Download "取扱説明書"

Transcript
・監視を重視せよ
巷頭事讐
1葬 :保 守
!
イオンディライト、
再生可能エネルギーメンテナンス事業を展開
総合 FMS(フ ァシリティマネジメントサ ービス)の 提供 により、イオングル ープ内外で約 1万 件の商業施設やビルなど
の建 物 /施 設の管理・運営 を行 う
「イオンディライト」がこのほど、太陽光発電システムの運転管理・保守点検 (0&M)
事業 に乗 り出した。 同社 のワンス トップサービスに早くも注 目が高 まっている。
全 国に 400を 上回るサー ビス拠点
1000名 を超える電気主任技 術者
固定価格買取制度 (FIT)を 受けて、
きな課題となる。
これ らの市場 ニーズを踏まえ、同社が
気主任技 術者 (第 一種、第二 種、第二
※1)や
種合計 1,081名
技術 スタッフを配
新たに手掛けたのは、40年 以上にわた
置することで、幅広 い領域でトータルソ
り建物管理の経 験で培 つてきた技術と
リューションを提供している。
異業種から太陽光発電事業に新規参入
するケースが相次 いでいる。 こうした
信頼、豊富な人材やサービス拠点数と
いつたリソースをフルに活用した○&M
の共同出資による太 陽光発電の管理・
中、最近急速に関心を集めているのが
事業である。イオングループという強力
運 用専 門会社の設 立 により、売電 事
太陽光発電システムの運転管理や保守
なバックボーンの もと、全 国に400を 上
業 にも参 画。採 石場 跡 地に設 営 され
回るサービス拠点を持 つ同社は、設備
る16.9MWの メガソー ラー発 電 所 の
また、 昨年には静岡 県 にて、他社と
点 検 といったいわゆるO&M業 務だ。
特 に、発電事業の知 見を持たない新規
管理のノウハウや豊富なアライアンスネ
○&Mも 同社が行う。太 陽光発電所の
プレーヤーにとっては、事業を継続する
ツトワークを武器に、顧客 のライフサイ
○&Mも 含めで エネルギー分野におけ
上で、公的資格や技術、ノウハウが必要
クルコス トの最小化に努めてきた。その
るノウハウの蓄積を図 つている。
な○&Mの アウトツーシング化は今後大
各拠点に豊富な知 識と経験を有する電
太陽光発電設備 モニタリングクラウドサービス ィメージ
O&Mサ
ー ビス 3つ の 特 徴
同社が新たに展開する○&Mサ ービ
スの特徴 は、大きく次の3つ だ。一つ目
パヮー
コンディショ
ナー
は、発電事業における法令遵守 (コ ンプ
変電設備
ライアンスの強化 )に 伴う運営支援サー
ビス。
二つ目は、発電量を見える化する「モ
気 象 センサー
ニタリングクラウドシステム」だ。開発 に
携わ った同社再生可能 エ ネルギーメン
喘l桑
テナンス事業推進部長の仲宗根 満氏
「発電事業を開始するに当たり、電気
は、
無線通信 (携 帯電話回線
)
醜
I rr*l-1,tg{g
●現 地 タプレット端 末
各発電所の発電データ
から、発電妥当性分析、
故 障 検 知 メール 発 報・
メンテナンス層歴
・巡回現場】
常駐現場
【
現 地 調 査 し、情 報 をコール センターヘ 報 告 。
異 常 があれば 対応 。
発 電 機 会 の ロスの 最 小 化 。
36
2ol4.sp
wney?J.
