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R 1 R ドイツのリングフェダー社とベルリン工科大学が共同で開発した独創的な軸・ハブ締結要素シュパンリングを我々、竹田商事(株) が国内の機械業界にご紹介して以来、多くのエンジニアからこのメカニズムが支持され、日本の工業界においてもごく一般的な機械 要素として認知して戴くまでになりました。しかしながら、素晴らしいアイデアから生まれた製品にはコピー商品が出回るのは世の 常です。対比的に考えればコピー商品が出回って初めて本物が存在するのですが、長年のノウハウとバックデータそして実績を持っ ているオリジナル製品とコピー商品は果たして同一のものでしょうか?ノウハウを持たずコストのみを追求し開発コストをかけず、 安易に外観コピーした商品が、トライ&エラーを繰り返してきたオリジナルメーカの隠された開発トレースや素材・製法までコピー するのは難しいことです。 しかし設計者が一体どの製品が品質的に優れているのか?採用前に逐一実験評価するのは困難です。 そのため長期的な視野でマシー ンエレメントを選択しなければなりません。目先のコスト低減を優先するあまり、軽度な事故でも復旧と信頼回復コストが数千倍・ 数万倍になることがしばしばあります。 コスト低減を追求しながら高性能化・コンパクト化・高寿命化などの二律背反を実践するために、もっとも大切な技術情報は限界設 計の見極めに関するものです。数多くの要素の集合体であるマシーンがより完成度を高め、さらに最終的には総合コストを低減する ために、 設計時に危険度の判断や無駄を省き機構の改善アドバイスなどの高付加価値のノウハウを提供できる製品がどれなのかを判 断しなければなりません。 私たちは、それらのノウハウをうまく設計者にお伝えすることが私たちの最も重要な課題であると信じ努力しています。しかしそれ らのノウハウのすべてをこのカタログ上に表現するのは不可能ですので、 ここでは製品の輪郭だけにとどめていることをご理解戴き、 設計時には是非とも当社の技術情報あるいはメーカコネクションをご利用戴きますようお願い致します。 大阪本社 : 530-6591 大阪市北区中之島 3-6-32 TEL : 06-6441-1503 FAX : 06-6441-1916 東京営業所: 113-0033 東京都文京区本郷 3-5-2 TEL : 03-3815-6501 FAX : 03-3816-4522 名古屋営業所: 460-0008 名古屋市中区栄 1-22-16 TEL : 052-203-1103 FAX : 052-203-1104 http://www.takeda-trade.co.jp [email protected] 2 R 特長 ............................................................................................................................................ 4 規格表 ............................................................................................................................................ 6 規格表説明 ............................................................................................................................................ 7 ハブ必要外径寸法(1set 使用時)............................................................................................................................. 8 ハブ必要外径寸法(複数使用時)............................................................................................................................. 9 計算 ............................................................................................................................................ 10 ハブと中空軸の計算 ............................................................................................................................................ 11 組み付け・分解 ............................................................................................................................................ 12 設計上のヒント ............................................................................................................................................ 