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KBC−P18LAN2
PICイーサネット対応CPUボード 取扱説明書
■概要
本品は、Microchip 社 PIC18F67J60 を搭載した Ether ネット付きの CPU ボードです。
小型のボードサイズながら、リレー2個を搭載し、ホームコントローラの様なネット経
由でのスイッチ操作を追加部品なしに実現する事もできます。
リレー OFF 時の消費電力が 1W 未満のため、動作より待ち受け時間が長いアプリケーショ
ンでも、省エネ化が期待できます。
■仕様
搭載 CPU PIC18F67J60-I/PT
データ記憶 SST25VF016B(SPI フラッシュ ROM)容量 2Mbyte
動作クロック 41.666MHz(25MHz 水晶発振より PLL 制御:設定で変更可能)
LAN イーサネット 10base-T
電源電圧 DC5V +5%,-10% (内部 3.3V 安定化)
電源電流 平均 190mA/Ether 接続、リレー OFF、I/O 端子未接続時
電源電流 平均 250mA/Ether 接続、リレー ON、I/O 端子未接続時
接続端子 電源入力、リレー接点× 2、Ether コネクタ、ICSP コネクタ、I/O コネクタ
電源端子 2.1 φ DC ジャックまたはヘッダーピンより供給
リレー接点端子 NC,NO,COM の3線式 30V1A のスイッチ能力
Ether コネクタ RJ-45、ステータス表示 LED 付き
I/O コネクタ 26P × 2
ICSP コネクタ Microchip 社標準、6P 端子(シングルピンヘッダー)
その他 MAC アドレス添付
汎用押しボタンスイッチ×1
基板寸法 64mm × 51mm (突起を含まず)
■開発に必要な機材
搭載リレーのON/OFF等の出荷時に標準で搭載した出荷試験用プログラムを動作させる場
合は、LAN 環境とアクセスするための PC やスマートフォン及び KBC-P18LAN2 の電源とし
て、5V、0.3A 以上の AC アダプタがあれば操作出来ます。
また、KBC-P18LAN2をwebサーバとして利用する場合で、出荷時実装の httpサーバの機能
をそのまま利用するのであれば、windowsPCを用意し、HTML関連のテキスト、画像を作成
し、そのまま、KBC-P18LAN2 のデータ記憶素子に転送、書き込みができます。
その場合は windowsPC 以外の機器は必要ありません(要、ネット接続環境)
一方、ご自分のアプリケーションを開発する場合は、Cコンパイラと書込み器が必要にな
ります。
Cコンパイラと統合環境は、無償でMicrochip社のwebページからダウンロードできます。
PIC 用の書込み器は ICSP 対応のパーソナル用では、Microchip 社の MPLAB ICD2/3 と
PICkit2(PICkit3)があります。
KBC-P18LAN2 の基板上に ICSP 対応のピンを用意しています。この ICSP 用のピンと書込み
器を接続するためのケーブルは含まれていませんので、別途ご用意ください。
■接続
1、
I / O 端子
1、I
本基板には 2 6 P ( 1 3 P 2 列) のヘッダーピン用取り付け穴が C N 1 、C N 2 の二箇所にあります。
基板から I / O 信号を引き出す場合は、予め、付属の 2 6 P ピンヘッダーを取り付けてくださ
い。
端子の取り付け方向ですが、基板をマザーボードの様なベースになる基板に重ねて取り
付ける方向を標準としています。
なお、フラットケーブルの様な引き出し線を接続する場合は上向き(基板の部品のある
面に実装)に実装してください。
この場合は、コネクタのサイズによっては、基板上の部品と干渉する事があります。
26P コネクタを下向きに実装
2、電源
電源は 5 V 単一です。
スイッチング式 A C アダプタの様な、安定
した 5 V を電源をご用意ください。
電源容量はボード一枚に付き、3 0 0 m A 程度
必要です。
先端が 2 . 1 φタイプの D C プラグの場合は、
C N 5 の D C ジャックにそのまま接続できま
す。
また、電線で接続する場合は C N 2 (2 6 P の
端子)の 1 ∼ 4 番ピンをご利用ください。
26P コネクタを上向きに実装
3、
E t h e r コネクタ
3、E
通常の E t h e r ネット用 T タイプのケーブルを
使って、T 1 に接続します。
伝送速度が 1 0 b a s e のため、ほとんどのケー
ブルを使用する事ができます。
実験等で H U B を経由せずに、直接 P C に接続
す る 場 合 は 、ク ロ ス ケ ー ブ ル を ご 使 用 く だ
