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「情報化ず人間劎働」
野田, 哲倫
䞀橋研究, 14(4): 107-130
1990-01-31
Departmental Bulletin Paper
Text Version publisher
URL
http://hdl.handle.net/10086/5995
Right
Hitotsubashi University Repository
107
r情報化ず人間劎働』
『情報化ず人問劎働』
野 田 哲 倫
コンピュヌタテクノロゞヌの発達にみられるような情報制埡系劎働手段の発
達はコンピュヌタ・ハヌドの発達であったず同時にオペレヌティング・シ
ステムO Sやデヌタベヌス管理システムD BMSネットワヌク制埡
゜フトD CMSなどに代衚されるこれらの゜フトり゚アをコンピュヌタ・
ハヌドから切り離し普及しおいく過皋でもあった。圓初゜フトりェアに䜿
甚される開発蚀語は研究開発分野に限られたものであったがI BMによる
コンピュヌタビゞネスの支配暩確立以来䞀般のナヌザヌにも普及しハヌド
りェアの茌から解き攟たれた無数のアプリケヌション゜フトが開発され同時
にそれ自身が䟡倀䟡栌をも぀独自の商品ずしお自立するこずになったので
ある。
この゜フトりェアの発達はコンピュヌタ・ハヌド機胜の汎甚性・匟力性を
高めるものでありここからサンク・コストの消倱によるコンテスダブル・マヌ
ケット競争的な資本䞻矩瀟䌚の出珟を説く䞻匵もあるがたずもっおこ
れらの゜フトりェア商品の性栌から捉えるこずから始めなければならない。コ
ンピュヌタの゜フトりェアを兞型ずする情報制埡系劎働手段の発達は蚀語胜
力を含む人問の粟神的諞力を物的圢態に䜓系化する可胜性がある。コンピュヌ
タが電気信号のかたちをずった蚘号系列を介しお組織化・システム化を行な
い人間の蚀語機胜を圢匏蚀語を介しお物質化するのである。
䞀方統蚈力孊の発達は情報工孊に応甚され情報抂念を䞍確実性の床合で
蚀十り゚ントロピヌ圢匏で眮き換える抜象的な情報理論を成立させた。そこで
情報量が笊号系に盞互に眮き換え可胜な尺床ずなりさきの情報凊理系劎働手
段の発達に倧きな動機ず理論的基瀎を䞎えたのであ孔ここに情報を「物
質・゚ネルギヌに次ぐ第䞉の芁玠ずしお」生成されr加工・䌝達・蓄積・利甚」
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䞀橋研究 第14巻第4号
される察象産業構造審議䌚情報産業郚答申ずみなしそしお商品ずしお
察象物ずしお扱える理論的根拠があるず考えられる。
そこで本皿では高床に発達した情報凊理系劎働手段特にコンピュヌタ・
゜フトりェアを人間の蚀語コミュニケヌション過皋における蚀語胜力を情報
ずしお把握しこれを圢匏蚀語に眮き換えさらには電子回路の結線網に盎結
させるものであるず考え゜フトりェアの流通に代衚されるような情報の商
晶化ず入間劎働の関わりの理論化を詊みる。
第1節財ずしおの情報
1情報の経枈理論
近代経枈孊においおr情報」を経枈財ずしお取り扱った先駆的な理論に野
口悠玀雄氏のr情報の経枈理論」がある。「情報は経枈財ずしおどのような特
性をもっおいるか。情報が䞍完党な堎合の意志決定はいかになされるか。情報
や知識を商品ずしおみるずきその取匕はどのように行なわれるのか。瀟䌚的
1
にみお最適な情報の生産や拡散はいかにしお実珟されるか」これらが氏のテヌ
マである。
2 3 4
たず氏はSha㎜onやWinnΞrの䞍確実性を枛ずるずいう情報抂念に觊れた
のちにそれを量的に芏定した゚ントロピヌ圢匏の限界を以䞋のように指摘す
る。
①゚ントロピヌは䞍確実性を枛らす情報に぀いおのみ劥圓しそれ以倖の情
報は無意味である。
②䞍確実性を枛らす情報もそれが耇雑になれば゚ントロピヌのも぀意味は
明らかにならない。
5
③同䞀内容の情報もその情報量は受ける人事前の知識によっお異なる。
䟋えばr明日のボストンの倩気は晎れだ。」ずいう情報量はボストンに䜏
む人ず東京に䜏む人にずっおは異なりさらに蚀えば東京に䜏む人には䜕ら
䞍確実性を枛らすものではない。これぱントロピヌずいう圢匏がそもそも
人問の芖座を前提ずしたものであっおその䞻芳的な正確から圓然の垰結であ
るこの点に぀いおは次節で述べる。この点で野口氏の指摘は正圓であり
゚ントロピヌ圢匏をそのたた経枈孊的な䟡倀の問題に結び぀けるこずはできな
いであろう。
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それでは経枈孊的な考察の察象ずなる情報ずはどのようなものであろうか。
氏はたずそれは「䟡倀のあるもの」であっおなおか぀資源たたは特別の劎
働力の投入が必芁ずされるものだずする。そしおその投入は個人的なものだ
けでなく瀟䌚的なものも含んでいる。その結果経枈孊的考察の察象ずなる
情報はr盎接あるいは間接に個人の効甚に圱響を䞎えか぀その利甚のだ
o
めになんらかの資源たたは劎働力の投入が必芁ずされるような情報」ず定矩さ
れる。
たずr䟡倀のあるもの」に぀いおであるがこれが工孊的な情報量の量的
偎面に察しお情報の需芁䟡栌であるずする。そしお「情報量の抂念芏定が本
質的哲孊的な問題を含んセいるのに察し情報の䟡倀の問題は比范的プラク
ティカルに扱いうる。これはマルクス経枈孊ずは異なりそもそも近代経枈
7
孊が䟡倀の本質論に拘泥しないこずによる」ずしお
①生産関数 YFKαL α1
Y1産出高K1資本L劎働α1新技術の䟡倀を衚珟するもの
②効甚関数 UUX1X2X3  
単䜍を統䞀し枬定した消費量1Xガ ・・
8
⑧䞍確実性䞋の意志決定における情報が期埅効甚を高める床合い。によっお
「情報の䟡倀」を定矩する。
すなわち情報の䟡倀の決定を生産関数効甚関数の垂堎の調敎機胜にゆだ
ねるのである。もちろん氏はこれを「情報の需芁䟡栌」であり「実際の情
9
報はこれず䟛絊サむドの条件ずのからみあいで決定される」ずする。しかし
䟛絊サむドこそ生産関数にかかわるものであり情報ずいう財の特殊性から
その゚ントロピヌ圢匏の䞻芳的性確はこれに人間劎働が加わるこずによっお
克服されるず考えられ乱この点は埌に觊れるが野口氏が「䟛絊サむドの条
件」ずしお指摘する経枈財ずしおの情報の特殊性れロの瀟䌚的限界費甚の問
題に぀いお怜蚎しよう。
21情報ず公共財
「情報は公共財である」ずア・プリオリに䞻匵するこずが䞍可胜であるこず
は明らかである。そこで野口氏は「公共財ずは䜕か」を以䞋のように定矩する。
①SMCSocia1margina1costがれロである。぀たり利甚者五人増加さ
11O
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せるために瀟䌚党䜓ずしお必芁な限界費甚がれロであ乱
②排陀䞍可胜non−exc1udableである。「これは料金を支払わない人を財
1o
やサヌビスの消費から排陀するこずができないこず」あるいはr財たた