13 実用例 ............................................................................................................................................ 16 公差表 ............................................................................................................................................ 18 技術質問シート ............................................................................................................................................ 20 3 R 特長 RINGFEDER シュパンリング RfN7012 は、クサビと摩擦を活 用した画期的な機械式力ばめ締結要素で、 シンプルなメカニズ ムと強靱な部材は、他の締結方法にない特徴を持ち、世界各国 における 40 年来の耐用実績から、その信頼性を高く評価され ています。 F i g . 1 シュパンリング RfN7012 均質な面圧力による伝達性能 RINGFEDER シュパンリング RfN7012 の 1 セットの伝達可能 トルクが要求トルクに比べ不足するとき、 複数使用することに よって伝達力の増加が可能ですから超重負荷にも対応できま す。(6 ページ参照) 高い信頼性 このカタログに示されている伝達トルクおよびスラスト伝達力 は保証値であり、規格表のトルク T スラスト Fax 容量内の負 荷であれば、静的、動的、あるいは、衝撃的荷重であっても許 容します。 豊富な経験と各種の試験によって、 シュパンリングと軸および ハブの接触面にはオイルを塗布し、摩擦係数μ=0.12にされる ことを推奨します。 簡単な機械加工 軸とハブ穴の表面加工の許容値は、Ra ≦ 3.2 μ m ですから精 度管理はきわめて容易です。 高い互換性 シュパンリング RfN 7012 の内外輪の径方向変位量は大きくと れますので、 ルーズなはめあい公差でもトルク損失なく使用で きます。(7 ページ参照) 簡単な取付け シュパンリング RfN 7012 は、焼きばめの組立時のように、軸 とハブの温度差は不要で、 適正なトルクレンチとソケット類が あれば、簡単に固定できます。 4 R 簡単な取外し シュパンリング RfN 7012 の構造は、対向した2 個のクサビと 内・外輪およびロッキングボルトで構成され、輪バネの基本原 理に基づいて設定されたダブル角のクサビ(約 28 度)は分解に 際しても、ロッキングボルトを緩めるだけでリラックスし、同 時にハブも軸上を自由に移動させることができますから分解、 再調整がたやすくなります。 悪環境における高い順応性 ロッキングボルトを締めた後は、各接触面が完全に密着し、機 能面への異物や錆の侵入を防ぎます。 無限の適用範囲 シュパンリング RfN 7012 は、あらゆる形状のハブ、ボスと軸 の締結に適合し他の締結方法たとえば圧入、キー、スプライ ン、コッタなどが用いられた箇所には、すべて使用可能です。 実用例として、ギアーホィール、チェインスプロケット、カム、 カムプレート、ベルトプーリ、ブレーキディスク・ドラム、フ ライホィール、各種カップリング、クラッチ、中空軸タイプ減 速機、フランジ、ロープドラム、トラックホィール、インペラ などについては特に絶対の信頼性をもって締結できます。 高度の位置調整機能 シュパンリング RfN 7012 は、 軸上に段付きを必要としません ので、ハブを軸上の任意の位置に固定でき、さらに取付け角度 も無段階に調整できます。 完全な走行性 シュパンリング RfN 7012 は、 完全な面接合の摩擦締結要素で すから、どの部分においてもアソビ(ガタ)はありません。 高寿命 シュパンリング RfN 7012 の締結後は、 可動部分がまったくあ りませんので、金属疲労の蓄積がなく、必要に応じてロッキン グボルトを更新するだけで数次の取付け取外しを行なうことが できます。 両振り軸に対する高い疲れ強さ シュパンリング RfN 7012 は、軸・ハブ穴ともキー溝を必要と しませんから、 最小の切り欠き効果と最大の極断面係数を有効 に活用することによって、 より耐久力のあるコンパクトな設計 ができます。 過負荷保護機能 シュパンリング RfN 7012 は、 摩擦力で負荷を伝達する機構で すから、正しい設計と組立てがなされているとき、能力以上の 負荷を感知したときシュパンリングは必ずスリップし、 より重 要なパーツを保護することができます。 このような目的でシュ パンリングをご使用されるときは、 あらかじめ適正な関連部材 についてご相談ください。 簡単な設計計算 このカタログは設計に必要なデータを早見表で用意されていま す。 5 R シュパンリング RfN7012 規 格 表 寸法 伝達許容量 トルク 接触圧力 ロッキングボルト 締付トルク 取外し用 DIN912-12.9規格 指定値 タップ穴 スラスト シャフト側 ボス側 本数 6 質量 R 規格表説明 組込み条件 件:: 組込み前に、シュパンリング RfN 7012 と軸・ハブの各接触面 にオイルを塗布された状態で規格値T, Fax, p, p' は適合します。 (摩擦係数 μ =0,12) 詳細については、取扱説明書をご参照ください。 