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CMOS単電源 レール to レール入出力オペアンプ OP250/OP450 特長 ピン構成 単電源動作:2.7 Vから6 Vまで 8ピン・ナロー・ボディSO (SO-8) 高い出力電流:±100 mA 低い電源電流:アンプ1基当たり800μA 広い帯域幅:1 MHz スルーレート:2.2 V/μs 位相反転なし 低い入力電流 OUT A 1 –IN A 2 +IN A 3 V– 4 OP250 (実寸ではありません) 8 V+ 7 OUT B 6 –IN B 5 +IN B ユニティ・ゲインが安定 8ピンTSSOP アプリケーション (RU-8) バッテリ動作の計装 医療 リモート・センサ ASIC入力または出力のアンプ 1 OUT A –IN A +IN A V– 8 V+ OUT B –IN B +IN B OP250 4 5 自動車産業 14ピン・ナロー・ボディSO 概要 (N-14) OP250はデュアル、 OP450はクワッドのCMOS単電源動作アンプ OUT A 1 14 OUT D –IN A 2 13 –IN D これらのアンプの入力バイアス電流は、非常に低くなっていま +IN A 3 12 +IN D す。出力は、100 mAの負荷をドライブする能力があり、容量性負荷 V+ 4 11 V– に対して安定しています。電源電流は、アンプ1基当たり1 mA未満 +IN B 5 10 +IN C です。 –IN B 6 9 –IN C OUT B 7 8 OUT C で、レール to レールの入力と出力を特長とします。いずれも+2.7 Vから+5 Vまでの単電源での動作が保証されています。 これらのアンプを使用したアプリケーションには、 ポータブル医 OP450 (実寸ではありません) 療装置、安全や保全関連装置、そして高出力インピーダンスでトラ ンスデューサとインターフェースする装置があります。 14ピンTSSOP 入力と出力でレール to レールのスイングが得られるので、単電 (RU-14) 源システムによる多段階フィルタの構成や高い信号対雑音比を維持 する設計が可能になります。 OP250とOP450の定格温度は、産業温度範囲(−40℃から+125 ℃)の全域にわたります。デュアル・アンプのOP250には、8ピンの TSSOPとSO表面実装パッケージが用意されています。一方、ク OUT A –IN A +IN A V+ +IN B –IN B OUT B 1 14 AD8532 OP450 7 8 OUT D –IN D +IN D V– +IN C –IN C OUT C ワッド・アンプのOP450には、14ピンのTSSOP(薄型シュリンク・ スモール・アウトライン) と14ピンのナローSOパッケージが用意さ れています。 アナログ・デバイセズ社が提供する情報は正確で信頼できるものを期していますが、 当社はその情報の利用、また利用したことにより引き起こされる第3者の特許または権 利の侵害に関して一切の責任を負いません。さらにアナログ・デバイセズ社の特許また は特許の権利の使用を許諾するものでもありません。 REV.0 アナログ・デバイセズ株式会社 本 社/東京都港区海岸1 - 1 6 - 1 電話03(5402)8200 〒105−6891 ニューピア竹芝サウスタワービル 大阪営業所/大阪市淀川区宮原3 - 5 - 3 6 電話06(6350)6868㈹ 〒532−0003 新大阪第2森ビル OP250/OP450―仕様 電気的特性(特に指定のない限り、VS=+3.0 V、TA=+25℃、VCM=1.5 Vとします) パラメータ 記号 条件 Min Typ Max 単位 8 mV 入力特性 オフセット電圧 VOS −40℃<TA<+125℃ 入力バイアス電流 入力オフセット電流 IB 2 20 mV 40 pA −40℃<TA<+85℃ 60 pA −40℃<TA<+125℃ 500 pA 25 pA 60 pA IOS 0.5 −40℃<TA<+125℃ 入力電圧レンジ 0 3 V 同相電圧除去比 CMRR VCM=0 V ∼ 3 V 40 −40℃<TA<+125℃ 35 大信号電圧ゲイン AVO RL=2 kΩ, VO=0.3 V ∼ 2.7 V オフセット電圧ドリフト ΔVOS/ΔT 10 μV/℃ バイアス電流ドリフト ΔIB/ΔT 1.8 pA/℃ オフセット電流ドリフト ΔIOS/ΔT 0.07 pA/℃ 2.99 V 55 dB 800 V/mV dB 出力特性 出力電圧ハイ 出力電圧ロー VOH VOL IL=100μA IL=10 mA 2.85 −40℃ ∼ +125℃ 2.8 2.94 IL=100μA 1 IL=10 mA 55 −40℃ ∼ +125℃ 出力電流 IOUT 開ループ・インピーダンス ZOUT f=1 MHz, AV=1 PSRR