はサヌビスの生産者が䜿甚者を物理的に排陀したり生産物を䜿甚者問に
H
割り圓おるこずが䞍可胜なこず」である。
野口氏によればある財がこれら①②の性質をクリアヌするならばそれ
は必然的に公共財ずなる必芁はないが瀟䌚的効率の芳点からこれを公共財ず
し無料で䟛絊するこずが望たしいこずになる。
さ・お氏によるず情報はたず①の性栌はクリアヌする。r情報の本質的な
性質は耇補が可胜でありか぀耇補によっお元のものが砎壊されないずいう点
にある。したがっおいったん埗られた情報はその䌝達ず耇補に芁する費甚
を陀けば瀟䌚党䜓ずしおはれロの費甚で無限に利甚者を増加させるこずがで
工2〕
きる。」からである。しかしながら耇補可胜であれば公共財であるずするな
らばテヌプによるコピヌも公共財になっおしたう。そしおこれは䟛絊を無
限に増加させるものであっお材ずしおの情報の䟡栌の決定を䞍可胜にしおし
たう。それでは情報の䟛絊を制限し先の垂堎における需芁䟡栌ずの盞察で
その材ずしおの䟡栌決定をする根拠は䜕であろうか。
そこで②があげられる。これは個々の具䜓的な堎合に応じお倚様である。䟋
えばr簡単な道具の発明」のように補品が販売されればだれでもその内容を知
るこずができるものは機密性はないが秘匿に぀いおの確認は可胜であ乱䞀
方「コカ・コヌラの原液の補法」のように機密性があったずしおも情報に぀
いお情報の生産者が䜿甚者を物理的に排陀したり情報を䜿甚者問に割り圓お
る方法をコントロヌルしたりするこずが可胜か吊かはその情報が蚱可なく䜿
甚された堎合その事実をれロの費甚で探知できるか吊か確認可胜な情報か
確認䞍可胜な情報かに䟝存する。
この①②もずに結論づける情報の売買可胜性すなわち材ずしおの成立可
胜性は以䞋のずおりである。
は〕秘匿可胜な情報に぀いおは排陀可胜性を盎ちに吊定するこずはできない。
したがっお情報ずいう経枈財に぀いおは玔粋な公共財のも぀性質のうち
排陀䞍可胜性が欠劂する可胜性がある。
12〕情報そのものの性質ずしお排陀䞍可胜であっおも特蚱暩や著䜜暩など特
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別な法的保護によっお制床的に排陀可胜性が成立する堎合がありうる。こ
13
のこずは情報が必ずしも公共財にならないこずを瀺しおいる。
芁するにコピヌされたずしおもその事実が確認可胜で法的措眮によっ
おその行為を防ぐこずが可胜であれば情報は公共財ではなく私的な材ずしお
䟛絊可胜であり䟡栌を぀けるこずができるずいうのであ孔
情報をア・プリオリに公共的なものず芋なすような䞀郚マルクス経枈孊者の
14
芋解は確かに受け入れ難く野口氏が䞻匵するように情報は材ずしお成立し
その成立を耇補可胜性および耇補された堎合の確認可胜性に求めるのは珟
代の情報通信技術の発達による情報のr物質化」さらにはr商晶化」ずいった
珟象をずらえるものであろう。䟋えば゜フトりェアに限っおみおも「゜フトを
15
ただでコピヌするのは明らかに著䜜暩法違反であり盗みずおなじである。」
このような排陀や秘匿ずいう行為に察する劚害は法的・技術的措眮の改善
によっお察応可胜なものであろう。
このように䟛絊サむドの条件が敎い情報が私的な材ずしお成立するならば
情報の垂堎䟡栌の決定は可胜であろう。しかしながらこれはいったん生産さ
れr物質化」した情報が商品ずなり䟡栌が衚瀺される可胜性であり最初の
情報が生産される過皋の分析はない。これはたさにr情報の䟡倀」の本質論に
拘泥するこずであり排陀可胜性や秘匿可胜性が成立するこずを前提ずしたう
えで䟡栌をも぀r商品」ずなりうる情報の生産される過皋たで遡る必芁があ
る。
第2節情報ず゚ントロピヌ
1物理孊から経枈孊ぞ
第王節で芋たように情報を材ずしおプラクティカルに考える野口氏は工
孊的な情報゚ントロピヌ抂念による情報量をその䟡倀の分析においお導入す
るこずに吊定的であった。これず同様に今井賢䞀氏も物理孊における゚ン
トロピヌで衚わされた情報そのものに察しおはr情報の圢匏ないし構文シ
16
ンタックスにだけ泚目した情報抂念であるずする。」ずする。䞀方瀟䌚科
孊的な分析抂念ずしおはr情報ずいうものは人々の問でその意味内容や文脈
が䌝わらなければ䟡倀がない。情報の意味内容ず䌝達こそが問題なのであり
たずそれが先にあっお衚珟の圢匏はその意味内容を䌝えるのに適したかたち
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17
を遞べばよいずいうこずになる。」ずする。そしお瀟䌚科孊においおはr技
術情報を新たに䜜り出すこずそれを瀟䌚のなかに導入するこずにリスクを莈
る䌁業者の存圚そういった産業瀟䌚における肝心な芁因をはっきりず取り入
れるためには技術や人間の進化を含む枠組みをずらざるをえないのである。
そしおこれらの“ものの芋方”の転換の内容を぀き぀めおいくずそれは基
本的な点で情報ずいうものを䞭心においた“ものの芋方”であるこずがはっき
18
りずしおくるのである。」ずしお䌁業においお情報が生産される組織のあり
方に泚目するのである。
そこで情報が生産されるネットワヌク組織のあり方であるが情報ずネッ
トワヌクを結ぶために情報を①情報A圢匏的情報負の゚ントロピヌ抂
念②情報B意味関連情報に分類した䞊で経枈掻動においお意味ある
情報は基本的に「垂堎」においお求められるずしながらもr垂堎を通じおは
生産ないし流通しえない1情報ずいうものも数倚く存圚す乱その䞻たるものは
研究開発に基づいお生産される新たなる知識おヰび技術である。」ずし・「需芁
面に぀いおは垂堎機構によっお意味ある情報が探り出されるのに察しお䟛絊
1畠
面においおは意味ある情報は組織によっお䜜り出される堎合が倚い」ずするの
である。需芁面で䜜り出される情報はずもかく䟛絊面においお今井氏は野
口氏よりさらに進んでその生産ず組織ずの関連を芋おいる点は泚目に倀する。
これはたさに科孊が“生産力化”するず同時に科孊的劎働が資本のもずに
“組織的”に包摂されるこずの反映に他ならない。
氏はさらに続けお経枈瀟䌚においおは情報を亀換しあう人々がどのように
぀ながっおいるかを瀺す組織ないしネットワヌクの圢状の分析が䞍可欠である。
そしお先の①情報A②情報Bに察応させお①’ネットワヌクA定圢
型ネットワヌク②’ネットワヌクB創発型ネットワヌクを提瀺する。
そこでネットワヌクAは情報Aず結び付くこずによっお機械化を急速に進め
新たな情報通信のむンフラストラクチャヌを圢成するずずもに生産・流通・
金融などあらゆる面で産業基盀を䜜り替えおいるずする。そしおハヌドの面
で技術が定圢化・汎甚化するこずによっお倚皮の産業においお産業基盀が
20
新たに䜜り替えられおいくこずに぀ながる。
䞀方ネットワヌクBはそれたで無関係であった産業・䌁業あるいは領域
を新たに連結し異質なものを結び付けるこずによっお閉じたシステムを開
『情報化ず人問劎働』
13
いたシステムにするこずに積極的に貢献するずされる。そしおネットワヌク
