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日本防犯設備協会技術標準 SES E 2011-2 指紋認証装置規格 Standard for Fingerprint Identifiers for Access Control System 1999 年(平成 11 年) 6 月 9 日 2009 年(平成 21 年) 3 月 31 日 制定 改正 JSSA 社団法人 日本防犯設備協会 SES (社)日本防犯設備協会技術標準 E 2011 - 2 指紋認証装置規格 1999 年 6 月 9 日制定 2009 年 3 月 31 日改正 Standard for Fingerprint Identifiers for Access Control System 2009 年 3 月 31 日改正 1 適用範囲 この規格は、出入管理装置のうち屋内で使用される指紋認証装置について規定する。 2 用語及び定義 この規格で用いる主な用語及び定義は、SES E 0001-5(防犯に関する用語)によるほか、次による。 (1) 指紋情報 指紋による認証を行うために、指紋から個人の特徴を抽出した情報をいう。 3 基本構成 本装置の基本構成を図 1 に示す。 認識部 指 紋 情 報 読取部 表示部 電源部 ※3 ※1 ※4 制御部 判別部 判別するための 情報部 制動部 付属機器部 インターフェース インターフェース 情報登録抹消部 ※2 時計部 電源部 ※2 制動部 付属機器部 図 1 指紋認証装置構成 -1- 注: ※1 ※2 ※3 ※4 ※1 分離型もある。 付属機器部から入力する場合もある。 音、音声も含む。 認識部制御部一体型もある。 SES E 2011-2 4 要求基準 次に定める項目以外については、SES E 2002-2 (出入管理装置共通技術基準)および個別規格に準ずる。 4.1 機能 次の機能を有するものとする。 (1) 情報の読取・判別 出入する人の指紋情報を読み取ること。また読み取った指紋情報があらかじめ登録 されている指紋情報か否かを判別すること。 (2) 制動部への制御信号の出力 判別結果に応じて制動部に制御信号を出力すること。 (3) 制御部と付属機器部間の伝送 必要に応じて制御部と付属機器部間は情報の伝送を行うこと。 (4) 情報登録抹消 指紋情報の登録および抹消を行なうことができること。 4.2 性能 (1) 指を置いてから、制動部への信号出力までの時間 95%以上が 2 秒以内 (2) 認証精度 本人拒否率 1%以下 他人受入率 1%以下 (3) 停電補償 (a) 停電補償時間は停電補償機能を有する指紋認証装置にあっては電力会社の平均停電時間を補 償する場合には 5 分以上、警備会社への通報を前提にしたシステムの場合には 30 分以上が望まし い。 (b) 停電復旧時の動作は停電前の状態に戻すことが望ましい。 (c) 停電時はメモリを保護すること。 4.3 運用・操作 4.3.1 表示 警報及び判別結果を LED ランプ、液晶などにより表示することが望ましい。 4.3.2 音 警報及び判別結果を電子ブザー、音声ガイダンスなどにより出力することが望ましい。ただし、音の停 止設定ができることが望ましい。 4.3.3 警報出力 次の警報を付属機器へ出力することが望ましい。 また警備会社に接続されている場合は同じく出力すること。 (1)制御部の不動作時 (2)扉の異常連続開放 (3)扉のこじ開け (4)不正指紋の使用 (5)装置のこじ開け 4.4 構造 (1) 装置表面が容易に取外しできないような構造となっていること。 (2) 必要に応じてこじ開けを検出する機能を設けること。 (3) 配線ケーブルを隠蔽工事ができるような構造とすること。 5 試験方法 5.1 標準試験状態 (1)本管埋装置の標準試験は、周囲温度 15~35℃ の室温にて行うこと。 (2)本管理装置の設置位置は、付属された取扱説明書に従って行うこと。 (3)取扱説明書に記載された最大配線距離にて行うこと。 5.2 認証精度試験方法 (1)本人拒否率 20 才から 60 才までの男女 100 人を無作為に抽出し、100 人各 10 指(全 1000 指)を各々10 回照合試験(合計 10000 回)を行い、 3 回続けて拒否の時が 1%以下のとき、 本人拒否率 1%以下とする。 -2- SES E 2011-2 試験回数 1 登 録 照 合 No.1 の人の No.1 の人の 3 回以内で受入なら受入 1 回 右手親指登録 右手親指を照合 3 回続けて拒否の時は拒否 1 回 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 11 受入/拒否判定 10 回判定する No.1 の人の No.1 の人の 右手人差指登録 右手人差指を照合 同上 ・ ・ ・ ・ ・ 91 No.1 の人の No.1 の人の 左手小指登録 左手小指を照合 同上 ・ ・ ・ ・ ・ 9991 No.100 の人の No.100 の人の 左手小指登録 左手小指を照合 同上 10 回判定する 合計試験判定回数 10000 回。 うち NG が 10 回あったとすると 本人拒否率:10/10000=0.1%となる。 図 2 本人拒否率試験例 (2)他人受入率 20 才から 60 才までの男女 101 人を無作為に抽出し、ある特定の人の 1 指を他人 100 人 の全 1000 指と照合を行う。これを 10 人行い(合計 10000 回の照合試験)、1 回でも他人を受け入れてしま う場合が 1%以下のとき、他人受入率 1%以下とする。 -3- SES E 2011-2 試験回数 1 2 1000 1001 2000 9001 10000 登 録 照 合 No.1 の人の No.2 の人の 右手人差指登録 右手親指を照合 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ No.2 の人の 右手人差指を照合 No.101 の人の 左手小指を照合 No.1 の人の 右手人差指登録 右手親指を照合 同上 同上 同上 No.2 以外の人の 指で照合試験を行う No.101 の人の 左手小指を照合 No.10 の人の No.1 の人の 右手人差指登録 右手親指を照合 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 回のみで受入拒否判定を行う ・ ・ ・ ・ No.2 の人の ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 受入/拒否判定 同上 同上 No.10 以外の人の 指で照合試験を行う No.101 の人の 左手小指を照合 合計試験判定回数 10000 回 うち受入が 10 回あったとすると 他人受入率:10/10000=0.1%となる。 図 3 他人受入率試験例 -4- 同上 SES E 2011-2 (3) (1)(2)の試験サンプルは同じ人とする。また(1)(2)の試験は引き続いて行うこと。 関連規格:SES E 0001-5 防犯に関する用語 SES E 0004-2 環境試験規格 SES E 2001-2 出入管理装置一般基準 SES E 2002-2 出入管理装置共通技術基準 電気用品安全法 -5- SES E 2011-2 指紋認証装置規格[解説] (1) まえがき 指紋認証装置は、電算室やオフィスなど屋内で使用されることを想定して規定している。 (2) 指紋認証装置の認証時間 指紋認証装置の認証時間は指紋の読み取り完了をどの時点とするかの定義で異なるが各メーカによって 読み取り方式が異なるため、本規格ではキーパッド入力によりあらかじめ登録されている指を読み出した 後、指が本装置に触れてから制動部へ信号が出力されるまでとした。キーパッド入力は精度的にも向上す るため安全上好ましい。また認証方式も各メーカによって異なるため認証時間は 95%以上が 2 秒以内で認 証完了することを性能規格とした。 (3) 指紋認証装置の精度 指紋認証装置の精度は本人拒否率と他人受入率の 2 種類の精度がある。この 2 種類の精度は相反する。 つまり本人拒否率を 0%に近づけると他人受入率は上昇し、 他人受入率を 0%に近づけると本人拒否率は上 昇してしまう。またオフィス用を想定したため認証精度の試験方法も 20 才から 60 才までの男女に限定し 子供と老人は対象外とした。 本規格では、認証精度に関し本人拒否率を 1%以下、他人受入率を 1%以下とした。より高い認証精度を 実現している指紋認証装置も存在するが、認証精度の評価に用いる指紋情報の取得条件により認証精度は 変化する。指紋情報の取得条件が変化した場合でも満たすべき最低限の値として規定した。 (4) 指紋認証装置の運用 指紋認証では指を怪我した場合や指紋が無い人などは装置を使用できない。また寒いときは使用しにく いことがある。 そのために 2 指登録や特殊な暗証番号入力だけで出入りできるような仕組みも必要である。 -6- 審議委員会: 技術部会 技術基準委員会 委員長 : 石橋 総太郎 (東洋テック株式会社) 副委員長: 高橋 雅吾 (パナソニック電工株式会社) 委 員 : (警報システム分科会) 兼主査:高橋 雅吾 加倉井 伸行 天野 博之 住岡 和人 瀬沢 外茂幸 緑川 則和 吉岡 隆士 安田 寛徳 田中 祥造 増田 誠良 堂本 耕造 特別委員:吉原 久雄 (パナソニック電工株式会社) (NEC インフロンティア株式会社) (オプテックス株式会社) (サクサ株式会社) (高千穂交易株式会社) (竹中エンジニアリング株式会社) (竹中エンジニアリング株式会社) (株式会社日本アレフ) (富士通テレコムネットワークス株式会社) (ホーチキ株式会社) (パナソニック株式会社) (株式会社パトライト) (出入管理分科会) 主査:松尾 直樹 平田 成弘 村方 洋二郎 征矢 一浩 河合 秀規 秋葉 浩司 前田 卓志 宮本 敦 (株式会社山武) (株式会社アート) (株式会社ゴール) (セントラル警備保障株式会社) (ニッタン株式会社) (ホーチキ株式会社) (三菱電機株式会社) (美和ロック株式会社) (映像監視分科会) 主査: 角谷 浩史 藤井 慶太 小峰 憲 菅谷 卓実 三沢 賢洋 細川 昇 堂本 耕造 宇都宮 孝志 (アイホン株式会社) (NEC インフロンティア株式会社) (株式会社セキュリオン) (ソニー株式会社) (TOA 株式会社) (株式会社日立国際電気) (パナソニック株式会社) (東芝テリー株式会社) 事務局:境 俊夫 (社)日本防犯設備協会 ※ 平成 21 年 3 月 15 日 現在 SES E 2011-2 指紋認証装置規格 発 行 2009 年(平成 21 年)3 月 編 集 社団法人 日本防犯設備協会 技術部会 技術基準委員会 この規格は、著作権法で保護対象となっている著作物です。本書に記載の内 容を転載される場合は、事前に(社)日本防犯設備協会の承諾を得てください。 この規格についての意見又は質問は、(社)日本防犯設備協会 技術担当にご連 絡ください。 なお、SES E 規格は、少なくとも 5 年を経過する日までに(社)日本防犯設備 協会 技術部会の審議に付され、速やかに、確認、改正、廃止されます。 発行所 社団法人 日本防犯設備協会 〒105-0013 東京都港区浜松町 1-12-4(第 2 長谷川ビル) TEL:03-3431-7301 FAX:03-3431-7304 E-mail:[email protected]