VS=2.7 V ∼ 6 V 60 −40℃<TA<+125℃ 55 V V mV 100 mV 125 mV 100 mA 180 Ω 80 dB 電源 電源除去比 電源電流/アンプ1基 ISY VO=0 V dB 700 −40℃<TA<+125℃ 1,000 μA 1,250 μA 動的性能 スルーレート SR RL=10 kΩ 1.9 V/μs セトリング時間 tS 0.01%まで 4 μs ゲイン帯域幅積 GBP 0.95 MHz 位相マージン φO 46 degrees チャンネル分離 CS f=1 kHz, RL=10 kΩ 100 dB 電圧ノイズ en p-p 0.1 Hzから10 Hzまで 10 μV p-p 電圧ノイズ密度 en f=1 kHz 45 nV/√Hz f=10 kHz 30 nV/√Hz f=1 kHz 0.05 pA/√Hz ノイズ性能 電流ノイズ密度 in 仕様は予告なしに変更することがあります。 −2− REV.0 OP250/OP450 電気的特性(特に指定のない限り、VS=+5.0 V、TA=+25℃、VCM=2.5 Vとします) パラメータ 記号 条件 Min Typ Max 単位 入力特性 オフセット電圧 VOS 2 −40℃<TA<+125℃ 入力バイアス電流 入力オフセット電流 IB 2 7.5 mV 20 mV 40 pA −40℃<TA<+85℃ 60 pA −40℃<TA<+125℃ 500 pA 25 pA 60 pA IOS 0.5 −40℃<TA<+125℃ 入力電圧レンジ 0 5 同相電圧除去比 CMRR VCM=0 V ∼ 5 V 45 −40℃<TA<+125℃ 40 大信号電圧ゲイン AVO RL=2 kΩ, VO=0.3 V ∼ 4.7 V 1,000 −40℃<TA<+125℃ 60 V dB dB V/mV オフセット電圧ドリフト ΔVOS/ΔT 10 μV/℃ バイアス電流ドリフト ΔIB/ΔT 1.8 pA/℃ オフセット電流ドリフト ΔIOS/ΔT 0.07 pA/℃ 4.99 V 出力特性 出力電圧ハイ VOH IL=100μA IL=10 mA 4.9 4.94 V −40℃∼+125℃ 出力電圧ロー VOL mV IL=100μA 1 IL=10 mA 40 −40℃ ∼ +125℃ 出力電流 IOUT 開ループ・インピーダンス ZOUT f=1 MHz, AV=1 PSRR VS=2.7 V ∼ 6 V 60 −40℃<TA<+125℃ 55 V 100 mV 125 mV ±100 mA 200 Ω 電源 電源除去比 電源電流/アンプ1基 ISY 80 dB dB VO=0 V 800 1,250 μA −40℃<TA<+125℃ 750 1,750 μA 動的性能 スルーレート SR RL=10 kΩ 2.2 V/μs フルパワー帯域幅 BWP 1%歪み 100 kHz セトリング時間 tS 0.01%まで ゲイン帯域幅積 GBP 位相マージン φO チャンネル分離 CS f=1 kHz, RL=10 kΩ 3 μs 1 MHz 48 degrees 100 dB ノイズ性能 電圧ノイズ en p-p 0.1 Hzから10 Hzまで 10 μV p-p 電圧ノイズ密度 en f=1 kHz 45 nV/√Hz f=10 kHz 30 nV/√Hz 電流ノイズ密度 in f=1 kHz 0.05 pA/√Hz 仕様は予告なしに変更することがあります。 REV.0 −3− OP250/OP450 絶対最大定格1、2 電源電圧 ……………………………………………………… +6 V 入力電圧2 ………………………………………… GNDからVSまで 同相入力電圧 ………………………………………………… ±6 V 出力の短絡 GNDに落ちる までの期間 ESD耐性 ……… ディレーティング曲線が観察される …………………………………………………… パッケージ・タイプ θJA* θJC 単位 8ピンSOIC (S) 158 43 ℃/W 8ピンTSSOP (RU) 240 43 ℃/W 14ピンSOIC (N) 120 36 ℃/W 14ピンTSSOP(RU) 180 35 ℃/W * θJAは、最悪ケースを条件にした定格です。つまりθJAは、表面実装パッケージ用の回路基 板にハンダ付けした場合の定格です。 2000 V 保管温度範囲 S、RUパッケージ ……… −65℃から+150℃まで オーダー・ガイド 動作温度範囲 OP250G/OP450G ……… −40℃から+125℃まで パッケージ・ 接合温度範囲 S、RUパッケージ ……… −65℃から+150℃まで モデル 温度範囲 パッケージ説明 オプション リード温度範囲(ハンダ付け60秒) ……………………… +300℃ OP250GS −40℃から 8ピンSOIC SO-8 OP250GRU −40℃から 8ピンTSSOP RU-8 14ピンSOIC N-14 14ピンTSSOP RU-14 注 1 2 特に示さない限り、絶対最大定格には+25℃を適用します。 