Aでは仕事が暙準化され集暩的であるのに察しおネットワヌクBでは小芏暡
システムが連結される分暩型であり①環境倉化に敏感②適応の倚様性・異
質性③倉化ぞの脆匱性が小さい等の利点があるずする。このネットワヌ
クBで果たす情報B意味関連情報ずいうものをさらに吟味しおみる。
2意味ず情報
今井氏による①情報A②情報Bの分類はフランスの理論経枈孊者ア
タリJAt䞃a1iの“La Paroナe et䞀・1’oti1”邊題r情報ず゚ネルギヌの人問科
孊』における分類に準じおいるように思われる。
アタリは同著においお珟代瀟䌚は人間の盞互的コミュニケヌションがラ
ングコヌド制床技術ずいった制床化された「道具」によっお眮き換えら
れ抑圧されたr劇堎瀟䌚」であるずする。そしおrこんにち道具の䞖界化が
゚ネルギヌず情報を枛衰させおいるので突然新しい未来があらわれおくるこ
ずになる。珟圚のたたの道をたどるかぎり人はもはやゆたかさを期埅するこ
ずができない。だがもし道具が蚀葉の解攟者になるならば根底的に新し
21∌
い意味でのゆたかさの道はたしかにみいだされるのだ。」ずする。そこで「新
しい生呜諞科孊情報理論の成果を総合した新しい経枈孊説」を提起するのだ
がこの孊説自䜓の怜蚎は別の機䌚に譲りアタリによっお敎理された「情報
理論」を怜蚎する。
たずアタリは「情報は珟実的なものを理解するための理論的迂回路でしか
ない。それにぱネルギヌ抂念を情報抂念に結び぀けるこずによっおのみ意味
を持぀きわめお重芁な理論的迂回路である。ごく単玔にいえば情報ずはどん
22
な物質や゚ネルギヌにも怜出される圢態たたは秩序のこずである。」ずしお
情報のさたざたな領域生物孊熱力孊情報科孊サむバネティックス人
23
類孊経枈孊における意味をみる。このように分類したうえでこれらの皮
類の異なった情報盞互の問に共通する䞍倉なものを芋いだそうずする。そしお
情報抂念を䞀般に䜿甚できるのは類比癜勺な意味においおだけであるずしながら
も芳察者がr眺める」ものの本性に応じお情報抂念を二぀の氎準に区別す
るこずができるずする。「このばあい情報は意味䜜甚をもたない偎面ず意味
l14
䞀橋研究 第14巻第4号
䜜甚をも぀偎面ずに区別される。ずいうのは䞀芋ずんな逆説的に芋えようず
も情報はなによりもたず意味䜜甚をもたないものだからである。すなわち情
報が䞖界に぀いお芳察者に提䟛する最初の認識ずは情報それ自䜓の存圚だ
24
ずいう意味においおそうなのである。」
そこで以䞋アタリの情報抂念の分類をたずめるず
①意味䜜甚をもたない情報たたはメッセヌゞ物質界や゚ネルギヌ界ず
単玔な関係にある唯䞀のものすなわち情報の負の゚ントロピヌ
H皿2Pi1og Pi
これは前出のシャノンによっお確立された情報の工孊的圢匏であるがアタ
リは「シャノンがいう意味でのメッセヌゞの情報量ずはメッセヌゞそのものの
25
属性なのではなくコヌドの属性なのである。」ずしお経枈孊においおはメッ
セヌゞがそのなかに挿入される瀟䌚的関連ず意味関連に䟝存しおいるためシャ
ノン的アプロヌチず手を切るこずを䞻匵する。
②意味䜜甚をも぀情報メッセヌゞをこえお拡倧する情報
意味䜜甚をも぀情報はそれぞれの氎準における「階局可胜性」をも぀。こ
の階局は11〕サむバネティックス情報シグナル12臆味連関情報蚀説13〕
26
蚘号孊的情報シンボル4〕制玄なき情報たたは盞互亀通 共生ず列
挙しはト12〕→13〕→4〕の順に「階局可胜性」が小さくなるずする。そしお11〕12〕13
のr階局」の比范的倧きい情報はr倖展開型」でありそこでは「道具の䞖界
化」が゚ネルギヌず情報を枛衰させ人問のコミュニケヌションを抑圧しおい
るずする。䞀方これをr道具」が「蚀説」の解攟者ずなる4〕のようなr内展
開型」のr盞互亀通瀟䌚」ぞの倉革を䞻匵する。これはコヌド化された蚀説や
シンボルの亀換を揚棄するこずでr盞互亀通が増倧しうるのはより抜象的
でコヌド化可胜なコミュニケヌションしたがっおシンボルず蚘号の媒介によっ
お物や秩序を歪曲するコミュニケヌションにかわっお人間間や集団間の盎接
27
的亀換に優先暩が䞎えられる。」
アタリが科孊も蚀葉も蚘号も介さないr盞互亀通瀟䌚」で芋るr情報」の意
味が䞍明であるがアタリがこういった瀟䌚ぞの転換を説くのに察しお情報
抂念自䜓の発達はアタリの䞻匵ずたったく逆の過皋をたどっおきたのであり
これは情報抂念から意味連関や瀟䌚的関連を剥脱するのではないず思われる。
これを次で怜蚎しおみる。
r情報化ず人間劎働」
115
3日情報ず゚ントロピヌ
アタリず今井氏の情報抂念の分類を比べおみるならば工孊的圢匏的な情報
ず瀟䌚のさたざたな氎準のなかで䜿われおいる情報を①意味のない情報
②意味のある情報ず区別しおいるこずは共通しおいる。ただアタリの堎合
「眺める」芳察者を区別の基準ずしおいるこずは圌の情報抂念の䞀定の正し
さを反映しおいる。そこでアタリは工孊的圢匏的な情報負の゚ントロピヌ
を芳察者にずっおr意味䜜甚をもたない」情報ずした。これが最初の぀た
ずきであり今井氏もこの誀りを受け継いおいるず思われる。
そもそも゚ントロピヌずいう抂念自䜓は客芳的な物理䞖界をそのたた蚘述
したものではない。そこでアタリが「眺める」芳察者を持ち出したのはたった
く正圓であるが圌がr意味䜜甚をもたない」ずしおしたった情報゚ントロピヌ
H2Piナ。g Piにおいおも人間ずいう芖座が基軞ずなっおいる。すなわち
情報量をH䞀ΣPi1ogPiで定矩した堎合これは通報を受ける前ず受けた埌
28
のIの倉化量で数量的に衚珟できるこれは統蚈孊゚ントロピヌず圢匏的同圢性
をも぀ものであるがこの堎合情報を埗るずいうこずはr無秩序さ」をrç§©
29
序」に倉えるこずになる。これぱントロピヌずいう圢匏だけを取り出した堎
合に生じるような問題に感じられるが熱力孊運動を分子論的に解釈しようず
する時にすべおの分子の運動を力孊的に蚀己述するこずは䞍可胜であるために
熱の䞍可逆な運動を移行前ず移行埌の状態で確率論的に解釈しようずするの
である。この時熱運動は珟実に存圚しおいる過皋であるが気䜓分子の実珟
確率が䞍可逆倉化のなかで高い状態ぞ移行する無秩序さの増倧した状態ぞ移
行するずいうのは人問ずいう芖座からみおの話であっお珟実の熱運動を客
芳的に蚘述したものでもなく気䜓分子自䜓の実珟確率が自己にたいしお倉化し
たものでもない。぀たり気䜓分子は自分自身の状態に぀いお自己蚀及できな
30
いのである。
それ故゚ントロピヌずいう圢匏は客芳的な物理䞖界を人問ずいう生物的・
文化的因子からながめた際それを蚘述するための䞻芳的なモデルにすぎず
実圚の䞀定の偎面ずいう限界をもっおいる。そこでr情報゚ントロピヌ」にも
どっお考えるならば人問が情報を獲埗し゚ントロピヌを枛少させるずいう
こずは客芳的物理䞖界の運動の偎面を反映しおいるずしおもこれは人間か
ら芋た䞍確実性が枛少するだけの話である。ゆえに゚ントロピヌの枛少がそ
116 䞀橋研究 第14巻第4号
3i
のたた逆に珟実の運動過皋に反映するものではない。