さい。
4、リレーコネクタ
リレーの接点は通常のスイッチと同じです。
開閉可能な電圧は 3 0 V まで、電流は 1 A まで
となります。端子からの引き出しは、付属の
3 P ケーブルを使用するか、巻末のコネクタ
適合番号にあったハーネスを製作してくだ
さい。
接点は動作時に O N となる接点(N O )と動作時
に O F F となる接点(N C )が利用できます。
動作時に O N が必要な場合は C O M 端子と N O 端
子、動作時に O F F が必要な場合は C O M 端子と
N C 端子に接続します。
接点ですので、通過する電源( または信号)
に極性、直流、交流の区別はありませんが、モータや電球の様に起動電流が大きい負荷
の場合は、最大定格に注意してください。
また、リレーやソレノイドの様なコイル(誘導性負荷) を接続する場合や、ノイズの大
きい負荷を接続する場合は、必ず、ノイズを抑える素子を接続してください。
接続コネクタの型番は、巻末をご覧ください。
■動作試験
初期状態の K B C - P 1 8 L A N 2 ボードには、出荷試験用として、テストプログラムが書き込まれ
ています。L A N に接続して、電源を供給すれば、試験ができる状態になります。
ブラウザからアクセスする事で試験画面が表示されます。
* IP アドレスが 192.168.0.35 なら、ブラウザのアドレス欄に、http://192.168.0.35/ と
入力します。
しかしながら、初期状態の KBC-P18LAN ボードは I P 取得に D H C P を利用するため、L A N 環境
内に D H C P サーバが存在する必要があります。
殆どのブロードバンドルータには D H C P 機能が含まれていますので、その様な環境下で実
験される場合はそのまま利用可能です。
最初から固定 I P アドレスで運用する方、または D H C P サーバが環境の中に存在しない方
は、次の方法で、I P アドレスの取得方法を D H C P から固定に変更してください。
IP ア
アドレスの取得法の変更
ドレスの取得法の変更 ( L A N を 使 用 し な い で の 変 更 )
アドレスの取得法の変更(
変更方法その1:シリアル接続を利用する。
シリアル通信で、外部の P C またはターミナルと接続し、パラメータを変更します。
接続方法およびパラメータの変更方法は、本説明書の「M A C アドレスの設定及び I P の設
定」の項を参照してください。
変更方法その2:プログラムの設定を変更する。
出荷試験用のプログラムを変更して D H C P を無効にします。
プログラムをコンパイルする必要がありますので、M i c r o c h i p 社からフリーの C 1 8 コンパ
イラを入手してインストールする必要があります。また C P U に対して書き込みを行う必要
があるため、M P L A B I C D 2 や P I C k i t 2 の様なシリアルプログラミング用ツールをご用意く
ださい。
その他の方法:一時的に D H C P のある環境に設置する
一時的でもかまいませんので、D H C P 環境下に設置して、K B C - P 1 8 L A N 2 にアクセス可能で
あれば、ブラウザから設定を変更する事ができます。
変更画面で本来設置する L A N 上の割り当て I P アドレスを入力し、D H C P の使用を中止に
すれば、次の電源 O N から指定された I P アドレスで起動します。
⇒固定 I P に設定した結果、アクセスできない状態になってしまった場合は D H C P に戻す事
ができます。D H C P に戻す場合は、「設定値のリセット」の項目を参照してください。
・ I P アドレスの検索
D H C P で I P アドレスを指定する場合、K B C - P 1 8 L A N が取得した I P アドレスを知る手段が必
要です。
ブロードバンドルータの様な D H C P サーバ機能を持った機器の場合は、管理用のページを
開いて、D H C P の配布状況を調べる事ができます。
また別の方法として、M i c r o c h i p 社の T C P / I P サポートプログラム内に「M i c r o c h i p
Ethernet Discoverer」ソフトが入っています。
このプログラムを使用する事により、同社の T C P / I P サポートプログラムに組み込まれた、
D i s c o v e r e r プログラム(呼び出しに応答しない設定も可能)を呼び出して、I P アドレス
を表示します。
同一の L A N に接続された全ての K B C - P 1 8 L A N ボードが表示されます。
