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® Qubit 3.0 Fluorometer アプリケーションノート集 目 次 蛍光ベースの定量法とUV ベースの吸光度測定法との比較 ® 高精度かつ高感度なタンパク質の定量 Qubit dsDNAアッセイにおける一本鎖 DNA の影響 Qubit-3-AppNote日本版_1121_ob.indd 1 ページ番号 3 ® Qubit Fluorometer を使用した Qubit DNA/RNAアッセイにおける ™ グリコーゲンとGlycoBlue 試薬の使用 ® 6 10 12 14/11/21 18:41 2 Qubit-3-AppNote日本版_1121_ob.indd 2 14/11/21 18:41 蛍光ベースの定量法と UV ベースの吸光度測定法との比較 Qubit Fluorometerによる定量 vs.分光光度計による定量 ® 核酸の検出と定量は、多くの生物学的研究で必要不可欠です。こ れまで DNA や RNA は、260 nm の波長の吸収度を測定する分光 光度計を使 用して定 量されてきました。この分析 法は、広く一 般 的に利用されていますが、信頼性や正確さに劣る場合もあります [1–4]。UV 吸光度測定法は選択的ではなく、DNA 、RNA 、または タンパク質が混合されたサンプルでは、これらを区 別してそれぞ れの定量結果を表示することはできません。また、その測定値は 他の混入物(遊離ヌクレオチド、塩、有機化合 物など)や塩基 組 成の差異によって容易に影響されます。さらに、分光光度計の感 度は不十分であることが多いため、これが低濃度の DNA や RNA を定量する妨げとなります。 これらの欠点が考慮され、核酸の定量には蛍光色素を使用する方 法が一 般的になってきています [5–8] 。蛍 光ベースの定 量は、よ ® り高感 度で、多くは目的の核酸に特異的です。弊社では、Qubit ® Fluorometer と NanoDrop ND-1000 Spectrophotometer の 2 ® つ の 定 量 法につ いて比 較しました。そ の 結 果、Qubit による蛍 ® 光 定 量 で は、NanoDrop ND-1000 Spectrophotometer に よ る UV 吸光度 測定に比べて、より選択性が高く、高感度かつ高精度 な核酸 定 量が可能であることが 確認されました。しかしながら、 ® ® Qubit Fluorometer と NanoDrop ND-1000 Spectrophotometer は、組 み 合 わ せ て DNA ま た は RNA の 濃 度 測 定 に使 用 すると、 ® ® Qubit Fluorometer で正確な濃度測定、そして NanoDrop ND1000 Spectrophotometer で夾雑物の存在の確認を行うことがで きます。 表1. Qubit® Fluorometerを使用したQubit® Assay キット サンプルの初期濃度範囲 ® 10 pg/µL–100 ng/µL ® 100 pg/µL–1µg/µL ® 50 pg/µL–200 ng/µL ® 250 pg/µL–100 ng/µL ® 1 ng/µL–1µg/µL ® 12.5µg/mL–5 mg/mL Qubit dsDNA HS assay Qubit dsDNA BR assay Qubit ssDNA assay Qubit RNA assay Qubit RNA BR assay Qubit protein assay ® Qubit 蛍光定量の概要 Qubit 蛍光定量は、ユーザーフレンドリーな蛍光光度計と高感度 ® な蛍光ベースのタンパク質定量アッセイを組み合わせて行います。 ® Qubit Fluorometer は、DNA 、RNA 、およびタンパク質のル ー ® チンな定量用の Qubit Assay Kit とシームレスに連動するように 設 計された小さく、リーズナブルな 装置です(表 1)。すべての設 定と計算が可能です。本システムは、シンプルで迅 速、かつ操作 が簡便でありながら、一貫性のある高精度な測定結果を得られる ため、信頼性を持ってその後の解析に進むことができます。それ ® ぞれの Qubit Assay Kit による定量は、単一のターゲットに高特 異的で、他の吸光度ベースの測定よりも高感 度です。わずか 1 ∼ 20µL のサンプル量しか必要としないため、より少量 サンプル の 定量への使用、より多くのサンプルの解析が可能です。 3 Qubit-3-AppNote日本版_1121_ob.indd 3 14/11/21 18:41 キットの スタンダード 10 µL 全量が200 μLになるように Qubit®ワーキング ソリューションを 分注します。 10 µL すべてのアッセイチューブを 2∼3秒ボルテックスします。 室温で2分(DNA、RNA) (タンパク質) または15分 インキュベーションします。 ユーザー のサンプル 1–20 µL 1–20 µL 1–20 µL 全量が200 μLになるように Qubit®ワーキング ソリューションを 分注します。 Qubit®Fluorometer で チューブを測定します。 図1. Qubit® 2.0 Fluorometerを使用したQubit® Assay のワークフロー ® ® Qubit アッセイは、Qubit Fluorometer と組み合わせて使用する DNA または RNA に対する選択性の比較 核酸濃 度 測定における Qubit 蛍光定量法と UV 吸光度 測定法の 最も重要な違いは、Qubit アッセイの持つ目的の分子に非常に特 異的であるという選択性で、UV 吸 光度 測定 法に比べてはるかに 正 確 な 情 報 が 得られます。UV 分析を 使 用すると、DNA と RNA ® ® を両方含むサンプルでは、これらを区別してそれぞれの定量結果 ® を表示することはできません。これに対し、Qubit 蛍光定量法で は、このようなサンプルにおいて、DNA と RNA の両方を正確に ® 測 定 することが できます(図 2)。この 実 験では、Qubit dsDNA BR Assay Kit を使用したところ、RNA が DNA と同量含まれるサ ンプルにおいて DNA 濃度は実際の濃度の 2 %以内の誤差範囲で 測 定されました。さらに、RNA が DNA の 10 倍含まれるサンプ ルにおいては、DNA 濃 度 が 実 際 の 濃 度よりわずか 7 %高く測 定 されました。このように DNA と RNA が両方含まれるサンプルで ® は、NanoDrop Spectrophotometer を使用した UV 吸光度測定 で DNA 濃度を正確に測定することはできず、そ の 後 の 解 析にお いてエラーが増 加する可能 性 があります。 