しかしながら䞀方で情報を埗るずいうこずぱントロピヌが枛少するずい
うこずず同時に情報を埗おいる人問にずっお“知識のあいたいさ”すなわち
䞍確実性が枛少するこずでもある。この点で゚ントロピヌずは䞻芳的なもので
あっお䞍確実性の枛じない情報すなわち意味䜜甚をもたない情報は工孊
的情報の䞭にも含たれないであろう。そしおさらに情報゚ントロピヌは客芳的
物理䞖界を人間ずいう芖座から眺めた際それを蚘述するためのモデル道具
にすぎないずしおもそれは「人問の知識」の䞀定の偎面を蚘述する可胜性を
もっおいるず蚀えよう。この点でアタリや今井氏のように情報に意味をもた
せるために工孊的な圢匏をもった情報ず別の圢匏を持った情報を定矩するこず
は䞀定の意矩はもっおいおもそれによっお工孊的な゚ントロピヌ抂念を吊
定するあるいは克服するこずにはっながらない。むしろ情報が「財」ず
しお自立化しおいく珟象を論じるためには人間の知織的実践を゚ントロピヌ
圢匏で衚珟しおいくこずの有効性を探っおみるべきであろう。
第3節 劎働手段䜓系の発達ず情報の物質化
1。劎働手段䜓系ず情報
前章でr䞻芳的゚ントロピヌ」に぀いお述べたずきに情報を゚ントロピヌ
の圢匏で衚珟した際に゚ントロピヌは䞻芳的なものであっお人間の知識が
前提になっおいるずした。すなわち情報は客芳的な物理䞖界を人問ずいう芖
座から芋たその反映を数量化したものでありテの限界も明らかになった。
人間の知識は客芳的䞖界の情報の獲埗→実践ずいう過皋によっお客芳的䞖界
ぞの認識を深め乱だがこれも「人問䞀自然」間における超歎史的関係であ
りこれをそのたた人間劎働科孊的劎働にあおはめお考えるこずはできない。
ずころが䞀方珟代のオヌトメヌションの段階特に近幎の集積回路のLSI
VLSIやマむコンの登堎などによるME革呜たた通信技術の発達ずも合わさっ
た情報通信技術の革呜は情報制埡による劎働手段を登堎させた。そしおこ
のこずによっお技胜・知識・技術的知識などの人間の䞻䜓的モメントさら
には倖郚環境たでもがこの制埡系劎働手段に物質化䜓系化される基瀎が生じ
おきた。
北村掋基氏は劎働手段ずいう抂念は「道具機械などの物的䜓系を劎働
『情報化ず人間劎働』 117
ペ2
過皋ずいう堎におき䞻䜓である人問劎働のための手段である」ずする。こ
こにおいお䞻䜓たる人間の実践は前提されそうした䞊で劎働手段それ自
䜓のなかに倖的芏制を受けながらも劎働手段固有の論理に埓い぀぀発展す
33
るずいえるような内的な法則があるずしおr動力ず制埡の矛盟」r制埡の支配」
を基軞に劎働手段の発展段階区分を行なう。北村氏によればr劎働手段によ
る内的発達を芏定する根本矛盟は劎働手段における動力ず制埡の矛盟であり
劎働手段の発達は劎働手段に内圚する動力ず制埡を分化させながらそれら
34
の機胜を劎働手段の䜓系に移行させおいく」ずされこの劎働手段の発達を劎
働における制埡機胜の劎働手段ぞの吞収の床合いにおいお①道具の段階②
35
機械の段階③オヌトメヌションの段階ず段階区分する。特にオヌトメヌショ
ンの段階はコンピュヌタにあらかじめプログラムを組みこんでおくr倖郚情
報の投入」ず䜜業䞭の情報を分析・評䟡しお機械に必芁な指什を発しその
結果を再評䟡しおさらに調敎するr内郚情報による制埡」に分けられ北村氏
は埌者の段階に至っお「内郚情報にもずづく制埡の自動化をも可胜にした劎
36
働手段である。」ずする。そこでは第䞀次情報の投人を陀けば原理的に人間
による盎接的な制埡を必芁ずしなくなるのである。
䞀方北村氏は情報化に぀いおはr『もの」の属性である情報が『もの』か
ら盞察的に独立し蚘号や数字等の笊号に客芳化されおいるこずを出発点ずし
そのうえで情報凊理手段や通信手段の発達によっお情報の集積・加工・蚈
算・䌝達等がきわめお高床化・容易化しそれによっおrもの」を制埡するこ
37
ずがたすたす可胜ずなっおきたこずが技術的な内寄である。」ずしお「情報技
術は『もの」それ自䜓を制埡するのではなくrもの」から情報を独立させた
うえで情報を凊理するこずによっおrもの」を制埡する技術であるがゆえに
普遍性をもった劎働手段であり盎接的劎働手段ずは異質の圹割をはたすこず
38
ができる技術である。」ずする。ただし情報がいかにr蚘号化」r数倀化」され
ようずもこれは人問が䞀定のモデルを前提に行ったものであり実圚の䞀定
の偎面に他ならないが客芳的な物理䞖界をそのたた反映したものではない。
それ故情報をそのr出発点」から客芳的なものずしお捉えるこずはできない。
北村氏はその䞻匵の埌半郚分においお制埡系劎働手段を普遍性をもった劎働
手段である結論づけおいるがこれに反しおr蚘号化」r数倀化」された情報
゚ントロピヌの䞻芳的性栌は情報制埡系劎働手段にもそのたた反映されるず
1ナ8
䞀橋研究 第14巻第4号
考えるべきでありそれ故埌述するように情報制埡系劎働手段は蚀語機胜
を物質化し人間の思考回路ず同型性をもちうるのである。
さお䞀方で珟代の情報通信技術の発達は人問の知識䜓系たる「情報」を
コンピュヌタの゜フトりェアずいう圢で䜓系化・物質化する可胜性を䞎えた。
そこでこの制埡系劎働手段ず情報ずの関連をコンピュヌタ・゜フトりェア
を兞型的に考えるなかで分析を進めおいく。
2。劎働手段䜓系の゜フトりェア
シリコン・テクノロゞヌの急速な発展はコンピュヌタの䟡栌・性胜の著し
い改善をもたらしたず同時にその広範な普及を珟実のものずした。䞀方こ
のコンピュヌタのディゞタル凊理による応甚の広がり適甚分野が拡倧するの
にずもなっおそれぞれの利甚分野に合わせお①利甚目的による専甚のLSI
プロセッサを䜜るか②汎甚のプロセッサを甚いるかが問題ずなる。①の
堎合はそのマむクロ・プロセッサに特定のプログラムを蚘憶させプロセッ
サ自䜓を利甚目的に応じた特定の配線で仕䞊げるずいうこずで解決される。
②の堎合は目的ずする機胜の論理的な耇雑床が倧きくなるに぀れお甚いられ
その耇雑床をプロセッサから分かれた゜フトりェアに負担させるこずによっお
解消させられるのであ乱それ故LSIプロセッサ自䜓はたずえ汎甚化し
たずしおも゜フトりェアの方は利甚目的に応じおさたざたな圢態をも぀ので
39
ある。そしおどちらの堎合にせよ゜フトりェアがコンピュヌタロボッ
トN C工䜜機械などのハヌドりェアず䞊んで劎働手段ずしお機械の有機的
な構成郚分ずなるず同時に商品ずしお流通し独自の商品垂堎を圢成する。こ
こから今日のME革呜の進展のもずでは「耇雑で倉化の倚い熟緎劎働機
械を制埡する劎働さらには䞀般に人間の脳・神経劎働が぀ぎ぀ぎず客芳的な
劎働過皋ずしお分析・解明され゜フトりェアずいうかたちでの物質的な劎働
40
手段に転化され眮きかえられおいる」ずいう考え方が生たれおくる。特にコン
ピュヌタ技術者である石沢節郎氏は゜フトりェアは「ハヌドりェアず䞀䜓の
ものであり既存のものに積み重ねられ粟密に組み合わされたハヌドりェアの
41∌
延長ずしお機胜するものだ。」ずする。
たず石沢氏は゜フトりェアそれ自䜓に぀いお①情報 瀟䌚的衚珟圢態の
偎面ず②メカニズム 胜動的な物的圢態の偎面の2぀の偎面があるずする。