このプログラムは、T C P / I P スタックソフトを w i n d o w s マシンにインストールすると、自
動的にインストールされます。
インストール方法は、「試験プログラム . P D F」ファイルの「3、M i c r o c h i p 社の T C P / I P ス
タックソフト」の項目を参照してください。
インストールが完了すると、スタートメニューの「M i c r o c h i p 」の項目に「T C P I P S t a c k
v 5 . 3 1 」が出来ます。
この中の「Microchip Ethernet Discoverer」を選ぶと起動します。
* W i n d o w s のファイヤーウオールに付いて*
「Microchip Ethernet Discoverer」は UDP ポートの 30303 を使用して、情報を取得しま
す。
ファイヤーウオールを有効にしている場合は、次ページ図(X P の場合の表示例)の様な、
確認画面が出ますので、ブロックを解除してください。
(ウイルス対策ソフトのファイヤーウオールを使用している場合も同様です)
正常に起動された場合は、下図の様に、接続中の K B C - P 1 8 L A N または K B C - P 1 8 L A N 2 が表示
されます。
複数枚を接続している場合は M A C
ください。
A d d r e s s の項を参照して、調べたいボードを特定して
I P A d r e s s の項が、割り当てられた I P アドレスになります。
*ブラウザからアクセスを行う場合は、該当行をマウスでダブルクリックする事で、ブ
ラウザが起動します。
■出荷状態への初期化
K B C - P 1 8 L A N 2 には、汎用に使用するための押しボタンスイッチを搭載しています。
初期化が必要な場合は、一度電源プラグを抜いた後、押しボタンを押したまま、電源プ
ラグを挿入します。
4秒程度は、ボタンを離さずに押したままにしてください。L E D 0 が 0 . 5 秒ほど点灯して
消えれば初期化が完了です。
ボタンを離すと、通常の電源 O N と同じ様に起動します。
初期化される状況(または、この機能の有無)は、組み入れるプログラムに依存します。
出荷時状態で書き込まれているテストプログラムでは、
・I P アドレスの取得は D H C P
・A u t o I P 有効 *1
・MAC アドレスは 00-1C-6D-01-FF-F0 *2
・名前は「KBC-P18LAN2-TST」
・認証用の名前:a d m i n
・パスワード:m i c r o c h i p
・操作用チェック文字列:0 1 2 3 4 5 6 7 *3
に初期化されます。
*1:A u t o I P は D H C P での I P アドレス取得
を指定したにもかかわらず、I P アドレスが
割り当てられないか、D H C P サーバが見つか
らない場合に、自身で I P アドレスを割り当
てる機構です。
アドレスは 1 6 9 . 2 5 4 で開始され、残り部分
が適当に割り当てられます。
同様の機構は w i n d o w s にもあります。
* 2 :M A C ア ド レ ス の 値 に は 注 意 し て く だ さ い 。
初期化を行った場合、M A C アドレスは、内蔵プログラムの値に従った初期値に設定されます。
内蔵するプログラムは、全ての製品で同じため、設定される M A C アドレスも同じ値になり
ます。
本来、M A C アドレスは、ネットに接続される全ての装置で異なった値にする必要があり、
K B C - P 1 8 L A N 2 も例外ではありません。
M A C アドレスの値は、出荷時に重複しない値を割り当て、L A N コネクタの横に貼り付けて
あります。
(00-1C-6D-.... と記入されています)
M A C アドレスの設定はブラウザから行う事もできます。
「パラメータの変更」の項目を参照して、設定を行ってください。
!!初期化操作を行った場合のみ、設定が必要です。出荷時はラベル記載の M A C アドレス
に設定されています。
原理的には、同一のネットに二つ以上の同じ M A C アドレスが存在しない限り、正常にアク
セスする事ができます。
このため、K B C - P 1 8 L A N の初期化した状態のままになっている2台を繋がない限り、問題
は無いのですが、初期化で設定される M A C アドレスは仮の値のため、本来の M A C アドレス
(L A N コネクタ横に貼り付けているシールの値)を設定される事を強く推奨
強く推奨します。
強く推奨
*3
操作用チェック文字列は、試験用に入れている i p h o n e / i p a d 用の操作プログラムで使わ
れる暗証番号です。
■回路構成
回路図は本説明書の巻末にあります。
