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ご使用前に必ずお読みください
DC モーターボード
MT-E508 取扱説明書
この度は DC モーターボード MT-E508 をお買い求めいただきまして誠にありがとうございます。本製品は
VPort with Power 規格を採用した、各種マイコンボード向けの拡張ボードです。DC モーターとモーター
の回転数を検知するための赤外線センサー(フォトインタラプタ)、モーター電圧を調節できるボリューム抵
抗を搭載しています。VPort with Power 規格を採用しているマイコンボードと組み合わせて使用すること
により、効果的なマイコン制御の学習を行うことができます。
本製品をお使いいただく前のご注意
●本製品をお使いになるには電子工作や電子回路についての一般的な知識、マイコンについての知識や開発
環境などが必要です。
●本製品をお使いになる前には、必ずマイコンのドキュメント類を参照してください。
●静電気に弱い部品を使用していますので、静電気対策を施した上で本製品を取り扱ってください。
●本製品に付属の基板スタンドは、基板の取付穴に差し込んでご使用ください。
1.MT-E508 の構成
本製品の構成を以下に示します。
DC モーター
ドライバ IC
仮想ポート
コネクタ(VPT)
+5V
モーター
電圧調整
3.5V
TA7291FG
HSOP-16
2
10
1
9
VPT(O4,I1) PWM, CTR3, SENS
B5
モーター電圧調整
ボリューム
B3
B2
B1
B0
3V
BRK
2.5V
1
ENB PWMSENS DIR
TB1
1
VR1
74AHC14
TSSOP-14
74AHC14
TSSOP-14
74AHC14
TSSOP-14
DC モーター
LED2LED3
回転体
IN1
IN2
BRK
CW
CCW
STP
PH1
DCモーター
・電圧:3V±0.5V
・電流:35∼550mA
DC Motor Board
フォトインタラプタ
図 1 MT-E508 の構成
MODEL
IN1
1
1
0
0
MT-E508
IN2
1
0
1
0
2.仮想ポートコネクタ
「VPort with Power」規格に対応した、2.54mm ピッチ 10 ピンのコネクタです。1 ∼ 8 番ピンに信号線、9 番ピンに
GND、10 番ピンに +5V が割り付けられています。各ポートのピン割付は以下のとおりです。
① VPT ポート
センサー信号入力端子、DC モーター制御信号出力端子が接続されています。
表 1 VPT ポートのピン割付
番号
信号名
接続デバイス
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
VPT0
VPT1
VPT2
VPT3
VPT4
VPT5
VPT6
VPT7
GND
VCC
DC モーター
フォトインタラプタ
DC モーター
DC モーター
DC モーター
DC モーター
DC モーター
フォトインタラプタ
接地
電源(+5V)
マイコン側
入出力設定
出力
入力
出力
出力
出力
出力
出力
入力
-
-
仕 様
回転方向切替信号、L:時計方向
L:回転体検出(8 番ピンと接続しています)
PWM 信号(5、7 番ピンと接続しています)
イネーブル信号、H:イネーブル
PWM 信号(3、7 番ピンと接続しています)
ブレーキ信号、H:ブレーキ
PWM 信号(3、5 番ピンと接続しています)
L:回転体検出(2 番ピンと接続しています)
-
-
3.使い方
(1)フォトインタラプタ
フォトインタラプタは赤外線の発光素子と受光素子が向かい合わせに配置されており、その間を何らかの物体が通過
して赤外線がさえぎられたことを検知するセンサーです。本製品ではモーターの軸に取り付けられている回転体を検
知し、それにさえぎられる間隔を計測することでモーターの回転速度を得るために使用します。
回転体が赤外線をさえぎると L レベルが出力されます。
また、VPT ポートの 2 番ピンと 8 番ピンは基板上で接続されており、どちらのピンにも同じ信号が出力されます。
(2)イネーブル信号(ENB)
この信号を H レベルにすると、DC モーターを制御する信号(PWM 信号、ブレーキ信号、回転方向切替信号)が有
効になります。この信号が L レベルのときはすべての制御信号が無効になり、
DC モーターはストップ状態(DC モー
ターの両端子に電圧がかかっていない状態)になります。
(3)PWM 信号
DC モーターに PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)信号
デューティ
を与えると、回転速度を制御することができます。DC モーターの回転速
100%
度はこの PWM 信号のデューティ比で決まります。デューティ比が 100%
のときにもっとも高速で回転し、デューティ比が小さくなると回転速度が
遅くなり、ある値以下になると回転しなくなります。
50%
25%
本製品ではこの PWM 信号の周波数は 100Hz ∼ 1kHz 程度にしてくださ