『情報化ず人間劎働』
119
そしおこれを゜フトりェアの二重構造ず名付け乱
「こうしおプログラムを䞻たる内容ずする゜フトりェアは䞀方ではメカニ
ズムに転化し他方ではデヌタに転化するのでありここにメカニズム物的
42
なしくみず衚珟圢態ずいう゜フトりェアの二重構造が生ずるわけである。」
そしお゜フトりェアのこのメカニズムずデヌタヘの転化は同時にプログ
ラムも①オブゞェクト・プログラム䞻メモリの性質を媒䜓ずした結線網で
あり物的圢態をずるず②゜ヌス・プログラムオブゞェクト・プログラム
を耇補可胜な蚀己号列ずしお倖郚媒䜓に耇補したものぞの分化を生じさせる。
次に゜フトり゚アを劎働手段ずしおどう芋るかであるが石沢氏は11コ
43
ンピュヌタ・ハヌドの郚分ず12取扱説明曞に぀いおの劎働手段芏定をした埌
に13〕゜フトりェアの劎働手段ずしおの性栌芏定を䞊述の①オブゞェクト・
プログラムず②゜ヌス・プログラムの分化に察応させる。たずオブゞェクト・
プログラムは結線網に盞圓する耇雑な電子的通路構造」を圢成しrこの構
造が他のハヌドりェアず組み合わされお制埡装眮ずしおの物的機胜を果たす」
ので「オブゞェクト・プログラムが盎接的劎働手段の芁玠ずしお盎接的生産力
44
の䞀環をなす。」次に゜ヌス・プログラムの堎合は制埡装眮ずしおの動䜜
に盎接関䞎しないが制埡装眮を構成するオブゞェクト・プログラムに自動的
に倉換されるのだから「生きた劎働の媒介なしに加工過皋に関䞎するわけで
45
あり広い意味では盎接自勺劎働手段の芁玠をも぀こずになる」ずする。そしお
ここからr゜フトりェアがきわめお高床な媒介構造をなすものであり普遍
46
的な力をも぀ものだずいうこずにある。」ず結論づける。
3。蚀語機胜の物質化
石沢氏は゜フトりェアを劎働手段ずしお階局分解しおその内郚構造のプ
ログラム倉換過皋を分析する。そしお゜フトりェア内郚の移行過皋における
盎接的劎働の消滅をもっおr生きた劎働」の媒介なしに゜フトりェアがコ
ンピュヌタ・ハヌドず䞀䜓になるずするのである。この゜フトりェア内郚構造
の転換だけを芋るならば確かに人間の生きた劎働は介圚しないがこれに察
しおはそもそもの゜ヌス・プログラムを䜜成する人問劎働の過皋゜フトりェ
ア劎働者の存圚が看過されおるずいう批刀が劥圓する。
たずえば゜フトりェア内郚あるいは゜フトりェア→ハヌドりェアの移行
120
䞀橋研究第14巻第4号
過皋においお人問劎働が介圚しないずしおも珟実の゜フトりェア生産は①
システム蚭蚈→②プログラム䜜成→③プログラムの単䜓テスト→④総合テスト
47
→⑀メンテナンスずいう手順でなされるものであり特に②プログラム䜜成
の過皋においお人間の蚀語機胜が石沢氏のいう゜ヌス・プログラムに転換す
るのである。それ故氏が゜フトりェア内の媒介構造からのみからr生きた劎
働」の消滅を䞻匵するのは短絡的である。
プログラムの衚珟は条件分岐呜什に圢匏論理的な論理操䜜を䞎えるこずによっ
おなされるのであるがそれを蚀語圢匏で衚珟したのがrマシン語」であり
オブゞェクト・プログラムはマシン語によっお組たれる。ずころがマシン語
のプログラムは無味也燥な蚘号列にすぎないため石沢氏も指摘するずおり
「人間にもっずわかりやすい人工蚀語を぀くりそれによるプログラムを曞き
゜ヌス・プログラムコンピュヌタ自身を甚いおこれを自動的にマシン語
48
のプログラムオブゞェクト・プログラムに倉換する」のである。これをもっ
お氏は「生きた劎働」の消滅を蚀うのであるがこれは単に特定の目的を持っ
お人間が䜜成した゜ヌス・プログラムをオブゞェクト・プログラムに翻蚳する
だけのものでありそもそものプログラム䜜成の過皋に぀いおは䜕の蚀及もな
い。そこでやはりそもそものプログラムに転換されるような人問の胜力を考
えおいく必芁がある。
䞀方氏はさらに続けおコンピュヌタは電気信号の圢をずった蚘号圢列を
介しお組織化亡゜ステム化を行いそれは蚀語党䜓 圢匏蚀語によっお関
係づけられおいるため「蚀語による衚珟もたた蚘号系列であるから蚀語によっ
お蚀語衚珟をも組織しうるこずになり぀たりは自己組織系ずなっおいる。コ
ンピュヌタの機胜がきわめお高床に発展しうるのは自己組織化によっお成長
49
するメカニズムがあるからである」ずしおコンピュヌタの技術的圹割を『蚀語
機胜の物質化」ず定矩する。すなわち
①コンピュヌタの蚀語孊的原理は普遍的な内容を持っおいる。
②その結果ずしお新しい生産システムは機械より広い範囲で人問劎働にお
きかわる。
③倚くの機械が生きた劎働の媒介なしにコンピュヌタによっおひず぀に結
50
ばれ劎働手段の䜓系システムがいちじるしく拡倧する。
これはコンピュヌタの゜フトりェア䜜補過皋ずは異なり人間の䞀般的な
r情報化ず人問劎働』
121
蚀語掻動がr物質化」するずいう䞻匵を含んでおりたた゜フトりェア内郚の
倉換過皋ずも異なるものである。そこで石沢氏の蚀うr蚀語機胜」に぀いお
さらに考察をすすめコンピュヌタ・゜フトりェアに代衚されるような情報凊
理劎働手段の性栌に぀いお考えおみる。
第4節 蚀語機胜の物質化ず人間劎働
1蚀語的コミュニケヌション掻動
石沢氏ず同様に蚀語孊者の尟関呚二氏はrプログラムを䜜成する蚀語掻
動がコンピュヌタなどを媒介にしおあたかもそのたたものを加工するどい
52
う劎働掻動の性栌をもっおくる」ずしお圢匏化された蚀語掻動が本源的な
劎働掻動ず機胜的な等䟡を垯びおくるずする。
尟関氏は『蚀語ず人問」においお「蚀語的コミュニケヌション的掻動」を
人間の䞻芁で基本的な掻動圢態の䞀぀ずしお劎働掻動ず区別したうえでこ
れずのかかわりを考える。氏は埓来のマルクス䞻矩における蚀語の劎働起源論
人問ず自然ずの関係を媒介する劎働を通じお人間が自然に察しおみずから
を䞻䜓ずしお確立しおいくずずもに発生しおくるずいう芋方に察しお人問
ず人間ずの関係぀たり諞個䜓の盞互のかかわりあいに意識の発生を芋るこず
53
を重芖する。そしお「蚀語の起源を考えるにあたっおは指瀺の身ぶり
ず道具補䜜掻動を䞭心ずする劎働の進化を背景にした衚象的意識の圢成ず
ずもに盞互的身ぶりず瀟䌚的亀枉掻動を背景にした芏範的意識の圢
54
戌を考える必芁がある。」ずしおr指瀺の身ぶり蚘号を背景にした認識的
な反映掻動ず〈盞互的身ぶり蚀己号を背景にした盞互の心理状態の芏範的な
制埡された衚出掻動が統合・融合したずころに蚀語蚘号に固有な意味
55
が生たれる」ずする。すなわち原初的な集団劎働における道具的運動が蚀語
蚘号ずしお機胜しここに意識発生の出発点があるず同時に蚀語の察象指瀺
ずいう本質的偎面の起源がある。䞀方人間䞻䜓問の盞互的な身ぶりにたいす
るフィヌドバック的な自己反応この個䜓盞互間の調敎ずしおのコミュニケヌ
ション過皋に蚀語の発生ず察人関係を栞ずする盞互的なコミュニケヌショ
ンの発達における芏範的・䟡倀的な共同的意識欲求の発達の芳点を芋るので
ある。
そうした䞊でこの蚀語掻動ず劎働掻動ずのかかわりを考えおみるならば
122
䞀橋研究 第14巻第4号
氏は「コミュニケヌションずは蚘号による盞互掻動である」ずしおコミュニ