140 Qubit® dsDNA BR Assay Qubit® RNA BR Assay NanoDrop® ND-1000 DNA測定 UV吸光度DNA測定 120 濃度測定値 ng/μL ように設計されており、すべてのアッセイに同じ標準プロトコール が使用されます。シンプルな mix-and-read 形式を採用しており、 DNA および RNA アッセイに要するインキュベーション時間はわ ずか 2 分です(図 1)。 100 80 60 40 20 0 10:0 10:5 10:10 10:20 10:30 10:40 10:50 10:75 10:100 DNA:RNA 比(ng/μL) 図2. Qubit® Assay の選択性に関するUV 分光光度計との比較 Qubit dsDNA BR および Qubit RNA BRを使用し、キットのプロトコールに従 い、λ DNA(10ng/µL )およびさまざまな濃度の E.coliリボソームRNA(0 ∼100 ng/µL )が含まれるサンプルを3 つずつ Qubit Fluorometerで解析した。 その後、同じサンプルを NanoDrop ND-1000 Spectrophotometerを使用して 3 つずつ解析し、さらにPerkinElmer Lambda 35 Spectrophotometerを使用 して 1つずつ解 析した。表 示されている濃 度は、Qubit ® アッセイチューブで希 釈 する前の初期サンプルに含まれるDNA とRNA の濃度を示す。赤とオレンジのラ インは、それぞれ初期サンプルに含まれる実際の DNA とRNA の濃 度を示す。核 酸の実際の濃 度は、高純 度の DNA と RNA 濃縮溶液をそれぞれ希 釈し、Perkin Elmer ® Lambda 35 Spectrophotometer で 260nm の光学濃度が 1.0 になる よう設 定した。その後、ストック溶液の濃 度は、すべて希釈時に計算して使 用し た。UV 分 光 分析を使 用すると、DNA と RNA を両方含む サンプルの測定におい て、DNA とRNA を区 別して定量することができないため、混合された状態の定 量結果が表示される。 ® ® ® ® ® 4 Qubit-3-AppNote日本版_1121_ob.indd 4 14/11/21 18:41 A B 4,610 3,475 2,730 975 70 Qubit® dsDNA HS Assay NanoDrop® ND-1000 DNA測定 70 60 50 40 30 20 10 0 0.01 0.02 0.03 0.1 0.5 1 2 4 6 8 10 10サンプルの変動[% CV] 実際の濃度からの平均偏差[%] 80 Qubit® dsDNA HS Assay NanoDrop® ND-1000 DNA測定 60 50 40 30 20 10 0 0.01 0.02 0.03 0.1 [DNA] (ng/µL) 0.5 1 2 4 6 8 10 [DNA] (ng/µL) 図3. Qubit® Fluorometerによる蛍光定量の正確度と精密度 Qubit dsDNA HS Assayを使用し、標準的なキットのプロトコールに従い、濃度 0.01∼10 ng/µLのλ DNA サンプルを 10 サンプルずつ Qubit Fluorometer で解析 した。次に同じ濃度の DNA についてNanoDrop® ND-1000 Spectrophotometer を使用して10 サンプルずつ解析し、双方の結果の正確度( A )と精度(B)を比較し た。正確度は実際の濃度からの平均偏差として定義した。表示されている濃度は、Qubit®アッセイチューブで希釈する前の初期サンプルに含まれるDNA 濃度を示す。 ® ® 低濃度での正確度と精度の比較 ® ® Qubit 蛍 光 定 量 法 は、低 濃 度 域 の 測 定 に お いて、NanoDrop UV Abs (NanoDrop®) Spectrophotometer な ど を 使 用 す る UV 吸 光 度 測 定 法よりも正確かつ精密な結果が得られるように設計されています。 Qubit® DNA HS ® ® Qubit dsDNA HS Assay Kit を 使 用した Qubit Fluorometer に よる定 量では、 サンプル中の DNA 濃 度 が最 低 10 pg/µL までは、 Qubit® DNA BR 実 際 の 濃 度 の 12 % 以 内 の 誤 差 範 囲 で 測 定 されました( 図 3A )。 ® こ れ に 対 し、NanoDrop Spectrophotometer に よ る 同 じ サ ン プルの定 量では 46 倍高く測定されました。10 ng/µL の DNA を Qubit® RNA ® 含 む サ ン プ ル の 濃 度 は、Qubit Fluorometer を 用 い た 場 合 は ® 実 際 の 濃 度 の 1 % 以 内、NanoDrop Spectrophotometer を 用 Qubit® RNA BR いた場 合は実 際 の 濃 度の 5 % 以 内の正確さで 読 み取られました ® (NanoDrop Spectrophotometer に よる定 量下 限 は 2ng/µL と 10–3 101 102 104 10–2 10–1 100 103 105 ® 報 告 さ れて い ま す)。ま た、Qubit Fluorometer に よる定 量 で 初期サンプル濃度(ng/μL) は、DNA 濃 度 が 少なくとも 0.5 ng/µL 以 上のサンプルすべてに 図4. Qubit AssayとNanoDrop Spectrophotometerを使用したUV 吸光度測定 お いて 10 サン プル の 変 動(% CV)は 1 % 以下でした( 図 3B)。 ® 法のサンプルの濃度範囲の比較 NanoDrop Spectrophotometer による定 量では、DNA 濃 度 が 4ng/µL 以 上のサンプルにおいてのみ 9 % 未満の CV 値 が 得られ ました。 ® 感度とレンジの比較 ® 夾雑物存在下における検出能 ® ® Qubit Fluorometer を使用する Qubit Assay は、UV 吸光度測定 法よりも高感 度であり、1 ∼ 20µL の 少量サンプルの測定が可能 なことからアッセイの有効範囲は広がる可能性があります(図 4)。 Qubit dsDNA HS Assay と Qubit dsDNA BR Assay は、 合 わ せて 10 pg/µL ∼ 1µg/µL DNA のサンプル濃 度範囲をカバーして います。