L1 dD D d l L 表面あらさ : 軸・ハブ穴とも Ra ≦ 3.2 μ m Fig.2 RINGFEDER シュパンリング RfN 7012 d x D, L, I, L1 = 基本寸法、締付け前 T = 伝達可能トルク Fax = 伝達可能スラストカ p = 接触面圧、対軸 p' = 接触面圧、対ハブ穴 TA = 締付けトルク、ロッキングボルト 1 本当り (トルクレンチをご使用のこと) dD = 分解用補助タップ径、フロントスラストリングの 2 ∼ 5 カ所に設けてあり、その設置箇所はメッキボル トが配置されています。 (ご注意 締付け時メッキボルトも TA 値で締付けま す。) はめあい公差 差:: シュパンリング RfN 7012 の内外輪には、Fig.2 のように、ス リットがあるため、径方向の変位量は大きく、比較的ルーズな 公差でも対応し、伝達トルクの損失もありません。公差のガイ ドラインは下記のとおりです。しかし、シュパンリング RfN 7012のスラストリング(くさび)に偏荷重をあたえないように、 軸(d)がマイナス公差の時はハブ穴(D)はプラス公差にし、 逆に、 軸(d)がプラス公差の時はハブ穴(D)はマイナス公差にします。 つまり、、軸(d)側とハブ穴(D)側のクリアランスは、できるだけ 等量になるよう選定してください。等量でない場合は、その差 が IT 9 を超えないようにご注意ください。 軸 :: k11 ∼ h 1 1 の 全 公 差 穴:: N11 ∼ H 1 1 の 全 公 差 ハブ穴 適合例 複数使用時の伝達可能トルク : 伝達可能トルク T では不足の場合は、複数の RfN 7012 を使用 することによって、伝達トルクの増加が可能です。 n sets の伝達可能トルク Tn は次式のとおり整数倍です。 DN D R b 1 Tn=n x T (n ≦ 4sets) d シュパンリングの能力アップと使用限界 シュパンリングの能力アップと使用限界:: シュパンリング RfN 7012に組込まれているロッキングボルト の強度区分は 12.9 ですが、規格表の締付けモーメント TA は 10.9 を基準にして設定していますので、軸・ハブの剛性に余 裕がある場合は、ロッキングボルトの締付けモーメントを約 120%まで増やし、伝達可能トルクを増加させることができま す。 (強度区分 12.9 の締付けモーメント TA 値は 10 ページを参照) 一方、よりコンパクトなデザインをする場合や、軸・ハブの剛 性が不足するときは、 締付けモーメントを抑えることによって 可能となります。ただし許容下限界は規格値 TA の 60% です。 センタリング F i g . 3 シュパンリング RfN 7012 によりハブを締結 DN = b ≧ L1 ハブの必要外径寸法 (8、9 ページ参照) (L1 は 6 ページに記載) シュパンリング RfN 7012 のみで、軸とハブの完全な芯出しを 行うことはできませんので、上図のように Centering(イン ロー)部分のクリアランスとハメアイ長さが、設計上重要なポ イントとなります。特に高い回転精度を要求される場合、イン ロー部のクリアランスはできるだけ小さく、 またハメアイ長さ も軸径以上にされるようお勧めします。 機構的にハブの長さ等 に制約がある場合はご相談下さい。 規 格 値 の 6 0 % ∼ 1 2 0 % の領域において、 T , Fa x, p, p' の の領域において、T 使用時以外 %使 各データ間には比例関係が成立します。 100% 、ハブの必要外径 の中空軸の許容穴径 d a と 、 ハブの必要外径 D N に つ い て は 1 1 ページの数式で求めることができます。 7 シュパンリング RfN 7012 DN (mm) 必要最小ハブ外径寸法 ハブの材料降伏点 Rp0.2 (N/mm2) 寸法 ボルトの 締め付け トルク dxD mm TA Nm 150 180 200 220 250 270 300 350 400 14 14 14 14 14 14 14 14 14 14 14 35 35 35 35 35 35 35 70 70 70 70 70 70 125 125 125 125 125 125 125 190 190 190 190 295 295 295 405 405 580 580 780 780 780 780 1000 1000 1000 1000 69 69 69 75 75 82 82 96 96 105 105 130 130 132 132 151 152 169 196 200 203 223 226 247 265 269 302 297 330 347 374 380 408 413 430 470 530 578 585 642 693 700 748 762 790 828 853 865 895 925 65 65 65 70 70 77 77 87 87 96 96 117 117 120 120 136 138 152 176 180 184 199 203 219 236 242 268 270 296 312 335 344 366 375 390 428 475 518 533 572 618 636 680 700 715 758 786 800 825 855 62 62 62 67 67 74 74 84 84 92 92 111 111 114 114 128 131 143 166 171 175 189 193 208 223 230 254 257 282 297 317 328 349 357 372 408 453 490 507 545 590 610 653 670 690 726 755 770 800 825 61 61 61 66 66 72 72 81 