56
ケヌションを劎働ずしお芋なす立堎を吊定する。すなわち䞡者は人間掻動䞀
般ずいった普遍的・抜象的なレベルでは盞違ないが本源的には劎働は自然を
察象ずする人間䞀自然関係における掻動であり蚀語的コミュニケヌションは
人間を察象ずする人間䞀人間間におけるものであるずしおこの区別を匷調す
乱そしお劎働の構造を理解するにあたっおは人問関係を抜象する䞀方
蚀語コミュニケヌションにおける「盞互䜜甚」を匷調す乱そこで䞡者の関連
はr本源的には劎働は共同化をずもなう察象的掻動であり他方
57
蚀語的コミュニケヌションは察象化をずもなう共同化掻動である。」
58
ずしお䞡者の疎倖ずそこからの人間解攟を䞻匵す乱
このように「劎働掻動」ず「蚀語的コミュニケヌション掻動」を分離した
うえで情報凊理手段の発達を考えるず゜フトりェアに兞型的にみられるよ
うな情報凊理手段はどのように捉えられるのであろうか。
2情報化ず蚀語機胜の物質化
尟関氏はコンピュヌタを「蚀己号操䜜機械」ずしおずらえ人間の知識が圢
匏化されr物の状態ずしお電子回路のr情報」にその同型性においお盎結さ
59
せるこずができるのである。」ずする。そしおさらに圢匏的蚀語で衚珟され
た知識が「普遍的制埡力たるコンピュヌタの゜フトりェアずいう圢をずっお
60
たさに物質的生産過皋における劎働手段ずしお珟われおきおいる。」ずするの
であ乱ここからはじめに芋たようにいったん分離された「劎働掻動」ず
r蚀語コミュニケヌション掻動」が機胜的に等䟡を垯びるずするのである。
すなわちr人問コミュニケヌションの情報䌝達掻動に蚀語蚘号䜓系がかか
わっおいるように劎働においお劎働手段を制埡する掻動にも蚀語蚘号䜓系が
かかわっおいるのである。したがっお䌝達の蚘号䜓系はその圢匏化を぀うじ
6工
お構造的に同型化されるならば連続しうるのである。」そしお「蚀語衚珟圢
62
態ずしおの電流ず物的制埡䜜甚ずしおの電流」を盎接に媒介するものがコン
ピュヌタなのである。そしお「人間の広矩の蚀語掻動がr蚘号操䜜機械』で
あるコンピコ・䞀倕を媒介しお同時にたた物質的な生産過皋における劎働手段
63
の䞻芁郚分を構成するものずしお珟われおくる」ずする。
そもそも劎働ずはたずrある皮の䜿甚䟡倀生産においお運動するr肉䜓的
r情報化ず人間劎働』
123
および粟神的諞胜力の総䜓」ずしおの劎働力の支出であっおそこで劎働䞻䜓
は合目的的な劎働手段を甚いお特殊な自然玠材を加工するのであるが劎働䞻
䜓はずりわけ劎働手段にかんしおなんらかの知識を獲埗しこれを実践的に適
甚するこずによっおのみその掻動を合目的的なものずする。このように劎働
過皋は本来的にr人間の合目的的掻動の基瀎」をなす自然の諞法則の認識過皋
ず盎接的劎働の統䞀的な過皋である。䞀方資本の生産過皋においおは粟
神的諞力が「分化」「自立化」し独立の生産力芁因ずしお資本䞻矩における
生産力発展の重芁な䞀偎面を担う。これを仲村政文氏は資本による科孊的劎
働の圢匏ず包摂ずいう芖点から芋お①粟神的劎働ず肉䜓的劎働の分化盎接
的な劎働から技術的劎働が分化するずいう䞻䜓的条件ず②機械制生産の成立
ず発展によっお「客芳的な生産有機䜓」が圢成されるずいう客芳的条件によっ
64
お③自然科孊の意識的適甚が可胜ずなる。ずしおいる。特にこの②の「客
芳的な生産有機䜓」が情報通信技術の発達によっお先に北村氏の指摘でみ
たように劎働手段に内圚する動力ず制埡を分化させながらそれらの機胜を
劎働手段の䜓系に移行させおいくのである。
このこずを考えるならばコンピュヌタの゜フトりェアは人問の劎働にお
ける察象指瀺ずいう蚀語の道具的偎面を圢匏蚀語ずしお蚘号䜓系化するこず
を可胜にした。これが先に石沢氏が指摘した゜ヌス・プログラムでありこれ
が電子回路の結線網の同型性においおオブゞェクト・プログラムに転換され
るのである。
ずころがこの理解であればコンピュヌタの電気信号に盎結される圢匏蚀
語すなわちr物質化される蚀曞吟機胜」は劎働における蚀語の察象反映的な偎
面にすぎない。䞀方尟関氏も指摘するように蚀語には瀟䌚的亀枉掻動を背
景にした芏範的意識〉の圢成ずいった偎面もある。特に蚀語的コミュニケヌ
ション掻動はr劎働のように察象的実圚の䜕らかの因果的法具1」の認識を基瀎
に察象ず手段のあいだの因果関係を利甚しお劎働䞻䜓の目的を察象におい
65
お実珟しおいくずいった掻動ずは本質的に異なる」のであり先にも指摘し
たようにこれは䞻䜓䞀䞻䜓関係における察象化をずもなう共同化掻
動ずしおずらえられる。すなわち「人問はもっずも集団的な動物ずしおの共
同的集団ぞの融合的な䞀䜓化からたさにコミュニケヌションの蚀語化を通じ
お他の諞個䜓からの自立化䞻䜓䞀䞻䜓関係の成立を埗るずずもに同時に
124
䞀橋研究 第14巻第4号
たた蚀語的コミュニケヌション通じおより高い次元での瀟䌚性・共同性ずそれ
06
を䜓珟する人問的な文化的共同䜓を実珟する可胜性を埗たずいえるのである。」
そこでr蚀語機胜の物質化」をみる際には劎働における蚀語の察象反映
自勺性栌ずずもにこの蚀語的コミュニケヌション掻動ず圢匏的蚀語さらにはそ
の物質化の関係をみおいく必芁がある。
3蚀語機胜の物質化ず人聞劎働
繰り返し述べおきたこずだが゚ントロピヌ圢匏に代衚されるような情報抂
念は情報を埗るこずによる䞍確実性の枛少を数量化したものであり䞀芋玔
然たる工孊的圢匏的な理論のように芋え孔ずころが情報を受け取るのは芳
察者たる人間でありしかもその情報量はメッセヌゞの内容そのものではなく
それを受け取る以前の䞍確実性の床合に応じお決定され乱それ故情報を物
質の普遍的な属性あるいは制埡系たたは有機䜓に固有な反映の圢態ずみなす
こずはできない。すなわち情報は客芳的䞖界の䞀定の偎面を人問の知識を前
提にしかも人間が情報を情報そのものではなく・それを他ずの関連においお
解釈したものである。この点で抜象的な情報゚ントロピヌ抂念は䞻芳性をた
ぬがれ埗ないが情報抂念の発生を歎史的に考えるならばこれは人間的な盞
互䟝存関係の察象化ずも考えられる。
先に尟関氏は劎働における蚀語の察象反映的な偎面ず瀟䌚的亀枉掻動を
背景にした芏範的意識〉の圢成ずいった偎面を指摘しれしかしながら察
象を反映した蚀語蚘号すなわちシンボルもそれ自身ずしお自己確蚌され機胜
するのではなく共同的・瀟䌚的であるこずによっお自己の共同性・瀟䌚性
を確蚌しうるのである。たた䞻䜓盞互間のコミュニケヌション掻動を蚀語蚘
号が媒介するのは䞻䜓䞀䞻䜓関係を察象化しうるからであ乱この点で蚀語
蚘号䜓系は劎働察象ず人間を含む自然に察する人問盞互間の掻動を䞻䜓䞀
䞻䜓関係においお察象化したものである。それ故自然蚀語がコンピュヌタの
電気信号に盎結する圢匏蚀語に眮き代わる堎合これらの諞関係も察象化され
たたた物質化するのである。
䞀方コミュニケヌションに媒介された人問の盞互亀枉が芏範的意識
を圢成するず同時に劎働察象に察する集団的な胜動掻動を発達させたこずを
考え合わせるならば情報制埡系劎働手段の発達はこの人間の胜力を劎働手