上記の絶対最大定格を超えるストレスは、デバイスに恒久的なダメージを招くおそれがあ ります。このリストはストレス定格を示すことだけを目的とし、これらの条件もしくは本 仕様書の動作に関するセクションに示した以外の条件におけるこのデバイスの機能的な 動作を意味するものではありません。長時間にわたって絶対最大定格条件で使用すると、 デバイスの信頼性に影響が現れることがあります。 +125℃まで +125℃まで OP450GS −40℃から OP450GRU −40℃から +125℃まで +125℃まで 注意 ESD(静電放電)の影響を受けやすいデバイスです。4000 Vもの高圧の静電気が人体やテスト装置に容易に帯電し、検知さ れることなく放電されることもあります。このOP250/OP450には当社独自のESD保護回路を備えていますが、高エネル ギーの静電放電にさらされたデバイスには回復不能な損傷が残ることもあります。したがって、性能低下や機能喪失を避 けるために、適切なESD予防措置をとるようお奨めします。 −4− WARNING! ESD SENSITIVE DEVICE REV.0 OP250/OP450 代表的な特性―OP250/OP450 10k 0.9 VS = +2.7V TA = +25°C TA = +25°C 0.8 1k 電源電流/アンプ1基−mA 0.7 出力電圧−mV SOURCE 100 SINK 10 1 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.1 0.001 0.1 1 負荷電流−mA 0.01 10 0 0.75 100 図1.電源レールへの出力電圧と負荷電流の関係 1 1.25 1.5 1.75 2 2.25 電源電圧−±V 2.75 3 図4.アンプ1基当たりの電源電流と電源電圧の関係 1k 1 VS = +5V TA = +25°C 入力オフセット電圧−mV VS = +5V VCM = +2.5V 100 出力電圧−mV 2.5 SOURCE SINK 10 0.5 0 –0.5 1 0.1 0.001 0.1 1 負荷電流−mA 0.01 10 –1 –55 100 図2.電源レールへの出力電圧と負荷電流の関係 –35 –15 –5 25 45 65 温度−℃ 85 105 125 145 125 145 図5.入力オフセット電圧と温度の関係 400 0.85 0.8 300 VS = +5V 入力バイアス電流−pA 電源電流/アンプ1基−mA VS = +5V, +3V VCM = VS/2 0.75 0.7 200 100 VS = +3V 0.65 –55 –35 –15 –5 25 45 65 温度−℃ 85 105 125 0 –55 145 図3.アンプ1基当たりの電源電流と温度の関係 REV.0 –35 –15 –5 25 45 65 温度−℃ 85 105 図6.入力バイアス電流と温度の関係 −5− OP250/OP450―代表的な特性 80 5 VS = +5V, +3V VCM = VS/2 0 VS = +5V RL = NO LOAD TA = +25°C 60 –45 3 2 40 –90 20 –135 0 –180 –20 –225 –40 –270 –60 –315 位相シフト−度 ゲイン−dB 入力オフセット電流−pA 4 1 0 –55 –35 –15 –5 25 45 65 温度−℃ 85 105 125 –80 1k 145 10k 図7.入力オフセット電流と温度の関係 10M 100M –360 図10.開ループ・ゲインと位相 2 5 VS = +5V, +3V TA = +25°C 4 1 出力スイング−VP-P 入力バイアス電流−pA 100k 1M 周波数−Hz 0 VS = +2.7V RL = 2 kΩ VIN = 2.5 VP–P TA = +25°C 3 2 1 –1 0 5 2 1 3 同相電圧−V 0 1 4 図8.入力バイアス電流と同相電圧の関係 1k 10k 5 VS = +5.0V RL = 2 kΩ VIN = 4.9 VP–P TA = +25°C –45 –90 20 –135 0 –180 –20 –225 –40 –270 –60 –315 出力スイング−VP-P 4 40 位相シフト−度 ゲイン−dB 60 VS = +2.7V RL = NO LOAD TA = +25°C 100 周波数−Hz 図11.閉ループ出力電圧のスイングと周波数の関係 0 80 10 3 2 1 –80 1k 10k 100k 1M 周波数−Hz 10M 100M –360 0 1 図9.開ループ・ゲインと位相 10 100 周波数−Hz 1k 10k 図12.