい。折曲げ
箇所に亀裂が入り、ガス漏れの原因となり
ます。
フレキシブルチューブは絶対に最小曲げ半
径(150 R)より小さく折り曲げないで下
さい。ガス漏れの原因となります
-3-
4・冷却コイルが冷えている状態(運転中、運転後)はフレキシブル
チューブの折曲げや冷却コイル部に衝撃を与えるような行為は絶
対に避けてください。
コイルが冷えている時は衝撃やフレキシブル
チューブの折曲げがガス漏れの原因となるこ
とがありますので、充分ご注意ください。
また、冷却コイル部が冷えている状態で、濡れた手で冷却コイ
ル部分さわらないでください。
手が冷却コイルに張り付き取れにくくなることがあります。長
時間にわたり張り付いた状態が続きますと、凍傷の恐れがありま
すので、充分にご注意ください!
手が濡れているときには絶対に冷却コイル
に触れないで下さい。コイルに手が張り付
き、凍傷になる恐れがあります!
5・通風環境、室温を常に確認してください。
通風環境が悪い、または室温が高い場合には、冷凍機が充分に
排風排熱を出来なくなり、冷却能力の低下ばかりでなく冷凍機自
体の寿命を著しく短くする恐れがありますので、充分ご注意くだ
さい。
運転時の室温は +5℃∼ +35℃の範囲内と
し、最低でも本機前後は壁などから 50cm
以上の隙間を確保してください。
6・媒体液の温度が +40℃以上の時、室温が +5℃∼ +35℃の範囲外の
時には本機を運転しないで下さい。冷凍機配管内の圧力が異常上
昇し、冷凍機故障の原因となります。
運転時の媒体液の温度は +40℃以下、室温
は +5℃∼ +35℃の範囲内とし、これ以外で
の本機の運転は絶対に避けてください!
7・本機の運転を停止後、再び起動させる場合には、最低 5 分以上の
時間を空けてください。
5 分以内の再起動は冷凍機の起動不良の原因
となり、冷凍機の寿命が著しく短くなる恐れ
がありますので、充分ご注意ください!
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運転について
運転の際には次の点にご注意ください。
1・本機は安全装置としてサーキットプロテクターを装備しています
が、お客様ご自身の安全を更に確保するために漏電ブレーカー等
の安全装置の設置をお薦めいたします。
特に無人運転、終夜運転等をされるお客様
は、別途安全装置をご用意下さるよう、御
願い申し上げます。
2・本機を停止後、再び起動するまでの時間は最低でも 5 分以上、空
けるようにしてください。5 分以内の再起動は冷凍機の起動不良の
原因となり、冷凍機の寿命を著しく短くする恐れがあります!
3・冷凍機の起動時には定格電流の 5 ∼ 7 倍の電流が流れます。(起動
電流と呼ばれます。)本器の電源コードは 20A 以上の容量を持つ電
源に接続して下さい。
電源容量に余裕のない場合には本器内部の配
線や電源コードの発熱発火の原因となり、火
事の恐れがありますので十分ご注意下さい。
禁止事項
この項目は必ず厳守してください!
1・媒体液はメタノール、エタノール、フッ素系媒体液、エチレン
グリコール系ブライン、以外は使用しないで下さい。特にメタ
ノール、エタノールを使用する場合には P8 の媒体液についてを
参照の上、安全に正しくお使いください。
2・定格電流以上の余裕のある電源に接続して下さい。
3・本機の動作中、または冷却コイルが冷えている状態での本機の
移動は絶対に避けて下さい。
4・本機の動作中に外装、通風グリル、その他の構成部品の取り外
し、取り付けは絶対に避けてください。また、通風グリル内に
手や異物を入れないでください。
5・お客様ご自身での改造、修理は絶対に行わないでください。
1・定格電源以外の異電源投入は絶対に避けて下さい。
2・媒体液の温度が +40℃以上の場合には、本機を運転しないでく
ださい。
3・本機を停止後、再び起動するまでの時間は、最低でも 5 分以上
空けるようにしてください。
4・本機を運転する際の周囲温度は +5℃∼ +35℃の範囲内としそ
れ以外での本機の運転は絶対に避けてください!