監視・分析
異常検知時は現地へ連絡
―
彙●
デー,
―
彙●
‐ タ
―
●●
データ
供給者は 20年 間のメンテナンス体 制を
担保することが法 律で義務付けられて
いま曳 それをしっかり見守る機能を盛
り込んだのがこのクラウドシステム。操
作手順や管理手法、連 絡体制の一覧と
太陽光発電設備 モニタリング・クラウドシステム (WEB画 面例
)
WEB"画
面
各機器類仕様等
︼
︻
︼
マニュアル図面等添付可能
お客さまWEBサ イト
※ヘッダーカラー、口」など
お客さまのデザインに変更司
●
●●
‐
●
●
'●
…
口‐
¨¨
¨
¨一¨
一
再生可能 エネルギーメンテナンス事業推進部長
仲宗根 満 氏
◆発電量・発電性能等を「見える化」
◆蓄積データーを基に、発電性能を
分析し保守メンテに反映。
がらみがなく、それぞれの機器 の特性を
客観的 に評価・分析 し、お客さまに正確
いった情報 から、取扱説明書 や設備の
図面 、マニュアルなどのサービスガイド
され、適切なタイミングでコールセンタ
かつ最適 な情報 をご提供できます」。
ーから管理現場及びお客さまに情報提
環境 や設備構成などによつて若干前
後するが、同社 はこの3つ の主要サービ
て、見たい時にいつでも開覧できるシス
供 を行うなどのサービスを盛り込んだ。
○&Mサ ービスの三つ目の特徴 は、手
テムです。たとえlよ 設備の担当者 が 20
厚 い定期点検 である。太陽電池 に障害
年間の間に何人も変わる場合、取扱説
物 が載つていたり、 日陰 になったりして
明書 などの重要書類が紛失したり、破損
したりするリスクが増えます。 しかし、ク
いないか、ボルトが緩んでいないかとい
スを取り入れたO&M費 用を、lMヽ r当
∼
たり年間約 300万 円 (税 別)に 設定する
※2。
市場ニーズに即した新サービスの関
心は高く、すでに多くの引き合 いが来て
った点検 に加え、天災や火災、窃盗、い
いる状況 だ。
ラウド化することでそうしたリスクを回
たずら、野生動物の侵入など日常のさま
「当社 は建物 も太陽光発 電設備 の管
避 できる上、簡便性が大 幅に向上しま
ざまな事象に対 して、技術者が現地 に
す」と開発の狙 いを語 る。
急行 し対処するサービスを展開する。
理も一括 してでき、総合 FMS提 案も可
能 です。お客さまのライフサイクルコス
まで、すべ てクラウドの中に格納が出来
また、顧客 とメールで情報 のやり取
りをするコミュニケーシヨンツールも活
用。履 歴が残るので、設備管理台帳の
長年の建築物管理 ノウハウを
フル活用。正確・最適な情報提供
ように過去をさかのぼつてチエックする
「全国各地のサービス拠点で、有資格
ことが可能 になる。
さらにこのモニタリングクラウドシス
者 の技術 スタッフが長年、建物等を管
理 してきたリソースをそのままフル活用
テムには見守リサービス(監 視サービス)
できるのが我 々の強みです。今 回開発
が付 加 されているのが大 きな特 徴 で、
したモニ タリングクラウドシステムによ
24時 間 365日 運営のコールセンターと
連動 し専門スタッフが対応するなど バ
り、遠隔監視 からモニタリンス さらに
は現場復旧やメンテナンス履歴 。ノウハ
ックアップ体制が万全だ。部品などの交
ウの蓄積までをワンストップで提供でき
換修理 や定期的な取 り替 えといったス
ケジュールについてもシステム上で管理
ます。また、当社 はメーカーではないた
め、設備のハー ド面 に関 しては、何らし
トを低 減することでお役 に立ちたいと
考えています:何 なりとご相談 いただき
●
たくご連絡お待ち申し上げます」。
AONttghυ
fズ ンデイライト株式会社
営業本部
面0120-801-891
東 京都 中央 区明石 町 8‐ 1聖 路加タワー 8F
当社事業の動画をご覧いただけます。
ホ=ム ページより、
(動 画の内容を変更または終了する場合があります)
:楷 r`鵠 :異11需 fghtC°
醐
Jpノ
ビジネス 2014 SP
巻 頭 特 集
保 守・ 監視 を重視せよ
!