構成はシンプルです。
P I C は 3 . 3 V で動作するため、電源入力の 5 V を三端子レギュレータを使用して 3 . 3 V に安定
化した後、P I C に供給しています。
使用している三端子レギュレータは低ドロップタイプのため、4 V の電圧あがれば動作可
能です(入力の 5 V はそのままリレーの電源になるため 4 V 供給時はリレーが動作しない可
能性がありますが、P I C の動作には問題ありません)
K B C - P 1 8 L A N 2 のレギュレータの耐電圧は 8 V です。如何なる状況でも、この電圧を超えな
いようにしてください。
さらに、P I C はコア電圧として 2 . 5 V を必要とします。
この電圧は P I C 内蔵のレギュレータから供給しています。
P I C の原発振は内蔵の E t h e r コントーローラを動作させるため、2 5 M H z の水晶発振子を使
用します。
水晶の出力は P I C 内蔵の分周器と P L L ブロックで原発振とは異なる実行クロックを生成す
る事ができます。速度を優先する場合はプリスケーラで÷ 3 (8 . 3 M H z )し P L L で 5 倍する
事で約 4 1 . 6 M H z が得られます。C P U の実行クロックは、入力周波数の 1 / 4 になりますので、
1 0 . 4 1 6 M H z の実行速度が得られます。これは P I C 1 8 F 6 7 J 6 0 の最大速度です。
P I C の汎用 I / O 線は、一部の専用端子を除いて、そのままヘッダーピンに引き出されてい
ます。
汎用 I / O 線の内、次の信号は、リレードライブと、L E D ドライブ、押しボタンスイッチ、
S P I フラッシュ R O M に使用されています。
R D 0 / P 1 B 端子:リレー 0 のドライブ用、論理 H を出力した際にリレー O N
R D 1 / E C C P 3 / P 3 A 端子:リレー 1 のドライブ用、論理 H を出力した際にリレー O N
R E 0 / P 2 D :L E D 0 のドライブ用、論理 H を出力した際に L E D 点灯
R E 1 / P 2 C :L E D 1 のドライブ用、論理 H を出力した際に L E D 点灯
R B 4 / K B I 0 :押しボタン用、押している間 L 、放していると H (出荷時は b u t t o n 0 割り当て)
(信号表は巻末、図1)
RC2/ECCP1/P1A:SPI フラッシュ ROM 用
RC3/SCK1/SCL1:SPI フラッシュ ROM 用
RC4/SDI1/SDA1:SPI フラッシュ ROM 用
RC5/SDO1:SPI フラッシュ ROM 用
以上の 9 信号は基板上の素子と接続されていると共に、ヘッダーピンにも接続されていま
す。
(信号表は巻末、図2、図3)
I C S P 用信号
RB6/KBI2/PGC:ICSP 用 PGC 信号
RB7/KBI3/PGD:ICSP 用 PGD 信号
(I C S P の信号表は巻末、図4)
以上の 2 本は、オンボードプログラミングに使用する 6 P の I C S P 端子に接続されています。
書込みに使用しない場合は汎用の I / O として使用可能ですが、この 2 本の端子は 2 6 P ヘッ
ダーピンには接続されていません。
S P I フラッシュ R O M
基板上に、シリアル E E P R O M に比べて容量で有利な、フラッシュ R O M ( 2 M b y t e ) を実装して
います。
この R O M は P I C から書き込み/読み出しが可能で、内容保持に電源が不要です。
w e b サーバで使う h t m l を作成して、保存するのに適した形態となっています。
(出荷時のルーチン内には、S P I フラッシュ R O M の駆動部分も含まれています)
S P I フラッシュ R O M には、主に h t m l ファイル(やテキストファイル、写真等)を保存でき
ますが、先頭の一部をシステムが使用しています。
この部分には、M A C アドレスや、装置名、I P アドレスなどの、システムが動作するのに必
要な情報が保存されます。
■ ICSP 端子
基板上の P I C にプログラムを書込む場
合は I C S P 端子を使用します。
端子には I C S P と記入されており、左が
1番ピンになり、▲マークが付いてい
ます。
I C S P 端子は 6 P のシングルピンで6本
の内、5本を 1:VPP/MCLR、2:VDD、3 :
GND、4:RB7/PGD、5:RB6/PGC として使
用し、6 番ピンは空きになります。
V P P / M C L R はリセット信号と高圧の書込