同様に、Qubit RNA Assay と Qubit RNA BR Assay は、 合わせて 250 pg/µL ∼ 1µg/µL のサンプル濃 度範囲をカバーして い ま す。NanoDrop Spectrophotometer は、2 ng/µL ∼ 15µg/ µL のサンプル濃 度 範囲をカバーしていることが 製 造 元より報告 ® ® ® ® NanoDrop Spectrophotometer のフルスペクトル吸 光度 分析で は、夾 雑物の存 在を示すピークが検出されることがあります。こ れにより、下流の解析に悪影響を及ぼす可能性のある夾雑物の存 在に関する有益な情報が得ることができます。 ® ® されています。 参考文献 1. Glasel JA (1995) Biotechniques 18:62–63. 2. Huberman JA (1995) Biotechniques 18:636. 3. Manchester KL (1995) Biotechniques 19:208–210. 4. Manchester KL (1996) Biotechniques 20:968–970. 5. Singer VL, Jones LJ, Yue ST et al. (1997) Anal Biochem 249:228–238. 6. Jones LJ, Yue ST, Cheung CY et al. (1998) Anal Biochem 265:368–374. 7. LePecq JB (1966) Anal Biochem 17:100–107. 8. Kapuscinski J (1995) Biotech Histochem 70:220–233. 5 Qubit-3-AppNote日本版_1121_ob.indd 5 14/11/21 18:41 ® Qubit Fluorometer を使用した ® Qubit DNA/RNA アッセイにおける ™ グリコーゲンと GlycoBlue 試薬の使用 ® Glycogen( 分 岐 構 造 を 持 つ 糖 鎖 ; 製 品 番 号 10814010) と GlycoBlue 試薬(青色色素と共有結合しているグリコ― ゲン ; 製 品 番号 AM9515)は、余 分な核酸をサンプルに加えることなく核 ® Qubit RNA BR、 お よ び Qubit RNA HS の 4 つ の アッ セ イ す べて で正 確に定 量されました(コントロール の 5 % 以 内)。同 様 に、500 ng/µL の GlycoBlue 試 薬( アッ セイチューブ 中 25 ng/ µL) が 含 ま れ る 核 酸 サ ン プ ル は、Qubit dsDNA BR、Qubit dsDNA HS 、および Qubit RNA BR の 3 つ のアッセイで正確に 定 量されました。しかしながら、Qubit RNA HS アッセイでは、 GlycoBlue 試薬が 100 ng/µL(アッセイチューブ中 5 ng/µL)以下 ™ ™ ® 酸の沈殿を促進するために一般的に使用される試薬です。本試験 ™ ® は、グリコーゲンまたは GlycoBlue 試薬が Qubit キットを使 用 した核酸 定量の精度に影響を与えるかどうかを評価するために実 施しました。 ® ® ® ™ の濃度のときにのみ正確に定量されました。以上より、試験を行っ ® た Qubit DNA/RNA アッセイは全てにおいて、DNA または RNA ™ サンプルにグリコーゲンまたは GlycoBlue 試薬が含まれる場合、 製造元が推奨する上記の濃度での定量が可能であることが示され ました。試験を行った濃度、製造元の推奨濃度、および各アッセ イの結果を表 1 にまとめました。 概要 ® 本試験では、Qubit DNA/RNA 定量アッセイにおいて核酸サンプ ™ ルに高濃 度のグリコーゲンまたは GlycoBlue 試薬が含まれる場 合、正確に核酸定量を行えるかどうかについて評価しました。 500 ng/µL のグリコー ゲン(アッセイチューブ中 25 ng/µL)が含 ® ® まれる核酸サンプルは、Qubit dsDNA HS 、Qubit dsDNA BR、 表1. 本試験で使用した添加物の濃度 添加物 グリコーゲン 推奨濃度(アッセイチューブで希釈す る前のサンプル濃度)* 試験を行った濃度(アッセイチューブ 200–400 ng / µL 500 ng / µL † で希釈する前のサンプル濃度) (アッセイチューブ濃度 10–20 ng/µL **) (アッセイチューブ濃度 25 ng/µL **) GlycoBlue 試薬 ™ 50 ng /µL (アッセイチューブ濃度 2.5 ng/µL **) 50–500 ng / µL (アッセイチューブ濃度 2.5–25 ng/µL **) ® 各 Qubit アッセイにおける許容濃度 § (アッセイチューブ濃度) dsDNA HS: 25 ng/µL dsDNA BR: 25 ng/µL RNA BR: 25 ng/µL RNA HS: 25 ng/µL dsDNA HS: 25 ng/µL dsDNA BR: 25 ng/µL RNA BR: 25 ng/µL RNA HS: 5 ng/µL * 製品付属の取扱説明書に記載されている製造元による推奨濃度。 † 本試験で評価を行った濃度。 §アッセイ用に 20 倍希釈した終濃度。 ® ** 核酸サンプルはアッセイ用に 20 倍希釈。10µL の核酸サンプルをアッセイチューブ中の Qubit 試薬に添加。 6 Qubit-3-AppNote日本版_1121_ob.indd 6 14/11/21 18:41 アッセイ方法および結果 ® Qubit® Fluorometerによる測定値(ng/mL) Qubit® Fluorometerによる測定値(ng /mL) Qubit dsDNA HS アッセイ アッセイのコアレンジ : 1 ∼ 500 ng/mL の二本鎖 DNA 50 40 30 20 10 0 グリコーゲン ™ GlycoBlue 試薬 500 400 300 200 100 0 グリコーゲン コントロール 図1.25ng/µLのグリコーゲンまたはGlycoBlue™ 試薬(アッセイチューブ濃度)が含 まれるDNAサンプルとDNAのみが含まれるサンプルのQubit® dsDNA HSアッセ イ測定結果の比較 アッセイチューブ内の DNA 濃度は 50ng/mL(Qubit dsDNA HSアッセイの推 奨測定範囲の下限付近)。アッセイチューブに含まれるサンプル量は10µL∼15µL で、各3 サンプルずつ測定した平均値を結果として表示。 ® GlycoBlue™ 試薬 コントロール 図2. 25ng/µLのグリコーゲンまたは GlycoBlue™ 試薬(アッセイチューブ濃度)が 含まれるDNAサンプルとDNAのみが含まれるサンプルのQubit® dsDNA HSアッ セイ測定結果の比較 アッセイチューブ内のDNA 濃度は 500ng/mL(Qubit dsDNA HSアッセイの推奨 測定 範囲の上限付近)。