出力低下ではすまない不具合も発生
太陽光発 電 システムに不可欠なモニタリングだが、その手法は多様だ。
コス トとリスクを比較し、どのレベルで行うかが重要となってくる。
しかし、それだけではない。安全性が脅かされるレベルの不具合には早急に対応 しなければならない。
メガソーラにおけるモニタリング
20モ ジュール/ス トリング(4kW)
5接 続 箱 /イ ンパ ー タ (500kW)
(500ス トリンク
14イ
)
4-20箇
`
ン′
―夕
)
所 の測 定 点 ,0.8-40%の 出 力 変 化 検 出
東京工業大学 植田譲助教資料
あらためて一―太 陽光発電のモニタ
電する太陽光 発電事業のカギとなりつ
線で見る、ストリング電流で見る等の手
リングはなぜ必要なのだろうか。ひとつ
つある。それだけではない。安全性の
法を充実させていくことが求 められてい
には、太陽光発 電 システムの発電性能
観点からも問題がある。
るのである。
の評価 (あ る条件下でどのくらい発電す
東京 工 業大学大学 院理 工学研究科
るか)が ある。そして、実務ベースではシ
「現実 レベルで、ある
助教の植田譲氏は
ステムの健全性の確 認 (参 照発電量 (日
射量等を使つた推定値または近 隣 シス
程度の確率で起きてしまうモジュール内
セルのクラック。ホットスポットになって
500kWの インバータ4台 で構成されて
テムの実測値 )と 実 際の発電量を比 較
いたとしても、バ イパ スダイォー ドが働
いるとしたときに、センサーを取 り付け
する)、 故障検出 (発 電特性を解析 して
いていれば全体 的 には軽微な出力低下
る測定点はいくつ必要になるだろうか。
高精度に)が あげられる。
ですみますが、バ イパスク ォー ドが壊
こうしたモニタリングを、いかにコス
モ ニ タ リング の経 済 性 を考 える
2MWの システムで 考 えてみ よう。
システムに用 いられ るモジュールは、
れてしまうと、不良部分が拡大 し、正常
200Wな
トとリスクとのバランスをとりながら行 つ
に働 いている部分に電流が集中しま丸
ーつひとつを計測する場 合、測定点は
ていくかが、収益性を保ち、安定して発
すると、発熱の影 響でガラス割れが起こ
10000か F f。
り、バ ックシー ト破れが発生し、そのよ
ストリングス単位で計測するなら、 1
うな部分を手で触ると最悪の場合 には
本が4kWで あれば 500本 となり、測定
感電するなどの安全性の問題にもつな
点は500ヵ 所。
が りま丸 しかし、単に発電量で見ると、
東京工栞大学大学
院理工学研究科
助教 糧田■氏
38
2ol4.sp
Fftfrtz
らば 1000o枚 。 モジュール
接続箱単位なら、 100kWの 容量で
25%出 力低下 したモジュールも、9直 4
並のアレイ内では 1%程 度の影響のみ。
20カ 所。
わからないので劇 と話丸
る。
ではどうするか。経済性 の中で、赤外
インバータの計測なら│よ 4カ 所 とな
植 田氏はメガソーラーの設置にあた
修理するべ き故障とは
性能を維持 し、かつ、安全
掛川市 とジョイントでインターネットを
性 を担保 していくことが重
活用 した太陽光発電 自己診断支援 シス
テム“しっかりSUN"を 開発・運営 して
要 となる。
●発電事業者の立場では、
保饉期日中の故障については無償交換を期待
クレームベースの保証体制
故障モジュールの特定は誰 が行うべ きか ?
全てのモジュールに対 して健全性を維持するべ きか ?
0年 固 1°/.程 度の劣化は想定の範囲内
全てのモジュールの健全性を維持するのは高コス ト
システムとして発電性能を維持 していれば,修 理・交換は不
要か ?
システム保証,発 電量保証に向かうか ?