閉ループ出力電圧のスイングと周波数の関係 −6− REV.0 OP250/OP450 100 400 350 VS = +5V RL = NO LOAD TA = +25 °C VS = +5V TA = +25°C AV = +1 80 電源除去比−dB インピーダンス−Ω 300 250 200 AV = +10 150 60 +PSRR 40 –PSRR 100 20 50 0 1k 10k 100k 1M 周波数−Hz 10M 0 100 100M 図13.閉ループ出力インピーダンスと周波数の関係 1M 10M 70 VS = +5V TA = +25°C 60 小信号オーバシュート−% 60 同相電圧除去比−dB 10k 100k 周波数−Hz 図16.電源除去比と周波数の関係 80 70 1k 50 40 30 20 10 VS = +2.7V RL = 2 kΩ TA = +25°C –OS 50 40 30 +OS 20 0 10 –10 –20 1 10 100 周波数−Hz 1k 0 10 10k 図14.同相電圧除去比と周波数の関係 70 VS = +2.7V TA = +25 °C 60 小信号オーバシュート−% 電源除去比−dB 80 60 +PSRR 40 –PSRR 20 0 VS = +5.0V RL = 2 kΩ TA = +25°C 50 –OS 40 30 +OS 20 10 1k 10k 100k 周波数−Hz 1M 0 10 10M 図15.電源除去比と周波数の関係 REV.0 1k 図17.小信号オーバシュートと負荷容量の関係 100 –20 100 100 負荷容量−pF 100 負荷容量−pF 図18.小信号オーバシュートと負荷容量の関係 −7− 1k OP250/OP450―代表的な特性 VS = ±2.5V AV = +1 RL = 2kΩ TA = +25°C VS = ±1.35V VIN = ±50mV AV = +1 RL = 2kΩ CL = 100pF TA = +25°C 2µs 2µs 25mV 図19.小信号過渡応答 1V 図22.大信号過渡応答 VS = ±2.5V VIN = ±50mV AV = +1 RL = 2kΩ CL = 100pF TA = +25 °C 2µs 50µs 25mV 図20.小信号過渡応答 1V 図23.位相反転なし 1 2µs 電流ノイズ密度−pA/ Hz VS = ±1.35V AV = +1 RL = 2kΩ TA = +25 °C 500mV 0.1 0.01 10 図21.大信号過渡応答 100 1k 周波数−Hz 10k 100k 図24.電流ノイズ密度と周波数の関係 −8− REV.0 OP250/OP450 VS = +5V 周波数 = 10kHz TA = +25°C 30nV/ Hz VS = +5V 周波数 = 1kHz TA = +25°C 200nV 45nV/ Hz 図25.電圧ノイズ密度と周波数の関係 REV.0 100nV 図26.電圧ノイズ密度と周波数の関係 −9− OP250/OP450 動作原理 出力位相反転 OPx50ファミリのアンプは、 低価格高出力電流ドライブ用に設計 OPx50は、入力電圧がデバイスの電源電圧以内のとき、出力電圧 されたCMOSレール to レール入出力の単電源アンプです。こう の位相反転を生じません。しかし、デバイスの入力の一方でも電源 いった特長を持ったOPx50は、マルチメディアや通信等のアプリ レールより0.6 Vを超えて高くなると出力に位相反転を生じる可能 ケーションに理想的です。 性があります。これは、ESD保護ダイオードが順方向バイアスされ 図27は、OPx50アンプの簡略化した回路図です。nチャンネルの ペア(M1―M2)とpチャンネルのペア(M3―M4)から構成される るためで、 これによってデバイスの入力端子の極性が切換るからで す。 2組の入力差動ペアは、レール to レール入力の同相レンジを提供し 入力電圧が電源電圧を超える可能性があるアプリケーションで ます。入力差動ペアの出力は、複合折返しカスコード段で合成さ は「入力の過電圧保護」のセクションで推奨しているテクニックを れ、第2の差動ペアのゲイン段への入力に印加されます。第2のゲイ 適用した方がよいでしょう。 ン段の出力は、レール to レール出力段のゲート電圧になります。 レール to レール出力段は、相補共通ソース構成のM5とM6から 出力短絡保護 なります。他のレール to レール出力のアンプと同様に、出力段の 高品質のレール to レール性能を達成するため、OPx50ファミリ ゲイン、つまりアンプの開ループ・ゲインは、負荷抵抗に依存しま の出力には出力短絡保護が備わっていません。これらのアンプは、 す。また、最大出力電圧のスイングは負荷電流に正比例します。電 最大250 mAまでの出力電流のシンクまたはソースに対して設計さ 源レールに対する最大出力電圧の差分、 つまりドロップアウト電圧 れていますが、出力とグラウンドを直接短絡すると、過大な電圧あ として知られる電圧は、OPx50の出力トランジスタのオン・チャン るいは電流が印加されたときにデバイスの損傷や破壊を招くことが ネル抵抗によって決定されます。