み電圧(1 3 V 程度)の共用端子です。
同じ信号が 2 6 P コネクタ C N 1 の 1 3 番ピ
ンにも引き出されており、リセット信
号として利用できます。
ただし、書込み時に 1 3 V 程度の電圧がかかるため、外部でリセット信号として利用する際
は、電圧が上昇しても、支障がない様、接続デバイス側で配慮してください。
R B 7 / P G D はデータ線、R B 6 / P G C はクロック線になります。
I C S P 端子は狭い場所に実装されているため、P I C k i t 2 の様な、先端が短い装置では刺さり
きらない場合があります。この様な場合は、6 P シングルピンヘッダーのオス、メス延長
線をご用意ください。
また、6 P のモジュラー端子(R J 1 1 コネクタ)を使用するデバッガーも変換が必要になり
ます。
■プログラムの構築
プログラムを作成する場合、一からネットワーク用のソフトを製作するのは、現実的で
はありません。
ネット関連のプログラムは M i c r o c h i p 社提供の T C P / I P スタックプログラムを利用する事
で、アプリケーションレベルのプログラム製作に専念できます。
この場合、オリジナルの M i c r o c h i p 社提供 T C P / I P スタックプログラムを元にして構築す
る方法と、弊社提供の試験プログラムを元に構築する方法があります。
弊社提供の試験プログラムは、M i c r o c h i p 社提供 T C P / I P スタックプログラムを K B C P 1 8 L A N 2 に合わせて変更していますので、余分な手間を省く事ができます(弊社では動作
に付いての保障はできません。使用者の責任で利用の判断をお願いします)
コンパイル環境は、x x x x . m c p に保存されています( x x x x . m c p は各プロジェクトのファイル
名)
このファイルをダブルクリックする事で M P L A B の統合環境が起動します。コンパイラ等の
インストールをデフォルトのままで行った場合は、この時点で、コンパイル環境が整い
ますので、B u i l d
A l l を行うと H E X ファイルを生成する事ができます。
■書込み
H E X ファイルを P I C に書き込むには、I C S P に対応した、P I C ライタが必要です。
パーソナル用途としては Microchip 社から MPLAB ICD2 と PICkit2、PICkit3 が出ています。
M P L A B I C D 2 は個人用にはちょっと高価ですが、M P L A B の統合環境からデバッグ操作を行
う事ができますので、インサーキットデバッグが必要な用途に向きます。
一方、P I C k i t 2 はかなり安価な部類の P I C ライタですが、多くの P I C デバイスの書込みが
できます。P I C k i t 2 は専用のアプリによる書き込みと、M P L A B からの書き込みに対応しま
す。
利用頻度とインサーキットデバッグの必要性で選択すれば良いと思われます。
書込み時の接続に付いては I C S P 端子の項を参照してください。
PICkit3 ですが、PICkit2 の後で出来ましたが、必ずしも PICkit3 > PICkit2 とはなって
いません。
(P I C k i t 3 は操作と接続に若干くせがあります:2 0 1 1 年 5 月現在)
プログラムは、基板上に搭載している S P I フラッシュ R O M のパラメータ記録エリアから
M A C アドレスを取得して起動する様になっています。
また、出荷時に R O M に記録した M A C アドレスの内容と同じ値が L A N コネクタ右側面に表示
してあります。
パラメータの値を変更したプログラムを書き込みますと、最初の起動時に、作成したプ
ログラムの内容に従った初期値が S P I フラッシュ R O M のパラメータ記録エリアに書き込ま
れます。
M A C アドレスもプログラムで指定している初期値(0 0 - 1 C - 6 D - 0 1 - F F - F 0 、ただし変更して
いない場合)に戻りますので、プログラムのデバッグが終了した時点で、L A N トランスの
横に貼り付けているシールの値を設定してください。
なお S P I フラッシュのドキュメント(h t m l ファイルや写真)の記録は変更・消去される
事はありません。
(逆に h t m l ファイルの変更時に設定パラメータが消される事もありません)
■動作パラメータの変更
M A C アドレスの設定及び I P アドレスの設定変更の例を3種類示します。
1 、M i c r o c h i p 社提供の T C P / I P スタックプログラムの内容を変更する。