0故 障なのか劣化なのか
黄変・デラミネーション (自 濁)→ 電流の低下
配線抵抗増加 → 電圧・FFの 低下
ホットスポット → 電流・電圧・FFの 低下
パックシー ト破れ
セル割れ・ガラス割れ 。
安全性
→ 短絡 地絡 感電 アーキング
パイバスダイオー ド故障 → ス トリング脱落 アーキング
断線 → ス トリング脱落 アーキング
0安 全に饉わる故障は違やかに修理すべ書
不具合 について、出力低
いる。掛り
│1市 役所が測定 した日射量・気
下 を呼ぶレベルのものなの
温データが毎分 リアルタイムで東京工業
か、安全性に問題を生じて
大学 に送信され、データに基づ き、利用
いるのかの判 断 は重 要 な
「黄変やデラミネーシ
点だ。
者 のシステム構成 に合 わせた現在の推
ョン (自 濁 )は 電流 の低下
にWeb上 で提供 してくれる。
定発電量を算出 し、IDを もつユーザー
を、配線抵抗増加 は電圧・
任意の期間の発電電力量が算出され
FFの 低下を、ホットスポット
るため、ユーザーは定期的 に発電電力
は電流・電圧・FFの 低下を
量を確認することで簡易的な故障診断
もたらします。ここまでは出
が可能となってくる。
現在 は、JST
力低下を呼ぶもので現 し
大量のモジュールの中からどうやつて見つけるのか ?
CRESTの EMS研 究領
かし、セル割れ・ガラス割
れ 。バ ックシー ト破れ は短
域において衛星 データによる日射推定
地絡・感電・アーキング
絡。
を進めている。東海大学 中島研究室 ら
東京工業大学 植田藤助教資料
を利用し、“しつかりSUN"の 全国展開
っては、インバーター単位と接続箱単位
のモニタリングの間の検出レベルで、ス
に、さらにバイパスク オード故障や断線
との連携により、 lkmメ ッシュで、30分
は、ストリング脱落やアーキングにつなが
おきで全 国の日射量、気温データを反
トリングごとの故障を発見しうるモニタ
リングシステムの最適解があると考えて
り、危険で丸 安全 にかかわる故障は速
やかに修理すべきと言えます」(植 田氏 )。
映させることが可能 になり、まずは、全
「全ストリングを計測することがで
いる。
きるならば、越したことはありませんが、
それが難 しい時に、どこまで細かく計測
ができるかです」(植 田氏)。
フリーの住宅用自己診断システム実
用段階間近
住宅用の診断システムでは、個別の計
国の市町村役場 、1917地 点での対応を
始めている。
植田氏 は「システムの安定性 を試 しな
がら、広く、オープンに利用できるように
早期 に開発 を進めたい」としている。 ●
測 機 器 がない ことを前 提
安 全 性 にかか わ る故 障 を
速 や か に修 理 す べ き
ところで、発電事業者 の立場では、保
証期 間中のモジュール故 障 については
無償交換 を期待してしまうが、現在 はク
に、様 々なシステム構成を
ステムの故障検出を行うこ
ととなる。
ストリングス構成 は4∼
5本 となるため、 ストリン
用 の太 陽光発電事業 において、故障モ
ジュールの特定 は誰 が行 うべ きで、全
グ 1本 が故障すると、20%
前後 の出力低下がおこるた
てのモジュールに対 して健全性を維持す
め、まずは故障個所 のある
るべ きだろうか。年間 1%程 度の劣化は
ストリングを特定 し、メン
想定の範囲内であることを考えれ ば、全
テナンスを行 つていくこと
てのモジュールの健全性 を維持するの
になる。
では、計 測機 器がない
単 にモジュール 1枚 1枚 の健全性 を重
中でいかに発見するか。植
視するのではなく、 システムとして発 電
田氏は、4年 前から静岡県
推
臨‐
懸鮮
圏爾□■電
■四■躍
0.1rr
確憫秤哺
レームベースの保証体制 だ。公共産業
は高 コス トである。
現在の推定発電量をweb上 で提供
持 つ住宅用太 陽光発電 シ
剛
ム
気
象
露
田
口
1
艦〔
東 京 工 業 大 学 植 田譲 助 教 資 料
鵬
ビジネス 2014 SP