この出力ドロップアウト電圧は、 あります。出力段を保護する場合には、最大出力電流を±250 mAに 式1および式2から求まります。 制限します。 入力電圧保護 より、出力電流を制限することができます。RXの最小値は、次式か 図28に示したように、 アンプ出力に抵抗を直列に接続することに 簡略化した回路図には示していませんが、 各入力と各電源レール ら求めることができます。 VSY RX≧――――― 250 mA の間にはESD保護ダイオードが接続されています。これらのダイ オードは、通常は逆バイアスされていますが、いずれかの入力電圧 (2) がそれぞれの電源レールより0.6 Vを超えて高くなるとオンになり +5 Vの単電源の場合、RXを少なくとも20Ωにする必要がありま ます。この状態が発生したとき、 入力電流を±5 mA以内に制限する す。このRXは、フィードバック・ループの内側になることから、VOUT 必要があります。この制限は、入力に抵抗を直列接続することによ に影響しません。RXを用いることによる代償は、出力電流負荷が大 り可能です。最小抵抗値は次式によって表わされます。 VIN、MAX RIN≧―――― (1) 5 mA きいときに出力電圧スイングがわずかに小さくなることです。 また RXには、アンプの出力インピーダンスを高くする効果があり、デバ イスの出力インピーダンスをROとするとき、 その値はRO+RXになり ます。 VCC BIAS M3 –VIN M1 M4 +VIN M5 M2 VOUT BIAS M6 BIAS VEE 図27.簡略化したOPx50の回路図 − 10 − REV.0 OP250/OP450 +5V RX 20Ω VIN OP250 VOUT 図28.出力短絡保護 消費電力 OPx50ファミリのアンプには最大250 mAの負荷電流を供給する 能力がありますが、 デバイスの最大接合温度を超えないように適切 500mV な処置を行うことが必要です。接合温度は、次式から求まります。 TJ=PDISS×θJA+TA 1µs (3) 図30.正のレールからの飽和リカバリ これにおいて:TJ=OPx50の接合温度 PDISS=OPx50の消費電力 θJA=OPx50におけるパッケージの周囲温度に対 する接合温度の温度抵抗 TA=回路の周囲温度 最大接合温度は、すべてのアプリケーションで+150℃以下に制 限しなければなりません。この接合温度を超えると、デバイスに回 復不能な故障がもたらされる可能性があります。 出力電圧と出力電 流が同相の場合、たとえば純粋な抵抗性負荷の場合、OPx50による 消費電力は、次の式で表わされます。 PDISS=ILOAD× (VSY−VOUT) (4) これにおいて:ILOAD=OPx50の出力負荷電流 500mV VSY=OPx50の電源電圧 1µs VOUT=出力電圧 図31.負のレールからの飽和リカバリ 検討しているパッケージについて、デバイスの消費電力を算出 し、 それに対応する温度抵抗を使用すれば、 式3からアプリケーショ ンに許容される最大周囲温度を求めることができます。 容量性負荷 オーバードライブのリカバリ このデバイスは、大きな容量性負荷の条件下でもユニティ・ゲイン OPx50ファミリのアンプは、容量性負荷の駆動に適しています。 アンプのオーバードライブまたは過負荷のリカバリ時間とは、 出 を安定して維持します。しかしながら、帯域幅を犠牲にすることな 力電圧が飽和状態から定格出力電圧に戻るまでに要する時間を言い く、容量性負荷が発生することはありません。図32は、各種の容量 ます。このリカバリ時間は、大きな過渡事象の発生後の迅速な回復 性負荷がある場合のOPx50のユニティ・ゲイン帯域幅を示したグラ が必須となるアプリケーションでは、 重要な要素となることがあり フです。 ます。OPx50のリカバリ時間を評価するためには、図29に示した回 1.0 路を使用します。図30と図31は、それぞれ正または負のレールから VS = ±2.5V RL = 10kΩ TA = +25°C のOP250の過負荷リカバリを示します。このアンプの場合、出力過 負荷からのリカバリに約0.5 msを要します。 OP250 1VP–P 帯域幅−MHz VIN + – 0.8 VOUT 10kΩ 1kΩ 0.6 0.4 9kΩ 0.2 図29.過負荷リカバリ時間のテスト回路 0 0 1 10 容量性負荷−nF 100 1k 図32.ユニティ・ゲイン帯域幅と容量性負荷の関係 他のすべてのアンプと同様に、 容量性負荷が増加するとオーバー シュートとリンギングが増加します。図33に示すように、容量性負 REV.0 − 11 − OP250/OP450 荷と並列に出力とグラウンドの間に、スナバとして知られる直列R- オペアンプを使用して容量性負荷をドライブする方法について C回路を接続し、出力応答を改善することができます。