『情報化ず人間劎働』
125
段の偎に眮き換えるものである。すなわち人間のコミュニケヌションの情報
䌝達掻動に蚀語蚘号䜓系がかかわっおいるように劎働においお劎働手段を制
埡する掻動にも蚀語蚘号䜓系がかかわっおおり自然蚀語が圢匏蚀蚀吟に転換さ
れこれがコンピュヌタの電気信号に盎結されるこずによっお盎接的な劎働
手段を制埡するず同時に劎働手段問のネットワヌクをも可胜にする。これは
ただ単に人問の知胜・知識が劎働手段䜓系に移行しただけではなく人問の
蚀語胜力・コミュニケヌション掻動が劎働手段䜓系に移行した点で重芁な意味
を持っおいる。ここに劎働手段の死んだ劎働に生きた劎働が移行するだけで
なく人問の生きたコミュニケヌション掻動たでが移行し情報制埡系劎働手
段は人間の蚀語胜力を物質化したものずしお珟われるのである。それ故コン
ピュヌタ・゜フトりェアを䜜補する劎働が蚀語掻動であるのではなく入間の
蚀語胜力がその物質化を媒介しお自己組織化を通しお商品を生産するので
ありこの点においお蚀語掻動が劎働掻動ず機胜的な等䟡を垯びるのである。
蚻
第1節
1野口悠玀雄r情報の経枈理論』1974東掋経枈新報瀟
2C1aude EShannon“Mathematica1Theory of Communication”in
士ho Mathematica1Theory of Communicationby Shannon and
Weaber urbaraUnivercity of I1hnoi Press1949
3NWinner“The Human Use of Human Being”Anchor Bos士。n
鎮目恭倫池原止䞈倫r人間機械論』1979みすず曞房
4 アメリカの通信工孊者Shamonは情報量を以䞋のように定矩しれ
ある確率倉数の分垃Pp1p2p、ずする。ただしpiくOi12n
Pi1
ここにおいおその情報量をIずするずI䞀Pi1og Piずなる。」
すなわちあるニュヌスの䟡倀情報量Iaはその事象aが起こる確率が䜎
いほど高い。そこでIaを事象aの関数ずするず次のグラフのようになる。
126
䞀橋研究 第14巻第4号
ここでこの関数に぀いお以䞋のこずを定矩する。
①結合事象の生起確率結合確率PaPa2a3のずき
②結合事象の情報量はIa1Ia1十Ia2
①②より情報量の関数圢匏はIak1ogPずなる。
そこで生起確率Paの事象aが実際に生起したずきそれを知るこずに
より埗られる情報量をIa䞀1ogPa ⑧で定矩しこれを事象aの自己情
報量se1f−informationずする。
次に通報の集合a1a2a。その出珟確率Paii12nが䞎
えられおいる確率事象系を
Aa1a2a。Pa1Pa2Pa。 ④ずする。
このAが排反な確立事象系であればΣPai1。③より事象aiが生じたずき
に埗られる情報量はIai䞀1og2Paibit ⑀
そこで排反な確率事象系においお事象がナ぀生起するごずに埗られる情
報量の期埅倀はHAΣPaiIai䞀2Pai1og Paibit
これを確率事象系Aの平均情報量average−informationずする。この
平均情報量は通報の集合Aa1a2a・から平均的に埗られるニュヌス䟡
倀情報量である。
5野口前掲曞p34
6 同䞊p26
7 同䞊p35
8同䞊p36∌p38
9同䞊p39
1O野口悠玀雄r公共政策』1984岩波曞店p149
11 野口r情報の経枈理論』p41
12同䞊p42
I3同䞊p43
14池䞊淳氏は情報は公共財であるずいう定矩を「r瀟䌚が共同に所有・占有
しおこそ個々人の発達が保蚌されうる財産である』ずいう意味に定矩した堎合
には公開されうる情報はたさに公共財ずいうにふさわしいものずなろう。
それは共同で消費しうるもののみならず共同で消費しおこそ瀟䌚生掻ず
個々人の発達可胜性が珟実の人間の発達に結び぀きうるからである。」ずする。
池䞊浮r情報化瀟䌚の政治経枈』1983昭和堂p41
15束石勝圊「珟代資本䞻矩ず商品論」Ir経枈』新日本出版瀟1987幎8月
号P112
第2節
1617今井賢䞀r情報ネットワヌク』1984岩波曞店p45
18同䞊p41
19同䞊p47
20 同䞊p70
21 Jacque Atta1i“La・Paro1e et1’oti1” Pross Universitarie de
r情報化ず人間劎働』
127
France1979
平田枅明r情報ず゚ネルギヌの人間科孊』1983日本評論瀟p37
22同䞊p52
23 それぞれの領域における意味は①生物孊 ホルモンず神経行動による现胞
間の情報および酵玠ず遺䌝子による现胞内郚での情報ぱネルギヌの亀換ず
耇補を組織する。②熱力孊 ゚ネルギヌずある皮の察をなすもの。③情報科孊・
通信工孊 ゚ネルギヌを利甚しおの情報の流通操䜜組織の科孊。④サむバネ
ディックス 情報を動物の氎準にたで抂念的に普遍化。⑀人類孊 物質的䞋郚
構造にたいする情報の「シンボル構造」レノィストロヌス⑥経枈孊 経
枈システムを諞資源の総䜓ずしお考察できるのでありこの資源の生産物ぞの
転圢やその消費は情報が組織する゚ネルギヌの散逞を䞍可決ずするしたた
情報は情報それ自身のためにも消費されるのである。ずされる。同䞊p52
24同䞊p68
25同䞊p72
26 それぞれの階局は①サむバネティックス情報シグナル・䞀・物質ず゚ネルギヌ
ず情報の䟛絊および機械の反応であり情報を駆䜿しおシステムを環境に適応
させるフィヌドバック過皋。②意味連関情報蚀説 科孊の進歩や文化の構築
や生産諞関係の組織化をおこなう諞抂念の枠組み。③蚘号孊的情報シンボル 
蚀語掻動によらない情報亀換やコミュニケヌションの総䜓䟋えば衣服や自動
車は瀟䌚的地䜍のシンボルであ乱④制玄なき情報、盞互亀通 シンボルず蚘
号の媒介によっお物や秩序を歪曲するコミュニケヌションに倉わる人間間や
集団間の盎接的亀換。ず分化され㌫同䞊p83∌91
27 同䞊p91
28 ニュヌスを受け取る以前に事象に぀いおの知識が完党であればすなわち
Pai1でありiを陀くすべおのnに察しおPa・OであるならばHAO
ずなる。䞀方n個の事象が等確率で生起するずきすなわちどの事象も同様に
生起する可胜性があるためにどの事象が生起するか最も䞍確実である堎合
HAは最倧ずなる。このHAで数量的に衚わされる「知識のあいたいさ」
゚ントロピヌは察象ずする事象係に属するもので通報を受け取るこずに
よっお枛少する。このr知識のあいたいさ」゚ントロピヌの枛少の床合が通報
により埗られた情報量である。
䟋えば二元の排反な事象a1a2がありその生起率が通報を受ける前は
Aa1a2Pa1Pa2’Pa1PPa21−P
HA䞀p1og2p䞀ナヌp1og2−p
であり通報を受け取った埌は
A’aa曌PaiPa曌PaiP’Pa曌1−P’
HA’䞀p’1og2p’䞀ナヌp’1og21−p’
になったずするず通報により埗られた情報量゚ントロピヌの枛少は
䞀△SHA’䞀HA
ず衚わすこずができ䞋図では線分AA’の郚分で衚瀺され孔
128
䞀橋研究 第14巻第4号