-5-
仕様
外法
W430 × D530 × H770mm
冷却コイル
W55 × D150 × H130mm 銅管メッキ仕上げ
フレキシブルチューブ1m
温度範囲
-80℃∼ -10℃(推奨温度範囲※ 1)
温度調節
デジタル指示式温度調節器
ON/OFF 制御方式
温度センサー
白金抵抗式 Pt100 Ω
リード線 1.4 m
冷凍機
二元冷凍方式
高温側:400W
低温側:400W
冷凍機冷媒
高温側:HFC-134a
低温側:HFC-23
※1
冷却能力
180kcal/h(水温 -60℃50Hz)
定格電源
AC100V50/60Hz
定格電流
12A
重量
87kg
推奨温度範囲 ......... -10℃以上での連続運転は避けて下さい。
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各部名称
背面図
1・フレキシブルチューブ 2・冷却コイル
4・温度センサー
3・温度センサー接続用
メタルコンセント
5・制御部用サーキットプロテクター
6・低温側冷凍機用
7・高温側冷凍機用
8・電源コード出口
サーキットプロテクター サーキットプロテクター
9・温度調節器
10・電源表示灯
11・電源スイッチ
12・通風グリル
13・低温側冷凍機
14・高温側冷凍機
15・キャスター
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媒体液について
媒体液は使用する温度により適切なものを選定して下さい。
(下記以外の媒体
液を使用する場合には弊社までお問い合わせ下さい。)
常温∼− 20℃ ------- エチレングリコール系ブライン※ 1
− 20℃∼− 80℃ ------ メタノール※ 2、エタノール※ 3、フッ
素系媒体液(フロリナート等※ 4)
※1
エチレングリコール系ブライン
-20℃程度までであれば扱いやすい液体ですが、-20℃以下では冷
却コイル周囲のみが冷却され、ブライン自体が凝固しますので連
続的な運転には多少の問題があります。
※2
メタノール
メタノールは引火性があり劇物の指定を受けています。使用す
る場合は下記の注意事項を必ず守ってください。
1・取扱作業場所には、局所排気装置または全体換気装置を
設けてください。
2・容器から出し入れするときは、こぼれないようにしてく
ださい。もしこぼれた場合には、砂などを散布した後処理
してください。
3・取扱中は出来るだけ皮膚に触れないようにし、必要に応
じて有機ガス用防毒マスクまたはホースマスク、保護手袋
等を着用してください。
4・取扱後は手洗い及びうがいを充分におこなってください。
5・作業服に付着した場合は、その汚れを良く落としてくだ
さい。
6・あやまって飲み込まない様にしてください。メタノール
は劇物です。取扱には充分ご注意ください。
7・引火、発火の恐れがありますので、いかなる火気も近づ
けないでください。
8・使用後は一定の場所(冷暗所)に密栓保管するようにし
てください。
※3
エタノール
エタノールは劇物の指定はありませんが引火性がありますので
危険物に該当します。いかなる火気も近づけないように取り扱い
には充分ご注意下さい。
また、使用中は換気を充分おこない、使用後は一定の場所(冷
暗所)に密栓保管してください。
エタノールは引火性があります。いかなる
火気も近づけないように取り扱いには充分
ご注意下さい。
※4
フロリナート
運転中に空気中の水分や、空気中に露出した冷却コイルの一部