アッセイチューブに含まれるサンプル量は 10µL∼15µL で、各3 サンプルずつ測定した平均値を結果として表示。 ® ® Qubit® Fluorometerによる測定値(μg /mL) Qubit® Fluorometerによる測定値(μg /mL) Qubit dsDNA BR アッセイ アッセイのコアレンジ : 0.01 ∼ 5µg/mL の二本鎖 DNA 0.45 0.40 0.35 0.30 0.25 0.20 0.15 0.10 0.05 0 グリコーゲン GlycoBlue™ 試薬 コントロール 4.5 4.0 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0 グリコーゲン GlycoBlue™ 試薬 コントロール 図3. 25ng/µLのグリコーゲンまたはGlycoBlue™ 試薬(アッセイチューブ濃度)が 含まれるDNAサンプルとDNAのみが含まれるサンプルのQubit® dsDNA BRアッ セイ測定結果の比較 アッセイチューブ内の DNA 濃度は 0.5µg/mL(Qubit dsDNA BR アッセイの推 奨測定範囲の下限付近)。アッセイチューブに含まれるサンプル量は10µL∼15µL 図4. 25ng/µLのグリコーゲンまたはGlycoBlue™ 試薬(アッセイチューブ濃度)が 含まれるDNAサンプルとDNAのみが含まれるサンプルのQubit® dsDNA BRアッ セイ測定結果の比較 アッセイチューブ内の DNA 濃度は 5µg/mL(Qubit dsDNA BR アッセイの推奨測 定範囲の上限付近)。アッセイチューブに含まれるサンプル量は10µL∼15µLで、 で、各2∼3 サンプルずつ測定した平均値を結果として表示。 各3 サンプルずつ測定した平均値を結果として表示。 ® ® 7 Qubit-3-AppNote日本版_1121_ob.indd 7 14/11/21 18:41 ® Qubit® Fluorometerによる測定値(μg /mL) Qubit® Fluorometerによる測定値(μg /mL) Qubit RNA BR アッセイ アッセイのコアレンジ : 0.1 ∼ 5µg/mL の RNA 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 グリコーゲン GlycoBlue™ 試薬 5 4 3 2 1 0 グリコーゲン コントロール 図5. 25 ng/µLのグリコーゲンまたはGlycoBlue™ 試薬(アッセイチューブ濃度)が 含まれるRNAサンプルとRNAのみが含まれるサンプルのQubit® RNA BRアッセ イ測定結果の比較 アッセイチューブ内の RNA 濃度は 0.5µg/mL(Qubit RNA BR アッセイの推奨測 定範囲の下限付近)。アッセイチューブに含まれるサンプル量は10µL∼15µLで、 各3 サンプルずつ測定した平均値を結果として表示。 ® GlycoBlue™ 試薬 コントロール 図6. 25 ng/µLのグリコーゲンまたはGlycoBlue™ 試薬(アッセイチューブ濃度)が 含まれるRNAサンプルとRNAのみが含まれるサンプルのQubit® RNA BRアッセ イ測定結果の比較 アッセイチューブ内の RNA 濃度は 5µg/mL(Qubit RNA BR アッセイの推奨測定 範囲の上限付近)。アッセイチューブに含まれるサンプル量は10µL∼15µLで、各 3 サンプルずつ測定した平均値を結果として表示。 ® ® Qubit® Fluorometerによる測定値(ng /mL) Qubit® Fluorometerによる測定値(ng /mL) Qubit RNA HS アッセイ アッセイのコアレンジ : 25 ∼ 500 ng/mL の RNA 50 40 30 20 10 0 グリコーゲン GlycoBlue™ 試薬 コントロール 図7. 25 ng/µLのグリコーゲンまたはGlycoBlue™ 試薬(アッセイチューブ濃度)が 含まれるRNAサンプルとRNAのみが含まれるサンプルのQubit® RNA HSアッセイ 測定結果の比較 アッセイチューブ内の RNA 濃度は 50ng/mL(Qubit RNA HSアッセイの推奨測 定 範囲の下限付近 )。25 ng/µL の GlycoBlue ™ 試 薬 が含まれる RNAサンプルで は、コントロールの 5 %以内の測定結果が得られなかった。アッセイチューブに 含まれるサンプル量は10µL∼15µLで、各3 サンプルずつ測定した平均値を結果と して表示。 ® 500 400 300 200 100 0 グリコーゲン GlycoBlue™ 試薬 コントロール 図8. 25 ng/µLのグリコーゲンまたはGlycoBlue™試薬(アッセイチューブ濃度)が 含まれるRNAサンプルとRNAのみが含まれるサンプルのQubit® RNA HSアッセイ 測定結果の比較 アッセイチューブ内の RNA 濃度は 500 ng/mL(Qubit RNA HSアッセイの推奨 測定範囲の上限付近)。25ng/µL の GlycoBlue™ 試薬が含まれるRNAサンプルで は、コントロールの 5 %以内の測定結果が得られなかった。アッセイチューブに 含まれるサンプル量は10µL∼15µLで、各3 サンプルずつ測定した平均値を結果と して表示。 ® 8 Qubit-3-AppNote日本版_1121_ob.indd 8 14/11/21 18:41 ® Qubit® Fluorometerによる測定値(ng/mL) Qubit® Fluorometerによる測定値(ng/mL) Qubit RNA HS アッセイ アッセイのコアレンジ : 25 ∼ 500 ng/mL の RNA 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 0 2.5 5 アッセイチューブ内のGlycoBlue 試薬の濃度(ng/μL) ® 400 300 200 100 0 0 ™ 図9. 0 ∼5 ng/µLのGlycoBlue™試薬(アッセイチューブ濃度)が含まれるRNAサン プルとRNAのみが含まれるサンプルのQubit® RNA HSアッセイ測定結果の比較 アッセイチューブ内の RNA 濃度は 50ng/mL(Qubit RNA HSアッセイの推奨測 定範囲の下限付近)。0 ∼ 5ng/µL の GlycoBlue™ 試薬が含まれるRNAサンプルで は、コントロールの 5 %以内の測定結果が得られた。アッセイチューブに含まれ るサンプル量は10µL∼15µLで、各2 サンプルずつ測定した平均値を結果として表 示。 500 2.5 5 ™ アッセイチューブ内のGlycoBlue 試薬の濃度(ng/μL) 図10. 