81 89 89 107 107 111 111 123 126 138 160 165 169 181 186 199 214 222 243 250 272 286 304 316 336 346 360 395 436 472 492 526 568 588 630 646 665 705 732 750 775 805 59 59 59 63 63 69 69 78 78 85 85 103 103 106 106 118 121 132 152 157 161 173 178 189 203 212 231 240 260 273 291 302 321 333 346 379 416 450 472 505 545 564 605 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x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x 47 47 47 50 50 55 55 60 60 65 65 75 75 80 80 85 90 95 110 115 120 125 130 135 145 155 165 180 190 200 210 225 235 250 260 285 305 325 355 375 405 425 455 475 495 515 545 565 585 605 シュパンリング RfN 7012 dxD mm 19 20 22 24 25 28 30 32 35 38 40 42 45 48 50 55 60 65 70 75 80 85 90 95 100 110 120 130 140 150 160 170 180 190 200 220 240 260 280 300 320 340 360 380 400 420 440 460 480 500 x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x ハブの材料降伏点 Rp0.2 (N/mm2) ボルトの 締め付け トルク 寸法 47 47 47 50 50 55 55 60 60 65 65 75 75 80 80 85 90 95 110 115 120 125 130 135 145 155 165 180 190 200 210 225 235 250 260 285 305 325 355 375 405 425 455 475 495 515 545 565 585 605 DN (mm) 必要最小ハブ外径寸法 TA Nm 150 180 200 220 250 270 300 350 400 14 14 14 14 14 14 14 14 14 14 14 35 35 35 35 35 35 35 70 70 70 70 70 70 125 125 125 125 125 125 125 190 190 190 190 295 295 295 405 405 580 580 780 780 780 780 1000 1000 1000 1000 79 79 79 87 87 96 96 113 113 127 127 168 168 163 163 200 192 223 258 257 256 294 291 335 359 347 409 368 425 447 493 480 525 511 531 582 682 764 725 800 864 868 929 931 932 1009 1026 1024 1060 1097 72 72 72 78 78 86 86 99 99 111 111 140 140 141 141 164 163 184 213 215 218 242 243 270 290 290 330 316 355 374 406 408 440 440 457 501 571 628 624 680 734 747 800 811 821 879 904 911 943 976 69 69 69 75 75 82 82 94 94 104 104 130 130 132 132 151 152 169 196 199 202 222 225 247 265 268 302 296 329 346 374 380 407 411 428 469 528 578 584 633 683 699 748 762 775 826 853 863 894 924 66 66 66 72 72 79 79 90 90 99 99 122 122 125 125 142 144 159 184 188 192 209 212 231 248 253 282 281 310 327 351 359 384 390 406 445 498 543 554 599 647 664 710 726 740 787 815 827 856 886 63 63 63 68 68 75 75 85 85 94 94 115 115 118 118 132 135 148 171 176 180 195 199 214 230 237 262 265 290 306 327 337 359 368 383 419 466 506 522 562 607 625 669 686 702 744 773 787 815 843 62 62 62 67 67 73 73 83 83 91 91 111 111 114 114 128 131 143 165 170 174 188 192 206 221 229 252 257 280 295 315 326 347 357 371 406 450 488 506 544 587 606 649 666 683 722 752 767 794 821 60 60 60 65 