出力に適正 より詳しい情報が必要な場合は、1997年出版の「Analog Dialogue なスナバ回路を用いると、帯域幅の増加こそありませんが、出力の (アナログ・ダイアログ)」誌Vol. 31、No. 2に掲載された「Ask the オーバーシュートが劇的に減少します。表Ⅰは、所定の容量性負荷 Applications Engineer(アプリケーション・エンジニアに聞く) 」と に対するスナバ回路の値の一例をまとめた表です。実用上は、アプ いう記事を参照して下さい。 リケーションで用いる正確な容量性負荷をベースにしてこれらの値 単電源差動ライン・ドライバ の最良値が経験的に決定されます。 図36に示した回路図は、 600Ωの負荷を駆動できる歪み率が0.1% 未満の単電源差動ライン・ドライバです。この設計ではOP450を使 +5V 用して、完全平衡型トランス・ベースの製品の性能を再現していま す。ただしこの設計の場合は、使用するボード・スペースがはるか VOUT OP250 RS 5Ω VIN 100mV p-p に小さく、しかも低い歪みを維持し、DCに至るまで動作が可能で す。トランス・ベースの設計と同様に、回路ゲイン「1」を変えるこ CL 47nF CS 1 µF となく、出力の一方をグラウンドに短絡して不平衡ライン・ドライ バとすることができます。 図33.スナバ回路の使用を示す回路図 R3 10kΩ 表Ⅰ.大容量性負荷に対するスナバ回路 負荷容量(CL) スナバ回路(RS, CS) 1 nF 60Ω, 30 nF 10 nF 20Ω, 1μF 100 nF 3Ω, 10μF 3 R2 10kΩ A2 1 C3 47 µF VO1 R6 10kΩ R7 10kΩ +5V +12V +5V C1 22 µF 図34は、1 nFの容量性負荷を伴うユニティ・ゲイン構成における OP250の出力を示します。図35は、スナバ回路の追加によって改善 VIN 2 3 6 1 A1 された出力応答を示します。 R1 10kΩ A1, A2 = 1/2 OP250 VIN = 100mVp-p @ 100kHz R5 50Ω 2 CL = 1nF RL = 10k GAIN = R3 R2 R10 10kΩ 7 R11 10kΩ R8 100kΩ RL 600Ω 5 R9 100kΩ C2 1 µF R12 10kΩ 6 5 SET: R7, R10, R11 = R2 A1 A2 7 R14 50Ω C4 47µF VO2 R13 10kΩ SET: R6, R12, R13 = R3 図36.低ノイズ、単電源差動ライン・ドライバ R8とR9は、 同相出力電圧を電源電圧の1/2に等しい電圧に設定し ます。C1は、入力信号の結合に使用されていますが、入力のDC電 圧が電源電圧の1/2に等しいときは省略可能です。 50mV この回路は、 必要に応じて追加のゲインが得られるように構成す 2µs 図34.スナバ回路を使用しないときのOP250の出力 ることができます。回路のゲインは次式で表わされます。 VOUT R3 (5) AV=―――= ―― VIN R2 CL = 1nF RL = 10k VIN = 100mVp-p @ 100kHz これにおいて:VOUT=VO1−VO2、 R2=R7=R10=R11、かつ R3=R6=R12=R13 マルチメディア用ヘッドホン・アンプ OP250は駆動電流が大きいことから、図37に示すように、これを 使用して優れたヘッドホン・アンプを構成することができます。低 い電源での動作と、レール to レールの入力および出力により、+5 Vの電源での出力信号のスイングが最大になります。図37では、ア 50mV 2µs ンプ入力が電源電圧の中央値、 つまりこのアプリケーションの場合 は2.5 Vでバイアスされています。10μFのキャパシタは、電源ノイ 図35.スナバ回路を使用したときのOP250の出力 ズによるオーディオ信号の擾乱を防止します。 − 12 − REV.0 OP250/OP450 モデム用ダイレクト・アクセス装置 +V + 5V 50kΩ 50kΩ 10 µF 図39は、600Ωシステム用の+5 V送信/受信電話回線インター 1 µF/0.1µ F +V + 5V 20Ω 1/2 OP250 フェースを示しています。ここでは、差動方式を用いてトランス結 合された600Ωラインでの全二重送信が可能です。アンプA1は、モ 270 µF 左側ヘッドホン 左側入力 50kΩ 10 µF デム出力の必要条件に適合するように調整できるゲインを提供しま す。A1とA2は、 ともに単電源でトランスに最大可能信号を印加でき 100kΩ るように構成されています。OP450は大きな駆動電流出力が得ら れ、 ドロップアウト電圧が低いことから、+5 Vの電源を使用して約 4.5 V p-pの最大信号を600Ω送信システムに供給することができま +V す。