0 ∼ 5 ng/µLの GlycoBlue 試薬(アッセイチューブ濃度)が含まれるRNAサ ンプルとRNAのみが含まれるサンプルのQubit RNA HSアッセイ測定結果の ™ ® 比較 アッセイチューブ内の RNA 濃度は 500 ng/mL(Qubit RNA HSアッセイの推奨 測定範囲の上限付近)。0 ∼ 5 ng/µL の GlycoBlue™ 試薬が含まれるRNAサンプル では、コントロールの 5 %以内の測定結果が得られた。アッセイチューブに含ま れるサンプル量は10µL∼15µLで、各2 サンプルずつ測定した平均値を結果として ® 表示。 9 Qubit-3-AppNote日本版_1121_ob.indd 9 14/11/21 18:41 高精度かつ高感度なタンパク質の定量 Qubit Fluorometerを使用したQubit Protein Assayと ® ® 他の既存のタンパク質アッセイとの比較 タンパク質は、生物学的プロセスにおいて広い範囲で基本的な役 割を果たしているだけでなく、バイオテクノロジーおよび製薬業界 において商業的にも重要であるため、その検出と定量は多くの生 物学的研究で必要不可欠です。 ® Qubit 定量プラットフォーム:迅速で操作が簡単 Qubit 定 量プラットフォームは、ユーザーフレンドリーな 蛍 光 光 ® 度計と高感 度な蛍光ベースのタンパク質 定 量アッセイの組み合わ ® せで構成されます。Qubit Fluorometer は、タンパク質、DNA 、 ® および RNA のルーチンな定 量 用の Qubit Assay Kit とシームレ スに連 動するように設 計された小さく、リーズナブルな 装置です 現在、数種の吸光度ベースおよび蛍光ベースのタンパク質アッセ イ法が汎用されていますが、それぞれの分析法に、タンパク質間 (図 1)。すべての設定と計算が可能です。本システムは、シンプル で迅速、かつ操作が簡便でありながら、一貫性のある高精度な測 差、夾雑物の影響、時間の制約、精度、感度、および腐食剤や有 定結果が得られるため、信頼性を持ってその後の解析に進むこと 害薬剤の必要性に関する欠点があります。弊社では、4 つの一般 ® 的なタンパク質アッセイについて、タンパク質間の測定値の変動、 ができます。それぞれの Qubit Assay Kit による定量は、単一の 正確 性、精度、精密度、および感 度を比 較しました。その 結果、 ターゲットに高特異的で、吸光度ベースの測定よりも高感度です。 ® ® Qubit Fluorometer を使 用した Qubit Protein Assay は、他の わずか 1 ∼ 20µL のサンプル量しか必要とせず、またすべてのアッ 一般的なアッセイよりもタンパク質の種類による測定値差が小さ セイ試薬は室温で保存できるため、試薬を解凍する必要もありま く、迅速な定量、正確、精密、かつ高感度な測定が可能であるこ せん。 とが示されました。 キットの スタンダード 10 µL 10 µL 全量が200 μLになるように Qubit®ワーキング ソリューション を分注します。 すべてのアッセイチューブを 2∼3秒ボルテックスします。 室温で2分(DNA、RNA) (タンパク質) または15分 インキュベーションします。 ユーザー のサンプル 1–20 µL 1–20 µL 1–20 µL 全量が200 μLになるように Qubit®ワーキング ソリューション を分注します。 Qubit®Fluorometer で チューブを測定します。 図1. Qubit ® Fluorometerを使用した Qubit® Protein Assay のワークフロー 10 Qubit-3-AppNote日本版_1121_ob.indd 10 14/11/21 18:41 ® Qubit Protein Assay、正確、精密、高感度 Qubit Fluorometer を 使 用 し た Qubit Protein Assay に つ い て、Bio-Rad Quick Start Bradford Protein Assay、Pierce BCA Protein Assay、 お よ び Pierce Modified Lowry Protein Assay の 3 つの一般的なタンパク質アッセイと比較しました(図 2)。 Bradford 法(Coomassie Brilliant Blue 使用)[1] では、タンパ ク質間で 測 定値に大きな変 動がみられました(図 2B)。BCA(ビ シンコニン酸)法などの分光光度計による測定 [2] では、正確な ® ® ® ™ Protein Assay では、タンパク質間差が小さく、正確 度および 精 密度に優れ、0.025 mg/mL 以下の低濃度のストックサンプルにお いても高感度な測定結果が得られました(図 2A )。 ® ® ® ™ Qubit Protein Assay は、還元剤、核酸、遊離アミノ酸などの多 くの一般的な夾雑物の影響を受けません。しかしながら、SDS(終 濃 度 >0.01%)、Tween 20 、および Triton X-100 などの 界 面 活 ® 性 剤の 使 用はお薦めしません。本アッセイの最 適な濃 度範囲は、 (0.25 ∼ 5µg(アッセイチュー ) アッセイチューブ内で1.25 ∼ 25µg/mL ブで希釈する前のストックサンプル濃度は 12.5 ∼ 5 mg/mL)です。 シンプルなキットフォーマットを採用しているため、簡単かつ迅速 にご使用いただけます。 時間での各ステップの操作が必要とされ、還元剤存在下での定量 が困難であり、また本試験でもみられたようにリゾチーム濃度が 高めに検出されることがよくあります(図 2C)。Lowry 法 [3]( 図 2D)は、時間のかかるマルチステップ手順を必要とし、界面活性 ® 剤、糖、および還元剤存 在下での定 量が困難とされます。