S P I フラッシュ R O M にパラメータを記録させない様な構成を取る場合、パラメータを記録
する方法がありませんので、プログラム内に記述している初期値を直接変更します。
MAC アドレスや IP アドレスの値は、「TCPIPConfig.h」内で宣言されており、windows のプ
ログラム「TCPIP Configuration Wizard」を使ってビジュアルに変更する事ができます。
変更後コンパイルを行ってください。
2、S P I フラッシュ R O M にパラメータを記録する(通常の使い方)場合で、シリアル通信
を使って、パラメータを変更します。
この場合、L A N 環境の有無に関係なしに設定変更が可能ですが、シリアル通信用(2 3 2 C 接
続)のハード追加と、シリアル通信用のターミナルが必要になります。
シリアル信号を外部に出すには、2 6 P コネクタから、送信信号、受信信号を引き出します。
そのための回路を図5に掲載します。
書き換えは、R S - 2 3 2 C 信号を、P C 上のターミナル(ハイパーターミナル等)に接続して行
います。
通信条件(初期値から変更していない場合)は 1 9 2 0 0 b p s , 8 b i t , パリティーなしです。
書き換えの開始指示は、K B C - P 1 8 L A N 2 上の押しボタンスイッチを使用して行います。
押しボタンを押しながら電源を入れ、直ぐにボタンを離す事で下図の様な設定画面がター
ミナルに表示されます。
(この操作はパラメータの初期化と同じ手順です。初期化の場合は約4秒以上押し続ける
事で実行されますが、それより短い時間でボタンを離した場合は、シリアル通信を使っ
たパラメータ設定に入ります)
1 ∼ 9 の項目で、パラメータを変更した後、0 を押す事で、パラメータが S P I フラッシュ
R O M に退避されます。
MAC アドレスは No.1 の「Change serial number」で変更します。ただし、入力は 10 進数
に限られます。M A C アドレスの表記は 1 6 進数で表されるため、1 0 進数への変換が必要に
なります。
設定できるのは M A C の下 8 b i t × 2 ですので、1 0 進表記では 0 ∼ 6 5 5 3 5 が有効範囲です。
1 6 進 1 0 進変換は、W i n d o w s に標準でインストールされている「電卓」の表示を普通の電
卓から関数電卓に変更して 1 6 進のラジオボタンをチェックした後に間にある「−」を抜
いた数値を入力し、1 0 進のラジオボタンにチェックを入れると変換されます。
例えば 00-1C-6D-01-FF-F0 なら、FF-F0 を変換するのですが、入力は FFF0 とタイプします。
1 0 進にすると、6 5 5 2 0 が答えになります( この値はプログラムに設定されている初期値で
す)
注意:M A C アドレスで設定可能なのは下位の 2 b y t e のみです。
上位の 4 b y t e はプログラム内部に書かれた値がそのまま採用されます。
この値は、弊社提供の試験プログラムの場合はプログラム内の上位の 4 b y t e を、弊社保有
の M A C アドレスに変更していますので、L A N コネクタ横のシールに印刷された M A C アドレ
スの内の下 2 桁を変換して入力してください。
しかしながら、M i c r o c h i p 社提供の T C P / I P スタックプログラムを元に一から構築した場
合、上位 4 b y t e は M i c r o c h i p 社の M A C アドレスが入っています。このまま下 2 b y t e のみを
書き換えた場合、アドレスが衝突する恐れがあります。
M i c r o c h i p 社提供の T C P / I P スタックプログラムを元にして構築する場合は、弊社提供の
M A C アドレスか自社保有の M A C アドレスの上位 4 b y t e までは、C プログラム内に記述する
様にしてください。
3、S P I フラッシュ R O M にパラメータを記録する(通常の使い方)場合で、L A N からブラ
ウザを使って、パラメータを変更します。
この変更方法は、P C から正常に、K B C - P 1 8 L A N 2 内の w e b ページが表示できなければなりま
せん。
w e b ページは K B C - P 1 8 L A N 2 に搭載した S P I フラッシュ R O M のドキュメント記録エリアに置
かれています。
出荷時は、w e b ページ(h t m l ファイルと付属するファイル)は書き込み済みですが、何ら
かの理由で、消去している場合は、「■ h t m l ファイルの書き込み」を参照して、先に w e b