アンプA3は、 (1)受信信号による送信信号の干渉が防止され、 かつ(2)A4による増幅のための受信信号が送信ラインから抽出さ 50kΩ 50kΩ 10 µF 20Ω 1/2 OP250 れるという2つの理由から差動アンプ構成になっています。アンプ 270 µF 右側ヘッドホン 右側入力 められる条件に適合させることができます。 標準的な抵抗値であれ 50kΩ 10 µF A4のゲインは、 A1と同じ態様で調整可能で、 モデムの入力信号に求 ば、SIP(シングル・インライン・パッケージ)形式の抵抗配列が使 100kΩ 用できます。これと専有面積の小さい14ピンTSSOPまたはSOICの OP450の組み合わせにより回路がコンパクトになり、 コスト効果の 図37.単電源ステレオ・ヘッドホン・ドライバ 1 高い製品が得られます。 P1 TXゲイン調整 VSY = ±2.5V AV = +1 VIN = 300mV rms 1:1 0.1 THD + N – % RL = 500Ω 1 RL ≥ 10kΩ A1 +5V DC R6 10kΩ MIDCOM 671-8005 6 7 A2 R7 10kΩ 5 10 µF R10 10kΩ R9 10kΩ 0.001 20 100 1k 周波数−Hz 10k 20k 1 R13 10kΩ R14 14.3kΩ 5 受信RXA 2kΩ 6 R12 10kΩ A4 7 C2 0.1 µF A1, A2, A3, A4 = 1/4 OP450 ヘッドホン・ドライバ オーディオ信号は、 10μFのキャパシタを経由してそれぞれの入 力に印加されます。この大きな容量は、ハイ・パス・フィルタのカッ トオフ周波数を20 Hz未満に抑えてオーディオの完全な忠実度を維 持します。すでに入力が適正にDCバイアスされていれば、結合 キャパシタとバイアス抵抗の必要はありません。出力側では、アン プとヘッドホン・スピーカとの結合に270μFのキャパシタが使用 されています。この容量は、入力キャパシタよりはるかに大きく なっていますが、 これはヘッドホンのインピーダンスが低いことに 起因します。ヘッドホンのインピーダンスは、32Ωから600Ωまた はそれ以上の範囲にわたります。 出力キャパシタと直列に挿入され ている20Ωの抵抗は、 偶発的に出力がグラウンドと短絡された場合 にオペアンプ出力を保護します。 REV.0 3 A3 R8 10kΩ P2 RXゲイン調整 2 R11 10kΩ 図38.THDと周波数の関係 送信TXA 3 6.2V T1 0.01 C1 R1 10kΩ 0.1µF 2 R5 10kΩ 6.2V ZO 600Ω RL = 2kΩ 2kΩ R3 360Ω 電話回線へ R2 9.09kΩ − 13 − 図39.モデム用単電源ダイレクト・アクセス装置 OP250/OP450 * OP250 SPICEマクロ・モデルの代表値 * 内蔵電圧リファレンス * 10/97、Ver. 1 * * TAM / ADSC RSY1 99 91 100E3 * RSY2 50 90 100E3 * ノード割当て VSN1 91 90 DC 0 * 非反転入力 EREF 98 * | 反転入力 GSY * | | 正の電源 * | | | 負の電源 * 電圧ノイズ・リファレンス=30 nV/rt(Hz) * | | | | 出力 * * | | | | | VN1 80 0 0 * | | | | | RN1 80 0 16.45E-3 .SUBCKT OP250 1 2 99 50 45 HN 0 (90,0) 1 99 50 POLY(1) (99,50) -1.81E-3 1.5E-5 * 81 0 VN1 30 * RN2 81 0 1 * 入力段 * * * 1.25MHzの極性 M1 4 3 6 6 MNIN L=2u W=66u * M2 5 2 6 6 MNIN L=2u W=66u G2 98 20 POLY(2) (4,5) (7,8) 0 5E-5 5E-5 M3 7 3 9 9 MPIN L=2u W=66u R2 20 98 10E3 M4 8 2 9 9 MPIN L=2u W=66u C2 20 98 12.7E-12 RD1 99 4 5E3 * RD2 99 5 5E3 * ゲイン段 7 50 5E3 * RD4 8 50 5E3 G1 98 30 (20,98) 3.5E-4 VCM1 10 50 -.3 R1 30 98 6.25E6 VCM2 99 11 -.3 CF 30 45 135E-12 D1 10 6 DX D4 31 99 DX D2 9 11 DX D5 50 32 DX EOS 3 1 POLY(3) (61,98) (73,98) (81,0) 3E-3 V1 31 30 0.7 1 2 .25E-12 RD3 V2 30 32 0.7 +1 1 1 IOS