Qubit A ® Qubit® Protein Assay Concentration determined by assay (mg/mL) 0.8 BSA 0.7 Lysozyme 0.6 Histone 0.5 Bovine pituitary extract 0.4 0.3 Low end of concentration range 0.2 0.2 0.15 0.1 0.05 0.1 0 0 -0.05 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 -0.1 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 Protein (mg/mL) Bio-Rad® Quick Start™ Bradford Protein Assay C Pierce® BCA Protein Assay BSA 0.7 Concentration determined by assay (mg/mL) Concentration determined by assay (mg/mL) D Pierce® Modified Lowry Protein Assay 0.8 0.8 0.8 Lysozyme 0.6 Histone 0.5 Bovine pituitary extract 0.4 0.3 0.2 0.1 0 BSA 0.7 Concentration determined by assay (mg/mL) B Lysozyme 0.6 Histone 0.5 Bovine pituitary extract 0.4 0.3 0.2 0.1 0 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 Protein (mg/mL) Lysozyme 0.6 Histone 0.5 Bovine pituitary extract 0.4 0.3 0.2 0.1 0 -0.1 -0.1 -0.1 BSA 0.7 0 0.1 0.2 0.3 0.4 Protein (mg/mL) 0.5 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 Protein (mg/mL) 図2. Qubit® Fluorometerを使用したQubit® Protein Assayでは、他の 3つの一般的なタンパク質アッセイと比較してタンパク質間での測定値の変動が少なく、正確、精 密、かつ高感度な測定結果が得られた。 ( A∼D)すべてのアッセイにおいて各タンパク質はいずれも同じロットのものを使用し、アッセイは製造元のプロトコールに従 い 3サンプルずつ解析した。Qubit® Protein Assay Kitに含まれているBSAを標準タンパク質として用いた。データをグラフ化し、試験した全濃度範囲におけるタンパク 質の種類による測定値差を示した。Aの挿入図は下限濃度域のタンパク質測定値の拡大図であり、Qubit® Fluorometerを使用したQubit® Protein Assay が高感度であ ることが示された。 参考文献 1. Bradford MM (1976) Anal Biochem 72:248–254. 2. Smith PK, Krohn RI, Hermanson GT et al. (1985) Anal Biochem 150:76–85. 3. Lowry OH, Rosebrough NJ, Farr AL et al. (1951) J Biol Chem 193:265–275.8. 11 Qubit-3-AppNote日本版_1121_ob.indd 11 14/11/21 18:41 ® Qubit dsDNA アッセイにおける 一本鎖 DNA の影響 ® ® 当社は、二本鎖 DNA(dsDNA)の定量用に、Qubit Fluorometer を使用した 2 つのアッセイ、Qubit dsDNA HS ® (for High Sensitivity)Assay(製品番号 Q32851)および Qubit dsDNA BR(for Broad Range)Assay(製品番号 Q32850)を提供しています。これらのアッセイの優位点の 1 つは dsDNA に対する特異性です。 本試験は、サンプ ® ルに短 鎖または長 鎖の一本 鎖 DNA(ssDNA)が含まれている場合に Qubit dsDNA 定 量アッセイによって正確に dsDNA 濃度を測定できるかどうかを評価するために実施しました。 ® Qubit dsDNA HS Assay Kit は、1 ∼ 500 ng/mL の 測 定 範 囲 の 高 純 度 dsDNA サ ン A. Qubit® Fluorometerで 測定されたDNA濃度(μg/mL) プルを使用した試験において、高い正確度 ® および密度を示しました。同様に、Qubit dsDNA BR Assay Kit は、0.01 ∼ 5µg/mL の測定範囲の高純度 dsDNA サンプルを使 用した試験において、高い正確度および精 度を示しました。本試験では、大部分の測 定範囲でわずか 2 ∼ 10 %の高純度 ssDNA が 検出されました。同様 の試 験において、 dsDNA と同量の ssDNA を添加したサンプ ルでは、dsDNA 単 独の試 験で得られた 濃 度から概ね 10 %以内の測定値が得られまし た。 B. Qubit® DNA HS Assay 500 oligo DNA long ssDNA 400 実験方法 長鎖と短鎖の 2 タイプの ssDNA の影響に ® ついて、Qubit の両アッセイで試 験しまし た。具体的には、18-mer のオリゴヌクレ オチド(M13 シー ケンシング プ ライマー、 配 列:5’TGTAAAACGACGGCCAGT 3’) お よ び M13mp18 ファー ジ 由 来 の ウ イル ス ssDNA(7,249 bases, New England Biolabs, 製品番号 N4040S)を使用しまし ™ (Invitrogen た。これらの ssDNA をλ DNA λ DNA, 製 品 番 号 25250010) に 対 して ® 単 独 ま た は 併 用 で、Qubit dsDNA BR Assay Kit( 製 品 番 号 Q32850) お よ び ® Qubit dsDNA HS Assay Kit( 製 品 番 号 Q32851)を用いて解析しました。 dsDNA 300 200 100 Qubit® Fluorometerで 測定されたDNA濃度(g/mL) 概要 結果 ssDNA 単独でのアッセイ 各 タ イ プ の DNA( オ リ ゴ DNA 、 長 鎖 ssDNA 、および dsDNA )についてそれぞ れ各アッセイで解 析しました。オリゴヌク レオチド および 長 鎖 ssDNA は いず れも、 ® Qubit dsDNA HS/BR Assay の 両 アッセ イで、実 際 の ssDNA 濃 度 の 10 % 以下 の 値として検出されました(製 造 元より報告 されている濃度をもとに算出) (図 1A およ ® び 1B.)。これらの結果は、Qubit dsDNA アッセイが ssDNA よりも dsDNA に 対し て高選択的であることを示しています。 Qubit® DNA BR Assay 10 oligo DNA long ssDNA 8 dsDNA 6 4 2 0 0 0 100 200 300 400 0 500 2 4 6 8 10 実際の濃度(μg/mL) 実際の濃度(μg/mL) 図1. Qubit® dsDNA HS(A)およびBR(B)Assay Kitによる一本鎖DNAの検出 キットのプロトコールに従って、長鎖 ssDNA(四角)、オリゴ DNA(菱形)、またはλDNA(三角)のサンプルを 各2 つずつ、 Qubit dsDNA HS Assayでは 0.5 ∼ 500 ng/mL 、Qubit dsDNA BR Assayでは 0.01∼10µg/mL の アッセイチューブ内濃度になるように添加した。