に付着した霜等が混入した場合、フロリナート自体と混ざらない
ために冷却コイル周囲のみに水分が集まり、氷結することがあり
ます。冷却コイルが氷結すると本来の冷却能力を発揮できません
ので十分な水分除去管理が必要です。
水分管理等がクリアできれば大変良い媒体液といえますが、と
ても高価です。
-8-
準備
1・本機背面のメタルコンセントに温度センサーを接続します。
温度センサーはメタルコンセントで接続するように出来ていま
す。メタルコンセントを差し込み後、リングネジを締め込んで固
定します。
リングねじ
センサーへ
2・被冷却槽に冷却コイル及び温度
センサーをセットします。媒体
液の液レベルは右図の通りとし
て下さい。液が少ない状態(冷
却コイルが空気中に露出した状
態)で運転をしますと、露出部
分が氷結して本来の冷却能力を
発揮しませんのでご注意下さ
い。また、被冷却槽は撹拌機な
どを併用して常に撹拌するよう
にして下さい。槽内が撹拌され
ない状態で運転をしますと、冷
却コイル周囲の媒体液だけが冷
却され、本来の冷却能力が発揮
されません。
最高水位
最低水位
撹拌機のプロペラ等で冷却コイルに傷を付
けないように十分ご注意下さい。ガス漏れ
の原因となります。
3・電源ブレーカーが OFF になっていることを確認の上、電源コード
を本機の定格電源に耐え得る電源に接続します。
本機の定格電源は AC100V50/60Hz、定格電流は 12A です。本器
の定格電流以上の余裕のある電源に接続して下さい。(20A 以上の
容量を持つ電源に接続して下さい。)
余裕のない電源への接続は本器の電源コード
や内部の配線の発熱発火の原因となり、火災
の危険がありますので十分ご注意下さい。
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操作方法
操作パネル図
電源表示灯
電源スイッチ
温度調節器
1・冷却コイル、温度センサーの水位が適正であることを確認の上、電
源スイッチを ONにします。
電源表示灯が点灯すると
ともに温度調節器に通電さ
れ、測定値(以下、PV)表示
部に現在の被冷却槽温度、
設定値(以下、SV)表示部に
現在の設定温度が表示され
ます。
2・温度調節器に SV を設定ま
たは確認をします。
1/SET キーを押します。SV
表示部の最小桁が明るく
点灯します。他の桁は暗い点滅表示になります。
(SVを変更しな
い場合には、再び SET キーを押します。)
2/シフトキーを押して変更したい桁に移動し、アップキーまたはダ
ウンキーを押して 数値を変更します。
3/ 再び SET キーを押します。PV 表示部に「PV」が、SV 表示部に先
程セットした「SV」が表示され、設定作業を終了します。
*この時、PV値より SV値を低く設定すると 温度調節器の
OUT1の出力表示灯が点灯します。
温度調節器の出力表示灯は低温側冷凍機への冷却信号出力時に点
灯、低温側冷凍機への冷却信号非出力時に消灯します。
(下記の表を
参照して下さい)
出力表示ランプ 低温側冷凍機の動作
被冷却槽の液温>目的の温度
点灯
運転
被冷却槽の液温<目的の温度
消灯
停止
冷却信号が出力されると高温側冷凍機が起動してカスケードコン
デンサー※1が冷却されます。
カスケードコンデンサーが-10℃以下に冷却されるとカスケード
サーモが作動して遅延タイマーのカウントが開始されます。
※1
.......................................