65 71 71 80 80 88 88 106 106 110 110 122 125 136 158 163 167 179 184 197 211 219 241 247 269 283 301 313 332 343 357 391 431 467 487 522 564 583 625 643 660 697 727 743 769 795 58 58 58 62 62 69 69 77 77 84 84 101 101 105 105 115 119 129 149 154 159 170 174 186 199 208 227 236 255 268 285 298 315 327 340 373 409 442 465 497 537 556 596 614 632 666 696 713 738 763 56 56 56 61 61 67 67 74 74 81 81 97 97 101 101 111 115 124 144 148 153 163 168 178 191 200 218 227 245 258 274 287 303 316 329 360 394 424 449 479 517 537 575 594 613 644 674 692 716 741 R 計算 伝達トルク T 伝達スラスト力 実際必要トルク T R の 吟 味 トルクとスラスト力が同時に負荷されるときは、 その合成力の 実際トルク TR がシュパンリング RfN 7012 の伝達可能トルク Fa x シュパンリング RfN 7012の締結方法は、力ばめのメカニズム と同じです。いずれも、伝達許容スラスト力 Fax や伝達トルク T は、内輪と軸および外輪とハブの接触面圧 p によって影響を 受けます。力ばめの接触面圧pはハブを加熱するか軸を冷却し た後、それらの収縮または拡張によって発生します。一方、 シュパンリング RfN 7012の場合は、ロッキングボルトの締付 けにより、スラストリングが軸方向にシフトし、その結果、内 外輪に径変位をあたえて接触面圧 p を発生します。 T を超過しないようチェックしなければなりません。 ( 2 Tg + F g ・ d 2 TR = Tg Fg d ) 2 8) = 最大必要トルク = 最大必要スラスト力 = 軸径 1)∼4)式は、一般的な摩擦締結に適合する数式で、5)、6)式は、 シュパンリング RfN 7012 の特有な形状を考慮したものです。 なお6)式中のkは、豊富な実験データを基にサイズごとに決定 されたセーフティ・マージンです。 許容ラジアルロード シュパンリング RfN 7012 が許容するラジアル力 Fr は、次式 で求めた接触圧力 Prad が、シュパンリング RfN 7012 の接触 圧力 p(6 ページ規格表参照)より低くなるように設計します。 Fax = FN ・ 1) Prad = Fr d・l FN = p ・ At 2) d I At = d ・ π ・ l 3) ラジアルロードが作用する構造の場合、中空軸の許容穴径 dB とハブの必要外径DNの計算は、両接触圧力(p+prad)を含めて計 算します。 T = FN ・ ・ d FN = F tan T = FN ・ 4) 2 = F 0.381 tan β = 0.25 tan ρ = µ = 0.12 = 軸径 = シュパンリング RfN 7012 の 内・外輪の軸方向の長さ 5) ・ d ・k 2 ロッキングボルト 前述したとおり、加圧力 F は、ロッキングボルトの初張力 Fv と本数の積で、伝達可能トルクを絶対確実なものとするため に、 ロッキングボルトの締付けはトルクレンチを使用して行わ なければなりません。 6) シュパンリング RfN 7012 の加圧力 F は、ロッキングボルトに よって与え、それはロッキングボルトの初張力 Fv と本数の積 に一致します。伝達可能スラスト力 Fax と伝達可能トルク T の 関係は次式のとおり。 Fax = 9) 2 d ・T 次表はロッキングボルトの各サイズにおける強度区分ごとの、 適正締付けトルクとその際の初張力です。 7) ボルト強度区分による ボルト径ー締付トルクー軸力 8.8 dG M 4 M 5 M 6 FN W3 W1 ρ F β F W4 W2 FN 10.9 12.9 TA Fv TA Fv TA 2.9 6.0 10 3 900 6 350 9 000 4.1 5 450 8.5 8 950 14 12 600 4.9 6 550 10 10 700 17 15 100 (M 7) M 8 (M 9) 16 25 36 13 200 16 500 22 000 23 35 51 18 500 23 200 30 900 28 41 61 22 200 27 900 37 100 M 10 M 12 M 14 49 86 135 26 200 38 300 52 500 69 120 190 36 900 54 000 74 000 83 145 230 44 300 64 500 88 500 M 16 M 18 M 20 210 290 410 73 000 88 000 114 000 295 405 580 102 000 124 000 160 000 355 485 690 123 000 148 000 192 000 M 22 M 24 M 27 550 710 1050 141 000 164 000 215 000 780 1000 1500 199 000 230 000 302 000 930 1200 1800 239 000 276 000 363 000 M 30 1450 262 000 2000 368 000 2400 442 000 TA = 締め付けトルク(Nm) FV = 初張力(N) (オイルで潤滑されたロッキングボルト、μ total = 0.14) F i g . 