すべてのストックサンプル(アッセイチューブで希釈する前のサ ンプル)は10 mM Tris, 1 mM EDTA( pH 7.5)bufferで希釈した。 ® ® 12 Qubit-3-AppNote日本版_1121_ob.indd 12 14/11/21 18:41 ® Qubit dsDNA HS Assay Kit による dsDNA 定量アッセイにおける ssDNA の影響 ssDNA 存 在下の Qubit dsDNA Assay において、ssDNA が dsDNA の定 量に影 響するかどうかについても試 験を行いました。 Qubit dsDNA HS Assay において、オリゴ DNA と dsDNA の濃度比が 1:1 では、試験したす べての濃度のサンプルで dsDNA 濃度はオリゴ DNA を含まないサンプルの測定値の 11%以内の値として検出さ れました(図 2)。長 鎖 ssDNA と dsDNA の 濃 度 比 が 1:1 の 低 い DNA 濃 度 では、dsDNA 濃 度は ssDNA を含 まないサンプルの測定値の 8 %以内の値として検出されました(図 2A および 2B)。しかしながら、長鎖 ssDNA と dsDNA の 濃 度 比 が 1:1 の高い 核 酸 濃 度 では、dsDNA 濃 度は ssDNA を含まないサンプル の 測 定値よりも 21%低い値として検出されました(図 2C)。このため、サンプルに少なくとも 400 ng/mL の dsDNA が含まれ、 ssDNA が混入している可能性がある場合は、Qubit dsDNA BR Assay を使用することをお薦めします。 ® ® ® Qubit® Fluorometerで 測定されたDNA濃度(ng/mL) 10 8 B. 5 ng/mL dsDNA oligo DNA long ssDNA 6 4 2 0 5:0 5:5 5:15 5:50 [dsDNA]:[long ss or oligo DNA] (ng/mL) C. 100 Qubit® Fluorometerで 測定されたDNA濃度(ng/mL) A. 80 50 ng/mL dsDNA oligo DNA long ssDNA 60 40 20 0 50:0 50:50 50:150 50:500 [dsDNA]:[long ss or oligo DNA] (ng/mL) Qubit® Fluorometerで 測定されたDNA濃度(ng/mL) 600 oligo DNA long ssDNA 500 ng/mL dsDNA 500 400 300 200 100 0 500:0 500:500 500:1,500 500:5,000 [dsDNA]:[long ss or oligo DNA] (ng/mL) 図2. Qubit® Fluorometerを使用したQubit® dsDNA HS Assayによる二本鎖DNA 定量におけるオリゴDNAまたは長鎖ssDNAの影響 dsDNA 濃度の 0 、1X 、3X 、または10X 希釈濃度のオリゴ DNA または ssDNA を dsDNA と混合したサンプルを各2 つずつ、アッセイチューブ 内で 5 ng/mL( A )、50 ng/mL(B)、および 500 ng/mL(C)の dsDNA 濃度になるようにQubit dsDNA HS Assay に添加した。すべて のストックサンプル(アッセイチューブで希釈する前のサンプル)は10 mM Tris, 1 mM EDTA (pH 7.5) bufferで希釈した。横線は実際の dsDNA の濃度を示す。 ® 13 Qubit-3-AppNote日本版_1121_ob.indd 13 14/11/21 18:41 ® Qubit dsDNA BR Assay Kit による dsDNA 定量アッセイにおける ssDNA の影響 Qubit dsDNA BR Assay において、オリゴ DNA と dsDNA の濃 度 比が 1:1 では、試 験したすべての濃 度のサ ンプルで dsDNA 濃度はオリゴ DNA を含まないサンプルの測定値の 3 %以内の値として検出されました。また、 長鎖 ssDNA と dsDNA の濃度比が 1:1 では、試験したすべての濃度のサンプルで dsDNA 濃度はオリゴ DNA を 含まないサンプルの測定値の 11%以内の値として検出されました(図 3)。 ® B. Qubit® Fluorometerで 測定されたDNA濃度(µg/mL) 0.10 long ssDNA 0.05 µg/mL dsDNA 0.12 Qubit® Fluorometerで 測定されたDNA濃度(µg/mL) A. 0.08 0.06 0.04 0.02 0 0.08 0.06 0.04 0.02 0 0.05:0 0.05:0.05 0.05:0.15 0.1:0 0.05:0.50 [dsDNA]:[long ssDNA] (µg/mL) D. Qubit® Fluorometerで 測定されたDNA濃度(µg/mL) 0.9 0.5 µg/mL dsDNA oligo DNA 0.8 long ssDNA 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 0.5:0 0.5:0.5 0.5:1.5 0.5:5.0 [dsDNA]:[long ss or oligo DNA] (µg/mL) 0.1:0.1 0.1:0.3 0.1:1.0 [dsDNA]:[oligo DNA] (µg/mL) 7 Qubit® Fluorometerで 測定されたDNA濃度(µg/mL) C. 0.1 µg/mL dsDNA oligo DNA 0.10 6 5 µg/mL dsDNA oligo DNA long ssDNA 5 4 3 2 1 0 5:0 5:5 5:15 5:50 [dsDNA]:[long ss or oligo DNA] (µg/mL) 図3. Qubit® Fluorometerを使用したQubit® dsDNA BR Assayによる二本鎖DNA 定量におけるオリゴDNAまたは長鎖ssDNAの影響 dsDNA 濃度の 0 、1X 、3X 、または10X 希釈濃度のオリゴ DNA または ssDNA を dsDNA と混合したサンプルを各2 つずつ、アッセイチューブ 内で 0.05µg/mL( A )、0.1µg/mL(B)、0.5µg/mL(C)、および 0.5µg/mL(D)の dsDNA 濃度になるようにQubit dsDNA BR Assay のア ッセイに添加した。