い。この周波数が低すぎたり、高すぎたりすると速度制御がうまく行えま
せん。
0%
図 2 PWM 信号
また、VPT ポートの 3、5、7 番ピンは基板上で接続されていますので、どれかひとつのピンから PWM 信号を与え、
残りのピンは入力に設定して信号同士がぶつからないようにしてください。
DC モーターボード
MT-E508
(4)ブレーキ信号(BRK)
100µsec以上ENB信号を
Lレベルにする
この信号を H レベルにすると、DC モーターの両端に電圧がかかり、ブレー
キ状態になります。
本製品では、DC モーターが回転しているときにブレーキ信号を変化させ
ENB信号
る場合(L → H または H → L)は、必ずブレーキ信号のレベルを変える
BRK信号
前に 100µsec 以上の間ストップ状態(イネーブル信号を L レベルにする)
にしてください。この処理を行わないと、モータードライバ IC 内部に貫
この間でBRK信号を
変化させる
通電流が流れ、ドライバ IC が壊れてしまいます。
図 3 BRK 信号
(5)回転方向切替信号(DIR)
100µsec以上ENB信号を
Lレベルにする
モーターの回転方向を切り替える信号です。この信号が L レベルのときに
DC モーターは時計方向に、H レベルのときに反時計方向に回転します。
本製品では、DC モーターが回転しているときに回転方向を変える場合(L
→ H または H → L)は、必ず回転方向切替信号を変える前に 100µsec 以
上の間ストップ状態(イネーブル信号を L レベルにする)にしてください。
この処理を行わないと、モータードライバ IC 内部に貫通電流が流れ、ド
ライバ IC が壊れてしまいます。
ENB信号
DIR信号
この間でDIR信号を
変化させる
図 4 DIR 信号
(6)モーター電圧調整ボリューム
このボリュームで DC モーターにかかる電圧を 3V ± 0.5V の範囲で調整することができます。これにより DC モーター
の回転速度を可変することができます。
実際に DC モーターがさまざまな機器に組み込まれて使用されている状況では、DC モーターにかかる機械的な負荷
変動により回転速度が増減してしまうことがあるため、常に回転数を監視し、回転速度を一定に保つための制御を行
います。
このボリュームはモーター電圧を可変することで、
このような回転数が増減する状況を作り出すことができますので、
DC モーターの速度制御プログラムの実習には最適です。
使用上のご注意
DC モーターの回転中に回転体やモーターの軸をおさえるなどして無理にモーターの回転を止めないでくださ
い。回転中の DC モーターを無理におさえて回転を止めると過大な電流が流れてしまい、本製品をパソコン
と接続して使用している場合は、パソコンの電源に深刻なダメージを与える場合があります。モーターを無
理に止める必要があるにもかかわらず、パソコンの電源能力に不安がある場合は、パソコンでプログラムを
書き込んだあと、電源を弊社製品「USB 電池 BOX(BU-C501)」と「AC アダプター(AD-S512)」の組
み合わせに取り替えてから動作させてください。
4.主な仕様
本製品の主な仕様を以下に示します。
表 2 MT-E508 の主な仕様
項 目
外形
電源
評価用入出力デバイス
仮想ポートコネクタ
入力デバイス
仕 様
72 × 95(mm)
DC +5V
フォトインタラプタ× 1
出力デバイス
DC モーター× 1
基板寸法
2.54mm ピッチ 10 ピンコネクタ× 1
図 5 DC モーター特性図
備 考
使用電圧:DC 0.7 ~ 6V
推奨電圧:DC 1.0 ~ 5V
消費電流:35 ~ 550mA
最大トルク:7.6gcm/3V
定格トルク:2gcm/3V
回転数:15,200rpm/3V
VPort with Power 規格準拠
D
C
B
VP1
1
2532-10
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
LED1
SML-310VTT86
RED
VCC
GND
VP17
VP16
VP15
VP14
VP13
VP12
VP11
VP10
R12
470
P5. L
100u/16V
C7
SENS
PWM
BRK
PWM
ENB
PWM
SENS
DIR
CN1
P5. L
100
100
2
100
R6
R16
100
100
R5
R15
R4
2
P5. L
2
1
2
7
GND
SN74AHC14PWR
7
14
0. 1u
P5. L
0. 1u
VCC
U1G
C9
14
R10
1k
B1
SML-310YTT86
YLW
C8
R9
2.2k
B0
SML-310VTT86
RED
B5
SML-310VTT86
RED
B3
SML-310VTT86
RED
B2
SML-310VTT86
RED
3
3
9
R11
10k
TC74VHC00FT(EL)
GND
VCC
U2E
5
6
1
8
P5. L
14
7
0. 1u
C10
3
4
TC74VHC00FT(EL)
GND
VCC
U3E
11
4
9
10
5
U2D
TC74VHC00FT(EL)
SN74AHC14PWR