ページ用のドキュメントを S P I フラッシュ R O M に書き込んでください。
I P やネットマスクの不一致等で K B C - P 1 8 L A N 2 にアクセスできない場合は、押しボタンを
使った初期化を実行する事で、プログラムで設定している初期値に戻す事ができます。
KBC-P18LAN2 にアクセス可能な場合は、ブラウザから http://KBC-P18LAN2 の IP アドレス /
protect/config.htm を開いてください。
認証のボックスが表示されますので、
ユーザ名:a d m i n
パスワード:microchip
を入れてアクセスしてください。
M A C A d r e s s : の項目に、L A N トランス横のラベルに印刷された M A C アドレスを入力します
(ラベルは数値を「- 」で区切って表記していますが、「:」で区切って入力してください)
変更したい項目を全て編集した後、S a v e C o n f i g ボタンのクリックで記録されます。
I P アドレス等のグレーになっている項目は、E n a b l e
ます。
D H C P のチェックを外すと編集でき
MAC アドレスの項目を変更して、Save Config をクリックした場合、DHCP が割り当てる I P
アドレスが変更されます(D H C P は、I P アドレス管理に M A C アドレスを使います)
引き続き、w e b ページを表示したい場合は、再度割り当て I P アドレスを確認してくださ
い。
■ h t m l ファイルの書き込み
KBC-P18LAN2 では html ファイルの保存用に SPI フラッシュ ROM を PIC チップに外付けして
います。
この S P I フラシュ R O M に h t m l や写真等のドキュメントを書き込む操作は、w i n d o w s プログ
ラムを使用して行う事ができます。
ドキュメントの変更だけの場合、K B C - P 1 8 L A N 2 搭載の P I C に書き込むプログラムを作成し
直す必要が無いため、C コンパイラや、P I C の書き込み、あるいは M P L A B さえ必要としま
せん。
(姉妹品の K B C - P 1 8 L A N では P I C チップのプログラムエリアにドキュメントを配置していた
ため、C でのコンパイルと書き込み操作が必須となっていました)
h t m l ファイルを K B C - P 1 8 L A N 2 に転送する際は、L A N 経由で実行します。
このため、最小限、K B C - P 1 8 L A N 2 にアクセスできなければなりません。
転送の方法、詳細情報は「変更」説明書の「6、h t m l ファイルの配置」と「7、h t m l ファ
イルのアップロード」を参照してください。
図 1:LED 及びリレーの操作信号
I/O端子名
RE0/P2D
RE1/P2C
RD0/P1B
RD1/ECCP3/P3A
信号名
論理
Hで点灯
Hで点灯
RELAY0 HでON
RELAY1 HでON
LED0
LED1
リレー出力適合コネクタ
CN3,CN4:日本圧着端子製 EHR-3
LED 及びリレーの ON/OFF 表示
LED0
LED1
RELAY0 RELAY1
ON 表示 ON 表示
図 4:ICSP 信号
端子番号
1
2
3
4
5
6
信号名
VPP/MCLR
VDD
GND
RB7/PGD
RB6/PGC
未使用
CN1 端子 信号表
ピン番号
信号名
1
3
5
7
9
RF3/AN8
RD2/CCP4/P3D
11
13
15
17
19
21
23
25
RF7/SS1
MCLR
RF4/AN9
RE4/P3B
RE2/P2B
RE1/P2C
RB1/INT1
RB3/INT3
ピン番号
GND
信号名
2
4
GND
6
8
RD1/ECCP3/P3A
RE5/P1C
RF5/AN10/CVREF
RD0/P1B
RG4/CCP5/P1D
10
12
14
16
18
20
22
24
26
RF2/AN7/C1OUT
RF6/AN11
RE3/P3C
RB0/INT0/FLT0
RE0/P2D
RB2/INT2
CN2 端子 信号表
ピン番号
1
3
5
7
9
11
13
15
17
19
21
23
25
信号名
ピン番号
信号名
GND
5V
2
4
GND
5V
RF1/AN6/C2OUT
RA2/AN2/VREFRA4/T0CKI
6
8
RA3/AN3/VREF+
RA5/AN4
RC1/T1OSI/ECCP2/P2A
RC0/T1OSO/T13CKI
RC7/RX1/DT1
RC2/ECCP1/P1A
RB5/KBI1
3.3V
5V
GND
10
12
14
16
18