低温側冷凍機の冷媒(HFC-23)を液化 / 凝縮するための熱交
換器です。詳しくは P12 の「冷凍機について」を参照して下
さい。
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遅延タイマーが約90秒をカウントし、温度調節器からの冷却信号
が出力していれば低温側冷凍機が起動して媒体液の冷却が始まりま
す。
(冷凍機の動作についてはP12の冷凍機についてを参照してく
ださい。
)
3・この後、媒体液の温度が温度調節器に設定した温度に到達すると、
温度調節器の冷却信号により低温側冷凍機がON/OFFを繰り返し、
媒体液は恒温保持されます。
4・ご使用後は・・・
使用後は必ず電源スイッチをOFFにして冷凍機が停止した事を確
認し、電源コードを電源から外すか、供給電源を完全に遮断します。
被冷却槽の媒体液温度が+10℃以上になってから、冷却コイルを
被冷却槽から出して、
ウエス等で媒体液を拭きとります。
-11-
冷凍機について
本器は媒体液の冷却に二元冷凍方式を採用しています。
二元冷凍方式とは高温側冷凍機、低温側冷凍機により構成されています。高温
側冷凍機で低温側冷凍機の凝縮器(カスケードコンデンサー)を冷却することに
より、
冷却コイルを低温にするシステムです。
二元冷凍サイクル図
低温側冷凍機
低温側
圧縮機
オイル
セパレーター
高温側冷凍機
ストレーナー
高温側
圧縮機
カスケード
コンデンサー
ドライヤー
ストレーナー
低温側
凝縮器
撹拌機
フレキシブル
チューブ
高温側
蒸発器
カスケード
サーモ
高温側凝縮器
(コンデンサー)
ファン
AIR
AIR
キャピラリー
被冷却槽
キャピラリー
ドライヤー
低温側蒸発器
(冷却コイル)
◆冷凍機の動作について
1・電源スイッチをONにすると高温側冷凍機が起動します。
2・高温側冷凍機はカスケードコンデンサーを冷却します。カスケード
コンデンサーが約-10℃に到達すると、遅延タイマーに通電されま
す。
3・遅延タイマーが約90秒のカウントを終了すると低温側冷凍機が起
動します。遅延タイマーは高温側冷凍機と低温側冷凍機の同時起
動を避けるために時間差を与える役割をします。
※冷凍機は起動時に冷凍機の定格電流の約 5 ∼ 7 倍の電流が流
れます。
(起動電流と呼ばれます。
)高温側冷凍機と低温側冷
凍機が同時に起動することによる過大な起動電流を避けるた
めに遅延タイマーが装備されています。低温側冷凍機が起動
することで媒体液の冷却が始まります。
4・温度調節器に設定した設定温度が被冷却槽の媒体液の温度よりも
低い場合、温度調節器から冷却信号が出力(温度調節器の出力ラ
ンプが点灯します)されます。冷却信号が出力されることにより
低温側冷凍機が起動して、媒体液の冷却が始まります。
5・媒体液の温度が温度調節器に設定した温度に到達すると、温度調節
器からの冷却信号が停止(出力表示ランプが消灯します)して低温
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側の冷凍機が停止します。
※高温側の冷凍機は運転を継続しています。
6・低温側冷凍機が停止後、媒体液の温度が上昇し再び温度調節器から
の冷却信号が出力されると、
低温側冷凍機が起動して媒体液が冷却
されます。
7・この後、温度調節器の ON/OFF 信号により 5・と 6・を繰り返し、媒
体液は恒温保持されます。
◆凝縮器(コンデンサー)について
本機の高温側冷凍機は空冷式冷凍機となっています。
空冷式冷凍機は本来の冷却能力を発揮するために、
周囲の空気を
自身の空冷式凝縮器(コンデンサー)に吸気し、排風、排熱し冷媒
を液化する事で、
バランスのとれた運転をしています。
このバランスが崩れると(コンデンサーの目詰まり、排気風の
ショートサイクル等)、冷却能力の低下や冷凍機の寿命が短くなる
等の恐れがあります。
定期的に設置環境を確認するとともにコンデンサーの点検をし
て、必要があれば環境の改善、コンデンサーの掃除を行ってくだ
さい。
◆凝縮器(コンデンサー)の掃除方法
作業の際は必ず電源コードを外します。感
電事故など、思わぬ怪我などを招く危険が
ありますので、十分ご注意ください!