U1D
13
12
2
U1C
U2A
SN74AHC14PWR TC74VHC00FT(EL)
4
3
8
TC74VHC00FT(EL)
U2C
6
U2B
TC74VHC00FT(EL)
4
U1B
SN74AHC14PWR
13
12
2
1
1
R13
1k
11
U3D
TC74VHC00FT(EL)
3
U3A
TC74VHC00FT(EL)
2
2
U1A
SN74AHC14PWR
5
R14
1k
10
9
5
4
0. 1u
C1
8
13
P5. L
12
11
U1E
C11
10
0. 1u
6
7
9
2
3
6
8
10
12
14
16
SN74AHC14PWR SN74AHC14PWR
U1F
R7
22k
2
5
RPI-441C1
PH1
6
Vref=2.5∼3.5V
R1
47k
E
Col
P5. L
VR1
NS-1003M B10K
TC74VHC00FT(EL)
U3C
6
U3B
TC74VHC00FT(EL)
LED2
SML-310DTT86
ORN
LED3
SML-310DTT86
ORN
2
1
1
5
3
1
A
2
2
1
1
2
1
2
1
4
3
21
8
5
6
7
1
3
4
2
8
6
5
7
1
1
TA7291FG(5)
NC
NC
NC
NC
NC
NC
NC
NC
I N1
I N2
Vr ef
U4
12k
R3
0. 1u
C3
10u
C4
1.0.0
Revision
0. 1u
C5
7
F1
P5. L
2
10u
C6
1
2
Red
Black
TEST POINT
TB1
8
SW107010
DRAWING No.
1
Sheet
to DC Motor
8
DCMotor Board
PWB-MTE508-A
Title
R8
100
0.1u
C2
nanoSMDC050F/13.2-2
1
2010/06/18
Date
MT-E508
1
F1
F2
4
13
15
11
P5. L
Product
GND
GND
GND
OUT1
OUT2
VS
Vcc
R2
200
P5. L
Cat h
A
7
1
D
C
B
A
DC モーターボード
MT-E508
5.回路図
本製品の回路図を以下に示します。
◎お願いとご注意
<サポート・お問い合わせについて>
●サポートに関する情報は当社のホームページ(http://www.sunhayato.co.jp/)に掲載します。
●本製品に関するお問い合わせは、当社ホームページのお問い合わせページ(https://www.sunhayato.co.jp/
inquiry/)よりお願いします。
●お問い合わせは本製品に関する内容のみに限らせていただきます。お客様が本製品を用いて設計した回路、それ
に起因する不具合などについてはお答えできかねますので、あらかじめご了承ください。
●お問い合わせの前には、設計した回路が間違っていないか、組立てたときに接続を間違っていないかなど、よく
ご確認ください。
<お取り扱いについて>
●子供の手の届くところに置かないでください。
●本製品は静電気に弱い部品を使用しています。
不慮の事故を防ぐために使用しないときは導電スポンジに挿すか、
帯電防止袋に入れて保管してください。
●電気的雑音を多く発生する機器のそばでのご使用は、誤動作の原因となりますので避けてください。
●直接日光の当たる場所、高温になる場所、湿気やほこりが多い場所では保管しないでください。
●本製品が「外国為替及び外国貿易法」に基づき安全保障貿易管理関連貨物・技術に該当する場合、輸出または国
外に持ち出す場合は、日本国政府の許可が必要です。
●本製品はマイコンの学習・評価用に使用されることを意図しています。高い品質や信頼性が要求され、故障や誤
作動が直接人命を脅かしたり人体に危害を及ぼす恐れのある、医療、軍事、航空宇宙、原子力制御、運輸、移動
体、各種安全装置などの機器への使用は意図も保証もしておりません。
●本製品の使用、
誤った使用および不適切な使用に起因するいかなる損害等についても当社は責任を負いかねます。
●一般的に半導体を使用した製品は誤動作したり故障することがあります。半導体の誤動作や故障の結果として事
故や損害などを生じさせないように考慮した安全設計をご購入者の責任で行ってください。
<この説明書について>
●この説明書の一部、又は全部を当社の承諾なしで、いかなる形でも転載又は複製されることは堅くお断りします。
●この取扱説明書に掲載しております内容は、本製品をご理解いただくためのものであり、その使用に関して、当
社及び第三者の知的財産権その他の権利に対する保証、又は実施権の許諾を意味するものではありません。
●本製品・製品仕様及び取扱説明書は、改良などのため予告なく変更したり、製造を中止する場合があります。
●本資料中の製品名および会社名は各社の商標、または登録商標です。
◎改訂履歴
Rev.
1.00
発行日
2010/9/20
ページ
-
改訂内容
初版発行
Copyright© 2010 Sunhayato Corp.
2010 年 9 月 20 日発行
REV.1.00
SG107010
ホームページ:www.sunhayato.co.jp