IBIAS1 6 50 700E-6 IBIAS2 99 9 700E-6 * * 出力段 * * M5 45 41 99 99 MFOUT L=2u W=6660u * CMRR=60 dB、20kHzでゼロ M6 45 42 50 50 MNOUT L=2u W=6660u * EO1 99 41 POLY(1) (98,30) .9232 1 ECM1 60 98 POLY(2) (1,98) (2,98) 0 .5 .5 EO2 42 50 POLY(1) (30,98) .8914 1 RCM1 60 61 159.2E3 * RCM2 61 98 159 * モデル CCM1 60 61 50E-12 * * .MODEL MMIN * PSRR=90dB、200Hzでゼロ +KP=20E-6,CGSO=0,KF=2.5E-31,AF=1) * .MODEL MPIN RPS1 70 0 1E6 +KE=20E-6,CGSO=0,KF=2.5E-31,AF=1) RPS2 71 0 1E6 .MODEL MNOUT NMOS(LEVEL=2,VTO=0.75, CPS1 99 70 1E-5 +KP=30E-6,LAMBDA=0.04,CGSO=0) CPS2 50 71 1E-5 .MODEL MPOUT PMOS(LEVEL=2,VTO=-0.75, EPSY 98 72 POLY(2) (70,0) (0,71) 0 1 1 +KP=20E-6,LAMBDA=0.04,CGSO=0) RPS3 72 73 1.59E6 .MODEL DX D(IS=1E-16) CPS3 72 73 500E-12 .ENDS OP250 NMOS(LEVEL=2,VTO=0.75, PMOS(LEVEL=2,VTO=-0.75, RPS4 73 98 50 * − 14 − REV.0 OP250/OP450 外形寸法 サイズはインチと(mm)で示します。 8ピンSOIC 8ピンのTSSOP (SO-8) (RU-8) 0.122 (3.10) 0.114 (2.90) 0.1968 (5.00) 0.1890 (4.80) 5 1 4 ピン1 0.2440 (6.20) 0.2284 (5.80) 8 0.0688 (1.75) 0.0532 (1.35) 0.0098 (0.25) 0.0040 (0.10) 0.0500 0.0192 (0.49) 実装面 (1.27) 0.0138 (0.35) BSC 0.0196 (0.50) x 45° 0.0099 (0.25) 0.0098 (0.25) 0.0075 (0.19) 8° 0° 1 0.0433 (1.10) MAX 0.0118 (0.30) 0.0075 (0.19) 0.0079 (0.20) 0.0035 (0.090) 14ピンのTSSOP (N-14) (RU-14) ピン1 0.028 (0.70) 0.020 (0.50) 0.280 (7.11) 0.240 (6.10) 0.060 (1.52) 0.015 (0.38) 0.130 (3.30) MIN 0.100 0.070 (1.77) (2.54) 0.045 (1.15) BSC 実装面 14 0.325 (8.25) 0.300 (7.62) 0.195 (4.95) 0.115 (2.93) 8 0.256 (6.50) 0.246 (6.25) 7 0.177 (4.50) 0.169 (4.30) 8 1 8° 0° 0.201 (5.10) 0.193 (4.90) 14 1 0.015 (0.381) 0.008 (0.204) 7 ピン1 0.006 (0.15) 0.002 (0.05) 実装面 REV.0 0.0256 (0.65) BSC 14ピン・プラスチックDIP 0.795 (20.19) 0.725 (18.42) 0.160 (4.06) 0.115 (2.93) 0.022 (0.558) 0.014 (0.356) 4 ピン1 0.006 (0.15) 0.002 (0.05) 0.0500 (1.27) 0.0160 (0.41) 実装面 0.210 (5.33) MAX 5 0.256 (6.50) 0.246 (6.25) 8 0.177 (4.50) 0.169 (4.30) 0.1574 (4.00) 0.1497 (3.80) − 15 − 0.0433 (1.10) MAX 0.0256 (0.65) BSC 0.0118 (0.30) 0.0075 (0.19) 0.0079 (0.20) 0.0035 (0.090) 8° 0° 0.028 (0.70) 0.020 (0.50) うにやさ ゅ い し ちき PRINTED IN JAPAN D0966-2.7-4/99,1A OP250/OP450 み る 「この取扱説明書はエコマーク認定の再生紙を使用しています。」 ど りをまも − 16 − REV.0