20
22
24
26
RC6/TX1/CK1
RC3/SCK1/SCL1
RC5/SDO1
RB4/KBI0
RC4/SDI1/SDA1
3.3V
5V
GND
図 5:シリアル通信用追加回路
DSR
4
DTR
6
TXD
RXD
RTS
CTS
GND
5V
2
3
8
7
5
16
14 Vcc 11
T1o T1i
13
12
R1i R1o
10
7
T2o T2i
9
8
R2i R2o
1 C1+
1μ
1μ
3
2 +
コネクタの信号配置は
C1- V+
PCとストレートケーブルで
4 C2+ V- 6
接続する場合
+
1μ
1μ
+
5
C2GND
15 MAX232
DB-9P
+
CN2-3,4,23,24
TX1
CN2-12
RT1
CN2-13
RB4
CN2-18
BUTTON0
GND
CN2-1,2,25,26
5V
CN5
5V
R12 2.2K
R11 2.2K
D5
D6
RY1
RY0
R1
C6
0.1
SW1
R15
10K
R7
0.1
C7
R2
51
R14 330
R4
51
R13 330
CN2-18
CN2-17
R6
2.2K
2
5
6
1
R3
51
L1
2
TC
1
T+
3
T-
9 LED
11 LED
SG
8
T1
トランス内蔵
12
D2
D1
10
Q2
黄
5V
RY1
5V
リレー
RY2
Q1
5V
リレー
5V
RJ-45コネクタ
緑
R17
4.7K
R16
4.7K
4
R+
6
R-
R5
51
C8
0.1
CN2-16
CN2-20
CN2-14
CN2-15
RY0
VDD
3
SO
WP#
7
SI
HOLD#
SCK
IC2
CE#
VSS
4
RY1
改訂
KBC-P18LAN2 回路図
date 2011.03.09
title
SST25VF016B
2.2K
2.2K
6
ICSP
VddRX
TPIN+
TPINVssRX
RB4/KBI0
RB5/KBI1
RB6/KBI2/PGC
X1 25MHz C1 22P
VSS
OSC2/CLKO
OSC1/CLKI
VDD
C2 22P
RB7/KBI3/PGD
RC5/SDO1
RC4/SDI1/SDA1
RC3/SCK1/SCL1
RC2/ECCP1/P1A
GND
64 63 62 61 60 5958 57 56 55 54 5352 51 50 49
48
47
46
45
44
43
42
41
40
39
38
37
36
35
34
33
1
RB7/PGD
RB6/PGC
IC1
PIC18F67J60
CN2-8
CN2-9
CN2-10
CN2-11
CN2-12
CN2-13
R9
10K
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32
C9
0.1
CN2-6
CN2-7
C5
10
3.3V
RE1/P2C
RE0/P2D
RB0/INT0/FLT0
RB1/INT1
RB2/INT2
RB3/INT3
MCLR
RG4/CCP5/P1D
VSS
VDDCORE/VCAP
RF7/SS1
RF6/AN11
RF5/AN10/CVREF
RF4/AN9
RF3/AN8
RF2/AN7/C1OUT
+ C10
100
MCLR
VDD
CN1-19
CN1-20
CN1-17
CN1-8
CN1-12
CN1-6
CN1-9
RE2/P2B
RE3/P3C
RE4/P3B
RE5/P1C
RD0/P1B
RD1/ECCP3/P3A
RD2/CCP4/P3D
VDD
VSS
VSSPLL
VDDPLL
RBIAS
VssTX
TPOUT+
TPOUTVddTX
RF1/AN6/C2OUT
ENVREG
AVDD
AVSS
RA3/AN3/VREF+
RA2/AN2/VREFRA1/LEDB/AN1
RA0/LEDA/AN0
VSS
VDD
RA5/AN4
RA4/T0CKI
RC1/T1OSI/ECCP2/P2A
RC0/T1OSO/T13CKI
RC6/TX1/CK1
RC7/RX1/DT1
CN2-5
CN1-21
CN1-24
CN1-22
CN1-23
CN1-26
CN1-25
CN1-13
CN1-14
IC3
OUT
GND
C3
10
CN2-1
CN2-2
CN2-25
CN2-26
CN1-11
CN1-18
CN1-10
CN1-15
CN1-7
CN1-16
IN
CN2-3
CN2-4
CN2-23
CN2-24
C4
10
CN2-21
CN2-22
R8
4.7K
ry1
D3
R10
4.7K
ry2
D4
COM
RELAY0
1
NC
2
COM
NC
NO
CN3
3
RELAY1
1
2
NO
CN4
3
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