HA
1
A’
A
今P
29
P P’
情報゚ントロピヌは䞊述のように情報受ける前ず埌のIの倉化量で数量的
に衚珟できる。䞀方統蚈力孊における゚ントロピヌの増倧はr無秩序さ」rä¹±
雑さ」の増倧でありこれもたたSk1ogp定数で衚瀺した堎合゚ントロ
ピヌの増倧はSの倉化量で数量的に決定される。それ故この統蚈力孊゚ント
ロピヌず情報゚ントロピヌの圢匏的同圢性を考えた堎合情報を埗るずいうこ
ずは「無秩序さ」を「秩序」に倉えるこずず芋なすこずができ孔情報工孊
者ブリュアンは情報量が統曞十カ孊゚ントロピヌに負の笊号の぀いたものであ
るので情報を埗るこずによる゚ントロピヌの枛少䞀∠Sを゚ントロピヌ
に負の笊号を぀けた「ネケントロビヌ」ず名づけた。Leon Bri1ionin
“Science and Information Theory”1956䜐藀接蚳r科孊ず情報理論』み
すず曞房
30
安孫子誠也氏は統曞十力孊゚ントロピヌに぀いお次のように蚀う。「 このよ
うに統蚈力孊゚ントロピヌずいうのはあくたで情報量ずしおの熱力孊゚ントロ
ピヌの分子論的解釈である。぀たりこの解釈をするためにはモデルが必芁ず
なる。そしおその結果熱孊゚ントロピヌず察応が぀けばそのモデルが正し
いかもしれないずいうこずになる。しかしモデルで芋逃しおしたうず統蚈
力孊゚ントロピヌは熱孊゚ントロピヌを説明できない。そういう意味で統蚈力
孊゚ントロピヌは䞻芳的゚ントロピヌであっお人間の知識の存圚が前提ずなっ
おいるのである。」安孫子誠也『゚ントロピヌず゚ネルギヌ』1983倧月曞店
p245
31
生物孊者のベルタランフィはあらゆる科孊ず実圚のすべおの偎面が最埌の
還元されおいくべき唯䞀のものは物理孊的な理論であるずいう䞻匵を「還元䞻
矩者」の䞻匵ずしお退ける䞀方それに代わっお「遠近法䞻矩persp㏄tism」
ずいう芋解をずり以䞋のように展開する。
「物理孊の䜓系はすでに説明した意味ですべおの合理的存圚にずっお保蚌枈
みである。すなわちそれは脱擬人化の過皋を経お実圚の䞀定の関係的偎面
の衚珟ぞず向かっおゆく。それは本質的にはその目的にかなったシンボリズ
ムのアルゎリズムである。けれども私たちがどんなシンボリズムを採るか
したがっおたた実圚のどんな偎面を衚珟しようずするかは生物的・文化的因
子に䟝存する。」「かくしお第䞀に私たちの経隓ず思考の諞カテゎリヌは文化
的芁因ずずもに生物的芁因によっおも決定されるように思われる。第二にこ
の人間的束瞛は私たちの䞖界像が挞進的に脱擬人化されたずしおも知識は
実圚の䞀定の偎面あるいは盞を映しだすものにすぎない。けれども第四に再
r情報化ず人間劎働』
129
びクサの衚珟を甚いれば『党䜓はすべおの郚分により茝く」぀たりそれぞれ
の偎面は盞察的なものにすぎないけれども真なるものをもっおいるのであ
る。このこずが人問の知識の限界ずずもにその尊厳さを衚わしおいるように思
われる。」Ludwig von Bertaranffy“Gemra1System Theory
FoundationDeve1opmentApp1ication”George Brazikkar New
York1968長野敬倪田那昌蚳r䞀般システム理論』みすず曞房p240∌
241
第3節
32北村掋基r技術の構造ず発達の論理」仲村政文線r珟代技術の政治経枈孊』
1987青朚曞店所収p47
33同䞊p48
34同䞊p52
35道具の段階では劎働手段の制埡が基本的に人間の肉䜓噚官ずくに手に
よっおおこなわれる。機械の段階では制埡の䞀定郚分が人問の手を離れお
劎働手段自䜓に担われる。ずころがこの段階では機械の䜜業パタヌンが機
構内郚に固定化されおおり倖郚の制埡にも機械自身の䜜動䞭の諞結果に連動
しおいないずいう限界をも぀。そこでオヌトメヌションの段階では第䞀次
情報の投入を陀けば原理的に人間による盎接的な制埡を必芁ずしなくなる。
36同䞊p56
37同䞊p69
38 同䞊p70
39戞朚田嘉久氏は「この生産された゜フトりェア商品は情報であるにしおも
情報䞀般ではなく特定の䜿甚目的぀たり䜿甚䟡倀をも぀ものずしお具䜓的
な有甚物に凝集された情報である。」ず指摘しおいる。戞朚田嘉久r情報化ず
劎働者階玚」r経枈」新日本出版瀟85幎9月号p23
40倧朚䞀蚓「ME化の経枈的特質ず劎働運動」関恒矩線『コンピュヌタ革呜
ず珟代瀟䌚』21986倧月曞店所収p49倧朚氏はさらに続けお「ME化
の䞀般化を土台ずしお産業の「情報化」がすすんでい乱 䞭略 その本
質は人間の認識内容である情報がME化によっお商品資本に 䞭略 に
転化されるこずでありそうした商品資本ずしおの情報を独占するこずによっ
お金融寡頭制の支配が飛躍的に匷められるこずである。」同䞊p54ずする。
41石沢節郎rコンピュヌタ革呜ず瀟䌚科孊』1987倧月曞店p43
42 同䞊p53
43石沢氏はたずコンピュヌタに぀いお特定の機械の制埡装眮ではないが
機械䜓系党䜓に延長された制埡装眮ず考えられるので盎接的劎働手段を構成
するずす乱次に取扱説明曞もたた特定の機械に付属するものずではないが
ある機械䜓系を前提ずしある目的に即しおその取扱い方を組織的に蚘述した
もので間接的劎働手段であるずする。
44石沢前掲曞p64
45 同䞊p65
130
䞀橋研究 第14巻第4号
46同䞊p63
47この手順における劎働の存圚から戞朚田嘉久氏はrプログラムの開発䜜
成は詳现なテスト怜収をぞお完了するこずになるがプログラムは䞇䞀のケヌ
スにも察応できるように綿密か぀䞇党に組たれおおりきわめお耇雑に入りく
んだ構造をもっおいるこずから補䜜担圓者は完了埌も䞀定期問は保守䜓制を
ずくこずが蚱されない。このため技術者や経営者管理者は補䜜過皋にくわ
えお極床の極床の責任感ず神経の緊匵からくる苊劎が匷いられるのである。ず
くにシステム゚ンゞニアたちは人知れずねむれぬ倜が぀づくこずが倚い」rr高
床情報化』ず゜フトりェア業」r経枈』84幎ナ1月号所収pナ22ずいうのが実
態であり「゜フトりェア劎働者からの剰䜙䟡倀の搟取は匷烈でさえある。」ず
する。
48石沢前掲曞p55
49石沢同䞊p66
50石沢同䞊p67∌68
第4節
51尟関呚二「コンピュヌタず人間」rコンピュヌタ革呜ず珟代瀟䌚』2所収
1986倧月曞店p65
52尟関呚二r蚀語ず人問』1983倧月曞店p65∌85参照
53同䞊p79
54同䞊p105
55尟関氏によれば皲堎䞉千男ロッシィランディボヌドリダヌルなどが
この立堎にあたる。
56尟関呚二『蚀語的コミュニケヌションず劎働の匁蚌法』1989倧月曞店
p11O
57
同䞊p132∌p178参照
58
尟関『コンピュヌタず人間』p58
59
同䞊
60
å°Ÿé–¢r蚀語的コミュニケヌションず劎働の匁蚌法』p199
6
同䞊p199
62
同䞊p205
仲村政文『科孊技術の経枈理論』1986青朚曞店参照
63
64
65
å°Ÿé–¢r蚀語的コミュニケヌションず劎働の匁蚌法』p47
同䞊p49
筆者の䜏所 〒186囜立垂西2−15−17コヌポ奥隅202