1・電源コードを元電源からはずした上で、本器前面の通風グリル
をはずします。
(ビス 4 本で固定されています。)ラジエター状
のアルミ製のフィンがコンデンサーです。
2・フィンの目に沿って、掃除機やブラシを使ってゴミ、埃などを
取り除きます。フィンはたいへん鋭利で危険です。手袋などを
使用して、絶対に素手で触らないでください。
3・グリルを元どうり取り付けて、作業を終了します。
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安全装置
本器は安全装置としてサーキットプロテクターを装備しています。
本器の電装部品に定格電流を越える過電流が一定時間以上流れるような事態が
発生した場合、
それぞれのサーキットプロテクターが作動して電源を遮断しま
す。
サーキットプロテクターが作動した場合には電装部品の交換が必要な場合があ
りますので、
弊社までご連絡をお願いいたします。
1A
1A
11AA
異常時に電流値(この場合には
1A)と示されている部分が突起
します
温度センサー接続用メタルコンセント
制御部用サーキットプロテクター
低温側冷凍機用サーキットプロテクター
高温側冷凍機用サーキットプロテクター
電源コード出口
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日常のメンテナンス
定期的に点検及びメンテナンスを行うことにより、
機器の寿命は驚くほど延び
るものです。また、設置環境、使用環境を再確認することで、お客様自身の安全
が確保されます。
括弧内に点検時期を示しましたが、
お客様の使用頻度に応じて点検時期の間隔
を御決定ください。
作業の際は必ず電源コードを外します。感
電事故など、思わぬ怪我などを招く危険が
ありますので、十分ご注意ください!
1・高温側冷凍機コンデンサーの点検(2ヵ月に 1 回)
点検→ゴミ、埃などは詰まっていませんか?
処置→ P13 の方法で掃除をしてください。
コンデンサーの目詰まりは冷却能力の低下
だけに留まらず、冷凍機自体の故障を招く
恐れがありますので十分ご注意ください!
2・電源部の点検(毎使用前)
点検→緩みやガタツキ、ホコリはありませんか?
処置→御社電気担当の方に電源部の点検を依頼してください。
電源部の緩み、ガタツキ、ホコリは発熱、
発火の危険があります。常に点検するよう
にしてください!
3・外装、操作パネルの点検(2ヵ月に一度)
点検→汚れは目立ちませんか?
処置→台所用の中性洗剤を薄め、雑巾に含ませたもので汚れを拭
きとります。
シンナー、ベンジンは外装、操作パネル表
面を溶かしてしまうため、絶対に使用しな
いで下さい!
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簡単なトラブルシューティング
冷凍機が動かない、冷却が遅い・・・こんな場合には下記の内容を点検して下
さい。
下記内容に該当しない場合、お客様による
修理、改造は絶対に避け、弊社までご連絡
をお願いいたします!
電気系
電源が入らない
1・電源コードは電源部に接続されていますか?
2・本器に適正な AC100V が供給されていますか?
3・サーキットプロテクターは作動していません
か?
→サーキットプロテクターが作動した場合に
は電装部品の修理が必要な場合があります
ので、弊社までご連絡をお願いいたします。
冷却系
冷えが悪い
1・室温が +35℃を越えていませんか?
→室温が +35℃を越えると冷凍機の圧力が上昇
して本来の冷却能力が発揮できません。ま
た、冷凍機故障の原因となりますので充分
ご注意ください。
2・コンデンサーにゴミ等が付着していませんか?
→前述のコンデンサーの掃除方法にしたがっ
てコンデンサーの掃除をします。
3・被冷却槽の媒体液は常に撹拌されていますか?
4・冷却コイルは適正なレベルまで媒体液に没され
ていますか?
5・本機背面から排風が出ていますか?
→排風が出ていない場合には直ちに運転を中
断し弊社までご連絡をお願いいたします。
冷えない
1・冷凍機(高温側、低温側ともに)は動作してい
ますか?
→電流値を測定することが出来れば正確に状
況を把握することが出来ます。1 台あたりの
運転電流は 5 ∼ 6A ですので 2 台が起動して
いれば、約 12A 程度の運転電流が流れます。
電気系の各々の項目を点検し、正常な場合には他の原因が考えられますがお
客様ご自身での上表以外の点検は出来ません。弊社までご連絡をお願いいたし
ます。
また、冷却系の各々の項目を点検し、正常な場合にはガス(冷媒)が漏れて
いる可能性がありますので、運転を直ちに中断して弊社までご連絡をお願いい
たします。そのままの状態での運転は冷凍機配管内に媒体液や空気を吸い込む
など、冷凍機にとってに致命的な損傷を与える原因となることがありますので
充分にご注意ください。
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