4 シュパンリング RfN 7012 の断面と力作用図 10 Fv σ σ σ σ σ σ Δ σ Δ Δ σ δ Δ δ δ δ Δ R 組付けと分解 別紙取扱説明書、および納品時、現品に添付する 8 カ国の取扱 説明書も併せてご参考にしてください。 組付け 分解 シュパンリングは接触圧力と摩擦によって作用面に発生する力 を利用しますので、 作用面の状態とロッキングボルトの適正な 締付けは、たいへん重要なポイントになります。 1. シュパンリング RfN 7012 のクサビ勾配は、 セルフロックテー パではありませんので、徐々にロッキングボルトを緩めます と、各部品は自動的に分離します。 軸ハブの各接触面の清掃を行ったあと、 マシンオイルを薄 く塗布しハブを所定位置にセットします。 シュパンリング はオイルに全体を浸した後、 ウェスか清掃紙の上に数分間 放置し、余分なオイルを除去してから、ハブの中に挿入し ます。 2. ロッキングボルトを軽く締めた段階で、 ハブの位置決めを します。 3. トルクレンチを使用して、 ロッキングボルトの締付けトル ク値TA を 2∼ 3段階に分けて徐々に対角的に締込みます。 4. 最後に、時計周りで全ロッキングボルトが締付けトルク TA で確実に締まっているか確認します。 もし数回の着脱後に損傷を受けたワッシャーは、その都度、交 換してください。 ロッキングボルトを全部緩めても、 重量物のハブがシュパンリ ングに荷重をかけて、分解が困難な場合もあります。その時は 絶対にロッキングボルトを取り外さないでください。 フロント スラストリングが飛び出し作業者を傷付ける場合があるからで す下述する方法を実行されるかぎり、 さほどの困難もなく分解 ができます。 分解用めねじは、サイズごとに 2 ∼ 5 本用意されています。ま た分解用めねじは、貫通してはいません。 分解用めねじをジャッキスクリュウとして使用できません。 ご参考 4項の作業を開始される前に 30∼ 60 分間のナジミ時 間を設定されることによって、 よりよい応力分布を得ることが できます。 ロッキングボルトを緩めても、 リアースラストリングが自動的 に緩まないときは、ロッキングボルトの頭部を軽く叩きます と、各部のバネ作用によってリアースラストリングは、後部に 移動してリラックスします。 モリブデン系減摩剤(モリコートなど)を含有するオイル、グリ スあるいは、同系統の減摩剤の使用は絶対に避けて下さい。 再使用のシュパンリングあるいは、 よごれたシュパンリングを 使用されるときは、各部品ごとに清掃し、注油しなければなり ません。特に、粉塵や微細な鉄粉が接触面に付着した古いシュ パンリングは摩擦係数が極端に低下しますので、 入念にクリー ニングしてください。 同様にフロントスラストリングが外れ難いときは、 メッキされ たロッキングボルトだけを取り外し、分解用めねじ(dD)に合致 したボルトをねじ込み前方に軽く叩きます。また、深いハブ穴 にセットされたシュパンリングを一体物で取り外ずすときに も、分解用めねじを利用できます。 各サイズともメッキされたロッキングボルトが数本あり、 そこ にワッシャーがセットれていますが、 それは分解用めねじを保 護するためです。 しかしメッキされたロッキングボルトも他の ロッキングボルトと同様の機能を分担していますので、 締め忘 れのないようご注意ください。 dD 6 5 4 3 2 Fig.7 1 dG 1 2 3 4 5 6 リヤスラストリング アウターリング インナーリング フロントスラストリング ワッシャー ロッキングボルト F i g . 6 シュパンリング RfN7012 各部名称 Fig.8 12 R 設計上のヒント ハブ シュパンリング RfN7012 軸 Centering Fig.9 RINGFEDER シュパンリング RfN 7012 の 使 用 例 Fig.10 RINGFEDER シュパンリング RfN 7012 Fig.11 トラックホイール RINGFEDER シュパンリング RfN 7012 はシャフトとハブを 確実に固定し、回転トルクとスラスト荷重を、同時に伝達する ことができます。軸とハブのセンタリング部は、できるだけ長 く、また、はめあいのクリアランスをできるだけ小さくしま す。そのことにより回転精度は高まり、リムに負荷される応力 を無理なく吸収します。 Fig.12 フランジ型軸継手 中、大型軸の場合、軸側に段付けをする事により、フランジの 加工はストレート穴で済み、 フランジの番手も下げることがで きます。 13 R 設計上のヒント Fig.13 軸の連結 ハブ穴には特に段付けを必要としませんが、通し穴の場合は、 回転精度を高めるため、 ハブ内部に芯出し用のカラーを入れま す。 Fig.14 アーム、 カム 、ア 、カ レバー、 摩擦締結方式ではどのような角度にでも無段階にレバーなどを 固定することができます。 Fig.15 フライホイール シュパンリング RfN 7012の構造は、シングルテーパではない ため、締付け時のハブの移動は起こりません。したがって、軸 受けが遊ぶことはありませんが、 特に大きなプリロードを必要 とする時は、軸端から十文字様の治具で、ハブをプレスしなが ら数本のロッキングボルトを締めた後、 治具を取外し通常の組 付けを行うことをお奨めします。 Fig.16 ベベルギア ベベルギアの回転トルクとギア歯圧によるスラスト荷重を同時 に固定します。 14 R 設計上のヒント Fig.17 軸マウント式減速機 この方式の減速機は軸継手が不要ですから、効率が高く、さらにコンパクト化が可能となります。 