すべてのストックサンプル(アッセイチューブで希釈する前のサンプル)は10 mM Tris, 1 mM EDTA (pH 7.5) bufferで 希釈した。横線は実際の dsDNA の濃度を示す。 ® 14 Qubit-3-AppNote日本版_1121_ob.indd 14 14/11/21 18:41 結論 同量の ssDNA が含まれるサンプルの dsDNA 濃 度の定量では、dsDNA 単独サンプルの測定値から概ね 10 %以内の値として dsDNA 濃度が検出されました。例えば、0.50µg/mL の dsDNA に 0.50µg/mL の長鎖 ssDNA が混合されたサンプルでは、dsDNA BR Assay で dsDNA は 0.52µg/mL と測定されました。しかしながら、dsDNA HS Assay による測定上限濃度の dsDNA の定量では、同量の長 鎖 ssDNA が含まれるサンプルの dsDNA 濃 度は、実際の dsDNA 濃 度のわずか 80 %の値として測定されました。このため、400 ng/ mL を超える dsDNA 濃度(アッセイチューブ)で長鎖 ssDNA の混入の可能性がある場合は dsDNA BR Assay を使用することをお薦め します。オリゴ DNA または長鎖 ssDNA が dsDNA の 3 倍以上の濃度で含まれる場合は、いずれのアッセイでも、大部分で dsDNA 濃 度は実際の dsDNA 濃度よりも 10 %以上高く測定されることが示されました。結果を表 1 にまとめました。 表1. Qubit® dsDNA HS/BR AssayにおけるssDNA 混入の影響 アッセイにおける ssDNA の許容混入量 * ® Qubit dsDNA HS Assay ® Qubit dsDNA BR Assay 18-mer オリゴ ssDNA 1:1 ssDNA:dsDNA 、全濃度域で影響なし 1:1 ssDNA:dsDNA 、全濃度域で影響なし M13mp18 ファージ(長鎖)ssDNA 1:1 ssDNA:dsDNA で、最大 400 ng/mL †まで 1:1 ssDNA:dsDNA 、全濃度域で影響なし *ssDNA の許容混入量が含まれるサンプルのアッセイにおける dsDNA 濃度測定値の変動は 11%未満。 † dsDNA 濃度(アッセイチューブ)が 400 ng/mL 以上で、長鎖 ssDNA の混入の可能性がある場合は dsDNA BR Assay はお薦めできません。dsDNA HS Assay の使用をお薦めします。 15 Qubit-3-AppNote日本版_1121_ob.indd 15 14/11/21 18:41 Ordering information 製品名 製品番号 価格 Qubit 3.0 Fluorometer Q33216 ¥ 195,000 Q33217 ¥ 215,000 Q33218 ¥ 210,000 サイズ 製品番号 価格 Qubit dsDNA BR Assay Kit ‘ , 2–1000 ng’ 100 assays Q32850 ¥ 10,500 , 2–1000 ng’ Qubit dsDNA BR Assay Kit ‘ 500 assays Q32853 ¥ 35,000 , 0.2–100 ng’ Qubit dsDNA HS Assay Kit ‘ 100 assays Q32851 ¥ 10,500 , 0.2–100 ng’ Qubit dsDNA HS Assay Kit ‘ 500 assays Q32854 ¥ 35,000 , 1–200 ng’ Qubit ssDNA Assay Kit ‘ 100 assays Q10212 ¥ 10,500 , 20–1000 ng’ Qubit RNA BR Assay Kit ‘ 100 assays Q10210 ¥ 10,500 , 20–1000 ng’ Qubit RNA BR Assay Kit ‘ 500 assays Q10211 ¥ 35,000 , 5–100 ng’ Qubit RNA HS Assay Kit ‘ 100 assays Q32852 ¥ 10,500 , 5–100 ng’ Qubit RNA HS Assay Kit ‘ 500 assays Q32855 ¥ 35,000 Qubit microRNA Assay Kit,‘1-100ng’ 100 assays Q32880 ¥ 10,500 Qubit microRNA Assay Kit,‘1-100ng’ 500 assays Q32881 ¥ 35,000 , 0.25–5 μg’ Qubit Protein Assay Kit ‘ 100 assays Q33211 ¥ 10,500 , 0.25–5 μg’ Qubit Protein Assay Kit ‘ 500 assays Q33212 ¥ 35,000 Qubit Assay Tubes 500 tubes Q32856 ¥ 6,500 ® Qubit 3.0 Quantitation Starter Kit ® ・ Qubit Fluorometer :1台 ・ dsDNA HS assay (100 assays):1個 ・ dsDNA BR assay (100 assays):1個 ・ RNA HS assay (100 assays):1個 ・ protein assay (100 assays):1個 ・ Qubit assay tubes (500):1セット ® ® Qubit 3.0 NGS Starter Kit ® ・ Qubit Fluorometer :1台 ・ dsDNA HS assay (500 assays):1個 ・ Qubit assay tubes (500):1セット ® ® 関連製品 製品名 ® ® ® ® ® ® ® ® ® ® ® ® ® ® Qubit Fluorometerの詳細は www.lifetechnologies.com/qubit をご覧ください。 ® 最新の価格および在庫数は、弊社ホームページ右上の “製品価格と在庫の検索” でご確認いただけます。 研究用にのみ使用できます。診断目的およびその手続上での使用はできません。 記載の社名および製品名は、弊社または各社の商標または登録商標です。 標準販売条件はこちらをご覧ください。www.lifetechnologies.com/TC 販売店 For Research Use only.Not for use in diagnostic procedures. © 2014 Thermo Fisher Scientific Inc. 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