l fm Fig18 ベルトコンベアのプーリ 当図、あるいはこれに類する構造の場合は、軸の許容たわみ量を確実に守らなくてはなりません。 推奨たわみ許容値は、軸受間距離を基準にして次のとうりです。 fm/l = 1/2000 ∼ 1/3000 また、軸とプーリのねじりの剛性に差異が生じる当図のような場合は、原動機側のシュパンリングが全負荷トルクを伝達できるよう に設計しなければなりません。 15 R 実用例 Fig.19 クレーン ケーブルドラム 締結強化と現地組立て機能 Fig.20 バケットホィールエキスカベータ バケットホィール 軸とハブの剛性強化および現地組立てとメンテナンスの容易性 Fig.21 クランクプレス メィンギアー クランクプレスは下死点に最大荷重が発生しその変動トルクの 吸収と、 補修時の位相変更によりメィンギアーの高寿命化が図 れる Fig.26 自動機械 カム タイミング調整用 16 R Fii g . 2 3 船舶用プロペラ RfN 7012 二個使用 Fig.24 圧延機 Fig.25 カークラッシャーの搬送装置 スプロケット 締結強化と角度調整機能をチェインのテンション調整に応用 Fig.26 鍛圧機械 ノックアウト用カム タイミング調整と大きなトルク変動の発生する箇所に適用 Fig.27 鍛圧機械 多板式クラッチのインターナルギアー 耐衝撃荷重性と可調整機能を利用 Fig.28 パイプカッティングミル V ベルトプーリーに RfN 7012 を使用 ベベルギアー トルクとスラストの同時締結 17 R テクニカルサービス ご設計の構想・図面の段階から竹田商事株式会社のエンジニア リングサービスをお申し付け下さい。専任の技術員が国内・海 外で蓄積されたバックデータをもとに、設計、技術計算、適用 工具の選定など、適切なアドバイスをさせて頂きます。 19 R 技術サポート 貴社名 部課名 お名前 ご住所 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 電話 Fax ○ ○ ○ ○ ○ e-mail ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ご質問を電話、Fax、e-mail などでご連絡ください。最適な情報を可能な限り迅速にご提供いたします。 負荷条件 最大トルク 最大曲げモーメント 最大負荷スラスト力 最大ラジアル荷重 Tg Mg Fg Fr 使用条件 軸径 中空軸の内径 適合軸の回転数 適合ハブ外形寸法 適合ハブの幅寸法 適合ハブの降伏点 dw dB n DN B Rp0.2N 適合軸の降伏点 組み立て時の温度 稼動時の軸の温度 稼動時のハブの温度 max max max max = = = = ............................ Nm ............................ Nm ............................ kN ............................ kN Rp0.2w = = = = = = = ............................ mm ............................ mm ............................ rpm ............................ mm ............................ mm ............................ N/mm2 ............................ N/mm2 t1 t2 t3 = ............................ ℃ = ............................ ℃ = ............................ ℃ 質問または追加条件 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ B ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ b ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 大阪本社 TEL : FAX : 東京営業所 TEL : FAX : 名古屋営業所 TEL : FAX : 06-6441-1503 06-6441-1916 03-3815-6501 03-3816-4522 052-203-1103 052-203-1104 dB dW D DN ○ http://www.takeda-trade.co.jp [email protected] 大阪:0120-22-7012 東京:0120-10-7012 名古屋:0120-20-7012 20 大阪本社 : 530-6106 大阪市北区中之島 3-3-23 TEL : 06-6441-1503 FAX : 06-6441-1916 東京営業所 : 113-0033 東京都文京区本郷 3-5-2 TEL : 03-3815-6501 FAX : 03-3816-4522 名古屋営業所 : 460-0008 名古屋市中区栄 1-22-16 TEL : 052-203-1103 FAX : 052-203-1104 http://www.takeda-trade.co.jp [email protected] 各種 RINGFEDER 社製品カタログは CD-ROM にて配布しております。詳しくは お問い合わせください。 ( Windows・Macintosh ハイブリッド) 大阪 :0120-22-7012 東京 :0120-10-7012 名古屋 :0120-20-7012 R7012J 2011.06 28